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特開2024-119582計測装置、計測方法、および計測プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119582
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】計測装置、計測方法、および計測プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0242 20230101AFI20240827BHJP
【FI】
G06Q30/0242
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026586
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】517238798
【氏名又は名称】Cinarra Systems Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細谷 正人
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】計数された成果数に基づき算出された広告またはWebページへの接触の効果についての詳細な分析を容易とする。
【解決手段】計測装置は、広告またはWebページに接触したユーザの所定のオフラインの行動に寄与したと判定される広告またはWebページへの接触の効果を算出する計測装置であって、所定のオフラインの行動として利用者装置を有するユーザが所定の地点を訪れた際に所定の検知方法に基づいて検知された利用者装置の検知に関する情報と、予め設定された計数条件とに基づき、所定のオフラインの行動を新規か否かに分類して計数する計数部と、計数部により計数された計数結果に基づき、所定の形式で出力情報を作成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告またはWebページに接触したユーザの所定のオフラインの行動に寄与したと判定される広告またはWebページへの接触の効果を算出する計測装置であって、
前記所定のオフラインの行動として利用者装置を有する前記ユーザが所定の地点を訪れた際に所定の検知方法に基づいて検知された前記利用者装置の検知に関する情報と、予め設定された計数条件とに基づき、前記所定のオフラインの行動を新規か否かに分類して計数する計数部と、
前記計数部により計数された計数結果に基づき、所定の形式で出力情報を作成する作成部と、
を有することを特徴とする計測装置。
【請求項2】
前記計数部は、前記所定のオフラインの行動として利用者装置を有する前記ユーザが所定の地点を訪れた際に、前記所定の検知方法として検知装置により検知された前記利用者装置の検知に関する情報と、予め設定された計数条件とに基づき、前記所定のオフラインの行動を新規か否かに分類して計数する、
ことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記ユーザの前記所定のオフラインの行動が新規か否かを判定するために用いる前記計数条件として、ルックバック期間を受け付ける受付部を更に有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
【請求項4】
前記計数部は、前記計数条件として、ルックバック期間に前記利用者装置が前記所定の地点で検知されたか否かに基づき、対象の期間中における前記所定のオフラインの行動を新規と既存とに分類して計数する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の計測装置。
【請求項5】
前記作成部は、所定の広告またはWebページのインプレッション数、もしくは所定の広告またはWebページのクリック数の少なくともどちらか一方と関連付く前記計数部の計数結果を用いて、予め設定された貢献度に関する情報に基づき重み付けして出力情報を作成する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の計測装置。
【請求項6】
前記作成部は、前記所定の検知方法に基づいて検知された前記オフラインの行動について前記広告またはWebページへの接触日、もしくは前記ユーザのオフラインの行動が行われた日の少なくともどちらか一方に関連付けて出力情報を作成する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の計測装置。
【請求項7】
広告またはWebページに接触したユーザの所定のオフラインの行動に寄与したと判定される広告またはWebページへの接触の効果を算出する計測方法であって、
前記所定のオフラインの行動として利用者装置を有する前記ユーザが所定の地点を訪れた際に所定の検知方法に基づいて検知された前記利用者装置の検知に関する情報と、予め設定された計数条件とに基づき、前記所定のオフラインの行動を新規か否かに分類して計数する計数工程と、
前記計数工程により計数された計数結果に基づき、所定の形式で出力情報を作成する作成工程と、
を含む計測方法。
【請求項8】
広告またはWebページに接触したユーザの所定のオフラインの行動に寄与したと判定される広告またはWebページへの接触の効果を算出する計測プログラムであって、
前記所定のオフラインの行動として利用者装置を有する前記ユーザが所定の地点を訪れた際に所定の検知方法に基づいて検知された前記利用者装置の検知に関する情報と、予め設定された計数条件とに基づき、前記所定のオフラインの行動を新規か否かに分類して計数する計数手順と、
前記計数手順により計数された計数結果に基づき、所定の形式で出力情報を作成する作成手順と、
を計測装置に実行させるための計測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測装置、計測方法、および計測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の広告配信システムでは、集客のための広告施策において、広告効果を測定するための成果数(例えば、来店等の潜在顧客から見込み顧客への転換点への到達回数等)の計数が行われている。具体的には、成果数として広告に接触したユーザの来店数を計数することで、広告が来店にどれだけ寄与したかを可視化する技術が知られている。
【0003】
例えば、従来技術では、ユーザによる広告掲載媒体の閲覧タイミングと予め設定された重み情報とに基づき、広告掲載媒体ごとの広告効果を算出する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-64782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の従来技術においては、計数された成果数に基づき算出された広告またはWebページへの接触の効果についての詳細な分析が難しい場合があった。
【0006】
例えば、従来技術は、ユーザによる広告閲覧に関するログに基づいて、広告掲載媒体ごとに算出される寄与度を用いて広告掲載媒体や広告キャンペーンごとの広告の効果を算出する。しかしながら、従来技術では、広告配信に係る成果数について、新規顧客と既存顧客の内訳を算出することが難しい場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決し目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、広告またはWebページに接触したユーザの所定のオフラインの行動に寄与したと判定される広告またはWebページへの接触の効果を算出する計測装置であって、前記所定のオフラインの行動として利用者装置を有する前記ユーザが所定の地点を訪れた際に所定の検知方法に基づいて検知された前記利用者装置の検知に関する情報と、予め設定された計数条件とに基づき、前記所定のオフラインの行動を新規か否かに分類して計数する計数部と、前記計数部により計数された計数結果に基づき、所定の形式で出力情報を作成する作成部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、計数された成果数に基づき算出された広告またはWebページへの接触の効果についての詳細な分析を容易とする、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る広告効果計測システムの構成を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る来店検知ロジックの一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るルックバック期間に基づく判別方法の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る広告効果計測システムの装置構成の一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る計数条件の概要を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る出力情報の一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る検知条件入力画面の一例を示す図である。
図8図8は、第2の実施形態に係る広告効果計測システムの装置構成の一例を示す図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る計数条件の概要を示す図である。
図10図10は、第3の実施形態に係る広告効果計測システムの装置構成の一例を示す図である。
図11図11は、第4の実施形態に係る広告効果計測システムの装置構成の一例を示す図である。
図12図12は、第4の実施形態に係る出力情報の一例を示す図である。
図13図13は、第1の実施形態に係る計測手順の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、第2の実施形態に係る計測手順の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、第3の実施形態に係る計測手順の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、変形例に係る計測手順の一例を示すフローチャートである。
図17図17は、本実施形態に係る計測装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る計測装置、計測方法、および計測プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明に係る計測装置、計測方法、および計測プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
〔1.全体概要〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る広告効果計測システム1の構成を説明する。図1は、実施形態に係る広告効果計測システム1の構成を示す図である。
【0012】
図1に示すように、広告効果計測システム1は、利用者装置10と、広告主装置20と、検知装置30と、計測装置100とを備えて構成されてよい。また、利用者装置10、広告主装置20、検知装置30、計測装置100は、ネットワークNWを介して、有線または無線により通信可能に接続されてよい。
【0013】
利用者装置10は、ユーザによって利用される情報処理端末であり、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等であってよい。また、ここでいうユーザとは、リアル店舗に出向いて買い物したり、サービスを受けたりする一般消費者(エンドユーザ)を指し示す。
【0014】
例えば、利用者装置10は、配信された広告を含む画面(広告媒体)を表示する。このような場合、ユーザは、広告に接触したユーザとなる。なお、本実施形態において広告への接触とは、広告が掲載されることだけでなく、広告に対する所定のユーザ操作(例えば、クリック)も含み得る。また、本実施形態においては広告ではない所定のWebページへの接触についても便宜上「広告への接触」と表現する場合がある。このように広告接触したことで興味を高められたユーザは、広告対象の店舗に訪問する場合がある。
【0015】
広告主装置20は、広告主によって利用される情報処理端末であり、例えば、スマート
フォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等であってよい。また、ここでいう広告主とは広告を入稿する入稿元を指し示し、例えば、広告主は、広告配信を仲介する配信事業者のクライアントとなっている企業であってよく、店舗を運営している場合がある。
【0016】
例えば、広告主装置20は、広告主の操作に応じて、計測装置100に対して広告配信
や来店計測に関する各種設定ができる。また、広告主装置20は、広告主の操作に応じて、計測装置100に対して広告自体の入稿も行うことができる。
【0017】
検知装置30は、広告主(例えば、配信事業者のクライアント企業)により運営されるリアル店舗に設置される装置であって、来客を検知するための装置である。例えば、検知装置30は、クライアント企業の店舗に設置されるWi-Fiアクセスポイントであってよく、広告またはWebページに対して予め付与されている特定のタグとの間で相互作用が得られた場合に、利用者装置10を有する利用者を店舗への来客として検知する。また、検知装置30は、配信事業者、あるいは、配信事業者のパートナー企業により提供される場合がある。
【0018】
計測装置100は、本開示の実施形態に係る情報処理装置の一例であり、来店計測に係
る一連の情報処理を行う。なお、本実施形態における計測装置100は、広告またはWebページに接触したユーザの所定のオフラインの行動に寄与したと判定される広告またはWebページへの接触の効果を算出する計測装置である。なお、計測装置100は、前提として次のような処理を実施可能である。
【0019】
計測装置100は、広告を管理するための複数種別の管理単位それぞれを1つの階層として構成される階層構造を取得できる。また、計測装置100は、管理単位ごとに登録される登録項目のいずれかを広告効果の測定単位とする設定を広告主から受け付けることができる。このような状態で、計測装置100は、測定単位として定められた登録項目の配下に紐づく広告群のうち、広告接触ユーザのオフラインでの行動に寄与したと判定される1の広告に対して広告効果を計数することができる。
【0020】
また、利用者装置10、広告主装置20、検知装置30は、顧客の近くでエッジ処理を
行うエッジコンピュータであることに対して、計測装置100は、クラウド側で処理を行
うクラウドコンピュータであってよい。すなわち、計測装置100は、サーバ装置であっ
てよい。
【0021】
(来店ロジックについて)
次に、図2を用いて、来店検知のロジックについて説明する。図2は、実施形態に係る来店検知ロジックの一例を示す図である。まず、図2の例によれば、配信事業者が提供する広告配信サービスでは、入稿された広告の掲載先となる広告媒体として、媒体M1、媒体M2および媒体M3が定められている。また、入稿された広告には、来店検知のためのタグTGが挿入される。なお、タグTGの挿入は、計測装置100によって行われてよい。
【0022】
このような状態において、利用者装置10は、タグTGが挿入された広告を含む画面である媒体M1を表示した場合には、利用者装置10の接触情報(ユーザが広告またはWebページに接触したことを示す情報で、以降は単に「接触情報」と表記)を計測装置100に送信する。接触情報には、利用者装置10を識別する端末情報、広告の掲載日時、掲載先である媒体M1を示す媒体情報等が含まれてよい。また、接触情報は、広告配信における配信履歴としての一レコードとして、接触/来店情報データベース121に蓄積されてよい。
【0023】
広告に接触したことで広告接触ユーザとなったユーザは、図2に示すように、検知装置30が備えられたリアル店舗に訪問したとする。係る場合、利用者装置10と、検知装置30とが近距離無線通信により接続され、この結果、検知装置30は、近距離無線通信を介して、利用者装置10を有するユーザを店舗への来客として検知する。そして、検知装置30は、来店検知を示す来店情報を計測装置100に送信する。来店情報には、利用者装置10を識別する端末情報、店舗を識別する店舗情報等が含まれてよい。また、来店情報は、広告配信における配信履歴としての一レコードとして、接触/来店情報データベース121に蓄積されてよい。なお、近距離無線通信の一例としては、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)等が挙げられる。なお、来店や屋外広告への接触情報の取得に際して、GPS(Global Positioning System)を含むGNSS(Global Navigation Satellite System)測位技術が活用されてもよい。例えば、利用者装置10は、当該利用者装置10にインストールされたアプリケーションによりGNSS測位技術等に基づいて取得された位置情報取得を用いて、来店や屋外広告への接触情報を取得してよい。
【0024】
なお、ここまで配信される広告を前提に説明をしてきたが、例えば、広告ではなく所定のWebページであってもよい。その場合、前述したタグTGは、広告ではなく所定のWebページに挿入されてもよい。
【0025】
(ルックバック期間について)
次に、図3を用いて、本実施形態の計測装置100による計数の概要を説明する。図3は、実施形態に係るルックバック期間に基づく判別方法の一例を示す図である。
【0026】
前述した通り、本実施形態の計測装置100は、短距離通信技術等を用いて広告またはWebページへ接触したユーザの保有する利用者装置10を検知することで、ユーザの来店数を計数する。そして、計測装置100は、所定の計数条件として「ルックバック期間」に基づいて計数を行うことで、来店ユーザを「新規顧客」と「既存顧客」に分類して計数を行うことができる。
【0027】
図3には左から右へ時系列(日付)順に、所定のイベントが記載されている。まず、計測装置100がユーザ40を「既存顧客」として計数するパターンから説明する。ユーザ40は、6/5に広告または所定のWebページと接触(閲覧)し、更に6/10に所定の店舗に来店したとする。この時、計測装置100は、ユーザ40の広告またはWebページへの接触情報と検知装置30により検知された来店情報とを用いて、ユーザ40を「広告またはWebページ接触に関連付く来店者」として計数する。ユーザ40は、5/15に同店舗に来店していたユーザであり、ルックバック期間が5/10から6/10に設定されていることから、計測装置100は、ユーザ40を「既存顧客」として計数する。
【0028】
次に、計測装置100がユーザ41を「新規顧客」として計数するパターンについて説明する。なお、ここでいうユーザ41は、ユーザ40と同一人物である前提で説明を行うが、別人物であってもよい。ユーザ41は、7/10に広告またはWebページと接触(閲覧)し、更に7/16に所定の店舗に来店した。この時、計測装置100は、ユーザ41の広告またはWebページへの接触情報と検知装置30により検知された来店情報とを用いて、ユーザ41を「広告またはWebページ接触に関連付く来店者」として計数する。ここで、ユーザ41は、今回の来店に係るルックバック期間(6/16から7/16)中に、同店舗を来店していない。そのため、計測装置100は、ユーザ41を「新規顧客」として計数する。
【0029】
このようにして、計測装置100は、予め設定されたルックバック期間の条件に基づいて、来店したユーザを新規顧客または既存顧客として分類して計数することができる。
【0030】
〔2.第1の実施形態〕
ここから、本実施形態の広告効果計測システム1により実現される第1の実施形態について説明を行う。第1の実施形態は、広告(インターネット上に配信されるバナーや動画等)と接触したユーザの来店数を計数し、更に「新規顧客」と「既存顧客」とに分類する実施形態である。
【0031】
具体的には、第1の実施形態の計測装置100は、ルックバック期間におけるユーザの来店有無に基づいて、当該ユーザが広告配信の行われるキャンペーン期間中に広告に接触し、対象の店舗に来店した場合に「新規顧客」または「既存顧客」と分類して計数する。
【0032】
〔2-1.広告効果計測システムの構成〕
次に、第1の実施形態に係る広告効果計測システム1について説明する。図4は、第1の実施形態に係る広告効果計測システム1の装置構成の一例を示す図である。図4に示すように、広告効果計測システム1は、計測装置100と検知装置30とが所定のネットワークNWを介して接続された構成を有する。なお、広告効果計測システム1に含まれる検知装置30の数は限定されず、複数の検知装置30が含まれていてよい。
【0033】
〔2-2.計測装置の構成〕
まず、第1の実施形態に係る計測装置100の構成例について説明する。図4に示すように、計測装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0034】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNWと有線または無線で接続され、計測装置100と検知装置30との間で情報の送受信を行う。
【0035】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図4に示すように、記憶部120は、接触/来店情報データベース121と、計数条件記憶部122とを有する。
【0036】
(接触/来店情報データベース121について)
接触/来店情報データベース121は、ユーザの接触情報と来店情報を記憶する。例えば、接触/来店情報データベース121は、図2に示す通り、利用者装置10によりタグTGが挿入された広告を含む画面である媒体M1を表示された場合に送信される接触情報を記憶できる。具体的には、接触/来店情報データベース121は、接触情報として、ユーザの利用者装置10を識別する端末情報、広告の掲載日時、挿入されたタグの情報、掲載先である媒体を示す媒体情報等を記憶してよい。
【0037】
他方、接触/来店情報データベース121は、図2に示す通り、利用者装置10が検知装置30の備えられたリアル店舗に訪問し、近距離無線通信技術に基づき検知された場合に、検知装置30により送信された来店検知を示す来店情報を記憶できる。具体的には、接触/来店情報データベース121は、前述の来店情報として、利用者装置10を識別する端末情報、広告の情報、挿入されたタグの情報、店舗を識別する店舗情報等を記憶してよい。
【0038】
なお、前述した情報はあくまで一例であり、接触/来店情報データベース121は、接触情報や来店情報の範疇に含まれる情報であれば、限定無く記憶することができる。
【0039】
(計数条件記憶部122について)
計数条件記憶部122は、後述の計数部133が所定の計数を実施するために用いる計数条件に関する情報を記憶する。具体的には、計数条件記憶部122は、計数条件に関する情報としてキャンペーン期間122aと、ルックバック期間122bと、プレキャンペーン期間122cと、ポストキャンペーン期間122dとを記憶する。
【0040】
ここから、図5を用いて、計数条件記憶部122が記憶する計数条件の概要について説明する。図5は、第1の実施形態に係る計数条件の概要を示す図である。
【0041】
図5には、計数条件に関する情報として、キャンペーン期間122aと、ルックバック期間122bと、プレキャンペーン期間122cと、ポストキャンペーン期間122dとが示されている。なお、計数条件記憶部122は、図5に示されている情報をテーブル形式等で記憶してよい。
【0042】
(キャンペーン期間122aについて)
キャンペーン期間122aは、広告配信が行われる期間に関する情報である。図5の一例では、キャンペーン期間122aは、6/1から6/30までの期間が設定されている。計測装置100は、キャンペーン期間122a中に対象の広告(例えば、バナー画像や動画像広告等)に接触したユーザの接触情報を取得できる。また、キャンペーン期間122aに来店したユーザは、「新規顧客」または「既存顧客」の判定対象のユーザとして計数される。
【0043】
(ルックバック期間122bについて)
ルックバック期間122bは、キャンペーン期間122aの期間中に広告に接触したユーザの来店が「新規顧客」か「既存顧客」かを判定するために、来店日よりも遡って設定される所定の期間である。計数部133は、ルックバック期間122bでのユーザの来店の有無により「新規顧客」か「既存顧客」か、を判定する。
【0044】
例えば、計数部133は、ルックバック期間122bの期間中に対象の店舗を来店した(検知された)ユーザが広告に接触して、キャンペーン期間122aまたはポストキャンペーン期間122dの期間中に来店した場合に「既存顧客」として計数できる。他方で、計数部133は、ルックバック期間122bの期間中に対象の店舗を来店していない(検知されていない)ユーザが広告に接触して、キャンペーン期間122aまたはポストキャンペーン期間122dの期間中に来店した場合に「新規顧客」として計数できる。
【0045】
図5の一例では、ルックバック期間122bは、ユーザの来店日から遡って「30日間」と設定されている。例えば、ユーザの来店日が6/17の場合、ルックバック期間122bは、5/17から6/17に設定されてよい。なお、ルックバック期間122bは、前述した30日間に限定されず、対象の広告やビジネスに基づいて任意の期間(例えば、15日間、45日間、60日間等)が設定されてよい。
【0046】
(プレキャンペーン期間122cについて)
プレキャンペーン期間122cは、キャンペーン期間122aの直前に設定される期間である。プレキャンペーン期間122cは、前述のルックバック期間122bがキャンペーン期間122aより前の期間に設定される場合があることから、設定される期間である。例えば、図5の一例では、プレキャンペーン期間122cは、5/1から5/31までの期間で設定されている。なお、プレキャンペーン期間122c中に対象の店舗を来店し検知されたユーザは、「総来店(広告接触か否かを問わずに関係なく対象の店舗を来店したユーザの総数)」として計数される。
【0047】
(ポストキャンペーン期間122dについて)
ポストキャンペーン期間122dは、キャンペーン期間122aの直後に設定される期間である。ポストキャンペーン期間122dは、キャンペーン期間122aの期間中にユーザが広告に接触して来店するまでのタイムラグを考慮して設定される期間である。例えば、図5の一例では、ポストキャンペーン期間122dは、7/1から7/31までの期間で設定されている。ポストキャンペーン期間122dでは広告配信は終了しているが、対象の店舗に来店したユーザの検知装置30による検知は継続している。言い換えると、ポストキャンペーン期間122dに来店したユーザは、「新規顧客」または「既存顧客」の判定対象のユーザと言える。
【0048】
(制御部130について)
ここで、図4に戻り説明を続ける。制御部130は、CPUやMPU(Micro Processing Unit)等によって、計測装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。図4に示す通り、制御部130は、受付部131と、取得部132と、計数部133と、作成部134と、提示部135とを有する。
【0049】
(受付部131について)
受付部131は、計数条件に関する情報を受け付ける。具体的には、ユーザの所定のオフラインの行動が新規か否かを判定するために用いる計数条件として、ルックバック期間122bと、キャンペーン期間122aと、プレキャンペーン期間122cと、ポストキャンペーン期間122dとを受け付ける。
【0050】
また、受付部131は、ルックバック期間122bに設定される期間の変更を受け付けることができる。例えば、図5の一例では、ルックバック期間122bは、ユーザの来店日から遡って「30日間」と設定されているが、受付部131は、30日間に限定せず、対象の広告やビジネスに基づいて任意の期間(例えば、15日間、45日間、60日間等)を受け付けることができる。
【0051】
(取得部132について)
取得部132は、広告に接触したユーザの接触情報を利用者装置10から取得する。例えば、取得部132は、利用者装置10を識別する端末情報、広告の掲載日時、挿入されたタグの情報、掲載先である媒体を示す媒体情報等を利用者装置10から取得できる。なお、取得部132は、接触情報が利用者装置10以外の外部の装置に記憶されている場合には、当該外部の装置から接触情報を取得することができる。
【0052】
また、取得部132は、来店情報を検知装置30から取得する。例えば、取得部132は、ユーザの来店情報として利用者装置10を識別する端末情報、広告の情報、挿入されたタグの情報、店舗を識別する店舗情報等を取得できる。なお、取得部132は、前述した情報に限定されず、所定の計数を実施するために用いる情報を限定無く取得することができる。
【0053】
(計数部133について)
計数部133は、所定のオフラインの行動として利用者装置10を有するユーザが所定の地点を訪れた際に所定の検知方法に基づいて検知された利用者装置10の検知に関する情報と、予め設定された計数条件とに基づき、所定のオフラインの行動を新規(新規顧客)か否かに分類して計数する。具体的には、計数部133は、所定のオフラインの行動として利用者装置10を有するユーザが所定の地点を訪れた際に、所定の検知方法として検知装置30により検知された利用者装置10の検知に関する情報と、予め設定された計数条件とに基づき、所定のオフラインの行動を新規か否かに分類して計数する。
【0054】
また、以降本実施形態において、利用者装置10の検知に関する情報は、検知装置30により検知された情報という前提で説明を行うが、これに限定せずに、GNSS測位技術等を用いて取得された接触情報であってもよい。例えば、計数部133は、所定の検知方法として当該利用者装置10よりGNSS測位技術等に基づいて取得された位置情報取得を用いて取得された来店や屋外広告への接触情報を、前述の利用者装置10の検知に関する情報として用いて計数を行ってよい。
【0055】
なお、本実施形態における「検知に関する情報」とは、計測装置100が対象の広告またはWebページに接触したユーザがその後来店した際に計数するために用いる情報であるユーザの接触情報と来店情報のことであり、以降は単に「検知に関する情報」と表記する。
【0056】
具体的には、計数部133は、計数条件として、ルックバック期間122bの期間中に利用者装置10が所定の地点で検知されたか否かに基づき、対象の期間中における所定のオフラインの行動を新規(新規顧客)と既存(既存顧客)とに分類して計数する。
【0057】
例えば、計数部133は、対象の店舗についてルックバック期間122bの期間中に訪れたユーザが、所定の広告に接触した上で前述の対象の期間としてキャンペーン期間122aもしくはポストキャンペーン期間122dの期間中に前述の対象の店舗に来店し検知された場合に、検知に関する情報に基づいて「新規顧客」として分類して計数できる。
【0058】
他方、計数部133は、対象の店舗についてルックバック期間122bの期間中に訪れていないユーザが、所定の広告に接触した上で前述の対象の期間としてキャンペーン期間122aもしくはポストキャンペーン期間122dの期間中に前述の対象の店舗に来店し検知された場合に、検知に関する情報に基づいて「既存顧客」として分類して計数できる。
【0059】
(作成部134について)
作成部134は、計数部133により計数された計数結果に基づき、所定の形式で出力情報を作成する。ここで、図6を用いて、作成部134により作成される出力情報の一例を説明する。図6は、第1の実施形態に係る出力情報の一例を示す図である。
【0060】
図6に示される通り、出力情報50は、日付ごとの「接触」と「来店」に関する情報が表示されている。例えば、日付が「6/1」には、接触が「imp1」という情報が、また日付が「6/17」には、来店が「新規」と表示されている。このようにして、作成部134は、日付ごとの接触と来店についての出力情報を作成できる。
【0061】
さらに、作成部134は、出力情報51に示される通り出力情報50に基づいた集計情報も作成できる。出力情報51には、項目として分類「新規」と「既存」ごとの「接触」と「来店」の回数が表示されている。このように、作成部134は、来店顧客を新規と既存とに分類した上で、広告への接触回数と来店回数とを出力情報として作成できる。
【0062】
なお、前述した出力情報はあくまで一例であり、作成部134は、計数部133により計数される情報に基づいて、情報を加工し所定の形式で出力情報を作成してよい。
【0063】
(提示部135について)
ここで、再び図4に戻り説明を続ける。提示部135は、作成部134により作成された出力情報を所定の形式で提示する。例えば、提示部135は、作成部134により作成された出力情報を、管理者等の端末装置に視覚化して提示できる。なお、提示部135は、管理者等が五感に基づいて知覚できる方法であれば、提示する方法を限定せずに出力情報を提示できる。
【0064】
〔2-3.検知装置の構成〕
次に、第1の実施形態に係る検知装置30の構成例について説明する。図4に示すように、検知装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。
【0065】
(通信部31について)
通信部31は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部31は、ネットワークNWと有線または無線で接続され、検知装置30と計測装置100との間で情報の送受信を行う。
【0066】
(記憶部32について)
記憶部32は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図4に示すように、記憶部32は、電波強度32aと、経過日数32bと、滞在時間32cとを有する。
【0067】
(電波強度32aについて)
電波強度32aは、後述の検知部33bが対象の利用者装置10を検知する際に用いる条件である。具体的には、電波強度32aは、利用者装置10と検知装置30との電波による通信における電波強度に基づき検知対象とするか否かについての閾値に関する情報である。
【0068】
(経過日数32bについて)
経過日数32bは、広告に接触したユーザ(利用者装置10)が広告に接触してから来店するまでの日数に基づき検知対象とするか否かについての閾値に関する情報である。
【0069】
(滞在時間32cについて)
滞在時間32cは、広告に接触したユーザ(利用者装置10)が入店してから退店するまでに滞在した時間に基づき計数対象とするか否かについての閾値に関する情報である。
【0070】
(制御部33について)
制御部33は、CPUやMPU等によって、検知装置30内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部33は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。図4に示す通り、制御部33は、受付部33a、検知部33bを有する。
【0071】
(受付部33aについて)
受付部33aは、後述の検知部33bが利用者装置10を検知する際に用いる検知条件を受け付ける。ここで、図7を用いて、受付部33aによる検知条件の受付方法の一例を説明する。図7は、第1の実施形態に係る検知条件入力画面60の一例を示す図である。
【0072】
図7に示す通り、検知条件入力画面60は、「電波強度61」と、「経過日数62」と、「下限滞在時間63a」と、「上限滞在時間63b」と、「営業時間(開始)」と、「営業時間(終了)」と、「備考」と、といった項目が表示されている。
【0073】
例えば、検知条件入力画面60の電波強度61に入力された情報は、電波強度32aとして記憶される。また、経過日数62に入力された情報は、経過日数32bとして記憶される。また、下限滞在時間63aまたは上限滞在時間63bに入力された情報は、滞在時間32cとして記憶される。
【0074】
このようにして、受付部33aは、端末装置等に表示された検知条件入力画面60に入力された情報を受け付けることができる。なお、前述の項目数や項目名等はあくまで一例であり、図7に記載された内容に限定されない。
【0075】
(検知部33bについて)
検知部33bは、所定のオフラインの行動として利用者装置10を有するユーザが所定の地点を訪れた際に、所定の短距離無線通信技術(例えば、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)等)を用いて、利用者装置10を検知する。なお、ここでは短距離無線通信技術と表記しているが、検知部33bは、近距離無線通信に限らず、例えば、GNSS測位技術やLTE通信等を用いて、利用者装置10を検知してもよい。
【0076】
具体的には、検知部33bは、当該短距離無線通信技術における所定の電波強度と、予め設定された広告接触から所定の地点をユーザが訪れるまでの経過日数と、来店後の滞在時間との条件を満たす利用者装置10を検知する。なお、検知部33bは、前述の条件について1つ、または複数を組み合わせて検知条件として用いることができる。
【0077】
例えば、検知部33bは、ユーザ(利用者装置10)と検知装置30との間の電波強度が、電波強度32aに設定された所定の閾値を超える場合に来店したと検知できる。また、検知部33bは、広告に接触したユーザ(利用者装置10)の広告に接触してから来店するまでの日数が経過日数32bで設定された日数を超えない場合に来店したと検知できる。また、検知部33bは、広告に接触したユーザ(利用者装置10)の来店してからの滞在時間が滞在時間32cで設定された滞在時間を超えた場合に来店したと検知できる。
【0078】
〔3.第2の実施形態〕
ここから、本実施形態の広告効果計測システム1より実現される第2の実施形態について説明を行う。第2の実施形態は、Webページ(インターネット上に設置された対象の商品や製品を紹介、または広告するWebページのことで、以降は単に「Webページ」と表記)と接触したユーザの来店数を計数し、更に「新規顧客」と「既存顧客」とに分類して計数する実施形態である。
【0079】
具体的には、第2の実施形態の計測装置100は、ルックバック期間におけるユーザの来店有無に基づいて当該ユーザが予め設定されたレポート期間中に所定のWebページに接触し、対象の店舗に来店した場合に「新規顧客」または「既存顧客」と分類して計数する。
【0080】
〔3-1.広告効果計測システムの構成〕
ここから、第2の実施形態に係る広告効果計測システム1について説明する。図8は、第2の実施形態に係る広告効果計測システム1の装置構成の一例を示す図である。図8に示すように、広告効果計測システム1は、計測装置100と検知装置30とが所定のネットワークNWを介して接続された構成を有する。なお、広告効果計測システム1に含まれる検知装置30の数は限定されず、複数の検知装置30が含まれていてよい。
【0081】
〔3-2.計測装置の構成〕
次に、第2の実施形態に係る計測装置100の構成例について説明する。図8に示す通り、計測装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0082】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNWと有線または無線で接続され、計測装置100と検知装置30との間で情報の送受信を行う。
【0083】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図8に示すように、記憶部120は、接触/来店情報データベース121と、計数条件記憶部122とを有する。
【0084】
(接触/来店情報データベース121について)
接触/来店情報データベース121は、ユーザの接触情報と来店情報を記憶する。例えば、接触/来店情報データベース121は、利用者装置10によりタグが挿入されたWebページが表示された場合に送信される接触情報を記憶できる。具体的には、接触/来店情報データベース121は、接触情報として、ユーザの利用者装置10を識別する端末情報、Webページとの接触日時、挿入されたタグの情報、Webページに関するその他の情報等を記憶してよい。
【0085】
他方、接触/来店情報データベース121は、図2に示す通り、利用者装置10が検知装置30の備えられたリアル店舗に訪問し、近距離無線通信技術に基づき検知された場合に、検知装置30により送信された来店検知を示す来店情報を記憶できる。具体的には、接触/来店情報データベース121は、前述の来店情報として、利用者装置10を識別する端末情報、Webページの情報、挿入されたタグの情報、店舗を識別する店舗情報等を記憶してよい。
【0086】
なお、前述した情報はあくまで一例であり、接触/来店情報データベース121は、接触情報や来店情報の範疇に含まれる情報であれば、限定無く記憶することができる。
【0087】
(計数条件記憶部122について)
計数条件記憶部122は、後述の計数部133が所定の計数を実施する場合に用いる計数条件に関する情報を記憶する。具体的には、計数条件記憶部122は、計数条件に関する情報としてレポート期間122eと、ルックバック期間122fと、プレタグ期間122gと、ポストレポート期間122hとを記憶する。
【0088】
ここから、図9を用いて、第2の実施形態の計数条件記憶部122が記憶する計数条件の概要について説明する。図9は、第2の実施形態に係る計数条件の概要を示す図である。
【0089】
図9には、計数条件として、レポート期間122eと、ルックバック期間122fと、プレタグ期間122gと、ポストレポート期間122hとが示されている。なお、計数条件記憶部122は、図9に示されている情報についてテーブル形式等で記憶してよい。
【0090】
(レポート期間122eについて)
レポート期間122eは、Webページへ接触したユーザの接触情報の収集期間に関する情報である。図9の一例では、レポート期間122eは、6/1から6/30までの期間が設定されている。計測装置100は、レポート期間122e中に対象のWebページへ接触したユーザの接触情報を取得できる。また、レポート期間122eに来店したユーザは、「新規顧客」または「既存顧客」の判定対象のユーザとして計数される。
【0091】
(ルックバック期間122fについて)
ルックバック期間122fは、レポート期間122eの期間中にWebページへ接触したユーザの来店が「新規顧客」か「既存顧客」か、を判定するために、ユーザの来店日よりも遡って設定される所定の期間である。計数部133は、ルックバック期間122fでのユーザの来店の有無により「新規顧客」か「既存顧客」か、を判定する。
【0092】
例えば、計数部133は、ルックバック期間122fの期間中に対象の店舗を来店した(検知された)ユーザがWebページに接触して来店した場合に「既存顧客」として計数できる。他方で、計数部133は、ルックバック期間122fの期間中に対象の店舗を来店していない(検知されていない)ユーザがWebページに接触して来店した場合に「新規顧客」として計数できる。
【0093】
図9の一例では、ルックバック期間122fは、ユーザの来店日から遡って「30日間」と設定されている。例えば、ユーザの来店日が6/17の場合、ルックバック期間122fは、5/17から6/17に設定されてよい。なお、ルックバック期間122fは、前述の30日間に限定されず、対象のWebページに基づいて任意の期間(例えば、15日間、45日間、60日間等)が設定されてよい。
【0094】
(プレタグ期間122gについて)
プレタグ期間122gは、レポート期間122eの直前に設定される期間である。プレタグ期間122gは、前述のルックバック期間122fがレポート期間122eより前の期間に設定される場合があることから、設定される期間である。例えば、図9の一例では、プレタグ期間122gは、5/1から5/31までの期間で設定されている。なお、プレタグ期間122g中に、対象の店舗を来店し検知されたユーザは、「総来店(Webページ接触か否かを問わずに関係なく対象の店舗を来店したユーザの総数)」として計数される。
【0095】
(ポストレポート期間122hについて)
ポストレポート期間122hは、レポート期間122eの直後に設定される期間である。ポストレポート期間122hは、レポート期間122eの期間中にユーザがWebページに接触して来店するまでのタイムラグを考慮して設定される期間である。例えば、図9の一例では、ポストレポート期間122hは、7/1から7/31までの期間で設定されている。言い換えると、ポストレポート期間122hに来店したユーザは、「新規顧客」または「既存顧客」の判定対象のユーザと言える。
【0096】
(制御部130について)
ここで、図8に戻り説明を続ける。制御部130は、CPUやMPU等によって、計測装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。図8に示す通り、制御部130は、受付部131と、取得部132と、計数部133と、作成部134と、提示部135とを有する。
【0097】
(受付部131について)
受付部131は、計数条件に関する情報を受け付ける。具体的には、ユーザの所定のオフラインの行動が新規か否かを判定するために用いる計数条件として、ルックバック期間122fと、レポート期間122eと、プレタグ期間122gと、ポストレポート期間122hとを受け付ける。
【0098】
また、受付部131は、ルックバック期間122fに設定される期間の変更を受け付けることができる。例えば、図9の一例では、ルックバック期間122fは、ユーザの来店日から遡って「30日間」と設定されているが、受付部131は、30日間に限定せず、対象の広告やビジネスに基づいて任意の期間(例えば、15日間、45日間、60日間等)を受け付けることができる。
【0099】
(取得部132について)
取得部132は、Webページに接触したユーザの接触情報を利用者装置10から取得する。例えば、取得部132は、利用者装置10を識別する端末情報、Webページとの接触日時、挿入されたタグの情報、Webページに関するその他の情報等を利用者装置10から取得できる。なお、取得部132は、接触情報が利用者装置10以外の外部の装置に記憶されている場合には、当該外部の装置から接触情報を取得することができる。
【0100】
また、取得部132は、来店情報を検知装置30から取得する。例えば、取得部132は、ユーザの来店情報として利用者装置10を識別する端末情報、Webページの情報、挿入されたタグの情報、店舗を識別する店舗情報等を取得できる。
【0101】
なお、取得部132は、前述した情報に限定されず、所定の計数を実施するために用いる情報を限定無く取得することができる。
【0102】
(計数部133について)
計数部133は、所定のオフラインの行動として利用者装置10を有するユーザが所定の地点を訪れた際に検知装置30により検知された利用者装置10の検知に関する情報と、予め設定された計数条件とに基づき、所定のオフラインの行動を新規(新規顧客)か否かに分類して計数する。具体的には、計数部133は、計数条件として、ルックバック期間122fの期間中に利用者装置10が所定の地点で検知されたか否かに基づき、対象の期間中における所定のオフラインの行動を新規(新規顧客)と既存(既存顧客)とに分類して計数する。
【0103】
例えば、計数部133は、対象の店舗についてルックバック期間122fの期間中に訪れたユーザが、所定のWebページに接触した上で前述した対象の期間としてレポート期間122eもしくはポストレポート期間122hの期間中に前述の対象の店舗に来店し検知された場合に、検知に関する情報に基づいて「新規顧客」として分類して計数できる。
【0104】
他方、計数部133は、対象の店舗についてルックバック期間122fの期間中に訪れていないユーザが、所定のWebページに接触した上で前述した対象の期間としてレポート期間122eもしくはポストレポート期間122hの期間中に前述の対象の店舗に来店し検知された場合に、検知に関する情報に基づいて「既存顧客」として分類して計数できる。
【0105】
(作成部134について)
作成部134は、計数部133により計数された計数結果に基づき、所定の形式で出力情報を作成する。なお、第2の実施形態の作成部134により作成される出力情報は、図6に示された出力情報50と出力情報51と同様の内容であるため、ここでの説明は省略する。
【0106】
(提示部135について)
提示部135は、作成部134により作成された出力情報を所定の形式で提示する。例えば、提示部135は、作成部134により作成された出力情報を、管理者等の端末装置に視覚化して提示できる。なお、提示部135は、管理者等が五感に基づいて知覚できる方法であれば、提示する方法を限定せずに出力情報を提示できる。
【0107】
〔3-3.検知装置の構成〕
次に、第2の実施形態に係る検知装置30の構成例について説明する。図8に示すように、検知装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。なお、第2の実施形態の検知装置30は、「広告」を「Webページ」と読み替えることにより、第1の実施形態と同様の機能で実現可能であるため、詳細な説明を省略する。
【0108】
〔4.第3の実施形態〕
ここから、本実施形態の広告効果計測システム1により実現される第3の実施形態について説明を行う。第3の実施形態は、広告やWebページの閲覧や接触の有無を問わず、対象の店舗に来店したユーザを計数する実施形態である。言い換えると、第3の実施形態の計測装置100は、予め設定された期間中に対象の店舗に来店したユーザを「総来店数」として計数する。
【0109】
なお、ここでいう総来店数とは、前述したように広告やWebページの閲覧や接触の有無を問わず、対象の店舗に来店したユーザである。言い換えると、総来店数は、対象の期間(例えば、プレキャンペーン期間とキャンペーン期間とポストキャンペーン期間、またはプレタグ期間とレポート期間とポストレポート期間)中に対象の店舗を来店したユーザの総数であると言える。
【0110】
〔4-1.広告効果計測システムの構成〕
ここから、第3の実施形態に係る広告効果計測システム1について、図10を用いて説明する。図10は、第3の実施形態に係る広告効果計測システム1の装置構成の一例を示す図である。
【0111】
第3の実施形態に係る広告効果計測システム1は、第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、計測装置100と検知装置30とが所定のネットワークNWを介して接続された構成を有する。なお、広告効果計測システム1に含まれる検知装置30の数は限定されず、複数の検知装置30が含まれていてよい。
【0112】
〔4-2.計測装置の構成〕
次に、第3の実施形態に係る計測装置100の構成例について説明する。図10に示す通り、第3の実施形態に係る計測装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、第3の実施形態の計測装置100は、第1の実施形態および第2の実施形態に係る計測装置100の有する機能と同様の部分については、一部説明を省略する。
【0113】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図10に示すように、記憶部120は、接触/来店情報データベース121と、計数条件記憶部122とを有する。
【0114】
(接触/来店情報データベース121について)
接触/来店情報データベース121は、ユーザの接触情報と来店情報を記憶する。例えば、接触/来店情報データベース121は、利用者装置10によりタグが挿入された広告またはWebページが表示された場合に送信される接触情報を記憶できる。具体的には、接触/来店情報データベース121は、接触情報として、ユーザの利用者装置10を識別する端末情報、広告またはWebページとの接触日時、挿入されたタグの情報、広告の掲載媒体の情報またはWebページに関するその他の情報等を記憶してよい。
【0115】
他方、接触/来店情報データベース121は、利用者装置10が検知装置30の備えられたリアル店舗に訪問し、近距離無線通信技術に基づき検知された場合に、検知装置30により送信された来店検知を示す来店情報を記憶できる。具体的には、接触/来店情報データベース121は、前述の来店情報として、利用者装置10を識別する端末情報、広告またはWebページの情報、挿入されたタグの情報、店舗を識別する店舗情報等を記憶してよい。
【0116】
なお、前述した情報はあくまで一例であり、接触/来店情報データベース121は、接触情報や来店情報の範疇に含まれる情報であれば、限定無く記憶することができる。
【0117】
(計数条件記憶部122について)
計数条件記憶部122は、後述の計数部133が所定の計数を実施する場合に用いる計数条件に関する情報を記憶する。具体的には、計数条件記憶部122は、計数条件に関する情報としてキャンペーン期間122aと、ルックバック期間122bと、プレキャンペーン期間122cと、ポストキャンペーン期間122dと、レポート期間122eと、ルックバック期間122fと、プレタグ期間122gと、ポストレポート期間122hとを記憶する。なお、前述した情報は第1の実施形態と第2の実施形態で説明した内容と同様であるため、本項目での詳細な説明は省略する。
【0118】
(制御部130について)
制御部130は、CPUやMPU等によって、計測装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。図10に示す通り、制御部130は、受付部131と、取得部132と、計数部133と、作成部134と、提示部135とを有する。
【0119】
(受付部131について)
受付部131は、計数条件に関する情報を受け付ける。具体的には、ユーザの所定のオフラインの行動が新規か否かを判定するために用いる計数条件として、ルックバック期間122bと、キャンペーン期間122aと、プレキャンペーン期間122cと、ポストキャンペーン期間122dと、ルックバック期間122fと、レポート期間122eと、プレタグ期間122gと、ポストレポート期間122hとを受け付ける。
【0120】
なお、受付部131は、前述した全ての計数条件に関する情報を受け付けてもよいし、複数を組み合わせて受け付けてもよい。また、受付部131は、第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、ルックバック期間122bまたはルックバック期間122fに設定される期間の変更を受け付けることができる。
【0121】
(取得部132について)
取得部132は、接触情報を利用者装置10から取得する。例えば、取得部132は、利用者装置10を識別する端末情報、広告またはWebページとの接触日時、挿入されたタグの情報、広告の掲載媒体に関する情報またはWebページに関するその他の情報等を利用者装置10から取得できる。なお、取得部132は、接触情報が利用者装置10以外の外部の装置に記憶されている場合には、当該外部の装置から接触情報を取得することができる。
【0122】
また、取得部132は、来店情報を検知装置30から取得する。例えば、取得部132は、来店情報として利用者装置10を識別する端末情報、広告またはWebページの情報、挿入されたタグの情報、店舗を識別する店舗情報等を取得できる。なお、取得部132は、前述した情報に限定されず、所定の計数を実施するために用いる情報を限定無く取得することができる。
【0123】
(計数部133について)
計数部133は、所定のオフラインの行動として利用者装置10を有するユーザが所定の地点を訪れた際に検知装置30により検知された利用者装置10の検知に関する情報と、予め設定された計数条件とに基づき、所定のオフラインの行動を新規(新規顧客)か否かに分類して計数する。具体的には、計数部133は、計数条件として、ルックバック期間122bまたはルックバック期間122fに利用者装置10が所定の地点で検知されたか否かに基づき、対象の期間中における所定のオフラインの行動を新規(新規顧客)と既存(既存顧客)とに分類して計数する。
【0124】
例えば、計数部133は、対象の店舗について所定のルックバック期間122bまたはルックバック期間122fに訪れたユーザが、対象の期間としてキャンペーン期間122aもしくはポストキャンペーン期間122d、またはレポート期間122eもしくはポストレポート期間122hの期間中に前述の対象の店舗に来店し検知された場合に、検知に関する情報に基づいて「新規顧客」として分類して計数できる。
【0125】
他方、計数部133は、対象の店舗についてルックバック期間122bまたはルックバック期間122fに訪れていないユーザが、対象の期間としてキャンペーン期間122aもしくはポストキャンペーン期間122d、またはレポート期間122eもしくはポストレポート期間122hの期間中に前述の対象の店舗に来店し検知された場合に、検知に関する情報に基づいて「既存顧客」として分類して計数できる。
【0126】
まとめると、第3の実施形態の計数部133は、ユーザが広告またはWebページに接触したか否かを問わずに計数する総来店数について、「新規顧客」または「既存顧客」として分類して計数することができる。
【0127】
(作成部134について)
作成部134は、計数部133により計数された計数結果に基づき、所定の形式で出力情報を作成する。例えば、作成部134は、計数部133により計数された計数結果に基づき、総来店数について、「日付」ごとの「新規顧客」または「既存顧客」といった情報として出力することができる。
【0128】
〔4-3.検知装置の構成〕
次に、第3の実施形態に係る検知装置30の構成例について説明する。第3の実施形態に係る検知装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。なお、第3の実施形態の検知装置30は、第1の実施形態および第2の実施形態に係る検知装置30の有する機能で実現可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0129】
〔5.第4の実施形態〕
ここから、本実施形態の広告効果計測システム1により実現される第4の実施形態について説明を行う。第4の実施形態は、アトリビューション評価を実施する実施形態である。ここでいうアトリビューション評価とは、広告またはWebページへの接触ユーザが所定の店舗を来店するというオフラインの行動に対して寄与した広告の寄与度の評価である。
【0130】
例えば、ユーザの広告またはWebページへの接触回数が限定されていない場合、ユーザによっては複数回接触した上で対象の店舗に訪れるケースがある。その場合、どの広告またはWebページへの接触が来店というオフライン行動に寄与したかが注目される場合がある。そのため、第4の実施形態の計測装置100は、広告またはWebページのインプレッション(ユーザへの広告またはWebページの表示)や広告またはWebページのクリック(ユーザによる広告のクリックまたはWebページへの来訪)ごとに、所定の寄与度(重み付け)を加味した来店数についての出力情報を作成することで、アトリビューションを評価する技術を提供する。
【0131】
〔5-1.広告効果計測システムの構成〕
ここから、第4の実施形態に係る広告効果計測システム1について説明する。図11は、第4の実施形態に係る広告効果計測システム1の装置構成の一例を示す図である。図11に示すように、広告効果計測システム1は、計測装置100と検知装置30とが所定のネットワークNWを介して接続された構成を有する。なお、広告効果計測システム1に含まれる検知装置30の数は限定されず、複数の検知装置30が含まれていてよい。
【0132】
〔5-2.計測装置の構成〕
次に、第4の実施形態に係る計測装置100の構成例について説明する。図11に示す通り、計測装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、第4の実施形態は、第1の実施形態から第3の実施形態にアトリビューション評価の機能が追加された実施形態であるため、前述した各実施形態と同様の機能を有する機能部の説明については、省略する。
【0133】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図11に示すように、記憶部120は、接触/来店情報データベース121と、計数条件記憶部122と、貢献度情報記憶部123を有する。
【0134】
(貢献度情報記憶部123について)
貢献度情報記憶部123は、所定の広告またはWebページのインプレッションについての貢献度に関する情報を記憶する。また、貢献度情報記憶部123は、広告またはWebページのクリックについての貢献度に関する情報を記憶する。
【0135】
例えば、貢献度情報記憶部123は、貢献度に関する情報として、広告またはWebページのインプレッション、および広告またはWebページのクリックについての重み数値を記憶できる。なお、貢献度情報記憶部123は、広告またはWebページの貢献度に基づく重み付けを行う処理に用いる情報であれば、限定無く記憶できる。
【0136】
(制御部130について)
制御部130は、CPUやMPU等によって、計測装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。図11に示す通り、制御部130は、受付部131と、取得部132と、計数部133と、作成部134と、提示部135とを有する。
【0137】
(受付部131について)
受付部131は、貢献度に関する情報を受け付ける。例えば、受付部131は、貢献度に関する情報として、広告またはWebページのインプレッション、および広告またはWebページのクリックに関連付く来店数に係る重み数値等の条件を受け付け、貢献度情報記憶部123に記憶させることができる。
【0138】
(作成部134について)
作成部134は、所定の広告またはWebページのインプレッション数、もしくは所定の広告またはWebページのクリック数の少なくともどちらか一方と関連付く計数部133の計数結果を用いて、予め設定された貢献度に関する情報に基づき重み付けして出力情報を作成する。言い換えると、作成部134は、広告またはWebページへインプレッション(接触)、もしくは広告またはWebページをクリックに関連付く来店数について、予め設定された貢献度に関する情報に基づき、どのインプレッションまたはクリックが当該来店に寄与したかを重み付けして出力情報を作成することができる。
【0139】
ここで、図12を用いて、第4の実施形態の作成部134により作成される出力情報について説明する。図12は、第4の実施形態に係る出力情報の一例を示す図である。図12に示された出力情報52は、日付ごとに「接触」および「来店」という項目が表示されている。そして、接触の項目については、日付ごとの所定の広告またはWebページへの接触として6/1に「impA」、または6/9に「impB」という情報が表示されている。また、来店の項目については、6/29に「来店」という項目が記されている。このようにして、作成部134は、日付ごとの広告またはWebページへの接触と当該接触に関連付く来店の情報とを出力情報として作成できる。
【0140】
他方、図12下部の出力情報53は、出力情報52の情報に基づいて集計された情報が示されている。さらに、出力情報53の情報は、貢献度情報記憶部123により記憶された貢献度情報に基づき、「重み分配」と、「均等分配」と、「重複分配」と、という項目が示されている。
【0141】
例えば、「重み分配」による集計の場合、作成部134は、重み配分「ImpA:ImpB=2:8」という重みに基づいて、来店数を「ImpA:ImpB=0.2:0.8」と分配して集計できる。例えば、「均等分配」による集計の場合、作成部134は、来店数を「ImpA:ImpB=0.5:0.5」と均等に分配して集計できる。例えば、「重複分配」による集計の場合、作成部134は、来店数を「ImpA:ImpB=1:1」と重複した分配をして集計できる。このようにして、作成部134は、貢献度情報に基づいた出力情報を作成できる。
【0142】
また、作成部134は、所定の検知方法に基づいて検知されたオフラインの行動について広告またはWebページへの接触日、もしくは前記ユーザのオフラインの行動が行われた日の少なくともどちらか一方に関連付けて出力情報を作成する。
【0143】
具体的には、作成部134は、前述してきたように広告またはWebページに接触して後来店し計数されたユーザについて、「広告またはWebページへの接触日」に関連付けて、出力情報を出力できる。言い換えると、作成部134は、所定の日時に対象の広告またはWebページに接触したユーザがどの程度来店したかという情報を出力することができる。
【0144】
他方で、作成部134は、前述してきたように広告またはWebページに接触して後来店し計数されたユーザについて、「実際の来店日」に関連付けて、出力情報を出力できる。言い換えると、作成部134は、任意の日時において、対象の広告またはWebページに接触したユーザがどの程度来店したかという情報を出力することができる。
【0145】
〔5-3.検知装置の構成〕
次に、第4の実施形態に係る検知装置30の構成例について説明する。図11に示すように、検知装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。なお、第4の実施形態の検知装置30は、第1の実施形態から第3の実施形態と同様の機能で実現可能であるため、詳細な説明を省略する。
【0146】
〔6.処理手順〕
ここから、本実施形態に係る計測装置100および検知装置30による情報処理の手順について説明する。なお、実施形態は、第1の実施形態から第4の実施形態に分けられることから、処理手順を示すフローチャートについても実施形態ごとに説明する。なお、以下に記載する各ステップは、異なる順序で実行されてもよいし、省略される処理があってもよい。また、第1の実施形態と、第2の実施形態と、第3の実施形態と、第4の実施形態との処理手順を適宜組み合わせて実施されてよい。
【0147】
(第1の実施形態)
図13は、第1の実施形態に係る計測手順の一例を示すフローチャートである。まず、受付部131は、計数条件に関する情報を受け付ける(ステップS101)。次に、取得部132は、接触情報を利用者装置10から取得する(ステップS102)。検知装置30の検知部33bは、広告へ接触後に来店したユーザの利用者装置10を検知する(ステップS103)。そして、取得部132は、来店情報を検知装置30から取得する(ステップS104)。
【0148】
ここで、検知装置30の検知部33bにより検知されたユーザがルックバック期間に来店が無しと計数部133により判定された場合(ステップS105のNo)、計数部133は、接触情報と、来店情報と、計数条件とに基づいて新規顧客として計数する(ステップS106)。
【0149】
他方、計数部133が検知装置30の検知部33bにより検知されたユーザがルックバック期間に来店が有りと判定した場合(ステップS105のYes)、計数部133は、接触情報と、来店情報と、計数条件とに基づいて既存顧客として計数する(ステップS107)。
【0150】
作成部134は、計数部133の計数結果に基づき出力情報を作成する(ステップS108)。提示部135は、作成部134により作成された出力情報を管理者等の端末装置に提示して(ステップS109)、工程を終了する。
【0151】
(第2の実施形態)
図14は、第2の実施形態に係る計測手順の一例を示すフローチャートである。まず、受付部131は、計数条件に関する情報を受け付ける(ステップS201)。次に、取得部132は、接触情報を利用者装置10から取得する(ステップS202)。検知装置30の検知部33bは、Webページへ接触後に来店したユーザの利用者装置10を検知する(ステップS203)。そして、取得部132は、来店情報を検知装置30から取得する(ステップS204)。
【0152】
ここで、検知装置30の検知部33bにより検知されたユーザがルックバック期間に来店が無しと計数部133により判定された場合(ステップS205のNo)、計数部133は、接触情報と、来店情報と、計数条件とに基づいて新規顧客として計数する(ステップS206)。
【0153】
他方、計数部133が検知装置30の検知部33bにより検知されたユーザがルックバック期間に来店が有りと判定した場合(ステップS205のYes)、計数部133は、接触情報と、来店情報と、計数条件とに基づいて既存顧客として計数する(ステップS207)。
【0154】
作成部134は、計数部133の計数結果に基づき出力情報を作成する(ステップS208)。提示部135は、作成部134により作成された出力情報を管理者等の端末装置に提示して(ステップS209)、工程を終了する。
【0155】
(第3の実施形態)
図15は、第3の実施形態に係る計測手順の一例を示すフローチャートである。まず、受付部131は、計数条件に関する情報を受け付ける(ステップS301)。次に、取得部132は、接触情報を利用者装置10から取得する(ステップS302)。検知装置30の検知部33bは、ユーザが広告またはWebページへ接触したかしないかを問わず来店したユーザの利用者装置10を検知する(ステップS303)。そして、取得部132は、来店情報を検知装置30から取得する(ステップS304)。
【0156】
ここで、検知装置30の検知部33bにより検知されたユーザがルックバック期間に来店が無しと計数部133により判定された場合(ステップS305のNo)、計数部133は、来店情報と、計数条件とに基づいて新規顧客として計数する(ステップS306)。
【0157】
他方、計数部133が検知装置30の検知部33bにより検知されたユーザがルックバック期間に来店が有りと判定した場合(ステップS305のYes)、計数部133は、来店情報と、計数条件とに基づいて既存顧客として計数する(ステップS307)。
【0158】
作成部134は、計数部133の計数結果に基づき出力情報を作成する(ステップS308)。提示部135は、作成部134により作成された出力情報を管理者等の端末装置に提示して(ステップS309)、工程を終了する。
【0159】
(第4の実施形態)
図16は、第4の実施形態に係る情報処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、受付部131は、貢献度に関する情報を受け付ける(ステップS401)。取得部132は、広告またはWebページのインプレッション数、もしくは広告またはWebページのクリック数を取得する(ステップS402)。
【0160】
計数部133は、所定の方法に基づき来店者数の計数する(ステップS403)。なお、ここでの来店者数の計数は、第1の実施形態から第3の実施形態と同様のため省略する。
【0161】
作成部134は、広告またはWebページへインプレッション(接触)、もしくは広告またはWebページをクリックに関連付く来店数について、予め設定された貢献度に関する情報に基づき出力情報を作成する(ステップS404)。提示部135は、作成部134により作成された出力情報を提示して(ステップS405)、工程を終了する。
【0162】
〔7.効果〕
ここまで述べてきたように、本実施形態の計測装置100は、広告またはWebページに接触したユーザの所定のオフラインの行動に寄与したと判定される広告またはWebページへの接触の効果を算出する。
【0163】
本実施形態の計測装置100の計数部133は、所定のオフラインの行動として利用者装置10を有するユーザが所定の地点を訪れた際に所定の検知方法に基づき検知された利用者装置10の検知に関する情報と、予め設定された計数条件とに基づき、所定のオフラインの行動を新規か否かに分類して計数する。本実施形態の計測装置100の作成部134は、計数部133により計数された計数結果に基づき、所定の形式で出力情報を作成する。具体的には、本実施形態の計測装置100の計数部133は、所定のオフラインの行動として利用者装置10を有するユーザが所定の地点を訪れた際に、所定の検知方法として検知装置30により検知された利用者装置10の検知に関する情報と、予め設定された計数条件とに基づき、所定のオフラインの行動を新規か否かに分類して計数する。
【0164】
これにより、計数された成果数に基づき算出された広告またはWebページへの接触の効果についての詳細な分析を容易とする、という効果を奏する。具体的には、計測装置100は、広告またはWebページへ接触したユーザがその後来店した際に来店数を計数する。さらに、計測装置100は、予め設定されたルックバック期間中における来店有無に基づいて、来店したユーザを「新規顧客」と「既存顧客」とに分類して計数する。それにより、計測装置100は、広告またはWebページが新規顧客の来店にどの程度寄与したかといった、より詳細な広告効果の情報を提供できる。
【0165】
例えば、総来店数100人の中で広告またはWebページに接触してから来店したユーザが10人だった場合、本実施形態の計測装置100は、当該10人を新規顧客3人、既存顧客7人といった具合に分類して計数することができる。このようにして、計測装置100は、より詳細な来店者の属性情報を取得することにより、広告やプロモーション等の効果検証を行う際に踏み込んだ分析を可能とする。
【0166】
また、計測装置100の受付部131は、ユーザの所定のオフラインの行動が新規か否かを判定するために用いる計数条件として、ルックバック期間を受け付ける。これにより、従来技術では固定されていたルックバック期間について、計測装置100の管理者等が所望するルックバック期間を任意に設定することが可能となる、という効果を提供する。
【0167】
従来技術では、成果数(来店数)に繋がった広告またはWebページのインプレッション、もしくは広告またはWebページのクリックの「最初」または「最後」といったタイミングのみで計数するのみであった。しかしながら、本実施形態の計測装置100の作成部134は、広告またはWebページへインプレッション(接触)、もしくは広告またはWebページをクリックに関連付く来店数について、予め設定された貢献度に関する情報に基づき、どのインプレッションまたはクリックが当該来店に寄与したかを重み付けして出力情報を作成することができる。これにより、計測装置100は、広告またはWebページへの接触に関するアトリビューション評価の技術を提供する。つまり、本実施形態の計測装置100は、広告インプレッションまたは広告クリックに重み付けを行うことにより、詳細な広告効果の情報を提供できる。
【0168】
また、計測装置100の作成部134は、所定の検知方法に基づき検知されたオフラインの行動について広告またはWebページへの接触日、もしくはユーザのオフラインの行動が行われた日の少なくともどちらか一方に関連付けて出力情報を作成する。その結果、計測装置100は、ユーザのオフラインの行動について、広告またはWebページへの接触日軸の分析と来店日軸の分析とを可能とする。それにより、計測装置100は、例えば、広告出稿を管理する管理者(例えば広告代理店や広告担当者等)による分析や、広告主(例えば、対象の店舗の管理者等)による分析といった分析目的が異なる場合にも適切な広告効果検証のための情報提供を可能とする。
【0169】
本実施形態の広告効果計測システム1は、検知装置30を有している。この検知装置30は、予め設定された検知条件に基づいて広告接触後のユーザの来店を検知することが可能である。具体的には、検知装置30と利用者装置10との間の電波強度、広告接触日からの経過日数、対象の店舗への滞在時間等の条件に基づいて、対象となるユーザを選択して検知することができる。
【0170】
〔8.ハードウェア構成〕
前述してきた広告効果計測システム1に含まれる計測装置100または検知装置30は、例えば、図17に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、計測装置100を例に挙げて説明する。図17は、本実施形態に係る計測装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(通信I/F)1500、入出力インターフェイス(入出力I/F)1600、およびメディアインターフェイス(メディアI/F)1700を有する。
【0171】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0172】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および係るプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定のネットワークNWを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定のネットワークNWを介して他の機器へ送信する。
【0173】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、およびキーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータについて入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0174】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、係るプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0175】
例えば、コンピュータ1000が計測装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定のネットワークNWを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0176】
また、例えば、コンピュータ1000が計測装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部の機能を実現する。
【0177】
〔9.その他〕
また、上記各実施形態において説明した処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0178】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0179】
また、上記各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0180】
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0181】
以上、本発明の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することが可能である。
【0182】
また、前述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」等に読み替えることができる。例えば、選択部は、選択手段や選択回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0183】
1 広告効果計測システム
10 利用者装置
20 広告主装置
30 検知装置
40,41 ユーザ
50,51,52,53 出力情報
60 検知条件入力画面
31,110 通信部
32,120 記憶部
32a 電波強度
32b 経過日数
32c 滞在時間
33,130 制御部
33a,131 受付部
33b 検知部
100 計測装置
121 接触/来店情報データベース
122 計数条件記憶部
122a キャンペーン期間
122b,122f ルックバック期間
122c プレキャンペーン期間
122d ポストキャンペーン期間
122e レポート期間
122g プレタグ期間
122h ポストレポート期間
123 貢献度情報記憶部
132 取得部
133 計数部
134 作成部
135 提示部
NW ネットワーク
TG タグ
1000 コンピュータ
1100 CPU
1200 RAM
1300 ROM
1400 HDD
1500 通信インターフェイス
1600 入出力インターフェイス
1700 メディアインターフェイス
1800 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17