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特開2024-119585管継手用チューブ着脱部材、管継手および管継手組立方法
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  • 特開-管継手用チューブ着脱部材、管継手および管継手組立方法 図1
  • 特開-管継手用チューブ着脱部材、管継手および管継手組立方法 図2
  • 特開-管継手用チューブ着脱部材、管継手および管継手組立方法 図3
  • 特開-管継手用チューブ着脱部材、管継手および管継手組立方法 図4
  • 特開-管継手用チューブ着脱部材、管継手および管継手組立方法 図5
  • 特開-管継手用チューブ着脱部材、管継手および管継手組立方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119585
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】管継手用チューブ着脱部材、管継手および管継手組立方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/12 20060101AFI20240827BHJP
   F16L 21/08 20060101ALI20240827BHJP
   F16L 21/02 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
F16L37/12
F16L21/08 B
F16L21/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026591
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000111085
【氏名又は名称】ニッタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 匡史
(72)【発明者】
【氏名】田中 綾芽
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 謙次
【テーマコード(参考)】
3H015
3J106
【Fターム(参考)】
3H015BA01
3H015BA05
3H015BB05
3H015BC01
3H015FA06
3J106AA04
3J106AA06
3J106AB01
3J106BA02
3J106BB01
3J106BC04
3J106BD01
3J106CA12
3J106EA01
3J106ED13
3J106EE01
3J106EE12
3J106EF07
(57)【要約】
【課題】チューブ着脱部材を備えた管継手の組立作業を簡素化する。
【解決手段】チューブ着脱部材100は、チューブ1が挿入可能に形成され、挿入されたチューブ1を保持するロックリング10と、ロックリング10によるチューブ1の保持を解放するリリースリング20と、ロックリング10およびリリースリング20を収容するキャップ30と、ロックリング10およびリリースリング20の移動を制限するバックリング40と、を備え、バックリング40は、キャップ30内に設けられており、キャップ30は、ボディ2の外周が嵌め込み可能に形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブとボディとを連結するためのチューブ着脱部材であって、
前記チューブが挿入可能に形成され、挿入された前記チューブを保持するロックリングと、
前記ロックリングによる前記チューブの保持を解放するリリースリングと、
前記ロックリングおよび前記リリースリングを収容するキャップと、
前記ロックリングおよび前記リリースリングの移動を制限するバックリングと、を備え、
前記バックリングは、前記キャップ内に設けられており、
前記キャップは、前記ボディの外周が嵌め込み可能に形成されている、
チューブ着脱部材。
【請求項2】
前記ロックリングは、前記チューブに当接して前記チューブを保持し、
前記リリースリングは、前記ロックリングを変形させて前記チューブから前記ロックリングを離して、前記ロックリングによる前記チューブの保持を解放し、
前記バックリングは、前記リリースリングによる前記ロックリングの変形を制限する、
請求項1に記載のチューブ着脱部材。
【請求項3】
前記バックリングは、前記キャップに嵌め込まれている、
請求項1に記載のチューブ着脱部材。
【請求項4】
請求項1に記載のチューブ着脱部材と、
前記キャップに嵌め込まれたボディと、
前記ボディに設けられ、前記チューブと前記ボディとの間を閉塞するシール部材と、を備える、
管継手。
【請求項5】
チューブとボディとを連結するためのチューブ着脱部材を前記ボディに取付ける管継手組立方法であって、
前記チューブ着脱部材は、前記チューブが挿入可能に形成され挿入された前記チューブを保持するロックリングと、前記ロックリングによる前記チューブの保持を解放するリリースリングと、前記ロックリングおよび前記リリースリングを収容するキャップと、前記キャップ内に設けられ前記ロックリングおよび前記リリースリングの移動を制限するバックリングと、を備え、
予め組立てられた前記チューブ着脱部材の前記キャップに前記ボディの外周を嵌め込む、
管継手組立方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管継手用チューブ着脱部材、管継手および管継手組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
管継手は、圧縮空気やガス・液体等の流体の配管などに用いられる。特許文献1には、チューブの抜け止めをロックリングによって行う管継手が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された管継手は、先端部がロックリングに接触ないし近接したリリースリングと、リリースリングに外挿された筒状のキャップと、を備えている。ロックリングは、チューブの抜け止め用の爪を有する。ロックリングにチューブが差し込まれると、ロックリングの爪がチューブの表面に食い込み、ロックリングによりチューブが保持される。リリースリングは、ロックリングに対して進退可能にキャップに設けられている。リリースリングをチューブの挿入方向に押し込むと、ロックリングの爪が奥側へと押圧されてチューブから逃がされる。これにより、チューブの取り外しが可能になる。キャップは、バルブのハウジングの接続孔に圧入され、ロックリングを接続孔内に固定するとともにリリースリングの抜けを防止する。ここで、ハウジングは管継手のボディに相当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-089884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の管継手では、管継手のボディに相当するハウジングの接続孔にシール材、ロックリングを備えたバックリング、リリースリングを順に組み込んだ後、キャップを前記接続孔に圧入する。この様な構成では、管継手のチューブ着脱部が数か所ある場合、管継手組立作業が煩雑であり、組立作業の自動化が困難である。
【0006】
本発明は、チューブ着脱部材を備えた管継手の組立作業を簡素化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、チューブとボディとを連結するためのチューブ着脱部材に係り、前記チューブが挿入可能に形成され、挿入された前記チューブを保持するロックリングと、前記ロックリングによる前記チューブの保持を解放するリリースリングと、前記ロックリングおよび前記リリースリングを収容するキャップと、前記ロックリングおよび前記リリースリングの移動を制限するバックリングと、を備え、前記バックリングは、前記キャップ内に設けられており、前記キャップは、前記ボディの外周が嵌め込み可能に形成されている。
【0008】
また、本発明は、チューブとボディとを連結するためのチューブ着脱部材を前記ボディに取付ける管継手取付方法に係り、前記チューブ着脱部材は、前記チューブが挿入可能に形成され挿入された前記チューブを保持するロックリングと、前記ロックリングによる前記チューブの保持を解放するリリースリングと、前記ロックリングおよび前記リリースリングを収容するキャップと、前記キャップ内に設けられ前記ロックリングおよび前記リリースリングの移動を制限するバックリングと、を備え、前記管継手取付方法は、予め組立てられた前記チューブ着脱部材の前記キャップに前記ボディの外周を嵌め込む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、キャップにリリースリング、ロックリングを装着し、バックリングでリリースリングとロックリングをキャップから脱落不能にする事で、チューブ着脱部材を構成する。キャップはボディの外周が嵌め込み可能に構成されており、シール材を取り付けたボディにチューブ着脱部材のキャップを嵌め込む事で管継手となる。チューブ着脱部材は、管継手の形状に関わらず共通のため、チューブ着脱部材のみを自動で組み立てる事が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係るチューブ着脱部材の半裁縦断面図であり、チューブとボディとを連結した状態を示す。
図2図1のA部拡大詳細図である。
図3】ロックリングの平面図である。
図4】ロックリングにチューブを挿入する前の状態を示す拡大詳細図であり、図2に対応して示す。
図5】ロックリングによるチューブの保持を解放した状態を示す拡大詳細図であり、図2に対応して示す。
図6】ボディに取付けられる前のチューブ着脱部材の半裁縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。以下に示す実施形態は、本発明の一例であり、本発明はこれに限られるものではない。実施形態に関する以下の説明において、同様の構成については同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0012】
図1に、本発明の実施形態に係るチューブ着脱部材100の半裁縦断面図を示す。図1では、チューブ1とボディ2とをチューブ着脱部材100を用いて連結し管連結構造とした状態が示されている。チューブ着脱部材100とボディ2と後述するシール部材50とによって、管継手1000が形成される。ボディ2は、不図示のアダプタや機器等に接続されるL型継手であるが、これらはボディ2の一例であって限定されるわけではない。
【0013】
チューブ1を構成する材料としては、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂等を使用することができる。ボディ2を構成する材料としては、グラスファイバー(GF)で強化されたポリアミド12(PA12)、GFで強化されたポリアミド11(PA11)、GFで強化されたPPA、銅合金(C3771等)や銅合金鉛レス材、アルミ合金、ステンレス合金等を使用することができる。
【0014】
チューブ着脱部材100を用いて互いに連結されたチューブ1およびボディ2は、例えば、商用車(トラックやバスなど)を含む自動車のエアブレーキ配管に用いることができる。管連結構造は、建設機械、工作機械などに用いられてもよい。また、チューブ1およびボディ2を流通する流体は、エアに限られず、他の気体であってもよいし液体であってもよい。
【0015】
図1に示すように、ボディ2は、L字状に屈曲する円筒状の部材である。具体的には、ボディ2は、鉛直に延びる鉛直部2Aと、鉛直部2Aの上端から略直角に屈曲して水平に一体に延びる水平部2Bと、を備える。ボディ2の内部には、大小異径の円孔3a、3bによってL字状に屈曲する流路3が形成されている。本実施形態においては、ボディ2をL字状に屈曲する部材としているが、ボディ2を、F字状、T字状又はY字状等のL字状に限定されない様々な形状の部材としてもよいし、ユニオン形状であってもよい。
【0016】
ボディ2の鉛直部2Aの外周の中間高さ位置には、フランジ部2Cが一体に形成されている。フランジ部2Cよりも下方の部分は、不図示のアダプタの内部に差し込まれる差込部2A1を構成している。
【0017】
チューブ着脱部材100は、ボディ2における水平部2Bの開口側端部に取付けられる。チューブ着脱部材100によって、チューブ1が保持される。換言すれば、チューブ着脱部材100によりチューブ1とボディ2とが連結される。
【0018】
図2は、図1に示すA部の拡大詳細図である。図2に示すように、ボディ2の水平部2Bは、内側筒部2Dと、内側筒部2Dを囲むように設けられた外側筒部2Eと、を有している。内側筒部2Dは、外側筒部2Eから延出している。内側筒部2Dと外側筒部2Eとによって水平部2Bの開口側端部が形成されている。内側筒部2Dがチューブ1に挿入される。
【0019】
チューブ着脱部材100は、チューブ1を保持するロックリング10と、ロックリング10に並べて設けられたリリースリング20と、ロックリング10およびリリースリング20を収容するキャップ30と、を備えている。ロックリング10は、例えば金属製である。リリースリング20およびキャップ30は、例えば樹脂製である。
【0020】
図3は、ロックリング10の平面図である。図3に示すように、ロックリング10は、環状に並べられた複数の爪11と、周方向に隣り合う爪11を連結する連結部12と、を有している。
【0021】
なお、「周方向」は、ロックリング10の中心軸周りの方向を意味する。また、以下において、ロックリング10の中心軸を中心とする放射方向を「径方向」とする。
【0022】
連結部12は、爪11よりも径方向外側に配置されている。つまり、ロックリング10は、爪11が相対的に径方向内側に配置され連結部12が径方向外側に配置されたジグザグ状の環状部材である。
【0023】
図2に示すように、チューブ1は、ロックリング10に挿入される。チューブ1の挿入方向は、図2において紙面上右から左へ向かう方向である。以下において、チューブ1の挿入方向を単に「挿入方向」とも称する。ロックリング10の爪11は、径方向内側に向かうにつれ挿入方向に向かうように挿入方向に対して傾斜している。
【0024】
図4は、ロックリング10にチューブ1を挿入する前の状態を示す拡大詳細図であり、図2に対応して示す。図4に示すように、ロックリング10にチューブ1が挿入されていない状態では、径方向に向かい合う爪11の間隔は、チューブ1の外径よりも小さい。チューブ1がロックリング10に挿入されると、ロックリング10の爪11は、チューブ1により挿入方向に押され、径方向に向かい合う爪11の間隔が広がるように変形する(図2参照)。
【0025】
図2に示すように、チューブ1がロックリング10に挿入された状態では、ロックリング10に復元力が生じ、爪11は、径方向内側に向けてチューブ1に当接する。そのため、図2に示す状態においてチューブ1を挿入方向とは逆方向に引いてロックリング10から抜き出そうとすると、ロックリング10の爪11がチューブ1に食い込む。したがって、ロックリング10からチューブ1が抜き出されることを防止することができる。
【0026】
このように、ロックリング10は、径方向内側に向けてチューブ1に当接してチューブ1を保持する。
【0027】
リリースリング20は、ロックリング10によるチューブ1の保持を解放する。図5は、ロックリング10によるチューブ1の保持を解放した状態を示す拡大詳細図であり、図2に対応して示す。
【0028】
図2および図5に示すように、リリースリング20は、挿入方向にロックリング10に並べられている。リリースリング20の中心軸とロックリング10の中心軸とが略一致しており、チューブ1は、リリースリング20に挿入される。
【0029】
リリースリング20は、キャップ30から挿入方向とは反対側に延出しており、ユーザによるリリースリング20の操作が可能になっている。ユーザがリリースリング20を挿入方向に押すと、リリースリング20は、挿入方向に移動する。なお、以下において、挿入方向への移動を「前進」とも称し、挿入方向とは逆方向への移動を「後進」とも称する。つまり、リリースリング20は、ロックリング10に対して前後進可能にキャップ30に収容されている。
【0030】
ユーザの操作によりリリースリング20が前進すると、リリースリング20は、図5に示すようにロックリング10の爪11を挿入方向に押す。これにより、径方向に向かい合う爪11の間隔が広がり、爪11は、チューブ1から離れる。この状態では、チューブ1を挿入方向とは逆方向に引いたとしても、ロックリング10の爪11がチューブ1に食い込まない。したがって、ロックリング10からのチューブ1の抜き出しが可能となる。
【0031】
このように、リリースリング20は、ロックリング10を変形させてチューブ1からロックリング10を離すことにより、ロックリング10によるチューブ1の保持を解放する。
【0032】
キャップ30は、リリースリング20の後進を制限する後進制限部31を有する。後進制限部31は、具体的には、径方向内側に張出した段部である。リリースリング20は、径方向外側に張出す段部21を有しており、後進制限部31は挿入方向に段部21と向き合っている。後進制限部31と段部21とが接触した状態では、リリースリング20は後進しない。したがって、キャップ30からリリースリング20が挿入方向とは逆方向に抜け落ちることを防止することができる。
【0033】
図6は、ボディ2に取付けられる前のチューブ着脱部材100の半裁縦断面図である。図6に示すように、チューブ着脱部材100は、挿入方向へのロックリング10およびリリースリング20の移動を制限するバックリング40を備えている。バックリング40は、例えば樹脂製である。
【0034】
ロックリング10は、バックリング40内に取り付けられている。バックリング40には、ロックリング10の連結部12と接触する段部が形成されており、段部により、ロックリング10の連結部12が挿入方向に変位することを制限する。
【0035】
バックリング40は、挿入方向に対して傾斜した傾斜面41を有する。傾斜面41は、ロックリング10の爪11と同様に、径方向内側に向かうにつれ挿入方向に向かうように傾斜している。図5に示すように、リリースリング20がロックリング10を変形させてチューブ1からロックリング10を離した状態では、傾斜面41は、ロックリング10の爪11に接触し、リリースリング20によるロックリング10の変形を制限する。そのため、ロックリング10の過度な変形を防止することができる。したがって、ロックリング10が破損してチューブ1の保持ができなくなることを防止することができる。また、バックリング40は、シール部材50のバックアップリングとしての機能を有する寸法となっており、さらにシール部材50を固定する段形状を有している。
【0036】
バックリング40は、キャップ30内に設けられている。バックリング40の中心軸とロックリング10の中心軸とは略一致しており、ロックリング10にチューブ1が挿入された状態(図2参照)では、バックリング40にチューブ1が挿入される。
【0037】
バックリング40は、キャップ30に嵌め込まれている。具体的には、バックリング40の外周には、径方向外側に突出する突起42が形成されており、キャップ30の内周には、突起42が配置可能な第1窪み部32が形成されている。突起42および第1窪み部32は、例えば周方向に沿って環状に形成される。バックリング40がキャップ30に挿入されると、突起42が第1窪み部32に配置され、バックリング40がキャップ30に保持される。
【0038】
なお、キャップ30へのバックリング40の嵌め込みは、突起42と第1窪み部32との形態に限られない。例えば、バックリング40の外周に窪み部が形成されキャップ30の内周に突起が形成され、当該窪み部に当該突起が配置されてバックリング40がキャップ30に保持されてもよい。バックリング40の外周に雄ネジが形成されキャップ30の内周に雌ネジが形成され、当該雄ネジと当該雌ネジの螺合によりバックリング40がキャップ30に保持されてもよい。バックリング40がキャップ30に挿入されていない状態においてバックリング40の外側形状をキャップ30の内側形状よりも大きくしておき、キャップ30へバックリング40が挿入されるのに伴ってバックリング40がキャップ30を押し広げることで、バックリング40がキャップ30に保持されてもよい。また、バックリング40の材質を金属とし、突起42をエッジ形状として、第1窪み部32が形成されていないキャップ30に圧入してもよい。
【0039】
キャップ30の内周には、第1窪み部32とは別の第2窪み部33が形成されている。第2窪み部33は、バックリング40よりも挿入方向側(図6における紙面左側)に位置している。
【0040】
図2に示すように、キャップ30には、ボディ2の外側筒部2Eが挿入される。キャップ30に外側筒部2Eが挿入された状態では、外側筒部2Eの外周に形成された突起2Fがキャップ30の第2窪み部33に配置され、キャップ30がボディ2に保持される。つまり、キャップ30は、ボディ2の外周が嵌め込み可能に形成されている。
【0041】
なお、キャップ30へのボディ2の嵌め込みは、突起2Fと第2窪み部33との形態に限られない。キャップ30の内周に突起が形成されボディ2の外周に窪み部が形成され、当該窪み部に当該突起が配置されてキャップ30がボディ2に保持されてもよい。キャップ30の内周に雌ネジが形成されボディ2の外周に雄ネジが形成され、当該雌ネジと当該雄ネジの螺合によりキャップ30がボディ2に保持されてもよい。また、ボディ2がキャップ30に挿入されていない状態においてキャップ30の内側形状をボディ2の外側形状よりも小さくしておき、キャップ30へボディ2が挿入されるのに伴ってキャップ30がボディ2により押し広げられることで、キャップ30がボディ2に保持されてもよい。
【0042】
このように、チューブ着脱部材100では、キャップ30内に設けられたバックリング40がキャップ30に収容されたロックリング10およびリリースリング20の移動を制限し、キャップ30は、ボディ2の外周が嵌め込み可能に形成されている。
【0043】
ボディ2には様々な形状(L型、F型、T型、Y型等)、大きさの部材が用いられるが、チューブ着脱部材100は、対応チューブ外径寸法が同じボディであれば、同じ部材を使用可能である。したがって、チューブ着脱部材100を組み立て保管しておき、ボディ2の形状ごとに別の工程で組立て、管継手1000として完成させる事が可能である。また、チューブ着脱部材100の組み立ては機械にて自動化することが容易である。
【0044】
チューブ着脱部材100を用いてチューブ1とボディ2とを連結した状態では、チューブ1の外周とボディ2の外側筒部2Eの内周との間にシール部材50が設けられる。シール部材50は、ゴム等の弾性材からなる。シール部材50は、チューブ1の外周とボディ2の外側筒部2Eの内周に接触してチューブ1とボディ2との間を閉塞し、気密性を確保する。したがって、チューブ1とボディ2との間から流体が漏れることを防止することができる。
【0045】
シール部材50は、ボディ2の外側筒部2Eに形成された段部に収容されている。バックリング40は、外側筒部2Eと挿入方向に隣り合っており、外側筒部2Eからシール部材50が抜け出るのを防止している。
【0046】
次に、チューブ着脱部材100をボディ2に取付ける方法を説明する。チューブ着脱部材100の取付けでは、チューブ着脱部材100は、予め組立てられる。
【0047】
チューブ着脱部材100の組立ての一例を示すと、キャップ30にリリースリング20を挿入方向とは逆方向から装着する。バックリング40にロックリング10を装着する。そのバックリング40をキャップ30に圧入する。バックリング40の突起42がキャップ30の第1窪み部32に配置されると、バックリング40がキャップ30に保持され、チューブ着脱部材100の組立てが完了する。
【0048】
チューブ着脱部材100が組立てられた状態では、キャップ30の後進制限部31により、挿入方向とは逆方向へのロックリング10およびリリースリング20の抜け落ちが防止され、バックリング40により、挿入方向へのロックリング10およびリリースリング20の抜け落ちが防止される。
【0049】
チューブ着脱部材100をボディ2に取付けるには、まず、シール部材50をボディ2の外側筒部2E内に配置する。その後、キャップ30の外周を持ち、ボディ2の外側筒部2Eをキャップ30に挿入する(図4)。ボディ2の突起2Fがキャップ30の第2窪み部33に配置されると、キャップ30がボディ2に保持される。以上により、チューブ着脱部材100の取付けが完了する。
【0050】
チューブ1をボディ2に連結するには、図2に示すようにチューブ1をチューブ着脱部材100に挿入すればよい。チューブ1の挿入により、ロックリング10によりチューブ1が保持される。チューブ1の挿入時に、リリースリング20を挿入方向に押してロックリング10の爪11の間隔を広げておいてもよい。
【0051】
チューブ1をボディ2から外すには、まず、リリースリング20を挿入方向に押してロックリング10の爪11の間隔を広げる。これにより、ロックリング10によるチューブ1の保持が解放される。この状態で、チューブ1を挿入方向とは逆方向に引く。これにより、チューブ1がボディ2から外れる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
【0053】
上記の実施形態では、ボディ2は、内側筒部2Dを有しているが、内側筒部2Dを有していなくてもよい。
【0054】
上記の実施形態では、バックリング40は、ロックリング10およびリリースリング20の移動を制限するとともに、リリースリング20によるロックリング10の変形を制限する。バックリング40は、ロックリング10およびリリースリング20の移動を制限するだけでもよい。この場合には、リリースリング20によるロックリング10の変形を制限する部材をバックリング40とは別に設けておくことが好ましい。
【符号の説明】
【0055】
100 チューブ着脱部材
1000 管継手
1 チューブ
2 ボディ
10 ロックリング
20 リリースリング
30 キャップ
40 バックリング
50 シール部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6