(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119599
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】蓄熱式バーナー
(51)【国際特許分類】
F23L 15/02 20060101AFI20240827BHJP
F23C 99/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
F23L15/02
F23C99/00 325
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026608
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129791
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 真由美
(74)【代理人】
【識別番号】100144200
【弁理士】
【氏名又は名称】奥西 祐之
(72)【発明者】
【氏名】大橋 武史
【テーマコード(参考)】
3K023
3K065
【Fターム(参考)】
3K023QA03
3K023QB01
3K023QC05
3K065TA01
3K065TA18
3K065TC03
3K065TD05
3K065TF01
3K065TG04
(57)【要約】
【課題】直火燃焼による短い火炎長と、通常の拡散燃焼による長い火炎長と、それらの中間的な火炎長を形成する蓄熱式バーナーを提供する。
【解決手段】内部に配設される蓄熱体12a、12bを介して支燃ガスの供給および排気ガスの排出を行う給排気部11a、11bと、給排気部11a、11bの内部に配設されて燃料を吐出する第1ノズル21a、21bと、給排気部11a、11bから離間配置されて給排気部11a、11bから供給される支燃ガスの流れ方向に沿って燃料を吐出する第2ノズル22a、22bと、給排気部11a、11bと第2ノズル22a、22bとの間に配設されて、給排気部11a、11bから供給される支燃ガスに対して燃料を吐出する第3ノズル23a、23bと、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に配設される蓄熱体を介して支燃ガスの供給および排気ガスの排出を行う給排気部と、
前記給排気部の内部に配設されて燃料を吐出する第1ノズルと、
前記給排気部から離間配置されて前記給排気部から供給される前記支燃ガスの流れ方向に沿って前記燃料を吐出する第2ノズルと、
前記給排気部と前記第2ノズルとの間に配設されて、前記給排気部から供給される前記支燃ガスに対して前記燃料を吐出する第3ノズルと、を備えることを特徴とする蓄熱式バーナー。
【請求項2】
前記第3ノズルは、前記支燃ガスの流れに向けて前記燃料を斜めに吐出するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の蓄熱式バーナー。
【請求項3】
前記第1ノズルと前記第2ノズルと前記第3ノズルに前記燃料を供給する燃料供給管には、それぞれへの前記燃料の供給量を調整する第1バルブと第2バルブと第3バルブとを配設して、前記第3ノズルによる第3火炎の火炎長は、前記第1ノズルによる第1火炎の最大火炎長と前記第2ノズルによる第2火炎の最小火炎長とを含むように調整可能であることを特徴とする、請求項1に記載の蓄熱式バーナー。
【請求項4】
前記第1ノズルおよび前記第3ノズルから前記燃料を吐出することを特徴とする、請求項1に記載の蓄熱式バーナー。
【請求項5】
内部に配設される蓄熱体を介して支燃ガスの供給および排気ガスの排出を行う給排気部と、
前記給排気部の内部に配設されて燃料を吐出する第1ノズルと、
前記給排気部から離間配置されて前記給排気部から供給される前記支燃ガスの流れ方向に沿って燃料を吐出する第2ノズルとを備える蓄熱式バーナーに対して、
前記給排気部と前記第2ノズルとの間に配設されて、前記給排気部から供給される前記支燃ガスに対して前記燃料を吐出する第3ノズルを追加することを特徴とする、蓄熱式バーナーの改造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、蓄熱式バーナーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一対の蓄熱式バーナーは、支燃ガスの供給および排気ガスの排出とを交互に行い、排気ガスの熱を回収して支燃ガスの予熱に利用することによって、高い熱効率を達成している。
【0003】
特許文献1は、燃料ガス内流と外流の流量比率を変更することにより、火炎長などを変更可能にするバーナーを開示する。特許文献2および特許文献3は、炉の立ち上げ時や炉内が着火温度以下であるときに、予め混合した空気および燃料を中央ノズルから吐出して直進性の火炎とし、炉内雰囲気が燃料の着火温度以上になると、炉内に直接吐出される燃料を拡散燃焼させる蓄熱式バーナーを開示する。
【0004】
特許文献4は、一対の副燃料管、給排気部および主燃料管を横並びで配置して、副燃料管による燃焼タイミングと主燃料管による燃焼タイミングとをずらすことによって、火炎長さや炉内温度分布を調整するリジェネバーナー装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60-11018号公報
【特許文献2】特開2003-74834号公報
【特許文献3】特開2008-232475号公報
【特許文献4】特許6448679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来より、蓄熱式バーナーでは、火炎長が短い直火燃焼と、火炎長が長い拡散燃焼とを使い分けて、それぞれの燃焼量を調整することによって、火炎長を調整して、炉内の温度分布を調整している。しかしながら、拡散燃焼において、燃焼量を絞って火炎長を短くしようとしても、安定的な拡散燃焼を維持するためには、例えば、拡散燃焼の通常の火炎長の約30%の長さにしか短くすることができない。また、直火燃焼において、燃焼量を最大にして火炎長を最大にしようとしても、拡散燃焼の通常の火炎長の約20%相当の長さにしか長くすることができない。直火燃焼での火炎長を長くするためには直火燃焼用ノズルを大型化すればよいが、高温の火炎によって窒素酸化物(NOx)の排出量が増加してしまう。したがって、従来の蓄熱式バーナーでは、通常の拡散燃焼による火炎長と直火燃焼による火炎長との間に、空白になっている火炎長が存在する。
【0007】
そこで、この発明の課題は、直火燃焼による短い火炎長と、通常の拡散燃焼による長い火炎長との中間的な火炎長を形成する蓄熱式バーナーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明の一態様に係る蓄熱式バーナーは、
内部に配設される蓄熱体を介して支燃ガスの供給および排気ガスの排出を行う給排気部と、
前記給排気部の内部に配設されて燃料を吐出する第1ノズルと、
前記給排気部から離間配置されて前記給排気部から供給される前記支燃ガスの流れ方向に沿って燃料を吐出する第2ノズルと、
前記給排気部と前記第2ノズルとの間に配設されて、前記給排気部から供給される前記支燃ガスに対して前記燃料を吐出する第3ノズルと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、第3ノズルを用いた新規の拡散燃焼によって、第1ノズルの直火燃焼による短い火炎長と、第2ノズルの通常の拡散燃焼による長い火炎長との中間的な火炎長を形成でき、第1ノズルを大型化することなく、窒素酸化物(NOx)の排出を抑制した状態で炉内温度分布を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】蓄熱式バーナーにおいて、給排気部を用いた直火燃焼を模式的に説明する図である。(A)は一方の第1ノズルを用いた直火燃焼を示し、(B)は他方の第1ノズルを用いた直火燃焼を示す。
【
図2】蓄熱式バーナーにおいて、通常の拡散燃焼を模式的に説明する図である。(A)は一方の第2ノズルを用いた通常の拡散燃焼を示し、(B)は他方の第2ノズルを用いた通常の拡散燃焼を示す。
【
図3】第1実施形態に係る蓄熱式バーナーを模式的に説明する図である。(A)は一方の第3ノズルを用いた新規の拡散燃焼を示し、(B)は他方の第3ノズルを用いた新規の拡散燃焼を示す。
【
図4】第2実施形態に係る蓄熱式バーナーを模式的に説明する図である。(A)は一方の第3ノズルを用いた新規の拡散燃焼を示し、(B)は他方の第3ノズルを用いた新規の拡散燃焼を示す。
【
図5】この発明の蓄熱式バーナーの特徴を模式的に説明する図である。(A)は第1ノズルを用いた直火燃焼時の最大火炎長を示し、(B)は第2ノズルを用いた通常の拡散燃焼時の最大火炎長を示し、(C)は第2ノズルを用いた通常の拡散燃焼時の最小火炎長を示し、(D)は第3ノズルを用いた新規の拡散燃焼時の火炎長を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、この発明に係る蓄熱式バーナー10a、10bの実施の形態を説明するが、便宜上、
図1等において、炉1の幅方向の中央部を挟んで、左側を一方の側とするとともに、右側を他方の側とする。また、
図1等において、バルブを開いた状態は白抜きで示し、バルブを閉じた状態は黒塗りで示している。
【0012】
〔第1実施形態〕
図1から
図3および
図5を参照しながら、第1実施形態に係る蓄熱式バーナー10a、10bを説明する。
図1は、蓄熱式バーナー10a、10bにおいて、給排気部11a、11bを用いた直火燃焼を模式的に説明する図である。(A)は一方の第1ノズル21aを用いた直火燃焼を示し、(B)は他方の第1ノズル21bを用いた直火燃焼を示す。
図2は、蓄熱式バーナー10a、10bにおいて、通常の拡散燃焼を模式的に説明する図である。(A)は一方の第2ノズル22aを用いた通常の拡散燃焼を示し、(B)は他方の第2ノズル22bを用いた通常の拡散燃焼を示す。
図3は、第1実施形態に係る蓄熱式バーナー10a、10bを模式的に説明する図である。(A)は一方の第3ノズル23aを用いた新規の拡散燃焼を示し、(B)は他方の第3ノズル23bを用いた新規の拡散燃焼を示す。
図5は、この発明の蓄熱式バーナー10a、10bの特徴を模式的に説明する図である。(A)は第1ノズル21a、21bを用いた直火燃焼時の最大火炎長L1を示し、(B)は第2ノズル22a、22bを用いた通常の拡散燃焼時の最大火炎長L2-1を示し、(C)は第2ノズル22a、22bを用いた通常の拡散燃焼時の最小火炎長L2-2を示し、(D)は第3ノズル23a、23bを用いた新規の拡散燃焼時の火炎長L3を示す。
【0013】
図1に示すように、例えば、一対の蓄熱式バーナー10a、10bは、炉1の炉壁2において対向するように配設される。一方の蓄熱式バーナー10aは、一方の給排気口14aを備える一方の給排気部11aと、一方の第1ノズル21aと、一方の第2ノズル22aと、一方の第3ノズル23aとを有する。例えば、一対の一方の第2ノズル22a,22aは、一方の給排気部11aを挟むように離間配置され、一対の一方の第3ノズル23a,23aは、一方の給排気部11aと一方の第2ノズル22aとの間に配設される。一方の給排気口14aと、一方の第2ノズル22aの吐出口と、一方の第3ノズル23aの吐出口とは、例えば、一方の側方に位置する壁面2において面一で配設される。
【0014】
他方の蓄熱式バーナー10bも、他方の給排気口14bを備える他方の給排気部11bと、他方の第1ノズル21bと、他方の第2ノズル22bと、他方の第3ノズル23bとを有する。例えば、一対の他方の第2ノズル22b,22bは、他方の給排気部11bを挟むように離間配置され、一対の他方の第3ノズル23b,23bは、他方の給排気部11bと他方の第2ノズル22bとの間に配設される。他方の給排気口14bと、他方の第2ノズル22bの吐出口と、他方の第3ノズル23bの吐出口とは、例えば、他方の側方に位置する壁面2において面一で配設される。
【0015】
一方の給排気部11aにおいて、その内部には一方の蓄熱体12aが配設されるとともに、一方の蓄熱体12aよりも炉内3の近い側には、一方の第1ノズル21aが配設される。他方の給排気部11bにおいても、その内部には他方の蓄熱体12bが配設されるとともに、他方の蓄熱体12bよりも炉内3の近い側には、他方の第1ノズル21bが配設される。
【0016】
一方の第1ノズル21a、一方の第2ノズル22aおよび一方の第3ノズル23aのそれぞれは、燃料を供給する燃料供給管41に接続されている。燃料供給管41には、一方の第1ノズル21aに対応する一方の第1バルブ31aと、一方の第2ノズル22aに対応する一方の第2バルブ32aと、一方の第3ノズル23aに対応する一方の第3バルブ33aとが配設される。第1バルブ31a、第2バルブ32aおよび第3バルブ33aは、それぞれ、燃料供給管41から供給される燃料の供給量を調整する。
【0017】
同様に、他方の第1ノズル21b、他方の第2ノズル22bおよび他方の第3ノズル23bのそれぞれは、燃料を供給する燃料供給管41に接続されている。燃料供給管41には、他方の第1ノズル21bに対応する他方の第1バルブ31bと、他方の第2ノズル22bに対応する他方の第2バルブ32bと、他方の第3ノズル23bに対応する他方の第3バルブ33bとが配設される。第1バルブ31b、第2バルブ32bおよび第3バルブ33bは、それぞれ、燃料供給管41から供給される燃料の供給量を調整する。燃料として、例えば、天然ガス(都市ガス)、プロパン、ブタン、水素、アンモニアなどの燃料ガスが用いられる。
【0018】
一方の第2ノズル22aおよび他方の第2ノズル22bは、それぞれ、一方の給排気部11aおよび他方の給排気部11bのそれぞれから吐出される支燃ガスの流れ方向に沿って、燃料を吐出するように構成される。
【0019】
一方の第3ノズル23aおよび他方の第3ノズル23bは、それぞれ、一方の給排気部11aおよび他方の給排気部11bのそれぞれから吐出される支燃ガスの流れに向けて、燃料を斜めに吐出するように構成される。これにより、吐出された燃料は通常の拡散燃焼よりも狭い範囲で炉内3を拡散して混合性の良い状態で燃焼するために、新規の拡散燃焼による火炎(
図5(D)においてF3として図示)は狭い範囲で形成されるので、新規の拡散燃焼による火炎長(
図5(D)においてL3として図示)は通常の拡散燃焼による火炎長よりも短くなる。
【0020】
一方の給排気部11aおよび他方の給排気部11bには、支燃ガス供給管45および排ガス排出管46が接続される。支燃ガス供給管45には、一方の給排気部11aに対応する一方の支燃ガスバルブ35aと、他方の給排気部11bに対応する他方の支燃ガスバルブ35bとが配設される。支燃ガス供給管45の上流側には給気ファン51が配設され、支燃ガスは、支燃ガス供給管45を通じて給排気部11a、11bに供給される。支燃ガスとして、例えば空気が用いられるが、酸素単体や、酸素を含む混合ガスも用いることができる。
【0021】
排ガス排出管46の下流側には排気ファン53および煙突55が配設され、排気ガスは、排ガス排出管46を流れたあと煙突55から排出される。排ガス排出管46には、一方の給排気部11aに対応する一方の排ガスバルブ36aと、他方の給排気部11bに対応する他方の排ガスバルブ36bとが配設される。
【0022】
次に、上記の構成からなる一対の蓄熱式バーナー10a、10bの動作を説明する。
【0023】
不図示であるが、炉1の操業開始時には、蓄熱式バーナー10a,10bの両方が同時に用いられて、第1ノズル21a、21bから吐出される燃料と、支燃ガス供給管45とから供給される支燃ガスとによって燃焼を行い、炉内3を昇温させる。燃焼によって生成された排気ガスは、炉壁2に設けられた排気口(不図示)を通じて排出される。
【0024】
炉内3の温度が燃料の着火温度(例えば800℃)以上になると、一方の蓄熱式バーナー10aの動作と他方の蓄熱式バーナー10bの動作とが交番する蓄熱燃焼に切り替えられる。すなわち、蓄熱燃焼では、一方の蓄熱式バーナー10aが燃焼動作を行い且つ他方の蓄熱式バーナー10bが排気ガスの熱を蓄熱する蓄熱動作を行い、一方の蓄熱式バーナー10aが排気ガスの熱を蓄熱する蓄熱動作を行い且つ他方の蓄熱式バーナー10bが燃焼動作を行うことを交番する。以下に説明するように、蓄熱燃焼では、第2ノズル22a、22bを用いる拡散燃焼が通常行われる(簡単のために、「通常の拡散燃焼」という)。
【0025】
図2を参照しながら、一方の蓄熱式バーナー10aおよび他方の蓄熱式バーナー10bにおける通常の拡散燃焼を説明する。
【0026】
図2(A)において、一方の第2バルブ32aを開にすることで一方の第2ノズル22aから燃料が吐出され、吐出された燃料は炉内3を広い範囲で拡散する。炉内3を拡散した燃料は、一方の支燃ガスバルブ35aを開にすることで一方の給排気部11aから供給される支燃ガスと出会うことにより、一方の蓄熱式バーナー10aは通常の拡散燃焼を行う。したがって、一方の第2ノズル22aは、一方の給排気部11aから離れた位置での通常の拡散燃焼を生じさせる。
【0027】
図2(B)において、他方の第2バルブ32bを開にすることで他方の第2ノズル22bから燃料が吐出され、吐出された燃料は炉内3を広い範囲で拡散する。炉内3を拡散した燃料は、他方の支燃ガスバルブ35bを開にすることで他方の給排気部11bから供給される支燃ガスと出会うことにより、他方の蓄熱式バーナー10bは通常の拡散燃焼を行う。したがって、他方の第2ノズル22bは、他方の給排気部11bから離れた位置での通常の拡散燃焼を生じさせる。
【0028】
そして、通常の拡散燃焼では、炉内3の温度が燃料の着火温度以上になっているため、第2ノズル22a、22bから吐出される燃料は、給排気部11a、11bから供給される支燃ガスと出会うと自燃する。
【0029】
したがって、第2ノズル22a、22bを用いた通常の拡散燃焼では、炉内3に供給された燃料は広い範囲で炉内3を拡散しながら燃焼して、炉内3の各所において拡散燃焼による第2火炎F2を形成する。
図2に示す第2火炎F2は、
図1に示した直火燃焼による第1火炎F1が届かない領域にも形成され、炉内3のワーク(図示しない)を加熱する。したがって、通常の拡散燃焼による加熱は、炉内3を広い範囲で加熱することができる。通常の拡散燃焼では、火炎温度が低くなるために窒素酸化物(NOx)の排出量を抑制できる。
【0030】
図2(A)に示すように、一方の蓄熱式バーナー10aが通常の拡散燃焼を行っている間、他方の蓄熱式バーナー10bが蓄熱動作を行い、
図2(B)に示すように、一方の蓄熱式バーナー10aが蓄熱動作を行っている間、他方の蓄熱式バーナー10bは、通常の拡散燃焼を行う。
【0031】
蓄熱式バーナー10a、10bにおける蓄熱動作を説明する。蓄熱動作では、蓄熱式バーナー10a、10bが燃焼することによって生成された排気ガスの熱を蓄熱する。例えば、
図2(A)において、一方の蓄熱式バーナー10aが通常の拡散燃焼を行うことにより生成される排気ガスは、他方の蓄熱式バーナー10bにおける他方の排ガスバルブ36bが開になり且つ排気ファン53によって吸引されることにより、他方の給排気部11bに取り込まれる。排気ガスが他方の給排気部11bを通過する過程で、他方の給排気部11bに配設される他方の蓄熱体12bが排気ガスからの熱を吸収することにより、他方の蓄熱体12bが蓄熱される。他方の蓄熱体12bに蓄熱された熱は、次に他方の蓄熱式バーナー10bが燃焼するときに支燃ガスが他方の蓄熱体12bを通過するときに支燃ガスを予熱する。
【0032】
同様に、
図2(B)において、他方の蓄熱式バーナー10bが通常の拡散燃焼を行うことにより生成される排気ガスは、一方の蓄熱式バーナー10aにおける一方の排ガスバルブ36aが開になり且つ排気ファン53によって吸引されることにより、一方の給排気部11aに取り込まれる。排気ガスが一方の給排気部11aを通過する過程で、一方の給排気部11aに配設される一方の蓄熱体12aが排気ガスからの熱を吸収することにより、一方の蓄熱体12aが蓄熱される。一方の蓄熱体12aに蓄熱された熱は、次に一方の蓄熱式バーナー10aが燃焼するときに支燃ガスが一方の蓄熱体12aを通過するときに支燃ガスを予熱する。なお、上述した各種のバルブ31a、31b、32a、32b、33a、33b、35a、35b、36a、36bの開閉動作は、図示しない制御部によって制御される。
【0033】
蓄熱燃焼において上述した通常の拡散燃焼における最小火炎長(
図5(C)においてL2-2として図示)よりもさらに短い火炎長を必要とする場合には、直火燃焼が使用される。
図1を参照しながら、一方の蓄熱式バーナー10aおよび他方の蓄熱式バーナー10bにおける直火燃焼を説明する。
【0034】
図1(A)に示すように、一方の第1バルブ31aおよび一方の支燃ガスバルブ35aを開にし、他のバルブ31b、32a、32b、33a、33bと、他方の支燃ガスバルブ35bとを閉にする。これにより、一方の第1ノズル21aから吐出される燃料と一方の給排気部11aに供給される支燃ガスとが予め混合される。予混合された直火燃焼では、燃焼効率が高くて直進性を有する一方の第1火炎F1が生成される。
【0035】
同様に、
図1(B)に示すように、他方の第1バルブ31bおよび他方の支燃ガスバルブ35bを開にし、他のバルブ31a、32a、32b、33a、33bと、一方の支燃ガスバルブ35aとを閉にする。これにより、他方の第1ノズル21bから吐出される燃料と他方の給排気部11bに供給される支燃ガスとが予め混合される。予混合された直火燃焼では、燃焼効率が高くて直進性を有する他方の第1火炎F1が形成される。
【0036】
蓄熱燃焼において上述した通常の拡散燃焼における最小火炎長(
図5(C)においてL2-2として図示)と、上述した直火燃焼における最大火炎長(
図5(A)においてL1として図示)との間に空白になっている火炎長を必要をする場合には、新規の拡散燃焼が行われる。
図3を参照しながら、一方の蓄熱式バーナー10aおよび他方の蓄熱式バーナー10bにおける新規の拡散燃焼を説明する。
【0037】
図3(A)において、一方の第3バルブ33aを開にすることで一方の第3ノズル23aから燃料が吐出され、吐出された燃料は上述した通常の拡散燃焼の場合よりも狭い範囲で炉内3を拡散する。拡散した燃料は、一方の支燃ガスバルブ35aを開にすることで一方の給排気部11aから供給される支燃ガスと出会うことにより、一方の蓄熱式バーナー10aは新規の拡散燃焼による火炎(
図5(D)においてF3として図示)を狭い範囲で形成する。したがって、一方の第3ノズル23aは、通常の拡散燃焼よりも一方の給排気部11aに寄った位置において、通常の拡散燃焼による火炎長よりも短い火炎長(
図5(D)においてL3として図示)を形成する新規の拡散燃焼を生じさせる。
【0038】
図3(B)において、他方の第3バルブ33bを開にすることで他方の第3ノズル23bから燃料が吐出され、吐出された燃料は上述した通常の拡散燃焼の場合よりも狭い範囲で炉内3を拡散する。拡散した燃料は、他方の支燃ガスバルブ35bを開にすることで他方の給排気部11bから供給される支燃ガスと出会うことにより、他方の蓄熱式バーナー10bは新規の拡散燃焼による火炎(
図5(D)においてF3として図示)を狭い範囲で形成する。したがって、他方の第3ノズル23bは、通常の拡散燃焼よりも他方の給排気部11bに寄った位置において、通常の拡散燃焼による火炎長よりも短い火炎長(
図5(D)においてL3として図示)を形成する新規の拡散燃焼を生じさせる。
【0039】
そして、新規の拡散燃焼においても、炉内3の温度が燃料の着火温度以上になっているため、第3ノズル23a、23bから吐出される燃料は、給排気部11a、11bから供給される支燃ガスと出会うと自燃する。
【0040】
したがって、第3ノズル23a、23bを用いた新規の拡散燃焼では、炉内3に供給された燃料は通常の拡散燃焼の場合よりも狭い範囲で炉内3を拡散しながら混合性の良い状態で燃焼して、炉内3の各所において新規の拡散燃焼による第3火炎F3を形成する。新規の拡散燃焼では、通常の拡散燃焼と同様に、火炎温度が低くなるために窒素酸化物(NOx)の排出量を抑制できる。
【0041】
通常の拡散燃焼の場合と同様に、
図3(A)に示すように、一方の蓄熱式バーナー10aが新規の拡散燃焼を行っている間、他方の蓄熱式バーナー10bが他方の蓄熱体12bによる蓄熱動作を行い、他方の蓄熱体12bに蓄熱された熱は、次に他方の蓄熱式バーナー10bが燃焼するときに支燃ガスが他方の蓄熱体12bを通過するときに支燃ガスを予熱する。また、
図3(B)に示すように、他方の蓄熱式バーナー10bが新規の拡散燃焼を行っている間、一方の蓄熱式バーナー10aが一方の蓄熱体12aによる蓄熱動作を行い、一方の蓄熱体12aに蓄熱された熱は、次に一方の蓄熱式バーナー10aが燃焼するときに支燃ガスが一方の蓄熱体12aを通過するときに支燃ガスを予熱する。
【0042】
図5を参照しながら、この発明の蓄熱式バーナー10a、10bにおける火炎長の違い説明する。
【0043】
図5(A)に示すように、第1ノズル21a、21bを用いた直火燃焼時の第1火炎F1は、最大火炎長L1を形成する。
図5(B)に示すように、第2ノズル22a、22bを用いた通常の拡散燃焼時の第2火炎F2は、最大火炎長L2-1を形成する。
図5(C)に示すように、第2ノズル22a、22bを用いた通常の拡散燃焼時の第2火炎F2は、最小火炎長L2-2を形成する。
図5(D)に示すように、第3ノズル23a、23bを用いた新規の拡散燃焼時の第3火炎F3は、火炎長L3を形成する。
【0044】
図5(A)に示す直火燃焼による第1火炎F1でも、燃焼量の調整により火炎長を変化させることができるが、火炎長の可変幅は小さく、最大でも最大火炎長L1に留まる。通常の拡散燃焼による第2火炎F2は、
図5(A)に示す第1火炎F1よりも幅広く火炎長を変化させることができ、
図5(B)に示す最大火炎長L2-1から
図5(C)に示す最小火炎長L2-2までの火炎長範囲を有する。
図5(A)に示す直火燃焼の最大火炎長L1と、
図5(C)に示す通常の拡散燃焼の最小火炎長L2-2との間に、空白となる火炎長が存在している。
【0045】
新規の拡散燃焼においては、吐出された燃料は、通常の拡散燃焼の場合よりも狭い範囲で炉内3を拡散して混合性の良い状態で燃焼するので、通常の拡散燃焼による火炎長よりも短い火炎長L3を形成する。新規の拡散燃焼による第3火炎F3の火炎長L3は、通常の拡散燃焼による第2火炎F2の最小火炎長L2-2を含むように構成される。そして、火炎長L3は、直火燃焼による第1火炎F1の最大火炎長L1を含むように構成される。言い換えると、第3ノズル23a、23bによる第3火炎F3の火炎長L3は、第1ノズル21a、21bによる第1火炎F1の最大火炎長L1と、第2ノズル22a、22bによる第2火炎F2の最小火炎長L2-2とを含むように、第3バルブ33a、33bによる燃料の流量の調整範囲が構成される。したがって、新規の拡散燃焼による第3火炎F3は、直火燃焼による第1火炎F1の最大火炎長L1と通常の拡散燃焼による第2火炎F2の最小火炎長L2-2との間を埋めるような中間的な火炎長L3を形成する。これにより、新規の拡散燃焼は、直火燃焼による最大火炎長L1と、通常の拡散燃焼による最小火炎長L2-2との中間的な火炎長L3によって、空白になっている火炎長を埋めることができる。
【0046】
したがって、第3ノズル23a、23bを用いた新規の拡散燃焼によって、第1ノズル21a、21bの直火燃焼による短い火炎長と、第2ノズル22a、22bの通常の拡散燃焼による長い火炎長との中間的な火炎長L3を形成でき、第1ノズル21a、21bを大型化することなく、窒素酸化物(NOx)の排出を抑制した状態で炉内温度分布を調整できる。
【0047】
〔第2実施形態〕
図4を参照しながら、第2実施形態に係る蓄熱式バーナー10a、10bを説明する。
図4(A)は、第2実施形態に係る蓄熱式バーナー10a、10bであって、一方の第3ノズル23aを用いた新規の拡散燃焼を模式的に説明する断面図である。
図4(B)は、第2実施形態に係る蓄熱式バーナー10a、10bであって、他方の第3ノズル23bを用いた新規の拡散燃焼を模式的に説明する断面図である。
【0048】
図4に示すように、一方の第3ノズル23aおよび他方の第3ノズル23bは、それぞれ、一方の給排気部11aおよび他方の給排気部11bの近傍に位置する。それとともに、一方の第3ノズル23aおよび他方の第3ノズル23bは、それぞれ、一方の給排気部11aおよび他方の給排気部11bのそれぞれから吐出される支燃ガスの流れ方向に沿って、燃料を吐出するように構成されている。
【0049】
図4(A)において、一方の第3バルブ33aを開にすることで一方の第3ノズル23aから吐出される燃料が、支燃ガスの流れ方向に沿って流れ、吐出された燃料は上述した通常の拡散燃焼の場合よりも狭い範囲で炉内3を拡散する。拡散した燃料は、一方の支燃ガスバルブ35aを開にすることで一方の給排気部11aから供給される支燃ガスと出会うことにより、一方の蓄熱式バーナー10aは新規の拡散燃焼を行う。したがって、一方の第3ノズル23aは通常の拡散燃焼よりも一方の給排気部11aに寄った位置において、新規の拡散燃焼を生じさせる。
【0050】
図4(B)において、他方の第3バルブ33bを開にすることで他方の第3ノズル23bから吐出される燃料が、支燃ガスの流れ方向に沿って流れ、吐出された燃料は上述した通常の拡散燃焼の場合よりも狭い範囲で炉内3を拡散する。拡散した燃料は、他方の支燃ガスバルブ35bを開にすることで他方の給排気部11bから供給される支燃ガスと出会うことにより、他方の蓄熱式バーナー10bは新規の拡散燃焼を行う。したがって、他方の第3ノズル23bは通常の拡散燃焼よりも他方の給排気部11bに寄った位置において、新規の拡散燃焼を生じさせる。
【0051】
そして、上述した第1実施形態と同様に、炉内3の温度が燃料の着火温度以上になっているため、第3ノズル23a、23bから吐出される燃料は、給排気部11a、11bから供給される支燃ガスと出会うと自燃する。
【0052】
第2実施形態に係る新規の拡散燃焼においても、炉内3に供給された燃料は通常の拡散燃焼の場合よりも狭い範囲で炉内3を拡散しながら混合性の良い状態で燃焼して、炉内3の各所において新規の拡散燃焼による第3火炎F3を形成する。したがって、第3ノズル23a、23bを用いた新規の拡散燃焼によって、第1ノズル21a、21bの直火燃焼による短い火炎長と、第2ノズル22a、22bの通常の拡散燃焼による長い火炎長との中間的な火炎長L3を形成でき、第1ノズル21a、21bを大型化することなく、窒素酸化物(NOx)の排出を抑制した状態で炉内温度分布を調整できる。そして、支燃ガスの流れ方向に対して斜めに燃料を吐出する第1実施形態(
図3に図示)と比較して、燃料がより遠方まで拡散することによって
図3に示した火炎長よりも長い火炎長が得られる。これにより、火炎長の調整範囲を長い側にシフトさせることができ、応用範囲を拡大できるようになる。
【0053】
この発明の具体的な実施の形態や数値について説明したが、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
【0054】
上記の実施の形態では、開閉バルブとして働く、第1バルブ31a、31b、第2バルブ32a、32bまたは第3バルブ33a、33bのいずれか一つを開にして(残りを閉にして)、直火燃焼、通常の拡散燃焼または新規の拡散燃焼のいずれか一つを行うことを例示している。しかしながら、第1バルブ31a、31b、第2バルブ32a、32bおよび第3バルブ33a、33bのそれぞれを、弁体の開度を調節可能である調節バルブにして、第1ノズル21a、21bからの吐出流量、第2ノズル22a、22bからの吐出流量および第3ノズル23a、23bからの吐出流量の割合を変えることもできる。これにより、新規の拡散燃焼による第3火炎F3は、直火燃焼による最大火炎長L1と通常の拡散燃焼による最小火炎長L2-2とを含む中間的な適宜の火炎長L3を形成できる。これにより、第3ノズル23a、23bを用いた新規の拡散燃焼による中間的な火炎長L3を形成でき、第1ノズル21a、21bを大型化することなく、窒素酸化物(NOx)の排出を抑制した状態で炉内温度分布を調整できる。
【0055】
上述した新規の拡散燃焼では、第3バルブ33aまたは33bだけを開にして第3ノズル23aまたは23bによる新規の拡散燃焼を開示している。しかしながら、第1バルブ31aまたは31bおよび第3バルブ33aまたは33bの両方を開にして、第1ノズル21aまたは21bおよび第3ノズル23aまたは23bから燃料を吐出することもできる。これにより、新規の拡散燃焼と直火燃焼とを混合したさらなる新規の燃焼を生じさせ、上述した新規の拡散燃焼よりも高温の火炎を形成できる。なお、第1ノズル21a、21bおよび第3ノズル23a、23bからの燃料の吐出は、同時に行ったり、少しタイミングをずらして行うこともできる。
【0056】
上記実施形態では、蓄熱式バーナー10a、10bは、給排気部11a、11bと、第1ノズル21a、21bと、第2ノズル22a、22bと、第3ノズル23a、23bと、を予め備えた形で提供される。しかしながら、給排気部11a、11bと、第1ノズル21a、21bと、第2ノズル22a、22bとを備える既存の蓄熱式バーナー10a、10bに対して、第3ノズル23a、23bを含む新規の拡散燃焼系を追加する改造工事を行うこともできる。これにより、既存の蓄熱式バーナー10a、10bに対して、上述した新規の拡散燃焼を容易に追加できる。
【0057】
この発明および実施形態をまとめると、次のようになる。
【0058】
この発明の一態様に係る蓄熱式バーナー10a、10bは、
内部に配設される蓄熱体12a、12bを介して支燃ガスの供給および排気ガスの排出を行う給排気部11a、11bと、
前記給排気部11a、11bの内部に配設されて燃料を吐出する第1ノズル21a、21bと、
前記給排気部11a、11bから離間配置されて前記給排気部11a、11bから供給される前記支燃ガスの流れ方向に沿って前記燃料を吐出する第2ノズル22a、22bと、
前記給排気部11a、11bと前記第2ノズル22a、22bとの間に配設されて、前記給排気部11a、11bから供給される前記支燃ガスに対して前記燃料を吐出する第3ノズル23a、23bと、を備えることを特徴とする。
【0059】
上記構成によれば、第3ノズル23a、23bを用いた新規の拡散燃焼によって、第1ノズル21a、21bの直火燃焼による短い火炎長と、第2ノズル22a、22bの通常の拡散燃焼による長い火炎長との中間的な火炎長L3を形成でき、第1ノズル21a、21bを大型化することなく、窒素酸化物(NOx)の排出を抑制した状態で炉内温度分布を調整できる。
【0060】
また、一実施形態の蓄熱式バーナー10a、10bでは、
前記第3ノズル23a、23bは、前記支燃ガスの流れに向けて前記燃料を斜めに吐出するように構成される。
【0061】
上記実施形態によれば、吐出された燃料は通常の拡散燃焼よりも狭い範囲で炉内3を拡散して混合性の良い状態で燃焼するために、新規の拡散燃焼による火炎は狭い範囲で形成されるので、新規の拡散燃焼による火炎長L3は通常の拡散燃焼による火炎長よりも短くなる。
【0062】
また、一実施形態の蓄熱式バーナー10a、10bでは、
前記第1ノズル21a、21bと前記第2ノズル22a、22bと前記第3ノズル23a、23bに前記燃料を供給する燃料供給管41には、それぞれへの前記燃料の供給量を調整する第1バルブ31a、31bと第2バルブ32a、32bと第3バルブ33a、33bとを配設して、前記第3ノズル23a、23bによる第3火炎F3の火炎長L3は、前記第1ノズル21a、21bによる第1火炎F1の最大火炎長L1と前記第2ノズル22a、22bによる第2火炎F2の最小火炎長L2-2とを含むように調整可能である。
【0063】
上記実施形態によれば、直火燃焼による最大火炎長L1と、通常の拡散燃焼による最小火炎長L2-2との中間的な火炎長L3によって、空白になっている火炎長を埋めることができる。
【0064】
また、一実施形態の蓄熱式バーナー10a、10bでは、
前記第1ノズル21a、21bおよび前記第3ノズル23a、23bから前記燃料を吐出する。
【0065】
上記実施形態によれば、第1ノズル21aまたは21bおよび第3ノズル23aまたは23bから一緒に燃料を吐出することにより、新規の拡散燃焼と直火燃焼とを混合したさらなる新規の燃焼が形成され、上述した新規の拡散燃焼よりも高温の火炎を形成できる。
【0066】
別の局面では、蓄熱式バーナー10a、10bの改造方法は、
内部に配設される蓄熱体12a、12bを介して支燃ガスの供給および排気ガスの排出を行う給排気部11a、11bと、
前記給排気部11a、11bの内部に配設されて燃料を吐出する第1ノズル21a、21bと、
前記給排気部11a、11bから離間配置されて前記給排気部11a、11bから供給される前記支燃ガスの流れ方向に沿って燃料を吐出する第2ノズル22a、22bとを備える蓄熱式バーナー10a、10bに対して、
前記給排気部11a、11bと前記第2ノズル22a、22bとの間に配設されて、前記給排気部11a、11bから供給される前記支燃ガスに対して前記燃料を吐出する第3ノズル23a、23bを追加することを特徴とする。
【0067】
上記方法によれば、既存の蓄熱式バーナー10a、10bに対して、上述した新規の拡散燃焼を容易に追加できる。
【符号の説明】
【0068】
1…炉
2…炉壁
3…炉内
10a、10b…蓄熱式バーナー
11a、11b…給排気部
12a、12b…蓄熱体
14a、14b…給排気口
21a、21b…第1ノズル
22a、22b…第2ノズル
23a、23b…第3ノズル
31a、31b…第1バルブ
32a、32b…第2バルブ
33a、33b…第3バルブ
35a、35b…支燃ガスバルブ
36a、36b…排ガスバルブ
41…燃料供給管
45…支燃ガス供給管
46…排ガス排出管
51…給気ファン
53…排気ファン
55…煙突
F1…第1火炎
F2…第2火炎
F3…第3火炎
L1…第1火炎の最大火炎長
L2-1…第2火炎の最大火炎長
L2-2…第2火炎の最小火炎長
L3…第3火炎の火炎長