(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119602
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】プログラム、端末装置、情報処理方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20240827BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026616
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】595140170
【氏名又は名称】東京海上日動火災保険株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】小野川 和秀
(72)【発明者】
【氏名】室伏 紗利子
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB61
5L055BB61
(57)【要約】
【課題】メッセージの送受信に関する利便性を高める。
【解決手段】
本実施形態の一態様に係るプログラムは、保険請求に係る処理を実行する第1端末装置及び第2端末装置とネットワークを介して接続されたユーザ端末装置のコンピュータ30を、保険請求を行うユーザの入力に基づいて、第1端末装置及び第2端末装置の少なくとも一方に対して第1メッセージを送信する送信手段102と、第1端末装置に入力された第2メッセージと、第1端末装置に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得手段100であって、第2メッセージは第2端末装置において表示される一方で、第3メッセージは第2端末装置における表示が制限される、メッセージ取得手段100と、第1メッセージ、第2メッセージ及び第3メッセージを一覧で表示する表示手段104であって、第2メッセージと第3メッセージとを識別可能に表示する表示手段104と、として機能させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保険請求に係る処理を実行する第1端末装置及び第2端末装置とネットワークを介して接続されたユーザ端末装置のコンピュータを、
保険請求を行うユーザの入力に基づいて、前記第1端末装置及び前記第2端末装置の少なくとも一方に対して第1メッセージを送信する送信手段と、
前記第1端末装置に入力された第2メッセージと、前記第1端末装置に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得手段であって、前記第2メッセージは前記第2端末装置において表示される一方で、前記第3メッセージは前記第2端末装置における表示が制限される、メッセージ取得手段と、
前記第1メッセージ、前記第2メッセージ及び前記第3メッセージを一覧で表示する表示手段であって、前記第2メッセージと前記第3メッセージとを識別可能に表示する表示手段と、
として機能させる、プログラム。
【請求項2】
前記メッセージ取得手段は、前記第2端末装置に入力された第4メッセージと、前記第2端末装置に入力された第5メッセージとを取得し、
前記第4メッセージは前記第1端末装置において表示される一方で、前記第5メッセージは前記第1端末装置における表示が制限され、
前記表示手段は、前記第4メッセージ及び前記第5メッセージをさらに一覧で表示するとともに、前記第4メッセージと前記第5メッセージとを識別可能に表示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第3メッセージは、複数のメッセージを含み、
前記表示手段は、前記複数のメッセージのそれぞれに対して、前記第2メッセージと識別可能にする識別情報を個別に関連付けて表示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記識別情報は、前記第3メッセージは前記第2端末装置における表示が制限される旨を示す情報を含む、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、さらに、
所定条件が満たされた場合に、前記第3メッセージの前記第2端末装置における表示の制限を解除する解除手段、として機能させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記所定条件は、制限の解除に関する情報の入力を受け付けることを含み、
前記コンピュータを、さらに、
前記制限の解除に関する情報の入力をユーザから受け付ける受付手段、として機能させる、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記所定条件は、前記第1端末装置に入力された制限の解除の承諾に関する情報を取得することをさらに含み、
前記コンピュータを、さらに、
前記制限の解除の承諾に関する情報を取得する承諾取得手段、として機能させる、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、さらに、
前記第2メッセージの前記第2端末装置における表示を制限する制限手段、として機能させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記表示手段は、前記第1メッセージ、前記第2メッセージ及び前記第3メッセージを、送受信日時に基づく時系列にしたがって表示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第1メッセージは、複数のメッセージを含み、
前記複数のメッセージは、前記第1端末装置及び前記第2端末装置の一方における表示が制限されるメッセージを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記表示手段は、前記保険請求に係る補償の付与の進捗に関する情報をさらに表示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項12】
前記表示手段は、前記第1メッセージ、前記第2メッセージ及び前記第3メッセージを、単一のスレッドにより表示する、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記第1端末装置は、前記保険請求の仲介に関する処理を実行し、
前記第2端末装置は、前記保険請求に係る補償の付与に関する処理を実行する、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
保険請求に係る処理を実行する第1端末装置及び第2端末装置とネットワークを介して接続された端末装置であって、
保険請求を行うユーザの入力に基づいて、前記第1端末装置及び前記第2端末装置の少なくとも一方に対して第1メッセージを送信する送信部と、
前記第1端末装置に入力された第2メッセージと、前記第1端末装置に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得部であって、前記第2メッセージは前記第2端末装置において表示される一方で、前記第3メッセージは前記第2端末装置における表示が制限される、メッセージ取得部と、
前記第1メッセージ、前記第2メッセージ及び前記第3メッセージを一覧で表示する表示部であって、前記第2メッセージと前記第3メッセージとを識別可能に表示する表示部と、
を備える、端末装置。
【請求項15】
保険請求に係る処理を実行する第1端末装置及び第2端末装置とネットワークを介して接続されたユーザ端末装置のコンピュータに、
保険請求を行うユーザの入力に基づいて、前記第1端末装置及び前記第2端末装置の少なくとも一方に対して第1メッセージを送信する送信ステップと、
前記第1端末装置に入力された第2メッセージと、前記第1端末装置に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得ステップであって、前記第2メッセージは前記第2端末装置において表示される一方で、前記第3メッセージは前記第2端末装置における表示が制限される、メッセージ取得ステップと、
前記第1メッセージ、前記第2メッセージ及び前記第3メッセージを一覧で表示する表示ステップであって、前記第2メッセージと前記第3メッセージとを識別可能に表示する表示ステップと、
を実行させる、情報処理方法。
【請求項16】
保険請求に係る処理を実行するユーザ端末装置、第1端末装置及び第2端末装置とネットワークを介して接続された情報処理装置であって、
前記ユーザ端末装置に入力された第1メッセージと、前記第1端末装置に入力された第2メッセージと、前記第1端末装置に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得部であって、前記第1メッセージ及び前記第2メッセージは前記ユーザ端末装置、前記第1端末装置及び前記第2端末装置において表示される一方で、前記第3メッセージは前記第2端末装置における表示が制限される、メッセージ取得部と、
前記第1メッセージ、前記第2メッセージ及び前記第3メッセージを一覧で表示する表示情報を送信する送信部であって、前記表示情報は、前記第2メッセージと前記第3メッセージとを識別可能に表示する情報を含む、送信部と、
を備える、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、端末装置、情報処理方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、グループチャットを行っている途中で、そのグループのうちの一人のチャット相手とのみ、他のチャット相手にはメッセージの内容を知られないようにメッセージを送受信する技術が記載されている。また、特許文献2には、多くの対話相手を有するため多くのメッセージスペースを有する場合であっても、一つ一つのメッセージスペースを開けて表示することなく直近のメッセージのやり取りを効率的に確認するための技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014―096097号公報
【特許文献2】特開2020―077210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2に記載された技術では、保険請求に係るメッセージの送受信の利便性を十分に向上させることができない。
【0005】
特に、システムを利用するユーザ間の役割が異なる場合におけるメッセージの送受信に関して、さらなる検討の余地がある。例えば、第1役割を有するユーザ、第2役割を有するユーザ及び第3役割を有するユーザが同一のチャットルームにおいてメッセージのやりとりを行う場合において、第1役割を有するユーザが、第2役割を有するユーザには秘密で第3役割を有するユーザに対してメッセージを送信したいという状況が想定される。特許文献1及び特許文献2では、このような状況について十分に検討がなされていない。
【0006】
なお、システムを利用するユーザ間の役割が異なる場合とは、例えば、当該システムを利用するユーザが保険請求に係る手続を行う被保険者、当該保険請求を受理する保険会社の担当者(以下、「保険会社担当者」と称する)及び当該保険会社の代理店の担当者(以下、「代理店担当者」と称する)である場合等が想定される。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、メッセージの送受信に関する利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、保険請求に係る処理を実行する第1端末装置及び第2端末装置とネットワークを介して接続されたユーザ端末装置のコンピュータを、保険請求を行うユーザの入力に基づいて、第1端末装置及び第2端末装置の少なくとも一方に対して第1メッセージを送信する送信手段と、第1端末装置に入力された第2メッセージと、第1端末装置に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得手段であって、第2メッセージは第2端末装置において表示される一方で、第3メッセージは第2端末装置における表示が制限される、メッセージ取得手段と、第1メッセージ、第2メッセージ及び第3メッセージを一覧で表示する表示手段であって、第2メッセージと第3メッセージとを識別可能に表示する表示手段と、として機能させる。
【0009】
本発明の他の一態様に係る端末装置は、保険請求に係る処理を実行する第1端末装置及び第2端末装置とネットワークを介して接続された端末装置であって、
保険請求を行うユーザの入力に基づいて、第1端末装置及び第2端末装置の少なくとも一方に対して第1メッセージを送信する送信部と、第1端末装置に入力された第2メッセージと、第1端末装置に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得部であって、第2メッセージは第2端末装置において表示される一方で、第3メッセージは第2端末装置における表示が制限される、メッセージ取得部と、第1メッセージ、第2メッセージ及び第3メッセージを一覧で表示する表示部であって、第2メッセージと第3メッセージとを識別可能に表示する表示部と、を備える。
【0010】
本発明の他の一態様に係る情報処理方法は、保険請求に係る処理を実行する第1端末装置及び第2端末装置とネットワークを介して接続されたユーザ端末装置のコンピュータに、保険請求を行うユーザの入力に基づいて、第1端末装置及び第2端末装置の少なくとも一方に対して第1メッセージを送信する送信ステップと、第1端末装置に入力された第2メッセージと、第1端末装置に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得手段であって、第2メッセージは第2端末装置において表示される一方で、第3メッセージは第2端末装置における表示が制限される、メッセージ取得ステップと、第1メッセージ、第2メッセージ及び第3メッセージを一覧で表示する表示手段であって、第2メッセージと第3メッセージとを識別可能に表示する表示ステップと、を実行させる。
【0011】
本発明の他の一態様に係る情報処理装置は、保険請求に係る処理を実行するユーザ端末装置、第1端末装置及び第2端末装置とネットワークを介して接続された情報処理装置であって、ユーザ端末装置に入力された第1メッセージと、第1端末装置に入力された第2メッセージと、第1端末装置に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得部であって、第1メッセージ及び第2メッセージはユーザ端末装置、第1端末装置及び第2端末装置において表示される一方で、第3メッセージは第2端末装置における表示が制限される、メッセージ取得部と、第1メッセージ、第2メッセージ及び第3メッセージを一覧で表示する表示情報を送信する送信部であって、表示情報は、第2メッセージと第3メッセージとを識別可能に表示する情報を含む、送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、メッセージの送受信に関する利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係るシステムの概要を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るシステム及び端末装置の機能ブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る端末装置及び情報処理装置のハードウェア構成図である。
【
図5】本実施形態に係るシステムの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図6】本実施形態に係る端末装置の表示画面の一例を説明するための図である。
【
図7】本実施形態に係る端末装置の表示画面の一例を説明するための図である。
【
図8】本実施形態に係る端末装置の表示画面の一例を説明するための図である。
【
図9】本実施形態に係る端末装置の表示画面の一例を説明するための図である。
【
図10】本実施形態に係る端末装置の表示画面の一例を説明するための図である。
【
図11】本実施形態に係る端末装置の表示画面の一例を説明するための図である。
【
図12】本実施形態に係る端末装置の表示画面の一例を説明するための図である。
【
図13】本実施形態に係る端末装置の表示画面の一例を説明するための図である。
【
図14】本実施形態に係る端末装置の表示画面の一例を説明するための図である。
【
図15】本実施形態に係る情報処理装置において記憶される情報の一例を説明するための図である。
【
図16】本実施形態に係る端末装置の表示画面の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下では、本実施形態という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0015】
本発明において、「部」、「手段」、「装置」及び「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」、「手段」、「装置」及び「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」、「手段」、「装置」及び「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段及び装置、ソフトウェアにより実現されても、2つ以上の「部」、「手段」、「装置」及び「システム」の機能が1つの物理的手段、装置、ソフトウェアにより実現されてもよい。
【0016】
<1.システムの概要>
本実施形態に係るシステムは、保険請求に関して異なる役割を有する複数のユーザ(例えば、被保険者、代理店担当者及び保険会社担当者)が、メッセージの公開範囲を制御しつつ、メッセージをユーザ間で送受信することを可能にするものである。
【0017】
図1を参照して、本実施形態に係るシステムの概要について説明する。本実施形態に係るシステムは、被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2を含む。被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2には、メッセージを送受信することができるアプリケーションソフトウェアがインストールされている。被保険者端末装置3を利用する被保険者、代理店端末装置1を利用する代理店担当者及び保険会社端末装置2を利用する保険会社担当者は、当該アプリケーションソフトウェアを利用することにより、互いにメッセージのやりとりを行うことができる。
【0018】
図1は、被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2のぞれぞれの表示画面の一例を示す図である。本実施形態において、被保険者、代理店担当者及び保険会社担当者は、
図1に示されるようなチャットルーム型のインタフェースにより、三者間でメッセージの送受信ができるものとする。
【0019】
まず、被保険者端末装置3に表示されるメッセージについて説明する。
【0020】
メッセージm14及びメッセージm20は、被保険者端末装置3が送信したメッセージである。メッセージm14及びメッセージm20には、被保険者を表すアイコンがそれぞれのメッセージの右側に表示されている。メッセージm20には、識別情報d14が関連付けて表示されている。
【0021】
メッセージm10及びメッセージm12は、代理店端末装置1が送信したメッセージである。メッセージm10及びメッセージm12には、代理店を表すアイコンがそれぞれのメッセージの左側に表示されている。メッセージm12には、識別情報d10が関連付けて表示されている。
【0022】
メッセージm16及びメッセージm18は、保険会社端末装置2が送信したメッセージである。メッセージm16及びメッセージm18には、保険会社を表すアイコンがそれぞれのメッセージの左側に表示されている。メッセージm18には、識別情報d12が関連付けて表示されている。
【0023】
次に、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2のそれぞれに表示されるメッセージについて説明する。
【0024】
代理店端末装置1には、メッセージm10、メッセージm12、メッセージm14、メッセージm16及びメッセージm20が表示されている。また、メッセージm12及びメッセージm20には、それぞれ識別情報d10及び識別情報d14が関連付けて表示されている。
【0025】
一方で、代理店端末装置1には、被保険者端末装置3及び保険会社端末装置2には表示されているメッセージm18及び識別情報d12は表示されていない。
【0026】
保険会社端末装置2には、メッセージm10、メッセージm14、メッセージm16及びメッセージm18が表示されている。また、メッセージm18には、識別情報d12が関連付けて表示されている。
【0027】
一方で、保険会社端末装置2には、被保険者端末装置3及び代理店端末装置1には表示されているメッセージm12、メッセージm20、識別情報d10及び識別情報d14は表示されていない。
【0028】
このように、被保険者端末装置3は、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2のいずれにおいても表示されるメッセージ(以下では、「公開メッセージ」と称する)と、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の一方においては表示されないメッセージ(以下では、「秘匿メッセージ」と称する)とを表示する。
【0029】
これに対して、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2は、公開メッセージはすべて表示するが、秘匿メッセージは一部のみ表示する。具体的には、3つの秘匿メッセージ(メッセージm12、メッセージm18及びメッセージm20)のうち、代理店端末装置1は、メッセージm12及びメッセージm20を表示し、保険会社端末装置2は、メッセージm18を表示する。秘匿メッセージは、被保険者端末装置3において表示されるとともに、代理店端末装置1と保険会社端末装置2との一方においては表示されないメッセージということもできる。なお、表示がされないことは、表示が制限されることの一例である。
【0030】
本実施形態に係るシステムによれば、保険請求に係るメッセージの送受信の利便性を向上させることができる。
【0031】
保険請求に係る処理を円滑に進行させるためには、被保険者、代理店担当者及び保険会社担当者が情報を共有することが望ましい。情報の共有は、例えば、被保険者、代理店担当者及び保険会社担当者を含む複数のユーザがチャットルームにおいてメッセージを送受信することにより実現される。しかしながら、例えば、代理店担当者が被保険者に対して保険請求にあたって損をしないためのアドバイスを行う場合や、被保険者から保険会社に対する連絡は代理店担当者を通してほしいという要望が当該代理店担当者にある場合等、送受信するメッセージの一部については他のユーザ(この例においては、保険会社)に秘匿したい場合がある。
【0032】
本発明の一態様に係るプログラムは、保険請求に係る処理を実行する代理店端末装置1及び保険会社端末装置2とネットワークを介して接続された被保険者端末装置3のコンピュータ30を、保険請求を行う被保険者の入力に基づいて、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の少なくとも一方に対して第1メッセージを送信する送信手段102と、代理店端末装置1に入力された第2メッセージと、代理店端末装置1に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得手段100であって、第2メッセージは保険会社端末装置2において表示される一方で、第3メッセージは保険会社端末装置2における表示が制限される、メッセージ取得手段100と、第1メッセージ、第2メッセージ及び第3メッセージを一覧で表示する表示手段104であって、第2メッセージと第3メッセージとを識別可能に表示する表示手段104と、として機能させる。
【0033】
被保険者端末装置3によれば、被保険者は、代理店担当者及び保険会社担当者と公開メッセージにより情報を共有しつつ、代理店担当者とは秘匿メッセージにより内々での情報交換が可能になるため、保険請求に係るメッセージの送受信に関する利便性を向上させることができる。
【0034】
<2.システムの機能構成>
図2を参照して、本実施形態に係るシステム及び被保険者端末装置3の機能構成の一例について説明する
【0035】
本実施形態に係るシステムは、被保険者端末装置3、代理店端末装置1、保険会社端末装置2、情報処理装置4及び通信ネットワーク5を含む。
【0036】
本実施形態において、被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2はクライアント端末装置であり、情報処理装置4はそれに対するサーバ装置であるとする。すなわち、情報処理装置4は、被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2と適宜通信することにより各クライアント端末装置に対してメッセージ送受信サービスを提供する。
【0037】
クライアント端末装置が行う各種処理は、クライアント端末装置とサーバ装置とが協働することにより実現されてもよい。例えば、代理店端末装置1が被保険者端末装置3に対してメッセージを送信することは、代理店端末装置1が被保険者端末装置3に対して端末間直接通信によりメッセージを送信することに限られず、代理店端末装置1が情報処理装置4に対して被保険者端末装置3を宛先とするメッセージを送信し、情報処理装置4が当該メッセージを被保険者端末装置3に送信することを含む。他にも、例えば、被保険者端末装置3が特定の情報を変更することは、被保険者端末装置3が自身の記憶部14に記憶した当該特定の情報を変更することに限られず、被保険者端末装置3が情報処理装置4の記憶部44に記憶された当該特定の情報を変更することを含む。
【0038】
[被保険者端末装置3]
被保険者端末装置3は、被保険者が使用する端末装置である。被保険者端末装置3は、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット端末及びスマートウォッチ等の通信機能を備える電子機器である。本実施形態において、被保険者端末装置3はスマートフォンであるとする。被保険者は、単にユーザと称することも、第1ユーザと称することもできる。
【0039】
被保険者端末装置3は、制御部10、記憶部14及びネットワークインタフェース部18を含む。制御部10、記憶部14及びネットワークインタフェース部18は、バス16を介して電気的に接続されている。
【0040】
[制御部10]
制御部10は、記憶部14に記憶された各種プログラムを実行することにより、メッセージ取得手段100、送信手段102、表示手段104、受付手段108、承諾取得手段110及び解除手段106として機能する。
【0041】
[メッセージ取得手段100]
メッセージ取得手段100は、代理店端末装置1に入力された公開メッセージと、代理店端末装置1に入力された秘匿メッセージとを取得する。当該公開メッセージは保険会社端末装置2において表示される一方で、当該秘匿メッセージは保険会社端末装置2における表示が制限される。
【0042】
また、メッセージ取得手段100は、保険会社端末装置2に入力された公開メッセージと、保険会社端末装置2に入力された秘匿メッセージとを取得する。当該公開メッセージは代理店端末装置1において表示される一方で、当該秘匿メッセージは代理店端末装置1における表示が制限される。
【0043】
メッセージは、ユーザから他のユーザに対して何らかの情報を伝える目的で送信される情報を含む。メッセージは、例えば、テキスト、画像、音声及び動画等の形式であってもよい。
【0044】
なお、本実施形態において、情報を取得することとは、当該情報を制御部10において処理できる状態にすることを含む。情報を取得することには、記憶部14から当該情報を読み出すこと及び当該情報を他の装置から受信することを含む。
【0045】
本実施形態において、メッセージ取得手段100は、通信ネットワーク5を介して代理店端末装置1及び保険会社端末装置2からメッセージを受信するものとする。すなわち、メッセージ取得手段100は、メッセージを受信する受信手段ということもできる。メッセージ取得手段100は、プル型通信とプッシュ型通信とのいずれによってメッセージを受信してもよい。
【0046】
[送信手段102]
送信手段102は、被保険者の入力に基づいて、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の少なくとも一方に対してメッセージを送信する。
【0047】
送信手段102が送信するメッセージは、公開メッセージ及び秘匿メッセージを含んでもよい。具体的には、送信手段102が送信するメッセージは、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2のいずれにおいても表示されるメッセージと、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の一方において表示されるとともに、他の一方においては表示されないメッセージとを含んでもよい。
【0048】
送信手段102は、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の少なくとも一方に対して送信するメッセージを生成する生成手段ということもできる。
【0049】
[表示手段104]
表示手段104は、公開メッセージと秘匿メッセージとを一覧で表示するとともに、公開メッセージと秘匿メッセージとを識別するための識別情報を表示する。例えば、
図1において、表示手段104は、公開メッセージであるメッセージm10、メッセージm14及びメッセージm16と、秘匿メッセージであるメッセージm12、メッセージm18及びメッセージm20とを一覧で表示している。また、公開メッセージと秘匿メッセージとは、識別情報d10、識別情報d12及び識別情報d14により識別可能になっている。
【0050】
また、表示手段104は、一以上の秘匿メッセージのそれぞれに対して個別に識別情報を関連付けて表示してもよい。例えば、
図1において、秘匿メッセージであるメッセージm12、メッセージm18及びメッセージm20のそれぞれに対して、識別情報d10、識別情報d12及び識別情報d14が個別に関連付けられている。
【0051】
識別情報は、典型的には、当該識別情報が関連付けられたメッセージの公開される対象が、当該識別情報が関連付けられていないメッセージの公開される対象とは異なることを示す情報である。例えば、表示手段104が表示する識別情報は、秘匿メッセージが代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の一方においては表示されない旨を示す情報を含んでもよい。具体的には、
図1において、識別情報d10、識別情報d12及び識別情報d14には、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の一方においては表示されない旨を示す情報の一例である「秘」のマーク(標識ともいう)が含まれている。
【0052】
識別情報は、公開範囲の相違が具体的に示されたものでなくてもよく、公開メッセージ及び秘匿メッセージに対して付加的に表示されるものでなくてもよい。識別情報は、例えば、公開メッセージと秘匿メッセージとのデザイン(文字色、背景色、吹き出しの枠の色、フォント及び文字サイズ等)を異ならせることによって表示されるものであってもよい。
【0053】
また、表示手段104は、公開メッセージ及び秘匿メッセージを、送受信日時(具体的には、送信側端末装置における送信日時及び受信側端末装置における受信日時の少なくとも一方)に基づく時系列にしたがって表示してもよい。例えば、
図1において、メッセージm10、メッセージm12、メッセージm14、メッセージm16、メッセージm18及びメッセージm20は、この順で被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2から送信されたメッセージであってもよい。
【0054】
また、表示手段104は、公開メッセージ及び秘匿メッセージを、単一のスレッドにより表示してもよい。例えば、
図1において、メッセージm10―メッセージm20は単一のスレッドにより表示されている。スレッドは、分割されない領域において表示される一以上のメッセージのまとまりということもできる。スレッドは、他にも、単一の時系列にしたがって表示される一以上のメッセージのまとまりということもできる。
【0055】
被保険者は、スマートフォンである被保険者端末装置3の表示画面を操作することにより、表示手段104による表示対象となる時間区間を変更することができる。
図1を参照して例示すると、表示画面の画面上部(例えば、メッセージm10が表示されている位置)から画面下部(例えば、メッセージm20が表示されている位置)に向かってスワイプ操作をすることにより、メッセージm10よりも前に送信されたメッセージを表示することができる。
【0056】
[解除手段106]
解除手段106は、所定条件が満たされた場合に、秘匿メッセージの表示の制限を解除する。すなわち、解除手段106は、秘匿メッセージを公開メッセージに変更するということもできる。
【0057】
[制限手段107]
制限手段107は、所定条件が満たされた場合に、公開メッセージに対して表示の制限を設定する。すなわち、制限手段107は、公開メッセージを秘匿メッセージに変更するということもできる。
【0058】
解除手段106及び制限手段107の動作の一例については、
図10―
図12を用いて後述する。なお、所定条件とは、例えば、後述する受付手段108が制限の解除に関する情報の入力を被保険者から受け付け、かつ、後述する承諾取得手段110が制限の解除の承諾に関する情報を代理店端末装置1又は保険会社端末装置2から取得することである。
【0059】
[受付手段108]
受付手段108は、解除手段106による制限の解除に関する情報の入力を被保険者から受け付ける。また、受付手段108は、制限手段107による制限に関する情報の入力を被保険者から受け付けてもよい。受付手段108の動作の一例については、
図10及び
図13を参照して後述する。
【0060】
[承諾取得手段110]
承諾取得手段110は、制限の解除の承諾に関する情報を代理店端末装置1又は保険会社端末装置2から取得する。具体的には、解除手段106が表示の制限を解除しようとする秘匿メッセージの送信元が代理店端末装置1である場合には、承諾取得手段110は、代理店端末装置1から制限の解除の承諾に関する情報を取得する。また、解除手段106が表示の制限を解除しようとする秘匿メッセージの送信元が保険会社端末装置2である場合には、承諾取得手段110は、保険会社端末装置2から制限の解除の承諾に関する情報を取得する。承諾取得手段110の動作の一例については、
図11を参照して後述する。
【0061】
[記憶部14]
記憶部14は、制御部10が実行する各種プログラムのほか、メッセージ情報140を記憶する。メッセージ情報140は、メッセージ取得手段100が取得したメッセージに関する情報を含む。メッセージに関する情報は、例えば、メッセージの内容、メッセージの送受信日時、メッセージの送信元端末及びメッセージが公開メッセージであるか秘匿メッセージであるか等に関する情報である。記憶部14は、他にも、被保険者端末装置3が動作するために必要な各種情報を記憶する。
【0062】
[ネットワークインタフェース部18]
ネットワークインタフェース部18は、代理店端末装置1、保険会社端末装置2及び情報処理装置4との通信ネットワーク5を介した通信を実現する。ネットワークインタフェース部18による通信は、各種通信規格に沿って実現されてもよい。
【0063】
[代理店端末装置1]
代理店端末装置1は、被保険者の保険請求の仲介に関する処理を実行するために代理店担当者が使用する端末装置である。代理店端末装置1は、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット端末及びスマートウォッチ等の通信機能を備える電子機器である。保険請求の仲介に関する処理は、例えば、被保険者とのメッセージの送受信により保険請求のために必要な各種情報を収集すること及び保険会社担当者とのメッセージの送受信により被保険者の保険請求に係る各種手続を代理することを含む。代理店担当者は、単にユーザと称することも、第2ユーザと称することもできる。
【0064】
代理店担当者は、代理店端末装置1によりメッセージを送信する際に、当該メッセージを公開メッセージとするか秘匿メッセージとするか(すなわち、当該メッセージを保険会社端末装置2に表示させるか否か)を選択することができる。公開メッセージとする旨が選択された場合には、当該メッセージは被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2において表示される。また、秘匿メッセージが選択された場合には、当該メッセージは被保険者端末装置3及び代理店端末装置1には表示されるが、保険会社端末装置2には表示されない。
【0065】
なお、本実施形態において、代理店担当者は、代理店端末装置1により送信するメッセージを、保険会社端末装置2には表示されるとともに、被保険者端末装置3には表示されない秘匿メッセージには設定できないものとする。一般的には、被保険者にとって、自身の保険請求に係る情報が秘匿されることは望ましくないからである。
【0066】
[保険会社端末装置2]
保険会社端末装置2は、保険請求に係る補償の付与に関する処理を実行するために保険会社担当者が使用する端末装置である。保険会社端末装置2は、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット端末及びスマートウォッチ等の通信機能を備える電子機器である。保険請求に係る補償の付与に関する処理は、例えば、被保険者及び代理店担当者とのメッセージの送受信により保険請求に係る補償の付与のために必要な各種情報を収集することを含む。保険会社担当者は、単にユーザと称することも、第3ユーザと称することもできる。
【0067】
保険会社担当者は、保険会社端末装置2によりメッセージを送信する際に、当該メッセージを公開メッセージとするか秘匿メッセージとするか(すなわち、当該メッセージを代理店端末装置1に表示させるか否か)を選択することができる。公開メッセージが選択された場合には、当該メッセージは被保険者端末装置3及び代理店端末装置1において表示される。また、秘匿メッセージが選択された場合には、当該メッセージは被保険者端末装置3には表示されるが、代理店端末装置1には表示されない。
【0068】
なお、本実施形態において、保険会社担当者は、保険会社端末装置2により送信するメッセージを、代理店端末装置1には表示されるとともに、被保険者端末装置3には表示されないようにすることはできないものとする。一般的には、被保険者にとって、自身の保険請求に係る情報が秘匿されることは望ましくないからである。
【0069】
[情報処理装置4]
情報処理装置4は、クライアント端末装置である被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2に対してメッセージの送受信に関するサービスを提供するサーバ装置である。
【0070】
図4を参照して、情報処理装置4の機能構成について説明する。情報処理装置4は、制御部40、記憶部44及びネットワークインタフェース部48を含む。制御部40、記憶部44及びネットワークインタフェース部48は、バス46を介して電気的に接続されている。
【0071】
[制御部40]
制御部40は、記憶部44に記憶された各種プログラムを実行することにより、メッセージ取得部400、送信部402、解除部406、受付部408及び承諾取得部410として機能する。
【0072】
[メッセージ取得部400]
メッセージ取得部400は、被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2から公開メッセージ及び秘匿メッセージを取得する。
【0073】
[送信部402]
送信部402は、公開メッセージ及び秘匿メッセージを一覧で表示するための表示情報を被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2に対して送信する。表示情報は、公開メッセージと秘匿メッセージとを識別可能にする情報を含む。
【0074】
[解除部406]
解除部406は、秘匿メッセージに対して設定された表示の制限を解除する。解除部406は、秘匿メッセージを公開メッセージに変更するということもできる。解除部406は、被保険者端末装置3の解除手段106の動作に応じて、秘匿メッセージに設定された表示の制限を解除してもよい。
【0075】
[制限部407]
制限部407は、公開メッセージに対して表示の制限を設定する。制限部407は、公開メッセージを秘匿メッセージに変更するということもできる。制限部407は、被保険者端末装置3の制限手段107の動作に応じて、公開メッセージに表示の制限を設定してもよい。
【0076】
[受付部408]
受付部408は、解除部406による表示の制限の解除に関する情報の入力を受け付ける。受付部408は、被保険者端末装置3の受付手段108が受け付けた表示の制限の解除に関する情報を受信することにより当該情報の入力を受け付けてもよい。
【0077】
[承諾取得部410]
承諾取得部410は、表示の制限の解除の承諾に関する情報を代理店端末装置1又は保険会社端末装置2から取得する。承諾取得部410は、被保険者端末装置3の承諾取得手段110の動作に応じて、表示の制限の解除の承諾に関する情報を代理店端末装置1又は保険会社端末装置2から取得してもよい。
【0078】
[記憶部44]
記憶部44は、制御部40が実行する各種プログラムのほか、公開設定情報440を記憶する。公開設定情報440は、被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2から取得した一以上のメッセージのそれぞれが公開メッセージであるか秘匿メッセージであるかに関する情報である。公開設定情報440の一例については、
図15を参照して後述する。
【0079】
[ネットワークインタフェース部48]
ネットワークインタフェース部48は、被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2との通信ネットワーク5を介した通信を実現する。ネットワークインタフェース部48による通信は、各種通信規格に沿って実現されてもよい。
【0080】
<3.被保険者端末装置3及び情報処理装置4のハードウェア構成>
図4を参照して、上述してきた被保険者端末装置3及び情報処理装置4をコンピュータ30により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0081】
図4に示すように、コンピュータ30は、プロセッサ300と、記憶装置302と、入力I/F304と、データI/F306と、通信I/F308、及び表示装置310を含む。
【0082】
プロセッサ300は、記憶装置302に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ30における様々な処理を制御する。例えば、被保険者端末装置3の制御部10が備える各機能部等は、記憶装置302に記憶されたプログラムを、プロセッサ300が実行することにより実現可能である。
【0083】
記憶装置302は、例えばRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体である。RAMは、プロセッサ300によって実行されるプログラムのプログラムコード及びプログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0084】
記憶装置302は、他にも、例えばハードディスクドライブ(HDD)及びフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶装置302は、オペレーティングシステム及び上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。当該各種プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。この他、記憶装置302は、事業者情報等の各種情報を登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラム及びデータは、必要に応じて記憶装置302にロードされることにより、プロセッサ300から参照される。
【0085】
入力I/F304は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F304の具体例としては、カメラ、ボタン、マイク、キーボード、マウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイスなどが挙げられる。入力I/F304は、例えばUSB(Universal Serial Bus)などのインタフェースを介してコンピュータ30に接続されてもよい。
【0086】
データI/F306は、コンピュータ30の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F306の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置などがある。データI/F306は、コンピュータ30の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F306は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ30へと接続される。
【0087】
通信I/F308は、コンピュータ30の外部の装置と有線または無線により、通信ネットワーク5を介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F308は、コンピュータ30の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F308は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ30に接続される。
【0088】
表示装置310は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置310の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ及び有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイなどが挙げられる。表示装置310は、コンピュータ30の外部に設けられてもよい。その場合、表示装置310は、例えばディスプレイケーブルなどを介してコンピュータ30に接続される。また、入力I/F304としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置310は、入力I/F304と一体化して構成することが可能である。
【0089】
また、上記実施の形態で記載された被保険者端末装置3及び情報処理装置4が備える構成要素は、記憶装置302に格納されたプログラムがプロセッサ300によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。また、言い換えれば、これらの構成要素は、ソフトウェアまたはファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、その双方の概念において、「機能」、「手段」、「部」、「処理回路」、「ユニット」、または「モジュール」などとも記載され、またそれぞれに読み替えることができる。
【0090】
<4.被保険者端末装置3の動作>
図5を参照して、被保険者端末装置3の動作の一例について説明する。
図5は、被保険者端末装置3の動作のフローチャートを示す図である。
図5のフローチャートは、メッセージの送受信に関するステップ(S10―S16)と、メッセージの公開範囲の変更に関するステップ(S18―S26)とを含む。なお、この例において、表示が制限されるメッセージは、表示されないメッセージであるとして説明する。
【0091】
[メッセージの送受信に関するステップ(S10―S16)]
まず、被保険者端末装置3は、メッセージ取得手段100により、代理店端末装置1から公開メッセージ及び秘匿メッセージを受信する(S10)。
【0092】
図6に、S10における被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の表示画面の一例を示す。
【0093】
被保険者端末装置3及び代理店端末装置1には、公開メッセージであるメッセージm10及び秘匿メッセージであるメッセージm12が表示されている。メッセージm12には、当該メッセージが秘匿メッセージであり、保険会社端末装置2には表示されないことを示す識別情報d10が関連付けて表示されている。
【0094】
一方で、保険会社端末装置2には、公開メッセージであるメッセージm10は表示されているが、秘匿メッセージであるメッセージm12は表示されていない。
【0095】
識別情報d10には、メッセージm12が保険会社端末装置2には表示されないことが直接的に表示されている必要はない。被保険者、代理店担当者及び保険会社担当者の三者のチャットルームにおいて、代理店端末装置1から送信されたメッセージに「秘」のマークが表示されていれば、消去法より当該メッセージが保険会社端末装置2には表示されないものであることは明らかだからである。すなわち、本実施形態において、「秘」のマークは、メッセージm12が保険会社端末装置2においては表示されない旨を示す情報であるといえる。「秘」のマークを他の図形等に置き換えた場合においても同様である。
【0096】
次に、被保険者端末装置3は、送信手段102により、被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2において表示される公開メッセージを送信する(S12)。
【0097】
図7に、S12における被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の表示画面の一例を示す。
【0098】
被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2には、
図6の表示画面において表示されていたメッセージに加えて、公開メッセージであるメッセージm14が表示されている。
【0099】
次に、被保険者端末装置3は、メッセージ取得手段100により、保険会社端末装置2から公開メッセージ及び秘匿メッセージを受信する(S14)。
【0100】
図8に、S14における被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の表示画面の一例を示す。
【0101】
被保険者端末装置3及び保険会社端末装置2には、
図7の表示画面において表示されていたメッセージに加えて、公開メッセージであるメッセージm16及び秘匿メッセージであるメッセージm18が表示されている。メッセージm18には、当該メッセージが秘匿メッセージであり、代理店端末装置1には表示されないことを示す識別情報d12が関連付けて表示されている。
【0102】
一方で、代理店端末装置1には、
図7の表示画面において表示されていたメッセージに加えて公開メッセージであるメッセージm16が表示されているが、秘匿メッセージであるメッセージm18が表示されていない。
【0103】
次に、被保険者端末装置3は、送信手段102により、被保険者端末装置3及び代理店端末装置1において表示されるとともに、保険会社端末装置2においては表示されない秘匿メッセージを送信する(S16)。
【0104】
図9に、S16における被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の表示画面の一例を示す。
【0105】
被保険者端末装置3及び代理店端末装置1には、
図8の表示画面において表示されていたメッセージに加えて、秘匿メッセージであるメッセージm20が表示されている。メッセージm20には、当該メッセージが秘匿メッセージであり、保険会社端末装置2には表示されないことを示す識別情報d14が関連付けて表示されている。
【0106】
一方で、保険会社端末装置2には、
図8において表示されていたメッセージと同様のメッセージが表示されている。
【0107】
なお、図示しないが、被保険者端末装置3が送信元である秘匿メッセージに関連付けられた識別情報(例えば、識別情報d14)には、保険会社端末装置2と被保険者端末装置3とのいずれにおいて当該秘匿メッセージが表示されないかを示す情報が含まれていてもよい。例えば、識別情報は、「秘」のマークの代わりに、「代・秘」のマーク及び「保・秘」のマークを含み、当該識別情報が関連付けられたメッセージが代理店端末装置1と保険会社端末装置2とのいずれに対して秘匿されるものであるかが表示されてもよい。
【0108】
以上のメッセージの送受信に関するステップ(S10―S16)をまとめると、本実施形態の一態様に係るプログラムは、保険請求に係る処理を実行する第1端末装置(代理店端末装置1に相当)及び第2端末装置(保険会社端末装置2に相当)と通信ネットワーク5を介して接続された被保険者端末装置3のコンピュータ30を、以下のような手段として機能させる。
【0109】
(1)保険請求を行うユーザ(被保険者に相当)の入力に基づいて、第1端末装置及び第2端末装置の少なくとも一方に対して第1メッセージ(公開メッセージであるメッセージm14及び秘匿メッセージであるメッセージm20に相当)を送信する送信手段102(S12及びS16参照)。
【0110】
(2)第1端末装置に入力された第2メッセージと、第1端末装置に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得手段100であって、第2メッセージは第2端末装置において表示される(公開メッセージであるメッセージm10に相当)一方で、第3メッセージは第2端末装置における表示が制限される(秘匿メッセージであるメッセージm12に相当)、メッセージ取得手段100(S10参照)。
【0111】
(3)第2端末装置に入力された第4メッセージと、第2端末装置に入力された第5メッセージとを取得するメッセージ取得手段100であって、第4メッセージは第1端末装置において表示される(公開メッセージであるメッセージm16に相当)一方で、第5メッセージは第1端末装置における表示が制限される(秘匿メッセージであるメッセージm18に相当)、メッセージ取得手段100(S14参照)。
【0112】
(4)第1メッセージ―第5メッセージ(公開メッセージ及び秘匿メッセージであるメッセージm10―メッセージm20に相当)を単一のスレッドにおいて一覧で表示するとともに、第2メッセージと、第3メッセージとを識別するための識別情報(識別情報d10に相当)及び第4メッセージと、第5メッセージとを識別するための識別情報(識別情報d12に相当)を表示する表示手段104。
【0113】
[メッセージの公開範囲の変更に関するステップ(S18―S26)]
次に、被保険者端末装置3は、受付手段108により、代理店端末装置1が送信した秘匿メッセージの表示の制限を解除する操作(すなわち、秘匿メッセージを公開メッセージに変更する操作)を受け付ける(S18)。本実施形態において、被保険者は、秘匿メッセージであるメッセージm12に設定された表示の制限を解除するものとする。
【0114】
図10に、S18における被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の表示画面の一例を示す。
【0115】
被保険者端末装置3には、
図9の表示画面において表示されていたメッセージに加えて、確認ダイアログd16、肯定ボタンd20及び否定ボタンd18が表示されている。被保険者は、例えば、スマートフォンである被保険者端末装置3に表示された秘匿メッセージをタップすることにより、当該秘匿メッセージに係る確認ダイアログd16を表示させることができる。本実施形態において、被保険者は、肯定ボタンd20をタップする(すなわち、メッセージm12を公開メッセージに変更することを決定する)ものとする。
【0116】
なお、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2には、
図9において表示されていたメッセージと同様のメッセージが表示されている。
【0117】
次に、被保険者端末装置3は、承諾取得手段110により、代理店端末装置1から表示の制限の解除の承諾に関する情報を取得する(S20)。
【0118】
図11に、S20における被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の表示画面の一例を示す。
【0119】
代理店端末装置1には、
図10の表示画面において表示されていたメッセージに加えて、承諾ダイアログd22、肯定ボタンd26及び否定ボタンd24が表示されている。承諾ダイアログd22は、例えば、被保険者端末装置3が被保険者から表示の制限の解除に係る操作を受け付けた際に送信される通知を受信した代理店端末装置1により表示される。本実施形態において、代理店担当者は、肯定ボタンd20を押下するものとする。これにより、代理店端末装置1は表示の制限の解除の承諾に関する情報を生成し、被保険者端末装置3は当該制限の解除の承諾に関する情報を取得する。
【0120】
次に、被保険者端末装置3は、解除手段106により、代理店端末装置1が送信した秘匿メッセージに設定された表示の制限を解除する(S22)。なお、本実施形態において、解除手段106が秘匿メッセージに設定された表示の制限を解除するための所定条件は、受付手段108が表示の制限の解除に関する情報を被保険者から受け付け(S18参照)、かつ、承諾取得手段110が表示の制限の解除の承諾に関する情報を代理店端末装置1から取得すること(S20参照)であるとする。
【0121】
図12に、S22における被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の表示画面の一例を示す。
【0122】
被保険者端末装置3及び代理店端末装置1には、
図11の表示画面において表示されていたメッセージと比較して、メッセージm12が秘匿メッセージの表示の制限が解除されている。また、保険会社端末装置2には、
図11の表示画面において表示されていたメッセージに加えて、それまで表示が制限されていたメッセージm12の制限が解除されている。
【0123】
次に、被保険者端末装置3は、受付手段108により、被保険者端末装置3が送信した公開メッセージの表示を制限する操作(すなわち、公開メッセージを秘匿メッセージに変更する操作)を受け付ける(S24)。
【0124】
図13に、S24における被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の表示画面の一例を示す。
【0125】
被保険者端末装置3には、
図12の表示画面において表示されていたメッセージに加えて、確認ダイアログd28、肯定ボタンd32及び否定ボタンd30が表示されている。被保険者は、例えば、スマートフォンである被保険者端末装置3に表示された公開メッセージをタップすることにより、当該公開メッセージに係る確認ダイアログd28を表示させることができる。本実施形態において、被保険者は、肯定ボタンd32をタップする(すなわち、メッセージm14を秘匿メッセージに変更することを決定する)ものとする。
【0126】
次に、被保険者端末装置3は、制限手段107により、被保険者端末装置3が送信した公開メッセージに表示の制限を設定する(S26)。本実施形態において、被保険者は、公開メッセージであるメッセージm14に対して表示の制限を設定するものとする。
【0127】
図14に、S26における被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の表示画面の一例を示す。
【0128】
被保険者端末装置3及び保険会社端末装置2には、
図13の表示画面に表示されたメッセージに加えて、メッセージm14が秘匿メッセージであり、代理店端末装置1には表示されないことを示す識別情報d34が表示されている。
【0129】
一方で、代理店端末装置1には、
図13の表示画面に表示されたメッセージと比較して、それまでは表示されていたメッセージm14が表示されないものとなっている。
【0130】
以上のメッセージの公開範囲の変更に関するステップ(S18―S26)をまとめると、本実施形態の一態様に係るプログラムは、被保険者端末装置3のコンピュータ30を、以下のような手段として機能させる。
【0131】
(5)解除手段106による表示の制限の解除に関する情報の入力をユーザ(被保険者に相当)から受け付ける受付手段108(S18参照)。
【0132】
(6)解除手段106による表示の制限の解除の承諾に関する情報を取得する承諾取得手段110(S20参照)。
【0133】
(7)所定条件が満たされた場合に、秘匿メッセージの表示の制限を解除する解除手段106(S22参照)。
【0134】
(8)公開メッセージに対して表示の制限を設定する制限手段107(S24―S26参照)。
【0135】
図5を参照して説明した被保険者端末装置3の動作は一例であり、被保険者、代理店担当者及び保険会社担当者の操作によっては、異なる動作となる場合がある。例えば、S20において、代理店担当者が解除手段106による表示の制限の解除を承諾しなかった場合には、被保険者端末装置3は、秘匿メッセージであるメッセージm12の表示の制限を解除せずに公開範囲の変更に係る処理を終了してもよい。
【0136】
<5.情報処理装置4においてメッセージの公開範囲を制御する方法の一例>
図15を参照して、情報処理装置4においてメッセージの公開範囲を制御する方法の一例について説明する。
図15の表は、S26の時点において、情報処理装置4の記憶部44に記憶された公開設定情報440の一例である。
【0137】
公開設定情報440は、一以上のメッセージのそれぞれに対して、当該メッセージが被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2のそれぞれにおいて表示が制限されるか否かが関連付けられた情報である。本実施形態では、メッセージの表示が制限されない場合には「表示される」という設定値が、メッセージの表示が制限される場合には「表示されない」という設定値が関連付けられている。
【0138】
メッセージm10、メッセージm12及びメッセージm16に対しては、被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2のいずれにも「表示される」という設定値が関連付けられている。そのため、
図14のとおり、メッセージm10、メッセージm12及びメッセージm16は、被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2のいずれにおいても表示されている。
【0139】
メッセージm14及びメッセージm18に対しては、被保険者端末装置3及び保険会社端末装置2には「表示される」という設定値が関連付けられているが、代理店端末装置1には「表示されない」という設定値が関連付けられている。そのため、
図14のとおり、メッセージm14及びメッセージm18は被保険者端末装置3及び保険会社端末装置2においては表示されているが、代理店端末装置1においては表示されていない。
【0140】
メッセージm20に対しては、被保険者端末装置3及び代理店端末装置1には「表示される」という設定値が関連付けられているが、保険会社端末装置2には「表示されない」という設定値が関連付けられている。そのため、
図14のとおり、メッセージm20は被保険者端末装置3及び代理店端末装置1においては表示されているが、保険会社端末装置2においては表示されていない。
【0141】
情報処理装置4は、公開設定情報440を参照して、各メッセージを被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2に対して表示させるか否かを制御してもよい。
図15の公開設定情報440によると、メッセージm18は代理店端末装置1には「表示されない」という設定値が関連付けられているため、情報処理装置4は、例えば、メッセージm18を代理店端末装置1に対して送信しなくてもよい。情報処理装置4は、他にも、メッセージm18を代理店端末装置1に送信はするものの、メッセージm18に対して非表示フラグを設定することにより代理店端末装置1においては表示されないように制御してもよい。
【0142】
他にも、被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2は、情報処理装置4との通信により公開設定情報440を参照して、各メッセージを自身が表示するか否かを制御してもよい。
【0143】
被保険者端末装置3は、解除手段106又は制限手段107により公開設定情報440を変更することで、各メッセージが代理店端末装置1及び保険会社端末装置2において表示されるか否かを制御してもよい。
【0144】
<6.表示画面の他の例>
図16を参照して、被保険者端末装置3の表示画面の他の例について説明する。被保険者端末装置3は、メッセージ及び識別情報のほか、保険請求に係る補償の付与の進捗に関する情報を含んでもよい。保険請求に係る補償の付与の進捗に関する情報は、例えば、
図16の進捗情報d40、進捗情報d42及び進捗情報d44のように表示される。保険請求に係る補償の付与の進捗に関する情報は、具体的には、保険請求に係る補償の付与の進捗は、保険会社担当者が被保険者から保険請求を受け付けてから当該保険請求に係る補償の付与(例えば、保険金の支払い)を完了させるまでに、当該保険会社担当者が実施しなくてはならないすべての作業のうち完了している作業の割合ということもできる。保険請求に係る補償の付与の進捗に関する情報は、プログレスバー、パーセンテージ、点数、チェックリスト、ステッパー、ステータストラッカー及び現在のステータス等により示されるものであってもよい。
【0145】
<7.従来技術の課題と本発明の効果>
従来、保険の分野においては、被保険者と保険会社担当者との二者、被保険者と代理店担当者との二者及び代理店担当者と保険会社担当者との二者のいずれかでやりとりを行うことにより保険請求に係る処理を実行していた。しかしながら、この方法では以下のような問題が生じる。
【0146】
まず、被保険者、代理店担当者及び保険会社担当者のそれぞれが別個にやりとりをすることにより、情報の送受信にオーバーヘッドが生じる。例えば、被保険者が代理店担当者に対して伝えた情報を、代理店担当者は改めて保険会社担当者に伝えなくてはならないという状況が生じる。この例では、代理店担当者に余計は負荷が生じる。
【0147】
他にも、被保険者、代理店担当者及び保険会社担当者の間で情報共有にタイムラグが生じる。例えば、被保険者が代理店担当者に伝えた情報は、必ずしも即座に保険会社担当者に伝えられるわけではない。この例では、保険請求に関する補償の付与が被保険者に対して行われるまでのリードタイムが長期化する。
【0148】
他にも、被保険者は、保険請求に係る処理がどこまで進んでいるかを把握することができない。例えば、代理店と保険会社との間で保険請求に係る手続が進行していたとしても、その進捗を被保険者は確認することができず、不安を感じる場合がある。
【0149】
なお、被保険者、代理店担当者及び保険会社担当者の三者が参加するチャットルームによりメッセージの送受信をしたとしても、メッセージの送受信に関する利便性を十分に高めることはできない。
【0150】
例えば、被保険者、代理店担当者及び保険会社担当者のうち一部の者に対しては秘匿したいメッセージを送受信する場合、三者が参加するチャットルームでは当該メッセージを送受信できないため、チャットルームを分ける(すなわち、表示画面を切り替える)必要があり、メッセージの送受信に関する利便性を十分に高めることができない。
【0151】
他にも、例えば、代理店担当者が自身を介して保険会社とのやりとりを行ってほしいという希望を被保険者に対して持っている場合、単に三者が参加するチャットルームではメッセージの送受信に関する利便性を十分に高めることができない。
【0152】
本発明の一実施形態に係るプログラムによれば、上記のような課題を解決することができる。具体的には、本発明の一実施形態に係るプログラムは、保険請求に係る処理を実行する第1端末装置及び第2端末装置とネットワークを介して接続された被保険者端末装置3のコンピュータ30を、保険請求を行う被保険者の入力に基づいて、前記第1端末装置及び前記第2端末装置の少なくとも一方に対して第1メッセージを送信する送信手段102と、前記第1端末装置に入力された第2メッセージと、前記第1端末装置に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得手段100であって、前記第2メッセージは前記第2端末装置において表示される一方で、前記第3メッセージは前記第2端末装置における表示が制限される、メッセージ取得手段100と、前記第1メッセージ、前記第2メッセージ及び前記第3メッセージを一覧で表示する表示手段104であって、前記第2メッセージと前記第3メッセージとを識別可能に表示する表示手段104と、として機能させる。
【0153】
この構成によれば、被保険者端末装置3は、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2との保険請求に係るメッセージを同じ表示画面に表示し、かつ、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の一方とは、他方に対して秘匿するメッセージの送受信を行うことができる。これにより、被保険者は、メッセージの視認性を保ったまま、代理店担当者及び保険会社担当者の一方と、他方に対して秘匿するメッセージをやりとりすることができる。
【0154】
また、上記プログラムにおいて、メッセージ取得手段100は、第2端末装置に入力された第4メッセージと、第2端末装置に入力された第5メッセージとを取得し、第4メッセージは第1端末装置において表示される一方で、第5メッセージは第1端末装置における表示が制限され、表示手段104は、第4メッセージ及び第5メッセージをさらに一覧で表示するとともに、第4メッセージと第5メッセージとを識別可能に表示してもよい。
【0155】
この構成によれば、被保険者端末装置3は、代理店端末装置1からは保険会社端末装置2に対して秘匿するメッセージを受信し、保険会社端末装置2からは代理店端末装置1に対して秘匿するメッセージを受信することができる。
【0156】
また、上記プログラムにおいて、第3メッセージは、複数のメッセージを含み、表示手段104は、複数のメッセージのそれぞれに対して、第2メッセージと識別可能にする識別情報を個別に関連付けて表示してもよい。
【0157】
この構成によれば、被保険者端末装置3は、表示手段104により表示する秘匿メッセージの視認性を向上させることができる。
【0158】
また、上記プログラムにおいて、識別情報は、第3メッセージは第2端末装置における表示が制限される旨を示す情報を含んでもよい。
【0159】
この構成によれば、被保険者端末装置3は、秘匿メッセージが代理店端末装置1及び保険会社端末装置2の一方に対しては表示されないメッセージであることをより明確に被保険者に対して伝えることができる。
【0160】
また、上記プログラムは、コンピュータ30を、さらに、所定条件が満たされた場合に、第3メッセージの第2端末装置における表示の制限を解除する解除手段106、として機能させてもよい。
【0161】
この構成によれば、被保険者端末装置3は、被保険者にとって秘匿しておく必要がなくなった秘匿メッセージ及び秘匿しておくよりも公開したほうがよいと思われる秘匿メッセージの表示の制限を解除し、適切かつ迅速に保険請求に係る補償の付与を受けることができる。
【0162】
また、上記プログラムは、所定条件は、表示の制限の解除に関する情報の入力を受け付けることを含み、当該プログラムは、コンピュータ30を、さらに、表示の制限の解除に関する情報の入力をユーザから受け付ける受付手段108、として機能させてもよい。
【0163】
この構成によれば、被保険者端末装置3は、被保険者の選択に基づいて秘匿メッセージに設定された表示の制限を解除することができる。
【0164】
また、上記プログラムは、所定条件は、第1端末装置に入力された表示の制限の解除の承諾に関する情報を取得することをさらに含み、当該プログラムは、コンピュータ30を、さらに、表示の制限の解除の承諾に関する情報を取得する承諾取得手段110、として機能させてもよい。
【0165】
この構成によれば、被保険者端末装置3は、代理店担当者又は保険会社担当者の承諾を得た秘匿メッセージに限り、当該秘匿メッセージに設定された表示の制限を解除することができるようになるため、代理店担当者及び保険会社担当者が予期していなかった不利益を受けることを防ぐことができる。
【0166】
また、上記プログラムは、コンピュータ30を、さらに、さらに、第2メッセージの第2端末装置における表示を制限する制限手段107、として機能させてもよい。
【0167】
この構成によれば、被保険者端末装置3は、本来秘匿メッセージとして送信すべき内容の公開メッセージを、送信された後で秘匿メッセージに変更することができる。
【0168】
また、上記プログラムにおいて、表示手段104は、第1メッセージ、第2メッセージ及び第3メッセージを、送受信日時に基づく時系列にしたがって表示してもよい。
【0169】
この構成によれば、被保険者端末装置3は、表示するメッセージの視認性を向上させることができる。
【0170】
上記プログラムにおいて、第1メッセージは、複数のメッセージを含み、複数のメッセージは、第1端末装置及び第2端末装置の一方における表示が制限されるメッセージを含んでもよい。
【0171】
この構成によれば、被保険者端末装置3は、代理店担当者及び保険会社担当者の少なくとも一方には秘匿したいメッセージを送信することができる。
【0172】
上記プログラムにおいて、表示手段104は、保険請求に係る補償の付与の進捗に関する情報をさらに表示してもよい。
【0173】
この構成によれば、被保険者端末装置3は、被保険者の保険請求に係る補償の付与の進捗に関する不安を解消することができる。
【0174】
上記プログラムにおいて、表示手段104は、第1メッセージ、第2メッセージ及び第3メッセージを、単一のスレッドにより表示してもよい。
【0175】
この構成によれば、被保険者端末装置3は、表示するメッセージの視認性を向上させることができる。
【0176】
上記プログラムにおいて、第1端末装置は、保険請求の仲介に関する処理を実行し、第2端末装置は、保険請求に係る補償の付与に関する処理を実行するものであってもよい。
【0177】
<8.発明の実施の態様>
上記実施形態は、被保険者端末装置3の典型的な実施形態であるが、以下のような実施形態も本発明に含まれる。
【0178】
上記実施形態は、当業者の知識に基づいて、矛盾が生じない範囲でそれぞれの技術的事項を組み合わせること、変更すること又は削除することが可能である。上記実施形態の説明は一例に過ぎず、本発明の内容を限定するものではない。
【0179】
上記実施形態における被保険者端末装置3は、複数の装置の組み合わせからなるものであってもよい。他にも、例えば、被保険者端末装置3は、他の装置の一部であってもよい。同様に、被保険者端末装置3が実行するプログラムは、複数のプログラムの組み合わせからなるものであってもよく、当該複数のプログラムのそれぞれは異なる装置に記憶されたものであってもよい。他にも、被保険者端末装置3が実行するプログラムは、上記実施形態で説明した機能以外の機能も有するものであってもよい。被保険者端末装置3のほか、代理店端末装置1、保険会社端末装置2及び情報処理装置4についても同様である。
【0180】
上記実施形態において、被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2のいずれかを、他の端末に読み替えてもよい。例えば、上記実施形態において、秘匿メッセージは代理店端末装置1と保険会社端末装置2との一方においては表示が制限されるメッセージであるとして説明したが、秘匿メッセージは被保険者端末装置3と保険会社端末装置2との一方においては表示が制限されるメッセージであってもよい。また、秘匿メッセージは被保険者端末装置3と代理店端末装置1との一方においては表示が制限されるメッセージであってもよい。
【0181】
上記実施形態において、第1メッセージ―第5メッセージを、他のメッセージに読み替えてもよい。例えば、上記実施形態において、制限手段107は第1メッセージ(具体的には、メッセージm14)の保険会社端末装置2における表示を制限するものとして説明したが、制限手段107は、第2メッセージの保険会社端末装置2における表示を制限してもよい。
【0182】
上記実施形態において、メッセージの表示が制限されることは、当該メッセージが表示されないことであるとして説明したが、これに限られない。メッセージの表示が制限されることは、例えば、当該メッセージに関する情報の少なくとも一部が表示されないことを含む。メッセージに関する情報の少なくとも一部は、例えば、メッセージに含まれるテキスト、メッセージに関連付けて表示されるアイコン、メッセージに関連付けられた音声、メッセージに含まれるテキストを囲む枠等を含む。すなわち、上記実施形態においては、秘匿メッセージは秘匿の対象となる端末装置においては表示されないものとして説明したが、例えば、秘匿メッセージに含まれるテキストは表示することなく、一方で、秘匿メッセージが送信されたことを示す情報が当該秘匿する端末装置において表示されてもよい。
【0183】
上記実施形態で説明したシステムは、保険分野以外にも、汎用的に利用することができる。例えば、被保険者端末装置3、代理店端末装置1及び保険会社端末装置2は、いずれも汎用的な端末装置(例えば、一般的に用いられるスマートフォン等)に置き換えられてもよい。
【0184】
以下のような実施形態も、本発明に含まれる。
【0185】
[付記1]
本実施形態の一態様に係るプログラムは、保険請求に係る処理を実行する第1端末装置及び第2端末装置とネットワークを介して接続されたユーザ端末装置のコンピュータ30を、保険請求を行うユーザの入力に基づいて、第1端末装置及び第2端末装置の少なくとも一方に対して第1メッセージを送信する送信手段102と、第1端末装置に入力された第2メッセージと、第1端末装置に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得手段100であって、第2メッセージは第2端末装置において表示される一方で、第3メッセージは第2端末装置における表示が制限される、メッセージ取得手段100と、第1メッセージ、第2メッセージ及び第3メッセージを一覧で表示する表示手段104であって、第2メッセージと第3メッセージとを識別可能に表示する表示手段104と、として機能させる。
【0186】
[付記2]
付記1に記載したプログラムにおいて、メッセージ取得手段100は、第2端末装置に入力された第4メッセージと、第2端末装置に入力された第5メッセージとを取得し、第4メッセージは第1端末装置において表示される一方で、第5メッセージは第1端末装置における表示が制限され、表示手段104は、第4メッセージ及び第5メッセージをさらに一覧で表示するとともに、第4メッセージと第5メッセージとを識別可能に表示してもよい。
【0187】
[付記3]
付記1又は付記2に記載したプログラムにおいて、第3メッセージは、複数のメッセージを含み、表示手段104は、複数のメッセージのそれぞれに対して、第2メッセージと識別可能にする識別情報を個別に関連付けて表示してもよい。
【0188】
[付記4]
付記3に記載したプログラムにおいて、識別情報は、第3メッセージは第2端末装置における表示が制限される旨を示す情報を含んでもよい。
【0189】
[付記5]
付記1から付記4のいずれか一つに記載したプログラムは、コンピュータ30を、さらに、所定条件が満たされた場合に、第3メッセージの第2端末装置における表示の制限を解除する解除手段106、として機能させてもよい。
【0190】
[付記6]
付記5に記載したプログラムにおいて、所定条件は、制限の解除に関する情報の入力を受け付けることを含み、当該プログラムは、コンピュータ30を、さらに、制限の解除に関する情報の入力をユーザから受け付ける受付手段108、として機能させてもよい。
【0191】
[付記7]
付記6に記載したプログラムにおいて、所定条件は、第1端末装置に入力された制限の解除の承諾に関する情報を取得することをさらに含み、当該プログラムは、コンピュータ30を、さらに、制限の解除の承諾に関する情報を取得する承諾取得手段110、として機能させてもよい。
【0192】
[付記8]
付記1から付記7のいずれか一つのプログラムは、コンピュータ30を、さらに、さらに、第2メッセージの第2端末装置における表示を制限する制限手段107、として機能させてもよい。
【0193】
[付記9]
付記1から付記8のいずれか一つのプログラムにおいて、表示手段104は、第1メッセージ、第2メッセージ及び第3メッセージを、送受信日時に基づく時系列にしたがって表示してもよい。
【0194】
[付記10]
付記1から付記9のいずれか一つのプログラムにおいて、第1メッセージは、複数のメッセージを含み、複数のメッセージは、第1端末装置及び第2端末装置の一方における表示が制限されるメッセージを含んでもよい。
【0195】
[付記11]
付記1から付記10のいずれか一つのプログラムにおいて、表示手段104は、保険請求に係る補償の付与の進捗に関する情報をさらに表示してもよい。
【0196】
[付記12]
付記1から付記11のいずれか一つのプログラムにおいて、表示手段104は、第1メッセージ、第2メッセージ及び第3メッセージを、単一のスレッドにより表示してもよい。
【0197】
[付記13]
付記1から付記12のいずれか一つのプログラムにおいて、第1端末装置は、保険請求の仲介に関する処理を実行し、第2端末装置は、保険請求に係る補償の付与に関する処理を実行してもよい。
【0198】
[付記14]
本実施形態の他の一態様に係る端末装置は、保険請求に係る処理を実行する第1端末装置及び第2端末装置とネットワークを介して接続された端末装置であって、保険請求を行うユーザの入力に基づいて、第1端末装置及び第2端末装置の少なくとも一方に対して第1メッセージを送信する送信部と、第1端末装置に入力された第2メッセージと、第1端末装置に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得部であって、第2メッセージは第2端末装置において表示される一方で、第3メッセージは第2端末装置における表示が制限される、メッセージ取得部と、第1メッセージ、第2メッセージ及び第3メッセージを一覧で表示する表示部であって、第2メッセージと第3メッセージとを識別可能に表示する表示部と、を備える。
【0199】
[付記15]
本実施形態の一態様に係る情報処理方法は、保険請求に係る処理を実行する第1端末装置及び第2端末装置とネットワークを介して接続されたユーザ端末装置のコンピュータに、保険請求を行うユーザの入力に基づいて、第1端末装置及び第2端末装置の少なくとも一方に対して第1メッセージを送信する送信ステップと、第1端末装置に入力された第2メッセージと、第1端末装置に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得手段であって、第2メッセージは第2端末装置において表示される一方で、第3メッセージは第2端末装置における表示が制限される、メッセージ取得ステップと、第1メッセージ、第2メッセージ及び第3メッセージを一覧で表示する表示手段であって、第2メッセージと第3メッセージとを識別可能に表示する表示ステップと、を実行させる。
【0200】
[付記16]
本実施形態の一態様に係る情報処理装置4は、保険請求に係る処理を実行するユーザ端末装置、第1端末装置及び第2端末装置とネットワークを介して接続された情報処理装置4であって、ユーザ端末装置に入力された第1メッセージと、第1端末装置に入力された第2メッセージと、第1端末装置に入力された第3メッセージとを取得するメッセージ取得部400であって、第1メッセージ及び第2メッセージはユーザ端末装置、第1端末装置及び第2端末装置において表示される一方で、第3メッセージは第2端末装置における表示が制限される、メッセージ取得部400と、第1メッセージ、第2メッセージ及び第3メッセージを一覧で表示する表示情報を送信する送信部402であって、表示情報は、第2メッセージと第3メッセージとを識別可能に表示する情報を含む、送信部402と、を備える。
【符号の説明】
【0201】
4…情報処理装置、30…コンピュータ、100…メッセージ取得手段、102…送信手段、104…表示手段、106…解除手段、107…制限手段、108…受付手段、110…承諾取得手段、400…メッセージ取得部、402…送信部