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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119608
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】測距システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/029 20180101AFI20240827BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20240827BHJP
   H04W 16/26 20090101ALI20240827BHJP
【FI】
H04W4/029
H04W84/10 110
H04W16/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026629
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】524066085
【氏名又は名称】FCNT合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河端 浩志
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB26
5K067DD17
5K067DD20
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE16
5K067EE35
5K067FF03
(57)【要約】
【課題】近距離無線通信による測距技術をより長距離に適用できる測距システムを提供する。
【解決手段】被探索装置を示すID情報を含む探索信号を無線送信する探索装置と、上記探索装置から上記探索信号を受信すると、上記ID情報を含む中継信号を無線送信する中継装置と、上記中継装置から上記中継信号を受信すると、上記ID情報が自装置を示す自ID情報と一致する場合に、上記自ID情報を含む第1の応答信号を無線送信する被探索装置と、を含む。上記中継装置は、上記被探索装置と上記中継装置との相対的な第1の位置情報を取得し、上記第1の位置情報と上記自ID情報を含む第2の応答信号を無線送信する。上記探索装置は、上記探索装置と上記中継装置との相対的な第2の位置情報を取得し、上記第1の位置関係と上記第2の位置関係とを基に上記探索装置と上記被探索装置との相対的な第3の位置情報を取得し、上記第3の位置関係を出力する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被探索装置を示すID情報を含む探索信号を無線送信する探索装置と、
前記探索装置から前記探索信号を受信すると、前記ID情報を含む中継信号を無線送信する中継装置と、
前記中継装置から前記中継信号を受信すると、前記ID情報が自装置を示す自ID情報と一致する場合に、前記自ID情報を含む第1の応答信号を無線送信する被探索装置と、を備え、
前記中継装置は、
前記被探索装置と前記中継装置との間の第1の無線通信を基に、前記被探索装置と前記中継装置との相対的な第1の位置情報を取得し、
前記第1の位置情報と前記自ID情報を含む第2の応答信号を無線送信し、
前記探索装置は、
前記探索装置と前記中継装置との間の第2の無線通信を基に、前記探索装置と前記中継装置との相対的な第2の位置情報を取得し、
前記第2の応答信号を受信すると、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報とを基に前記探索装置と前記被探索装置との相対的な第3の位置情報を取得し、
前記第3の位置情報を出力する、
測距システム。
【請求項2】
前記第1の位置情報は、前記被探索装置と前記中継装置との間の距離を示す情報と、前記中継装置から前記被探索装置への方向を示す情報を含み、
前記第2の位置情報は、前記探索装置と前記中継装置との間の距離を示す情報と、前記探索装置から前記中継装置への方向を示す情報を含み、
前記第3の位置情報は、前記探索装置と前記被探索装置との間の距離を示す情報と、前記探索装置から前記被探索装置への方向を示す情報を含む、
請求項1に記載の測距システム。
【請求項3】
前記被探索装置は、
前記探索装置から前記探索信号を受信すると、前記ID情報が前記自ID情報と一致する場合に、前記自ID情報を含む第3の応答信号をさらに無線送信し、
前記探索装置は、
前記第2の応答信号及び前記第3の応答信号の双方を受信した場合、前記探索装置と前記被探索装置との相対的な第4の位置情報を取得し、
前記第3の位置情報と前記第4の位置情報のうち、前記探索装置との距離がより短い方を出力する、
請求項1に記載の測距システム。
【請求項4】
前記第1の無線通信は、Ultra Wide Band(UWB)通信で行われており、
前記中継装置は、前記中継装置と前記被探索装置との間における前記UWBを用いて前記第1の位置情報を取得する、
請求項1に記載の測距システム。
【請求項5】
前記第2の無線通信は、Ultra Wide Band(UWB)で行われており、
前記探索装置は、前記探索装置と前記中継装置との間における前記UWBを用いて前記第2の位置情報を取得する、
請求項1に記載の測距システム。
【請求項6】
前記中継装置は、前記探索装置及び前記被探索装置よりも高い位置に配置される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の測距システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測距システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、Ultra Wide Band(UWB)やBluetooth(登録商標)による測距技術を利用したサービスが検討されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-158428号公報
【特許文献2】特開2021-184571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
UWBやBluetoothでは通信距離が10m程度であるため、行楽地の駐車場における車両の探索のような、被探索物までの距離がより長距離となり得る場所で利用されるサービスに対してUWBやBluetoothによる測距技術を適用することは困難であった。
【0005】
開示の技術の1つの側面は、近距離無線通信による測距技術をより長距離に適用できる測距システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術の1つの側面は、次のような測距システムによって例示される。本測距システムは、被探索装置を示すID情報を含む探索信号を無線送信する探索装置と、上記探索装置から上記探索信号を受信すると、上記ID情報を含む中継信号を無線送信する中継装置と、上記中継装置から上記中継信号を受信すると、上記ID情報が自装置を示す自ID情報と一致する場合に、上記自ID情報を含む第1の応答信号を無線送信する被探索装置と、を備える。上記中継装置は、上記被探索装置と上記中継装置との間の第1の無線通信を基に、上記被探索装置と上記中継装置との相対的な第1の位置情報を取得し、上記第1の位置情報と上記自ID情報を含む第2の応答信号を無線送信する。上記探索装置は、上記探索装置と上記中継装置との間の第2の無線通信を基に、上記探索装置と上記中継装置との相対的な第2の位置情報を取得し、上記第2の応答信号を受信すると、上記第1の位置情報と上記第2の位置情報とを基に上記探索装置と上記被探索装置との相対的な第3の位置情報を取得し、上記第3の位置情報を出力する。
【発明の効果】
【0007】
本測距システムは、近距離無線通信による測距技術をより長距離に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る測距システムの一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る中継装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る被探索装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るユーザ端末の処理ブロックの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る中継装置の処理ブロックの一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る被探索装置の処理ブロックの一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係るユーザ端末の処理フローの一例を示す第1の図である
図9図9は、実施形態に係るユーザ端末の処理フローの一例を示す第2の図である。
図10図10は、実施形態に係る中継装置の処理フローの一例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る被探索装置の処理フローの一例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る測距システムの処理シーケンスの一例を示す図である。
図13図13は、実施例に係る駐車場の一例を示す図である。
図14図14は、水平方向から見た場合におけるユーザ端末、中継装置及び被探索装置の位置関係を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
以下、図面を参照して実施形態についてさらに説明する。図1は、実施形態に係る測距システム1の一例を示す図である。測距システム1は、ユーザ端末100、中継装置200及び被探索装置300を備える。ユーザ端末100、中継装置200及び被探索装置300は、例えば、UWBによる無線通信を行う。測距システム1は、ユーザ端末100によって被探索装置300の位置を探索するシステムである。測距システム1は、例えば、駐車場においてユーザの車両が駐車された駐車場所を探索する際に使用される。
【0010】
ユーザ端末100は、ユーザによって保持される無線通信端末である。ユーザ端末100は、例えば、スマートフォン、ウェアラブルコンピュータ、タブレット型コンピュータ等の可搬型の情報処理装置である。ユーザ端末100は、被探索装置300を示すID情報を含む探索信号を送信して、被探索装置300の位置を探索する。ユーザ端末100は、「探索装置」の一例である。
【0011】
中継装置200は、無線端末である。中継装置200は、ユーザ端末100から被探索装置300を探索する探索信号を受信すると、受信した探索信号に含まれるID情報を含む中継信号を送信する。また、中継装置200は、中継信号に対する第1の応答信号を被探索装置300から受信すると、中継装置200に対する第1の応答信号を送信した被探索装置300の相対的な位置関係を測定し、測定した第1の位置関係を示す第1の位置情報を取得する。中継装置200は、取得した第1の位置情報と被探索装置300のID情報を含む第2の応答信号を送信する。第1の位置情報は、例えば、中継装置200と被探索装置300との間の距離及び中継装置200から被探索装置300への方向を含むベクトル情報である。
【0012】
被探索装置300は、被探索装置300を示すID情報を含む探索信号または中継信号を受信すると、被探索装置300のID情報を含む第1の応答信号を送信する。被探索装置300は、例えば、ユーザが所有する車両等の探索の対象となる物品に搭載される。
【0013】
<ハードウェア構成>
図2は、実施形態に係るユーザ端末100のハードウェア構成の一例を示す図である。ユーザ端末100は、CPU101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104、スピーカー111、マイクロフォン112、ディスプレイ113、タッチパネル114及び接続バスB1を備える。CPU101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部
104、スピーカー111、マイクロフォン112、ディスプレイ113及びタッチパネル114は、接続バスB1によって相互に接続される。
【0014】
CPU101は、マイクロプロセッサーユニット(MPU)、プロセッサーとも呼ばれる。CPU101は、単一のプロセッサーに限定される訳ではなく、マルチプロセッサー構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPU101がマルチコア構成を有していてもよい。CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、CPU101以外のプロセッサー、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサー、ベクトルプロセッサー、画像処理プロセッサー等の専用プロセッサーで行われてもよい。また、CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路によって実行されてもよい。また、CPU101の少なくとも一部にアナログ回路が含まれてもよい。集積回路は、Large Scale Integrated circuit(LSI)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。CPU101は、プロセッサーと集積回路との組み合わせであってもよい。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラーユニット(MCU)、System-on-a-chip(SoC)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。ユーザ端末100では、CPU101が補助記憶部103に記憶されたプログラムを主記憶部102の作業領域に展開し、プログラムの実行を通じて周辺装置の制御を行う。これにより、ユーザ端末100は、所定の目的に合致した処理を実行することができる。主記憶部102及び補助記憶部103は、CPU101が読み取り可能な記録媒体である。
【0015】
主記憶部102は、CPU101から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部102は、Random Access Memory(RAM)及びRead Only Memory(ROM)を含む。
【0016】
補助記憶部103は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部103は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部103には、オペレーティングシステム(Operating System、OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、通信部104を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、コンピュータネットワーク等で接続された、他の情報処理装置及び外部記憶装置が含まれる。なお、補助記憶部103は、例えば、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドシステムの一部であってもよい。
【0017】
補助記憶部103は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive、SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)等である。
【0018】
通信部104は、例えば、UWB、Bluetooth及びWi-Fi等によって例示される近距離無線通信で使用されるインターフェースである。通信部104は、近距離無線通信を用いて外部の装置と通信を行う。
【0019】
スピーカー111は、音を出力する装置である。マイクロフォン112は、音を取得する装置である。
【0020】
ディスプレイ113は、CPU101で処理されるデータや主記憶部102に記憶されるデータを表示する。ディスプレイ113は、例えば、Liquid Crystal Display(LCD)、Plasma Display Panel(PDP)、無機Electroluminescence(EL)パネル、有機ELパネルである。
【0021】
タッチパネル114は、指やスタイラスペン等によるタッチ操作を検出する。タッチパネル114は、例えば、ディスプレイ113に重畳して設けられる。ユーザ端末100は、ディスプレイ113にタッチパネル114が重畳して設けられることで、直感的な操作環境をユーザに提供することができる。
【0022】
図3は、実施形態に係る中継装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。中継装置200は、CPU201、主記憶部202、補助記憶部203、通信部204及び接続バスB2を備える。中継装置200は、CPU201、主記憶部202、補助記憶部203、通信部204及び接続バスB2は、ユーザ端末100のCPU101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104及び接続バスB1と同様であるため、その説明を省略する。
【0023】
図4は、実施形態に係る被探索装置300のハードウェア構成の一例を示す図である。被探索装置300は、CPU301、主記憶部302、補助記憶部303、通信部304及び接続バスB2を備える。被探索装置300は、CPU301、主記憶部302、補助記憶部303、通信部304及び接続バスB3は、ユーザ端末100のCPU101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104及び接続バスB1と同様であるため、その説明を省略する。
【0024】
<ユーザ端末100の処理ブロック>
図5は、実施形態に係るユーザ端末100の処理ブロックの一例を示す図である。ユーザ端末100は、受付部11、送信部12、測定部13及び出力部14を備える。ユーザ端末100は、主記憶部102に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU101が実行することで、上記ユーザ端末100の、受付部11、送信部12、測定部13及び出力部14等の各部としての処理を実行する。
【0025】
受付部11は、探索対象とする被探索装置300のID情報の指定を受け付ける。受付部11は、例えば、タッチパネル114に対するタッチ操作によって入力されたID情報の指定を受け付ける。
【0026】
送信部12は、受付部11によって受け付けられたID情報を含む探索信号を送信する。送信部12による探索信号の送信は、例えば、送信先を指定しないブロードキャストによって行われる。
【0027】
測定部13は、ユーザ端末100と被探索装置300との相対的な位置関係を測定する。測定部13は、中継装置200から第2の応答信号を受信した場合、ユーザ端末100と第2の応答信号を送信した中継装置200との相対的な第2の位置関係を測定し、測定した第2の位置関係を示す第2の位置情報を取得する。測定部13は、例えば、UWBやBluetooth等の無線通信を利用した測距技術を用いて、第2の位置関係を測定する。
【0028】
測定部13は、例えば、UWBを用いた測距の場合、Angle of Arrival(AoA)及びTime Of Flight(ToF)を使うことでユーザ端末100から中継装置200への方向とユーザ端末100と中継装置200との間の距離を測定できる。第2の位置情報は、例えば、ユーザ端末100と中継装置200との間の距離及
びユーザ端末100から中継装置200への方向を含むベクトル情報である。
【0029】
さらに、測定部13は、取得した第2の位置情報及び第2の応答信号に含まれる第1の位置情報を用いて、ユーザ端末100と被探索装置300との相対的な第3の位置関係を示す第3の位置情報を取得する。第3の位置情報は、例えば、ユーザ端末100と被探索装置300との間の距離及びユーザ端末100から被探索装置300への方向を含むベクトル情報である。
【0030】
なお、測定部13は、被探索装置300から第1の応答信号を受信した場合、ユーザ端末100と第1の応答信号を送信した被探索装置300との相対的な第3の位置関係を測定してもよい。すなわち、ユーザ端末100と被探索装置300とが中継装置200を介さずに無線通信可能な範囲内に存在している場合には、第2の応答信号を用いずに、第3の位置関係が測定されてもよい。
【0031】
また、中継装置200及び被探索装置300の双方がユーザ端末100と無線通信可能な領域内に存在する場合、第1の応答信号と第2の応答信号の双方をユーザ端末100が受信することがある。このような場合、測定部13は、ユーザ端末100と当該第1の応答信号を送信した被探索装置300との相対的な第31の位置関係と、第2の応答信号を用いて測定したユーザ端末100と被探索装置300との第32の位置関係の夫々を測定し、第31の位置関係を示す第31の位置情報と第32の位置関係を示す第32の位置情報を取得する。そして、測定部13は、第31の位置情報と第32の位置情報のうち、よりユーザ端末100からの距離が近い方を、上記第3の位置情報として採用してもよい。
【0032】
出力部14は、測定部13によって取得された第3の位置情報をディスプレイ113に表示させる。出力部14は、例えば、ユーザ端末100の周辺の地図情報をディスプレイ113に表示させ、当該地図情報に重畳して第3の位置情報を表示させてもよい。
【0033】
<中継装置200の処理ブロック>
図6は、実施形態に係る中継装置200の処理ブロックの一例を示す図である。中継装置200は、中継部21、測定部22及び応答部23を備える。中継装置200は、主記憶部202に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU201が実行することで、上記中継装置200の、中継部21、測定部22及び応答部23等の各部としての処理を実行する。
【0034】
中継部21は、ユーザ端末100から探索信号を受信すると、受信した探索信号からID情報を取得する。中継部21は、取得したID情報を含む中継信号を送信する。中継部21による中継信号の送信は、例えば、送信先を指定しないブロードキャストによって行われる。
【0035】
測定部22は、被探索装置300から第1の応答信号を受信すると、中継装置200と第1の応答信号を送信した被探索装置300との相対的な第1の位置関係を測定し、測定した第1の位置関係を示す第1の位置情報を取得する。測定部22は、例えば、UWBやBluetooth等の無線通信を利用した測距技術を用いて、第1の位置関係を測定する。測定部22は、例えばUWBを用いた測距の場合、AoA及びToFを使うことで中継装置200から被探索装置300への方向と中継装置200と被探索装置300との間の距離を測定できる。第1の位置情報は、例えば、中継装置200と被探索装置300との間の距離及び中継装置200から被探索装置300への方向を含むベクトル情報である。
【0036】
応答部23は、第1の応答信号から被探索装置300のID情報を取得する。応答部2
3は、測定部22によって取得された第1の位置情報と、第1の応答信号から取得した被探索装置300のID情報を含む第2の応答信号を送信する。応答部23による第2の応答信号の送信は、例えば、送信先を指定しないブロードキャストによって行われる。また、応答部23による第2の応答信号の送信は、例えば、送信先としてユーザ端末100を指定したユニキャストによって行われてもよい。
【0037】
<被探索装置300の処理ブロック>
図7は、実施形態に係る被探索装置300の処理ブロックの一例を示す図である。被探索装置300は、判定部31及び応答部32を備える。被探索装置300は、主記憶部302に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU301が実行することで、上記被探索装置300の、判定部31及び応答部32等の各部としての処理を実行する。
【0038】
判定部31は、ユーザ端末100からの探索信号または中継装置200からの中継信号を受信すると、探索信号または中継信号が自装置宛か否かを判定する。被探索装置300は、例えば、受信した信号に含まれるID情報と、補助記憶部303に予め記憶された被探索装置300のID情報とが一致するか否かを判定し、一致する場合に自装置宛であると判定してもよい。補助記憶部303に予め記憶された被探索装置300のID情報は、「自ID情報」の一例である。
【0039】
応答部32は、判定部31によって自装置宛であると判定された場合に、被探索装置300のID情報を含む第1の応答信号を送信する。応答部32による第1の応答信号の送信は、例えば、送信先を指定しないブロードキャストによって行われる。また、応答部32による第1の応答信号の送信は、例えば、探索信号に対して応答する場合には、送信先としてユーザ端末100を指定したユニキャストによって行われてもよい。また、応答部32による第1の応答信号の送信は、例えば、中継信号に対して応答する場合には、送信先として中継装置200を指定したユニキャストによって行われてもよい。
【0040】
<ユーザ端末100の処理フロー>
図8及び図9は、実施形態に係るユーザ端末100の処理フローの一例を示す図である。図8及び図9に例示される処理は、例えば、所定間隔で繰り返し実行される。以下、図8及び図9を参照してユーザ端末100の処理フローの一例について説明する。
【0041】
T1では、受付部11は、探索対象とする被探索装置300のID情報の指定を受け付ける。T2では、送信部12は、T1において受け付けられたID情報を含む探索信号を送信する。
【0042】
T3では、測定部13は、被探索装置300からの第1の応答信号を受信したか否かを判定する。第1の応答信号を受信した場合(T3でYES)、処理はT4に進められる。第1の応答信号を受信していない場合(T4でNO)、処理はT5に進められる。
【0043】
T4では、測定部13は、ユーザ端末100と第1の応答信号を送信した被探索装置300との相対的な第31の位置関係を測定し、測定した第31の位置関係を示す第31の位置情報を取得する。T5では、測定部13は、中継装置200からの第2の応答信号を受信したか否かを判定する。第2の応答信号を受信した場合(T5でYES)、処理はT6に進められる。第2の応答信号を受信していない場合(T5でNO)、処理はT1Bに進められる。
【0044】
T6では、測定部13は、ユーザ端末100と第2の応答信号を送信した中継装置200との相対的な第2の位置関係を測定し、測定した第2の位置関係を示す第2の位置情報を取得する。さらに、測定部13は、第2の位置情報とT5で受信した応答信号に含まれ
る第1の位置情報とを基に、第32の位置関係を測定し、測定した第32の位置関係を示す第32の位置情報を取得する。
【0045】
T7では、測定部13は、第31の位置情報を基にユーザ端末100と被探索装置300との距離である第31の距離を算出する。また、測定部13は、第32の位置情報を基にユーザ端末100と被探索装置300との距離である第32の距離を算出する。第32の距離が第31の距離以上である場合(T7でYES)、処理はT8に進められる。第32の距離が第31の距離未満である場合(T7でNO)、処理はT9に進められる。
【0046】
T8では、測定部13は、第31の位置情報を第3の位置情報として採用する。T9では、測定部13は、第32の位置情報を第3の位置情報として採用する。
【0047】
T1Aでは、出力部14は、T6またはT7で測定された第3の位置情報をディスプレイ113に出力する。T1Bでは、出力部14は、第1の応答信号及び第2の応答信号の双方を受信できなかったことから、測定エラーを示す情報をディスプレイ113に出力する。
【0048】
<中継装置200の処理フロー>
図10は、実施形態に係る中継装置200の処理フローの一例を示す図である。以下、図10を参照して、中継装置200の処理フローの一例について説明する。
【0049】
T11では、中継部21は、ユーザ端末100からの探索信号を受信する。中継部21は、受信した探索信号からID情報を取得する。T12では、中継部21は、T11で取得したID情報を含む中継信号を送信する。
【0050】
T13では、測定部22は、被探索装置300から第1の応答信号を受信する。T14では、測定部22は、中継装置200とT13で受信した第1の応答信号を送信した被探索装置300との第1の位置関係を測定し、測定した第1の位置関係を示す第1の位置情報を取得する。
【0051】
T15では、応答部23は、T13で受信した第1の応答信号からID情報を取得する。応答部23は、T14で取得された第1の位置情報と、第1の応答信号から取得した被探索装置300のID情報を含む第2の応答信号を送信する。
【0052】
<被探索装置300の処理フロー>
図11は、実施形態に係る被探索装置300の処理フローの一例を示す図である。以下、図11を参照して、被探索装置300の処理フローの一例について説明する。
【0053】
T21では、判定部31は、ユーザ端末100からの探索信号または中継装置200からの中継信号を受信する。T22では、判定部31は、T21で受信した探索信号または中継信号が自装置宛か否かを判定する。自装置宛である場合(T22でYES)、処理はT23に進められる。自装置宛ではない場合(T22でNO)、処理は終了される。T23では、応答部32は、第1の応答信号を送信する。
【0054】
<測距システム1の処理シーケンス>
図12は、実施形態に係る測距システム1の処理シーケンスの一例を示す図である。図12の例では、被探索装置300はユーザ端末100と無線通信可能な範囲外に存在する場合が例示される。以下、図11を参照して、測距システム1の処理シーケンスの一例について説明する。
【0055】
J1では、ユーザ端末100は、探索対象とする被探索装置300のID情報の指定を受け付ける。J2では、ユーザ端末100は、J1において受け付けられたID情報を含む探索信号を送信する。
【0056】
J3では、中継装置200は、ユーザ端末100から受信した探索信号からID情報を取得し、取得したID情報を含む中継信号を送信する。
【0057】
J4では、被探索装置300は、受信した探索信号が自装置宛か否かを判定する。J5では、被探索装置300は、受信した探索信号が自装置宛である場合、第1の応答信号を送信する。
【0058】
J6では、中継装置200は、中継装置200と第1の応答信号を送信した被探索装置300との間の第1の位置関係を測定し、第1の位置関係を示す第1の位置情報を取得する。J7では、中継装置200は、第1の応答信号を送信した被探索装置300のIDと第1の位置情報を含む第2の応答信号を送信する。
【0059】
J8では、ユーザ端末100は、ユーザ端末100と第2の応答信号を送信した中継装置200との間の第2の位置関係を測定し、測定した第2の位置情報を示す第2の位置情報を取得する。ユーザ端末100は、第1の位置情報と第2の位置情報とを基に、ユーザ端末100と被探索装置300との第3の位置関係を測定し、測定した第3の位置関係を示す第3の位置情報を取得する。J9では、ユーザ端末100は、取得した第3の位置情報をディスプレイ113に出力させる。
【0060】
<実施例>
以上説明したじっし形態に係る測距システム1の実施例について説明する。本実施例では、ユーザの車両が駐車場に停車され、ユーザは停車した車両の位置を探索するものとする。
【0061】
図13は、実施例に係る駐車場500の一例を示す図である。駐車場500には、車両を停車する停車エリア501が縦横に複数設けられる。ユーザの所有するユーザ車両502は停車エリア501のうちの図13において右下隅に位置する停車場所511に停車している。また、ユーザ車両502には被探索装置300が設置される。そして、ユーザ端末100及びユーザ端末100を有するユーザは、図13において左上に位置しているものとする。
【0062】
さらに、駐車場500の略中央には、中継装置200が配置される。図14は、水平方向から見た場合におけるユーザ端末100、中継装置200及び被探索装置300の位置関係を模式的に示す図である。図14に例示するように、被探索装置300は、例えば、支持柱503によって支持されることで、駐車場500内に駐車される各車両よりも高い位置に配置される。このような位置に中継装置200が配置されることで、ユーザ端末100と被探索装置300との通信の中継を駐車場500に駐車された車両に阻害されずに好適に行うことができる。なお、被探索装置300を駐車場500内に駐車される各車両よりも高い位置に配置さする手段は、支持柱503に限定されない。被探索装置300は、例えば、駐車場500の天井に配置されることで駐車場500内に駐車される各車両よりも高い位置に配置されてもよい。
【0063】
図13に戻り、駐車場500において、ユーザ端末100と被探索装置300とは、互いに無線通信可能な領域内には存在していないものとする。また、中継装置200は、ユーザ端末100及び被探索装置300の双方と無線通信可能な領域内に存在しているものとする。
【0064】
このような場合、ユーザ端末100は、被探索装置300に対して直接探索信号を送信することはできない。そこで、本実施例では、ユーザ端末100からの探索信号を中継装置200が受信すると、中継装置200は探索信号からID情報を取得し、取得したID情報を含む中継信号を送信する。被探索装置300は、中継信号に応答して第1の応答信号を送信する。
【0065】
被探索装置300は、第1の応答信号を受信すると被探索装置300と被探索装置300(すなわち、ユーザ車両502)との第1の位置関係を測定し、測定した第1の位置関係を示す第1の位置情報を取得する。そして、被探索装置300は、第1の位置情報を第2の応答信号に含めて送信する。
【0066】
ユーザ端末100は、第2の応答信号を受信すると、ユーザ端末100と第2の応答信号を送信した中継装置200との第2の位置関係を測定し、測定した第2の位置関係を示す第2の位置情報を取得する。そして、ユーザ端末100は、第1の位置情報と第2の位置情報とを基に、ユーザ端末100と被探索装置300との第3の位置情報を取得し、第3の位置情報をディスプレイ113に出力する。このような処理が実行されることで、測距システム1は、ユーザ端末100のユーザをユーザ車両502へと案内できる。
【0067】
なお、本実施例では駐車場500の平面図を基にユーザ端末100と被探索装置300が設置されたユーザ車両502が同一のフロアに存在する場合について説明したが、ユーザ端末100とユーザ車両502とは、例えば、ユーザ端末100が2階に存在し、ユーザ車両502が4階に存在するように、駐車場500の異なるフロアに存在してもよい。このような場合、ユーザ端末100及び中継装置200によって取得される各位置情報に高さ方向を示す情報がさらに含まれればよい。
【0068】
<実施形態の作用効果>
本実施形態によれば、ユーザ端末100と被探索装置300との間に中継装置200が配置されることで、ユーザ端末100と直接無線通信可能な領域外に存在する被探索装置300の位置をユーザ端末100のユーザに案内できる。
【0069】
また、本実施形態では、外部のサーバを利用しないため、インターネット等の外部のサーバに接続するためのネットワークを構築しなくともよい。そのため、より簡易な構成で被探索装置300の位置をユーザ端末100のユーザに案内できる。
【0070】
また、本実施例で説明したように、支持柱503等によって中継装置200を高い位置に配置することで、ユーザ端末100と中継装置200との通信、及び、中継装置200と被探索装置300との通信に対する障害物等による影響を抑制し、より好ましい通信環境を実現できる。
【0071】
<変形例>
以上説明した実施形態では、中継装置200はひとつ配置されたが、中継装置200は複数配置されてもよい。そして、複数の中継装置200が通信をリレーして、ユーザ端末100と被探索装置300との通信を中継してもよい。
【0072】
また、複数の中継装置200が配置される場合において、夫々の中継装置200の位置が固定されている場合がある。このような場合、夫々の中継装置200は他の中継装置200の位置を夫々の中継装置200を示すID情報と対応付けて、予め補助記憶部203に記憶してもよい。このような構成を採用することで、中継装置200間の相対的な位置関係を測定する演算負荷を軽減できる。
【0073】
以上説明した実施形態では、車両の探索に測距システム1が採用されたが、測距システム1は車両以外の物品の探索に採用されてもよい。測距システム1は、例えば、鞄、財布、鍵、スマートフォン、ノートブック型コンピュータ等の様々な物品の探索に採用されてもよい。
【0074】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【0075】
<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0076】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、Compact Disc-Recordable(CD-R)、Compact Disc-ReWriterable(CD-RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリー、外付け型のハードディスクドライブやSolid State Drive(SSD)等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体として内蔵型のハードディスクドライブ、SSDやROM等がある。
【符号の説明】
【0077】
1・・測距システム
11・・受付部
12・・送信部
13・・測定部
14・・出力部
21・・中継部
22・・測定部
23・・応答部
31・・判定部
32・・応答部
100・・ユーザ端末
101・・CPU
102・・主記憶部
103・・補助記憶部
104・・通信部
111・・スピーカー
112・・マイクロフォン
113・・ディスプレイ
114・・タッチパネル
200・・中継装置
201・・CPU
202・・主記憶部
203・・補助記憶部
204・・通信部
300・・被探索装置
301・・CPU
302・・主記憶部
303・・補助記憶部
304・・通信部
500・・駐車場
501・・停車エリア
511・・停車場所
502・・ユーザ車両
503・・支持柱
B1・・接続バス
B2・・接続バス
B3・・接続バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14