(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119610
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】無線通信システム、基地局装置、基地局装置の制御方法及び基地局装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 16/16 20090101AFI20240827BHJP
【FI】
H04W16/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026631
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】524066085
【氏名又は名称】FCNT合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大出 高義
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067DD24
5K067EE04
5K067EE10
5K067EE24
(57)【要約】
【課題】周波数をより有効に活用する。
【解決手段】本無線通信システムは、第1の周波数の第1の電波による通信を行う第1の基地局装置を含み、第1の事業者によって運用される第1の無線システムと、第2の周波数の第2の電波による通信を行う第2の基地局装置を含み、前記第1の事業者とは異なる第2の事業者によって運用される第2の無線システムと、上記第1の電波及び上記第2の電波の双方で通信可能な移動局と、を備える。上記第1の基地局装置は、上記第2の基地局装置に対して、上記第1の周波数の貸し出しに関する第1の制御情報を通知する第1の通知部を有する。上記第2の基地局装置は、上記第1の基地局装置から上記第1の制御情報を受信する第1の受信部と、上記移動局に対して上記第1の電波を用いた通信に関する第2の制御情報を上記第2の電波を用いて報知する第3の通知部と、を有する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周波数の第1の電波による通信を行う第1の基地局装置を含み、第1の事業者によって運用される第1の無線システムと、
第2の周波数の第2の電波による通信を行う第2の基地局装置を含み、前記第1の事業者とは異なる第2の事業者によって運用される第2の無線システムと、
前記第1の電波及び前記第2の電波の双方で通信可能な移動局と、を備え、
前記第1の基地局装置は、
前記第2の基地局装置に対して、前記第2の無線システムによる前記第1の周波数の使用に関する第1の制御情報を通知する第1の通知部と、
前記第2の基地局装置から前記第1の制御情報の通知に対する応答を受信する第1の受信部と、を有し、
前記第2の基地局装置は、
前記第1の基地局装置から前記第1の制御情報を受信する第1の受信部と、
受信した前記第1の制御情報に対する前記応答を、前記第1の基地局装置に通知する第2の通知部と、
前記移動局に対して前記第1の電波を用いた通信に関する第2の制御情報を前記第2の電波を用いて報知する第3の通知部と、を有し、
前記移動局は、
前記第2の電波を用いて報知された前記第2の制御情報を受信する第3の受信部と、有する、
無線通信システム。
【請求項2】
前記第1の制御情報は、前記第1の周波数の使用許可を示す制御情報、前記第1の周波数の使用停止を示す制御情報、前記第1の周波数の使用期間を示す制御情報、前記第1の周波数の使用開始時間を示す制御情報、前記第1の周波数の使用停止時間を示す制御情報、及び、前記第1の周波数の使用停止解除を示す制御情報のうちの少なくとも1つ含む、
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記第2の制御情報は、前記第1の周波数を用いた通信に関する制御情報、前記第1の周波数の使用期間を示す制御情報、及び前記第1の周波数の使用開始時間を示す制御情報のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記第2の基地局装置は、前記第2の無線システムにおける前記第1の周波数を用いる通信の開始前に前記第2の制御情報を報知する、
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記第2の制御情報は、前記第1の周波数の使用停止を示す制御情報、前記第1の周波数の使用停止時間を示す制御情報のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記第2の基地局装置は、前記第2の無線システムにおける前記第1の周波数を用いる通信の停止前に前記第2の制御情報を報知する、
請求項5に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記第2の制御情報は、前記第1の周波数の使用停止を示す情報、及び、前記第1の周波数の使用停止解除を示す制御情報、無線回線を切断するとともに非アクセス層の接続は維持した第1の状態へ遷移させる制御情報、及び前記第1の状態から前記無線回線を再接続させるための制御情報の少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記第2の基地局装置は、前記第2の無線システムによる前記第1の周波数を用いる通信の前記使用停止前に前記第2の制御情報を報知する、
請求項7に記載の無線通信システム。
【請求項9】
前記第2の制御情報は、前記第1の周波数を用いたセルを示す情報、又は、前記第1の周波数を用いた第2のセルを示す情報を含む、
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項10】
前記第2の基地局装置は、前記第1の周波数を用いる通信の開始後に前記第2の制御情報を報知する、
請求項9に記載の無線通信システム。
【請求項11】
前記第2の基地局装置は、前記第2の無線システムにおける前記第1の周波数を用いたデータ量を前記第1の基地局装置に通知し、
前記第1の基地局装置は、通知された前記データ量を基に前記第1の周波数の貸出料金を算出し、算出した前記貸出料金の請求処理を実行する、
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項12】
前記第1の基地局装置は、前記第1の周波数を前記第2の無線システムに使用させた期間に応じた貸出料金を算出し、算出した前記貸出料金の請求処理を実行する、
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項13】
第1の事業者によって運用される第1の無線システムで使用され、第1の周波数の第1の電波による通信を行う第1の基地局装置であって、
前記第1の事業者とは異なる第2の事業者によって運用される第2の無線システムで使用され、第2の周波数の第2の電波による通信を行う第2の基地局装置に対して、前記第1の周波数の貸し出しに関する制御情報を通知する通知部と、
前記第2の基地局装置から前記制御情報の通知に対する応答を受信する第1の受信部と、を備える、
基地局装置。
【請求項14】
第1の事業者によって運用される第1の無線システムで使用され、第1の周波数の第1の電波による通信を行う第1の基地局装置が、
前記第1の事業者とは異なる第2の事業者によって運用される第2の無線システムで使用され、第2の周波数の第2の電波による通信を行う第2の基地局装置に対して、前記第1の周波数の貸し出しに関する制御情報を通知し、
前記第2の基地局装置から前記制御情報の通知に対する応答を受信する、
基地局装置の制御方法。
【請求項15】
第1の事業者によって運用される第1の無線システムで使用され、第1の周波数の第1の電波による通信を行う第1の基地局装置に、
前記第1の事業者とは異なる第2の事業者によって運用される第2の無線システムで使用され、第2の周波数の第2の電波による通信を行う第2の基地局装置に対して、前記第1の周波数の貸し出しに関する制御情報を通知させ、
前記第2の基地局装置から前記制御情報の通知に対する応答を受信させる、
基地局装置の制御プログラム。
【請求項16】
第2の事業者によって運用される第2の無線システムで使用され、第2の周波数の第2
の電波による通信を行う基地局装置であって、
前記第2の事業者とは異なる第1の事業者によって運用される第1の無線システムで使用され、第1の周波数の第1の電波による通信を行う第1の基地局装置から、前記第1の周波数の貸し出しに関する第1の制御情報を受信する受信部と、
受信した前記第1の制御情報に対する応答を、前記第1の基地局装置に通知する第1の通知部と、
前記第1の電波及び前記第2の電波の双方で通信可能な移動局に対して前記第1の電波を用いた通信に関する第2の制御情報を前記第2の電波を用いて報知する第2の通知部と、を備える、
基地局装置。
【請求項17】
第2の事業者によって運用される第2の無線システムで使用され、第2の周波数の第2の電波による通信を行う基地局装置が、
前記第2の事業者とは異なる第1の事業者によって運用される第1の無線システムで使用され、第1の周波数の第1の電波による通信を行う第1の基地局装置から、前記第1の周波数の貸し出しに関する第1の制御情報を受信し、
受信した前記第1の制御情報に対する応答を、前記第1の基地局装置に通知し、
前記第1の電波及び前記第2の電波の双方で通信可能な移動局に対して前記第1の電波を用いた通信に関する第2の制御情報を前記第2の電波を用いて報知する、
基地局装置の制御方法。
【請求項18】
第2の事業者によって運用される第2の無線システムで使用され、第2の周波数の第2の電波による通信を行う基地局装置に、
前記第2の事業者とは異なる第1の事業者によって運用される第1の無線システムで使用され、第1の周波数の第1の電波による通信を行う第1の基地局装置から、前記第1の周波数の貸し出しに関する第1の制御情報を受信させ、
受信した前記第1の制御情報に対する応答を、前記第1の基地局装置に通知させ、
前記第1の電波及び前記第2の電波の双方で通信可能な移動局に対して前記第1の電波を用いた通信に関する第2の制御情報を前記第2の電波を用いて報知させる、
基地局装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、基地局装置、基地局装置の制御方法及び基地局装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP(登録商標))において、第5世代移動通信システム(5G)及びローカル5Gの仕様が検討されている。
【0003】
5Gでは、Mobile Network Operator(MNO)以外の事業者に利用エリアを限定して無線周波数を割り当てることで、プライベートな無線通信ネットワークを構築し運用することができる。このようなプライベートな無線通信ネットワークは、ローカル5Gとも称される。
【0004】
近年、無線通信ネットワークで使用している周波数のうちの一部の周波数を他の無線通信システムで利用することが行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開2020/144912号
【特許文献2】国際公開2021/206013号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来行われている周波数の貸し出しでは、期限を設けずに貸し出すものや制御装置を介して周波数の貸し出しが行われるものであり、期間を指定して周波数を貸し出したり、必要に応じて周波数の貸し出しを停止したりする技術は提案されていなかった。そのため、例えば、緊急時以外には使用しない周波数であっても他の事業者に貸し出すことができず、周波数の有効利用が妨げられていた。
【0007】
開示の技術の1つの側面は、周波数をより有効に活用できる無線通信システム、基地局装置、基地局装置の制御方法及び基地局装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の技術の1つの側面は、次のような無線通信システムによって例示される。本無線通信システムは、第1の周波数の第1の電波による通信を行う第1の基地局装置を含み、第1の事業者によって運用される第1の無線システムと、第2の周波数の第2の電波による通信を行う第2の基地局装置を含み、前記第1の事業者とは異なる第2の事業者によって運用される第2の無線システムと、上記第1の電波及び上記第2の電波の双方で通信可能な移動局と、を備える。上記第1の基地局装置は、上記第2の基地局装置に対して、上記第2の無線システムによる上記第1の周波数の使用に関する第1の制御情報を通知する第1の通知部と、上記第2の基地局装置から上記第1の制御情報の通知に対する応答を受信する第1の受信部と、を有する上記第2の基地局装置は、上記第1の基地局装置から上記第1の制御情報を受信する第1の受信部と、受信した上記第1の制御情報に対する上記応答を、上記第1の基地局装置に通知する第2の通知部と、上記移動局に対して上記第1
の電波を用いた通信に関する第2の制御情報を上記第2の電波を用いて報知する第3の通知部と、を有する。上記移動局は、上記第2の電波を用いて報知された上記第2の制御情報を受信する第3の受信部と、有する。
【発明の効果】
【0009】
開示の技術によれば、周波数をより有効に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る無線通信システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態において、第1の基地局が使用する電波を第2の基地局に貸し出した状態の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る第1の基地局及び上位装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る第2の基地局及び上位装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る第1の基地局の処理ブロックの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る第2の基地局の処理ブロックの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る端末の処理ブロックの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る無線通信システムにおける周波数貸し出しの処理シーケンスの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る無線通信システムにおける周波数貸し出し終了の処理シーケンスの一例を示す第1の図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る無線通信システムにおける周波数貸し出し終了の処理シーケンスの一例を示す第2の図である。
【
図12】
図12は、緊急時における、実施形態に係る無線通信システムの貸出終了の処理シーケンスの一例を示す第1の図である。
【
図13】
図13は、緊急時における、実施形態に係る無線通信システムの貸出終了の処理シーケンスの一例を示す第2の図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る上位装置の処理ブロックの一例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る上位装置の処理ブロックの一例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る無線通信システムの課金処理の処理シーケンスの一例を示す図である。
【
図17】
図17は、第1変形例に係る無線通信システムの一例を示す図である。
【
図18】
図18は、第1変形例に係る第3の基地局の処理ブロックの一例を示す図である。
【
図19】
図19は、第1変形例に係る無線通信システムの周波数貸し出しの処理シーケンスの一例を示す第1の図である。
【
図20】
図20は、第1変形例に係る無線通信システムの周波数貸し出しの処理シーケンスの一例を示す第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
以下、図面を参照して実施形態に係る無線通信システムについて説明する。
図1は、実施形態に係る無線通信システム1の一例を示す図である。無線通信システム1は、第1の基地局100、上位装置500、第2の基地局200、上位装置600及び端末300を
備える。無線通信システム1は、例えば、5Gによる通信システムである。
【0012】
第1の基地局100は、第1の周波数の電波による無線通信を行う基地局である。第1の基地局100は、例えば、MNOとは異なる事業者(運用者、オペレータ)によって運用されるNon-Public Networkである。第1の基地局100による無線通信ネットワークは、例えば、プライベートネットワーク(ローカル5G)である。第1の基地局100による通信可能なエリアは、
図1において通信エリアA1として例示される。第1の基地局100を含み、MNOとは異なる事業者によって運用される含む無線システムは、「第1の無線システム」の一例である。MNOとは異なる事業者は、「第1の事業者」の一例である。
【0013】
上位装置500は、第1の基地局100を管理する情報処理装置または複数の情報処理装置の集合体である情報処理装置群である。上位装置500は、例えば、Polocy Control Function(PCF)及びUser Plane Function(UPF)を含む。第1の基地局100及び上位装置500は、「第1の基地局装置」の一例である。なお、Non-Public Networkは、上位装置500を含んでもよいし、含まなくともよい。
【0014】
第2の基地局200は、第1の周波数とは異なる第2の周波数の電波による無線通信を行う基地局である。第2の基地局200は、例えば、MNOによって運用されるPublic Networkである。第2の基地局200による通信可能なエリアは、
図1において通信エリアA2として例示される。第2の基地局200を含み、MNOによって運用される含む無線システムは、「第2の無線システム」の一例である。MNOは、「第2の事業者」の一例である。
【0015】
上位装置600は、第2の基地局200を管理する情報処理装置または複数の情報処理装置の集合体である情報処理装置群である。上位装置600は、例えば、PCF及びUser Plane Function(UPF)を含む。第2の基地局200及び上位装置600は、「第2の基地局装置」の一例である。なお、Public Networkは、上位装置600を含んでもよいし、含まなくともよい。
【0016】
端末300は、第1の周波数の電波及び第2の周波数の電波の双方で通信可能な移動局である。端末300は、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノートブック型パーソナルコンピュータ等の無線通信可能な情報処理装置である。端末300は、「移動局」の一例である。
【0017】
無線通信システム1では、第1の基地局100で使用される周波数の電波を第1の基地局100から第2の基地局200に貸し出すことができる。
図2は、実施形態において、第1の基地局100が使用する電波を第2の基地局200に貸し出した状態の一例を示す図である。第1の基地局100が使用する第2の周波数の電波が第2の基地局200に貸し出された場合、例えば、第2の基地局200はプライマリセル(第1のセル、主たるセル、図中ではPCellと記載)として動作し、第1の基地局100はセカンダリセル(第2のセル、図中ではSCellと記載)として動作する。なお、プライマリセル、セカンダリセルは第4世代移動通信システム(LTE)や第5世代移動通信システム(NR:
New Radio)におけるキャリアアグリゲーションの場合であり、LTEやNRのデュアルコネクティビティの場合はプライマリセルをマスターセル又はマスターセルグループとし、セカンダリセルはセカンダリセルグループとしてもよい。無線通信システム1は、「無線通信システム」の一例である。また、以下電波の貸し出しを例として説明するが、電波の利用や再利用であってもよい。
【0018】
<第1の基地局100及び上位装置500のハードウェア構成>
図3は、実施形態に係る第1の基地局100及び上位装置500のハードウェア構成の一例を示す図である。第1の基地局100は、CPU101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104、上位装置接続バス105及び接続バスB1を備える。CPU101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104及び上位装置接続バス105は、接続バスB1によって相互に接続される。
【0019】
CPU101は、マイクロプロセッサーユニット(MPU)、プロセッサーとも呼ばれる。CPU101は、単一のプロセッサーに限定される訳ではなく、マルチプロセッサー構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPU101がマルチコア構成を有していてもよい。CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、CPU101以外のプロセッサー、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサー、ベクトルプロセッサー、画像処理プロセッサー等の専用プロセッサーで行われてもよい。また、CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路によって実行されてもよい。また、CPU101の少なくとも一部にアナログ回路が含まれてもよい。集積回路は、Large Scale Integrated circuit(LSI)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。CPU101は、プロセッサーと集積回路との組み合わせであってもよい。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラーユニット(MCU)、System-on-a-chip(SoC)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。第1の基地局100では、CPU101が補助記憶部103に記憶されたプログラムを主記憶部102の作業領域に展開し、プログラムの実行を通じて周辺装置の制御を行う。これにより、第1の基地局100は、所定の目的に合致した処理を実行することができる。主記憶部102及び補助記憶部103は、CPU101が読み取り可能な記録媒体である。
【0020】
主記憶部102は、CPU101から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部102は、Random Access Memory(RAM)及びRead Only Memory(ROM)を含む。
【0021】
補助記憶部103は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部103は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部103には、オペレーティングシステム(Operating System、OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、通信部104を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、コンピューターネットワーク等で接続された、他の情報処理装置及び外部記憶装置が含まれる。
【0022】
補助記憶部103は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive、SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)等である。
【0023】
通信部104は、第1の周波数の電波による無線通信を行う通信インターフェースである。通信部104は、第1の周波数の電波を利用して外部の装置と通信を行う。上位装置接続バス105は、上位装置500との接続インターフェースである。第1の基地局100は、上位装置接続バス105を介して上位装置500との情報の送受信を行う。
【0024】
図3に例示される上位装置500のハードウェア構成は、上位装置500が一台の情報処理装置によって実現される場合の構成例である。上位装置500は、CPU501、主記憶部502、補助記憶部503、通信部504、基地局バス505及び接続バスB2を備える。上位装置500のCPU501、主記憶部502、補助記憶部503及び接続バスB2は、第1の基地局100のCPU101、主記憶部102、補助記憶部103及び接続バスB1と同様であるため、その説明を省略する。
【0025】
通信部504は、上位装置600との通信インターフェースである。通信部504は、例えば、移動体通信網の基幹ネットワーク(コアネットワーク)を介して上位装置600に接続される。上位装置500は、通信部504を介して、上位装置600との情報の授受を行う。基地局バス505は、第1の基地局100との接続インターフェースである。上位装置500は、基地局バス505を介して第1の基地局100との情報の送受信を行う。
【0026】
<第2の基地局200及び上位装置600のハードウェア構成>
図4は、実施形態に係る第2の基地局200及び上位装置600のハードウェア構成の一例を示す図である。第2の基地局200は、CPU201、主記憶部202、補助記憶部203、通信部204、上位装置接続バス205及び接続バスB3を備える。第2の基地局200のCPU201、主記憶部202、補助記憶部203、上位装置接続バス205及び接続バスB3は、第1の基地局100のCPU101、主記憶部102、補助記憶部103、上位装置接続バス105及び接続バスB1と同様であるため、その説明を省略する。
【0027】
通信部204は、第2の周波数の電波による無線通信を行う通信インターフェースである。通信部204は、第2の周波数の電波を利用して外部の装置と通信を行う。
【0028】
図4に例示される上位装置600のハードウェア構成は、上位装置600が一台の情報処理装置によって実現される場合の構成例である。上位装置600は、CPU601、主記憶部602、補助記憶部603、通信部604、基地局バス605及び接続バスB4を備える。上位装置600のCPU601、主記憶部602、補助記憶部603、通信部604、基地局バス605及び接続バスB4は、上位装置500のCPU501、主記憶部502、補助記憶部503、通信部504、基地局バス505及び接続バスB2と同様であるため、その説明を省略する。
【0029】
<端末300のハードウェア構成>
図5は、実施形態に係る端末300のハードウェア構成の一例を示す図である。端末300は、CPU301、主記憶部302、補助記憶部303、第1通信部304、第2通信部305、マイクロフォン306、スピーカー307、ディスプレイ308、タッチパネル309及び接続バスB5を備える。端末300のCPU301、主記憶部302、補助記憶部303、第1通信部304及び接続バスB5は、第1の基地局100のCPU101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104及び接続バスB1と同様であるため、その説明を省略する。また、端末300の第2通信部305は、第2の基地局200の通信部204と同様であるため、その説明を省略する。
【0030】
マイクロフォン306は、音の入力を受け付ける装置である。マイクロフォン306は、通話等の際における音取得に用いられるマイクロフォンである。スピーカー307は、音を出力する装置である。スピーカー307は、端末300を用いた通話において、通話相手の音声等の音を出力する。
【0031】
ディスプレイ308は、CPU301で処理されるデータや主記憶部302に記憶されるデータを表示する。ディスプレイ308は、例えば、Liquid Crystal Display(LCD)、Plasma Display Panel(PDP)、無機Electroluminescence(EL)パネル、有機ELパネルである。
【0032】
タッチパネル309は、指やスタイラスペン等によるタッチ操作を検出する。タッチパネル309は、例えば、ディスプレイ308に重畳して設けられる。端末300は、ディスプレイ308にタッチパネル309が重畳して設けられることで、直感的な操作環境をユーザに提供することができる。
【0033】
<第1の基地局100の処理ブロック>
図6は、実施形態に係る第1の基地局100の処理ブロックの一例を示す図である。第1の基地局100は、送信部11、受信部12、システム情報記憶部13、基地局性能管理部14、無線回線制御部15、回線制御部16、貸出先制御部17及び課金制御部18備える。第1の基地局100は、主記憶部102に実行可能に展開されたコンピュータープログラムをCPU101が実行することで、上記第1の基地局100の、送信部11、受信部12、システム情報記憶部13、基地局性能管理部14、無線回線制御部15、回線制御部16、貸出先制御部17及び課金制御部18等の各部としての処理を実行する。
【0034】
送信部11は、各種制御情報を第2の基地局200や端末300に無線送信する。送信部11は、例えば、第1の基地局100に対して周波数貸し出しに係る貸出通知を送信する。貸出通知は、例えば、周波数の貸し出し許可を示す情報、貸し出す周波数の帯域を示す情報、貸出期間を示す情報の少なくとも1つを含む。また、第1の基地局100が複数存在する場合であって、そのうちの一部の第1の基地局100を貸し出す場合には、貸出する第1の基地局100を示す識別情報が貸出通知に含まれてよい。第1の基地局100を示す識別情報としては、例えば、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、Location Area Identity(LAI)、Tracking Area Identity(TAI)、Location Area Identity(LAI)、Cell Global Identification(CGI)、Base Station Identify
Code(BSIC)、Regional Subscription Zone Identity(RSZI)等が挙げられる。なお、貸し出し許可を使用許可、貸出し周波数を使用許可する周波数、貸出期間を使用期間としてもよい。以下、断りのない限り同様である。
【0035】
また、送信部11は、周波数の貸出期間中において、第2の基地局200に対して周波数の貸し出しを停止する貸出停止要求を送信してもよい。貸出停止要求は、例えば、周波数の貸し出し停止を示す情報を含む。なお、貸し出した周波数のうちの一部の帯域を貸出停止する場合には、貸し出し停止する周波数の帯域を示す情報が貸出停止要求に含まれてよい。なお、貸出停止要求を使用停止要求、貸し出し停止を示す情報と使用停止を示す情報としてもよい。以下、断りのない限り同様である。
【0036】
受信部12は、第2の基地局200や端末300から無線で送信される各種情報を受信する。受信部12は、例えば、貸出通知に対する第2の基地局200からの応答を受信する。また、受信部12は、周波数の貸し出しを依頼する貸出依頼を第2の基地局200から受信してもよい。なお、貸出依頼を使用依頼又は使用許可依頼としてもよい。以下、断りのない限り同様である。
【0037】
システム情報記憶部13は、例えば、無線回線設定に用いられる各種情報が記憶される。システム情報記憶部13は、例えば、セルを示すセルID、セル選択及びランダムアク
セスに関する制御情報及び隣接セル情報が記憶される。隣接セル情報は、例えば、第1の基地局100の周辺に存在する基地局の夫々を示す識別情報の一覧であって良い。また、システム情報記憶部13には、System Informaion Block(SIB)に関する情報が記憶されてもよい。
【0038】
基地局性能管理部14は、第1の基地局100が対応する電波の周波数帯及び通信規格を記憶する。通信規格としては、例えば、W-CDMA、LTE、5G等を挙げることができる。
【0039】
無線回線制御部15は、端末300との無線回線制御を行う。無線回線制御部15は、例えば、端末300とのランダムアクセスを行う。
【0040】
回線制御部16は、第1の基地局100と第2の基地局200との通信インターフェースの制御を行う。
【0041】
貸出先制御部17は、周波数を貸し出した貸出先となる第1の基地局100の制御を行う。貸出先制御部17は、例えば、貸出通知を送信部11に送信させることで、貸し出した周波数の利用を第1の基地局100に開始させてもよい。
【0042】
課金制御部18は、第1の基地局100に周波数を貸し出した期間や貸し出した期間中に送受信されたデータ量に応じた課金を行う。
【0043】
<第2の基地局200の処理ブロック>
図7は、実施形態に係る第2の基地局200の処理ブロックの一例を示す図である。第2の基地局200は、送信部21、受信部22、システム情報記憶部23、基地局性能管理部24、無線回線制御部25及び回線制御部26を備える。第2の基地局200は、主記憶部202に実行可能に展開されたコンピュータープログラムをCPU201が実行することで、上記第2の基地局200の、送信部21、受信部22、システム情報記憶部23、基地局性能管理部24、無線回線制御部25及び回線制御部26等の各部としての処理を実行する。
【0044】
システム情報記憶部23、基地局性能管理部24、無線回線制御部25及び回線制御部26は、第1の基地局100のシステム情報記憶部13、基地局性能管理部14、無線回線制御部15及び回線制御部16と同様であるため、その説明を省略する。
【0045】
送信部21は、各種制御情報を第1の基地局100や端末300に無線送信する。送信部21は、例えば、貸出通知に対する応答を第1の基地局100に送信してもよい。
【0046】
受信部22は、第1の基地局100や端末300から無線で送信される各種情報を受信する。受信部12は、例えば、第1の基地局100からの貸出通知及び貸出停止要求を受信する。また、受信部12は、端末300からの無線回線品質の測定結果を受信する。
【0047】
<端末300の処理ブロック>
図8は、実施形態に係る端末300の処理ブロックの一例を示す図である。端末300は、送信部31、受信部32、無線回線制御部33、回線制御部34及び端末性能管理部35を備える。端末300は、主記憶部302に実行可能に展開されたコンピュータープログラムをCPU301が実行することで、上記端末300の、送信部31、受信部32、無線回線制御部33、回線制御部34及び端末性能管理部35等の各部としての処理を実行する。
【0048】
無線回線制御部33及び回線制御部34は、第1の基地局100のシステム情報記憶部13、無線回線制御部15及び回線制御部16と同様であるため、その説明を省略する。
【0049】
送信部31は、各種情報を第1の基地局100や第2の基地局200に無線送信する。送信部31は、例えば、測定した無線回線品質の測定結果を第1の基地局100に送信する。
【0050】
受信部32は、第1の基地局100や第2の基地局200から無線で送信される各種情報を受信する。受信部32は、また、端末300が無線通信で使用する無線回線の品質を測定する。
【0051】
端末性能管理部35は、端末300が対応する電波の周波数帯及び通信規格を記憶する。通信規格としては、例えば、W-CDMA、LTE、5G等を挙げることができる。
【0052】
<貸出処理の処理シーケンス>
図9は、実施形態に係る無線通信システム1における周波数貸し出しの処理シーケンスの一例を示す図である。
図9の例では、第1の基地局100が使用する周波数が貸し出されるとともに、第1の基地局100も貸し出される処理について説明する。以下、
図9を参照して、無線通信システム1における周波数貸し出しの処理シーケンスの一例について説明する。
【0053】
T1では、第1の基地局100の貸出先制御部17は、第1の基地局100から第2の基地局200に対する貸出通知を送信部11に送信させる。貸出通知では、例えば、第1の基地局100が第2の基地局200に対して周波数の貸し出しを許可する情報、貸し出す周波数に係る情報、貸し出す周波数の電波を用いるセルのセル情報、貸し出す周波数の電波を用いたセルのセル選択関連情報が含まれる。セル情報としては、例えば、セルID、貸出開始の時間を示す情報、貸出終了の時間を示す情報及び稼働期間を示す稼働情報を挙げることができる。周波数の貸し出しを許可する情報は、「前記第1の周波数の使用許可を示す制御情報」の一例である。貸出開始の時間を示す情報は、「前記第1の周波数の使用開始時間を示す制御情報」の一例である。貸出開始の時間を示す情報及び貸出終了の時間は、「前記第1の周波数の使用期間を示す制御情報」の一例である。
【0054】
T2では、第1の基地局100の回線制御部16及び第2の基地局200の回線制御部26によって、第1の基地局100と第2の基地局200とのインターフェース設定が行われる。
【0055】
T3では、第2の基地局200の無線回線制御部15は、第1の基地局100をセカンダリセルとする設定を行う。T4では、第2の基地局200の無線回線制御部25は、SIB4として隣接セル情報及び第2の基地局200をセカンダリセルとして稼働開始する時期を端末300に報知する。無線回線制御部25は、セカンダリセルとして利用できる期間を端末300に報知してもよい。隣接セル情報は、「前記第1の周波数を用いた通信に関する制御情報」の一例である。セカンダリセルとして稼働開始する時期は、「前記第1の周波数の使用開始時間を示す制御情報」の一例である。セカンダリセルとして利用できる期間は、「前記第1の周波数の使用期間を示す制御情報」の一例である。なお、無線回線制御部25は、稼働開始する時期として、第1の基地局100から通知された貸出開始の時間以降であって、貸出終了の時間前の任意の時間を指定してよい。また、無線回線制御部25は、第1の基地局100から通知された貸出終了の時間前の任意の時間を稼働終了時間として、端末300に報知してもよい。
【0056】
T5では、端末300の無線回線制御部33と第2の基地局200の無線回線制御部2
5によって、端末300と第2の基地局200とのランダムアクセスが行われる。ランダムアクセスによって、端末300と第2の基地局200との間の無線回線が確立する。
【0057】
T6では、第1の基地局100の回線制御部16は、第1の基地局100を第2の基地局200のセカンダリセルとして稼働させる。回線制御部16は、セカンダリセルとして稼働開始したことを第1の基地局100に通知してもよい。
【0058】
T7では、第2の基地局200の無線回線制御部25は、第1の基地局100が第2の基地局200のセカンダリセルとして稼働したことを端末300に報知する。
【0059】
T8では、第2の基地局200の無線回線制御部25は、第1の基地局100と端末300との間の無線回線の品質測定を行うよう端末300に報知する。T9では、第1の基地局100の無線回線制御部15は、端末300における無線品質測定に用いるCSI-RS信号(Channel State Information‐Reference
Signal、チャネルステート情報参照信号)又はRS信号を端末300に対して送信する。
【0060】
T10では、端末300の受信部32は、T9で送信されたCSI-RSまたはRSを用いて、無線品質の測定を行う。T11では、端末300の無線回線制御部33は、T10で測定した無線品質の測定結果を第2の基地局200に通知する。
【0061】
T12では、第2の基地局200の無線回線制御部25は、T11で受信した無線品質の測定結果を基に、端末300に対して第1の基地局100をセカンダリセルとして追加するか否かを判定する。T13では、第2の基地局200の無線回線制御部25は、T12においてセカンダリセルとして追加すると判定した場合、第1の基地局100をセカンダリセルとして追加するよう端末300に通知する。
【0062】
なお、T13における通知は、例えば、上位シグナリングであり、無線回線設定メッセージであるRRC Connection Reconfiguration messageによって行われる。また、T13における通知は、T12における判定結果に基づいて、端末300の夫々に対して個別に行われる。すなわち、T12においてセカンダリセルとして追加しないと判定された端末300に対しては、T13における通知は行われない。
【0063】
T14では、端末300の無線回線制御部33と、第1の基地局100の無線回線制御部25と、第2の基地局200の無線回線制御部25と、によって、第2の基地局200がセカンダリセルとして追加された状態のランダムアクセスが行われる。T14のランダムアクセスによって、第2の基地局200のセカンダリセルとした状態で、端末300と第1の基地局100との間の無線通信及び端末300と第2の基地局200との間の無線回線が確立する。
【0064】
T15では、T14で確立された無線回線を用いて、端末300と第2の基地局200との間でユーザデータが伝送される。T16では、T14で確立された無線回線を用いて、端末300と第1の基地局100との間でユーザデータが伝送される。
【0065】
<貸出終了の処理シーケンス>
図10及び
図11は、実施形態に係る無線通信システム1における周波数貸し出し終了の処理シーケンスの一例を示す図である。
図10及び
図11では、予定していた貸出期間満了によって周波数貸し出しが終了される場合について説明する。なお、
図10及び
図11では、端末30のハンドオーバー先となる基地局が「ハンドオーバー先基地局」として
記載される。以下、
図10を参照して、無線通信システム1における周波数貸し出し終了の処理シーケンスの一例について説明する。
【0066】
T21では、貸出終了の時期(貸出終了の時期の所定期間前)になると、第1の基地局100の貸出先制御部17は、貸出終了通知を第2の基地局200を送信部11に送信させる。貸出終了通知は、「前記第1の周波数の使用停止を示す制御情報」の一例である。
【0067】
T22では、第2の基地局200の無線回線制御部15は、第1の基地局100をセカンダリセルとして利用することを停止する停止情報を報知する。停止情報には、例えば、貸出停止時間、貸出停止周波数、貸出停止周波数を用いた基地局を示す識別情報又はセルを示す識別情報が含まれる。停止情報は、「前記第1の周波数の使用停止を示す情報」の一例である。
【0068】
T23では、第2の基地局200は、T22の停止情報で報知した基地局以外の複数の基地局を指定して、無線回線品質の測定を端末300に対して要求する。
【0069】
T24では、端末300の受信部32は、T23で指定された基地局夫々について無線品質の測定を行う。T25では、端末300の無線回線制御部33は、T24で測定した無線品質の測定結果を測定対象の基地局の識別情報と対応付けて第2の基地局200に通知する。
【0070】
T26では、第2の基地局200の無線回線制御部25は、T24で受信した無線品質の測定結果を基に、端末300をハンドオーバーさせるハンドオーバー先の基地局を決定する。第1の基地局100は端末300に対してセカンダリセルとして追加されているため、端末300のセカンダリセルのハンドオーバー先が決定される。
【0071】
T27では、第2の基地局200の無線回線制御部25は、T26で決定したハンドオーバー先の基地局の識別情報を端末300に通知して、ハンドオーバーを指示する。
【0072】
T28では、端末300の無線回線制御部33は、T27で指示された識別情報の基地局(ハンドオーバー先基地局)との間でランダムアクセスを行い、無線接続を確立する。
【0073】
T29では、第2の基地局200の回線制御部26は、貸出終了の処理が終了したことを示す終了通知を第2の基地局200に送信する。
【0074】
T30では、第1の基地局100の回線制御部26は、第1の基地局100への周波数の貸し出しを終了する。第1の基地局100は、ローカル5Gの基地局として稼働を開始する。
【0075】
<緊急停止時の貸出終了の処理シーケンス>
図10及び
図11では、貸出期間満了にともなう貸出終了の処理シーケンスが説明された。ここでは、貸出期間中における緊急時の貸出終了処理について説明する。
図12及び
図13は、緊急時における、実施形態に係る無線通信システム1の貸出終了の処理シーケンスの一例を示す図である。なお、
図12及び
図13では、緊急時における緊急通報の送信先となるローカル5Gに属する端末が「ローカル5G端末」として記載される。以下、
図12及び
図13を参照して、緊急時における、実施形態に係る無線通信システム1の貸出終了の処理シーケンスの一例について説明する。
【0076】
T41では、ローカル5GにおいてEarthquake and Tsunami Warning System(ETWS)等の緊急通知が必要になった場合に、第1の
基地局100の貸出先制御部17は、停止要求を第2の基地局200を送信部11に送信させる。停止要求は、「前記第1の周波数の使用停止を示す情報」の一例である。
【0077】
T42では、第2の基地局200の無線回線制御部25は、端末300をRRC_Inactiveに遷移させる制御情報を生成する。RRC_Inactiveでは、無線回線が切断される一方で、非アクセス層(Non Access Stratum、NAS)のコンテキストは保持される。換言すれば、RRC_Inactiveでは、無線回線が切断される一方で非アクセス層における接続は維持される。制御情報には、RRC_Inactiveへの遷移対象となる基地局の識別情報、再接続に用いられる各種パラメータ、パラメータの保持期間が含まれる。再接続に用いられる各種パラメータとしては、例えば、無線回線接続を示す接続識別情報、無線回線接続時の状態を示す接続状態情報が含まれる。制御情報には、さらに、再接続(RRC_Active)への復帰タイミングを示す情報が含まれてもよい。RRC_Inactiveは、「第1の状態」の一例である。パラメータの保持期間は、「前記第1の周波数の使用停止時間を示す制御情報」の一例である。
【0078】
T43では、無線回線制御部25は、RRC_Inactiveに遷移させるInactive設定要求を端末300に対して通知する。Inactive設定要求には、例えば、T42で生成された制御情報が含まれる。Inactive設定要求は、「前記第1の周波数の使用停止を示す制御情報」の一例である。また、Inactive設定要求は、「無線回線を切断するとともに非アクセス層の接続は維持した第1の状態へ遷移させる制御情報」の一例である。
【0079】
T44では、端末300の無線回線制御部33は、第1の基地局100との無線回線をRRC_Inactiveに遷移して切断する。T45では、第2の基地局200の回線制御部26は、第2の基地局200のセカンダリセルとしての第1の基地局100の利用が終了したことを示す終了通知を第1の基地局100に送信する。
【0080】
T46では、第1の基地局100の回線制御部26は、第1の基地局100への周波数の貸し出しを終了する。第1の基地局100は、ローカル5Gの基地局として稼働を開始する。
【0081】
T47では、第1の基地局100の送信部11は、ローカル5Gに接続された各端末に対して緊急通知を送信する。T48では、第1の基地局100の貸出先制御部17は、第2の基地局200に対して周波数の貸し出し再開を通知する再開通知を送信する。再開通知は、「前記第1の周波数の使用停止解除を示す制御情報」の一例である。
【0082】
T49では、第2の基地局200の無線回線制御部25は、端末300をRRC_Activeに遷移させる制御情報を生成する。T50では、第2の基地局200の無線回線制御部25は、RRC_Activeに遷移させる再接続要求を端末300に対して通知する。再接続要求には、例えば、T49で生成された制御情報が含まれる。なお、第2の基地局200は、第1の基地局100とのインターフェース(Xnインターフェース)又は上位装置600、500を介して第1の基地局100へ再接続要求を送信し、第1の基地局から端末300に対して再接続要求を送信してもよい。再接続要求は、「前記第1の周波数の使用停止解除を示す制御情報」の一例である。また、再接続要求は、「及び前記第1の状態から前記無線回線を再接続させるための制御情報」の一例である。
【0083】
T51では、端末300の無線回線制御部33と、第1の基地局100の無線回線制御部25と、第2の基地局200の無線回線制御部25と、によって、第2の基地局200がセカンダリセルとして追加された状態のランダムアクセスが行われる。T51のランダ
ムアクセスによって、第2の基地局200のセカンダリセルとした状態で、端末300と第1の基地局100との間の無線通信及び端末300と第2の基地局200との間の無線回線が確立する。
【0084】
<課金処理>
第1の基地局100から第2の基地局200に周波数を貸し出すにあたり、第1の基地局100を運用する事業者は、第2の基地局200を運用するMNOに対して貸し出しに係る賃借料を請求することが考えられる。賃借料は、「貸出料金」の一例である。
【0085】
図14は、実施形態に係る上位装置500の処理ブロックの一例を示す図である。
図14では、上位装置500の処理ブロックのうち課金処理に係るブロックを抜粋して記載する。
図14に例示される処理ブロックは、例えば、PCF上に構築される。上位装置500は、課金制御部51を備える。上位装置500は、主記憶部502に実行可能に展開されたコンピュータープログラムをCPU501が実行することで、上記上位装置500の、課金制御部51等の各部としての処理を実行する。
【0086】
課金制御部51は、第2の基地局200に周波数を貸し出す期間、第2の基地局200に貸し出した期間内に伝送されたデータ量に応じて課金を行う。課金制御部51は、例えば、貸出期間に応じた一定料金を課金してもよい。また、課金制御部51は、貸出期間に応じた一定料金を基本料金として、貸し出した期間内に伝送されたデータ量に応じた従量課金を行ってもよい。課金制御部51は、時間に応じて課金を行ってもよい。課金制御部51は、例えば、周波数の帯域幅に応じた基本料金に対して、貸出期間を乗じた額を課金してもよい。
【0087】
また、課金制御部51は、上記した緊急通知の影響等により、貸出期間中に貸し出しが停止された場合には、貸し出しが停止された期間に応じて返金(料金の減額)を行ってもよい。なお、災害を通知する緊急通報によって例示される公共利用の目的によって貸し出しが停止された場合には、返金が行われなくともよい。
【0088】
図15は、実施形態に係る上位装置600の処理ブロックの一例を示す図である。
図15では、上位装置600の処理ブロックのうち課金処理に係るブロックを抜粋して記載する。
図15に例示される処理ブロックは、例えば、PCF上に構築される。上位装置600は、課金制御部61を備える。上位装置600は、主記憶部602に実行可能に展開されたコンピュータープログラムをCPU601が実行することで、上記上位装置600の、課金制御部61等の各部としての処理を実行する。
【0089】
課金制御部61は、貸し出された周波数帯の電波を用いて伝送されるデータ量をカウントする。課金制御部61は、例えば、端末300と第1の基地局100との間で伝送されるデータ量をカウントする。課金制御部61は、カウントしたデータ量を上位装置500に通知する。
【0090】
なお、上位装置500のPCFは、例えば、第1の基地局100と第2の基地局200との間のXnインターフェース及び第1の基地局100とAccess and Mobility Function(AMF)とのインターフェースであるN2インターフェースを介してAMFに接続される。そして、上位装置500は、接続されたAMF、Namfインターフェース及びNpcfインターフェースを介して、上位装置600のPCFに接続される。
【0091】
図16は、実施形態に係る無線通信システム1の課金処理の処理シーケンスの一例を示す図である。以下、
図16を参照して、無線通信システム1の課金処理の処理シーケンス
の一例について説明する。なお、
図16では、データ量に応じた料金が請求されるケースについて説明する。
【0092】
端末300、第1の基地局100及び第2の基地局200の間では、ユーザデータが伝送される。T61では、第1の基地局100は、伝送されたデータ量をカウントする。T62では、第1の基地局100は、T61でカウントしたデータ量を上位装置600に通知する。
【0093】
T63では、上位装置600の課金制御部61は、第1の基地局100から通知されたデータ量を上位装置500に通知する。なお、貸し出された基地局が複数存在する場合には、課金制御部61は、夫々の基地局から通知されたデータ量を集計し、集計したデータ量を上位装置500に通知する。
【0094】
T64では、上位装置500の課金制御部51は、T63で通知されたデータ量に基づいて、請求額を決定する。T65では、上位装置500の課金制御部51は、T63で決定した請求額の賃借料についての請求処理を上位装置600に対して行う。T66では、上位装置600の課金制御部61は、T65で通知された請求額の支払処理を上位装置500に対して行う。
【0095】
なお、
図16では、第1の基地局100がデータ量をカウントしたが、データ量のカウントは端末300で行われてもよい。この場合、端末300がカウントしたデータ量を上位装置600に通知すればよい。
【0096】
<運用、管理、保守について>
MNOとは異なる事業者が、ローカル5Gの運用、管理、保守(以下、運用等と称する)を実施することは、当該事業者が運用ノウハウを有しないことから難しい。そこで、MNOにローカル5Gの運用等を委託することが考えられる。MNOは、委託された第1の基地局100及び上位装置500を含むローカル5Gのシステムを直接運用等してもよいし、ネットワークを介して運用等を行ってもよい。
【0097】
このようなMNOに運用等を委託する委託費用とMNOが支払う賃借料とが相殺されてもよい。委託費用と賃借料とが相殺されることで、ローカル5Gの運用等のコストを削減できる。委託費用の課金については、例えば、Diameterを採用できる。
【0098】
<実施形態の作用効果>
本実施形態では、貸出元となる第1の基地局100から貸出先となる第2の基地局200に周波数が貸し出される。そのため、第1の基地局100のローカル5Gとしての利用が無い期間を貸し出すことにより、周波数の有効利用が可能となる。
【0099】
本実施形態によれば、貸出期間中にETWS等の事情により貸し出しを停止する場合には、第1の基地局100から第2の基地局200に貸出停止を通知することで、貸し出しを停止できる。そして、貸し出しを停止した後、ローカル5Gでの緊急通知等を行い、貸し出しを再開できる。すなわち、本実施形態によれば、貸出期間中における貸出停止について柔軟に対応できる。
【0100】
また、本実施形態では、第1の基地局100から第2の基地局200に周波数の貸し出し及び貸し出しを停止する場合に、貸出制御用のサーバが用いられない。すなわち、第1の基地局100と第2の基地局200とが直接やりとりすることで、周波数の貸し出し及び貸し出しの停止が行われる。そのため、第1の基地局100と第2の基地局200との間に貸出制御用のサーバを介在させることによる処理の遅れが生じず、貸し出し及び貸し
出しの停止を実行できる。ひいては、本実施形態によれば、ETWS等の緊急事態に対し、より素早い対応を実現できる。
【0101】
本実施形態では、貸出停止の際に端末300をRRC_Inactiveに遷移させる。RRC_Inactiveでは、無線回線が切断される一方で、非アクセス層は切断されない。ここで、非アクセス層が切断されない状態とは、例えば、端末300上で稼働するアプリケーションとサーバとのセッションが維持される状態を挙げることができる。貸出停止時に端末300がRRC_Inactiveに遷移されることで、貸出再開時における回線の再接続処理がより高速になる。
【0102】
本実施形態では、貸し出された第1の基地局100は、セカンダリセルとして動作する。そして、貸出期間満了の場合や貸出停止の場合には、端末300においてハンドオーバーされるのは、セカンダリセルとなる。そのため、本実施形態によれば、貸出期間満了の場合や貸出停止の場合における、端末300の通信断が抑制される。
【0103】
本実施形態では、第1の基地局100の周波数帯が第2の基地局200に貸し出されるため、第2の基地局200による通信容量を拡張できる。
【0104】
本実施形態では、周波数を貸し出す際に当該周波数を使用する第1の基地局100も第2の基地局200に貸し出す。そのため、第2の基地局200を運用するMNOに第1の基地局100の運用等を委託することもできる。
【0105】
本実施形態では、第1の基地局100の周波数帯を第2の基地局200に貸し出すことにより、賃借料の収入を得ることができる。また、ローカル5Gの運用等をMNOに委託した場合でも、委託費用と賃借料とを相殺することで、ローカル5Gの運用等のコストを低減できる。
【0106】
<第1変形例>
以上説明した実施形態では、第1の基地局100及び第2の基地局200によって周波数の貸し出しが実行された。第1変形例では、上位装置500及び上位装置600によって周波数の貸し出しが実行される例について説明する。また、第1変形例では、第1の基地局100は貸し出さずに第1の基地局100の周波数を貸し出す例について説明する。
【0107】
図17は、第1変形例に係る無線通信システム1Aの一例を示す図である。無線通信システム1Aは、第1の基地局100に加えて第3の基地局200Aが第2の基地局200のセカンダリセルとして配置され、第3の基地局200Aと上位装置600とが接続される点で、無線通信システム1とは異なる。第3の基地局200Aは、第2の基地局200と同等のハードウェア構成を有する。
【0108】
図18は、第1変形例に係る第3の基地局200Aの処理ブロックの一例を示す図である。第3の基地局200Aは、送信部21A、受信部22A、システム情報記憶部23A、基地局性能管理部24A、無線回線制御部25A及び回線制御部26Aを備える。第3の基地局200Aの送信部21A、受信部22A、システム情報記憶部23A、基地局性能管理部24A、無線回線制御部25A及び回線制御部26Aは、第2の基地局200の送信部21A、受信部22A、システム情報記憶部23A、基地局性能管理部24A、無線回線制御部25A及び回線制御部26Aと同様であるため、その説明を省略する。
【0109】
図19及び
図20は、第1変形例に係る無線通信システム1Aの周波数貸し出しの処理シーケンスの一例を示す図である。以下、
図19及び
図20を参照して、無線通信システム1Aの周波数貸し出しの処理シーケンスの一例について説明する。
【0110】
T71では、第2の基地局200は、端末300に対して性能通知要求を送信する。T72では、端末300は、端末性能管理部35を参照して、端末300が対応する周波数や通信規格等の性能情報を第2の基地局200に送信する。
【0111】
T73では、上位装置500は、第3の基地局200Aに対して性能通知要求を送信する。T74では、第3の基地局200Aは、基地局性能管理部24Aを参照して、第3の基地局200Aが対応する周波数や通信規格等の性能情報を上位装置500に送信する。
【0112】
T75では、上位装置600は、上位装置500に対して貸出依頼を送信する。貸出依頼は、例えば、貸出希望期間及び貸出希望周波数の少なくとも一方を示す情報を含む。
【0113】
T76では、上位装置500は、貸出許可を上位装置600に対して通知する。なお、上位装置500は、ローカル5Gとして使用する期間と貸出希望期間が重なる場合や、ローカル5Gで使用する周波数の貸出を希望された場合には、貸し出しを許可しなくともよい。また、上位装置500は、T73で取得した第3の基地局200Aの性能が、貸し出しの対象となる周波数に対応していないことを示す場合には、貸し出しを許可しなくともよい。
【0114】
T77では、上位装置500と第3の基地局200Aとの間で事前制御が行われる。事前制御では、例えば、貸し出す周波数の使用開始時間、使用期間、貸し出す周波数の少なくとも1つの通知等が行われる。
【0115】
T78では、上位装置600は、第2の基地局200及び第3の基地局200Aに対して事前通知を行う。事前通知では、貸し出される周波数が隣接セル情報として報知される。
【0116】
T79では、第2の基地局200は、第3の基地局200Aと端末300との間の無線回線の品質測定を行うよう端末300に報知する。T80では、端末300は、例えば、第3の基地局200Aから送信されたCSI-RSを用いて、無線品質の測定を行う。T81では、端末300は、T80で測定した無線品質の測定結果を第2の基地局200に通知する。
【0117】
T82では、第2の基地局200は、第3の基地局200Aをセカンダリセルとして追加する追加要求を行う。追加要求は、例えば、SIB4として隣接セル情報及び第3の基地局200Aをセカンダリセルとして稼働開始する時期を端末300に報知することで行われる。
【0118】
T83では、端末300と第3の基地局200Aとのランダムアクセスが行われる。ランダムアクセスによって、端末300と第3の基地局200Aとの間の無線回線が確立する。
【0119】
T84では、T83で確立された無線回線を用いて、端末300と第3の基地局200Aとの間でユーザデータが伝送される。T85では、T83で確立された無線回線を用いて、端末300と第2の基地局200との間でユーザデータが伝送される。
【0120】
第1変形例によれば、上位装置500及び上位装置600を介した周波数の貸し出しが可能となる。また、第1変形例によれば、第1の基地局100が使用する周波数のうちの一部の周波数を第3の基地局200Aに利用させることができる。すなわち、第1変形例によれば、貸し出さなかった周波数については第1の基地局100が継続して使用できる
ため、ローカル5Gのサービスを停止しなくともよい。
【0121】
<変形例>
以上説明した実施形態では、第1の基地局100で使用される周波数全体(周波数の全帯域)が第2の基地局200に貸し出されたが、第1の基地局100から第2の基地局200には第1の基地局100で使用される周波数の一部(周波数の一部の帯域)が貸し出されてもよい。このような場合、例えば、
図9のT1における貸出通知において、貸し出す対象となる周波数(または周波数と帯域幅)を示す情報が第1の基地局100から第2の基地局200に通知されればよい。
【0122】
以上説明した実施形態では、緊急時等における貸出停止は、第1の基地局100と第2の基地局200との間で制御された。しかしながら、緊急時等における貸出停止は、第1の基地局100の上位装置500から第2の基地局200の上位装置600に対して停止要求を送信することで行われてもよい。
【0123】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【0124】
<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0125】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、Compact Disc-Recordable(CD-R)、Compact Disc-ReWriterable(CD-RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリー、外付け型のハードディスクドライブやSolid State Drive(SSD)等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体として内蔵型のハードディスクドライブ、SSDやROM等がある。
【符号の説明】
【0126】
1・・無線通信システム
11・・送信部
12・・受信部
13・・システム情報記憶部
14・・基地局性能管理部
15・・無線回線制御部
16・・回線制御部
17・・貸出先制御部
18・・課金制御部
21・・送信部
22・・受信部
23・・システム情報記憶部
24・・基地局性能管理部
25・・無線回線制御部
26・・回線制御部
21A・・送信部
22A・・受信部
23A・・システム情報記憶部
24A・・基地局性能管理部
25A・・無線回線制御部
26A・・回線制御部
31・・送信部
32・・受信部
33・・無線回線制御部
34・・回線制御部
35・・端末性能管理部
51・・課金制御部
61・・課金制御部
100・・第1の基地局
500・・上位装置
101・・CPU
102・・主記憶部
103・・補助記憶部
104・・通信部
105・・上位装置接続バス
200・・第2の基地局
200A・・第3の基地局
600・・上位装置
201・・CPU
202・・主記憶部
203・・補助記憶部
204・・通信部
205・・上位装置接続バス
300・・端末
301・・CPU
302・・主記憶部
303・・補助記憶部
304・・第1通信部
305・・第2通信部
306・・マイクロフォン
307・・スピーカー
308・・ディスプレイ
309・・タッチパネル
501・・CPU
502・・主記憶部
503・・補助記憶部
504・・通信部
505・・基地局バス
601・・CPU
602・・主記憶部
603・・補助記憶部
604・・通信部
605・・基地局バス
A1・・通信エリア
A2・・通信エリア
B1・・接続バス
B2・・接続バス
B3・・接続バス
B4・・接続バス
B5・・接続バス