(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119616
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】キャップ
(51)【国際特許分類】
A42B 1/017 20210101AFI20240827BHJP
A42B 1/00 20210101ALI20240827BHJP
A42B 1/019 20210101ALI20240827BHJP
A42B 1/041 20210101ALI20240827BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20240827BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240827BHJP
A61P 19/00 20060101ALI20240827BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20240827BHJP
A61K 51/02 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
A42B1/017
A42B1/00 P
A42B1/019 M
A42B1/019 Z
A42B1/041
A61P25/02
A61P25/00
A61P19/00
A61P21/00
A61K51/02 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026642
(22)【出願日】2023-02-22
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】517382002
【氏名又は名称】株式会社身体機能研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100115510
【弁理士】
【氏名又は名称】手島 勝
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 孝
【テーマコード(参考)】
4C084
【Fターム(参考)】
4C084AA12
4C084MA11
4C084MA63
4C084NA05
4C084NA10
4C084ZA021
4C084ZA221
4C084ZA941
4C084ZA961
(57)【要約】
【課題】着用者の身体機能ないし柔軟性を向上させることができるキャップを提供すること
【解決手段】本発明のキャップ100は、頭部を覆うキャップ本体部10と、キャップ本体部10において頭部の中心線(C)に沿って延びた頭部パターン部20とを備えている。頭部パターン部20は、キャップ本体部10の裏面および表面の少なくとも一方に貼られたテープ材料21から構成されている。そして、頭部パターン部20におけるテープ材料21には鉱物(30)が含まれている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭に被るキャップであって、
頭部を覆うキャップ本体部と、
前記キャップ本体部において前記頭部の中心線に沿って延びた頭部パターン部と
を備え、
前記頭部パターン部は、前記キャップ本体部の裏面および表面の少なくとも一方に貼られたテープ材料から構成されており、
前記頭部パターン部における前記テープ材料には、鉱物が含まれている、キャップ。
【請求項2】
前記鉱物は、ラジウム鉱石、ゲルマニウム、水晶、テラヘルツ鉱石およびトルマリンからなる群から選択される少なくとも1種類の鉱物であり、
前記鉱物は前記テープ材料に対して印刷によって付与されており、
前記印刷によって付与された前記鉱物は、幾何学的形状、模様および文字からなる群から選択されるパターン形状を有している、請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記テープ材料の一方の領域には、第1金属から構成された第1パッドが形成されており、
前記テープ材料の他方の領域には、第2金属から構成された第2パッドが形成されており、
前記第1パッドは金パッドであり、そして、前記第2パッドは銀パッドである、請求項1または2に記載のキャップ。
【請求項4】
前記テープ材料の一方の領域には、第1金属から構成された第1パッドが形成されており、
前記テープ材料の他方の領域には、第2金属から構成された第2パッドが形成されており、
前記第1パッドは、亜鉛および銅の合金からなるパッド、または、銅パッドであり、そして、前記第2パッドはアルミニウムパッドである、請求項1または2に記載のキャップ。
【請求項5】
前記頭部パターン部は、前記キャップ本体部の前記裏面に形成されている、請求項1または2に記載のキャップ。
【請求項6】
前記頭部パターン部は、矩形形状を有しており、
前記頭部パターン部の開口部を規定する縁部は、ゴム部となっており、
前記キャップ本体部には、前記頭部の中心線に沿って延びるメッシュ部が形成されており、
前記頭部パターン部は、前記メッシュ部の内面側に形成されている、請求項1または2に記載のキャップ。
【請求項7】
前記キャップ本体部は、伸縮性材料から構成されており、
前記頭部パターン部の幅は、25mm±10mmであり、
前記頭部パターン部は、前記頭部の中心線に対して対称形となるように形成されている、請求項1または2の何れか一つに記載のキャップ。
【請求項8】
頭に被るキャップであって、
頭部を覆うキャップ本体部と、
前記キャップ本体部において前記頭部の中心線に沿って延びた頭部パターン部と
を備え、
前記頭部パターン部は、前記キャップ本体部の裏面および表面の少なくとも一方に形成されたインク印刷パターンから構成され、
前記インク印刷パターンは、鉱物の粉末を含んでいる、キャップ。
【請求項9】
前記鉱物は、ラジウム鉱石、ゲルマニウム、水晶、テラヘルツ鉱石およびトルマリンからなる群から選択される少なくとも1種類の鉱物であり、
前記インク印刷パターンは、幾何学的形状、模様および文字からなる群から選択されるパターン形状を有している、請求項8に記載のキャップ。
【請求項10】
前記頭部パターン部の一方の領域には、第1金属から構成された第1パッドが形成されており、
前記頭部パターン部の他方の領域には、第2金属から構成された第2パッドが形成されており、
前記第1パッドは金パッドであり、そして、前記第2パッドは銀パッドである、請求項8または9に記載のキャップ。
【請求項11】
前記頭部パターン部の一方の領域には、第1金属から構成された第1パッドが形成されており、
前記頭部パターン部の他方の領域には、第2金属から構成された第2パッドが形成されており、
前記第1パッドは、亜鉛および銅の合金からなるパッド、または、銅パッドであり、そして、前記第2パッドはアルミニウムパッドである、請求項8または9に記載のキャップ。
【請求項12】
前記頭部パターン部は、前記キャップ本体部の前記裏面に形成されており、
前記キャップ本体部は、伸縮性材料から構成されており、
前記頭部パターン部の幅は、25mm±10mmであり、
前記頭部パターン部は、前記頭部の中心線に対して対称形となるように形成されている、請求項8または9に記載のキャップ。
【請求項13】
頭に被るキャップであって、
頭部を覆うキャップ本体部と、
前記キャップ本体部において前記頭部の中心線に沿って配列された頭部パターン部と
を備え、
前記頭部パターン部は、前記キャップ本体部の裏面および表面の少なくとも一方に設けられた鉱物ブロックを有しており、
前記鉱物ブロックは、前記頭部の中心線に沿って複数個配列されている、キャップ。
【請求項14】
前記鉱物ブロックは、前記キャップ本体部の前記裏面に形成されており、
前記鉱物ブロックは、内部に鉱物が収納された円形部材であり、
前記鉱物ブロックは、前記頭部の中心線に沿って等間隔に配列されている、請求項13に記載のキャップ。
【請求項15】
キャップの製造方法であって、
頭部を覆うキャップ本体部を用意する工程と、
頭部を覆うキャップ本体部において、前記頭部の中心線に沿って、鉱物が含まれている頭部パターン部を形成する工程と
を含む、キャップの製造方法。
【請求項16】
前記頭部パターン部を形成する工程において、前記鉱物が含まれたテープ材料を前記中心線に沿って貼ることを実行する、請求項15に記載のキャップの製造方法。
【請求項17】
前記頭部パターン部を形成する工程において、前記鉱物が含まれたインクを塗布することによって、インク印刷パターンを形成することを実行する、請求項15に記載のキャップの製造方法。
【請求項18】
前記頭部パターン部を形成する工程において、内部に前記鉱物が収納された鉱物ブロックを前記中心線に沿って複数個形成することを実行する、請求項15に記載のキャップの製造方法。
【請求項19】
さらに、前記頭部パターン部の一方の領域に、第1金属から構成された第1パッドを形成し、そして、前記頭部パターン部の他方の領域に、第2金属から構成された第2パッドを形成することを実行する、請求項15から18の何れか一つに記載のキャップの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップに関する。特に、着用者の身体機能ないし柔軟性を向上させることができるキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スポーツ等を行う際の運動パフォーマンスを向上させるための運動用衣類が知られている。運動用衣類に対するニーズは非常に根強いものがある。ゴルフを例に挙げれば、日々の筋力トレーニングやストレッチなどをせずとも、ヘッドスピードを上げて飛距離を伸ばしたいと考えているユーザは、顕在的に数多く存在している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4061336号公報
【特許文献2】特開2004-210758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願出願人は、従来の運動用衣類でなく、頭部に帽子(キャップ)を被るだけで身体機能・柔軟性を向上させることができるものを思いつき、本発明に至った。
【0005】
従来の帽子(キャップ)としては、特許文献2に開示されたイオン遠赤外線キャップがある。このキャップは、微弱放射性鉱物及び遠赤外線放射性鉱物を原料とし、それを加工したセラミックタイルをキャップ内に取り付けた構成を有している。このイオン遠赤外線キャップによれば、薬品のような効果とともに発生する副作用の心配なしに、マイナスイオンと遠赤外線によって頭皮の保護、頭髪の育毛の効果を得ることができる。
【0006】
特許文献2に開示されたイオン遠赤外線キャップは、頭皮の保護、頭髪の育毛の効果を得ることができるものであるが、このキャップは、身体機能・柔軟性を向上させる機能を有するものではない。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、着用者の身体機能ないし柔軟性を向上させることができる帽子(キャップ)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るキャップは、頭に被るキャップであり、頭部を覆うキャップ本体部と、前記キャップ本体部において前記頭部の中心線に沿って延びた頭部パターン部とを備えている。前記頭部パターン部は、前記キャップ本体部の裏面および表面の少なくとも一方に貼られたテープ材料から構成されている。前記頭部パターン部における前記テープ材料には、鉱物が含まれている。
【0009】
ある好適な実施形態では、前記鉱物は、ラジウム鉱石、ゲルマニウム、水晶、テラヘルツ鉱石およびトルマリンからなる群から選択される少なくとも1種類の鉱物である。前記鉱物は前記テープ材料に対して印刷によって付与されている。前記印刷によって付与された前記鉱物は、幾何学的形状、模様および文字からなる群から選択されるパターン形状を有している。
【0010】
ある好適な実施形態では、前記テープ材料の一方の領域には、第1金属から構成された第1パッドが形成されている。前記テープ材料の他方の領域には、第2金属から構成された第2パッドが形成されている。前記第1パッドは金パッドであり、そして記第2パッドは銀パッドである。
【0011】
ある好適な実施形態では、前記テープ材料の一方の領域には、第1金属から構成された第1パッドが形成されている。前記テープ材料の他方の領域には、第2金属から構成された第2パッドが形成されている。前記第1パッドは、亜鉛および銅の合金からなるパッド、または、銅パッドであり、そして、前記第2パッドはアルミニウムパッドである。
【0012】
ある好適な実施形態において、前記頭部パターン部は、前記キャップ本体部の前記裏面に形成されている。
【0013】
ある好適な実施形態において、前記頭部パターン部は、矩形形状を有している。前記頭部パターン部の開口部を規定する縁部は、ゴム部となっている。前記キャップ本体部には、前記頭部の中心線に沿って延びるメッシュ部が形成されている。前記頭部パターン部は、前記メッシュ部の内面側に形成されている。
【0014】
ある好適な実施形態において、前記キャップ本体部は、伸縮性材料から構成されている。前記頭部パターン部の幅は、25mm±10mmである。前記頭部パターン部は、前記頭部の中心線に対して対称形となるように形成されている。
【0015】
本発明に係る他のキャップは、頭に被るキャップであって、頭部を覆うキャップ本体部と、前記キャップ本体部において前記頭部の中心線に沿って延びた頭部パターン部とを備えている。前記頭部パターン部は、前記キャップ本体部(10)の裏面および表面の少なくとも一方に形成されたインク印刷パターンから構成されている。前記インク印刷パターンは、鉱物の粉末を含んでいる。
【0016】
ある好適な実施形態では、前記鉱物は、ラジウム鉱石、ゲルマニウム、水晶、テラヘルツ鉱石およびトルマリンからなる群から選択される少なくとも1種類の鉱物である。前記インク印刷パターンは、幾何学的形状、模様および文字からなる群から選択されるパターン形状を有している。
【0017】
ある好適な実施形態では、前記頭部パターン部の一方の領域には、第1金属から構成された第1パッドが形成されている。前記頭部パターン部の他方の領域には、第2金属から構成された第2パッドが形成されている。前記第1パッドは金パッドであり、そして、前記第2パッドは銀パッドである。
【0018】
ある好適な実施形態では、前記頭部パターン部の一方の領域には、第1金属から構成された第1パッドが形成されている。前記頭部パターン部の他方の領域には、第2金属から構成された第2パッドが形成されている。前記第1パッドは、亜鉛および銅の合金からなるパッド、または、銅パッドであり、そして、前記第2パッドはアルミニウムパッドである。
【0019】
ある好適な実施形態において、前記頭部パターン部は、前記キャップ本体部の前記裏面に形成されている。前記キャップ本体部は、伸縮性材料から構成されている。前記頭部パターン部の幅は、25mm±10mmでいる。前記頭部パターン部は、前記頭部の中心線に対して対称形となるように形成されている。
【0020】
本発明に係る別のキャップは、頭に被るキャップであり、頭部を覆うキャップ本体部と、前記キャップ本体部において前記頭部の中心線に沿って配列された頭部パターン部とを備えている。前記頭部パターン部は、前記キャップ本体部の裏面および表面の少なくとも一方に設けられた鉱物ブロックを有している。前記鉱物ブロックは、前記頭部の中心線に沿って複数個配列されている。
【0021】
ある好適な実施形態において、前記鉱物ブロックは、前記キャップ本体部の前記裏面に形成されている。前記鉱物ブロックは、内部に鉱物が収納された円形部材でいる。前記鉱物ブロックは、前記頭部の中心線に沿って等間隔に配列されている。
【0022】
本発明に係るキャップの製造方法は、頭部を覆うキャップ本体部を用意する工程と、頭部を覆うキャップ本体部において、前記頭部の中心線に沿って、鉱物が含まれている頭部パターン部を形成する工程とを含む。
【0023】
ある好適な実施形態では、前記鉱物が含まれたテープ材料を前記中心線に沿って貼ることを実行する。
【0024】
ある好適な実施形態では、前記頭部パターン部を形成する工程において、前記鉱物が含まれたインクを塗布することによって、インク印刷パターンを形成することを実行する。
【0025】
ある好適な実施形態では、前記頭部パターン部を形成する工程において、内部に前記鉱物が収納された鉱物ブロックを前記中心線に沿って複数個形成することを実行する。
【0026】
ある好適な実施形態では、さらに、前記頭部パターン部の一方の領域に、第1金属から構成された第1パッドを形成し、そして、前記頭部パターン部の他方の領域に、第2金属から構成された第2パッドを形成することを実行する。
【発明の効果】
【0027】
本発明のキャップによれば、キャップ本体部の中心線に沿って延びた頭部パターン部がテープ材料から構成されており、頭部パターンの存在によって脳脊髄液の還流を促進させることができ、その結果、キャップを着けた着用者(ユーザ)の身体機能ないし柔軟性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施形態に係るキャップ100の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図2】キャップ100の構成を模式的に示す正面図である。
【
図3】キャップ100の構成を模式的に示す上面図である。
【
図4】本実施形態の頭部パターン部20(テープ部材21)を模式的に示す図である。
【
図6】頭90の骨格(頭蓋骨)を説明するための図である。
【
図7】(a)及び(b)は、それぞれ、頭蓋骨が開拡(拡張)および閉縮(収縮)する様子を模式的に示す図である。
【
図8】本実施形態の頭部パターン部20(テープ部材21)を模式的に示す図である。
【
図9】第1パッド51と第2パッド52との間の関係(磁気の流れ)を説明するための図である。
【
図10】キャップ100を装着したときの身体機能/柔軟性の試験結果を示す表である。
【
図11】(a)及び(b)は、それぞれ、キャップ100なし及びありのときの前屈の様子を示す図面代用写真である。
【
図12】(a)及び(b)は、それぞれ、キャップ100なし及びありのときの立ち幅跳びの様子を示す図面代用写真である。
【
図13】(a)及び(b)は、それぞれ、キャップ100なし及びありのときの後ろ腕回しの様子を示す図面代用写真である。
【
図14】(a)及び(b)は、それぞれ、キャップ100なし及びありのときの上体そらしの様子を示す図面代用写真である。
【
図15】キャップ100を装着したときの活性度・安定度・快適度・覚醒度の試験結果を示す表である。
【
図16】活性度・安定度・快適度・覚醒度の算出方法を説明する図である。
【
図17】本発明の実施形態に係るキャップ100の改変例の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図18】キャップ100の改変例における鉱物ブロック23の様子を示す図面代用写真である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のために、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を正確に反映していない場合がある。ただし、所定の図面において寸法関係を一致させているものもあり、その場合は、各図の寸法・位置関係から、六面図を導き出すことが可能である。なお、帽子(キャップ)なので、六面図においては厚みは所定厚さのものとして無視して形状・構造を把握できることが多い。
【0030】
また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。加えて、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0031】
図1は、それぞれ、本発明の実施形態に係るキャップ(帽子)100を下側からみた斜視図である。また、
図2は、本実施形態のキャップ100を正面側からみた図(正面図)であり、そして、
図3は、本実施形態のキャップ100を上側からみた図(上面図)である。
【0032】
本実施形態のキャップ(帽子)100は、頭に被るものであり、頭部を覆うキャップ本体部10を備えている。キャップ本体部10には、頭部パターン部20が形成されている。
図2及び
図3に示すように、頭部パターン部20は、頭部の中心線(C)に沿って延びている。頭部パターン部20は、キャップ本体部10の裏面(12)および表面(11)の少なくとも一方に貼られたテープ材料(21)から構成されている。そして、頭部パターン部20におけるテープ材料(21)には、鉱物が含まれている。本実施形態のテープ材料(21)は、布(天然材料の布、又は、合成繊維布)から構成されており、テープ材料(21)の内部に鉱物が包摂されているか、テープ材料(21)に鉱物が分散されている。
【0033】
本実施形態のキャップ本体部10は、頭からずれにくいように水泳帽のようなものであり、略半球形、半卵形のような形状を有している。また、キャップ本体部10は、伸縮性を有する材料から構成されている。また、図示した構成例では、頭部パターン部20は、キャップ本体部10の裏面に形成されている。また、本実施形態の頭部パターン部20は、矩形形状を有している。頭部パターン部20の形状を規定する外縁(左辺・右辺)22は直線状であり、頭部パターン部20は、キャップ本体部10の裏面12の一端から他端まで延びている。頭部パターン部20は、頭部の中心線(C)に対して対称形となるように形成されている。本実施形態の構成例では、頭部パターン部20は、キャップ本体部10の裏面に糸で縫い付けて固定されている。
【0034】
また、本実施形態の構成では、
図1に示すように、頭部パターン部20の開口部15を規定する縁部(開口縁部)13は、ゴム部29となっている。ゴム部29によって、使用者(ユーザ)の頭部にキャップ100をしっかりと固定することができる。ゴム部29は、キャップ本体部10の縁部13の領域の生地を中空構造に加工してその中にゴム繊維(ゴム紐)を通して形成することができる。また、ゴム部29は、キャップ本体部10の縁部13にゴム材料からなる素材(ゴム線状部材、ゴム紐部材)を取り付ける(固定する)ことによって作製することができる。
【0035】
本実施形態の構成例では、キャップ本体部10には、頭部の中心線(C)に沿って延びるメッシュ部25が形成されている。そして、頭部パターン部20は、メッシュ部25の中央に形成されている。具体的には、頭部パターン部20は、メッシュ部25の内面(12)側の中央領域に形成されている。
図1に示した例では、キャップ本体部10のメッシュ部25の内面(12)に、頭部パターン部20が形成されている。この例では、
図2及び
図3に示すように、メッシュ部25の幅W2の方が、頭部パターン部20の幅W1よりも広い。したがって、
図1に示すように、頭部パターン部20の外縁(境界線22)の外側に、余白のメッシュ部25(25a、25b)が位置している。その外側には、キャップ本体部10のうちのメッシュ部25が形成されていない領域28が位置している。キャップ本体部10の中央部分にメッシュ部25があることにより、ユーザの頭部からの熱(汗など)を外気に放出させることが容易となる。なお、キャップ本体部10の全体を(すなわち、領域28の部分も)メッシュ部25にしてもよいし、メッシュ部25を設けずにキャップ本体部10に頭部パターン部20を形成することも可能である。
【0036】
本実施形態の頭部パターン部20は、鉱物(粉末)を含んでいる。一例では、粒度が325メッシュ(約44ミクロン)の鉱物(いわゆるパワーストーンと呼ばれる鉱物(例えば、ラジウム鉱石、ゲルマニウム、水晶、テラヘルツ鉱石、トルマリンなど)、または複数種類の鉱物のブレンド)が頭部パターン部20に付与されている。また、鉱物(粉末)以外の添加物を入れても構わない。鉱物(粉末)としては、ラジウム鉱石、ゲルマニウム、水晶、テラヘルツ鉱石およびトルマリンからなる群から選択される少なくとも1種類の鉱物(または、2種類以上のブレンド鉱石粉末)を用いることができる。
【0037】
本実施形態のキャップ本体部10を構成する素材は、典型的に衣類として使用される生地(特に、キャップに適したもの)であり、キャップとして適切な伸縮性を有している。なお、ここでの伸縮性は、キャップ(衣類)として適切な特性のものを意味しており、ゴム(エラストマ)のような復元力を特段要求するものではない。キャップ本体部10を構成する素材(生地)は、合成繊維素材(例えば、ナイロン、ポリウレタンなど)、天然繊維素材(例えば、コットン素材(綿)、シルク素材(絹)など)、混紡した合成繊維素材(例えば、ナイロンとポリウレタンとの混合素材など)、または、天然繊維素材と合成繊維素材との混合素材(例えば、綿とポリウレタンの混紡のもの等)や、複数種類の混合素材(例えば、天然繊維素材(綿など)/ナイロン/ポリウレタン素材、レーヨン素材/アクリル素材/ポリエステル素材、アクリル素材/ポリエステル素材/レーヨン素材/ポリウレタン素材など)を挙げることができる。
【0038】
また、頭部パターン部20を構成するテープ材料21が布素材(ここでは、綿(例えば、綿40スムース))であるときは、テープ材料21が取れたり・ずれないように、テープ材料21を縫って、キャップ本体部10に貼り付ける(固定する)ことが好ましい。また、キャップ本体部10(被服)の面(ここでは、内表面)に接触(固定・接着)させる布面に、感熱接着剤(または、アイロン接着剤)を塗布しておき、ヒータ(ここでは、アイロン)の加熱によって、当該テープ材料をキャップ本体部10(衣服本体部)に貼り付ける(接着固定)させることができる。また、アイロン接着で固定してから、糸で縫う方が便利である。なお、洗濯しても、テープ材料21が取れたり・ずれないようにするために、テープ材料を縫って、キャップ本体部10に貼り付けてもよい(固定してもよい)。
【0039】
本実施形態の頭部パターン部20(テープ材料21)の幅W1は、例えば、3mm以下(図示した例では、例えば、25mm±5mm、または、10mm~30mm程度)である。また、メッシュ部25の幅W2は、例えば、80mm以下(図示した例では、例えば、65mm±10mm)である。また、キャップ本体部10の高さHは、例えば、20cm以下(図示した例では、例えば、15cm±5cm程度)である。キャップ本体部10の寸法W3(短辺径)は、25cm以下(図示した例では、例えば、20cm±5cm程度)である。キャップ本体部10の寸法L(長辺径)は、例えば、30cm以下(図示した例では、例えば、22cm±5cm程度)である。ゴム部29の幅は、例えば、10mm以下(図示した例では、例えば、5mmから8mm程度)である。ただし、これらの寸法(例えば、頭部パターン部20のW1)はそれらのものに限定されるものでなく、効果を奏するのであれば、その上限値を越えるものあってもよく、そして、下限値もそれを下回るものであってもよい。
【0040】
図4は、本実施形態の頭部パターン部20(テープ材料21)の構成の一例を示している。この例において、頭部パターン部20(テープ材料21)の一端(一方側)31は前頭部側に位置しており、頭部パターン部20(テープ材料21)の他端(他方側)32が、後頭部側に位置している。
図4に示した構成例では、頭部パターン部20に含まれている鉱物は、印刷によって付与された模様のパターン30として存在している。具体的には、鉱物は、例えば、ラジウム鉱石、ゲルマニウム、水晶、テラヘルツ鉱石およびトルマリンからなる群から選択される少なくとも1種類の鉱物(または、2種類以上のブレンド鉱石粉末)の粉末をインクに配合して、その鉱物入りインクを、テープ材料21に対して印刷によって付与する。印刷によって付与された鉱物のパターン30は、幾何学的形状、模様、文字、または、それらが複合したもののパターン形状を有している。
図4に示した例では、鉱石パターン30は、四角形(例えば、菱形)であるが、このようなもの以外のパターンにすることができる。鉱石パターン30は、円形(楕円形、長円形を含む)、六角形、星形のような幾何学形状であってもよいし、または、波形、渦巻き型、唐草模様、市松模様、花柄、動物柄、風景柄、キャラクター柄のような模様であってよい。鉱石パターン30は、アルファベット、数字、記号、日本語、漢字、ハングルのような文字であってもよい。鉱石パターン30は、規則正しく配列されている方が見栄えもよく好ましいが、不規則な配列であっても構わない。なお、本実施形態の頭部パターン部20(テープ材料21)において、テープ材料21の全体に鉱物(粉末)を配合(または、含浸)させるような形態で鉱物を入れてもよい。また、本実施形態の頭部パターン部20(テープ材料21)の内部(空洞)に、鉱物(粉末)を配合(または、含浸)させるような形態で鉱物を入れてもよい。
【0041】
図5は、頭90の筋肉を模式的に示している。頭の筋肉としては、(1)前頭筋、(2)側頭筋、(3)帽状筋膜、(4)後頭筋、(5)咬筋がある。頭90の筋肉の外部には、頭90の骨(頭蓋骨)が位置している。
図6は、頭90の骨格を模式的に示しており、頭90の骨(頭蓋骨)として、前頭骨、側頭骨、前頂骨、後頭骨、頬骨を示している。
図7(a)及び(b)は、それぞれ、頭蓋骨が開拡(拡張)および閉縮(収縮)する様子を模式的に示している。
【0042】
頭蓋骨は、後頭骨、蝶形骨、側頭骨、前頭骨、前頂骨からなり、下頬骨、舌骨以外はすべて不動的に結合されているとされている。ここでは、顔面骨は省いて、脳蓋骨にしぼって説明すると、頭蓋にはいくつもの縫合が存在する。この縫合は不動的に結合されているというのが大まかな説明ではあるものの、局所的縫合においては僅かではあるが拡張または収縮する。本施形態のキャップ100は、この縫合の拡張または収縮に基づいて機能を生じるようになっており、キャップ100の頭部パターン部20の存在によって、脳脊髄液の還流を促進させることができる。脳脊髄液は、脳内以外にも脊髄管を満たしており、その管内に脊髄神経根がのびており、そして、本施形態のキャップ100によって運動機能(身体機能ないし柔軟性)を向上させることができるのは、錐体路系および錐体路外系の神経伝達をスムーズにすることができるからである。
【0043】
ここで、人体は、疑似流体構造としての筋肉によって滑らかな動きをすることができるものであることを前提としてさらに説明を続ける。この滑らかな動きも、人体の骨格の動きがあってのことである。骨格の動きは、上からの動きに対しての補正重心支柱による構造的傾斜圧に基づいている。ここで、
図7(a)及び(b)に示した頭蓋骨の拡張・閉縮(収縮)は、横隔膜(筋肉)の動きに連動しており、つまり、呼吸と同調している。息を吸う・吐くによって横隔膜が動き、そして、当然ながら、筋肉の連動によって骨格の傾斜が変わって頭蓋骨が動く。さらに説明すると、呼吸によって横隔膜が動くと、腸骨が連動して呼吸に応じて前転(腸骨が内側に巻く)または後転(腸骨が外側に開く)が行われる。そして、骨盤の動きに応じて、頭蓋骨が縫合を拡張または収縮して、重心のバランスをとるために微調整を行う。この逆ルートの動きも当然存在する。したがって、頭蓋骨が僅かであるが縫合を動かす。健康な動きでは、骨盤が開くと(特に腸骨)、頭蓋骨が収縮し、骨盤が閉じると(特に腸骨)、頭蓋骨が拡大する。不健康な動きでは、骨盤と頭蓋骨が同調して同じタイミングで拡張/縮小のリズムをとると、運動生理学的にさまざまな不定愁訴が生じる。人体は呼吸によって微細な動きを(特に、ここでは頭蓋骨、腸骨の動き)を常にしている。そして、本実施形態のキャップ100は、その動きを適切なものに調整することができる。
【0044】
本実施形態のキャップ100は、頭部の中心線(C)に沿って延びる頭部パターン部20を備えており、その頭部パターン部20の存在が、脳脊髄液の還流を促進させることができ、また、頭蓋骨そして腸骨を調整して、重心のバランスを適切なものにすることができ、それにより、キャップ100を着けた着用者(ユーザ)の身体機能ないし柔軟性を向上させることができる。なお、身体に直接テープを張るテーピングは、特にアスリートがよく使用しており筋肉を守る働きがあるが、本実施形態の技術は、直接テープを貼る強い刺激に対して、弱い刺激を用いるものであり、いわば、非接触型の間接テーピングと呼べるものである。そして、キャップ本体部10の生地の部分と、頭部パターン部20(テープ材料21)とに肌触り等の特性の違い(感触の違い、柔らかさ、伸縮性、表面の滑らかさ等の素材の特性の違い)が生じ、その特性の違いが、所定部位を活性化させて運動能力をサポートすることができると考えられる。なお、その特性の違いが僅かなものであっても、その頭部パターン部20が所定箇所を強く刺激して運動能力向上の機能を果たすのではなく、(身体は繊細なセンサーの固まりであるところ)刺激のきっかけになればよく、頭部パターン部20の有無による特性の違いが僅かであっても、運動能力向上の効果を発揮することができる。そして、頭部に施した針や灸が身体に影響を与えることができる事実があるように、本実施形態のキャップ100は頭に着けるだけで、着用者の身体機能ないし柔軟性を向上させることができる。また、テープ材料21に鉱物を配合させていることにより、その鉱物からの影響(例えば、マイナスイオン、テラヘルツ波、静電気、遠赤外線、ホルミシスなど)が刺激になっている可能性もあり、それにより、本実施形態のキャップ100による効果を増強させている可能性がある。なお、本実施形態のキャップ100では、キャップ本体部10全体を頭部パターン部20にするのではなく、頭部パターン部20が存在していない領域(例えば、領域28)が存在していることが、非接触型の間接テーピングの観点(または、頭蓋の縫合のベクトル、刺激帯への観点から)から好ましい。さらに説明すると、そのような観点を総合して、本実施形態のキャップ100における頭部パターン部20は、キャップ本体部10の中心線(C)に沿って延びるように形成されている。
【0045】
次に、本実施形態のキャップ100は、
図8に示したような改変を行うことができる。
図8は、本実施形態のキャップ100の改変例における頭部パターン部20(テープ材料21)の構成を模式的に示している。なお、
図8に示した頭部パターン部20(テープ材料21)において、上述した鉱物(鉱石)を配合してもよいが、そのような鉱物(鉱石)を配合させない場合もあり得る。
【0046】
図8に示した頭部パターン部20(テープ材料21)の一方の領域(ここでは、前頭部側の端部31の周囲の領域)には、第1金属(ここでは、金(ゴールド))から構成された第1パッド51が形成されている。そして、頭部パターン部20(テープ材料21)の他方の領域(ここでは、後頭部側の端部32の周囲の領域)には、第2金属(ここでは、銀(シルバー))から構成された第2パッド52が形成されている。頭部パターン部20(テープ材料21)の長手方向でみると、第1パッド(金パッド)51と第2パッド(銀パッド)52とが対になるように配置されている。
【0047】
図示した構成例では、一方の領域(前頭部側の端部31の周囲の領域)には、第1パッド(金パッド)51と第2パッド(銀パッド)52とが交互になるように配列されている。具体的には、第1パッド(金パッド)51、第2パッド(銀パッド)52、第1パッド(金パッド)51の順で配列されている。また、他方の領域(後頭部側の端部32の周囲の領域)には、第2パッド(銀パッド)52と第1パッド(金パッド)51とが交互になるように配列されている。具体的には、第2パッド(銀パッド)52、第1パッド(金パッド)51、第2パッド(銀パッド)52の順で配列されている。
【0048】
図9は、第1パッド(金パッド)51と第2パッド(銀パッド)52との関係を説明するための模式図である。ここで、人体は微弱電流が流れており、人体の周りには磁界が発生している。本実施形態の構成では、矢印59に示すように、第1パッド(金パッド)51から第2パッド(銀パッド)52へと自由電子が誘導され(または、バイオフォトンが生じており)、第1パッド(金パッド)51から第2パッド(銀パッド)52へ磁場(矢印53)が形成されて、人体の磁界を調整することができる。さらに、
図8に示した例でいうと、前頭部側の端部31から前頭部への磁場の流れ(矢印54)は、東洋医学でいうところの任脈へと合流する。そして、後頭部側の端部32から後頭部への磁場の流れ(矢印54)は、東洋医学でいうところの膀胱径へと合流する。第1パッド(金パッド)51は、磁気的な観点でいうと磁石のS極に相当し、そして、第2パッド(銀パッド)52は、磁気的な観点でいうと磁石のN極に相当する。第1パッド(金パッド)51から第2パッド(銀パッド)52の間の領域には、N極とS極との干渉波として、実質的にゼロ磁場の領域(55)が生まれる。この干渉波(領域55)が生じると、三次元の軸ベクトルが形成されて、脳髄液の還流促進が行われるので好ましい。
【0049】
本実施形態の構成例では、第1パッド(金パッド)51と第2パッド(銀パッド)52は、円形のものとしたが、他の形状(例えば、楕円形、長円形、四角形、六角形など)にしてもよい。第1パッド(金パッド)51と第2パッド(銀パッド)52の個数も適宜好適なものを採用することができる。さらに、本実施形態の構成例では、第1パッド51を金パッドとし、第2パッド52を銀パッドとしたが、これに限らず、他の異種金属の組み合わせにすることができる。そのような異種金属の組み合わせは、本実施形態のキャップ100を頭90にかぶったときに、第1パッド51から第2パッド52に磁気の流れ(矢印53等)が生じるものである。そのような異種金属の組み合わせとしては、例えば、亜鉛/銅からなる金属(S極に相当)と、アルミニウム(N極に相当)との組み合わせをあげることができる。または、黄銅(銅と亜鉛の合金)とアルミニウム(100%アルミニウム金属)との組み合わせをあげることができる。他には、ニッケル黄銅(銅と亜鉛とニッケルの合金)とアルミニウムとの組み合わせ、白銅(銅を主体としニッケルを10%から30%含む合金)とアルミニウムとの組み合わせ、銅とアルミニウムとの組み合わせを挙げることができる。
【0050】
<実施例>
次に、本実施形態のキャップ100の装着した場合の実施例の効果について具体的に説明する。
図10は、キャップ100を装着したときの身体機能/柔軟性の試験結果を示している。そして、
図11(a)及び(b)は、それぞれ、キャップ100なし及びありのときの前屈の様子を示している。
図12(a)及び(b)は、それぞれ、キャップ100なし及びありのときの立ち幅跳びの様子を示している。
図13(a)及び(b)は、それぞれ、キャップ100なし及びありのときの後ろ腕回しの様子を示している。
図14(a)及び(b)は、それぞれ、キャップ100なし及びありのときの上体そらしの様子を示している。
【0051】
図10は、本実施形態のキャップ100を被験者に着せる前(比較例「着用前」)と着せた後(実施例「着用後」)の結果を示した表である。被験者は、No.1からNo.11の11名である。
【0052】
図11(a)及び(b)に示すように、「前屈」は、前屈した時の角度(および前後の変化)を示している。「前屈」は、手で測定するよりも客観性を担保するために、株式会社シスナビア製の姿勢分析アプリ(Android版のスマートフォンアプリ)で画像撮影・解析した姿勢分析レポートにおける角度である。前屈の結果は柔軟性を説明するためにわかりやすく、比較例の
図11(a)と比べて、実施例の
図11(b)では、柔軟性が向上している結果が見て取れる。
図10の表に示すように、比較例の平均値(cm)が4.7だったところが、実施例の平均値(cm)が0.4となり、-4.3(cm)もの顕著な結果が示され、はっきりと柔軟性が向上していることが示された。
【0053】
図12(a)及び(b)では、静止して立っている状態からジャンプする立ち幅跳びの様子を示している。立ち幅跳びの結果は、運動特性(運動能力)の向上を説明するためにわかりやすく、比較例の
図12(a)と比べて、実施例の
図12(b)では、運動特性(運動能力)が向上している結果が見て取れる。
図10の表に示すように、比較例の平均値(cm)が143.7だったところが、実施例の平均値(cm)が153.1となり、+8.7(cm)もの顕著な結果が示され、はっきりと運動特性(運動能力)が向上していることが示された。
【0054】
図13(a)及び(b)では、後ろ腕回しの様子を示している。「後ろ腕回し」は、手で測定するよりも客観性を担保するために、姿勢分析アプリで画像撮影・解析した姿勢分析レポートにおける寸法である。後ろ腕回しの結果は柔軟性を説明するためにわかりやすく、比較例の
図13(a)と比べて、実施例の
図13(b)では、柔軟性が向上している結果が見て取れる。
図10の表に示すように、比較例の平均値(cm)が33.3だったところが、実施例の平均値(cm)が18.8となり、-14.5(cm)もの顕著な結果が示され、はっきりと柔軟性が向上していることが示された。
【0055】
図14(a)及び(b)では、上体そらしの様子を示している。「上体そらし」は、手で測定するよりも客観性を担保するために、姿勢分析アプリで画像撮影・解析した姿勢分析レポートにおける寸法である。上体そらしの結果は柔軟性を説明するためにわかりやすく、比較例の
図14(a)と比べて、実施例の
図14(b)では、柔軟性が向上している結果が見て取れる。
図11の表に示すように、比較例の平均値(cm)が36.7だったところが、実施例の平均値(cm)が42.5となり、+5.8(cm)もの顕著な結果が示され、はっきりと柔軟性が向上していることが示された。
【0056】
このように、被験者11人の平均を見ただけでも、柔軟性ないし運動能力の向上がはっきりと確認された。そして、平均の数字でなく個別の被験者を見た場合は、著しく向上した人が散見された。
【0057】
図15は、キャップ100を装着したときの心理状態(気分)を表す活性度・安定度・快適度・覚醒度の試験結果を示す表である。すなわち、
図15における「活性度」「安定度」「快適度」「覚醒度」は、運動能力向上の数字でとらえきれない指数の項目(二次元気分尺度)である。この「二次元気分尺度」は、法政大学体育・スポーツセンター紀要 30,29-34(2012)の「スポーツ用コンプレッションウェアの着用が及ぼす心理効果」の論文(中澤 史(法政大学)他)によるものである。二次元気分尺度のアンケート(項目の計算式)は、
図16に示した通りである。
【0058】
図15における「活性度」「安定度」「快適度」「覚醒度」の結果(二次元気分尺度)を見ても、それぞれ、平均で、活性度:1.6点アップ、安定度:1.3点アップ、快適度:4.0点アップ、覚醒度:1.5点アップとなり、すべての項目で点数が向上した。したがって、二次元気分尺度でも、本実施例のキャップ100の効果が確認された。
【0059】
次に、本実施形態のキャップ100の改変例について説明する。
図1から
図3に示したキャップ100では、頭部パターン部20をテープ材料21によって構築したが、頭部パターン部20は、インク印刷パターンから構成することができ、そのインク印刷パターンは、鉱物の粉末を含んでいる。
【0060】
その改変例での好適な例では、頭部パターン部20を構成するインク印刷パターンは、シルクスクリーン印刷によって形成されている。インク印刷パターンの場合、テープ材料を用いて作製したものと比較して、印刷による作製(特に、シルクスクリーン印刷の作製)の方が、小ロッドでも大量ロッドの生産でも製造に向いており、そして、製造コストも抑えることができる。さらには、テープ材料の場合は洗濯などを繰り返すと剥がれてしまうことがあり、それを防ぐためにテープ材料を糸でシャツに縫い付けることが好ましいが、そのようにすると製造コストが上がってしまう。それと比較すると、本実施形態のキャップ100におけるインク印刷パターンで頭部パターン部20を構成した方が、テープ材料が剥がれることも少なくなり、長持ちさせることが可能となるとともに、糸で縫い付ける作業もいらないので製造コストを抑えることができる。なお、インク印刷パターンで頭部パターン部20を構成する場合は、キャップ本体部10の中央箇所においてメッシュ部25を設けない方が印刷を容易にできるので好ましい。なお、頭部パターン部20(インク印刷パターン)が形成される以外の箇所でメッシュ部25を設けることは特に問題ない。
【0061】
シルクスクリーン印刷においてスパッツのプリントのためのインクとしては、プラスチゾル(インク)、水性ラバー(インク)を挙げることができる。大量印刷(300枚以上の大ロット案件)を行う工場では、プラスチゾルを使うことが多く、中規模(50枚程度の小ロット案件)の工場では水性インクを使うことが多い。なお、本実施形態の帽子(キャップ100)では、シルクスクリーン印刷を用いているが、本実施形態の帽子(キャップ100)の効果が得られるのであれば、他の印刷(例えば、インクジェットダイレクト印刷など)を使用してもよい。また、本実施形態の印刷用シンク(キャップのプリントのためのインク)には、鉱物(粉末)を配合している。一例では、粒度が325メッシュ(約44ミクロン)の鉱物(いわゆるパワーストーンと呼ばれる鉱物(例えば、ラジウム鉱石、ゲルマニウム、水晶、テラヘルツ鉱石、トルマリンなど)、または複数種類の鉱物のブレンド)を、インクの500平方センチメートル当たりで各種類(一例では、1種類、2種類、または、3種類)0.1g~0.5gのうちの適量を配合した濃度で、本実施形態の印刷用インクを調整する。なお、インクの500平方センチメートルは、キャップ1枚のプリント面積に相当する面積である。なお、この濃度は一例であり、使用する条件にあわせて適宜、適切なものに変更・調整することが可能である。また、鉱物(粉末)以外の添加物を入れても構わない。鉱物の粉末としては、ラジウム鉱石、ゲルマニウム、水晶、テラヘルツ鉱石およびトルマリンからなる群から選択される少なくとも1種類の鉱物の粉末(または、2種類以上のブレンド鉱石粉末)を用いることができる。
【0062】
また、キャップ本体部10の生地の部分と、印刷された部分(頭部パターン部20)とに肌触り等の特性の違い(感触の違い、柔らかさ、伸縮性、表面の滑らかさ等の素材の特性の違い)が生じることにより、その特性の違いが、所定箇所を活性化させて柔軟性/運動能力をサポート(補強、増幅)することができる。なお、その特性の違いが僅かなものであっても、そのインク印刷パターン(頭部パターン部20)が所定箇所をサポートして運動能力向上の機能を果たすのではなく、(身体は繊細なセンサーの固まりであるところ)刺激のきっかけになればよく、インク印刷パターンの有無による特性の違いが僅かであっても、柔軟性/運動能力向上の効果を発揮することができる。そして、頭部に施した針や灸が身体に影響を与えることができる事実があるように、本実施形態のキャップ100は頭に着けるだけで、着用者の身体機能ないし柔軟性を向上させることができる。また、インク印刷パターン(頭部パターン部20)に鉱物を配合させていることにより、その鉱物からの影響(例えば、マイナスイオン、テラヘルツ波、静電気、遠赤外線、ホルミシスなど)が所定箇所の刺激になっている可能性もあり、それにより、本実施形態のキャップ100による効果を増強させている可能性がある。
【0063】
次に、
図17を参照しながら、本実施形態のキャップ100の更なる改変例について説明する。
図1から
図3に示したキャップ100では、矩形型の頭部パターン部20を形成したが、
図17に示すように、頭部パターン部20は、キャップ本体部10の裏面12および表面11の少なくとも一方に設けられた鉱物ブロック23によって構築してもよい。鉱物ブロック23は、頭部の中心線(C)に沿って複数個配列させることができる。本実施形態の構成では、頭部パターン部20を構成する鉱物ブロック23は、頭部の中心線(C)に沿って対称形となるように形成されている。
【0064】
図17に示した例では、鉱物ブロック23は、キャップ本体部10の裏面12に形成されている。この例での鉱物ブロック23は、内部に鉱物が収納された円形部材である。なお、鉱物ブロック23は、円形以外の形状(例えば、四角形、六角形など)であってもよいが、円形の方が好ましいことが多い。図示した例では、鉱物ブロック23は、頭部の中心線(C)に沿って等間隔に配列されている。鉱物ブロック23は、鉱物(例えば、鉱物の塊、鉱物の粉体、鉱物の粉体をブロックにしたもの)を内部に固定する部位24を有している。
図18は、鉱物ブロック23の構造を示す拡大図であり、鉱物を内部に固定する部位24は、鉱物ブロック23を覆うようにして周囲にまで延びている。鉱物を内部に固定する部位24は、例えば、鉱物ブロック23を覆うようにして、圧着して(溶着して、又は、接着して)キャップ本体部10の裏面12に固定されている。また、鉱物ブロック23における鉱物は、上述したようなものであり、いわゆるパワーストーンと呼ばれる鉱物(例えば、ラジウム鉱石、ゲルマニウム、水晶、テラヘルツ鉱石、トルマリンなど)、または複数種類の鉱物のブレンドである。
【0065】
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。上述した実施形態または改変例の構成または手法は相互に適用可能である。本実施形態のキャップ本体部10(キャップ100)は、しっかりかぶることを主眼において水泳帽のような構造・形状をしたものを説明したが、つばがあるようなものであってもよい。特に、ゴルフなどを行うときに、つばがあるようなキャップ(帽子)が好ましいときはそのようなデザインのものに改変することができる。あるいは、水泳帽のようなキャップ100をかぶった上に、他の帽子をかぶることを禁止するものではない。陸上で使う帽子だけでなく、水泳帽として使用してもよい。また、本発明の実施形態における柔軟性などの効果がしっかりと得られるようであれば、キャップ本体部10の裏面12でなく表面11に頭部パターン部20を形成してもよく、あるいは、キャップ本体部10の裏面12と表面11との両方に頭部パターン部20を形成してもよい。また、
図1から
図2に示した頭部パターン部20では、矩形形状(または略矩形形状)のものを示したが、頭部パターン部20の形状を規定する外縁(左辺・右辺)22は直線状でないもの(曲線、波打ち形状など)であってもよい。他にも適切な改変を適宜行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明によれば、着用者の身体機能(運動機能)ないし柔軟性を向上させることができる帽子(キャップ)を提供することができる。
【符号の説明】
【0067】
10 キャップ本体部
11 キャップ本体部の表面
12 キャップ本体部の裏面
13 縁部(開口縁部)
15 開口部
20 頭部パターン部
21 テープ材料
22 外縁(左辺・右辺)
23 鉱物ブロック
25 メッシュ部
29 ゴム部
30 鉱物パターン
51 第1パッド
52 第2パッド
100 キャップ(帽子)