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  • 特開-刺繍枠及び刺繍枠取付部材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119704
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】刺繍枠及び刺繍枠取付部材
(51)【国際特許分類】
   D05B 39/00 20060101AFI20240827BHJP
   D05C 1/02 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
D05B39/00
D05C1/02
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023039096
(22)【出願日】2023-02-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-29
(71)【出願人】
【識別番号】523089368
【氏名又は名称】河内 愛結
(72)【発明者】
【氏名】河内 愛結
【テーマコード(参考)】
3B150
【Fターム(参考)】
3B150CB04
3B150CB26
3B150CC01
3B150CC05
3B150CE23
3B150EB09
(57)【要約】
【課題】持運び性に優れ、限られたスペースにおいても、効率よく使用者が被刺繍物に刺繍を施すことができる刺繍枠を提供する。
【解決手段】刺繍枠1は、内枠10、外枠20、収容具50及び支持具40を有する。外枠20は、内枠10の外側に沿うように延設され、留め具30によって繋ぎ留められた継ぎ目21を有し、内枠10との間に挟み込まれた被刺繍物を張った状態で保持する。収容具50は、刺繍道具を収容する。支持具40は、留め具30に連結され、収容具50を内枠10の内側に閉じた位置と内枠10の外側に開いた位置との間で移動可能に支持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内枠と、
前記内枠の外側に沿うように延設され、留め具によって繋ぎ留められた継ぎ目を有し、前記内枠との間に挟み込まれた被刺繍物を張った状態で保持する外枠と、
刺繍道具を収容する収容具と、
前記留め具に連結され、前記収容具を前記内枠の内側に閉じた位置と前記内枠の外側に開いた位置との間で移動可能に支持する支持具と、を有する、
ことを特徴とする刺繍枠。
【請求項2】
前記留め具は、前記継ぎ目における前記外枠の周方向一方側端部から周方向他方側端部にかけて設けられて螺状部を有する軸体と、前記周方向一方側端部と前記周方向他方側端部を繋ぎ留めることができるように、前記螺状部に螺着される螺着部を有し、
前記支持具は、前記軸体の軸周り方向に回転可能に設けられたフックと、該フックから延出したアームとを備え、
前記収容具は、前記アームによって支持される、
ことを特徴とする請求項1に記載の刺繍枠。
【請求項3】
前記収容具は、針及び糸の少なくとも一方を収容可能である、ことを特徴とする請求項2に記載の刺繍枠。
【請求項4】
前記収容具は、
前記アームから延設された第1板と、
前記第1板に対向するように設けられた第2板と、
前記第1板と前記第2板の間に設けられ、前記針を刺着可能な針刺部と、を有する、 ことを特徴とする請求項3に記載の刺繍枠。
【請求項5】
糸巻部を有し、
前記糸巻部は、取付具によって前記第1板及び前記第2板の少なくとも一方に取り付けられ、前記第1板と前記第2板の間から取出し可能である、
ことを特徴とする請求項4に記載の刺繍枠。
【請求項6】
前記第1板及び前記第2板の少なくとも一方は、磁性体を有する、ことを特徴とする請求項4に記載の刺繍枠。
【請求項7】
前記収容具は、前記収容具の周縁部の一部を径方向内側に凹状にした凹部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の刺繍枠。
【請求項8】
内枠と、前記内枠の外側に沿うように延設され、螺状部を有する軸体と該螺状部に螺着される螺着部を有する留め具により継ぎ目が結合された外枠とを有する刺繍枠に取り付けられる刺繍枠取付部材であって、
刺繍道具を収容する収容具と、
前記収容具を一端で支持するアームと、前記アームの他端において、前記軸体に軸周り方向に回転可能に設けられたフックとを備え、前記アーム及び前記フックにより、前記収容具が、前記内枠の内側に閉じた位置と前記内枠の外側に開いた位置との間で移動可能である、
ことを特徴とする刺繍枠取付部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刺繍枠及び刺繍枠取付部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被刺繍物に緩みを生じさせずに安定して綺麗な刺繍を施すことができる刺繍枠がある。例えば、特開2011-144478号公報には、継ぎ目のない枠状に形成された内枠と、継ぎ目のある枠状に形成され、かつ、継ぎ目部分に設けられた挟持手段により内枠を挟み込むように形成された外枠と、を有し、被刺繍物を、内枠の下面側に張った状態で内枠と外枠との間に挟持して保持する刺繍枠が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-144478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の刺繍枠では、複数の糸や、糸を通した針、針を刺着する針刺し等の刺繍道具を手元に置いて作業することになるものの、移動中の車内や旅先等においては、刺繍道具を広げるスペースが限られ、効率よく被刺繍物に刺繍を施すことが難しい。
【0005】
また、刺繍枠は、旅先に持ち運ぶ際、刺繍枠とは別に刺繍道具も持ち運ばなければならず、持運び性が良好ではない。
【0006】
そこで、本発明は、持運び性に優れ、限られたスペースにおいても、効率よく被刺繍物に刺繍を施すことができる刺繍枠及び刺繍枠取付部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の刺繍枠は、内枠、外枠、収容具及び支持具を有する。前記外枠は、前記内枠の外側に沿うように延設され、留め具によって繋ぎ留められた継ぎ目を有し、前記内枠との間に挟み込まれた被刺繍物を張った状態で保持する。前記収容具は、刺繍道具を収容する。前記支持具は、前記留め具に連結され、前記収容具を前記内枠の内側に閉じた位置と前記内枠の外側に開いた位置との間で移動可能に支持する。
【0008】
本発明の一態様の刺繍枠取付部材は、内枠と、前記内枠の外側に沿うように延設され、螺状部を有する軸体と該螺状部に螺着される螺着部を有する留め具により継ぎ目が結合された外枠とを有する刺繍枠に取り付けられる刺繍枠取付部材であって、刺繍道具を収容する収容具と、前記収容具を一端で支持するアームと、前記アームの他端において、前記軸体に軸周り方向に回転可能に設けられたフックとを備え、前記アーム及び前記フックにより、前記収容具が、前記内枠の内側に閉じた位置と前記内枠の外側に開いた位置との間で移動可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、持運び性に優れ、限られたスペースにおいても、効率よく使用者が被刺繍物に刺繍を施すことができる刺繍枠及び刺繍枠取付部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る刺繍枠の構成を示す平面図である。
図2】実施形態に係る刺繍枠の正面中央断面図である。
図3】実施形態に係る刺繍枠における収容具の構成を示す平面図である。
図4】実施形態に係る刺繍枠における図3のIV-IV線断面図である。
図5】実施形態に係る刺繍枠における収容具に設けられた針刺部の構成を説明するための斜視図である。
図6】実施形態に係る刺繍枠における収容具に設けられた針刺部の構成を説明するための部分断面図である。
図7】実施形態に係る刺繍枠における収容具に収容した糸巻部を説明する斜視図である。
図8】実施形態に係る刺繍枠における収容具から取り出した糸巻部を説明する斜視図である。
図9】実施形態に係る刺繍枠において、内枠及び外枠に対して真直ぐに開いた位置に配置された収容具を示す平面図である。
図10】実施形態に係る刺繍枠において、内枠及び外枠に対して斜めに開いた位置に配置された収容具を示す平面図である。
図11】実施形態に係る刺繍枠を立置きした状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(刺繍枠1の構成)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、説明する。
【0012】
図1は、実施形態に係る刺繍枠1の構成を示す平面図である。図2は、刺繍枠1の構成を示す正面中央断面図である。図3図6は、収容具50の構成を示す図であり、図3が平面図であり、図4図3のIV-IV線断面図であり、図5が収容具50の針刺部55の斜視図であり、図6が収容具50の針刺部55の部分断面図である。
【0013】
図1に示すように、刺繍枠1は、内枠10、外枠20、留め具30、支持具40及び収容具50を有する。
【0014】
内枠10は、リング形状を有する。
【0015】
外枠20は、内枠10の外側に沿うように延設され、継ぎ目21を有する。継ぎ目21には、外枠20の周方向一方側端部22と、外枠20の周方向他方側端部23の間に間隙24が設けられる。周方向一方側端部22は、外周側に突出した突出部22aを有する。周方向他方側端部23は、外周側に突出した突出部23aを有する。突出部23aには、挿通孔23bが設けられる。
【0016】
留め具30は、外枠20の継ぎ目21を繋ぎ留め、外枠20の大きさ(径)を調整可能である。より具体的に、留め具30は、継ぎ目21における外枠20の周方向一方側端部22から周方向他方側端部23にかけて設けられて螺状部31を有する軸体32と、周方向一方側端部22と周方向他方側端部23を繋ぎ留めることができるように、螺状部31に螺着される螺着部33を有する。軸体32は、先端部が突出部22aに固定され、基端部が突出部23aの挿通孔23bに遊挿される。螺着部33は、突出部23aを押圧可能に、軸体32の基端部から螺状部31に螺着される。
【0017】
図1及び図2に示すように、支持具40は、周方向一方側端部22と周方向他方側端部23の間において軸体32の軸周り方向に回転可能に設けられた湾曲板状のフック41と、フック41から延出し、収容具50を内枠10の内側に閉じた際に内枠10と干渉しないように曲げられた一対の細長状のアーム42とを有する。支持具40は、留め具30に連結され、収容具50を内枠10の内側に閉じた位置と内枠10の外側に開いた位置との間で移動可能に支持する。収容具50が内枠10の内側に閉じた位置は、収容具50の厚み方向の中央部が内枠10の内側に収まる位置である。
【0018】
収容具50は、支持具40を介して留め具30に連結され、内枠10の内側に向けて配置可能であり、刺繍道具である針P及び糸Yを収容可能である。
【0019】
図3及び図4に示すように、収容具50は、アーム42の延出方向に沿った先端側と基端側の各々に、周縁部の一部を径方向内側に凹状にした指掛け用の凹部51、52を有する。収容具50は、アーム42から延設された第1板53と、第1板53に対向するように設けられた第2板54を有する。第2板54は、磁石で刺繍図案等の紙を保持させることができるように、金属等の磁性体によって構成される。
【0020】
図5及び図6に示すように、第1板53と第2板54の間には、クッション材からなる針刺部55が、刺着した針Pの突出端が外部に接触しないように、第1板53と第2板54の各々の外縁よりも内方に凹設される。
【0021】
図7は、収容具50に収容した糸巻部56を説明する斜視図である。図8は、収容具50から取り出した糸巻部56を説明する斜視図である。
【0022】
図3図7及び図8に示すように、収容具50の凹部51、52の間に位置する周縁部両側には、糸Yを巻くための糸巻部56が各2つ取り付けられる。糸巻部56は、取付具57aによって第1板53に取り付けられ、取付具57bによって第2板54に取り付けられる(図8)。取付具57a、57bの各々は、収容具50から糸巻部56の各々を引き出すことができるように、伸縮可能なゴム紐等の紐状部材を有する。
【0023】
収容具50は、軸体32の軸周り方向に回転可能に設けられたフック41から延出した一対のアーム42の各々によって支持され、螺着部33によるフック41の締め付けによって内枠10及び外枠20に対して所定の回転位置で固定可能である。より具体的に、螺着部33を締め方向に回転すると、突出部23aを介し、外枠20が内枠10を締め付けて内枠10との間に挟み込まれた布等の被刺繍物が張った状態で保持されるとともに、突出部23aを介し、突出部22aとの間に挟まれたフック41も締め付け、突出部22a及び突出部23aの各々との間に生じた摩擦力によってフック41が固定され、収容具50は、内枠10及び外枠20に対して所定の回転位置に固定される。
【0024】
フック41の軸方向の長さは、被刺繍物を張った状態で保持可能であり、かつ収容具50を所定の回転位置で固定可能となるように、経験的又は実験的に調整される。
【0025】
図9は、内枠10及び外枠20に対して真直ぐに開いた位置に配置された収容具50を示す平面図である。図10及び図11は、内枠10及び外枠20に対して斜めに開いた位置に配置された収容具50を示す図であり、図10が平面図であり、図11が立置きした状態を説明する説明図である。
【0026】
所定の回転位置は、図9に示すように、例えば、内枠10及び外枠20に対して収容具50が真直ぐに配置されるように、180度開いた位置であってもよいし、図10及び図11に示すように、例えば、内枠10及び外枠20に対して収容具50が斜めに配置されるように、前方又は後方に60度開いた位置であってもよいし、使用者が所望した回転位置であってもよい。
【0027】
支持具40と収容具50は、刺繍枠取付部材である。刺繍枠取付部材は、刺繍枠1に取り付けられる。刺繍枠1は、内枠10と、内枠10の外側に沿うように延設され、螺状部31を有する軸体32と、螺状部31に螺着される螺着部33を有する留め具30により、継ぎ目21が結合された外枠20を有する。刺繍枠取付部材は、刺繍道具を収容する収容具50と、収容具50を一端で支持するアーム42と、アーム42の多端において、軸体32に軸周り方向に回転可能に設けられたフック41とを備え、アーム42及びフック41により収容具50が内枠10の内側に閉じた位置と内枠10の外側に開いた位置との間で移動可能である。
【0028】
(刺繍枠1の使用方法)
次に、刺繍枠1の使用方法について、説明する。
【0029】
被刺繍物を刺繍枠1に保持させる際、使用者は、内枠10の上に被刺繍物を配置し、その上から内枠10との間に被刺繍物が挟まれるように外枠20を取り付け、螺着部33を締め方向に回転させて内枠10に対して外枠20を締め付け、内枠10と外枠20に挟み込まれた被刺繍物を張った状態で保持させる。
【0030】
収容具50に針P及び糸Yを収容する際、使用者は、手指で、螺着部33を緩め方向に回転させて突出部23aを緩め、回転自由になった収容具50を軸体32の軸周り方向に回転させ、内枠10及び外枠20に対して収容具50を開いた位置に配置する。使用者は、針Pを針刺部55に刺着し、糸巻部56を収容具50から引き出して糸Yを糸巻部56に巻き付ける。
【0031】
刺繍枠1を持ち運ぶ際、使用者は、収容具50を軸体32の軸周り方向に回転させて内枠10の内側を向いた閉じた位置に配置し、螺着部33を締め方向に回転させて突出部23aを締め付けることによってフック41及び収容具50を固定する。使用者は、鞄等に刺繍枠1を入れて持ち運ぶことができる。
【0032】
被刺繍物に刺繍を施す際、図9に示すように、使用者は、鞄等から刺繍枠1を取り出し、手指で、螺着部33を緩め方向に回転させて突出部23aを緩め、内枠10及び外枠20に対して真直ぐになるように収容具50を開いた位置に配置し、螺着部33を締め方向に回転させ、突出部23aを介してフック41を締め付けることによって収容具50を固定する。使用者は、針刺部55から針Pを取り出し、糸巻部56から糸Yを取り出し、被刺繍物に刺繍を施すことができる。使用者は、刺繍図案を第2板54上に磁石等で保持させてもよい。刺繍が終了した後、使用者は、針刺部55に針Pを刺着し、糸巻部56に使い余りの糸Yを巻き付け、手指で、螺着部33を緩め方向に回転させ、収容具50を閉じた位置に配置し、螺着部33を締め方向に回転させて収容具50を固定し、持運びに備えることができる。
【0033】
被刺繍物を飾る際、図10及び図11に示すように、使用者は、螺着部33を緩め方向に回転させ、収容具50を斜めに開いた位置に配置し、螺着部33を締め方向に回転させて収容具50を固定し、収容具50を支持台として載置面に載置することで、被刺繍物を保持した刺繍枠1を立置きする。
【0034】
(刺繍枠1の効果)
刺繍枠1によれば、以下の効果を奏する。
【0035】
針P及び糸Yを収容した収容具50が内枠10及び外枠20と一体化されて使用者の手指の届く範囲にあるから、移動中の車内や旅先等において、使用者は、複数の糸Yや、糸Yを通した針P、針Pを刺着する針刺し等の刺繍道具を広げなくても、針Pや糸Yの取出しや収容が容易であり、一方の手で刺繍枠1を持ちながら他方の手で針Pや糸Yを持ち、効率よく被刺繍物に刺繍を施すことが可能である。また、使用者は、刺繍終了後、即座に、使い余りの糸Yを糸巻部56に巻き付けることができ、使える糸Yの廃棄を防ぐことが可能である。
【0036】
収容具50は、螺着部33によるフック41の締付けによって内枠10及び外枠20に対して所定の回転位置で固定可能である。これにより、被刺繍物に刺繍を施す際、被刺繍物を保持した内枠10及び外枠20と隣り合うように収容具50を開いた位置に配置させることができ、使用者による針Pや糸Yの取出しや収容を容易にする。また、刺繍枠1を持ち運ぶ際、収容具50は、内枠10の内側に向けた閉じた位置に配置させることができ、持運びをしやすくする。また、被刺繍物を飾る際、収容具50は、内枠10及び外枠20に対して斜めに開いた位置に配置させることができ、刺繍枠1を立置きするための支持台にすることが可能である。
【0037】
糸巻部56は、取付具57a、57bによって第1板53及び第2板54の少なくとも一方に取り付けられ、第1板53と第2板54の間から取出し可能である。これにより、使用者は、限られたスペースにおいても糸Yの取出しや収容が容易である。
【0038】
第2板54は、磁性体を有する。これにより、使用者は、被刺繍物に刺繍を施す際、磁石によって収容具50に刺繍図案等を保持させることが可能である。
【0039】
収容具50は、周縁部の一部を径方向内側に凹状にした凹部51、52を有する。これにより、使用者は、凹部51、52に手指をかけ、軸体32の軸周りに収容具50を回転させることが可能である。また、使用者は、凹部51、52から針刺部55に針Pを刺着することが可能である。また、収容具50を内枠10の内側に向けて固定すると、内枠10及び外枠20によって針刺部55からの針Pの突出端がガードされ、針Pの外部との接触や、針Pの飛出し、針刺部55からの針Pの脱落を防止し、安全に、針Pを収容した刺繍枠1を持運び可能である。
【0040】
実施形態によれば、刺繍枠1は、持運び性に優れ、限られたスペースにおいても、効率よく使用者が被刺繍物に刺繍を施すことができる。
【0041】
なお、実施形態では、フック41が、湾曲板状である例を説明したが、フック41は、一対の細長状のアーム42の基端部を円弧状に湾曲させて軸体32の軸周り方向に回転可能に引っ掛け、互いのアーム42の基端部の間に図示しないスペーサーを設けて構成してもよい。
【0042】
なお、実施形態では、アーム42が、収容具50を内枠10の内側に閉じた際に内枠10と干渉しないように曲げられた例を説明したが、これに限定されない。収容具50を内枠10の内側に閉じた際にアーム42と干渉しないように、内枠10の一部が凹状とされてもよい。
【0043】
なお、実施形態では、収容具50が、針P及び糸Yを収容する例を説明したが、これに限定されず、収容具50は、収容具50は、針P及び糸Yの少なくとも一方を収容可能にされてもよい。
【0044】
なお、実施形態では、収容具50は、第2板54が金属等の磁性体で構成される例を説明したがこれに限定されない。収容具50は、第1板53及び第2板54の少なくとも一方が磁性体を有するように構成してもよい。また、磁性体は、磁石であってもよい。
【0045】
なお、実施形態では、糸巻部56が、取付具57aによって第1板53に取り付けられ、取付具57bによって第2板54に取り付けられる例を説明したが、これに限定されない。糸巻部56は、取付具57a、57bによって第1板53及び第2板54の少なくとも一方に取り付けられてもよい。
【0046】
実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 ・・・刺繍枠
10・・・内枠
20・・・外枠
21・・・継ぎ目
22・・・周方向一方側端部
22a・・突出部
23・・・周方向他方側端部
23a・・突出部
23b・・挿通孔
24・・・間隙
30・・・留め具
31・・・螺状部
32・・・軸体
33・・・螺着部
40・・・支持具
41・・・フック
42・・・アーム
50・・・収容具
51・・・凹部
52・・・凹部
53・・・第1板
54・・・第2板
55・・・針刺部
56・・・糸巻部
57a・・取付具
57b・・取付具
N ・・・針
P ・・・糸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11