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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119711
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】省エネ3相ブラシレスDCモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 21/14 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
H02K21/14 M
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085486
(22)【出願日】2023-05-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-21
(31)【優先権主張番号】112106421
(32)【優先日】2023-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523195038
【氏名又は名称】東莞市懋勝電子實業有限公司
【氏名又は名称原語表記】DONG GUAN CITY MAO SHENG ELECTRONIC INDUSTRIES LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 303, Jiao Yuan Road., Heng Jiao Industrial Zone, ShiJie Town, DongGuan, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】王焜生
(72)【発明者】
【氏名】楊禹
【テーマコード(参考)】
5H621
【Fターム(参考)】
5H621BB07
5H621BB10
5H621GA17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】省エネ3相ブラシレスDCモータを提供する。
【解決手段】ハブハウジングと、当該ハブハウジング内に収納される電気機械本体と、当該電気機械本体の中に収納されるモーターと、夫々、空きスロットにおいて、双方向に、当該スロット内に巻き取られたステータコイルと、当該ハブの上蓋と当該電気機械の上蓋との間に位置する遊星歯車セットと、から構成される。パルス幅変調(Pulse-width modulation, PWM)により、制御器で、ステータコイルの3相巻き線に向かう電流方向を切り替えて、回転子を回転させる。本装置は、更に、三つの空きスロットの設計によって、元の磁場から一部(即ち、1/13で、事実上、36個の固定子主磁極が、12ピースの回転子磁石に対応すること)を切り離すことにより、回転の力が比較的に軽くなり、比較的に駆動効率で回転子を回転させ、そのため、小電流で起動でき、省エネの機能が実現される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブの左右側に、夫々、螺合されたハブの上蓋とハブの下蓋によって構成された中空ハウジングであり、当該ハブの上蓋と当該ハブの下蓋の中央位置に、夫々、ブシングが貫設される、ハブハウジングと、
当該ハブハウジングの中に収納され、電気機械の左右側に、夫々、電気機械の上蓋と電気機械の下蓋によって構成された中空ハウジングであって、当該電気機械の上蓋の中央位置に、ブシングが貫設され、また、当該ブシングの周りに、複数の遊星ブシングが貫設される、電気機械本体と、
当該電気機械本体の中に収納されて、固定子と回転子とから構成され、当該固定子は、当該電気機械の中央チューブ内に嵌入して設置されて、中心穿孔の周縁に沿って形成される複数のスロットと、複数の、二つの当該スロットによって限定される主磁極と、が含まれる固定子鉄心を有し、当該らのスロットには、三つの、巻き線を有しないスロットが、夫々、120度の角を形成する位置に配置され、また、当該らのスロットには、第一深さを有する第一始動領域と、第二深さを有する第二始動領域及び、第三深さを有する第三始動領域が含まれ、当該らの第一始動領域から当該スロットの開口端までの距離が、当該第二始動領域から当該スロットの開口端までの距離より大きく、当該第三始動領域から当該スロットの開口端までの距離が、当該第二始動領域から当該スロットの開口端までの距離より小さいのであり、複数の珪素鋼板を重ね合って構成された回転子鉄心を有する当該回転子は、回転可能に当該固定子内に貫設され、その中央軸が当該珪素鋼板の中央位置に形成された軸穴に貫設されることにより、一体的に連結され、また、当該中央軸の末端に、同軸同動に、モーターギヤが実装されて、当該回転子鉄心の周縁の周りに、間隔に、複数のラジアル着磁の磁石が設置される、モーターと、
当該空きスロットを跨って、当該スロット内に双方向に巻き取られ、当該ステータコイルには、第一相主線巻き線と第二相主線巻き線及び第3相主線巻き線が含まれ、当該第一相主線巻き線と当該第二相主線巻き線及び当該第3相主線巻き線の一端が、共有点に並列接続されて、もう一端が、制御器の制御点に接続され、当該制御器によって、3相線が切り替えられ、当該第一相主線巻き線が、二つの当該スロット或いは、二つの当該スロットと一つの当該空きスロットを跨って、当該第一始動領域に巻き取られ、当該第二相主線巻き線が、二つの当該スロット或いは、二つの当該スロットと一つの当該空きスロットを跨って、当該第二始動領域に巻き取られ、当該第3相主線巻き線が、二つの当該スロット或いは、二つの当該スロットと一つの当該空きスロットを跨って、当該第三始動領域に巻き取られ、当該第一相主線巻き線と当該第二相主線巻き線及び当該第3相主線巻き線は、ある順方向に終点まで巻き取った後、折り返して、逆方向に巻き取り、当該第一相主線巻き線と当該第二相主線巻き線及び当該第3相主線巻き線の当該ステータコイルは、交互に当該固定子鉄心の正面と裏面に設置される、ステータコイルと、
当該ハブの上蓋と当該電気機械の上蓋との間に位置し、アッパーブラケットとリング歯車及び複数の遊星歯車からなり、当該アッパーブラケットに、ブシングが貫設され、当該リング歯車は、内輪に、内リングギヤが形成され、その外輪に、当該ハブの上蓋内に嵌入して設置されるクラッチギヤが形成され、当該遊星歯車が、軸受けと軸を介して、回転可能に当該アッパーブラケットに設置され、当該モーターの当該電気機械の上蓋に面して、当該モーターギヤの周りに囲んで、夫々、当該モーターギヤと当該リング歯車の当該内リングギヤに噛み合う、遊星歯車セットと、が含まれる、
ことを特徴とする、省エネ3相ブラシレスDCモータ。
【請求項2】
当該固定子鉄心には、総計39個のスロットと総計39個の主磁極を有して、3相電流が流動するための当該ステータコイルが形成される、ことを特徴とする、請求項1に記載される省エネ3相ブラシレスDCモータ。
【請求項3】
当該ハブの上蓋のインナーリングに、更に、夫々、120°角を形成する位置に配置され、対応する当該リング歯車の当該クラッチギヤに合わせて、一方向伝動を行う、複数のつめが設けられる、ことを特徴とする、請求項1に記載される省エネ3相ブラシレスDCモータ。
【請求項4】
当該アッパーブラケットには、当該ハブの上蓋に面する一側に、当該ハブの上蓋の当該ブシング内に貫設されて、当該ハブハウジングの外部に通す、上軸部が設けられ、当該電気機械の下蓋には、当該ハブの下蓋に面する一側に、当該ハブの下蓋の当該ブシング内に貫設されて、当該ハブハウジングの外部に通す、下軸部が設けられ、当該中央軸の左右側が、夫々、当該上軸部と当該下軸部に貫設される、ことを特徴とする、請求項1に記載される省エネ3相ブラシレスDCモータ。
【請求項5】
当該上軸部と当該下軸部の端部には、夫々、電動工具接続用ねじ山部が形成される、ことを特徴とする、請求項4に記載される省エネ3相ブラシレスDCモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネ3相ブラシレスDCモータに関し、特に、三つの空きスロットを設計することで、元の磁場の一部を切り離すことにより、3相駆動電流を小さくして、回転子を回転させる、比較的に良い駆動能力を生成し、特に、小電流で起動でき、有効に省エネ機能を実現できるものに関する。
【背景技術】
【0002】
一般の電気機械であるブラシレスDCモータは、普通、固定子と回転子から構成される。当該固定子は、一般として、3組の巻き線を有するコイルが含まれ、当該回転子は、一般として、永久磁石が含まれる。当該回転子と当該固定子とは、当該回転子が、当該固定子に対して、自由的に移動する。そのため、当該固定子と当該回転子との間にある電磁気の相互作用によって、当該らの固定子巻き線の極性が変化されて、当該回転子を移動させる。
【0003】
一般の3相ブラシレスDCモータの巻き取り方式は、電流や磁場に対する影響が異なる、主磁極巻き取りとスロット巻き取りに分けられる。主磁極巻き取りの場合は、電流に基づいて、比較的に大きい位相差が発生するが、スロット巻き取りの場合は、比較的に小さい電流位相差が発生する。また、上記の両者の磁場も異なる。そして、スロット巻き取りには、鋸歯状の珪素鋼板が存在するため、イングクタンスが低下されて、イングクタンス全体が更に低くなり、主磁極巻き取りのイングクタンスは、スロット巻き取りのそれと比較すると、やや大きくなる。その故、一般の従来ものは、実用的とは言えない。
【0004】
本発明者は、上記欠点を解消するため、慎重に研究し、また、学理を活用して、有効に上記欠点を解消でき、設計が合理である本発明を提案する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、従来の上記問題を解消できる、省エネ3相ブラシレスDCモータを提供し、本発明に係る省エネ3相ブラシレスDCモータは、ステータコイルの3相巻き線を利用して、パルス幅変調(Pulse-width modulation, PWM)デューティ比を調整することにより、通す電流を変化しながら、制御器で、ステータコイルの3相巻き線に向かう電流方向を切り替えて、磁場を変化させ、これにより、固定子の極性と回転子の磁石の極性との間において、磁場の同じ磁極では反発する作用と、異なる磁極では吸着し合う作用により、動力を生成して回転子を回転させ、また、三つの空きスロットの設計によって、元の磁場から一部(即ち、1/13で、事実上、36個の固定子主磁極が、12ピースの回転子磁石に対応すること)を切り離すことにより、回転の力が比較的に軽くなり、比較的に駆動効率で回転子を回転させ、そのため、小電流で起動でき、省エネの機能が実現される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するための省エネ3相ブラシレスDCモータであり、ハブの左右側に、夫々、螺合されたハブの上蓋とハブの下蓋によって構成された中空ハウジングであり、当該ハブの上蓋と当該ハブの下蓋の中央位置に、夫々、ブシングが貫設される、ハブハウジングと、当該ハブハウジングの中に収納され、電気機械の左右側に、夫々、電気機械の上蓋と電気機械の下蓋によって構成された中空ハウジングであって、当該電気機械の上蓋の中央位置に、ブシングが貫設され、また、当該ブシングの周りに、複数の遊星ブシングが貫設される、電気機械本体と、当該電気機械本体の中に収納されて、固定子と回転子とから構成され、当該固定子が、当該電気機械の中央チューブ内に嵌入して設置されて、中心穿孔の周縁に沿って形成される複数のスロットと、複数の、二つの当該スロットによって限定される主磁極と、が含まれる固定子鉄心を有し、当該らのスロットに、三つの、巻き線を有しないスロットが、夫々、120度の角を形成する位置に配置され、また、当該らのスロットに、第一深さを有する第一始動領域と、第二深さを有する第二始動領域及び、第三深さを有する第三始動領域が含まれ、当該らの第一始動領域から当該スロットの開口端までの距離が、当該第二始動領域から当該スロットの開口端までの距離より大きく、当該第三始動領域から当該スロットの開口端までの距離が、当該第二始動領域から当該スロットの開口端までの距離より小さいのであり、複数の珪素鋼板を重ね合って構成された回転子鉄心を有する当該回転子が、回転可能に当該固定子内に貫設され、その中央軸が当該珪素鋼板の中央位置に形成された軸穴に貫設されることにより、一体的に連結され、また、当該中央軸の末端に、同軸同動に、モーターギヤが実装されて、当該回転子鉄心の周縁の周りに、間隔に、複数のラジアル着磁の磁石が設置される、モーターと、当該空きスロットを跨って、当該スロット内に双方向に巻き取られ、当該ステータコイルに、第一相主線巻き線と第二相主線巻き線及び第3相主線巻き線が含まれ、当該第一相主線巻き線と当該第二相主線巻き線及び当該第3相主線巻き線の一端が、共有点に並列接続されて、もう一端が、制御器の制御点に接続され、当該制御器によって、3相線が切り替えられ、当該第一相主線巻き線が、二つの当該スロット或いは、二つの当該スロットと一つの当該空きスロットを跨って、当該第一始動領域に巻き取られ、当該第二相主線巻き線が、二つの当該スロット或いは、二つの当該スロットと一つの当該空きスロットを跨って、当該第二始動領域に巻き取られ、当該第3相主線巻き線が、二つの当該スロット或いは、二つの当該スロットと一つの当該空きスロットを跨って、当該第三始動領域に巻き取られ、当該第一相主線巻き線と当該第二相主線巻き線及び当該第3相主線巻き線が、ある順方向に終点まで巻き取った後、折り返して、逆方向に巻き取り、当該第一相主線巻き線と当該第二相主線巻き線及び当該第3相主線巻き線の当該ステータコイルが、交互に当該固定子鉄心の正面と裏面に設置される、ステータコイルと、当該ハブの上蓋と当該電気機械の上蓋との間に位置し、アッパーブラケットとリング歯車及び複数の遊星歯車からなり、当該アッパーブラケットに、ブシングが貫設され、当該リング歯車の内輪に、内リングギヤが形成され、その外輪に、当該ハブの上蓋内に嵌入して設置されるクラッチギヤが形成され、当該遊星歯車が、軸受けと軸を介して、回転可能に当該アッパーブラケットに設置され、当該モーターの当該電気機械の上蓋に面して、当該モーターギヤの周りに囲んで、夫々、当該モーターギヤと当該リング歯車の当該内リングギヤに噛み合う、遊星歯車セットと、が含まれる、ことを特徴とする、省エネ3相ブラシレスDCモータである。
【0007】
本発明に係る上記実施例によれば、当該固定子鉄心には、総計39個のスロットと総計39個の主磁極を有して、3相電流が流動するための当該ステータコイルが形成される。
【0008】
本発明に係る上記実施例によれば、当該ハブの上蓋のインナーリングに、更に、夫々、120°角を形成する位置に配置され、対応する当該リング歯車の当該クラッチギヤに合わせて、一方向伝動を行う、複数のつめが設けられる。
【0009】
本発明に係る上記実施例によれば、当該アッパーブラケットには、当該ハブの上蓋に面する一側に、当該ハブの上蓋の当該ブシング内に貫設されて、当該ハブハウジングの外部に通す、上軸部が設けられ、当該電気機械の下蓋には、当該ハブの下蓋に面する一側に、当該ハブの下蓋の当該ブシング内に貫設されて、当該ハブハウジングの外部に通す、下軸部が設けられ、当該中央軸の左右側が、夫々、当該上軸部と当該下軸部に貫設される。
【0010】
本発明に係る上記実施例によれば、当該上軸部と当該下軸部の端部には、夫々、電動工具接続用ねじ山部が形成される。
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の特徴や技術内容について、詳しく説明するが、それらの図面等は、参考や説明のためであり、本発明は、それによって制限されることが無い。
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の特徴や技術内容について、詳しく説明するが、それらの図面等は、参考や説明のためであり、本発明は、それによって制限されることが無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1図8は、夫々、本発明に係る省エネ3相ブラシレスDCモータの分解概念図や本発明に係る省エネ3相ブラシレスDCモータの組合せ概念図、本発明に係る省エネ3相ブラシレスDCモータの固定子の断面概念図、本発明に係るステータコイルの単相巻き線概念図、本発明に係るステータコイルの3相巻き線正面概念図、本発明に係るステータコイルの3相巻き線の裏面概念図、本発明に係る省エネ3相ブラシレスDCモータのモーターの断面概念図及び本発明に係る省エネ3相ブラシレスDCモータの遊星歯車セットの断面概念図である。図のように、本発明に係る省エネ3相ブラシレスDCモータは、ハブハウジング1と電気機械本体2、モーター3、ステータコイル4及び遊星歯車セット5から構成される。
【0014】
上記のハブハウジング1は、夫々、ハブ11の左右側に螺合されるハブの上蓋12とハブの下蓋13から構成される中空ハウジングである。当該ハブの上蓋12と当該ハブの下蓋13は、中央位置に、夫々、ブシング121、131が貫設される。
【0015】
当該電気機械本体2は、当該ハブハウジング1内に収納され、夫々、電気機械の中央チューブ21の左右側に組み立てられる電気機械の上蓋22と電気機械の下蓋23から構成される中空ハウジングである。当該電気機械の上蓋22は、中央位置に、ブシング221が貫設され、また、当該ブシング221の周りに、更に、複数の遊星ブシング222が貫設される。
【0016】
当該モーター3は、当該電気機械本体2内に収納され、固定子31と回転子32からなる。当該固定子31が当該電気機械の中央チューブ21内に嵌入するように設置され、固定子鉄心311を有し、当該固定子鉄心311は、中心穿孔の周縁に沿って複数のスロット312と、複数の二つの当該スロット312によって限定された主磁極313とが形成され、当該らのスロット312には、夫々、120°角を形成する位置に配置される三つの巻き線を有しないスロット312aが含まれ、また、当該らのスロット312には、それそれ、第一始動領域3121と第二始動領域3122及び第三始動領域3123が含まれる。当該第一始動領域3121が、第一深さを有し、当該第二始動領域3122が、第二深さを有して、当該第三始動領域3123が、第三深さを有し、当該第一始動領域3121から当該スロット312の開口端314までの距離は、当該第二始動領域3122から当該スロット312の開口端314までの距離より大きく、当該第三始動領域3123から当該スロット312の開口端314までの距離は、当該第二始動領域3122から当該スロット312の開口端314までの距離より小さい。当該回転子32は、回転可能に、当該固定子31内に貫設され、複数の珪素鋼板321aを重ね合って構成される、回転子鉄心321を有し、当該珪素鋼板321aの中央位置に、中央軸322を貫設して当該回転子鉄心321と一体に結合するための軸穴3211が形成され、当該中央軸322の末端に、同軸同動に、モーターギヤ323が実装され、また、当該回転子鉄心321の周縁には、間隔的に、複数のラジアル着磁の磁石324が設けられる。
【0017】
当該ステータコイル4は、当該空きスロット312aを跨って、双方向に、当該スロット312内に巻き取られる。当該ステータコイル4には、第一相主線巻き線41と第二相主線巻き線42及び第3相主線巻き線43が含まれ、当該第一相主線巻き線41と当該第二相主線巻き線42及び当該第3相主線巻き線43の一端が、共有点に並列接続され、もう一端が、制御器6の制御点に接続されて、当該制御器6によって3相線の切り替えを行う。当該第一相主線巻き線41は、二つの当該スロット312或いは、二つの当該スロット312と一つの当該空きスロット312aを跨って、当該第一始動領域3121に巻き取られ、当該第二相主線巻き線42は、二つの当該スロット312或いは、二つの当該スロット312と一つの当該空きスロット312aを跨って、当該第二始動領域3122に巻き取られ、当該第3相主線巻き線43は、二つの当該スロット312或いは、二つの当該スロット312と一つの当該空きスロット312aを跨って、当該第三始動領域3123に巻き取られる。当該第一相主線巻き線41と当該第二相主線巻き線42及び当該第3相主線巻き線43は、順方向の巻き線方向に、終点まで、巻き取られてから、折り返して、その逆方向の巻き線方向に、連続的に巻き取られ、当該第一相主線巻き線41と当該第二相主線巻き線42及び当該第3相主線巻き線43の当該ステータコイル4は、交互に、当該固定子鉄心311の正面と裏面に設置される。
【0018】
当該遊星歯車セット5は、当該ハブの上蓋12と当該電気機械の上蓋22との間に位置し、アッパーブラケット51とリング歯車52及び複数の遊星歯車53からなる。当該アッパーブラケット51には、ブシング511が貫設され、当該リング歯車52の内輪に、内リングギヤ521が設けられ、その外輪に、当該ハブの上蓋12内に嵌入して設置されるクラッチギヤ522が設けられ、当該遊星歯車53は、軸受け531と軸532によって、回転可能に、当該モーター3の当該電気機械の上蓋22に面し、当該モーターギヤ323の周りを囲んで、それぞれ、当該モーターギヤ323と当該リング歯車52の当該内リングギヤ521に噛み合うように、当該アッパーブラケット51に設置される。上記のように、新規の省エネ3相ブラシレスDCモータ100が提供される。
【0019】
本発明のより良い具体的な実施例によれば、当該固定子鉄心311には、総計39個のスロットと総計39個の主磁極を有して、3相電流が流動するためのの当該ステータコイル4が形成され、図3のようである。
【0020】
本発明のより良い具体的な実施例によれば、当該ハブの上蓋12のインナーリングに、更に、夫々、120°角を形成する位置に配置され、対応する当該リング歯車52の当該クラッチギヤ522に合わせて、一方向伝動を行う、複数のつめ122が設けられ、図8のようである。
【0021】
本発明のより良い具体的な実施例によれば、当該アッパーブラケット51には、当該ハブの上蓋12に面する一側に、当該ハブの上蓋12の当該ブシング121内に貫設されて、当該ハブハウジング1の外部に通す、上軸部54が設けられ、当該電気機械の下蓋23には、当該ハブの下蓋13に面する一側に、当該ハブの下蓋13の当該ブシング131内に貫設されて、当該ハブハウジング1の外部に通す、下軸部55が設けられ、当該中央軸322の左右側が、夫々、当該上軸部54と当該下軸部55に貫設される。
【0022】
本発明のより良い具体的な実施例によれば、当該上軸部54と当該下軸部55の端部には、夫々、ねじ山部541、551が形成され、図2のように、電動工具(図に表示ぜず)が接続される。
【0023】
本発明によれば、固定子の巻き線が改良され、回転子32と固定子31からなるモーター3を有し、当該回転子32の周縁に、間隔的に、12ピースのラジアル着磁の磁石324が設けられることにより、当該固定子31の主磁極313に接近する当該らの磁石324の磁極が、続かれる。その磁性分布が、図7のようであり、当該らの磁石324の断面から分かるように、同一の磁石324の半分が、S磁極で、その他の半分が、N磁極であり、12ピースの磁石324は、S、N、S、N…の磁極が形成され、同一の外輪において、間隔的に、S、N、S、N…の磁極が配置され、そして、制御器によって、ステータコイル4の電流方向を切り替え、このように、固定子31の磁極が、能動的な磁極になる。
【0024】
また、電気機械の中央チューブ21は、当該モーター3の外部に嵌設され、当該電気機械の中央チューブ21の左右側に、夫々、電気機械の上蓋22と電気機械の下蓋23が結合されて電気機械本体2が形成され、また、当該電気機械の上蓋22とハブの上蓋12との間に、更に、内外輪にある、内リングギヤ521とクラッチギヤ525のリング歯車52及びアッパーブラケット51に合わせって、複数の遊星歯車53が実装され、それから、当該ハブの上蓋1とハブの下蓋13が、実装されることにより、省エネ3相ブラシレスDCモータ100が形成される。
【0025】
ステータコイル4の巻き線方式によれば、上記固定子31には、総計39個のスロット312と総計39個の主磁極313を有する、3相巻き取りのステータコイル4が形成され、当該39個のスロット312は、巻き線を有しない空きスロット312aで、夫々、120°角を形成するように、位置付けられる三つのスロットが、ある。すべてのスロットが、巻き線である従来の技術と比較すると、環状磁場が形成されて、磁場の負吸引力が生成され、給電によって回転する時、駆動により大きい電流を供給しなければならなく、省エネの効果が悪い。本発明に係る省エネ3相ブラシレスDCモータ100によれば、三つのスロットに、空きスロット312aを利用することにより、環状磁場を断ち切って、負吸引力を低減でき、図4のように、図面を簡単するため、単相巻き線(例えば、第一相主線巻き線41)を例とし、図4(a)は、第一相主線巻き線41が、左から右への巻き線方向で、一番目のスロット312に入って、二つのスロット312の間隔を跨って、三番目のスロット312から出、三番目のスロットが空きスロット312aの位置であれば、四番目のスロット312から出、出てから第一始動領域3121に巻き取られ、上記のように、左から右へ巻き線方向で、終点まで、巻き取られてから、折り返して、図4(b)のように、更に、右から左への巻き線方向で、上記の巻き線方式と同じように、連続的に巻き取り、これにより、第一相主線巻き線41は、交互に、固定子鉄心311の正面と裏面に設置され、3相主線巻き線41~43は、共に、巻き取り終了後の正裏面が、図5、6のようである。
【0026】
実用上、本発明は、ステータコイル4の3相巻き線で、パルス幅変調(Pulse-width modulation, PWM)デューティ比を調整して、インピーダンスとイングクタンスを小さくさせて、有効に、銅損を低下し、通る電流を変化し、また、制御器6で、ステータコイル4の3相巻き線の電流方向を切り替えて、磁場を変化させ、これにより、固定子31の極性と回転子32の磁石324の極性との間に、磁場において、同時に、同じ磁極では反発する作用と異なる磁極では吸着し合う作用が発生することにより、パワーを生成して回転子の回転を制御し、本装置は、更に、三つの空きスロット312aを設計して、元の磁場から一部(即ち、1/13で、事実上、36個の固定子主磁極が、12ピースの回転子磁石に対応すること)を切り離すことにより、回転の力が比較的に軽くなり、比較的に駆動効率で回転子を回転させ、そのため、小電流で起動でき、省エネの機能が実現される。
【0027】
上記のように、本発明に係る省エネ3相ブラシレスDCモータは、有効的に従来の諸欠点を解消でき、また、ステータコイルの3相巻き線で、インピーダンスとイングクタンスを小さくさせて、有効的に銅損を低下でき、そして、制御器で、ステータコイルの3相巻き線への電流方向を切り替えて、磁場を変化させ、固定子の極性と回転子の磁石の極性との間に、磁場において、同時に、同じ磁極では反発する作用と異なる磁極では吸着し合う作用が発生することにより、パワーを生成して回転子の回転を制御し、それから、三つの空きスロットの設計で、元の磁場から一部を切り離すことにより、回転の力が比較的に軽くなり、比較的に駆動効率で回転子を回転させ、それから、小電流で起動でき、省エネの機能が実現され、そのため、本発明は、より進歩的かつより実用的で、法に従って特許請求を出願する。
【0028】
以上は、ただ、本発明のより良い実施例であり、本発明は、それによって制限されることが無く、本発明に係わる特許請求の範囲や明細書の内容に基づいて行った等価の変更や修正は、全てが、本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明に係る省エネ3相ブラシレスDCモータの分解概念図である。
図2】本発明に係る省エネ3相ブラシレスDCモータの組合せ概念図である。
図3】本発明に係る省エネ3相ブラシレスDCモータの固定子の断面概念図である。
図4】本発明に係るステータコイルの単相巻き線の概念図である。
図5】本発明に係るステータコイルの3相巻き線の正面概念図である。
図6】本発明に係るステータコイルの3相巻き線の裏面概念図である。
図7】本発明に係る省エネ3相ブラシレスDCモータのモーターの断面概念図である。
図8】本発明に係る省エネ3相ブラシレスDCモータの遊星歯車セットの断面概念図である。
【符号の説明】
【0030】
1 ハブハウジング
11 ハブ
12 ハブの上蓋
100 省エネ3相ブラシレスDCモータ
121 ブシング
122 つめ
13 ハブの下蓋
131 ブシング
2 電気機械本体
21 電気機械の中央チューブ
22 電気機械の上蓋
221 ブシング
222 遊星ブシング
23 電気機械の下蓋
3 モーター
31 固定子
311 固定子鉄心
312 スロット
3121 第一始動領域
3122 第二始動領域
3123 第三始動領域
312a 空きスロット
313 主磁極
314 開口端
32 回転子
321 回転子鉄心
3211 軸穴
321a 珪素鋼板
322 中央軸
323 モーターギヤ
324 磁石
4 ステータコイル
41 第一相主線巻き線
42 第二相主線巻き線
43 第3相主線巻き線
5 遊星歯車セット
51 アッパーブラケット
511 ブシング
52 リング歯車
521 内リングギヤ
522 クラッチギヤ
53 遊星歯車
531 軸受け
532 軸
54 上軸部
541 ねじ山部
55 下軸部
551 ねじ山部
6 制御器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8