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特開2024-119726商品提案システム及びそのためのプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119726
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】商品提案システム及びそのためのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240827BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20240827BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16H20/00
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023145628
(22)【出願日】2023-09-07
(62)【分割の表示】P 2023026308の分割
【原出願日】2023-02-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000126676
【氏名又は名称】株式会社アデランス
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】龍▲崎▼ 珠美
(72)【発明者】
【氏名】太田 あつ子
(72)【発明者】
【氏名】北村 弘明
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
5L099
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】 顧客からカットされた毛髪の分析結果に基づき当該顧客に商品を提案するための商品提案システムにおいて、ユーザによる商品の消費速度の特定を容易にする手段を提供する。
【解決手段】 ユーザは、自分の毛髪の分析結果に基づき健康改善のための商品の提案をしてくれる商品提案システム用のアプリを実行中の端末装置に所定の操作を行い、端末装置に商品撮影画面を表示させる。ユーザは、商品撮影画面において、端末装置が備えるカメラにより自分が使用中の商品を撮影する。端末装置は、撮影した商品の画像に含まれる二次元バーコードから特定した使用開始前の商品の内容量と、撮影した商品の画像から特定した商品の上面の位置とに基づき、商品の残量を特定する。端末装置は、特定した残量を示す残量データをサーバ装置に送信する。サーバ装置は、異なる時期に端末装置から受信した残量データに基づき、ユーザによる商品の消費速度を特定する。
【選択図】図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の時期においてユーザからカットされた毛髪である第1毛髪を分析した結果を示す第1分析結果データを取得し、前記第1分析結果データを記憶し、
前記第1分析結果データに基づき、前記第1の時期における前記ユーザに適した健康改善消費商品を第1健康改善消費商品として特定し、
前記第1健康改善消費商品に関する情報を前記ユーザに通知するための処理を実行し、
前記ユーザが前記第1健康改善消費商品を使用した後の第2の時期において前記ユーザからカットされた毛髪である第2毛髪を分析した結果を示す第2分析結果データを取得し、
前記第1分析結果データと前記第2分析結果データとに基づき、前記第2の時期における前記ユーザに適した健康改善消費商品を第2健康改善消費商品として特定し、
前記第2健康改善消費商品に関する情報を前記ユーザに通知するための処理を実行する
システム。
【請求項2】
前記ユーザを識別するユーザ識別データと、前記第1毛髪を収容する収容体を識別する第1収容体識別データとを取得し、前記ユーザ識別データと前記第1収容体識別データとを対応付けて記憶し、
前記第1収容体識別データと前記第1分析結果データとを取得し、前記第1収容体識別データと対応付けて記憶されている前記ユーザ識別データと、前記第1分析結果データとを対応付けて記憶し、
前記ユーザ識別データと、前記第2毛髪を収容する収容体を識別する第2収容体識別データとを取得し、前記ユーザ識別データと前記第2収容体識別データとを対応付けて記憶し、
前記第2収容体識別データと前記第2分析結果データとを取得し、前記第2収容体識別データと対応付けて記憶されている前記ユーザ識別データと、前記第2分析結果データとを対応付けて記憶し、
前記第2健康改善消費商品の特定において、前記ユーザ識別データに対応付けて記憶している前記第1分析結果データと前記第2分析結果データを読み出して用いる
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ユーザによる前記第1健康改善消費商品の消費態様を示す消費態様データを取得し、
前記第1分析結果データと前記第2分析結果データに加えて、前記消費態様データに基づき、前記第2健康改善消費商品を特定する
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1健康改善消費商品に関する情報は、前記第1健康改善消費商品の使用方法を示す情報を含み、
前記第2健康改善消費商品に関する情報は、前記第2健康改善消費商品の使用方法を示す情報を含む
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1分析結果データに基づき、前記ユーザの健康に影響を与える行動様式に関するアドバイスを示す第1アドバイスデータを生成し、前記第1アドバイスデータを前記ユーザに通知するための処理を実行し、
前記第1分析結果データと前記第2分析結果データとに基づき、前記ユーザの健康に影響を与える行動様式に関するアドバイスを示す第2アドバイスデータを生成し、前記第2アドバイスデータを前記ユーザに通知するための処理を実行する
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1分析結果データと前記第2分析結果データとに基づき、前記ユーザの健康状態の推移を示す健康状態推移データを生成し、前記健康状態推移データを前記ユーザに通知するための処理を実行する
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1分析結果データと前記第2分析結果データとに基づき、前記ユーザの健康状態の推移を特定し、前記ユーザの健康状態の推移と前記第1健康改善消費商品の消費期間とを対応付けて示す健康状態推移データを生成し、前記健康状態推移データを前記ユーザに通知するための処理を実行する
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1健康改善消費商品の配送を管理する装置に、前記ユーザに対する前記第1健康改善消費商品の配送を指示する配送指示データを送信し、
前記第2健康改善消費商品の配送を管理する装置に、前記ユーザに対する前記第2健康改善消費商品の配送を指示する配送指示データを送信する
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1健康改善消費商品の配送を管理する装置に、前記ユーザに対する前記第1健康改善消費商品の試供品の配送を指示する配送指示データを送信し、前記ユーザによる前記第1健康改善消費商品の注文を示す第1注文データを取得した場合、前記第1健康改善消費商品の配送を管理する装置に、前記ユーザに対する前記第1健康改善消費商品の配送を指示する配送指示データを送信する
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ユーザによる前記第1健康改善消費商品の消費態様を示す消費態様データを取得し、
前記消費態様データに基づき、前記ユーザに応じた前記第1健康改善消費商品の1回の購入量を特定し、
前記第1健康改善消費商品に関する情報は、前記購入量を示す情報を含む
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記ユーザによる前記第1健康改善消費商品の消費態様を示す消費態様データを取得し、
前記消費態様データに基づき、前記ユーザが入手済みの前記第1健康改善消費商品の残量が所定の値となる時期を特定し、当該時期において前記ユーザに前記第1健康改善消費商品の注文を促すための処理を実行する
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ユーザによる前記第1健康改善消費商品の消費態様を示す消費態様データを取得し、
前記消費態様データに基づき、前記ユーザが入手済みの前記第1健康改善消費商品の残量が所定の値となる時期を特定し、当該時期より前に前記ユーザに前記第2毛髪の分析のための行動を促すための処理を実行する
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
異なる2以上の時期の各々において、前記ユーザにより一部が消費された前記第1健康改善消費商品を撮影した画像を表す画像データを取得し、前記画像データが表す画像から前記第1健康改善消費商品の消費量を特定し、前記2以上の時期の各々に関し特定した前記第1健康改善消費商品の消費量に基づき前記消費態様データを生成することにより取得
する
請求項3、10、11及び12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
或る健康改善消費商品の成分を示すデータと当該健康改善消費商品を或る期間に消費したユーザの当該期間の始期に当該ユーザからカットされた毛髪を分析した結果を示すデータとを説明変数に含み、当該期間の始期に当該ユーザからカットされた毛髪を分析した結果と当該期間の終期に当該ユーザからカットされた毛髪を分析した結果とに基づき算出された当該ユーザと当該健康改善消費商品の適合度を示す指標値を目的変数に含むデータを教師データとして用いて学習された機械学習モデルを用いて、前記第1健康改善消費商品を特定する
請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1健康改善消費商品の成分を示すデータと前記第1分析結果データとを説明変数に含み、前記第1分析結果データが示す分析の結果と前記第2分析結果データが示す分析の結果とに基づき算出された前記指標値を目的変数に含むデータを教師データとして用いて前記機械学習モデルを更新する
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
或る健康改善消費商品の成分を示すデータと当該或る健康改善消費商品を第1の期間に消費したユーザの当該第1の期間の始期に当該ユーザからカットされた毛髪を分析した結果を示すデータと当該第1の期間の終期に当該ユーザからカットされた毛髪を分析した結果を示すデータと当該第1の期間に続く第2の期間に当該ユーザが消費した或る健康改善消費商品の成分を示すデータとを説明変数に含み、当該第2の期間の始期に当該ユーザからカットされた毛髪を分析した結果と当該第2の期間の終期に当該ユーザからカットされた毛髪を分析した結果とに基づき算出された当該ユーザと当該健康改善消費商品の適合度を示す指標値を目的変数に含むデータを教師データして用いて学習された機械学習モデルを用いて、前記第2健康改善消費商品を特定する
請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記ユーザが前記第2健康改善消費商品を使用した後の第3の時期において前記ユーザからカットされた毛髪である第3毛髪を分析した結果を示す第3分析結果データを取得し、
前記第1健康改善消費商品の成分を示すデータと前記第1分析結果データと前記第2分析結果データと前記第2健康改善消費商品の成分を示すデータとを説明変数に含み、前記第2分析結果データが示す分析の結果と前記第3分析結果データが示す分析の結果とに基づき算出された前記指標値を目的変数に含むデータを教師データとして用いて前記機械学習モデルを更新する
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
顧客から毛髪をカットするユーザが使用するコンピュータに、
前記顧客が使用する端末装置から前記顧客を識別する顧客識別データを取得する処理と、
前記顧客からカットされた毛髪を収容する収容体に付された当該収容体を識別するデータである収容体識別データを当該収容体又は当該収容体に伴う媒体から取得する処理と、
前記顧客識別データと前記収容体識別データとをサーバ装置に送信する処理と
を実行させるためのプログラム。
【請求項19】
毛髪の分析に伴う作業を行うユーザが使用するコンピュータに、
毛髪を収容する収容体に付された当該収容体を識別するデータである収容体識別データを当該収容体又は当該収容体に伴う媒体から取得する処理と、
前記収容体に収容されていた毛髪を分析した結果を示す分析結果データを取得する処理と、
前記収容体識別データと前記分析結果データとをサーバ装置に送信する処理と
を実行させるためのプログラム。
【請求項20】
コンピュータに、
ユーザを識別する処理と、
前記ユーザからカットされた毛髪を収容する収容体に付された当該収容体を識別するデータである収容体識別データを当該収容体又は当該収容体に伴う媒体から取得する処理と、
前記ユーザを識別するユーザ識別データと前記収容体識別データとをサーバ装置に送信する処理と
を実行させるためのプログラム。
【請求項21】
撮影装置を備えるコンピュータに、
ユーザを識別する処理と、
前記ユーザにより一部が消費された健康改善消費商品を前記撮影装置により撮影し、当該健康改善消費商品の画像を表す画像データを生成する処理と、
前記ユーザを識別するユーザ識別データと前記画像データとをサーバ装置に送信する処理と
を実行させるためのプログラム。
【請求項22】
撮影装置を備えるコンピュータに、
ユーザを識別する処理と、
前記ユーザにより一部が消費された健康改善消費商品を前記撮影装置により撮影し、当該健康改善消費商品の画像を表す画像データを生成する処理と、
前記画像データが表す画像から前記健康改善消費商品の残量を特定する処理と、
前記ユーザを識別するユーザ識別データと前記健康改善消費商品の残量を示す残量データとをサーバ装置に送信する処理と
を実行させるためのプログラム。
【請求項23】
前記コンピュータに、
前記画像データが表す画像から前記健康改善消費商品を識別する処理を実行させ、
前記送信する処理において、前記ユーザ識別データと前記残量データとに加えて、前記健康改善消費商品を識別する商品識別データを前記サーバ装置に送信させる
ための請求項22に記載のプログラム。
【請求項24】
前記コンピュータに、
前記ユーザを識別する処理において、前記画像データが表す画像から前記健康改善消費商品のユーザを識別させる
ための請求項22に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの健康改善を支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの毛髪を分析して、ユーザの健康状態を特定し、特定した健康状態に関する情報、又は、特定した健康状態に応じた健康改善消費商品に関する情報をユーザに提供するサービスがある。
【0003】
なお、本願において「健康改善消費商品」とは、ユーザの健康を改善する有効成分を含み、ユーザが摂取等することにより消費される商品を意味する。健康改善消費商品の例として、サプリメント、健康食品、薬等のようにユーザが経口摂取により消費される商品や、スキンケア商品、ヘアケア商品、ボディケア商品等のようにユーザが身体表面に塗布等により接触させることで消費される商品が挙げられる。
【0004】
例えば、特許文献1には、美容室においてカットされたユーザの毛髪を分析装置によって分析しユーザの現在のミネラル量を特定し、ユーザの身長等のパーソナルデータに基づきユーザに必要なミネラル量を特定し、必要なミネラル量から現在のミネラル量を減算したミネラル量、すなわち、ミネラル量の不足分を特定し、特定したミネラル量の不足分をユーザに通知するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-92968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、ユーザは、ユーザの現在の健康状態に応じた健康改善消費商品を消費することで健康改善を行うことができる。ただし、健康改善消費商品の効果は、ユーザの属性(年齢、性別、住んでいる地域の気候等)、ユーザの行動様式(食事の傾向、睡眠時間、屋外滞在時間等)、ユーザによる健康改善消費商品の消費態様(1回の消費量、消費頻度、同時に摂取する食品、塗布等の状態を維持する時間等)等によって異なる。
【0007】
従って、同じ健康状態の複数のユーザが同じ健康改善消費商品を使用した場合、その効果はユーザ毎に異なり得る。
【0008】
例えば、特許文献1に提案されているシステムによれば、ユーザに不足しているミネラル量がユーザに通知され、ユーザは通知された不足量のミネラルを摂取することで、健康状態を改善できる。ただし、ユーザの体質、同時に摂取する食品等によって、服用したミネラルのうち実際にユーザの身体に取り込まれるミネラルの量は異なり得る。従って、特許文献1に提案されているシステムによる場合、ユーザによっては、通知された不足量のミネラルを摂取しても、そのユーザにとってまだそのミネラルが不足している、ということがあり得る。
【0009】
上記の事情に鑑み、本発明は、ユーザの毛髪を用いてそのユーザの健康改善を支援する手段であって、従来技術と比較し、より高い健康改善の効果をもたらす手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明は、第1の時期においてユーザからカットされた毛髪である第1毛髪を分析した結果を示す第1分析結果データを取得し、前記第1分析結果データを記憶し、前記第1分析結果データに基づき、前記第1の時期における前記ユーザに適した健康改善消費商品を第1健康改善消費商品として特定し、前記第1健康改善消費商品に関する情報を前記ユーザに通知するための処理を実行し、前記ユーザが前記第1健康改善消費商品を使用した後の第2の時期において前記ユーザからカットされた毛髪である第2毛髪を分析した結果を示す第2分析結果データを取得し、前記第1分析結果データと前記第2分析結果データとに基づき、前記第2の時期における前記ユーザに適した健康改善消費商品を第2健康改善消費商品として特定し、前記第2健康改善消費商品に関する情報を前記ユーザに通知するための処理を実行するシステムを提案する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るシステムによれば、ユーザの毛髪を用いて、従来技術と比較し、より効果的にそのユーザの健康改善を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る商品提案システムの全体構成を示した図。
図2】一実施形態に係る商品提案サーバ装置が記憶する商品情報テーブルのデータ構成を例示した図。
図3】一実施形態に係る商品提案サーバ装置が記憶するアドバイス情報テーブルのデータ構成を例示した図。
図4】一実施形態に係る商品提案サーバ装置が記憶するユーザ基本情報テーブルのデータ構成を例示した図。
図5】一実施形態に係る商品提案サーバ装置が記憶する分析結果テーブルのデータ構成を例示した図。
図6】一実施形態に係る商品提案サーバ装置が記憶する商品使用履歴テーブルのデータ構成を例示した図。
図7】一実施形態に係る商品提案サーバ装置が記憶するフィードバック情報テーブルのデータ構成を例示した図。
図8】一実施形態に係る商品提案サーバ装置が記憶するイベント情報テーブルのデータ構成を例示した図。
図9】一実施形態に係る店舗職員が使用する端末装置が表示する収容体登録画面を例示した図。
図10】一実施形態に係るエンドユーザが使用する端末装置が表示するQRコード表示画面を例示した図。
図11】一実施形態に係る店舗職員が使用する端末装置が表示する宛先表示画面を例示した図。
図12】一実施形態に係る分析所職員が使用する端末装置が表示する収容体読取画面を例示した図。
図13】一実施形態に係る分析所職員が使用する端末装置が表示する分析結果登録画面を例示した図。
図14】一実施形態に係るエンドユーザが使用する端末装置が表示する商品提案画面を例示した図。
図15】一実施形態に係るエンドユーザが使用する端末装置が表示する商品説明画面を例示した図。
図16】一実施形態に係るエンドユーザが使用する端末装置が表示する使用頻度入力画面を例示した図。
図17】一実施形態に係る商品提案システムにおいてエンドユーザに提供される商品のボトルの外観を示した図。
図18】一実施形態に係るエンドユーザが使用する端末装置が表示する商品撮影画面を例示した図。
図19】一実施形態に係るエンドユーザが使用する端末装置が表示する商品注文画面を例示した図。
図20】一実施形態に係るエンドユーザが使用する端末装置が表示する商品注文詳細画面を例示した図。
図21】一実施形態に係るエンドユーザが使用する端末装置が表示するアンケート画面を例示した図。
図22】一実施形態に係るエンドユーザが使用する端末装置が表示する毛髪状態推移確認画面を例示した図。
図23】一実施形態に係るエンドユーザが使用する端末装置が表示するイベント情報入力画面を例示した図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態]
以下に本発明の一実施形態に係る商品提案システム1を説明する。商品提案システム1は、ユーザに対し、そのユーザに適したヘアケア商品(健康改善消費商品の一例)を提案するシステムである。以下、ヘアケア商品を単に「商品」という。
【0014】
図1は、商品提案システム1の全体構成を示した図である。商品提案システム1は、まず、中心的な役割を果たす装置として、商品提案サーバ装置11を備える。商品提案サーバ装置11は、ユーザに対し商品の提案の他、その商品の使用方法の案内、ユーザに対する行動様式に関するアドバイス等を行うサーバ装置である。
【0015】
商品提案サーバ装置11のハードウェアは、一般的なサーバ装置用のコンピュータである。すなわち、商品提案サーバ装置11のハードウェアとして採用されるコンピュータは、各種データを記憶するメモリと、メモリに記憶されているプログラムに従う各種データ処理を行うプロセッサと、外部の装置とインターネット等の通信ネットワークを介してデータ通信を行う通信インタフェースとを備える。
【0016】
そして、上述した一般的なサーバ装置用のコンピュータが、本実施形態に係る商品提案サーバ装置11用のプログラムに従うデータ処理を行うことにより、以下に説明する各種処理を行う商品提案サーバ装置11として機能する。
【0017】
商品提案システム1は、商品提案サーバ装置11に加えて、端末装置12、端末装置13、端末装置14、分析装置15、決済サーバ装置16、配送管理サーバ装置17を備える。
【0018】
端末装置12は、商品提案システム1のエンドユーザであるユーザA(毛髪をカットされるユーザ、又は、顧客の一例)が使用する端末装置である。端末装置13は、美容院等の店舗の職員である店舗職員P(顧客から毛髪をカットするユーザの一例)が使用する端末装置である。端末装置14は、ユーザAの毛髪の分析を行う分析所の職員である分析所職員M(毛髪の分析に伴う作業を行うユーザの一例)が使用する端末装置である。
【0019】
なお、図1においては、便宜的に、エンドユーザとしてユーザA、店舗の職員として店舗職員P、分析所の職員として分析所職員Mを各1名のみを示している。実際には、エンドユーザ、店舗の職員、分析所の職員の各々の数は複数である。従って、端末装置12、端末装置14の各々の数も、それらのユーザの数に応じて複数である。
【0020】
端末装置12、端末装置13、端末装置14の各々のハードウェアは、撮影装置(カメラ)を有する一般的な端末装置用のコンピュータである。すなわち、端末装置12、端末
装置13、端末装置14の各々のハードウェアとして採用されるコンピュータは、各種データを記憶するメモリと、メモリに記憶されているプログラムに従う各種データ処理を行うプロセッサと、外部の装置とインターネット等の通信ネットワークを介してデータ通信を行う通信インタフェースと、ユーザとの間で情報のやりとりを行うためのユーザインタフェースを構成するディスプレイ、キーボード等と、カメラを備える。
【0021】
なお、端末装置12、端末装置13、端末装置14の各々のハードウェアとして採用されるコンピュータが備える通信インタフェース、ディスプレイ、キーボード、カメラ等は、プロセッサ及びメモリを備えるコンピュータの本体に内蔵されてもよいし、その本体に有線又は無線で接続される外付けの装置であってもよい。
【0022】
端末装置12のハードウェアとして採用されるコンピュータの種類は、ユーザAが携帯できる小型のコンピュータであることが望ましい。以下の説明において、端末装置12のハードウェアは、スマートフォン(移動体通信網を介したデータ通信機能や電話機能を備えた小型のタブレット型PC)であるものとする。
【0023】
端末装置13のハードウェアとして採用されるコンピュータの種類は、店舗職員Pが店舗内において容易に持ち運べる小型のコンピュータであることが望ましい。以下の説明において、端末装置13のハードウェアは、タブレット型PCであるものとする。
【0024】
端末装置14のハードウェアとして採用されるコンピュータの種類は、分析所職員Mが分析所において使用できれば、どのような種類であってもよい。以下の説明において、端末装置13のハードウェアは、ノートブック型PCであるものとする。
【0025】
分析装置15は、毛髪に関する機械的分析、光学的分析、化学的分析等の各種分析を行う装置である。なお、分析装置15は各々が異なる種類の分析を行う装置群であってもよい。分析装置15による分析の結果、毛髪の状態、すなわち、毛髪に含まれる水分やミネラル等の物質の含有量、アミノ酸組成、毛髪の破断強度や表面摩擦等の力学特性、毛髪表面のダメージの程度、毛髪内部のダメージの程度等が特定される。分析装置15は、分析所職員Mの操作によって毛髪の分析を行い、分析の結果を示す分析結果データを端末装置14に送信する。
【0026】
決済サーバ装置16は、ユーザAが商品を購入する場合の商品代金等の、商品提案システム1の利用に伴う料金の決済のための処理を行うサーバ装置である。商品提案システム1においてユーザAが利用可能な決済方法は、クレジットカードによる決済、QRコード決済(「QRコード」は登録商標)、銀行口座からの引き落とし等のいずれであってもよいが、以下の説明において、決済サーバ装置16は、クレジットカードを用いた決済のための処理を行うものとする。
【0027】
決済サーバ装置16は、商品提案サーバ装置11から、ユーザAのクレジットカードによる料金の支払いに関する決済を要求する決済要求データを受信すると、受信した決済要求データが示す要求に応じた決済処理を行う。
【0028】
配送管理サーバ装置17は、商品の在庫を倉庫に保管し、注文に応じて商品を注文主の住所宛に配送する物流センターのサーバ装置である。配送管理サーバ装置17は、商品提案サーバ装置11から、ユーザAの住所及び氏名に宛ててユーザAにより注文された商品の配送を指示する配送指示データを受信すると、受信した配送指示データが示す指示に応じた商品の配送のための処理(例えば、宛先ラベルの印刷、物流センターの職員に対する配送すべき商品の通知等)を行う。
【0029】
商品提案システム1においては、ユーザAからカットされた分析用の毛髪(以下、「毛髪H」という)を収容する収容体Cが用いられる。収容体Cは、例えば、チャック付きポリ袋、キャップ付きプラスチック製試験管等の包装又は容器である。以下の説明において、収容体Cはチャック付きポリ袋であるものとする。
【0030】
なお、図1においては、便宜的に収容体Cは1つのみ示されている。ただし、実際には、多数のユーザAの各々から分析用の毛髪Hがカットされる毎に、新たな収容体Cが用いられる。
【0031】
収容体Cには、その収容体Cを他の収容体Cから識別する収容体識別データが付されている。
【0032】
収容体Cに収容体識別データが付される態様は、収容体Cに対する印刷、収容体識別データが印刷された紙片(収容体に伴う媒体の一例)の収容体Cに対する貼付、収容体識別データが印刷された紙片(収容体に伴う媒体の一例)の収容体C内への封入、収容体識別データが磁気的に記録された磁気シート(収容体に伴う媒体の一例)の収容体Cに対する貼付、収容体識別データが電子的に記録されたNFC(Near field communication、近距離無線通信)タグ(収容体に伴う媒体の一例)の収容体Cに対する貼付、等のいずれであってもよい。
【0033】
また、収容体識別データが紙片に対する印刷等の光学的に認識可能な態様で収容体Cに伴っている場合、収容体識別データ(正確には、収容体識別データを示す画像)はQRコード等の二次元バーコード、二次元でないバーコード、文字、数字、記号、又はそれらの組合せ、等のいずれであってもよい。
【0034】
以下の説明において、収容体識別データはQRコードとして収容体Cに印刷されているものとする。
【0035】
続いて、商品提案サーバ装置11が記憶するデータについて説明する。商品提案サーバ装置11は、以下のテーブルを記憶している。
【0036】
商品情報テーブル
アドバイス情報テーブル
ユーザ基本情報テーブル
分析結果テーブル
商品使用履歴テーブル
フィードバック情報テーブル
イベント情報テーブル
【0037】
図2は、商品情報テーブルのデータ構成を例示した図である。商品情報テーブルは、商品提案システム1がユーザAに提案可能な複数の商品の各々に関するデータを格納するテーブルである。商品情報テーブルは、商品の各々に応じたレコードの集まりであり、各レコードは以下のフィールドを含んでいる。
【0038】
商品ID:商品を識別するデータ(商品識別データ)を格納する。
内容量:商品の内容量を示すデータを格納する。
成分:商品に含まれる複数の成分の各々に関する含有量を示すデータを格納する。
使用方法:商品の使用方法を示すデータを格納する。
【0039】
なお、異なる内容量の同じ商品を収容するボトルがある場合、「内容量」フィールドに
はそれらの複数の内容量を示すデータが格納される。
【0040】
図3は、アドバイス情報テーブルのデータ構成を例示した図である。アドバイス情報テーブルは、ユーザAの毛髪の分析結果に基づき、ユーザAの毛髪の状態(ユーザの健康の一例)に影響を与える行動様式に関するアドバイスを行うためのデータを格納するテーブルである。アドバイス情報テーブルは、アドバイスの各々に応じたレコードの集まりであり、各レコードは以下のフィールドを含んでいる。
【0041】
条件:ユーザAの毛髪の分析結果に関する条件(例えば、「毛髪のダメージが(基準値)以上」等)を示すデータを格納する。このデータが示す条件が満たされた場合、同じレコードの「アドバイス内容」フィールドに格納されているデータが示すアドバイスがユーザAに通知される。
アドバイス内容:ユーザAに通知されるアドバイスの内容(例えば、「外出時には帽子の着用を心がけて下さい。」等)を示すデータ(アドバイスデータ)を格納する。
【0042】
図4は、ユーザ基本情報テーブルのデータ構成を例示した図である。ユーザ基本情報テーブルは、商品提案システム1を利用する複数のユーザAの各々に関する基本的なデータを格納するテーブルである。ユーザ基本情報テーブルは、ユーザAの各々に応じたレコードの集まりであり、各レコードは以下のフィールドを含んでいる。
【0043】
ユーザID:ユーザAを識別するデータ(ユーザ識別データ、顧客識別データの一例)を格納する。
パスワード:ユーザAの本人認証を行うためのパスワードを格納する。
氏名:ユーザAの氏名を示すデータを格納する。
住所:ユーザAの住所を示すデータを格納する。
属性:ユーザAの属性を示すデータを格納する。
決済用情報:ユーザAが商品代金等の料金を決済するための情報(例えば、クレジットカード番号等)を示すデータを格納する。
ネットワークアドレス:端末装置12をインターネット内で識別するためのアドレスを示すデータを格納する。
【0044】
なお、ユーザ基本情報テーブルに格納されるデータのうち、「ネットワークアドレス」フィールドに格納されるデータは、顧客ユーザ用アプリを実行中の端末装置12が継続的に商品提案サーバ装置11に対し通知してくるデータであり、比較的短期間で変化する。一方、ユーザ基本情報テーブルに格納されるデータのうち、「ネットワークアドレス」フィールド以外のフィールドに格納されるデータは、ユーザAがユーザ登録(後述)を行う際に入力するデータであって、短期間で変化することはない。
【0045】
ユーザ基本情報テーブルの「属性」フィールドは、例えば、「年齢」、「性別」、「毛量」、「染髪の有無」、「職業」、等の複数のサブフィールドを含んでいる。
【0046】
図5は、分析結果テーブルのデータ構成を例示した図である。商品提案サーバ装置11は、複数のユーザAの各々に関し分析結果テーブルを記憶している。分析結果テーブルは、ユーザAの毛髪Hを分析した結果を示すデータ(分析結果データ)を格納するテーブルである。分析結果テーブルは、異なる時期に行われた複数の分析の各々に応じたレコードの集まりであり、各レコードは以下のフィールドを含んでいる。
【0047】
収容体ID:毛髪Hを収容する収容体Cの収容体識別データを格納する。
検体採取日:毛髪HがユーザAからカットされた日付(時期の一例)を示すデータを格納する。
分析日:毛髪Hの分析が行われた日付を示すデータを格納する。
分析結果:毛髪Hの分析の結果を示すデータ(分析結果データ)を格納する。
【0048】
分析結果テーブルの「分析結果」フィールドは、例えば、「水分含有量」、「引張強度」、等の分析項目に応じた複数のサブフィールドを含んでいる。
【0049】
図6は、商品使用履歴テーブルのデータ構成を例示した図である。商品提案サーバ装置11は、複数のユーザAの各々に関し商品使用履歴テーブルを記憶している。商品使用履歴テーブルは、ユーザAの商品の使用履歴を示すデータを格納するテーブルである。商品使用履歴テーブルは、ユーザAが使用する複数の商品及び複数の時期の組合せの各々に応じたレコードの集まりであり、各レコードは以下のフィールドを含んでいる。
【0050】
商品ID:商品を識別するデータ(商品識別データ)を格納する。
日付:商品の残量の特定が行われた日付(時期の一例)を示すデータを格納する。
残量:商品の残量を示すデータを格納する。
消費態様:商品の消費態様を示すデータ(消費態様データ)を格納する。
【0051】
商品使用履歴テーブルの「消費態様」フィールドは、例えば、「使用頻度」、「1回当たり消費量」、等の複数のサブフィールドを含んでいる。
【0052】
なお、使用頻度はユーザAからの申告により特定される情報である。一方、1回当たり消費量は、残量の経時変化から特定される商品の単位時間当たり消費量(例えば、1日当たりの消費量)と、使用頻度から商品提案サーバ装置11が算出する情報である。
【0053】
なお、或るユーザAに関し、通常は、同じ商品IDの商品の残量は時間の経過に伴い減少する。そして、商品提案サーバ装置11は、その減少量を、その商品の消費量として算出する。ただし、ユーザAが或る商品を使い切り、同じ商品を購入して使用する場合、同じ商品IDの商品の残量が時間の経過に伴い増加することになる。その場合、商品提案サーバ装置11は、残量が増加する前のレコードが示す残量と、残量が増加した後のレコードが示す残量をその商品の購入時の内容量から差し引いた量とを合算した量を、その商品の消費量として算出する。
【0054】
上記のように商品提案サーバ装置11が商品使用履歴テーブルのデータから算出する商品の消費量は、その消費量の算出に用いられた2つのレコードの日付が示す期間内に消費された商品の量を意味する。従って、その期間の長さ(例えば日数)で消費量を除算すれば、商品の単位時間当たりの消費量(例えば、1日当たりの消費量)が算出される。商品提案サーバ装置11は、そのように算出する単位時間当たりの消費量と、「使用頻度」フィールドのデータが示す使用頻度に基づき、1回当たり消費量を算出する。
【0055】
図7は、フィードバック情報テーブルのデータ構成を例示した図である。商品提案サーバ装置11は、複数のユーザAの各々に関しフィードバック情報テーブルを記憶している。フィードバック情報テーブルは、ユーザAが商品の使用における感想等に関するアンケートに回答した結果を示すデータを格納するテーブルである。フィードバック情報テーブルは、ユーザAがアンケートに回答した日付(時期の一例)とそのアンケートにおいて回答した項目の組合せの各々に応じたレコードの集まりであり、各レコードは以下のフィールドを含んでいる。
【0056】
日付:ユーザAがアンケートに回答した日付を示すデータを格納する。
商品ID:質問の対象の商品を識別する商品IDを格納する。
項目1~項目n:n個(ただし、nは任意の自然数)の質問の項目毎に質問と回答を示
すデータを格納する。
【0057】
「項目x」フィールド(ただし、xは1~nのうちのいずれかの自然数)は、「質問」と「回答」のサブフィールドを含んでいる。
【0058】
なお、分析結果テーブルに格納される分析結果データは、ユーザAの毛髪の状態に対する商品の効果を客観的に示すデータである。一方、フィードバック情報テーブルに格納される質問内容及び回答内容を示すデータは、ユーザAの商品の使用感に加え、ユーザAによる主観的な商品の効果を示すデータである。商品提案システム1は、これらの客観的なデータと主観的なデータに基づき、ユーザAに商品の提案を行う。
【0059】
図8は、イベント情報テーブルのデータ構成を例示した図である。商品提案サーバ装置11は、複数のユーザAの各々に関しイベント情報テーブルを記憶している。イベント情報テーブルは、ユーザAに起こった毛髪に影響するイベントの内容を示すデータを格納するテーブルである。毛髪に影響するイベントとは、例えば、髪をカットした、染髪した、パーマをかけた、等のイベントである。それらのイベントの発生に関する情報は、ユーザAからの申告により特定される情報である。イベント情報テーブルは、ユーザAから申告されたイベントの各々に応じたレコードの集まりであり、各レコードは以下のフィールドを含んでいる。
【0060】
日付:イベントの発生した日付を示すデータを格納する。
イベント内容:イベントの内容を示すデータを格納する。
【0061】
以上が、商品提案サーバ装置11が記憶するテーブルの説明である。
【0062】
商品提案サーバ装置11は、ユーザAの毛髪Hの分析結果に基づき、ユーザAの毛髪の状態を効果的に改善するために有効と思われる商品を選定し、ユーザAに提案する。その商品の選定のために、商品提案サーバ装置11は以下の2つの機械学習モデルを用いる。
【0063】
機械学習モデルX:直近の過去の期間に、商品提案システム1から提案されたいずれの商品も使用していないユーザAに対し、現在のユーザAの毛髪Hの分析結果に基づき、ユーザAと商品との適合度を示す指標値(以下、「商品適合スコア」という)を推定する機械学習モデル。
機械学習モデルY:直近の過去の期間に、商品提案システム1から提案されたいずれかの商品を使用しているユーザAに対し、商品の使用の前後におけるユーザAの毛髪Hの分析結果の比較結果に基づき、商品適合スコアを推定する機械学習モデル。
【0064】
なお、商品適合スコアは、例えば、毛髪表面のダメージの改善度、毛髪内部のダメージの改善度、毛髪の水分含有量、等の複数の評価項目の各々に関し、望ましい基準値に近づく程、数値が高くなるような指標値である。
【0065】
機械学習モデルXは、以下の説明変数と目的変数を含む教師データを用いて学習された機械学習モデルである。
【0066】
(説明変数)
或る商品(以下、「商品E」とする)の成分を示すデータ
商品Eを或る期間(以下、「期間T」とする)、使用したユーザ(以下、「ユーザK」とする)から、期間Tの始期にカットされた毛髪の分析結果を示すデータ(第1分析結果データ)
期間Tの長さを示すデータ
ユーザKの属性(性別、年齢、等)を示すデータ
【0067】
(目的変数)
期間Tの始期にユーザKからカットされた毛髪の分析結果を示すデータ(第1分析結果データ)と期間Tの終期にユーザKからカットされた毛髪の分析結果を示すデータ(第2分析結果データ)とに基づき算出された商品適合スコアを示すデータ
【0068】
機械学習モデルXは、運用時に、以下の説明変数を入力されると、以下の目的変数を出力する。
【0069】
(説明変数)
ユーザAからカットされた毛髪の分析結果を示すデータ
ユーザAの属性を示すデータ
【0070】
(目的変数)
複数の商品の各々に関する商品適合スコア
【0071】
機械学習モデルYは、以下の説明変数と目的変数を含む教師データを用いて学習された機械学習モデルである。
【0072】
(説明変数)
或る商品(以下、「商品F」とする。第1健康改善消費商品。)の成分を示すデータ
商品Fを或る期間(以下、「期間U」とする。第1の期間。)、使用したユーザ(以下、「ユーザL」とする)から、期間Uの始期(第1の時期)にカットされた毛髪(第1毛髪)の分析結果を示すデータ(第1分析結果データ)
期間Uの終期(第2の時期)にユーザLからカットされた毛髪(第2毛髪)の分析結果を示すデータ(第2分析結果データ)
期間Uの長さを示すデータ
ユーザLの属性(性別、年齢、等)を示すデータ
期間Uに続く或る期間(以下、「期間V」とする。第2の期間。)、ユーザLが使用した或る商品(以下、「商品G」とする。なお、商品Gは商品Fと同一であるか否かを問わない。第2健康改善消費商品。)の成分を示すデータ
期間Vの長さを示すデータ
【0073】
(目的変数)
期間Vの始期(第2の時期)にユーザKからカットされた毛髪(第2毛髪)の分析結果を示すデータ(第2分析結果データ)と期間Vの終期(第3の時期)にユーザKからカットされた毛髪(第3毛髪)の分析結果を示すデータ(第3分析結果データ)とに基づき算出された商品適合スコアを示すデータ
【0074】
機械学習モデルYは、運用時に、以下の説明変数を入力されると、以下の目的変数を出力する。
【0075】
(説明変数)
ユーザAが直近の過去の或る期間(以下、「期間W」とする)に使用した商品の成分を示すデータ
期間Wの始期にユーザAからカットされた毛髪の分析結果を示すデータ
期間Wの終期にユーザAからカットされた毛髪の分析結果を示すデータ
期間Wの長さを示すデータ
ユーザAの属性を示すデータ
【0076】
(目的変数)
複数の商品の各々に関する商品適合スコア
【0077】
以上が、商品提案サーバ装置11がユーザAに提案する商品を特定するために用いる機械学習モデルの説明である。
【0078】
続いて、商品提案システム1の動作を説明する。
【0079】
なお、以下の説明において、端末装置12は本実施形態に係る端末装置12用のプログラム(以下、「顧客ユーザ用アプリ」という)に従い動作し、端末装置13は本実施形態に係る端末装置13用のプログラム(以下、「店舗ユーザ用アプリ」という)に従い動作し、端末装置14は本実施形態に係る端末装置14用のプログラム(以下、「分析所ユーザ用アプリ」という)に従い動作するものとする。
【0080】
ただし、端末装置12、端末装置13、端末装置14の1以上が、Webベースのプログラム、すなわち、Webブラウザにより実行可能なプログラムを、例えば、Webサーバ装置として機能する商品提案サーバ装置11から受信して実行することにより、以下に説明する動作を行ってもよい。
【0081】
ユーザAは、顧客ユーザ用アプリを端末装置12にインストールした後、顧客ユーザ用アプリのユーザ登録画面において、ユーザ登録を行う。ユーザ登録において、ユーザAはユーザ基本情報テーブル(図4)に格納されるデータ(「ネットワークアドレス」フィールドに格納されるデータを除く)を入力する。ユーザ登録画面において入力されたデータは端末装置12から商品提案サーバ装置11に送信され、ユーザ基本情報テーブルに新たに追加されたレコードに格納される。
【0082】
ユーザAは、店舗職員Pが勤務する店舗に行き、店舗職員Pによる毛髪のカット等の施術を受ける。その店舗において、ユーザAは、例えば店舗職員Pから商品提案システム1が提供するサービスの説明を受けて、商品提案システム1を利用したいと思うと、その旨を店舗職員Pに伝える。
【0083】
店舗職員Pは、ユーザAから商品提案システム1のサービスの利用を開始したい旨の意思表示を受けると、端末装置13を操作して収容体登録画面を表示させる。図9は、収容体登録画面を例示した図である。収容体登録画面は、ユーザAのユーザIDと、ユーザAの毛髪Hを収容する収容体Cの収容体IDとを対応付けて商品提案サーバ装置11に登録するための画面である。
【0084】
続いて、店舗職員Pは、予め商品提案システム1の運営会社から入手している複数の未使用の収容体Cの中から任意の1つを選択する。続いて、店舗職員Pは、収容体登録画面(図9)を表示している端末装置13のカメラで、選択した収容体Cに印刷されているQRコードを撮影する。なお、収容体登録画面の領域A1には、端末装置13のカメラで撮影されている画像が表示される。端末装置13は、撮影したQRコードをデコードして収容体ID(第1収容体識別データの一例)を取得し、取得した収容体IDを収容体登録画面の「収容体ID」欄に表示する。
【0085】
続いて、店舗職員Pは、ユーザAにQRコード表示画面の表示を促す。ユーザAは、店舗職員Pの促しに従い、端末装置12を操作して、端末装置12にQRコード表示画面を表示させる。図10は、QRコード表示画面を例示した図である。QRコード表示画面は、ユーザAのユーザIDを示すQRコードを表示する画面である。
【0086】
店舗職員Pは、収容体登録画面(図9)を表示している端末装置13のカメラで、端末装置12のQRコード表示画面(図10)に表示されているQRコードを撮影する。端末装置13は、撮影したQRコードをデコードしてユーザIDを取得し、取得したユーザIDを収容体登録画面の「ユーザID」欄に表示する。
【0087】
なお、収容体登録画面における収容体IDの読み取りとユーザIDの読み取りは、いずれが先に行われてもよい。
【0088】
続いて、店舗職員Pは収容体登録画面(図9)の「登録」ボタンにタッチ操作を行う。その操作に応じて、端末装置13は収容体登録画面に表示されている収容体IDとユーザIDを商品提案サーバ装置11に送信する。
【0089】
商品提案サーバ装置11は、端末装置13から収容体IDとユーザIDを受信すると、受信したユーザIDに応じた分析結果テーブル(図5)に新しいレコードを追加し、そのレコードの「収容体ID」フィールドに受信した収容体IDを格納する。また、商品提案サーバ装置11は、そのレコードの「検体採取日」フィールドに現在の日付を示すデータを格納する。
【0090】
続いて、店舗職員Pは、ユーザAから毛髪H(第1毛髪の一例)をカットし、カットした毛髪Hを先に収容体IDの登録を行った収容体Cに封入する。
【0091】
なお、収容体IDの登録と毛髪Hの収容体Cへの封入は、いずれか先に行われてもよい。
【0092】
端末装置13は、店舗職員Pによる収容体登録画面(図9)の「登録」ボタンに対するタッチ操作に応じて、宛先表示画面を表示する。図11は、宛先表示画面を例示した図である。宛先表示画面は、毛髪Hの発送先、すなわち、分析所職員Mが勤務する分析所の住所及び名称を表示する画面である。
【0093】
店舗職員Pが宛先表示画面の「宛先ラベル印刷」ボタンにタッチ操作を行うと、端末装置13はプリンタ(図1において図示略)に、宛先表示画面に表示されている宛先の印刷の指示を行う。店舗職員Pは、その指示に従いプリンタにより宛先の印刷された紙片(宛先ラベル)を封筒に貼り付け、その封筒に毛髪Hを封入した状態の収容体Cを入れて、発送する。
【0094】
分析所職員Mは、店舗から送られてきた収容体Cを受け取ると、端末装置14を操作して、端末装置14に収容体読取画面を表示させる。図12は、収容体読取画面を例示した図である。分析所職員Mは、収容体読取画面を表示している端末装置14のカメラで、届いた収容体Cに印刷されているQRコードを撮影する。なお、収容体読取画面の領域A2には、端末装置14のカメラで撮影されている画像が表示される。端末装置14は、撮影したQRコードをデコードして収容体IDを取得し、取得した収容体IDを収容体読取画面の「収容体ID」欄に表示する。
【0095】
続いて、分析所職員Mが収容体読取画面の「次へ」ボタンにクリック等の操作を行うと、その操作に応じて、端末装置14は分析結果登録画面を表示させる。図13は、分析結果登録画面を例示した図である。分析結果登録画面には、複数の分析項目の各々に関し、「分析結果」欄が表示される。
【0096】
分析所職員Mは、端末装置14に分析結果登録画面が表示されている状態で、分析装置
15に収容体Cから取り出した毛髪Hをセットし、分析装置15に分析を行わせる。分析装置15は、分析の結果を示す分析結果データを端末装置14に送信する。端末装置14は、分析装置15から送信されてきた分析結果データが示す分析結果を、分析結果登録画面の対応する「分析結果」欄に表示する。
【0097】
なお、分析項目の一部又は全部に関し、端末装置14が分析装置15から分析結果データを受信する代わりに、分析結果登録画面の「分析結果」欄へ分析所職員Mが分析結果の入力を行ってもよい。また、分析項目の一部又は全部に関し、分析装置15が分析を行う代わりに、例えば、分析所職員Mが試薬等を用いて手作業により分析を行ってもよい。
【0098】
分析結果登録画面に表示される全ての分析項目に関し分析結果の入力が完了すると、分析所職員Mは、分析結果登録画面の「登録」ボタンにクリック等の操作を行う。この操作に応じて、端末装置14は収容体読取画面(図12)において読み取った収容体IDと、分析結果登録画面に表示されている分析結果データ(第1分析結果データの一例)とを、商品提案サーバ装置11に送信する。
【0099】
商品提案サーバ装置11は、端末装置14から収容体IDと分析結果データを受信すると、複数のユーザAの各々に応じた分析結果テーブル(図5)の全レコードの中から、受信した収容体IDを「収容体ID」フィールドに格納しているレコードを検索し、検索したレコードの「分析結果」フィールドに受信した分析結果データを格納する。また、商品提案サーバ装置11は、そのレコードの「分析日」欄に現在の日付を示すデータを格納する。
【0100】
続いて、商品提案サーバ装置11は、上記のように分析結果データを格納した分析結果テーブルに対応するユーザAに適した商品を特定する処理を行う。
【0101】
この場合、商品提案サーバ装置11が端末装置14から受信した分析結果データを格納した分析結果テーブルには、1つしかレコードが含まれていない。これは、その分析結果テーブルに対応するユーザAに関する毛髪の分析が今回、初めて行われたことを意味する。その場合、商品提案サーバ装置11は、機械学習モデルXを用いて、初回の分析に用いられた毛髪が採取された時期(第1の時期の一例)におけるユーザAに適した商品の特定を行う。
【0102】
具体的には、商品提案サーバ装置11は、端末装置14から受信した分析結果データを格納した分析結果テーブルに対応するユーザIDを「ユーザID」フィールドに格納しているレコードを、ユーザ基本情報テーブル(図4)から検索する。続いて、商品提案サーバ装置11は、ユーザ基本情報テーブルから検索したレコードの「属性」フィールドに格納されているデータ(以下、「ユーザ属性データ」という)と、端末装置14から受信し分析結果テーブルに格納した分析結果データとを説明変数として、機械学習モデルXに入力する。
【0103】
機械学習モデルXは、入力された説明変数に応じた目的変数として、複数の商品の各々に関する商品適合スコアを出力する。
【0104】
商品提案サーバ装置11は、機械学習モデルXから出力された商品適合スコアの大きい順に所定数の商品を、ユーザAに提案する商品(第1健康改善消費商品の一例)として選択する。以下、商品提案サーバ装置11がユーザAに提案する商品の数を、例として、3つとする。
【0105】
商品提案サーバ装置11は、先にユーザ基本情報テーブルから検索したレコードの「ネ
ットワークアドレス」フィールドに格納されているデータによりインターネット内で識別される端末装置12に対し、分析結果データと、提案する3つの商品に関する情報を示すデータ(以下、「提案商品情報データ」という)と、ユーザAの行動様式に関するアドバイスを示すデータ(以下、「アドバイスデータ」という。第1アドバイスデータ(初回の分析結果の表示時)、第2アドバイスデータ(2回目以降の分析結果の表示時)の一例。)を送信する。
【0106】
商品提案サーバ装置11が端末装置12に送信する提案商品情報データは、例えば、以下の情報を示す。
【0107】
提案する商品の名称
提案する商品の効果
提案する商品の使用方法
提案する商品の価格
【0108】
商品提案サーバ装置11が端末装置12に送信するアドバイスデータは、アドバイス情報テーブル(図3)のレコードのうち、分析結果データが示す分析結果が満たす条件を示すデータを「条件」フィールドに格納しているレコードの「アドバイス内容」フィールドに格納されているデータである。
【0109】
端末装置12は、商品提案サーバ装置11から分析結果データ、提案商品情報データ、及び、アドバイスデータを受信すると、商品提案画面を表示する。図14は、商品提案画面を例示した図である。
【0110】
商品提案画面の領域A3には、分析結果が表示される。なお、図14の例では、分析結果がレーダーチャートの形式で表示されているが、分析結果の表示態様はレーダーチャートに限られない。
【0111】
商品提案画面の領域A4には、アドバイスデータが示すアドバイスが表示される。商品提案画面の領域A5には、ユーザAに適した3つの商品(ユーザAに使用を提案する3つの商品、以下「提案商品」という)の名称が表示される。
【0112】
商品提案画面の領域A5には、3つの提案商品の名称の各々に応じた「詳細」ボタンが表示される。ユーザAがいずれかの「詳細」ボタンにタッチ操作を行うと、端末装置12はその「詳細」ボタンに応じた提案商品に関する商品説明画面を表示する。
【0113】
図15は、商品説明画面を例示した図である。商品説明画面の領域A6には、提案商品の効果に関する情報が表示される。商品説明画面の領域A7には、提案商品の使用方法に関する情報が表示される。商品説明画面の領域A8には、提案商品の価格に関する情報が表示される。
【0114】
商品提案サーバ装置11は、上述した、端末装置12に対する分析結果データ、提案商品情報データ、及び、アドバイスデータの送信と並行して、ユーザAに、3つの提案商品の試供品を配送するための処理を行う。
【0115】
具体的には、商品提案サーバ装置11は、ユーザAのユーザIDに対応する商品使用履歴テーブル(図6)に3つの提案商品の各々に応じた新しいレコードを追加し、それらのレコードの「商品ID」フィールドに提案商品の商品IDを格納する。また、商品提案サーバ装置11は、それらのレコードの「日付」欄に、提案商品の試供品がユーザAの手元に届くと推定される日付(例えば、現在の日付に試供品の配送に要する所定日数を加算し
た日付)を示すデータを格納する。また、商品提案サーバ装置11は、そのレコードの「残量」欄に、提案商品の試供品の内容量を示すデータを格納する。
【0116】
続いて、商品提案サーバ装置11は、提案商品の試供品の配送を指示する配送指示データを配送管理サーバ装置17に送信する。この場合、配送指示データには、以下が含まれる。
【0117】
ユーザ基本情報テーブル(図4)のレコードのうち、ユーザAのユーザIDを「ユーザID」フィールドに格納しているレコードの「氏名」フィールドと「住所」フィールドに格納されているデータ。
提案商品の試供品を識別するデータ(例えば、「シャンプー#2(試供品)」といったデータ)。
【0118】
物流センターの職員は、配送管理サーバ装置17を介して商品提案サーバ装置11から受信した配送指示データが示す指示に従い、提案商品の試供品をユーザAに配送する。
【0119】
ユーザAは、配送されてくる提案商品の試供品を受け取ると、商品説明画面(図15)において説明された使用方法に従い、その試供品の試用を開始する。
【0120】
商品提案サーバ装置11は、ユーザAに対する提案商品の試供品の提供が行われた後、所定時間が経過すると、ユーザAに対し、使用頻度入力画面の表示を促す通知を行う。その通知に応じてユーザAが端末装置12に対し所定の操作を行うと、端末装置12は使用頻度入力画面を表示する。図16は、使用頻度入力画面を例示した図である。
【0121】
使用頻度入力画面は、ユーザAが使用中の商品(試供品を含む)の各々に関し、その商品の使用頻度を入力するための画面である。ユーザAは、使用頻度入力画面において指定された商品に関し、その商品の使用頻度を入力し、「登録」ボタンに対するタッチ操作を行う。その操作に応じて、端末装置12は商品提案サーバ装置11に対し、商品の使用頻度を示すデータ(以下、「使用頻度データ」という)を、ユーザIDと商品IDと共に、送信する。
【0122】
商品提案サーバ装置11は、端末装置12から使用頻度データをユーザID及び商品IDと共に受信すると、受信したユーザIDに応じた商品使用履歴テーブル(図6)のレコードのうち、受信した商品IDを「商品ID」フィールドに格納しているレコード(複数ある場合には「日付」フィールドに格納されているデータが示す日付が最新のもの)を検索する。続いて、商品提案サーバ装置11は、検索したレコードの「消費態様」フィールドに含まれる「使用頻度」サブフィールドに、受信した使用頻度データを格納する。
【0123】
ところで、商品提案システム1においては、ユーザAによる商品(試供品を含む)の消費速度を特定するために、ユーザAにより商品のボトルの撮影が行われる。
【0124】
図17は、商品提案システム1においてユーザAに提供される商品(試供品を含む)のボトルBの外観を示した図である。
【0125】
ボトルBには、商品(試供品を含む)の残量が外から視認できるように光を透過する部分である窓B1が設けられている。なお、ボトルBの全体が光を透過してもよい。窓B1には、商品の残量を示す目盛B2が形成されている。なお、ボトルBに目盛B2が形成される方法は、印刷、成型等のいずれであってもよい。また、ボトルBの目盛B2の近くには、商品の商品ID及び使用開始前の内容量を示すQRコードB3が印刷等により形成されている。
【0126】
端末装置12は、例えば所定時間(例えば一週間)の経過毎に、ユーザAに対し、商品撮影画面の表示を促す通知を行う。その通知に応じてユーザAが端末装置12に対し所定の操作を行うと、端末装置12は商品撮影画面を表示する。図18は、商品撮影画面を例示した図である。
【0127】
商品撮影画面は、ユーザAが使用中の商品(試供品を含む)の各々に関し、その商品のボトルを撮影するための画面である。商品撮影画面は、ユーザAに対し、撮影すべき商品の名称を示すと共に、その名称の商品のボトルBを、目盛B2とQRコードB3が写るように撮影するように促す。また、商品撮影画面の領域A9には、端末装置12のカメラが撮影している画像が表示される。
【0128】
ユーザAが商品撮影画面において指定された商品のボトルBを撮影すると、端末装置12は撮影した画像に含まれるQRコードB3をデコードして、商品ID及び内容量を示すデータを取得する。また、端末装置12は、既知の画像認識手法により、撮影した画像に含まれる目盛B2におけるボトルB内の商品の上面の位置を特定する。続いて、端末装置12は、QRコードB3から取得した内容量と、画像から特定した目盛B2における商品の上面の位置に基づき、商品の残量を特定する。
【0129】
なお、端末装置12がQRコードB3から特定した商品IDが、商品撮影画面において指定されている商品の商品IDと異なる場合には、端末装置12はユーザAに対し、撮影対象の商品が間違っていることを通知すると共に、正しい商品の撮影を促すエラー通知画面を表示する。
【0130】
端末装置12は、上記のように商品の残量を特定すると、その残量を示すデータ(以下、「残量データ」という)を、ユーザID及び商品IDと共に、商品提案サーバ装置11に送信する。
【0131】
商品提案サーバ装置11は、残量データを、ユーザID及び商品IDと共に受信すると、受信したユーザIDに応じた商品使用履歴テーブル(図6)に新たなレコードを追加し、追加したレコードの「商品ID」フィールドに受信した商品IDを格納する。また、商品提案サーバ装置11は、そのレコードの「日付」フィールドに現在の日付を示すデータを格納する。また、商品提案サーバ装置11は、そのレコードの「残量」フィールドに、受信した残量データを格納する。
【0132】
商品提案サーバ装置11は、上記のように商品使用履歴テーブルに格納されていく残量データが示す試供品の残量の経時変化、すなわちユーザAによる試供品の消費速度に基づき、ユーザAが入手済みの試供品の残量がゼロ(所定の値の一例)となる時期を特定し、その時期より所定時間(例えば、2週間)だけ前に、そのユーザAの端末装置12に対し、商品注文画面の表示を促す通知を行う。
【0133】
ユーザAがその通知に応じて端末装置12に対し所定の操作を行うと、端末装置12は商品注文画面を表示する。図19は、商品注文画面を例示した図である。商品注文画面には、ユーザAに試供品が提供されている商品の名称が表示される。
【0134】
商品注文画面において、ユーザAがいずれかの商品の名称に応じた「注文」ボタンにタッチ操作を行うと、端末装置12は、その「注文」ボタンに応じた商品に関する商品注文詳細画面を表示する。図20は、商品注文詳細画面を例示した図である。
【0135】
商品注文詳細画面の領域A10には、ユーザAの商品の消費速度に応じた内容量(購入
量)のボトルの購入を推奨する情報が表示される。ユーザAは、領域A10に表示される情報を考慮して、領域A11に表示される内容量の異なるボトルの中から注文するボトルを決定し、そのボトルに応じた「注文」ボタンにタッチ操作を行う。
【0136】
そのタッチ操作に応じて、端末装置12は商品提案サーバ装置11に商品注文データ(第1注文データの一例)を送信する。商品注文データは、商品提案サーバ装置11に対し、商品の注文を指示するデータであり、ユーザIDと商品IDと内容量を示すデータ(以下、「内容量データ」という)を含んでいる。
【0137】
商品提案サーバ装置11は、端末装置12から商品注文データを受信すると、まず、その商品注文データが示す注文に応じた料金の決済のための処理を行う。具体的には、商品提案サーバ装置11は、商品注文データに含まれるユーザIDを「ユーザID」フィールドに格納しているレコードをユーザ基本情報テーブル(図4)から検索し、検索したレコードの「決済用情報」フィールドに格納されているデータを用いて、決済サーバ装置16との間で決済のためのデータ通信を行う。
【0138】
上記の決済のための処理が無事完了すると、受信した商品注文データに従う商品の配送を指示する配送指示データを配送管理サーバ装置17に送信する。この場合、配送指示データには、以下が含まれる。
【0139】
ユーザ基本情報テーブル(図4)のレコードのうち、商品注文データに含まれるユーザIDを「ユーザID」フィールドに格納しているレコード「氏名」フィールドと「住所」フィールドに格納されているデータ
商品注文データに含まれる商品IDにより識別される商品のボトルのうち、商品注文データに含まれる内容量データが示す内容量のボトルを識別するデータ(例えば、「シャンプー#2(500ml)」といったデータ)
【0140】
物流センターの職員は、配送管理サーバ装置17を介して商品提案サーバ装置11から受信した配送指示データが示す指示に従い、商品をユーザAに配送する。
【0141】
ユーザAは、配送されてくる商品を受け取り、提案商品の試供品が無くなると、受け取った商品を使用する。
【0142】
その後も、ユーザAは端末装置12から定期的に行われる通知に応じて、商品撮影画面(図18)における使用中の商品のボトルBの撮影を行う。その結果、商品使用履歴テーブル(図6)が更新されてゆく。
【0143】
商品提案サーバ装置11は、そのように更新されてゆく商品使用履歴テーブルに格納されている残量データが示す商品の消費速度に基づき、ユーザAにより使用中(入手済み)の商品の残量がゼロになる時期を特定する。そして、その時期より所定時間(例えば、1ヶ月)だけ前になると、そのユーザAの端末装置12に対し、2度目の毛髪の分析のための行動を促す通知を行う。その通知は、例えば、「現在使用中の商品があと1ヶ月ほどで無くなります。この機会に、再度、毛髪の分析を行い、商品の効果を確認してみませんか? 毛髪の分析を行うと、今使用中の商品を継続使用するのがよいか、それとも、今のあなたの状態により適した新たな商品を使用するのがよいか、が分かります。」といった通知である。
【0144】
ユーザAがその通知に応じずに時間が経過し、例えば、使用中の商品の残量がゼロとなる時期より所定時間(例えば、2週間)だけ前になると、端末装置12はユーザAに商品注文画面の表示を促す通知を行う。その通知に応じてユーザAが端末装置12に対し所定
の操作を行うと、端末装置12は、ユーザAが使用中の商品の再購入を促す商品注文画面(図19)を表示する。ユーザAは、端末装置12に表示される商品注文画面(図19)及び商品注文詳細画面(図20)において、使用中の商品の再注文を行うことができる。
【0145】
一方、ユーザAが端末装置12からの促しに応じて店舗に行き、店舗職員Pに毛髪H(第2毛髪の一例)のカット、カットした毛髪Hの収容体Cへの封入、毛髪Hを封入した収容体Cの分析所への発送を行ってもらうと、そのユーザAに応じた分析結果テーブル(図5)が更新される。すなわち、分析結果テーブルに新たなレコードが追加され、そのレコードに、新たな収容体Cから読み取られた収容体ID(第2収容体識別データの一例)に対応付けて、新たな分析結果データ(第2分析結果データの一例)が格納される。
【0146】
ユーザAは、2回目以降の毛髪Hの分析のために店舗に行く際、例えば、店舗職員Pに促されて、端末装置12に対し所定の操作を行い、アンケート画面を端末装置12に表示させる。図21は、アンケート画面を例示した図である。
【0147】
アンケート画面は、ユーザAが使用中の商品の各々に関し、使用感等のユーザAの主観的な評価を入力するための画面である。ユーザAがアンケート画面において入力したデータは端末装置12から商品提案サーバ装置11に送信され、そのユーザAに応じたフィードバック情報テーブル(図7)に格納される。
【0148】
分析結果テーブルの更新に応じて、商品提案サーバ装置11は、更新後の分析結果テーブルに格納されている異なる時期の各々に関する分析結果データに基づき、最後の分析に用いられた毛髪が採取された時期(第2の時期の一例)におけるユーザAに適した商品(第2健康改善消費商品の一例)を特定する処理を行う。この商品の特定の処理は、上述した試供品の商品を特定する処理と類似しているが、機械学習モデルXに代えて機械学習モデルYを用いる点が異なっている。
【0149】
具体的には、商品提案サーバ装置11は、ユーザAのユーザ属性データと、ユーザAが現在使用している商品の成分を示すデータと、最後から2番目に行われたユーザAの毛髪Hの分析の結果を示す分析結果データと、最後に行われたユーザAの毛髪Hの分析の結果を示す分析結果データと、最後から2番目に行われた分析の時期を始期とし最後に行われた分析の時期を終期とする期間の長さを示すデータを説明変数として、機械学習モデルYに入力する。
【0150】
機械学習モデルYは、入力された説明変数に応じた目的変数として、複数の商品の各々に関する商品適合スコアを出力する。
【0151】
また、2回目以降の商品の提案においては、商品提案サーバ装置11はフィードバック情報テーブル(図7)に格納されているデータが示すユーザAの主観的な評価の結果も考慮する。例えば、商品提案サーバ装置11は、フィードバック情報テーブルに格納されているデータが、ユーザAがしっとりした髪よりもサラサラした髪を好むことを示す場合、機械学習モデルYが出力した各商品に関する商品適合スコアに対し、髪にサラサラ感を与える成分の含有量に応じた数値を加算する等の修正を加える。
【0152】
商品提案サーバ装置11は、上記のようにフィードバック情報テーブルに格納されているデータに基づき修正を加えた商品適合スコアの大きい順に3つの商品を、ユーザAに新たに提案する商品として選択する。なお、ユーザAが現在使用中の商品の1以上が、新たに提案する商品に含まれてもよい。
【0153】
続いて、商品提案サーバ装置11は、初回の分析の結果を端末装置12に通知した場合
と同様に、新たな分析結果データと、新たな提案商品に関する情報を示す提案商品情報データと、新たな分析結果に応じたユーザAの行動様式に関するアドバイスを示すアドバイスデータ(第2アドバイスデータの一例)を送信する。端末装置12は、商品提案サーバ装置11から受信するそれらのデータを用いて、商品提案画面(図14)を表示する。
【0154】
また、商品提案サーバ装置11は、分析結果テーブル(図5)に格納されている最後から2番目に行われた分析の結果を示す分析結果データと、最後に行われた分析の結果を示す分析結果データとに基づき、ユーザAの毛髪の状態(ユーザAの健康状態の一例)の推移を示す毛髪状態推移データ(健康状態推移データの一例)を生成し、生成した毛髪状態推移データを端末装置12に送信する。端末装置12は、商品提案サーバ装置11から受信する毛髪状態推移データを用いて、毛髪状態推移確認画面を表示する。図22は、毛髪状態推移確認画面を例示した図である。
【0155】
毛髪状態推移確認画面は、ユーザAが使用中の商品の各々に関し、その商品の使用期間(消費期間)に対応付けて、ユーザAの毛髪の状態の推移を示す画面である。毛髪状態推移確認画面の領域A12に表示される「◎」、「○」、「△」等のマークは、この毛髪状態推移確認画面に応じた商品(図22の例では「シャンプー#2」)の、毛髪の状態を表す複数の項目(図22の例では、「水分含有量」等)の各々に関する一般的に期待される効能の大小を示している。毛髪状態推移確認画面の領域A13に表示されるグラフは、毛髪の状態を表す複数の項目の各々に関し、前回の分析の結果から今回の分析の結果への推移を示している。
【0156】
ユーザAは、毛髪状態推移確認画面に表示される情報によって、使用した商品に期待される効能が、自分の毛髪にどの程度現れているかを直観的に知ることができる。
【0157】
商品提案サーバ装置11は、上述した、2回目以降の分析の結果を端末装置12に通知するための処理と並行して、新たな提案商品に関し、それらの提案商品の試供品をユーザAに配送するための処理を行う。その後、ユーザAは新たな提案商品の試供品の試用を開始し、試供品が無くなる前に端末装置12により行われる通知に従い、商品の注文を行う。以降、ユーザAの商品の消費に伴い、上述した商品提案システム1の動作が繰り返される。
【0158】
ところで、ユーザAは、例えば美容院で染髪をした等のイベントが発生した場合、端末装置12に対し所定の操作を行い、端末装置12にイベント情報入力画面を表示させる。図23は、イベント情報入力画面を例示した図である。ユーザAは、イベント情報入力画面において、イベントの種別(染髪、パーマ、毛髪カットによる毛量の変化等)と、そのイベントの発生日を入力し、「登録」ボタンにタッチ操作を行う。この操作に応じて、端末装置12はイベント情報入力画面においてユーザAにより入力されたデータをユーザIDと共に商品提案サーバ装置11に送信する。
【0159】
商品提案サーバ装置11は、端末装置12から受信したデータをイベント情報テーブル(図8)に格納する。イベント情報テーブルに格納されているデータは、例えば、商品提案サーバ装置11が商品の残量が所定の値(例えば、ゼロ)になる時期を特定する際に用いられる。例えば、ユーザAの毛量がカットにより大きく変化した場合、そのイベントの前後において、商品の消費速度が変化する。従って、商品提案サーバ装置11は、商品使用履歴テーブル(図6)に格納されているデータのうち、イベントの発生後のデータを用いて、商品の残量が所定値となる時期を特定する。
【0160】
また、イベント情報テーブルに格納されているデータは、新たに提案する商品の特定において用いられてもよい。例えば、ユーザAが染髪をした場合、そのイベントの発生前に
カットされた毛髪Hの分析の結果と、そのイベントの発生後にカットされた毛髪Hの分析の結果の比較が無意味な場合がある。そのような場合、商品提案サーバ装置11は、例えば、機械学習モデルYに代えて機械学習モデルXを用いて、新たに提案する商品の特定のための処理を行ってもよい。
【0161】
以上が、商品提案システム1の説明である。上述した商品提案システム1によれば、ユーザAは商品提案システム1によって提案される商品を使用することにより、効果的に自分の毛髪の状態(健康状態の一例)を改善することができる。
【0162】
[変形例]
上述の実施形態は本発明の一具体例であって、本発明の技術的思想の範囲内において様々に変形可能である。以下にそれらの変形の例を示す。なお、以下に示す2以上の変形例が適宜組み合わされてもよい。
【0163】
(1)上述した実施形態において、商品提案サーバ装置11は1つの装置により実現されるものとしたが、商品提案サーバ装置11が互いに連携動作する複数の装置を含むシステムであってもよい。
【0164】
(2)上述した実施形態において、店舗職員Pが使用する端末装置13は、端末装置12から光学的な方法(例えば、QRコードの撮影)によりユーザAのユーザIDを取得する。端末装置13が端末装置12からユーザAのユーザIDを取得する方法は光学的な方法に限られない。例えば、端末装置13が端末装置12から音響的な方法(例えば、端末装置12が発するユーザIDを示す音の拾音)によりユーザAのユーザIDを取得してもよい。
【0165】
(3)上述した実施形態において、QRコードを読み取るカメラは、端末装置12、端末装置13、又は、端末装置14が備える汎用のカメラであるものとした。これに代えて、QRコード、又は、それに代わるバーコード等のコードを光学的に読み取る専用装置(いわゆる、リーダ)が用いられてもよい。
【0166】
(4)上述した実施形態において、ボトルBを撮影した画像から特定される情報は、商品IDと商品の残量であるものとしたが、それらに加えて、ユーザIDがボトルBを撮影した画像から特定されてもよい。例えば、ボトルBにユーザIDを示すQRコードB4の印刷されたラベルが貼られ、端末装置12が撮影した画像に含まれるQRコードB4をデコードして、ユーザIDを特定してもよい。この変形例によれば、複数人の家族が各々異なる商品を使用している場合、誤って自分の家族が使用している商品のボトルBを撮影しても、端末装置12が画像から特定したユーザIDに基づきその誤りを検知し、撮影のやり直しを促す等の処理を行うことで、商品の残量の誤登録が防止される。
【0167】
(5)上述した実施形態において、ボトルBを撮影した画像から商品の残量等を特定する処理は端末装置12により行われるものとしたが、その処理が商品提案サーバ装置11により行われてもよい。例えば、端末装置12はボトルBを撮影した画像を表す画像データを商品提案サーバ装置11に送信する。そして、商品提案サーバ装置11は、端末装置12から受信した画像データが表す画像から、商品の残量等を特定してもよい。
【0168】
(6)上述した実施形態において、商品IDと商品の残量はボトルBを撮影した画像から特定されるものとしたが、ユーザAが商品IDと商品の残量の少なくとも一方を端末装置12に入力してもよい。
【0169】
(7)上述した実施形態において、ユーザAから毛髪Hをカットする作業は店舗職員Pに
より行われるものとしたが、毛髪Hのカットが店舗職員P以外の人により行われてもよい。また、毛髪Hのカットが店舗以外の場所で行われてもよい。例えば、ユーザAが収容体CをECサイト等から入手し、ユーザAの家族がユーザAの毛髪Hをカットし、ユーザA又はその家族が毛髪Hを収容体Cに封入して分析所に発送してもよい。その場合、店舗職員Pが使用する端末装置13に代えて、ユーザAが使用する端末装置12が収容体登録画面(図9)を表示し、ユーザAが収容体Cに形成されているQRコードの撮影を行う。そして、端末装置12から商品提案サーバ装置11に対し、ユーザIDと収容体IDの送信が行われる。
【0170】
(8)上述した実施形態において、収容体IDを示すQRコードは予め収容体Cに形成されているものとしたが、収容体IDを示すQRコード(又は、QRコードに代わり収容体IDを表示するバーコード、文字等)の印刷が端末装置12に接続されたプリンタにより行われてもよい。その場合、ユーザAは端末装置12を操作して、収容体IDを示すQRコード等をプリンタに印刷させる。そして、印刷されたQRコード等を一般的な封筒等の収容体に貼付又は封入する。その場合、ユーザIDが収容体IDとして用いられてもよい。
【0171】
(9)ユーザAに対し、ユーザAが行うべき作業(例えば、商品撮影画面におけるボトルBの撮影、アンケート画面における回答の入力等)を実行する動機付けを与える仕組みを設けてもよい。例えば、ユーザAが商品撮影画面におけるボトルBの撮影等の作業を行うと、商品提案サーバ装置11が金品と交換可能なポイント等の特典をユーザAに付与してもよい。
【0172】
(10)店舗職員P、又は、店舗に対し、ユーザAに商品提案システム1の利用を促す動機付けを与える仕組みを設けてもよい。例えば、店舗職員Pの薦めに応じてユーザAがユーザ登録を行い、商品提案システム1の新たな利用者となった場合や、店舗職員Pの薦めに応じてユーザAが毛髪Hの分析を依頼した場合、商品提案サーバ装置11が金品と交換可能なポイント等の特典を店舗職員P、又は、その店舗職員Pの所属する店舗に付与してもよい。
【0173】
(11)新商品の効果を評価するために、希望するユーザAに新商品の試用を行ってもらってもよい。
【0174】
(12)上述した実施形態において、毛髪Hの分析のための作業は分析所職員Mにより行われるものとしたが、毛髪Hの分析のための作業が分析所職員M以外の人により行われてもよい。また、上述した実施形態において、毛髪Hの分析のための作業は分析所において行われるものとしたが、毛髪Hの分析のための作業が分析所以外の場所において行われてもよい。例えば、ユーザAが毛髪Hを分析するための試薬等の分析キットをECサイト等から入手し、分析キットを用いて自分の毛髪Hの分析を行い、分析の結果を端末装置12に入力してもよい。この場合、分析結果データは端末装置12から商品提案サーバ装置11に送信される。
【0175】
(13)上述した実施形態において、商品提案サーバ装置11は提案する商品の特定のために機械学習モデルを用いるものとしたが、商品提案サーバ装置11が機械学習モデルを用いない方法によって提案する商品を特定してもよい。例えば、商品提案サーバ装置11が、機械学習モデルに代えて、ルールベースの人工知能を用いて提案する商品を特定してもよい。また、商品提案サーバ装置11が、人工知能によらず、例えばスコア表に従い、分析結果に応じた商品適合スコアを算出してもよい。
【0176】
(14)商品提案サーバ装置11が、商品提案システム1の運用に伴い継続的に更新され
てゆく分析結果テーブル(図5)及び商品使用履歴テーブル(図6)に格納されているデータから機械学習モデルX用の教師データ、又は、機械学習モデルY用の教師データを生成し、生成した教師データを用いて、機械学習モデルX又は機械学習モデルYを更新してもよい。
【0177】
(15)上述した実施形態においては、予め定められた内容量の商品がユーザAに提供されるものとしたが、例えば、ユーザAの商品の消費速度に応じた任意の内容量の商品がユーザAに提供されてもよい。また、上述した実施形態においては、予め定められた成分を予め定められた量だけ含有する商品がユーザAに提供されるものとしたが、例えば、ユーザAの毛髪Hの分析結果に応じて選択された成分を、その分析結果に応じて調整された量だけ含有する商品がユーザAに提供されてもよい。
【0178】
(16)上述した実施形態において、商品提案システム1がユーザAに提案する商品はヘアケア商品であるものとしたが、商品提案システム1がユーザAに対しヘアケア商品以外の種類の健康改善消費商品を提案してもよい。例えば、商品提案サーバ装置11が、毛髪Hの分析により特定される各種ミネラルの含有量に基づき、ユーザAの健康状態に適するサプリメント等の健康改善消費商品を特定し、特定したそれらの健康改善消費商品をユーザAに提案してもよい。
【0179】
(17)上述した実施形態において、商品提案サーバ装置11がユーザAに対し各種通知を行う場合、端末装置12に対しプッシュ型の通知を行うものとしたが、商品提案サーバ装置11がユーザAに通知を行う方法はそれに限られない。例えば、商品提案サーバ装置11がユーザAのメールアドレス宛に通知内容を示すメールを送信してもよい。その場合、端末装置12はメールサーバ装置にメール送信の要求を行い、その要求に応じてメールサーバ装置から送信されてくるメールを受信し、ユーザAに対し表示する。
【0180】
(18)上述した実施形態において、ユーザAが染髪をした、等のイベントが発生した場合、そのイベントに関する情報を端末装置に入力し商品提案サーバ装置11に登録する操作は、ユーザAが行うものとしたが、これに限られない。例えば、ユーザAが美容院である店舗を訪れた際に、店舗職員PがユーザAの毛髪に対するカット、パーマ、染髪等の施術を行った場合、店舗職員Pが端末装置13に、ユーザAに関し発生したイベントの情報を入力し、商品提案サーバ装置11に登録してもよい。
【0181】
その場合、例えば、ユーザAは端末装置12を操作して、自分のユーザIDを示すQRコードを端末装置12の画面に表示させる。そして、店舗職員Pが端末装置13を操作して、端末装置12に表示されるQRコードを読み取ることで、ユーザAに関するイベント情報入力画面(図23)を端末装置13に表示させる。そして、店舗職員Pが、端末装置13に表示されるイベント情報入力画面に、ユーザAに関するイベントの情報を入力すればよい。
【0182】
(19)上述した実施形態において、ユーザAの染髪等のイベントに関する情報を商品提案サーバ装置11に登録する操作は、ユーザAにより自主的に行われるものとしたが、端末装置12がユーザAに対し、イベントに関する情報の入力を促してもよい。
【0183】
例えば、ユーザAが毛髪をカットし、ユーザAの毛量が大幅に減少した場合、一般的に、商品の消費速度が大きく低下する。従って、商品提案サーバ装置11が商品使用履歴テーブル(図6)の「日付」フィールドと「残量」フィールドのデータから算出される商品の消費速度を監視し、消費速度がある時を境に大きく変化した場合、商品提案サーバ装置11がその変化を検知し、端末装置12にイベントの情報の入力を促す通知を行ってもよい。その場合、端末装置12は、商品提案サーバ装置11からの通知に応じて、例えば、
「最近、髪をカットされましたか?」というメッセージを表示した後、イベント情報入力画面(図23)を表示する。
【0184】
また、ユーザAが毛髪にパーマをかけたり、染髪をしたりすると、一般的に、ユーザAの毛髪の状態が悪化し、ユーザAに適した商品が使用されていても、表面ダメージ、内部ダメージ等の値が増加する。従って、商品提案サーバ装置11が分析結果テーブル(図5)の「検体採取日」フィールドと「分析結果」フィールドの各サブフィールドのデータから特定される検査結果の経時変化を監視し、検査結果が大きく悪化した場合、商品提案サーバ装置11がその悪化を検知し、端末装置12にイベントの情報の入力を促す通知を行ってもよい。その場合、端末装置12は、商品提案サーバ装置11からの通知に応じて、例えば、「最近、髪にパーマをかけたり、染髪したりしませんでしたか?」というメッセージを表示した後、イベント情報入力画面(図23)を表示する。
【0185】
(20)店舗、分析所、及び、物流センターは、各々、異なる団体に所属してもよいし、それらの2以上が同一の団体に所属してもよい。
【0186】
(21)上述した実施形態においては、商品提案サーバ装置11が選択した新たな提案商品の全てに関し、それらの商品の試供品がユーザAに配送される。これに代えて、複数の新たな提案商品のうち、ユーザAが選択した商品のみに関し、試供品がユーザAに配送されてもよい。その場合、例えば商品説明画面(図15)等に「試供品注文」ボタンを設け、ユーザAは試供品の配送を希望する提案商品に関する「試供品注文」ボタンにタッチ操作を行う。そして、商品提案サーバ装置11は、ユーザAにより試供品注文の操作が行われた提案商品の試供品の配送を指示する配送指示データを配送管理サーバ装置17に送信する。
【0187】
(22)上述した実施形態においては、商品提案サーバ装置11がユーザ基本情報テーブル(図4)により、ユーザAの氏名、住所を管理する。これに代えて、配送管理サーバ装置17がユーザAの氏名、住所を管理してもよい。その場合、商品提案サーバ装置11から配送管理サーバ装置17に送信される配送指示データには、ユーザAの氏名、住所に代えて、ユーザAのユーザIDが含まれる。そして、物流センターの職員は、配送指示データに含まれるユーザIDに対応付けて記憶されている氏名、住所を用いて、商品の配送を行う。
【0188】
(23)本発明は、上述した商品提案サーバ装置11により例示されるシステム、上述した顧客ユーザ用アプリ、店舗ユーザ用アプリ、又は、分析所ユーザ用アプリにより例示されるプログラム、及び、当該プログラムを持続的に記憶し当該プログラムに従いデータ処理を行うプロセッサを備える装置を含む。
【0189】
また、本発明に係るプログラムは、記録媒体に持続的に記録された状態で提供され、当該記録媒体からコンピュータに読み取られて用いられてもよいし、ネットワークを介してコンピュータにダウンロードされて用いられてもよい。
【符号の説明】
【0190】
1…商品提案システム、11…商品提案サーバ装置、12…端末装置、13…端末装置、14…端末装置、15…分析装置、16…決済サーバ装置、17…配送管理サーバ装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからカットされた毛髪の分析結果に基づき特定された前記ユーザに提案する商品に関する情報を示すデータを前記ユーザが使用する端末装置に送信し、
異なる2以上の時期の各々における前記ユーザにより一部が消費された前記商品の残量を示す残量データを前記端末装置から受信し、
前記残量データが示す前記2以上の時期の各々における前記商品の残量に基づき、前記ユーザによる前記商品の消費速度を特定する
商品提案システム。
【請求項2】
ユーザからカットされた毛髪の分析結果に基づき特定された前記ユーザに提案する商品に関する情報を示すデータを前記ユーザが使用する端末装置に送信し、
異なる2以上の時期の各々において、前記ユーザにより一部が消費された前記商品を撮影した画像を表す画像データを前記端末装置から受信し、
前記画像データが表す画像から前記商品の消費量を特定し、
前記2以上の時期の各々に関し特定した前記商品の消費量に基づき、前記ユーザによる前記商品の消費速度を特定する
商品提案システム。
【請求項3】
前記ユーザに前記消費速度に応じた内容量の前記商品と同種の商品の注文を促すための処理を実行する
請求項1又は2に記載の商品提案システム。
【請求項4】
前記消費速度に基づき、前記ユーザが入手済みの前記商品の残量が所定の値となる時期を特定し、当該時期において前記ユーザに前記商品と同種の商品の注文を促すための処理を実行する
請求項1又は2に記載の商品提案システム。
【請求項5】
前記消費速度に基づき、前記ユーザが入手済みの前記商品の残量が所定の値となる時期を特定し、当該時期より前に前記ユーザに毛髪の分析のための行動を促すための処理を実行する
請求項1又は2に記載の商品提案システム。
【請求項6】
撮影装置を備えるコンピュータに、
ユーザを識別する処理と、
前記ユーザにより一部が消費された商品を前記撮影装置により撮影し、当該商品の画像を表す画像データを生成する処理と、
前記画像データが表す画像から前記商品の残量を特定する処理と、
前記ユーザを識別するユーザ識別データと前記商品の残量を示す残量データとをサーバ装置に送信する処理と
を実行させるためのプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータに、
前記画像データが表す画像から前記商品を識別する処理を実行させ、
前記送信する処理において、前記ユーザ識別データと前記残量データとに加えて、前記商品を識別する商品識別データを前記サーバ装置に送信させる
ための請求項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータに、
前記ユーザを識別する処理において、前記画像データが表す画像から前記商品のユーザを識別させる
ための請求項に記載のプログラム。
【請求項9】
撮影装置を備えるコンピュータに、
ユーザを識別する処理と、
前記ユーザにより一部が消費された商品を前記撮影装置により撮影し、当該商品の画像を表す画像データを生成する処理と、
前記ユーザを識別するユーザ識別データと前記画像データとをサーバ装置に送信する処理と
を実行させるためのプログラム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、顧客からカットされた毛髪の分析結果に基づき当該顧客に商品を提案するための商品提案システムにおいて、ユーザによる商品の消費速度の特定を容易にする手段を提供する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明は、ユーザからカットされた毛髪の分析結果に基づき特定された前記ユーザに提案する商品に関する情報を示すデータを前記ユーザが使用する端末装置に送信し、異なる2以上の時期の各々における前記ユーザにより一部が消費された前記商品の残量を示す残量データを前記端末装置から受信し、前記残量データが示す前記2以上の時期の各々における前記商品の残量に基づき、前記ユーザによる前記商品の消費速度を特定する商品提案システムを提案する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2024-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからカットされた毛髪の分析結果に基づき特定された前記ユーザに提案する商品に関する情報を示すデータを前記ユーザが使用する端末装置に送信し、
異なる2以上の時期の各々における前記ユーザにより一部が消費された前記商品の残量を示す残量データを、前記ユーザに提案した商品を識別する商品識別データと共に前記端末装置から受信し、
前記ユーザに提案した商品を識別する商品識別データと共に前記端末装置から受信した前記残量データが示す前記2以上の時期の各々における残量に基づき、前記ユーザによる前記ユーザに提案した商品の消費速度を特定する
商品提案システム。
【請求項2】
ユーザからカットされた毛髪の分析結果に基づき特定された前記ユーザに提案する商品に関する情報を示すデータを前記ユーザが使用する端末装置に送信し、
異なる2以上の時期の各々において、前記ユーザにより一部が消費された前記商品を撮影した画像を表す画像データを、前記ユーザに提案した商品を識別する商品識別データと共に前記端末装置から受信し、
前記ユーザに提案した商品を識別する商品識別データと共に前記端末装置から受信した前記画像データが表す画像から前記ユーザに提案した商品の消費量を特定し、
前記2以上の時期の各々に関し特定した消費量に基づき、前記ユーザによる前記ユーザに提案した商品の消費速度を特定する
商品提案システム。
【請求項3】
前記ユーザに前記消費速度に応じた内容量の前記商品と同種の商品の注文を促すための処理を実行する
請求項1又は2に記載の商品提案システム。
【請求項4】
前記消費速度に基づき、前記ユーザが入手済みの前記商品の残量が所定の値となる時期を特定し、当該時期において前記ユーザに前記商品と同種の商品の注文を促すための処理を実行する
請求項1又は2に記載の商品提案システム。
【請求項5】
前記消費速度に基づき、前記ユーザが入手済みの前記商品の残量が所定の値となる時期を特定し、当該時期より前に前記ユーザに毛髪の分析のための行動を促すための処理を実行する
請求項1又は2に記載の商品提案システム。
【請求項6】
ユーザからカットされた毛髪の分析結果に基づき特定された前記ユーザに提案する商品に関する情報を示すデータを前記ユーザが使用する端末装置に送信するサーバ装置と通信を行う前記端末装置として機能する、撮影装置を備えるコンピュータに、
前記ユーザを識別する処理と、
前記ユーザにより一部が消費された商品を前記撮影装置により撮影し、当該商品の画像を表す画像データを生成する処理と、
前記画像データが表す画像から当該画像に含まれる商品を識別する処理と、
前記画像データが表す画像から当該画像に含まれる商品の残量を特定する処理と、
前記識別する処理において識別した商品が前記ユーザに提案された商品と一致する場合に、前記ユーザを識別するユーザ識別データと、前記商品を識別する商品識別データと、前記商品の残量を示す残量データとをサーバ装置に送信する処理と
を実行させるためのプログラム。
【請求項7】
ユーザからカットされた毛髪の分析結果に基づき特定された前記ユーザに提案する商品に関する情報を示すデータを前記ユーザが使用する端末装置に送信するサーバ装置と通信を行う前記端末装置として機能する、撮影装置を備えるコンピュータに
前記ユーザを識別する処理と、
記ユーザにより一部が消費された商品を前記撮影装置により撮影し、当該商品の画像を表す画像データを生成する処理と、
前記画像データが表す画像から、前記撮影装置により撮影された商品のユーザを識別するユーザ識別データを特定する処理と、
前記画像データが表す画像から当該画像に含まれる商品を識別する処理と、
前記画像データが表す画像から当該画像に含まれる商品の残量を特定する処理と、
前記ユーザを識別するユーザ識別データと、前記商品を識別する商品識別データと、前記商品の残量を示す残量データとをサーバ装置に送信する処理と
前記ユーザ識別データを特定する処理において特定したユーザ識別データに基づき、前記ユーザを識別する処理において識別されたユーザと異なるユーザが使用している商品が誤って撮影された場合、当該誤りを検知する処理と
を実行させるためのプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明は、ユーザからカットされた毛髪の分析結果に基づき特定された前記ユーザに提案する商品に関する情報を示すデータを前記ユーザが使用する端末装置に送信し、異なる2以上の時期の各々における前記ユーザにより一部が消費された前記商品の残量を示す残量データを、前記ユーザに提案した商品を識別する商品識別データと共に前記端末装置から受信し、前記ユーザに提案した商品を識別する商品識別データと共に前記端末装置から受信した前記残量データが示す前記2以上の時期の各々における残量に基づき、前記ユーザによる前記ユーザに提案した商品の消費速度を特定する商品提案システムを提案する。