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特開2024-119746長手方向テープを有する海底電力ケーブル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119746
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】長手方向テープを有する海底電力ケーブル
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/14 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
H01B7/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024009995
(22)【出願日】2024-01-26
(31)【優先権主張番号】23156549
(32)【優先日】2023-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519099829
【氏名又は名称】エヌケーティー エイチブイ ケーブルズ エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ラングストローム, ソニー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】鉛フリーの遮水材で、溶接欠陥の問題を解決または少なくとも緩和する海底電力ケーブルを提供する。
【解決手段】海底電力ケーブルは、導体と、導体の周りに配置された絶縁系であって、内側半導体層、内側半導体層の周りに配置された絶縁層および絶縁層の周りに配置された外側半導体層を備える絶縁系と、絶縁系の周りに配置され、長手方向の溶接シーム(21)を有する金属製遮水層(13)と、金属製遮水層(13)の半径方向外側に配置され、溶接シーム(21)に沿って軸方向に延在し、溶接シーム(21)に接合される金属製テープ(23)と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体(3)と、
前記導体(3)の周りに配置された絶縁系(5)であって、内側半導体層(7)、前記内側半導体層(7)の周りに配置された絶縁層(9)、および前記絶縁層(9)の周りに配置された外側半導体層(11)を備える絶縁系(5)と、
前記絶縁系(5)の周りに配置され、長手方向の溶接シーム(21)を有する金属製遮水層(13)と、
前記金属製遮水層(13)の半径方向外側に配置され、前記溶接シーム(21)に沿って軸方向に延在し、前記溶接シーム(21)に接合される金属製テープ(23)と
を備える、海底電力ケーブル(1)。
【請求項2】
前記金属製テープ(23)が、前記金属製テープ(21)の軸方向長さ全体に沿って前記溶接シーム(21)に沿って延在する、請求項1に記載の海底電力ケーブル(1)。
【請求項3】
前記金属製テープ(23)が、接着剤またははんだによって前記溶接シーム(21)に接合される、請求項1または2に記載の海底電力ケーブル(1)。
【請求項4】
前記はんだが最大200℃の溶融温度を有する、請求項3に記載の海底電力ケーブル(1)。
【請求項5】
前記金属製遮水層(13)の周りに配置された押出ポリマーシース(15)を備える、前記請求項のいずれかに記載の海底電力ケーブル(1)。
【請求項6】
前記ポリマーシース(15)が前記金属製テープ(23)と直接接触して配置される、請求項5に記載の海底電力ケーブル(1)。
【請求項7】
前記金属製遮水層(13)が滑らかな外面を有する、前記請求項のいずれかに記載の海底電力ケーブル(1)。
【請求項8】
前記金属製テープ(13)が前記金属製遮水層(13)と同じ材料から作製される、前記請求項のいずれかに記載の海底電力ケーブル(1)。
【請求項9】
前記金属製遮水層(13)が銅材料またはステンレス鋼のうちの1つを含む、前記請求項のいずれかに記載の海底電力ケーブル(1)。
【請求項10】
高電圧ACまたはDC海底電力ケーブルである、前記請求項のいずれかに記載の海底電力ケーブル(1)。
【請求項11】
前記請求項のいずれかに記載の海底電力ケーブル(1)を製造する方法であって、
a)前記絶縁系(5)の周りに金属製シース(25)を巻き付けることと、
b)前記金属製シース(25)の対向する縁部(25a、25b)を長手方向に溶接して、前記溶接シーム(21)を有する前記金属製遮水層(13)を形成することと、
c)前記金属製テープ(23)を前記溶接シーム(21)の上および前記溶接シーム(21)に沿って敷設することと、
d)前記金属製テープ(23)を加熱して、前記金属製テープ(23)を前記溶接シーム(21)と接合することと
を含む、方法。
【請求項12】
前記金属製テープ(23)が接着剤またははんだが設けられた内面を有し、ステップd)が、前記接着剤またははんだが前記溶接シーム(21)と融合するように前記接着剤またははんだを溶融することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ステップd)が、前記金属製遮水層(13)および前記金属製テープ(23)の周りにポリマーシース(15)を押出し、それによって前記金属製テープ(13)を加熱することを含む、請求項11または12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、海底電力ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
海底電力ケーブルは、従来、絶縁系を保護する半径方向の遮水材として作用する鉛製シースを有していた。
【0003】
鉛フリーの半径方向遮水材設計に向かう傾向がある。例えば、銅、様々な銅合金、アルミニウム、およびステンレス鋼の遮水材が提案されている。鉛製シースは押出成形することができるが、代替金属のシースは、例えば溶融温度が高いため、一般に押出成形することができない。
【0004】
典型的には、遮水材は、まず絶縁系の周りに金属製テープを長手方向に巻き付け、次いで金属製テープの対向する縁部をケーブルの長手方向に溶接することによって作製される。しかしながら、溶接プロセスには様々な課題があり、これは遮水材の品質に影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
局所的な溶接欠陥は、長時間の溶接プロセス中に様々な理由で発生する可能性がある。電力ケーブルの絶縁系を覆う、薄くて溶接された金属製シースの場合、溶接欠陥は、絶縁系への水分/水の侵入のリスクを増加させる可能性があり、したがって電気的破壊のリスクを潜在的に増加させる可能性があるため、特に重要である場合がある。
【0006】
溶接プロセス時間が長く、その結果ケーブル長が長い場合、存在する可能性のある溶接欠陥の量およびサイズを完全に監視することは困難である可能性が高い。また、たとえ可能であっても、重大な大きな溶接欠陥のインライン修復を実行することは非常に煩雑である。
【0007】
欧州特許第3792938号明細書は、電力ケーブルを製造するためのプロセスであって、電気導体を備え、外径を有する電力ケーブル芯線を提供することと、銅箔を折り畳んで各電力ケーブル芯線の周りに銅製シースを提供した後、銅製シースが電力ケーブル芯線の外径よりも5~15mm大きい内径を有するような幅を有する銅箔を提供することと、半径方向内側および外側表面を有し、銅から作製され、少なくとも半径方向外側表面上に、90℃~250℃に含まれる溶融温度を有する金属または金属合金から作製されたコーティングを有する保護ストリップを、溶接ダイに実質的に一致する位置で電力ケーブル芯線の上に提供することと、2つの長手方向銅箔リムを互いに接触させるように電力ケーブル芯線の周りに銅箔を折り畳むことと、2つの接触した長手方向の銅箔リムを溶接ダイで溶接して、溶接シームを有し、直径を有するチューブの形態の銅製シースを得ることと、銅製シースの直径を縮小して電力ケーブル芯線および保護ストリップと直接接触させることと、保護ストリップおよび銅製シースをストリップのコーティングの溶融温度より高い温度で加熱して、コーティングを溶接シーム内で融合させることと、銅製シースの周りにポリマーシースを押出することとを含む、プロセスを開示している。
【発明の概要】
【0008】
上記に鑑みて、本開示の目的は、先行技術の問題を解決または少なくとも緩和する海底電力ケーブルを提供することである。
【0009】
したがって、本開示の第1の態様によれば、導体と、導体の周りに配置された絶縁系であって、内側半導体層、内側半導体層の周りに配置された絶縁層、および絶縁層の周りに配置された外側半導体層を備える絶縁系と、絶縁系の周りに配置され、長手方向の溶接シームを有する金属製遮水層と、金属製遮水層の半径方向外側に配置され、溶接シームに沿って軸方向に延在し、溶接シームに接合される金属製テープとを備える、海底電力ケーブルが提供される。
【0010】
欧州特許第3792938号明細書と比較して、溶接シームに対する金属製テープの位置は、溶接前に溶接シームの下ではなく溶接シーム上に適用され、縮径が生じるため、より良好に制御することができる。したがって、溶接シームに沿ってピンホール/亀裂/微小孔を充填するために、溶接シームとの融合が実際に所望のように行われることをより確実にすることができる。
【0011】
一実施形態によれば、金属製テープは、溶接シームの軸方向長さ全体に沿って溶接シームに沿って延びる。
【0012】
一実施形態によれば、金属製テープは、接着剤またははんだによって溶接シームに接合される。
【0013】
一実施形態によれば、はんだは、最大200℃の溶融温度を有する。
【0014】
一実施形態は、金属製遮水層の周りに配置された押出ポリマー層を含む。
【0015】
一実施形態によれば、ポリマー層は、金属製テープと直接接触して配置される。
【0016】
一実施形態によれば、金属製遮水層は、滑らかな外面を有する。
【0017】
一実施形態によれば、金属製テープは、金属製遮水層と同じ材料から作製される。
【0018】
一実施形態によれば、金属製遮水層は、銅材料またはステンレス鋼のうちの1つを含む。
【0019】
一例によれば、銅材料は少なくとも99重量%の銅と、最大で0.1重量%の酸素とを含む。
【0020】
一例によれば、銅材料は、Cu-DHP、Cu-ETP、またはCu-OFである。これらの銅材料は、意図的に合金化された銅ではなく、凝固中に硬化プロセスを受けない1相金属であり、これは溶接品質にとって最も有益である。
【0021】
ステンレス鋼は、一例によれば、Schaeffler-DeLong構成図に従って、16~25の範囲のクロム当量および11~22の範囲のニッケル当量を有することができ、クロム当量は、式%Cr+%Mo+1.5×%Si+0.5×%Nbに従って計算され、ニッケル当量は、式%Ni+0.5×%Mn+30×(%C+%N)に従って計算される。
【0022】
一実施形態によれば、ステンレス鋼は、ASTM A240/A240M-22bによって定義される304、304L、316、もしくは316L、316Ti、316Cb 321、もしくは347型、またはEN10088-1:2005によるその等価物のうちの1つから選択されるオーステナイト系ステンレス鋼型である。
【0023】
一実施形態によれば、海底電力ケーブルは、高電圧ACまたはDC海底電力ケーブルである。
【0024】
高電圧とは、30kV以上の海底電力ケーブルの公称電圧を意味する。
【0025】
一実施形態によれば、海底電力ケーブルは動的海底電力ケーブルである。
【0026】
一実施形態によれば、海底電力ケーブルは静的海底電力ケーブルである。
【0027】
本開示の第2の態様によれば、第1の態様の海底電力ケーブルを製造する方法であって、a)絶縁系の周りに金属製シースを巻き付けることと、b)金属製シースの対向する縁部を長手方向に溶接して、溶接シームを有する金属製遮水層を形成することと、c)金属製テープを溶接シームの上および溶接シームに沿って敷設することと、d)金属製テープを加熱して、金属製テープを溶接シームと接合することとを含む方法が提供される。
【0028】
一実施形態によれば、金属製テープは、接着剤またははんだが設けられた内面を有し、ステップd)は、接着剤またははんだが溶接シームと融合するように接着剤またははんだを溶融することを含む。
【0029】
一実施形態によれば、ステップd)は、金属製遮水層および金属製テープの周りにポリマー層を押出し、それによって金属製テープを加熱することを含む。
【0030】
ステップb)における溶接は、自生溶接であってもよい。
【0031】
一実施形態によれば、自生溶接は、レーザ溶接、タングステン不活性ガス(TIG)溶接、またはプラズマ自生溶接のうちの1つである。
【0032】
一般に、特許請求の範囲で使用されるすべての用語は、本明細書で特に明示的に定義されない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「1つの(a/an/the)要素、器具、構成要素、手段」などへのすべての言及は、特に明記されない限り、要素、器具、構成要素、手段などの少なくとも1つの例を指すものとしてオープンに解釈されるべきである。
【0033】
ここで、添付の図面を参照して、本発明概念の具体的な実施形態を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】海底電力ケーブルの一例の断面図を概略的に示す図である。
図2図1の海底電力ケーブルの断面の一領域の拡大図である。
図3】海底電力ケーブルの製造方法を示す図である。
図4】絶縁系の周りに配置された金属製シースの自生溶接の斜視図を概略的に示す図である。
図5】溶接シーム上に設けられた金属製テープの斜視図を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ここで、例示的な実施形態が示されている添付の図面を参照して、本発明概念を以下により完全に説明する。しかしながら、本発明概念は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明概念の範囲を当業者に完全に伝えるように、例として提供される。説明全体を通して、同様の番号は同様の要素を指す。
【0036】
図1は、海底電力ケーブル1の一例の断面を示す。例示的な海底電力ケーブル1は、単芯線海底電力ケーブルを示しているが、海底電力ケーブル1は、代替的に多芯線海底電力ケーブルであってもよい。
【0037】
海底電力ケーブル1は、AC海底電力ケーブルであっても、DC海底電力ケーブルであってもよい。
【0038】
海底電力ケーブル1は、導体3と、導体3の周りに配置された絶縁系5とを備える。
【0039】
絶縁系5は、導体3の周りに配置された内側半導体層7と、内側半導体層7の周りに配置された絶縁層9と、絶縁層9の周りに配置された外側半導体層11とを備える。
【0040】
絶縁系5は、押出絶縁系であっても、油などの絶縁流体を含浸させた紙ベースの絶縁系であってもよい。
【0041】
絶縁系5が押出絶縁系である場合、絶縁系は、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンゴム(EPR)またはエチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDM)などのポリマー材料を含む。
【0042】
海底電力ケーブル1はまた、金属製遮水層13を備える。金属製遮水層13は、滑らかであってもよく、すなわち波形でなくてもよい。
【0043】
金属製遮水層13は、長手方向の溶接シームを有する。溶接シームは、一例によれば、充填剤材料なしで形成されてもよい。したがって、金属製遮水層13は、自生溶接されていてもよい。
【0044】
海底電力ケーブル1は、金属製遮水層13の周りに配置されたポリマーシース15を備えてもよい。
【0045】
海底電力ケーブル1は、複数の細長い外装要素17を備える外装層を備えてもよい。外装層は、ポリマーシース15の周りに配置される。
【0046】
さらに、海底電力ケーブル1は、外装層の周りに配置された外側シースまたは外側サービング19を備えてもよい。外側シースまたは外側サービング19は、海底電力ケーブル1の最外層を形成することができる。
【0047】
海底電力ケーブルが、多芯線海底電力ケーブルである例では、各芯線は、ポリマーシース15まで上述した一般的な構造を有する。芯線は、すべての芯線の周りに配置された任意選択の外装層を有する撚り合わせた構成で配置される。
【0048】
図2は、図1に示す海底電力ケーブル1のいくつかの細長い外装要素17、ならびに下にあるポリマーシース15および金属製遮水層13の拡大図を概略的に示す。金属製遮水層13の溶接シーム21の断面も見ることができる。
【0049】
海底電力ケーブル1は、溶接シーム21に沿って、金属製遮水層13の半径方向外側に配置された金属製テープ23を備える。したがって、金属製テープ23は、海底電力ケーブル1の長手方向または軸方向に沿って延在する。金属製テープ23は、溶接シーム21の軸方向長さ全体に沿って、すなわち、海底電力ケーブル1の長手方向軸に沿って延在する。
【0050】
金属製テープ23は、溶接シーム23の軸方向延長部全体に沿って溶接シーム21に接合される。したがって、溶接シーム21の半径方向外側に位置する溶接シーム21の軸方向延長に沿った溶接欠陥は、金属製テープ23と溶接シーム23との間の接合の結果として充填することができる。
【0051】
金属製テープ23は、金属製遮水層13と同じ材料から作製されても、同様の品質の材料から作製されてもよい。同様の品質とは、必ずしも金属製遮水層13と正確に同じ種類ではないが、例えば、金属製遮水層13がCu-DHP、Cu-ETP、またはCu-OFなどの無酸素銅から作製される場合、金属製テープ23も無酸素銅から作製されることを意味する。さらに、ステンレス鋼が、式%Cr+%Mo+1.5×%Si+0.5×%Nbに従ってクロム当量を計算し、式%Ni+0.5×%Mn+30×(%C+%N)に従ってニッケル当量を計算するSchaeffler-DeLong構成図に従って、16~25の範囲内のクロム当量および11~22の範囲内のニッケル当量を有する場合、金属製テープ23はまた、上述のSchaeffler-DeLong構成図によって定義されるその領域内に入るタイプのステンレス鋼から作製されてもよい。
【0052】
ポリマーシース15は、押出層であってもよい。ポリマーシース15は、製造中に金属製テープ23が溶接シーム23上に配置された後、金属製遮水層13上に押出されてもよい。押出プロセス中にポリマーシース15を形成するポリマー材料の温度は、溶接シーム21に面する金属製テープ23の内面に設けられた接着剤またははんだを溶融する。したがって、接着剤またははんだは溶融し、金属製テープ23を溶接シーム21に接合する。
【0053】
ポリマーシース15は、金属製テープ23と直接接触して配置されてもよい。一例によれば、海底電力ケーブル1は、ポリマーシース15と金属製遮水層13との間に配置された接着層を有してもよい。この場合、接着剤は、ポリマーシース15を金属製遮水層13および金属製テープ23に接合する。
【0054】
図3図5を参照して、海底電力ケーブル1などの海底電力ケーブルを製造する方法をより詳細に説明する。
【0055】
ステップa)において、図4に示す金属製シース25が絶縁系5の周りに巻き付けられる。したがって、ステップa)の前に、導体3が製造され、絶縁系5は、例えば押出成形によって、または導体3の周りに紙の層を巻き付けることによって、導体3の周りに設けられている。
【0056】
ステップb)において、金属製シース25の対向する縁部25aおよび25bが長手方向に溶接されて、溶接シーム21を有する金属製遮水層13を形成する。溶接は、溶接装置27によって行われる。溶接は、例えば自生溶接であってもよく、すなわち、対向する縁部25aおよび25bは、充填剤材料を使用せずに互いに溶接されてもよい。
【0057】
ステップb)の後、金属製遮水層13は、例えば、ローラーまたはダイを用いて縮径処理されてもよい。
【0058】
ステップc)において、金属製テープ23が溶接シーム21の上および溶接シームに沿って敷設される。したがって、金属製テープ23は、溶接シーム21に沿って長手方向にストリップとして敷設される。金属製テープ23は、溶接シーム21に面する内面に、ホットメルト接着剤やはんだなどの溶融可能な接合材料を有する。はんだは、例えば、最大200℃の溶融温度を有してもよい。
【0059】
ステップd)において、金属製テープ23を加熱して、金属製テープ23を溶接シーム21に接合する。金属製テープ23は、少なくとも接着剤またははんだの溶融温度まで加熱される。加熱により、接着剤またははんだは溶融し、溶接シーム21と融合する。
【0060】
ステップd)は、金属製遮水層13および金属製テープ23の周りにポリマーシース15を押出し、それによって金属製テープ23を加熱し、接着剤またははんだを溶融させることを含んでもよい。この場合、押出温度は、好ましくは接着剤またははんだの溶融温度よりも高い。
【0061】
本発明概念は、主に少数の例を参照して上述されている。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定義されるような、上記で開示されたもの以外の他の実施形態も本発明概念の範囲内で等しく可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】