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特開2024-119760情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119760
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240827BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20240827BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06N20/00
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024021667
(22)【出願日】2024-02-16
(31)【優先権主張番号】P 2023026361
(32)【優先日】2023-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】593085428
【氏名又は名称】三菱総研DCS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207619
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 知晴
(72)【発明者】
【氏名】永田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】武内 亜美
(57)【要約】
【課題】統計等に不慣れなユーザであっても、より利用しやすく、製造業等に有益な情報提供できる技術を提供すること。
【解決手段】学習用データ管理部60は、ユーザ装置2から送信されてくる生データを取得する。工程表生成部62は、前記物品の製造工程を複数の工程に分類するための画像を提示する。工程表提示部82は、学習用DB300に格納された学習用データの内容に基づいて、工程表に関する各種画像を生成し、その画像をユーザに提示する。データ項目受付部90は、工程表に関する各種画像を提示されたユーザから複数の工程のそれぞれに関するデータ項目の選択を受け付ける。学習処理部68は、学習用データDB300に格納されている学習用データに対して、統計的機械学習に関する処理を実行し、学習用データにおける統計的性質を反映した予測モデル及び各種アルゴリズム等を学習結果として生成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の製造に関する統計的な学習処理に利用され得る情報処理装置であって、
ユーザからの入力に基づいて、前記物品の製造工程にかかる画像である工程表を生成する工程表生成部と、
前記工程表に含まれる前記工程のそれぞれに前記学習にかかるデータ項目を設定するデータ項目設定部と、
設定された前記データ項目の内容に基づいて、前記学習処理の条件を決定する学習条件決定部と、
前記学習条件決定部で決定された学習条件に基づいて、前記学習処理を行い、前記学習処理の結果を出力する学習処理部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記学習条件決定部は、前記学習処理において使用しないデータ項目の選択を受け付ける不使用データ項目受付部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データ項目のそれぞれの相関係数を算出する相関係数処理部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記学習処理部は、加工にかかる前記データ項目と測定にかかる前記データ項目のうち、加工にかかる前記データ項目を優先的に利用して、前記学習処理の結果を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
物品の製造に関する統計的な学習処理に利用され得る情報処理装置が実行する情報処理方法であって
ユーザからの入力に基づいて、前記物品の製造工程にかかる画像である工程表を生成する工程表生成ステップと、
前記工程表に含まれる前記工程のそれぞれに前記学習にかかるデータ項目を設定するデータ項目設定ステップと、
設定された前記データ項目の内容に基づいて、前記学習処理の条件を決定する学習条件決定ステップと、
前記学習条件決定部で決定された学習条件に基づいて、前記学習処理を行い、前記学習処理の結果を出力する学習処理ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項6】
物品の製造に関する統計的な学習処理に利用され得る情報処理装置が実行するプログラムであって
ユーザからの入力に基づいて、前記物品の製造工程にかかる画像である工程表を生成する工程表生成ステップと、
前記工程表に含まれる前記工程のそれぞれに前記学習にかかるデータ項目を設定するデータ項目設定ステップと、
設定された前記データ項目の内容に基づいて、前記学習処理の条件を決定する学習条件決定ステップと、
前記学習条件決定部で決定された学習条件に基づいて、前記学習処理を行い、前記学習処理の結果を出力する学習処理ステップと、
を含むプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、製造業等において、目的に適った製品の特徴や製品の最適な製造工程の条件等を決定することは容易ではない。そのため、最適な製造条件を決定するには、多くの試作品を作成し、試作する等の多大な費用や時間がかかる方法が採用されていた。
例えば、特許文献1には、金属製品を製造するための複数の製造工程の各工程を経た段階の中間製品の特徴および金属製品の特徴を、数式群を用いて算出して出力することで、金属製品の製造に適した製造条件を決定する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-184196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術を含む従来技術によれば、単に複数の製造工程毎に出力された値に基づいて、金属製品の特徴を示す予測値を算出するに過ぎず、数式等を用いた統計処理に長けた者でなければ取り扱うことが困難である。さらに、製造業の多種多様な状況に対応した製造条件を決定するにも不十分である。
【0005】
また、このような問題を解決するための方法として、機械学習等を利用する方法も考えられる。しかし、機械学習等を利用する場合であっても、各種パラメータの設定や選択など、従来の製造業を行っていた技術者等の統計処理に不慣れなユーザには非常に扱いにくい仕様とならざるを得ない。なお、機械学習等を利用した製造条件の決定を補助する方法の詳細は、本出願人による特願2022-74143、特願2022-74144等を参照されたい。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、統計等に不慣れなユーザであっても、より利用しやすく、製造業等に有益な情報提供できる技術を提供することを目的とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
物品の製造に関する統計的な学習処理に利用され得る情報処理装置であって、
ユーザからの入力に基づいて、前記物品の製造工程にかかる画像である工程表を生成する工程表生成部(例えば、工程表生成部62)と、
前記工程表に含まれる前記工程のそれぞれに前記学習にかかるデータ項目を設定するデータ項目設定部(例えば、データ項目受付部90)と、
設定された前記データ項目の内容に基づいて、前記学習処理の条件を決定する学習条件決定部(例えば、学習条件決定部64)と、
前記学習条件決定部で決定された学習条件に基づいて、前記学習処理を行い、前記学習処理の結果を出力する学習処理部(例えば、学習処理部68)と、
を備える。
【0008】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムも、本発明の一態様の情報処理装置に対応する情報処理方法又はプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、統計等に不慣れなユーザであっても、より利用しやすく、製造業等に有益な情報提供できる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
図2図1の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図2のサーバ及び図1のユーザ装置の機能的構成のうち、パラメータ設定処理に係る機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4図3のユーザ装置に表示される画像の一例を示す図である。
図5図3のユーザ装置に表示される画像の一例を示す図であり、図4の例とは異なる例を示す図である。
図6図3のユーザ装置に表示される画像の一例を示す図であり、図4及び図5の例とは異なる例を示す図である。
図7図3のユーザ装置に表示される画像の一例を示す図であり、図4乃至図6の例とは異なる例を示す図である。
図8図3のユーザ装置に表示される画像の一例を示す図であり、図4乃至図7の例とは異なる例を示す図である。
図9図3のサーバにより実行されるデータ項目設定処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<概要の説明>
以下、本発明の一実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【0012】
ここで、図1の説明をするに先立ち、本発明の一実施形態に係る情報処理システムを構築した背景を簡単に説明する。上述の通り、本発明の出願人等は、以前より、機械学習等の統計的な手法を用いて、物品の製造条件の決定を補助する方法を提案している(特願2022-74143、特願2022-74144等を参照)。しかし、特に製造業のように専門的な知見が必要な領域でデータ分析を行う場合、データ分析に関する知識と専門分野のドメイン知識のいずれもが必要となる。したがって、単に完成品として機械学習のエンジンを生成するのではなく、現場の技術者が、自分たちでデータ分析を行ったり、精度の悪い時には適宜試行錯誤して改善できることが望ましい。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、より容易に扱うことのできる機械学習等の統計的な手法を用いた物品の製造条件の決定を補助する方法を提案する。
【0013】
図1に示すように、本システムは、サーバ1と、ユーザ装置2とを含み構成される。サーバ1と、ユーザ装置2とは、インターネット等による所定のネットワークNを介して相互に接続されている。
なお、ネットワークNは、必須な構成要素ではなく、例えば、NFC(Near Field Communication)、ブルートゥース(登録商標)、LAN(Local Area Network)等が利用されてもよい。
【0014】
<ハードウェア構成>
図2は、図1の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
サーバ1は、パーソナルコンピュータ等で構成される。図2に示すように、サーバ1は、制御部11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0015】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータ等で構成され、ROM12に記録されているプログラム、または、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、制御部11が各種の処理を実行する上において必要な情報等も適宜記憶される。
【0016】
制御部11、ROM12およびRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、ドライブ20が接続されている。
【0017】
出力部16は、各種液晶ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
【0018】
入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
【0019】
記憶部18は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等で構成され、各種データを記憶する。本実施形態では、例えば、各種プログラムや各種データベースを含む各種情報が記憶されている。
【0020】
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば、ユーザ装置2)との間で行う通信を制御する。
【0021】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。またリムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0022】
なお、ユーザ装置2のハードウェア構成は、サーバ1のハードウェア構成と基本的に同様とすることができるので、ここでは説明を省略する。
【0023】
図3は、図2のサーバ及び図1のユーザ装置の機能的構成のうち、パラメータ設定処理に係る機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図3に示すように、サーバ1の制御部11には、学習用データ管理部60と、工程表生成部62と、学習条件決定部64と、相関係数処理部66と、学習処理部68とが設けられている。
また、サーバ1の記憶部18の一領域には、学習用データDB300と、学習結果DB400が設けられている。
学習用データDB300には、ユーザから事前に取得された生データ(データ項目毎に実測された数値データ等)に、学習用の前処理を施して生成された各種学習用データが格納されている。
学習結果DB400には、後述する学習の結果生成された学習結果(学習の結果生成された予測モデル、各種パラメータ等)が格納されている。
【0025】
サーバ1の学習用データ管理部60は、ユーザ装置2から送信されてくる生データを取得する。学習用データ管理部60は、取得した生データに基づいて学習用データを生成し、その情報を学習用データDB300に格納する。
【0026】
工程表生成部62は、前記物品の製造工程を複数の工程に分類するための画像を提示する。具体的に工程表生成部62は、所定の物品の製造工程を複数の製造工程に分類して表示するための製造工程に関する画像を生成し、その画像を、ユーザ装置2を介してユーザに提示する。
これにより、ユーザは自身の知識や経験に基づいて自由に工程表を作成することができる。なお、ユーザは、新しく任意の工程表を作成することもできるし、作成された工程表を自由に変更することもできる。
【0027】
ここで、工程表生成部62には、データ項目選択受付部80と、工程表提示部82とが設けられている。
データ項目選択受付部80は、ユーザによる「最終検査目標値」と「最終検査結果値」の選択を受け付ける。
ここで、最終検査目標値とは、ユーザが物品の製造条件を検討するに際して最終的に物品の目標とする項目値(例えば、製品の品質等)を意味している。他方、最終検査結果値とは、製造した物品(例えば、完成したチョコレート)で実際に測定される項目値を意味している。
なお、最終検査目標値や最終検査結果値の定義や名称は、あくまでも例示であり、限定されない。
【0028】
工程表提示部82は、学習用データDB300に格納された学習用データの内容に基づいて、工程表に関する各種画像を生成し、その画像をユーザに提示する。また、工程表提示部82は、提示した工程表に関する各種画像を確認したユーザからの入力操作に関する情報を受け付け、その内容に応じて、適宜、工程表の内容を変更する(工程の追加や変更を行う)。
なお、工程表とは、所定の物品を製造するための製造工程を分かりやすく表示するための図又は表であり、詳細は、図5及び図6等を参照しつつ後述する。
【0029】
学習条件決定部64は、ユーザから受け付けられたデータ項目の内容に基づいて、後述する学習の条件を決定する。
具体的に、学習条件決定部64には、データ項目受付部90と、不使用データ項目受付部92とが設けられている。
データ項目受付部90は、工程表に関する各種画像を提示されたユーザから複数の工程のそれぞれに関するデータ項目の選択を受け付ける。
不使用データ項目受付部92は、学習において使用しないデータ項目の選択を受け付ける。
なお、ここで言うデータ項目は、学習用データにおいて事前に設定された所定の測定項目のそれぞれを示している。学習用データには、それぞれのデータ項目に対応する実際の測定結果が、リストや表の形式で各種データベース等に格納されている。ただし、実際に測定結果が格納されているか否かは、ユーザ等の任意であり、測定結果の格納されていないデータ項目があってもよい。なお、学習条件決定部64による学習条件の決定方法は、例えば、図6乃至図8等を参照しつつ後述する。
【0030】
相関係数処理部66は、所定のデータ項目(例えば、予測対象のデータと製造条件)間の相関係数を算出し、その情報を、ユーザ装置2を介してユーザに提示する。なお、相関係数処理部66が相関係数を算出するデータ項目は予測対象のデータ項目と製造条件に限られず、他の任意のデータ項目間の相関係数を算出し、提示してもよい。
【0031】
そして、学習条件決定部64は、データ項目受付部90で選択が受け付けられたデータ項目と、不使用データ項目受付部92で選択が受け付けられたデータ項目、相関係数処理部66の算出結果に対するユーザの入力内容等に基づいて、最終的な学習条件を決定する。
【0032】
学習処理部68は、学習用データDB300に格納されている学習用データ及び学習条件決定部64で決定された学習条件等に基づいて、学習処理を実行する。具体的に学習処理部68は、学習用データDB300に格納されている学習用データに対して、統計的機械学習に関する処理を実行し、学習用データにおける統計的性質を反映した予測モデル及び各種アルゴリズム等を学習結果として生成する。
なお、学習処理部68が実行する統計的機械学習の手法は任意であるが、本実施形態では、例えば、ニューラルネットワークやスパースモデリングによる回帰モデル等を組み合わせた方法により学習結果を生成する。
【0033】
ここで、図3に示すようにユーザ装置2の詳細な機能的構成の記載は省略する。
具体的に例えば、ユーザ装置2は、サーバ1から送信されてきた各種画像等を図示せぬ表示部に表示する、ユーザからの入力操作等を受け付け、その情報をサーバ1へ送信する等の処理を実行する。
【0034】
図4は、図3のユーザ装置に表示される画像の一例を示す図である。
具体的に図4は、最終検査目標値と最終検査結果値の選択に関して、ユーザ装置2に表示される画像の一例を示している。
【0035】
図4の例では、一例としてチョコレート製造工程に関する各種パラメータが表示されている。
具体的に図4の例では、最終検査目標値として、「目標滑らかさ」というデータ項目が、最終検査結果値として、「実測した滑らかさ」のデータ項目が選択されている。また、図4の下部には、選択されていないその他のデータ項目の候補が表示されている。ユーザは、このようにして表示されたデータ項目のうち任意のデータ項目を選択し、選択確定ボタンK1を押下することで、最終検査目標値及び最終検査結果値のデータ項目として決定することができる。
なお、ここで表示されている各データ項目は、本システムにより事前に設定された任意のデータ項目でもよいし、ユーザから取得された生データ又は学習用データにおいて設定されたデータ項目であってもよい。
【0036】
これに対して、図5は、データ項目の割り当てに際してユーザ装置2に表示される画像の一例を示している。
図5の例は、チョコレートの製造工程に合わせて作成された工程表と、それぞれの工程に設定可能なパラメータの候補が合わせて表示されている。なお、ユーザは、上述の通り、工程表を作成するための基盤となる画像や図5に示す画像を確認しながら、必要に応じて自由に任意の工程を追加又は削除することができる。
具体的に図5の例では、チョコレートの製造工程の一例として、工程開始時の材料情報(開始時)、カカオを炒る(第1工程)、カカオを砕く(第2工程)、混合(第3工程)、微粒化(第4工程)、精錬(第5工程)、調温(第6工程)、型取り(最終工程)という工程が設定され、工程表として表示されている。
さらにユーザは、図5に示す画像を確認しながら、各工程に関連するデータ項目を設定することができる。具体的に図5の例では、各工程に関連する加工値(どういう条件でものを製造するか)及び中間検査結果値(製造の結果実測される値、制御できない製造条件)を設定することができる。
【0037】
ここで、本システムにおいて、加工値として設定されるデータ項目と中間検査結果値として設定されるデータ項目は明確に異なる概念として扱われ、学習に利用されてもよい。本システムは、例えば、学習において加工値として設定されたデータ項目のみを用いて十分な精度の学習を行うことができるか否かを検討し、必要な場合のみ中間検査結果値として設定されるデータ項目を利用して学習を行ってもよい。
そもそも、本システムにおいて、物品の最終検査結果値と製造条件との関係を学習させる場合、単にすべての製造条件を並列的に学習させるのではなく、できる限り制御可能な製造条件のみを利用して学習させる方が望ましい。この点、例えば、図5の中間検査結果値は製造工程における事前の工程の結果として観測される観測値であり、任意の値に変更することは困難である。そのため、本システムは、例えば、中間検査結果値を目的変数に設定し、それより事前の各製造工程のデータ項目を説明変数に設定の上、それらの関係を学習させ、学習の精度が低ければ該当する中間検査結果値を残し、学習の精度が高ければ中間検査結果値を除外することができる。本システムは、このような製造条件の選別を行うことで、よりユーザにとって利用しやすい学習環境を提供することができる。
【0038】
これらの作業を行うことで、ユーザは、結果として、学習に利用するデータ項目の取捨選択を容易に実現することができる。そして、図5の例では、ユーザは、各工程に関連するデータ項目を選択し、工程表作成ボタンK2を押下することで、工程表の作成を次の段階に進めることができる。なお、ユーザは、例えば、学習に利用しないデータ項目は選択しなくてもよい。
ユーザは、このように画面に表示されている作成途中の工程表を確認しながら、自由に任意の工程表を作成でき、また、製造工程の追加や削除を行うことで各製造工程の切り分けや流れを自由に変更することもできる。
そして、ユーザは、そのようにして作成された工程表を用いて、自由に学習に利用する各データ項目を各工程に振り分けたり、製造工程に関係のないデータ項目を削除する等を容易に行うことができる。特に製造業等の分野において、自社の製品や製造工程を熟知しているユーザがこのような処理を行うことで、より精度の高い学習や効率的な学習が実現し得る。
【0039】
このようにして生成された最終的な工程表は、例えば、図6に表示されている画像として表示される。ここで、ユーザは、図6の画像を確認することで作成した工程表に誤りがないことを確認するとともに、任意のデータ項目を選択することができる。図6の例では、第6工程における「練り上げ時温度」と「練り上げ時間(2)」のデータ項目が選択され、斜線で表示されている。
このようにして選択されたデータ項目は、図7で示す学習に使用するデータ項目の選別画面において、ユーザが知りたいデータ項目として設定される。これにより、ユーザは、完成された工程表の内容を確認しながら各データ項目の設定が正しいか否かを確認しつつ、自身の知りたいデータ項目を選択し、工程表確定ボタンK3を押下することで工程表の内容を確定することができる。
なお、ここで言うユーザの知りたいデータ項目とは、目標とするスペック(目標滑らかさ)を達成するにあたり、最適な製造条件を知りたいデータ項目である。簡単に言えば、ユーザは、「練り上げ時温度」と「練り上げ時間(2)」のデータ項目の値を、最適な値に調整することで目標とするスペック(目標滑らかさ)のチョコレートを製造できる。
【0040】
図7は、図3のユーザ装置に表示される画像の一例を示す図であり、図4乃至図6の例とは異なる例を示す図である。
具体的に図7は、学習に使用するデータ項目の選別に際して、ユーザ装置2に表示される画像の一例である。
【0041】
図7の例では、学習に必要なデータ項目として、「目標滑らかさ」、「カカオの品種」、「カカオの原産国」、「カカオの重さ」、「炒る時間」、「炒る温度」、「砕く時間」、「砂糖量」、「粉末ミルク量」、「ココアバター量」のデータ項目が選択されている。この項目に表示されたデータ項目は、学習に使用されるデータ項目として選択される。ユーザは、ここで選択されているデータ項目のうち学習に不要なデータ項目があれば、例えば、H1バー等を押下することで、各データ項目の使用、不使用を切り替えることができる。
また、図7の例では、知りたい対象のデータ項目、すなわち推論の対象となるデータ項目として、第6工程における練り上げ時温度、練り上げ時間(2)が設定されている。これは図6に示した画面状況において選択されたデータ項目が表示されている。
また、図7の例では、使用不可のデータ項目として、「型の種類」、「冷蔵庫の温度」、「冷蔵時間」、「実測した滑らかさ」、「チョコレート種別」のデータ項目が表示されている。なお、図7の例では、通常、図6で選択されたデータ項目よりも前の工程に設定されているデータ項目が学習に必要なデータとして設定され、図6で選択されたデータ項目よりも後の工程に設定されているデータ項目が使用不可のデータ項目として設定される。
ユーザは、このような画像を確認しつつ、学習に使用したいデータ項目を選択し、データ確定ボタンK4を押下することで、容易に学習に使用するデータ項目を決定することができる。
【0042】
ここで、多くの場合、加工値等はユーザ等が任意に変更できるのに対し、中間検査結果値や最終検査結果値は、その加工によって実現された結果であるため自由度はなく自然法則にしたがって決定されてしまう。そのため、多くの従来技術では、本システムでいう中間検査結果値や最終検査結果値に対応する変数のみが目的変数として設定され、加工値等に該当する変数のみが説明変数として設定されるのが一般的である。
しかし、生産を行う場合は最終検査結果値に狙った値が存在するため、実際には加工値にも無限の自由度は存在しない。特に最終工程の加工値は、その工程の加工値で最終検査結果値を狙った値に収束させなければならないため、中間検査結果値や最終検査結果値と同様にほぼ自由度は存在しない。よって、生産における加工値は検査結果値と同じ特性(自由度が存在しないという特徴)を持つと言えることから、加工値を目的変数に設定し、それ以前の加工値、中間検査結果値、最終検査目標値を説明変数に設定した学習を行うことも可能である。本発明の発明者等は、このような性質を明らかにし、利用することができる。
以上の理由から、本システムは、上述の加工値として設定されるデータ項目と各検査結果値(中間検査結果値または最終検査結果値)として設定されるデータ項目のいずれのデータ項目であっても、学習結果による予測の対象(目的変数)として設定することができる。具体的に例えば、製造工程における中間工程の加工値(図5の第6工程の練り上げ時温度)等であっても、学習結果を利用して予測を行うことができる。このような予測を行うことで、ユーザは、例えば、最終工程のひとつ前の工程で何らかの中間検査結果値を測定し、その値とその工程以前までの加工値、中間検査結果値に基づいて最終工程の加工値等を最適な値に自ら調整する等、柔軟に本システムを活用して製造条件を調整することもできる。
【0043】
図8は、図3のユーザ装置に表示される画像の一例を示す図であり、図4乃至図7の例とは異なる例を示す図である。
具体的に図8の例では、学習に関する詳細な設定を確認するためにユーザ装置2に表示される画像の一例を示している。
【0044】
図8の例では、推論の対象である、「練り上げ時温度」、「練り上げ時間(2)」の許容誤差、及び「練り上げ時温度」、「練り上げ時間(2)」と各データ項目との相関係数のそれぞれが表示されている。
ここで、許容誤差とは、モデルの予測値と実測値の差に基づく精度評価の基準である。本システムにおける許容誤差は、単に統計的な意味合いを持つものではなく、例えば、ユーザの事前知識や主観も影響し得る。例えば、製造業に精通したユーザによって所定の変数が重要であると評価されているような場合には、統計的なばらつきとは無関係にそのような前提条件を反映して許容誤差が決定される。なお、許容誤差の値は、ユーザにより任意に変更することができる。
すなわち、本システムの許容誤差とは、本サービスにおいて、ユーザの事前知識や主観等を考慮して、製造条件変数の実測値と予測値の誤差が同一の製造条件とみなせるか否かに関する範囲(幅)を意味している。なお、この基準は、ユーザの事前知識や主観等を考慮するため、各種情報のアップデートや時間経過等によっても基準が変化する可能性がある。
また、相関係数とは、各データ項目の間にある線形的な関係性の強弱を図る指標である。具体的に相関係数は、1の値に近づくほど正の相関が高いと評価され、-1に近づくほど負の相関があると評価される。例えば、統計的機械学習においては、極端に相関係数の高いデータ項目が学習に使用されたような場合、学習精度を低下させる恐れがある。そのため、ユーザは、極端に高い相関係数が見られた場合にはいずれかのデータ項目を学習に使用しないデータ項目に変更すること等ができる。ユーザは、このような学習の細かな条件等を確認し、学習モデル作成ボタンK5を押下することで学習結果を生成することができる。
【0045】
図9は、図3のサーバにより実行されるデータ項目設定処理の流れを説明するフローチャートである。
【0046】
ステップS1において、データ項目選択受付部80は、ユーザによる「最終検査目標値」と「最終検査結果値」の選択を受け付ける。
【0047】
ステップS2において、工程表提示部82は、学習用データDB300に格納された学習用データの内容に基づいて、工程表に関する各種画像を生成し、その画像を、ユーザ装置2を介してユーザに提示する。
【0048】
ステップS3において、工程表提示部82は、提示した工程表に関する各種画像を確認したユーザからの入力操作に関する情報を受け付け、その内容に応じて、適宜、工程表の内容を変更する(工程の追加や変更を行う)。
【0049】
ステップS4において、データ項目受付部90は、工程表に関する各種画像を提示されたユーザから複数の工程のそれぞれに関するデータ項目の選択を受け付ける。
【0050】
ステップS5において、不使用データ項目受付部92は、学習において使用しないデータ項目の選択を受け付ける。
【0051】
ステップS6において、相関係数処理部66は、所定のデータ項目(例えば、予測対象のデータ項目と製造条件)間の相関係数を算出し、その情報を、ユーザ装置2を介してユーザに提示する。
【0052】
ステップS7において、学習条件決定部64は、データ項目受付部90で選択が受け付けられたデータ項目と、不使用データ項目受付部92で選択が受け付けられたデータ項目、相関係数処理部66の算出結果に対するユーザの入力内容等に基づいて、最終的な学習条件を決定する。
【0053】
ステップS8において、学習処理部68は、学習用データDB300に格納されている学習用データに対して、統計的機械学習に関する処理を実行し、学習用データにおける統計的性質を反映した予測モデル及び各種アルゴリズム等を学習結果として生成する。以上で、データ項目設定処理は終了する。
【0054】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0055】
以上をまとめると、本システムを利用することで、ユーザには少なくとも以下の利点があると考えられる。
(1)本システムは、例えば、難しいAI(機械学習)の操作を難しく感じさせないようなUI(ユーザインターフェース)を提供できるため、製造業等の技術者は、容易にAI(機械学習)の技術を利用して、データ分析の効果を得ることができる。なお、具体的に本システムを利用することで、ユーザには、例えば、以下のような利点があると考えられる。
(a)ユーザは、例えば、目的変数や説明変数の設定を容易に行うことができる。例えば、ユーザは、目的変数や説明変数の設定を自動的に行うこともできる。
(b)ユーザは、例えば、説明変数の候補の中から必要なものを選別するという作業を容易に行うことができる。
(c)ユーザは、例えば、学習に必要となる最低限のルールや条件(例えば目的変数よりも後の工程のデータ項目を説明変数として設定しない等)を守りながら容易に学習を行うことができる。例えば、ユーザは、本システムの流れに従い操作するだけで、学習に必要なルールや条件を守るような学習環境の設定を自動的に行
うこともできる。
(2)本システムは、製造業等の技術者のドメイン知識(特に所定の物品の製造に関するドメイン知識等)を学習に反映させることができるため、製造業等の技術者は効率的かつ精度の良い学習結果を取得することができる。
すなわち、ユーザは、これまで物品の製造を行ってきた経験から、例えば、目的変数等に対して、関与しないと推測できる変数を不使用に設定すること等で、無駄な学習処理を省き、効率的に高精度な学習を行うことができると考えられる。
(3)本システムは、製造業等の技術者のドメイン知識(特に製造業の業種横断的に利用できるドメイン知識)を学習に反映させることができるため、特定の業種や製品にとらわれず幅広いユーザが利用することができる。
すなわち、製造工程は多くの製造業の分野に存在し、製造担当者はどの様な製品を製造するか否かを問わず製造工程に関するある種共通の知識を有している。そして、多くの製造業の現場では、例えば、「QC 工程表」(いわゆる工程表)やそれに類似する物を利用していると考えられる。そのため、ユーザは、特定の業種や製品にとらわれずに本システムを利用でき、また、本システムを利用する際に従来使用している「QC 工程表」等との親和性が高く、容易に習得して利用できると考えられる。なお、ここで言う「QC 工程表」は、あくまでも例示であり、作業の工程を示す図や表、資料等であってもよい。
(4)本システムは、工程表として整理されることによって俯瞰した視点を得られ、現在の生産では測定していない等の理由でデータ化されていないが、学習のためには測定するべき項目を想起しやすくすることができる。
【0056】
そして、それを実現するための方法の一つとして重要なのが、上述の実施形態における工程表である。製造業の技術者等は、自身の専門知識を活用しながら製造工程を整理し、各工程での管理項目を列挙する中で簡易的な操作を行うだけで、容易に学習のための各種条件や各種変数を設定することができる。
【0057】
また、上述の実施形態の工程表は、単に製造工程全体の流れを分かりやすく可視化するという点でも有用な可能性がある。すなわち、従来の製造業の業界においては、分かりやすい工程表のようなものは必ずしも利用されておらず、単に作業手順等が標準化され、文書として記載されている程度のものがほとんどであった。上述の実施形態における工程表は、このように技術者等が、単に製造工程全体の流れを整理、管理しやすくなるという点でも有用と考えられる。
【0058】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムが、製造工程全体を各工程に分類する基準は、任意の基準を採用してもよい。例えば、本システムは、「製造物の状態が変化する」、「データ測定を行う」、「製造物が移動する」、「作業目的が変わる」等を基準として、製造工程全体を各工程に分類してもよい。
【0059】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、ユーザにより最終検査目標値が選択された場合に、自動的に最終検査結果値が選択される機能を備えていてもよい。逆に、本システムは、ユーザにより最終検査結果値が選択された場合に、自動的に最終検査目標値が選択される機能を備えていてもよい。
【0060】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、最終検査目標値と最終検査結果値の関係性に応じて、学習処理の内容を変更する機能を備えていてもよい。具体的に例えば、最終検査目標値と最終検査結果値があまりにもかけ離れている場合、学習の精度が低下するような場合がある。そのため、本システムは、例えば、最終検査目標値と最終検査結果値があまりにもかけ離れているデータが存在する場合、そのデータを学習に利用しない機能を備えていてもよい。
【0061】
また、上述の実施形態では、生データのアップロードをユーザが行うものとして説明したが、限定されない。例えば、生データは、他の第三者によりアップロードされてもよいし、本システムにより自動で取得されてもよい。
【0062】
また、上述の実施形態において、生データに対して、所定の前処理を行った上で学習用データを生成するものとして説明したが、限定されない。生データに対する前処理は、必ず行う必要はなく任意である。
【0063】
また、上述の実施形態において、本システムは、工程表(特に各工程の設定)は基本的にユーザが任意に作成するものとして説明したが、限定されない。本システムは、例えば、ユーザがアップロードした生データの内容等に基づいて、自動で工程表を生成する機能を備えていてもよい。
【0064】
また、上述の実施形態において、本システムは、ユーザの操作により自由に工程表を作成できるものとして説明したが、限定されない。本システムは、ユーザに工程表を作成させる過程において、一定の制限やルールを設けてもよい。
【0065】
また、上述の実施形態(特に図6及び図7の実施形態)において、本システムは、図6で選択されたデータ項目よりも前の工程に設定されているデータ項目が学習に必要なデータとして設定され、図6で選択されたデータ項目よりも後の工程に設定されているデータ項目が使用不可のデータ項目として設定されるものとして説明したが、限定されない。本システムのこのような仕様はあくまでも例示であり、本システムは、他の任意の仕様を採用してもよい。
【0066】
また、上述の実施形態において、許容誤差とは、ユーザの事前知識や主観等を考慮して、製造条件変数の実測値と予測値の誤差が同一の製造条件とみなせるか否かに関する範囲(幅)として説明したが、この定義は、本システムの仕様や適用するサービスの態様に応じて、変化してもよい。本システムは、例えば、ユーザの事前知識や主観等を考慮して、スペック変数の実測値と予測値の誤差が同一のスペックとみなせるか否かに関する範囲(幅)を許容誤差の定義としてもよい。
【0067】
また、上述の実施形態(特に図6の実施形態)において、ユーザは、知りたい対象となるデータ項目を「加工」に包含されるデータ項目から選択するものとして説明したが、限定されない。本システムは、例えば、「中間状態」や「最終状態」に包含される任意のデータ項目を対象となるデータ項目として受け付けてもよいし、例えば、複数のデータ項目を対象となるデータ項目として受け付けてもよい。
【0068】
また、上述の実施形態(特に図7の実施形態)において、データ項目を分類する表示(例えば、「学習に必要なデータ」、「知りたい対象のデータ」等)の内容は例示であり、限定されない。本システムは、例えば、「原因」、「原因(説明変数)」、「説明変数」、「結果」、「結果(目的変数)」、「目的変数」等の任意の他の基準を分類として表示してもよい。
【0069】
また、上述の実施形態では説明を省略したが、本システムは、例えば、ユーザにより選択された工程に複数のデータ項目が含まれている場合、複数のデータ項目の選択を受け付けてもよい。
【0070】
また、上述の実施形態(特に図4の実施形態)において、本システムは、「最終検査目標値」及び「最終検査結果値」に任意の値を入力するものとして説明したが、限定されない。例えば、本システムは、「最終検査目標値」及び「最終検査結果値」に対するユーザからの入力を省略する等してもよい。
【0071】
また、上述の実施形態において、本システムは、データ項目間の相関係数を算出するものとして説明したが、限定されない。本システムは相関関係に関連する相関係数とは異なる任意の係数等を算出してもよいし、本システムは、相関関係に関連しない任意の指標のみを算出してもよい。
【0072】
また、本システムは、工程表の内容等を加味したニューラルネットワーク等を用いることで、過学習のリスクを低減した学習結果を生成できる機能を備えていてもよい。
【0073】
また、本システムは、完成した工程表を画像等の形式で出力する機能を備えていてもよい。
【0074】
また、本システムは、疑似的な変数を追加することで工程表の完成度を高める機能を備えていてもよい。
【0075】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
すなわち、図3の機能的構成は例示に過ぎず限定されない。上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるかは特に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図3の例に限定されず、任意でよい。
さらに言えば、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0076】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされてもよい。
コンピュータ等は、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータ等は、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0077】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成されてもよい。
【0078】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
すなわち、図9のステップの一部のステップは、適宜、変更もしくは省略されてもよい。
【0079】
また、本システムを構成する各種ハードウェアの数や使用者は任意であるし、他のハードウェアなどを含み構成されてもよい。
さらに言えば、本システムは、例えば、上述した一連の処理の一部又は全てをクラウド等で管理される他のサーバ等により実行させてもよい。
【0080】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置は、
物品の製造に関する統計的な学習処理に利用され得る情報処理装置であって、
ユーザからの入力に基づいて、前記物品の製造工程にかかる画像である工程表を生成する工程表生成部(例えば、工程表生成部62)と、
前記工程表に含まれる前記工程のそれぞれに前記学習にかかるデータ項目を設定するデータ項目設定部(例えば、データ項目受付部90)と、
設定された前記データ項目の内容に基づいて、前記学習処理の条件を決定する学習条件決定部と(例えば、学習条件決定部64)と、
前記学習条件決定部で決定された学習条件に基づいて、前記学習処理を行い、前記学習処理の結果を出力する学習処理部(例えば、学習処理部68)と、
を備えていれば足りる。
【0081】
また、前記学習条件決定部は、前記学習処理において使用しないデータ項目の選択を受け付ける不使用データ項目受付部(例えば、不使用データ項目受付部92)をさらに備えることができる。
【0082】
また、本情報処理装置は、前記データ項目のそれぞれの相関係数を算出する相関係数処理部(例えば、相関係数処理部66)をさらに備えることができる。
【0083】
また、前記学習処理部は、加工にかかる前記データ項目と測定にかかる前記データ項目のうち、加工にかかる前記データ項目を優先的に利用して、前記学習処理の結果を出力してもよい。
【符号の説明】
【0084】
<サーバ>
1・・・サーバ
11・・・制御部
60・・・学習用データ管理部
62・・・工程表生成部
80・・・データ項目選択受付部
82・・・工程表提示部
64・・・学習条件決定部
90・・・データ項目受付部
92・・・不使用データ項目受付部
66・・・相関係数処理部
68・・・学習処理部
300・・・学習用データDB
400・・・学習結果DB
<ユーザ装置>
2・・・ユーザ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9