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特開2024-119790電子デバイスディスプレイの光学フィルム構成
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119790
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】電子デバイスディスプレイの光学フィルム構成
(51)【国際特許分類】
   G02B 30/27 20200101AFI20240827BHJP
   G03B 35/00 20210101ALI20240827BHJP
   G03B 35/18 20210101ALI20240827BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240827BHJP
   H04N 13/305 20180101ALI20240827BHJP
   H04N 13/361 20180101ALI20240827BHJP
   H04N 13/356 20180101ALI20240827BHJP
   G02B 30/29 20200101ALI20240827BHJP
【FI】
G02B30/27
G03B35/00 A
G03B35/18
G09F9/30 349Z
G09F9/30 308A
H04N13/305
H04N13/361
H04N13/356
G02B30/29
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024070500
(22)【出願日】2024-04-24
(62)【分割の表示】P 2022510961の分割
【原出願日】2020-09-02
(31)【優先権主張番号】62/897,093
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/897,078
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/005,191
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/005,199
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/987,674
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/003,816
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】キム ビョンスク
(72)【発明者】
【氏名】ファン イ
(72)【発明者】
【氏名】チ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】イン ヴィクター エイチ
(72)【発明者】
【氏名】キム スン ウク
(72)【発明者】
【氏名】スカペル ニコラス ヴイ
(72)【発明者】
【氏名】ファン イ-パイ
(57)【要約】
【課題】凸状湾曲を有するレンチキュラーディスプレイを提供する。
【解決手段】レンチキュラーディスプレイは、ディスプレイの長さにわたって延びるレンチキュラーレンズを有するレンチキュラーレンズフィルムを有してもよい。レンチキュラーレンズは、ディスプレイの立体視を可能にするように構成されていてもよい。満足のいく立体視表示性能を確保しながらディスプレイのより大きな湾曲を可能にするために、ディスプレイは、立体視ゾーン及び非立体視ゾーンを有してもよい。中央立体視ゾーンは、第1の非立体視ゾーンと第2の非立体視ゾーンとの間に介在してもよい。非立体視ゾーンは、立体視ゾーンよりも大きな湾曲を有してもよい。レンチキュラーディスプレイ内のクロストークを防止するために、ルーバーフィルムをディスプレイに組み込むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイを含む電子デバイスであって、前記ディスプレイが、
凸状湾曲を有する基板と、
前記基板上に形成された画素のアレイと、
画素の前記アレイの上に形成されたレンチキュラーレンズフィルムと、
を備え、
画素の前記アレイの第1の部分が、前記ディスプレイの立体視部分を形成し、画素の前記アレイの第2の部分が、前記ディスプレイの非立体視部分を形成する、
電子デバイス。
【請求項2】
前記非立体視部分が、第1の非立体視部分であり、画素の前記アレイの第3の部分が、前記ディスプレイの第2の非立体視部分を形成する、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記立体視部分が、前記第1の非立体視部分と前記第2の非立体視部分との間に介在する、請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記立体視部分が、前記ディスプレイの中央部分を形成し、前記第1及び第2の非立体視部分が、前記ディスプレイの第1及び第2の縁部部分を形成する、請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記レンチキュラーレンズフィルムが、画素の前記アレイの前記第1、第2、及び第3の部分を覆う、請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記ディスプレイの前記立体視部分に三次元コンテンツを提供し、かつ前記ディスプレイの前記第1及び第2の非立体視部分に二次元コンテンツを提供するように構成された、グラフィック処理ユニット、
を更に備える、請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記基板が、前記ディスプレイの前記立体視部分において第1の曲率半径を有し、前記基板が、前記ディスプレイの前記第1及び第2の非立体視部分において第2の曲率半径を有し、前記第1の曲率半径が、前記第2の曲率半径と同じである、請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記ディスプレイが、200ミリメートル未満の幅を有し、前記第1の曲率半径が、300ミリメートル未満である、請求項7に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記基板が、前記ディスプレイの前記立体視部分において第1の曲率半径を有し、前記基板が、前記ディスプレイの前記第1及び第2の非立体視部分において第2の曲率半径を有し、前記第1の曲率半径が、前記第2の曲率半径とは異なる、請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記第1の曲率半径が、前記第2の曲率半径よりも大きい、請求項9に記載の電子デバイス。
【請求項11】
画素の前記アレイ及び前記レンチキュラーレンズフィルムが、前記基板に適合し、前記凸状湾曲を有する、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項12】
眼追跡システムと、
前記眼追跡システムからの情報に少なくとも部分的に基づいて前記ディスプレイ上のコンテンツを制御するように構成された制御回路と、
を更に備える、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項13】
ディスプレイを含む電子デバイスであって、前記ディスプレイが、
湾曲した基板と、
前記湾曲した基板上に形成された画素のアレイと、
画素の前記アレイの上に形成されたレンチキュラーレンズフィルムと、
を備え、
前記湾曲した基板が、第1の曲率半径を有する中央部分と、前記第1の曲率半径よりも小さい第2の曲率半径を有する縁部部分とを有する、
電子デバイス。
【請求項14】
画素の前記アレイの第1の部分が、前記湾曲した基板の前記中央部分の上に形成され、画素の前記アレイの第2の部分が、前記湾曲した基板の前記縁部部分の第1の上に形成され、画素の前記アレイの第3の部分が、前記湾曲した基板の前記縁部部分の第2の上に形成される、請求項13に記載の電子デバイス。
【請求項15】
画素の前記アレイの前記第1の部分が、三次元画像を表示するように構成されており、画素の前記アレイの前記第2の部分が、二次元画像を表示するように構成されており、画素の前記アレイの前記第3の部分が、二次元画像を表示するように構成されている、請求項14に記載の電子デバイス。
【請求項16】
画素の前記アレイの前記第1の部分に三次元コンテンツ、画素の前記アレイの前記第2の部分に二次元コンテンツ、及び画素の前記アレイの前記第3の部分に二次元コンテンツを提供するように構成された、グラフィック処理ユニット、
を更に備える、請求項14に記載の電子デバイス。
【請求項17】
前記ディスプレイが、200ミリメートル未満の幅を有し、前記第1の曲率半径が、300ミリメートル未満である、請求項13に記載の電子デバイス。
【請求項18】
前記第2の曲率半径が、250ミリメートル未満である、請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項19】
ディスプレイを含む電子デバイスであって、前記ディスプレイが、
凸状湾曲を有する基板と、
前記基板上に形成された画素のアレイと、
画素の前記アレイの上に形成されたレンチキュラーレンズフィルムと、
を備え、前記レンチキュラーレンズフィルムが、少なくとも第1及び第2のレンチキュラーレンズを含み、前記第1のレンチキュラーレンズが、前記ディスプレイの中心に形成され、第1の形状を有し、前記第2のレンチキュラーレンズが、前記ディスプレイの縁部に形成され、前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する、
電子デバイス。
【請求項20】
前記第1のレンチキュラーレンズが、前記基板に直交する第1の方向に光を向けるように構成されており、前記第2のレンチキュラーレンズが、前記基板に直交しない第2の方向に光を向けるように構成されている、請求項19に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して電子デバイスに関し、より具体的には、ディスプレイを有する電子デバイスに関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許出願第17/005,199号(2020年8月27日出願)、米国特許出願第17/005,191号(2020年8月27日出願)、米国特許出願第17/003,816号(2020年8月26日出願)、米国仮特許出願第62/987,674号(2020年3月10日出願)、米国仮特許出願第62/897,093号(2019年9月6日出願)、及び米国仮特許出願第62/897,078号(2019年9月6日出願)の優先権を主張するものであり、それらの出願内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスは、多くの場合、ディスプレイを含む。場合によっては、ディスプレイは、ディスプレイが観察者に三次元コンテンツを提供することを可能にするレンチキュラーレンズを含んでもよい。レンチキュラーレンズは、有機発光ダイオード画素又は液晶ディスプレイ画素などの画素のアレイの上に形成することができる。
【0003】
注意が払われなければ、所望のフォームファクタを有するレンチキュラーディスプレイを提供することは困難であり得る。レンチキュラーディスプレイはまた、広い視野角でクロストーク及び他の視認可能なアーチファクトを受けやすい場合がある。
【発明の概要】
【0004】
電子デバイスは、レンチキュラーディスプレイを含むことができる。レンチキュラーディスプレイは、画素のアレイの上に形成されたレンチキュラーレンズフィルムを有してもよい。複数のレンチキュラーレンズは、ディスプレイの長さにわたって延びてもよい。レンチキュラーレンズは、観察者が三次元画像を知覚するように、ディスプレイの立体視を可能にするように構成されていてもよい。
【0005】
レンチキュラーディスプレイが電子デバイスの所望のフォームファクタに基づく凸状湾曲を有することが望ましい場合がある。満足のいく表示性能を確保しながらディスプレイのより大きな湾曲を可能にするために、ディスプレイは、立体視ゾーン及び非立体視ゾーンを有してもよい。立体視ゾーンは、三次元コンテンツを提示するように構成されていてもよく、非立体視ゾーンは、二次元コンテンツを提示するように構成されていてもよい。中央立体視ゾーンは、第1の非立体視ゾーンと第2の非立体視ゾーンとの間に介在してもよい。非立体視ゾーンは、立体視ゾーンよりも大きな湾曲を有してもよい。
【0006】
レンチキュラーディスプレイ内のクロストークを防止するために、ルーバーフィルムをディスプレイに組み込むことができる。ルーバーフィルムは、不透明な壁によって分離された複数の透明部分を有してもよい。不透明な壁は、ディスプレイからの光の放射角を制御し、クロストークを低減することができる。ルーバーフィルムは、レンチキュラーレンズフィルムとディスプレイパネルとの間に介在してもよく、又はレンチキュラーレンズフィルムは、ディスプレイパネルとルーバーフィルムとの間に介在してもよい。
【0007】
画素アレイは、各行が先行する行に対して横方向にシフトされた、斜め画素パターンを有することができる。上にあるレンチキュラーレンズは、垂直に向けられてもよく、その結果、画素パターンとレンチキュラーレンズとの間のゼロ以外の角度が得られる。様々な画素レイアウトを斜め画素パターンで使用して、クロストークを緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る、ディスプレイを有する例示的な電子デバイスの概略図である。
図2】一実施形態に係る、電子デバイス内の例示的なディスプレイの上面図である。
図3】一実施形態に係る、画像を観察者に提供する例示的なレンチキュラーディスプレイの側断面図である。
図4】一実施形態に係る、画像を二人以上の観察者に提供する例示的なレンチキュラーディスプレイの側断面図である。
図5】一実施形態に係る、レンチキュラーレンズの細長い形状を示す、例示的なレンチキュラーレンズフィルムの上面図である。
図6】一実施形態に係る、表示領域に対するディスプレイの放射領域を示す、例示的な平面レンチキュラーディスプレイの断面図である。
図7】一実施形態に係る、ディスプレイの縁部における放射領域が視認可能でないことがある様子を示す、例示的な湾曲したレンチキュラーディスプレイの側断面図である。
図8】一実施形態に係る、ディスプレイの放射領域を広げて、ディスプレイの凸状湾曲を可能にすることができる様子を示す、例示的な湾曲したレンチキュラーディスプレイの側断面図である。
図9】一実施形態に係る、ディスプレイの縁部に非立体視領域を含めて、ディスプレイのより大きな湾曲を可能にすることができる様子を示す、例示的な湾曲したレンチキュラーディスプレイの側断面図である。
図10】一実施形態に係る、第1の非立体視ゾーンと第2の非立体視ゾーンとの間に立体視ゾーンを介在させることができる様子を示す、例示的な湾曲したレンチキュラーディスプレイの上面図である。
図11】一実施形態に係る、立体視ゾーンの曲率半径とは異なる非立体視ゾーンの曲率半径を有する、例示的な湾曲したレンチキュラーディスプレイの側断面図である。
図12】一実施形態に係る、非立体視表示ゾーンの二次元コンテンツ及び立体視表示ゾーンの三次元コンテンツの両方を使用する、例示的な電子デバイスの概略図である。
図13】一実施形態に係る、ディスプレイを二次元表示モード及び三次元表示モードで動作させることができる様子を示す状態図である。
図14A】一実施形態に係る、ディスプレイの湾曲した縁部における光の放射を制御するために、漸進的に変化する形状を有するレンチキュラーレンズを有する、例示的なディスプレイの側断面図である。
図14B】一実施形態に係る、ディスプレイが湾曲した後の、図14Aの例示的なディスプレイの側断面図である。
図15】一実施形態に係る、なんらかの軸外光がクロストークに寄与し得る様子を示す、例示的な湾曲したレンチキュラーディスプレイの側断面図である。
図16】一実施形態に係る、クロストークに寄与する軸外光を遮断するルーバーフィルムを有する、例示的な湾曲したレンチキュラーディスプレイの側断面図である。
図17】一実施形態に係る、レンチキュラーレンズフィルムの下にルーバーフィルムを有する、例示的なレンチキュラーディスプレイの側断面図である。
図18】一実施形態に係る、低屈折率フィルムによって覆われたレンチキュラーレンズフィルムの下に選択的不透明部分を有するルーバーフィルムを有する、例示的なレンチキュラーディスプレイの側断面図である。
図19】一実施形態に係る、ベース部分に組み込まれた不透明部分を有する、例示的なレンチキュラーディスプレイの側断面図である。
図20】一実施形態に係る、レンチキュラーレンズフィルムの上にルーバーフィルムを有する、例示的なレンチキュラーディスプレイの側断面図である。
図21】一実施形態に係る、ルーバーフィルムが湾曲した後にルーバーフィルムの不透明部分の軸を平行であるように選択することができる様子を示す、湾曲したレンチキュラーディスプレイに組み込むことができる例示的なルーバーフィルムの側断面図である。
図22A】一実施形態に係る、斜めに向けられたレンチキュラーレンズを垂直画素パターンの上に形成することができる様子を示す、例示的なディスプレイの上面図である。
図22B】一実施形態に係る、斜めに向けられたレンチキュラーレンズを垂直画素パターンの上に形成することができる様子を示す、例示的なディスプレイの上面図である。
図23A】一実施形態に係る、垂直に向けられたレンチキュラーレンズを斜め画素パターンの上に形成することができる様子を示す、例示的なディスプレイの上面図である。
図23B】一実施形態に係る、垂直に向けられたレンチキュラーレンズを斜め画素パターンの上に形成することができる様子を示す、例示的なディスプレイの上面図である。
図24】一実施形態に係る、各画素がレンチキュラーレンズに平行に向けられた長さを有する青色副画素を有する、例示的な斜め画素パターンの上面図である。
図25】一実施形態に係る、各画素がレンチキュラーレンズに平行に向けられた長さを有する青色副画素を有し、全ての画素が隣接する画素に対して垂直に反転されている、斜め画素パターンの例示的な画素レイアウトの上面図である。
図26】一実施形態に係る、各画素がレンチキュラーレンズに直交して向けられた長さを有する青色副画素を有し、全ての画素が隣接する画素に対して垂直に反転されている、斜め画素パターンの例示的な画素レイアウトの上面図である。
図27】一実施形態に係る、各画素がダイヤモンド形状及び三角形状の副画素を有する、例示的な斜め画素パターンの上面図である。
図28】一実施形態に係る、斜め信号経路を使用して、斜め画素パターンに対応することができる様子を示す、例示的なディスプレイの上面図である。
図29】一実施形態に係る、ジグザグ信号経路を使用して、斜め画素パターンに対応することができる様子を示す、例示的なディスプレイの上面図である。
図30】一実施形態に係る、負荷を均一化する補助セグメントを有するジグザグ信号経路を使用して、斜め画素パターンに対応することができる様子を示す、例示的なディスプレイの上面図である。
図31】一実施形態に係る、負荷を均一化するダミーセグメントを有するジグザグ信号経路を使用して、斜め画素パターンに対応することができる様子を示す、例示的なディスプレイの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に、ディスプレイが提供され得るタイプの例示的な電子デバイスを示す。電子デバイス10は、ラップトップコンピュータ、組み込み型コンピュータを含むコンピュータモニタ、タブレットコンピュータ、セルラー電話機、メディアプレーヤ、又は他のハンドヘルド型若しくはポータブル型の電子デバイスなどのコンピューティングデバイス、腕時計型デバイス、ペンダント型デバイス、ヘッドホン型若しくはイヤホン型デバイス、拡張現実(augmented reality、AR)ヘッドセット及び/若しくは仮想現実(virtual reality、VR)ヘッドセット、眼鏡若しくはユーザの頭部に装着される他の機器内に組み込まれたデバイス、又は他のウェアラブル若しくは小型のデバイスなどのより小さいデバイス、ディスプレイ、組み込み型コンピュータを含むコンピュータディスプレイ、組み込み型コンピュータを含まないコンピュータディスプレイ、ゲーミングデバイス、ナビゲーションデバイス、キオスク若しくは自動車内にディスプレイを有する電子機器が取り付けられたシステムなどの組み込み型システム、又は他の電子機器とすることができる。
【0010】
図1に示すように、電子デバイス10は、制御回路16を有することができる。制御回路16は、デバイス10の動作をサポートする、記憶及び処理回路を含んでもよい。記憶及び処理回路は、ハードディスクドライブ記憶装置、不揮発性メモリ(例えば、ソリッドステートドライブを形成するように構成されたフラッシュメモリ、又は他の電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的又は動的なランダムアクセスメモリ)などの記憶装置を含むことができる。制御回路16内の処理回路を使用してデバイス10の動作を制御することができる。処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンドプロセッサ、電力管理ユニット、オーディオチップ、特定用途向け集積回路などに基づいてもよい。
【0011】
デバイス10と外部機器との間の通信をサポートするために、制御回路16は、通信回路21を使用して通信することができる。回路21は、アンテナ、高周波送受信機回路、並びに他の無線通信回路及び/又は有線通信回路を含むことができる。制御回路並びに/又は制御回路及び通信回路と呼ばれることもある回路21は、無線リンクを介したデバイス10と外部機器との間の双方向無線通信をサポートすることができる(例えば、回路21は、無線ローカルエリアネットワークリンクを介した通信をサポートするように構成された無線ローカルエリアネットワーク送受信機回路、近距離通信リンクを介した通信をサポートするように構成された近距離通信送受信機回路、セルラー電話リンクを介した通信をサポートするように構成されたセルラー電話送受信回路、又は他の任意の適切な有線若しくは無線通信リンクを介した通信をサポートするように構成された送受信回路などの、高周波送受信機回路を含むことができる)。無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)リンク、WiFi(登録商標)リンク、60GHzリンク若しくは他のミリ波リンク、セルラー電話リンク、又は他の無線通信リンクを介してサポートされてもよい。デバイス10は、必要に応じて、有線及び/又は無線電力を送信及び/又は受信するための電力回路を含んでもよく、バッテリ又は他のエネルギー貯蔵デバイスを含んでもよい。例えば、デバイス10は、デバイス10内の回路に提供される無線電力を受信するためのコイル及び整流器を含み得る。
【0012】
入出力デバイス12などのデバイス10の入出力回路を使用して、デバイス10へデータを供給できるようにし、デバイス10から外部デバイスへデータを提供できるようにしてもよい。入出力デバイス12は、ボタン、ジョイスティック、スクロールホイール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、マイクロフォン、スピーカ、トーンジェネレータ、バイブレータ、カメラ、センサ、発光ダイオード及びその他の状態インジケータ、データポート、並びに他の電気構成要素を含んでもよい。ユーザは、入出力デバイス12を通じてコマンドを供給することによってデバイス10の動作を制御することができ、また、入出力デバイス12の出力リソースを使用して、デバイス10から状態情報及びその他の出力を受け取ってもよい。
【0013】
入出力デバイス12は、ディスプレイ14などの1つ以上のディスプレイを含んでもよい。ディスプレイ14は、ユーザからのタッチ入力を蓄積するタッチセンサを含むタッチスクリーンディスプレイとすることができ、又はディスプレイ14は、タッチセンシティブでなくてもよい。ディスプレイ14に対するタッチセンサは、容量性タッチセンサ電極のアレイ、音響タッチセンサ構造体、抵抗性タッチコンポーネント、力ベースのタッチセンサ構造体、光ベースのタッチセンサ、又は他の好適なタッチセンサの配置に基づくものとすることができる。
【0014】
いくつかの電子デバイスは、2つのディスプレイを備えることができる。1つの可能な構成では、第1のディスプレイは、デバイスの一方の側に配置されてもよく、第2のディスプレイは、デバイスの第2の反対側に配置されてもよい。したがって、第1及び第2のディスプレイは、背中合わせの配置を有してもよい。ディスプレイの一方又は両方は、湾曲していてもよい。
【0015】
入出力デバイス12内のセンサは、力センサ(例えば、歪みゲージ、容量性力センサ、抵抗力センサなど)、マイクロフォンなどのオーディオセンサ、容量性センサなどのタッチセンサ及び/又は近接センサ(例えば、ディスプレイ14に組み込まれた二次元容量性タッチセンサ、ディスプレイ14に重なり合う二次元容量性タッチセンサ、及び/又はボタン、トラックパッド、若しくはディスプレイに関連付けられていない他の入力デバイスを形成するタッチセンサ)、並びに他のセンサを含むことができる。必要に応じて、入出力デバイス12内のセンサは、光を放射して検出する光センサなどの光センサ、超音波センサ、光タッチセンサ、光近接センサ、並びに/又は他のタッチセンサ及び/若しくは近接センサ、単色及びカラー周辺光センサ、画像センサ、指紋センサ、温度センサ、三次元非接触ジェスチャ(「エアジェスチャ」)を測定するためのセンサ、圧力センサ、位置、向き、及び/若しくは動きを検出するためのセンサ(例えば、加速度計、コンパスセンサなどの磁気センサ、ジャイロスコープ、及び/又はこれらのセンサの一部若しくは全てを含む慣性測定ユニット)、健康センサ、高周波センサ、深度センサ(例えば、ステレオ撮像装置に基づく構造化光センサ及び/又は深度センサ)、飛行時間測定値を収集する、自己混合センサ並びに光検出及び測距(light detection and ranging、lidar)センサなどの光センサ、湿度センサ、水分センサ、視線追跡センサ、並びに/又は他のセンサを含むことができる。
【0016】
制御回路16を用いて、オペレーティングシステムコード及びアプリケーションなどのソフトウェアをデバイス10で実行することができる。デバイス10の動作中、制御回路構成16上で実行中のソフトウェアは、ディスプレイ14内の画素アレイを使用してディスプレイ14上に画像を表示することができる。
【0017】
ディスプレイ14は、有機発光ダイオードディスプレイ、液晶ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、エレクトロウェッティングディスプレイ、プラズマディスプレイ、微小電気機械システムディスプレイ、結晶性半導体発光ダイオードダイ(マイクロLEDと呼ばれることもある)及び/又は他のディスプレイから形成された画素アレイを有するディスプレイであってもよい。ディスプレイ14が有機発光ダイオードディスプレイである構成は、時々一例として本明細書において説明されている。
【0018】
ディスプレイ14は、矩形形状を有してもよく(すなわち、ディスプレイ14は矩形の専有面積、及び矩形の専有面積の周りに延びる矩形の周辺エッジを有してもよく)、又は他の好適な形状を有してもよい。ディスプレイ14は平らであってもよく、又は曲線状の輪郭を有してもよい。
【0019】
デバイス10は、視線及び/又は頭部追跡システム18の一部を形成するカメラ及び他の構成要素を含んでもよい。システム18のカメラ(単数又は複数)又は他の構成要素は、ユーザの眼に面してもよく、ユーザの眼及び/又は頭部を追跡することができる(例えば、システム18によってキャプチャされた画像及び他の情報を制御回路16によって分析して、ユーザの眼及び/又は頭部の位置を判定することができる)。システム18によって得られたこの眼の位置情報を使用して、ディスプレイ14からの表示コンテンツを向けるべき適切な方向を判定することができる。所望であれば、カメラ以外の画像センサ(例えば、赤外線及び/又は可視発光ダイオード、並びに光検出器など)をシステム18で使用して、ユーザの眼及び/又は頭部の位置を監視することができる。
【0020】
ディスプレイ14の一部の上面図を図2に示す。図2に示すように、ディスプレイ14は、基板36上に形成された画素22のアレイを有することができる。基板36は、ガラス、金属、プラスチック、セラミック、又は他の基板材料から形成することができる。画素22は、データ線Dなどの信号経路を介してデータ信号を受信することができ、水平制御線G(ゲート線、走査線、放射制御線などと呼ばれることもある)などの制御信号経路を介して1つ以上の制御信号を受信することができる。ディスプレイ14内には、任意の好適な数の行及び列の画素22が存在することができる(例えば、数十以上、数百以上、若しくは数千以上)。各画素22は、薄膜トランジスタ回路(薄膜トランジスタ28及び薄膜コンデンサなど)から形成された画素回路の制御下で光24を放射する、発光ダイオード26を有することができる。薄膜トランジスタ28は、ポリシリコン薄膜トランジスタ、インジウムガリウム亜鉛酸化物トランジスタなどの半導体酸化物薄膜トランジスタ、又は他の半導体から形成された薄膜トランジスタであってもよい。画素22は、カラー画像を表示する能力をディスプレイ14に提供するために、異なる色の発光ダイオード(例えば、赤色、緑色、及び青色の画素それぞれのための赤色、緑色、及び青色のダイオード)を含むことができる。
【0021】
ディスプレイ駆動回路を使用して、画素22の動作を制御することができる。ディスプレイ駆動回路は、集積回路、薄膜トランジスタ回路、又は他の好適な回路から形成することができる。図2のディスプレイ駆動回路30は、経路32を介して、図1の制御回路16などのシステム制御回路と通信するための通信回路を含むことができる。経路32は、フレキシブルプリント回路又は他のケーブル上のトレースで形成してもよい。動作中、制御回路(例えば、図1の制御回路16)は、ディスプレイ14に表示される画像に関する情報を回路30に供給することができる。
【0022】
表示画素22上に画像を表示するために、ディスプレイ駆動回路30は、経路38を介して、クロック信号及び他の制御信号をゲート駆動回路34などの補助ディスプレイ駆動回路に発行しながら、画像データをデータ線Dに供給することができる。所望であれば、回路30は、ディスプレイ14の反対側の縁部上のゲート駆動回路にもクロック信号及び他の制御信号を供給してもよい。
【0023】
ゲート駆動回路34(水平制御線制御回路と呼ばれることもある)は、集積回路の一部として実装されてもよく、かつ/又は薄膜トランジスタ回路を使用して実装されてもよい。ディスプレイ14内の水平制御線Gは、ゲート線信号(走査線信号)、発光有効化制御信号、及び各行の画素を制御するための他の水平制御信号を搬送することができる。画素22の行当たりの任意の好適な数(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上など)の水平制御信号が存在し得る。
【0024】
ディスプレイ14は、場合によっては、観察者に三次元コンテンツを表示するように構成された立体視ディスプレイであってもよい。立体視ディスプレイは、わずかに異なる角度から見られる複数の二次元画像を表示することができる。一緒に見られたときに、2次元画像の組み合わせは、観察者に三次元画像の錯覚を作り出す。例えば、観察者の左眼は、第1の2次元画像を受け取ることができ、観察者の右眼は、第2の異なる二次元画像を受け取ることができる。観察者は、これら2つの異なる2次元画像を単一の三次元画像として知覚する。
【0025】
立体視ディスプレイを実装するための多くの方法が存在する。ディスプレイ14は、レンチキュラーレンズ(例えば、平行な軸に沿って延びる細長いレンズ)を使用するレンチキュラーディスプレイであってもよく、視差バリア(例えば、視差を介して深度の感覚を作り出すための正確に離間したスリットを有する不透明層)を使用する視差バリアディスプレイであってもよく、立体ディスプレイであってもよく、又は任意の他の所望のタイプの立体視ディスプレイであってもよい。ディスプレイ14がレンチキュラーディスプレイである構成は、本明細書で例として説明されることがある。
【0026】
図3は、電子デバイス10に組み込むことができる例示的なレンチキュラーディスプレイの側断面図である。ディスプレイ14は、基板36上に画素22を有するディスプレイパネル20を含む。基板36は、ガラス、金属、プラスチック、セラミック、又は他の基板材料から形成されてもよく、画素22は、有機発光ダイオード画素、液晶ディスプレイ画素、又は任意の他の所望のタイプの画素であってもよい。
【0027】
図3に示すように、レンチキュラーレンズフィルム42は、表示画素の上に形成されてもよい。レンチキュラーレンズフィルム42(光方向転換フィルム、レンズフィルムなどと呼ばれることもある)は、レンズ46及びベースフィルム部分44(例えば、レンズ46が取り付けられる平面フィルム部分)を含む。レンズ46は、それぞれの長手方向軸(例えば、Y軸に平行に紙面内に延びる軸)に沿って延びるレンチキュラーレンズであってもよい。レンズ46は、レンチキュラー素子46、レンチキュラーレンズ46、光学素子46などと呼ばれることがある。
【0028】
レンチキュラーレンズフィルムのレンズ46は、ディスプレイ14の画素を覆う。一例を、表示画素22-1、22-2、22-3、22-4、22-5、及び22-6とともに図3に示す。この例では、表示画素22-1及び22-2は、第1のレンチキュラーレンズ46によって覆われ、表示画素22-3及び22-4は、第2のレンチキュラーレンズ46によって覆われ、表示画素22-5及び22-6は、第3のレンチキュラーレンズ46によって覆われている。レンチキュラーレンズは、ディスプレイの立体視を可能にするために、表示画素からの光を方向転換することができる。
【0029】
第1の眼(例えば、右眼)48-1及び第2の眼(例えば、左眼)48-2を有する観察者によって見られているディスプレイ14の例を考察する。画素22-1からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって左眼48-2に向かう方向40-1に向けられ、画素22-2からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって右眼48-1に向かう方向40-2に向けられ、画素22-3からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって左眼48-2に向かう方向40-3に向けられ、画素22-4からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって右眼48-1に向かう方向40-4に向けられ、画素22-5からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって左眼48-2に向かう方向40-5に向けられ、画素22-6からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって右眼48-1に向かう方向40-6に向けられる。このようにして、観察者の右眼48-1は、画素22-2、22-4、及び22-6から画像を受け取り、左眼48-2は、画素22-1、22-3、及び22-5から画像を受け取る。画素22-2、22-4、及び22-6を使用して、画素22-1、22-3、及び22-5とはわずかに異なる画像を表示することができる。その結果、観察者は、受け取った画像を単一の三次元画像として知覚することができる。
【0030】
同じ色の画素は、対応するレンチキュラーレンズ46によって覆われてもよい。一例では、画素22-1及び22-2は、赤色光を放射する赤色画素であってもよく、画素22-3及び22-4は、緑色光を放射する緑色画素であってもよく、画素22-5及び22-6は、青色光を放射する青色画素であってもよい。この実施例は単なる例示に過ぎない。一般に、各レンチキュラーレンズは、任意の所望の色をそれぞれ有する任意の所望の数の画素を覆うことができる。レンチキュラーレンズは、同じ色を有する複数の画素を覆うことができ、異なる色をそれぞれ有する複数の画素を覆うことができ、いくつかの画素が同じ色であり、かついくつかの画素が異なる色である、複数の画素を覆うことができる、などである。
【0031】
図4は、立体視ディスプレイを複数の観察者によって視認可能とすることができる様子を示す、例示的な立体視ディスプレイの側断面図である。図3の立体視ディスプレイは、1つの最適な観察位置(例えば、ディスプレイからの画像が三次元として知覚される1つの観察位置)を有してもよい。図4の立体視ディスプレイは、2つの最適な観察位置(例えば、ディスプレイからの画像が三次元として知覚される2つの観察位置)を有してもよい。
【0032】
ディスプレイ14は、右眼48-1及び左眼48-2を有する第1の観察者並びに右眼48-3及び左眼48-4を有する第2の観察者の両方によって見ることができる。画素22-1からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって左眼48-4に向かう方向40-1に向けられ、画素22-2からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって右眼48-3に向かう方向40-2に向けられ、画素22-3からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって左眼48-2に向かう方向40-3に向けられ、画素22-4からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって右眼48-1に向かう方向40-4に向けられ、画素22-5からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって左眼48-4に向かう方向40-5に向けられ、画素22-6からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって右眼48-3に向かう方向40-6に向けられ、画素22-7からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって左眼48-2に向かう方向40-7に向けられ、画素22-8からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって右眼48-1に向かう方向40-8に向けられ、画素22-9からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって左眼48-4に向かう方向40-9に向けられ、画素22-10からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって右眼48-3に向かう方向40-10に向けられ、画素22-11からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって左眼48-2に向かう方向40-11に向けられ、画素22-12からの光は、レンチキュラーレンズフィルムによって右眼48-1に向かう方向40-12に向けられる。このようにして、第1の観察者の右眼48-1は、画素22-4、22-8、及び22-12から画像を受け取り、左眼48-2は、画素22-3、22-7、及び22-11から画像を受け取る。画素22-4、22-8、及び22-12を使用して、画素22-3、22-7、及び22-11とはわずかに異なる画像を表示することができる。その結果、第1の観察者は、受け取った画像を単一の三次元画像として知覚することができる。同様に、第2の観察者の右眼48-3は、画素22-2、22-6、及び22-10から画像を受け取り、左眼48-4は、画素22-1、22-5、及び22-9から画像を受け取る。画素22-2、22-6、及び22-10を使用して、画素22-1、22-5、及び22-9とはわずかに異なる画像を表示することができる。その結果、第2の観察者は、受け取った画像を単一の三次元画像として知覚することができる。
【0033】
同じ色の画素は、対応するレンチキュラーレンズ46によって覆われてもよい。一例では、画素22-1、22-2、22-3、及び22-4は、赤色光を放射する赤色画素であってもよく、画素22-5、22-6、22-7、及び22-8は、緑色光を放射する緑色画素であってもよく、画素22-9、22-10、22-11、及び22-12は、青色光を放射する青色画素であってもよい。この実施例は単なる例示に過ぎない。ディスプレイを使用して、両方の観察者に同じ三次元画像を提示してもよく、又は異なる観察者に異なる三次元画像を提示してもよい。場合によっては、電子デバイス10内の制御回路は、眼及び/又は頭部追跡システム18を使用して、1人以上の観察者の位置を追跡し、1人以上の観察者の検出された位置に基づいてディスプレイ上にコンテンツを表示することができる。
【0034】
図3及び図4のレンチキュラーレンズ形状及び方向矢印は、単なる例示に過ぎないことを理解されたい。各画素からの実際の光線は、(例えば、屈折、内部全反射などにより生じる方向転換を伴う)より複雑な経路に従うことがある。加えて、各画素からの光は、角度の範囲にわたって放射されてもよい。レンチキュラーディスプレイはまた、任意の所望の形状(単数又は複数)のレンチキュラーレンズを有してもよい。各レンチキュラーレンズは、2つの画素、3つの画素、4つの画素、4つより多い画素、10個より多い画素などを覆う幅を有してもよい。各レンチキュラーレンズは、ディスプレイ全体にわたって(例えば、ディスプレイ内の画素の列に平行に)延びる長さを有することができる。
【0035】
図5は、レンチキュラーディスプレイに組み込むことができる例示的なレンチキュラーレンズフィルムの上面図である。図5に示すように、細長いレンズ46は、Y軸に平行にディスプレイにわたって延びる。例えば、図3及び図4の側断面図は、方向50で見て取られてもよい。レンチキュラーディスプレイは、任意の所望の数(例えば、10より多い、100より多い、1,000より多い、10,000より多いなど)のレンチキュラーレンズ46を含んでもよい。
【0036】
図6は、例示的な平面レンチキュラーディスプレイの側面図である。ディスプレイ内の画素は、ディスプレイのレンチキュラーレンズフィルムによって少なくとも部分的に制御される放射角52(放射円錐と呼ばれることもある)にわたって光を放射することができる。ディスプレイは、表示画素の放射角に対応する視野角の範囲にわたって視認可能とすることができる。例えば、視野円錐54Fは、ディスプレイの正面から(例えば、ディスプレイの面法線56に平行な軸上方向で)ディスプレイ14を見る観察者に対応してもよい。視野円錐54Aは、面法線56に対して15°だけ角度をなす方向でディスプレイ14を見る観察者に対応してもよい。図6に示すように、正面ビュー54F及び角度をなすビュー54Aの両方から、視野円錐は、表示画素の放射円錐と重なり合う。したがって、観察者は、ディスプレイの左側、ディスプレイの中心、及びディスプレイの右側のいずれでも画素を適切に見ることができる。これは、0°(例えば、面法線に平行)から±15°までの視野角にわたって当てはまり得る。15°を超えると、観察者は、特定の画素(例えば、ディスプレイの縁部の画素)を適切に見ることができない場合がある。したがって、図6のディスプレイで使用されるレンチキュラーレンズフィルムは、15°の視野フィルムとみなすことができる(フィルムは、観察者がディスプレイの面法線に対して-15°~+15°の角度でディスプレイを適切に見ることを可能にするため)。
【0037】
図6は、平面ディスプレイの一例を示す。しかしながら、いくつかの電子デバイスでは、ディスプレイ14が湾曲していることが望ましい場合がある。ディスプレイ14を湾曲させることにより、ディスプレイが電子デバイス10の所望のフォームファクタに適合することを可能にすることができ、所望の美的外観などを提供することができる。ディスプレイは、凹状湾曲又は凸状湾曲を有してもよい。
【0038】
レンチキュラーディスプレイに湾曲を提供することにより、レンチキュラーディスプレイの性能に影響を及ぼすことがある。具体的には、ディスプレイの湾曲は、観察者に対するディスプレイの表面の角度が一定ではないことを意味する。これにより、レンチキュラーディスプレイ内の全ての画素を適切に視認可能とすることが困難になり得る。
【0039】
図7は、凹状湾曲を有する例示的なレンチキュラーディスプレイの側断面図である。換言すれば、ディスプレイの縁部は、ディスプレイの放射方向から離れるように湾曲している。図7のレンチキュラーディスプレイは、図6のディスプレイと同じレンチキュラーレンズフィルムを使用することができ、これは、図7の角度52が図6の角度52と同じであることを意味する。図7に示すように、レンチキュラーディスプレイ14の凸状湾曲により、画素の一部を観察者の視野円錐の外側にする。図6と同様に、視野円錐54Fは、ディスプレイの正面から(例えば、ディスプレイの中心でのディスプレイの面法線56に平行な軸上方向で)ディスプレイ14を見る観察者に対応する。視野円錐54Aは、面法線56に対して15°だけ角度をなす方向でディスプレイ14を見る観察者に対応してもよい。
【0040】
視野円錐54Fによって示されるように、ディスプレイの正面からの観察者は、ディスプレイの中心の画素を適切に見ることができる。しかしながら、ディスプレイの左縁部及び右縁部の画素の放射円錐は、視野円錐54Fと重なり合うには狭すぎる。したがって、ディスプレイの正面の観察者は、ディスプレイの左縁部及び右縁部の画素は見えない。視野円錐54Aによって示されるように、軸外位置からの観察者は、ディスプレイの中心及びディスプレイの右縁部の画素を適切に見ることができる。しかしながら、ディスプレイの左縁部の画素の放射円錐は、視野円錐54Aと重なり合わない。したがって、15°の角度での観察者は、ディスプレイの遠縁部の画素を適切に見ることができない。
【0041】
レンチキュラーディスプレイにおける凸状湾曲を可能にするために、レンチキュラーレンズフィルムは、画素からの光の放射円錐の角度を増加させるように修正されてもよい。例えば、レンチキュラーレンズフィルムは、より大きな湾曲を有するレンチキュラーレンズを有してもよい。図8は、このタイプのディスプレイの側断面図である。図8に示すように、表示画素は、図6及び図7の表示画素の放射角よりも大きい放射角52を有することができる。図8の放射角は、1つの例示的な実施例では60°であってもよい(例えば、±30°)。これは、1つの例示的な実施例では30°(例えば±15°)であり得る図7の放射角とは対照的である。
【0042】
図6及び図7と同様に、図8の視野円錐54Fは、ディスプレイの正面から(例えば、ディスプレイの中心でのディスプレイの面法線56に平行な軸上方向で)ディスプレイ14を見る観察者に対応する。視野円錐54Aは、面法線56に対して15°だけ角度をなす方向でディスプレイ14を見る観察者に対応してもよい。
【0043】
図8に示すように、正面ビュー54F及び角度をなすビュー54Aの両方から、視野円錐は、表示画素の放射円錐と重なり合う。したがって、観察者は、ディスプレイの左側、ディスプレイの中心、及びディスプレイの右側の画素を適切に見ることができる。これは、0°(例えば、面法線56に平行)から±15°までの視野角にわたって当てはまり得る。
【0044】
凸状湾曲を有するレンチキュラーディスプレイ14は、幅62、高さ64、及び曲率半径66を有することができる。幅62は、ディスプレイ14のフットプリントの幅(例えば、ディスプレイの湾曲を考慮しないで、上から見たときのディスプレイの輪郭の幅)を指してもよい。幅62は、時にフットプリント幅と呼ばれることもある。ディスプレイ14はまた、屈曲が生じる前のディスプレイ14の幅を指すパネル幅を有してもよい。高さ64は、ディスプレイの上面の最上部(例えば、ディスプレイの中心)とディスプレイの上面の最下部(例えば、ディスプレイの左縁部及び右縁部)との間の垂直距離(例えば、Z軸に沿った)を指してもよい。図8では、幅62は、100~200ミリメートル、60ミリメートル超、100ミリメートル超、150ミリメートル超、200ミリメートル超、500ミリメートル超、1,000ミリメートル超、300ミリメートル未満、200ミリメートル未満、125~175ミリメートルなどであってもよい。高さ64は、1ミリメートル超、2ミリメートル超、4ミリメートル超、5ミリメートル超、10ミリメートル超、100ミリメートル超、5~10ミリメートル、10ミリメートル未満、5~7ミリメートルなどであってもよい。1つの例示的な構成では、幅62は、およそ150ミリメートル(例えば、その10%以内)であり、高さ64は、およそ6ミリメートル(例えば、その10%以内)である。
【0045】
図8のディスプレイの湾曲はまた、曲率半径66によって特徴付けられてもよい。曲率半径は、その点における曲線に最も近い円弧の半径を指す。したがって、大きな曲率半径は、緩い湾曲を示し(曲線はより長い距離にわたって発達するため)、小さい曲率半径は、きつい湾曲を示す(曲線はより短い距離にわたって発達するため)。図8では、曲率半径は、ディスプレイにわたって均一である。曲率半径は、約400ミリメートル(例えば、その10%以内)であってもよい。この実施例は単なる例示に過ぎず、曲率半径は、所望であれば、より小さくてもよく、又はより大きくてもよい(例えば、400ミリメートル超、600ミリメートル超、800ミリメートル超、1,000ミリメートル超、800ミリメートル未満、500ミリメートル未満、400ミリメートル未満、300ミリメートル未満、200ミリメートル未満など)。
【0046】
場合によっては、図8のレンチキュラーディスプレイよりも大きな湾曲を有するレンチキュラーディスプレイを形成することが望ましい場合がある。例えば、電子デバイスのフォームファクタに一致するために、より大きな湾曲度が望ましい場合がある。曲率半径を低減して、ディスプレイの湾曲を増加させてもよい。しかしながら、その結果、画素は、適切に視認可能でない場合がある(図7に関連して示されるものと同様に)。図8では、放射角52は、図7と比較して既に増加されているが、視野円錐54Aは、放射円錐52とかろうじて重なり合う。したがって、適切な画素をより高い湾曲度で見ることを可能にするために、放射角を増加させる必要がある。しかしながら、これは、レンチキュラーレンズフィルムの製造プロセスにおける制約により可能ではない場合がある。図8の放射角52は、レンチキュラーレンズフィルムの最大可能な放射角である場合がある。したがって、放射角を増加させて、ディスプレイの増加した凸状湾曲に対応することができない。
【0047】
放射角を増加させるためにレンチキュラーレンズフィルムを修正することに加えて、又はその代わりに、他の技術を使用して、所望の凸状湾曲を有する立体視ディスプレイの形成を可能にすることができる。視認可能なアーチファクトを回避しながらディスプレイの湾曲を増大させる1つの方法は、ディスプレイの縁部に沿って非立体視領域を有することである。非立体視領域は、三次元コンテンツの代わりに二次元コンテンツを提示するように構成されていてもよい。したがって、非立体視領域の視野角の制約を緩和することができる。これにより、より大きな湾曲度をディスプレイに使用することが可能になる。
【0048】
図9は、凸状湾曲を増加させるための、非立体視部分を有するレンチキュラーディスプレイの側断面図である。図9に示すように、ディスプレイは、中央立体視部分72を有する。ディスプレイはまた、ディスプレイの左縁部及び右縁部それぞれに沿って中央立体視部分の周囲に形成された非立体視部分74-1及び74-2を有する。
【0049】
非立体視ディスプレイ部分74-1及び74-2では、画素データは、同じ画像がユーザの左眼及び右眼の両方に提供されるように使用されてもよい。これにより、ユーザがこの領域内で三次元画像を知覚することを防止する。しかしながら、これらの領域内の画素は、放射円錐52と重なり合う視野角だけでなく、広範囲の視野角から適切に見ることができる。これにより、非立体視部分74-1及び74-2内の画素に対する任意の視野角の制約を効果的に除去する。視野角の制約は、立体視部分72内の画素に対して依然として存在し得るが、この部分の幅の減少(非立体視部分の存在による)により、ディスプレイのより積極的な湾曲が可能になる。
【0050】
図9に示すように、正面ビュー54F及び角度をなすビュー54Aの両方から、視野円錐は、表示画素の放射円錐と重なり合う。したがって、観察者は、ディスプレイの立体視部分の左側、ディスプレイの立体視部分の中心、及びディスプレイの立体視部分の右側の画素を適切に見ることができる。これは、0°(例えば、面法線56に平行)から±15°までの視野角にわたって当てはまり得る。非立体視ディスプレイ部分74-1及び74-2内の画素は、角度52内で見ることに制約されないため、非立体視ディスプレイ部分74-1及び74-2内の画素はまた、正面ビュー54F及び角度をなすビュー54Aの両方から視認可能とすることができる。
【0051】
図9では、幅62は、図8の幅62と同じであってもよい。あるいは、図9のパネル幅は、図8のパネル幅と同じであってもよく、図9のフットプリント幅62は、図9における増加した湾曲に起因して、図8のフットプリント幅よりも小さくてもよい。図9の幅62は、100~200ミリメートル、60ミリメートル超、100ミリメートル超、150ミリメートル超、200ミリメートル超、500ミリメートル超、1,000ミリメートル超、300ミリメートル未満、200ミリメートル未満、125~175ミリメートルなどであってもよい。図9の高さ64は、ディスプレイの増加した湾曲に起因して、図8の高さ64よりも大きくてもよい。高さ64は、1ミリメートル超、2ミリメートル超、4ミリメートル超、5ミリメートル超、10ミリメートル超、15ミリメートル超、20ミリメートル超、100ミリメートル超、5~10ミリメートル、10~15ミリメートル、11~13ミリメートル、10ミリメートル未満などであってもよい。1つの例示的な構成では、図9のディスプレイ14は、およそ150ミリメートル(例えば、その10%以内)の幅62、及びおよそ12ミリメートル(例えば、その10%以内)の高さ64を有する。
【0052】
図9のディスプレイの湾曲はまた、曲率半径66によって特徴付けられてもよい。図9では、曲率半径は、ディスプレイにわたって均一である。図9の曲率半径66は、図9における増加した湾曲に起因して、図8の曲率半径66よりも小さい。曲率半径は、約290ミリメートル(例えば、その10%以内)であってもよい。この実施例は単なる例示に過ぎず、曲率半径は、所望であれば、より小さくてもよく、又はより大きくてもよい(例えば、200ミリメートル超、400ミリメートル超、600ミリメートル超、800ミリメートル超、1,000ミリメートル超、800ミリメートル未満、500ミリメートル未満、400ミリメートル未満、300ミリメートル未満、200ミリメートル未満、250~350ミリメートルなど)。
【0053】
図10は、立体視ゾーン及び非立体視ゾーンを有する例示的なレンチキュラーディスプレイの上面図である。図10に示すように、ディスプレイは、非立体視ゾーン74-1と非立体視ゾーン74-2(非立体視領域、非立体視部分、二次元部分、縁部部分などと呼ばれることもある)との間に介在する立体視ゾーン72(立体視領域、立体視部分、三次元部分、中央部分などと呼ばれることもある)を有してもよい。立体視ゾーンは、観察者に三次元コンテンツを提示することができ、一方、非立体視ゾーンは、観察者に二次元コンテンツを提示することができる。非立体視ゾーンの存在により、立体視ゾーンにおける立体視を乱すことなく、ディスプレイのより大きな凸状湾曲を可能にすることができる。
【0054】
ディスプレイの各ゾーンは、任意の所望の幅を有してもよい。立体視ゾーン72は、100~200ミリメートル、50ミリメートル超、75ミリメートル超、100ミリメートル超、150ミリメートル超、200ミリメートル超、500ミリメートル超、1,000ミリメートル超、300ミリメートル未満、200ミリメートル未満、150ミリメートル未満、80~150ミリメートル、100~120ミリメートルなどの幅82(フットプリント幅又はパネル幅のいずれか)を有してもよい。非立体視ゾーン74-1は、5ミリメートル超、10ミリメートル超、15ミリメートル超、20ミリメートル超、50ミリメートル超、100ミリメートル超、300ミリメートル超、10~30ミリメートル、10~60ミリメートル、15~25ミリメートル、40ミリメートル未満などの幅84(フットプリント幅又はパネル幅のいずれか)を有してもよい。非立体視ゾーン74-2は、5ミリメートル超、10ミリメートル超、15ミリメートル超、20ミリメートル超、50ミリメートル超、100ミリメートル超、300ミリメートル超、10~30ミリメートル、10~60ミリメートル、15~25ミリメートル、40ミリメートル未満などの幅86(フットプリント幅又はパネル幅のいずれか)を有してもよい。
【0055】
立体視ゾーン72の幅を減少させる(したがって、非立体視ゾーンの幅を増加させる)ことにより、ディスプレイの最大許容可能な湾曲を増加させることができる。しかしながら、立体視部分の幅を減少させることにより、レンチキュラーディスプレイを使用して表示することができる三次元コンテンツの量が低減される。これらの要因は、特定のレンチキュラーディスプレイの設計要件に基づいてバランス調整されてもよい。
【0056】
図7図9は、ディスプレイにわたって均一な曲率半径を有するディスプレイの例を示している。これらの実施例は単なる例示に過ぎない。いくつかのレンチキュラーディスプレイは、ディスプレイにわたって変化する湾曲を有することができる。図11は、2つの異なる曲率半径を有するレンチキュラーディスプレイの側断面図である。図11に示すように、立体視部分72は、第1の曲率半径66を有してもよい。ディスプレイはまた、非立体視部分74-1及び74-2を含んでもよい。非立体視部分は、三次元コンテンツを提示するために使用されないため、これらの部分は、それらの曲率半径においてより制約されなくてもよい。したがって、所望のフォームファクタに適合するのに有用である場合、ディスプレイの非立体視部分は、ディスプレイの立体視部分よりも高い湾曲度を有することができる。図11は、湾曲がディスプレイ全体にわたって均一のままである場合の非立体視ディスプレイ部分の位置を示す破線92を示す。代わりに、曲率半径88及び90は、曲率半径66よりも小さい。したがって、ディスプレイは、中央部分72よりも縁部部分74-1及び74-2においてより湾曲している。
【0057】
非立体視部分74-1及び74-2においてより大きな湾曲を有することにより、図11のディスプレイ高さ64を(均一な湾曲が使用される場合の)図9よりも大きくすることが可能になる。図11の高さ64は、1ミリメートル超、2ミリメートル超、4ミリメートル超、5ミリメートル超、10ミリメートル超、12ミリメートル超、15ミリメートル超、20ミリメートル超、50ミリメートル超、100ミリメートル超、10~15ミリメートル、10~20ミリメートル、8~40ミリメートル、40ミリメートル未満などとすることができる。
【0058】
曲率半径66は、約290ミリメートル(例えば、その10%以内)であってもよい。この実施例は単なる例示に過ぎず、曲率半径66は、所望であれば、より小さくてもよく、又はより大きくてもよい(例えば、200ミリメートル超、400ミリメートル超、600ミリメートル超、800ミリメートル超、1,000ミリメートル超、800ミリメートル未満、500ミリメートル未満、400ミリメートル未満、300ミリメートル未満、200ミリメートル未満、250~350ミリメートルなど)。曲率半径88は、290ミリメートル未満、250ミリメートル未満、200ミリメートル未満、200ミリメートル超、250ミリメートル超、500ミリメートル超、1,000ミリメートル超、800ミリメートル未満、500ミリメートル未満、400ミリメートル未満、200ミリメートル未満、150~300ミリメートルなどであってもよい。曲率半径90は、290ミリメートル未満、250ミリメートル未満、200ミリメートル未満、200ミリメートル超、250ミリメートル超、500ミリメートル超、1,000ミリメートル超、800ミリメートル未満、500ミリメートル未満、400ミリメートル未満、200ミリメートル未満、150~300ミリメートルなどであってもよい。曲率半径88は、曲率半径90と同じであってもよく、又は異なっていてもよい。
【0059】
所望であれば、曲率半径は、立体視領域72内で変化してもよい。一般に、ディスプレイ14の任意の部分の曲率半径は、レンチキュラーディスプレイの特定の設計及びフォームファクタに基づいて選択されてもよい。
【0060】
図12は、立体視部分及び非立体視部分の両方を有するディスプレイを有する例示的な電子デバイスの概略図である。電子デバイス10は、画像データ(例えば、各画素に使用される輝度値)をディスプレイ駆動回路30に提供するグラフィック処理ユニット94を含んでもよい。ディスプレイ駆動回路30は、画像データをディスプレイのデータ線Dに供給することができる。次いで、画像データに対応する画像が、レンチキュラーディスプレイ14の表示画素22を使用して表示される。
【0061】
図12に示すように、グラフィック処理ユニット94(graphics processing unit、GPU)は、三次元コンテンツ(例えば、立体画像コンテンツ)及び二次元コンテンツ(例えば、非立体画像コンテンツ)の両方をディスプレイ駆動回路30に提供することができる。三次元コンテンツは、ディスプレイの立体視部分に表示されるように構成されていてもよく、二次元コンテンツは、ディスプレイの非立体視部分上に表示されるように構成されていてもよい。二次元コンテンツは、視野角にかかわらず画素が同じに見えることを確実にするために、表示画素の一部に対して重複値を含んでもよい。換言すれば、画素は、同じ画像がユーザの左眼及び右眼に提供されるように、画像データを提供される。これにより、三次元画像がユーザによって知覚されることを防止するが、凸状湾曲を有するレンチキュラーディスプレイを有することに起因して生じる場合があるエラーを回避する。
【0062】
画像データをディスプレイ駆動回路30に提供するグラフィック処理ユニット94の図12の実施例は、単なる例示に過ぎない。一般に、任意の所望の回路又は表示構成要素を使用して、画像データをディスプレイ駆動回路30に提供することができる。
【0063】
場合によっては、ディスプレイ14は、複数のモードで動作可能であってもよい。図13は、ディスプレイ14の例示的な動作モードを示す状態図である。図示のように、ディスプレイは、二次元表示モード96及び三次元表示モード98で動作することができる。二次元表示モード96では、ディスプレイ全体を、非立体視として処理することができる。画素データは、表示された画像が両眼で同じに見えるように選択されて、三次元画像の知覚をもたらす立体視効果を防止してもよい。三次元表示モード98では、三次元画像データをディスプレイの立体視部分(単数又は複数)に提供することができる。例えば、立体視部分72を使用して、三次元コンテンツを提示することができる。三次元表示モードでは、図13の非立体視ディスプレイ部分74-1及び74-2などの非立体視ディスプレイ部分は、レンチキュラーディスプレイの増加した湾曲を可能にするために、依然として二次元コンテンツを提示してもよい。
【0064】
図14A及び図14Bは、レンチキュラーディスプレイにおける凸状湾曲の増加を可能にするための別の技術を示す。具体的には、レンチキュラーレンズは、所望の方向に光を向けるために、ディスプレイにわたって変化する形状を有してもよい。図14Aは、レンチキュラーディスプレイが湾曲する前のシフトしたレンチキュラーレンズを有するレンチキュラーディスプレイを示す。図14Aに示すように、レンチキュラーディスプレイ14は、前述したものと同様に、基板36上に表示画素22を有する。レンチキュラーレンズフィルム42は、ベースフィルム44上にレンチキュラーレンズ46を含む。各レンチキュラーレンズは、レンズによって方向転換された光の主放射方向(例えば、レンチキュラーレンズに関連付けられた主光線の方向)に対応する軸102を有することができる。別の言い方をすれば、光は、軸102によって画定される中心を有する放射円錐を有するように、レンチキュラーレンズによって方向転換されてもよい。レンズの形状は、軸102の方向を制御するためにシフトされてもよい。ディスプレイの凸状湾曲の増加を可能にするために、各レンチキュラーレンズの軸は、ディスプレイ内のレンチキュラーレンズの位置に応じて変化してもよい。
【0065】
図14Aに示すように、ベースフィルム44の平面上面に対する軸102の角度は、レンチキュラーレンズ間で変化する。ディスプレイの中心にあるレンチキュラーレンズは、ベースフィルム44の平面上面に対して角度104の軸を有してもよい。角度104は、レンチキュラーレンズからの光をベースフィルムの上面と直交する方向に放射することができる様子を示す、90°であってもよい。しかしながら、レンチキュラーレンズがディスプレイの縁部に近づいて移動するにつれて、軸102の角度は、減少してもよい。ディスプレイの縁部にあるレンチキュラーレンズは、ベースフィルム44の上面に対して角度106の軸102を有することができる。角度106は、90°未満、85°未満、80°未満、70°未満、60°未満、50°未満、45°未満、45°超、70°超、45°~85°などであってもよい。
【0066】
ベースフィルムに対する各レンチキュラーレンズ軸の角度は、ディスプレイの中心の最大(例えば、90°)からディスプレイの縁部の最小まで漸進的に減少してもよい。各軸の角度は、連続的かつ単調に減少してもよく、又は階段関数に従って減少してもよい。ディスプレイに存在する少なくとも2つの異なる角度、ディスプレイに存在する少なくとも3つの異なる角度、ディスプレイに存在する少なくとも5つの異なる角度、ディスプレイに存在する少なくとも10個の異なる角度などが存在してもよい。レンズの軸を制御するために、レンズ形状をシフトする(例えば、歪ませる、非対称にするなど)ことができる。したがって、レンズ形状は、ディスプレイの中心の対称形状からディスプレイの縁部の最大限にシフトした形状まで漸進的にシフトすることができる。各レンチキュラーレンズ形状のシフト量は、中心から縁部まで連続的かつ単調に増加してもよく、又は階段関数に従って増加してもよい。ディスプレイに存在する少なくとも2つの異なるレンズ形状、ディスプレイに存在する少なくとも3つの異なるレンズ形状、ディスプレイに存在する少なくとも5つの異なるレンズ形状、ディスプレイに存在する少なくとも10個の異なるレンズ形状などが存在してもよい。
【0067】
レンチキュラーレンズ形状は、ディスプレイが湾曲した後にディスプレイからの光が軸上方向に放射されるようにシフトされてもよい。図14Bは、湾曲状態にあるレンチキュラーディスプレイの側断面図を示す。図示のように、レンズのシフトは、レンズがディスプレイの中心又はディスプレイの縁部にあるかにかかわらず、軸102がZ軸に平行であることをもたらす。したがって、図14A及び図14Bのレンチキュラーレンズ46のシフトされた形状を使用して、光をZ方向に方向転換することができる。これにより、シフトされたレンチキュラーレンズによる湾曲にもかかわらず、縁部画素が三次元コンテンツを依然として提示することができ得るので、ディスプレイのより大きな湾曲を可能にすることができる。各軸102がZ軸に平行である図14Bの実施例は、単なる例示に過ぎない。一般に、レンチキュラーレンズ46は、軸102がZ軸に平行であることにより近づくようにシフトされてもよいが、軸は、依然として全てがZ軸と平行でなくてもよい。
【0068】
ディスプレイの半分のみが図14A及び図14Bに示されているが、この技術はレンチキュラーディスプレイの両半体に使用することができることを理解されたい。ディスプレイの両半体上で、1つ以上のレンチキュラーレンズは、(平面構成で)ディスプレイの中心により向かって、したがって(屈曲構成で)Z軸により近接して、光を方向転換させるように歪ませた形状を有してもよい。
【0069】
レンチキュラーディスプレイに影響を及ぼし得る別の潜在的問題は、クロストークによるエラーである。図15は、この問題を示すレンチキュラーディスプレイの側断面図である。図15に示すように、ディスプレイ内の画素は、ディスプレイのレンチキュラーレンズフィルムによって少なくとも部分的に制御される放射角52(放射円錐と呼ばれることもある)にわたって光を放射することができる。ディスプレイの最適な視野角は、放射領域113にのみ対応することができる。しかしながら、領域114及び116内に放射された光は、依然として、通常視野の外側の大きな視野角で観察者によって視認可能とすることができる。領域114及び116内に放射された光は、これらの観察者に画像反転又は繰り返し画素を生じさせることがある。表示された画像におけるこれらのタイプの顕著な欠陥は、望ましくない。
【0070】
レンチキュラーディスプレイにおいて顕著な欠陥を引き起こすクロストークを遮断するために、ルーバーフィルムをディスプレイに組み込むことができる。図16は、ルーバーフィルムを有するレンチキュラーディスプレイの側断面図である。図16に示すように、ルーバーフィルム112は、ディスプレイパネル20とレンチキュラーレンズフィルム42との間に介在してもよい。ルーバーフィルムは、特定の視野角を超えた光を遮断することができる。これにより、最適な視野角に対応する光が依然としてディスプレイから放射されることを確実にする(図16の放射領域113によって示されるように)。しかしながら、この領域の外側の光は、ルーバーフィルム112によって遮断される。したがって、図15の領域114及び116からの光は、図16には存在しない。最適視野の外側では、表示画素は、観察者に反復画像又は不正確な画像を提示する代わりに、単に暗く見える。
【0071】
図17は、レンチキュラーディスプレイに含まれるルーバーフィルムの詳細図を示す、レンチキュラーディスプレイの側断面図である。ディスプレイ14は、基板36上に画素22を含む。基板36は、ガラス、金属、プラスチック、セラミック、又は他の基板材料から形成されてもよく、画素22は、有機発光ダイオード画素、液晶ディスプレイ画素、又は任意の他の所望のタイプの画素であってもよい。レンチキュラーレンズフィルム42は、表示画素の上に形成されてもよい。レンチキュラーレンズフィルム42は、レンズ46及びベースフィルム部分44を含む。
【0072】
図17のディスプレイはまた、表示画素22の上に形成された偏光子122を含む。偏光子122は、直線偏光子(例えば、ポリビニルアルコール(PVA)及びトリアセテートセルロース(TAC)の層から形成された、又は他の所望の材料から形成された)であってもよい。ルーバーフィルム112は、偏光子122とレンチキュラーレンズフィルム42との間に介在する。ルーバーフィルムは、透明部分118及び不透明部分120の両方を含む。ルーバーフィルムの透明部分は、ポリカーボネート(PC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリマー材料から形成されてもよい。ルーバーフィルムの透明部分は、所望であれば、ガラスなどの他の材料から形成されてもよい。ルーバーフィルムの透明部分は、光の90%超、光の95%超、光の99%超などを透過してもよい。
【0073】
ルーバーフィルムの不透明部分120は、不透明材料から形成されてもよい。例えば、不透明部分は、光の50%未満、光の40%未満、光の30%未満、光の20%未満、光の10%未満、光の5%未満、光の1%未満などを透過してもよい。不透明部分は、不透明なポリマー材料又は別のタイプの不透明材料から形成されてもよい。不透明部分は、ルーバーフィルムの上面からルーバーフィルムの下面まで延びてもよい。不透明部分120は、時に不透明な壁と呼ばれることもある。不透明部分は、図5に示すレンチキュラーレンズのパターンと同様に、Y軸に平行に伸長されてもよい。各不透明部分は、ディスプレイ全体にわたってY方向に延びてもよい。
【0074】
不透明部分120の存在により、透明部分118を通って放射される光の角度は、限定される。ルーバーフィルムを通る放射の角度は、±10°未満、±15°未満、±20°未満、±30°未満、±40°未満、±10°~±30°、±10°~±20°などであってもよい。ルーバーフィルム112は、放射角及びそれに応じてディスプレイの視野角を減少させるため、ルーバーフィルム112は、時に、放射角低減層112、視野角低減層112、放射角低減角度112などと呼ばれることがある。ルーバーフィルムはまた、プライバシーフィルム112と呼ばれることがある。
【0075】
図18に示すように、場合によっては、追加のフィルムが、レンチキュラーレンズフィルム42の上に形成されてもよい。フィルム128は、レンチキュラーレンズフィルム42の上面に適合してもよい。フィルムは、滑らかな上面130、及びレンズフィルム42の上面に直接接触する湾曲した下面132を有してもよい。レンズフィルムの上にフィルム128を形成することにより、(レンズフィルム42の不均一な上面の代わりに)滑らかな上面を提供することができ、これにより、製造利益を提供することができる。フィルム128によりレンズフィルム42を覆うことにより、レンズフィルム42を損傷から保護することもできる。
【0076】
フィルム128は、低屈折率を有する透明材料(例えば、ポリマー材料)から形成することができる。例えば、フィルム128の屈折率は、1.4未満、1.3未満、1.2未満、1.1未満などであってもよい。低屈折率材料からフィルム128を形成することにより、より高い屈折率のフィルムが使用される構成に対してレンチキュラーレンズ46のレンズ度数を改善することができる。フィルム128は、時に、低屈折率フィルム、保護フィルム、平坦化フィルム、低屈折率層、保護層、又は平坦化層と呼ばれる場合がある。
【0077】
所望であれば、不透明部分120は、選択的に不透明であってもよい。例えば、不透明部分120は、透明な状態と不透明な状態との間で切り替えられてもよい。不透明部分は、2つの状態(例えば、完全に透明及び完全に不透明)のみを有してもよく、又は所望であれば、2つの極度の間の追加の状態を有してもよい。選択的不透明部分120の透明度を切り替えるために、制御回路16は、接点124及び/又は接点126に信号を印加することができる。一実施例では、不透明部分120は、液晶材料から形成されてもよい。制御回路16は、不透明部分のいずれかの側の電極に(例えば、接点124及び126に)異なる電圧を印加して、不透明部分の透明度を制御することができる。別の実施例では、不透明部分は、電子インク(例えば、透明な流体中に浮遊している、負及び正に帯電した黒色及び白色の粒子)を含んでもよい。制御回路は、接点124及び/又は接点126に信号を印加して、選択的不透明部分120の不透明度を変化させてディスプレイの放射角を制御することができる。
【0078】
制御回路16は、ディスプレイの不透明部分の全てを普遍的に制御してもよく、又は不透明部分ごとの制御を有してもよい。場合によっては、制御回路16は、一部の選択的不透明部分を透明にし、かつ一部の選択的不透明部分を不透明にするように、同時に制御することができる。一実施例では、制御回路16は、眼及び/又は頭部追跡システムからの情報に基づいて、選択的不透明部分の不透明度を制御することができる。例えば、ユーザの頭部及び/又は眼の位置に基づいて、制御回路は、部分120の一部を不透明にして、クロストークを遮断することができる。
【0079】
レンチキュラーレンズフィルム42とは別個に形成されたルーバーフィルム112を有する図17及び図18の実施例は、単なる例示に過ぎない。図19に示すように、1つの可能な実施形態では、ルーバーフィルムの不透明部分は、レンチキュラーレンズフィルムのベース部分に直接組み込まれてもよい。別の言い方をすれば、ルーバーフィルムは、レンチキュラーレンズのベースフィルムとして機能してもよい。図19に示すように、レンチキュラーレンズフィルム42のベースフィルム44は、不透明部分120を含む。不透明部分120は、静的であってもよく、又は任意選択的に、図18に示すように選択的不透明部分であってもよい。図19の不透明部分120は、ベースフィルムの上面からベースフィルムの下面まで延びてもよい。不透明部分120は、時に不透明な壁と呼ばれることもある。不透明部分120の存在により、ディスプレイを通って放射される光の角度は、限定される。ルーバーフィルムを通る放射の角度は、±10°未満、±15°未満、±20°未満、±30°未満、±40°未満、±10°~±30°、±10°~±20°などであってもよい。
【0080】
図19では、保護フィルム128は、レンチキュラーレンズフィルム42の上に形成されているものとして示されている。この実施例は単なる例示に過ぎず、保護フィルムは、必要に応じて省略されてもよい。加えて、図16図19は、ルーバーフィルムがレンチキュラーレンズフィルムの下に形成される例示的なレンチキュラーディスプレイ構成を示している。換言すれば、表示画素からの光は、レンチキュラーレンズ46に到達する前に不透明部分120に到達する。しかしながら、これらの構成要素の順序は、必要に応じて反転されてもよい。
【0081】
図20は、表示画素とルーバーフィルムとの間に介在するレンチキュラーレンズを有する例示的なディスプレイの側断面図である。図20に示すように、表示画素22は、基板36上に形成されてもよく、偏光子122は、表示画素22の上に形成されてもよい(図17図19と同様に)。しかしながら、レンチキュラーレンズフィルム42は、ルーバーフィルム112と偏光子122との間に介在する。レンチキュラーレンズフィルムの上にルーバーフィルムを形成することにより、望ましくは、ディスプレイの上面からの鏡面反射を低減することができる。レンチキュラーレンズフィルムは、レンチキュラーレンズ46を有するベース部分44を有する。しかしながら、レンチキュラーレンズは、表示画素から離れる代わりに表示画素に向かって延びる凸状湾曲を有する。レンチキュラーレンズフィルム42と表示画素22との間に、低屈折率フィルム128が介在している。低屈折率フィルムは、偏光子122により良好に接着することができる滑らかな表面を形成してもよい。
【0082】
透明部分118及び不透明部分120を有するルーバーフィルム112は、レンチキュラーレンズフィルム42の上に形成されてもよい。ルーバーフィルムは、前述のように動作し、ディスプレイから放射することができる光の角度を制限する。ルーバーフィルムを通る放射の角度は、±10°未満、±15°未満、±20°未満、±30°未満、±40°未満、±10°~±30°、±10°~±20°などであってもよい。
【0083】
図20では、ルーバーフィルムの不透明部分は、(図19に示されるものと同様に)別個に形成されたレンチキュラーレンズ及びルーバーフィルムを有する代わりに、レンチキュラーレンズフィルムのベースフィルム44に組み込むことができる。加えて、図20の不透明部分120は、図18に関連して示されるように選択的に不透明であってもよい。図17図20では、所望であれば、偏光層122は、任意選択的に省略することができる。図17図20では、レンチキュラーディスプレイの平面部分が示されているが、レンチキュラーディスプレイ(及び各断面におけるその構成要素の全て)は、凸状湾曲を有してもよく(図16のように)、又は完全に平面であってもよいことを理解されたい。
【0084】
図21に示すように、ルーバーフィルムの不透明部分は、ルーバーフィルムが湾曲した後に最終的に平行になるように角度をなしてもよい。不透明部分は、それぞれの軸142に沿ってそれぞれ延びる細長い部分であってもよい。湾曲したルーバーフィルムの中心において、軸142-1は、ルーバーフィルム(及びディスプレイスタック内の他の層)の上面及び下面に対して垂直であってもよい。湾曲したルーバーフィルムの縁部において、軸142-2は、ルーバーフィルムの上面(及び下面)に対して角度をなしてもよい。軸142-2は、ルーバーフィルムの上面に対して、90°未満、85°未満、80°未満、70°未満、60°未満、50°未満、45°未満、45°超、70°超、45°~85°などの角度であってもよい。軸142-2は、軸がZ軸に平行であるように角度をなしてもよい。
【0085】
各軸の角度は、ディスプレイの中心の最大(例えば、90°)からディスプレイの各縁部の最小まで漸進的に減少してもよい。したがって、ルーバーフィルムの不透明部分の軸142の全ては、平行(又は平行に近い)であってもよい。換言すれば、軸は、フィルムの湾曲を考慮するように角度をなしている。各軸の角度は、ディスプレイの中心から縁部まで連続的かつ単調に減少してもよく、又は階段関数に従って減少してもよい。
【0086】
この実施例は単なる例示に過ぎない。他の構成では、軸は、全て平行でなくてもよい。軸の任意の所望のパターンを使用して、ルーバーフィルムを通って放射される光のパターンを制御することができる。
【0087】
図21の湾曲したフィルムの平行な不透明部分は、ディスプレイスタックの残りの部分にかかわらず、ルーバーフィルムに適用されてもよい。例えば、図17の不透明部分は、ディスプレイが湾曲しているときに図21のように角度をなしてもよく、図18の不透明部分は、ディスプレイが湾曲しているときに図21のように角度をなしてもよく、図19の不透明部分は、ディスプレイが湾曲しているときに図21のように角度をなしてもよく、図20の不透明部分は、ディスプレイが湾曲しているときに図21のように角度をなしてもよい。
【0088】
加えて、ルーバーフィルムを有するレンチキュラーディスプレイは、非立体視領域を有してもよく(図9及び図10のように)、ディスプレイにわたって不均一な曲率半径を有してもよく(図11のように)、かつ/又はシフトされた軸を有するレンチキュラーレンズを有してもよい(図14A及び図14Bのように)。
【0089】
図22A及び図22Bは、レンチキュラーレンズが画素アレイに対して一定の角度であることができる様子を示す、例示的なディスプレイの上面図である。図22Aに示すように、ディスプレイは、レンチキュラーレンズ46を有するレンチキュラーレンズフィルムを含んでもよい。ディスプレイは、第1及び第2(例えば、上及び下)の両側の縁部、並びに第3及び第4(例えば、左及び右)の両側の縁部を有する矩形の周辺部を有してもよい。図22Aは、上縁部202及び側縁部204(例えば、左縁部)を示す。上縁部202及び204は、図22Aに示すように、直交していてもよい。ディスプレイのアクティブエリア及びディスプレイの基板は、対応する上縁部、下縁部、左縁部、及び右縁部を有することができる。上縁部202が左縁部204に直交する図22Aの実施例は、単なる例示に過ぎない。所望であれば、ディスプレイの隣接する縁部の間に、丸みを帯びた角部が存在してもよい。ディスプレイはまた、アクティブエリアにノッチ又は孔などの中断部を含んでもよい。
【0090】
ディスプレイの各レンチキュラーレンズ46は、対応する長手方向軸206(図22Aに示す)に沿って延びてもよい。換言すれば、レンチキュラーレンズは、幅、長さ、及び高さを有してもよい。長さは、幅及び高さよりも大きくてもよく(例えば、10超、100超、1,000などの倍数だけ)、長手方向軸は、レンチキュラーレンズの長さに平行に延びてもよい。
【0091】
図22Aに示すように、レンチキュラーレンズは、ディスプレイの上縁部202に対して角度208であってもよい。この場合、角度208は、90°未満である。レンチキュラーレンズは、ディスプレイに対して角度をなしていると呼ばれることがある。角度208(例えば、軸206と上縁部202との間で測定することができる2つの補角の小さい方)は、任意の所望の角度(例えば、90°未満、85°未満、80°未満、70°未満、60°未満、60°~90°、60°~80°、65°~80°、65°~75°など)であってもよい。レンチキュラーレンズはまた、画素アレイに対して一定の角度であってもよい。
【0092】
図22Bは、図22Aからのレンチキュラーレンズ46によって覆われた例示的な画素アレイの上面図である。図22Bに示すように、各画素22は、赤色副画素Rと、緑色副画素Gと、青色副画素Bとを含むことができる。各画素22は、同じ副画素レイアウトを有してもよい(例えば、副画素は、アレイ内の各画素内の同じ相対位置にある)。
【0093】
図22Bでは、画素は、画素の各行が画素の先行する行の真下に配置されるように、グリッド内に配置されている。各赤色副画素の中心を、画素レイアウトのインジケータとして考える。赤色副画素は、ディスプレイにわたって垂直に延びる線210に配置されている。換言すれば、線210は、ディスプレイの左縁部204に平行であり、ディスプレイの上縁部202に直交する。これは、垂直画素パターンと呼ばれることがある(各画素が上の行の画素の垂直に下に配置されているため)。別の言い方をすれば、各行と先行する行との間に横方向のシフトは存在しない。
【0094】
レンチキュラーレンズの長手方向軸206は、図22Bに重ね合わされて、長手方向軸206と、画素パターンを画定する軸210との間の角度を示す。図22Bに示すように、画素パターン軸と長手方向軸との間の角度212は、0°よりも大きい。角度212は、任意の所望の大きさ(例えば、0°超、5°超、10°超、20°超、30°超、0°~30°、10°~30°、10°~25°、15°~25°など)を有することができる。
【0095】
要約すると、図22A及び図22Bでは、レンチキュラーレンズの長手方向軸と下にある画素パターンとの間に、角度(212)が存在する。図22Bでは、レンチキュラーレンズは、ディスプレイの上縁部に対して一定の角度であるのに対し、画素アレイは、ディスプレイの上縁部に直交する垂直画素パターンに従う。しかしながら、この実施例は単なる例示に過ぎない。所望であれば、レンチキュラーレンズの長手方向軸と下にある画素パターンとの間の角度は、レンチキュラーレンズの長手方向軸をディスプレイの上縁部に直交させながら維持することができる。
【0096】
図23A及び図23Bは、画素パターンとレンチキュラーレンズとの間に角度が存在するように画素行をシフトすることができる様子を示す、例示的なディスプレイの上面図である。図23Aに示すように、各レンチキュラーレンズ46は、ディスプレイの上縁部202に直交する軸206に沿って延びてもよい。このように、レンチキュラーレンズ46をディスプレイの上縁部及び下縁部に直交して(かつディスプレイの左縁部及び右縁部に平行に)走らせることにより、レンチキュラーレンズがディスプレイの動作中に観察者に対してより検出可能でなくすることができる。
【0097】
図23Aのように)レンチキュラーレンズ206をディスプレイの縁部に直交して走らせることが特定の設計基準に対して望ましい場合があるが、依然としてレンチキュラーレンズが画素アレイにわたって斜めに延びることが望ましい場合がある。図22Aでは、レンチキュラーレンズは、ディスプレイ境界線に対して斜めに延び、画素アレイは、垂直レイアウトを有する。図23A及び図23Bでは、レンチキュラーレンズは、ディスプレイ境界線に直交し、画素アレイは、ディスプレイ境界線に対して斜めに延びることができる。
【0098】
図23Bは、画素アレイとレンチキュラーレンズとの間に所望の角度を生成するための行シフトを有する例示的な画素アレイの上面図である。図23Bに示すように、画素の各行は、画素の上の行からオフセットされてもよい。各赤色副画素の中心を、画素レイアウトのインジケータとして考える。赤色副画素は、ディスプレイにわたって斜めに延びる線210に配置されている。換言すれば、線210は、ディスプレイの左縁部204に平行ではなく、ディスプレイの上縁部202に直交しない。これは、斜め画素パターン又は斜め画素レイアウトと呼ばれることがある(各画素が上の行の画素の斜め下に配置されているため)。
【0099】
レンチキュラーレンズの長手方向軸206は、図23Bに重ね合わされて、長手方向軸206と、画素パターンを画定する軸210との間の角度を示す。図23Bに示すように、画素パターン軸と長手方向軸との間の角度212は、0°よりも大きい。角度212は、任意の所望の大きさ(例えば、0°超、5°超、10°超、20°超、30°超、0°~30°、10°~30°、10°~25°、15°~25°、5°~30°など)を有することができる。
【0100】
図23Bの斜めパターンは、先行する行に対する各行のシフトの結果であってもよい。例えば、図23Bでは、各赤色副画素は、先行する行の赤色副画素に対して距離214だけ横方向にシフトされる。この行シフトは、図23Bの画素アレイパターンを画定する斜線210をもたらす。距離214は、0より大きく、かつ単一の行の隣接する画素の中心間ピッチ未満であってもよい。
【0101】
図22B及び図23Bに示す例示的な画素レイアウトは、単なる例示に過ぎない。所望に応じて、他の画素レイアウトを使用してもよい。例えば、いくつかの画素レイアウトは、ダイヤモンド形状の副画素(例えば、ディスプレイの縁部に対して回転された副画素)を含んでもよい。各副画素の形状及びサイズは、所与のディスプレイの特定の設計制約に基づいて選択されてもよい。
【0102】
1つの代替的な画素レイアウトの可能性を図24に示す。図24のレイアウトは、図23Bのレイアウトと同様である。画素は、レンチキュラーレンズの軸206に対してゼロ以外の角度212にある軸210に従う、斜めレイアウトを有してもよい。しかしながら、図24では、各青色副画素の向きは、図23Bのパターンに対して変更されている。
【0103】
図24に示すように、各青色副画素は、幅216及び長さ218(長さは、幅よりも長い)を有する。図23Bのレイアウトでは、各青色副画素の長さは、レンチキュラーレンズの長手方向軸206に直交して延びる。クロストークを緩和するために、図24では、各青色副画素の長さは、レンチキュラーレンズの長手方向軸206に平行に延びる。これにより、青色副画素のより小さい寸法がレンチキュラーレンズに直交することになる(かつ青色副画素のより長い寸法がレンチキュラーレンズに平行になる)。このように青色副画素を配置することにより、レンチキュラーレンズが青色副画素と部分的に重なり合う可能性がより低いため、クロストークを緩和することができる。
【0104】
追加の画素レイアウトオプションを、図25図27に示す。図25図27は、画素アレイに1つより多くの画素レイアウトが使用される例示的な実施例を示す。図25の実施例では、画素は、(図23B及び図24に関連して論じたように)斜め配置を有し、垂直なレンチキュラーレンズで覆われていてもよい。しかしながら、画素のレイアウトは、異なる。
【0105】
図25に示すように、ディスプレイは、第1のレイアウトを有する画素22-1と、第2のレイアウトを有する画素22-2とを含む。(画素22-1の)第1のレイアウトでは、青色副画素(B)は、図24と同様に垂直に向けられている(例えば、レンチキュラーレンズに平行に、垂直に延びる長さを有する)。加えて、画素22-1は、緑色副画素(G)の上に配置された赤色副画素(R)を含む。画素22-2は、画素22-1と同様のレイアウトを有する。しかしながら、画素22-2のレイアウトは、画素22-1のレイアウトに対して垂直に反転される。画素22-1では、青色画素は、画素の上縁部に隣接している。対照的に、画素22-2では、青色画素は、画素の下縁部に隣接している。加えて、画素22-2では、緑色副画素は、(画素22-1の反対の配置の代わりに)赤色副画素の上に配置されている。
【0106】
所与の行の全ての他の画素は、同じレイアウトを有してもよい。図25に示すように、第1のレイアウトの画素22-1は、第2のレイアウトの画素22-2と交互になっている。したがって、画素の各斜め列は、単一のレイアウトの画素を有する。しかしながら、各列内の画素レイアウトは、交互になっている。
【0107】
図26の実施例では、画素は、(図23B及び図24に関連して論じたように)斜め配置を有し、垂直なレンチキュラーレンズで覆われていてもよい。ディスプレイは、第1のレイアウトを有する画素22-1と、第2のレイアウトを有する画素22-2とを含む。(画素22-1の)第1のレイアウトでは、青色副画素(B)は、図23Bと同様に水平に向けられている(例えば、水平に延びる長さを有する)。加えて、画素22-1は、緑色副画素(G)の左に配置された赤色副画素(R)を含む。赤色副画素及び緑色副画素は、画素22-1内の青色副画素の上に配置されている。画素22-2は、画素22-1と同様のレイアウトを有する。しかしながら、画素22-2のレイアウトは、画素22-1のレイアウトに対して垂直に反転される。画素22-1では、青色画素は、画素の下縁部に隣接している。対照的に、画素22-2では、青色画素は、画素の上縁部に隣接している。加えて、画素22-2では、緑色副画素及び赤色副画素は、(画素22-1の反対の配置の代わりに)青色副画素の下に配置されている。
【0108】
所与の行の全ての他の画素は、同じレイアウトを有してもよい。図26に示すように、第1のレイアウトの画素22-1は、第2のレイアウトの画素22-2と交互になっている。したがって、画素の各斜め列は、単一のレイアウトの画素を有する。しかしながら、各列内の画素レイアウトは、交互になっている。
【0109】
図27の実施例では、画素は、再び(図23B及び図24に関連して論じたように)斜め配置を有し、垂直なレンチキュラーレンズで覆われていてもよい。図27の画素は、ダイヤモンド形状及び/又は三角形状の副画素を有することができる(図25及び図26のような矩形のみの代わりに)。
【0110】
図27に示すように、ディスプレイは、第1のレイアウトを有する画素22-1と、第2のレイアウトを有する画素22-2とを含む。(画素22-1の)第1のレイアウトでは、青色副画素(B)は、ダイヤモンド形状である(例えば、画素/ディスプレイの上縁部に対して回転された縁部を有する)。換言すれば、青色副画素は、画素の上縁部に平行でもなく直交もしない縁部を有する。加えて、画素22-1は、緑色副画素(G)の左に配置された赤色副画素(R)を含む。赤色副画素及び緑色副画素は、三角形状を有する。赤色副画素及び緑色副画素は、画素22-1内の青色副画素の上に配置されている。
【0111】
画素22-2は、画素22-1と同様のレイアウトを有する。しかしながら、画素22-2のレイアウトは、画素22-1のレイアウトに対して垂直に反転される。画素22-1では、青色画素は、画素の下縁部に隣接している。対照的に、画素22-2では、青色画素は、画素の上縁部に隣接している。加えて、画素22-2では、緑色副画素及び赤色副画素は、(画素22-1の反対の配置の代わりに)青色副画素の下に配置されている。
【0112】
所与の行の全ての他の画素は、同じレイアウトを有してもよい。図27に示すように、第1のレイアウトの画素22-1は、第2のレイアウトの画素22-2と交互になっている。したがって、画素の各斜め列は、単一のレイアウトの画素を有する。しかしながら、各列内の画素レイアウトは、交互になっている。
【0113】
図27のダイヤモンド及び三角形の副画素の実施例は、単なる例示に過ぎない。一般に、各副画素は、特定のディスプレイに応じて任意の所望の形状を有することができる。異なる画素レイアウトにより、画素ピッチ、レンチキュラーレンズレイアウトなどに応じて、クロストークを最小化し、表示性能を最適化することができる。
【0114】
場合によっては、異なる画素レイアウトをディスプレイの異なる部分に使用することができる。例えば、ディスプレイ全体にわたって均一なパターンを有する(例えば、全ての画素について同じレイアウト、全ての他の列が図25図27と同じレイアウトを有する画素を有する、など)代わりに、ディスプレイの異なる部分は、異なる画素レイアウトを有してもよい(例えば、非周期的に)。例えば、画素アレイの中央部分は、画素アレイの縁部とは異なる画素レイアウトパターンを有することができる。
【0115】
データ線D及び制御線G(ゲート線、走査線、放射制御線などと呼ばれることもある)などの信号経路は、図23B及び図24図27の画素アレイの行シフトに対応するように修正されてもよい。(例えば、図22Bのように)垂直に配置された画素アレイを有するディスプレイでは、データ線Dは全て、第1の方向(例えば、ディスプレイの上縁部に直交する、又はディスプレイの側縁部に直交する)に延びてもよく、ゲート線Gは全て、第1の方向に直交する第2の方向に延びてもよい。しかしながら、図23B及び図24図27の行シフト、並びに結果として得られる斜め画素アレイは、信号経路に対する修正をもたらす。
【0116】
図28は、信号経路220-1(例えば、データ線又はゲート線)が連続的にアレイにわたって斜めに延びる例示的な実施例を示す、例示的なディスプレイの上面図である。信号経路220-1は、図23B又は図24に示す軸210に平行に延びてもよい。信号経路220-1(例えば、ディスプレイの上縁部からディスプレイの下縁部に向かって延びる)はまた、追加の信号経路220-2(例えば、ディスプレイの左縁部からディスプレイの右縁部に向かって延びる)に対して非直交角度であってもよい。信号経路220-2に対する信号経路220-1の角度は、90°未満、85°未満、80°未満、70°未満、60°未満、60°~90°、60°~80°、65°~80°、65°~75°などであってもよい。
【0117】
いくつかの状況では、ディスプレイ駆動回路は、ディスプレイの上縁部又は下縁部に形成されてもよく、ゲート駆動回路は、ディスプレイの左縁部又は右縁部に形成されてもよい。これらの場合、信号経路220-1は、データ線であってもよく、信号経路220-2は、ゲート線であってもよい。他の構成では、ゲート駆動回路は、ディスプレイの上縁部又は下縁部に形成されてもよく、ディスプレイ駆動回路は、ディスプレイの左縁部又は右縁部に形成されてもよい。これらの場合、信号経路220-1は、ゲート線であってもよく、信号経路220-2は、データ線であってもよい。
【0118】
ディスプレイの「上」縁部のラベル付けは、単なる例示に過ぎないことを理解されたい。場合によっては、ディスプレイは、1つ以上の湾曲した境界(例えば、丸みを帯びた角部、湾曲した縁部など)を有するアクティブエリアを有してもよい。したがって、縁部は、純粋に矩形のディスプレイと同様に厳密に直線状でなくてもよい。しかしながら、上縁部、下縁部、左縁部、及び右縁部という用語は、このタイプのディスプレイを特徴付けるために依然として使用されてもよい。ディスプレイの縁部に関して記載される角度はまた、使用中のデバイスの向きに基づいて、電子デバイスの上縁部又は近似縁部に対して考えられてもよい。例えば、デバイスが湾曲した上縁部を有するアクティブエリアを有する場合、上縁部に関して記載された前述の角度は、代わりに、電子デバイスの使用中にディスプレイの上部にある水平線に適用可能であってもよい。
【0119】
図29は、信号経路220-1(例えば、データ線又はゲート線)がアレイにわたってジグザグパターンで延びる例示的な実施例を示す、例示的なディスプレイの上面図である。信号経路220-1は、信号経路が図28のように横方向及び下方の両方の代わりに垂直に下方に概ね延びるように、ジグザグ形状を有してもよい。信号経路は、斜めセグメント222、及び介在する水平(又は実質的に水平)セグメント224を有してもよい。斜めセグメントは、下方及び第1の方向に横方向の両方に延びてもよい。次いで、水平セグメントは、第1の方向とは反対の第2の方向に横方向に延びてもよい。ジグザグ信号経路の正確な経路及びレイアウトは、所与のディスプレイの特定の画素レイアウトに基づいて選択されてもよい。一般に、任意の所望のジグザグ経路が使用されてもよい。ジグザグ信号経路の各斜めセグメント及び水平セグメントは、任意の所望の長さを有してもよく、任意の所望の数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、4つより多い、10個より多い、20個より多い、2~10個など)の画素を超えて延びてもよい。
【0120】
斜めセグメント222は、追加の信号経路220-2(例えば、ディスプレイの左縁部からディスプレイの右縁部に向かって延びる)に対して非直交角度であってもよい。信号経路220-2に対するセグメント222の角度は、90°未満、85°未満、80°未満、70°未満、60°未満、60°~90°、60°~80°、65°~80°、65°~75°などであってもよい。水平セグメント224は、信号経路220-2に平行であってもよい。
【0121】
図29では、いくつかの状況では、ディスプレイ駆動回路は、ディスプレイの上縁部又は下縁部に形成されてもよく、ゲート駆動回路は、ディスプレイの左縁部又は右縁部に形成されてもよいことを理解されたい。これらの場合、信号経路220-1は、データ線であってもよく、信号経路220-2は、ゲート線であってもよい。他の構成では、ゲート駆動回路は、ディスプレイの上縁部又は下縁部に形成されてもよく、ディスプレイ駆動回路は、ディスプレイの左縁部又は右縁部に形成されてもよい。これらの場合、信号経路220-1は、ゲート線であってもよく、信号経路220-2は、データ線であってもよい。
【0122】
図30は、斜めセグメントが4つの画素を超えて延び、かつ水平セグメントが1つの画素を超えて延びる特定の実施例を示す、ジグザグ信号経路を有する例示的なディスプレイの上面図である。一般に、画素アレイにわたる信号経路220-1の各斜めセグメント222は、4つの画素を超えて斜めに延びてもよい。次いで、水平セグメント224は、水平方向に1つの画素を超えて延びる。水平セグメント222は、信号経路にかかる負荷を増加させることがある(例えば、介在する水平セグメントが存在する場合、信号経路がより長い距離移動して次の画素に到達するため)。
【0123】
信号経路に沿った負荷を均一化するために、補助セグメント226が、信号経路220-1に含まれてもよい。補助セグメント226なしでは、信号経路は、4番目の行毎に増加した負荷を有することがある(例えば、水平セグメント224が4行毎に必要とされるため)。したがって、補助セグメント226は、水平セグメント224間の3つの行で信号経路に追加されてもよい。各補助セグメントは、水平セグメント224の長さとほぼ等しい(例えば、その20%以内、10%以内、5%以内、1%以内など)長さを有してもよい。
【0124】
図30では、補助セグメント226は、信号経路220-1の残りに電気的に接続されている。この実施例は単なる例示に過ぎない。図31に示す別の可能な構成では、ディスプレイは、ダミーセグメントを有するジグザグ信号経路を含んでもよい。一般に、画素アレイにわたる信号経路220-1の各斜めセグメント222は、4つの画素を超えて斜めに延びてもよい。次いで、水平セグメント224は、水平方向に1つの画素を超えて延びる。水平セグメント222は、信号経路にかかる負荷を増加させることがある(例えば、介在する水平セグメントが存在する場合、信号経路がより長い距離移動して次の画素に到達するため)。
【0125】
信号経路に沿った負荷を均一化するために、図31のダミーセグメント221は、隣接する画素間に介在してもよい。例えば、ダミーセグメントは、水平セグメント224が既に存在していない同じ斜め列(及び異なる行)の画素間で水平に延びてもよい。図30に関連して上述した補助セグメント226と同様に、ダミーセグメント221は、ディスプレイにわたる負荷を均一化することができる。各ダミーセグメント221は、バイアス電圧(例えば、接地電源電圧又は正の電源電圧)に電気的に接続されてもよい。各ダミーセグメント221は、水平セグメント224の長さとほぼ等しい(例えば、その20%以内、10%以内、5%以内、1%以内など)長さを有することができる。
【0126】
前述の画素レイアウト及び信号経路レイアウトは、任意の組み合わせで使用されてもよいことを理解されたい。加えて、前述の画素レイアウト及び信号経路レイアウトは、前述のディスプレイ(例えば、凸状湾曲したディスプレイ及び/又はルーバーフィルムを含むディスプレイ)のいずれかに使用することができる。
【0127】
一実施形態によれば、ディスプレイを含む電子デバイスであって、ディスプレイが、凸状湾曲を有する基板と、基板上に形成された画素のアレイと、画素のアレイの上に形成されたレンチキュラーレンズフィルムと、を含み、画素のアレイの第1の部分が、ディスプレイの立体視部分を形成し、画素のアレイの第2の部分が、ディスプレイの非立体視部分を形成する、電子デバイスが提供される。
【0128】
別の実施形態によれば、非立体視部分は、第1の非立体視部分であり、画素のアレイの第3の部分は、ディスプレイの第2の非立体視部分を形成する。
【0129】
別の実施形態によれば、立体視部分は、第1の非立体視部分と第2の非立体視部分との間に介在する。
【0130】
別の実施形態によれば、立体視部分は、ディスプレイの中央部分を形成し、第1及び第2の非立体視部分は、ディスプレイの第1及び第2の縁部部分を形成する。
【0131】
別の実施形態によれば、レンチキュラーレンズフィルムは、画素のアレイの第1、第2、及び第3の部分を覆う。
【0132】
別の実施形態によれば、電子デバイスは、ディスプレイの立体視部分に三次元コンテンツを提供し、かつディスプレイの第1及び第2の非立体視部分に二次元コンテンツを提供するように構成された、グラフィック処理ユニットを含む。
【0133】
別の実施形態によれば、基板は、ディスプレイの立体視部分において第1の曲率半径を有し、基板は、ディスプレイの第1及び第2の非立体化部分において第2の曲率半径を有し、第1の曲率半径は、第2の曲率半径と同じである。
【0134】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、200ミリメートル未満の幅を有し、第1の曲率半径は、300ミリメートル未満である。
【0135】
別の実施形態によれば、基板は、ディスプレイの立体視部分において第1の曲率半径を有し、基板は、ディスプレイの第1及び第2の非立体視部分において第2の曲率半径を有し、第1の曲率半径は、第2の曲率半径とは異なる。
【0136】
別の実施形態によれば、第1の曲率半径は、第2の曲率半径よりも大きい。
【0137】
別の実施形態によれば、画素のアレイ及びレンチキュラーレンズフィルムは、基板に適合し、凸状湾曲を有する。
【0138】
別の実施形態によれば、電子デバイスは、眼追跡システムと、眼追跡システムからの情報に少なくとも部分的に基づいてディスプレイ上のコンテンツを制御するように構成された制御回路と、を含む。
【0139】
一実施形態によれば、ディスプレイを含む電子デバイスであって、ディスプレイが、湾曲した基板と、湾曲した基板上に形成された画素のアレイと、画素のアレイの上に形成されたレンチキュラーレンズフィルムと、を含み、湾曲した基板が、第1の曲率半径を有する中央部分と、第1の曲率半径よりも小さい第2の曲率半径を有する縁部部分とを有する、電子デバイスが提供される。
【0140】
別の実施形態によれば、画素のアレイの第1の部分は、湾曲した基板の中央部分の上に形成され、画素のアレイの第2の部分は、湾曲した基板の縁部部分の第1の上に形成され、画素のアレイの第3の部分は、湾曲した基板の縁部部分の第2の上に形成される。
【0141】
別の実施形態によれば、画素のアレイの第1の部分は、三次元画像を表示するように構成されており、画素のアレイの第2の部分は、二次元画像を表示するように構成されており、画素のアレイの第3の部分は、二次元画像を表示するように構成されている。
【0142】
別の実施形態によれば、電子デバイスは、画素のアレイの第1の部分に三次元コンテンツ、画素のアレイの第2の部分に二次元コンテンツ、及び画素のアレイの第3の部分に二次元コンテンツを提供するように構成された、グラフィック処理ユニットを含む。
【0143】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、200ミリメートル未満の幅を有し、第1の曲率半径は、300ミリメートル未満である。
【0144】
別の実施形態によれば、第2の曲率半径は、250ミリメートル未満である。
【0145】
一実施形態によれば、ディスプレイを含む電子デバイスであって、ディスプレイが、凸状湾曲を有する基板と、基板上に形成された画素のアレイと、画素のアレイの上に形成されたレンチキュラーレンズフィルムと、を含み、レンチキュラーレンズフィルムが、少なくとも第1及び第2のレンチキュラーレンズを含み、第1のレンチキュラーレンズが、ディスプレイの中心に形成され、第1の形状を有し、第2のレンチキュラーレンズが、ディスプレイの縁部に形成され、第1の形状とは異なる第2の形状を有する、電子デバイスが提供される。
【0146】
別の実施形態によれば、第1のレンチキュラーレンズは、基板に直交する第1の方向に光を向けるように構成されており、第2のレンチキュラーレンズは、基板に直交しない第2の方向に光を向けるように構成されている。
【0147】
一実施形態によれば、凸状湾曲を有する基板と、基板上に形成された画素のアレイと、画素のアレイの上に形成されたレンチキュラーレンズと、画素のアレイの上に形成されたルーバーフィルムと、を含むディスプレイが提供される。
【0148】
別の実施形態によれば、ルーバーフィルムは、不透明な壁によって分離された透明部分を有する。
【0149】
別の実施形態によれば、ルーバーフィルムは、複数の不透明部分及び複数の透明部分を有する。
【0150】
別の実施形態によれば、複数の不透明部分は、ディスプレイからの光の放射角を制御する。
【0151】
別の実施形態によれば、複数の不透明部分のうちの各1つは、ルーバーフィルムの上面とルーバーフィルムの下面との間に軸に沿って延び、ディスプレイの中心の第1の不透明部分は、ルーバーフィルムの上面に直交するそれぞれの第1の軸を有し、ディスプレイの縁部の第2の不透明部分は、ルーバーフィルムの上面に直交しないそれぞれの第2の軸を有する。
【0152】
別の実施形態によれば、第1及び第2の軸は、平行である。
【0153】
別の実施形態によれば、レンチキュラーレンズは、レンチキュラーレンズフィルムの一部であり、レンチキュラーレンズフィルムは、ベース部分を含み、レンチキュラーレンズは、ベース部分上に直接形成されている。
【0154】
別の実施形態によれば、ルーバーフィルムは、画素のアレイとレンチキュラーレンズフィルムとの間に介在する。
【0155】
別の実施形態によれば、レンチキュラーレンズフィルムは、画素のアレイとルーバーフィルムとの間に介在する。
【0156】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、レンチキュラーレンズに適合するレンチキュラーレンズフィルムの上に形成されたフィルムを含む。
【0157】
別の実施形態によれば、フィルムは、レンチキュラーレンズと直接接触する下面と、凸状湾曲を有する上面とを有する。
【0158】
別の実施形態によれば、フィルムは、第1の屈折率を有し、レンチキュラーレンズは、第2の屈折率を有し、第1の屈折率は、第2の屈折率よりも低い。
【0159】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、画素のアレイとレンチキュラーレンズフィルムとの間に介在する偏光子を含む。
【0160】
別の実施形態によれば、ルーバーフィルムは、複数の選択的不透明部分を含む。
【0161】
別の実施形態によれば、レンチキュラーレンズは、レンチキュラーレンズフィルムの一部であり、レンチキュラーレンズフィルムは、ベース部分を含み、レンチキュラーレンズフィルムのベース部分は、複数の不透明部分を有し、ルーバーフィルムとして機能する。
【0162】
別の実施形態によれば、画素のアレイ及びルーバーフィルムは、基板に適合し、凸状湾曲を有する。
【0163】
一実施形態によれば、凸状湾曲を有するレンチキュラーディスプレイを含む電子デバイスが提供され、レンチキュラーディスプレイは、基板と、基板上に形成された画素のアレイと、画素のアレイの上に形成されたレンチキュラーレンズフィルムと、画素のアレイとレンチキュラーレンズフィルムとの間に介在する不透明部分を有するルーバーフィルムと、を含む。
【0164】
別の実施形態によれば、電子デバイスは、制御回路を含み、不透明部分は、選択的不透明部分であり、制御回路は、選択的不透明部分の不透明度を制御するように構成されている。
【0165】
別の実施形態によれば、レンチキュラーディスプレイは、200ミリメートル未満の幅、及び300ミリメートル未満の曲率半径を有する。
【0166】
一実施形態によれば、基板と、基板上に形成された画素のアレイと、画素のアレイの上に形成されたレンチキュラーレンズフィルムと、下面、上面、及び下面と上面との間に延びる複数の不透明部分を有するフィルムと、を含むディスプレイが提供され、フィルムは、レンチキュラーレンズフィルムと画素のアレイとの間に介在し、フィルムは、ディスプレイからの光の放射角を制御する。
【0167】
一実施形態によれば、基板と、基板上に形成され、複数の行及び斜め列であって、各行が、第1の方向に延び、各行が、先行する行に対して第1の方向にシフトされて、斜め列を形成する、複数の行及び斜め列に配置された画素のアレイと、基板の上に形成されたレンチキュラーレンズフィルムと、を含むディスプレイが提供され、レンチキュラーレンズフィルムは、第1の方向に直交する第2の方向に延びる複数の細長いレンチキュラーレンズを含む。
【0168】
別の実施形態によれば、各行は、0より大きく、かつ隣接する画素間の中心間ピッチ未満の距離だけ、先行する行に対して第1の方向にシフトされている。
【0169】
別の実施形態によれば、斜め列は、第2の方向に対してゼロ以外の角度である第1の軸に沿って延びる。
【0170】
別の実施形態によれば、ゼロ以外の角度は、5度~30度である。
【0171】
別の実施形態によれば、各細長いレンチキュラーレンズは、各行内の少なくとも2つの画素と重なり合う。
【0172】
別の実施形態によれば、各画素は、赤色副画素と、青色副画素と、緑色副画素とを含み、各画素の青色副画素は、各画素内の青色副画素の幅及び長さよりも大きい幅及び長さを有し、第1の方向に平行に延びる。
【0173】
別の実施形態によれば、各画素は、赤色副画素と、青色副画素と、緑色副画素とを含み、各画素の青色副画素は、各画素内の青色副画素の幅及び長さよりも大きい幅及び長さを有し、第2の方向に平行に延びる。
【0174】
別の実施形態によれば、各画素は、レイアウト内に赤色、青色、及び緑色の副画素を含む。
【0175】
別の実施形態によれば、画素のアレイ内の各画素のレイアウトは、同じである。
【0176】
別の実施形態によれば、画素のアレイ内の第1の複数の画素は、第1のレイアウトを有し、画素のアレイ内の第2の複数の画素は、第1のレイアウトとは異なる第2のレイアウトを有し、各行において、第1のレイアウトを有する画素は、第2のレイアウトを有する画素と交互になっている。
【0177】
別の実施形態によれば、第1のレイアウトは、垂直に反転されて、第2のレイアウトを形成する。
【0178】
別の実施形態によれば、赤色、青色、及び緑色の副画素のうちの少なくとも1つは、ダイヤモンド形状を有する。
【0179】
別の実施形態によれば、赤色、青色、及び緑色の副画素のうちの少なくとも1つは、三角形状を有する。
【0180】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、第1の方向に延びる第1の信号経路と、画素のアレイにわたって斜め列に平行に延びる第2の信号経路とを含む。
【0181】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、第1の方向に延びる第1の信号経路と、斜め列に平行に延びる斜めセグメントを有し、かつ第1の方向に延びる介在する水平セグメントによって接続されたジグザグ信号経路と、を含む。
【0182】
別の実施形態によれば、ジグザグ信号経路は、斜めセグメントに結合された補助セグメントを含み、各補助セグメントは、水平セグメントの長さの20%以内の長さを有する。
【0183】
一実施形態によれば、基板と、基板の上に形成されたレンチキュラーレンズフィルムであって、第1の軸に平行に延びる複数の細長いレンチキュラーレンズを含む、レンチキュラーレンズフィルムと、基板とレンチキュラーレンズフィルムとの間の基板上に形成された画素のアレイと、を含むディスプレイが提供され、画素のアレイは、第1の軸に対してゼロでない非直交角度にある第2の軸に沿って斜めパターンで配置されている。
【0184】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、上縁部を有し、第1の軸は、上縁部に直交する。
【0185】
別の実施形態によれば、画素のアレイは、行及び斜め列に配置されており、各行は、先行する行に対して所与の距離だけ横方向にシフトされており、所与の距離は、0より大きく、かつ隣接する画素間の中心間ピッチ未満である。
【0186】
一実施形態によれば、凸状湾曲を有する基板と、基板の上に形成されたレンチキュラーレンズフィルムであって、基板にわたって垂直に延びる複数の細長いレンチキュラーレンズを含む、レンチキュラーレンズフィルムと、基板上に形成され、かつレンチキュラーレンズフィルムによって覆われた画素のアレイと、を含むディスプレイが提供され、画素のアレイは、基板にわたって水平に延びる行、及び細長いレンチキュラーレンズに対してゼロでない非直交角度で斜めに延びる列に配置されている。
【0187】
前述は、単なる例示に過ぎず、説明された実施形態に対して多様な変更を行うことができる。前述の実施形態は、個別に又は任意の組み合わせで実装することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22A
図22B
図23A
図23B
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
【手続補正書】
【提出日】2024-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凸状湾曲を有する基板と、
前記基板上に形成された画素アレイと、
前記画素アレイの上に形成されたレンチキュラーレンズと、
前記画素アレイの上に形成されたルーバーフィルムと、を備えるディスプレイ。
【請求項2】
前記ルーバーフィルムは、不透明な壁によって分離された透明部分を有する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記ルーバーフィルムは、複数の不透明部分及び複数の透明部分を有する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記複数の不透明部分は、前記ディスプレイからの光の放射角を制御する、請求項3に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記複数の不透明部分のうちの各1つは、前記ルーバーフィルムの上面と前記ルーバーフィルムの下面との間に軸に沿って延び、前記ディスプレイの中心の第1の不透明部分は、前記ルーバーフィルムの前記上面に直交するそれぞれの第1の軸を有し、前記ディスプレイの縁部の第2の不透明部分は、前記ルーバーフィルムの前記上面に直交しないそれぞれの第2の軸を有する、請求項3に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記第1及び第2の軸は、平行である、請求項5に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記レンチキュラーレンズは、レンチキュラーレンズフィルムの一部であり、前記レンチキュラーレンズフィルムは、ベース部分を含み、前記レンチキュラーレンズは、前記ベース部分上に直接形成されている、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記ルーバーフィルムは、前記画素アレイと前記レンチキュラーレンズフィルムとの間に介在する、請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記レンチキュラーレンズフィルムは、前記画素アレイと前記ルーバーフィルムとの間に介在する、請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項10】
前記レンチキュラーレンズに適合する前記レンチキュラーレンズフィルムの上に形成されたフィルムを含む、請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記フィルムは、前記レンチキュラーレンズと直接接触する下面と、前記凸状湾曲を有する上面とを有する、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記フィルムは、第1の屈折率を有し、前記レンチキュラーレンズは、第2の屈折率を有し、前記第1の屈折率は、前記第2の屈折率よりも低い、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項13】
前記画素アレイと前記レンチキュラーレンズフィルムとの間に介在する偏光子を含む、請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項14】
前記ルーバーフィルムは、複数の選択的不透明部分を含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項15】
前記レンチキュラーレンズは、レンチキュラーレンズフィルムの一部であり、前記レンチキュラーレンズフィルムは、ベース部分を含み、前記レンチキュラーレンズフィルムの前記ベース部分は、複数の不透明部分を有し、前記ルーバーフィルムとして機能する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項16】
前記画素アレイ及び前記ルーバーフィルムは、前記基板に適合し、前記凸状湾曲を有する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項17】
凸状湾曲を有するレンチキュラーディスプレイを含む電子デバイスであって、
前記レンチキュラーディスプレイは、
基板と、
前記基板上に形成された画素アレイと、
前記画素アレイの上に形成されたレンチキュラーレンズフィルムと、
前記画素アレイと前記レンチキュラーレンズフィルムとの間に介在する不透明部分を有するルーバーフィルムと、を備える、電子デバイス。
【請求項18】
前記電子デバイスは制御回路を含み、
前記不透明部分は、選択的不透明部分であり、
前記制御回路は、前記選択的不透明部分の不透明度を制御するように構成されている、請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項19】
前記レンチキュラーディスプレイは、200ミリメートル未満の幅、及び300ミリメートル未満の曲率半径を有する、請求項17に記載の電子デバイス。
【請求項20】
基板と、
前記基板上に形成された画素アレイと、
前記画素アレイの上に形成されたレンチキュラーレンズフィルムと、
下面、上面、及び前記下面と前記上面との間に延びる複数の不透明部分を有するフィルムと、を備えるディスプレイであって、
前記フィルムは、前記レンチキュラーレンズフィルムと前記画素アレイとの間に介在し、前記フィルムは、前記ディスプレイからの光の放射角を制御する、ディスプレイ。
【外国語明細書】