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特開2024-119822CMV感染症及びCMV関連疾患に対する養子T細胞療法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119822
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】CMV感染症及びCMV関連疾患に対する養子T細胞療法
(51)【国際特許分類】
   C40B 40/10 20060101AFI20240827BHJP
   C07K 14/045 20060101ALI20240827BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALI20240827BHJP
   C12N 1/02 20060101ALI20240827BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20240827BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20240827BHJP
   C12N 5/0786 20100101ALN20240827BHJP
   C07K 14/55 20060101ALN20240827BHJP
   C12N 15/38 20060101ALN20240827BHJP
【FI】
C40B40/10
C07K14/045 ZNA
C12N5/0783
C12N1/02
A61K35/17
A61P31/22
C07K14/045
C40B40/10 ZNA
C12N5/0786
C07K14/55
C12N15/38
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024080366
(22)【出願日】2024-05-16
(62)【分割の表示】P 2020564598の分割
【原出願日】2019-05-16
(31)【優先権主張番号】62/673,260
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504200892
【氏名又は名称】ザ・カウンシル・オヴ・ザ・クイーンズランド・インスティテュート・オヴ・メディカル・リサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100126653
【弁理士】
【氏名又は名称】木元 克輔
(72)【発明者】
【氏名】カンナ, ラジヴ
(72)【発明者】
【氏名】スミス, コーリー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】固形臓器移植(SOT)レシピエント、及び他のCMV関連疾患の患者におけるCMV感染症、再活性化、並びに関連する合併症及び疾患を治療するための、新しく且つ改善された方法及び組成物を提供する。
【解決手段】HLAクラスI及びクラスII拘束性サイトメガロウイルス(CMV)ペプチドエピトープを含み、ペプチド特異的T細胞の増殖を誘導することができる、免疫原性ペプチドのプールであって、複数の特定の配列で示されるエピトープアミノ酸配列のそれぞれを含む、ペプチドプールを提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HLAクラスI及びクラスII拘束性サイトメガロウイルス(CMV)ペプチドエピトープを含み、ペプチド特異的T細胞の増殖を誘導することができる、免疫原性ペプチドのプールであって、配列番号25~29、又はそれらの組合せで示されるエピトープアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む、ペプチドプール。
【請求項2】
HLAクラスI及びクラスII拘束性CMVペプチドエピトープを含み、ペプチド特異的T細胞の増殖を誘導することができる、免疫原性ペプチドのプールであって、CMV抗原pp50、pp65、IE-1、gB及びgHのそれぞれに由来する少なくとも1つのペプチドエピトープを含む、ペプチドプール。
【請求項3】
表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ、又はそれらの組合せをさらに含む、請求項1又は2に記載の免疫原性ペプチドのプール。
【請求項4】
表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のそれぞれを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の免疫原性ペプチドのプール。
【請求項5】
前記エピトープのそれぞれが、HLA-A01:01、HLA-A02:01、HLA-A23:01、HLA-A24:02、HLA-B07:02、HLA-B08:01、HLA-B18:01、HLA-B35:01、HLA-B35:08、HLA-B40:01、HLA-B40:02、HLA-B41.01、HLA-B44:02、HLA-C06:02、HLA-C07:02、HLA-DRB101:01、HLA-DRB1*03:01、HLA-DRB104:01、HLA-DRB107、又はHLA-DRB111:01から選択されるHLA特異性のうちのいずれか1つによって拘束される、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫原性ペプチドのプール。
【請求項6】
前記免疫原性ペプチドが、ペプチド特異的細胞傷害性T細胞(CTL)の増殖を誘導することができる、請求項1~5のいずれか一項に記載の免疫原性ペプチドのプール。
【請求項7】
多機能性CMV特異的細胞傷害性T細胞(CTL)の調製物を作製する方法であって、
a)CTLを含む試料を単離するステップと、
b)前記試料を、請求項1~6のいずれか一項に記載の免疫原性ペプチドのプールに曝露するステップと、
c)前記CTLを回収するステップと
を含む方法。
【請求項8】
前記免疫原性ペプチドのプールが、表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のそれぞれから実質的になる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
CTLを含む前記試料が、健康なドナーからの末梢血単核細胞(PBMC)を含む、請求項7又は8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
CTLを含む前記試料が、免疫不全ドナーからのPBMCを含む、請求項7又は8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ドナーが免疫抑制療法を受けている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ドナーが固形臓器移植レシピエントである、請求項10又は11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ドナーが、抗ウイルス療法を受けているドナーである、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ステップb)の曝露された試料を少なくとも14日間インキュベートする、請求項7~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ステップb)の曝露された試料を、0日目にIL-21と共にインキュベートすることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ステップb)の曝露された試料を、2日目にIL-2と共にインキュベートすることをさらに含む、請求項14又は15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
3日ごとにIL-2を添加することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
CMV感染症に罹患している対象に前記CTLを投与することをさらに含む、請求項7~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
対象におけるCMV感染症を治療又は予防する方法であって、前記対象に請求項7~17のいずれか一項に記載のCTLを投与することを含む方法。
【請求項20】
請求項7から16のいずれか一項に記載の方法によって調製されたCTL。
【請求項21】
対象におけるCMV感染症を治療又は予防する方法であって、前記対象に請求項20に記載のCTLを投与することを含む方法。
【請求項22】
前記免疫原性ペプチドのプールへの曝露が、CMVペプチド特異的T細胞の刺激及び増殖を誘導する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記対象に投与される前記CTLが自家である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記感染症が、再発性CMV感染症である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記CMV感染症が、薬物耐性である、請求項21又は24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記CMV感染症が、ガンシクロビル耐性である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記対象が固形臓器移植のレシピエントである、請求項21~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記CTLのうちの少なくとも5%がCD107aを発現する、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記CTLのうちの少なくとも10%がCD107aを発現する、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記CTLのうちの少なくとも20%がCD107aを発現する、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記CTLのうちの少なくとも60%がCD107aを発現する、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記CTLのうちの少なくとも90%がCD107aを発現する、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記CTLのうちの少なくとも5%がIFNγを発現する、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記CTLのうちの少なくとも10%がIFNγを発現する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記CTLのうちの少なくとも20%がIFNγを発現する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記CTLのうちの少なくとも60%がIFNγを発現する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記CTLのうちの少なくとも90%がIFNγを発現する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記CTLのうちの少なくとも5%がTNFを発現する、請求項21~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記CTLのうちの少なくとも10%がTNFを発現する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記CTLのうちの少なくとも20%がTNFを発現する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記CTLのうちの少なくとも60%がTNFを発現する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記CTLのうちの少なくとも90%がTNFを発現する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記CTLのうちの少なくとも1%がIL-2を発現する、請求項21~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記CTLのうちの少なくとも5%がIL-2を発現する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記CTLのうちの少なくとも10%がIL-2を発現する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記CTLのうちの少なくとも20%がIL-2を発現する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記CTLのうちの少なくとも20%がCD107a、IFNγ、及びTNFを発現する、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記CTLのうちの少なくとも43%がCD107a、IFNγ、及びTNFを発現する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記CTLのうちの少なくとも55%がCD107a、IFNγ、及びTNFを発現する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記CTLのうちの少なくとも90%がCD107a、IFNγ、及びTNFaを発現する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記CTLが、複数のCMV抗原に由来する複数のペプチドエピトープに対して反応性を示す、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記CTLが、2つ以上のCMVエピトープに対して少なくとも11%のCMV反応性を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記CTLが、2つ以上のCMVエピトープに対して少なくとも43%のCMV反応性を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記CTLが、2つ以上のCMVエピトープに対して少なくとも48%のCMV反応性を有する、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記CTLが、2つ以上のCMVエピトープに対して少なくとも66%のCMV反応性を有する、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記CTLが、2つ以上のCMVエピトープに対して少なくとも77%のCMV反応性を有する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記CTLが、2つ以上のCMVエピトープに対して少なくとも79%のCMV反応性を有する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記CTLが、表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のうちのいずれか1つ、又はそれらの組合せに対して反応性である、請求項51~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記CTLが、pp50、pp65、IE-1、gB、gH、又はそれらの組合せのうちのいずれか1つに対して反応性である、請求項45~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
対象におけるCMV再活性化又はCMV関連状態を治療又は予防する方法であって、前記対象に請求項20に記載のCTLを投与することを含む方法。
【請求項61】
前記CTLが自家CTLである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
CMVペプチド特異的CTLによる複数のバイオマーカーの発現を分析すること、及び前記CTLによって少なくとも2つのバイオマーカーが発現される場合、前記対象に前記CTLを投与することをさらに含む、請求項60又は61に記載の方法。
【請求項63】
前記CMVペプチド特異的CTLによるCD107a、TNF、及びIFNγの発現を分析し、前記CTLのうちの少なくとも10%がCD107a、TNF、及びIFNγを発現する場合、前記ペプチド特異的CTLを前記対象に投与する、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記試料中の前記CMVペプチド特異的CTLのうちの少なくとも20%がCD107a、TNF、及びIFNγを発現する場合、前記CTLを投与する、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記試料中の前記増殖したペプチド特異的CTLのうちの少なくとも60%がCD107a、TNF、及びIFNγを発現する場合、前記CTLを投与する、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記試料中の前記増殖したペプチド特異的CTLのうちの少なくとも90%がCD107a、TNF、及びIFNγを発現する場合、前記CTLを投与する、請求項63に記載の方法。
【請求項67】
前記CMVペプチド特異的CTLのCMV反応性を分析すること、及び前記反応性が2つ以上のエピトープに対するものであり、所定の閾値を超える場合、前記ペプチド特異的CTLを前記対象に投与することをさらに含む、請求項60~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記閾値が11%である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記閾値が43%である、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記閾値が48%である、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
前記閾値が66%である、請求項67に記載の方法。
【請求項72】
前記閾値が77%である、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
前記閾値が79%である、請求項67に記載の方法。
【請求項74】
ステップ(a)において、前記試料を1つ又は複数のサイトカインと共にインキュベートする、請求項60~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記試料がPBMCを含む、請求項60~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記対象が免疫不全である、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記対象が免疫抑制療法を受けている、請求項75又は76に記載の方法。
【請求項78】
前記対象が固形臓器移植レシピエントである、請求項75~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記対象が抗ウイルス療法を受けている、請求項75~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
1用量で約1×10のCTLを前記対象に投与することを含む、請求項21~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
1用量で約1.5×10のCTLを前記対象に投与することを含む、請求項21~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
1用量で約2×10のCTLを前記対象に投与することを含む、請求項21~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記用量を隔週で投与する、請求項80~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記対象が、CTL投与の結果として重大な有害作用を経験しない、請求項21~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記対象におけるCMVウイルス量を測定することによって、養子T細胞療法の有効性を評価することをさらに含む、請求項21~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
CTL投与後に前記CMVウイルス量が約82%減少する、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
CTL投与後に前記CMVウイルス量が約95%減少する、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
CTL投与後に前記CMVウイルス量が約100%減少する、請求項85に記載の方法。
【請求項89】
前記対象の臨床症状を改善する、請求項21~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記対象が、DNA血症の軽減又は回復を経験する、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記対象が、CMV関連末端臓器疾患の軽減又は消滅を経験する、請求項89に記載の方法。
【請求項92】
前記対象が、抗ウイルス療法の中止又は使用の減少を経験する、請求項89に記載の方法。
【請求項93】
固形臓器移植を受けた対象に請求項20に記載のCTLを投与することにより、前記対象におけるCMVウイルス量を低減する方法。
【請求項94】
固形臓器移植を受けた対象に請求項20に記載のCTLを投与することにより、前記対象におけるCMV関連末端臓器疾患を治療又は予防する方法。
【請求項95】
固形臓器移植を受けた対象に請求項20に記載のCTLを投与することにより、前記対象における抗ウイルス療法の必要性を低減又は排除する方法。
【請求項96】
固形臓器移植を受けた対象に請求項20に記載のCTLを投与することにより、前記対象における薬物耐性CMV感染症、再活性化、又は関連する疾患を治療する方法。
【請求項97】
前記対象が、ガンシクロビル耐性CMV感染症、再活性化、又は関連する疾患に罹患している、請求項93~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記CTLが自家CTLである、請求項93~97のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ヘルペスウイルスは、様々な動物及びヒトの疾患に関連する真核生物ウイルスの大規模且つほぼ遍在するファミリーを表す。ヘルペスウイルス科は、いくつかの共通の構造、例えば、二本鎖の直鎖状DNAゲノム、並びにそれ自体がウイルステグメントの層に包まれた二十面体キャプシド及び脂質二重層(ウイルスエンベロープ)を含むビリオンを共有している。加えて、ヘルペスウイルスは、ヘルペスウイルスビリオンの脂質二重層エンベロープに保持された、特徴的で高度に保存された糖タンパク質を含む。これらの糖タンパク質のうちの少なくとも一部は、ウイルスの細胞表面への最初の付着及びその後の細胞への浸透に役割を果たす。
【0002】
ヘルペスウイルスファミリーのメンバーは、重要なヒト病原体を代表し、その中にはヒトサイトメガロウイルス(CMV)がある。サイトメガロウイルスは、すべての地理的場所及び社会経済群全体に普遍的に見出され、60%~90%の間の個体に感染する。健康な個体では、一次感染後、CMVが周期的な再活性化及び粘膜表面からの排出を伴う潜伏状態を確立し、エプスタインバーウイルスによって引き起こされるものに類似の単核球症様疾患の臨床症状を伴う場合があるが、一般的に無症候性である。CMVは、宿主の免疫応答を回避するために多数の免疫調節戦略を使用している。このような戦略の例としては、インターフェロン(IFN)及びIFN刺激遺伝子の阻害、細胞傷害性T細胞への抗原提示を阻止するためのHLAの分解、ナチュラルキラー(NK)細胞機能を阻止するための活性化リガンド及び阻害リガンドの調節が挙げられる。
【0003】
しかし、ある特定の条件下では、CMVは重大な罹患率及び死亡率を引き起こす可能性がある。例えば、固形臓器移植(SOT)レシピエントにおけるCMV感染症の臨床管理は依然として大きな課題である。SOTレシピエントにおける早期のCMV関連合併症の発生率は、ガンシクロビルに基づく静ウイルス療法(virostatic therapy)療法の出現以来、大幅に減少している。したがって、ガンシクロビルの予防投与又は先制投与のいずれかによるウイルス再活性化の阻害は、CMV関連疾患の予防において非常に重要になっている。しかし、特に抗ウイルスT細胞免疫を再構成することができない患者では、CMV再活性化が遅れると管理がより困難になる可能性がある。さらに、ガンシクロビル耐性CMV再活性化又は疾患の出現は、薬物関連毒性、免疫調節作用、及び同種移植片の喪失による重大な罹患率及び死亡率を伴い、臨床管理に大きな困難をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガンシクロビル耐性CMVに対する安全で効果的な代替治療選択肢が、不足している。ホスカルネット又はシドフォビルを使用した追加の抗ウイルス管理戦略は、腎毒性に関連しており、静脈内投与及び入院が必要である。ガンシクロビルに対する耐性を付与する遺伝子は、ホスカルネット及びシドフォビルに対する耐性にも関連している。免疫抑制の低下を利用してウイルス制御を向上させることができるが、これは移植片拒絶のリスクを高める。
【0005】
したがって、SOTレシピエント及び他のCMV関連疾患の患者におけるCMV感染症、再活性化、並びに関連する合併症及び疾患を治療するための、新しく且つ改善された方法及び組成物が大いに必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
細胞傷害性T細胞(CTL)によって認識されるT細胞エピトープ(例えば、CMVエピトープ)に基づく、CMV特異的予防及び/又は治療免疫療法の開発に関連する免疫原性ポリペプチド、組成物、及び方法が本明細書で提供され、これらは、特に固形臓器移植レシピエントにおけるCMV感染症、再活性化、及び/又は疾患(例えば、CMV関連末端臓器疾患)の予防及び/又は治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、CMV感染症、再活性化、及び/又は疾患は持続性である。ある特定の実施形態では、CMV感染症、再活性化、及び/又は疾患は、抗ウイルス療法に耐性がある。
【0007】
HLAクラスI及びクラスII拘束性サイトメガロウイルス(CMV)ペプチドエピトープを含み、ペプチド特異的T細胞の増殖を誘導することができる、免疫原性ペプチドのプールも本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、免疫原性ペプチドのプールは、配列番号25~29、又はそれらの組合せに記載されているエピトープアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。ある特定の実施形態では、ペプチドプールは、CMV抗原pp50、pp65、IE-1、gB及びgHのそれぞれに由来する少なくとも1つのペプチドエピトープを含む。好ましくは、そのような免疫原性ペプチドプールは、表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のうちの少なくとも1つをさらに含む。より好ましくは、本発明の免疫原性ペプチドのプールは、表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のそれぞれを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された免疫原性ペプチドプールのエピトープのそれぞれは、HLA-A*01:01、HLA-A*02:01、HLA-A*23:01、HLA-A*24:02、HLA-B*07:02、HLA-B*08:01、HLA-B*18:01、HLA-B*35:01、HLA-B*35:08、HLA-B*40:01、HLA-B*40:02、HLA-B*41.01、HLA-B*44:02、HLA-C*06:02、HLA-C*07:02、HLA-DRB1*01:01、HLA-DRB1*03:01、HLA-DRB1*04:01、HLA-DRB1*07、又はHLA-DRB1*11:01から選択されるHLA特異性のいずれか1つによって拘束される。
【0008】
いくつかの態様では、多機能性CMV特異的細胞傷害性T細胞(CTL)を含む調製物を作製する方法であって、a)CTLを含む試料を単離するステップと、b)前記試料を、請求項1~6のいずれか一項に記載の免疫原性ペプチドのプールに曝露するステップと、c)CTLを回収するステップとを含む方法が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、免疫原性ペプチドのプールは、表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のそれぞれから実質的になる。いくつかの実施形態では、CTLを含む試料は、健康なドナーからの末梢血単核細胞(PBMC)を含む。いくつかのそのような実施形態では、ドナーは免疫不全である。ある特定の実施形態では、ドナーは免疫抑制療法を受けている。好ましくは、ドナーは、固形臓器移植レシピエントである。ある特定の実施形態では、ドナーは、抗ウイルス療法を受けている。
【0009】
いくつかの実施形態では、ステップb)の曝露された試料を少なくとも14日間インキュベートする。本発明のプロセスにおいてサイトカインを使用してもよく、サイトカインとしては、IL-1、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-12、IL-15、及び/又はIL-21が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、ステップb)の曝露された試料を0日目にIL-21と共にインキュベートしてもよい。いくつかのそのような実施形態では、ステップb)の曝露された試料を2日目にIL-2と共にインキュベートする。好ましくは、試料を3日ごとにIL-2と共にインキュベートする。
【0010】
ある特定の態様では、対象におけるCMV感染症を治療又は予防する方法であって、対象に本明細書に開示された方法によって作製されるCTL又はその組成物を投与することを含む方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、対象は、CMV再活性化又はCMV関連状態(例えば、CMV関連末端臓器疾患)に罹患しているか、又はそのリスクにさらされている。ある特定の好ましい実施形態では、対象は、固形臓器移植を受けている。また、固形臓器移植を受けた対象における抗ウイルス療法の必要性を低減又は排除する方法であって、対象に本明細書に開示された方法によって作製されたCTLを投与することを含むそのような方法も本明細書で提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】養子免疫療法のために増殖させたCMV特異的T細胞の表現型特性及び機能的特性を示す。(A)CMVペプチドプール増殖T細胞の表現型特性は、標準的なTBNK(T細胞、B細胞、NK細胞)分析を使用して、CD3(T細胞)、CD8(CD8+T細胞)、CD4(CD4+T細胞)、CD16及びCD56(NK細胞)、並びにCD19(B細胞)の表面発現を測定して評価した。(B)PBMC(エクスビボ;ペプチドへの曝露前)又は増殖T細胞(14日目)を、CMVペプチドプール又は個々のHLA適合ペプチドによる再刺激後のIFN-γの細胞内産生について評価した。データは、IFN-γを産生するCD8+T細胞の割合を表す。(C)腎臓又は心肺移植患者のいずれかから生成されたCMV特異的T細胞応答の比較(D)CMV血清陰性レシピエント(R-)又はCMV血清陽性レシピエント(R+)のいずれかから生成されたCMV特異的T細胞応答の比較。(E)CMVペプチドプール刺激T細胞を、CMVペプチドプールでのリコール後の細胞内サイトカイン産生(IFN-γ、TNF、IL-2)及び脱顆粒(CD107a)について評価した。データは、エフェクター機能(すなわち、多機能性)の各組合せを生成する全抗原特異的T細胞の割合を表す。
図2A】養子細胞療法後の免疫学的及びウイルス学的効果を示す。(A)T細胞療法の前及び後の患者からのPBMC試料を、CMVペプチドプールによる刺激後のIFN-γ産生CMV特異的T細胞について評価した。データは、治療に反応を示した4人の患者からのIFN-γ産生CD8+T細胞の数と、コピー/mLによるCMV量のとの重ね合わせを表す。影付きの領域は養子T細胞療法の前の期間を示し、矢印はT細胞注入を表す。
図2B】養子細胞療法後の免疫学的及びウイルス学的効果を示す。(B)多機能性、すなわちサイトカイン産生(IFN-γ、TNF、IL-2)及び脱顆粒(CD107a)を、CMVペプチドプールによる刺激後のPBMC試料について評価した。ヒートマップは、エフェクター機能の各組合せを生成する全抗原特異的T細胞の割合を表す。
図3A】T細胞表現型の多重染色プロファイリングを示す。図3Aの代表的なt分布型確率的近傍埋め込み(tSNE)分析は、患者P1553PAH08の治療前及び治療後の、T細胞表現型マーカー及びCMV特異的T細胞(VTE)の発現を示しており、CD57の発現の増加を実証している。
図3B】T細胞表現型の多重染色プロファイリングを示す。図3Bのデータは、養子T細胞療法に応答した3人のSOTレシピエント(P1553PAH08、1553PCH02及び1553PCH04)及び臨床応答を示さなかった1人のSOTレシピエント(P1553RAH01)における、T細胞療法後にCD57を発現するCD8+T細胞の割合とCMV特異的IFN-γ産生細胞の百分率との重ね合わせを表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一般
CMV特異的T細胞の投与によるCMV免疫の再構成は、CMVの制御を強化するための魅力的な選択肢を提供する。本明細書に開示の複数のCMV抗原からの複数のエピトープを使用することにより、ウイルス特異的免疫応答の幅広いレパートリーを誘導して、ウイルス関連病因に対するより効果的な保護を提供することができる。最も好ましくは、本開示は、多機能T細胞、すなわち、複数の免疫エフェクター機能を誘導することができ、病原体に対して、例えば、単一の免疫エフェクター(例えば、サイトカインやCD107aなどの単一のバイオマーカー)のみを産生する細胞よりも効果的な免疫応答を提供するようなT細胞の刺激及び増殖に関する。多機能性の低い、単機能性のT細胞、又は「疲弊した」T細胞でさえ、慢性感染時の免疫応答を支配する場合があり、したがってウイルス関連の合併症に対する保護に悪影響を及ぼす場合がある。
【0013】
しかし、SOTレシピエントの場合、効果的なT細胞療法を生成するには、重度の免疫抑制個体からの自家免疫細胞が必要である。以前のケーススタディでは、SOT患者における自家CMV特異的T細胞療法によりいくつかの有望な結果が示されたが、一方で、潜在的な安全性の懸念もまた提起された(Brestrichら(2009) Am J Transplant 9(7):1679~84)。結果として、このアプローチの開発は、高度の免疫抑制対象(例えば、SOTレシピエント)からT細胞を生成することが困難であると認識され、且つT細胞投与後の移植片拒絶に関連する潜在的なリスクがあるために制限されてきた。
【0014】
定義
便宜上、本明細書、実施例及び添付の特許請求の範囲で使用する特定の用語をここに収集する。
【0015】
冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、本明細書では、その冠詞の文法的対象の1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用する。例として、「1つの(an)要素」は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味する。
【0016】
本明細書で使用する場合、「投与する」という用語は、医薬品又は医薬組成物を対象に提供することを意味し、医療従事者による投与及び自己投与を含むが、これらに限定されない。そのような薬剤は、例えば、本明細書に記載のペプチド、本明細書で提供される抗原提示細胞、及び/又は本明細書で提供されるCTLを含むことができる。
【0017】
本明細書で使用する場合、「対象」又は「レシピエント」という用語は、治療又は療法のために選択されたヒト又は非ヒト動物を意味する。
【0018】
本発明で使用する場合、「治療」という用語は、臨床病理学の過程の間に治療を受ける個体の自然経過を変えるように設計された臨床的介入を指す。治療の望ましい効果としては、進行速度の低下、病理学的状態の改善又は緩和、及び特定の疾患、障害、又は状態の寛解又は予後の改善が挙げられる。個体は、例えば、特定の疾患、障害、又は状態に関連する1つ又は複数の症状が軽減又は排除されている場合に、「治療」が成功している。
【0019】
本明細書で使用する場合、状態を「予防する」治療剤は、障害又は状態の発症前に統計的サンプルに投与した際に、治療されたサンプルにおける障害又は状態の発生を、未治療の対照サンプルと比較して低減するか、又は未治療の対照サンプルと比較して、障害又は状態の1つ若しくは複数の症状の発症を遅らせる又は重症度を低減する化合物を指す。
【0020】
本発明で使用する場合、「薬学的に許容される」という語句は、健全な医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症を伴わず、合理的な利益/リスク比に見合う、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに好適な、薬剤、化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指す。
【0021】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される担体」という語句は、ある臓器又は体の一部から別の臓器又は体の一部への薬剤の運搬又は輸送に関与する、薬学的に許容される材料、組成物又はビヒクル、例として、液体若しくは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、又は溶媒をカプセル化している材料を意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者に有害でないという意味で「許容され」なければならない。薬学的に許容される担体として機能することができる材料のいくつかの例としては、(1)ラクトース、グルコース及びスクロースなどの糖;(2)トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのデンプン;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体;(4)粉末状トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)カカオバター及び座薬ワックスなどの賦形剤;(9)ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油などの油;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチル、ラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張生理食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)pH緩衝液;(21)ポリエステル、ポリカーボネート及び/又はポリ無水物、並びに(22)医薬製剤に使用される他の非毒性適合性物質、が挙げられる。
【0022】
「結合」又は「相互作用」という用語は、生理学的条件下において、例えば、静電相互作用、疎水性相互作用、イオン相互作用、及び/又は水素結合相互作用による2つの分子間、例えば、TCRとペプチド/MHCとの間の会合であって、安定した会合であり得るものを指す。
【0023】
本発明で使用する場合、「特異的結合」は、MHC(例えば、クラスI MHC又はクラスII MHC)上に提示されるペプチドに結合するTCRの能力を指す。典型的には、TCRは、少なくとも約10-4M以下のKの親和性でそのペプチド/MHCに特異的に結合し、非特異的で無関係なペプチド/MHC複合体(例えば、BSAペプチド又はカゼインペプチドを含むもの)への結合に対するその親和性よりも、少なくとも10倍小さい、少なくとも100倍小さい、又は少なくとも1000倍小さい親和性(Kによって表される)で所定の抗原/結合パートナーに結合する。
【0024】
「生体試料」、「組織試料」、又は単に「試料」という用語はそれぞれ、対象の組織から得られた細胞の集合を指す。組織試料の供給源は、未処理の、凍結された、及び/又は保存された臓器、組織試料、生検、若しくは吸引物からなどの固形組織;血液若しくは血液成分、血清、血液;脳脊髄液、羊水、腹水若しくは間質液などの体液;又は対象の妊娠若しくは発育における任意の時点からの細胞であってもよい。
【0025】
本発明で使用する場合、「サイトカイン」という用語は、細胞の機能に影響を及ぼし、免疫、炎症又は造血応答における細胞間の相互作用を調節する分子である任意の分泌ポリペプチドを指す。サイトカインとしては、どの細胞がそれらを産生するかに関係なく、モノカイン及びリンホカインが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、モノカインは、一般に、マクロファージ及び/又は単球などの単核細胞によって産生及び分泌されるといわれている。しかし、多くの他の細胞、例としてナチュラルキラー細胞、線維芽細胞、好塩基球、好中球、内皮細胞、脳星状膠細胞、骨髄間質細胞、表皮ケラチノサイト、及びBリンパ球も、モノカインを産生する。リンホカインは、一般に、リンパ球細胞によって産生されるといわれている。サイトカインの例としては、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-8(IL-8)、腫瘍壊死因子-アルファ(TNFα)、及び腫瘍壊死因子ベータ(TNFβ)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
「エピトープ」という用語は、抗体又はTCRに特異的に結合することができるタンパク質決定基を意味する。エピトープは通常、アミノ酸又は糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面群で構成されている。ある特定のエピトープは、抗体が結合することができるアミノ酸の特定の配列によって定義することができる。
【0027】
「ポリヌクレオチド」及び「核酸」という用語は、互換的に使用する。ポリヌクレオチド及び核酸は、デオキシリボヌクレオチド若しくはリボヌクレオチド、又はそれらの類似体のいずれかであって、任意の長さの、ポリマー形態のヌクレオチドを指す。ポリヌクレオチドは、任意の三次元構造を有することができ、任意の機能を実行し得る。以下は、ポリヌクレオチドの非限定的な例である、すなわち、遺伝子又は遺伝子フラグメントのコード領域又は非コード領域、連鎖解析から定義される複数遺伝子座(遺伝子座)、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分枝鎖ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブ、及びプライマーである。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びヌクレオチド類似体などの修飾ヌクレオチドを含み得る。ヌクレオチド構造の修飾は、存在する場合には、ポリマーの集合化の前又は後に付与し得る。ポリヌクレオチドは、標識成分とのコンジュゲーションなどにより、さらに修飾してもよい。本明細書で提供するすべての核酸配列において、UヌクレオチドはTヌクレオチドと互換性がある。
【0028】
「ベクター」という用語は、核酸が生物、細胞、又は細胞成分の間で増殖及び/又は移動することができる手段を指す。ベクターとしては、プラスミド、ウイルス、バクテリオファージ、プロウイルス、ファージミド、トランスポゾン、及び人工染色体などが挙げられ、これらは、自律的に複製することができる場合とできない場合があり、又は宿主細胞の染色体に組み込むことができる場合とできない場合がある。
【0029】
ペプチド
細胞傷害性Tリンパ球(CTL)によって認識され、CMV感染症、再活性化、及び/又はCMV感染症の疾患及び/又はがん(例えば、固形臓器移植レシピエントにおける末端臓器疾患)の予防及び/又は治療に有用である、ヘルペスウイルスエピトープを含むペプチドが本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、CMVエピトープは、表1に列挙されたエピトープである。
【0030】
【表1】
【0031】
ある特定の態様では、HLAクラスI及びクラスII拘束性サイトメガロウイルス(CMV)ペプチドエピトープを含み、ペプチド特異的T細胞の増殖を誘導することができる、免疫原性ペプチドのプールが、本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、免疫原性ペプチドのプールは、配列番号25~29、又はそれらの組合せに記載されているエピトープアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む。いくつかのそのような実施形態では、ペプチドプールは、CMV抗原pp50、pp65、IE-1、gB及びgHのそれぞれに由来する少なくとも1つのペプチドエピトープを含む。好ましくは、免疫原性ペプチドのプールは、表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のうちの少なくとも1つ、又はそれらの組合せをさらに含む。最も好ましくは、そのようなペプチドプールは、表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のそれぞれを含む。
【0032】
「HLA拘束性(すなわち、MHC拘束性)」とは、所与のT細胞が、特定のHLA分子に結合している場合にのみ、ペプチドを認識して応答することを意味する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された免疫原性ペプチドプールのエピトープのそれぞれは、HLA-A*01:01、HLA-A*02:01、HLA-A*23:01、HLA-A*24:02、HLA-B*07:02、HLA-B*08:01、HLA-B*18:01、HLA-B*35:01、HLA-B*35:08、HLA-B*40:01、HLA-B*40:02、HLA-B*41.01、HLA-B*44:02、HLA-C*06:02、HLA-C*07:02、HLA-DRB1*01:01、HLA-DRB1*03:01、HLA-DRB1*04:01、HLA-DRB1*07、又はHLA-DRB1*11:01から選択されるHLA特異性のうちのいずれか1つによって拘束される。
【0033】
最も好ましくは、免疫原性ペプチド、及びそれらのプールは、ペプチド特異的細胞傷害性T細胞(CTL)の増殖を誘導することができる。
【0034】
本明細書で提供されるペプチドは、完全長CMVポリペプチドである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるペプチドは、CMVウイルスポリペプチドの100、90、80、70、60、50、40、30、25、20、15又は10個未満の連続するアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるペプチドは、表1に列挙されたCMVエピトープのうちの2つ以上を含む。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるペプチドは、ポリペプチドリンカーによって結合された表1に列挙されたCMVエピトープのうちの2つ以上を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるペプチドは、表1に列挙された少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19個又はすべてのエピトープを含む。
【0035】
ペプチドの配列は、1つ又は複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれ以上)の保存的配列改変を除いて、CMVウイルスポリペプチド配列を含む。本明細書で使用する場合、「保存的配列改変」という用語は、T細胞受容体(TCR)と、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)に提示されるアミノ酸配列を含むペプチドとの間の相互作用に有意に影響を与えたり、該相互作用を有意に変更したりしない、アミノ酸改変を指すことを意図する。このような保存的改変には、アミノ酸置換、アミノ酸付加(例えば、ペプチドのN又はC末端へのアミノ酸の付加)及びアミノ酸欠失(例えば、ペプチドのN又はC末端からのアミノ酸の欠失)が含まれる。保存的アミノ酸置換は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられるものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野において定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、ベータ分枝側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)、を有するアミノ酸が含まれる。したがって、本明細書に記載のペプチドの1つ又は複数のアミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリーの他のアミノ酸残基で置き換えることができ、改変されたペプチドは、当技術分野で知られている方法を使用してTCR結合性の保持について試験することができる。改変は、部位特異的変異導入及びPCR媒介変異導入などの当技術分野で知られている標準的な技術によって抗体に導入することができる。
【0036】
2つのアミノ酸配列又は2つの核酸配列の同一性パーセントを決定するために、配列を、最適な比較目的のためにアラインメントさせる(例えば、ギャップを、最適なアラインメントのために第1及び第2のアミノ酸又は核酸配列の一方又は両方に導入することができ、同一でない配列は、比較の目的のために無視することができる)。次に、対応するアミノ酸位置又はヌクレオチド位置のアミノ酸残基又はヌクレオチドを比較する。第1の配列の位置が第2の配列の対応する位置のものと同じアミノ酸残基又はヌクレオチドで占められている場合には、分子はその位置で同一である。2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適なアラインメントのために導入する必要があるギャップの数及び各ギャップの長さを考慮した、配列によって共有される同一の位置の数の関数である。
【0037】
キメラタンパク質又は融合タンパク質も本明細書で提供される。本明細書で使用する場合、「キメラタンパク質」又は「融合タンパク質」は、天然では連結されていない別個のペプチドに連結された、本明細書で提供されるペプチド(複数可)(例えば、表1に列挙されたエピトープを含むもの)を含む。例えば、別個のペプチドは、ペプチド結合を介して直接的に、又は化学リンカーを介して間接的に、ペプチドのN末端又はC末端に融合させることができる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるペプチドを、他のCMVエピトープを含むポリペプチドに連結させる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるペプチドを、他のウイルス性及び/又は感染性疾患からのエピトープを含むペプチドに連結させる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるペプチドを、がん関連エピトープをコードするペプチドに連結させる。
【0038】
本明細書で提供されるキメラ又は融合ペプチドは、標準的な組換えDNA技術によって作製することができる。例えば、異なるペプチド配列をコードするDNAフラグメントは、従来の技術に従って、例えば、ライゲーションのための平滑末端化又は粘着末端化末端、適切な末端を提供するための制限酵素消化、必要に応じて付着末端の埋め込み(filling-in)、望ましくない結合を回避するためのアルカリホスファターゼ処理、及び酵素ライゲーション、を使用することにより、インフレームでライゲーションすることができる。同様に、融合遺伝子は、自動化DNA合成機を含む従来の技術によって合成することができる。或いは、遺伝子フラグメントのPCR増幅は、2つの連続する遺伝子フラグメント間に相補的なオーバーハングを生じさせるアンカープライマーを使用して実行することができ、その後アニーリング及び再増幅して、キメラ遺伝子配列を生成することができる(例えば、Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel et al., eds., John Wiley & Sons: 1992年を参照のこと)。さらに、融合部分をすでにコードしている多くの発現ベクターが市販されている。
【0039】
いくつかの態様では、本明細書に記載のペプチド(例えば、表1に列挙されたエピトープを含むペプチド)を提示する細胞が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、細胞は哺乳動物細胞である。細胞は、抗原提示細胞(APC)(例えば、抗原提示T細胞、樹状細胞、B細胞、マクロファージ、又はK562細胞などの人工抗原提示細胞)であり得る。本明細書に記載のペプチドを提示する細胞は、当技術分野で知られている標準的な技術によって作製することができる。例えば、細胞は、ペプチドの取り込みを促進するためにパルス化してもよい。いくつかの実施形態では、細胞に、本明細書で提供されるペプチドをコードする核酸をトランスフェクトする。
【0040】
いくつかの態様では、本明細書に記載のペプチドで細胞をパルス化することを含む、抗原提示細胞(APC)を作製する方法が本明細書で提供される。抗原提示細胞を作製するための例示的な方法は、国際公開第2013088114号に見出すことができ、本明細書にその全体が組み込まれる。
【0041】
本明細書に記載のペプチドは、標準的なタンパク質精製技術を使用する適切な精製スキームによって細胞又は組織源から単離することができ、組換えDNA技術によって作製することができ、及び/又は標準的なペプチド合成技術を使用して化学的に合成することができる。本明細書に記載のペプチドは、本発明のペプチド(複数可)をコードするヌクレオチドの発現によって、原核生物又は真核生物の宿主細胞において産生され得る。或いは、そのようなペプチドは、化学的方法によって合成することができる。組換え宿主における異種ペプチドの発現、ペプチドの化学合成、及びインビトロ翻訳の方法は、当技術分野で周知であり、Maniatisら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual (1989)、2nd Ed.、Cold Spring Harbor、N. Y.;Berge及びKimmel、Methods in Enzymology、Volume 152、Guide to Molecular Cloning Techniques (1987)、Academic Press, Inc.、San Diego、Calif.;Merrifield, J. (1969) J. Am. Chem. Soc. 91:501、Chaiken I. M. (1981) CRC Crit. Rev. Biochem. 11:255;Kaiserら、(1989) Science 243:187; Merrifield, B. (1986) Science 232:342;Kent, S. B. H. (1988) Annu. Rev. Biochem. 57:957;及び Offord, R. E. (1980) Semisynthetic Proteins、Wiley Publishing、にさらに記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0042】
細胞
いくつかの態様では、本明細書に記載のCMVエピトープを含む1つ又は複数のペプチドを提示するMHC(例えば、表1に列挙された1つ又は複数のCMVエピトープを提示するAPC)を表面上に発現する抗原提示細胞(APC)が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、MHCはクラスI MHCである。いくつかの実施形態では、MHCはクラスII MHCである。いくつかの実施形態では、クラスI MHCは、HLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-E、HLA-F、HLA-g、HLA-K又はHLA-Lであるα鎖ポリペプチドを有する。いくつかの実施形態では、クラスII MHCは、HLA-DMA、HLA-DOA、HLA-DPA、HLA-DQA又はHLA-DRAであるα鎖ポリペプチドを有する。いくつかの実施形態では、クラスII MHCは、HLA-DMB、HLA-DOB、HLA-DPB、HLA-DQB又はHLA-DRBであるβ鎖ポリペプチドを有する。
【0043】
いくつかの実施形態では、APCは、B細胞、抗原提示T細胞、樹状細胞、又は人工抗原提示細胞(例えば、aK562細胞)である。プロセスにおいて使用するための樹状細胞は、患者試料からPBMCを採取し、それらをプラスチックに付着させることによって調製してもよい。一般に、単球集団は留まり、他のすべての細胞を洗い流すことができる。次に、付着した集団をIL-4及びGM-CSFにより分化させて、単球由来の樹状細胞を産生させる。これらの細胞は、IL-1β、IL-6、PGE-1、及びTNF-α(樹状細胞の表面にある重要な共刺激分子をアップレギュレートする)の添加によって成熟させてもよく、次にこれらの細胞に、本明細書で提供されるペプチドのうちの1つ又は複数を形質導入する。
【0044】
いくつかの実施形態では、APCは、aK562細胞などの人工抗原提示細胞である。いくつかの実施形態では、人工抗原提示細胞を、CD80、CD83、41BB-L、及び/又はCD86を発現するように遺伝子操作する。aK562細胞を含む例示的な人工抗原提示細胞は、米国特許出願公開第2003/0147869号に記載されており、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
ある特定の態様では、本明細書に記載の1つ又は複数のCMVエピトープを提示するAPCを生成する方法であって、APCを、CMVエピトープを含むペプチド、又は本明細書に記載のCMVエピトープペプチドのプールと、及び/又は本明細書に記載の1つ若しくは複数のCMVエピトープペプチドをコードする核酸と接触させることを含む、方法が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、APCを照射する。
【0046】
ある特定の態様では、MHC(例えば、HLA拘束性)上に提示された本明細書に記載のペプチド(表1に列挙されたCMVエピトープを含むペプチド)を認識するTCR(例えば、αβTCR又はγδTCR)を発現するT細胞(例えば、CD4 T細胞及び/又はCD8 T細胞)が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、T細胞は、クラスI MHC(例えば、HLA-A、HLA-B、及びHLA-C)上に提示される本明細書に記載のペプチドを認識するTCRを発現するCD8+T細胞(CTL)である。いくつかの実施形態では、T細胞は、クラスII MHC(例えば、HLA-DP、HLA-DM、HLA-DOA、HLA-DOB、HLA-DQ、及びHLA-DR)上に提示される本明細書に記載のペプチドを認識するCD4+T細胞(ヘルパーT細胞)である。ある特定の実施形態では、そのようなT細胞は、本明細書に開示された方法のいずれか1つによって調製される。
【0047】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように遺伝子操作することができる。多種多様なCARが科学文献に記載されている。一般に、CARは、細胞外抗原結合ドメイン(例えば、抗体の可変重鎖及び軽鎖に由来するscFv)、スペーサードメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む。したがって、いくつかの実施形態では、CMV特異的T細胞(例えば、提供されるCMVペプチドエピトーププール刺激CTL)は、がん細胞などの疾患細胞(例えば、腫瘍細胞)に関連する細胞外分子(例えば、HER2などの腫瘍抗原)を標的とするCARを発現する。
【0048】
いくつかの態様では、本明細書に記載のCMVエピトープのうちの1つ又は複数を認識するT細胞(例えば、CTL)を生成する、活性化する、及び/又はそれらの増殖を誘導する方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、CTLを含む試料(例えば、PBMC試料)を単離し、本明細書に開示された免疫原性ペプチドのプールに曝露し、刺激されたCTLを回収する。好ましくは、免疫原性ペプチドのプールは、表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のそれぞれから実質的になる。ある特定の実施形態では、曝露された試料を少なくとも14日間インキュベートする。いくつかのそのような実施形態では、曝露された試料を0日目にIL-21と共にインキュベートする。好ましくは、曝露された試料を2日目にIL-2と共にインキュベートする。より好ましい実施形態では、曝露された試料のインキュベーションは、3日ごとのIL-2の添加を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、PBMC試料は、健康なドナーに由来する。ある特定の実施形態では、PBMCは、免疫不全ドナーに由来する。いくつかのそのような実施形態では、ドナーは免疫抑制療法を受けている。いくつかの実施形態では、ドナーは、固形臓器移植レシピエントである。さらなる実施形態では、ドナーは、抗ウイルス療法を受けている。
【0050】
いくつかの実施形態では、CTLを含む試料(例えば、PBMC試料)を、本明細書で提供されるAPC(例えば、クラスI MHC複合体上で本明細書に記載のCMVエピトープを含むペプチドを提示するAPC)と共に、培養液中でインキュベートする。APCは、T細胞が得られた対象に対して自家であってもよい。いくつかの実施形態では、T細胞を含む試料を、本明細書で提供されるAPCと共に2回以上インキュベートする。いくつかの実施形態では、T細胞を、少なくとも1つのサイトカイン、例えば、IL-2、IL-4、IL-7、IL-15及び/又はIL-21の存在下で、APCと共にインキュベートする。APCを使用してT細胞の増殖を誘導するための例示的な方法は、例えば、米国特許出願公開第2015/0017723号に提供されており、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
いくつかの態様では、T細胞(例えば、本明細書に提供されるCMVペプチド特異的CTL)、及び/又は本明細書に提供されるAPCを含む組成物(例えば、治療用組成物)が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、そのような組成物は、有効量の組成物を対象に投与することによって、対象におけるCMV感染症、再活性化、及び/又は疾患を治療及び/又は予防するために使用される。T細胞及び/又はAPCは、対象に対して自家であってもよく、又は自家でなくてもよい。いくつかの実施形態では、T細胞及び/又はAPCを、それらが対象に投与される前に、細胞バンクに保存する。ある特定の実施形態では、対象は、固形臓器移植レシピエントであり得る。
【0052】
医薬組成物
いくつかの態様では、薬学的に許容される担体と一緒に製剤化されたCTL又はその調製物を含む組成物(例えば、医薬組成物)、並びにそのような医薬組成物を投与する方法が本明細書で提供される。
【0053】
いくつかの実施形態では、組成物は、アジュバントをさらに含んでもよい。本明細書で使用する場合、「アジュバント」という用語は、インビトロ又はインビボで、組成物に対する免疫学的応答を改変又は増強する免疫学的又は薬理学的薬剤を広く指す。例えば、アジュバントは、時間の経過とともに抗原の存在を増加させ、抗原提示細胞抗原を吸収するのを助け、マクロファージ及びリンパ球を活性化させ、サイトカインの産生を支持する場合がある。免疫応答を変化させることにより、アジュバントは、より少ない用量の免疫相互作用剤又は調製物が、投薬の有効性又は安全性を高めることを可能にする場合がある。例えば、アジュバントは、T細胞の疲弊を防ぎ、特定の免疫相互作用剤又は製剤の有効性又は安全性を高める可能性がある。アジュバントの例としては、免疫調節タンパク質、アジュバント65、α-GalCer、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、リン酸カルシウム、β-グルカンペプチド、CpG DNA、GPI-0100、リピドA及びその修飾バージョン(例、モノホスホリルリピドA、リポ多糖、リポバント(Lipovant)、モンタナイド、N-アセチル-ムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン、Pam3CSK4、quil A及びトレハロースジミコール酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
これらの製剤又は組成物を調製する方法は、本明細書に記載の薬剤を、担体及び任意選択で1つ又は複数の補助成分と合わせるステップを含む。一般に、製剤は、本明細書に記載の薬剤を、液体担体若しくは細かく分割した固体担体、又はその両方と均一且つ緊密に合わせ、次いで必要に応じて生成物を成形することによって調製する。
【0055】
非経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、1つ又は複数の薬学的に許容される無菌の等張水溶液若しくは非水溶液、分散液、懸濁液若しくは乳濁液、又は使用直前に無菌の注射用溶液又は分散液に再構成し得る無菌の粉末、と組み合わせて、本明細書に記載の1つ又は複数の薬剤を含み、糖、アルコール、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、製剤を目的のレシピエントの血液と等張にする溶質、又は懸濁剤若しくは増粘剤、を含み得る。
【0056】
本発明の医薬組成物に使用し得る好適な水性及び非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの好適な混合物、オリーブ油などの植物油、並びにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散液の場合には必要とされる粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。
【0057】
選択された投与経路に関係なく、好適な水和形態で使用され得る本発明の薬剤、及び/又は本発明の医薬組成物は、当業者に知られている従来の方法によって、薬学的に許容される剤形に製剤化される。
【0058】
治療法
ある特定の実施形態では、対象におけるCMV感染症、再活性化、及び/又は疾患(例えば、固形臓器移植レシピエントにおける末端臓器疾患)を治療又は予防する方法であって、対象に本明細書で提供される方法に従って調製されたペプチド特異的T細胞(又は前記T細胞を含む医薬組成物)を投与することを含む方法が本明細書で提供される。
【0059】
いくつかの実施形態では、対象におけるCMV感染症を治療又は予防する方法が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、対象におけるCMV再活性化又はCMV関連状態を治療又は予防する方法が本明細書で提供される。好ましい実施形態では、方法は、対象に本明細書で提供される方法に従って調製されたCTLを投与することを含む。例えば、これに限定されるものではないが、単離されたPBMC試料を、本明細書で提供される方法に従って免疫原性ペプチドのプールに曝露する。いくつかのそのような実施形態では、免疫原性ペプチドのプールは、CMVペプチド特異的T細胞の刺激及び増殖を誘導する。いくつかの実施形態では、対象に投与されるCTLは自家である。ある特定の実施形態では、感染は、再発性CMV感染症である。いくつかの実施形態では、治療を受ける対象は免疫不全である。例えば、いくつかの実施形態では、対象はT細胞不全を有する。いくつかの実施形態では、対象は、白血病、リンパ腫、又は多発性骨髄腫を有する。いくつかの実施形態では、対象は、HIVに感染しており、及び/又はAIDSを有している。いくつかの実施形態では、対象は、組織、臓器、及び/又は骨髄移植を受けている。いくつかのそのような実施形態では、対象は、固形臓器移植のレシピエントである。いくつかの実施形態では、対象には、免疫抑制薬が投与される。いくつかの実施形態では、対象は、化学療法を受けたことがある、及び/又は化学療法を受けている。いくつかの実施形態では、対象は、放射線療法を受けたことがある、及び/又は放射線療法を受けている。
【0060】
いくつかの実施形態では、対象には、抗ウイルス薬も投与される。いくつかのそのような実施形態では、抗ウイルス薬は、CMV感染症を治療するためのものである(例えば、抗ウイルス薬は、CMV複製を阻害する)。例えば、いくつかの実施形態では、対象には、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、ホスカルネット、シドフォビル、アシクロビル、ホルミビルセン、マリバビル、BAY38-4766、又はGW275175Xが投与される。ある特定の実施形態では、CMV感染症は、薬物耐性である。例えば、いくつかの実施形態では、CMV感染症は、ガンシクロビル耐性である。
【0061】
CMVペプチド特異的T細胞によるバイオマーカーの発現は、フローサイトメトリーなどの任意の好適な方法によって評価することができる。いくつかの実施形態では、CMVペプチド特異的T細胞を、CMV特異的ペプチドによって刺激し、フローサイトメトリーを介して選別する。好ましくは、CMVペプチド特異的T細胞は、実施例1、4、5、又はそれらの任意の組合せに例示されたプロトコルに従って、刺激及び/又は表面染色を受ける。いくつかの実施形態では、CMVペプチド特異的T細胞を、CD107aに特異的な1つ又は複数の抗体でインキュベートし、その後、フローサイトメトリーを介して選別する。いくつかの実施形態において、CMVペプチド特異的T細胞を、細胞内サイトカインに結合する1つ又は複数の抗体、例えば、IFNγ、IL-2、及び/又はTNFに特異的な抗体と共にインキュベートする。いくつかの実施形態において、CMVペプチド特異的T細胞を、細胞内サイトカインに対する抗体と共にインキュベートし、その後、フローサイトメトリーを介して選別する。
【0062】
いくつかの態様では、対象からPMBC試料を取得し、自家T細胞を単離し、自家T細胞のCMV反応性を決定し、自家T細胞のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、40%、50%、60%、70%、又は80%がCMV反応性である場合、養子免疫療法のために対象を選択することにより、養子免疫療法のために対象を選択する方法が本明細書で提供される。
【0063】
いくつかの態様では、対象からT細胞(例えば、CTL)を含む試料を取得し、自家T細胞を単離し、自家T細胞のCD107a発現を決定し、自家T細胞のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、40%、50%、60%、70%又は80%がCD107aを発現する場合、養子免疫療法のために対象を選択することにより、養子免疫療法のために対象を選択する方法が本明細書で提供される。
【0064】
いくつかの態様では、対象からT細胞(例えば、CTL)を含む試料を取得し、自家T細胞を単離し、自家T細胞のIFNγ発現を決定し、自家T細胞のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、40%、50%、60%、70%又は80%がIFNγを発現する場合、養子免疫療法のために対象を選択することにより、養子免疫療法のために対象を選択する方法が本明細書で提供される。
【0065】
いくつかの態様では、対象からT細胞(例えば、CTL)を含む試料を取得し、自家T細胞を単離し、自家T細胞のTNF発現を決定し、自家T細胞のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、40%、50%、60%、70%又は80%がTNFを発現する場合、養子免疫療法のために対象を選択することにより、養子免疫療法のために対象を選択する方法が本明細書で提供される。
【0066】
いくつかの態様では、対象からT細胞(例えば、CTL)を含む試料を取得し、自家T細胞を単離し、自家T細胞のIL-2発現を決定し、自家T細胞のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、40%、50%、60%、70%又は80%がIL-2を発現する場合、養子免疫療法のために対象を選択することにより、養子免疫療法のために対象を選択する方法が本明細書で提供される。
【0067】
いくつかの実施形態では、方法は、対象からT細胞を含む試料を取得すること(例えば、対象からPBMC試料を取得すること)をさらに含む。いくつかの実施形態では、試料から自家T細胞(例えば、CD4+T細胞又はCD8+T細胞)を単離する。いくつかの実施形態では、試料は、大部分又は完全に自家T細胞から構成されている。
【0068】
対象におけるCMV感染症を治療又は予防する方法であって、対象に、クラスI及び/又はクラスII MHC(例えば、表1に記載されたペプチドのうちのいずれか1つ又はそれらの組合せ)上に提示された1つ又は複数のCMVペプチドに特異的に結合するT細胞受容体を発現する免疫原性ペプチドプール刺激T細胞(例えば、自家CMVペプチド特異的CTL)を投与することを含む方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、試料中のT細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%は、CD107aを発現する。いくつかの実施形態では、試料中のT細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%は、IFNγを発現する。いくつかの実施形態では、試料中のT細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%は、TNFを発現する。
【0069】
いくつかの実施形態では、試料中のT細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%は、IL-2を発現する。
【0070】
いくつかの実施形態では、試料中のT細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%は、CD107a及びIFNγを発現する。
【0071】
いくつかの実施形態では、試料中のT細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%は、CD107a及びTNFを発現する。
【0072】
いくつかの実施形態では、試料中のT細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%は、CD107a及びIL-2を発現する。
【0073】
いくつかの実施形態では、試料中のT細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%は、IFNγ及びTNFを発現する。
【0074】
いくつかの実施形態では、試料中のT細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%は、IFNγ及びIL-2を発現する。
【0075】
いくつかの実施形態では、試料中のT細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%は、TNF及びIL-2を発現する。
【0076】
いくつかの実施形態では、試料中のT細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%は、IFNγ、TNF、及びIL-2を発現する。
【0077】
いくつかの実施形態では、試料中のT細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%は、CD107a、TNF及びIL-2を発現する。
【0078】
いくつかの実施形態では、試料中のT細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90は、CD107a、IFNγ、及びIL-2を発現する。
【0079】
いくつかの実施形態では、試料中のT細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%は、CD107a、IFNγ、及びTNFを発現する。
【0080】
いくつかの実施形態では、試料中のT細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%は、CD107a、IFNγ、TNF、及びIL-2を発現する。
【0081】
本明細書に開示された方法のいくつかの実施形態では、T細胞(例えば、CTL)は、複数のCMV抗原に由来する複数のペプチドエピトープに対して反応性を示す。T細胞(例えば、CTL)のうちの1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%が、2つ以上のCMVエピトープに反応する。ある特定の実施形態では、T細胞(例えば、CTL)は、表1に記載のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列のうちのいずれか1つ、又はそれらの組合せに対して反応性である。ある特定の実施形態では、T細胞(例えば、CTL)は、pp50、pp65、IE-1、gB、gH、又はそれらの組合せのうちのいずれか1つに対して反応性である。
【0082】
T細胞バイオマーカー発現及び/又はCMV反応性を、本明細書に開示された方法のいずれか1つによる、例えば、免疫原性CMVペプチドエピトープのプールへの曝露による、T細胞(例えば、CTL)増殖の前又は後に測定及び/又は分析してもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、CMV反応性及びバイオマーカー発現を、T細胞(例えば、CTL)の刺激の前に定量化する。代替的又は追加的に、CMV反応性及びバイオマーカー発現を、T細胞(例えば、CTL)の刺激の後に定量化してもよい。いくつかの実施形態では、CMV反応性は、CD107aを発現する試料中のT細胞の百分率を定量化することによって測定する。いくつかの実施形態では、CMV反応性は、IFNγを発現する試料中のT細胞の百分率を定量化することによって測定する。いくつかの実施形態では、CMV反応性は、TNFを発現する試料中のT細胞の百分率を定量化することによって測定する。いくつかの実施形態では、CMV反応性は、IL-2を発現する試料中のT細胞の百分率を定量化することによって測定する。いくつかの実施形態では、CMV反応性は、複数のバイオマーカー(例えば、CD107a、IFNγ、TNF、及びIL-2のうちの2つ以上、好ましくは4つすべて)を発現するT細胞の百分率を定量化することによって測定する。いくつかの実施形態では、CMV反応性は、CD107a、IFNγ、TNF、及びIL-2を発現する試料中の自家T細胞の百分率を定量化することによって計算する。T細胞は、CMV反応性百分率の定量化の前又は後のいずれかにおいて、試料(例えば、PBMC試料又はT細胞を含む試料)から単離してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、CMV反応性は、大部分がT細胞を含む試料中の、所望の特性(複数可)を有するT細胞の百分率である。
【0084】
いくつかの実施形態では、CMV反応性は、CD107aを発現する試料中のCD8+リンパ球の百分率を定量化することによって測定する。いくつかの実施形態では、CMV反応性は、IFNγを発現する試料中のCD8+リンパ球の百分率を定量化することによって測定する。いくつかの実施形態では、CMV反応性は、TNFを発現する試料中のCD8+リンパ球の百分率を定量化することによって測定する。いくつかの実施形態では、CMV反応性は、IL-2を発現する試料中のCD8+リンパ球の百分率を定量化することによって測定する。いくつかの実施形態では、CMV反応性は、複数のバイオマーカー(例えば、CD107a、IFNγ、TNF、及びIL-2のうちの2つ以上、好ましくは4つすべて)を発現するCD8+リンパ球の百分率を定量化することによって測定する。CD8+リンパ球は、CMV反応性百分率の定量化の前又は後のいずれかにおいて、試料(例えば、PBMC試料又はCD8+リンパ球を含む試料)から単離してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、CMV反応性は、大部分がCD8+リンパ球を含む試料中の、所望の特性(複数可)を有するCD8+リンパ球の百分率である。
【0085】
いくつかの実施形態では、CMV反応性は、CD107aを発現する試料中のCD3+リンパ球の百分率を定量化することによって測定する。いくつかの実施形態では、CMV反応性は、IFNγを発現する試料中のCD3+リンパ球の百分率を定量化することによって測定する。いくつかの実施形態では、CMV反応性は、TNFを発現する試料中のCD3+リンパ球の百分率を定量化することによって測定する。いくつかの実施形態では、CMV反応性は、IL-2を発現する試料中のCD3+リンパ球の百分率を定量化することによって測定する。いくつかの実施形態では、CMV反応性は、複数のバイオマーカー(例えば、CD107a、IFNγ、TNF、及びIL-2のうちの2つ以上、好ましくは4つすべて)を発現するCD3+リンパ球の百分率を定量化することによって測定する。CD3+リンパ球は、CMV反応性百分率の定量化の前又は後のいずれかにおいて、試料(例えば、PBMC試料又はCD3+リンパ球を含む試料)から単離してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、CMV反応性は、大部分がCD3+リンパ球を含む試料中の、所望の特性(複数可)を有するCD3+リンパ球の百分率である。
【0086】
いくつかの実施形態では、方法は、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)によるCD107a、IFNγ、TNF、又はIL-2の発現を分析すること、及びCMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%がCD107a、IFNγ、TNF、又はIL-2を発現する場合、CMVペプチド特異的自家細胞(例えば、CTL)を対象に投与することをさらに含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、方法は、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)による複数のバイオマーカーの発現を分析すること、及びCMVペプチド特異的T細胞によって少なくとも2つのバイオマーカーが発現される場合、CMVペプチド特異的T細胞を対象に投与することをさらに含む。いくつかのそのような実施形態では、方法は、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)によるCD107a及びTNFの発現を分析すること、及びCMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%がCD107a及びTNFを発現する場合、ペプチド特異的自家T細胞(例えば、CTL)を対象に投与することをさらに含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、方法は、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)によるCD107a及びIFNγの発現を分析すること、及びCMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%がCD107a及びIFNγを発現する場合、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)を対象に投与することをさらに含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、方法は、増殖したペプチド特異的自家T細胞(例えば、CTL)によるCD107a及びIL-2の発現を分析すること、及びCMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%がCD107a及びIL-2を発現する場合、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)を対象に投与することをさらに含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、方法は、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)によるTNF及びIL-2の発現を分析すること、及びCMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%がTNF及びIL-2を発現する場合、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)を対象に投与することをさらに含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、方法は、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)によるIFNγ及びIL-2の発現を分析すること、及びCMVペプチド特異的自家T細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%がIFNγ及びIL-2を発現する場合、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)を対象に投与することをさらに含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、方法は、増殖したCMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)によるIFNγ及びTNFの発現を分析すること、及びCMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%がIFNγ及びTNFを発現する場合、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)を対象に投与することをさらに含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、方法は、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)によるCD107a、IFNγ、及びTNFの発現を分析すること、及びCMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%がCD107a、IFNγ、及びTNFを発現する場合、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)を対象に投与することをさらに含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、方法は、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)によるCD107a、IFNγ、及びIL-2の発現を分析すること、及びCMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%がCD107a、IFNγ、及びIL-2を発現する場合、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)を対象に投与することをさらに含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、方法は、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)によるCD107a、IL-2、及びTNFの発現を分析すること、及びCMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%がCD107a、IL-2、及びTNFを発現する場合、ペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)を対象に投与することをさらに含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、方法は、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)によるIFNγ、IL-2、及びTNFの発現を分析すること、及びCMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%がIFNγ、IL-2、及びTNFを発現する場合、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)を対象に投与することをさらに含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、CMVペプチド特異的自家T細胞(例えば、CTL)のうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%がCD107a、IFNγ、TNF、及びIL-2を発現する場合、自家T細胞(例えば、CTL)を対象に投与する。
【0098】
CMVペプチド特異的自家T細胞(例えば、CTL)は、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%のCMV反応性を有し得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、方法は、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)のCMV反応性を分析すること、並びに反応性が2つ以上のエピトープに対するものであり、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)の少なくとも閾値百分率(例えば、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、又は90%)がCMV反応性である場合、CMVペプチド特異的T細胞(例えば、CTL)を対象に投与することをさらに含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、T細胞1用量ごとに約1×10~約1×10のT細胞を対象に投与する。いくつかの実施形態では、T細胞1用量ごとに約1×10~約1×10のT細胞を対象に投与する。いくつかの実施形態では、5×10、1×10、1.5×10、又は2×10のT細胞(例えば、CTL)を対象に投与する。複数用量を対象に投与してもよい。いくつかの実施形態では、初期用量のT細胞(例えば、自家CTL)を投与し、1又は複数の追加用量のT細胞(例えば、自家CTL)を、例えば、治療の経過に沿って用量を増加して投与する。いくつかの実施形態では、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、又は10以上の用量を投与する。対象には、初期用量と同じか又は異なる追加用量を投与してもよい。例えば、より低い用量を投与し、続いてより高い用量を投与してもよい。用量は、毎日、週に2回、毎週、隔週、月に1回、2か月に1回、3か月に1回、又は6か月に1回投与してもよい。いくつかの実施形態では、対象は、T細胞(例えば、自家CTL)投与の結果としていかなる有害作用も経験しない。
【0101】
いくつかの態様では、方法は、CMV感染症、再活性化、又は関連する疾患を有する対象におけるCMVウイルス量を測定することによって、養子免疫療法の有効性を評価することをさらに含む。いくつかの実施形態では、対象は、固形臓器移植を受けている。非限定的な例として、CMVウイルス量は、対象から第1の試料(例えば、血液試料)を取得し、当技術分野で知られている方法を使用して(好ましくはCTL投与前に)第1の試料のウイルス量を評価し、一定期間後、対象から第2の試料を取得し(好ましくはCTL投与後に)、第2の試料のウイルス量を評価することによって測定してもよく、第2の試料のウイルス量が第1の試料よりも少ない場合、CMV感染症、再活性化、又は関連する疾患は、改善しており、及び/又は進行していない。追加の試料を取得して、以前の試料と比較してもよい。また、免疫原性ペプチドプール刺激T細胞(例えば、本明細書に開示されたCMVペプチド特異的自家CTL)を対象に投与することにより、CMV感染症、再活性化、又は関連する疾患を有する対象におけるウイルス量を低減する方法も本明細書に提供される。ウイルス量の変化(例えば、減少)は、核酸ベースアッセイ(例えば、核酸検査(NAT)及び核酸増幅検査(NAAT))又は非核酸検査(例えば、定量的酵素免疫測定法)などの当技術分野で知られている方法を使用することによって測定することができる。T細胞の投与後、ウイルス量は約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%減少する場合がある。
【0102】
いくつかの実施形態では、方法は、対象に免疫原性ペプチドプール刺激T細胞(例えば、本明細書に記載のCMVペプチド特異的自家CTLなどのCTL)を投与することにより、CMV感染症、再活性化、又は関連する疾患を有する対象の症状又は状態を改善又は安定化させることを含む。また、DNA血症を軽減又は回復させる方法、及び/又はCMVに感染した対象におけるCMV関連末端臓器疾患を軽減、安定化、又は消滅させる方法であって、対象に免疫原性ペプチドプール刺激T細胞(例えば、本明細書に記載のCMVペプチド特異的自家CTLなどのCTL)を投与することを含む方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、CMVに感染した抗ウイルス療法の使用を低減又は中止する方法であって、対象に免疫原性ペプチドプール刺激T細胞(例えば、本明細書に記載のCMVペプチド特異的自家CTLなどのCTL)を投与することを含む方法が本明細書で提供される。好ましい実施形態では、対象は、固形臓器移植を受けている。より好ましい実施形態では、対象は、ガンシクロビル耐性CMV感染症、再活性化、又は関連する疾患に罹患している。
【0103】
いくつかの実施形態では、対象はがんを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法を使用して、任意のがん性又は前がん性腫瘍を治療することができる。いくつかの実施形態では、がんは、本明細書で提供されるCMVエピトープ(例えば、表1に列挙されたCMVエピトープ)のうちの1つ又は複数を発現する。いくつかの実施形態では、がんは固形腫瘍を含む。本明細書で提供される方法及び組成物によって治療され得るがんとしては、膀胱、血液、骨、骨髄、脳、乳房、結腸、食道、胃腸、歯肉、頭、腎臓、肝臓、肺、鼻咽頭、首、卵巣、前立腺、皮膚、胃、精巣、舌、又は子宮からのがん細胞が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、がんは、特に以下の組織学的タイプのもの、すなわち、新生物、悪性;癌腫;癌腫、未分化;巨細胞及び紡錘形細胞癌;小細胞癌;乳頭癌;扁平上皮癌;リンパ上皮癌;基底細胞癌;毛母癌;移行上皮がん;乳頭状移行上皮癌;腺癌;ガストリノーマ、悪性;胆管癌;肝細胞癌;肝細胞癌・胆管癌の混合;索状腺癌;腺様嚢胞癌;腺腫性ポリープ内腺癌;腺癌、家族性大腸ポリポーシス;固形癌;カルチノイド腫瘍、悪性;細気管支肺胞腺癌(bronchiolo-alveolar adenocarcinoma);乳頭状腺癌;嫌色素性癌;好酸性癌;好酸性腺癌;好塩基球癌;明細胞腺癌;顆粒細胞癌;ろ胞腺癌;乳頭状及びろ胞腺癌;非被包性硬化癌;副腎皮質がん;子宮内膜がん;皮膚付属器がん;アポクリン腺癌;皮脂腺癌;耳垢腺癌;粘表皮癌;嚢胞腺癌;乳頭状嚢胞腺癌;乳頭状漿液性嚢胞腺癌;粘液性嚢胞腺癌;粘液腺癌;印環細胞癌;浸潤性乳管癌;髄様癌;小葉癌;炎症性癌;乳腺パジェット病、;腺房細胞癌;腺扁平上皮癌;扁平上皮化生を伴う腺癌(Adenocarcinoma with squamous metaplasia);悪性胸腺腫;悪性卵巣間質腫瘍;悪性莢膜細胞腫;悪性顆粒膜細胞腫;及び悪性ロブラストーマ(アンドロブラストマーandroblastoma);セルトリ細胞癌;悪性ライディッヒ細胞腫瘍;悪性脂質細胞腫瘍;悪性傍神経節腫;悪性乳房外傍神経節腫;褐色細胞腫;グロムス血管肉腫;悪性黒色腫;無色素性黒色腫;表在拡大型黒色腫;巨大色素性母斑内悪性黒色腫;類上皮細胞黒色腫;悪性青色母斑;肉腫;線維肉腫;悪性線維性組織球腫;粘液肉腫;脂肪肉腫;平滑筋肉腫;横紋筋肉腫;胚性横紋筋肉腫;胞巣状横紋筋肉腫;間質性肉腫;悪性混合腫瘍;ミュラー管混合腫瘍;腎芽腫;肝芽腫;癌肉腫;悪性間葉腫;悪性ブレンナー腫瘍;悪性葉状腫瘍;滑膜肉腫;悪性中皮腫;未分化胚細胞腫;胎芽性癌;悪性奇形腫;悪性卵巣甲状腺腫;絨毛癌;悪性中腎腫;血管肉腫;悪性血管内皮腫;カポジ肉腫;悪性血管外皮腫;リンパ管肉腫;骨肉腫;傍骨性骨肉腫;軟骨肉腫;悪性軟骨芽腫;間葉性軟骨肉腫;骨巨細胞腫;ユーイング肉腫;悪性歯原性腫瘍;エナメル上皮歯牙肉腫;悪性エナメル上皮腫;エナメル上皮線維肉腫;悪性松果体腫;脊索腫;悪性神経膠腫;上衣腫;星状細胞腫;原形質星状細胞腫;原線維性星細胞腫;星芽腫;膠芽腫;多形性膠芽腫(GBM);乏突起膠腫;乏突起膠芽腫;原始神経外胚葉;小脳肉腫;神経節神経芽細胞腫;神経芽腫;網膜芽細胞腫;嗅神経腫瘍;悪性髄膜腫;神経線維肉腫;悪性神経鞘腫;悪性顆粒細胞腫瘍;悪性リンパ腫;ホジキン病;ホジキンリンパ腫;傍肉芽腫;小リンパ球性悪性リンパ腫;びまん性大細胞型悪性リンパ腫;濾胞性悪性リンパ腫;菌状息肉腫;その他の特定の非ホジキンリンパ腫;悪性組織球症;多発性骨髄腫;肥満細胞肉腫;免疫増殖性小腸疾患;白血病;リンパ性白血病;形質細胞性白血病;赤白血病;リンパ肉腫細胞白血病;骨髄性白血病;好塩基球性白血病;好酸球性白血病;単球性白血病;肥満細胞白血病;巨核芽球性白血病;骨髄性肉腫;及び有毛細胞性白血病、であり得るが、これらに限定されない。
【0104】
いくつかの実施形態では、対象には抗がん化合物も投与される。抗がん化合物の例としては、アレムツズマブ(キャンパス(Campath)(登録商標))、アリトレチノイン(パンレチン(Panretin)(登録商標))、アナストロゾール(アリミデックス(Arimidex)(登録商標))、ベバシズマブ(アバスチン(Avastin)(登録商標))、ベキサロテン(タルグレチン(Targretin)(登録商標))、ボルテゾミブ(ベルケイド(Velcade)(登録商標))、ボスチニブ(ボシュリフ(Bosulif)(登録商標))、ブレンツキシマブベドチン(アドセトリス(Adcetris)(登録商標))、カボザンチニブ(コメトリック(Cometriq)(商標))、カルフィルゾミブ(カイプロリス(Kyprolis)(商標))、セツキシマブ(エルビタックス(Erbitux)(登録商標))、クリゾチニブ(キサルコリ(Xalkori)(登録商標))、ダサチニブ(スプリセル(Sprycel)(登録商標))、デニロイキンジフチトクス(オンタク(Ontak)(登録商標))、エルロチニブ塩酸塩(タルセバ(Tarceva)(登録商標))、エベロリムス(アフィニトール(Afinitor)(登録商標))、エキセメスタン(アロマシン(Aromasin)(登録商標))、フルベストラント(フェソロデックス(Faslodex)(登録商標))、ゲフィチニブ(イレッサ(Iressa)(登録商標))、イブリツモマブチウキセタン(ゼバリン(Zevalin)(登録商標))、メシル酸イマチニブ(グリベック(Gleevec)(登録商標))、イピリムマブ(イェルボイ(Yervoy)(商標))、ラパチニブジトシレート(タイケルブ(Tykerb)(登録商標))、レトロゾール(フェマーラ(Femara)(登録商標))、ニロチニブ(タシニャ(Tasigna)(登録商標))、オファツムマブ(アルゼラ(Arzerra)(登録商標))、パニツムマブ(ベクティビックス(Vectibix)(登録商標))、パゾパニブ塩酸塩(ヴォトリエント(Votrient)(登録商標))、ペルツズマブ(パージェタ(Perjeta)(商標))、プララトレキサート(フォロチン(Folotyn)(登録商標))、レゴラフェニブ(スチバーガ(Stivarga)(登録商標))、リツキシマブ(リツキサン(Rituxan)(登録商標))、ロミデプシン(イストダックス(Istodax)(登録商標))、ソラフェニブトシレート(ネクサバール(Nexavar)(登録商標))、スニチニブマラート(ステント(Sutent)(登録商標))、タモキシフェン、テムシロリムス(トーリセル(Torisel)(登録商標))、トレミフェン(フェアストン(Fareston)(登録商標))、トシツモマブ及び131I-トシツモマブ(ベクサール(Bexxar)(登録商標))、トラスツズマブ(ハーセプチン(Herceptin)(登録商標))、トレチノイン(ベサノイド(Vesanoid)(登録商標))、バンデタニブ(カプレルサ(Caprelsa)(登録商標))、ベムラフェニブ(ゼルボラフ(Zelboraf)(登録商標))、ボリノスタット(ゾリンザ(Zolinza)(登録商標))、及びジブ-アフリベルセプト(Ziv-aflibercept)(ザルトラップ(Zaltrap)(登録商標))、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
いくつかの実施形態では、対象には化学療法剤も投与される。化学療法剤の例としては、アルキル化剤、例としてチオテパ、シクロホスファミドなど;アルキルスルホネート、例としてブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファンなど;アジリジン、例としてベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、及びウレドーパ(uredopa)など;エチレンイミン及びメチラメラミン、例としてアルトレタアミン(altretamine)、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、及びトリメチロールメラミン(trimethylolomelamine)など;アセトゲニン(特にブラタシン及びブラタシノン);カンプトテシン(合成類似体トポテカン(topotecan)を含む);ブリオスタチン;カリスタチン(callystatin);CC-1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン及びビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW-2189及びCB1-TM1を含む);エロイテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチン(sarcodictyin);スポンジスタチン;ナイトロジェンマスタード、例としてクロランブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノブエンビキン(novembichin)、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド(trofosfamide)、ウラシルマスタードなど;ニトロソウレア(nitrosureas)、例としてカルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン及びラニムスチンなど;抗生物質、例としてエネジイン抗生物質など(例えば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシンγlI及びカリケアマイシンωl1);ダイネミシン、ダイネミシンAを含む;クロドロネートなどのビスホスホネート;エスペラマイシン;並びにネオカルチノスタチン発光団及び関連色素タンパク質エネジイン(enediyne)抗生物質発光団、アクラシノマイシン(aclacinomysins)、アクチノマイシン、アントラマイシン(authrarnycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カミノマイシン(caminomycin)、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(モルフォリノ-ドキソルビシン、シアノモルフォリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;抗代謝産物、例としてメトトレキセート及び5-フルオロウラシル(5-FU)など;葉酸類似体、例としてデノプテリン、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキセートなど;プリン類似体、例としてフルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなど;ピリミジン類似体、例としてアンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロキシウリジン(floxuridine)など;アンドロゲン、例としてカルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなど;抗副腎剤、例としてアミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなど;葉酸リプレニッシャー(replenisher)、例としてフロリン酸(frolinic acid)など;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン(demecolcine);ジアジコン(diaziquone);エルフォミチン(elfomithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium acetate);エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダイニン(lonidainine);メイタンシノイド、例としてメイタンシン及びアンサマイトシンなど;ミトグアゾン(mitoguazone);ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK多糖複合体);ラゾキサン(razoxane);リゾキシン(rhizoxin);シゾフラン(sizofuran);スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2”-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(trichothecenes)(特にT-2トキシン、ベルカリンA(verracurin A)、ロリジンA(roridin A)及びアングイジン(anguidine));ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例としてパクリタキセル及びドセタキセル;クロラムブシル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキセート;白金配位錯体、例としてシスプラチン、オキサリプラチン及びカルボプラチンなど;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ノバントロン(novantrone);テニポシド;エダトレキセート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート(ibandronate);イリノテカン(例えばCPT-11);トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例としてレチノイン酸など;カペシタビン;並びに上述したものいずれかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
いくつかの実施形態では、対象には免疫療法剤も投与される。免疫療法は、対象の免疫系を使用して状態を治療又は予防する処置を指し、例えば、がんワクチン、サイトカイン、標的特異的抗体の使用、T細胞療法、及び樹状細胞療法である。
【0107】
いくつかの実施形態では、対象には免疫調節タンパク質も投与される。免疫調節タンパク質の例としては、Bリンパ球走化性因子(「BLC」)、C-Cモチーフケモカイン11(「エオタキシン-1」)、好酸球走化性タンパク質2(「エオタキシン-2」)、顆粒球コロニー刺激因子(「G-CSF」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM-CSF」)、1-309、細胞間接着分子1(「ICAM-1」)、インターフェロンガンマ(「IFN-γ」)、インターロイキン-1アルファ(「IL-1α」)、インターロイキン-1ベータ(「IL-1β」)、インターロイキン1受容体アンタゴニスト(「IL-1 ra」)、インターロイキン-2(「IL-2」)、インターロイキン-4(「IL-4」)、インターロイキン-5(「IL-5」)、インターロイキン-6(「IL-6」)、インターロイキン-6可溶性受容体(「IL-6 sR」)、インターロイキン-7(「IL-7」)、インターロイキン-8(「IL-8」)、インターロイキン-10(「IL-10」)、インターロイキン-11(「IL-11」)、インターロイキン-12のサブユニットベータ(「IL-12 p40」又は「IL-12 p70」)、インターロイキン-13(「IL-13」)、インターロイキン-15(「IL-15」)、インターロイキン-16(「IL-16」)、インターロイキン-17(「IL-17」)、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド2(「MCP-1」)、マクロファージコロニー刺激因子(「M-CSF」)、ガンマインターフェロン誘導モノカイン(「MIG」)、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド2(「MIP-1アルファ」)、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド4(「MIP-1ベータ」)、マクロファージ炎症性タンパク質-1-デルタ(「MIP-1デルタ」)、血小板由来成長因子サブユニットB(「PDGF-BB」)、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド5、活性化に調節、正常T細胞発現及び分泌(Regulated on Activation, Normal T cell Expressed and Secreted)(「RANTES」)、TIMPメタロペプチダーゼ阻害剤1(「TIMP-1」)、TIMPメタロペプチダーゼ阻害剤2(「TIMP-2」)、腫瘍壊死因子、リンホトキシン-アルファ(「TNFα」)、腫瘍壊死因子、リンホトキシン-ベータ(「TNFβ」)、可溶性TNF受容体タイプ1(「sTNFRI」)、sTNFRIIAR、脳由来神経栄養因子(「BDNF」)、塩基性線維芽細胞成長因子(「bFGF」)、骨形成タンパク質4(「BMP-4」)、骨形成タンパク質5(「BMP-5」)、骨形成タンパク質7(「BMP-7」)、神経成長因子(「b-NGF」)、上皮成長因子(「EGF」)、上皮成長因子受容体(「EGFR」)、内分泌腺由来血管内皮細胞成長因子(「EG-VEGF」)、線維芽細胞成長因子4(「FGF-4」)、ケラチノサイト成長因子(「FGF-7」)、成長分化因子15(「GDF-15」)、グリア細胞由来神経栄養因子(「GDNF」)、成長ホルモン、ヘパリン結合EGF様成長因子(「HB-EGF」)、肝細胞増殖因子(「HGF」)、インスリン様増殖因子結合タンパク質1(「IGFBP-1」)、インスリン様増殖因子結合タンパク質2(「IGFBP-2」)、インスリン様増殖因子結合タンパク質3(「IGFBP-3」)、インスリン様増殖因子結合タンパク質4(「IGFBP-4」)、インスリン様増殖因子結合タンパク質6(「IGFBP-6」)、インスリン様増殖因子1(「IGF-1」)、インスリン、マクロファージコロニー刺激因子(「M-CSF R」)、神経成長因子受容体(「NGF R」)、ニューロトロフィン-3(「NT-3」)、ニューロトロフィン-4(「NT-4」)、破骨細胞形成抑制因子(「オステオプロテゲリン(Osteoprotegerin)」)、血小板由来成長因子受容体(「PDGF-AA」)、ホスファチジルイノシトール-グリカン生合成(「PIGF」)、Skp、Cullin、F-box含有複合体(「SCF」)、幹細胞因子受容体(「SCF R」)、トランスフォーミング増殖因子アルファ(「TGFα」)、トランスフォーミング増殖因子ベータ-1(「TGFβ1」)、トランスフォーミング増殖因子ベータ-3(「TGFβ3」)、血管内皮成長因子(「VEGF」)、血管内皮成長因子受容体2(「VEGFR2」)、血管内皮成長因子受容体3(「VEGFR3」)、VEGF-D 6Ckine、チロシンプロテインキナーゼ受容体UFO(「Axl」)、ベータセルリン(「BTC」)、粘膜関連上皮ケモカイン(「CCL28」)、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド27(「CTACK」)、ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド16(「CXCL16」)、C-X-Cモチーフケモカイン5(「ENA-78」)、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド26(「エオタキシン-3」)、顆粒球走化性タンパク質2(「GCP-2」)、GRO、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド14(「HCC-l」)、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド16(「HCC-4」)、インターロイキン-9(「IL-9」)、インターロイキン-17 F(「IL-17F」)、インターロイキン-18結合タンパク質(「IL-18 BPa」)、インターロイキン-28 A(「IL-28A」)、インターロイキン29(「IL-29」)、インターロイキン31(「IL-31」)、C-X-Cモチーフケモカイン10(「IP-10」)、ケモカイン受容体CXCR3(「I-TAC」)、白血病抑制因子(「LIF」)、Light、ケモカイン(Cモチーフ)リガンド(「リンホタクチン」)、単球走化性タンパク質2(「MCP-2」)、単球走化性タンパク質3(「MCP-3」)、単球走化性タンパク質4(「MCP-4」)、マクロファージ由来ケモカイン(「MDC」)、マクロファージ遊走阻止因子(「MIF」)、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド20(「MIP-3α」)、C-Cモチーフケモカイン19(「MIP-3β」)、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド23(「MPIF-1」)、マクロファージ刺激タンパク質アルファ鎖(「MSPalpha」)、ヌクレオソーム集合タンパク質1様4(「NAP-2」)、分泌型ホスホタンパク質1(「オステオポンチン」)、肺及び活性化調節サイトカイン(「PARC」)、血小板因子4(「PF4」)、間質細胞由来因子-1アルファ(「SDF-1α」)、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド17(「TARC」)、胸腺発現ケモカイン(「TECK」)、胸腺間質リンホポエチン(「TSLP 4-IBB」)、CD166抗原(「ALCAM」)、分化クラスター80(「B7-1」)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー17(「BCMA」)、分化クラスター14(「CD14」)、分化クラスター30(「CD30」)、分化クラスター40(「CD40リガンド」)、癌胎児性抗原関連細胞接着分子1(「胆汁糖タンパク質」)(「CEACAM-1」)、デスレセプター6(「DR6」)、デオキシチミジンキナーゼ(「Dtk」)、1型膜糖タンパク質(「エンドグリン」)、受容体型チロシンプロテインキナーゼerbB-3(「ErbB3」)、内皮白血球接着分子1(「E-セレクチン」)、アポトーシス抗原1(「Fas」)、Fms様チロシンキナーゼ3(「Flt-3L」)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー1(「GITR」)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー14(「HVEM」)、細胞間接着分子3(「ICAM-3」)、IL-1 R4、IL-1 RI、IL-10 Rベータ、IL-17R、IL-2Rガンマ、IL-21R、リソソーム膜タンパク質2(「LIMPII」)、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(「リポカリン-2」)、CD62L(「L-セレクチン」)、リンパ内皮細胞(「LYVE-1」)、MHCクラスIポリペプチド関連配列A(「MICA」)、MHCクラスIポリペプチド関連配列B(「MICB」)、NRGl-ベータ1、ベータ型血小板由来成長因子受容体(「PDGF Rベータ」)、血小板内皮細胞接着分子(「PECAM-1」)、RAGE、A型肝炎ウイルス細胞受容体1(「TIM-1」)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバーIOC(「TRAIL R3」)、トラピンタンパク質トランスグルタミナーゼ結合ドメイン(「トラピン-2」)、ウロキナーゼ受容体(「uPAR」)、血管細胞接着タンパク質1(「VCAM-1」)、XEDAR、アクチビンA、アグーチ(Agouti)関連タンパク質(「AgRP」)、リボヌクレアーゼ5(「アンジオゲニン」)、アンジオポエチン1、アンジオスタチン、カテプシンS、CD40、潜在性(Cryptic)ファミリータンパク質IB(「Cripto-1」)、DAN、Dickkopf関連タンパク質1(「DKK-1」)、E-カドヘリン、上皮細胞接着分子(「EpCAM」)、Fasリガンド(FasL又はCD95L)、Fcg RIIB/C、フルイスタチン(FoUistatin)、ガレクチン-7、細胞間接着分子2(「ICAM-2」、IL-13 Rl、IL-13R2、IL-17B、IL-2 Ra、IL-2 Rb、IL-23、LAP、神経細胞接着分子(「NrCAM」)、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤-1(「PAI-1」)、血小板由来成長因子受容体(「PDGF-AB」)、レジスチン、間質細胞由来因子1(「SDF-1β」)、sgpl30、分泌型frizzled関連タンパク質2(「ShhN」)、シアル酸結合免疫グロブリン型レクチン(「Siglec-5」)、ST2、トランスフォーミング増殖因子ベータ2(「TGFβ2」)、Tie-2、トロンボポエチン(「TPO」)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー10D(「TRAIL R4」)、骨髄細胞上に発現される誘発(Triggering)受容体1(「TREM-1」)、血管内皮増殖因子C(「VEGF-C」)、VEGFRl、アディポネクチン、アジプシン(「AND」)、アルファフェトプロテイン(「AFP」)、アンジオポエチン様4(「ANGPTL4」)、ベータ-2-ミクログロブリン(「B2M」)、基底細胞接着分子(「BCAM」)、炭水化物抗原125(「CA125」)、がん抗原15-3(「CA15-3」)、癌胎児性抗原(「CEA」)、cAMP受容体タンパク質(「CRP」)、ヒト上皮成長因子受容体2(「ErbB2」)、フォリスタチン、卵胞刺激ホルモン(「FSH」)、ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド1(「GROアルファ」)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(「βHCG」)、インスリン様成長因子1受容体(「IGF-1 sR」)、IL-1 sRII、IL-3、IL-18 Rb、IL-21、レプチン(Leptin)、マトリックスメタロプロテイナーゼ-1(「MMP-1」)、マトリックスメタロプロテイナーゼ-2(「MMP-2」)、マトリックスメタロプロテイナーゼ-3(「MMP-3」)、マトリックスメタロプロテイナーゼ-8(「MMP-8」)、マトリックスメタロプロテイナーゼ-9(「MMP-9」)、マトリックスメタロプロテイナーゼ-10(「MMP-10」)、マトリックスメタロプロテイナーゼ-13(「MMP-13」)、神経細胞接着分子(「NCAM-1」)、エンタクチン(「ニドジェン-1」)、ニューロン特異的エノラーゼ(「NSE」)、オンコスタチンM(「OSM」)、プロカルシトニン、プロラクチン、前立腺特異抗原(「PSA」)、シアル酸結合Ig様レクチン9(「Siglec-9」)、ADAM 17エンドペプチダーゼ(「TACE」)、チログロブリン、メタロプロテイナーゼ阻害剤4(「TIMP-4」)、TSH2B4、ディスインテグリン及びメタロプロテイナーゼドメイン含有タンパク質9(「ADAM-9」)、アンジオポエチン2、腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー13/
酸性ロイシンリッチ核ホスホタンパク質32ファミリーメンバーB(「APRIL」)、骨形成タンパク質2(「BMP-2」)、骨形成タンパク質9(「BMP-9」)、補体成分5a(「C5a」)、カテプシンL、CD200、CD97、ケメリン(Chemerin)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー6B(「DcR3」)、脂肪酸結合タンパク質2(「FABP2」)、線維芽細胞活性化タンパク質、アルファ(「FAP」)、線維芽細胞増殖因子19(「FGF-19」)、ガレクチン-3、肝細胞増殖因子受容体(「HGF R」)、IFN-アルファ/ベータR2、インスリン様増殖因子2(「IGF-2」)、インスリン様増殖因子2受容体(「IGF-2 R」)、インターロイキン-1受容体6(「IL-1R6」)、インターロイキン24(「IL-24」)、インターロイキン33(「IL-33」)、カリクレイン14、アスパラギンエンドペプチダーゼ(「レグマイン」)、酸化低密度リポタンパク質受容体1(「LOX-1」)、マンノース結合レクチン(「MBL」)、ネプリライシン(「NEP」)、Notchホモログ1、転座関連(Drosophila)(「Notch-1」)、腎芽細胞腫過剰発現(「NOV」)、オステオアクチビン、プログラム細胞死タンパク質1(「PD-1」)、N-アセチルムラモイル-L-アラニンアミダーゼ(「PGRP-5」)、セルピンA4、分泌型frizzled関連タンパク質3(「sFRP-3」)、トロンボモジュリン、Toll様受容体2(「TLR2」)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー10A(「TRAIL Rl」)、トランスフェリン(「TRF」)、WIF-lACE-2、アルブミン、AMICA、アンジオポエチン4、B細胞活性化因子(「BAFF」)、炭水化物抗原19-9(「CA19-9」)、CD163、クラステリン、CRT AM、ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド14(「CXCL14」)、シスタチンC、デコリン(Decorin)(「DCN」)、Dickkopf関連タンパク質3(「Dkk-3」)、デルタ様タンパク質1(「DLL1」)、フェツインA、ヘパリン結合成長因子1(「aFGF」)、葉酸受容体アルファ(「FOLR1」)、フーリン(Furin)、GPCR関連ソーティングタンパク質1(「GASP-1」)、GPCR関連ソーティングタンパク質2(「GASP-2」)、顆粒球コロニー刺激因子受容体(「GCSF R」)、セリンプロテアーゼヘプシン(「HAI-2」)、インターロイキン-17B受容体(「IL-17B R」)、インターロイキン27(「IL-27」)、リンパ球活性化遺伝子3(「LAG-3」)、アポリポタンパク質A-V(「LDL R」)、ペプシノーゲンI、レチノール結合タンパク質4(「RBP4」)、SOST、ヘパラン硫酸プロテオグリカン(「シンデカン-1」)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー13B(「TACI」)、組織因子経路阻害剤(「TFPI」)、TSP-1、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー、メンバー10b(「TRAIL R2」)、TRANCE、トロポニンI、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター(「uPA」)、カドヘリン5、タイプ2又はCD144としても知られるVE-カドヘリン(血管内皮)(「VE-カドヘリン」)、WNTl誘導性シグナル伝達経路タンパク質1(「WISP-1」)、及び核因子κBの受容体活性化因子(「RANK」)、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0108】
いくつかの実施形態では、対象には免疫チェックポイント阻害剤も投与される。免疫チェックポイント阻害は、がん細胞が免疫応答を阻止する又はダウンレギュレートするために産生することができるチェックポイントを阻害することを広く指す。免疫チェックポイントタンパク質の例としては、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、KIR、LAG3、TIM-3又はVISTAが挙げられるが、これらに限定されない。免疫チェックポイント阻害剤は、免疫チェックポイントタンパク質に結合し、これを阻害する抗体又はその抗原結合フラグメントであり得る。免疫チェックポイント阻害剤の例としては、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、AMP-224、AMP-514、STI-A1110、TSR-042、RG-7446、BMS-936559、MEDI-4736、MSB-0020718C、AUR-012及びSTI-A1010が挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される組成物(例えば、本明細書に提供されるワクチン組成物)は、がん及び/又はCMV感染症を予防するために予防的に投与される。いくつかの実施形態では、ワクチンは腫瘍細胞増殖を阻害するために投与される。ワクチンは、患者におけるがん細胞又はCMV感染細胞の検出の前又は後に投与することができる。腫瘍細胞増殖の阻害は、腫瘍細胞の成長の阻止、停止、遅延、又は腫瘍細胞の殺傷を指すと理解される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のペプチド、核酸、抗体又はAPCを含むワクチンの投与後に、炎症誘発性応答が誘導される。炎症誘発性免疫応答は、炎症誘発性サイトカイン及び/又はケモカイン、例えばインターフェロンガンマ(IFN-γ)及び/又はインターロイキン2(IL-2)の産生を含む。炎症誘発性サイトカイン及びケモカインは当技術分野において周知である。
【0110】
併用(conjoint)療法は、投与された第1の薬剤の治療効果がその後の治療が投与されたときに完全に消失しないような方法での、活性化合物の逐次的、同時及び別々の投与、並びに/又は共投与を含む。いくつかの実施形態では、第2の薬剤を、第1の薬剤と共製剤化してもよく、又は別々の医薬組成物に製剤化してもよい。
【0111】
本明細書で提供される医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者に有毒でなく、特定の患者についての所望の治療応答を達成するのに有効な活性成分の量、組成、及び投与様式を達成するように変化させてもよい。
【0112】
選択された投与量レベルは、使用される特定の薬剤の活性、投与経路、投与時間、使用される特定の化合物の排出又は代謝速度、治療期間、使用されている特定の化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物及び/又は材料、治療を受ける患者の年齢、性別、体重、状態、全般的な健康及び以前の病歴を含む種々の要因、及び医学分野において周知である同様の要因に依存する。
【0113】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、本明細書で提供される治療方法を使用して(例えば、本明細書で提供される医薬組成物を対象に投与することによって)同定された対象を治療することをさらに含む。
【実施例0114】
実施例1:患者の特徴
CMV関連合併症を伴う固形臓器移植(SOT)レシピエントにおける自家T細胞療法の安全性を評価するために、以下の4つの基準のうちのいずれか1つを満たした場合に患者を選択し、適格と考えた、すなわち、
(A)初期治療が成功した後のCMV再活性化又は疾患(組織学により定義)、例えば、ガンシクロビル耐性CMV再活性化;
(B)持続性CMV疾患、すなわち、2週間のサルベージホスカルネット又は他のセカンドライン抗ウイルス剤に対する応答がない、例えば、セカンドライン療法に対する耐性による再発性CMVの再燃;
(C)適切な抗ウイルス療法にもかかわらず持続的なCMV複製(PCRにより6週間超)。
(D)CMV再活性化又は不耐性若しくは末端臓器の制限(例えば、腎機能障害、骨髄機能障害)に基づいて抗ウイルス療法が禁忌である疾患、例えば、末端臓器CMV疾患又は抗ウイルス薬療法に対する不耐性。
【0115】
抗ウイルス薬療法を、機関のガイドラインに従って投与した。患者は、2週間ごとに、1~2×10細胞/mで最大6回のインビトロ増殖T細胞の投与を受けた。各参加者を、養子T細胞療法の完了後28週間、安全性、臨床症状、ウイルス量、及び免疫再構成についてモニタリングした。ウイルス量のモニタリングは、前述のように組織内定性的アッセイを使用して実施した(Hilら2016 Am J Transplant 2010、10(1): 173~9頁)。
【0116】
結果
この研究に含まれる参加者の臨床的特徴を、表2に提供する。合計で、21人のSOTレシピエント(13人 腎臓、8人 肺、1人 心臓)が研究に含まれていた。経過観察分析に含まれる肺移植患者のうちの2人は、以前に薬品・医薬品行政局(Therapeutic Goods Administration)のSpecial Access Schemeの下で治療を受けていた(Holmes-LiewらClinical & translational immunology 2015年、4(3): e35;PierucciらJ Heart Lung Transplant 2016年、35(5): 685~7頁)。分析された21人の患者のうち、13人のSOTレシピエントが介入に割り当てられ、養子T細胞療法の最大6回の投与を受けた。1人の患者は、単回投与後に治療を中止し、免疫モニタリングは実施しなかった。残りの8人の患者のうち、7人は臨床状態の改善のために養子T細胞療法を受けておらず、1人の患者に対して治療を準備することができなかった。
【0117】
【表2】

【0118】
実施例2:T細胞療法の調製
CMV特異的T細胞療法を生成するために、各患者から得た末梢血単核細胞(PBMC)を、L-21の存在下で(0日目に40ng/mL)、pp65、pp50、IE-1、gH及びgB(表1)からの所定のHLAクラスI及びクラスII拘束性ペプチドエピトープを含む臨床グレードのCMVペプチドプールによりそれぞれ刺激した。次に、刺激した試料を、Grex-10培養フラスコ(Wilson Wolf Corporation、Saint Paul、MN)内で、2~5×10細胞/cmの開始細胞密度で培養した。これらの培養物に、2日目及びその後3日ごとにIL-2(120IU/mL)を補充した。14日目に、増殖T細胞を回収し、10%ジメチルスルホキシド(WAK-Chemie Medical GmbH、Steinbach、Germany)を含むAlbumex 4(CSL Behring、Broadmeadows、Australia)において1mLの単回投与アリコートで凍結した。T細胞は、注入前に微生物汚染について試験し、マルチテスト6カラー(Multitest 6-Colour)TBNK試薬(BD Biosciences、San Jose、CA)及び細胞内サイトカイン染色(以下に詳述)を使用して表現型として及び機能的に特徴づけた。養子移入のために、T細胞を19mLの臨床グレードの生理食塩水中に解凍し、5~10分間にわたって静脈内注入を行った。
【0119】
結果
21人の患者のうち20人からのCMV特異的T細胞の増殖に成功し、それらの抗原特異性を細胞内IFN-γ分析によって評価した(表3)。CMVペプチドプール増殖細胞は主にCD3+CD8+T細胞であり(図1のA)、特異性の中央値は51.2%であった(図1のB)。IFN-γ産生CD8+T細胞の頻度は、腎臓移植レシピエントと肺/心臓移植レシピエントとの間で(図1のC)、又は移植前のCMV血清陽性個体とCMV血清陰性個体(図1のD)との間で有意差はなかった。CMV特異的T細胞の多機能性における顕著な改善が、インビトロ増殖後に観察され、IFN-γ、TNF、及びCD107aを産生することができる細胞の割合が増加した(図1のE)。大多数の患者から生成されたT細胞は、複数のCMV抗原によってコードされた複数のペプチドエピトープに対して反応性を示した(表3)。
【0120】
【表3】

【0121】
実施例3:養子免疫療法後の臨床転帰
養子CMV特異的T細胞療法を受けた患者のいずれも、治療関連グレード3、4、又は5の有害事象を示さなかった(表4)。少なくとも場合によりT細胞注入に起因すると考えられるすべての有害事象はグレード1及び2であり、疲労及び倦怠感が含まれていた。重要なことに、移植片の状態の変化に関連する有害事象は検出されなかった。T細胞療法介入に割り当てられた患者の臨床経過観察は、13人の患者のうち11人が症状の客観的改善を示したことを示した。これらには、CMV再活性化及び/又は疾患の軽減若しくは回復、及び抗ウイルス薬療法に対する応答の改善が含まれていた。臨床応答を示した11人の患者における養子T細胞療法前のピークウイルス量の中央値は、3.2×10CMVコピー/mL血液(1.4×10~3.44×10コピーの範囲)であった。養子免疫療法後、ウイルス量の中央値は1.2×10CMVコピー/mL血液に低下した(0~7.9×10コピーの範囲;表4)。さらに、これらの患者の多くは、CMV疾患の症状の回復を示した(表4)。より重要なことに、養子T細胞療法の完了後、抗ウイルス薬療法の使用を完全に中止するか(5/11)、又は大幅に低減した(6/11;表5)。
【0122】
結果
患者のコホート(薬物耐性/不耐性、持続性ウイルスの再活性化又は関連疾患の証拠のために募集した)では、T細胞投与後の重篤な有害事象又は移植片への悪影響の証拠は示されなかった(表4を参照のこと)。
【0123】
【表4】
【0124】
【表5】
【0125】
実施例4:T細胞療法後のウイルス学的及び免疫学的監視
CMV特異的T細胞免疫再構成に対する養子T細胞療法の影響を評価するために、免疫療法後の縦断的細胞内サイトカイン分析を実行し、各患者のウイルス学的監視を重ね合わせた。T細胞療法及び経過観察血液試料から単離されたPBMCを特徴づけるために、細胞をCMVペプチドエピトープで刺激し、以前に記載された細胞内サイトカインアッセイ(Smith CらOncoimmunology 2017年; 6(2): e1273311)を使用して、IFN-γ、TNF、IL-2の発現、及びCD107の動員について評価した。細胞は、FACSDivaソフトウェア(BD Biosciences)を備えたBD LSR Fortessaを使用して得た。取得後、FlowJoソフトウェア(FlowJo LLC、Ashland、OR)を使用して、ブール分析を実施した。
【0126】
結果
養子免疫療法に対して客観的応答を示した4人のSOT患者からの代表的データを図2A及び2Bに示す。影付きのボックスは治療前の分析期間を表し、矢印はインビトロ増殖自家CMV特異的T細胞の各注入を表す。この分析は、ウイルス血症の制御に関連した治療後の免疫学的再構成の証拠を明らかにした。これは、IFN-γ産生CMV特異的T細胞の割合が、一回目の注入前の0.03%から経過観察期間の完了時に9.3%に増加し、ウイルス量の減少及び抗ウイルス薬療法の中止に一致した、患者1553PAH08において最もよく例示されている(図2A)。T細胞注入の開始後の末梢T細胞免疫における類似の改善は、1553PAH09、1553PCH02及び1553PCH04を含む他の患者においても明らかであった(図2A)。これらの患者における免疫再構成は、養子T細胞療法の前に処方された免疫抑制療法の継続にもかかわらず観察された(表2)。免疫再構成と一致して、CMV特異的T細胞応答の機能的品質の改善も観察され、IFN-γ、TNF、及びCD107を共発現するT細胞の割合の増加を特徴としている(図2B)。対照的に、治療に臨床的に応答しなかった患者1553RAH01は、治療後の免疫学的再構成の証拠を示さなかった(データは示さず)。CMV感染症に関連した合併症のために、治療開始後早期に死亡した患者1553PCH03では、経過観察免疫学的分析は不可能であった。患者1553PAH06及び1553PCH05は臨床的改善を示したが、養子T細胞療法後の末梢血中のCMV特異的T細胞の頻度に変化はなかった(データは示さず)。
【0127】
実施例5:T細胞表現型の多重染色プロファイリング
養子T細胞療法及び再構成後のCMV特異的T細胞の表現型を特徴づけるために、各患者から得たT細胞を、HLA-A2拘束性エピトープNLV(pp65)、HLA-A1拘束性エピトープVTE(pp65)、HLA-B7拘束性エピトープTPR及びRPH(pp65)、又はHLA-B8拘束性エピトープELR及びELK(IE-1)に特異的なアロフィコシアニン標識MHCクラスI多量体と共にインキュベートした。次に、表面表現型を評価するために、細胞を以下の抗体、抗CD45RA FITC、抗CD8 PerCP-Cy5.5、抗CCR7 AF700、抗CD95 BV421、抗CD28 BV480、抗CD57-ビオチン、続いてSA-BV605、抗CD27 PE、抗CD19 PE-Cy5、抗CD4 PE-Cy7、及び生/死(Live/Dead)NIRと共に、4℃でさらに30分間インキュベートした(細胞は、FACSDivaソフトウェア(BD Biosciences)を備えたBD LSR Fortessaを使用して得た)。取得後の分析は、FlowJoソフトウェア(TreeStar)及びt分布型確率的近傍埋め込み(tSNE)分析を使用して実施し、治療後の免疫学的表現型の変化を定義した。
【0128】
結果
図3Aにおける代表的なtSNE分析は、患者P1553PAH08におけるT細胞表現型マーカー及びCMV特異的T細胞(VTE)の治療前及び治療後の発現を示し、CD57の発現の増加を実証する。図3Bのデータは、養子T細胞療法に応答した3人のSOTレシピエント(P1553PAH08、1553PCH02及び1553PCH04)並びに臨床応答を示すことができなかった1人のSOTレシピエント(P1553RAH01)における、T細胞治療後にCD57を発現するCD8+T細胞の割合とCMV特異的IFN-γ産生細胞の百分率との重ね合わせを表す。
【0129】
結論概要
造血幹細胞移植(HSCT)レシピエントにおける投与のための、健康なCMV血清陽性個体から生成されたCMV特異的T細胞(FujiらCurrent opinion in infectious diseases 2017年、30(4): 372~6頁、TzannouらJ Clin Oncol 2017年、35(31): 3547~57頁)とは対照的に、SOTレシピエントにおける自家CMV特異的免疫療法は、免疫抑制個体からCMV特異的T細胞を生成する能力に依存する。しかし、本明細書に開示されたように、21人の患者のうちの20人からのCMV特異的T細胞を生成することに成功した。移植片拒絶を防ぐために使用された強い免疫抑制療法にもかかわらず、大多数の患者は、CMV特異的T細胞応答をプライミングすることができ、場合によっては、T細胞増殖前に患者のPBMCにおいて高い前駆体頻度を示した。最近報告されたように、SOTレシピエントの末梢血中のCMV特異的T細胞に機能的欠陥が認められ(Snyder LD、Chan C、Kwon DらPolyfunctional T-Cell Signatures to Predict Protection from Cytomegalovirus after Lung Transplantation. Am J Respir Crit Care Med 2016年、193(1): 78~85頁)、これは、TNF及びIFN-γを発現する能力の低下を特徴とする。重要なことに、この表現型は、CD107a、TNF、及びIFN-γを共発現する増殖CMV特異的T細胞の大部分による、インビトロ刺激後に改善する可能性がある。
【0130】
ウイルス学的及び免疫学的監視によって、養子免疫療法後の免疫学的再構成がSOT患者におけるウイルス制御にもたらす可能性のある潜在的な利益の証拠が提供された。免疫再構成がウイルス再活性化の低減又は回復と同時に起こったという明確な証拠が複数の患者にあった。このことは、薬物耐性を発症した、継続中のCMV関連の末端臓器疾患、又はその既往歴のあるSOTレシピエントにとって特に重要であろう。さらに、本明細書に開示された養子T細胞療法は、標準的な抗ウイルス薬物療法に耐えることができない患者におけるCMV関連合併症を予防するために、免疫抑制療法と同時に、安全に使用することができる。
【0131】
[関連出願]
本出願は、2018年5月18日出願の米国仮特許出願第62/673,260号の優先権に対する利益を主張し、その出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
【配列表】
2024119822000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HLAクラスI及びクラスII拘束性サイトメガロウイルス(CMV)ペプチドエピトープを含み、ペプチド特異的T細胞の増殖を誘導することができる、免疫原性ペプチドのプールであって、
配列番号25~29で示されるエピトープアミノ酸配列のそれぞれを含む、ペプチドプール。
【請求項2】
配列番号1~31で示されるCMVペプチドエピトープアミノ酸配列からなる少なくとも1つのペプチド、又はそれらの組合せをさらに含む、請求項1に記載の免疫原性ペプチドのプール。
【請求項3】
前記エピトープのそれぞれが、HLA-A01:01、HLA-A02:01、HLA-A23:01、HLA-A24:02、HLA-B07:02、HLA-B08:01、HLA-B18:01、HLA-B35:01、HLA-B35:08、HLA-B40:01、HLA-B40:02、HLA-B41.01、HLA-B44:02、HLA-C06:02、HLA-C07:02、HLA-DRB101:01、HLA-DRB1*03:01、HLA-DRB104:01、HLA-DRB107、又はHLA-DRB111:01から選択されるHLA特異性のうちのいずれか1つによって拘束される、請求項1又は2に記載の免疫原性ペプチドのプール。
【請求項4】
多機能性CMV特異的細胞傷害性T細胞(CTL)の調製物を作製する方法であって、
a)CTLを含む試料を単離するステップと、
b)前記試料を、請求項1~のいずれか一項に記載の免疫原性ペプチドのプールに曝露するステップと、
c)前記CTLを回収するステップと
を含む方法。
【請求項5】
(i)前記免疫原性ペプチドのプールが、配列番号1~31で示されるCMVペプチドエピトープアミノ酸配列からなる少なくとも一つのペプチドをさらに含み;及び/又は
(ii)CTLを含む前記試料が、健康なドナーからの末梢血単核細胞(PBMC)を含み;及び/又は
(iii)CTLを含む前記試料が、免疫不全ドナーからのPBMCを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ドナーが
(i)免疫抑制療法を受けており;又は
(ii)固形臓器移植レシピエントであり;又は
(iii)抗ウイルス療法を受けているドナーである、
請求項に記載の方法。
【請求項7】
ステップb)の曝露された試料を少なくとも14日間インキュベートする、請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップb)の曝露された試料を、0日目にIL-21と共にインキュベートすることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
ステップb)の曝露された試料を、2日目にIL-2と共にインキュベートすることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
3日ごとにIL-2を添加することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1~3のいずれか一項における1以上のCMVペプチドエピトープアミノ酸配列を認識するCMV特異的細胞傷害性T細胞(CTL)を含む、組成物。
【請求項12】
対象におけるCMV感染症治療又は予防に使用するための、請求項11に記載の組成物
【請求項13】
前記対象に投与される前記CTLが自家である、請求項12に記載の組成物
【請求項14】
前記感染症が、再発性CMV感染症である、請求項12に記載の組成物
【請求項15】
前記CMV感染症が、薬物耐性である、請求項12~14のいずれか一項に記載の組成物
【請求項16】
前記対象が固形臓器移植のレシピエントである、請求項1215のいずれか一項に記載の組成物
【請求項17】
前記CTLのうちの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも60%、又は少なくとも90%CD107aを発現する、請求項1116のいずれか一項に記載の組成物
【請求項18】
前記CTLのうちの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも60%、又は少なくとも90%IFNγを発現する、請求項1117のいずれか一項に記載の組成物
【請求項19】
前記CTLのうちの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも60%、又は少なくとも90%TNFを発現する、請求項1118のいずれか一項に記載の組成物
【請求項20】
前記CTLのうちの少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも20%IL-2を発現する、請求項1119のいずれか一項に記載の組成物
【請求項21】
前記CTLのうちの少なくとも20%、少なくとも43%、少なくとも55%、又は少なくとも90%CD107a、IFNγ、及びTNFを発現する、請求項1120のいずれか一項に記載の組成物
【請求項22】
前記CTLが、複数のCMV抗原に由来する複数のペプチドエピトープに対して反応性を示す、請求項11~21のいずれか一項に記載の組成物
【請求項23】
対象におけるCMV再活性化又はCMV関連状態治療又は予防に使用するための、請求項11に記載の組成物
【請求項24】
前記CTLが自家CTLである、請求項23に記載の組成物
【請求項25】
(a)固形臓器移植を受けた対象におけるCMVウイルス量低減;又は
(b)固形臓器移植を受けた対象におけるCMV関連末端臓器疾患の治療又は予防;又は
(c)固形臓器移植を受けた対象における抗ウイルス療法の必要性の低減又は排除;又は
(d)固形臓器移植を受けた対象における薬物耐性CMV感染症、再活性化、又は関連する疾患の治療
に使用するための、請求項11に記載の組成物
【手続補正書】
【提出日】2024-06-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HLAクラスI及びクラスII拘束性サイトメガロウイルス(CMV)ペプチドエピトープを含み、ペプチド特異的T細胞の増殖を誘導することができる、免疫原性ペプチドのプールであって、配列番号25~29、又はそれらの組合せで示されるエピトープアミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含む、ペプチドプール。
【外国語明細書】