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特開2024-119858配合剤送達装置用の直列接続可能な薬剤モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119858
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】配合剤送達装置用の直列接続可能な薬剤モジュール
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
A61J1/20 314B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024084065
(22)【出願日】2024-05-23
(62)【分割の表示】P 2020563437の分割
【原出願日】2019-05-10
(31)【優先権主張番号】62/670,266
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・ジョン・マクローリン
(72)【発明者】
【氏名】マーク・スティーブン・ハワンスキー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ローレンス・ジーミンスキー
(72)【発明者】
【氏名】チェスター・ラロウ
(72)【発明者】
【氏名】マリアノ・マンパワー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】所定の選択された複数の薬剤成分を送達するための配合剤送達装置を提供する。
【解決手段】複数の薬剤成分の各々は薬剤バイアル20に収容される。配合剤送達装置は、複数のモジュール10を備え、複数のモジュールの各々は、薬剤バイアルを収容するように形成される内部空間を有する本体と、内容空間内に突出するカニューレであって、カニューレは自由端で終了し、第1及び第2開口が自由端に形成され、第1及び第2ルーメンが第1及び第2開口からカニューレを通って延びる、カニューレと、本体の外側部分に配置されるソケットと、ソケットと第1ルーメンとの間に延び、かつソケットと第1ルーメンに通じている第1通路と、本体の外側部分から突出するボスと、第2ルーメンから延び、かつ第2ルーメンに通じている第2通路であって、第2通路はボスを通って延びてボスに形成される出口で終了する、第2通路と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の選択された複数の薬剤成分を送達するための配合剤送達装置であって、
前記複数の薬剤成分の各々は薬剤バイアルに収容され、
前記装置は、複数のモジュールを備え、
前記複数のモジュールの各々は、
薬剤バイアルを収容するように形成される内部空間を有する本体と、
前記内容空間内に突出するカニューレであって、前記カニューレは自由端で終了し、第1及び第2開口が前記自由端に形成され、第1及び第2ルーメンが前記第1及び第2開口から前記カニューレを通って延びる、カニューレと、
前記本体の外側部分に配置されるソケットと、
前記ソケットと前記第1ルーメンとの間に延び、かつ前記ソケットと前記第1ルーメンに通じている第1通路と、
前記本体の外側部分から突出するボスと、
前記第2ルーメンから延び、かつ前記第2ルーメンに通じている第2通路であって、前記第2通路は前記ボスを通って延びて前記ボスに形成される出口で終了する、第2通路と、
を備える、
配合剤送達装置。
【請求項2】
前記複数のモジュールの各々は、前記本体に移動可能に配置されるバイアル保持部を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記バイアル保持部は、前記本体にヒンジ構造で取り付けられる、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記バイアル保持部は、前記本体に回転可能に取り付けられる、
請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記バイアル保持部は、前記本体に対して平行移動可能である、
請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記本体の外側部分に形成される排出口と前記第1通路との間に延び、かつ前記排出口と前記第1通路に通じている排出通路を更に備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のモジュールの前記複数の薬剤バイアルから前記複数の薬剤成分を引き出すための負圧源を更に備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記複数のモジュールの第1モジュールと結合されるハウジングを更に備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1モジュールの前記第2通路に通じる放出通路を更に備え、
前記放出通路は、前記ハウジングに配置される、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記放出通路に通じる放出配管を更に備える、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記複数のモジュールの前記複数の薬剤バイアルから前記複数の薬剤成分を、前記放出通路内に引き出すための負圧源を更に備える、
請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記負圧源は、前記ハウジングの内部に配置される、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記負圧源は、前記ハウジングの外部に配置される、
請求項11に記載の装置。
【請求項14】
隣接するモジュールの前記ソケット及び前記ボスは、互いに固定されるように構成される、
請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、特に、静脈内注入及び直接患者投与のための、液状の薬剤の調合及び準備である。より詳細には、本発明は、2以上の薬剤の組み合わせの準備及び調合のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
静脈内注入による薬剤の投与において、薬剤を、薬局環境で調合することはよく行われている。このような薬剤は、典型的には、ガラスバイアル内に無菌で提供され、また、固体又は水溶液として提供される。固体で提供される場合、薬剤は、注入バッグへの転送の前に、無菌の水性希釈剤で調製されなければならない。当業者は、このような薬剤の処方は、典型的に、例えば、緩衝剤、pH調整剤、張度調整剤、安定剤等のいくつかの賦形剤を含むことを理解する。典型的には、静脈内注入用の液状の薬剤は、注入のための患者への転送の前に、薬局環境において注入バッグ内で調合される。薬剤の無菌性を維持する必要があることから、調合の間、調合手続きは、典型的には、無菌のドラフトチャンバ内で実行される。典型的には、薬剤師又は調剤技師(実務者)は、個々の患者の処方箋にしたがって、薬剤を準備する。
【0003】
ドラフトチャンバ内に物質がないことを確認した後、実務者は、処方箋毎に要求される薬剤のバイアルを、薬局の在庫から取得し、それらが同一であること及び用量の確認をする。確認プロセスは、バーコードスキャナまたはその他の識別技術によって援助される。実務者は、また、注入バッグ自体、注射器、針、転送セット、手袋、使い捨て容器等を含む、注入用の薬剤を安全に準備するために要求されるその他の必要な機器の全てを、在庫から取り出す。必要な機器の全てが組み立てられると、実務者は、希釈剤を追加して固体の薬剤を調製すること、個々のバイアルから薬剤を点滴静注バッグに転送口を通じて順番通りに取り出すこと等の含む、薬剤の準備の手順に従う。典型的には、この手順は、手作業で実行され、多数の針の使用を含む。針が刺さって実務者が怪我をする危険性は、薬剤の調合の実施に必要とされる針毎に増加する。例えば、化学療法用の細胞毒物等の高い効能又は毒性を持つ薬剤の場合、実務者にとって、これらに触れてしまう無視できない危険性がある。
【0004】
危険な薬剤との接触を含む、手作業に付随する危険性のいくつか、及び投薬過誤の危険性を排除するために、薬剤の準備及び調合に含まれる多くのステップを自動化する調剤装置が当業者に知られている。典型的には、このような装置は、正確な液体の薬剤の調製のために非常に高精度な吐出機構を実装する複雑な電気機械的なシステムである。それらのコスト、サイズ及び複雑さは別として、当該技術で説明されるこのような装置の多くは、液状の薬剤を在庫貯蔵庫から取り出し、容器内の薬剤の少量だけを使用する。無菌性を維持する必要があることから、使用されなかった薬剤溶液は、典型的には、廃棄され、無駄になる。いくつかの薬剤、特に、生物製剤は非常に高価であるから、この無駄は、重大な好ましくないコストである。無駄になる薬剤が細胞毒物である場合、それらの廃棄により、重大な環境及び安全上の問題が起こる。
【0005】
医薬の近年の進歩により、特に、がん治療において、治療上の優れた効果が2以上の薬剤の相乗的な組み合わせにより達成できることが実証されている。例えば、近年の臨床研究により、抗PD-1チェックポイント阻害薬とCTLA-4チェックポイント阻害薬の組み合わせは、いくつかの腫瘍型において有益な相乗効果を有し、各薬剤単独の個別投与により達成されるよりもより良い臨床転帰をもたらすということが実証されている。典型的には、そのようなチェックポイント阻害薬は、生物工学的に、モノクローナル抗体又はその免疫グロブリン型のフラグメントから得られる。いくつかの状況において、それらのような生物学的薬剤を細胞毒性薬剤等の従来の化学療法薬剤と組み合わせることは、有益であり得る。
【0006】
出願人は、ここでの譲受人の2018年5月11日に出願されたUS仮特許出願62/670,266に記載され、その全体が本明細書に参考として組み込まれる組み合わせの原理が、静脈内注入のための薬剤の準備及び調合において遭遇する課題のいくつかに対処可能であり、薬局での手続きの簡素化、医療過誤の危険性の低減、封じ込め及び極めて強力又は毒性の強い薬剤からの実務者の保護、針が刺さって怪我をする危険性の低減、薬剤の無駄の低減又は除去、複雑で高価な薬局の調合装置の必要性の回避等の、これらに限定されないいくつかの利点を提供できる、ということを認識している。実施の形態におけるこれらの利点の結果として、本発明は、更に、専門家ではない実務者による薬局から離れた場所での、例えば、適切に訓練された技師又は看護師による患者の家での静脈内注入及び患者への直接投与のための薬剤の準備及び調合を可能とする。この可能性は、ここで記述されるシステムに本来備わっている携帯性により高められる。
【発明の概要】
【0007】
本発明によれば、各々、薬剤が充填されたバイアルを収容するためのチャンバを定義する薬剤モジュールが提供される。実施の形態において、異なるサイズのバイアルの収納を可能とするために、間隔を設けるためのアダプタが提供されるか、バイアルを保持するための寸法が変更される。モジュールは、更に、殺菌のためにバイアルの隔壁への接触を可能とする移動可能なバイアル保持部と、バイアル保持部の移動時にバイアルの隔壁を破壊するように配置されるカニューレと、カニューレから導入口及び排出口までの無菌流体経路を定義する無菌管とを備えてよい。導入口及び排出口は無菌流体経路を隣のモジュールに接続する。また、モジュールは、任意の数の同じデザインのモジュールを「スタック」状に互いに取り付けることができるように雄型及び雌型の嵌合特徴部を備えてもよい。更に、嵌合特徴部及び口は、モジュールがそれぞれの嵌合特徴部を通じて互いに直列に接続された際にモジュール間の流体的な接続が自動的に形成されるように、配置されてよい。各モジュールは、排出口を備えて設けられてよく、流路への汚染物質の混入を防止しながらもバイアルから液体薬剤を引き出す間バイアル内の圧力の均一化を可能とする無菌微粒子フィルタで終わる排出口を備えてよい。排出口は、モジュールの排出口側の近傍に別のモジュールが取り付けられた場合に、当該排出口を塞ぐシールが形成されるように、配置されてよい。この手段で、スタックの末端のモジュールのみが、大気に通じる排出口を備えてよい。
【0008】
スタックの第1モジュールは、モジュールに設けられるものと同様の雄型ポートを備えるハウジングに接続されてよい。ハウジングは、更に、ハウジングから延びて無菌の中空の針で終わる無菌管を備える。無菌の中空の針は、注入バッグ又はその他の容器への液体薬剤のポンプによる輸送のために注入バッグ又はその他の容器の無菌ポートを破るために使用されてもよく、又、患者への薬剤の直接投与に使用されてもよい。更なるポンプ手段が、完全に接続された場合にバイアル内の液体薬剤が、それぞれのバイアルから針にひとつのものとして吸い上げられるように設けられてよい。
【0009】
実施の形態において、そのようなポンプ手段は、ハウジングと一体であってもよく、又、ハウジングの外部にあってもよい。ポンプ手段は、無菌であり、流路の要素を形成してよいし、又、蠕動ポンプ等の非接触型であってもよい。当業者は、上記した方法における液体薬剤のポンプによる輸送の使用に適切ないくつかのポンプ技術を熟知しているであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】主題発明にしたがって形成されるモジュールの斜視図である。
図2図1の2-2線の断面図である。
図3】主題発明にかかる薬剤送達装置の断面図である。
図4】主題発明にかかる薬剤送達装置の断面図である。
図5】主題発明にかかる薬剤送達装置の断面図である。
図6】主題発明のモジュールで使用できる流体及び排出通路を示す。
図7】主題発明のモジュールで使用できる流体及び排出通路を示す。
図8】主題発明で使用できる排出モジュールを示す。
図8A】主題発明で使用できるロック構造を示す。
図9】A~Dは主題発明で使用できるスライドヒンジ構造を示す。
図10】A~Dは主題発明で使用できるスライド可能なバイアル保持部を示す。
図11】A~Dは主題発明で使用できる、最初はバイアルを上に向ける回転可能なバイアル保持部を示す。
図12】A~Eは主題発明で使用できる、最初はバイアルを下に向ける回転可能なバイアル保持部を示す。
図13】A~Dは主題発明で使用できるスライド可能なバイアル保持部を示す。
図14】A~Dは主題発明で使用できる別の回転可能なバイアル保持部を示す。
図15】A~Dは主題発明にかかる、モジュールのボディにリビングヒンジ又はつなぎ鎖で接続されるバイアル保持部を示す。
図16】A~Bは異なるサイズの薬剤バイアルを収容するように適応された異なるモジュールを示す。
図17】折りたたみ式の希釈剤の貯蔵庫に結合された薬剤送達装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図を参照すると、主題発明にしたがって形成されるモジュール10が示され、これらは配合剤送達装置12を形成するために直列に接続可能である。在庫に必要な構成要素の数を最小にするために、モジュール10は同じように形成されていることが好ましい。モジュール10は、任意の収容される薬剤に対応するように調製可能な特徴部を備えて形成されてよい。
【0012】
図に示すように、モジュール10の各々は、全体的に箱状であり、本体14とバイアル保持部16とを有し、本体14は内部空間18を囲う。バイアル保持部16は、本体14に対して動かすことが可能であり、本体14にヒンジ構造で取り付けられていてもよい。バイアル保持部16は、薬剤バイアル又は容器20を収容するように、形状及び寸法が設定されている。種々のサイズの薬剤バイアル20を収容するために、アダプタ又はスペーサが、種々のサイズの薬剤バイアル20を収容するためにバイアル保持部16内に配置されるように提供されてよい。典型的には、薬剤バイアル20のサイズ(例えば、体積)は、その長さを変えることで変更され得る。この構成によれば、図16A及び16Bに示すように、バイアル保持部16は、最も大きいサイズの薬剤バイアルをアダプタやスペーサを用いることなく収容するように構成されてよい。この場合、モジュール10は、異なる体積の薬剤バイアル20を収容するモジュール10と後述するように結合されてよい。
【0013】
図2に示すように、モジュール10の各々は、カニューレ22を備える。カニューレ22は、内部空間18に延び、収容された薬剤バイアル20の隔壁24を貫通して薬剤バイアル20の内部空間26に到達するように配置される。カニューレ22の先端28は、隔壁の貫通が容易になるように、尖っていてもよい。カニューレ22は、隔壁24を完全に貫通して内部空間26に到達するために、十分な長さを有するように提供されなければならない。
【0014】
カニューレ22は、好ましくは、第1内部ルーメン30A及び第2内部ルーメン30B等の複数の内部ルーメン30を含む。この構成では、カニューレ26が隔壁24を貫通することによって、内部ルーメン30の全てが薬剤バイアル20の内部空間26とつながる。内部ルーメン30は、カニューレ22を通じて先端28から本体14内に延びる。第1通路32は第1内部ルーメン30Aとつながるように設けられ、第2通路34は第2内部ルーメン30Bとつながるように設けられる。この構成では、液体は、例えば、第1通路32から、第1内部ルーメン30Aを通り、内部空間26に入り、第2内部ルーメン30Bを通り、第2通路34を通るような一方向の流れで、内部空間26に流出入する。これによって、液体の薬剤バイアル20への導入及び液体の薬剤バイアル20からの除去の両方が可能となる。第1及び第2通路32,34は、本体14の部分により構成され得、例えば、通路は本体14のエッチング又はその他の除去処理によって形成される。加えて、第1及び第2通路32,34は、本体14に形成される溝を通る管によって定義されてもよい。
【0015】
モジュール10は、図3及び図7に示すように、隣り合うモジュール10の第1及び第2通路32,34がつながるように直列に接続されるように形成される。特に、モジュール10は、末端のモジュール(図3において10Fで示される)を除いて各モジュール10の第1通路32が隣のモジュールの第2通路34につながるように直列に接続される。末端のモジュール10Fに関しては、第1通路32は解放されたままで、別のモジュールには接続されない。末端のモジュール10Fの第1通路32は、栓をされるか、そうでなければ閉じられる。
【0016】
図3に示すように、液体は、薬剤バイアル20から引き出され、最初に位置するモジュール(図3において10Aで示す)第2通路34の形の単一の放出口を通じて送達される。これによって、異なる液体薬剤をモジュール10A-10Fの薬剤バイアル20に収容することができて、装置12によって液体薬剤を組み合わせることができる。当業者であれば分かるように、組立体の流体抵抗及び/又は組立体で使用される負圧の強さにより制限される可能性があるが、どんな量のモジュール10も利用可能である。
【0017】
負圧源は、モジュール10を通じて液体薬剤を引き出すために使用され得る。負圧は、第1モジュール10Aの第2通路34に(直接又は間接的に)つながる外部のポンプ又は注射器36によって提供され得る。ハウジング38は、装置12に設けられてよく、ポンプ40を含んでよい。例えば、ポンプ40は、電動であり、ポンプ40の動作及び/又は制御に利用されるモータ、電源、コントローラ等と一緒に設けられる。内部ポンプ102はハウジング102に設けられてよい。ハウジング38は、第1モジュール10Aの第2通路34につながる放出通路42とともに設けられてよい。放出通路42は、外部のポンプ又は注射器36及び/又はポンプ40によって、負圧にさらされてよい。放出配管44は、放出された液体薬剤を、例えば、IVバッグ、薬剤容器等の目標の配達場所に、又は、直接的に患者に運ぶために放出通路42とつながるように設けられる。当該技術で知られるカニューレは、注入その他の接触の必要に応じて、放出配管44に設けられてよい。全ての薬剤バイアル20の内容物を完全に引き出すために、十分な負圧が生成される必要がある。逆止弁は、逆流を制限するために、放出通路42及び/又は放出配管44に沿って設けられてよい。外部のポンプ36及び/又はポンプ40は、例えば、放出通路42又は放出配管44にそれらを流れる流体との接触なしに作用し得る蠕動ポンプ等の非接触ポンプであってもよい。
【0018】
薬剤バイアル20は固い(例えば、ガラス又はポリマ構造である)ため、装置12は、装置12全体を通る許容可能な液体の流れを促進するために、排出口を必要としてよい。好ましくは、モジュール10の各々は、第1通路32につながる排出通路46を備える。排出通路46は、排出口50で終わるように本体14の外表面48を通じて延びる。モジュールが別のモジュールに直列的に接続される場合に、隣のモジュールで完全に覆われるように、排出口50は配置される(例えば、第1モジュール10Aの排出口50は、第2モジュール10Bの本体で完全に覆われ、第2モジュール10Bの排出口50は、第3モジュール10Cの本体14で完全に覆われる等)。末端のモジュール10Fの排出口50は、覆われることなく露出する。これによって、装置12は、直列に接続されたモジュール10の端からの放出が可能となる。汚染物質の混入を制限するために、排出口50の各々は、空気を通すが、微生物その他の汚染物質を通さない無菌微粒子フィルタ51を備える。
【0019】
第1及び第2通路32,34は、嵌合接続が可能なように雄雌構造を備えてよい。図は、第2通路34の各々が第1通路32への開口に定義されるソケット54に差し込みにより収容されるように形成される突出ボス52で終わっていることを示す。これらの構成は、ボス52が第1通路32から突出し、ソケット54が第2通路34の開口に形成されるように、逆にしてもよい。いずれの構成においても、エラストマ製のシール又はその他の部品(例えば、Oリング)が、ボス52及び/又はソケット54に、それらの合わせ目間の摩擦接続及び液密接続を強化するために、設けられてよい。図6及び図7に示すように、ボス及びソケットは、嵌合する雄型及び雌型のルアー部品として構成されてよい。逆止弁は、使用前に、第1及び第2通路32,34を封止するために用いられてよい。モジュール10の接続によって、逆止弁が開いてよい。
【0020】
モジュール10の再使用性を制限するために、組立時には、ボス52とソケット54とは互いにロックされるように形成されてよい。例えば、図8Aに示すように、ボス52は、各々、ソケット54各々に形成される対応する溝55にスナップ嵌合するように形成される突出する畝53を備えて形成されてよい。畝53及び溝55は、一旦十分に挿入された後にソケット54に対するボス52の反対側への移動を制限するように、傾斜してよい。加えて、又は、代えて、モジュール10の組み立てにより互いにロックする連携するロック要素が、モジュール10において、ボス52及びソケット54の外部に設けられてよい。ロックされた嵌合を解除しようとした場合には流路に損傷が生じ、これによってモジュール10が使用できない状態となるように、ロックは、例えば、ボス52とソケット54との間のロックのように流路に沿って起こることが好ましい。
【0021】
ハウジング38は、ソケット54のような、第1モジュール10Aの第2通路34と連携する特徴部を備えてよい(図5)。
【0022】
図8に示すように、別の構成では、排出通路46は設けられていなくてもよい。排出のために、排出モジュール56が末端のモジュール10の第1通路32に取り付けられるように形成されるように設けられてよい。排出モジュール56は、空気は通すが汚染物質の混入を制限する無菌微粒子フィルタを含む。
【0023】
輸送及び保管の間、モジュール10及び薬剤バイアル20の内容物を無菌状態に最もよく保存するために、薬剤バイアル20は、カニューレ22により破られることなく無傷のままで提供され得る。そのため、薬剤バイアル20は、使用されるまでは、カニューレ22から離れた関係に維持されることが好ましい。この構成を提供するために、バイアル保持部16は、薬剤バイアル20がバイアル保持部16とともに移動可能であるように、薬剤バイアル20とスナップ嵌合又はそうでなければ保持するように形成されてよい(例えば、バイアル保持部16は、薬剤バイアル20の一部分、例えば、薬剤バイアル20の首Nの周囲に保持可能に嵌合される把持部64又は襟68を備えてよい)。カニューレ22に対してバイアル保持部16を薬剤バイアル20とともに移動させることは、使用の準備の際に、カニューレ22で隔壁24を破るために、利用され得る。加えて、薬剤バイアル20の隔壁24は、隔壁24の汚染を制限するために形成される取り外し可能なバリア70により覆われてよい。例えば、取り外し可能なバリア70は、当該技術で知られている微生物バリアである。この態様では、薬剤バイアル20は、無菌状態により良く維持され得る。
【0024】
例えば、図9A図9Dに示すように、本体14に対するバイアル保持部16の移動を実現するために、各モジュール10において本体14にバイアル保持部16を接続するスライドヒンジ58が設けられてよい。図9Aに示すように、スライドヒンジ58は、本体14の上端62にヒンジで接続される第1端60を有する。バイアル保持部16は、初期状態において薬剤バイアル20を収容するように形成されることが好ましい(図9A)。把持部64は、装填中に薬剤バイアル20を保持するために、バイアル保持部16に設けられてよい。初期状態では、モジュール10は、図9Aに示すように、開放状態であり、無菌バリア63が本体14内でカニューレ22を覆う。第1ステップにおいて、薬剤バイアル20がバイアル保持部16の把持部64に装填され、無菌バリア63が除去される。取り外し可能なバリア70が薬剤バイアル20に設けられていない場合には、隔壁24は、好ましくは、隔壁24の外表面の殺菌のために、除菌シートで拭かれる。バイアル保持部16は、収納された薬剤バイアル20とともに、スライドヒンジ58で上端62の周りに回転させることで(図9B)、図9Cに示す位置まで移動させられる。スライドヒンジ58は、第1端60から延びる長尺の板状である。図9Cに示す上位置に位置すると、スライドヒンジ58は、本体14に形成される凹んだ溝66に平行移動させられる。この直線的な動きによって、バイアル保持部16は、薬剤バイアル20とともに、本体14内に十分に下降して、カニューレ22が隔壁24を完全に貫通する(図9D)。ロック要素は、隔壁24が破られた時点で、バイアル保持部16を本体14にロックするために設けられてよい。
【0025】
当業者であれば分かるように、バイアル保持部16は、カニューレ22が隔壁24を貫通するように、本体14に対して種々の態様で移動されてよい。図10A図10Dを参照すると、バイアル保持部16は、本体14に対してスライド可能であってよい。これにより、隔壁24がカニューレ22から離れている図10Aに示す輸送/保管位置が可能となる。モジュール10を準備するために、バイアル保持部16は、本体14から外側に軸方向にスライドすることによって、本体14に対して移動される。バイアル保持部16は、本体14に形成される溝に沿って平行移動する腕部72を備えるヨーク状であってよい。バイアル保持部16が本体14から完全に引き抜かれることがないように、抜け止めが、好ましくは、溝に沿って設けられてよい。更に、解放可能なロック構造が、最初はバイアル保持部16を本体14に対して固定位置、図10Aに示す輸送/保管位置、に維持するために、設けられてもよい。解放可能なロック構造は、バイアル保持部16と本体14との間の壊れやすい接続(例えば、破壊可能な溶融又は接着接続)、機械固定(例えば、本体14に対するバイアル保持部16の移動に耐える傾斜した及び/又は凹んだ相互結合)、及び/又は、外部包装(例えば、バイアル保持部16と本体14との間の相対移動を制限するように形成されたテープ又は収縮包装)である。
【0026】
腕部72は、好ましくは、図10Bに示すようにバイアル保持部16が本体14から引き離された場合にユーザが隔壁24に接触できるように、十分な長さで提供されてよい。これにより、図10Cに示すように、取り外し可能なバリア70があれば、取り外すことが可能となる。加えて、これにより、必要であれば、除菌シートで隔壁24を拭くことが可能となる。更に、本体14は、無菌バリア63で覆われてもよい。バイアル保持部16が図10Cに示す移動位置である状態で、無菌バリア63を取り外すために、無菌バリア63への接触も提供されている。全てのバリア63,70が取り除かれる及び/又は除菌の拭き作業が完了したら、バイアル保持部16を本体14内へ軸方向にスライドさせることによって、バイアル保持部16が移動されて、図10Dに示すように、カニューレ22が隔壁24を貫通する。戻り止め又はその他のロック要素が、バイアル保持部16の外方へのスライドを制限するためにバイアル保持部16を図10Dに示す位置に維持するために、設けられてよい。
【0027】
図11A図11Dを参照すると、先の実施の形態のバイアル保持部16は、図11Aに示すように、当初は隔壁24を露出させるように、変形されてもよい。これにより、薬剤バイアル20の何らの調整も必要なしに、隔壁24の準備が可能となる。準備がされたら、バイアル保持部16は、薬剤バイアル20と回転可能に接続されるように提供され、これによって、薬剤バイアル20は、隔壁24がカニューレ22と整列するように、回転させられてよい(例えば、180度回転)。この後に、先の実施の形態と同様に、バイアル保持部16は、カニューレ22に隔壁24を貫通させるように、本体14内に押し込まれる。
【0028】
更に可能な変形において、図12A図12Eに示すように、薬剤バイアル20は、図10Aと同様に、隔壁24が本体14に対向するように提供されてもよい。この実施の形態におけるバイアル保持部16と薬剤バイアル20との間の回転可能な接続は、隔壁24の準備(図12C)を可能とするために、隔壁24を露出させるために使用される(図12B)。この後、薬剤バイアル20は、初期状態に戻され(図12D)、カニューレ22との結合のために本体14内に押し込まれる。
【0029】
図13A図13Dを参照すると、本体14に対するバイアル保持部16の移動の更なる態様が示される。特に、本体14は、バイアル保持部16に配置される戻り止め76が軸方向にスライドする少なくとも一つの溝74を備えて提供されてよい。溝74と戻り止め76との相互結合は、本体14に対するバイアル保持部16の移動を制約する。溝74は、L字状であって、本体14に対するバイアル保持部16の横方向の移動に合わせられた水平部74aと、本体14に対するバイアル保持部16の同軸移動に合わせられた垂直部74bとを有する。図13Aに示すように、バイアル保持部16の戻り止め76は、最初は、溝74の水平部74a内に位置する。水平部74aは、戻り止め76が水平部74aにある間、隔壁24がカニューレ22から離間するように、配置される。これによって、隔壁24がカニューレ22から離間した状態で、輸送及び保管が可能となる。解放可能なロック構造が、水平部74a内の固定位置に戻り止め76を維持するために設けられてよい。解放可能なロック構造は、戻り止め76と溝74との間の壊れやすい接続(例えば、破壊可能な溶融又は接着接続)、機械固定(例えば、溝74に対する戻り止め76の移動に耐える傾斜した及び/又は凹んだ相互結合)、及び/又は、外部包装(例えば、バイアル保持部16と本体14との間の相対移動を制限するように形成されたテープ又は収縮包装)である。
【0030】
モジュール10の準備のために、図13Bに示すように、バイアル保持部16は水平部74aに沿って横方向に移動させられる。戻り止め76は、バイアル保持部16が本体14と整列しないように十分に移動して隔壁24を露出させることができるように、バイアル保持部16の一方側に配置されることが好ましい。戻り止め76は、バイアル保持部16から突出する下方に垂れる腕部に形成されてよい。隔壁24が露出した状態では、図13Bに示すように、取り外し可能なバリア70が取り外され、及び/又は、隔壁24が拭かれる。更に、本体14の準備がされてよく、例えば、無菌バリア63が除去される。準備ができたら、バイアル保持部16は、図13Cに示すように、戻り止め76が垂直部74bと整列するまで、水平部74aに沿って戻るように移動される。その後、バイアル保持部16は、軸方向に本体14に押し込まれ、戻り止め76が垂直部74bに沿ってスライドし、カニューレ22が隔壁24を貫通する。垂直部74bは、カニューレ22が隔壁24を完全に貫通して薬剤バイアル20の薬剤内容物に接触することを保証するために、十分な長さを有して設けられる必要がある。戻り止め又はその他のロック要素が、バイアル保持部16の外方へのスライドを制限するためにバイアル保持部16を図13Dに示す状態に保持するために、設けられてよい。
【0031】
図14A図14Dを参照すると、図13A図13Dの実施の形態は、戻り止め76がバイアル保持部16と本体14との間の回転可能な接続を提供するように、変形されてもよい。この実施の形態において、水平部74aは必須ではない。図14Aを参照すると、バイアル保持部16は、先の実施の形態と同様に、本体14に対して配置される。同様に、解放可能なロック構造が、本体14に対するバイアル保持部16の使用前の移動を制限するために、設けられてよい。図14Bに示すように、隔壁24は、本体14に対してバイアル保持部16を戻り止め76の周りに回転させることを露出される。隔壁24及び本体14の準備ができたら、上述したように、バイアル保持部16は、図14Cに示すように、本体14と整列するように、戻るように回転される。その後、バイアル保持部16は、軸方向に本体14に押し込まれ、戻り止め76が垂直部74bに沿ってスライドし、カニューレ22が隔壁24を貫通する。先の実施の形態と同様に、垂直部74bは、カニューレ22が隔壁24を完全に貫通して薬剤バイアル20の薬剤内容物に接触することを保証するために、十分な長さを有して設けられる必要がある。戻り止め又はその他のロック要素が、バイアル保持部16の外方へのスライドを制限するためにバイアル保持部16を図14Dに示す状態に保持するために、設けられてよい。
【0032】
図15A図15Dを参照すると、更なる実施の形態において、バイアル保持部16は、リビングヒンジ又はつなぎ鎖(tether)78によって、本体14に接続されてもよい。ここで、バイアル保持部16は、本体14内でガイドされてスライドするために形成されるブロックとして形成されてもよい。リビングヒンジ又はつなぎ鎖78は、バイアル保持部16及び/又は本体14と一体に形成されてよい(例えば、ポリマ材料で形成される)。図15Aに示すように、運送/輸送状態において、バイアル保持部16は、壊れやすい接続(例えば、溶融又は接着接続)及び/又は外部包装により、本体に取り外し可能に取り付けられてよい。使用の準備のために、図15Bに示すように、バイアル保持部16は、隔壁24への接触を可能にするために、本体14から離間されてよい。リビングヒンジ又はつなぎ鎖78は、バイアル保持部16と本体14との間の接続を維持する。リビングヒンジ又はつなぎ鎖78は、バイアル保持部16を薬剤バイアル20とともに本体14から離間した状態で支持できる長さ及び剛性を有するように形成されてよい。これにより、バイアル保持部16を本体14に対して支持された位置に維持することができる。
【0033】
隔壁24及び本体14の準備ができたら、図15Cに示すように、バイアル保持部16は本体14と整列されてよい。その後、バイアル保持部16は、上述した実施の形態と同様の方法で、カニューレ22が隔壁24を貫通できるように本体14内に押し込まれる。
リビングヒンジ又はつなぎ鎖78は、カニューレ22が完全に隔壁24を貫通するために本体14に対するバイアル保持部16の十分な移動を許容するように十分な柔軟性を有して設けられる。図15C及び図15Dは、バイアル保持部16の一部を貫通しているカニューレ22を示す。これらは、概略図である。カニューレ22はバイアル保持部16の一部を貫通しないことが好ましい。バイアル保持部16は、隔壁24を覆い隠さずにバイアル保持部16の剛性を提供するために下方に延びる部分を含む、隔壁24を囲う部分を備えて形成されてよい。
【0034】
ここで記述された全ての実施の形態に関して、カニューレ22は、モジュール10の全ての液体の流路とともに、使用前に殺菌される。無菌バリア63及び取り外し可能なバリア70は、輸送及び保管中、薬剤バイアル20を含むモジュール10の無菌状態を維持するために利用される。そのため、無菌バリア63及び/又は取り外し可能なバリア70は、ここで開示される任意の実施の形態とともに利用されてよい。更に、袋に包装する等のその他の保護包装を利用してもよい。
【0035】
当業者であれば分かるように、ハウジング38は、例えば、使用の詳細を記憶するマイクロプロセッサ及び当該詳細を送信する送信機等の種々の制御及びシステムを備えて設けられてよい。
【0036】
1以上の薬剤バイアル20は、希釈剤の導入により調製され得る凍結乾燥された薬剤を収容してよい。希釈剤は、希釈剤が凍結乾燥された薬剤を有する薬剤バイアルに引き込まれ、調整された薬剤がそこから引き出されるように、凍結乾燥された薬剤より上流に配置されてよい。様々な薬剤が薬剤バイアル20に含まれてよい。同様に、希釈剤又はその他の添加剤が、送達される配合剤の効能を向上するために含まれてもよい。例えば、図17に示すように、貯蔵庫102からの注入管100が末端のモジュール10Fのソケット54に接続されてもよい。これによって、装置12に希釈剤の貯蔵庫を設けることができて、特に、モジュール10の全てを通る流れが可能となる。貯蔵庫102は、好ましくは、希釈剤の引き出しにより折り畳み可能な柔軟性を有するバッグである。これによって、装置12によって、排出の必要性を最小化でき、場合によっては、排出の必要性を完全に除去できる。排出が必要とされる場合、微粒子フィルタ51が末端のモジュール10Fに設けられてよい。希釈剤は、モジュール10の薬剤成分の調製のために用いられてよい。更に、希釈剤は、装置12の組み合わせの効果を更に増強するために、薬剤成分を含んでもよい。装置12を通る希釈剤の流れを促進するための水頭が生成されるように、(例えば、つるすことによって)装置12よりも重力的に高い貯蔵庫102を提供することも可能である。
【0037】
一実施の形態において、例えば、癌、自己免疫異常、炎症性疾患、心血管疾患又は線維症等の幅広い疾患及び症状のいずれかを患う患者の利益のために、薬剤送達装置12は、2以上の薬剤を送達できる。
【0038】
一実施の形態において、薬剤送達装置12の1以上の薬剤は、免疫チェックポイント阻害薬である。ある実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、プログラム死1(「PD-1」)経路阻害薬、細胞傷害性Tリンパ球抗原4(「CTLA-4」)アンタゴニスト、リンパ球活性化遺伝子3(「LAG3」)アンタゴニスト、CD80アンタゴニスト、CD86アンタゴニスト、T細胞免疫グロブリン-ムチンドメイン(「Tim-3」)アンタゴニスト、IgとITIMドメインを持つT細胞免疫受容体(「TIGIT」)アンタゴニスト、CD20アンタゴニスト、CD96アンタゴニスト、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(「IDO1」)アンタゴニスト、インターフェロン遺伝子刺激因子(「STING」)アンタゴニスト、反復優位型糖タンパク質A(GARP)アンタゴニスト、CD40アンタゴニスト、アデノシンA2A受容体(「A2aR」)アンタゴニスト、癌胎児性抗原関連細胞接着分子1(CEACAM1)(CD66a)アンタゴニスト、癌胎児性抗原(CEA)アンタゴニスト、CD47アンタゴニスト、受容体関連免疫グロブリンドメインタンパク質(「PVRIG」)アンタゴニスト、トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ(「TDO])アンタゴニスト、Vドメイン免疫グロブリンT細胞活性化抑制因子(「VISTA」)アンタゴニスト、又は、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(「KIR」)アンタゴニストである。
【0039】
一実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、抗PD-1抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマム(pembrolizumab)(キイトルーダ;MK-3475)、ピディリズマブ(pidilizumab)(CT-011)、ニボルマブ(nivolumab)(オプジーボ;BMS-936558)、PDR001、MEDI0680(AMP-514)、TSR-042、REGN2810、JS001、AMP-224(GSK-2661380)、PF-06801591、BGB-A317、BI754091、又はSHR-1210である。
【0040】
一実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、抗PD-L1抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ(atezolizumab)(テセントリク;RG7446;MPDL3280A;RO5541267)、デュルバルマブ(durvalumab)(MEDI4736)、BMS-936559、アベルマブ(avelumab)(バベンチオ)、LY3300054、CX-072(Proclaim-CX-072)、FAZ053、KN035、又は、MDX-1105である。
【0041】
一実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、小分子薬剤である。ある実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、CA-170である。他の実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、細胞ベースの治療である。一実施の形態において、細胞ベースの治療は、MiHA付加PD-L1/L2発現抑制樹状細胞ワクチンである。その他の実施の形態において、細胞ベースの治療は、多能性Tリンパ球を発現する抗プログラム細胞死タンパク質1抗体、自己PD-1標的化キメラスイッチ受容体修飾Tリンパ球、又は、PD-1ノックアウト自己Tリンパ球である。
【0042】
一実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、抗PD-L2抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。別の実施の形態において、抗PD-L2抗体は、rHIgM12B7である。
【0043】
一実施の形態において、PD-1経路阻害薬は、可溶性PD-1ポリペプチドである。ある実施の形態において、可溶性PD-1ポリペプチドは、融合ポリペプチドである。いくつかの実施の形態において、可溶性PD-1ポリペプチドは、PD-1細胞外ドメインのリガンド結合フラグメントを含む。他の実施の形態において、可溶性PD-1ポリペプチドは、PD-1細胞外ドメインのリガンド結合フラグメントを含む。他の実施の形態において、可溶性PD-1ポリペプチドは、Fcドメインを更に含む。
【0044】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CTLA-4アンタゴニストである。ある実施の形態において、CTLA-4アンタゴニストは、抗CTLA-4抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ(ipilimumab)(ヤーボイ)、トレメリムマブ(tremelimumab)(チシリムマブ(ticilimumab);CP-675,206)、AGEN-1884、又は、ATOR-1015である。一実施の形態において、薬剤送達装置12は、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニスト、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬を含む。
【0045】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、LAG3アンタゴニストである。ある実施の形態において、LAG3アンタゴニストは、抗LAG3抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗LAG3抗体は、リラトリマブ(relatlimab)(BMS-986016)、MK-4280(28G-10)、REGN3767、GSK2831781、IMP731(H5L7BW)、BAP050、IMP-701(LAG-5250)、IMP321、TSR-033、LAG525、BI754111、又は、FS-118である。一実施の形態において、薬剤送達装置12は、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニスト、及び、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬を含む。一実施の形態において、薬剤送達装置12は、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニスト、及び、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニストを含む。一実施の形態において、薬剤送達装置12は、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニスト、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニスト、及び、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬を含む。
【0046】
一実施の形態において、CTLA-4アンタゴニストは、可溶性CTLA-4ポリペプチドである。一実施の形態において、可溶性CTLA-4ポリペプチドは、アバタセプト(abatacept)(オレンシア(ORENCIA))、ベラタセプト(belatacept)(ニューロジクス(NULOJIX))、RG2077、又は、RG-1046である。その他の実施の形態において、CTLA-4アンタゴニストは、細胞ベースの治療である。いくつかの実施の形態において、CTLA-4アンタゴニストは、抗CTLA4 mAb RNA/GITRLRNAトランスフェクト自己樹状細胞ワクチン、又は、抗CTLA-4 mAb RNAトランスフェクト自己樹状細胞ワクチンである。
【0047】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、KIRアンタゴニストである。ある実施の形態において、KIRアンタゴニストは、抗KIR抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗KIR抗体は、リリルマブ(lirilumab)(1-7F9、BMS-986015、IPH2101)、又は、IPH4102である。
【0048】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、TIGITアンタゴニストである。一実施の形態において、TIGITアンタゴニストは、抗TIGIT抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗TIGIT抗体は、BMS-986207、AB154、COM902(CGEN-15137)、又は、OMP-313M32である。
【0049】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、Tim-3アンタゴニストである。ある実施の形態において、Tim-3アンタゴニストは、抗Tim-3抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗Tim-3抗体は、TSR-022、又は、LY3321367である。
【0050】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬はIDO1アンタゴニストである。別の実施の形態において、IDO1アンタゴニストは、インドキシモド(indoximod)(NLG8189;1-メチル-D-トリプトファン)、エパカドスタット(epacadostat)(INCB-024360,INCB-24360)、KHK2455、PE-06840003、ナボキシモド(navoximod)(RG6078、GDC-0919、NLG919)、BMS-986205(F001287)、又は、ピロリジン-2,5-ジオン誘導体である。
【0051】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、STINGアンタゴニストである。ある実施の形態において、STINGアンタゴニストは、2’又は3’-モノ-フルオロ置換環状-ジ-ヌクレオチド、2’3’-ジ-フルオロ置換混合結合2’,5’-3’,5’環状-ジ-ヌクレオチド、2’-フルオロ置換,ビス-3’,5’環状-ジ-ヌクレオチド、2’,2”-ジF-Rp,Rp,ビス-3’,5’環状-ジ-ヌクレオチド、又は、フッ素化環状-ジ-ヌクレオチドである。
【0052】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CD20アンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD20アンタゴニストは、抗CD20抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD20抗体は、リツキシマブ(rituximab)(リツキサン(RITUXAN);IDEC-102;IDEC-C2B8)、ABP798、オファツムマブ(ofatumumab)、又は、オビヌツズマブ(obinutuzumab)である。
【0053】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CD80アンタゴニストである。ある実施の形態において、CD80アンタゴニストは、抗CD80抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD80抗体は、ガリキシマブ(galiximab)、又は、AV1142742である。
【0054】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、GARPアンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、GARPアンタゴニストは、抗GARP抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗GARP抗体は、ARGX-115である。
【0055】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CD40アンタゴニストである。ある実施の形態において、CD40アンタゴニストは、その抗原結合フラグメントのための抗CD40抗体である。いくつかの実施の形態において、抗CD40抗体は、BMS3h-56、ルカツムマブ(lucatumumab)(HCD122及びCHIR-12.12)、CHIR-5.9、又は、ダセツズマブ(dacetuzumab)(huS2C6、PRO64553、RG3636、SGN14、SGN-40)である。別の実施の形態において、CD40アンタゴニストは、可溶性CD40リガンド(CD40-L)である。一実施の形態において、可溶性CD40リガンドは、融合ポリペプチドである。一実施の形態において、可溶性CD40リガンドは、CD40-L/FC2、又は、単量体のCD40-Lである。
【0056】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、A2aRアンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、A2aRアンタゴニストは、小分子である。ある実施の形態において、A2aRアンタゴニストは、CPI-444、PBF-509、イストラデフィリン(istradefylline)(KW-6002)、プレラデナント(preladenant)(SCH420814)、トザデナント(tozadenant)(SYN115)、ビパデナント(vipadenant)(BIIB014)、HTL-1071、ST1535、SCH412348、SCH442416、SCH58261、ZM241385、又は、AZD4635である。
【0057】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CEACAM1アンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、CEACAM1アンタゴニストは、抗CEACAM1抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CEACAM1抗体は、CM-24(MK-6018)である。
【0058】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CEAアンタゴニストである。一実施の形態において、CEAアンタゴニストは、抗CEA抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗CEA抗体は、セルグツズマブ・アムナロイキン(cergutuzumab amunaleukin)(RG7813,RO-6895882)、又は、RG7802(RO6958688)である。
【0059】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、CD47アンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD47アンタゴニストは、抗CD47抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗CD47抗体は、HuF9-G4、CC-90002、TTI-621、ALX148、NI-1701、NI-1801、SRF231、又は、Effi-DEMである。
【0060】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、PVRIGアンタゴニストである。ある実施の形態において、PVRIGアンタゴニストは、抗PVRIG抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗PVRIG抗体は、COM701(CGEN-15029)である。
【0061】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、TDOアンタゴニストである。一実施の形態において、TDOアンタゴニストは、4-(インドール-3-イル)-ピラゾール誘導体、3-インドール置換誘導体、又は、3-(インドール-3-イル)-ピリジン誘導体である。別の実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、デュアルIDO及びTDOアンタゴニストである。一実施の形態において、デュアルIDO及びTDOアンタゴニストは、小分子である。
【0062】
一実施の形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、VISTAアンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、VISTAアンタゴニストは、CA-170、又は、JNJ-61610588である。
【0063】
一実施の形態において、薬剤送達装置12の1以上の薬剤は、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子である。
【0064】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD28アゴニスト、4-1BBアゴニスト、OX40アゴニスト、CD27アゴニスト、CD80アゴニスト、CD86アゴニスト、CD40アゴニスト、ICOSアゴニスト、CD70アゴニスト、又は、GITRアゴニストである。
【0065】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、OX40アゴニストである。ある実施の形態において、OX40アゴニストは、抗OX40抗体又はその抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗OX40抗体は、タボリキシズマブ(tavolixizumab)(MEDI-0562)、ポガリズマブ(pogalizumab)(MOXR0916,RG7888)、GSK3174998、ATOR-1015、MEDI-6383、MEDI-6469、BMS986178、PF-04518600、又は、RG7888(MOXR0916)である。別の実施の形態において、OX40アゴニストは、細胞ベースの治療である。ある実施の形態において、OX40アゴニストは、GINAKIT細胞(iC9-GD2-CD28-OX40発現Tリンパ球)である。
【0066】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD40アゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD40アゴニストは、抗CD40抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD40抗体は、ADC-1013(JNJ-64457107)、RG7876(RO-7009789)、HuCD40-M2、APX005M(EPI-0050)、又は、Chi Lob 7/4である。別の実施の形態において、CD40アゴニストは、可溶性CD40リガンド(CD40-L)である。一実施の形態において、可溶性CD40リガンドは、融合ポリペプチドである。ある実施の形態において、可溶性CD40リガンドは、三量体CD40-L(AVREND(登録商標))である。
【0067】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、GITRアゴニストである。ある実施の形態において、GITRアゴニストは、抗GITR抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗GITR抗体は、BMS-986156、TRX518、GWN323、INCAGN01876、又は、MEDI1873である。一実施の形態において、GITRアゴニストは、可溶性GITRリガンド(GITRL)である。いくつかの実施の形態において、可溶性GITRリガンドは、融合ポリペプチドである。別の実施の形態において、GITRアゴニストは、細胞ベースの治療である。一実施の形態において、細胞ベースの治療は、抗CTLA4 mAb RNA/GITRL RNAトランスフェクト自己樹状細胞ワクチン、又は、GITRL RNAトランスフェクト自己樹状細胞ワクチンである。
【0068】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、4-1BBアゴニストである。いくつかの実施の形態において、4-1BBアゴニストは、抗4-1BB抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗4-1BB抗体は、ウレルマブ(urelumab)、又は、PF-05082566である。
【0069】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD80アゴニスト又はCD86アゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD80アゴニスト又はCD86アゴニストは、可溶性CD80又はCD86リガンド(CTLA-4)である。ある実施の形態において、可溶性CD80又はCD86リガンドは、融合ポリペプチドである。一実施の形態において、CD80又はCD86リガンドは、CTLA4-Ig(CTLA4-IgG4m、RG2077、又は、RG1046)、又は、アバタセプト(オレンシア、BMS-188667)である。その他の実施の形態において、CD80アゴニスト又はCD86アゴニストは、細胞ベースの治療である。一実施の形態において、細胞ベースの治療は、MGN1601(同種腎細胞癌ワクチン)である。
【0070】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD28アゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD28アゴニストは、抗CD28抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗CD28抗体は、TGN1412である。
【0071】
一実施の形態において、CD28アゴニストは、細胞ベースの治療である。ある実施の形態において、細胞ベースの治療は、JCAR015(抗CD19-CD28-ゼータ修飾CAR CD3+ Tリンパ球)、CD28CAR/CD137CAR発現Tリンパ球、同種CD4+ 記憶 Th1様T細胞/微粒子結合抗CD3/抗CD28、抗CD19/CD28/CD3ゼータ CAR ガンマレトロウイルスベクタ-形質導入自己Tリンパ球KTE-C19、抗CEA IgCD28TCR形質導入自己Tリンパ球、抗EGFRvIII CAR形質導入同種Tリンパ球、自己CD123CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tリンパ球、自己CD171特異的CAR-CD28ゼータ-4-1-BB-EGFRt発現Tリンパ球、自己CD19CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tcm富化T細胞、自己PD-1標的化キメラスイッチ受容体修飾Tリンパ球(CD28とのキメラ)、CD19CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tcm富化Tリンパ球、CD19CAR-CD28-CD3ゼータ-EGFRt発現Tn/mem富化Tリンパ球、CD19CAR-CD28ゼータ-4-1BB発現同種Tリンパ球、CD19CAR-CD3ゼータ-4-1BB-CD28発現自己Tリンパ球、CD28CAR/CD137CAR発現Tリンパ球、CD3/CD28共刺激ワクチン刺激自己Tリンパ球、又は、iC9-GD2-CD28-OX40発現Tリンパ球である。
【0072】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD27アゴニストである。ある実施の形態において、CD27アゴニストは、抗CD27抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD27抗体は、バルリルマブ(CDX-1127)である。
【0073】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、CD70アゴニストである。いくつかの実施の形態において、CD70アゴニストは、抗CD70抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD70抗体は、ARGX-110である。
【0074】
一実施の形態において、免疫チェックポイント増強因子又は刺激因子は、ICOSアゴニストである。ある実施の形態において、ICOSアゴニストは、抗ICOS抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗ICOS抗体は、BMS986226、MEDI-570、GSK3359609、又は、JTX-2011である。その他の実施の形態において、ICOSアゴニストは、可溶性ICOSリガンドである。いくつかの実施の形態において、可溶性ICOSリガンドは、融合ポリペプチドである。一実施の形態において、可溶性ICOSリガンドは、AMG750である。
【0075】
一実施の形態において、薬剤送達装置12の1以上の薬剤は、抗CD73抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。ある実施の形態において、抗CD73抗体は、MEDI9447である。
【0076】
一実施の形態において、薬剤送達装置12の1以上の薬剤は、TLR9アゴニストである。一実施の形態において、TLR9アゴニストは、アガトリモドナトリウムである。
【0077】
一実施の形態において、薬剤送達装置12の1以上の薬剤は、サイトカインである。ある実施の形態において、サイトカインは、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンホカイン、又は、腫瘍壊死因子ファミリのメンバである。いくつかの実施の形態において、サイトカインは、IL-2、IL-15、又は、インターフェロン-ガンマである。
【0078】
一実施の形態において、薬剤送達装置12の1以上の薬剤は、TGF-βアンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、TGF-βアンタゴニストは、フレソリムマブ(fresolimumab)(GC-1008)、NIS793、IMC-TR1(LY3022859)、ISTH0036、トラベデルセン(AP12009)、組み換えトランスフォーミング増殖因子-ベータ-2、自己HPV-16/18 E6/E7特異的TGF-ベータ抵抗性Tリンパ球、又は、TGF-ベータ抵抗性LMP特異的細胞毒性Tリンパ球である。
【0079】
一実施の形態において、薬剤送達装置12の1以上の薬剤は、iNOSアンタゴニストである。いくつかの実施の形態において、iNOSアンタゴニストは、N-アセチル-システイン(NAC)、アミノグアニジン、L-ニトロアルギニンメチルエステル、又は、S,S-1,4-フェニレン-ビス(1,2-エタンジル)ビス-イソチオ尿素)である。
【0080】
一実施の形態において、薬剤送達装置12の1以上の薬剤は、SHP-1アンタゴニストである。
【0081】
一実施の形態において、薬剤送達装置12の1以上の薬剤は、コロニー刺激因子1受容体(「CSF1R」)アンタゴニストである。ある実施の形態において、CSF1Rアンタゴニストは、抗CSF1R抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。いくつかの実施の形態において、抗CSF1R抗体は、エマクツヅマブ(emactuzumab)である。
【0082】
一実施の形態において、薬剤送達装置12の1以上の薬剤は、TNFファミリのメンバのアゴニストである。いくつかの実施の形態において、TNFファミリのメンバのアゴニストは、ATOR1016、ABBV-621、又は、アダリムマブ(adalimumab)である。
【0083】
一実施の形態において、薬剤送達装置12の1以上の薬剤は、アルデスロイキン(aldesleukin)、ベンペガルデスロイキン(bempegaldesleukin)、トシリズマブ(tocilizumab)、又は、MEDI5083である。一実施の形態において、薬剤送達装置12は、ベンペガルデスロイキン、及び、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬を含む。一実施の形態において、薬剤送達装置12は、ベンペガルデスロイキン、及び、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニストを含む。一実施の形態において、薬剤送達装置12は、ベンペガルデスロイキン、例えばニボルマブ(オプジーボ)又はペムブロリズマム(キイトルーダ)等のPD-1経路阻害薬、及び、例えばリラトリマブ又はMK-4280等のLAG3アンタゴニストを含む。一実施の形態において、薬剤送達装置12は、ベンペガルデスロイキン、及び、例えばイピリムマブ(ヤーボイ)等のCTLA-4アンタゴニストを含む。
【0084】
一実施の形態において、薬剤送達装置12の1以上の薬剤は、CD160(NK1)アゴニストである。ある実施の形態において、CD160(NK1)アゴニストは、抗CD160抗体、又は、その抗原結合フラグメントである。一実施の形態において、抗CD160抗体は、BY55である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図8A
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の選択された複数の薬剤成分を送達するための配合剤送達装置であって、
前記複数の薬剤成分の各々は薬剤バイアルに収容され、
前記装置は、複数のモジュールを備え、
前記複数のモジュールの各々は、
薬剤バイアルを収容するように形成される内部空間を有する本体と、
前記内容空間内に突出するカニューレであって、前記カニューレは自由端で終了し
、第1及び第2開口が前記自由端に形成され、第1及び第2ルーメンが前記第1及び第2
開口から前記カニューレを通って延びる、カニューレと、
前記本体の外側部分に配置されるソケットと、
前記ソケットと前記第1ルーメンとの間に延び、かつ前記ソケットと前記第1ルー
メンに通じている第1通路と、
前記本体の外側部分から突出するボスと、
前記第2ルーメンから延び、かつ前記第2ルーメンに通じている第2通路であって
、前記第2通路は前記ボスを通って延びて前記ボスに形成される出口で終了する、第2通
路と、
を備える、
配合剤送達装置
【外国語明細書】