(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119889
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】I型インターフェロンシグネチャー及び使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20240827BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240827BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20240827BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240827BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240827BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240827BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20240827BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240827BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20240827BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240827BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240827BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20240827BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240827BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20240827BHJP
C12Q 1/6851 20180101ALI20240827BHJP
C12Q 1/686 20180101ALI20240827BHJP
C07K 16/24 20060101ALI20240827BHJP
C12Q 1/6837 20180101ALI20240827BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
A61K45/00 ZNA
A61P43/00 117
A61P3/06
A61P3/10
A61P9/00
A61P17/00
A61P17/06
A61P19/02
A61P21/00
A61P25/00
A61P29/00
A61P37/06
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61P13/12
C12Q1/6851 Z
C12Q1/686 Z
C07K16/24
C12Q1/6837 Z
G01N33/53 M
G01N33/53 D
A61K45/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024090820
(22)【出願日】2024-06-04
(62)【分割の表示】P 2021522350の分割
【原出願日】2019-10-25
(31)【優先権主張番号】62/751,019
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509087759
【氏名又は名称】ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【弁理士】
【氏名又は名称】星川 亮
(72)【発明者】
【氏名】セサロニ,マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】シェブリエ,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン,ジャラット
(72)【発明者】
【氏名】シュライター,ジェシカ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】IFN-I阻害剤による処置に応答性であるI型インターフェロン(IFN-I)媒介性疾患を有する対象を処置する方法を提供する。
【解決手段】a)対象からの生体試料を提供すること;b)生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1、及びSAMD9Lの遺伝子発現をアッセイすること;c)前記生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされた発現値を決定すること;d)組み合わされた発現値が閾値以上である場合、対象をIFN-I阻害剤で処置すること、を含む、方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IFN-I阻害剤による処置に応答性であるI型インターフェロン(IFN-I)媒介
性疾患を有する対象を処置する方法であって、
a)前記対象からの生体試料を提供することと;
b)前記生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、
IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1、及びSAMD9Lの遺
伝子発現をアッセイすることと;
c)前記生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、
IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み
合わされた発現値を決定することと;
d)前記組み合わされた発現値が閾値以上である場合、前記対象を前記IFN-I阻害
剤で処置することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IF
I44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9
の正規化された閾値サイクル(CT)値の合計(SUMΔCT)であり、前記閾値が57
.474のSUMΔCTである、請求項2に記載の方法。
【請求項3】
前記組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HEC5、IFI
44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9L
のうちの1つ以上の、前記生体試料と健常対照から得られた生体試料との間の正規化され
た差次的発現のlog2倍率変化の合計(SUMlog2(2^-ddCT))であり、
前記閾値が8.725のSUMlog2(2^-ddCT)である、請求項1に記載の方
法。
【請求項4】
前記組み合わされた発現値が、式I:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^-ddCT
)|(式I)のPOISEスコアであり、前記閾値は、30~40の前記POISEスコ
アである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記閾値が、35のPOISEスコアである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記生体試料が、血液試料又は組織試料である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記IFN-I媒介性疾患が、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、I型糖尿病、乾癬、原発
性シェーグレン病、全身性硬化症、関節リウマチ、移植拒絶反応、皮膚筋炎、多発性筋炎
、エカルディ・グティエール症候群、乳児期発症のSting関連血管障害(SAVI)
、又は脂肪異栄養症及び高温症候群を伴う慢性非定型好中球性皮膚症(CANDLE)で
ある、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
SLEが、ループス腎炎、皮膚ループス又は中枢神経系(CNS)症状を伴うループス
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記IFN-I阻害剤が、IFN-IとIFNARとの相互作用を遮断する分子、IF
N-Iに結合するアンタゴニスト抗体、IFNARに結合するアンタゴニスト抗体、Ty
k2、Jak1、TLR7、TLR8、TLR9若しくはSTINGの阻害剤、形質細胞
様樹状細胞のモジュレーター若しくは枯渇剤;又は核酸を分解する剤である、請求項1に
記載の方法。
【請求項10】
IFN-Iに結合する前記アンタゴニスト抗体が、
a)配列番号11の重鎖可変領域1(HCDR1)、配列番号12のHCDR2、配列
番号13のHCDR3、配列番号14の軽鎖可変領域1(LCDR1)、アミノ酸配列G
ASを含むLCDR2、及び配列番号16のLCDR3;
b)配列番号17の重鎖可変領域(VH)及び配列番号18の軽鎖可変領域(VL)、
若しくは
c)配列番号19の重鎖(HC)及び配列番号20の軽鎖(LC)、又はそれらの任意
の組み合わせを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
IFN-Iに結合する前記アンタゴニスト抗体が、約10mg/kgの用量で投与され
る、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
IFN-Iに結合する前記アンタゴニスト抗体が、約10mg/kgの用量で、2週間
に1回投与される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
I型インターフェロン(IFN-I)媒介性疾患を有する対象が、IFN-I阻害剤に
よる処置に応答性であるかどうかを決定し、前記対象を処置するかどうかを決定する方法
であって、
a)前記対象からの生体試料を提供することと;
b)前記生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、
IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝
子発現をアッセイすることと;
c)前記生体試料中の前記遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI4
4、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの
組み合わされた発現値を決定することと;
d)前記IFN-I媒介性疾患を有する前記対象を、前記組み合わされた発現値が閾値
以上である場合、前記IFN-I阻害剤による処置に応答性であると診断すること、又は
、前記IFN-I媒介性疾患を有する前記対象を、前記組み合わされた発現値が閾値未満
である場合、前記IFN-I阻害剤による処置に非応答性であると診断することと;
e)前記IFN-I阻害剤による処置に対して応答性であると診断された前記対象に前
記IFN-I阻害剤を投与すること、又は、前記IFN-I阻害剤による処置に対して非
応答性であると診断された前記対象に前記IFN-I阻害剤を投与することを控えること
と;を含む、方法。
【請求項14】
前記組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IF
I44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9
Lの正規化された閾値サイクル(CT)値の合計(SUMΔCT)であり、前記閾値が5
7.474のSUMΔCTである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HEC5、IFI
44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9L
のうちの1つ以上の、前記生体試料と健常対照から得られた生体試料との間の正規化され
た差次的発現のlog2倍率変化の合計(SUMlog2(2^-ddCT))であり、
前記閾値が8.725のSUMlog2(2^-ddCT)である、請求項13に記載の
方法。
【請求項16】
前記組み合わされた発現値が、式I:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^-ddCT
)|(式I)のPOISEスコアであり、前記閾値は、30~40の前記POISEスコ
アである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記閾値が、35のPOISEスコアである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記生体試料が、血液試料又は組織試料である、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記IFN-I媒介性疾患が、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、I型糖尿病、乾癬、原発
性シェーグレン病、全身性硬化症、関節リウマチ、移植拒絶反応、皮膚筋炎、多発性筋炎
、エカルディ・グティエール症候群、乳児期発症のSting関連血管障害(SAVI)
、又は脂肪異栄養症及び高温症候群を伴う慢性非定型好中球性皮膚症(CANDLE)で
ある、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
SLEが、ループス腎炎、皮膚ループス又は中枢神経系(CNS)症状を伴うループス
を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記IFN-I阻害剤が、IFN-IとIFNARとの相互作用を遮断する分子、IF
N-Iに結合するアンタゴニスト抗体、IFNARに結合するアンタゴニスト抗体、Ty
k2、Jak1、TLR7、TLR8、TLR9若しくはSTINGの阻害剤、形質細胞
様樹状細胞のモジュレーター若しくは枯渇剤;又は核酸を分解する剤である、請求項13
に記載の方法。
【請求項22】
IFN-Iに結合する前記アンタゴニスト抗体が、
a)配列番号11の重鎖可変領域1(HCDR1)、配列番号12のHCDR2、配列
番号13のHCDR3、配列番号14の軽鎖可変領域1(LCDR1)、アミノ酸配列G
ASを含むLCDR2、及び配列番号16のLCDR3;
b)配列番号17の重鎖可変領域(VH)及び配列番号18の軽鎖可変領域(VL)、
若しくは
c)配列番号19の重鎖(HC)及び配列番号20の軽鎖(LC)、又はそれらの任意
の組み合わせを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
IFN-Iに結合する前記アンタゴニスト抗体が、約10mg/kgの用量で投与され
る、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
IFN-Iに結合する前記アンタゴニスト抗体が、約10mg/kgの用量で、2週間
に1回投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
対象がIFN-I媒介性疾患を有することを予測及び/又は診断するためのin vi
tro方法であって、
a)前記対象からの生体試料を提供することと;
b)前記生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、
IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝
子発現をアッセイすることと;
c)前記生体試料中の前記遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI4
4、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの
組み合わされた発現値を決定することと;
d)前記組み合わされた発現値が閾値以上である場合に、前記対象が前記IFN-I媒
介性疾患を有することを予測及び/又は診断することと;を含む、方法。
【請求項26】
前記組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IF
I44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9
Lの正規化された閾値サイクル(CT)値の合計(SUMΔCT)であり、前記閾値が5
7.474のSUMΔCTである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HEC5、IFI
44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9L
のうちの1つ以上の、前記生体試料と健常対照から得られた生体試料との間の正規化され
た差次的発現のlog2倍率変化の合計(SUMlog2(2^-ddCT))であり、
前記閾値が8.725のSUMlog2(2^-ddCT)である、請求項25に記載の
方法。
【請求項28】
前記組み合わされた発現値が、式I:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^-ddCT
)|(式I)のPOISEスコアであり、前記参照値は、30~40の前記POISEス
コアである、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記参照値が、35のPOISEスコアである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記生体試料が、血液試料又は組織試料である、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
遺伝子発現が、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)若しくはマイクロアレイ、又
はその両方を用いてアッセイされる、請求項30記載の方法。
【請求項32】
遺伝子発現が、mRNAレベルで測定される、請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記IFN-I媒介性疾患が、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、I型糖尿病、乾癬、原発
性シェーグレン病、全身性硬化症、関節リウマチ、移植拒絶反応、皮膚筋炎、多発性筋炎
、エカルディ・グティエール症候群、乳児期発症のSting関連血管障害(SAVI)
、又は脂肪異栄養症及び高温症候群を伴う慢性非定型好中球性皮膚症(CANDLE)で
ある、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(配列表)
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出済みであり、その全体が参照により
本明細書に組み込まれている配列表を含む。2019年10月17日に作成されたASC
IIコピーの名称はJBI6021USNP1_ST25.txtであり、サイズは63
キロバイトである。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、I型インターフェロンシグネチャー及びそれらを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
I型インターフェロン(IFN-I)は、疾患状況に応じて保護的又は有害な効果を示
し得る。例えば、組換えIFN-Iは、様々な癌の処置として利用されている(Medr
anoら、Oncotarget 8:71249-84,2017)、慢性肝炎(Wo
oら、Annals of Translational Medicine 5:15
9,2017)、及び多発性硬化症(Zettlら、Expert Review of
Clinical Immunology、14:137~53、2018)が挙げら
れるが、多くの自己免疫疾患は、この経路の遮断から効果を得ることができる(Musk
ardin and Niewold,Nature Reviews Rheumat
ology 14:214-28,2018)。IFN-I誘導性転写物(例えば、IF
N-Iシグネチャー)の評価は、IFN-Iが役割を果たす早期発症疾患における確立さ
れた疾患又は予防的介入における処置の疾患状態及び/又は有効性の評価を容易にするこ
とができる。したがって、IFN-Iシグネチャーを検出するための高感度の手段を開発
する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、IFN-I阻害剤による処置に応答性であるI型インターフェロン(IFN
-I)媒介性疾患を有する対象を診断及び処置する方法であって:
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合、対象をIFN-I阻害剤による処置に応
答性であるIFN-I媒介性疾患を有すると診断することと;
IFN-I阻害剤による処置に応答性であると診断された対象にIFN-I阻害剤を投
与することと;を含む、方法を提供する。
【0005】
本開示はまた、I型インターフェロン(IFN-I)媒介性疾患を有することが疑われ
るか、又は有する対象をIFN-I阻害剤で処置する方法であって、
対象が上昇したIFN-Iシグネチャーを有することを、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合、対象が上昇したIFN-Iシグネチャー
を有すると判定することによって判定することと;
IFN-I媒介性疾患を処置するために、上昇したIFN-Iシグネチャーを有すると
判定された対象にIFN-I阻害剤を投与することを含む、方法。
【0006】
本開示はまた、対象における上昇したI型インターフェロン(IFN-I)シグネチャ
ーを検出する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合、対象が上昇したIFN-Iシグネチャー
を有すると判定することを含む方法を提供する。
【0007】
本開示はまた、対象におけるベースラインI型インターフェロン(IFN-I)シグネ
チャーを検出する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値未満である場合、対象におけるベースラインIFN-Iシ
グネチャーを検出することを含む、方法。
【0008】
本開示はまた、I型インターフェロン(IFN-I)媒介性疾患を有する対象を診断及
び処置する方法であって、
I型インターフェロン(IFN-I)媒介性疾患を有することが疑われるか、又は有す
る対象から生体試料を得、
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合、対象をIFN-I媒介性疾患と診断する
こと;及び
治療有効量のIFN-I阻害剤を対象に投与することによって、IFN-I媒介性疾患
を有すると疑われる又はIFN-I媒介性疾患を有する対象を処置することを含む、方法
を提供する。
【0009】
本開示はまた、対象がIFN-I媒介性疾患を有することを予測及び/又は診断するた
めのin vitroでの方法であって:
対象から生体試料を得ること;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合に、対象がIFN-I媒介性疾患を有する
ことを予測及び/又は診断することを含む、方法を提供する。
【0010】
本開示はまた、IFN-I阻害剤による処置に対して応答性であるI型インターフェロ
ン(IFN-I)媒介性疾患を有する対象を診断及び処置する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
以下を判定すること、
遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI
6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの正規化された閾値サイクル
(CT)値の合計(SUMΔCT);
生体試料と、1以上の健常対照から得られた生体試料との間の遺伝子DHX58、EI
F2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9
、PLSCR1及びSAMD9L(SUMlog2(2^-ddCT))の正規化された
差次的発現のlog2倍率変化の合計;又は
式Iに従って計算されたPOISEスコア:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^-ddCT
)|(式I);又はそれらの任意の組み合わせ;
SUMΔCTが閾値SUMΔCT値57.474以上である場合、SUMlog2(2
^-ddCT)値が閾値SUMlog2(2^-ddCT)値8.725以上である場合
、又はPOISEスコアが閾値POISEスコア35以上である又はそれらの任意の組み
合わせである場合に、対象がIFN-I阻害剤による治療に反応性であるIFN-I媒介
性疾患を有すると診断すること;
IFN-I阻害剤による処置に応答性であると診断された対象にIFN-I阻害剤を投
与することを含む、方法を提供する。
【0011】
本開示はまた、I型インターフェロン(IFN-I)媒介性疾患を有する対象が、IF
N-I阻害剤による処置に応答性であるかどうかを決定し、対象を処置するかどうかを決
定する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
IFN-I媒介性疾患を有する対象を、組み合わされた発現値が閾値以上である場合、
IFN-I阻害剤による処置に応答性であると診断すること、又は、IFN-I媒介性疾
患を有する対象を、組み合わされた発現値が閾値未満である場合、IFN-I阻害剤によ
る処置に非応答性であると診断することと;
IFN-I阻害剤による処置に対して応答性であると診断された対象にIFN-I阻害
剤を投与すること、又は、IFN-I阻害剤による処置に対して非応答性であると診断さ
れた対象にIFN-I阻害剤を投与することを控えることと;を含む、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】健常及びSLEコホートからの血液中の21個のIFN-誘導性遺伝子の平均倍率変化(ΔΔCT)と平均の標準誤差(SEM)との比較を示す。
【
図1B】I型インターフェロン(IFN-I)シグネチャー発現を評価するために使用される10遺伝子セット(POISE)を同定するプロセスを示す。
【
図2】POISEスコアを偽陽性及び真陽性のIFN-Iシグネチャー試料と相関させるシミュレーション曲線を示す。35のPOISEスコア(矢印)は、90%の真陽性と相関した。
【
図3】対象特有のPOISEスコアと対象特有のSUMΔCTとの間の相関を示す。
【
図4】qPCR試料で算出された、SLE及び健常な対象(HC)におけるPOISEスコアの分布を示す。35のPOISEスコアにより、SLE対象の2つの集団が正しく識別された;健常対照の大部分と比較して上昇したIFN-Iを有するもの及び上昇したIFN-Iシグネチャーを有するもの。
【
図5】POISEスコアと血清IFN-αタンパク質濃度(log(pg/mL))との相関を示しており、これは、POISEスコア(x軸)が、IFN-αタンパク質濃度(y軸)がループス患者又は健常対照の対象の血清においてアッセイ検出可能なレベルに達する前に、上昇したIFN-Iシグネチャーを検出することを示している。
【
図6】JNJ-55920839第1相試験のスクリーニング時のPOISEスコアの分布を示す。部位の地理的記録に基づく、SLE及び健常対象において35を超えるPOISEスコアをIFN-I陽性であり、試験のパートBの登録に必要とみなした。
【
図7】応答状態によるベースラインにおけるPOISEスコアの評価を示す(非レスポンダー:n=10;レスポンダー:n=5;プラセボ、n=8)。応答状態は、100日目のSRI-4に基づいた。
【
図8】プラセボ(各群の左列)及びJNJ-55920839(各群の右列)で処置された対象の4つの二次記述的エンドポイントの100日目の臨床応答を示す。PGA、医師による疾患活性の全体的評価;SLEDAI-2K、全身性紅斑性狼瘡疾患活動性指標2000;SRI、全身性紅斑性狼瘡レスポンダー指数;SRI-4、SRIの4点以上の改善;SRI-50、SLEDAIの改善に対する50%応答速度。
【
図9】投与期間後のJNJ-55920839レスポンダー及び非レスポンダーにおけるPOISEスコアのRNA-Seq評価を示す。GSVA分析を使用した長期的IFN-I中央値スコア遺伝子評価。エラーバーはMADを表す。100日目のSRI-4に基づく応答状態。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に引用される特許及び特許出願を含む(ただしそれらに限定されない)全ての
刊行物は、参照によりそれらの全体が記載されているのと同様に、本明細書に援用される
。
【0014】
本明細書で使用される用語は、実施形態を記載する目的でのみ使用され、限定を意図す
るものではないと理解すべきである。特に断らない限り、本明細書において使用される全
ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって一般的に
理解されているものと同じ意味を有する。
【0015】
本明細書に記載されているものと同様又は同等の任意の方法及び材料を、本開示の試験
を実施するために使用することができるが、例示となる材料及び方法を本明細書に記載す
る。本開示を説明及び特許請求する上で以下の用語が使用される。
【0016】
本明細書及び特許請求の範囲において使用するところの単数形「a」、「and」、及
び「the」は、文脈よりそうでない旨が明確に示されない限り、複数の対象物を含む。
【0017】
文脈上明白に他の意味に解すべき場合を除き、明細書及び特許請求の範囲を通して、単
語「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などは、排他的又は排外的な意味とは
対照的に、包括的な意味で、すなわち、「~を含むがこれらに限定されない」という意味
で解釈されるべきである。
【0018】
「診断すること」又は「診断」は、対象が所与の疾患若しくは症状に罹患しているか、
又は将来所与の疾患若しくは症状を発症し得るかを決定する方法を指す。診断は、典型的
には、診断される疾患の一般的なガイドラインに基づいて医師によって行われる。
【0019】
「処置する」又は「処置」は、治療的処置及び予防的又は防止的処置の両方を指すもの
であり、その目的は、望ましくない生理学的変化又は障害、例えば慢性炎症疾患又は自己
免疫疾患による合併症を予防又は遅延化(緩和)することにある。有益な又は所望の臨床
結果としては、検出可能であろうと又は検出不可能であろうと、症状の緩和、疾患の程度
の軽減、安定した(すなわち、悪化しない)疾患状態、疾患の進行の遅延又は鈍化、疾患
状態の改善又は緩和、及び寛解(部分的であろうと又は全体的であろうと)が挙げられる
。処置を要する者には、既に状態若しくは疾患を有している者、及び、状態若しくは疾患
を有しやすい者、又は状態若しくは疾患を予防しようとする者が含まれる。
【0020】
「対象」は、任意のヒト又は非ヒト動物を含む。「非ヒト動物」としては、あらゆる脊
椎動物、例えば哺乳類及び非哺乳類、例えば非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、
ウシ、ニワトリ、両生類、爬虫類等が挙げられる。用語「対象」及び「患者」は、本明細
書で互換的に使用することができる。
【0021】
「I型インターフェロン」又は「IFN-I」は、IFNAR1及びIFNAR2を含
む共通ヘテロ二量体インターフェロン受容体IFNARに結合する、ヒトインターフェロ
ン-α(IFNα)の全ての天然のサブタイプ及びインターフェロンβ(IFNβ)、イ
ンターフェロンε(IFNε)、インターフェロンω(IFNω)及びインターフェロン
-κ(IFNκ)の1つのサブタイプを指す。種々のIFN-Iタンパク質、IFNAR
1及びIFNAR2のアミノ酸配列は、例エバUNIPROT又はGenbankから回
収可能である。IFN-Iの例示的なアミノ酸配列は、配列番号15のヒトIFNωのも
のである。
【0022】
配列番号15
CDLPQNHGLLSRNTLVLLHQMRRISPFLCLKDRRDFRFP
QEMVKGSQLQKAHVMSVLHEMLQQIFSLFHTERSSAAWNM
TLLDQLHTGLHQQLQHLETCLLQVVGEGESAGAISSPALT
LRRYFQGIRVYLKEKKYSDCAWEVVRMEIMKSLFLSTNMQ
ERLRSKDRDLGSS
【0023】
「I型インターフェロン(IFN-I、媒介性疾患」は、IFN-I誘導性遺伝子転写
物の過剰発現及び/又は血液若しくは組織中の上昇したIFN-Iによって少なくとも部
分的に特徴付けられる疾患を指す。
【0024】
「応答性である」、「応答性」又は「応答しやすい」は、検出可能か又は検出不可能で
あるかにかかわらず、任意の種類の改善又は陽性応答、例えば1つ以上の症状の緩和又は
改善、疾患の程度の減少、安定化された(すなわち悪化していない)疾患状態、疾患の蔓
延の防止、疾患の進行の遅延又は遅延化、疾患状態の改善又は緩和、及び寛解(部分的で
あっても全体的であっても)を指す。
【0025】
「IFN-I阻害剤」、「阻害剤」、又は「アンタゴニスト」は、血液若しくは組織中
のIFN-Iの生物活性を阻害するか、又はIFN-Iシグネチャーを低減する能力を有
する分子である。阻害は、対照と比較して、10%、20%、30%、40%、50%、
60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、
99%又は100%、又は統計的に有意な阻害であり得る。受容体結合時に、IFN-I
は、JAK1及びTYK2の活性化を通じてシグナル伝達カスケードを開始し、STAT
1-6を含むいくつかのSTATファミリーメンバーのリン酸化をもたらす。STAT1
及びSTAT2活性化は、IFN制御因子9(IRF9)との複合体の形成をもたらし、
この複合体は、IFN刺激遺伝子因子3(ISGF3)複合体としても知られ、核内のI
FN刺激応答要素(ISRE)に結合し、IRF7及びCXCL10(IP-10)を含
む多くのインターフェロン刺激遺伝子(ISG)の転写をもたらす。IFN-Iはまた、
v-crk肉腫ウイルスCT10癌遺伝子ホモログ(鳥類)様(CRKL)、マイトジェ
ン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)
を含む他の経路、並びに活性化B細胞の核因子κ軽鎖エンハンサー(NF-κβ)を介し
て細胞機能を調節する。IFN-I阻害剤、例えば、Jak1又はTyk2阻害剤は、上
記のシグナル伝達カスケードの1つ以上を阻害し得る。IFN-I阻害剤はまた、自己免
疫疾患の動物モデル、例えば、糸球体腎炎を含むヒトループスのいくつかの特徴を有する
時間依存性及び雌性偏在性疾患を示すNZB/NZW F1マウスにおける疾患特性を低
下させ得る。IFN-Iの阻害剤はまた、形質細胞様樹状細胞の生存又は機能のモジュレ
ーター及びIFN-I産生を引き起こすことができる自然免疫センチナールのモジュレー
ター、例えばToll様受容体TLR3、TLR7、TLR8、TLR9又はcGAS-
cGAMP-STING経路のモジュレーターを包含する。
【0026】
「IFN-I誘導因子」、「誘導因子」、又は「アゴニスト」は、血液若しくは組織内
のIFN-I生物活性を増強するか、又はIFN-Iシグネチャーを上昇させる能力を有
する分子である。増強は、対照と比較して、10%、20%、30%、40%、50%、
60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、
99%又は100%、又は統計的に有意な阻害であり得る。このようなアゴニストは、J
ak1又はTyk2アゴニストであってもよい。
【0027】
「I型インターフェロンシグネチャー」又は「IFN-Iシグネチャー」は、IFN-
Iにより調節される遺伝子のサブセットの上方調節を指す。種々のIFN-Iシグネチャ
ーは公知であり、少数から数百の遺伝子までの範囲に及び、本明細書に記載される遺伝子
セットを含む。これらのシグネチャーは、例えば、IFN-I媒介性疾患、例えば、全身
性紅斑性狼瘡(SLE)の処置のためのIFN-I阻害剤の標的関与を評価するため及び
、SLE患者の層別化のため、又は、IFN-Iが役割を果たし得る薬物、例えば、1型
糖尿病、多発性硬化症、癌又は感染性疾患の疾患における疾患活動性又は進行を評価する
ための薬力学的マーカーとして使用され得る。
【0028】
「ベースラインIFN-Iシグネチャー」は、1.5以下の集団全体にわたる平均倍率
変化を有するインターフェロン誘導性遺伝子のシグネチャーを指す。
【0029】
本明細書で使用するとき、「遺伝子発現シグネチャー」又は「シグネチャー」は、その
発現が、細胞、組織、器官、生物、又は腫瘍の特定の状態を示す遺伝子群を指す。このシ
グネチャーを構成する遺伝子は、例えば、特定の細胞系統、分化段階、特定の生物学的応
答中又は疾患若しくはその特定のサブタイプで発現し得る。「IFN-Iシグネチャー」
は、「遺伝子発現シグネチャー」に包含される。
【0030】
「生体試料」は、対象から単離された類似の流体、細胞、又は組織並びに、対象の体内
に存在する流体、細胞、又は組織の集合体を指す。代表的な試料は、血液、血清及び漿膜
液、血漿、リンパ液、尿、唾液、嚢胞液、涙液、糞便、喀痰などの体液、分泌組織及び器
官の粘膜からの分泌液、膣分泌液、腹水、胸膜腔、心膜腔、腹膜腔、腹腔、及び他の体腔
の流体、気管支洗浄液によって回収された流体、滑液、対象又は生物源、例えば、細胞及
び器官の培養培地(細胞又は器官の培養上清を含む)、洗浄液などと接触した液体溶液、
組織生検、穿刺吸引、外科的に切除された組織、器官の培養物又は細胞の培養物である。
【0031】
「遺伝子発現」は、遺伝子内にコードされた情報の遺伝子産物(例えば、RNA、タン
パク質)への翻訳を指す。発現した遺伝子には、次いでタンパク質に翻訳されるRNA(
例えば、mRNA)に転写される遺伝子、並びにタンパク質に翻訳されない非コード機能
性RNA(例えば、miRNA、tRNA、rRNA、リボザイム等)に転写される遺伝
子が含まれる。
【0032】
「組み合わされた発現値」は、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IF
I44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1、及びSAMD
9Lの組み合わせなどの、試験遺伝子の組み合わせの発現レベルの値又は数学的表現を指
す。
【0033】
「遺伝子発現レベル」又は「発現レベル」は、試料又は参照標準において所与の遺伝子
によりコードされる1つ以上の産物(例えば、RNA、タンパク質)のレベル(例えば、
量)を指す。発現レベルは、相対的又は絶対的であり得る。
【0034】
本明細書において、「過剰発現」、「過剰発現された」、「上方調節」、「上方調節さ
れた」、「増加した」、「増加」、「増強」、「増強した」、及び「上昇した」は、全て
、基準試料に対する試験試料中の1つ以上の遺伝子又は遺伝子の組み合わせ(例えば、遺
伝子発現シグネチャー)の発現の、統計的に有意な量、又は事前に同定された閾値を上回
る、発現の増加を一般的に意味するように使用される。遺伝子の発現レベルの1.5倍の
増加は、「過剰発現」を示す。
【0035】
「閾値」は、ベースラインIFN-Iシグネチャーを有する対象に対してIFN-Iシ
グネチャーを有する対象を高精度で区別する、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HE
RC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1、
及びSAMD9Lの組み合わせ発現について得られる値を指す。閾値は、遺伝子発現を分
析する方法に応じて、種々の方法によって表され得る。閾値は、例えば、実質的に健常な
対象の集団(例えば、ベースラインIFN-Iシグネチャーを示す対象)から得ることが
できる。閾値は、本明細書に記載される方法を使用して、対象から得られた値との比較を
可能にするために、コンピュータ又はPDAデバイス上の値として記憶されてもよい。閾
値はまた、例えば、IFN-I媒介性疾患の発症前のより早期の時点において、又はIF
N-I阻害剤による処置の開始前に、同一の対象から得てもよい。当業者は、本明細書に
記載される方法と共に使用するための適切な参照試料を決定することができる。
【0036】
「正規化」は、1つ以上の試験遺伝子の発現レベルが、1つ以上の対照遺伝子、例えば
1つ以上のハウスキーピング遺伝子の発現レベルに対して発現される、離散発現レベルデ
ータの操作を指す。例えば、1つ以上のハウスキーピング遺伝子の数値発現レベル値は、
1つ以上の試験遺伝子の数値発現レベル値から差し引いてよく、それにより、複数の試料
間の正規化されたマーカー値の比較又は基準との比較が可能になり得る。
【0037】
「ハウスキーピング遺伝子」は、構成的に発現され、基本的な維持及び必須細胞機能に
必要である転写物及び/又はタンパク質をコードする遺伝子を指す。ハウスキーピング遺
伝子は、一般的に、細胞又は組織依存的な方法で発現されず、多くの場合、所与の生物中
の全ての細胞によって発現されている。ハウスキーピングタンパク質のいくつかの例とし
ては、とりわけ、B2M、TFRC、YWHAZ、RPLO、18S、GUSB、UBC
、TBP、GAPDH、PPIA、POLR2A、ACTB、PGK1、HPRT1、I
PO8又はHMBSが挙げられる。
【0038】
「治療有効量」は、必要な投与量及び期間で所望の治療結果を達成するための有効量を
指す。治療有効量は、個体の病態、年齢、性別、及び体重などの要因、並びに個体におい
て所望の応答を引き出す1つの治療薬又は治療薬の組み合わせの能力によって様々であっ
てよい。有効な1つの治療薬、又は治療薬の組み合わせの例示的な指標としては、例えば
、患者における健康の改善又は対象におけるIFN-Iシグネチャー低下が挙げられる。
【0039】
「約」は、当業者によって決定される特定の値について許容される誤差範囲内であるこ
とを意味し、これは、その値が測定又は決定される方法、すなわち測定システムの制限事
項にある程度依存する。特定のアッセイ、結果、又は実施形態の文脈において実施例又は
明細書のその他の箇所に別途明示的に記載のない限り、「約」は、当該技術分野の実施に
従う1つの標準偏差又は5%までの範囲のいずれか大きい方の範囲内であることを意味す
る。
【0040】
「ポリヌクレオチド」は、糖-ホスフェート骨格、又は他の同等の共有化学反応により
共有結合した、ヌクレオチド鎖を含む合成分子を指す。cDNAは、例示的な合成ポリヌ
クレオチドである。
【0041】
「差次的発現」は、参照試料に対する、試験試料中の1つ以上の遺伝子又は遺伝子の組
み合わせ(例えば、遺伝子発現シグネチャー)の、統計的に有意な量、又は予め同定され
た閾値を上回る変化を指す。遺伝子の発現レベルの1.5の倍率変化は、「差次的発現」
を示す。
【0042】
「ブロック」又は「ブロッキング」は、IFN-IとIFNARとの相互作用を阻害す
る分子を指す。阻害は、対照と比較した場合に、60%、70%、75%、80%、85
%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%、又は統計的に有意
な阻害であり得る。
【0043】
「プラセボ効果」は、検出可能か又は検出不可能であるかにかかわらず、臨床試験に登
録され、試験薬を受容していない対象における、疾患状態の改善、例えば、1つ以上の症
状の緩和又は改善、疾患の程度の減少、疾患の状態の安定化(すなわち、悪化していない
)状態、疾患の蔓延の防止、疾患の進行の遅延又は遅延化、疾患状態の改善又は緩和、及
び寛解(部分的であっても全体的であっても)を指す。
【0044】
「2週間に1回」は、およその数を指し、14日±2日に1回、すなわち、12日毎か
ら16日毎に1回を含むことができる。
【0045】
「DHX58」は、NM_024119(配列番号1)のポリヌクレオチド配列を含む
転写物を生成するヒトDExH-boxヘリカーゼ58遺伝子を指す。配列中、チミン(
t)はウラシル(u)で置換されてもよい。
【0046】
配列番号1
agtttcagtttccatttctgatttctgctctctgcgctg
agcacagcggcaccaggctgagctaagcagggccgccttg
ggcaggcctacgtggtggtgcaggcgagacccaggctggg
caaggcgcagtttcagtttccatcttgggtctctgagctg
agcagagtggcaccaggctgagttaagtgggactgccctg
ggcagacctacctactagagcagaatggagcttcggtcct
accaatgggaggtgatcatgcctgccctggagggcaagaa
tatcatcatctggctgcccacgggtgccgggaagacccgg
gcggctgcttatgtggccaagcggcacctagagactgtgg
atggagccaaggtggttgtattggtcaacagggtgcacct
ggtgacccagcatggtgaagagttcaggcgcatgctggat
ggacgctggaccgtgacaaccctgagtggggacatgggac
cacgtgctggctttggccacctggcccggtgccatgacct
gctcatctgcacagcagagcttctgcagatggcactgacc
agccccgaggaggaggagcacgtggagctcactgtcttct
ccctgatcgtggtggatgagtgccaccacacgcacaagga
caccgtctacaacgtcatcatgagccagtacctagaactt
aaactccagagggcacagccgctaccccaggtgctgggtc
tcacagcctccccaggcactggcggggcctccaaactcga
tggggccatcaaccacgtcctgcagctctgtgccaacttg
gacacgtggtgcatcatgtcaccccagaactgctgccccc
agctgcaggagcacagccaacagccttgcaaacagtacaa
cctctgccacaggcgcagccaggatccgtttggggacttg
ctgaagaagctcatggaccaaatccatgaccacctggaga
tgcctgagttgagccggaaatttgggacgcaaatgtatga
gcagcaggtggtgaagctgagtgaggctgcggctttggct
gggcttcaggagcaacgggtgtatgcgcttcacctgaggc
gctacaatgacgcgctgctcatccatgacaccgtccgcgc
cgtggatgccttggctgcgctgcaggatttctatcacagg
gagcacgtcactaaaacccagatcctgtgtgccgagcgcc
ggctgctggccctgttcgatgaccgcaagaatgagctggc
ccacttggcaactcatggcccagagaatccaaaactggag
atgctggaaaagatcctgcaaaggcagttcagtagctcta
acagccctcggggtatcatcttcacccgcacccgccaaag
cgcacactccctcctgctctggctccagcagcagcagggc
ctgcagactgtggacatccgggcccagctactgattgggg
ctgggaacagcagccagagcacccacatgacccagaggga
ccagcaagaagtgatccagaagttccaagatggaaccctg
aaccttctggtggccacgagtgtggcggaggaggggctgg
acatcccacattgcaatgtggtggtgcgttatgggctctt
gaccaatgaaatctccatggtccaggccaggggccgtgcc
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gtagccgggagctgaagcgggagctgatcaacgaggcgct
ggagacgctgatggagcaggcagtggctgctgtgcagaaa
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agcaggcagccttgaccaagcgggcggcccaggcagccca
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cagctactctgcatcaactgcatggtggctgtgggccatg
gcagcgacctgcggaaggtggagggcacccaccatgtcaa
tgtgaaccccaacttctcgaactactataatgtctccagg
gatcctgtggtcatcaacaaagtcttcaaggactggaagc
ctgggggtgtcatcagctgcaggaactgtggggaggtctg
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ctcaaagtccgcagcatgctgctggagacccctcaggggc
ggatccaggccaaaaagtggtcccgcgtgcccttctccgt
gcctgactttgacttcctgcagcattgtgccgagaacttg
tcggacctctccctggactgaccacctcattgctgcagtg
cccggtttgggctgtagggggcgggagagtctgcagcaga
ctccaggcccctccttcctgaatcatcagctgtgggcatc
aggcccaccagccacacaggagtcctgggcaccctggctt
aggctcccgcaatgggaaaacaaccggagggccagagctt
agtccagacctaccttgtacgcacatagacattttcatat
gcactggatggagttagggaaactgaggcaaaagaatttg
ccatactgtactcagaatcacgacattccttccctaccaa
ggccacttctattttttgaggctcctcataaaaataaatg
aaaaaatgggatagaaaaaaaaaaaaaaaaaa
【0047】
「EIF2AK2」は、NM_001135651(配列番号2)のポリヌクレオチド
配列を含む転写物を生成するヒト真核生物翻訳開始因子2αキナーゼ2遺伝子を指す。配
列中、チミン(t)はウラシル(u)で置換されてもよい。
【0048】
配列番号2
agcagacgagggcttgtgcgagagggggccgggcggctg
cagggaaggcggagtccaaggggaaaacgaaactgagaac
cagctctcccgaagccgcgggtctccggccggcggcggcg
gcggcggcggcggcggcgcagtttctggagcaaattcagt
ttgccttcctggatttgtaaattgtaatgacctcaaaact
ttagcagttcttccatctgactcaggtttgcttctctggc
ggtcttcagaatcaacatccacacttccgtgattatctgc
gtgcattttggacaaagcttccaaccaggatacgggaaga
agaaatggctggtgatctttcagcaggtttcttcatggag
gaacttaatacataccgtcagaagcagggagtagtactta
aatatcaagaactgcctaattcaggacctccacatgatag
gaggtttacatttcaagttataatagatggaagagaattt
ccagaaggtgaaggtagatcaaagaaggaagcaaaaaatg
ccgcagccaaattagctgttgagatacttaataaggaaaa
gaaggcagttagtcctttattattgacaacaacgaattct
tcagaaggattatccatggggaattacataggccttatca
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acagtgtgcatcgggggtgcatgggccagaaggatttcat
tataaatgcaaaatgggacagaaagaatatagtattggta
caggttctactaaacaggaagcaaaacaattggccgctaa
acttgcatatcttcagatattatcagaagaaacctcagtg
aaatctgactacctgtcctctggttcttttgctactacgt
gtgagtcccaaagcaactctttagtgaccagcacactcgc
ttctgaatcatcatctgaaggtgacttctcagcagataca
tcagagataaattctaacagtgacagtttaaacagttctt
cgttgcttatgaatggtctcagaaataatcaaaggaaggc
aaaaagatctttggcacccagatttgaccttcctgacatg
aaagaaacaaagtatactgtggacaagaggtttggcatgg
attttaaagaaatagaattaattggctcaggtggatttgg
ccaagttttcaaagcaaaacacagaattgacggaaagact
tacgttattaaacgtgttaaatataataacgagaaggcgg
agcgtgaagtaaaagcattggcaaaacttgatcatgtaaa
tattgttcactacaatggctgttgggatggatttgattat
gatcctgagaccagtgatgattctcttgagagcagtgatt
atgatcctgagaacagcaaaaatagttcaaggtcaaagac
taagtgccttttcatccaaatggaattctgtgataaaggg
accttggaacaatggattgaaaaaagaagaggcgagaaac
tagacaaagttttggctttggaactctttgaacaaataac
aaaaggggtggattatatacattcaaaaaaattaattcat
agagatcttaagccaagtaatatattcttagtagatacaa
aacaagtaaagattggagactttggacttgtaacatctct
gaaaaatgatggaaagcgaacaaggagtaagggaactttg
cgatacatgagcccagaacagatttcttcgcaagactatg
gaaaggaagtggacctctacgctttggggctaattcttgc
tgaacttcttcatgtatgtgacactgcttttgaaacatca
aagtttttcacagacctacgggatggcatcatctcagata
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aaccagctaccattctaaaactgccatatgattttaggat
ttttaaaaagggccaaatttaggttaagcaaaaaaaaaaa
aaaaaaa
【0049】
「HERC5」は、NM_016323.3(配列番号3)のポリヌクレオチド配列を
含む転写物を生成するE3ユビキチンタンパク質リガーゼ5)遺伝子を含むヒトHECT
及びRLDドメインを指す。配列中、チミン(t)はウラシル(u)で置換されてもよい
。
【0050】
配列番号3
tcagtagctgaggctgcggttccccgacgccacgcagct
gcgcgcagctggttcccgctctgcagcgcaacgcctgagg
cagtgggcgcgctcagtcccgggaccaggcgttctctcct
ctcgcctctgggcctgggaccccgcaaagcggcgatggag
cggaggtcgcggaggaagtcgcggcgcaacgggcgctcga
ccgcgggcaaggccgccgcgacccagcccgcgaagtctcc
gggcgcacagctctggctctttcccagcgccgcgggcctc
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tctgctgctcgccggggcgcctcgcggtcttggaacgcgg
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ggcggcgcccggacgccgaaatgcattaaattaggaaaaa
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tcttcactggttctggaagagtattgggcaactctgcaag
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agctgcacagggtaaaccaggtgaaatgtcaactacctga
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ttttttgtagaagtatgcagaaggtacttgtggaaaatga
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aacgacacaaacttaattcctaatggaagtagcataactg
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ttatcaaattattccaccccgaagaactgaaggatgtgat
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aatgcacgttatgaaccaggatataacagttcacatccca
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gacagactacaaatgaaagatttaaataatatgaaaataa
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tggccggttagaacccgtgactgtattctctcccttggat
acccctatgcctacatcatattccttacctcttttgggaa
atatttttcaaaaataaaataaccgaaaaattaacataaa
a
【0051】
「IFI44」は、NM_006417.4(配列番号4)のポリヌクレオチド配列を
含む転写物を生成するインターフェロン誘導性タンパク質44遺伝子を指す。配列中、チ
ミン(t)はウラシル(u)で置換されてもよい。
【0052】
配列番号4
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cattttgtgcctgcctagctatccagacagagcagctacc
ctcagctctagctgatactacagacagtacaacagatcaa
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cttctctataagggtagtgtccatggattccgtaatggag
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tgccttgagaacttatgaaccatatggatccctggttcaa
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agtccagctttttcaactcagtgaggtctgttttccaagg
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gggatatctgagaagtataggacatactctattagagacg
ggaaagatggcaaatacctgccgtttattctgtgtgactc
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gacatattctatatcttgaacggtaacattcgtgatagat
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tgactacattgattccccatcgctgaaggacagaattcat
tgtgtggcatttgtatttgatgccagctctattcaatact
tctcctctcagatgatagtaaagatcaaaagaattcgaag
ggagttggtaaacgctggtgtggtacatgtggctttgctc
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ttgtagtacttgtaaataactagaaataacatgatttagt
cataattgtgaaaaataataataatttttcttggatttat
gttctgtatctgtgaaaaaataaatttcttataaaactcg
ggtctaaaaaaaaaaaaaaaaaa
【0053】
「IFI44L」は、NM_006820.3(配列番号5)のポリヌクレオチド配列
を含む転写物を生成するインターフェロン誘導性タンパク質44様遺伝子を指す。配列中
、チミン(t)はウラシル(u)で置換されてもよい。
【0054】
配列番号5
aaagttagtggcagttggcatgctgccagctgagttttt
ttgctgctttgagtctcagttttctttctttcctagagtc
tctgaagccacagatctcttaagaactttctgtctccaaa
ccgtggctgctcgataaatcagacagaacagttaatcctc
aatttaagcctgatctaacccctagaaacagatatagaac
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gcggtgggctaagataggtcctactgcaaaccacccctcc
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tttaggcagtaagaaactataaggaaaggagctaacagtc
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tttatgtagtggttaatgtttgctgttcattaggatggtt
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aagccatgaccattgttggttgggagactgaaggtgattg
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cacccaaccctttggtggagcctgaaaaaaatctgggcag
aatgtaggacttctttattttgtttaaaggggtaacacag
agtgcccttatgaaggagttggagatcctgcaaggaagag
aaggagtgaaggagagatcaagagagagaaacaatgagga
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tgacactaagttatcccttttgtgctaaaatggacagtat
tggcaaaatgataccacaacttcttattctctggctctat
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catatttgaaatttaggttaggaaatattggtgaggaggc
ctcaaaaagggggaaacatcttttgtctgggaggatattt
tccattttgtggatttccctgatctttttctaccaccctg
aggggtggtgggaattatcattttgctacattttagaggt
catccaggatttttgaaactttacattctttacggttaag
caagatgtacagctcagtcaaagacactaaattcttctta
gaaaaatagtgctaaggagtatagcagatgacctatatgt
gtgttggctgggagaatatcatcttaaagtgagagtgatg
ttgtggagacagttgaaatgtcaatgctagagcctctgtg
gtgtgaatgggcacgttaggttgttgcattagaaagtgac
tgtttctgacagaaatttgtagctttgtgcaaactcaccc
accatctacctcaataaaatatagagaaaagaaaaataga
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taagtatgttcctttagtcttgcttcctgtgtgccacact
gcccctccacaaccatagctgggggcaattgtttaaagtc
attttgttcccgactagctgccttgcacattatcttcatt
ttcctggaatttgatacagagagcaatttatagccaattg
atagcttatgctgtttcaatgtaaattcgtggtaaataac
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tctttgaaaacctacttataactgttgctaataagaatg
tgtattgttcaggacaacttgtctccatacagttgggttg
taaccctcatgcttggcccaaataaactctctacttatat
cagtttttcctacacttcttccttttaggtcaacaatacc
aagaggggttactgtgctgggtaatgtgtaaacttgtgtc
ttgtttagaaagataaatttaaagactatcacattgcttt
ttcataaaacaagacaggtctacaattaatttattttgac
gcaaattgataggggggccaagtaagccccatatgcttaa
tgatcagctgatgaataatcatctcctagcaacataactc
aatctaatgctaaggtacccacaagatggcaaggctgatc
aaagtcgtcatggaatcctgcaaccaaaagccatgggaat
ttggaagccctcaaatcccattcctaatctgatgagtcta
tggaccaatttgtggaggacagtagattaaatagatctga
tttttgccatcaatgtaaggaggataaaaacttgcatacc
aattgtacacccttgcaaaatctttctctgatgttggaga
aaatgggccagtgagatcatggatatagaagtacagtcaa
tgttcagctgtaccctcccacaatcccacttccttcctca
acacaattcaaacaaatagactcagactgtttcaggctcc
aggacaggaagtgcagtgtaggcaaaattgcaaaaattga
gggcacaggggtggaggtgggggggttgaataacaagctg
tgctaaataattacgtgtaaatatattttttcatttttaa
aaattgatttcttttgcacattccatgacaatatatgtca
catttttaaaataaatgcaaagaagcatacatccaaaaaa
aaaaaaaaaaa
【0055】
「IFI6」は、NM_022873.2(配列番号6)のポリヌクレオチド配列を含
む転写物を生成するインターフェロンα誘導性タンパク質6遺伝子を指す。配列中、チミ
ン(t)はウラシル(u)で置換されてもよい。
【0056】
配列番号6
ccagccttcagccggagaaccgtttactcgctgctgtgc
ccatctatcagcaggctccgggctgaagattgcttctctt
ctctcctccaaggtctagtgacggagcccgcgcgcggcgc
caccatgcggcagaaggcggtatcgcttttcttgtgctac
ctgctgctcttcacttgcagtggggtggaggcaggtgaga
atgcgggtaaggatgcaggtaagaaaaagtgctcggagag
ctcggacagcggctccgggttctggaaggccctgaccttc
atggccgtcggaggaggactcgcagtcgccgggctgcccg
cgctgggcttcaccggcgccggcatcgcggccaactcggt
ggctgcctcgctgatgagctggtctgcgatcctgaatggg
ggcggcgtgcccgccggggggctagtggccacgctgcaga
gcctcggggctggtggcagcagcgtcgtcataggtaatat
tggtgccctgatgggctacgccacccacaagtatctcgat
agtgaggaggatgaggagtagccagcagctcccagaacct
cttcttccttcttggcctaactcttccagttaggatctag
aactttgcctttttttttttttttttttttttgagatggg
ttctcactatattgtccaggctagagtgcagtggctattc
acagatgcgaacatagtacactgcagcctccaactcctag
cctcaagtgatcctcctgtctcaacctcccaagtaggatt
acaagcatgcgccgacgatgcccagaatccagaactttgt
ctatcactctccccaacaacctagatgtgaaaacagaata
aacttcacccagaaaacactt
【0057】
「IRF7」は、NM_004031.3(配列番号7)のポリヌクレオチド配列を含
む転写物を生成するインターフェロン調節因子7遺伝子を指す。配列中、チミン(t)は
ウラシル(u)で置換されてもよい。
【0058】
配列番号7
gagacgaaacttcccgtcccggcggctctggcacccagg
gtccggcctgcgccttcccgccaggcctggacactggttc
aacacctgtgacttcatgtgtgcgcgccggccacacctgc
agtcacacctgtagccccctctgccaagagatccataccg
aggcagcgtcggtggctacaagccctcagtccacacctgt
ggacacctgtgacacctggccacacgacctgtggccgcgg
cctggcgtctgctgcgacaggagcccttacctcccctgtt
ataacacctgaccgccacctaactgcccctgcagaaggag
caatggccttggctcctgagaggtaagagcccggcccacc
ctctccagatgccagtccccgagcgccctgcagccggccc
tgactctccgcggccgggcacccgcagggcagccccacgc
gtgctgttcggagagtggctccttggagagatcagcagcg
gctgctatgaggggctgcagtggctggacgaggcccgcac
ctgtttccgcgtgccctggaagcacttcgcgcgcaaggac
ctgagcgaggccgacgcgcgcatcttcaaggcctgggctg
tggcccgcggcaggtggccgcctagcagcaggggaggtgg
cccgccccccgaggctgagactgcggagcgcgccggctgg
aaaaccaacttccgctgcgcactgcgcagcacgcgtcgct
tcgtgatgctgcgggataactcgggggacccggccgaccc
gcacaaggtgtacgcgctcagccgggagctgtgctggcga
gaaggcccaggcacggaccagactgaggcagaggcccccg
cagctgtcccaccaccacagggtgggcccccagggccatt
cctggcacacacacatgctggactccaagccccaggcccc
ctccctgccccagctggtgacaagggggacctcctgctcc
aggcagtgcaacagagctgcctggcagaccatctgctgac
agcgtcatggggggcagatccagtcccaaccaaggctcct
ggagagggacaagaagggcttcccctgactggggcctgtg
c
tggaggcccagggctccctgctggggagctgtacgggtg
ggcagtagagacgacccccagccccgggccccagcccgcg
gcactaacgacaggcgaggccgcggccccagagtccccgc
accaggcagagccgtacctgtcaccctccccaagcgcctg
caccgcggtgcaagagcccagcccaggggcgctggacgtg
accatcatgtacaagggccgcacggtgctgcagaaggtgg
tgggacacccgagctgcacgttcctatacggccccccaga
cccagctgtccgggccacagacccccagcaggtagcattc
cccagccctgccgagctcccggaccagaagcagctgcgct
acacggaggaactgctgcggcacgtggcccctgggttgca
cctggagcttcgggggccacagctgtgggcccggcgcatg
ggcaagtgcaaggtgtactgggaggtgggcggacccccag
gctccgccagcccctccaccccagcctgcctgctgcctcg
gaactgtgacacccccatcttcgacttcagagtcttcttc
caagagctggtggaattccgggcacggcagcgccgtggct
ccccacgctataccatctacctgggcttcgggcaggacct
gtcagctgggaggcccaaggagaagagcctggtcctggtg
aagctggaaccctggctgtgccgagtgcacctagagggca
cgcagcgtgagggtgtgtcttccctggatagcagcagcct
cagcctctgcctgtccagcgccaacagcctctatgacgac
atcgagtgcttccttatggagctggagcagcccgcctaga
acccagtctaatgagaactccagaaagctggagcagccca
cctagagctggccgcggccgcccagtctaataaaaagaac
tccagaacacgta
【0059】
「PARP9」は、NM_001146102.1(配列番号8)のポリヌクレオチド
配列を含む転写物を生成するポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼファミリーメンバー
9を指す。配列中、チミン(t)はウラシル(u)で置換されてもよい。
【0060】
配列番号8
agagccgcttccccctcctccctgtgctgtctgcaccga
ggagagcggcctgccggaagtgggccaccatatctggaaa
ctacagtctatgctttgaagcgcaaaagggaataaacatt
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tcagaaaacttcaagtgtctccatcacagaaattatcagc
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gtctttatgtcttggggttggggtaggtagataccaaatg
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tctaaaatgatgatagtataaaaatgttaggataacagaa
tgattttagattttccagagaatattataaagtgctttag
gtatgaaaataaatcatctttgtctgattaactggctctg
aaaaaaaaaaaaaaaaaa
【0061】
「PLSCR1」は、NM_021105.2(配列番号9)のポリヌクレオチド配列
を含む転写物を生成するリン脂質スクランブラーゼ1遺伝子を指す。配列中、チミン(t
)はウラシル(u)で置換されてもよい。
【0062】
配列番号9
caccggacaaacgtctctggagtctctccaatgagcaag
aaagcaagtcgggggtaggggaggggcctcacaccagggg
gtgggcgcagtccctcctccagctccttcaccctccagta
gtctcgtgggtccccgagcgccagcgcgggaaccgggaaa
aggaaaccgtgttgtgtacgtaagattcaggaaacgaaac
caggagccgcgggtgttggcgcaaaggttactcccagacc
cttttccggctgacttctgagaaggttgcgcagcagctgt
gcccggcagtctagaggcgcagaagaggaagccatcgcct
ggccccggctctctggaccttgtctcgctcgggagcggaa
acagcggcagccagagaactgttttaatcatggacaaaca
aaactcacagatgaatgcttctcacccggaaacaaacttg
ccagttgggtatcctcctcagtatccaccgacagcattcc
aaggacctccaggatatagtggctaccctgggccccaggt
cagctacccacccccaccagccggccattcaggtcctggc
ccagctggctttcctgtcccaaatcagccagtgtataatc
agccagtatataatcagccagttggagctgcaggggtacc
atggatgccagcgccacagcctccattaaactgtccacct
ggattagaatatttaagtcagatagatcagatactgattc
atcagcaaattgaacttctggaagttttaacaggttttga
aactaataacaaatatgaaattaagaacagctttggacag
agggtttactttgcagcggaagatactgattgctgtaccc
gaaattgctgtgggccatctagaccttttaccttgaggat
tattgataatatgggtcaagaagtcataactctggagaga
ccactaagatgtagcagctgttgttgtccctgctgccttc
aggagatagaaatccaagctcctcctggtgtaccaatagg
ttatgttattcagacttggcacccatgtctaccaaagttt
acaattcaaaatgagaaaagagaggatgtactaaaaataa
gtggtccatgtgttgtgtgcagctgttgtggagatgttga
ttttgagattaaatctcttgatgaacagtgtgtggttggc
aaaatttccaagcactggactggaattttgagagaggcat
ttacagacgctgataactttggaatccagttccctttaga
ccttgatgttaaaatgaaagctgtaatgattggtgcctgt
ttcctcattgacttcatgttttttgaaagcactggcagcc
aggaacaaaaatcaggagtgtggtagtggattagtgaaag
tctcctcaggaaatctgaagtctgtatattgattgagact
atctaaactcatacctgtatgaattaagctgtaaggcctg
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atcttctgtataactgatttataaaggtttttgtacattt
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tttttgcatttattaatgaaacttcctttgaaaaactgct
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ttaatcttcaagaaatcatgctacacttaacttctcctag
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cctagaaaatggtaattgagattactcagatattaattaa
atacaatatcatatatatattcacagagtataaacctaaa
taatgatctattagattcaaatatttgaaataaaaacttg
atttttttgtaaaaaaaaaaaaaaaaaaa
【0063】
「SAMD9L」は、NM_152703.4(配列番号10)のポリヌクレオチド配
列を含む転写物を生成する、ステライルαモチーフドメイン含有9様遺伝子を指す。配列
中、チミン(t)はウラシル(u)で置換されてもよい。
【0064】
配列番号10
gcttctcaactggcactctgacacaccctcagaaagtca
gagtactgggagaacagaagacttcacaatttaatgcctc
agtttttaaaaaaggatccttacacttcatgtctcctagc
catcagaagaggaatgagacagcaaaagttcaaatggcct
gtttcaagtttctgatataaaacgatgacattttcaggaa
aatcctgcatttccagagagagactggctggttaaatttc
tgaaagaggacaccagctaaaagaaggtattgcatctcac
ccgagcagactgtgtctgtggaaagtgtaagccccttgcc
agaagagcagcttcccagcaaaggcagagggtgaaaacag
caaaggtcttaagacactggggacctagagtcaaaaggga
cctcctccagggaaaacgctgtgtgagaaatggcctcatt
cggtgactgtgagtgacacagcagaaagttgggtcattcc
ggctgcttttttgagaagtccctgaagagatcaataacag
caagagggaacctggcaaggaagctattcctataatccag
gaaagagatgaggaaggcttggaccaggtggtagtggtgt
caggtagtcaaatgctgggtatattttgaagatacacccc
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ttctcaacaagtatatcctccggcaaactgaacaaggacc
aagtctgttctgcctacagctctgcttcctcatagctgct
ttccagaacgtgactcttgcaaattatcaagaaaggggaa
ctaatctaagggatccagatcaaacagcctcatgaagact
tattttatgtttctaatataaagatagaagttttcagaaa
agccctgctacacagaggatcagagcaggggtgggcctgc
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gaaagcttagaagacaagatgggaacttattctacacttc
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tgtgcgtatcattcaccctctgattgccctgtactgtcta
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tgtttcatccttaaatagatccttcaggggacagtacaag
cgcatgtgcaggtccaagcaggcaagcacacttttctatc
tgggcaaaaggaagggtctaaacagtattgttcacaaggc
caaaatagagcagtactttgataaagcacaaaatacaaat
tccctctggcacagtggggatgtgtggaaaaaaaatgaag
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caagctaatctctgtagaatatggaacagaggaaaaaata
aaaataccagtaatatctgtttattcaggtccactcagaa
gtggtaggaacatagaaagagtgtctttctacctaggatt
ttccattgaaggccctctggcatatgatatagaagtaatt
taagacaatacatcacctgtagttcaaatacgtttattta
tatctttatgattttattctctctctctattctcatggca
ctttcataacattatggctaacctctaattacagattttg
cttttgcctccctgaatgaattacaagcctttttaagata
tgaaatatgcctacccgcagagcttggcacaaagtggagt
caatcttttaatgttttaaatatgcattttcagactcaaa
taattaagaagtttcattgatatccactggtcacatcata
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cttttataagttttctaaattatttcttcactgtgacagc
aaagatttaaataagatgaatgtaaaagagaaagcttatt
ggactcaaacccacagatccacaccagagttctatttacc
tcatcttggtatcaataaaaacttatgtggaaggtaaata
tattgttccccatccaccacataacactctccccaacaca
cacacacacacacacacacacacacacacacacacacact
ccttgtaccccttgcccttctcccagctcattgctccagg
agagagaagagttcaaaaaataaagtaatcataaacttga
actctctccattctcttgttcccatttacaggtgaatctc
ttcctttaagccatttttgtctcctgtgaatacagcctta
tctccacctgtttcttagatcccatctcccctggcttatt
ttttccattcattaccctctttgttccctttacttctcaa
cctgtgctatatacatgctgttctctctgttgagattgcc
ttatttccatctaacattctctctcctgctattctgattt
gtcattcacaactgatttcaagagtcaccttcaccaggaa
gtcttccttgaccaccatcattcctgcctgattagagggc
ttcctcatggtaatatgtgttctcaagttttcagtgtcaa
ggaatgccatcccagaagctcattctcagatgcacaacag
ccagaacagtctcaagcagcattctagagcttggaattta
agaactacgcattgcctataaagtgaaacataggctaata
tagattaaattgaatattgaataaaaaatatatttattta
tccaca
【0065】
本開示は、POISE(インターフェロンシグネチャー-発現のプロファイル)を利用
してI型インターフェロン(IFN-I)シグネチャーを検出する新しい手段、及びPO
ISEの方法及び使用を提供する。本開示は、少なくとも部分的に、本明細書で開発され
た発現閾値を利用して、対象におけるベースラインと上昇したIFN-Iシグネチャーと
の間で差動するために使用することができる10の遺伝子からなる遺伝子シグネチャーの
同定に基づいている。開発されたIFN-Iシグネチャーは、IFN-Iの下流活性化を
評価すること、ベースライン及び投与後のIFN-Iシグネチャーを評価することによっ
て投与されたIFN-Iアゴニスト又はアンタゴニストの治療有効性を評価すること、上
昇したIFN-Iシグネチャーに基づいて発症前又は発症早期疾患を有する臨床的に無症
候性の対象を同定することの、又は上昇したIFN-Iシグネチャーを有するか若しくは
有する疑いのある対象を診断及び処置する方法等の広範囲の適用において利用し得る。
【0066】
本開示は、上昇したIFN-Iシグネチャーを有する患者を高い信頼性で特定するとい
う課題に対する解決策を提供し、これは、IFN-I阻害剤療法による有意な有効性を達
成するための成功の確率を大幅に高め得ると同時に、そのような療法から効果を得ること
ができない患者への曝露も最小限に抑え得る。本開示はまた、全臨床症状の発症前に、I
FN-I阻害剤療法から効果を得るであろう対象の早期検出及び同定の課題に対する解決
策も提供する。本開示はまた、IFN-Iタンパク質上昇を直接検出する能力の前の、I
FN-Iシグネチャーの好感度検出を提供し、これは、IFN-I媒介性疾患を有する早
期発症及び発症前の患者における治療的及び予防的介入を促進し得る。
【0067】
自己免疫及び慢性炎症性疾患は、身体内に通常及び/又は慢性的に存在する物質及び組
織を標的とする身体の異常な免疫応答を伴い、病理学的症状の発症をもたらす。比較的一
般的な自己免疫及び慢性炎症性疾患の例としては、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、関節リ
ウマチ(RA)、乾癬性関節炎(PA)、及びシェーグレン症候群(SS)が挙げられる
。
【0068】
多くの自己免疫及び慢性炎症性疾患は、臨床的に観察可能な症状に実質的に先行する発
症を示すと広く考えられている。重要なことに、バイオマーカープロファイルの変化は、
典型的には、この事象カスケードにおいて早期に生じ、したがって、疾患発症前のこの進
行の検出を可能にし得る。例えば、IFN-Iは、前臨床SLEで上昇していることが報
告されている(Lu et al.,J Autoimmun 74:182-93,2
016)。
【0069】
多くの自己免疫及び慢性炎症性疾患は、IFN-I誘導性転写物(すなわち、IFN-
Iシグネチャー)の上方調節によって特徴付けられるが、患者におけるIFN-Iシグネ
チャーの程度及び存在は、不均一である。例えば、成人SLE患者のおよそ半分は、血液
及び/又は組織中のIFN-I誘導性転写物の上方調節を示す(Baechler et
al.,Proc Natl Acad Sci U S A 100:2610-1
5,2003;Bennett et al.,J Exp Med 197:711-
23,2003;Dall’eraet al.,Annals of the Rhe
umatic Diseases 64:1692-97,2005)。
【0070】
多くの治療薬は、自己免疫及び慢性炎症性疾患に罹患している患者を処置するために有
効であることが知られており、これらの薬剤の治療効果の少なくとも一部は、IFN-I
産生又はIFN-Iに対する応答を減少させる薬剤の能力に起因すると考えられる。しか
しながら、これらの剤の治療及びIFN-I産生調節効果は、主に、IFN-I過剰産生
を含む自己免疫及び慢性炎症性疾患の臨床症状を既に提示している患者において観察され
ている。
【0071】
例えば、中度ー重度のSLE患者の第2相試験において、アニフロルマブ(抗IFN受
容体鎖1抗体)は、複数の臨床エンドポイントにわたって疾患予後を改善した(Furi
e et al.,Arthritis&Rheumatology、69:376~8
6、2017)が、この試験からのデータの事後分析は、IFN-Iシグネチャーの高い
ベースライン発現を有する患者の方が低いシグネチャーを有する患者よりも有効性応答が
大きかったことを示した。
【0072】
したがって、上昇したIFN-Iシグネチャーを有する患者を同定する能力は、IFN
-I調節療法による有意な有効性を達成するための成功の確率を大幅に増加させる一方で
、そのような治療から効果を得ることができない患者への曝露も最小限に抑え得る。
【0073】
本開示は、IFN-I阻害剤による処置に応答性であるI型インターフェロン(IFN
-I)媒介性疾患を有する対象を診断及び処置する方法であって:
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合、対象をIFN-I阻害剤による処置に応
答性であるIFN-I媒介性疾患を有すると診断することと;
IFN-I阻害剤による処置に応答性であると診断された対象にIFN-I阻害剤を投
与することを含む、方法を提供する。
【0074】
本開示はまた、IFN-I阻害剤を有するI型インターフェロン(IFN-I)媒介性
疾患を有することが疑われる対象を処置する方法であって、
対象が上昇したIFN-Iシグネチャーを有することを、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合、対象が上昇したIFN-Iシグネチャー
を有すると判定することによって判定することと;
IFN-I媒介性疾患を処置するために、上昇したIFN-Iシグネチャーを有すると
判定された対象にIFN-I阻害剤を投与することを含む、方法を提供する。
【0075】
本開示はまた、対象における上昇したI型インターフェロン(IFN-I)シグネチャ
ーを検出する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合、対象が上昇したIFN-Iシグネチャー
を有すると判定することを含む方法を提供する。
【0076】
本開示はまた、対象におけるベースラインI型インターフェロン(IFN-I)シグネ
チャーを検出する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値未満である場合、対象におけるベースラインIFN-Iシ
グネチャーを検出することを含む、方法を提供する。
【0077】
本開示はまた、上昇したI型インターフェロン(IFN-I)シグネチャーを有する対
象を同定する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合に、上昇したIFN-Iシグネチャーを有
する対象を同定することとを含む、方法を提供する。
【0078】
本開示はまた、I型インターフェロン(IFN-I)媒介性疾患を有する対象が、IF
N-I阻害剤による処置に応答性であるかどうかを決定し、対象を処置するかどうかを決
定する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
IFN-I媒介性疾患を有する対象を、組み合わされた発現値が閾値以上である場合、
IFN-I阻害剤による処置に応答性であると診断すること、又は、IFN-I媒介性疾
患を有する対象を、組み合わされた発現値が閾値未満である場合、IFN-I阻害剤によ
る処置に非応答性であると診断することと;
IFN-I阻害剤による処置に対して応答性であると診断された対象にIFN-I阻害
剤を投与すること、又は、IFN-I阻害剤による処置に対して非応答性であると診断さ
れた対象にIFN-I阻害剤を投与することを控えることを含む、方法を提供する。
【0079】
本開示はまた、対象がIFN-I媒介性疾患を有することを予測及び/又は診断するた
めのin vitro方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合に、対象がIFN-I媒介性疾患を有する
ことを予測及び/又は診断することと;を含む、方法を提供する。
【0080】
本開示はまた、臨床試験においてプラセボ効果を低減する方法であって、
臨床試験に登録されていると考えられる対象からの生体試料を提供し;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合に対象を臨床試験に登録し、組み合わされ
た発現値が閾値未満である場合、対象を臨床試験に登録することを控え、それによってプ
ラセボ効果を低減することを含む、方法を提供する。
【0081】
実施例に記載の臨床試験では、プラセボ応答は観察されなかった。いずれの特定の理論
に縛られることを望むものではないが、観察により、ベースラインにおいて高いIFN-
Iシグネチャーを有するSLE対象が、臨床試験(trila)の間にプラセボ対象が受け続
ける標準的な治療療法に応答性が低いことを示唆する。したがって、ベースラインにおい
てIFN-Iシグネチャーの上昇を有する参加者を濃縮することが、SLE試験における
プラセボ応答を最小化するための戦略であり得る。
【0082】
いくつかの実施形態において、対象は、IFN-I媒介性疾患を有する。
【0083】
いくつかの実施形態において、対象は、IFN-I媒介性疾患の家族歴を有する。
【0084】
いくつかの実施形態において、対象は、IFN-I媒介性疾患の1つ以上の臨床症状を
有するが、IFN-I阻害剤による処置に適格ではない。
【0085】
いくつかの実施形態において、対象は、自己免疫疾患を有する。
【0086】
いくつかの実施形態では、対象は、癌を有する。
【0087】
いくつかの実施形態において、対象は、癌治療薬で処置されている。
【0088】
いくつかの実施形態において、対象は、感染性疾患を有する。
【0089】
いくつかの実施形態において、対象は、感染性疾患に対する薬物で処置されている。
【0090】
本開示はまた、IFN-I阻害剤により、I型インターフェロン(IFN-I)媒介性
疾患を有することが疑われるか又は有する対象を処置する方法であって、
対象が上昇したIFN-Iシグネチャーを有することを、
対象から生体試料を得ること;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合、対象が上昇したIFN-Iシグネチャー
を有すると判定することによって判定することと;
IFN-I媒介性疾患を処置するために、上昇したIFN-Iシグネチャーを有すると
判定された対象にIFN-I阻害剤を投与することを含む、方法を提供する。
【0091】
本開示はまた、IFN-I阻害剤による処置に応答性であるI型インターフェロン(I
FN-I)媒介性疾患を有する対象を診断及び処置する方法であって、
I型インターフェロン(IFN-I)媒介性疾患を有することが疑われるか又は有する
対象から生体試料を得ることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合、対象をIFN-I媒介性疾患を用いて診
断することと、
治療有効量のIFN-I阻害剤を対象に投与することによって、IFN-I媒介性疾患
を有することが疑われるか又は有する対象を処置することを含む、方法を提供する。
【0092】
本開示はまた、IFN-I阻害剤で処置するためのI型インターフェロン(IFN-I
)媒介性疾患を有する対象の応答を予測する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合に対象をレスポンダーと予測し、組み合わ
された発現値が閾値未満である場合に対象をレスポンダーと予測することを含む、方法を
提供する。
【0093】
本開示はまた、IFN-I阻害剤による処置に応答性であるI型インターフェロン(I
FN-I)媒介性疾患を有する対象を処置する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合、対象をIFN-I阻害剤で処置すること
と、を含む、方法を提供する。
【0094】
本開示はまた、I型インターフェロン(IFN-I)媒介性疾患を有する対象が、IF
N-I阻害剤による処置に応答性であるかどうかを決定し、対象を処置するかどうかを決
定する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
IFN-I媒介性疾患を有する対象を、組み合わされた発現値が閾値以上である場合、
IFN-I阻害剤による処置に応答性であると診断すること、又は、IFN-I媒介性疾
患を有する対象を、組み合わされた発現値が閾値未満である場合、IFN-I阻害剤によ
る処置に非応答性であると診断することと;
IFN-I阻害剤による処置に対して応答性であると診断された対象にIFN-I阻害
剤を投与すること、又は、IFN-I阻害剤による処置に対して非応答性であると診断さ
れた対象にIFN-I阻害剤を投与することを控えることを含む、方法を提供する。
【0095】
本開示はまた、IFN-I阻害剤を用いて対象を処置する方法であって、ここで、IF
N-I阻害剤による処置に応答性であるI型インターフェロン(IFN-I媒介性疾患を
有し、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
以下、
遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI
6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの正規化された閾値サイクル
(CT)値の合計(SUMΔCT);
遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI
6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9L(SUMlog2(2^-d
dCT))の1つ以上の健常対照から得られた生体試料との間の正規化された差次的発現
のlog2倍率変化の合計;並びに/又は
式Iに従って計算されたPOISEスコア:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^-ddCT
)|(式I);又はそれらの任意の組み合わせを判定し;
SUMΔCTが閾値SUMΔCT値57.474以上である場合、SUMlog2(2
^-ddCT)値が閾値SUMlog2(2^-ddCT)値8.725以上である場合
、又はPOISEスコアが閾値POISEスコア35以上である場合に、IFN-I媒介
性疾患を有する対象をIFN-I阻害剤で処置するステップを含み、あるいはそれらの任
意の組み合わせである。
【0096】
本開示はまた、IFN-I阻害剤で処置するためのI型インターフェロン(IFN-I
)媒介性疾患を有する対象の応答を予測する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
以下、
遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI
6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの正規化された閾値サイクル
(CT)値の合計(SUMΔCT);
遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI
6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9L(SUMlog2(2^-d
dCT))の1つ以上の健常対照から得られた生体試料との間の正規化された差次的発現
のlog2倍率変化の合計;並びに/又は
式Iに従って計算されたPOISEスコア:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^-ddCT
)|(式I);又はそれらの任意の組み合わせを判定し;
SUMΔCTが57.474の閾値SUMΔCT値以上であるときに対象をレスポンダ
ーとして予測することは、SUMlog2(2^-ddCT)値が8.725の閾値SU
Mlog2(2^-ddCT)値以上である場合、又はPOISEが35の閾値POIS
Eスコア以上であることを含む、あるいはそれらの任意の組み合わせである。
【0097】
本開示はまた、それぞれ配列番号11、12、13、14、15及び16の重鎖可変領
域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖可変領域1(LCDR1)、LCD
R2及びLCDR3、例えば配列番号17の重鎖可変領域(VH)及び配列番号18の軽
鎖可変領域(VL)、例えば配列番号19の重鎖(HC)及び配列番号20の軽鎖(LC
)を含むI型インターフェロンに結合するアンタゴニスト抗体で対象を処置する方法であ
って、ここで、対象が、抗体による処置に対して応答性であるI型インターフェロン(I
FN-I)媒介性疾患を有し、方法が、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
以下、
遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI
6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの正規化された閾値サイクル
(CT)値の合計(SUMΔCT);
生体試料と遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44
L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの1つ以上の健常
対照から得られた生体試料との間の正規化された差次的発現のlog2倍率変化の合計(
SUMlog2(2^-ddCT));並びに/又は
式Iに従って計算されたPOISEスコア:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^-ddCT
)|(式I);又はそれらの任意の組み合わせを判定し;
SUMΔCTが閾値SUMΔCT値57.474以上である場合、SUMlog2(2
^-ddCT)値が閾値SUMlog2(2^-ddCT)値8.725以上である場合
、又はPOISEスコアが閾値POISEスコア35以上である場合に、IFN-I媒介
性疾患を有する対象をIFN-I阻害剤で処置するステップを含み、あるいはそれらの任
意の組み合わせである。
【0098】
本開示はまた、それぞれ配列番号11、12、13、14、15及び16の重鎖可変領
域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖可変領域1(LCDR1)、LCD
R2及びLCDR3、例えば配列番号17の重鎖可変領域(VH)及び配列番号18の軽
鎖可変領域(VL)、例えば配列番号19の重鎖(HC)及び配列番号20の軽鎖(LC
)を含むI型インターフェロンに結合するアンタゴニスト抗体で対象を処置する方法であ
って、ここで、対象が、抗体による処置に対して応答性であるI型インターフェロン(I
FN-I)媒介性疾患を有し、方法は、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
以下、
遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI
6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの正規化された閾値サイクル
(CT)値の合計(SUMΔCT);
遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI
6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9L(SUMlog2(2^-d
dCT))の1つ以上の健常対照から得られた生体試料との間の正規化された差次的発現
のlog2倍率変化の合計;並びに/又は
式Iに従って計算されたPOISEスコア:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^-ddCT
)|(式I);又はそれらの任意の組み合わせを判定し;
SUMΔCTが閾値SUMΔCT値57.474以上である場合、SUMlog2(2
^-ddCT)値が閾値SUMlog2(2^-ddCT)値8.725以上である場合
、又はPOISEスコアが閾値POISEスコア35以上である場合に、対象をレスポン
ダーと予測するステップを含む、あるいはそれらの任意の組み合わせである。
【0099】
いくつかの実施形態において、本開示の方法は、遺伝子DHX58、EIF2AK2、
HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR
1及びSAMD9Lの遺伝子発現を、対照遺伝子の発現レベルに正規化するステップを含
む。
【0100】
いくつかの実施形態に置いて、対照遺伝子はハウスキーピング遺伝子である。
【0101】
いくつかの実施形態において、ハウスキーピング遺伝子は、B2M,TFRC、YWH
AZ、RPLO、18S,GUSB、UBC、TBP、GAPDH、PPIA、POLR
2A、ACTB、PGK1、HPRT1、IPO8又はHMBSである。
【0102】
いくつかの実施形態において、ハウスキーピング遺伝子は、ACTB、B2M及びGA
PDHを含む。
【0103】
いくつかの実施形態において、組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2
AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、P
LSCR1及びSAMD9Lの正規化された閾値サイクル(CT)値の合計(SUMΔC
T)である。
【0104】
いくつかの実施形態において、閾値は57.474のSUMΔCTである。
【0105】
いくつかの実施形態において、組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2
AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、P
LSCR1及びSAMD9Lのうちの1つ以上の、生体試料と健常対照から得られた生体
試料との間の正規化された差次的発現のlog2倍率変化の合計(SUMlog2(2^
-ddCT))である。
【0106】
いくつかの実施形態において、閾値は、8.725のSUMlog2(2^-ddCT
)である。
【0107】
いくつかの実施形態において、組み合わされた発現値が、式I:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^-ddCT
)|(式I)のPOISEスコアである。
【0108】
いくつかの実施形態において、参照値は、30~40のPOISEスコアである。
【0109】
いくつかの実施形態において、参照値は、35のPOISEスコアである。
【0110】
いくつかの実施形態において、上昇したIFN-Iシグネチャーを検出する感度及び偽
陽性率は、それぞれ約90%約15%である。
【0111】
いくつかの実施形態において、上昇したIFN-Iシグネチャーを検出する感度及び偽
陽性率は、それぞれ約82%約10%である。
【0112】
いくつかの実施形態において、上昇したIFN-Iシグネチャーを検出する感度及び偽
陽性率は、それぞれ約98%約30%である。
【0113】
本開示はまた、IFN-I阻害剤による処置に応答性であるI型インターフェロン(I
FN-I媒介性疾患を有する対象を診断及び処置する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
以下、
遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI
6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの正規化された閾値サイクル
(CT)値の合計(SUMΔCT);
生体試料と、健常対照から得られた生体試料との間の遺伝子DHX58、EIF2AK
2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLS
CR1及びSAMD9Lの1つ以上の正規化された差次的発現のlog2倍率変化の合計
(SUMlog2(2^-ddCT));又は
式Iに従って計算されたPOISEスコア:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^-ddCT
)|(式I);又はそれらの任意の組み合わせを判定し;
SUMΔCTが閾値SUMΔCT値57.474以上である場合、SUMlog2(2
^-ddCT)値が閾値SUMlog2(2^-ddCT)値8.725以上である場合
、又はPOISEスコアが閾値POISEスコア35以上である場合に、又はそれらの任
意の組み合わせである場合に、対象をIFN-I阻害剤による処置に応答性であるIFN
-I媒介性疾患を有すると診断し、
IFN-I阻害剤による処置に応答性であると診断された対象にIFN-I阻害剤を投
与することを含む、方法を提供する。
【0114】
いくつかの実施形態において、生体試料が、血液試料又は組織試料である。
【0115】
いくつかの実施形態において、遺伝子発現が、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR
)又はマイクロアレイ、又はその両方を使用してアッセイされる。
【0116】
いくつかの実施形態において、遺伝子発現が、mRNAレベルで測定される。
【0117】
いくつかの実施形態において、遺伝子発現が、対象がIFN-I阻害剤を投与された1
日以上後に測定される。
【0118】
いくつかの実施形態において、遺伝子発現が、対象がIFN-I阻害剤を投与された、
2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13又は14日後に測定される。
【0119】
いくつかの実施形態において、遺伝子発現が、対象が最初にIFN-I阻害剤を投与さ
れた1日以上後に測定される。
【0120】
いくつかの実施形態において、遺伝子発現が、対象が最初にIFN-I阻害剤を投与さ
れた、2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,
17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,3
0,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43
,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,
57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,7
0,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83
,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,
97,98,99,100後に測定される。
【0121】
いくつかの実施形態において、IFN-I媒介性疾患が、SLE、I型糖尿病、乾癬、
原発性シェーグレン病、全身性硬化症、関節リウマチ、移植拒絶反応、皮膚筋炎、多発性
筋炎、エカルディ・グティエール症候群、乳児期発症のSting関連血管障害(SAV
I)、又は脂肪異栄養症及び高温症候群を伴う慢性非定型好中球性皮膚症(CANDLE
)である。
【0122】
いくつかの実施形態において、IFN-I媒介性疾患はSLEである。いくつかの実施
形態において、IFN-I媒介性疾患はI型糖尿病である。いくつかの実施形態において
、IFN-I媒介性疾患は原発性シェーグレン病である。いくつかの実施形態において、
IFN-I媒介性疾患は全身性硬化症である。いくつかの実施形態において、IFN-I
媒介性疾患は関節リウマチである。いくつかの実施形態において、IFN-I媒介性疾患
は皮膚筋炎である。いくつかの実施形態において、IFN-I媒介性疾患は多発性筋炎で
ある。いくつかの実施形態において、IFN-I媒介性疾患は、エカルディ・グティエー
ル症候群である。いくつかの実施形態では、IFN-I媒介性疾患は、乳児期発症のSt
ing関連血管障害(SAVI)である。いくつかの実施形態において、IFN-I媒介
性疾患は、脂肪異栄養症及び高温症候群を伴う慢性非定型好中球性皮膚症(CANDLE
)である。
【0123】
いくつかの実施形態において、SLEは、ループス腎炎、皮膚ループス又は中枢神経系
(CNS)症状を伴うループスである。
【0124】
いくつかの実施形態において、IFN-I阻害剤は、IFNARとのIFN-Iの相互
作用を遮断する分子であり、I型インターフェロンに結合するアンタゴニスト抗体、IF
NARに結合するアンタゴニスト抗体、Tyk2、Jak1、TLR3、TLR7、TL
R8、TLR9、STINGの阻害剤、又は形質細胞様樹状細胞のモジュレーター又は枯
渇剤、又は核酸を分解する剤である。
【0125】
いくつかの実施形態において、I型インターフェロンは、IFN-α、IFN-β、I
FN-ε、IFN-ω、又はIFN-κである。
【0126】
いくつかの実施形態において、形質細胞様樹状細胞のモジュレーター又は枯渇剤は、B
DCA2、CD123又はILT7/FcεRIγ複合体に結合する抗体である。
【0127】
いくつかの実施形態において、抗BDCA2抗体は、BIIB059である。
【0128】
いくつかの実施形態において、抗CD123抗体は、SL-501、SL-101、I
MGN-632、IM-23、CSL-362(タラコツズマブ)、又はSM-401で
ある。
【0129】
いくつかの実施形態において、抗ILT7抗体は、例えばMEDI7734である。
【0130】
いくつかの実施形態において、核酸を分解する剤は組換えヌクレアーゼである。
【0131】
いくつかの実施形態において、IFN-Iに結合するアンタゴニスト抗体が、
配列番号11の重鎖可変領域1(HCDR1)、配列番号12のHCDR2、配列番号
13のHCDR3、配列番号14の軽鎖可変領域1(LCDR1)、アミノ酸配列GAS
を含むLCDR2、及び配列番号16のLCDR3;
配列番号17の重鎖可変領域(VH)及び配列番号18の軽鎖可変領域(VL)、又は
配列番号19の重鎖(HC)及び配列番号20の軽鎖(LC)、又はその任意の組み合
わせを含む。GASは、周知のように、アミノ酸グリシン、アラニン及びセリンを指す。
【0132】
いくつかの実施形態において、IFN-Iに結合するアンタゴニスト抗体が、約10m
g/kgの用量で投与される。
【0133】
いくつかの実施形態において、IFN-Iに結合するアンタゴニスト抗体が、2週間毎
に1回、約10mg/kgの用量で投与される。
【0134】
いくつかの実施形態において、IFN-Iに結合するアンタゴニスト抗体が、PF06
823859である。
【0135】
いくつかの実施形態において、IFN-Iに結合するアンタゴニスト抗体が、AGS-
009である。
【0136】
いくつかの実施形態において、IFN-Iに結合するアンタゴニスト抗体が、ロタリズ
マブである。
【0137】
いくつかの実施形態において、IFNARに結合するアンタゴニスト抗体が、
それぞれ配列番号21、22、23、24、25及び26の重鎖可変領域1(HCDR
1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖可変領域1(LCDR1)、LCDR2及びLCD
R3;
配列番号27の重鎖可変領域(VH)及び配列番号28の軽鎖可変領域(VL)、並び
に/又は
配列番号29の重鎖(HC)及び配列番号30の軽鎖(LC)を含む。(アニフロルマ
ブ)。
【0138】
HCDR1(配列番号11)
GYSFTSYW
HCDR2(配列番号12)
IDPSDSDT
HCDR3(配列番号13)
ARHPGLNWAPDFDY
LCDR1(配列番号14)
QSIDNSY
LCDR2
GAS
LCDR3(配列番号16)
QQGYDFPLT
配列番号17
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQ
MPGKGLEWMGIIDPSDSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTA
YLQWSSLKASDTAMYYCARHPGLNWAPDFDYWGQGTLVTV
SS
配列番号18
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSIDNSYLNWYQQ
KPGKAPKLLIYGASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSL
QPEDFATYYCQQGYDFPLTFGQGTKVEIK
配列番号19
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQ
MPGKGLEWMGIIDPSDSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTA
YLQWSSLKASDTAMYYCARHPGLNWAPDFDYWGQGTLVTV
SSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVT
VSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGT
QTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELL
GGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKF
NWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLN
GKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSR
DELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTP
PVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNH
YTQKSLSLSPGK
配列番号20
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSIDNSYLNWYQQ
KPGKAPKLLIYGASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSL
QPEDFATYYCQQGYDFPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIF
PPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGN
SQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTH
QGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号21
NYWIA
配列番号22
IIYPGDSDIRYSPSFQG
配列番号23
HDIEGFDY
配列番号24
RASQSVSSSFFA
配列番号25
GASSRAT
配列番号26
QQYDSSAIT
配列番号27
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYIFTNYWIAWVRQ
MPGKGLESMGIIYPGDSDIRYSPSFQGQVTISADKSITTA
YLQWSSLKASDTAMYYCARHDIEGFDYWGRGTLVTVSS
配列番号28
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSFFAWYQQ
KPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRLSGSGSGTDFTLTITRL
EPEDFAVYYCQQYDSSAITFGQGTRLEIK
配列番号29
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYIFTNYWIAWVRQ
MPGKGLESMGIIYPGDSDIRYSPSFQGQVTISADKSITTA
YLQWSSLKASDTAMYYCARHDIEGFDYWGRGTLVTVSSAS
TKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN
SGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYI
CNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPEFEGGPS
VFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYV
DGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEY
KCKVSNKALPASIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMT
KNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLD
SDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQK
SLSLSPGK
配列番号30
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSFFAWYQQ
KPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRLSGSGSGTDFTLTITRL
EPEDFAVYYCQQYDSSAITFGQGTRLEIKRTVAAPSVFIF
PPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGN
SQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTH
QGLSSPVTKSFNRGEC
【0139】
いくつかの実施形態において、Tyk2阻害剤は、PF-06263276、SGI-
1252、ARYY-111、UR-67767、TD-1473、PF-068266
47、PF-06700841、PF-04965842、BMS-986165、SA
R-20347、OST-246又はOST-122である。
【0140】
いくつかの実施形態において、Jak1阻害剤は、ATI-50001、LAS194
046、TD-1473、ルキソリチニブ、BMT-1438、GLPG-0555、P
F-04965842である。バリシチニブ、GSK-899、マレイン酸フィルゴチニ
ブ、INCB-47986、SGI-1252、ATI-50002、VR-588、ト
ファシチニブ、R-256、ソルシチニブ、イタシチニブ、INCB-054707、ト
ファシチニブ、INCB-16562、SHR-0302、NIP-565、モメロチニ
ブ、ペフィシチニブ、ウパダシチニブ、CT-15300、BS-HH-002、SAR
-20347、PF-06700841、PF-06263276、ABBV-599又
はINCB-052793。
【0141】
いくつかの実施形態において、TLR7阻害剤は、JB-6121、IMO-8400
、IMO-9200、CPG-52364、IRS-954、DV-1079、DV-1
179、E-6742、又はE-6887である。
【0142】
いくつかの実施形態において、TLR8阻害剤は、JB-6121、VTX-763、
IMO-8400、IMO-9200、CPG-52364、IMO-3100、E-6
742、又はE-6887である。
【0143】
いくつかの実施形態において、TLR9阻害剤は、E-6446、JB-6121、G
NKS-356、IMO-9200、IMO-8400、CPG-52364、IMO-
3100、IRS-954、DV-1079、DV-1179又はアリカフォルセンであ
る。
【0144】
I型IFN及びIFN-Iシグネチャー
ヒトにおいて、IFN-ωは、12のIFN-αタンパク質サブタイプと、IFN-β
、IFN-ε、IFN-κ及びIFN-に対する単一機能タンパク質とから構成される。
IFN-I誘導は、ステライルリガンド及び微生物リガンドの両方に応答して生じ、この
サイトカインのファミリーは全て、遍在的に発現されるヘテロ二量体受容体(IFNAR
)を介してシグナルを伝達し、抗ウイルス効果、抗増殖効果及び免疫調節効果をもたらす
。したがって、組換えIFN-Iは、感染性及び腫瘍学的適応症の両方を処置するために
診療所で利用されており、より最近では、この経路に対するアンタゴナイズするためのア
プローチが、自己免疫適応症のために開発されている。IFN-Iへの細胞の曝露は、こ
れらの多能性効果に関与する遺伝子産物を最終的にコードする数百のIFN-I誘導性転
写物の発現を誘導する。
【0145】
IFN-Iによって誘導される転写物の広範な多様性を考慮すると、いくつかの転写シ
グネチャーが文献において報告されており、複数のIFN-Iリガンドの直接的な検出の
ための代用物として利用されている。21の上方調節された遺伝子からなる例示的なIF
N-Iシグネチャーは、Yaoet al.ヒトGenomics及びProteomi
cs:HGP 2009に記載されている。他の例示的なIFN-Iシグネチャーは、T
cherepanova et al.,Annals of the Rheumat
ic Diseases 71(Suppl3)(2012)及びRichardson
et al.,ACR/ARHP 2012 Annual Meeting Abst
ract 620(2012)に記載されている。
【0146】
IFN-I誘導性転写物の更なるセットの同定及びヒト血液又は組織試料における上昇
したIFN-Iシグネチャーを感度よく定量するためのそれらの適用は、現在の最新技術
における改善を可能にし、IFN-Iによって介在される疾患を有する患者を選択するた
めのより正確なアプローチを可能にし、したがって、IFN-I媒介性疾患を有し得ない
この経路を調節する薬剤への曝露を最小化し、発症前の自己免疫対象における予防的介入
を容易にする。これは、この疾患で見られる臨床試験の失敗の長いリストに反映されるよ
うに、満たされていないニーズが高く、実質的な不均一性があるループスなどの自己免疫
疾患にとって特に重要である。
【0147】
本開示は、ヒト患者試料及び機械学習を使用して同定された新規IFN-Iシグネチャ
ーを提供し、ヒト患者試料におけるIFN-Iシグネチャーを定量化するためのその適用
について更に記載する。作成されたIFN-Iシグネチャーは、患者血清中のIFN-I
タンパク質の直接検出よりも感度が高く、それによって、依然として無症候性又は部分的
な症候性対象の同定を可能にした。
【0148】
遺伝子発現の測定方法
遺伝子発現レベルは、公知の方法を用いてRNAレベルで測定し得る。全RNAand
/又はmRNAは、周知の方法を用いて血液等の生体試料から単離し得る。
【0149】
遺伝子発現を解析する方法は周知であり、ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション
に基づく方法、ポリヌクレオチドの配列決定に基づく方法及びプロテオミクスに基づく方
法が挙げられる。試料中のmRNA発現は、ノーザンブロット法又はインサイチュハイブ
リダイゼーション、RNAse保護アッセイ、マイクロアレイ又はPCRベースの方法、
例えば、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)、続く定量的PCR(qPCR)
が挙げられる。RT-PCRステップは、典型的には、発現プロファイリングの状況及び
目的に応じて、特異的プライマー、ランダムヘキサマー又はオリゴ-dTプライマーを使
用してプライミングされる。例えば、抽出したRNAは、製造者の指示に従って、Gen
eAmp RNA PCRキット(Perkin Elmer,Calif.,USA)
を使用して逆転写され得る。次いで、生成されたcDNAを、後続のqPCR反応におけ
るテンプレートとして使用することができる。例示的な方法では、全RNAは、Qiag
enからのPAXgene Blood RNAチューブ及びRNA単離キットを使用し
て被験者の血液試料から単離され、続いてQiagen製等の市販のキットを使用してc
DNAに逆転写する。遺伝子発現プロファイリングは、Qiagenから市販されている
カスタム又は既製のRT2 Profiler PCRアレイを使用して実施することが
でき、アレイは、RNA試料品質、データ正規化、及びゲノムDNA汚染検出のためのエ
レメントを組み込んでいる。
【0150】
誤差及び試料間変動の影響を最小化するために、qPCRは、種々の組織にわたって一
定レベルで発現された内部標準を使用して実施し得る。遺伝子発現のパターンを正規化す
るために一般的に使用されるRNAは、ACTB、B2M及びGAPDH等の1つ以上の
ハウスキーピング遺伝子についてのmRNAである。
【0151】
qPCR結果のデータ解析は、ΔCT又はΔΔCT法、試験試料中の試験遺伝子の生デ
ータを試験試料中の1つ以上のハウスキーピング遺伝子の発現への正規化すること(ΔC
T)、及び/又は試験試料中の試験遺伝子の正規化された発現を対照試料における同じ試
験遺伝子の正規化された発現と比較すること(ΔΔCT)に基づいていてもよい。場合に
よっては、遺伝子発現レベルは、試験試料対、対照試料で倍率変化(例えば、2^-ΔΔ
CT)、あるいはlog2倍率変化(例えば、log2(2^-ddCT))として表す
ことができる。場合によっては、遺伝子の組み合わせの発現レベルを分析する際に、種々
の発現値の合計を分析してもよい(例えば、SUMΔCT;SUMΔΔCT;SUM2^
-ΔΔCT及び/又はSUMlog2(2^-ddCT)。
【0152】
遺伝子発現レベルはまた、Affymetrix、Illumina及びAgilen
tのもの等の市販のプラットフォームを使用したマイクロアレイを使用して分析すること
もできる。
【0153】
閾値の作成
本明細書に記載される開示は、上昇したIFN-Iシグネチャーを有する対象対、ベー
スラインIFN-Iシグネチャーを有する被験者を高精度で区別することができる、遺伝
子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、I
RF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lを含む新たな10遺伝子の遺伝子セ
ットを提供する。この遺伝子及び閾値の組み合わせは、本明細書に記載される84のIF
N-I誘導性遺伝子のより大きなセットから健常対、SLE対象を最適に分類するために
、機械学習方法及び内部データセットを使用して経験的に導き出された。
【0154】
10遺伝子シグネチャーを利用する閾値は、検証されたベースラインIFN-Iシグネ
チャーを有する健常な対象、及び10遺伝子の差次的発現について、上昇していると検証
されたIFN-Iシグネチャーを有する対象から得られたプールされた生体試料を分析す
ることによって開発され得る。次いで、閾値は、上昇したIFN-Iシグネチャーを有す
る対象と、ベースラインIFN-Iシグネチャーを有する対象とを階層化する閾値を特定
することができる。
【0155】
本明細書及び実施例1に記載の方法論を利用して、POISE(インターフェロンシグ
ネチャー発現のプロファイル)スコア閾値及び対象固有のPOISEスコアを生成するこ
とができ、これは、式Iを使用して、ベースラインIFN-Iシグネチャーを有する対象
から、上昇したIFN-Iシグネチャーを有する対象を区別することができる。POIS
Eは、IFN-I応答遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、I
FI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの発現レ
ベルの測定値を指す。POISEは、ベースラインで、すなわち、任意の処置前、又は処
置の投与後の任意の時点で決定され得る。
【0156】
式I:
POISEスコア(対象):70-|43.72516641664-SUMlog2
(2^-ddCT)(対象)|;
式中、SUMlog2(2^-ddCT)は、対照試料中の10遺伝子の発現レベルと
比較した場合に、対象からの生体試料中の10遺伝子の組み合わせの発現のlog2倍率
変化の合計である。
【0157】
35以上のPOISEスコアを有する対象は、約90%の感度及び約15%の偽陽性率
を有する、上昇したIFN-Iシグネチャーを有すると同定される。30以上のPOIS
Eスコアを有する対象は、約82%の感度及び約20%の偽陽性率(リレート)を有する
、上昇したIFN-Iシグネチャーを有すると同定される。40以上のPOISEスコア
を有する対象は、約98%の感度及び約30%の偽陽性率を有する、上昇したIFN-I
シグネチャーを有すると同定される。
【0158】
「閾値POISEスコア」は、30~40のPOISEスコアを指す。いくつかの実施
形態において、閾値POISEスコアは30である。いくつかの実施形態において、閾値
POISEスコアは35である。いくつかの実施形態において、閾値POISEスコアは
40である。
【0159】
閾値POISEスコアの同定により、8.725の閾値SUMlog2(2^-ddC
T)’’値及び57.474の閾値SUMΔCT値が導き出され得、これは35のPOI
SEスコアに対応する。
【0160】
処置及び投与
本明細書で開発された10遺伝子シグネチャーを使用して、上昇したIFN-Iシグネ
チャーを有することが同定された任意の対象は、本明細書に記載されるように、IFN-
I阻害剤で処置されてもよい。このような対象としては、最初に、IFN-I媒介性疾患
を有すると疑われるもの及びIFN-I媒介性疾患と診断されたものが挙げられる。この
ような疾患としては、SLE、例えば、ループス腎炎、皮膚ループス、及びCNS症状等
の特定の器官の症状、I型糖尿病、乾癬、原発性シェーグレン病、全身性硬化症、関節リ
ウマチ、移植拒絶反応、皮膚筋炎、多発性筋炎、エカルディ・グティエール症候群、乳児
期発症のSting関連血管障害(SAVI)又は脂肪異栄養症及び高温症候群を伴う慢
性非定型好中球性皮膚症(CANDLE)が挙げられる。
【0161】
例えば、IFN-Iシグネチャーは、ループスの臨床的及び血清学的特徴の両方と正に
相関することが報告されている(Baechler et al.,Proc Natl
Acad Sci U S A 100:2610-15,2003;Bennett
et al.,J Exp Med 197:711-23,2003;Dall’e
raet al.,Annals of the Rheumatic Disease
s 64:1692-97,2005)。Karageorgas et al.,J
Biomed Biotechnol 273907,2011;Niewold et
al.,Genes Immun 8:492-502,2007)。
【0162】
IFN-I阻害剤は、治療有効量のIFN-I阻害剤及び薬学的に許容される担体を含
有する医薬組成物として投与され得る。「担体」は、IFN-I阻害剤と共に投与される
希釈剤、アジュバント、賦形剤又はビヒクルを指す。このようなビヒクルは、水、及び石
油、動物、植物、又は合成物由来のものを含む油、例えば、落花生油、大豆油、鉱油、ゴ
マ油などの液体であってよい。例えば、0.4%生理食塩水及び0.3%グリシンを用い
てよい。これらの溶液は滅菌され、一般には粒子状物質を含まない。これらは、通常の周
知の滅菌技術(例えば、濾過)によって滅菌することができる。組成物は、生理学的条件
を概算するために、必要に応じて薬学的に許容される補助物質、例えばpH調整剤及び緩
衝剤、安定化剤、増粘剤、潤滑剤及び着色剤等を含有してもよい。他のヒトタンパク質、
例えばヒト血清アルブミンを含む好適なビヒクル及び製剤は、例えば、Remingto
n:The Science and Practice of Pharmacy,2
1st Edition,Troy,D.B.ed.,Lipincott Willi
ams and Wilkins,Philadelphia,PA 2006,Par
t 5,Pharmaceutical Manufacturing pp 691-
1092に記載されており、特にpp.958-989.を参照されたい。
【0163】
IFN-I阻害剤の投与様式は、錠剤、カプセル剤、液剤、粉末剤、ゲル剤、粒子中の
製剤を用いた、対象に抗体を送達する任意の適当な経路であり、例えば、非経口投与、例
えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内又は皮下、肺、経粘膜(経口、鼻腔内、膣内、直腸
)であってよく、シリンジ、埋込デバイス、浸透圧ポンプ、カートリッジ、マイクロポン
プに含まれていてよく、又は当該技術分野において周知の、当業者によって認識される他
の手段に含まれ得る製剤を用いた、非経口投与、例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内
、又は皮下、肺、経粘膜投与(経口、鼻腔内、膣内、直腸)などの、抗体を宿主に送達す
る任意の好適な経路であり得る。部位特異的投与は、例えば、腫瘍内、関節内、気管支内
、腹内、関節包内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝内
、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、
網膜内、脊髄内、滑液嚢内、胸郭内、子宮内、血管内、膀胱内、病巣内、膣内、直腸内、
口腔内、舌下、鼻腔内、又は経皮送達によって達成され得る。
【0164】
IFN-I阻害剤はまた、IFN-I媒介性疾患を発症するリスクを低減させるため、
及び/又は症状の発症を遅延させるために予防的に投与してもよい。
【0165】
本発明の更なる実施形態
本明細書の他の箇所の開示に従う、本発明の特定の更なる実施形態を以下に記載する。
本明細書に開示される本発明に関連するものとして上述された本発明の実施形態の特徴は
、これらの番号付けされた更なる実施形態のうちの1つ1つにもまた関係する。
【0166】
実施形態1.IFN-I阻害剤による処置に応答性であるI型インターフェロン(IF
N-I)媒介性疾患を有する対象を診断及び処置する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合、対象をIFN-I阻害剤による処置に応
答性であるIFN-I媒介性疾患を有すると診断することと;
IFN-I阻害剤による処置に応答性であると診断された対象にIFN-I阻害剤を投
与することを含む、方法を提供する。
【0167】
実施形態2.IFN-I阻害剤を用いて、I型インターフェロン(IFN-I媒介性疾
患を有することが疑われる対象を処置する方法であって、
対象が上昇したIFN-Iシグネチャーを有することを、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合に、被験者が、上昇したIFN-Iシグネ
チャーを有すると判定することと;
IFN-I媒介性疾患を処置するために、上昇したIFN-Iシグネチャーを有すると
判定された対象にIFN-I阻害剤を投与することを含む、方法を提供する。
【0168】
実施形態3.対象における上昇したI型インターフェロン(IFN-I)シグネチャー
を検出する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合、対象が上昇したIFN-Iシグネチャー
を有すると判定することを含む、方法を提供する。
【0169】
実施形態4.IFN-I阻害剤による処置に応答性であるI型インターフェロン(IF
N-I)媒介性疾患を有する対象を診断及び処置する方法であって、
I型インターフェロン(IFN-I)媒介性疾患を有することが疑われるか又は有する
対象から生体試料を得ることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合、対象をIFN-I媒介性疾患を用いて診
断することと、
治療有効量のIFN-I阻害剤を対象に投与することによって、IFN-I媒介性疾患
を有することが疑われるか又は有する対象を処置することを含む、方法を提供する。
【0170】
実施形態5.IFN-I阻害剤で処置するためのI型インターフェロン(IFN-I)
媒介性疾患を有する対象の応答を予測する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合に対象をレスポンダーと予測し、組み合わ
された発現値が閾値未満である場合に対象をレスポンダーと予測することを含む、方法を
提供する。
【0171】
実施形態6.IFN-I阻害剤による処置に応答性であるI型インターフェロン(IF
N-I)媒介性疾患を有する対象を処置する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合、対象をIFN-I阻害剤で処置すること
と、を含む、方法を提供する。
【0172】
実施形態7.I型インターフェロン(IFN-I)媒介性疾患を有する対象が、IFN
-I阻害剤による処置に応答性であるかどうかを決定し、対象を処置するかどうかを決定
する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
IFN-I媒介性疾患を有する対象を、組み合わされた発現値が閾値以上である場合、
IFN-I阻害剤による処置に応答性であると診断すること、又は、IFN-I媒介性疾
患を有する対象を、組み合わされた発現値が閾値未満である場合、IFN-I阻害剤によ
る処置に非応答性であると診断することと;
IFN-I阻害剤による処置に対して応答性であると診断された対象にIFN-I阻害
剤を投与すること、又は、IFN-I阻害剤による処置に対して非応答性であると診断さ
れた対象にIFN-I阻害剤を投与することを控えることと;を含む、方法を提供する。
【0173】
実施形態8.対象がIFN-I媒介性疾患を有することを予測及び/又は診断するため
のin vitro方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされ
た発現値を決定することと;
組み合わされた発現値が閾値以上である場合に、対象がIFN-I媒介性疾患を有する
ことを予測及び/又は診断することと;を含む、方法を提供する。
【0174】
実施形態9.遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
対照遺伝子の発現レベルに正規化するステップを含む、実施形態1~8のいずれか1つに
記載の方法。
【0175】
実施形態10.対照遺伝子がハウスキーピング遺伝子である、実施形態1~9のいずれ
か1つに記載の方法。
【0176】
実施形態11.ハウスキーピング遺伝子が、B2M,TFRC、YWHAZ、RPLO
、18S,GUSB、UBC、TBP、GAPDH、PPIA、POLR2A、ACTB
、PGK1、HPRT1、IPO8又はHMBSを含む、実施形態1~10のいずれか1
つに記載の方法。
【0177】
実施形態12.ハウスキーピング遺伝子が、ACTB、B2M及びGAPDHを含む、
実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0178】
実施形態13.組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HER
C5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及び
SAMD9Lの正規化された閾値サイクル(CT)値の合計(SUMΔCT)である、実
施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0179】
実施形態14.閾値が57.474.のSUMΔCTである、実施形態1~13のいず
れか1つに記載の方法。
【0180】
実施形態15.組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HER
C5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及び
SAMD9Lのうちの1つ以上の、生体試料と健常対照から得られた生体試料との間の正
規化された差次的発現のlog2倍率変化の合計(SUMlog2(2^-ddCT))
である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0181】
実施形態16.閾値は、8.725.のSUMlog2(2^-ddCT)である、実
施形態15に記載の方法。
【0182】
実施形態17.組み合わされた発現値が、式I:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^-ddCT
)|(式I)のPOISEスコアである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法
。
【0183】
実施形態18.参照値が、30~40のPOISEスコアである、実施形態17に記載
の方法。
【0184】
実施形態19.参照値が、35のPOISEスコアである、実施形態18に記載の方法
。
【0185】
実施形態20.上昇したIFN-Iシグネチャーを検出する感度及び偽陽性率が、それ
ぞれ約90%及び約15%である、実施形態1~19のいずれか1つに記載の方法。
【0186】
実施形態21.IFN-I阻害剤による処置に応答性であるI型インターフェロン(I
FN-I)媒介性疾患を有する対象を診断及び処置する方法であって、
対象から生体試料を得ること;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI4
4L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現を
アッセイすることと;
以下、
遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI
6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの正規化された閾値サイクル
(CT)値の合計(SUMΔCT);
遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI
6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9L(SUMlog2(2^-d
dCT))の1つ以上の健常な対照から得られた生体試料との間の正規化された差次的発
現のlog2倍率変化の合計;又は
式Iに従って計算されたPOISEスコア:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^-ddCT
)|(式I);又はそれらの任意の組み合わせを判定し;
SUMΔCTが閾値SUMΔCT値57.474以上である場合、SUMlog2(2
^-ddCT)値が閾値SUMlog2(2^-ddCT)値8.725以上である場合
、又はPOISEスコアが閾値POISEスコア35以上である場合、又はそれらの任意
の組み合わせである場合に、対象をIFN-I阻害剤による処置に応答性であるIFN-
I媒介性疾患を有すると診断し、
IFN-I阻害剤による処置に応答性であると診断された対象にIFN-I阻害剤を投
与することを含む、方法を提供する。
【0187】
実施形態22.上昇したIFN-Iシグネチャーを検出する感度及び偽陽性率が、それ
ぞれ約90%及び約15%である、実施形態21に記載の方法。
【0188】
実施形態23.生体試料が、血液試料又は組織試料である、実施形態1~22のいずれ
か1つに記載の方法。
【0189】
実施形態24.遺伝子発現が、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)若しくはマイ
クロアレイ、又はその両方を使用してアッセイされる、実施形態1~23のいずれか1つ
に記載の方法。
【0190】
実施形態25.遺伝子発現が、mRNAレベルで測定される、実施形態1~24のいず
れか1つに記載の方法。
【0191】
実施形態26.IFN-I媒介性疾患が、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、I型糖尿病、
乾癬、原発性シェーグレン病、全身性硬化症、関節リウマチ、移植拒絶反応、皮膚筋炎、
多発性筋炎、エカルディ・グティエール症候群、乳児期発症のSting関連血管障害(
SAVI)、又は脂肪異栄養症及び高温症候群を伴う慢性非定型好中球性皮膚症(CAN
DLE)である、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
【0192】
実施形態27.SLEが、ループス腎炎、皮膚ループス又は中枢神経系(CNS)症状
を伴うループスを含む、実施形態26に記載の方法。
【0193】
実施形態28.IFN-I阻害剤が、IFN-IとIFNARとの相互作用を遮断する
分子、IFN-Iに結合するアンタゴニスト抗体、IFNARに結合するアンタゴニスト
抗体、Tyk2、Jak1、TLR7、TLR8、TLR9若しくはSTINGの阻害剤
、形質細胞様樹状細胞のモジュレーター若しくは枯渇剤;又は核酸を分解する剤である、
実施形態1~27のいずれか1つに記載の方法。
【0194】
実施形態29.IFN-Iが、IFN-α、IFN-β、IFN-ε、IFN-ω又は
IFN-κである、実施形態1~28のいずれか1つに記載の方法。
【0195】
実施形態30.形質細胞様樹状細胞のモジュレーター又は枯渇剤が、BDCA2、CD
123又はILT7/FcεRIγ複合体に結合する抗体である、実施形態28又は29
に記載の方法。
【0196】
実施形態31.核酸を分解する薬剤が組換えヌクレアーゼである、実施形態28~30
のいずれか1つに記載の方法。
【0197】
実施形態32.IFN-Iに結合するアンタゴニスト抗体が、
配列番号11の重鎖可変領域1(HCDR1)、配列番号12のHCDR2、配列番号
13のHCDR3、配列番号14の軽鎖可変領域1(LCDR1)、アミノ酸配列GAS
を含むLCDR2、及び配列番号16のLCDR3;
配列番号17の重鎖可変領域(VH)及び配列番号18の軽鎖可変領域(VL)、並び
に/又は
配列番号19の重鎖(HC)及び配列番号20の軽鎖(LC)(JNJ-839)を含
む、実施形態1~32のいずれか1つに記載の方法。
【0198】
実施形態33.IFNARに結合するアンタゴニスト抗体が、
それぞれ配列番号21、22、23、24、25及び26の重鎖可変領域1(HCDR
1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖可変領域1(LCDR1)、LCDR2及びLCD
R3;
配列番号27の重鎖可変領域(VH)及び配列番号28の軽鎖可変領域(VL)、並び
に/又は
配列番号29の重鎖(HC)及び配列番号30の軽鎖(LC)(アニフロルマブ)を含
む、実施形態28~31のいずれか1つに記載の方法。
【0199】
実施形態34.IFN-Iに結合するアンタゴニスト抗体が、PF 06823859
,AGS-009又はロタリズマブである、実施形態28に記載の方法。
【0200】
本発明は一般的な用語で記載してきたが、本発明の実施形態は、特許請求の範囲の範囲
を限定するように解釈されるべきではない、以下の実施例で更に開示される。
【0201】
実施例1インターフェロンシグネチャー発現(POISE)プロファイル及びPOIS
Eスコアの作成
POISEは、対象におけるIFN-Iシグネチャーを定量化するために開発された1
0遺伝子定量PCR(qPCR)ベースの方法である。POISEスコアは、健常なドナ
ー及びSLE患者の血液試料からの発現プロファイル情報を利用して、上昇したIFN-
Iシグネチャーを有する対象と、ベースラインIFN-Iシグネチャーを有する対象とを
区別する計算値である。
【0202】
材料
A)SLE及び健常ドナーPAXgene Blood RNA tube、(全てイ
ンフォームドコンセントの下、Temple University、Biologic
al Specialty Corporation、Bioserve Biotec
hnologies及びBioreclamationによって提供される。)
B)PAXgene Blood RNA kit(QIAGEN、カタログ番号76
2164)
C)RT2First Strandキット(QIAGEN、カタログ番号33040
4)
D)カスタムRT2RNA PCRアレイ(QIAGEN、カタログ番号CAPH13
527)
E)RT2 Sybr(登録商標)Green qPCR Mastermix(QI
AGEN、カタログ番号330529)
【0203】
方法及び結果:
RT2 qPCRアレイの設計及び検証
アレイ当たり84のインターフェロン誘導性遺伝子及び11の対照を最初に選択し、9
6x4フォーマットRT2qPCRアレイ上に印刷した。IFN誘導性遺伝子は、公知の
IFN誘導性転写物(Yao,et al.Human genomics and p
roteomics:HGP 2009;2009)又はSLEドナー血液試料の内部R
NA-Seq分析により同定された転写物のいずれかであった。
【0204】
プールされた健常対照全RNA試料を生成して、健常者対各個々のSLE試料の正規化
を標準化し、健常者と比較してIFN-I調節不全についての定量的閾値の確立を可能に
した。健常なドナーPAXgene blood RNAチューブは、Biologic
al Specialty Corporation及びBioserveから購入した
。製造元の指示に従ってPAXgene Blood RNA kit(QIAGEN)
を使用してRNAを抽出した。QIAxpert器具(QIAGEN)を使用して、各試
料のRNA収率を決定した。得られた25の健常なPAXgene試料は、各試料からの
全RNA 200ngから開始してcDNAへの逆転写を開始するのに十分な収率を有し
ていた。cDNA合成は、RT2First Strandキット(QIAGEN)を使
用して実施し、次いで、製造者の指示に従って、RT2 Sybr(登録商標)Gree
n qPCR Mastermix(QIAGEN)に添加した。陽性対照として、いく
つかのSLEドナーPAXgeneチューブ(全29人のドナー)を同じ方法で処理した
。試料をカスタムqPCRアレイにロードし、Viia(商標)7リアルタイムPCR機
器(Thermo Fisher Scientific)を使用してqPCRデータを
得た。機器の運転完了後、分析のためにデータをExcelにエクスポートした。各試料
間で相対遺伝子発現(ΔΔCT)を計算するために、以下の式を利用した:
1)式1=CT標的遺伝子-内因性対照の平均CT=値A(内在性対照はハウスキーピ
ング遺伝子ACTB、GAPDH、及びB2Mを含む)
2)式2=未処置(又は健常なドナー)対照群からの値Aの平均=平均値A
3)式3=値A SLEドナー-平均値A対照群=ΔΔCT
4)式4=2^-ΔΔCT=倍率変化
【0205】
健常コホートがIFN誘導性遺伝子のベースライン発現をどの程度示したかを判定する
ために、健常なドナー由来の試料を、遺伝子IFI27、IFI6、RSAD2、IFI
44、IFI44L、USP18、LY6E、OAS1、SIGLEC1、ISG15、
IFIT1、OAS3、HERC5、MX1、LAMP3、EPSTI1、IFIT3、
OAS2、RTP4、PLSCR1及びDNAPTP6を含む21遺伝子IFN-Iシグ
ネチャーを用いて評価した(Yao,et al.Human genomics an
d proteomics:HGP 2009;2009)。健常群全体の平均値に対す
る個々の健常なドナー全体にわたる全21遺伝子の平均倍率変化は、1.36であった。
対照的に、健常群全体の平均に対するSLEドナーの平均は18.29であった(
図1A
)。健常なドナー間のベースラインIFN-Iシグネチャーがわずかに変化するにつれて
、集団全体にわたる平均倍率変化が1.5以下である場合、集団は「ベースライン」シグ
ネチャーとみなされた。
【0206】
検査された健常コホート内に全体的にばらつきがほとんどなかったため、カスタムqP
CRアレイのそれぞれの正規化対照として使用されるプールされた健常なRNA調製物を
作成するために全25人のドナーを選択した。このプールした調製物を作製するために、
600ngの各健常ドナーの全RNAを単一のチューブ中で合わせ、凍結させた。20の
更なる健常なドナーPAXgeneチューブもまた、プールされた健常なRNAプールを
拡張するために、IFN-Iシグネチャーについても評価した。高い相関性(R2=0.
9797;p<0.0001)が、追加のドナーと元のドナーとの間の、21遺伝子パネ
ルIFN誘導性遺伝子発現間で見られ、したがって、全ての健常なドナー試料をプールし
、-80℃で保存した。
【0207】
選択された84IFN-誘導性遺伝子の発現プロファイルの評価のために、SLEドナ
ーからの29PAXgeneチューブを得た。データを生成するために使用された器具が
7900HTリアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems)で
あったことを除いて、全ての試料処理方法を上記と同様に、行った。各qPCRアレイに
ついて、第1の位置はプールされた健常対照試料に対して指定され、残りの3つの位置は
SLE試料についてのものであった。データを分析し、健常対照に対する各SLE試料の
倍率変化を評価して、SLEを有する被験者における遺伝子発現における不均一性を理解
した。
【0208】
qPCRデータセット上の機械学習アプローチを使用して、ランダムフォレスト(RF
)分類子を設計して、SLE対健常なドナー遺伝子発現を区別した。分類子は、前述のよ
うに、qPCRΔΔCT(倍率変化のlog2)データテーブル上で、前述のように10
×5倍の交差検証設定で実行した(Zhang et al.,Genome Biol
.2015,16:14)。遺伝子は、Gini指数によって表される、そのRF有意性
によってランク付けされた。Matthews Correlation Coeffi
cient(MCC)(Baldi et al.,Assesesing Bioin
formatics 16:412-24,2000)を性能評価に使用した。20の最
上ランクの遺伝子(qPCR-20)上のモデル構築は、MCC=0.76を達成した。
次に、別個のRNA-Seq試験からの独立した訓練データを使用して、これらの結果を
検証した。このステップを実施して、利用される遺伝子発現プラットフォームのアゴニス
トな転写物の最もロバストなセットを同定し、これはこのアッセイの有用性を増加させる
であろう。これらのデータを、qPCRデータと一致させるために、倍率変化に変換した
。このデータセットを使用して、qPCRアレイに含まれる84遺伝子を、10×5倍C
V設定でデータセットのRF分類子を使用して評価し、最も高い有意性(RNASEQ-
40)でランク付けされた40の遺伝子を含有する他のモデルを構築できるようにした。
性能評価を実行した後、達成されたMCC値は0.70であった。qPCR-20をRN
A-Seq40遺伝子リストと比較した後、10のIFN誘導性遺伝子を共通で同定した
:DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、I
RF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9L。SLEを健常なドナーに対して正
確に分類するためのこれらの10遺伝子の正確性を確認するために、これらの10遺伝子
のみを使用してランダムフォレスト分析をもう一度繰り返し、この遺伝子リストは、同様
の精度で健常ドナーとSLEドナーを区別することができた(MCC=0.76)。した
がって、10遺伝子は、前進する対象におけるIFN-Iシグネチャー状態を評価するた
めに、後続の解析のために選択された(例えばPOISE)。
図1Bは、IFN-Iシグ
ネチャーに関する10遺伝子を同定するプロセスの概要を示す。
【0209】
POISEスコアの導出
閾値POISEスコア及び閾値log2(2^-ddCT)値の決定
各SLEドナー(n=29)vs健常なドナープールの差次的発現のlog2倍率変化
(例えば、log2(2^-ΔΔCT))は、10の選択された遺伝子によって決定した
。全てのドナーにわたる遺伝子のそれぞれについての最も高い倍率変化を同定した。次い
で、全29のSLEドナー全体にわたる10遺伝子のそれぞれに対する最大log2倍率
変化の合計を計算した[sum(GenesFC_SLE_Best)]。このスコアを
「SLE_Best」と指定し、これは、43.7251664と算出した。換言すれば
、値は、上昇したIFN-Iシグネチャーを有するSLE対象の仮定的な「最良の場合の
シナリオ」を表していた。次に、この数をSLE対象比較のベンチマークIFN-Iシグ
ネチャーとして使用した。この目的のために、同一の10遺伝子のlog2倍率変化(例
えば、log2(2^-ddCT))の合計[sum(GenesFC_SLE)]を計
算して、二次「SLE対象特異的」スコアを生成したのと同様にスコアリングされる各未
知のSLE試料を処置した。次に、ベンチマーク「SLE_Best」スコアと「SLE
対象特異的」スコアとの間の距離の絶対値を決定した。この値は、POISEスコアの前
駆値であった。POISEスコア値をより直感的により高いスコア=より高いIFN-I
シグネチャーにするために、POISEスコアの前駆値を70のスコアから差し引いた(
以下で判定される35の閾値POISEスコアの2倍に等しい)から差し引いてPOIS
Eスコアを作成した。
POISEスコア=70-|sum(GenesFC_SLE_best)-sum(
GenesFC_SLE)|;
したがって、対象特有のPOISEスコアは、以下のように計算することができる。
POISEスコア(対象)=70-|43.7251664-SUMlog2(2^-
ddCT)(対象)|
【0210】
POISEスコア計算はまた、SLE対象に、「SLE_Best」として決定された
ものよりも更に上昇したIFN-Iシグネチャーを有するSLE対象に遭遇する可能性も
可能にする。このシナリオでは、個々のSLE対象からの倍率変化の合計は、「SLE_
Best」よりも大きくなり、負の逆POISEスコア値が得られる。この負の値が70
から減算されると、得られるPOISEスコアは、70よりもはるかに大きい値であり、
したがって、35の閾値POISEスコアを上回ってもよい。
【0211】
閾値POISEスコアを同定して、上昇したIFN-Iシグネチャーを有する対象を分
類するために、異なるカットオフを有するシミュレーションを実行し、各カットオフにつ
いて、偽陽性率及び真陽性率(感度)を計算した。この分析から、35の閾値POISE
スコアは、対象を分類するために適切な閾値として選択した(
図2)が、これは、真のI
FN-Iシグネチャー陽性対象が正確に時間の約90%で特定され得る、偽陽性率が約1
5%であった閾値であったためである。
【0212】
他の閾値POISEスコアはまた、代替の感度及び偽陽性値と共に使用することができ
る。
【0213】
閾値POISEスコア30:閾値を使用すると、10%に偽陽性率が低下し、真陽性率
が約82%に低下し、これは、約20%の評価では、IFN-Iシグネチャーの上昇を有
する対象は、ベースラインIFN-Iシグネチャーを有するとして誤分類されたことを示
す。
【0214】
閾値POISEスコア40:この閾値を使用すると、偽陽性率は約30%まで上昇し、
真陽性率は約98%に上昇した。
【0215】
この目的のために、35のカットオフは、偽陽性率と真陽性率との間の最良の妥協であ
ると判定された。
【0216】
35以上の閾値POISEスコアは、8.725以上とするために全10遺伝子につい
てのlog2倍率変化SUMlog2(2^-ddCT)の最小合計を必要とするであろ
う。8.725未満のSUMlog2(2^-ddCT)を有する対象は、ベースライン
IFN-Iシグネチャーを有するとみなされる。
【0217】
健常なドナー対照試料に正規化することなく、POISEスコア及び閾値発現値の計算
健常なドナースコアを最初に含めることにより、SLE対象に対する、健常な対象にお
けるIFN-Iシグネチャーレベルを区別する閾値カットオフの決定が可能になった。ベ
ンチマークプールされた健常対照試料を含める必要性を排除するために、健常なドナープ
ールに遺伝子発現を正規化することなく、POISEスコアaを導き出す方法が開発され
た。
【0218】
これを達成するために、10の選択された遺伝子の遺伝子発現を、試料特有POISE
スコアが利用可能である各分析試料内の3のハウスキーピング遺伝子の発現レベルに正規
化した。各試料について、3のハウスキーピング遺伝子(ACTB、GAPDH及びB2
M)の平均発現レベルは、同じ試料中の10遺伝子のそれぞれの発現レベルから差し引き
、その後、10遺伝子のそれぞれについて正規化された発現の合計を計算した(nSum
)
nSum=SUM(遺伝子-平均(ハウスキーピング遺伝子))
nSum=SUM(CT(遺伝子)-平均CT(ハウスキーピング遺伝子)=SUMΔ
CT
【0219】
次いで、試料特有POISEスコアを、得られた試料特有のnSum値(例えば、SU
MΔCT)と相関させ、SUMΔCTのPOISEスコアへの変換を促進したことを推定
した。POISEスコアを得るために、以下の式を適用した:
Y=X-27.474;[式中、
YはPOISEスコアであり、XはnSum(例えば、SUMΔCT)である。
【0220】
図3は、対象特有のPOISEスコアと被験者特有のSUMΔCTとの相関を示す。
【0221】
57.474の閾値SUMΔCTは、35の閾値POISEスコア、すなわち、57.
474以上のSUMΔCTを有する対象を、上昇したIFN-Iシグネチャーを有するも
のとして特定することができる。
【0222】
実施例2.健常対象における第1相無作為化二重盲検プラセボ対照単回漸増用量試験及
び軽度から中度全身性紅斑性狼瘡を有する対象におけるJNJ-55920839の複数
回用量試験(NCT02609789)
JNJ-55920839は、I型インターフェロン(IFN-I)を標的とするモノ
クローナル抗体(mAb)である。JNJ-55920839は、12のヒトインターフ
ェロンアルファ(IFN-α)サブタイプの11及びヒトインターフェロンガンマ(IF
N-ω)に高親和性で広域結合及び中和するが、インターフェロンベータ(IFN-β)
又はIFN-αサブタイプD/1を中和しない。
【0223】
この研究の主な目的は、健常対象における単回漸増IV投与又は皮下投与後のJNJ-
55920839の安全性及び忍容性を評価すること(パートA)、並びに軽度から中度
のSLEを有する対象における複数回IV用量投与後のJNJ-55920839の安全
性及び忍容性を評価すること(パートB)である。
【0224】
試験の二次目的は、健常な対象における漸増IV又は皮下投与後(パートA)及び軽度
から中度のSLEを有する対象における複数回のIV用量投与後(パートB)のJNJ-
55920839の薬物動態(PK)及び免疫原性を評価し、健常な対象におけるJNJ
-55920839のIV又はSC投与後の薬力学的(PD)効果及び臨床応答を評価し
(パートA)、軽度から中度のSLEを有する対象におけるJNJ-55920839の
複数回のIV投与後のPD及び臨床応答を評価すること(パートB)である。
【0225】
調査対象は、健常な被験者(パートA)において、JNJ-55920839の単回I
V又はSC投与後のバイオマーカーを評価し、軽度から中程度のSLEを有する被験者(
パートB)中のJNJ-55920839の複数のIV用量後のバイオマーカーを評価す
ることであり、インターフェロンシグナル伝達の調節異常のレベルを評価するため、及び
この調節が、他のバイオマーカーの変化と相関するか、及び臨床応答測定が試験薬剤の投
与に関連するかを評価するために、異なる人種/民族集団にわたるインターフェロンシグ
ネチャーの変動性、及び試験薬剤への曝露に関連する臨床応答に対するその潜在的影響を
探索し、バイオマーカー、PDマーカー、及び臨床応答の分析を通して、JNJ-559
20839のPK/PD関係を探索する。
【0226】
SLEを有する対象についての選択基準及び除外基準は、米国国立衛生研究所のための
サービスとして、トライアルNCT02609789の下でClinicalTrial
sのウェブサイトにおいて見出すことができる。他の要件の中でも、本試験の登録に適格
な対象は、スクリーニング中(無作為化前)にPOISEスコアによって評価して、上昇
したIFN-Iシグネチャーを有しなければならない。
【0227】
全ての対象は、それらの1日目の体重に基づいて投与される。パートAでは、0.3~
15.0mg/kgの範囲のJNJ-55920839又はプラセボの単回の漸増IV用
量を、健常な対象の連続コホートに、少なくとも30分のIV注入として投与する。注入
持続時間は、従来のコホートにおいて許容性の問題が生じる場合、約60分まで増加され
得る。1つの更なるコホートは、JNJ-55920839又はプラセボの1mg/kg
SC単回投与を受けるであろう。パートBでは、最大10mg/kgのJNJ-5592
0839又はプラセボの6回の用量は、少なくとも30分のIV注入として2週間毎に投
与される。パートAで観察された安全情報に基づいて、計画された10mg/kg用量よ
りも低い用量が、パートBで選択されてもよい。
【0228】
注射用の滅菌0.9%生理食塩水、USPは、試験薬剤の希釈に使用され、プラセボと
しても機能する。
【0229】
対象の適格性
試験に対する対象の適格性は、POISEスコアを使用して、上昇したIFN-Iシグ
ネチャーを決定することによって、部分的に評価した。
【0230】
対象毎に2つのPAXgeneチューブを回収し、1つのチューブを分析のために集中
型サービスコアに送った。製造者の指示に従ってQIAGEN PAXgene blo
od RNA抽出キットを利用してRNA抽出を行った。25μg/ml超、260/2
80比1.8超、及びRNA 6000ナノ チップを使用するRNA ScreenT
ape又はAgilent(登録商標)2100 Bioanalyzerを使用するA
gilent(登録商標)2200 Tapestationを使用して観察された分解
の欠如を有するRNA試料を、出発材料として200ngの全RNAを使用して、製造者
の指示に従ってRT2 Prolifer PCRアレイ(Qiagen)を使用して発
現分析に進めた。試料を、ViiA7リアルタイムPCRシステム(Thermo Fi
sher Scientific)を用いて増幅した。DHX58、EIF2AK2、H
ERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1
、及びSAMD9L及びハウスキーピング遺伝子ACTB、GAPDH、及びB2M遺伝
子の発現を評価した。実施例1に記載のようにPOISEスコアを計算した。
【0231】
表1及び表2は、健常対照のプール及び臨床試験への登録を求める5人の対象について
のΔCT(標的-平均内在性対照)、ΔΔCT((疾患試料のΔCT対ΔCT健常対照)
)、2^-ΔΔCT(発現倍率変化)及びlog2(2^-ΔΔCT)(発現倍率変化の
log2)値を示すRT2 Proflier PCRアレイの結果を示す。10の試験
された遺伝子のlog2(2^-ΔΔCT)の合計、算出POISEスコア及び逆POI
SEスコアを表3に示す。
【0232】
【0233】
【0234】
【0235】
発現プロファイリングから得られたPOISEスコアは、対象1については57、対象
2については26、対象3については20、対象4については50、そして対象5につい
ては20であった。35以上のPOISEスコアを有する対象(例えば、対象1及び4)
は、上昇したIFN-Iシグネチャーを有し、臨床試験に参加するために適格であると定
義された。
【0236】
臨床試験に参加する対象の適格性はまた、8.725の閾値SUMlog2(2^-d
dCT)を利用して評価することもできる。この閾値を利用すると、対象1及び4は、臨
床試験への参加に適格である。
【0237】
図4は、35の閾値POISEスコアに基づいて、ベースライン又は上昇したIFN-
Iシグネチャーを有すると判定された健常対照(HC)対象及びSLEドナーからの決定
されたPOISEスコアの分布を示す。35以上のPOISEスコアを有する対象は、他
の適格性要件が満たされていれば、試験への登録に適格であった。
【0238】
実施例3.POISEスコアの生成及び収集の自動化
POISEスコアを生成するための検証済みスプレッドシートの作成
Excelスプレッドシートは、最小限のユーザインターフェースでエクスポートされ
たViia7 qPCR機器の生データファイルからPOISEスコアを自動的に生成す
るように設計された。まず、Excelスプレッドシートのシート1には、ユーザが生の
qPCRデータをコピーした指定のスペースが含まれていた。シート2では、log2の
倍率変化に到達するために利用された全ての計算は、qPCR生データがシート1にコピ
ーされた後に、目的の10遺伝子に自動的に投入した。計算は以下の通りであった。
1)平均CT値は、以下のハウスキーピング遺伝子:ACTB、B2M,及びGAPD
Hについて決定した。
2)デルタCT(ΔCT)は、10標的遺伝子のそれぞれのCTからハウスキーピング
遺伝子の平均を減算することによって決定した。
3)プールした健常試料のΔCTを各SLE試料のΔCTから減算して、デルタデルタ
CT(ΔΔCT)を決定した。
4)プールした健常対照と各SLE試料との間の倍率変化を、2-ΔΔCTを計算する
ことによって決定した。
5)2-ΔΔCT倍率変化の基本2対数を決定した。
【0239】
スプレッドシートのシート3は、アレイ上で実行される各SLE試料のPOISEスコ
ア計算式を含む。エンドユーザは、この番号をIWRSシステムに提出し、これは臨床現
場に中継され、対象がIFN-Iシグネチャー包含基準を満たすかどうかを示した。この
スプレッドシートは、POISEスコアを生成するために承認されたツールとして検証さ
れた。
【0240】
実施例4.POISE IFN-Iシグネチャー分析は、ELISAによるIFN-I
の直接検出よりも高感度である
健常対照及びSLE患者試料を調べて、患者の血液から単離したRNAからのPOIS
Eスコアと、同時に採取した同じ患者からの血清中のIFN-αタンパク質の直接レベル
との関係を決定した。高度に感受性の単一分子アレイプラットフォーム(Simoa)を
利用してタンパク質定量を達成した。POISEアッセイは、この高度に感受性の高いプ
ラットフォームを使用して、ELISAによる直接検出前の試料中のIFN-I活性の定
量化を可能にし、ドナー間でIFN-I活性の健常ドナーレベルの区別を可能にする。I
FN-αがELISAによって検出可能になると、POISEスコア及びIFN-αレベ
ルが正の相関を示し、IFN-I経路活性化のマーカーとしてのPOISEの特異性が再
確認された。このデータは、POISEが、IFN-I阻害剤処置を受けているSLE患
者における薬力学的応答のロバストな測定も可能にするであろう健常ヒト対象においてさ
えIFN-Iレベルを定量するための非常に高感度の手段であることを示した。
図5は、
健常(黒点)又はSLE対象(灰色点)におけるPOISEスコア及び血漿IFN-α濃
度(log(pg/ml))の相関を示す。
【0241】
実施例5.健常ボランティア及び軽度から中度の全身性紅斑性狼瘡を有する参加者にお
ける安全性、忍容性、及び臨床応答(NCT0260978)
臨床試験設計は、実施例2及びこの実施例において記載される。この第1のヒト相I、
2部、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、多施設設計試験において、0.3mg/k
g~15mg/kgの単回漸増静脈内静脈内(IV)用量又は1mg/kgの単回皮下用
量を、健常なボランティア(パートA)に投与し、10mg/kgの複数回IV用量を、
軽度から中度の全身性紅斑性狼瘡(SLE)を有する参加者(パートB)に投与した。
【0242】
結果の要約:JNJ-55920839の薬物動態プロファイルは、一般的に、健常な
ボランティア及びSLE参加者で類似していた。JNJ-55920839の生物学的利
用能は、健常なボランティアにおいて約80%であった。抗薬物抗体は検出されなかった
。SLEを有する参加者では、JNJ-55920839処置は、プラセボと比較した、
全身性紅斑性狼瘡レスポンダー指数、全身性紅斑性狼瘡疾患活動性指標2000及び医師
の総合評価によって測定された臨床応答と関連するようであった。感染は、試験の両方の
パートで報告された最も一般的な有害事象であり、プラセボよりも曝露された場合に割合
が数値的に増加した。SLEを有する2名の参加者において、皮膚の局所播種性帯状疱疹
が報告された。
【0243】
結論:JNJ-55920839薬物動態プロファイルは、他のモノクローナル抗体と
同様であり、健常なボランティア及びSLEを有する参加者において良好に忍容及び安全
であった。IFN-Iシグネチャーの臨床応答及び調節不全は、プラセボと比較して、J
NJ-55920839で改善された。
【0244】
研究の有意性
・JNJ-55920839は、健常なボランティア及びスクリーニングにおいてIF
N-I上昇を示す軽度から中度のSLEを有する参加者において安全であり、十分に忍容
されることが見出された。
・軽度から中度のSLEを有する参加者において、JNJ-55920839の6回の
10mg/kgIV投与後に、SRI応答、SLEDAI-2K応答、及び医師の総合評
価の改善が観察された。
・POISE発現シグネチャーを参加者の包含のために利用し、この試験のパートBに
おけるJNJ-55920839のPD効果を評価した。
・JNJ-55920839処置参加者は、プラセボ集団と比較して、全血中のIFN
-Iシグネチャー発現に対する顕著かつ意図された一時的PD効果を示した。
・感染事象は、試験剤への曝露と関連するように見えた。投与レジメンを最適化し、S
LE参加者に対する安全性を更に特徴付けるために、追加の試験が必要とされている。
【0245】
健常なボランティア(パートA)についての包含基準は、18~55歳(境界値を含む
)の年齢の男性又は女性、50~90kg(境界値を含む)の体重と、18~30kg/
m2の肥満度指数を含む。女性ボランティアは、閉経後又は外科的に無菌であり、スクリ
ーニング時に妊娠検査が陰性である必要があった。軽度から中度のSLE(パートB)を
有する参加者の一般的な包含基準は、体重が最小40kgまで及び最大100kgまで(
境界値を含む)であってよいことを除いて、健常なボランティアと同様であった。併用薬
は投与量又は数によって制限されていた:経口コルチコステロイドを使用している場合、
参加者は、初回投与の6週間前まで毎日プレドニゾン7.5mg以下の平均用量に相当す
る安定用量を投与されなければならない。抗マラリア薬(例えば、クロロキン及びヒドロ
キシクロロキン)の場合、参加者は初回投与の6週間前に安定投与を受けなければならず
、各薬剤について指定された用量レベルを超えることなく、参加者は1つの免疫抑制薬に
限定された(メトトレキサート≦20mg/週、アザチオプリン/メルカプトプリン≦2
mg/kg/日、又はミコフェノール酸モフェチル/ミコフェノール酸等価物≦2g/日
)。ループス腎炎を有する参加者はまた、エントリー時にループスの能動的な腎外機能を
示すことも求められた。更に、参加者は、登録時に以下の重要な基準を満たさなければな
らなかった:試験薬物の初回投与前3ヶ月以内に少なくとも1つの全身性紅斑性狼瘡疾患
活動性指標2000(SLEDAI-2K)定義の非血清学的臨床活性を伴うループスの
診断のための米国リウマチ学会(Petri et al.,Arthritis Rh
eum64:2677~86、2012)からの基準のSystemic Lupus
International Collaborating Clinics 改変。S
ystemic Lupus International Collaboratin
g Clinicsからの基準を満たすことに加えて、参加者は、最初の服用前の2ヶ月
以内に、又は、1:80以上の陽性の抗核抗体価、又は、陽性の抗二本鎖デオキシリボ核
酸試験、又は陽性の抗スミス抗体、陽性の抗リボ核タンパク質抗体及び/又は抗Ro抗体
によるスクリーニングにおいて、及び上記の少なくとも1つに加えて、スクリーニングに
おいて、POISEスコアを使用して評価されるような陽性のループスIFN-Iシグネ
チャースコアにおいて陽性であると血清学的に定義されなければならない。
【0246】
試験の両方のパートについて、対象は、スクリーニング来院前4ヶ月以内に重篤な感染
症を有していたか、治験責任医師に関係がある共存病状若しくは過去の病歴を有していた
か、又は活性若しくは潜在性結核を有していた場合、除外した。
【0247】
試験のパートAは、健常なボランティアにおけるJNJ-55920839又はプラセ
ボの単回投与の安全性、忍容性、PK、及び免疫原性を評価した。コンピュータ生成ラン
ダム化スケジュールを使用して、処置群にボランティアをランダムに割り当てた。0.3
mg/kgから15.0mg/kgの範囲のJNJ-55920839又はプラセボの単
回漸増IV用量を、IV注入として健常ボランティアの連続コホートに投与した。更なる
コホートは、JNJ-55920839の単回の1mg/kgSC投与を受けた。
【0248】
試験のパートBは、POISEスコアを使用して安全性、忍容性、臨床応答、PK、P
D、及びSLEを有する参加者における免疫原性を調査した。6容量の、10mg/kg
の10mg/kgのJNJ-55920839又はプラセボをIV注入として2週間毎に
投与した。ランダム化を、人種/民族亜集団(アジア人/非アジア人)及び血清学的疾患
活性の上昇したレベル(存在[抗核抗体≧1:160の力価又はループス自己抗体の存在
]又は不在[抗核抗体不在又は<1:160の力価及びループス自己抗体なし])によっ
て層別化し、参加者を、コンピュータ生成のランダム化スケジュールに基づいて割り当て
た。
【0249】
試験対象は、試験薬物の投与の28日前までのスクリーニング来院を含めて、パートA
について約13週間及びパートBについて22週間関与した。健常なボランティアは、試
験施設に6日間及び5晩滞在した。全ての対象は、1日目に試験薬を投与され、軽度から
中度のSLEを有する参加者は、15,29,43,57及び71日目に更なる投与を受
けた。
【0250】
血液試料採取及び生体分析
試験薬物投与前、及び投与後最大63日までの様々な時点で、全てのパートAコホート
の血液試料を採取した。パートBでは、血液試料を投与前及び最初の試験薬物投与後12
9日までの様々な時点で収集した。血清試料を分析して、0.06μg/mLの定量化の
下限を有する検証された免疫アッセイ法を使用して、JNJ-55920839の濃度を
決定した。更に、血清試料を使用して、検証されたアッセイ法を使用して、JNJ-55
920839に対する抗体を評価した。
【0251】
IFN-Iシグネチャースコア(POISEスコア)
スクリーニング時のIFN-Iシグネチャーレベルに基づく参加者の登録を可能にする
ために、全血定量的ポリメラーゼ連鎖反応に基づく10遺伝子のIFN-I遺伝子シグネ
チャーを開発した。シグネチャー閾値の作成は、以下の遺伝子:DHX58、EIF2A
K2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PL
SCR1、及びSAMD9Lに基づいて計算した。この遺伝子と閾値との組み合わせは、
機械学習方法及び内部データセットを使用して経験的に導出され、SLE参加者に対して
健常なボランティアを最良に分類した。このIFN-I遺伝子シグネチャーを、本試験に
おいて長手方向に採取された血液試料のRNA配列決定によっても定量化して、JNJ-
55920839のPD及びプラセボアームにおける経時的なシグネチャーの安定性を評
価した。
【0252】
非コンパートメントPK分析
Phoenix(商標)WinNonlin(登録商標)を使用して、非コンパートメ
ント的PK分析を実施した(バージョン6.2.1;Tripos LP,USA)。平
均終末消失半減期(t1/2)は、0.693/λzとして計算され、λzは見かけの最
終排出速度定数であり、対数変換濃度対時間曲線の末端対数線形相を使用した線形回帰に
よって推定された。SC投与後の溶質バイオアベイラビリティは、同じ用量のJNJ-5
5920839のSC及びIV投与後の血清濃度-時間曲線下面積の比から計算した。
【0253】
安全性及び臨床的応答評価
健常ボランティア(パートA)については64日目まで、軽度から中度のSLEを有す
る参加者(パートB)については130日目まで安全性及び忍容性を評価した。安全性集
団には、JNJ-55920839又はプラセボの任意の投与を受けた任意の対象が含ま
れた。評価には、有害事象(AE)評価、バイタルサイン測定、心電図測定、臨床検査、
及び身体検査が含まれた。処置下で発現した有害事象(TEAE)は、Medical
Dictionary for Regulatory Activitiesバージョ
ン18.1(パートA)及び21.0(パートB)に従ってコード化した。
【0254】
応答評価及び患者が報告した生活の質の尺度には、SLEDAI-2K/SLEDAI
-2Kレスポンダー指数(S2KRI-50)、British Isles Lupu
s Assessment Group(22)、Cutaneous Lupus E
rythematosus Disease Area and Severity I
ndex(CLASI)、Physician’s Global Assessmen
t(PGA)of Disease Activity、Short-form-36ア
ンケート(SF-36)、EuroQol-5 dimensions-5 level
s(EQ-5D-5L)Patient Diary及びJoint Assessme
ntが含まれた。1、15、29、57、71、及び100日目に全ての評価を投与前に
完了した。
【0255】
結果
試験集団及び障害
パートAについては、ベルギーの単一施設からの48人の健常ボランティアを、JNJ
-55920839又はプラセボ(n=12;表4)の単回漸増IV(n=30)又はS
C(n=6)用量を投与されるようにランダム化した。女性(8[16.7%])よりも
男性(40[83.3%])ボランティアが多かった。パートAの試験集団の平均年齢は
40.4歳(標準偏差[SD]=11.37)であり、平均肥満度指数及びベースライン
体重はそれぞれ25.27kg/m2(SD=2.61)及び78.77kg(SD=9
.97)であった。プラセボ及びJNJ-55920839ボランティアの人口統計学及
び配置は同様であった(表4)。
【0256】
【0257】
パートBについては、7か国の19の施設からの軽度から中度のSLEを有する28名
の参加者を、試験薬物を受けるためにランダム化した(n=20;10mg/kgIV)
又はプラセボ(n=8;表5)。男性(1[3.6%])参加者よりも女性(27[96
.4%])が多かった。これらのうち、15名(53.6%)の参加者が自身をアジア人
と記載し、2名(7.1%)が黒人/アフリカ系アメリカ人であり、11名(39.3%
)が白人であった。試験集団の平均年齢は35.9年(SD=9.30)であり、平均肥
満度指数は22.5kg/m2(SD=3.42)であり、平均ベースライン重量は58
.4kg(SD=8.77)であった。ベースライン特性(疾患、Systemic L
upus International Collaborating Clinics
からの基準、及びループス腎炎分類)及び人口統計学は、試験薬物コホートとプラセボコ
ホートとの間で十分にバランスがとれていた(表5)。ベースラインでの選択された以前
の薬物(メトトレキサート、全身コルチコステロイド、及びクロロキン/ヒドロキシクロ
ロキン)及び併用薬の全体的な使用は、プラセボと試験薬物コホートの両方でバランスが
とれていた。
【0258】
【0259】
合計46名の健常ボランティアが試験のパートAを完了し、25名の参加者がパートB
を完了した。試験薬物コホートからの2名のボランティアはパートAを完了しなかった;
理由には、水疱性鼓膜炎(myringitis bullous)のAE及び試験からの選択的中止が含ま
れた。両方のボランティアは、早期の終了来院を完了した。合計3人の参加者は、研究の
パートBを完了しなかった;参加を終了させる理由には、AE(n=1、鼠径疼痛:リン
パ性腺腫)及び「他の理由」(n=2;参加者はランダム化されたが、投薬前の、排他的
心電図異常に起因して投与されなかった)が含まれた。
【0260】
スクリーニング時のPOISEスコア
本試験における主要な目的の1つは、スクリーニング時に上昇したIFN-Iシグネチ
ャースコアを有する参加者におけるIFN-Iシグネチャーに対するJNJ-55920
839の影響を評価することであった。IFN-Iシグネチャーを、POISEを使用し
て評価した。スクリーニングされたSLE参加者からのPOISEスコアは、健常対照試
料とSLE集団との分離、並びにSLE集団内のPOISEスコアの二峰性分布の両方を
明らかにした(
図6)。スクリーニングスコアはまた、他のコホートと比較して、台湾か
らの参加者のコホートにおいて優占的に閾値を超えるPOISEスコアが明らかになった
。
【0261】
統計学的有意性に達していないが、ベースラインPOISEスコアは、非レスポンダー
集団よりもJNJ-55920839レスポンダー集団でわずかに高かった(
図7)。1
名の参加者は、スクリーニング時にIFN-I陽性であったにもかかわらず、ベースライ
ン時に陰性であった。この参加者は、試験の残りの部分についてIFN-Iシグネチャー
カットオフ未満のままであった。
【0262】
薬物動態
0.3mg/kg~15mg/kgの用量範囲にわたるJNJ-55920839の単
回IV注入後、最大PK濃度及び血清濃度-時間曲線下面積のほぼ用量依存的かつ用量比
例的な増加があった。平均t1/2は、健常ボランティアにおけるIV注入(20.7日
~24.6日)及びSC注射(24.6日)後に同様であった。同じ用量でのIV注入と
の比較に基づいて、SC注射として投与されたJNJ-55920839の絶対生物学的
利用能は、およそ80%と推定された。
【0263】
初回投与後のPKプロファイルは、二峰性の性質で、健常ボランティアと比較して、軽
度から中度のSLEを有する参加者において同様であった。JNJ-55920839(
10mg/kg)の複数回IV注入後のSLEの参加者については、定常状態は、43日
間の処置(投与4)内で達成された。投与6後の平均t1/2は、14.8日であった。
【0264】
免疫原性
健常ボランティアにおける0.3mg/kg~15mg/kgのJNJ-559208
39IV若しくは1mg/kgのSCの単回投与、又は軽度から中度のSLEを有する参
加者における10mg/kgのJNJ-55920839IVの複数回投与後に、JNJ
-55920839に対する抗体を発症した対象はいなかった。
【0265】
SLEによる参加者の臨床応答
100日目の4点以上の改善(SRI-4)を伴う全身性紅斑性狼瘡レスポンダー指数
全体は、JNJ-55920839を投与された参加者が、プラセボを投与された参加者
よりも数値的に高い奏効率を有したことを示す(それぞれ31.3%対0%;
図8)。J
NJ-55920839コホートは、SLEDAI-2K及びS2KRI-50に対して
プラセボコホートよりも大きな減少を示した。SLEDAI-2Kの100日目のベース
ラインからの平均割合変化は、それぞれ、23.74(SD=27.06)対8.93(
SD=13.14)の減少であった;S2KRI-50に対する100日目のベースライ
ンからの平均割合変化は、それぞれ、51.77(SD=24.76)対25.84(S
D=22.16)の減少であった。PGAにおけるベースラインから100日目までの平
均割合変化は、プラセボコホートよりもJNJ-55920839コホートについてより
大きかった(それぞれ、19.60[SD=36.25]対6.09[SD=29.15
]の減少)。
【0266】
更に、JNJ-55920839コホートは、プラセボコホートよりも、数値的により
少ない数の膨潤した関節を呈した。全体的なCLASI活性についてJNJ-55920
839とプラセボとの間に差はなかった(それぞれ-27.3%対-20.4%)が、ベ
ースライン活性は低かった。いくつかの臨床転帰及び患者報告転帰について、ベースライ
ンから処置後までの処置コホート間で変化は観察されなかった(British Isl
es Lupus Assessment Groupあたりの新たなA又は2Bシフト
なし、1日目から100日目までのSLEDAIフレアまでの時間、並びにEQ-5D-
5 L及びSF-36の全体スコア又は個々のドメイン)。
【0267】
薬力学
RNA-配列分析は、血液中のPOISEスコアを使用して測定されるIFN-Iシグ
ネチャーの時間的抑制が迅速であり、1日目から71日目までの投与期間を通してJNJ
-55920839レスポンダーと非レスポンダー(100日目のSRI-4)との間で
ほぼ同等であり、シグネチャーレベルが登録組み入れのためのカットオフスコアに近いこ
とを示した。対照的に、プラセボ群は、経時的なPOISEスコアの有意な変化を示さな
かった(
図9)。71日目の最後の投与後、JNJ-55920839レスポンダーは8
6日目まで持続的なPOISEスコア抑制を示し、130日目にプラセボレベルに達した
が、JNJ-55920839非レスポンダーシグネチャーレベルは79日目にプラセボ
レベルに急速に達した(
図9)。
【0268】
安全性及び認容性
パートAの間、48人の健常ボランティアの39人(81.3%)は、1つ以上のTE
AEを経験したことが報告されている。最も一般的なTEAEは、感染症及び感染症のシ
ステム器官クラス(SOC)(12/48[25%])で報告され、感染症を経験してい
るJNJ-55920839に曝露されたボランティアの割合がプラセボに曝露されたボ
ランティアよりも高かった(それぞれ27.8%対16.7%;表6)。試験薬の用量の
増加と感染症を経験したボランティアの割合との間に関連がある可能性があった。感染症
のTEAEは全て非重篤であった。
【0269】
JNJ-55920839で処置された健常ボランティアにおける1つの感染は、自ら
の裁量での中断をもたらした。このボランティアは、従来の治療に応答した水疱性鼓膜炎
を経験した。追加の感染/感染が観察され、主に上気道であり、重篤ではなかった;帯状
疱疹の症例は認められなかった。
【0270】
研究のパートBの間、両方のコホートでTEAEの同様の割合が観察され、合計20人
の参加者が1つ以上のTEAEを経験したことを報告した。パートAと同様に、報告され
た最も一般的なTEAEは、感染症及び感染症のSOCであった(10[38.5%]参
加者)。しかしながら、プラセボコホートと比較して、JNJ-55920839処置コ
ホートではより高い割合であった(それぞれ50%対12.5%;表7)。JNJ-55
920839コホートで観察された感染症には、一般的な細菌及びウイルス感染症、並び
に局所播種性帯状疱疹の2つの重篤な有害事象が含まれた。胃腸障害のSOCにおける事
象のより高い割合もまた、プラセボコホートと比較して、JNJ-55920839コホ
ートで報告された(それぞれ16.7%対0%の参加者)。しかしながら、これらのTE
AEは、特定の診断ではなく全ての症状であった。
【0271】
重篤なTEAEは、JNJ-55920839コホートからの2名(7.7%)の参加
者によって報告され、2名の帯状疱疹症例(7.7%)及び1名の参加者(3.8%)に
おける早産が含まれた。プラセボコホートにおいて重篤なTEAEは報告されなかった。
JNJ-5592083910mg/kgIVで処置された1人の参加者は、鼠径部痛(
リンパ節症)の非重篤なTEAEのため参加を中止し、これは調査者によって試験薬に関
連している可能性があると考えられ、最終的に消散した。帯状疱疹の症例は、研究薬に関
連するものと考えられた。その結果、研究への参加を中止し、参加者/除外基準を、既往
歴のいずれかの時点で、播種性形態の帯状疱疹を発症する素因を既に示している参加者を
除外するように修正した。両方とも事象の発症前に全ての計画された用量を受けていたの
で、これらの参加者に関しては何もしなかった。早産の重篤なTEAEを有する参加者は
健常な乳児を出産し、その出産は37週の2日以内(満期妊娠)であった。参加者又は乳
児に関連する他の問題は報告されず、これは試験研究者によって試験薬に関連しないと考
えられた。
【0272】
注入反応は報告されず、局所注射部位反応性は試験薬物に起因しなかった。JNJ-5
5920839で処置された対象のベースライン後の化学的又は血液学的値に臨床的に有
意な増加はなかった。
【0273】
【0274】
【0275】
考察
JNJ-55920839、すなわち、複数のIFN-αサブタイプ及びIFN-ωを
標的とする完全ヒト免疫グロブリンG1カッパモノクローナル抗体が、上昇したIFN-
Iシグネチャーを有するSLEを有する参加者におけるこれらのIFNの活性を特異的に
中和する臨床的利点を探求するために開発された。この第I相試験は、IV投与及びSC
投与の両方後のヒトにおける安全性、忍容性、PK、免疫原性、PD及び臨床応答の最初
の試験であった。JNJ-55920839は、0.3mg/kg~15mg/kgのI
V用量範囲にわたって線形PKを示し、IV投与とSC投与との間で同様の平均t1/2
を有した。健常ボランティア及び軽度から中度のSLEを有する参加者では、これらの参
加者でわずかに低いクリアランスが観察されたにもかかわらず、同様のPKプロファイル
が観察された。この第1のヒト試験において、JNJ-55920839に対する処置誘
導抗薬物抗体は観察されなかった。これは、意図された患者集団における反復投与を表す
ものではない場合がある。
【0276】
全体として、SRI-4応答、SLEDAI-2K応答及びPGAによって判断した場
合、2週間毎に10mg/kgの用量(6回の用量)のJNJ-55920839は、プ
ラセボよりも数値的に良好な臨床応答に関連していた。関節カウントは、プラセボ及びJ
NJ-55920839コホートにわたって有意なベースライン差を示し、比較を困難に
したが、JNJ-55920839コホートは、腫脹した関節の数の数値的により大きな
減少を示した。ベースラインで有意なCLASI活性を有する参加者はほとんどおらず、
そのため、この評価測定では比較が困難であった。しかしながら、JNJ-559208
39とプラセボとの間に差は見られなかった。患者報告結果測定値(SF-36及びEQ
-5D-5L)には改善は認められなかった。臨床評価ツールによって測定された臨床応
答は、有望であるが、これは、試験が臨床的有効性応答を検出するための力を与えられな
かったためである。十分に効力がある追加の用量設定試験は、臨床応答のためのJNJ-
55920839の投薬レジメンを更に最適化することができる。
【0277】
JNJ-55920839は、単回投与後に健常ボランティアの間で全体的に忍容性が
高かった。注入反応は報告されず、局所注射部位反応性は試験薬物に起因しなかった。試
験のパートAでは重篤なAEは発生しなかった。感染は最も一般的なAEであり、可能な
用量応答を示した。JNJ-55920839で処置された健常ボランティアにおける1
つの感染は、自身の裁量で中止をもたらした。このボランティアは、予想される時間過程
で応答した抗生物質療法を必要とする、水疱性鼓膜炎を経験した。更なる感染/侵襲が観
察されたが、これらは重篤ではなく、試験への参加に影響を与えなかった。健常ボランテ
ィアには、帯状疱疹の症例は認められなかった。
【0278】
パートBでは、JNJ-55920839処置の全過程に曝露された軽度から中度のS
LEを有する参加者において、局所播種性帯状疱疹感染の2例が観察された。両方の症例
は、従来の治療後に続発症なしに消散した。帯状疱疹の再活性化は、併用療法及びSLE
と共に増大することが知られており、IFN-Iを遮断する他の薬剤(Furie et
al、Arthritis&Rheumatology、69:376~86、201
7;Khamashta et al.,Ann Rheum Dis 75:1909
-16,2016)。この試験では、帯状疱疹又は他の特定のウイルス感染の広範な伝播
の証拠はなかった。早産の重篤なTEAEは、参加者が妊娠してから満期まで2日以内で
あったので、臨床的に重要であるとは考えられない。実験室パラメータ、バイタルサイン
、身体検査、又は心電図所見について、ベースラインからの臨床的に有意な変化は観察さ
れなかった。試験の両方の部分における感染率の増加は、感染リスクがJNJ-5592
0839で増加しているかどうかを理解するために、更なる調査を必要とする。注目すべ
き研究限界は特定されなかった。
【0279】
JNJ-55920839は、健常ボランティアと、軽度から中程度のSLEを有する
参加者との両方において良好に忍容された。臨床測定は、JNJ-55920839コホ
ートにクラスター化されたレスポンダーを示した。JNJ-55920839の安全性プ
ロファイルは、AEとしての感染の発症にわずかな懸念を受けて許容可能であった。PO
ISEスコアを使用してIFN-Iシグネチャーを含めるために本研究で使用されるスク
リーニング戦略は、将来の研究に有用であり得る。
【0280】
JNJ-55920839で処置された参加者からの長期的血液試料は、プラセボに対
して明らかなPD効果を示した。これらのデータはまた、JNJ-55920839レス
ポンダーが、非レスポンダーと比較して、投与期間中(1日目~71日目)にIFN-I
シグネチャーのより深いレベルの抑制を達成しなかったことを示した。この観察にもかか
わらず、参加者登録のためのPOISEスコアの使用は、アニフロルマブ第2相研究結果
によって示されるように、IFN-I阻害に対するレスポンダーを濃縮することが予想さ
れるであろう(Furie et al.,Arthritis&Rheumatolo
gy 69:376~86、2017)。興味深いことに、この試験ではプラセボ応答は
観察されなかった。これは、ウステキヌバム第2相分析と一致するものであって、ベース
ラインにおいて、より低いプラセボ応答速度が、より高いIFN-Iシグネチャーレベル
を有する対象において観察されたことを示した(van Vollenhoven et
al.,Lancet 392:1330-9,2018)。この観察は、ベースライ
ンにおける高いIFN-Iシグネチャーを有するSLE対象が、標準治療療法に反応しに
くいことを示唆している。したがって、基準時に高いIFN-Iシグネチャーを有する参
加者の濃縮は、SLE試験におけるプラセボ応答を最小限に抑えるための戦略であり得る
。驚くべきことに、JNJ-55920839レスポンダーと非レスポンダーとの間で7
2日目と100日目との間の最終投与後にPD差が観察され、この場合、JNJ-559
20839レスポンダーは一貫してIFN-Iシグネチャーの抑制を示し、非レスポンダ
ーは79日目までにプラセボと同様のレベルに達した。非レスポンダーが、投与後のこの
期間中に類似するレベルのIFN-Iシグネチャー抑制を示さなかった理由は、現在のと
ころ不明であり、これは抑制のレベルが投与期間中には大きく類似していたためである。
この試験からの血清試料は、これらの非レスポンダーの参加者において抗薬物抗体を明ら
かにしなかった。試料サイズのためにこの研究には明確な制限があるが、これらのデータ
は、この期間中にシグネチャーの抑制を維持できなかった参加者が研究から中止されるか
、又は別の研究に切り替えられる適応試験設定でこの投与後評価を使用する可能性を示し
ている。
【0281】
この試験からの別の興味深い所見は、IFN-Iシグネチャー抑制の最大レベルがJN
J-55920839の初回投与直後に見られたことであった。この試験からの明確な免
疫原性所見を考えると、この初期の迅速な抑制がその後の投与後に維持されなかった理由
は不明である。初回投与後のIFN-Iシグナル伝達の即時抑制を代償するために代償性
因子が誘導された可能性があるが、そのような因子は同定されていない。79日目(最終
投与のおよそ1週間後)にピークとなる最後の投与後に見られたIFN-I抑制が、この
試験において認められた2番目に大きいレベルのIFN-I抑制であり、JNJ-559
20839レスポンダー群においてのみ生じたことも興味深い。いずれの場合においても
、IFN-Iシグネチャーのレベルが決して健常対照群において認められるレベルに持続
的に達しておらず、このことは、抗IFNR活性を有する試験を含む他の試験からのデー
タ、例えば、アニフロルマブと一致している(Furie et al.,Arthri
tis&Rheumatology、69:376~86、2017)。健常対照におい
て観察されるレベルまでのIFN-Iシグネチャーの完全な抑制がないにもかかわらず、
レスポンダーが、IFN-I阻害剤を使用するこの試験及び他のSLE試験において特定
され、このことは、IFN-Iシグネチャーの完全な正規化が、SRI-4機器を使用し
て臨床的効果を達成するために必要とされないことを示している。
【0282】
これらの所見に基づいて、SLEの処置のための用量及びレジメンを含むJNJ-55
920839の更なる研究が正当化される。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2024-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
いくつかの実施形態において、組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの、前記生体試料と1つ以上の健常対照から得られた生体試料との間の正規化された差次的発現のlog2倍率変化の合計(SUMlog2(2^-ddCT))である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0113
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0113】
本開示はまた、IFN-I阻害剤による処置に応答性であるI型インターフェロン(IFN-I媒介性疾患を有する対象を診断及び処置する方法であって、
対象からの生体試料を提供することと;
生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現をアッセイすることと;
以下、
遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの正規化された閾値サイクル(CT)値の合計(SUMΔCT);
遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの、前記生体試料と1つ以上の健常対照から得られた生体試料との間の正規化された差次的発現のlog2倍率変化の合計(SUMlog2(2^-ddCT));又は
式Iに従って計算されたPOISEスコア:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^-ddCT)|(式I);又はそれらの任意の組み合わせを判定し;
SUMΔCTが閾値SUMΔCT値57.474以上である場合、SUMlog2(2^-ddCT)値が閾値SUMlog2(2^-ddCT)値8.725以上である場合、又はPOISEスコアが閾値POISEスコア35以上である場合に、又はそれらの任意の組み合わせである場合に、対象をIFN-I阻害剤による処置に応答性であるIFN-I媒介性疾患を有すると診断し、
IFN-I阻害剤による処置に応答性であると診断された対象にIFN-I阻害剤を投与することを含む、方法を提供する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0180
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0180】
実施形態15.組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの、前記生体試料と1つ以上の健常対照から得られた生体試料との間の正規化された差次的発現のlog2倍率変化の合計(SUMlog2(2^-ddCT))である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0282
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0282】
これらの所見に基づいて、SLEの処置のための用量及びレジメンを含むJNJ-55920839の更なる研究が正当化される。
以下の態様を包含し得る。
[1] IFN-I阻害剤による処置に応答性であるI型インターフェロン(IFN-I)媒介性疾患を有する対象を処置する方法であって、
a)前記対象からの生体試料を提供することと;
b)前記生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1、及びSAMD9Lの遺伝子発現をアッセイすることと;
c)前記生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされた発現値を決定することと;
d)前記組み合わされた発現値が閾値以上である場合、前記対象を前記IFN-I阻害剤で処置することと、を含む、方法。
[2] 前記組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9の正規化された閾値サイクル(CT)値の合計(SUMΔCT)であり、前記閾値が57.474のSUMΔCTである、上記[2]に記載の方法。
[3] 前記組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの、前記生体試料と1つ以上の健常対照から得られた生体試料との間の正規化された差次的発現のlog2倍率変化の合計(SUMlog2(2^-ddCT))であり、前記閾値が8.725のSUMlog2(2^-ddCT)である、上記[1]に記載の方法。
[4] 前記組み合わされた発現値が、式I:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^
-ddCT
)|(式I)のPOISEスコアであり、前記閾値は、30~40の前記POISEスコアである、上記[1]に記載の方法。
[5] 前記閾値が、35のPOISEスコアである、上記[4]に記載の方法。
[6] 前記生体試料が、血液試料又は組織試料である、上記[1]に記載の方法。
[7] 前記IFN-I媒介性疾患が、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、I型糖尿病、乾癬、原発性シェーグレン病、全身性硬化症、関節リウマチ、移植拒絶反応、皮膚筋炎、多発性筋炎、エカルディ・グティエール症候群、乳児期発症のSting関連血管障害(SAVI)、又は脂肪異栄養症及び高温症候群を伴う慢性非定型好中球性皮膚症(CANDLE)である、上記[1]に記載の方法。
[8] SLEが、ループス腎炎、皮膚ループス又は中枢神経系(CNS)症状を伴うループスを含む、上記[7]に記載の方法。
[9] 前記IFN-I阻害剤が、IFN-IとIFNARとの相互作用を遮断する分子、IFN-Iに結合するアンタゴニスト抗体、IFNARに結合するアンタゴニスト抗体、Tyk2、Jak1、TLR7、TLR8、TLR9若しくはSTINGの阻害剤、形質細胞様樹状細胞のモジュレーター若しくは枯渇剤;又は核酸を分解する剤である、上記[1]に記載の方法。
[10] IFN-Iに結合する前記アンタゴニスト抗体が、
a)配列番号11の重鎖可変領域1(HCDR1)、配列番号12のHCDR2、配列番号13のHCDR3、配列番号14の軽鎖可変領域1(LCDR1)、アミノ酸配列GASを含むLCDR2、及び配列番号16のLCDR3;
b)配列番号17の重鎖可変領域(VH)及び配列番号18の軽鎖可変領域(VL)、若しくは
c)配列番号19の重鎖(HC)及び配列番号20の軽鎖(LC)、又はそれらの任意の組み合わせを含む、上記[9]に記載の方法。
[11] IFN-Iに結合する前記アンタゴニスト抗体が、約10mg/kgの用量で投与される、上記[10]に記載の方法。
[12] IFN-Iに結合する前記アンタゴニスト抗体が、約10mg/kgの用量で、2週間に1回投与される、上記[11]に記載の方法。
[13] I型インターフェロン(IFN-I)媒介性疾患を有する対象が、IFN-I阻害剤による処置に応答性であるかどうかを決定し、前記対象を処置するかどうかを決定する方法であって、
a)前記対象からの生体試料を提供することと;
b)前記生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現をアッセイすることと;
c)前記生体試料中の前記遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされた発現値を決定することと;
d)前記IFN-I媒介性疾患を有する前記対象を、前記組み合わされた発現値が閾値以上である場合、前記IFN-I阻害剤による処置に応答性であると診断すること、又は、前記IFN-I媒介性疾患を有する前記対象を、前記組み合わされた発現値が閾値未満である場合、前記IFN-I阻害剤による処置に非応答性であると診断することと;
e)前記IFN-I阻害剤による処置に対して応答性であると診断された前記対象に前記IFN-I阻害剤を投与すること、又は、前記IFN-I阻害剤による処置に対して非応答性であると診断された前記対象に前記IFN-I阻害剤を投与することを控えることと;を含む、方法。
[14] 前記組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの正規化された閾値サイクル(CT)値の合計(SUMΔCT)であり、前記閾値が57.474のSUMΔCTである、上記[13]に記載の方法。
[15] 前記組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの、前記生体試料と1つ以上の健常対照から得られた生体試料との間の正規化された差次的発現のlog2倍率変化の合計(SUMlog2(2^-ddCT))であり、前記閾値が8.725のSUMlog2(2^-ddCT)である、上記[13]に記載の方法。
[16] 前記組み合わされた発現値が、式I:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^
-ddCT
)|(式I)のPOISEスコアであり、前記閾値は、30~40の前記POISEスコアである、上記[13]に記載の方法。
[17] 前記閾値が、35のPOISEスコアである、上記[16]に記載の方法。
[18] 前記生体試料が、血液試料又は組織試料である、上記[13]に記載の方法。
[19] 前記IFN-I媒介性疾患が、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、I型糖尿病、乾癬、原発性シェーグレン病、全身性硬化症、関節リウマチ、移植拒絶反応、皮膚筋炎、多発性筋炎、エカルディ・グティエール症候群、乳児期発症のSting関連血管障害(SAVI)、又は脂肪異栄養症及び高温症候群を伴う慢性非定型好中球性皮膚症(CANDLE)である、上記[13]に記載の方法。
[20] SLEが、ループス腎炎、皮膚ループス又は中枢神経系(CNS)症状を伴うループスを含む、上記[19]に記載の方法。
[21] 前記IFN-I阻害剤が、IFN-IとIFNARとの相互作用を遮断する分子、IFN-Iに結合するアンタゴニスト抗体、IFNARに結合するアンタゴニスト抗体、Tyk2、Jak1、TLR7、TLR8、TLR9若しくはSTINGの阻害剤、形質細胞様樹状細胞のモジュレーター若しくは枯渇剤;又は核酸を分解する剤である、上記[13]に記載の方法。
[22] IFN-Iに結合する前記アンタゴニスト抗体が、
a)配列番号11の重鎖可変領域1(HCDR1)、配列番号12のHCDR2、配列番号13のHCDR3、配列番号14の軽鎖可変領域1(LCDR1)、アミノ酸配列GASを含むLCDR2、及び配列番号16のLCDR3;
b)配列番号17の重鎖可変領域(VH)及び配列番号18の軽鎖可変領域(VL)、若しくは
c)配列番号19の重鎖(HC)及び配列番号20の軽鎖(LC)、又はそれらの任意の組み合わせを含む、上記[21]に記載の方法。
[23] IFN-Iに結合する前記アンタゴニスト抗体が、約10mg/kgの用量で投与される、上記[22]に記載の方法。
[24] IFN-Iに結合する前記アンタゴニスト抗体が、約10mg/kgの用量で、2週間に1回投与される、上記[23]に記載の方法。
[25] 対象がIFN-I媒介性疾患を有することを予測及び/又は診断するためのin vitro方法であって、
a)前記対象からの生体試料を提供することと;
b)前記生体試料中の遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの遺伝子発現をアッセイすることと;
c)前記生体試料中の前記遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの組み合わされた発現値を決定することと;
d)前記組み合わされた発現値が閾値以上である場合に、前記対象が前記IFN-I媒介性疾患を有することを予測及び/又は診断することと;を含む、方法。
[26] 前記組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの正規化された閾値サイクル(CT)値の合計(SUMΔCT)であり、前記閾値が57.474のSUMΔCTである、上記[25]に記載の方法。
[27] 前記組み合わされた発現値が、遺伝子DHX58、EIF2AK2、HERC5、IFI44、IFI44L、IFI6、IRF7、PARP9、PLSCR1及びSAMD9Lの、前記生体試料と1つ以上の健常対照から得られた生体試料との間の正規化された差次的発現のlog2倍率変化の合計(SUMlog2(2^-ddCT))であり、前記閾値が8.725のSUMlog2(2^-ddCT)である、上記[25]に記載の方法。
[28] 前記組み合わされた発現値が、式I:
POISEスコア=70-|43.7251664-SUMlog2(2^
-ddCT
)|(式I)のPOISEスコアであり、参照値は、30~40の前記POISEスコアである、上記[25]に記載の方法。
[29] 前記参照値が、35のPOISEスコアである、上記[28]に記載の方法。
[30] 前記生体試料が、血液試料又は組織試料である、上記[25]に記載の方法。
[31] 遺伝子発現が、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)若しくはマイクロアレイ、又はその両方を用いてアッセイされる、上記[30]記載の方法。
[32] 遺伝子発現が、mRNAレベルで測定される、上記[31]記載の方法。
[33] 前記IFN-I媒介性疾患が、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、I型糖尿病、乾癬、原発性シェーグレン病、全身性硬化症、関節リウマチ、移植拒絶反応、皮膚筋炎、多発性筋炎、エカルディ・グティエール症候群、乳児期発症のSting関連血管障害(SAVI)、又は脂肪異栄養症及び高温症候群を伴う慢性非定型好中球性皮膚症(CANDLE)である、上記[25]に記載の方法。
【外国語明細書】