(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119904
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】血管壁の動脈切開部を閉鎖するための閉鎖システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/00 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
A61B17/00 500
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024091961
(22)【出願日】2024-06-06
(62)【分割の表示】P 2022092792の分割
【原出願日】2015-11-13
(31)【優先権主張番号】62/079,878
(32)【優先日】2014-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507343626
【氏名又は名称】アクセスクロージャー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】フンデルトマーク、 ロナルド アール.
(72)【発明者】
【氏名】トー、 ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ガイヤー、 カート
(72)【発明者】
【氏名】レップ、 リック
(72)【発明者】
【氏名】シュニッツァー、 マーチン
(72)【発明者】
【氏名】アブトゥ、 スラバンティ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】動脈切開部に密封材を送達するための閉鎖システムを提供する。
【解決手段】閉鎖システム20の遠位部分は、密封材18の拡張によって拡張することができる、重なり合う内側スリーブ及び外側スリーブを含むことができる。閉鎖システムの近位部分は、ハンドル部分30と、ハンドル部分から延びるシースアダプター40とを含むことができる。ハンドル部分は、1つ以上のアクチュエーター32、34、36を備えることができ、アクチュエーターは、押し下げられ又は係合されたときに密封材の動脈切開部への配置を助けることができ、密封材のタンピング及び/又は拡張可能な部材の後退を更に含むことができる。シースアダプターは、標準的な処置シースのサイドポート又はイリゲーションラインに取り外し可能に係合することができる。シースアダプターが処置シースに固定されると、閉鎖システムの動きによって処置シースも動かすことができる。
【選択図】
図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動脈切開部を密封する方法であって、
ハンドル部分と、
前記ハンドル部分から延び、取り付け構造を含むシースアダプターと、
前記ハンドル部分から延びる外側カテーテルと、
前記外側カテーテルを通って延び、前記外側カテーテルが取り外し可能に固定された
内側カテーテルと、
半径方向において前記外側カテーテルと前記内側カテーテルとの間にある支持チュー
ブと、
前記外側カテーテルの遠位部分に配置された密封材と
を備える閉鎖システムを、前記動脈切開部を通って延びる処置シースを通して前進させる
ことと、
前記シースアダプターの前記取り付け構造を前記処置シースのサイドポート又はイリゲ
ーションラインに解放可能に取り付けることによって、前記閉鎖システムの前記シースア
ダプターを前記処置シースに固定することと、
前記密封材を露出させるべく前記処置シース及び前記外側カテーテルを前記内側カテー
テルに対して後退させるために前記ハンドル部分を後退させることと
を含む方法。
【請求項2】
前記シースアダプターを前記処置シースに固定することは、前記シースアダプターを前
記サイドポート又は前記イリゲーションラインに取り付けるために、前記シースアダプタ
ーを回転方向及び軸方向に移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記密封材の拡張によって前記外側カテーテルの遠位部分を拡張させることを更に含む
、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記処置シースを通る前記閉鎖システムの前進中、前記内側カテーテルは前記外側カテ
ーテルに固定されている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記内側カテーテルを前記外側カテーテルから解放することを更に含む、請求項4に記
載の方法。
【請求項6】
前記密封材を前記支持チューブでタンピングすることを更に含む、請求項1に記載の方
法。
【請求項7】
前記閉鎖システムを前記処置シースから解放することを更に含む、請求項1に記載の方
法。
【請求項8】
動脈切開部を閉鎖するための閉鎖システムであって、
ハンドル部分と、
処置シースへの取り外し可能な取り付けのための取り付け構造を含むシースアダプター
と、
前記ハンドル部分から遠位に延びる外側カテーテルであって、近位部分及び遠位部分を
含む外側カテーテルと、
前記外側カテーテルを通って延びる内側カテーテルであって、前記外側カテーテルが内
側カテーテルに対して軸方向に移動可能な内側カテーテルと、
前記外側カテーテルの遠位部分に配置された密封材と、
前記密封材に近接し且つ半径方向において前記外側カテーテルと前記内側カテーテルと
の間にある支持チューブと
を備える閉鎖システム。
【請求項9】
前記シースアダプターは、前記ハンドル部分に係合するように構成された近位フランジ
を備える、請求項8に記載の閉鎖システム。
【請求項10】
前記シースアダプター及び前記ハンドル部分は一体である、請求項8に記載の閉鎖シス
テム。
【請求項11】
前記外側カテーテルの遠位部分は、内側スリーブと、前記内側スリーブを取り囲む外側
スリーブとを備える、請求項8に記載の閉鎖システム。
【請求項12】
前記外側カテーテルの近位部分が単一層を備える、請求項11に記載の閉鎖システム。
【請求項13】
前記内側スリーブが第1スリットを備え、前記外側スリーブが第2スリットを備える、
請求項11に記載の閉鎖システム。
【請求項14】
前記第1スリットは、前記第2スリットから円周方向にずらされている、請求項13に
記載の閉鎖システム。
【請求項15】
前記第1スリットは、前記第2スリットから円周方向に約180度ずらされている、請
求項13に記載の閉鎖システム。
【請求項16】
前記内側カテーテルは、前記内側カテーテルの遠位部分に配置された拡張可能な構造体
を備える、請求項8に記載の閉鎖システム。
【請求項17】
動脈切開部を閉鎖するための閉鎖システムであって、
ハンドル部分と、
前記ハンドル部分から延びる外側カテーテルであって、近位部分及び遠位部分を含み、
前記遠位部分は、内側スリーブと、前記内側スリーブを取り囲む外側スリーブとを含み、
前記内側スリーブは第1スリットを備え、前記外側スリーブは前記第1スリットから円周
方向にずらされた第2スリットを含む外側カテーテルと、
前記外側カテーテルを通って延びる内側カテーテルであって、前記外側カテーテルが取
り外し可能に固定された内側カテーテルと、
前記外側カテーテルの遠位部分に配置された密封材と、
前記密封材に近接し且つ半径方向において前記外側カテーテルと前記内側カテーテルと
の間にある支持チューブと
を備える閉鎖システム。
【請求項18】
前記外側カテーテルの近位部分が単一層を備える、請求項17に記載の閉鎖システム。
【請求項19】
前記第1スリットは、前記第2スリットから円周方向に約180度ずらされている、請
求項17に記載の閉鎖システム。
【請求項20】
前記第1スリット及び前記第2スリットは、配置前に前記支持チューブに対して遠位に
ある、請求項17に記載の閉鎖システム。
【請求項21】
動脈切開部を密封する方法であって、
ハンドル部分と、
前記ハンドル部分から延び、取り付け構造を含むシースアダプターと、
前記ハンドル部分から延びる外側カテーテルと、
前記外側カテーテルを通って延び、前記外側カテーテルが取り外し可能に固定された
内側カテーテルと、
前記内側カテーテルの遠位部分に配置された拡張可能な部材と、
前記ハンドル部分に取り付けられた第1アクチュエーター機構と、
前記外側カテーテルの遠位部分に配置された密封材と
を備える閉鎖システムを、前記動脈切開部を通って延びる処置シースを通して前進させる
ことと、
前記密封材を前記動脈切開部内に配置すると共に、前記密封材を前記動脈切開部の血管
壁に寄せてタンピングするために前記第1アクチュエーター機構を押し下げることと
を含む方法。
【請求項22】
前記シースアダプターの前記取り付け構造を前記処置シースのサイドポート又はイリゲ
ーションラインに解放可能に取り付けることによって、前記閉鎖システムの前記シースア
ダプターを前記処置シースに固定することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1アクチュエーターを押し下げることが、前記密封材を露出させるように前記外
側カテーテルを近位方向に移動させることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記ハンドル部分は第2アクチュエーター機構を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記拡張可能な部材を前記ハンドル部分内に引き込むために前記第2アクチュエーター
機構を押し下げることを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記閉鎖システムが、半径方向において前記外側カテーテルと前記内側カテーテルとの
間に配置された支持チューブを更に備える、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記密封材は、前記支持チューブの作動によってタンピングされる、請求項26に記載
の方法。
【請求項28】
前記支持チューブは、前記第1アクチュエーター機構を押し下げることによって作動さ
れる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ハンドル部分は、前記拡張可能な構造体が膨張状態にあるときに前記第2アクチュ
エーター機構を押し下げるのを防ぐためにロックアウト機構を更に含む、請求項25に記
載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
栓又は密封材を用いて血管穿刺部を密封するための経皮的な装置及び方法。
【背景技術】
【0002】
患者の脈管構造への経皮的なアクセスを得るために、患者の皮膚を通して中空針を血管
に挿入することができる。針管腔を通して血管内にガイドワイヤーを通すことができ、そ
の後、針を取り除くことができる。次いで、1つ以上の膨張器と共に又は1つ以上の膨張
器の後にガイドワイヤーに沿って導入器シースを血管内に前進させることができる。導入
器シースを通して且つガイドワイヤーに沿って医療処置を行う位置にカテーテル又は他の
装置を前進させることができる。処置が完了すると、装置及び導入器シースは取り除かれ
、皮膚と血管壁との間に延びる穿刺部が残る。穿刺部を密封するために、止血が起こるま
で、例えば手で及び/又はサンドバッグを用いて、上部組織に外圧を加えることができる
。
【0003】
脈管構造へのアクセスを必要とする診断又は治療処置(例えば、画像化処置、血管形成
術、ステント送達、その他)の完了後、動脈切開部は、外圧をかける、締め付ける、縫合
する、及び/又は金属インプラント、栓又は密封材を送達するなどの様々な機械的又は生
物学的な解決法によって閉鎖される。しかしながら、これらの閉鎖処置の多くは、時間が
かかり、費用がかかり、患者にとって不快であり、患者が長時間にわたって手術室、カテ
ーテル検査室、又は保持区域に固定されたままであることを必要とする。また、これらの
長時間にわたる閉鎖処置の一部は、止血前の出血による血腫のリスクを増加させる可能性
がある。
一部の閉鎖処置は、診断又は治療処置の間に使用される導入器シースと閉鎖システムに
適合するシースとの間のシース交換を必要とする場合がある。この追加のステップは、時
間がかかり、血管損傷及び感染のリスクを増加させる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、シース交換のステップを排除する閉鎖方法が依然として必要とされている。本
開示は、標準的な処置シースに適合し且つ標準的な処置シースを密封材送達方法に組み入
れる閉鎖システムに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一部の態様は、動脈切開部を密封するための方法及び閉鎖システムに向けられ
ている。閉鎖システムは、標準的な処置シースを通して挿入することができ、処置シース
に、詳細には処置シースのサイドポート又はイリゲーションラインに係合するように構成
されたシースアダプターを含むことができる。
【0006】
既存の処置シースを通して閉鎖システムを挿入することは、カスタムシースの必要性を
排除し、ガイドワイヤーの挿入、既存のシースの除去及びカスタムシースの挿入を含む、
シース交換に関連するステップを排除する。シース交換の排除は、動脈外傷及び血管損傷
のリスクを低減し、動脈アクセスを維持し、時間を節約し、漏出及び出血を制限し、血腫
又は感染の可能性を最小限に抑える。カスタムシースの必要性を排除するために、統合し
たシースを閉鎖システム内に設けることができ、2つのスリーブ、内側スリーブ及び外側
スリーブで構成することができる。
【0007】
一部の態様において、本方法は、動脈切開部を通って延びる処置シースを通して閉鎖シ
ステムを前進させることを含むことができる。方法はまた、シースアダプターの取り付け
構造を処置シースのサイドポート又はイリゲーションラインに解放可能に取り付けること
によって閉鎖システムのシースアダプターを処置シースに固定することと、密封材を露出
させるべく処置シース及び外側カテーテルを内側カテーテルに対して後退させるためにハ
ンドル部分を後退させることとを含むことができる。本方法は更に、密封材を支持チュー
ブ部材でタンピングすることを含むことができる。
【0008】
一部の態様において、閉鎖システムは、ハンドル部分と、ハンドル部分から延びるシー
スアダプターとを含むことができる。シースアダプターは、処置シースへの解放可能な取
り付けのための取り付け構造を含むことができる。
【0009】
一部の態様において、閉鎖システムは、ハンドル部分から延びる外側カテーテルを含む
ことができる。外側カテーテルは、近位部分及び遠位部分を含むことができる。遠位部分
は、内側スリーブと、内側スリーブを囲む外側スリーブとを含むことができる。内側スリ
ーブは、第1スリットを含むことができ、外側スリーブは、第1スリットから円周方向に
ずらされた第2スリットを含むことができる。外側スリーブ又は一次スリーブのスリット
は、スリーブ/密封材の引っ掛かりを軽減するため、及び密封材送達中にスリーブを後退
させるときの摩擦を緩和するために設けることができる。内側スリーブ又は二次スリーブ
は、カテーテルの先端を血管に挿入する際に密封材を入れるのに役立つように設けること
ができる。
【0010】
選択的に、上述の閉鎖システムはいずれも、外側カテーテルを通って延びる内側カテー
テル、半径方向において外側カテーテルと内側カテーテルとの間にある支持チューブ、及
び/又は外側カテーテルの遠位部分に配置された密封材を含むことができる。
【0011】
一部の態様において、閉鎖システムは、内側カテーテルをハンドルに対してロック解除
するように構成された第1アクチュエーターを含むことができる。ハンドルは、配置され
た密封材をタンピングするのに役立つように処置シースを通して支持チューブ又は部材を
前進させるように構成された第2アクチュエーターを含むことができる。例えば、ハンド
ルは、カム駆動機構を含むことができ、カムは、第2アクチュエーターに連結され且つ支
持部材を移動させるように構成されることができる。一部の態様において、ハンドルは、
密封材を通して拡張可能な構造体を後退させるように構成された第3アクチュエーターを
更に含むことができる。第3アクチュエーターは、内側ハウジング部分に対して移動する
後退スライダーであることができる。
【0012】
別の実施形態において、閉鎖システムは、第1アクチュエーターを備えることができ、
第1アクチュエーターは、外側スリーブを後退させ、その結果、密封材を少なくとも部分
的に露出させると共に、密封材を動脈切開部に寄せてタンピングするように構成される。
拡張可能な構造体を後退させるために、第2アクチュエーターを設けることができる。
【0013】
本明細書では、密封材を露出させ、密封材をタンピングし、且つ/又は拡張可能な構造
体を後退させることができる少なくとも1つのアクチュエーター又は他のタイプのコント
ローラー機構を有するハンドルを備える閉鎖システムが提供される。別の実施形態では、
密封材を露出させ、密封材をタンピングし、拡張可能な構造体を後退させることができる
少なくとも2つのアクチュエーター又は他のタイプのコントローラー機構を単独で又はそ
れらの任意の組み合わせで有するハンドルを備える閉鎖システムが提供される。更に別の
実施形態では、密封材を露出させ、次に密封材をタンピングし、最後に拡張可能な構造体
を後退させることができる少なくとも3つのアクチュエーター又は他の任意のタイプのコ
ントローラー機構を有するハンドルを備える閉鎖システムが提供される。
【0014】
本明細書に開示した特徴、構造、又はステップはいずれも、本明細書に開示した他の任
意の特徴、構造、又はステップと置き換え又は組み合わせ、或いは省略することができる
。また、本開示を要約するために、装置の一部の態様、利点及び特徴が本明細書に記載さ
れている。必ずしも一部又は全てのこのような利点が本明細書に開示したある特定の実施
形態に従って達成されないことを理解されたい。本開示のいかなる個々の態様も、絶対不
可欠又は必須ではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの実施形態を使用する方法を示す。
【
図1B】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの実施形態を使用する方法を示す。
【
図1C】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの実施形態を使用する方法を示す。
【
図1D】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの実施形態を使用する方法を示す。
【
図1E】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの実施形態を使用する方法を示す。
【
図1F】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの実施形態を使用する方法を示す。
【
図1G】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの実施形態を使用する方法を示す。
【
図1H】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの実施形態を使用する方法を示す。
【
図1I】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの実施形態を使用する方法を示す。
【0016】
【
図2】
図1Bに示した閉鎖システムの遠位部分の線2-2を通る拡大図を示す。
【0017】
【
図3】
図1Cに示した閉鎖システムのシースアダプターの線3-3を通る拡大図を示す。
【0018】
【
図4】
図1A~1Iに示した閉鎖システムと共に使用することができるシースアダプターの別の実施形態を示す。
【0019】
【
図5】
図1A~1Iに示した閉鎖システムと共に使用することができるシースアダプターの別の実施形態を示す。
【0020】
【
図6】
図1A~1Iに示した閉鎖システムと共に使用することができるシースアダプターの別の実施形態を示す。
【0021】
【
図7】
図1A~1Iに示した閉鎖システムと共に使用することができるシースアダプターの別の実施形態を示す。
【0022】
【
図8】
図1A~1Iに示した閉鎖システムと共に使用することができるシースアダプターの別の実施形態を示す。
【0023】
【
図9A】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの第2実施形態を使用する方法を示す。
【
図9B】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの第2実施形態を使用する方法を示す。
【
図9C】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの第2実施形態を使用する方法を示す。
【
図9D】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの第2実施形態を使用する方法を示す。
【
図9E】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの第2実施形態を使用する方法を示す。
【
図9F】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの第2実施形態を使用する方法を示す。
【
図9G】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの第2実施形態を使用する方法を示す。
【0024】
【
図10A】
図9A~9Gに示したハンドル装置の第1アクチュエーターの内部拡大図を示す。
【
図10B】
図9A~9Gに示したハンドル装置の第1アクチュエーターの内部拡大図を示す。
【0025】
【0026】
【
図11A】
図9A~9Gに示したハンドルの視覚的指示システムの一態様を示す。
【
図11B】
図9A~9Gに示したハンドルの視覚的指示システムの一態様を示す。
【
図11C】
図9A~9Gに示したハンドルの視覚的指示システムの一態様を示す。
【0027】
【
図12A】
図9A~9Gに示したハンドル装置の第2アクチュエーターの内部拡大図を示す。
【
図12B】
図9A~9Gに示したハンドル装置の第2アクチュエーターの内部拡大図を示す。
【0028】
【
図13A】
図9A~9Gに示したハンドル装置の第3アクチュエーターの内部拡大図を示す。
【
図13B】
図9A~9Gに示したハンドル装置の第3アクチュエーターの内部拡大図を示す。
【
図13C】
図9A~9Gに示したハンドル装置の第3アクチュエーターの内部拡大図を示す。
【
図13D】
図9A~9Gに示したハンドル装置の第3アクチュエーターの内部拡大図を示す。
【0029】
【
図14A】動脈切開部位に密封材を送達するための閉鎖システムの第3実施形態を示す。
【0030】
【0031】
【
図14C】
図14Aのハンドル装置の遠位端の拡大図を示し、張力インジケーターを更に示す。
【0032】
【0033】
様々な実施形態が説明のために添付の図面に示されているが、決して実施形態の範囲を
限定するものと解釈されるべきではない。また、開示した異なる実施形態の様々な特徴を
組み合わせて、本開示の一部である更なる実施形態を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
動脈切開部に密封材を送達するための閉鎖システム及び動脈切開部を密封するための使
用方法が本明細書において提供される。閉鎖システムは、既存の処置シースへの取り付け
のためのシースアダプターを更に含み、その結果、処置シースを取り外し且つ別のシース
を挿入することによるシース交換の必要をなくす。
図1A~1Iは、閉鎖システム20を
用いて動脈切開部位2に密封材18を送達する方法を示す。一般に、閉鎖システム20は
、閉鎖システム20の機能を制御するために使用することができる、第1アクチュエータ
ー32、第2アクチュエーター34、及び第3アクチュエーター36を有するハンドル部
分30を含むことができる。外側カテーテル22は、ハンドル部分30から延びることが
でき、ハンドル部分30と共に軸方向に移動することができる。ハンドル部分30は、ハ
ンドル部分30の遠位部分に、シースキャッチ40又はシースアダプターを含むことがで
きる。
【0035】
内側カテーテル24は、外側カテーテル22を通って延びることができる。内側カテー
テル24は、内側カテーテル24の遠位部分に配置された拡張可能な構造体26を含むこ
とができる。内側カテーテル24は、例えば、内側カテーテル24を外側カテーテル22
から解放するために第1アクチュエーター32を作動させること及び内側カテーテル24
を移動させるために第3アクチュエーター36を後退又は前進させることによって、外側
カテーテル22に対して軸方向に移動することができる。本明細書で提供される実施例は
、拡張可能な構造体26をバルーンとして説明するが、拡張可能な構造体は、代わりに、
バスケット、拡張可能なワイヤ編組、拡張可能なメッシュ、拡張可能なフレーム、回転可
能な構造体などであることができる。別の実施形態において、拡張可能な構造体は、例え
ば、密封処置中にユーザーに触覚的フィードバックを提供するため及び/又は穿刺部を密
封するために、一端に生体吸収性フットプレート又は他の要素を含むことができる。
【0036】
密封材18は、外側カテーテル22の遠位部分60に、半径方向において内側カテーテ
ル24と外側カテーテル22との間に配置することができる。例えば、内側カテーテル2
4は密封材18を通って延びることができ、一方、外側カテーテル22は密封材18を取
り囲む。密封材18は、「血管穿刺部を密封するための装置及び方法」と題して2012
年1月19日に出願され且つその全体が参照により本明細書に含まれる米国特許出願第1
3/354278号明細書に開示されるように、凍結乾燥したヒドロゲルから形成された
近位又は主要第1部分と、複数の凍結乾燥及び/又は架橋されていない前駆体から形成さ
れ、例えば、固体塊又は中実栓として形成され、第1部分に融合又は他の方法で取り付け
られ且つ第1部分から遠位に延びる遠位又は先端第2部分(図示せず)とを含む。密封材
の組成に関する更なる詳細は、「血管穿刺部を密封するための装置及び方法」と題して2
004年11月5日に出願され且つその全体が参照により本明細書に含まれる米国特許第
7335330号明細書に記載されている。
【0037】
支持チューブ28又は支持部材は、密封材18の近位に、半径方向において内側カテー
テル24と外側カテーテル22との間に配置されることができる。例えば、支持部材28
は、内側カテーテル24が支持部材28を通って延び、一方、外側カテーテル22が支持
部材28を取り囲むように、管状であることができる。従って、支持部材28は、内側カ
テーテル24をスライド可能に受け入れるために近位端と遠位端との間に延びる管腔を含
むことができる。支持部材28は、密封材18の位置決め中に密封材18を支持し、動脈
切開部2を閉じるために密封材18を血管壁Vに寄せてタンピングすることができる。支
持部材28は、実質的に剛性、半剛性、且つ/又は実質的に可撓性であることができ、例
えば、支持部材28を座屈させることなく密封材18に対する閉鎖システムの近位への移
動を可能にするため及び/又は密封材18を穿刺部内で圧縮するべく支持部材28の遠位
端を前進させることを可能にするために十分なカラム強度を有する。支持部材28は、例
えば、第2アクチュエーター34を作動させることによって、内側カテーテル24上で外
側カテーテル22及び拡張可能な構造体に対して軸方向に移動することができる。一部の
構成では、第2アクチュエーター34を作動させることにより、内側カテーテル24を支
持部材28から解放することができる。
【0038】
本明細書に記載した特徴のいずれかと組み合わせて又はその代わりに、閉鎖システム2
0は、2013年9月25日に出願され且つその全体が参照により本明細書に含まれる米
国特許出願第2014/0025103号明細書に記載されている密封材送達装置の特徴
のいずれかを含むことができる。
【0039】
図1Aは、動脈切開部2を通って延びる処置シース10を示す。処置シース10は、診
断及び/又は治療処置中に使用されるのと同じシースであることができる。
図1Aに示す
ように、処置シース10は、サイドポート16を有するハブ部分14を含むことができる
。サイドポート16は、イリゲーションライン及び/又はアスピレーションライン12に
固定されることができる。
【0040】
診断及び/又は治療処置の後、閉鎖システム20は、ハブ部分14を通して外側カテー
テル22を挿入することによって処置シース10を通して挿入されることができる(
図1
B参照)。外側カテーテル22は、5F以上の標準的な処置シースと適合するようなサイ
ズにすることができる。
【0041】
閉鎖システム20は、シースアダプター40が処置シース10のハブ部分14に係合す
るまで、処置シース10を通して前進させることができる(
図1C参照)。以下で更に詳
細に説明するように、シースアダプター40は、ハブ部分14のサイドポート16又はイ
リゲーションライン12に取り外し可能に係合するように設計されることができる。
【0042】
閉鎖システム20が処置シース10に連結された状態で、内側カテーテル24の拡張可
能な構造体26は、注射器50を用いて拡張させることができる(
図1D参照)。拡張可
能な構造体26は、拡張可能な構造体26が所定の圧力まで拡張したことを膨張インジケ
ーター54が示すまで拡張させることができる。例えば、膨張インジケーター54は、拡
張可能な構造体26を完全に拡張させると第1位置から第2位置に移動することができる
。
図1Dに示すように、膨張インジケーター54は、第2位置においてハンドル部分30
の近位端から突出することができるが、膨張インジケーター54は、ハンドル部分30の
他の場所に配置されることもできる。或いは、他の任意の適切な膨張インジケーターを使
用することができる。1つの代替案は、圧力測定値を表示し、バルーンの完全な膨張を示
すことができる針インジケーターを有するダイヤルを備えた圧力計を含むことができる。
拡張可能な構造体26を拡張させた後、膨張ライン56は、バルブ52を閉じることによ
って密封されることができる。
【0043】
拡張可能な構造体26を拡張させた状態で、閉鎖システム20及び処置シース10は、
拡張可能な構造体26が血管壁Vの内面に当接するまで後退させることができる(
図1E
参照)。
【0044】
内側カテーテル24は、第1アクチュエーター32を作動させ又は押し下げることによ
って、外側カテーテル22から解放されることができる。内側カテーテル24が解放され
た後、処置シース10及び外側カテーテル22は、密封材18を露出させるように内側カ
テーテル24に対して後退させることができる(
図1F参照)。この構成において、ハン
ドル部分30は、内側カテーテル24が適所に留まっている間に外側カテーテル22を後
退させるために第1アクチュエーター32の上をスライドすることができる。
【0045】
密封材18を露出させた状態で、密封材18を血管壁Vの外面に寄せてタンピングする
ために支持部材28を前進させることができる。上述のように、第2アクチュエーター3
4の作動又は押し下げは、内側カテーテル24及び外側カテーテル22に対して支持部材
28を前進させることができる。
【0046】
密封材18がタンピングされた後、拡張可能な構造体26は、例えば、バルブ52を開
き、注射器50を用いて拡張可能な構造体26の空気を抜くことによって収縮させること
ができる(
図1H参照)。拡張可能な構造体26を収縮させた状態で、拡張可能な構造体
26は、第3アクチュエーター36を作動させ又は押し下げることによって密封材18を
通して後退させることができる。内側カテーテル24は、外側カテーテル22及び/又は
支持部材28に対して後退させることができる(
図1I参照)。密封材18を通して拡張
可能な構造体26を後退させた後、密封材18を血管壁Vに寄せて適所に残して、閉鎖シ
ステム20及び処置シース10全体を身体から取り外すことができる。シースアダプター
40は処置シース10に連結されているので、閉鎖システム20及び処置シース10を同
時に取り外すことができるが、閉鎖システム20を処置シース10から外して別個に取り
外すこともできる。
【0047】
図2は、密封材送達前の閉鎖システム20の拡大図を示す。上述のように、密封材18
は、外側カテーテル22の遠位部分60に、半径方向において内側カテーテル24と外側
カテーテル22との間に配置されることができる。支持部材28は、密封材18の近位に
配置されることができる。少なくとも外側カテーテル22の遠位部分60は、外側スリー
ブ62及び内側スリーブ64を含むことができる。外側スリーブ62及び内側スリーブ6
4の各々は、それぞれ少なくとも1つのスリット62a、64a(例えば、1つのスリッ
ト、2つのスリット、3つのスリット、又はそれより多く)を含むことができる。外側ス
リーブ62及び内側スリーブ64は、同じ数のスリット又は異なる数のスリットを含むこ
とができる。スリット62a、64aは、スリットの位置が互いに合わないように配置さ
れることができる。一態様において、外側スリット62aは、内側スリット64aの反対
側に(例えば、約180度離して)配置されることができる。内側及び外側スリーブ62
、64は、密封材18がスリット62a及び64aを通って外側カテーテル22に入る体
液への曝露を最小限にするために内側及び外側スリーブ62、64の組み合わせによって
円周方向に囲まれるように重なり合うことができる。
【0048】
一態様において、外側スリーブ62は、内側スリーブ64よりも長いことができる。外
側スリーブ62は、例えば、外側カテーテルと一体であるようにハンドル部分30まで後
方に延びることができ、一方、内側スリーブ64は、スリット62a、64aの近位で外
側スリーブ62に固定されることができる。内側スリーブ64及び外側スリーブ62は、
熱接着、接着剤、機械的結合、又は他の適切な取り付け方法を用いて取り付けることがで
きる。内側スリーブ64が外側スリーブ62内に配置された状態で、遠位部分60の内径
は、外側カテーテル22の近位部分の内径よりも小さいことができる。
【0049】
一例において、内側スリーブ64は、外側スリーブ62への支持を提供するために外側
スリーブ62よりも堅いことができる。例えば、内側スリーブ64及び外側スリーブ62
は、様々な厚さを有することができ且つ/又は異なる材料から構成されることができる。
一実施形態において、内側スリーブ64は、ポリイミド又は同様に硬質のポリマーから構
成されることができ、一方、外側スリーブ62は、ポリアミドなどのより軟質の材料から
構成されることができる。別の実施形態において、外側スリーブ62は、ペバックス(登
録商標)などのポリエーテルブロックアミドから、又はナイロン材料から構成されること
ができる。しかしながら、他の任意の適切な材料を内側スリーブ及び外側スリーブに使用
することができる。図示していないが、別の態様において、外側スリーブ62は、送達中
に非外傷性の先端を提供するために遠位端により小さい半径を有して熱成形されることが
できる。
【0050】
二重層のスリーブ62、64は、動脈切開部を通して閉鎖システム20を後退させると
きに密封材を閉鎖システム20内に保持するのに役立つことができる。遠位部分60のス
リットの設計は、密封材の配置中の摩擦を減少させ、密封材を詰まらせる危険性を低減す
る。例えば、密封材18がまだ閉鎖システム20内に配置されている間に(例えば、遠位
端から入る体液によって)拡張し始めると、遠位部分60のスリットの設計は、密封材1
8が閉鎖システム20を詰まらせることなく拡張するための空間を提供する。
【0051】
図9A~9Gは、閉鎖システム120の第2実施形態を示す。本実施形態において、閉
鎖システム120は、密封材を配置し、密封材をタンピングし、且つ拡張可能な構造体を
後退させるのに役立つ1つ以上のアクチュエーター、詳細には3つのアクチュエーターを
備えることができる。
図1A~1Iにおいて図示及び説明した第1実施形態と同様の特徴
は、同様の符号を有する。
【0052】
図1Bの閉鎖システム20の機能と同様に、閉鎖システム120は、ハブ部分14を通
して外側カテーテル22を挿入することによって処置シース10を通して挿入されること
ができる(
図9A参照)。外側カテーテル22は、5F以上の標準的な処置シースと適合
するようなサイズにすることができる。
【0053】
閉鎖システム120は、シースアダプター40が処置シース10のハブ部分14に係合
するまで、処置シース10を通して前進させることができる。以下で更に詳細に説明する
ように、シースアダプター40は、ハブ部分14のサイドポート16又はイリゲーション
ライン12に取り外し可能に係合するように設計されることができる。
【0054】
上述した第1実施形態と同様に、内側カテーテル24は、外側カテーテル22を通って
延びることができる。内側カテーテル24は、内側カテーテル24の遠位部分に配置され
た上記のバルーン又は他の適切な要素などの拡張可能な構造体26を含むことができる。
内側カテーテル24は、例えば、内側カテーテル24を外側カテーテル22から解放する
ために第1アクチュエーター32を作動させ又は押し下げること及び内側カテーテル24
を支持部材28内に移動させるために第3アクチュエーター36を作動させ又は押し下げ
ることによって、外側カテーテル22に対して軸方向に移動することができる。既存の処
置シースとの互換性を提供するために、閉鎖システムのシースは装置ハンドルと一体化さ
れる。これは、内側/外側スリーブ組立体、例えば、遠位端にある2つのスリーブを形成
する内側スリーブ64及び外側スリーブ62を設けることによって達成することができる
。この一体型シース、例えば、外側カテーテル22は、ハンドルに固定されることができ
、密封材の配置中に後退する。外側カテーテル22は、外側カテーテル22及び外側スリ
ーブ62に対するねじり力の影響を最小限にするためにハンドル内で半径方向に移動する
ことができ、これにより外側スリーブ62/カテーテル22はハンドル内で自由に回転す
ることが可能になる。
【0055】
閉鎖システム120が処置シース10に連結された状態で、内側カテーテル24の拡張
可能な構造体26は、注射器50を用いて拡張させることができる(
図9B参照)。拡張
可能な構造体26は、拡張可能な構造体26が所定の圧力まで拡張したことを膨張インジ
ケーター154が示すまで拡張させることができる。例えば、膨張インジケーター154
は、拡張可能な構造体26を完全に拡張させると第1位置から第2位置に移動することが
できる。
図9Bに示すように、膨張インジケーター154は、第2位置においてハンドル
部分130の近位端から突出することができるが、膨張インジケーター154は、ハンド
ル部分130の他の場所に配置されることもできる。拡張可能な構造体26を拡張させた
後、膨張ライン56は、バルブ52を閉じることによって密封されることができる。拡張
可能な構造体26を拡張させた状態で、閉鎖システム120及び処置シース10は、拡張
可能な構造体26が血管壁Vの内面に当接するまで後退させることができる。
【0056】
内側カテーテル24は、第1アクチュエーター132を作動させ又は押し下げることに
よって、外側カテーテル22から解放されることができる。内側カテーテル24が解放さ
れると、処置シース10及び外側カテーテル22はまた、ハンドル及び処置シースを同時
に後退させることによって密封材18を露出させるように内側カテーテル24に対して後
退させることができる(
図9C参照)。この構成において、ハンドル部分130は、内側
カテーテル24が適所に留まっている間に外側カテーテル22を後退させるために第1ア
クチュエーター132の上をスライドする。第1アクチュエーター132が押し下げられ
且つハンドル本体130が後方にスライドされると、密封材が適切に配置されたか否かを
示す画像を表示するために、第1アクチュエーター132を覆っているハンドル130を
近位にスライドさせると露出する窓182を通して視覚的指示180が見えるようになる
。
【0057】
密封材18が露出した状態で、密封材18を血管壁Vの外面に寄せてタンピングするた
めに支持部材28を前進させることができる。第2アクチュエーター134の作動又は押
し下げは、内側カテーテル24及び外側カテーテル22に対して支持部材28を前進させ
ることができる。また、窓182を通して見える視覚インジケーター180は、密封材の
タンピングが正常に完了したこと及び密封材作動の停止時間の開始を示す異なる画像を表
示することができる。
【0058】
第2アクチュエーター134が押し下げられた後、第3アクチュエーター136が押し
下げられる前に、膨張インジケーター154は、拡張可能な構造体26が拡張した形状で
ある間、第3アクチュエーター136が押し下げられるのを防ぐ、ロックアウト機構を提
供することができる(
図9E参照)。膨張インジケーター154は、ハンドル130の近
位部分を通って、膨張インジケーター154の遠位部分が第3アクチュエーター136の
下に位置するように延びることができる。膨張インジケーター154が第2位置にあると
き(例えば、ハンドル130の近位端を越えて延びているとき)、これは拡張可能な構造
体26が膨張していることを示すだけでなく、膨張インジケーター154と一体であるが
ハンドル本体の内部にある阻止部分140を更に提供する。
【0059】
密封材18がタンピングされた後、拡張可能な構造体26は、例えば、バルブ52を開
き、注射器50を用いて拡張可能な構造体26の空気を抜くことによって収縮させること
ができる(
図9F参照)。拡張可能な構造体26が収縮させた状態で、拡張可能な構造体
26は、第3アクチュエーター136を作動させることによって密封材18を通して後退
させることができる。内側カテーテル24は、外側カテーテル22及び/又は支持部材2
8に対して後退させることができる(
図9G参照)。密封材18を通して拡張可能な構造
体26を後退させた後、密封材18を血管壁Vに寄せて適所に残して、閉鎖システム20
及び処置シース10全体を身体から取り外すことができる。シースアダプター40は処置
シース10に連結されているので、閉鎖システム20及び処置シース10を同時に取り外
すことができるが、閉鎖システム20を処置シース10から外して別個に取り外すことも
できる。
【0060】
ここで
図10A~13Bを参照すると、閉鎖システム120のハンドル部分130が更
に詳細に示されている。ハンドル130の内部は、
図10A~10Bに示したように、作
動されるとハンドルの内部でスライドし又は滑るように動く近位142及び遠位144ス
レッド組立体を含む。遠位スレッド組立体144は、
図10Bに示すように、第1アクチ
ュエーター132が押し下げられ且つハンドルが後退させられると、遠位スレッド組立体
がハンドルに対して遠位に移動するように、第1アクチュエーター132と一体化するこ
とができる。近位142及び遠位144スレッド組立体は、第1アクチュエーター132
が完全に押し下げられ且つ押し下げられた第2位置にロックされるまで、ハンドル130
に対してロックされた位置にある。第1アクチュエーター132が押し下げられると、遠
位スレッド組立体144及び近位スレッド組立体142の両方がロック解除され、ハンド
ルを後退させたときにハンドル本体130に対して遠位に移動することができる。近位ス
レッド組立体142は、内側カテーテル24及び膨張インジケーターを収容することがで
きる。
【0061】
図10Cを参照すると、キャッチ40で処置シースに取り付けられ且つロックされた装
置120の拡大図が示されている。シースキャッチ又はアダプター40は、任意の位置又
は方向に向けることができ、或いは、処置シースのポート又はイリゲーションラインをよ
り容易に捕捉するべく調整することができるように、ハンドル130の回りを回転するこ
とができるように設けられることができる。
【0062】
遠位スレッド組立体を作動させることに加えて、第1アクチュエーター132は、
図1
1A~Cに示すように、窓182を通して、外部スリーブが首尾よく後退し且つ密封材が
配置されたとユーザーが分かるためのストーリーボードを提供することができる視覚的指
示180を表示することもできる。
図11Aは、ハンドル本体130の第1アクチュエー
ターを含む部分を示しており、第1アクチュエーター130は、任意選択的に、それが一
連のアクチュエーターのうちの第1アクチュエーターであることを識別するための視覚的
指示も有することができる。第1アクチュエーター132を作動させ又は押し下げると、
第1画像又は視覚的指示が見えるようになり、例えば、
図11Bに示すように、密封材が
配置されたことを示すために窓182を通してチェックマークのような記号又は他の適切
な記号を表示することができる。第2アクチュエーター134も押し下げられると、スト
ーリーボードは更に、
図11Cに示すように、密封材が首尾よくタンピングされたことを
伝えるための別の画像を表示することができる。チェックマークとその中に記号を含む円
が示されているが、完了したステップを示すために、任意の視覚的指示又は画像を適宜使
用することができる。
【0063】
第2アクチュエーター134は、
図12A及び12Bに示すように、第1アクチュエー
ター132及び支持部材28に結合した遠位スレッド組立体144を遠位方向に駆動して
密封材をタッピングすることができるカム駆動機構を含むことができる。第2アクチュエ
ーター134は、遠位スレッド組立体144/第1アクチュエーター132の近位端にあ
る傾斜面146と連動することができ、傾斜面146は、遠位スレッド組立体144のい
かなる遠位方向の動きも支持部材28を遠位方向に動かすことができるように支持部材2
8上にオーバーモールドされることができる。第2アクチュエーター134が押し下げら
れると、第2アクチュエーター134の遠位面148は、遠位スレッド組立体144の傾
斜面146に接触して遠位スレッド組立体144を遠位方向に押し込み、遠位スレッド組
立体144及び支持部材28を遠位方向に前進させ、支持部材28の前進によって密封材
を圧縮させ且つタンピングさせる。
【0064】
第3アクチュエーター136は、
図13A及び13Bに見られるように、空気を抜いた
拡張可能な構造体26を支持部材28の中に引き戻すために押し下げることができる。一
態様において、拡張可能な構造体26の後退は、
図13C及び13Dの更なる拡大内部図
に見られるように、第3アクチュエーター136から第3アクチュエーター136の上/
外面の下に延びるアーム150によって達成することができる。第3アクチュエーター1
36が押し下げられると、アーム150を内側カテーテル24と係合させることができ、
カテーテルと係合すると、アームは、
図13Dに見られるように、カテーテル24をハン
ドル130の中心軸から離れるように曲げ、内側カテーテル24を近位方向に後退させ、
それによって拡張可能な構造体26を支持部材28内に後退させることができるように、
内側カテーテル24を近位端でよじれさせることができる。
【0065】
また、ハンドル130の近位端を越えて延びる膨張インジケーター154によって示さ
れるように、拡張可能な構造体26が膨張状態にある場合、第3アクチュエーター136
は、ロックアウト機能のために押し下げることができない。ロックアウト機能は、膨張イ
ンジケーター154の、ハンドル130の内部に且つ遠位に延び且つ更に複数の突起14
0を有する部分によって提供され、複数の突起140は、ハンドル130の中心軸から離
れて軸方向外側に延び、第3アクチュエーター136が押し下げられるのを防ぐロック又
は止め具として作用する。拡張可能な構造体26の空気を抜くと、膨張インジケーター1
54は、ハンドルの近位ではもはや見えないように、遠位方向に移動させることができる
。膨張インジケーター154のこの動きは、第3アクチュエーター136を適所にロック
する複数の突起140の位置も移動させることができる。一旦移動させられると、第3ア
クチュエーター136は自由に押し下げられる。膨張インジケーター154によって提供
されるこのロックアウト機能は、拡張可能な構造体が空気を完全に抜く前に後退させられ
ないように、第3アクチュエーター136の偶発的な押し下げを防ぐのに有益である。別
の態様において、ロックアウト要素は、ハンドル130の中心に向かって軸方向に延び且
つ第3アクチュエーター136が押し下げられないように第3アクチュエーター136上
の遠位アームを締め出す突起であることができる。
【0066】
閉鎖システム220の別の実施形態が
図14A~15Dに示されている。本実施形態に
おいて、閉鎖システム220は、密封材を配置し、タンピングし且つ拡張可能な構造体を
後退させるのに役立つ2つのアクチュエーターを備えることができる。第1及び第2実施
形態と同様の特徴は、同様の符号を有する。
【0067】
図1Bの閉鎖システム20の機能と同様に、閉鎖システム220は、ハブ部分14(図
示せず)を通して外側カテーテル22を挿入することによって処置シース(図示せず)を
通して挿入されることができる。外側カテーテル22は、5F以上の標準的な処置シース
と適合するようなサイズにすることができる。
【0068】
図14Aに見られるように、ハンドル230は、少なくとも1つのアクチュエーター、
詳細には2つのアクチュエーターを含むことができる。図示していないが、閉鎖システム
220はまた、前の実施形態と同様に、シースアダプター40が処置シースのハブ部分に
係合するまで、処置シースを通して前進させることができる。閉鎖システム220は、処
置シースを通って前進すること、及びシースアダプター40を通して処置シースにハンド
ルをロックすることに関して、前の実施形態と同様の方法で行うことができる。
【0069】
図14Aを参照すると、第1アクチュエーター222及び第2アクチュエーター224
を有するハンドル230が示されている。第1アクチュエーター222は、作動時に外側
カテーテル22を後退させると共に密封材18をタンピングする組み合わせた機能を有す
ることができる。第2アクチュエーター224は、先の実施形態の第3アクチュエーター
36及び136と同様の機能を有することができる。第2アクチュエーター224が押し
下げられると、第2アクチュエーター224は、拡張可能な構造体26を支持部材又はチ
ューブ28内に後退させることができる。
図14A~15Dは閉鎖装置しか示していない
が、装置は、動脈切開部において閉鎖プロセスを実施するのに
図1B~1I及び9A~9
Gに示したのと同様の方法で使用されることができる。
【0070】
また、張力インジケーター窓228を含むことによって、
図14Cに示すように、張力
インジケーター206をハンドル230の設計に組み込むことができ、張力インジケータ
ー窓228を通して、血管壁Vの内面に拡張可能な構造体26を配置したときに拡張可能
な構造体26に適切な張力が加えられたか否かを示す図又は画像を見ることができる。張
力インジケーター206は、密封材18を配置する前に拡張可能な構造体26に適切な量
の張力が加えられたときにユーザーに視覚的合図を提供することができる。拡張可能な構
造体26によって動脈壁に過剰な張力が加えられると、閉鎖プロセス中に動脈がその初期
位置、例えば元の解剖学的位置から動かされるように血管を広げさせる(例えば、膨張さ
せる)可能性があるので、張力が適切なときを知ることは有益である。動脈がこの広げら
れた位置にある状態で密封材18が配置されると、拡張可能な構造体26の空気を抜き且
つ装置220を患者から取り外した後に動脈がその通常位置に戻るときに、広げられた血
管の周囲の組織圧迫は、ヒドロゲル密封材18を穿刺部位の表面からわずかに分離させる
可能性がある。
【0071】
図14Bを参照すると、ハンドル230の内部図が示されている。ハンドル230は、
他の実施形態と同様に、内側カテーテル24を収容することができる近位スレッド組立体
242を有することができる。拡張可能な構造体26が患者の動脈内で膨張し且つ動脈切
開部まで引き戻されると、拡張可能な構造体26は、血管壁に突き当たっているときの抵
抗を受けることができ、拡張可能な構造体26に加えられた力は近位スレッド組立体24
2に伝達されることができる。近位スレッド組立体242は、拡張可能な構造体26が張
力を受けているときに遠位方向に移動することができ、それによって張力インジケーター
206内に収容された引張ばね202を圧縮する。張力インジケーター206は、拡張可
能な構造体26への力が引張ばね202への予荷重を超えると、遠位方向に移動し始める
ことができる。第1アクチュエーター222は、張力インジケーター206の突起又は黒
線が装置ハンドル230の適切な張力ゾーン226内にあるか又は適切な張力ゾーン22
6と一致し、
図14Cに示すように、張力インジケーター206が張力インジケーター窓
228内で適切な位置にあることを示しているときに押し下げることができる。
【0072】
張力インジケーター206が適切な張力ゾーン226と一致していない場合、拡張可能
な構造体26に加えられる張力が適切な張力ゾーン(例えば、黒い帯)にないので、第1
アクチュエーター222は作動し又は押し下げることができない。従って、張力インジケ
ーターゾーン226は、拡張可能な構造体26によって不適切な張力が加えられたときに
第1アクチュエーター222が押し下げられるのを防ぐことができるロックアウト機能を
含むことができる。張力ゾーン226は、任意の方法で示すことができ、
図14Cに示す
実施形態では、ハンドル装置230に黒い線で示されている。ハンドル230の黒い線の
位置は、適切な張力ゾーン内に位置する。張力インジケーター206は、拡張可能な構造
体26に加えられる張力に基づいて遠位方向にスライドすることができる、ハンドル組立
体230の内側のスライド部品であることができる。従って、正しい張力が拡張可能な構
造体26に加えられることを確実にするために、ユーザーは、張力インジケーター206
上の黒線が張力ゾーン226のハンドル上の黒線と一致するまで、拡張可能な構造体26
の張力を調節することができる。張力は、必要に応じて、一態様では閉鎖装置のハンドル
を引き戻すか又は緩めることによって調整されることができる。或いは、拡張可能な構造
体26に加えられる適切な張力を示すために、他の任意の視覚的指示システムを適宜使用
することができる。
【0073】
図15A~Dを参照すると、ハンドルハウジングの内部図が示されており、これらの図
は張力インジケーター206を示していないが、
図14A~Cに示したように必要に応じ
て張力インジケーター206を含むことができる。
図15Aは、第1アクチュエーター2
22が押し下げられる前の、休止中のハンドル230を示す。休止位置において、第1ア
クチュエーター222の内側リブ212はプルラック208の傾斜面214に係合又は接
触できることが分かる。プルラック208は、外側スリーブ組立体62(図示せず)に接
続されることができる。第1アクチュエーター222を作動させ又は押し下げると、プル
ラック208は、例えばシースアダプター40から離れて近位方向に移動し始めることが
できる。プルラック208が第1アクチュエーター222の作動によって近位方向に移動
すると、外側スリーブ62もまた近位方向に移動し始め、その結果、動脈切開部の隣の組
織路内に密封材を露出させる。第1アクチュエーター222が最初に押し下げられている
とき、
図15Bのように、密封材は、スリーブの後退によって露出し始めることができる
。
【0074】
図15Bのように、第1アクチュエーター222が部分的に押し下げられると、第1ア
クチュエーター222の遠位面218は、プッシュラック210と係合することができ、
密封材が少なくとも部分的に、一態様では約50%露出する点で、プッシュラック210
を遠位方向に、例えばシースアダプター40に向かって移動させ始めることができる。プ
ッシュラック210は、プッシュラック210が遠位方向に移動させられる際、支持部材
28も遠位方向に移動させ、密封材を動脈切開部の血管壁に寄せて有効にタンピングする
ように、支持部材28又はタンピング管に接続されることができる。プルラック208の
移動によって密封材の約50%が露出した後(例えば、第1アクチュエーターが最初に押
し下げられているとき)、プッシュラック210とプルラック208の両方がそれぞれの
方向に同時に又は比較的同時に移動して密封材を露出させ且つ密封材をタンピングする。
タンピングの前に密封材の少なくとも一部を露出させることが好ましい。これは、スリー
ブ及び/又は密封材の詰まりを緩和するのに役立つ可能性がある。本実施形態では、プッ
シュラック210に係合する前に密封材の約50%が露出するが、プッシュラック210
に係合する前に密封材の50%より小さいか又は大きい他の任意の適切な量を露出させる
ことができる。
【0075】
図15Cにおいて、プルラック214は、その開始位置に対して近位に移動させられた
その最終位置で示されており、一方、プッシュラック216は、その開始位置に対して遠
位に移動させられたその最終位置で示されている。
図15Dは、完全に押し下げられた第
1アクチュエーター222をハンドル230の内部に露出したプッシュラック210の傾
斜面216と共に示す。第1アクチュエーター222、又は組み合わせアクチュエーター
は、前の実施形態と同様のカム駆動機構を利用してプルラック208及びプッシュラック
210を駆動することができる。第1アクチュエーター222は、各ラックと係合する機
構を含むことができ、ラックを所望の方向に駆動することができる。
【0076】
図示していないが、第2アクチュエーター224を押し下げることにより、前の実施形
態で第3アクチュエーターが機能したのと同様に、拡張可能な構造体26を後退させるこ
とができ、また、膨張インジケーター254によって示されるように、拡張可能な構造体
26がまだ膨張している場合に第2アクチュエーター224が押し下げられるのを防ぐこ
とができるロックアウト機構を更に含むことができる。このロックアウト機能は、
図10
A、10B、13A及び13Bに示すように、近位スレッド組立体から延びる阻止部分又
は複数の突起140を有する第2実施形態に関して上述したものと同様である。
【0077】
本実施形態は、2つのアクチュエーターを有するハンドル装置230を例示しているが
、ハンドルは、本明細書に記載したものより多きいか又は少ないアクチュエーターを有す
ることができる。例えば、ハンドルは、本明細書に記載した機能のすべてを実行する1つ
のアクチュエーターのみを備えることができ、或いは1つ又は複数の機能を実行する1つ
のアクチュエーターを備え、残りの機能には別の方法が採用される。従って、閉鎖装置の
ハンドルは、必要に応じて1つ以上のアクチュエーターを有することができる。
【0078】
図3は、サイドポート又はイリゲーションラインを有する任意のシースに係合すること
ができるシースアダプター40の拡大図を示す。シースアダプター40は、直接的に又は
介在するカテーテルシャフト又は他の連結構造を通して、ハンドル部分30又はハンドル
部分30に連結された別個の構成要素と一体であることができる。
【0079】
図3に示すように、シースアダプター40は、任意の適切な形状を有することができ、
詳細には、概ね管状、円筒状、又は概ね円錐台状の形状を有することができる。シースア
ダプター40は、ポリカーボネート、ABS、シリコーン、エラストマー、又は他の適切
な材料を含むことができる。エラストマー材料は、シースアダプター40がシース10の
サイドポート16又はイリゲーションライン12を把持することを可能にするのに有益で
あり得る。
【0080】
シースアダプター40は、処置シース10のサイドポート16又はイリゲーションライ
ン12にある遠位向き面などの横方向保持面の周りに留まることができるバヨネットコネ
クター又はフック部分42などの、処置シースに解放可能に付着することができる取り付
け構造を含むことができる。フック部分42は、サイドポート16又はイリゲーションラ
イン12をシースアダプター40との係合に導くことができる通路44を形成することが
できる。フック部分42は、フック部分42をシース10から外すのに軸方向と回転方向
の両方の移動が必要とされるような形状にすることができる。
【0081】
通路44は、遠位向き縁48a、外側横縁48b、近位向き縁48c、内側横縁48d
、及びフック端縁48eによって画定されることができる。通路44を画定する縁は、概
ね直線状であるか曲線状であることができる。遠位向き縁48aとフック端縁48eとの
間の距離D1は、サイドポート16又はイリゲーションライン12が通路44に入ること
を可能にする大きさにすることができる。例えば、距離D1は、サイドポート12又はイ
リゲーションライン12の直径の約10%以内又は約20%以内であることができ、直径
は、約3F、4F、5F、6F、7F、8F、9F、10F又は11Fを含む、約3Fか
ら約11Fの間、例えば、約3Fから約6Fの間、約5Fから約8Fの間、又は約7Fか
ら10Fの間であることができる。
【0082】
距離D1は、遠位向き縁48aと近位向き縁48cとの間の距離D2未満(D2の約60
パーセント未満、D2の約50パーセント未満、D2の約40パーセント未満、D2の約3
0パーセント未満、D2の約20パーセント未満、その他)であることができる。
【0083】
外側横縁48bと内側横縁48dとの間の距離D3は、処置シース10のサイドポート
16又はイリゲーションライン12を受け入れる大きさにすることができる。例えば、距
離D3は、サイドポート16又はイリゲーションライン12の直径の10%以内であるこ
とができ、直径は、約3F、4F、5F、6F、7F、8F、9F、10F又は11Fを
含む、約3Fから約11Fの間、例えば、約3Fから約6Fの間、約5Fから約8Fの間
、又は約7Fから10Fの間であることができる。距離D3は、距離D1よりも小さいこと
ができる。
【0084】
内側横縁48dは、閉鎖システム20を回転させたときにサイドポート16又はイリゲ
ーションライン12がシースアダプター40から外れることを阻止するのに適した長さを
有することができる。例えば、内側横縁48dの長さは、少なくともサイドポート16又
はイリゲーションライン12の直径と同じ長さであることができる。内側横縁48dの長
さは、少なくともシースアダプター40の長さLの約20%、少なくともシースアダプタ
ー40の長さLの約30%、又は少なくともシースアダプター40の長さLの約40%で
あることができる。内側横縁48dの長さは、少なくとも距離D3と同じ長さであること
ができる。
【0085】
図示していないが、一部の実施形態において、距離D3は、近位向き縁48cからフッ
ク端縁48eに向かって狭くなることができる。フック部分46は、ばね状であることが
でき、サイドポート16又はイリゲーションライン12が近位向き縁48cに向かって移
動することを可能にするために、外側横縁48bから離れるように移動して、外側横縁4
8bと内側横縁48dとの間の距離D3を拡大することができる。フック部分46は、サ
イドポート16又はイリゲーションライン12を保持するために、外側横縁48bに向か
って跳ね返ることができる。
【0086】
図4は、サイドポート又はイリゲーションラインを有する任意のシースに係合するため
に閉鎖システム20と共に使用することができる別のシースアダプター70の拡大図を示
す。シースアダプター70は、ハンドル部分30又はハンドル部分30に連結された別個
の構成要素と一体であることができる。
【0087】
図4に示すように、シースアダプター70は、概ね円筒状又は概ね円錐台状の形状を有
することができる。シースアダプター70は、ポリカーボネート、ABS、シリコーン、
エラストマー、又は他の適切な材料を含むことができる。エラストマー材料は、シースア
ダプター40がシース10のサイドポート16又はイリゲーションライン12を把持する
ことを可能にするのに有益であり得る。
【0088】
シースアダプター70は、処置シースに解放可能に付着することができる取り付け構造
(例えば、バヨネットコネクター)を含むことができる。例えば、取り付け構造は、第1
フック端部72aを有する第1フック部分72と、第2フック端部74aを有する第2フ
ック部分74とを含むことができる。第1及び第2フック部分72、74の少なくとも一
部分は、シースアダプター70の残りの部分の遠位向き縁76を超えて遠位に延びること
ができる。
【0089】
第1フック部分72と第2フック部分74は、概ね同じ形状及び大きさであるが、第1
及び第2フック部分72、74の下面72b、74bがサイドポート16又はイリゲーシ
ョンライン12を通路78の方に案内するために内側に且つ互いに向かって徐々に細くな
るように、互いに反転されていることができる。シースアダプター70は、第1フック部
分72と第2フック部分74との間に且つシースアダプター70の長手方向軸線を通って
延びる平面を横切って概ね対称であることができる。
【0090】
第1フック端部72aと第2フック端部74aとの間の距離B1は、サイドポート16
又はイリゲーションライン12がシースアダプター70から不用意に外れるのを防ぐため
にサイドポート16又はイリゲーションライン12の直径よりも小さいことができる。フ
ック端部72a、74aは、サイドポート16又はイリゲーションライン12が通路78
に入ることを可能にするために距離B1を拡大するように撓むことができるが、サイドポ
ート16又はイリゲーションライン12が通路78に入るとサイドポート16又はイリゲ
ーションライン12がフック端部72a、74aと遠位向き縁78dとの間に保持される
ように跳ね返る。ばね状のフック端部72a及び74aは、通常使用時にサイドポート1
6又はイリゲーションライン12を保持するように設計されることができるが、シースア
ダプター70の取り外しが必要な場合にはユーザーに圧倒されることができる。
【0091】
各フック部分72、74は、通路78の一部を画定することができる。各フック部分7
2、74は、内側横縁78a、近位向き縁78b、外側横縁78c、及び遠位向き縁78
dを有することができる。通路78を画定する縁は、概ね直線状であるか曲線状であるこ
とができる。
【0092】
内側横縁78aと外側横縁78cとの間の距離B2は、サイドポート16又はイリゲー
ションライン12が通路78に入ることを可能にするためにフック部分72、74のそれ
ぞれの外側横縁78cへの必要な曲げを可能にするような大きさとすることができる。
【0093】
図5は、サイドポート又はイリゲーションラインを有する任意のシースに係合するため
に閉鎖システム20と共に使用することができる別のシースアダプター80の拡大図を示
す。シースアダプター80は、ハンドル部分30又はハンドル部分30に連結された別個
の構成要素と一体であることができる。
図5に示すように、シースアダプター80は、ハ
ンドル部分30に係合する近位フランジ82を含むことができる。
【0094】
図5に示すように、シースアダプター80は、概ね円筒状又は概ね円錐台状の形状を有
することができる。シースアダプター80は、ポリカーボネート、ABS、シリコーン、
エラストマー、又は他の適切な材料を含むことができる。エラストマー材料は、シースア
ダプター40がシース10のサイドポート16又はイリゲーションライン12を把持する
ことを可能にするのに有益であり得る。
【0095】
シースアダプター80は、バヨネットコネクター又はフック部分84のような処置シー
スに解放可能に付着することができる取り付け構造を含むことができる。シースアダプタ
ー80の遠位向き縁88は、フック部分84を越えて遠位に延びることができる。
【0096】
フック部分84は、通路86を形成することができる。通路86は、フック端縁86a
、近位向き縁84b、第1内側横縁86c、第1遠位向き縁86d、第2内側横縁86e
、第2遠位向き縁86f、及び外側横縁86gによって画定されることができる。通路8
6を画定する縁は、概ね直線状であるか曲線状であることができる。
【0097】
フック端縁86aは、サイドポート16又はイリゲーションライン12を通路86に向
かって案内するために、通路86に向かって内向きに徐々に細くすることができる。フッ
ク端縁86aと外側横縁86gとの間の距離C1は、サイドポート16又はイリゲーショ
ンライン12が不用意に通路86から出るのを防ぐ大きさにすることができる。フック部
分84は、サイドポート16又はイリゲーションライン12が通路106に入ることを可
能にするためにC1を拡大するべくシースアダプター80の中心軸から離れるようにそら
すことができるばね部材であることができる。サイドポート16又はイリゲーションライ
ン12が通路86内に配置された後、フック部分84は、サイドポート16又はイリゲー
ションライン12が近位向き縁86bと第2遠位向き縁86fとの間に保持されるように
その元の状態に戻ることができる。
【0098】
第2遠位向き縁86eは、第1遠位向き縁86cに近接し且つ第2内側横縁86eによ
って第1遠位向き縁86cから離間されている。第2遠位向き縁86eは、サイドポート
16又はイリゲーションライン12を内側横面86cに向かって案内するように、概ね曲
線状であることができる。第2内側横縁86e及び外側横縁86gの間の距離C2は、距
離C1よりも大きく、サイドポート16又はイリゲーションライン12を受け入れる大き
さにすることができる。一態様において、C1は約0.126インチ(3.20ミリメー
トル)であることができ、C2は約0.210インチ(5.33ミリメートル)であるこ
とができるが、他の適切な寸法も可能である。
【0099】
近位向き縁86b及び/又は第1遠位向き縁86dの長さは、サイドポート16又はイ
リゲーションライン12の通過を可能にするためにフック部分84が外側にそれて距離C
1を拡大するのに十分であることができる。例えば、近位向き縁86b及び/又は第1遠
位向き縁86dは、少なくともシースアダプター80の外周の約20%、少なくともシー
スアダプターの外周の約30%、少なくともシースアダプター80の外周の約40%、又
は少なくともシースアダプター80の外周の約50%延びることができる。近位向き縁8
6bの長さは、第1遠位向き縁86dの長さよりも長いことができる。
【0100】
或いは、近位向き縁86bと第1遠位向き縁86dとの間の距離C3は、サイドポート
16又はイリゲーションライン12が通路86を横切ることを可能にする大きさにするこ
とができる。距離C3は、サイドポート16又はイリゲーションライン12の直径の10
%以内又は約20%以内であることができる。距離C3は、距離C1よりも小さいことがで
きる。
【0101】
図6は、サイドポート又はイリゲーションラインを有する任意のシースに係合するため
に閉鎖システム20と共に使用することができる別のシースアダプター90の拡大図を示
す。シースアダプター90は、多くの点で上述したシースアダプター80に似ている。従
って、シースアダプター80の特徴を識別するために使用された符号は、シースアダプタ
ー90の同様の特徴を識別するために10だけ増分される。
【0102】
シースアダプター80と異なり、シースアダプター90のフック端縁96aは概ね直線
状であり、外側横縁96hの遠位部分は、サイドポート16又はイリゲーションライン1
2を通路96内に案内するように内側に徐々に細くすることができる。外側横縁96hの
遠位部分及び外側横縁96gの近位部分は、近位向き段部96iによって分離される。
【0103】
シースアダプター90は、シースアダプター90から半径方向外側に延びる突出部分又
は親指グリップ91を含むことができ、突出部分又は親指グリップ91は、ユーザーがC
1を拡大してシースアダプター90からシース10を取り外すことを可能にするためにフ
ック端部96aをシースアダプター90の中心軸から離れるように外向きに曲げることを
可能にする。
【0104】
図7は、サイドポート又はイリゲーションラインを有する任意のシースに係合するため
に閉鎖システム20と共に使用することができる別のシースアダプター100の拡大図を
示す。シースアダプター100は、ハンドル部分30又はハンドル部分30に連結された
別個の構成要素と一体であることができる。
図7に示すように、シースアダプター100
は、ハンドル部分30に係合する近位フランジ102を含むことができる。近位フランジ
102は、ユーザーが様々な角度に配置されたサイドポートを収容するための最適な位置
決めのためにシースアダプター100を回転させるが、処置中のシースアダプター100
の回転を防ぐことを可能にする、戻り止め機構を有することができる。
【0105】
図7に示すように、シースアダプター100は、バヨネットコネクター又はフック部分
104などの処置シースに解放可能に付着することができる取り付け構造を含むことがで
きる。フック部分104は、シースアダプター100から半径方向外側に突出することが
できる。フック部分104は、シースアダプター100をシース10から外すのに軸方向
と回転方向の移動が必要とされるような形状にすることができる。或いは、フック部分1
04は、シースアダプター100をシース10から外すのに押し下げなければならないよ
うに構成されることができる。
【0106】
フック部分104は、通路106を形成することができる。通路106は、下側フック
縁106a、フック端縁106b、上側フック縁106c、内側横縁106d、遠位向き
縁106e、及び外側横縁106fによって画定されることができる。通路106を画定
する縁は、概ね直線状であるか曲線状であることができる。下側フック縁106aは、サ
イドポート16又はイリゲーションライン12を通路106に向かって案内するように、
概ね内側に徐々に細くすることができる。
【0107】
フック端縁106bと外側横縁106fとの間の距離E1は、サイドポート16又はイ
リゲーションライン12が不注意で通路106から抜け出すのを防ぐ大きさにすることが
できる。フック部分104は、サイドポート16又はイリゲーションライン12が通路1
06に入ることを可能にするために距離E3を減少させ且つ距離E1を増加させるように内
側横縁106dに向かってそらすことができるばね部材であることができる。サイドポー
ト16又はイリゲーションライン12が通路106内に配置された後、フック部分104
は、サイドポート16又はイリゲーションライン12が遠位向き縁106eとフック端縁
106bとの間に保持されるようにその元の状態に戻ることができる。
【0108】
上側フック縁106cの長さは、フック部分84が内側横縁106dに向かってそれる
のを可能にし、サイドポート16又はイリゲーションライン12の通路106への通過を
可能にするのに十分であることができる。上側フック縁106cの長さは、フック端縁1
06がサイドポート16又はイリゲーションライン12の保持を容易にすることを可能に
し、閉鎖システムが回転され又は引っ張られたときにシース10がシースアダプター10
0から容易に外れるのを防ぐために、十分に長いことができる。例えば、上側フック縁1
06cの長さは、少なくともシースアダプター100の長さLの約20%、少なくともシ
ースアダプター100の長さLの約30%、又は少なくともシースアダプター100の長
さLの約40%であることができる。
【0109】
遠位向き縁106eは、サイドポート16又はイリゲーションライン12を通路106
の上側フック縁106cと内側横縁106dとの間の部分に向かって案内するように概ね
曲線状であることができる。内側横縁106dと外側横縁106fとの間の距離E2は、
距離E1よりも大きいことができる。一態様において、E1は約0.115インチ(2.9
2ミリメートル)であり、E2は約0.210インチ(5.334ミリメートル)である
ことができるが、他の適切な寸法が可能であり得る。
【0110】
図8は、サイドポート16又はイリゲーションライン12を有する任意のシースに係合
することができる別のシースアダプター110を示す。シースアダプター110は、ハン
ドル部分30と一体であるか又はハンドル部分30に係合する近位フランジ112を含む
ことができる。
【0111】
図8に示すように、シースアダプター110は、概ね円筒状又は概ね円錐台状の形状を
有することができる。シースアダプター110は、ポリカーボネート、ABS、シリコー
ン、及びエラストマー又は他の適切な材料を含むことができる。エラストマー材料は、シ
ースアダプター110がシース10のサイドポート16又はイリゲーションライン12を
把持することを可能にするのに有益であることができる。
【0112】
シースアダプター110は、処置シース10のサイドポート16又はイリゲーションラ
イン12の周りに留まることができるバヨネットコネクター又はフック部分114のよう
な処置シースに解放可能に付着することができる取り付け構造を含むことができる。フッ
ク部分116は、シースアダプター110の残りの部分の遠位端118を越えて遠位に延
びることができる。フック部分114は、サイドポート16又はイリゲーションライン1
2を保持するために通路116を形成することができる。フック部分42は、フック部分
42をシース10から外すために軸方向と回転方向の両方の移動が必要とされるような形
状にすることができる。
【0113】
通路116は、外側横縁116a、近位向き縁116b、内側横縁116cによって画
定されることができる。通路116を画定する縁は、概ね直線状であるか曲線状であるこ
とができる。外側横縁116aと内側横縁116cとの間の距離F1は、サイドポート1
6又はイリゲーションライン12が通路116に入ることを可能にする大きさにすること
ができる。例えば、距離F1は、サイドポート12又はイリゲーションライン12の直径
の約10%以内又は約20%以内であることができる。一態様において、F1は約0.2
00インチ(5.08ミリメートル)であることができるが、他の適切な寸法も可能であ
る。
【0114】
一部の実施形態において、距離F1は、近位向き縁116bからフック端縁116dに
向かって狭まることができる。フック部分114は、ばね状であり、サイドポート16又
はイリゲーションライン12が近位向き縁116bに向かって移動することを可能にする
ために外側横縁116aと内側横縁116cとの間の距離D1を拡大するように内側横縁
116cから離れるように移動することができる。フック部分114は、サイドポート1
6又はイリゲーションライン12を保持するために内側横縁116cに向かって跳ね返る
ことができる。
【0115】
図示していないが、シースアダプターの実施形態は、シース10との係合、例えば、ス
ナップ嵌め又は摩擦嵌合を容易にするための返し、ねじ、フランジ、又は他の特徴を含む
ことができる。これらの特徴は、サイドポート、イリゲーションライン、又は処置シース
ハブの外面又は内面に係合するために使用することができる。これらの特徴の追加は、上
述したシースアダプターとシース10を永久的に連結するのに使用することもできる。
【0116】
用語
本明細書で使用される場合、相対語「近位」及び「遠位」は、閉鎖システムの視点から
定義されるものとする。従って、近位は閉鎖システムのハンドルの方向を指し、遠位は閉
鎖システムの遠位先端の方向を指す。
【0117】
本明細書で使用される条件付き文言、例えば、とりわけ「できる」、「あり得る」、「
てもよい」、「可能性がある」、「例えば」などは、特に断りのない限り、又は使用され
る文脈内で他の意味で理解されない限り、一般に、一部の実施形態は一部の特徴、要素及
び/又はステップを含むが、他の実施形態は含まないことを示唆するよう意図されている
。従って、このような条件付き文言は、特徴、要素、及び/又はステップがいずれかの特
定の実施形態において含まれるか実行されるかにかかわらず、一般に、これらの特徴、要
素、及び/又はステップが、1つ以上の実施形態に何らかの形で必要とされることを暗示
するよう意図されていない。
【0118】
「備える」、「含む」、「有する」などの用語は同義語であり、包括的にオープンエン
ドの形で使用され、追加の要素、特徴、行為、動作などを排除しない。また、用語「又は
」は、包括的な意味で(且つ排他的な意味ではなく)使用され、例えば、要素のリストを
接続するために使用される場合、用語「又は」は、リスト内の要素の1つ、いくつか、又
は全てを意味する。
【0119】
本明細書で使用される「概ね」、「約」及び「実質的に」という用語は、依然として所
望の機能を果たすか又は所望の結果を達成する記載された量に近い量を表す。例えば、「
概ね」、「約」及び「実質的に」という用語は、文脈が示すように、記載された量の10
%未満の量を指すことができる。
【0120】
本明細書に開示した範囲はまた、ありとあらゆる重複、部分範囲、及びそれらの組み合
わせを包含する。「~まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」、「~
の間」などのような言葉は、列挙された数字を含む。「約」又は「概ね」などの用語が前
に付された数字には、記載された数字が含まれる。例えば、「約10%」には「10%」
が含まれる。
【0121】
本明細書に開示した方法は、記載された順序で実施される必要はない。本明細書に開示
した方法は、実行者が取る行動を含むが、明示的又は黙示的に、第三者によるそれらの行
動の指示を含むこともできる。例えば、「密封材をタンピングする」などの行動は、「密
封材のタンピングを指示する」ことを含む。
【0122】
一部の実施形態及び実施例が本明細書に記載されているが、当業者には、本開示に示さ
れ且つ説明された閉鎖システムの多くの態様が、更に別の実施形態又は許容可能な実施形
態を形成するために異なるように組み合わせられ且つ/又は変更され得ることが理解され
るであろう。このような変更及び変形のすべては、本明細書において本開示の範囲内に含
まれることが意図される。多様な設計及びアプローチが可能である。本明細書に開示した
特徴、構造、又はステップは、絶対不可欠又は必須ではない。
【0123】
一部の実施形態が、添付の図面に関連して記載されている。しかしながら、図は縮尺通
りに描かれていないことを理解されたい。距離、角度などは単なる例示であり、必ずしも
図示の装置の実際の寸法及びレイアウトに対して正確な関係を有していない。構成要素を
追加、削除、及び/又は再配置することができる。また、様々な実施形態に関連するあら
ゆる特定の機能、態様、方法、特性、特徴、品質、属性、要素などの本明細書の開示は、
本明細書に記載される他のすべての実施形態で使用することができる。更に、本明細書に
記載したあらゆる方法は、記載されたステップを実行するのに適した任意の装置を用いて
実施され得ることが分かるであろう。
【0124】
本開示のために、一部の態様、利点、及び新規な特徴が本明細書に記載されている。必
ずしもこのような利点の全てがある特定の実施形態に従って達成され得ないことを理解さ
れたい。従って、例えば、当業者であれば、本開示は、本明細書で教示又は示唆した他の
利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示した1つの利点又は一群の利点を達成
する方法で具体化又は実施され得ることが分かるであろう。
【0125】
また、本明細書では例示的な実施形態を説明したが、ありとあらゆる実施形態の範囲は
、本開示に基づいて当業者に理解されるであろう等価な要素、修正、省略、(例えば、様
々な実施形態にわたる態様の)組み合わせ、適合及び/又は変更を有する。特許請求の範
囲における限定は、特許請求の範囲で使用されている言語に基づいて広く解釈されるべき
であり、本明細書に記載した実施例に限定されるものではなく、出願の手続中、これらの
実施例は非排他的であると解釈されるべきである。また、開示したプロセス及び方法の動
作は、動作を並べ替えること、及び/又は追加の動作を挿入すること、及び/又は動作を
削除することを含む、任意の方法で変更することができる。従って、本明細書及び実施例
は例示的なものとしてのみ考慮され、真の範囲及び趣旨は特許請求の範囲及びその均等物
の全範囲によって示されることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-13
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管壁の動脈切開部を閉鎖するための閉鎖システムであって、
外側カテーテルと、
前記外側カテーテルを通って延びる内側カテーテルであって、内側カテーテルの遠位端に拡張可能な構造体を有する内側カテーテルと、
前記外側カテーテルの遠位端に配置された密封材と、
前記密封材の近位にある支持チューブと、
前記内側カテーテルの近位端にあるハンドル部分であって、前記動脈切開部に前記密封材を配置すると共に前記動脈切開部の血管壁に対して前記密封材をタンピングするように構成されたアクチュエータを含むハンドル部分と、
を含む閉鎖システム。
【請求項2】
前記アクチュエータは、前記外側カテーテルを近位方向に移動させ、前記支持チューブを遠位方向に移動させるように作動可能である、請求項1に記載の閉鎖システム。
【請求項3】
前記ハンドル部分は、前記支持チューブに接続されたプッシュラックをさらに含む、請求項1に記載の閉鎖システム。
【請求項4】
前記アクチュエータは、前記プッシュラックと係合して前記プッシュラックを遠位方向に移動させ、それによって前記支持チューブを遠位方向に移動させて前記密封材をタンピングするように構成された遠位面を含む、請求項3に記載の閉鎖システム。
【請求項5】
前記アクチュエータが完全に押し下げられると、前記ハンドル部分の内部にある前記プッシュラックの接触傾斜面が露出する、請求項4に記載の閉鎖システム。
【請求項6】
前記外側カテーテルは、前記ハンドル部分から遠位に延び、前記外側カテーテルは、近位部分及び遠位部分を含み、前記外側カテーテルの遠位部分は、内側スリーブと、前記内側スリーブを取り囲む外側スリーブとを含む、請求項1に記載の閉鎖システム。
【請求項7】
前記ハンドル部分は、前記アクチュエータと係合するように構成された接触傾斜面を含むプルラックをさらに含み、前記プルラックは、前記外側カテーテルの外側スリーブに接続される、請求項1に記載の閉鎖システム。
【請求項8】
前記アクチュエータが部分的に押し下げられると、前記プルラックが近位方向に移動し、これにより前記外側スリーブが近位方向に移動して、前記密封材が露出する、請求項7に記載の閉鎖システム。
【請求項9】
取り付け構造を有するシースアダプタをさらに含み、前記取り付け構造は、処置シースのサイドポート又はイリゲーションラインを前記取り付け構造の通路に配置することによって前記処置シースに解放可能に取り付けるための前記通路を画定する、請求項1に記載の閉鎖システム。
【請求項10】
血管壁の穿刺部を閉鎖するための閉鎖システムであって、
内側カテーテルであって、内側カテーテルの遠位端に拡張可能な構造体を有する内側カテーテルと、
前記拡張可能な構造体の近位に配置された密封材と、
前記密封材の近位にある支持チューブと、
前記内側カテーテルの近位端にあるハンドル部分であって、前記内側カテーテルの一部を曲げて前記拡張可能な構造体を近位方向に後退させるように構成されたアクチュエータを有するハンドル部分と、
を含む閉鎖システム。
【請求項11】
前記ハンドル部分は、前記拡張可能な構造体が拡張状態にあるときに前記アクチュエータが作動されるのを防ぐように構成されたロックアウト機構をさらに含む、請求項10に記載の閉鎖システム。
【請求項12】
前記ハンドル部分は、その近位端に膨張インジケータをさらに含み、前記膨張インジケータは、前記拡張可能な構造体が完全に拡張されると第1の位置から第2の位置に移動するように構成される、請求項10に記載の閉鎖システム。
【請求項13】
前記第2の位置において、前記膨張インジケータは、前記ハンドル部分の近位端から突出する、請求項12に記載の閉鎖システム。
【請求項14】
前記膨張インジケータは、前記拡張可能な構造体が拡張状態にあるときに前記アクチュエータが作動されるのを防ぐように構成されたロックアウト機構を提供する、請求項12に記載の閉鎖システム。
【請求項15】
前記ロックアウト機構は、前記膨張インジケータ上の複数の突起を含み、前記複数の突起は、前記拡張可能な部材が拡張状態にあるときに前記アクチュエータが押し下げられるのを防ぐように構成され、前記複数の突起は、前記拡張可能な構造体が収縮すると遠位に移動する、請求項14に記載の閉鎖システム。
【請求項16】
前記アクチュエータは、前記内側カテーテルと係合して前記内側カテーテルを前記ハンドル部分の中心軸から離れるように曲げ、それによって前記拡張可能な構造体を前記支持チューブ内に後退させるように構成されたアームを含む、請求項10に記載の閉鎖システム。
【請求項17】
取り付け構造を有するシースアダプタをさらに含み、前記取り付け構造は、処置シースのサイドポート又はイリゲーションラインを前記取り付け構造の通路に配置することによって前記処置シースに解放可能に取り付けるための前記通路を画定する、請求項10に記載の閉鎖システム。
【外国語明細書】