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特開2024-119929コンパクトな双眼画像取込みデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119929
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】コンパクトな双眼画像取込みデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20240827BHJP
【FI】
A61B34/35
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024094828
(22)【出願日】2024-06-12
(62)【分割の表示】P 2022187887の分割
【原出願日】2017-05-15
(31)【優先権主張番号】62/362,224
(32)【優先日】2016-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】パトワーダン,ヴィラージ エー.
(72)【発明者】
【氏名】クロップ,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】セル,ジョーン イー.
(72)【発明者】
【氏名】バートン,ジョーン エー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オートクレーブ洗浄に適合するコンパクトなフォームファクタで双眼撮像(画像化)をサポートする画像取込みデバイスを提供する。
【解決手段】双眼画像取込みデバイス500が、複数の積み重ねられた回路基板532と、第1の回路基板に取り付けられる前方に面する二重画像センサ510であって、密閉ハウジング内に取り囲まれる二重画像センサと、回路基板に取り付けられ、二重画像センサによって生成される電気信号を受信するように連結される、信号調整エレクトロニクスとを含む。二重画像センサは、密閉ハウジング内に取り囲まれる。密閉ハウジングは、第1の回路基板と、移行リング514と、光学マウントとによって形成されてよい。密閉ハウジングは、一致する熱膨張係数を有する材料を使用して形成されてよい。双眼画像取込みデバイスは、シャフトによって取り囲まれ、複数の積み重ねられた回路基板は、シャフトの長さに沿って積み重ねられる。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の積み重ねられたセラミック回路基板であって、複数の積み重ねられたセラミック回路基板中の各セラミック回路基板が複数の積み重ねられたセラミック回路基板中の少なくとも1つの他のセラミック回路基板と直接的に連結される、複数の積み重ねられたセラミック基板と、
前記複数の積み重ねられたセラミック回路基板のうちの第1のセラミック回路基板に取り付けられる画像センサと、
前記複数の積み重ねられたセラミック回路基板のうちの1つ以上に取り付けられ、前記画像センサによって生成される電気信号を受信するように連結される、信号調整エレクトロニクスと、を含む、
画像取込みデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、2016年7月14日に出願された「COMPACT BINOCULAR IMAGE CAPTURE DEVICE」という名称の米国仮特許出願第62/362,224号の優先権及び出願日の利益を主張し、その全文を本明細書中に参照として援用する。
【0002】
本開示は、画像誘導処置を行う画像取込みデバイスに向けられており、より具体的には、画像誘導処置を行うコンパクトな双眼画像取込みデバイス(binocular image capturing device)に向けられている。
【背景技術】
【0003】
最小侵襲外科処置を実行する際に使用される遠隔操作システムのような医療ロボットシステムは、より少ない痛み、より短い入院、正常な活動への迅速な復帰、最小の瘢痕化、回復時間の短縮、及びより少ない傷害への損傷を含む、従来的な観血手術技法に対する多くの利益をもたらす。結果的に、そのような医療遠隔操作システムに対する需要は強く、そして、増大している。
【0004】
医療遠隔操作システムの例は、カリフォルニア州サニーベールのIntuitive Surgical, Inc.のda Vinci(登録商標)STM Surgical Systemを含む。これらのシステムの各々は、外科医コンソール、患者側カート、高性能三次元(「3D」)ビジョンシステム、及び人間の手首を真似てモデル化されたIntuitive Surgical専有のEndoWrist(登録商標)関節器具を含む。手術器具を保持するマニピュレータの動作に加えられるとき、これらの関節作動器具は、それらのエンドエフェクタに対する少なくとも6自由度の動きを可能にし、それは観血手術の自然な動きと同等以上である。医療処置の実行中に、画像取込みデバイス(画像キャプチャデバイス)によって取り込まれる手術部位の二次元又は三次元ライブ画像を見ることが有用である。画像取込みデバイスは、医療処置中に使用される前に、オートクレーブ洗浄プロセスによって滅菌される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、オートクレーブ洗浄に適合するコンパクトなフォームファクタで双眼撮像(画像化)をサポートする画像取込みデバイスを提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、本記述に続く請求項によって最良に要約される。
【0007】
幾つかの例では、双眼画像取込みデバイスは、複数の積み重ねられた回路基板と、複数の積み重ねられた回路基板のうちの第1の回路基板に取り付けられる前方に面する二重画像センサと、複数の積み重ねられた回路基板のうちの1つ又はそれよりも多くの回路基板に取り付けられ、二重画像センサによって生成される電気信号を受信するよう連結される、信号調整エレクトロニクス(信号調整電子機器)とを含むことがある。二重画像センサは、密閉ハウジング内に取り囲まれる。
【0008】
幾つかの例では、双眼画像取込みデバイスが、第2の回路基板が垂直角度で第1の回路基板に取り付けられるような墓石構成において配置される第1の回路基板及び第2の回路基板と、第1の回路基板に取り付けられる前方に面する二重画像センサと、第2の回路基板に取り付けられ、二重画像センサによって生成される電気信号を受信するよう連結される、信号調整エレクトロニクス(信号調整電子機器)とを含むことがある。二重画像センサは、密閉ハウジング内に取り囲まれる。
【0009】
幾つかの例では、双眼画像取込みデバイスを組み立てる方法が、二重画像センサを第1の回路基板に固定するステップと、信号調整エレクトロニクスを1つ又はそれよりも多くの第2の回路基板に固定するステップと、第1の回路基板及び1つ又はそれよりも多くの第2の回路基板を積み重ねて、二重画像センサ及び信号調整エレクトロニクス(信号調整電子機器)を電気的に連結するステップと、二重画像センサをオートクレーブ耐性の密閉ハウジング内に封止するステップとを含むことがある。
【0010】
前述の一般的な記述及び以下の詳細な記述は、本質的に例示的かつ説明的であり、本開示の範囲を限定することなく本開示の理解を提供することを意図していることが理解されるべきである。その点において、本開示の追加的な態様、構成、及び利点は、以下の詳細な記述から当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】幾つかの実施形態に従った医療デバイスのバンドルユニットを備える医療遠隔操作システムを利用する手術室の簡略図である。
【0012】
図2】幾つかの実施形態に従った医療デバイスのバンドルユニットを保持する遠隔操作アームアセンブリの簡略図である。
【0013】
図3】幾つかの実施形態に従った医療デバイスのバンドルユニットの遠位端の簡略図である。
【0014】
図4a】幾つかの実施形態に従った前方に面するセンサを備える双眼画像取込みデバイスの簡略図である。
図4b】幾つかの実施形態に従った前方に面するセンサを備える双眼画像取込みデバイスの簡略図である。
【0015】
図5A】幾つかの実施形態に従った墓石構成の双眼画像取込みデバイスの簡略図である。
図5B】幾つかの実施形態に従った墓石構成の双眼画像取込みデバイスの簡略図である。
【0016】
図6A】幾つかの実施形態に従った展開斜視図からのフリップチップ画像信号プロセッサを備える墓石構成の双眼画像取込みデバイスの簡略図である。
図6B】幾つかの実施形態に従った側面図からのフリップチップ画像信号プロセッサを備える墓石構成の双眼画像取込みデバイスの簡略図である。
【0017】
図7A】幾つかの実施形態に従った積重ね構成の双眼画像取込みデバイスの簡略図である。
図7B】幾つかの実施形態に従った積重ね構成の双眼画像取込みデバイスの簡略図である。
図7C】幾つかの実施形態に従った積重ね構成の双眼画像取込みデバイスの簡略図である。
図7D】幾つかの実施形態に従った積重ね構成の双眼画像取込みデバイスの簡略図である。
図7E】幾つかの実施形態に従った積重ね構成の双眼画像取込みデバイスの簡略図である。
【0018】
図8】幾つかの実施形態に従った双眼画像取込みデバイスを製造する方法800の簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、一例として、手術台50の上に横たわっている患者40に対して医療処置を実行するために、医療遠隔操作システム100が外科医20によって利用されている、手術室の頂面図を例示している。1人以上(1人又はそれよりも多く)の助手30が患者40の近くに位置して、外科医20が外科医コンソール10上で制御デバイス108,109を操作することによって遠隔操作式に処置を行う間に、処置を補助することがある。
【0020】
本例において、医療デバイスのバンドルユニット300(束ねられたユニット)が、単一の入口ポート150を通じて患者40に挿入される。バンドルユニット300は、単一ポートシステムにおいて使用されてよい。入口ポート150は、本例では最小侵襲切開部であるが、他の医療処置の実行において、それは代わりに自然な身体開口部であってよい。バンドルユニット300は、(「アーム200」とも呼ぶ)遠隔操作アームアセンブリ200によって保持されて、操作される。本例では、1つの遠隔操作アームアセンブリのみが使用されているが、医療遠隔操作システム100は、本医療処置の実行中に邪魔にならない所に回転させられる(swing)追加的な遠隔操作アームアセンブリ128,129を備える。何故ならば、それらは使用されていないからである。
【0021】
コンソール10は、手術部位の3D画像を外科医に表示するための3Dモニタ104と、左右の操作可能な制御デバイス108,109と、フットペダル105と、プロセッサ102とを含む。制御デバイス108,109は、ジョイスティック、グローブ、トリガガン、手動操作コントローラ、又は同等物のような、様々な入力デバイスのうちの任意の1以上(1つ又はそれよりも多く)を含んでよい。プロセッサ102は、コンソール10に統合された専用コンピュータであってよく、或いはコンソールに又はその付近に位置付けられてよく、或いはシステム100を通じて分散処理式に分散される多数の処理又はコントローラコンポーネント(構成要素)を含んでよい。
【0022】
コンソール10は、通常、患者と同じ部屋に配置されるので、外科医は、処置を直接的に監視し、必要であるならば物理的に応じることができ、電話又は他の通信媒体を通じてというよりもむしろ直接的に助手と話すことができる。しかしながら、外科医は、患者と異なる部屋、全く異なる建物、又は他の遠隔の場所に位置して、遠隔外科処置を可能にすることもできることが理解されるであろう。
【0023】
図3に示すように、バンドルユニット300は、2つの手術器具又はツール338,339と、(「画像取込みユニット340」とも呼ぶ)画像取込みデバイス340とを含んでよい。手術ツール338,339の各々は、制御デバイス108,109のうちの1つと関連付けられる。外科医は、手術部位が画像取込みデバイス140によって取り込まれるときに、外科医がコンソールモニタ104上の手術部位を3Dで見る間に、プロセッサ102がそれらのそれぞれ関連する手術ツール338,339の対応する動きを引き起こすよう、制御デバイス108,109を操作することによって、医療処置を実行する。
【0024】
好ましくは、制御デバイス108,109は、それらの関連するツール338,339と少なくとも同じ自由度を備えて、テレプレゼンス、又は外科医がツール338,339を直接制御している強い感覚を有するような制御デバイス108,109がツールと一体であるという知覚を、外科医に提供する。
【0025】
モニタ104は、外科医が手術部位を実際に直接見下ろしていると感じるように方向付けられた投影画像をモニタ104が表示するよう、外科医の両手付近に位置付けられるのが好ましい。その目的を達成するために、ツール338,339の画像は、外科医の両手が位置する場所に実質的に位置するように見えるのが好ましい。
【0026】
加えて、リアルタイム画像は、好ましくは、外科医が恰も作業空間を実質的に真実存在(true presence)において見ているかのようにそれらの対応する制御デバイス108,109を通じてツール338,339のエンドエフェクタ322,332を操作することができるよう、透視画像(perspective image)に投影される。真実存在とは、画像の提示がツール338,339を物理的に操作している操作者の視点をシミュレートする真の透視画像であることを意味する。よって、プロセッサ102は、ツール338,339の座標を、透視画像が、画像取込みデバイス140がツール338,339の直ぐ後に位置しているならば見られる画像であるような、知覚位置に変換する。
【0027】
プロセッサ102は、システム100内の様々な機能を実行する。プロセッサが実行する1つの重要な機能は、外科医がツール338,339を効果的に操作することができるよう、制御デバイス108,109の機械的な動きをバス110上の制御信号を通じて遠隔操作アームアセンブリ200に変換して伝達することである。
【0028】
プロセッサとして記載しているが、プロセッサ102は、実際には、ハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアの任意の組み合わせによって実装されてよいことが理解されるべきである。また、本明細書に記載するその機能は、1つのユニットによって実行されてよく、或いは異なるコンポーネントの間に分割されてよく、それらの各々は、ハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアの任意の組み合わせによって順次実装されてよい。更に、コンソール10の部分として示されており或いはコンソール10に物理的に隣接するが、プロセッサ102は、患者側カート120及び/又は遠隔操作アームアセンブリ128,129,200並びにコンソール10に或いはコンソール10に代えて患者側カート120及び/又は遠隔操作アームアセンブリ128,129,200に装着されるプリント回路基板内のように、システムを通じて分散された、多数のサブユニットを含んでもよい。
【0029】
本明細書に記載するような医療遠隔操作システムの様々な態様の構造及び動作に関する追加的な詳細については、例えば、本明細書中に参照として援用する、同一継承人による米国特許第6,493,608号「Minimally Invasive Surgical Apparatus」及び同一承継人による米国特許第6,671,581号「Camera Referenced Control in a Minimally Invasive Surgical Apparatus」を参照のこと。
【0030】
図2は、一例として、医療デバイスのバンドルユニット300を保持している遠隔操作アームアセンブリ200の(必ずしも縮尺通りでない或いは完全でない)簡略化された側面図を例示している。ツールガイド270が、この例では患者にある入口ポート150を含む最小侵襲切開部を通じて挿入され、ガイドホルダ240によって遠隔操作アームアセンブリ200に連結される。次に、バンドルユニット300はツールガイド270を通じて患者内に挿入される。遠隔操作アームアセンブリ200は患者側カート120のベース201(基部)によって機械的に支持される。
【0031】
リンク202,203が水平セットアップジョイント204,205(セットアップ関節)を通じて互いに連結され、そして、ベース201に連結される。セットアップジョイント204,205は、この例において、それらのブレーキが解放されるときにアーム200の手動位置決めを可能にする、受動ジョイント(受動関節)である。例えば、セットアップジョイント204は、リンク202が軸206について手動で回転させられることを可能にし、セットアップジョイント205は、リンク203が軸207について手動で回転させられることを可能にする。
【0032】
この例では、2つのリンク及び2つのセットアップジョイントのみが示されているが、本発明と関連して、より多くの又はより少ないリンク及びセットアップジョイントが、この遠隔操作アームアセンブリ及び他の遠隔操作アームアセンブリにおいて必要に応じて使用されてよい。例えば、セットアップジョイント204,205はアーム200の水平位置決めに有用であるが、追加的なセットアップジョイントが含められてよく、アーム200の限定的な垂直方向及び角度方向の位置決めに有用である。しかしながら、アーム200の主要な垂直方向の位置決めのために、アーム200はベース201の垂直軸に沿ってスライド可能に移動させられて、所定の位置にロックされてもよい。
【0033】
遠隔操作アームアセンブリ200は、2つの能動ジョイント(能動関節)や、モータによって駆動させられる多数のギアも含む。ヨージョイント210(ヨー関節)は、アーム区画230が、軸261の周りで回転することを可能にし、ピッチジョイント220(ピッチ関節)は、アーム区画230が、軸261に対して垂直であり且つ図面の平面に対して直交する軸について回転することを可能にする。界面302(インターフェース)が、従来的なジョイント、ケーブル及びプーリシステムを通じて手術ツール338,339及び画像取込みユニット340の動きを作動させるモータ被駆動ギアのような、キャリッジ245及びバンドルユニット300の近位端にある噛合部品(mating parts)を含む。
【0034】
アーム区画230は、ピッチジョイント220がそのモータによって回転させられるときに区画231,232が互いに常に平行であるように構成される。結果的に、バンドルユニット300は、枢動点について枢動するようヨーモータ及びピッチモータを駆動することによって制御可能に動かされることがあり、枢動点は、患者内への進入点であるよう、セットアップジョイント204,205の手動位置決めを通じて配置される。加えて、バンドルユニット300は、アーム区画230にあるキャリッジ245に連結され、次に、キャリッジ245は、その挿入軸263に沿ってバンドルユニット300を延出又は収縮させる線形駆動機構に連結される。
【0035】
キャリッジ245内のヨージョイント210、ピッチジョイント220及びモータ被駆動ギアの各々は、個々のジョイント又はギアコントローラによって制御されるが、コントローラは、共通のマスタ/スレーブ制御システムによって制御されることがあるので、バンドルユニット300の医療デバイスは、その関連する制御デバイスの使用者(例えば、外科医又は操作者)操作を通じて制御されることがある。
【0036】
図3は、一例として、バンドルユニット300の遠位端の斜視図を例示している。バンドルユニット300は、医療処置を実行するための取り外し可能な手術ツール338,339と、患者内の手術部位で処置を見るための取り外し可能な画像取込みユニット340とを含む。ツール338,339及び画像取込みユニット340の各々は、バンドルユニット300の内部コアに形成された別個の管腔を通って延びる。次に、医療処置を実行中又は医療処置を実行する準備中の手術ツール338,339の一方又は両方の交換は、助手がもはや必要とされていないツールをその管腔から除去し、トレイ60からの置換ツール131を空にされた管腔内に挿入することにより除去したツールを置換ツール131と交換することによって、達成される。代替的に、未使用の管腔が利用可能であるならば、使い的なツールが、既に所定の場所にある如何なる他のツールをも除去せずに、それらの利用可能な管腔のうちの1つを通じて挿入されてよい。
【0037】
画像取込みデバイス340は、好ましくは、手術部位の三次元撮像のための一対の立体視カメラ342,343(及び/又は単一の双眼カメラ)と、取り込まれる画像中の物体の視認性を向上させるために、外部源からの光を運ぶ発光ダイオード(LED)又は光ファイバ束のような照明デバイス344とを含む。手術目的又は診断目的のために解剖学的構造を「見る」ために、超音波プローブのような補助的な画像取込みユニットが、バンドルユニット300の利用可能な管腔内に設けられてよい。
【0038】
幾つかの実施形態では、その内部コア及び内部コアを通じて挿入される医療デバイス(即ち、手術ツール及び画像取込みユニット)を保護するために、オーバーチューブ310(overtube)がバンドルユニット300内に含められてもよい。オーバーチューブ310は、剛的であってよい。代替的に、バンドルユニット300が体腔を通じて患者内の手術部位に移動するときに、バンドルユニット300が患者の体腔の形状に適合することがあるように、オーバーチューブ310は、フレキシブルな材料で形成されてよく、或いは能動的及び/又は受動的に曲げ可能な(曲げられる)区画を含んでよい。
【0039】
手術ツール338,339は、各々、制御可能に伸長可能で、回転可能で、曲げ可能なアームを有し、それらのそれぞれのエンドエフェクタ322,332が、リスト機構323,337(手首機構)によって、そのようなアームに連結される。例えば、手術ツール339のアームは、遠位ジョイント334,336(遠位関節)によって連結された3つのリンク331,333,335を含む。近位リンク335は、(好ましくは、バンドルユニット300の挿入軸263と平行である)挿入軸352に沿って制御可能に伸長可能及び収縮可能であり、挿入軸352について(回転角353によって示されるように)制御可能に回転可能である。他方、中間リンク333は、(曲げ角351によって示されるように)リンク335に対して遠位ジョイント336によって制御可能に曲げ可能であり、遠位リンク331は、リンク333,335に連結され、遠位ジョイント334によって曲げ可能であるので、その曲げ角354は、リンク333の方向とは反対方向にあり、結果的に、リンク331,335を平行な整列に維持する。
【0040】
手術ツール338のアームは、手術ツール339のアームと同様に構成される。リスト機構323,337の一例についての追加的な詳細は、本明細書中に参照として援用する、同一承継人による米国特許第6,817,974号「Surgical Tool Having Positively Positionable Tendon-Actuated Multi-Disk Wrist Joint」に提供されている。
【0041】
画像取込みデバイス340は、外科処置中に手術器具338,339を適切に見るよう、手術ツールより「上」の画像取込みデバイス340の十分な高さを達成するために、(バンドルユニット300の挿入軸263と平行であってよい)その挿入軸及びピッチ運動に沿って画像取込みユニット340少なくとも挿入/引込み(後退)を容易にする、制御可能に伸長可能で、回転可能で、曲げ可能なアーム345も有する。画像取込みデバイス340についての追加的な位置決め及び配向能力を容易にするために、その挿入軸についての画像取込みデバイス340のロール角運動のような、追加的な自由度が設けられてもよい。強化された操作性のために、画像取込みアーム345は、手術ツール338,339の制御可能に曲げ可能で、回転可能で、伸長可能なアームのように、曲げ可能であってよい。
【0042】
図4A及び図4Bは、幾つかの実施形態に従った前方に面する(front-facing)センサを備える双眼画像取込みデバイス400(binocular image capturing device)の簡略図である。図1図3と一致する幾つかの実施形態に従って、画像取込みデバイス400は、バンドルユニット300の画像取込みデバイス340を実施するために使用されてよい。幾つかの実施形態によれば、双眼画像取込みデバイス400は、バンドルユニット300以外のシステムにおいて使用されてよい。特に、画像取込みデバイス400は、小さな構成サイズ(small feature size)、頑丈さ(ruggedness)、オートクレーブに耐える能力を要求する撮像用途に適する。例えば、双眼画像取込みデバイス400は、医療遠隔操作システム及び/又は手持ち式内視鏡のような医療器具において使用されてよい。双眼画像取込みデバイス400は、医療撮像用途に特に適しているが、双眼画像取込みデバイス400は、モバイルデバイスの写真及び/又はビデオアプリケーションのような、一般的な撮像アプリケーションにおいて使用されてもよい。
【0043】
幾つかの実施形態によれば、双眼画像取込みデバイス400は、小さな構成サイズ及び/又はコンパクトな設計を容易にする1以上の構成を含む。幾つかの例において、双眼画像取込みデバイス400の直径「d」は、10mm未満であってよい。幾つかの例において、双眼画像取込みデバイス400のアスペクト比(即ち、長さ「l」と直径「d」との間の比率)は、10:1未満であってよい。
【0044】
図4A及び図4Bに示すように、双眼画像取込みデバイス400は、細長いデバイスの遠位端から前方を見る視点から双眼画像を取得する。幾つかの実施形態において、細長いデバイスは、医療処置中に画像を取得するために、解剖学的ポート及び/又は解剖学的通路内に挿入されることができる内視鏡であってよい。そのような実施形態と一致して、双眼画像取込みデバイス400は、内視鏡の遠位先端に位置付けられてよい。
【0045】
シャフト410は、双眼画像取込みデバイス400のコンポーネントを完全に又は部分的に取り囲む。幾つかの例において、シャフト410は、8.8mm内視鏡シャフトに対応することがあり、その場合、シャフト410の直径「d」は、8.8mmである。より一般的には、シャフト410の直径「d」は、解剖学的ポート及び/又は解剖学的通路を通じる双眼画像取込みデバイス400の挿入/引込みに順応するのに十分な程に小さい。幾つかの実施形態によれば、シャフト410は、剛性チューブを使用して形成されてよい。幾つかの実施形態において、シャフト410は、フレキシブルであってよい。円形の断面を有するものとして描かれているが、シャフト410の断面は、楕円形、多角形、及び/又は他の任意の適切な形状であってよいことが理解されるべきである。幾つかの例において、シャフト410の直径「d」及び/又はシャフト410の形状は、シャフト410の長さに沿って変化してよい。双眼画像取込みデバイス400のコンポーネントは、一般的にシャフト410内に配置されるが、幾つかのコンポーネントは、シャフト410の側面及び/又はシャフト410の遠位端から突出してよい。
【0046】
任意的な照明モジュール420が、双眼画像取込みデバイス400の遠位端から照明を提供する。幾つかの実施形態において、双眼画像取込みデバイス400は、内部解剖学的空洞及び/又は通路のような、周囲照明が殆どない或いは全くないシーンを取り込むために使用される。結果的に、照明モジュール420は、画像取得を支援するシーンへの主要な照明源として機能する。幾つかの実施形態において、照明モジュール420は、発光ダイオード(LED)のような1以上の照明源を含んでよい。幾つかの例において、照明源は、照明の輝度及び均一性を増大させるために、LEDのリングを含んでよい。幾つかの実施形態において、照明源は、照明モジュール420の外部にあってよく、その場合、照明モジュールは、光ファイバ線、レンズ、ミラー、及び/又は同等物のような、受動光学コンポーネントを含んでよい。例えば、照明モジュール420は、双眼画像取込みデバイス400の近位端から受け取る照明を、双眼画像取込みデバイス400のコンポーネントの周りに経路制御し、そして遠位端から外に送る、1以上の光ファイバ線を含んでよい。図4A及び図4Bに描くように、照明モジュール420は、シーンに対して均一な照明強度を提供するために、シャフト410の両側に配置される2つのそのような光ファイバ線を含む。
【0047】
双眼光学モジュール430が、シーンから照明(即ち、光及び/又は他の電磁信号)を受け取り、一対の画像を二重画像センサ440(dual image sensor)に投影する。双眼光学モジュール430は、所望の画像特性(例えば、焦点距離及び/又はスペクトル特性)を達成するために、1以上のレンズ、ミラー、アパーチャ、フィルタ、プリズム、偏光子、及び/又は同等物を含んでよい。双眼光学モジュール430の1以上のコンポーネントは、(例えば、焦点距離を変えるために)画像特性を変えるように調節可能であってよい。
【0048】
二重画像センサ440は、一般的に、双眼光学モジュール430からの一対の投影画像を、投影画像に含まれる情報のうちの少なくとも一部を保持するアナログ及び/又はデジタル電気信号に変換するのに適した、任意のデバイスを含む。幾つかの例によれば、二重画像センサ440は、電荷結合素子(CCD)センサ、アクティブピクセルセンサ、相補型金属酸化物半導体(CMOS)センサ、N型金属酸化物半導体(NMOS)センサ、及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの実施形態によれば、二重画像センサ440は、二重能動領域(二重アクティブ領域)を備える単一のモノリシックセンサを含んでよく、且つ/或いは複数の個別のセンサを含んでよい。
【0049】
一般的に、二重画像センサ440のような画像センサの双眼領域は、画像品質を向上させるために可能な限り大きいことが望ましい。例えば、小さな画像センサと対して、大きな画像センサは、解像度の改良のためにより多くのピクセルを有してよく、且つ/或いは感度の改良のためにより大きなピクセルを有してよい。しかしながら、双眼画像取込みデバイス400は小さな直径「d」(例えば、10mm以下)を有するので、画像センサのために利用可能な空間は、一般的に制約され、特に直径方向に制約される。双眼画像取込みデバイス400の空間制約を満足しながら画像センサの面積を増大させる1つの方法は、画像センサを側面に面する構成(sideways-facing configuration)において取り付けることである。側面に面する構成では、画像センサの1つの縁が、双眼画像取込みデバイス400の長さに沿って位置し、従って、直径の制約を受けない。しかしながら、側面に面する構成は、幾つかの理由のために問題である。第1に、側面に面する画像センサに画像を投影するために、双眼光学モジュール430には、画像取込みデバイス400の遠位端からの光を90度だけ方向変更する仕事が課される。これは、一般的に、双眼光学モジュール430の複雑さ及び/又はコストを増加させ、画像品質を低下させることがある。第2に、幾つかの場合には、側面に面する画像センサは、単眼撮像用途のために使用されてよいが、側面に面する画像センサを双眼撮像用途に統合することはより一層の挑戦である。特に、双眼画像取込みデバイス400の空間制約に鑑みれば、一対の画像を側面に面する画像センサに投影することは、実質的な追加的な複雑さ及びコストを伴うことがある。よって、側面に面する画像センサは、双眼画像取込みデバイス400における使用に適していないことがある。
【0050】
これらの挑戦に対処するために、双眼画像取込みデバイス400の二重画像センサ440は、双眼画像取込みデバイス400の遠位端に向かって方向付けられた双眼領域を備える、前方に面する画像センサとして構成される。前方に面する構成において、双眼光学モジュール430は、側面に面する構成に対して単純化され、より安価であり、且つ/或いはよりコンパクトであることがある。何故ならば、投影画像は90度だけ方向変更されないからであり、単眼撮像用途に対して双眼撮像用途に伴う追加的な複雑さは殆どないからである。
【0051】
シャフト410の直径制約を満足しながら前方に面する構成における二重画像センサ440の双眼領域を増加させるために、二重画像センサ440の形状は、シャフトの断面形状に適合するように構成されてよい。例えば、シャフト410が円形の断面を有するとき、八角形の形状が、長方形の形状よりも、シャフト410により良く適合する。従って、二重画像センサ440は、長方形のセンサの隅を切断すること(sawing)又は劈開すること(cleaving)によって形成されることがあるような、八角形の形状を有してよい。
【0052】
幾つかの実施形態において、二重画像センサ440は、密閉ハウジング442(hermetic housing)内に配置されてよい。密閉ハウジング442は、画像センサ440を湿気及び/又は他の汚物から保護する。その上、密閉ハウジング442は、オートクレーブ洗浄中に受ける温度サイクルに対して機械的に堅牢である。密閉ハウジング442は、二重画像センサ440をカプセル化するものとして描かれているが、双眼画像取込みデバイス400の他のコンポーネントも、密閉ハウジング442内に密封されて(hermetically sealed)よいことが理解されるべきである。密閉ハウジング442の実施形態を、図5図7を参照して以下に更に詳細に記載する。
【0053】
幾つかの例において、二重画像センサ440によって生成される電気信号は、比較的小さな信号振幅を有する。特に、それらの低い振幅の故に、電気信号は、例えば、遠隔操作アームアセンブリの遠位端から近位端への、長距離に亘る送信に適さないことがある。従って、二重画像センサは、調整モジュール450(conditioning module)に連結され、調整モジュール450は、二重画像センサ440によって生成される電気信号を受け取り、それらを伝送用に変換する。幾つかの例において、調整モジュール450は、1以上の画像信号プロセッサ(ISP)、増幅器、アナログデジタル(A/D)コンバータ、画像エンコーダ、及び/又は同等物を含む、信号調整エレクトロニクスを含んでよい。幾つかの例において、調整モジュール450の出力は、デジタルビデオ信号フィードであってよい。デジタルビデオ信号フィード(又は取り込まれる画像データの他の信号表現)は、コネクタ460を介して双眼画像取込みデバイス400から送信される。幾つかの例において、コネクタ460は、画像データを送信して、電力及び/又は制御信号を受信するように構成される。
【0054】
画像品質を向上させるために、調整モジュール450のコンポーネントは、一般的に、二重画像センサ440に物理的に近接近して位置付けられる。これは長い伝送線を通じる二重画像センサ440によって生成される電気信号の劣化を防止又は緩和する。これはコンパクトで、単純で、堅牢な設計も容易にする。幾つかの例では、調整モジュール450の画像信号プロセッサは、二重画像センサ440の背後に配置されてよい(即ち、「フリップチップ」構成(“flip-chip” configuration))。幾つかの例において、画像信号プロセッサ及び二重画像センサ440は、二重画像センサ440によって生成される電気信号が回路基板を通じて短い距離(例えば、数mm以下)経路制御されるように、回路基板の両面に取り付けられてよい。幾つかの例において、画像信号プロセッサ及び/又は調整モジュール450の他のコンポーネントは、図5及び図6を参照して以下により詳細に記載するように、二重画像センサ440に対して「墓石」構成(“tombstone” configuration)において取り付けられてよい。幾つかの例において、調整モジュール450は、図7を参照して以下により詳細に記載するように、二重画像センサ440に対して「積重ね」構成(“stacked” configuration)で取り付けられてよい。
【0055】
動作中、(照明モジュール420、二重画像センサ440、調整モジュール450、及び/又はコネクタ460の様々なコンポーネントを含んでよい)双眼画像取込みデバイス400の電子コンポーネントは、廃熱を生成する。熱管理モジュール470が、任意的に、過熱を防止するために、双眼画像取込みデバイス400から廃熱を伝導して除く(conduct away)ために使用される。幾つかの実施形態において、熱管理モジュール470は、双眼画像取込みデバイス400の1以上のコンポーネントに熱的に連結されるヒートシンクを含んでよい。幾つかの例において、ヒートシンクは、双眼画像取込みデバイス400から近位方向に熱を伝導して除くように構成されてよい。幾つかの例において、熱管理モジュール470は、双眼画像取込みデバイス400を通じた様々な場所に塗布される熱伝導性ペーストを含んでよい。しかしながら、幾つかの実施形態において、双眼画像取込みデバイス400は、熱管理モジュール470を含まなくてよい。具体的には、双眼画像取込みデバイス400のコンパクトな設計は、専用の熱管理モジュール470を用いずに過熱を防止するのに十分な熱伝導を提供することがある。
【0056】
図5A及び図5Bは、幾つかの実施形態に従った墓石構成における双眼画像取込みデバイス500の簡略図である。図1図4と一致する幾つかの実施形態において、双眼画像取込みデバイス500は、双眼画像取込みデバイス400の構成の少なくとも一部を実施するために使用されてよい。
【0057】
双眼画像取込みデバイス500は、外管502によって完全に又は部分的に包まれる。一対の光ファイバ線504が、外管502の上方部分及び下方部分に沿ってポッティングされている(植え込まれている)(potted)。明確性のために、双眼画像取込みデバイス500の遠位端に位置付けられて描かれているが、外管502及び/又は光ファイバ線504は、双眼画像取込みデバイス500の長さに沿って延在してよい。図1図4と一致する幾つかの実施形態によれば、外管502及び光ファイバ線504は、それぞれ、シャフト410及び照明モジュール420に対応することがある。
【0058】
八角形の面内形状を備える二重画像センサ510は、前方に面する構成(即ち、双眼画像取込みデバイス500の遠位端に向かって方向付けられた構成)に配置されている。二重画像センサ510は、回路基板512に取り付けられている。幾つかの実施形態によれば、二重画像センサ510は、回路基板512にワイヤボンディングされてよい。幾つかの例において、回路基板512は、二重画像センサ510のための温度及び/又は湿度抵抗裏当てをもたらすセラミック回路基板であってよい。幾つかの例において、回路基板512は、低い(又はゼロの)水分浸透性及び/又は高い熱伝導率を備える他の材料を使用して形成されてよい。
【0059】
移行リング514が回路基板512に取り付けられている。幾つかの例において、移行リング514は、鑞接(brazing)によって回路基板512に取り付けられるコバール(登録商標)リングであってよい。幾つかの例において、遷移リング514は、回路基板512の熱膨張係数(CTE)と一致するCTEを備え、且つ鑞接、溶接、接着、及び/又は同等のことのようなプロセスと適合する、他の材料を使用して形成されてよい。
【0060】
光学ハウジング516が、移行リング514に取り付けられて(affixed)いる。幾つかの例において、光学ハウジング516は、溶接(例えば、レーザ溶接)によって移行リング514に取り付けられたステンレス鋼ハウジングであってよい。幾つかの例において、ステンレス鋼ハウジングは、回路基板512、移行リング514、及び/又は光学ガラスのCTEと一致する、17-4ステンレス鋼及び/又は440ステンレス鋼のような合金を使用して、形成されてよい。幾つかの例において、光学ハウジング516は、双眼光学モジュール430のような双眼光学を取り囲んでよい。明確性のために、双眼光学は、図5A及び図5Bには描かれていないが、幾つかの実施形態では、双眼画像取込みデバイスの遠位端から延びてよい。幾つかの実施形態によれば、カバーガラス518は、移行リング514のリム520(rim)に取り付けられてよい。例えば、カバーガラス518は、接着剤によって移行リング514に取り付けられてよい。
【0061】
図1図4と一致する幾つかの実施形態によれば、回路基板512、リング514、光学ハウジング516、及び/又はカバーガラス518は、密閉ハウジング442に対応する密封チャンバ(hermetically sealed chamber)を形成してよい。密封チャンバは、光学ハウジング516内に配置される光学部品(例えば、双眼光学モジュール430)及び/又は二重画像センサ510を取り囲む。幾つかの実施形態によれば、密封チャンバは、光学ハウジング516内に収容される光学部品及び/又は二重画像センサ510の凝縮又は他の汚染を低減又は防止するために、不活性ガス(例えば、窒素)で充填されてよい。有利には、双眼画像取込みデバイス500の密封チャンバは、オートクレーブ洗浄中の熱サイクルによって引き起こされるひずみ及び/又は応力を低減するために、適合するCTEを備える材料(例えば、セラミック回路基板512、コバール移行リング514、ステンレス鋼光学ハウジング516、及び双眼光学及び/又はカバーガラス518において使用される光学ガラス)を使用して形成される。
【0062】
回路基板532は、画像信号プロセッサ530、ホストエレクトロニクス534(ホスト電子機器)、及び/又はコネクタ536のような、様々な信号調整エレクトロニクス(信号調整電子機器)を含んでよい。画像信号プロセッサ530は、二重画像センサ510から電子信号を受信して、受信した電子信号に基づいて画像データを生成するように連結される。デジタル画像データ(例えば、デジタルビデオフィード)は、コネクタ536を介して出力される。エレクトロニクス534は、1以上のコンデンサ、抵抗器、ダイオード、発振器、センサ(例えば、温度センサ)、及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの例において、回路基板532は、オートクレーブ洗浄及び/又は人体のような厳格な動作環境に対する耐性を向上させるために、セラミック回路基板であってよい。幾つかの例において、回路基板532は、FR-4回路基板及び/又は任意の他の適切な種類の回路基板であってよい。
【0063】
回路基板532は、墓石構成の回路基板512に取り付けられている。墓石構成において、回路基板532の縁は、回路基板512の裏面に直角に当接する。図5A及び図5Bに描くように、回路基板532は、回路基板512の概ね垂直中心に取り付けられている。幾つかの例において、回路基板532は、回路基板512に剛的に取り付けられてよい。幾つかの例において、回路基板532は、回路基板512と直接的に接触してよく、且つ/或いは回路基板512に接着されてよい。図1図4と一致する実施形態によれば、回路基板532に取り付けられるコンポーネントは、調整モジュール450及び/又はコネクタ460に対応することがある。
【0064】
ヒートシンク540は、支持部材542を介して回路基板532及び/又は回路基板512に連結される。ヒートシンク540は、回路基板532及び/又は回路基板512に取り付けられる電子コンポーネント(電子部品)から熱を奪う(sink heat)ように構成される。有利には、墓石構成は、回路基板532の背面上の広い表面領域へのアクセスを提供して、前面に取り付けられるコンポーネントからヒートシンク540への熱伝達を最大にする。幾つかの例において、ヒートシンク540は、銅ヒートパイプであってよい。しかしながら、一般的に、銅のCTEは、セラミック回路基板のCTEと一致しない。従って、支持部材542が、Cu-Mo及び/又はCu-W合金のような、セラミックのCTEと一致する遷移材料を使用して形成されてよい。そのような実施形態と一致して、支持部材542は、鑞接によって回路基板532及び/又は回路基板512に取り付けられてよい。図1図4と一致する幾つかの実施形態によれば、ヒートシンク540及び/又は支持部材542は、熱管理モジュール470に対応することがある。
【0065】
図6A及び図6Bは、幾つかの実施形態に従ったフリップチップ画像信号プロセッサを備える墓石構成における双眼画像取込みデバイス600の簡略図である。図1図4と一致する幾つかの実施形態によれば、双眼画像取込みデバイスは、双眼画像取込みデバイス400の少なくとも幾つかの構成を実施するために使用されてよい。
【0066】
図5A及び図5Bの双眼画像取込みデバイス500と同様に、双眼画像取込みデバイス600は、管602、光ファイバ線604、二重画像センサ610、回路基板612、リム620を備える移行リング614、光学ハウジング616、カバーガラス618、画像信号プロセッサ630、回路基板632、エレクトロニクス634(電子機器)、コネクタ636、ヒートシンク640、及び支持部材642を含む。幾つかの例において、画像信号プロセッサ630、エレクトロニクス634、及び/又はコネクタ8236は、信号調整エレクトロニクスとして使用されてよい。これらの構成は、図5A及び/又は図5Bの同様に印された構成に概ね対応する。
【0067】
回路基板512に取り付けられる画像信号プロセッサ530と異なり、画像信号プロセッサ630は、二重画像センサ610の背面にフリップチップ構成において配置されている。有利には、画像信号プロセッサ630のフリップチップ構成は、二重画像センサ610によって生成される電気信号が伝播して画像信号プロセッサ630に達する距離を減少させ、それは画像品質を向上させる。その上、フリップチップ構成は、別個の部品の数を減少させる。何故ならば、二重画像センサ610及び画像信号プロセッサ630が同じチップ上にあるからである。これは双眼画像取込みデバイス600の複雑さを減少させる。二重画像センサ610及びイメージ信号プロセッサ630を単一のチップ上に統合する他のアプローチ(例えば、チップの同じ面にある二重画像センサ610及びイメージ信号プロセッサ630を備えるシステムオンチップ構成(system-on-chip configuration))と異なり、フリップチップ構成は、二重画像センサ610の双眼領域を減少させない。
【0068】
図7A図7Eは、幾つかの実施形態に従った積重ね構成における双眼画像取込みデバイス700の簡略図である。図1図4と一致する幾つかの実施形態によれば、双眼画像取込みデバイスは、双眼画像取込みデバイス400の少なくとも幾つかの構成実施するために使用されてよい。
【0069】
双眼画像取込みデバイス500及び600と同様に、双眼画像取込みデバイス700は、管702、光ファイバ線704、二重画像センサ710、回路基板712、リム720を備える移行リング714、光学ハウジング716、カバーガラス718、画像信号プロセッサ730、回路基板732、エレクトロニクス734、コネクタ736、ヒートシンク740、及び支持部材742を含む。幾つかの例において、画像信号プロセッサ730、エレクトロニクス734、及び/又はコネクタ736は、信号調整エレクトロニクスとして使用されてよい。これらの構成は、図5及び図6の類似に印される構成に概ね対応する。図7に描くように、画像信号プロセッサ730は、回路基板712の背面に取り付けられる。図7は、図5及び図6に示していない幾つかの構成を描いている。例えば、双眼画像取込みデバイス700は、ねじ付きコネクタ746によってヒートシンク740に連結されるヒートシンク延長部744を含む。
【0070】
図7は、積重ね構成において構成された回路基板712及び732を描いている。任意的に、回路基板の積重ね構成は、エレクトロニクス734及び/又はコネクタ736のようなコンポーネントのための利用可能な回路基板総面積を増加させるために、1以上の追加的な回路基板750を含んでよい。有利なことに、積重ね構成における双眼画像取込みデバイスは、双眼画像取込みデバイス700のコンパクトさを改良することがある。更に、双眼画像取込みデバイス700は、ヒートシンク740を含むものとして描かれているが、積重ね構成は、ヒートシンク740(及び支持部材742及びヒートシンク延長部744のような関連するコンポーネント)が省略されてよい十分な熱伝導をもたらすことがある。
【0071】
積重ねを容易にするために、回路基板712、732、及び/又は750は、同一又は類似の面内形状及び寸法を有してよい。幾つかの例において、回路基板712、732、及び/又は750は、隣接する回路基板の間に1以上の電気接点を創り出すために、整列させられたボンディングパッド752を有してよい。即ち、特定の回路基板の前方側又は遠位側にあるボンディングパッドは、隣接する回路基板の後方側又は近位側のボンディングパッドと一列に並ぶ。幾つかの実施形態において、積重ねられた回路基板の部分は、ボンディングパッド752に対して凹まされて、取り付けられるコンポーネントを適合させる隣接する回路基板間の間隙を形成してよい。図7に描く回路基板の積重ね(スタック)は、3つの回路基板712,732,750を含むが、回路基板の積重ねは、任意の数の回路基板を含んでよいことが理解されるべきである。
【0072】
幾つかの実施形態によれば、回路基板の積重ねの隣接する回路基板は、互いに直接的に連結されてよく、且つ/或いは接着剤を使用して連結されてよい。隣接する回路基板間の連結は、回路基板のスタックの長さに沿う熱伝達を容易にする。何故ならば、積重ねられる回路基板のうちの1以上は、ヒートシンク740への直接的な接続を有さないことがあるからである。幾つかの例において、隣接する回路基板のボンディングパッド752の間の電気的及び/又は機械的接点は、はんだ(solder)、導電性エポキシ(conductive epoxy)、金属ボンディング(例えば、鑞接、焼結、溶接、及び/又は同等のもの)、異方性導電フィルム(anisotropic conductive film)(ACF)、異方性導電ペースト(anisotropic conductive paste)(ACP)、及び/又は同等のものを使用して形成されてよい。
【0073】
追加的に又は代替的に、回路基板のスタック内の隣接する回路基板は、空隙のような、間隙によって分離されてよい。例えば、回路基板に取り付けられる大きなデバイスを収容するために、スタックが曲げることを可能にするために、及び/又は同等のことのために、間隙が設けられてよい。これに関して、積重ね構成は、隣接する回路基板間の直接的な物理的接触の具備しようが具備しまいが、対向する平面的な表面を備える任意の適切な構成において回路基板712、732、及び/又は750を積み重ねることを含んでよい。
【0074】
図7B及び図7Cに描くように、双眼画像取込みデバイス700は、双眼光学760、エンドピース762、及び窓764を含む。幾つかの例において、窓764は、サファイア窓であってよい。図1図4と一致する幾つかの実施形態によれば、双眼光学760、エンドピース762、及び/又は窓764は、双眼光学モジュール430に対応してよい。エンドピース762、光学ハウジング716、窓764、カバーガラス718、移行リング714、及び/又は回路基板712は、窒素のような不活性ガスで充填されてよい密封容積766を形成する。
【0075】
双眼画像取込みデバイス700における密封性、機械的完全性、及び/又は効率的な熱伝達を容易にするために、双眼画像取込みデバイス700の当接するコンポーネントは、鑞接(例えば、鑞接された界面770を参照)及び/又は溶接(例えば、溶接された界面772を参照)技法を使用して取り付けられてよい。幾つかの例において、溶接される界面772は、レーザ溶接されてよい。図7Cに描くように、鑞接される界面770の例は、ヒートシンク740と支持部材742との間の界面、支持部材742と回路基板750との間の界面、及び回路基板712と移行リング714との間の界面を含む。溶接される界面772の例は、移行リング714と光学ハウジング716との間の界面、光学ハウジング716と双眼光学760との間の界面、光学ハウジング716とエンドピース762との間の界面を含む。端部ピース762と窓764との間の界面は、はんだ付けされた界面774である。例えば、窓764は、窓はんだを使用してエンドピース762に取り付けられてよい。特定の実施形態を記載したが、ガラスフリッティング(glass fritting)、エポキシポッティング(epoxy potting)、焼結、接着、及び/又は同等物のような、様々な他の技法が、コンポーネント間の界面を形成するために使用されてよいことが理解されるべきである。
【0076】
図8は、幾つかの実施形態に従った双眼画像取込みデバイスを製造する方法800の簡略図である。図1図7と一致する幾つかの実施形態によれば、方法800は、双眼画像取込みデバイス400、500、600、及び/又は700を組み立てるために使用されてよい。幾つかの実施形態によれば、方法800は、図5及び/又は図6と一致する墓石構成において或いは図7と一致する積重ね構成において双眼画像取込みデバイスを組み立てるために使用されてよい。幾つかの実施形態によれば、方法800を使用して組み立てられる双眼画像取込みデバイスは、極めてコンパクトであることがあり、10mm以下の直径及び/又は10:1以下のアスペクト比を有する。幾つかの実施形態によれば、方法800を使用して組み立てられる双眼画像取込みデバイスは、オートクレーブ洗浄と互換性があってよい。例えば、水分に敏感なコンポーネントは、蒸気処理に耐えるよう密封されてよく、互いに当接し合うコンポーネントは、熱サイクルに耐えるよう一致する熱膨張係数を有してよい。
【0077】
プロセス805で、第1の回路基板及び1以上の第2の回路基板を製造する。幾つかの実施形態によれば、第1の回路基板及び/又は1以上の第2の回路基板は、セラミック回路基板であってよい。双眼画像取込みデバイスを積重ね構成において組み立てるとき、第1の回路基板及び/又は1以上の第2の回路基板は、ほぼ同じ面内形状及び/又は寸法を有することがある。その上、第1の回路基板及び/又は1以上の第2の回路基板は、積重ね内の隣接する回路基板間の電気的接続を可能にするよう整列させられたボンディングパッドを有してもよい。一層更には、第1の回路基板及び/又は1以上の第2の回路基板は、電子コンポーネントを積重ね構成内に適合させる凹部を有してよい。
【0078】
プロセス810で、移行リングを第1の回路基板に固定する。幾つかの実施形態によれば、移行リングは、セラミックの熱膨張係数と一致する熱膨張係数を備えるコバールリングであってよい。幾つかの実施形態によれば、移行リングは、鑞接によって第1の回路基板に固定されてよい。
【0079】
プロセス815で、二重画像センサを第1の回路基板に固定する。幾つかの実施形態によれば、二重画像センサは、二重双眼領域を備えるモノリシック画像センサであってよい。幾つかの実施形態によれば、二重画像センサは、円形チューブ内に配置されるときに長方形の形状に対する充填率(fill factor)を増加させる八角形の形状を有してよい。幾つかの実施形態によれば、二重画像センサは、ワイヤボンディング及び/又は任意の他の適切な集積回路パッケージ技法によって第1の回路基板に固定されてよい。
【0080】
幾つかの例において、双眼画像取込みデバイスは、画像信号プロセッサ、エレクトロニクスデバイス、及び/又は同等物のような、信号調整エレクトロニクスを含んでよい。プロセス820で、画像信号プロセッサを第1の回路基板又は1以上の第2の回路基板に固定する。幾つかの実施形態によれば、画像信号プロセッサは、フリップチップ構成において二重画像センサの背面に配置されてよく、その場合、プロセス820は、プロセス815と合体する(即ち、二重画像センサ及び画像信号プロセッサを固定することは同じステップの間に達成される)。幾つかの実施形態によれば、画像信号プロセッサは、二重画像センサとは反対の第1の回路基板の背面に固定されてよい。そのような実施形態は、画像信号プロセッサと二重画像センサとの間の距離を減少させて、低ノイズ動作を容易にすることがある。幾つかの実施形態によれば、画像信号プロセッサは、1以上の第2の回路基板に(即ち、二重画像センサとは異なる回路基板上に)固定されてよい。画像信号プロセッサと二重画像センサとの間により大きな距離があるが、そのような実施形態は、画像信号プロセッサとヒートシンクとの間の距離を減少させて、熱伝達を容易にすることがある。幾つかの実施形態によれば、画像信号プロセッサは、ワイヤボンディング及び/又は任意の他の適切な集積回路パッケージ技法によって、第1の回路基板又は1以上の第2の回路基板に固定されてよい。
【0081】
プロセス825で、電子デバイスを1以上の第2の回路基板に固定する。 幾つかの実施形態によれば、電子デバイスは、1以上の抵抗器、コンデンサ、インダクタ、ダイオード、センサ(例えば、温度センサ)、発振器、電力変換器、及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの実施形態によれば、電子デバイスは、二重画像センサ及び/又は画像信号プロセッサに電気信号(例えば、クロック信号及び/又は電力信号)を供給してよい。幾つかの実施形態によれば、電子デバイスは、二重画像センサ及び/又は画像信号プロセッサから受信する電気信号を調整してよい(例えば、電子デバイスは、信号調整のために1以上の増幅器、フィルタ、レベルシフタ、及び/又は同等物を含んでよい)。幾つかの実施形態によれば、電子デバイスは、はんだ付け、ワイヤボンディング、及び/又は同等のことによって、1以上の第2の回路基板に固定されてよい。
【0082】
プロセス830で、支持部材を1以上の第2の回路基板に固定する。幾つかの実施形態によれば、支持部材は、セラミック回路基板とCTEが一致しない銅ヒートシンクの後の接続を容易にするために、銅合金(例えば、Cu-Mo又はCu-W)であってよい双眼画像取込みデバイスを積重ね構成において組み立てるとき、支持部材は、積重ね内の最も近位の回路基板に固定されてよい。双眼画像取込みデバイスを墓石構成において組み立てるとき、支持部材は、電子デバイス及び/又は画像信号プロセッサとは反対側の1以上の第2の回路基板の背面に固定されてよい。幾つかの実施形態によれば、支持部材は、鑞接によって1以上の第2の回路基板に固定されてよい。
【0083】
プロセス835で、コネクタを1以上の第2の回路基板に固定する。幾つかの実施形態によれば、コネクタは、取り込まれた画像データを送信して、電力信号及び/又は制御信号を受信するように構成されてよい。双眼画像取込みデバイスを積重ね構成において組み立てるとき、コネクタは、積重ね内の最近位の回路基板に固定されてよい。双眼画像取込みデバイスを墓石構成において組み立てるとき、コネクタは、1以上の第2の回路基板の近位端に固定されてよい。幾つかの実施形態によれば、コネクタは、はんだ付けによって1以上の第2の回路基板に固定されてよい。
【0084】
プロセス840で、第1の回路基板及び1以上の第2の回路基板を積重ね構成又は墓石構成において組み立てる。双眼画像取込みデバイスを積重ね構成において組み立てるとき、積み重ねられる回路基板間の電気接点は、ACF、ACP、はんだ、焼結金属ペースト、及び/又は同等のことのような技法を使用して、ボンディングパッドを整列させて、導電性接点を形成することによって、創り出される。隣接する回路基板の間に接着剤を塗布して、積重ねられた回路基板の長さに沿う機械的完全性及び/又は熱伝達を向上させてよい。双眼画像取込みデバイスを墓石構成において組み立てるとき、1以上の第2の回路基板は、第1の回路基板に対する垂直な向きで、第1の回路基板の背面に対して取り付けられる。
【0085】
プロセス845で、光学マウント(optics mount)を移行リングに固定する。幾つかの実施形態によれば、光学マウントは、ステンレス鋼アセンブリを含んでよい。幾つかの実施形態によれば、ステンレス鋼アセンブリは、17-4又は440ステンレス鋼のような、セラミック及び/又は光学ガラスの熱膨張係数と一致する熱膨張係数を備えるステンレス鋼合金から形成されてよい。幾つかの実施形態によれば、光学マウントは、溶接(例えば、レーザ溶接)によって移行リングに固定されてよい。
【0086】
プロセス850で、双眼光学を組み立てる。幾つかの実施形態によれば、双眼光学は、三次元撮像用途を容易にするために、二重画像センサ上に一対の画像を形成するよう整列させられる。幾つかの実施形態によれば、双眼光学は、一対の画像の各々の画像を形成する一対の実質的に同一の光学アセンブリを含む。幾つかの実施形態によれば、双眼光学は、光学マウントに取り付けられる。幾つかの例において、双眼光学は、光学マウント内に取り付けられてよく、且つ/或いは光学マウントから突出してよい。幾つかの実施形態によれば、双眼光学は、二重画像センサを覆い且つ/或いは封止するカバーガラスを含んでよい。幾つかの実施形態によれば、カバーガラスは、光学マウント及び/又は移行リングのリム(rim)に接着されてよい。
【0087】
プロセス855で、エンドピースを光学マウントに固定する。幾つかの実施形態によれば、エンドピースは、光学マウントと同様の材料特性を備えるステンレス鋼アセンブリを含んでよい。幾つかの実施形態によれば、エンドピースは、メッキされたサファイア窓のような、窓を含んでよい。幾つかの例において、窓は、エンドピースのステンレス鋼アセンブリにはんだ付けされてよい。幾つかの実施形態によれば、エンドピースは、溶接(例えば、レーザ溶接)によって光学マウントに固定されてよい。幾つかの実施形態によれば、エンドピースを光学マウントに固定することは、双眼光学及び/又は二重画像センサの周りに密閉シール(hermetic seal)を形成させることがある。結果的に、プロセス855は、組立プロセス中に水分及び/又は汚物が密封容積に進入するのを防止するために、浄化(パージ)された環境において実行されてよい。例えば、プロセス855は、不活性ガス環境(例えば、窒素ガス)中で実行されてよい。
【0088】
プロセス860で、光ファイバを組み立てる。幾つかの実施形態によれば、光ファイバは、双眼画像取込みデバイスの上方部分及び下方部分に沿って走る1以上のチャネルに沿ってポッティングされてよい。結果的に、ポッティングされた光ファイバは、一方の側にある双眼画像取込みデバイスの曲面によって境界付けられた半円筒形状と、他方の側にある双眼画像取込みデバイスの詰め込まれたコンポーネントの平坦な表面とを有することがある。
【0089】
プロセス865で、ヒートシンクを組み立てる。幾つかの実施形態によれば、ヒートシンクは、銅ヒートパイプを含んでよい。幾つかの例において、銅ヒートパイプは、鑞接及び/又は溶接によって支持部材に固定されてよい。幾つかの実施形態によれば、ヒートシンクは、ネジ山付きアタッチメントによって銅ヒートパイプに連結されるヒートシンク延長部を含んでよい。
【0090】
プロセス870で、プロセス805~865の組み立てられた双眼画像取込みデバイスをシャフトに固定する。幾つかの実施形態によれば、シャフトは、双眼画像取込みデバイスを完全に又は部分的に取り囲む金属チューブであってよい。幾つかの実施形態によれば、シャフトは、8.8mmの内視鏡シャフトであってよい。幾つかの実施形態によれば、シャフトは、双眼画像取込みデバイスの1以上の部分に溶接(例えば、レーザ溶接)によって固定される。例えば、シャフトは、エンドピースに溶接されてよい。幾つかの実施形態によれば、シャフトと第1のセラミック基板及び/又は1以上の第2のセラミック基板との間に導電性ペーストを塗布して、シャフトを通じる熱放散を容易にしてよい。そのような実施形態は、双眼画像取込みデバイスが専用のヒートシンクを含まないときに(例えば、プロセス830及び/又は865が方法800から省略されるときに)特に有用であることがある。
【0091】
例示的な実施形態を示し且つ記載したが、広範な修正、変更、及び置換が、前述の開示において想定され、幾つかの場合には、実施形態のうちの幾つかの構成は、他の構成の対応する使用を伴わずに利用されてよい。当業者は、多くの変形、代替及び修正を認識するであろう。よって、本発明の範囲は、以下の請求項によってのみ限定されるべきであり、請求項は本明細書に開示する実施形態の範囲と一致する方法において広義に解釈されることが適切である。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
【外国語明細書】