(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011993
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】集合包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 71/06 20060101AFI20240118BHJP
B65D 75/56 20060101ALI20240118BHJP
B65D 71/08 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B65D71/06 100
B65D75/56
B65D71/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114390
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】惟村 晴美
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA24
3E067AB76
3E067AB77
3E067AB83
3E067AC03
3E067AC15
3E067BA06B
3E067BA12C
3E067BB01B
3E067BB15C
3E067BB16C
3E067BC06B
3E067CA01
3E067EA04
3E067EA06
3E067EE13
3E067FA03
3E067FB01
3E067FC04
3E067GD10
(57)【要約】
【課題】包装用の樹脂フィルムの使用量を削減された集合包装体を提供すること。
【解決手段】複数のシート収納箱を集積した集合体が樹脂フィルムで包装され、前記集合体の少なくとも一部は、前記樹脂フィルムに覆われていない、集合包装体。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシート収納箱を集積した集合体が樹脂フィルムで包装され、
前記集合体の少なくとも一部は、前記樹脂フィルムに覆われていない、集合包装体。
【請求項2】
前記樹脂フィルムは、
前記集合体の第1方向に巻き付けられた第1帯体と、
集合体の前記第1方向と直交する第2方向に前記第1帯体の上から巻き付けられた第2帯体と、で構成されている、請求項1に記載の集合包装体。
【請求項3】
前記第2帯体は、ポリプロピレン樹脂で形成されている、請求項2に記載の集合包装体。
【請求項4】
前記第2帯体の幅が、20mm以上60mm以下である、請求項2に記載の集合包装体。
【請求項5】
前記樹脂フィルムは、前記第1帯体と前記第2帯体が交差して重なる2つの領域を有し、
前記2つの領域のうち少なくとも1つの領域で、前記第1帯体と前記第2帯体とは相互に接着されている、請求項2に記載の集合包装体。
【請求項6】
第1帯体は、前記第2方向に所定の間隔で配置された2つの帯体で構成されている、請求項2に記載の集合包装体。
【請求項7】
前記樹脂フィルムは、前記第1帯体と前記第2帯体が交差して重なる4つの領域を有し、
前記4つの領域のうち前記集合体の天面側の2つの領域及び/又は底面側の2つの領域で、前記第1帯体と前記第2帯体とは相互に接着されている、請求項2乃至6の何れか一項に記載の集合包装体。
【請求項8】
前記第2帯体は、
前記集合体に巻き付けられた基部と、
前記集合体の少なくとも天面及び/又は側面で前記基部に重畳する延長部を有する、請求項2乃至4の何れか一項に記載の集合包装体。
【請求項9】
前記延長部の両端は、前記基部に接着されている、請求項8に記載の集合包装体。
【請求項10】
前記集合体がシュリンク包装され、
前記集合体の少なくとも側面及び/又は妻面の内側が露出する、請求項1に記載の集合包装体。
【請求項11】
前記集合体は、複数の前記シート収納箱を複数列に集積した集合体である、請求項10に記載の集合包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ティシューペーパーなどのシートは、厚紙等で作られた箱(カートンともいう)に収納され、該箱の天面に開口する取出口から引き出されるシート収納箱の形態で使用される(例えば、特許文献1参照)。このようなシート収納箱は、複数が集積された集合体が樹脂フィルムで包装された集合包装体として流通する(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
近年、CO2排出量削減・脱プラスチックの観点から、包装資材に用いられる樹脂の削減又は減量化が注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-83866号公報
【特許文献2】特開2019-177938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
集合包装体に用いられる樹脂フィルムは、持ち運び用の取っ手としての機能と一時的な保管として利用されるものの最終的には破棄されることになるため、集合包装体においても樹脂フィルムの使用量を削減することが望ましい。
【0006】
本発明の課題は、包装用の樹脂フィルムの使用量を削減された集合包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る第1の態様は、複数のシート収納箱を集積した集合体が樹脂フィルムで包装され、前記集合体の少なくとも一部は、前記樹脂フィルムに覆われていない、集合包装体である。
【0008】
第1の態様では、複数のシート収納箱を集積した集合体の少なくとも一部が樹脂フィルムに覆われていないことで、従来の集合体全体が樹脂フィルムに覆われている集合包装体に比べて、包装用の樹脂フィルムの使用量を削減することができる。
【0009】
本発明に係る第2の態様は、前記樹脂フィルムは、前記集合体の第1方向に巻き付けられた第1帯体と、集合体の前記第1方向と直交する第2方向に前記第1帯体の上から巻き付けられた第2帯体と、で構成されている、前記第1の態様に記載の集合包装体である。
【0010】
第2の態様では、樹脂フィルムを構成する第1帯体が集合体の第1方向に巻き付けられることで、集合体を結束することができる。さらに、樹脂フィルムを構成する第2帯体が集合体の第1方向と直交する第2方向に第1帯体の上から巻き付けられることで、集合体と該集合体に巻き付けられた第1帯体とを同時に結束することができる。これにより、樹脂フィルムの使用量を削減しながら、集積された集合体のずれを抑制することができる。
【0011】
また、第2の態様では、第1帯体が集合体を結束した状態で、第2帯体が第1帯体の上から巻き付けられることで、第2帯体が集合包装体の取っ手として機能することができる。そのため、第2の態様では、樹脂フィルムが減量されても集合包装体を容易に持ち運ぶことができる。
【0012】
本発明に係る第3の態様は、第2帯体は、ポリプロピレン樹脂で形成されている、前記第2の態様に記載の集合包装体である。ポリプロピレン樹脂は、樹脂フィルムの材質としては、例えばポリエチレンと比較すると、硬く、伸びにくい材質である。
【0013】
第3の態様では、第2帯体が、このようなポリプロピレン樹脂で形成されていることで、第2帯体が伸びにくい。そのため、第3の態様では、第2帯体を集合包装体の持ち手として用いても、第2帯体による集合体の結束および集合体に巻き付けられた第1帯体の結束を維持することができる。
【0014】
本発明に係る第4の態様は、前記第2帯体の幅が、20mm以上60mm以下である、前記第2の態様又は前記第3の態様に記載の集合包装体である。
【0015】
第4の態様では、第2帯体の幅を20mm以上60mm以下にすることで、第2帯体を集合包装体の持ち手として掴みやすい。そのため、第4の態様では、集合包装体の持ち運びがさらに容易になる。
【0016】
本発明に係る第5の態様は、前記樹脂フィルムは、前記第1帯体と前記第2帯体が交差して重なる2つの領域を有し、前記2つの領域のうち少なくとも1つの領域で、前記第1帯体と前記第2帯体とは相互に接着されている、集合包装体である。
【0017】
第5の態様では、第1帯体の第2帯体が交差して重なる2つの領域のうちの少なくとも1つの領域で第1帯体と第2帯体とが相互に接着されていることで、第1帯体と第2帯体とが相互に固定された状態で集合体を結束することができる。そのため、第5の態様では、集積された集合体のずれをさらに抑制することができる。また、第2帯体を集合包装体の持ち手として用いても、第2帯体を安定的に掴むことができる。
【0018】
本発明に係る第6の態様は、第1帯体は、前記第2方向に所定の間隔で配置された2つの帯体で構成されている、前記第2の態様乃至第5の態様の何れか1つに記載の集合包装体である。第6の態様では、第1帯体を第2方向に所定の間隔で配置された2つの帯体で構成することで、集合体をバランスよく結束することができる。
【0019】
本発明に係る第7の態様は、前記樹脂フィルムは、前記第1帯体と前記第2帯体が交差して重なる4つの領域を有し、前記4つの領域のうち前記集合体の天面側の2つの領域及び/又は底面側の2つの領域で、前記第1帯体と前記第2帯体とは相互に接着されている、前記第6の態様に記載の集合包装体である。
【0020】
第7の態様では、第1帯体の第2帯体が交差して重なる4つの領域のうち集合体の天面側の2つの領域及び/又は底面側の2つの領域で第1帯体と第2帯体とが相互に接着されていることで、第1帯体を構成する2つの帯体と第2帯体とが相互に固定された状態で集合体を結束することができる。そのため、第7の態様では、集積された集合体のずれをさらに抑制することができる。
【0021】
第7の態様では、第1帯体と第2帯体とが相互に接着された2つの領域間で第2帯体の一部が集合包装体の取っ手を構成することができる。この第2帯体の一部で構成された集合包装体の取っ手は、その両端が第1帯体に固定されているため、集合包装体の持ち手としてさらに安定的に掴むことができる。
【0022】
本発明に係る第8の態様は、前記第2帯体は、前記集合体に巻き付けられた基部と、前記集合体の少なくとも天面又は側面で前記基部に重畳する延長部を有する、第2の態様乃至第4の態様の何れか1つに記載の集合包装体である。
【0023】
第8の態様では、第2帯体の基部が、集合体に巻き付けられることで、該基部が集合体と該集合体に巻き付けられた第1帯体とを同時に結束することができる。また、第2帯体の延長部は、第2帯体の基部に重畳することで、該基部とは別個に第2帯体の延長部が集合包装体の取っ手として機能することができる。そのため、第8の態様では、該延長部を集合包装体の持ち手として用いても、該基部による集合体の結束を維持することができる。
【0024】
本発明に係る第9の態様は、前記延長部の両端は、前記基部に接着されている、第8の態様に記載の集合包装体である。
【0025】
第9の態様では、第2帯体の延長部の両端が第2帯体の基部に接着されていることで、第2帯体の両端間で、第2帯体の延長部が集合包装体の取っ手を構成することができる。この第2帯体の延長部で構成された集合包装体の取っ手は、その両端が第1帯体に固定されているため、集合包装体の持ち手としてさらに安定的に掴むことができる。
【0026】
第10の態様は、前記集合体がシュリンク包装され、前記集合体の少なくとも側面及び/又は妻面の内側が露出する、第10の態様に記載の集合包装体である。第10の態様では、集合体の少なくとも側面及び/又は妻面の内側が露出するようにシュリンク包装されていることで、少なくとも集合体の角部を樹脂フィルムで覆うことができる。そのため、樹脂フィルムの使用量を削減しながら、集積された集合体のずれを抑制することができる。
【0027】
前記集合体は、複数の前記シート収納箱を複数列に集積した集合体である、第10の態様に記載の集合包装体である。第10の態様では、集合体が複数のシート収納箱を複数列に集積した集合体であっても、集合体の少なくとも側面及び/又は妻面の内側が露出するようにシュリンク包装されることで、樹脂フィルムの使用量を削減しながら、集積された集合体のずれを抑制することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一態様によれば、包装用の樹脂フィルムの使用量が削減された集合包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】第1実施形態の集合包装体を側面から見た図である。
【
図2】第1実施形態の集合包装体を妻面から見た図である。
【
図3】第1実施形態の集合包装体を天面から見た図である。
【
図4】第2実施形態の集合包装体を側面から見た図である。
【
図5】第2実施形態の集合包装体を天面から見た図である。
【
図6】第3実施形態の集合包装体を側面から見た図である。
【
図7】第3実施形態の集合包装体を天面から見た図である。
【
図8】第4実施形態の集合包装体を側面から見た図である。
【
図9】第4実施形態の集合包装体を天面から見た図である。
【
図10】第5実施形態の集合包装体を側面から見た図である。
【
図11】第6実施形態の集合包装体を側面から見た図である。
【
図12】第7実施形態の集合包装体を側面から見た図である。
【
図13】第7実施形態の集合包装体を製造する一工程を示す図である。
【
図14】第8実施形態の集合包装体を側面から見た図である。
【
図15】第8実施形態の集合包装体を製造する一工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、共通する部分は、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、各図において、各部の縮尺は実際とは異なる場合がある。なお、各図では、3軸方向(X方向、Y方向、Z方向)の3次元直交座標系を用い、集合包装体の長手方向(左右方向)をX方向とし、短手方向(前後方向)をY方向とし、高さ方向(上下方向)をZ方向とする。
【0031】
また、本明細書において、直交などの方向には、実施形態の作用、効果を損なわない程度のずれが許容される。直交には、略直交が含まれてもよい。角部の形状は、直角に限られず、弓状に丸みを帯びてもよい。
【0032】
<第1実施形態>
図1~
図3は、第1実施形態の集合包装体100を示す。第1実施形態の集合包装体100では、複数のシート収納箱10を集積した集合体が樹脂フィルムで包装されている。
【0033】
シート収納箱10は、複数枚のシート(図示せず)が収容された略カートンである。第1実施形態では、同一形状のシート収納箱(カートン)10が、上下方向(Z方向)に5つ積まれた(集積した)集合体を構成する。
【0034】
シート収納箱10は、
図1に示すように、略直方体状に形成され、天面11、底面12、一対の側面13、14、及び一対の妻面15、16を有する。天面11と底面12は、シート収納箱10の高さ方向(Z方向)に対向する。側面13、14は、シート収納箱10の短手方向(Y方向)に対向する。妻面15、16は、シート収納箱10の長手方向(X方向)に対向する。
【0035】
天面11は、シートの取出口(図示せず)が形成され、シート収納箱10の長手方向(X方向)に延びる。底面12は、天面11とシートの積層方向(Z方向)に対向し、長手方向(X方向)に延びる。一対の側面13、14は、積層方向(Z方向)と直交し且つ長手方向(X方向)と直交する方向(X方向)に対向し、長手方向(X方向)に延びる。一対の妻面15、16は、長手方向(X方向)に対向する。
【0036】
シート収納箱10の材質は、限定されず、例えば、パルプを主原料とする原紙が用いられる。ここで、原紙は、シート収納箱10を組み立てるための材料となる堅くて厚い紙を示す。原紙のパルプ組成は、特に限定されず、例えば、パルプの配合割合を、50質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%とすることができる。本実施形態では、原紙としてバージンパルプ、古紙パルプなどを原料とするコートボール紙が用いられている。
【0037】
また、原紙の坪量は、限定されないが、使用に耐え得る十分な強度を確保する観点から、原紙の坪量が200g/m2以上500g/m2以下であり、好ましくは230g/m2以上450g/m2以下であり、より好ましくは270g/m2以上430g/m2以下である。なお、本明細書において、坪量は、JIS P 8124(2011)の規定に準じて測定される。
【0038】
原紙の厚みは、特に限定されず、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、原紙がコートボール紙の場合、原紙の紙厚は、0.1mm以上3mm以下にすることができ、好ましくは0.3mm以上2mm以下、より好ましくは0.5mm以上1mm以下である。
【0039】
シート収納箱10の寸法は、限定されず、収納されるシートの量や寸法などにより定めることができる。例えば、シート収納箱10の長手方向(X方向)の長さは、100mm以上300mm以下にすることができ、好ましくは150mm以上280mm以下にする。
【0040】
また、シート収納箱10の短手方向(Y方向)の幅は、100mm以上150mm以下にすることができ、好ましくは100mm以上130mm以下にする。さらに、シート収納箱10の高さ方向(Z方向)の高さは、30mm以上150mm以下にすることができ、好ましくは40mm以上100mm以下にする。
【0041】
シート収納箱10に収容される複数枚のシートは、積層方向(Z方向)に積層されたシート積層体(図示せず)で構成されている。
【0042】
シートの材質は、特に限定されず、例えば、紙、不織布または布等のシートを用いることができ、好ましくは紙のシート(以下、紙シートという)である。パルプ組成は、紙シートにおける公知の組成を用いることができる。パルプの配合割合は、例えば、50質量%以上にすることができ、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%である。
【0043】
また、シートの坪量は、特に限定されないが、プライ数に応じて、紙の場合は5g/m2以上80g/m2以下、不織布の場合は20g/m2以上100g/m2以下のものが望ましい。なお、坪量は、JIS P 8124(2011)の規定に準拠して測定される。
【0044】
また、シートの厚みは、特に限定されず、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、シートを構成する紙シートの紙厚は、1プライ(2プライの場合は2プライあたり)、50μm以上500μm以下にすることができ、好ましくは60μm以上330μm以下である。
【0045】
シートの形態は、特に限定されず、例えば、ティシューペーパー、ペーパータオル、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ベビー用または介護用の紙おむつ、生理用ナプキン等の物品に適用可能である。なお、ペーパータオル、ティシューペーパー等の衛生薄葉紙には、保湿成分を含んだ衛生薄葉紙(例えば、ローションティシュー等)も含まれる。また、シートの用途は、産業用、家庭用、携帯用のいずれにも適用できる。
【0046】
樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いることができるが、これらに限定されない。
【0047】
第1実施形態では、集合体10(5つのカートン10を集積した集合体)の少なくとも一部が樹脂フィルムに覆われていない。具体的には、樹脂フィルムは、第1帯体20と第2帯体30とで構成されている。
【0048】
第1帯体20は、集合体10の第1方向(Y方向およびZ方向)に巻き付けられている。第1帯体20の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムが用いられ、中でもポリエチレンが好ましい。第1帯体20の両端は、第1帯体20が集合体10に巻き付けられた状態で接着されている。
【0049】
第1帯体20の寸法は、特に限定されない。例えば、第1帯体20の幅は、40mm以上110mm以下であり、好ましくは45mm以上105mm以下、より好ましくは50mm以上100mm以下である。また、第1帯体20の厚みは20μm以上60μm以下であり、好ましくは25μm以上55μm以下、30μm以上50μm以下である。
【0050】
第2帯体30は、集合体10の第1方向(Y方向およびZ方向)と直交する第2方向(X方向およびZ方向)に第1帯体20の上から巻き付けられている。第1帯体20の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムが用いられ、中でもポリプロピレンが好ましい。第2帯体30の両端は、第2帯体30が集合体10に巻き付けられた状態で接着されている。
【0051】
第2帯体30の寸法は、特に限定されない。例えば、第2帯体30の幅は、20mm以上60mm以下であり、好ましくは25mm以上55mm以下、より好ましくは30mm以上50mm以下である。また、第2帯体30の厚みは20μm以上60μm以下であり、好ましくは25μm以上55μm以下、30μm以上50μm以下である。
【0052】
第1実施形態の集合包装体100では、上述のように、複数のシート収納箱10を集積した集合体10の一部が樹脂フィルムで覆われていないことで、従来の集合体全体が樹脂フィルムに覆われている集合包装体に比べて、包装用の樹脂フィルムの使用量を削減することができる。
【0053】
第1実施形態では、上述のように、樹脂フィルムを構成する第1帯体20が集合体10の第1方向(Y方向およびZ方向)に巻き付けられることで、集合体10を結束することができる。さらに、樹脂フィルムを構成する第2帯体30が集合体10の第1方向(Y方向およびZ方向)と直交する第2方向(X方向およびZ方向)に第1帯体20の上から巻き付けられることで、集合体10と該集合体10に巻き付けられた第1帯体20とを同時に結束することができる。これにより、樹脂フィルムの使用量を削減しながら、集積された集合体10のずれを抑制することができる。
【0054】
また、第1実施形態では、第1帯体20が集合体10を結束した状態で、第2帯体30が第1帯体20の上から巻き付けられることで、第2帯体30が集合包装体100の取っ手として機能することができる。そのため、第1実施形態では、樹脂フィルムが減量されても集合包装体100を容易に持ち運ぶことができる。
【0055】
第1実施形態では、第2帯体30が、上述のように、ポリプロピレン樹脂で形成されていることで、第2帯体30が伸びにくい。そのため、第1実施形態では、第2帯体30を集合包装体100の持ち手として用いても、第2帯体30による集合体10の結束および集合体10に巻き付けられた第1帯体20の結束を維持することができる。
【0056】
第1実施形態では、上述のように、第2帯体30の幅を20mm以上60mm以下にすることで、第2帯体30を集合包装体100の持ち手として掴みやすい。そのため、第1実施形態では、集合包装体100の持ち運びがさらに容易になる。
【0057】
<第2実施形態>
図4、
図5は、第2実施形態の集合包装体200を示す。なお、
図4、
図5では、第1実施形態(
図1、
図3)と共通する部分に、
図1、
図3に付した符号と同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0058】
第2実施形態の集合包装体200では、樹脂フィルムは、第1帯体20と第2帯体30が交差して重なる2つの領域(領域R1、R2)を有する。領域R1は、集合体10の天面11側に位置し、領域R2は、集合体10の底面12側に位置する。
【0059】
さらに、2つの領域(領域R1、R2)のうち少なくとも1つの領域(本実施形態では、底面12側の領域R2)に、第1帯体20と第2帯体30とが相互に接着する接着部40が設けられている。接着の態様は、特に限定されず、例えば、接着剤で接着されていてもよいし、熱融着(ヒートシール)で接着されていてもよい。
【0060】
第2実施形態では、第1帯体20の第2帯体30が交差して重なる2つの領域R1、R2のうちの少なくとも1つの領域R2で第1帯体20と第2帯体30とが相互に接着されていることで、第1帯体20と第2帯体30とが相互に固定された状態で集合体10を結束することができる。そのため、第2実施形態では、集積された集合体10のずれをさらに抑制することができる。また、第2帯体30を集合包装体200の持ち手として用いても、第2帯体30を安定的に掴むことができる。
【0061】
<第3実施形態>
図6、
図7は、第3実施形態の集合包装体300を示す。なお、
図6、
図7では、第2実施形態(
図4、
図5)と共通する部分に、
図4、
図5に付した符号と同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0062】
第3実施形態では、天面11側の領域R1に、第1帯体20と第2帯体30とが相互に接着する接着部40が設けられ、底面12側の領域R2に、第2帯体30が第1帯体20に接着する接着部50が設けられている。
【0063】
第3実施形態では、第1帯体20の第2帯体30が交差して重なる2つの領域R1、R2のいずれの領域でも第1帯体20と第2帯体30とが相互に接着されていることで、第1帯体20と第2帯体30とが相互に2か所で固定された状態で集合体10を結束することができる。そのため、第3実施形態では、集積された集合体10のずれをさらに抑制することができる。また、接着部40、50間で第2帯体30が集合包装体300の持ち手として機能するため、第2帯体30をさらに安定的に掴むことができる。
【0064】
<第4実施形態>
図8、
図9は、第4実施形態の集合包装体400を示す。なお、
図8、
図9では、第1実施形態(
図1、
図3)と共通する部分に、
図1、
図3に付した符号と同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0065】
第4実施形態では、第1帯体20が第2方向(X方向およびZ方向)に所定の間隔で配置された2つの帯体(帯体21、22)で構成されている。ここで、所定の間隔は、2つの帯体(帯体21、22)間で第1帯体20の一部を掌で掴むことができる長さになっている。
【0066】
また、第4実施形態では、樹脂フィルムが第1帯体20と第2帯体30が交差して重なる4つの領域(領域R11、R12、R21、R22)を有する。領域R11、R12は、集合体10の天面11側に位置し、領域R21、22は、集合体10の底面12側に位置する。また、領域R11、R21は、集合体10の妻面15側に位置し、領域R12、21は、集合体10の妻面16側に位置する。
【0067】
さらに、4つの領域(領域R11、R12、R21、R22)のうち集合体10の天面11側の2つの領域及び/又は底面側の2つの領域(本実施形態では、4つ全ての領域(領域R11、R12、R21、R22)で、第1帯体20と第2帯体30とが相互に接着されている。
【0068】
第4実施形態では、天面11側の2つの領域(領域R11、R12)には、接着部40(接着部41、42)が設けられている。また、底面12側の2つの領域(領域R21、R22)には、接着部50(接着部51、52)が設けられている。接着の態様は、特に限定されず、例えば、接着剤で接着されていてもよいし、熱融着(ヒートシール)で接着されていてもよい。
【0069】
第4実施形態では、このように第1帯体20を第2方向(X方向およびZ方向)に所定の間隔で配置された2つの帯体(帯体21、22)で構成することで、集合体10をバランスよく結束することができる。また、2つの帯体(帯体21、22)が配置される所定の間隔が2つの帯体(帯体21、22)間で第1帯体20の一部を掌で掴むことができる長さになっていることで、集合包装体400の持ち運びがさらに容易になる。
【0070】
第4実施形態では、第1帯体20の第2帯体30が交差して重なる4つの領域(領域R11、R12、R21、R22)のうち集合体の天面11側の2つの領域(領域R11、R12)及び/又は底面12側の2つの領域(領域R21、R22)で第2帯体30が第1帯体20に接着されていることで、第1帯体20を構成する2つの帯体(帯体21、22)と第2帯体30とが相互に固定された状態で集合体を結束することができる。そのため、第4実施形態では、集積された集合体10のずれをさらに抑制することができる。
【0071】
第4実施形態では、第1帯体20と第2帯体30が接着された2つの領域間(本実施形態では、天面11側の領域R11、R12間および底面12側の領域R21、R22間)で第2帯体30の一部が集合包装体500の取っ手を構成することができる。この第2帯体30の一部で構成された集合包装体500の取っ手は、その両端が第1帯体20に固定されているため、集合包装体500の持ち手としてさらに安定的に掴むことができる。
【0072】
<第5実施形態>
図10は、第5実施形態の集合包装体500を示す。なお、
図10、
図11では、第1実施形態(
図1)と共通する部分に、
図1に付した符号と同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0073】
第5実施形態では、第2帯体30が、基部31と延長部32を有する。基部31は、集合体10に巻き付けられている。延長部32は、集合体10の少なくとも天面11及び/又は側面(妻面15、16)で基部31に重畳する。また、第5実施形態では、延長部32の両端が、基部31に接着部60、70で接着されている。接着部60は、妻面15側に位置し、接着部70は妻面16側に位置する。
【0074】
第5実施形態では、第2帯体30の基部31が、集合体10に巻き付けられることで、基部31が集合体10と集合体10に巻き付けられた第1帯体20とを同時に結束することができる。また、第2帯体30の延長部32は、第2帯体30の基部31に重畳することで、基部31とは別個に第2帯体30の延長部32が集合包装体500の取っ手として機能することができる。そのため、第5実施形態では、延長部32を集合包装体500の持ち手として用いても、基部31による集合体10の結束を維持することができる。
【0075】
第5実施形態では、第2帯体30の延長部32の両端が第2帯体30の基部31に接着されていることで、第2帯体30の両端間で、第2帯体30の延長部32が集合包装体500の取っ手を構成することができる。この第2帯体30の延長部32で構成された集合包装体500の取っ手は、その両端が第1帯体20に固定されているため、集合包装体500の持ち手としてさらに安定的に掴むことができる。
【0076】
<第6実施形態>
図11は、第6実施形態の集合包装体600を示す。なお、
図11では、第5実施形態(
図10)と共通する部分に、
図10に付した符号と同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0077】
第6実施形態では、延長部32の両端が、基部31に接着部40、50で接着されている。接着部40は、天面11側に位置し、接着部50は底面12側に位置する。
【0078】
第6実施形態でも、第2帯体30の延長部32の両端が第2帯体30の基部31に接着されていることで、第2帯体30の両端間で、第2帯体30の延長部32が集合包装体500の取っ手を構成することができる。この第2帯体30の延長部32で構成された集合包装体500の取っ手は、その両端が第1帯体20に固定されているため、集合包装体500の持ち手としてさらに安定的に掴むことができる。
【0079】
<第7実施形態>
図12は、第7実施形態の集合包装体を示し、
図13は第7実施形態の集合包装体を製造する一工程を示す。なお、
図12では、第1実施形態(
図1)と共通する部分に、
図1に付した符号と同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0080】
第7実施形態では、複数のシート収納箱10を複数列に集積した集合体がシュリンク包装されている。具体的には、5つのカートン10を集積した集合体を、一方のカートン10の側面13と他方のカートン10の側面14が対面するように2列に並べた集合体10を用意する。
【0081】
この集合体10に、サイズが調整されたシュリンクフィルム(樹脂フィルム)80をシュリンク包装する(
図13)。これにより、サイズが調整されたシュリンクフィルム80をシュリンク包装することで、集合体10の少なくとも側面13、14及び/又は妻面15、16(本実施形態では、妻面15、16)の内側が露出する(露出部80Aが形成される)。
【0082】
第7実施形態では、集合体10の少なくとも側面及び/又は妻面(本実施形態では、妻面15、16)の内側が露出する(露出部80Aが形成される)ようにシュリンク包装されていることで、少なくとも集合体10の角部を樹脂フィルム80で覆うことができる。そのため、樹脂フィルムの使用量を削減しながら、集積された集合体10のずれを抑制することができる。
【0083】
また、第7実施形態では、集合体が複数のシート収納箱10を複数列に集積した集合体10であっても、集合体10の少なくとも側面及び/又は妻面(本実施形態では、妻面15、16)の内側が露出するようにシュリンク包装されることで、樹脂フィルムの使用量を削減しながら、集積された集合体10のずれを抑制することができる。
【0084】
<第8実施形態>
図14は、第8実施形態の集合包装体を示し、
図15は第7実施形態の集合包装体を製造する一工程を示す。なお、
図14、
図15では、第7実施形態(
図12、
図13)と共通する部分に、
図12、
図13に付した符号と同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0085】
第8実施形態では、シュリンクフィルム(樹脂フィルム)90をシュリンク包装することで、集合体10の少なくとも側面13、14の内側が露出する(露出部90Aが形成される)。
【0086】
第8実施形態では、集合体10の側面13、14の内側が露出する(露出部90Aが形成される)ようにシュリンク包装されていることで、少なくとも集合体10の角部を樹脂フィルム90で覆うことができる。そのため、樹脂フィルム90の使用量を削減しながら、集積された集合体10のずれを抑制することができる。
【0087】
また、第8実施形態では、集合体が複数のシート収納箱10を複数列に集積した集合体10であっても、集合体10の少なくとも側面13、14の内側が露出するようにシュリンク包装されることで、樹脂フィルム90の使用量を削減しながら、集積された集合体10のずれを抑制することができる。
【0088】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0089】
100、200、300、400、500、600、700 集合包装体
10 シート収納箱(集合体)
11 天面
12 底面
13 側面
14 側面
15 妻面
16 妻面
20、21、22 第1帯体
30 第2帯体
31 基部
32 延長部
40、41、42 接着部
50、51、52 接着部
60 接着部
70 接着部
80 シュリンクフィルム
80A 露出部
90 シュリンクフィルム
90A 露出部