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特開2024-119958電気ヒーターを操作する制御システムを較正するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119958
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】電気ヒーターを操作する制御システムを較正するための方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/00 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
H05B3/00 310D
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024095720
(22)【出願日】2024-06-13
(62)【分割の表示】P 2021572294の分割
【原出願日】2020-06-05
(31)【優先権主張番号】62/858,587
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502137880
【氏名又は名称】ワトロー エレクトリック マニュファクチュアリング カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 茂
(72)【発明者】
【氏名】イェンダー, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ギーア, ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ミーチ, エリック
(72)【発明者】
【氏名】ブレイトロウ, スタントン, エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】キドニー, アダム
(57)【要約】      (修正有)
【課題】二線式抵抗ヒーターにおいて計算された温度に生じる誤差の問題を対処する。
【解決手段】二線式ヒーターを制御するように構成された制御システムを較正する方法は、二線式ヒーターを複数の温度設定値のうちのある温度設定値に制御し、制御システムからの電圧および電流(V-I)特性と、温度センサーシステムからの二線式ヒーターの温度データセットとを同時に取得し、V-I特性と温度データセットを複数の温度設定値のそれぞれについて取得し、複数の温度設定値のそれぞれについて、取得したV-I特性に基づいて二線式ヒーターの抵抗値を求め、取得した該温度データセットに基づいて温度計測データを計算し、複数の温度設定値のそれぞれの二線式ヒーターの抵抗値と温度計測データとを相関させ、二線式ヒーターの測定された抵抗値に基づいて二線式ヒーターの動作温度を求めるための抵抗温度較正基準を規定する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二線式ヒーターを制御するように構成された制御システムを較正するための方法であって、該二線式ヒーターは熱を発生させるとともに当該二線式ヒーターの電気的特性を測定するためのセンサーとして機能するように動作可能であり、当該方法は、
該制御システムによって、該二線式ヒーターを複数の温度設定値のうちのある温度設定値に制御するステップと、
該制御システムからの該二線式ヒーターの電圧および電流(V-I)特性と、温度センサーシステムからの該二線式ヒーターの温度データセットとを同時に取得するステップであって、該V-I特性と該温度データセットを該複数の温度設定値のそれぞれについて取得する、ステップと、
該複数の温度設定値のそれぞれについて、取得した該V-I特性に基づいて該二線式ヒーターの抵抗値を求めるステップと、
該複数の温度設定値のそれぞれについて、取得した該温度データセットに基づいて温度計測データを計算するステップと、
該複数の温度設定値のそれぞれの該二線式ヒーターの該抵抗値と該温度計測データとを相関させるステップと、
該二線式ヒーターの測定された抵抗値に基づいて該二線式ヒーターの動作温度を求めるための抵抗温度較正基準を規定するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
該二線式ヒーターの該V-I特性および該温度データセットを取得するステップが、
該制御システムのセンサー回路によって、該二線式ヒーターの該V-I特性を測定するステップと、
該温度センサーシステムによって、該温度設定値での該二線式ヒーターの複数の温度測定値を測定するステップであって、該複数の温度測定値は、該温度設定値に対する該温度データセットとして提供される、ステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該温度計測データが、平均温度、中央値温度、温度分散、標準偏差、最高温度、最低温度、温度範囲、3シグマ値、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該二線式ヒーターが、複数のゾーンを画定する複数の抵抗加熱要素を含み、
該制御システムが、各ゾーンを個別に制御するように構成され、
該制御システムから取得した該二線式ヒーターの該V-I特性は、該複数のゾーンのそれぞれの該V-I特性を含み、該複数のゾーンのうちのあるゾーンの該V-I特性がゾーン特性として提供され、
該温度センサーシステムから取得した該二線式ヒーターの該温度データセットは、該複数のゾーンのそれぞれについて少なくとも1つの温度測定値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該制御システムによって該二線式ヒーターを該温度設定値に制御するステップが、
該二線式ヒーターの該複数のゾーンに電力を供給するステップと、
該二線式ヒーターの該複数のゾーンのそれぞれの温度を取得するステップと、
該複数のゾーンのうちの1つまたは複数のゾーンの温度が該温度設定値に等しくないことに応じて、該複数のゾーンへの電力を調整するステップと、
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
該温度センサーシステムが複数の温度センサーを含み、
当該方法が、該複数のゾーンの各ゾーンについて、該複数の温度センサーのうちの1つまたは複数の温度センサーを対応するゾーンと関連付けるステップをさらに含み、
該1つまたは複数の温度センサーが、該対応するゾーンの温度測定値を提供するようにされた、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
該複数のゾーンのそれぞれが、該複数の温度センサーのうちの2つ以上の温度センサーに関連付けられ、該2つ以上の温度センサーがセンシンググループとして提供されており、
各センシンググループについて、該センシンググループからの該温度測定値に基づいて、該センシンググループの温度センサーの中から故障した温度センサーを特定するためのセンサー診断を実行するステップと、
該センサー診断が故障した温度センサーを特定したことに応じて、特定された故障した温度センサーの数が故障センサー閾値より少ない場合には、該故障した温度センサーからの温度測定値を破棄するステップと、
該センサー診断が故障した温度センサーを特定したことに応じて、特定された故障した温度センサーの数が該故障センサー閾値より多い場合には、該二線式ヒーターへの電力を遮断するステップと、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該センサー診断が故障した温度センサーを特定しなかったことに応じて、または該特定された故障した温度センサーの数が該故障センサー閾値より少ない場合に、
該複数の温度設定値のそれぞれについて、取得した該V-I特性に基づいて該二線式ヒーターの抵抗値を求めるステップと、
該複数の温度設定値のそれぞれについて、該温度データセットに基づいて温度計測データを計算するステップと、
該複数の温度設定値の該二線式ヒーターの該抵抗値と該温度計測データとを相関させるステップと、
該二線式ヒーターの測定された抵抗値に基づいて該二線式ヒーターの動作温度を求めるための抵抗温度較正基準を規定するステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年6月7日に提出された米国仮出願第62/858,587号の優先権および利益を主張する。上記出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電気ヒーターを制御する制御システムの較正に関する。
【背景技術】
【0003】
ここでの記述は、本発明に関連する背景情報を提供するだけであり、必ずしも先行技術を述べるものではない。
【0004】
半導体処理用のヒーターは、典型的には、基板と、基板内に設けられて1つまたは複数の加熱ゾーンを画定する抵抗加熱要素と、を有する加熱プレートを含む。いくつかの用途では、4本(例えば、加熱要素用に2本、別の温度センサー用に2本)ではなく、2本のリード線のみが抵抗加熱要素に接続されて、その抵抗加熱要素はヒーターおよび温度センサーとして機能する。一形態では、そのような抵抗加熱要素は、比較的高い抵抗温度係数(TCR)の材料によって形成され、抵抗加熱要素の温度は、その抵抗値に基づいて求められるようにすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1つの用途では、ヒーターは、抵抗加熱要素の温度をこの抵抗加熱要素の抵抗値に基づいて測定する制御システムによって制御される。ヒーターを制御するために、制御システムは電圧および/または電流の測定値に基づいて抵抗値を計算し、計算された抵抗値に基づいて各ゾーンの温度を求める。特定の抵抗加熱材料の抵抗値を温度に関連付ける表などの標準化された情報を使用できるが、ヒーターが同じタイプのものであっても、ヒーターの動作が相互に異なる場合がある。これは、例えば、製造のばらつき、材料のバッチのばらつき、ヒーターの使用年数、サイクル数、および/または計算された温度に誤差をもたらすその他の要因によって引き起こされる可能性がある。二線式抵抗ヒーターの使用に関連するこれらおよび他の問題が、本発明によって対処される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この項は、本発明の概括的な要約を提供し、その全範囲またはそのすべての特徴の包括的な開示を行うものではない。
【0007】
本発明に係る一実施形態は、熱を発生させるとともにその電気的特性を測定するためのセンサーとして機能可能である二線式ヒーターを制御するように構成された制御システムを較正するための方法に関する。この方法は、制御システムによって、該制御システムに電気的に接続された負荷に電力を供給するステップと、該制御システムによって、負荷の初期測定特性を生成するステップと、負荷に接続されたコントローラ較正システムによって、負荷の較正された測定特性を生成するステップとを含む。初期測定特性と較正された測定特性は、負荷の電気的特性を示す。負荷の電気的特性には、電圧、電流、抵抗、またはそれらの組み合わせが含まれる。この方法は、初期測定特性を較正された測定特性と相関させるステップと、初期測定特性と較正された測定特性との相関に基づいて較正された測定基準を規定するステップとをさらに含む。制御システムは、ヒーターを制御するための正確な測定値を提供するために較正された測定基準を使用する。
【0008】
別の実施形態では、制御システムによって初期測定特性を生成するステップは、制御システムによって、負荷の初期電圧および初期電流を測定するステップをさらに含む。初期測定特性には、初期電圧と初期電流が含まれる。負荷に接続されたコントローラ較正システムによって、較正された測定特性を生成するステップは、コントローラ較正システムによって、負荷の較正された電圧および較正された電流を測定するステップをさらに含む。較正された測定特性には、較正された電圧と較正された電流が含まれる。初期電圧と較正された電圧は同時に測定され、初期電流と較正された電流は同時に測定する。
【0009】
さらに別の実施形態では、この方法は、負荷の初期電圧および初期電流に基づいて負荷の初期抵抗値を計算するステップと、負荷の較正された電圧および較正された電流に基づいて負荷の較正された抵抗値を計算するステップとをさらに含む。初期測定特性には、初期抵抗値がさらに含まれ、較正された測定特性には、較正された抵抗がさらに含まれる。
【0010】
一実施形態では、電力は複数の電力設定値で負荷に提供される。複数の電力設定値のそれぞれについて、初期測定特性が制御システムによって生成され、較正された測定特性がコントローラ較正システムによって生成されて、複数の初期測定特性および複数の較正された測定特性を提供する。複数の初期測定特性は複数の較正された測定特性と相関され、較正された測定基準は、複数の初期測定特性と複数の較正された測定特性との相関に基づいて規定される。
【0011】
別の実施形態では、負荷は、調整可能な抵抗値を有する制御可能な負荷であり、この方法は、負荷の抵抗値を複数の抵抗設定値に設定するステップをさらに含み、複数の抵抗設定値のそれぞれについて、初期測定特性が制御システムによって生成され、較正された測定特性がコントローラ較正システムによって生成されて、複数の初期測定特性と複数の較正された測定特性を提供する。複数の初期測定特性は複数の較正された測定特性と相関され、較正された測定基準は、複数の初期測定特性と複数の較正された測定特性との相関に基づいて規定される。
【0012】
さらに別の実施形態では、制御システムが二線式ヒーターに電気的に接続されており、制御システムによって、複数の温度設定値のうちのある温度設定値に二線式ヒーターを制御するステップと、制御システムからの二線式ヒーターの電圧と電流(V-I)特性と、温度センサーシステムからの二線式ヒーターの温度データセットとを取得するステップとを含む。V-I特性と温度データセットは、複数の温度設定値のそれぞれについて取得される。この方法は、複数の温度設定値のそれぞれについて、取得されたV-I特性および較正された測定基準に基づいて二線式ヒーターの抵抗値を求めるステップと、複数の温度設定値のそれぞれについて、取得した温度データセットに基づいて温度計測データを計算するステップと、二線式ヒーターの抵抗値と複数の温度設定値の温度計測データを相関させるステップと、二線式ヒーターの測定された抵抗値に基づいて二線式ヒーターの動作温度を求めるための抵抗温度較正基準を規定するステップとを含む。
【0013】
一実施形態では、制御システムからの二線式ヒーターのV-Iと、温度センサーシステムからの二線式ヒーターの温度データセットを取得するステップが、制御システムのセンサー回路によって二線式ヒーターのV-I特性を測定するステップと、温度センサーシステムによって温度設定値での二線式ヒーターの複数の温度測定値を測定するステップとを含む。複数の温度測定値は、温度設定値の温度データセットとして提供される。
【0014】
別の実施形態では、温度計測データは、平均温度、中央値温度、温度分散、標準偏差、最高温度、最低温度、温度範囲、3シグマ値、またはそれらの組み合わせを含む。
【0015】
さらに別の実施形態では、負荷は調整可能な抵抗値を有する能動的な抵抗の集まりである。
【0016】
一実施形態では、本発明は、二線式ヒーターを動作させるように構成された制御システムを較正するための方法に関する。二線式ヒーターは、熱を発生させるとともに、当該二線式ヒーターの温度を測定するためのセンサーとして機能するように動作可能とされる。この方法は、制御システムによって、二線式ヒーターを複数の温度設定値のうちのある温度設定値に制御するステップと、制御システムからの二線式ヒーターの電圧および電流(V-I)特性と、温度センサーシステムからの二線式ヒーターの温度データセットとを同時に取得する。V-I特性と温度データセットは、複数の温度設定値のそれぞれについて取得される。この方法はさらに、複数の温度設定値のそれぞれについて、取得されたV-I特性に基づいて二線式ヒーターの抵抗値を求めるステップと、複数の温度設定値のそれぞれについて、取得された温度データセットに基づいて温度計測データを計算するステップと、複数の温度設定値の二線式ヒーターの抵抗値と温度計測データを相関させるステップと、二線式ヒーターの測定された抵抗値に基づいて二線式ヒーターの動作温度を求めるための抵抗温度較正基準を規定するステップと、を含む。
【0017】
別の実施形態では、二線式ヒーターのV-I特性および温度データセットを取得するステップが、制御システムのセンサー回路によって、二線式ヒーターのV-I特性を測定するステップと、温度センサーシステムによって、温度設定値での二線式ヒーターの複数の温度測定値を測定するステップとを含む。複数の温度測定値は、温度設定値に対する温度データセットとして提供される。
【0018】
さらに別の実施形態では、温度計測データは、平均温度、中央値温度、温度分散、標準偏差、最高温度、最低温度、温度範囲、3シグマ値、またはそれらの組み合わせを含む。
【0019】
一実施形態では、二線式ヒーターは、複数のゾーンを画定する複数の抵抗加熱要素を含み、制御システムは、各ゾーンを個別に制御するように構成され、制御システムから取得した二線式ヒーターのV-I特性は、複数のゾーンのそれぞれのV-I特性を含む。複数のゾーンのうちのゾーンのV-I特性は、ゾーン特性として提供される。温度センサーシステムから取得した二線式ヒーターの温度データセットには、複数のゾーンのそれぞれについて少なくとも1つの温度測定値が含まれる。
【0020】
別の実施形態では、制御システムによって、温度設定値に二線式ヒーターを制御するステップが、二線式ヒーターの複数のゾーンに電力を供給するステップと、二線式ヒーターの複数のゾーンのそれぞれの温度を取得するステップと、複数のゾーンのうちの1つまたは複数のゾーンの温度が温度設定値に等しくないことに応じて、複数のゾーンへの電力を調整するステップと、をさらに含む。
【0021】
さらに別の実施形態では、温度センサーシステムは、複数の温度センサーを含み、上記方法は、複数のゾーンの各ゾーンについて、複数の温度センサーのうちの1つまたは複数の温度センサーを対応するゾーンに関連付けるステップをさらに含む。1つまたは複数の温度センサーは、対応するゾーンの温度測定値を提供するように構成される。
【0022】
一実施形態では、複数のゾーンのそれぞれは、複数の温度センサーのうちの2つ以上の温度センサーに関連付けられ、この2つ以上の温度センサーがセンシンググループとして提供されており、上記方法はさらに、各センシンググループについて、センシンググループからの温度測定値に基づいて、センシンググループの温度センサーの中から故障した温度センサーを特定するためのセンサー診断を実行するステップと、センサー診断が故障した温度センサーを特定したことに応じて、特定された故障した温度センサーの数が故障センサー閾値より少ない場合には、故障した温度センサーからの温度測定値を破棄するステップと、センサー診断が故障した温度センサーを特定したことに応じて、特定された故障した温度センサーの数が故障センサー閾値よりも多い場合には、二線式ヒーターへの電力を遮断するステップとをさらに含む。
【0023】
別の実施形態では、複数のゾーンのそれぞれは、複数の温度センサーのうちの2つ以上の温度センサーに関連付けられ、この2つ以上の温度センサーがセンシンググループとして提供される。上記方法は、各センシンググループについて、それぞれのセンシンググループの2つ以上の温度センサーからの温度測定値に基づいて、ゾーンの温度計測データを計算するステップをさらに含む。
【0024】
さらに別の実施形態では、ゾーンの温度計測データは、平均温度、中央値温度、温度分散、標準偏差、最高温度、最低温度、温度範囲、3シグマ値、またはそれらの組み合わせを含む。
【0025】
別の実施形態では、センサー診断が故障した温度センサーを特定しなかったか、または特定された故障した温度センサーの数が故障センサー閾値より少ないことに応じて、複数の温度設定値のそれぞれについて、取得したV-I特性に基づいて二線式ヒーターの抵抗値を求めるステップと、複数の温度設定値のそれぞれについて、温度データセットに基づいて温度計測データを計算するステップと、複数の温度設定値のそれぞれの二線式ヒーターの抵抗値と複数の温度設定値の温度計測データを相関させるステップと、二線式ヒーターの測定された抵抗に基づいて二線式ヒーターの動作温度を求めるための抵抗温度較正基準を規定するステップと、をさらに含む。
【0026】
本発明の適用できる領域は、本明細書で提供される説明から明らかになるであろう。本明細書における説明および特定の例は、例示のみを目的としており、本発明の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の十分な理解のために、例として添付図面を参照して、種々の実施形態を説明する。
【0028】
図1】本発明に係るマルチゾーンヒーターおよび制御システムを有する熱システムのブロック図である。
【0029】
図2図1の制御システムのブロック図である。
【0030】
図3図1の制御システムを較正するための本発明に係る較正システムのブロック図である。
【0031】
図4図1のマルチゾーンヒーターを較正するための本発明に係る較正システムの構成のブロック図である。
【0032】
図5】本発明に係る熱電対ウェーハ用の複数の熱電対のグループを示す。
【0033】
図6】本発明に係る制御システムおよびマルチゾーンヒーターを較正するための較正システムの構成を示す。
【0034】
図7】例示的な制御システムの較正ルーチンのフローチャートである。
【0035】
図8】例示的なヒーター較正の制御ルーチンのフローチャートである。
【0036】
ここで説明した図面は、例示のみを目的としており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下の説明は、本発明に関する例示であり、本発明、その適用、または使用を制限することを意図するものではない。全図面を通して、対応する参照番号は、同様のまたは対応する部品および特徴を示すことを理解されたい。
【0038】
ヒーターおよび温度センサーとして動作する抵抗加熱要素を有するマルチゾーンヒーターの制御システムは、当該ヒーターの測定された電気的特性に基づいて同ヒーターの熱プロファイルを選択的に調整するためのカスタマイズ可能なフィードバック制御を組み込んでいる。特定のマルチゾーンヒーターのフィードバック制御を実行するために、この制御システムは、広い電圧範囲(例えば、1~240V)及び広い電流範囲(10mA~30A)にわたって、ヒーターの電気的特性(例えば、電圧、電流、および/または抵抗)を正確に測定するように較正される。
【0039】
より具体的には、一実施形態では、制御システムは、電圧および電流を同時に測定(例えば、電圧および電流を±140μs以内で測定)し、その測定値に基づいて抵抗値を計算する。電力波形は時間とともに変化するので、正確な(例えば、±0.005オーム、±0.010オーム、またはその他の許容誤差の)抵抗値を取得するために電流と電圧の測定は互いに近づけて行なわれる。さらに、類似のヒータータイプ間での違いのため、制御システムは、較正プロセスを実行して、この制御システムによって制御されているヒーターに固有の抵抗温度較正データを取得し、抵抗値に基づいて当該ヒーターの温度を正確に計算する。
【0040】
本発明は、制御システムの測定能力を較正するため、および抵抗温度較正データを生成するための、較正プロセスに向けられている。以下では、これらの較正プロセスは次のように識別される:(i)制御システム測定の較正、(ii)ヒーターの抵抗-温度の較正。図面では、電力線は破線で示され、データ信号線は実線で示されている。
【0041】
2つの較正プロセスの適用をよりよく理解するために、先ず、一実施形態としてのマルチゾーンヒーターなどのヒーターを有する熱システムの例示的な構成、および制御システムを提示する。図1および図2に示されるように、熱システム100は、マルチゾーンペデスタルヒーター102と、ヒーターコントローラ106および電力変換システム108を有する制御システム104とを含む。一実施形態では、ヒーター102は、加熱プレート110と、加熱プレート110の底面に配置された支持シャフト112とを含む。加熱プレート110は、基板111と、基板111の表面に埋め込まれたかまたは表面に沿って配置された複数の抵抗加熱要素(図示せず)とを含む。基板111は、セラミックまたはアルミニウムで作るようにすることができる。この複数の抵抗加熱要素は、コントローラ106によって独立して制御され、図の一点鎖線によって示されるように、複数の加熱ゾーン114を画定する。これらの加熱ゾーン114は単なる例示であり、本発明の範囲内において任意の構成をとることができる。
【0042】
一実施形態では、ヒーター102は「二線式」ヒーターであり、抵抗加熱要素は、4本ではなく2本のリード線のみがこの抵抗加熱要素に動作可能に接続された状態で、ヒーターとして及び温度センサーとして機能するようになっている。そのような二線式のものは、例えば、米国特許第7,196,295号に開示されており、これは、本出願に概ね割り当てられ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。典型的には、二線式システムにおいては、抵抗加熱要素は温度変化にともなって変化する抵抗値を示す材料によって作られて、当該抵抗加熱要素の平均温度が同抵抗加熱要素の抵抗の変化に基づいて求められるようにする。一実施形態では、抵抗加熱要素の抵抗値は、最初にこの加熱要素の両端の電圧と同加熱要素を流れる電流を測定して、次にオームの法則を使用することにより計算されて、求められる。抵抗加熱要素は、比較的高い抵抗温度係数(TCR)材料、負のTCR材料、または非線形TCRを有する材料によって作ることができる。
【0043】
制御システム104は、ヒーター102の動作を制御し、より具体的には、ゾーン114のそれぞれへの電力を独立して制御するように構成される。一実施形態では、制御システム104は、各ゾーン114が、電力を提供し且つ温度を検知するための2つの端子(図示せず)を有するチャネル115に電気的に接続されるようにして、複数のゾーン114に複数のチャネル115を介して電気的に接続されている。
【0044】
一実施形態では、制御システム104は、コンピューティングデバイス117(例えば、ディスプレイ、キーボード、マウス、スピーカー、タッチスクリーンなどの、1つまたは複数のヒューマンインターフェースデバイスを有するコンピュータ)に電気的に接続されている。一実施形態では、制御システム104は、インターロック120を介して電力変換システム108に入力電圧(例えば、240V、208V)を供給する電源118に接続されている。インターロック120は、電源118と電力変換システム108との間を流れる電力を制御し、電源118からの電力を遮断するための安全機構としてヒーターコントローラ106によって操作可能である。図1には示されているが、制御システム104はインターロック120を含まなくてもよい。
【0045】
電力変換システム108は、入力電圧を調整して、所望の電力出力(例えば、所望の出力電圧(Vout))をヒーター102に印加するように動作可能である。一実施形態では、電力変換システム108は、所定のゾーン114(図では114-1~114-N)の抵抗加熱要素に調整可能な電力出力を印加するように動作可能な複数の電力変換器122(図では122-1~122-N)を含む。そのような電力変換システムの一例は、2017年6月15日に出願された「熱システム用電力変換器(POWER CONVERTER FOR A THERMAL SYSTEM)」と題された同時係属中の米国出願第15/624,060号に記載されており、これは本出願と共に所有され、その内容は参照により全体として本明細書に組み込まれる。この例では、各電力変換器は、入力電圧以下である所望の出力電圧を所定のゾーン114の1つまたは複数の加熱要素に対して生成するために、ヒーターコントローラによって操作可能な降圧変換器を含む。したがって、電力変換システムは、ヒーターの各ゾーンにカスタマイズ可能な量の電力(すなわち、所望の電力出力)を提供するように動作可能である。
【0046】
制御システム104は、二線式ヒーターを使用して、抵抗加熱要素の電圧および/または電流を測定するためのセンサー回路124(すなわち、図2の124-1~124-N)を含み、電圧および/または電流は、抵抗、温度、その他の適切な情報などの、ゾーンのパフォーマンス特性を求めるために使用される。一実施形態では、所定のセンサー回路124は、図の電流計126および電圧計128によって示されるように、所定のゾーン114内の加熱要素に流れる電流およびその加熱要素に印加された電圧を測定するように構成される。
【0047】
一実施形態では、図2に示すように複数のセンサー回路124-1~124-Nを有し、各センサー回路124は、所定の電力変換器122と所定のゾーン114との間で電気回路に接続されて、所定のゾーンの加熱要素の電気的特性を測定する。一実施形態では、各電流計126は、電流を測定するためのシャント130を含み、各電圧計128は、抵抗器132-1および132-2によって表される分圧器132を含む。代替的に、電流計126は、シャント130の代わりにホール効果センサーまたは変流器を使用して電流を測定することができる。
【0048】
一実施形態では、電流計126および電圧計128は、加熱要素に印加される電力に関係なく電流および電圧を同時に測定するための電力計測チップとして提供される。別の実施形態では、電圧および/または電流の測定は、米国特許第7,196,295号に記載されているように、ゼロクロッシングで行うことができる。
【0049】
電流および電圧の測定値に基づいて、ヒーターコントローラ106は抵抗値を求め、したがって、ゾーン114を画定する抵抗加熱要素の平均温度を求める。ヒーターコントローラ106は、マイクロプロセッサおよびこのマイクロプロセッサによって実行されるコンピュータ可読命令を記憶するための1つまたは複数のメモリを含む。コントローラ106は、入力電圧の100%、入力電圧の90%などのように、コントローラ106がゾーンに印加される所望の電力を決定する1つまたは複数の制御プロセスを実行するように構成される。例示的な制御プロセスは、2018年8月10日に出願された「ヒーターへの電力を制御するためのシステムおよび方法(SYSTEM AND METHOD FOR CONTROLLING POWER TO A HEATER)」と題された同時係属中の米国出願第15/624,060号および同時係属中の米国出願第16/100,585号に開示されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0050】
特定の構成要素が図示され説明されているが、本熱システムは、本発明の範囲内において他の構成要素を含み得ることは容易に理解されるであろう。例えば、一実施形態では、制御システム104は、低電圧コンポーネントを高電圧コンポーネントから分離しながら、それらコンポーネントが信号を交換することを可能にする電子コンポーネントを含み得る。
【0051】
(I)制御システム測定の較正
【0052】
図3に示すように、コントローラ較正システム200は、制御システム104によって取得された電流および電圧の測定値を較正するように構成される。較正プロセスを説明するのを容易にするために、図3においては、チャネル115は示されておらず、センサー回路124は電流計126および電圧計128を有するものとして広く表されている。コントローラ較正システム200は、精密電源204、制御可能な負荷206、高精度電流計208、高精度電圧計210、および較正コントローラ212を含む。精密電源204は、電力入力インターフェース(図示せず)を介して制御システム104に電気的に接続され、較正プロセス中に制御システム104に安定した正確な電力を提供して、電力変動を抑制または低減(例えば、±0.01V)する。一実施形態では、精密電源204は、制御システム104に広範囲の電圧および広範囲の電流を提供するように動作可能であり、1つまたは複数のDC電源とすることができる。例えば、精密電源204は、CHROMA社の62012タイプのDC電源などのDC電源のバンクを含み得る。精密電源204はまた、1つまたは複数のAC電源とすることもできる。精密電源204は他の適切な電源とすることもでき、CHROMA社の62012タイプのDC電源に限定されるべきではないことは容易に理解されるであろう。
【0053】
制御可能な負荷206は、ケーブルインターフェース(図示せず)を介して制御システム104に電気的に接続され、測定中に最低限の変動しか示さない安定した電流負荷を提供する。例示的なアプリケーションでは、制御可能な負荷206は、CHROMA社の63600タイプの負荷装置などの、ゼロから最小の誤差で既知の負荷を生成するためのアクティブな負荷の集まり(bank)(例えば、電子的負荷の集まり)である。一実施形態では、制御可能な負荷206は、較正コントローラ212によって制御可能であり、較正コントローラ212が負荷206の抵抗を設定する。別の実施形態では、制御可能な負荷206は、固定抵抗負荷とすることができ、したがって、較正コントローラ212によって制御されない。そのような形態では、較正コントローラ212は、制御可能な負荷206に接続されない。制御可能な負荷206は、他の適切な制御可能な負荷とすることができ、CHROMA社の63600タイプの負荷装置に限定されるべきではないことは容易に理解されるであろう。
【0054】
高精度(HP)電流計208および高精度(HP)電圧計210は、それぞれ、制御可能な負荷206に流れる電流およびそれに印加される電圧を測定するように構成される。一実施形態では、HP電流計208は、シャント210の両端の電圧およびシャント210の既知の抵抗に基づいてシャント210を流れる電流を測定するが、他のタイプの電流計208もまた、本発明の範囲内のものとして使用され得る。一実施形態では、HP電流計208およびHP電圧計210は、7.5桁のメーターを備えたマルチメーターとして提供される。例えば、HP電流計208およびHP電圧計210は、PXI-7 1/2桁型マルチメーターとすることができる。一実施形態では、HP電流計208によって行われる電流測定は、センサー回路124の電流計126によって行われる電流測定と同時に行われ、HP電圧計210によって行われる電圧測定は、センサー回路124の電圧計128によって行われる電圧測定と同時に行われ、制御システムの電流および電圧の測定値をHP電流計208およびHP電圧計210の測定値で較正する。HP電流計208およびHP電圧計210は、本明細書では、まとめて、精密電圧電流(V-I)センサー208および210とする。
【0055】
一実施形態では、較正コントローラ212は、1つまたは複数のマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサによって実行されるコンピュータ可読命令を格納するためのメモリとを有するコンピュータである。較正コントローラ212は、較正を実行するユーザと通信するために、モニタ、マウス、キーボード、スピーカーなどの1つまたは複数のヒューマンインターフェース(図示せず)に通信可能に接続されている。
【0056】
較正コントローラ212は、制御システム104に印加される入力電圧を設定するために精密電源204に通信可能に接続され、また電流および電圧の測定値(すなわち、精密電流電圧データまたは較正された測定特性)を取得するために精密V-Iセンサー208および210に通信可能に接続される。一実施形態では、較正コントローラ212は、制御システム104に通信可能に接続されて、センサー回路124によって取得された測定値などのデータを制御システム104と交換する。一実施形態では、較正コントローラ212は、ほぼ同じ測定時間(すなわち、同時)に、精密V-Iセンサー208および210並びにセンサー回路124から電圧測定値および電流測定値を取得する。別の実施形態では、較正コントローラ212は、HP電圧計210およびセンサー回路124から電圧測定値を同時に取得し、HP電流計208およびセンサー回路124から電流測定値を同時(電圧測定のときとは異なり得るとき)に取得する。
【0057】
一実施形態では、4つの測定値が同時に得られ、較正コントローラ212は、センサー回路124からの測定値に基づいて制御システムの抵抗値を求め、精密V-Iセンサー208および210からの測定値に基づいて較正された抵抗値を求めるように構成される。一実施形態では、制御システム104は、電流および電圧の測定値の二乗平均平方根(RMS)に基づいて抵抗値を計算し、したがって、高いサンプルレート(例えば、電力波形を正確に観察できるようにするための140μsすなわち7kHz)を使用してRMS電流およびRMS電圧を同時に測定する真のRMSコンバータを含み得る。別の実施形態では、制御システム104は、例えば、50Hzの場合は10ミリ秒ごとに、60Hzの場合は8.3ミリ秒ごとにサンプリングすることができる精密V-Iセンサー208および210を使用して、それぞれピーク電流およびピーク電圧を同時に測定するように構成される。電圧対電流比は、電圧範囲および不規則な波形にわたる抵抗の読み取り値を提供する。この方法により、純粋なDC信号およびさまざまな形状のAC信号並びにハイブリッドAC/DCシステムに実質的に一致する測定値が得られる。
【0058】
制御システム104は、複数のセンサー回路124を使用して複数のゾーン114の抵抗値を測定するので、各センサー回路124からの電圧および電流の測定値が較正される。センサー回路124からの測定値は、一度に全て、1つずつ、またはグループで取得することができる。例えば、1つの構成では、各チャネル115が制御可能な負荷206に接続されていて、精密V-Iセンサー208及び210の1つのセットが各負荷206での電流および電圧を測定するように構成される。制御システム104は、電力変換システム108を介して各負荷206に電力を印加し、各センサー回路124から測定値を取得することができる。さらに、較正コントローラ212は、精密V-Iセンサー208及び210の各セットから測定値を取得する。したがって、すべてのセンサー回路124からの測定値を一度に取得することができる。別の構成では、センサー回路124からの測定値は、制御可能な負荷206の数および利用可能な精密V-Iセンサー208及び210に基づいて、一度に1つずつまたはグループで取得される。例えば、1つの制御可能な負荷206および1組の精密V-Iセンサー208及び210を使用する場合、制御可能な負荷206は選択されたチャネル115に接続され、制御システム104は、選択されたチャネル115に電力を送って、選択されたチャネル115に関連付けられたセンサー回路124から測定値を得る。
【0059】
制御システム104とコントローラ較正システム200によって測定された電気的特性とを区別するために、制御システム104によって行われる測定は、負荷および負荷の初期測定特性と呼ばれることがあり、また初期電圧、初期電流、および/または初期抵抗値を含むことができる。初期測定特性は、負荷の電気的特性を示している。さらに、コントローラ較正システム200によって行われる測定は、負荷の較正された測定特性と呼ばれ、較正された電圧、較正された電流、および/または較正された抵抗値を含み得る。較正された測定特性は、負荷の電気的特性を示す。
【0060】
制御システム104は、広範囲の電力レベルにわたって抵抗値を計算するように構成されるので、較正コントローラ212は、異なる電力レベル(すなわち、電力設定値)で制御システム104を較正する。例えば、較正コントローラ212は、精密電源204を介して、少なくとも1つの低電力量(例えば、10V)および少なくとも1つの高電力量(例えば、130V)を印加するように構成される。一実施形態では、電圧を一定に保ちつつ、プログラム可能な負荷を異なる抵抗負荷(すなわち、抵抗設定値)に変化させて、5Aなどの少なくとも1つの低電流値と15Aなどの少なくとも1つの高電流較正値を提供することによって、電流は較正される。さらに別の実施形態では、較正コントローラ212は、制御システム104に、電力変換システム108を介して、全電力量(例えば、入力電圧の100%)または低減された電力量(例えば、入力電圧の90%または75%)を負荷206に印加させることができる。
【0061】
一実施形態では、較正コントローラ212は、制御システム104からの測定値を精密V-Iセンサー208及び210からの測定値と相関させて、制御システム104によって測定値を較正する。具体的には、較正コントローラ212は、相関データ、言い換えれば、較正された測定基準を規定し、制御システム104からの測定値(すなわち、初期測定特性)を精密V-Iセンサー208及び210の測定値(すなわち、較正された測定特性)とマッピングして、ヒーターの精度および制御を改善する。相関データには、測定値に基づいて計算された抵抗値(つまり、制御システムの抵抗値および/または較正された抵抗値)も含まれる場合がある。一実施形態では、相関データは、統計的関係(例えば、線形モデル)、アルゴリズム、またはヒーターコントローラ106によって記憶される他の適切な相関として提供され得る。別の実施形態では、相関データは、精密V-Iセンサー208及び210からの測定値を、センサー回路124によって得られた測定値と関連付けるテーブル(表)であり得る。このテーブルはまた、較正コントローラ212によって計算された抵抗値を含み得る。したがって、一実施形態では、較正された測定基準は、制御システム104からの初期測定特性とコントローラ較正システム200からの較正された測定特性との相関に基づく。相関データを生成する較正コントローラ212の代わりに、別の実施形態では、制御システム104が相関データを生成するように構成される。例えば、較正コントローラ212は、精密V-Iセンサー208及び210からの測定値などのデータを制御システム104に提供し、制御システム104のヒーターコントローラ106が、これらの測定値およびセンサー回路124からの測定値を使用して相関データを生成する。
【0062】
較正システムは、DC電源の代わりに、AC電源を含み得る。このような構成では、AC電力が、大電流(例えば、20アンペア)で動作でき能動的に冷却される低温度係数の抵抗器に供給される。制御システム104および較正コントローラ212は、制御システム104のAC電圧範囲(例えば、1~208V)および電力変調範囲(例えば、0~100%)にわたって既知の抵抗値を測定する。
【0063】
マルチゾーンヒーター102の制御システム104は、電力供給装置および高精度抵抗計として動作する。抵抗計は通常、システムを妨害することはないが良好な信号を得るには十分であるような小さな電力を測定対象の抵抗に供給する。ここで、制御システム104はかなりの電力を供給しており、また、高電流および高電圧の形で電力を供給しながら、精密抵抗計と同じ精度で駆動される抵抗加熱要素の抵抗値をも検知する。これらの条件下での較正と検知は重要な課題である。本発明の較正システムは、(1)低電圧および高電圧で、制御システム104を介して既知の負荷に制御可能な電気刺激を提供し、(2)各電力設定値について、負荷の電気的特性を制御システム104から取得し、高精度電流計および高精度電圧計を使用して負荷の電気的特性を測定し、(4)高精度電流計により取得した測定値を制御システム104の測定値と相関させて、制御システム104の測定値を較正する。従って、制御システム104によって測定された電流および電圧の測定値、したがって抵抗値は、高精度の抵抗測定(例:±0.005オーム以上)を達成するように較正される。
【0064】
(II)二線式ヒーターのための抵抗温度の較正
【0065】
二線式ヒーターを使用して、制御システム104は、所定ゾーン114の抵抗加熱要素の抵抗値に基づいて、同所定ゾーン114の温度を求める。温度を求めるために、制御システム104は、複数の抵抗値を対応する温度測定値に関連付ける抵抗温度較正データ(すなわち、抵抗温度較正基準)を含む。本明細書で説明するように、制御システム104は、ヒーター較正制御を実行して、較正データを生成および保存するように構成され、この較正データは、通常の動作中に、ゾーンの温度を測定して抵抗加熱要素への電力を制御するために使用される。本発明に係るヒーター較正制御は、1つまたは複数のゾーンを有する二線式ヒーターに対して実行することができるが、マルチゾーンヒーターに限定されるべきではない。
【0066】
図4に示されるように、制御システム104およびヒーター102を含む熱システム100は、ヒーター102のゾーン114の温度を測定してその測定値を制御システム104に出力する温度センサーシステム300を使用して較正される。
【0067】
一実施形態では、温度センサーシステム300は熱電対(TC)ウェーハ302であり、この熱電対ウェーハ302は、ウェーハ304およびこのウェーハ304に沿って配置された複数のTC308を有する。較正中、TCウェーハ302は、マルチゾーンヒーター102上に配置され、ヒーター102およびTCウェーハ302を収容するチャンバー内に負圧を生じさせたり、TCウェーハ302をヒーター102に結合したり、重力を用いたりするなどの様々な方法を使用して、ヒーターの表面に固定される。温度センサーシステム300は、他の適切なセンサーとすることができ、熱電対ウェーハに限定されるべきではない。例えば、温度センサーシステム300は、TCバネ荷重式センサーのアレイでヒーター102の表面を調べるTC治具として提供され得る。別の例では、温度センサーシステム300は、ヒーター102の表面の熱画像を取り込む赤外線カメラである。
【0068】
一実施形態では、TCウェーハのTCは、ヒーター102の熱制御のゾーン114に対応する複数のグループで構成される。例えば、図5では、TCウェーハ350は、TCウェーハ350に対して分散された26個の(矢印で表される)TCを含む。TCは6つのグループに配置され、グループ1は6つのTCを有し、グループ2、3、4、5、および6はそれぞれ4つのTCを有する。グループ1は、ヒーター102の中央領域に提供されるゾーンと関連付けられ、グループ2~6は、ヒーター102の外輪に沿って提供される1つまたは複数のゾーンに関連付けられる。TCウェーハのTCは、ヒーター102のゾーンと関連するように様々な適切な方法でグループ化することができ、図5に示される構成に限定されるべきではない。
【0069】
制御システム104は、TCウェーハ302に接続するための入力/出力インターフェース(図示せず)を含む。例えば、図6は、ペデスタルヒーター400がTCウェーハ402を受け入れるためのものとされた例示的な構成を示している。TCウェーハは複数のTCセンサーを含み、この複数のTCセンサーからは複数のワイヤーが伸びている。一実施形態では、TCセンサーは、TCセンサーからの測定値を監視するために使用されるTCスキャナシステム406を介して制御システム404に接続される。TCセンサーは、他の適切な方法で制御システム404に接続することができ、TCスキャナシステム406に限定されるものではない。制御システム404のヒーターコントローラは、有線接続を介して、ゾーンの平均温度、各TCからの個別の温度測定値、とりわけ、TCウェーハ402のTCからの標準偏差などの温度測定値を受信する。ヒーター400および制御システム404は、それぞれ、ヒーター102および制御システム104と同様のものである。
【0070】
図4に示されるように、制御システム104は、様々なゾーンおよびヒーター102の全体の抵抗温度較正データを生成するためにヒーターコントローラ106内に設けられたヒーター較正制御部310を含むように構成される。一実施形態では、TCウェーハ302と制御システム104との間の有線接続に基づいて、ヒーター較正制御部310は、TCセンサー308を対応する温度測定値にマッピングし、温度測定値をTCウェーハ302上のそれらの物理的位置にマッピングする。したがって、温度測定値は、ヒーター102の熱制御のゾーンに対応する画定されたグループにさらに関連付けられ、よってヒーター102の所定のゾーンのセンサーのグループを特定する。
【0071】
一実施形態では、ヒーター較正制御部310は、ヒーター102が均一な熱プロファイルを有するように、ヒーターを複数の温度設定値に加熱する。各温度設定値について、ヒーター較正制御部310は、TCセンサー308から温度測定値を受け取り、センサー回路124から電気的特性(例えば、電圧および/または電流)測定値を受け取る。温度測定値(すなわち、温度データセット)に基づいて、ヒーター較正制御部310は、所定の設定値について、各グループの温度計測データを生成するが、このデータは、次のもののうちの少なくとも1つが含まれるようにすることができる、すなわち、グループに関連付けられたそれぞれのヒーターゾーンの平均温度に対応する平均温度;中央値温度;それぞれのヒーターゾーンの変動に対応する温度の変動;それぞれのヒーターゾーンの標準偏差に対応する温度の標準偏差;最高温度;最低気温;温度範囲;3シグマ値、およびグループ内の最小、最大、および中央のセンサーのインデックス。特定の計測データが列挙されているが、ヒーター較正制御部310は、温度測定値に基づいて他の計測データを計算することができる。
【0072】
各グループの計測データを求めることに加えて、ヒーター較正制御部310は、TCウェーハ302全体、したがってヒーター102全体の計測データを計算する。例えば、平均温度、中央値温度、最高温度、最低温度、およびその他の計測データが、すべての温度測定値に基づいて計算される。これらの測定値は、単一のゾーンだけではなくヒーター102の表面全体に均一な熱分布を提供するために、ヒーター102を監視および制御するために使用される。
【0073】
一実施形態では、ヒーター較正制御部310は、所定のグループの平均温度を対応するゾーンの平均温度として関連付ける。ヒーター較正制御部310は、温度測定時にゾーンについて測定された電圧および/または電流に基づいて、ゾーンの抵抗加熱要素の抵抗値を求め、ゾーンの抵抗値を対応するグループの平均温度に相関させる。一実施形態では、ヒーター較正制御部310は、電気的特性(すなわち、電圧、電流、および/または抵抗)を求めるときに、較正された測定基準を使用する。抵抗加熱要素の抵抗値は、抵抗温度較正データの一部として、各ゾーンについて保存される。抵抗温度較正データを有することにより、制御システム104は、抵抗器を使用して検知された温度を真の温度の直接の代用として、ゾーンを正確に制御することができる。平均温度の代わりに、または平均温度に加えて、範囲、中央値、最小値、最大値などの他の計測源を制御源として使用することもできる。
【0074】
ヒーター較正制御部310は、温度センサーシステム300を診断して、故障した可能性のあるセンサーを1つまたは複数の計測データを使用して特定することができる。つまり、センサーは、通常の摩耗、過度の使用、環境条件などのさまざまな理由で故障する可能性があり、センサーからの異常な読み取り値により、温度較正が歪んで均一性が低下する可能性がある。一実施形態では、所定のグループ内の故障したセンサーを検出するために、ヒーター較正制御部310は、センサーからの温度測定値を所定のグループの温度中央値と比較する。温度測定値が中央値から予め規定された量(すなわち、±10℃)ずれている場合には、ヒーター較正制御部310はその誤った温度測定値を出力しているセンサーを故障したものとして特定する。温度変動許容値は、モデルとなるヒーター及び制御システムの実験的テストに基づいて予め規定および決定できる。ヒーター較正制御部310は、故障したセンサーを特定し、平均温度などの1つまたは複数の計測データの計算からその故障したセンサーを除外する。
【0075】
診断の一部として、ヒーター較正制御部310は、温度センサーシステム300に欠陥があるとされる前に、各ゾーンに許容される故障したセンサーの最大数を規定する。例えば、4つのTCセンサーを持つグループの場合、そのグループは欠陥があるとされる前に1つの故障したセンサーが許可され、5つのTCセンサーを持つグループの場合、そのグループは2つの故障したセンサーが許可される。したがって、センサーのいずれかのグループが許容できる故障したセンサーの数を超えた場合、ヒーター較正制御部310は、校較プロセスを停止し(例えば、ヒーター102への電力を止め)、故障した温度センサーシステム300をユーザに通知する。許容される故障したセンサーの数は、事前に決められたものであり、グループ内のセンサーの数およびヒーター102に提供される精度レベルに基づくものとすることができる。
【0076】
TCセンサーからの温度測定値並びにセンサー回路からの電圧および電流の測定値を使用して、ヒーターコントローラは、センサーアレイを介した直接制御温度などのアルゴリズムを使用して自己較正するように構成される。つまり、ある形式では、ヒーターは、TCセンサーからの測定値に基づいてヒーターコントローラによって求められる平均温度に制御される。ヒーターは、テスト対象のヒーターと同じクラスの以前のヒーターからのデータに基づいて、当該テスト対象のヒーターの抵抗加熱要素によって測定される公称温度に制御することもできる。このようなデータは各個別のペデスタルに近いものではあるが、真に対応するものではない。
【0077】
動作中、制御システムによって実行されるヒーター較正制御は、温度センサーシステムが(例えば、ヒーターに配置および固定され、コントローラに通信可能に接続されるなどして)設定されたときに開始することができる。一実施形態では、ヒーター較正制御部は、温度設定値などの複数の設定値でヒーターを制御する。各設定値について、ヒーターは、当該ヒーターおよび/またはTCウェーハが平衡状態になるまで設定値に維持され、制御システムは、センサー回路からのデータに基づいて各ゾーンの抵抗値を測定および記録し、温度センサーシステムから温度測定値を取得する。次に、制御システムは、各ゾーンおよびヒーター全体の平均温度などの計測データを計算する。規定されている設定値、測定された抵抗値、および/または1つ以上の計測データは、抵抗温度較正データとして保存でき、また表などのさまざまな適切な方法で提供されるようにできる。較正中、制御システムは、温度センサーシステムが設定されたパラメーター内で動作していることを確認するために、本明細書に記載されているセンサー診断を実行することができる。
【0078】
一実施形態では、制御システムは、ユーザに情報を表示しまたユーザからコマンドを受信するための1つまたは複数のグラフィカルユーザインターフェースを表示することができる。例えば、一実施形態では、制御システムは、較正データの曲線、ヒーターの熱パターン、および/または各ゾーンおよびヒーター全体の計測データを表示することができる。この情報により、目的の温度プロファイルに一致させるゾーンの最適化を行い、またヒーターと制御システムを連携させて最適な均一性を実現できるようにすることができる。
【0079】
抵抗温度較正データを使用して、制御システムは、ゾーンで別の温度センサーを使用せずに、正確な精度でマルチゾーンヒーターの各ゾーンの温度を測定し、すべてのゾーンの閉ループ/サーボ制御を提供する。ここで説明するように、較正プロセスは自動化されているため、作業者は、温度センサーシステムをインストールする方法及び制御システムに保存されている較正を開始する方法以外に、較正について詳細に理解する必要はない。一実施形態では、熱システムは、本開示の較正プロセスの1つまたは両方を実施することができる。
【0080】
図7には制御システムの較正ルーチン500の例が示されている。制御システムの較正ルーチンは、本開示のコントローラ較正システムによって実行される。制御システムは、ステップ502で当該制御システムを介して負荷に電力を供給し、またステップ504で当該制御システムから負荷の初期測定特性を生成するとともに、コントローラ較正から負荷の較正された測定特性を生成する。一実施形態では、それらが生成されると、負荷への電力が止められるようにされる。初期測定特性と較正された測定特性は、電圧、電流、および/または抵抗値を含む負荷の電気的特性を示す。より具体的には、一実施形態では、負荷の初期測定特性を生成するために、負荷の初期電圧および初期電流が制御システムによって測定され、較正された測定特性を生成するために、負荷の較正された電圧および較正された電流がコントローラ較正システムによって測定される。一実施形態では、初期電圧と較正された電圧が同時に測定され、初期電流と較正された電流が同時に測定される。別の実施形態では、初期電圧、初期電流、較正された電圧、および較正された電流が同時に測定される。一実施形態では、負荷の初期抵抗値は、初期電圧と初期電流に基づいて計算され、初期測定特性としても提供される。負荷の較正された抵抗値は、負荷の較正された電圧と較正された電流に基づいて計算され、較正された測定特性としても提供される。
【0081】
ステップ506で、システムは、初期測定特性を較正された測定特性と相関させて、制御システムによって測定値を較正する。ステップ508で、システムは、初期測定特性と較正された測定特性との相関に基づいて、較正された測定基準を規定する。
【0082】
ルーチン500は、ヒーター制御較正を実行するための単なる一例のルーチンであり、様々な適切な構成とすることができる。例えば、一実施形態では、較正された測定基準は、複数の電力設定値および/または負荷の複数の既知の抵抗値(つまり、負荷抵抗値)に対して規定することができる。各電力および/または負荷抵抗値について、初期測定特性と較正された測定特性が生成されてそれらが相関されて、較正測定基準が規定される。
【0083】
図8には、制御システムによって実行される例示的なヒーター較正制御ルーチン600が示されている。ルーチン600は、温度センサーシステムが制御システムに接続されてヒーターの温度測定値を提供することにより実行されるようにすることができる。ステップ602で、ヒーターは複数の温度設定値のうちのある温度設定値に制御される。ステップ604で、ヒーターの電圧および電流(V-I)特性とヒーターの温度データセットが取得される。V-I特性と温度データセットは、各温度設定値について取得される。ステップ606で、各温度設定値について、その温度設定値に対して取得されたV-I特性に基づいてヒーターの抵抗値を求める。ステップ608で、制御システムは、その温度設定値に対して取得された温度データセットに基づいてその温度設定値に対する温度計測データを求める。一実施形態では、温度計測データは、平均温度、中央値温度、温度分散、標準偏差、最高温度、最低温度、温度範囲、および/または3シグマ値を含む。ステップ610で、ヒーターの複数の抵抗値と温度設定値の温度計測データとを相関させる。ステップ612で、ヒーターの測定された抵抗値に基づいてヒーターの動作温度を求めるための抵抗温度較正基準を規定する。
【0084】
ヒーターがマルチゾーンヒーターである場合、電力は、各ゾーンに供給されて、ゾーンの温度が温度設定値に実質的に等しくなるように制御される。さらに、V-I特性と温度測定値が各ゾーンについて取得される。温度センサーシステムからのヒーターの温度データセットには、ゾーンのそれぞれに対して少なくとも1つの温度測定値が含まれる。
【0085】
ルーチン600は、ヒーター制御較正を実行するための単なる一例のルーチンであり、様々な適切な構成とすることができる。例えば、一実施形態では、ルーチンは、温度センサーシステムの診断を実行して、故障した可能性のあるセンサーを特定するようにすることができる。より具体的には、一実施形態では、マルチゾーンヒーターの各ゾーンは、温度センサーシステムの複数の温度センサーのうちの2つ以上の温度センサー(すなわち、センシンググループ)に関連付けられている。各センシンググループに対してセンサー診断が実行されて、そのセンシンググループからの温度測定値に基づいて、そのセンシンググループの温度センサーの中から故障した温度センサーが特定される。センサー診断が故障した温度センサーを特定してその特定された故障した温度センサーの数が故障センサー閾値より少ない場合、故障した温度センサーからの温度測定値は、温度計測データを求める前に破棄される。特定された故障した温度センサーの数が故障センサー閾値よりも多い場合、ヒーターへの電力が止められる。さらに、特に明記しない限り、許容誤差、温度、電圧、電流、またはその他の特性を表す全ての数値は例として提供されている。したがって、本開示の範囲内にとどまりながら、他の数値を使用できることは容易に理解されるであろう。
【0086】
本明細書で特に明示的に示されない限り、機械的/熱的特性、組成パーセンテージ、寸法および/または公差、または他の特性を示すすべての数値は、本開示の範囲の記述において「約」または「ほぼ」という言葉によって修正されると理解されるべきである。この修飾は、産業慣行や、材料、製造、および組み立ての公差や、試験能力を含むさまざまな理由から望まれる。
【0087】
本明細書で使用される場合、「A、B、およびCの少なくとも1つ」のフレーズは、非排他的論理OR(または)を使用する論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「少なくとも1つのA、少なくとも1つのB、および少なくとも1つのC」を意味すると解釈されるべきではない。
【0088】
この用途では、「コントローラ」という用語は、「回路」という用語に置き換えることができる。「コントローラ」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC);デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混合ディスクリート回路;デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混合集積回路;組み合わせ論理回路;フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA);コードを実行するプロセッサ回路(共有、専用、またはグループ);プロセッサ回路によって実行されるコードを格納するメモリ回路(共有、専用、またはグループ);説明されている機能を提供するその他の適切なハードウェアコンポーネント;または、システムオンチップなど、上記の一部またはすべての組み合わせ;を含み、またはそれらの一部とすることができる。
【0089】
コードという用語は、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはマイクロコードを含み得、プログラム、ルーチン、関数、クラス、データ構造、および/またはオブジェクトを指し得るものである。メモリ回路という用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットである。本明細書で使用されるコンピュータ可読媒体という用語は、媒体を通って伝播する一時的な電気信号または電磁信号(搬送波上など)を含まない。したがって、コンピュータ可読媒体という用語は、有形で非一時的なものと考えることができる。
【0090】
本開示は本質的に単なる例示であり、したがって、本発明から逸脱しない変形は本発明の範囲内にあることが意図されている。そのような変形は、本発明の精神および範囲からの逸脱と見なされるべきではない。

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