(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119959
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】エアロゾルの生成
(51)【国際特許分類】
A24F 40/57 20200101AFI20240827BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240827BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240827BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/42
A24F40/46
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024095734
(22)【出願日】2024-06-13
(62)【分割の表示】P 2021504508の分割
【原出願日】2019-07-31
(31)【優先権主張番号】1812507.0
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ギャナウニー, キャブ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、エアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾル生成基体からエアロゾルを生成する方法を提供する。
【解決手段】エアロゾル生成デバイスは、エアロゾル生成基体の異なる部位を加熱してエアロゾルを生成するよう配置された3以上の加熱ゾーンを備え、基体の異なる部位からエアロゾルを順次に生成する。加熱中、基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、基体の別の部位が、エアロゾル生成温度より低いが最低動作温度にほぼ等しいかそれを上回る中間温度まで加熱され、基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに十分な最低動作温度まで加熱され、1つの部位からエアロゾルが生成されると、その部位の温度がエアロゾル生成温度から最低動作温度へ下げられ、中間温度まで予め加熱された部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、更なる部位が中間温度まで加熱される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾル生成基体からエアロゾルを生成する方法であって、前記エアロゾル生成デバイスは、前記エアロゾル生成基体の異なる部位をそれぞれ加熱して、燃焼なしにエアロゾルを生成するように配置された少なくとも3つの加熱ゾーンを備え、
前記エアロゾル生成基体の異なる部位の各々からエアロゾルを順次に生成することを含み、加熱中、
(i)前記エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)前記エアロゾル生成基体の別の部位が、前記エアロゾル生成温度より低く、最低動作温度にほぼ等しいか又は最低動作温度を上回る中間温度まで加熱され、
(iii)前記エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度が前記エアロゾル生成温度から前記最低動作温度へ下げられ、(b)前記中間温度まで予め加熱された部位が前記エアロゾル生成温度まで加熱され、(c)更なる部位が前記中間温度まで加熱される、方法。
【請求項2】
前記エアロゾル生成基体の異なる部位の各々が、1回のパフのためのエアロゾルを提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エアロゾル生成基体の異なる部位の各々が、2回以上のパフのためのエアロゾルを提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エアロゾル生成基体が非晶質固体を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記非晶質固体が、
1~60重量%のゲル化剤と、
5~80重量%のエアロゾル生成剤と、
0.1~60重量%の少なくとも1つの活性物質及び/又は香味料と、
を備え、ここで、これらの重量は乾重量基準で計算される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
エアロゾル生成基体を燃焼させずに加熱することによって前記エアロゾル生成基体からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、少なくとも3つの加熱ゾーンを備え、前記加熱ゾーンの各々は、前記エアロゾル生成基体の異なる部位を加熱するように配置されており、
使用時に、
(i)前記エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)前記エアロゾル生成基体の別の部位が、前記エアロゾル生成温度より低く、最低動作温度にほぼ等しいか又は最低動作温度を上回る中間温度まで加熱され、
(iii)前記エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度が前記エアロゾル生成温度から前記最低動作温度へ下げられ、(b)前記中間温度まで予め加熱された部位が前記エアロゾル生成温度まで加熱され、(c)更なる部位が前記中間温度まで加熱されるように構成されたエアロゾル生成デバイス。
【請求項7】
使用時に前記エアロゾル生成基体の異なる部位をそれぞれ加熱するように配置された4、5、6、7、8、又は9つの加熱ゾーンを備える請求項6に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項8】
前記加熱ゾーンごとに対応する加熱器を1つずつ備え、前記加熱器は、前記エアロゾル生成基体を燃焼させずに加熱するように構成されている、請求項6又は7に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項9】
固体のエアロゾル生成基体を加熱するように構成された請求項6~8のいずれか一項又に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項10】
請求項6~9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成基体とを備えるエアロゾル生成組立品。
【請求項11】
前記エアロゾル生成基体の異なる部位の各々が、1回のパフのためのエアロゾルを提供する、請求項10に記載のエアロゾル生成組立品。
【請求項12】
前記エアロゾル生成基体の異なる部位の各々が、2回以上のパフのためのエアロゾルを提供する、請求項10に記載のエアロゾル生成組立品。
【請求項13】
前記エアロゾル生成基体が非晶質固体を備える、請求項10~12のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組立品。
【請求項14】
前記非晶質固体が、
1~60重量%のゲル化剤、並びに/又は
5~80重量%のエアロゾル生成剤、並びに/又は
0.1~60重量%の少なくとも1つの活性物質及び/若しくは香味料
を備え、ここで、これらの重量は乾重量基準で計算される、請求項13に記載のエアロゾル生成組立品。
【請求項15】
非燃焼加熱式製品である請求項10~14のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組立品。
【請求項16】
エアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾル生成基体からエアロゾルを生成する方法であって、前記エアロゾル生成デバイスは、前記エアロゾル生成基体の異なる部位をそれぞれ加熱して、燃焼なしにエアロゾルを生成するように配置された少なくとも3つの加熱ゾーンを備え、
前記エアロゾル生成基体の異なる部位の各々からエアロゾルを、前記エアロゾル生成基体の最上流の部位から前記エアロゾル生成基体の最下流の部位まで、順次に生成することを含み、加熱中、
(i)前記エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)前記エアロゾル生成基体の別の部位が、前記エアロゾル生成温度より低く、最低動作温度にほぼ等しいか又は最低動作温度を上回る中間温度まで加熱され、
(iii)前記エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度が前記エアロゾル生成温度から、該部位が加熱されない周囲温度へ下げられ、(b)前記中間温度まで予め加熱された部位が前記エアロゾル生成温度まで加熱され、(c)更なる部位が前記中間温度まで加熱される、方法。
【請求項17】
エアロゾル生成基体を燃焼させずに加熱することによって前記エアロゾル生成基体からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、少なくとも3つの加熱ゾーンを備え、前記加熱ゾーンの各々は、前記エアロゾル生成基体の異なる部位を加熱するように配置されており、
使用時に、
前記エアロゾル生成基体の最上流の部位から前記エアロゾル生成基体の最下流の部位までエアロゾルが順次に生成され、使用時に、
(i)前記エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)前記エアロゾル生成基体の別の部位が、前記エアロゾル生成温度より低く、最低動作温度にほぼ等しいか又は最低動作温度を上回る中間温度まで加熱され、
(iii)前記エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度が前記エアロゾル生成温度から、該部位に熱が供給されない周囲温度へ下げられ、(b)前記中間温度まで予め加熱された部位が前記エアロゾル生成温度まで加熱され、(c)更なる部位が前記中間温度まで加熱されるように構成されたエアロゾル生成デバイス。
【請求項18】
エアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾル生成基体からエアロゾルを生成する方法であって、前記エアロゾル生成基体が非晶質固体材料を備え、前記エアロゾル生成デバイスは、前記エアロゾル生成基体の異なる部位をそれぞれ加熱して、燃焼なしにエアロゾルを生成するように配置された少なくとも2つの加熱ゾーンを備え、
前記エアロゾル生成基体の異なる部位の各々からエアロゾルを順次に生成することを含み、加熱中、
(i)前記エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)前記エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度が前記エアロゾル生成温度から前記最低動作温度へ下げられ、(b)更なる部位が前記エアロゾル生成温度まで加熱される、方法。
【請求項19】
エアロゾル生成基体を燃焼させずに加熱することによって前記エアロゾル生成基体からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、前記エアロゾル生成基体が非晶質固体材料を備え、当該エアロゾル生成デバイスは、少なくとも2つの加熱ゾーンを備え、前記加熱ゾーンの各々は、前記エアロゾル生成基体の異なる部位を加熱するように配置されており、
使用時に、
(i)前記エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)前記エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度が前記エアロゾル生成温度から前記最低動作温度へ下げられ、(b)更なる部位が前記エアロゾル生成温度まで加熱されるように構成されたエアロゾル生成デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾルの生成に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコ、葉巻などの喫煙物品は、使用中にタバコを燃やしてタバコの煙を生成する。このような種類の物品に対する代替物は、燃焼させることなく加熱することによって基体材料から化合物を放出することにより、吸入可能なエアロゾル又は蒸気を放出する。これらは、非燃焼型の喫煙物品又はエアロゾル生成組立品と称されることがある。
【0003】
このような製品の一例は、固体のエアロゾル化可能材料を加熱するが燃焼させないことによって化合物を放出する加熱デバイスである。この固体のエアロゾル化可能材料は、幾つかの例では、タバコ材料を含んでもよい。加熱は、材料の少なくとも1つの成分を揮発させ、典型的には吸入可能なエアロゾルを形成する。これらの製品は、非燃焼加熱式(heat not burn)デバイス、タバコ加熱デバイス、又はタバコ加熱製品と呼ばれることがある。固体エアロゾル化可能材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための様々な異なる構成が知られている。
【0004】
別の例として、電子タバコハイブリッドデバイスとしても知られる、電子タバコ/タバコ加熱製品ハイブリッドデバイスがある。これらのハイブリッドデバイスは、加熱によって気化して吸入可能な蒸気又はエアロゾルを生成する液体源(ニコチンを含んでいても含んでいなくてもよい)を含む。このデバイスは、固体のエアロゾル化可能材料(タバコ材料を含んでいても含んでいなくてもよい)を更に含み、この材料の成分は、吸入可能な蒸気又はエアロゾルに同伴されて吸入媒体を生成する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様は、エアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾル生成基体からエアロゾルを生成する方法を提供する。ここで、エアロゾル生成デバイスは、エアロゾル生成基体の異なる部位をそれぞれ加熱して、燃焼なしにエアロゾルを生成するように配置された少なくとも3つの加熱ゾーンを備える。この方法は、エアロゾル生成基体の異なる部位の各々からエアロゾルを順次に生成することを含み、加熱中、
(i)エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)エアロゾル生成基体の別の部位が、エアロゾル生成温度より低く、最低動作温度にほぼ等しいか又は最低動作温度を上回る中間温度まで加熱され、
(iii)エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度がエアロゾル生成温度から最低動作温度へ下げられ、(b)中間温度まで予め加熱された部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、(c)更なる部位が中間温度まで加熱される。
【0006】
本発明の第2の態様は、エアロゾル生成基体を燃焼させずに加熱することによってエアロゾル生成基体からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスを提供する。このエアロゾル生成デバイスは、少なくとも3つの加熱ゾーンを備え、これらの加熱ゾーンの各々は、エアロゾル生成基体の異なる部位を加熱するように配置されている。このエアロゾル生成デバイスは、使用時に、
(i)エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)エアロゾル生成基体の別の部位が、エアロゾル生成温度より低く、最低動作温度にほぼ等しいか又は最低動作温度を上回る中間温度まで加熱され、
(iii)エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度がエアロゾル生成温度から最低動作温度へ下げられ、(b)中間温度まで予め加熱された部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、(c)更なる部位が中間温度まで加熱されるように構成されている。
【0007】
本発明の更なる態様では、上記の方法及びデバイスの変形例が提供される。この変形例では、基体の異なる部位の各々からエアロゾルが、最上流の部位から最下流の部位まで(ここで、上流及び下流は、使用時におけるエアロゾル流の方向を指す。)、順次に生成される。1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度が周囲温度(この温度では、該部位に熱が提供されない)へ下げられ、(b)中間温度まで予め加熱された部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、(c)更なる部位が中間温度まで加熱される。
【0008】
本発明の更なる態様は、エアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾル生成基体からエアロゾルを生成する方法を提供する。ここで、エアロゾル生成基体は非晶質固体材料を備え、エアロゾル生成デバイスは、エアロゾル生成基体の異なる部位をそれぞれ加熱して、燃焼なしにエアロゾルを生成するように配置された少なくとも2つの加熱ゾーンを備える。この方法は、エアロゾル生成基体の異なる部位の各々からエアロゾルを順次に生成することを含み、加熱中、
(i)エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度がエアロゾル生成温度から最低動作温度へ下げられ、(b)更なる部位がエアロゾル生成温度まで加熱される。
【0009】
本発明の更なる態様は、エアロゾル生成基体を燃焼させずに加熱することによってエアロゾル生成基体からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスを提供する。ここで、エアロゾル生成基体は非晶質固体材料を備え、このエアロゾル生成デバイスは、少なくとも2つの加熱ゾーンを備え、これらの加熱ゾーンの各々は、エアロゾル生成基体の異なる部位を加熱するように配置されている。このエアロゾル生成デバイスは、使用時に、
(i)エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度がエアロゾル生成温度から最低動作温度へ下げられ、(b)更なる部位がエアロゾル生成温度まで加熱されるように構成されている。
【0010】
本発明の更なる態様では、上記の方法及びデバイスの変形例が提供される。この変形例では、基体の異なる部位の各々からエアロゾルが、最上流の部位から最下流の部位まで(ここで、上流及び下流は、使用時におけるエアロゾル流の方向を指す。)、順次に生成される。1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度が周囲温度(この温度では、該部位に熱が提供されない)へ下げられ、(b)更なる部位がエアロゾル生成温度まで加熱される。
【0011】
本発明は、上記の態様に係るエアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成基体とを備えるエアロゾル生成組立品も提供する。
【0012】
本発明の更なる態様は、吸入可能なエアロゾルの生成におけるエアロゾル生成組立品のエアロゾル生成デバイスの使用を提供する。
【0013】
本発明の更なる特徴及び利点は、以下の説明から明らかになる。ここで、これらの説明は、添付の図面を参照した例示のためにのみ提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】3つの加熱ゾーンを含むデバイスのための加熱プロファイルの一例を示す図である。
【
図2】5つの加熱ゾーンを含むデバイスのための加熱プロファイルの一例を示す図である。
【
図3】3つの加熱ゾーンを含むデバイスのための加熱プロファイルの別の例を示す図である。
【
図4】3つの加熱ゾーンを含むデバイスのための加熱プロファイルの別の例を示す図である。
【
図5】5つの加熱ゾーンを含むデバイスのための加熱プロファイルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上述のように、本発明は、エアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾル生成基体からエアロゾルを生成する方法を提供する。ここで、エアロゾル生成デバイスは、エアロゾル生成基体の異なる部位をそれぞれ加熱して、燃焼なしにエアロゾルを生成するように配置された少なくとも3つの加熱ゾーンを備える。この方法は、エアロゾル生成基体の異なる部位の各々からエアロゾルを順次に生成することを含み、加熱中、
(i)エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)エアロゾル生成基体の別の部位が、エアロゾル生成温度より低く、最低動作温度にほぼ等しいか又は最低動作温度を上回る中間温度まで加熱され、
(iii)エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度がエアロゾル生成温度から最低動作温度へ下げられ、(b)中間温度まで予め加熱された部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、(c)更なる部位が中間温度まで加熱される。
【0016】
本明細書の全体にわたって、「残りの部位の少なくとも1つ」と述べたときは、残りの部位の全てに言及した対応実施形態を明示的に開示するものと理解されたい。
【0017】
特定の例では、エアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾル生成基体からエアロゾルを生成する方法が提供される。ここで、エアロゾル生成デバイスは、エアロゾル生成基体の異なる部位をそれぞれ加熱して、燃焼なしにエアロゾルを生成するように配置された少なくとも3つの加熱ゾーンを備える。この方法は、エアロゾル生成基体の異なる部位の各々からエアロゾルを順次に生成することを含み、加熱中、
(iv)エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(v)エアロゾル生成基体の別の部位が、エアロゾル生成温度より低いが最低動作温度を上回る中間温度まで加熱され、
(vi)エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度がエアロゾル生成温度から最低動作温度へ下げられ、(b)中間温度まで予め加熱された部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、(c)更なる部位が中間温度まで加熱される。
【0018】
特定の例では、中間温度が最低動作温度を上回る。典型的には、これらの例では、任意の所与の時点において、1つの部位がエアロゾル生成温度にあり、1つの部位が中間温度にあり、他の全ての部位が最低動作温度にある。しかしながら、最後の部位がエアロゾル生成温度まで加熱されるときは、他の全ての部位は最低動作温度になる(ただし、この典型的なプロファイルには、
図4に示されるように、特許請求の範囲に含まれる例外がある。)。
【0019】
本発明者らは、この加熱プロファイルが、使用者への良好なエアロゾル送達をもたらすとともに、電力消費を最適化することを見出した。すなわち、
・最低動作温度は、基体の揮発成分/エアロゾル化成分が、凝縮することなく、意図した方法で使用者に送達されることを確実にする。
・次の順番にエアロゾル化される基体の部位は、中間温度まで加熱される。中間温度が最低動作温度を上回る特定の実施形態では、これにより、その部位からのエアロゾル送達を、その部位を最低動作温度に保持した場合よりも迅速に開始することが可能となる。これは、エアロゾル生成温度と中間温度との温度差が、エアロゾル生成温度と最低動作温度との温度差よりも小さいからである。エアロゾルの迅速な発生は、良好なパフプロファイルをもたらす。
・基体のうちエアロゾル化されている部位のみがエアロゾル生成温度へ加熱されることで、電力消費が最適化される。
【0020】
幾つかの例において、エアロゾル生成温度は、約120℃~約350℃の範囲、好適には約150℃、160℃、180℃、又は200℃~約300℃、250℃、230℃、220℃、200℃、又は180℃の範囲であってもよい。幾つかの例において、エアロゾル生成温度は、約190℃~約300℃、又は約200℃~280℃、又は約210℃~約270℃、又は約220℃~約260℃であってもよい。
【0021】
幾つかの例において、中間温度は、約50℃~約170℃の範囲、好適には約90℃又は100℃~約160℃又は130℃の範囲であってもよい。幾つかの例において、中間温度は、約30℃~約140℃の範囲、好適には約50℃、70℃、又は100℃~約130℃又は120℃の範囲であってもよい。
【0022】
幾つかの例において、最低動作温度は、約50℃~約170℃の範囲、好適には約90℃又は約100℃~約160℃又は約130℃の範囲であってもよい。幾つかの例において、最低動作温度は、約30℃~約120℃の範囲、好適には約35℃又は50℃~約100℃又は80℃の範囲であってもよい。
【0023】
幾つかの例において、最低動作温度は中間温度にほぼ等しい。他の例では、最低動作温度は中間温度よりも低い。
【0024】
幾つかの例において、基体の異なる又は別個の部位の各々は、1回のパフのためのエアロゾルを提供する。幾つかの例において、加熱ゾーンの温度の変化は、パフに応じて開始させてもよい。
【0025】
次に
図1を参照すると、エアロゾル生成基体の3つの異なる部位を加熱するための3つの加熱ゾーンを備えるデバイスのための、本発明に係る加熱プロファイルが示されている。最初に、第1の部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、第2の部位が中間温度まで加熱され、第3の部位が最低動作温度まで暖められる。
【0026】
続いて、第2の部分がエアロゾル生成温度まで加熱され、第3の部位が中間温度まで加熱され、第1の部位が最低動作温度まで冷却される。
【0027】
最後に、第3の部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、その間、第1および第2の部位は最低動作温度に保持される。
【0028】
次に
図2を参照すると、5つの加熱ゾーンを備えるデバイスのための、本発明に係る加熱プロファイルが示されている。最初に、第1の部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、第2の部位が中間温度まで加熱され、第3、第4、及び第5の部位が最低動作温度まで暖められる。
【0029】
続いて、第2の部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、第3の部位が中間温度まで加熱され、第1、第4、及び第5の部位は最低動作温度にある。
【0030】
次に、第3の部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、第4の部位が中間温度まで加熱され、第1、第2、及び第5の部位は最低動作温度にある。
【0031】
次いで、第4の部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、第5の部位が中間温度まで加熱され、第1、第2、及び第3の部位は最低動作温度にある。
【0032】
最後に、第5の部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、他の部位は最低動作温度に保持される。
【0033】
これらの図に示される順次加熱パターンは、図示していないが、任意の数の加熱ゾーンへ拡張することができる。
【0034】
全ての図において、全ての部位に対する最低動作温度は同じである。線が互いにわずかに分離されているが、これは単に表現を容易にするためである。
【0035】
幾つかの例において、基体の異なる又は別個の部位の各々は、2回以上のパフのためのエアロゾルを提供する。
【0036】
次に
図3を参照すると、エアロゾル生成基体の3つの異なる部位を加熱する3つの加熱ゾーンを備えるデバイスのための、本発明に係る加熱プロファイルが示されている。エアロゾル生成基体の各部位は、使用者に対して2回のパフを提供する。
図1に示される加熱プロファイルは有効に2回繰り返され、その結果、これらの加熱ゾーンが、ABCABCのパターンで、エアロゾル生成温度に達するようになる。すなわち、最初に、第1の部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、第2の部位が中間温度まで加熱され、第3の部位が最低動作温度まで暖められる。
【0037】
続いて、第2の部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、第3の部位が中間温度まで加熱され、第1の部位が最低動作温度まで冷却される。
【0038】
次に、第3の部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、その間、第1の部位は中間温度にあり、第2の部位は最低動作温度にある。
【0039】
その後、第1の部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、第2の部位が中間温度まで加熱され、第3の部位は最低動作温度にある。
【0040】
続いて、第2の部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、第3の部位が中間温度まで加熱され、第1の部位が最低動作温度まで冷却される。
【0041】
最後に、第3の部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、その間、第1および第2の部位は最低動作温度にある。
【0042】
次に
図4を参照すると、エアロゾル生成基体の3つの異なる部位を加熱する3つの加熱ゾーンを備えるデバイスのための、本発明に係る加熱プロファイルが示されている。エアロゾル生成基体の各部位は、使用者に対して2回のパフを提供する。
図3に示されるプロファイルとは対照的に、これらのパフはAABBCCのパターンで提供される。
【0043】
2回のパフは、もちろん、
図1に示される熱プロファイルを用いて各部位から提供することができる。
図4のプロファイルでは、エアロゾルを提供する部位の温度がパフの合間に中間温度まで下降するように
図1のプロファイルが修正される。これにより、加熱効率及び電力消費が向上する。また、エアロゾル生成部位から最初のパフが提供された後、加熱すべき後続の部位が中間温度まで昇温される。これによっても、加熱効率及び電力消費が向上する。
【0044】
上記の方法の変形例において、本発明は、基体の異なる部位の各々からエアロゾルが、最上流の部位から最下流の部位まで(ここで、上流及び下流は、使用時におけるエアロゾル流の方向を指す。)、順次に生成される代替の実施形態を提供する。この代替例では、1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度が周囲温度(この温度では、該部位に熱が提供されない)へ下げられ、(b)中間温度まで予め加熱された部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、(c)更なる部位が中間温度まで加熱される。このような実施形態は
図5に示されており、この図は、
図2に示される実施形態の変形例を示している。
【0045】
幾つかの例において、基体は「非晶質固体」を備える。非晶質固体は、「モノリシック固体」(すなわち、非繊維質)、又は「乾燥ゲル」と称されることもある。非晶質固体は、その中に幾らかの流体、例えば液体、を保持しうる固体材料である。非晶質固体は、エアロゾル形成材料の一部を成してもよく、幾つかの例において、エアロゾル形成材料は、約50重量%、60重量%、又は70重量%から、約90重量%、95重量%、又は100重量%までの量の非晶質固体を備える。幾つかの例において、エアロゾル生成材料は非晶質固体からなる。
【0046】
本発明者らは、非晶質固体が迅速なエアロゾル送達をもたらす可能性があり、本明細書に記載の加熱プロファイルと共に使用するのに特に適していることを見出した。伝統的な非燃焼加熱式製品及びハイブリッドデバイスでは、固体のタバコ含有材料が加熱されるが、十分なエアロゾル送達を提供するためには、これは必然的に嵩張り、全ての成分を揮発させるために長時間にわたって加熱しなければならない。対照的に、非晶質エアロゾル生成固体は、エアロゾル化可能成分をより高い濃度で含有することができ、従って、材料の薄い層として含めることができ、揮発がより早く生じ、従って、エアロゾル生成がより速い。このため、非晶質エアロゾル生成固体材料は、比較的短い時間(例えば、1回のパフの持続時間)にわたって材料の部位をエアロゾル生成温度まで加熱する加熱プロファイルとともに使用するのに特に適している。
【0047】
幾つかの例において、非晶質固体は、
1~60重量%のゲル化剤、並びに/又は
5~80重量%のエアロゾル生成剤、並びに又は
0.1~60重量%の少なくとも1つの活性物質及び/若しくは香味料
を備え、ここで、これらの重量は乾重量基準(DWB)で計算される。
【0048】
幾つかの例において、非晶質固体は、
1~60重量%のゲル化剤、及び/又は
5~80重量%のエアロゾル生成剤、及び/又は
10~60重量%のタバコ抽出物
を備え、ここで、これらの重量は乾重量基準(DWB)で計算される。
【0049】
本発明者らは、これらの組成を有する非晶質固体が、効率的に加熱されて、吸入可能なエアロゾルを生成できることを見出した。非晶質固体の更なる特徴は、後でより詳細に検討する。
【0050】
上記のように、本発明は、エアロゾル生成基体を燃焼させずに加熱することによってエアロゾル生成基体からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスを提供する。このエアロゾル生成デバイスは、少なくとも3つの加熱ゾーンを備え、これらの加熱ゾーンの各々は、エアロゾル生成基体の異なる部位を加熱するように配置されている。このエアロゾル生成デバイスは、使用時に、
(i)エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)エアロゾル生成基体の別の部位が、エアロゾル生成温度より低く、最低動作温度にほぼ等しいか又は最低動作温度を上回る中間温度まで加熱され、
(iii)エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度がエアロゾル生成温度から最低動作温度へ下げられ、(b)中間温度まで予め加熱された部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、(c)更なる部位が中間温度まで加熱されるように構成されている。
【0051】
このデバイスは、本発明の方法態様に係る加熱プロファイルを提供するように構成され、又はプログラムされていてもよい。
【0052】
幾つかの例において、このデバイスは、使用時にエアロゾル生成基体の異なる部位をそれぞれ加熱するように配置された4、5、6、7、8、又は9つの加熱ゾーンを備える。
【0053】
幾つかの例において、このデバイスはパフセンサーを備えてもよく、加熱ゾーンの温度の変化が、パフに応じて開始してもよい。
【0054】
幾つかの例において、このデバイスは、固体のエアロゾル生成基体を加熱するように構成されている。
【0055】
本発明は、上述のエアロゾル生成デバイスと、エアロゾル生成基体とを備えるエアロゾル生成組立品も提供する。
【0056】
幾つかの例では、エアロゾル生成基体の異なる部位(これらは使用時に順次に加熱される)の各々が、1回のパフのためのエアロゾルを提供する。幾つかの例では、各部位が、2回以上のパフのためのエアロゾルを提供する(これにより、より小型の組立品を提供しうる)。
【0057】
幾つかの例では、エアロゾル生成基体が非晶質固体を備える。
【0058】
幾つかの例において、エアロゾル生成組立品は、非燃焼加熱式(heat-not-burn)デバイスであってもよい。すなわち、エアロゾル生成組立品は、固体のタバコ含有材料を含んでもよい(液体のエアロゾル化可能材料は含まない)。幾つかの例において、非晶質固体は、タバコ材料を備えてもよい。非燃焼加熱式デバイスは、WO2015/062983A2に開示されており、その公報の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0059】
幾つかの例において、エアロゾル生成組立品は、電子タバコハイブリッドデバイスであってもよい。すなわち、エアロゾル生成組立品は、固体のエアロゾル化可能材料と液体のエアロゾル化可能材料を含んでもよい。幾つかの例において、非晶質固体は、ニコチンを備えてもよい。幾つかの例において、非晶質固体は、タバコ材料を備えてもよい。幾つかの例において、非晶質固体は、タバコ材料及び別個のニコチン源を備えてもよい。これら別個のエアロゾル化可能材料は、別個の加熱器によって加熱されてもよいし、同じ加熱器によって加熱されてもよいし、ある例では、下流のエアロゾル化可能材料が、上流のエアロゾル化可能材料から生成される高温のエアロゾルによって加熱されてもよい。電子タバコハイブリッドデバイスは、WO2016/135331A1に開示されており、この公報の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
幾つかの例において、この組立品は、フィルター及び/又は冷却要素を更に備えてもよい。冷却要素が存在する場合、冷却要素は、気体成分又はエアロゾル成分を冷却するように作用又は機能してもよい。幾つかの例において、冷却要素は、気体成分が凝縮してエアロゾルを形成するように気体成分を冷却するよう作用してもよい。冷却要素はまた、装置の非常に熱い部分を使用者から離間させるように作用してもよい。フィルターが存在する場合、フィルターは、セルロースアセテートプラグなど、当技術分野で公知の任意の適切なフィルターを備えてもよい。
【0061】
幾つかの例において、このデバイスには、エアロゾル化可能材料を燃焼させずに加熱するように構成された複数の加熱器があってもよい。例えば、加熱ゾーンごとに加熱器が1つずつあってもよい。幾つかの例では、3、4、5、6、7、8、9といった個数の加熱器があってもよい。1つの例では、少なくとも3つの加熱器がデバイス内に存在してもよい。そのような例では、それらの加熱器は、同じ種類の加熱器であってもよいし、異なる種類の加熱器であってもよい。これらの加熱器は、例えば、電気抵抗加熱器でも誘導加熱器でもよい。各加熱器は、可燃性熱源であってもよいし、使用時に発熱反応を経て熱を生成する化学熱源であってもよい。
【0062】
幾つかの例において、使用時に、非晶質固体の各部分の実質的に全てが、加熱器から約4mm、3mm、2mm、又は1mm未満にある。幾つかの例において、固体の各部分は、加熱器から約0.010mm~2.0mm、好適には約0.02mm~1.0mm、好適には0.1mm~0.5mmに配置される。これらの最小距離は、幾つかの例において、非晶質固体を支持するキャリアの厚さを反映してもよい。幾つかの例において、非晶質固体の表面は、加熱器に直接当接してもよい。
【0063】
エアロゾル生成組立品は、通気孔を更に備えてもよい。これらは、フィルター及び/又は冷却要素に設けられてもよい。これらの孔は、使用中に冷たい空気が組立品内に引き込まれることを可能にし、この冷たい空気は、加熱された揮発成分と混合し、それによってエアロゾルを冷却することができる。
【0064】
通気は、物品が使用時に加熱されるときに、物品から可視の加熱揮発成分が生成されることを促進する。加熱揮発成分は、加熱揮発成分の過飽和が生じるように加熱揮発成分を冷却する工程によって可視化される。加熱揮発成分は、この後、液滴形成(核形成としても知られる)を受け、最終的に、加熱揮発成分のエアロゾル粒子のサイズは、加熱揮発成分の更なる凝縮によって、及び加熱揮発成分から新たに形成された液滴の凝集によって、増大する。
【0065】
幾つかの例において、加熱揮発成分と冷たい空気との合計に対する冷たい空気の比率(通気比として知られる)は、少なくとも15%である。15%という通気比は、加熱揮発成分を上述の方法によって可視化することを可能にする。加熱揮発成分の可視性は、使用者が、揮発成分が生成されたことを識別できるようにし、喫煙体験の知覚体験を高める。
【0066】
別の例では、加熱揮発成分を更に冷却するために、通気比が50%~85%である。幾つかの例において、通気比は、少なくとも60%又は65%であってもよい。
【0067】
誤解を避けるために述べると、組立品は、デバイスによってそのまま加熱されるように配置された基体を含んでもよいし、他の態様で配置された基体を含んでもよい。幾つかの例において、組立品は、デバイス内に基体を設置してもよく、他の例では、組立品は、デバイスと、使用時にそのデバイス内に挿入される分離した基体とを備えてもよい。
【0068】
上記のように、本発明は、エアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾル生成基体からエアロゾルを生成する他の方法を提供する。ここで、エアロゾル生成基体は非晶質固体材料を備え、エアロゾル生成デバイスは、エアロゾル生成基体の異なる部位をそれぞれ加熱して、燃焼なしにエアロゾルを生成するように配置された少なくとも2つの加熱ゾーンを備える。この方法は、エアロゾル生成基体の異なる部位の各々からエアロゾルを順次に生成することを含み、加熱中、
(i)エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度がエアロゾル生成温度から最低動作温度へ下げられ、(b)更なる部位がエアロゾル生成温度まで加熱される。
【0069】
典型的には、任意の所与の時点において、1つの部位がエアロゾル生成温度にあり、他の全ての部位が最低動作温度にある。本発明者らは、この加熱プロファイルが、使用者への良好なエアロゾル送達をもたらすとともに、電力消費を最適化することを見出した。すなわち、
・最低動作温度は、基体の揮発成分/エアロゾル化成分が、凝縮することなく、意図した方法で使用者に送達されることを確実にする。基体を最低動作温度まで暖めることで、次に揮発される部位からのエアロゾル送達を、その部位が周囲温度にある場合よりも迅速に開始することが可能となる。エアロゾルの迅速な発生は、良好なパフプロファイルをもたらす。
・基体のうちエアロゾル化されている部位のみがエアロゾル生成温度へ加熱されることで、電力消費が最適化される。
【0070】
幾つかの例において、エアロゾル生成温度は、約120℃~約350℃の範囲、好適には約150℃、160℃、180℃、又は200℃~約300℃、250℃、230℃、220℃、200℃、又は180℃の範囲であってもよい。幾つかの例において、エアロゾル生成温度は、約190℃~約300℃であってもよい。幾つかの例において、エアロゾル生成温度は、約230℃~約250℃、好適には約240℃であってもよい。
【0071】
幾つかの例において、最低動作温度は、約30℃~約170℃の範囲、好適には約35℃又は約50℃~約160℃、150℃、100℃、又は80℃の範囲であってもよい。幾つかの例において、最低動作温度は、約30℃~約120℃の範囲、好適には約30℃、35℃、40℃、又は50℃~約100℃、80℃、60℃、又は55℃の範囲であってもよい。
【0072】
上記の方法の変形例において、本発明は、基体の異なる部位の各々からエアロゾルが、最上流の部位から最下流の部位まで(ここで、上流及び下流は、使用時におけるエアロゾル流の方向を指す。)、順次に生成される代替の実施形態を提供する。この代替例では、1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度が周囲温度(この温度では、該部位に熱が提供されない)へ下げられ、(b)更なる部位がエアロゾル生成温度まで加熱される。
【0073】
誤解を避けるために述べると、他の実施形態に関連して上述した特徴は、互換性がある限り、これらの実施形態と組み合わせて明示的に開示されている。
【0074】
本発明は、エアロゾル生成基体を燃焼させずに加熱することによってエアロゾル生成基体からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスも提供する。ここで、エアロゾル生成基体は非晶質固体材料を備え、このデバイスは、少なくとも2つの加熱ゾーンを備え、これらの加熱ゾーンの各々は、エアロゾル生成基体の異なる部位を加熱するように配置されており、このデバイスは、使用時に、
(i)エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度がエアロゾル生成温度から最低動作温度へ下げられ、(b)更なる部位がエアロゾル生成温度まで加熱されるように構成されている。
【0075】
誤解を避けるために述べると、他の実施形態に関連して上述した特徴は、互換性がある限り、これらの実施形態と組み合わせて明示的に開示されている。
【0076】
非晶質固体材料の組成及び製造
上記のように、幾つかの例において、エアロゾル生成基体は非晶質固体を備えており、この非晶質固体自体は、
1~60重量%のゲル化剤、並びに/又は
5~80重量%のエアロゾル生成剤、並びに/又は
0.1~60重量%の少なくとも1つの活性物質及び/若しくは香味料、
を備え、ここで、これらの重量は乾重量基準(DWB)で計算される。
【0077】
幾つかの例において、エアロゾル生成基体は非晶質固体を備えており、この非晶質固体自体は、
1~60重量%のゲル化剤、及び/又は
5~80重量%のエアロゾル生成剤、及び/又は
10~60重量%のタバコ抽出物
を備え、ここで、これらの重量は乾重量基準(DWB)で計算される。
【0078】
非晶質固体は、幾つかの例において、ヒドロゲルであってもよく、湿重量基準(WWB)で計算して約20重量%、15重量%、12重量%、又は10重量%未満の水を備える。幾つかの例において、非晶質固体は、(WWBで)少なくとも約1重量%、2重量%、又は5重量%の水を備えてもよい。非晶質固体は、約10重量%の水を備えてもよい。
【0079】
幾つかの例において、非晶質固体は、(DWBで)約1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、又は20重量%から約80重量%、70重量%、60重量%、50重量%、40重量%、30重量%、又は25重量%までのゲル化剤を備えてもよい。例えば、非晶質固体は、(DWBで)1~50重量%、10~40重量%、15~30重量%、又は20~25重量%のゲル化剤を備えてもよい。
【0080】
幾つかの実施形態において、ゲル化剤は親水コロイドを備える。幾つかの実施形態において、ゲル化剤は、アルギン酸塩、ペクチン、デンプン(及び誘導体)、セルロース(及び誘導体)、ガム、シリカ又はシリコーン化合物、クレイ、ポリビニルアルコール、及びこれらの組み合わせを含む群から選択される1つ以上の化合物を備える。例えば、幾つかの実施形態において、ゲル化剤は、アルギン酸塩、ペクチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、アガロース、アカシアガム、フュームドシリカ、PDMS、ケイ酸ナトリウム、カオリン、及びポリビニルアルコールのうちの1つ以上を備える。幾つかの例において、ゲル化剤は、アルギン酸塩及び/又はペクチンを備え、非晶質固体の形成中に硬化剤(カルシウム源など)と結合させてもよい。幾つかの例において、非晶質固体は、カルシウム架橋アルギン酸塩及び/又はカルシウム架橋ペクチンを備えてもよい。
【0081】
幾つかの実施形態において、ゲル化剤はアルギン酸塩を備え、このアルギン酸塩は、非晶質固体の10~30重量%(乾重量基準で計算)の量で非晶質固体中に存在する。幾つかの実施形態において、アルギン酸塩は、非晶質固体中に存在する唯一のゲル化剤である。他の実施形態では、ゲル化剤は、アルギン酸塩と、少なくとも1つの更なるゲル化剤、例えばペクチンを備える。
【0082】
幾つかの実施形態において、非晶質固体は、カラギーナンを備えるゲル化剤を含んでもよい。
【0083】
非晶質固体は、(DWBで)約5重量%、10重量%、20重量%、25重量%、27重量%、又は30重量%から約80重量%、70重量%、60重量%、55重量%、50重量%、45重量%、40重量%、又は35重量%までのエアロゾル生成剤を備えてもよい。エアロゾル生成剤は、可塑剤として作用してもよい。例えば、非晶質固体は、10~60重量%、25~40重量%、又は30~35重量%のエアロゾル生成剤を備えてもよい。幾つかの例において、エアロゾル生成剤は、エリスリトール、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、ソルビトール及びキシリトールから選択される1つ以上の化合物を備える。幾つかの例において、エアロゾル生成剤は、グリセロールを備えるか、グリセロールから本質的になるか、又はグリセロールからなる。本発明者らは、可塑剤の含有量が高すぎると、(エアロゾル生成剤は吸湿性なので)非晶質固体が水を吸収し、その結果、使用時に適切な消費体験を生み出さない材料が得られる可能性があることを見出した。本発明者らは、可塑剤の含有量が低すぎると、非晶質固体が脆くなり、容易に壊れる可能性があることを見出した。本明細書で特定される可塑剤含有量は、非晶質固体シートをボビンに巻き取ることを可能にする非晶質固体可撓性をもたらし、これはエアロゾル生成物品の製造に有用である。
【0084】
幾つかの例において、非晶質固体は、活性物質を更に備える。例えば、幾つかの例において、非晶質固体は、タバコ材料及び/又はニコチンを更に備える。例えば、非晶質固体は、粉末タバコ及び/又はニコチン及び/又はタバコ抽出物を更に備えてもよい。幾つかの例において、非晶質固体は、約0.1重量%、1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、又は25重量%から約70重量%、50重量%、45重量%、又は40重量%(乾重量基準で計算)までの活性物質を備えてもよい。
【0085】
非晶質固体は、(DWBで)約1重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、又は45重量%から約50重量%、55重量%、又は60重量%までのタバコ抽出物を備えてもよい。例えば、非晶質固体は、20~60重量%、40~55重量%、又は45~50重量%のタバコ抽出物を備えてもよい。タバコ抽出物は、非晶質固体が(DWBで)1重量%、1.5重量%、又は2重量%~約6重量%、5重量%、4重量%、又は3重量%のニコチンを備えるような濃度でニコチンを含有してもよい。幾つかの例では、タバコ抽出物から得られるもの以外のニコチンが非晶質固体中に存在しなくてもよい。
【0086】
幾つかの例において、タバコ抽出物は、水での抽出により得られる水性抽出物であってもよい。タバコ抽出物は、バージニア及び/又はバーレー及び/又はオリエンタルを含む、単一グレード又はブレンド、刻みラグ又は全葉などの任意の適切なタバコからの抽出物であってもよい。それはまた、タバコ粒子の「微粉」又は粉塵、膨化タバコ、葉柄、膨化葉柄、及び他の加工葉柄材料(圧延刻み葉柄など)からの抽出物であってもよい。抽出物は、挽きタバコ又は再構成タバコ材料から得られるものであってもよい。
【0087】
幾つかの例において、非晶質固体は香料を備えてもよい。好適には、非晶質固体は、約60重量%、50重量%、40重量%、30重量%、20重量%、10重量%、又は5重量%までの香料を備えてもよい。幾つかの例において、非晶質固体は、少なくとも約0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、5重量%、10重量%、20重量%、又は30重量%の香料を備えてもよい(全て乾重量基準で計算)。例えば、非晶質固体は、0.1~60重量%、1~60重量%、5~60重量%、10~60重量%、20~50重量%、又は30~40重量%の香料を備えてもよい。幾つかの例において、香料(もし存在すれば)は、メンソールを備えるか、メンソールから本質的になるか、又はメンソールからなる。幾つかの例において、非晶質固体は香料を備えない。
【0088】
幾つかの例において、活性物質及び/又は香料の総含有量は、少なくとも約0.1重量%、1重量%、5重量%、10重量%、20重量%、25重量%、又は30重量%であってもよい。幾つかの例において、活性物質及び/又は香料の総含有量は、約80重量%、70重量%、60重量%、50重量%、又は40重量%未満であってもよい(すべて乾重量基準で計算)。
【0089】
幾つかの実施形態において、非晶質固体は、60重量%未満の充填剤、例えば、1重量%~60重量%、又は5重量%~50重量%、又は5重量%~30重量%、又は10重量%~20重量%の充填剤を備える。
【0090】
他の実施形態では、非晶質固体は、20重量%未満、好適には10重量%未満又は5重量%未満の充填剤を備える。幾つかの例において、非晶質固体は、1重量%未満の充填剤を備え、幾つかの例においては、充填剤を備えない。
【0091】
充填剤が存在する場合、充填剤は、1つ以上の無機充填材料、例えば炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び適切な無機吸着剤(モレキュラーシーブなど)を備えてもよい。充填剤は、1つ以上の有機充填材料、例えば木材パルプ、セルロース及びセルロース誘導体を備えてもよい。特定の例では、非晶質固体が、チョークなどの炭酸カルシウムを備えない。
【0092】
充填剤を含む特定の実施形態では、充填剤は繊維質である。例えば、充填剤は、繊維質有機充填剤材料、例えば木材パルプ、麻繊維、セルロース又はセルロース誘導体であってもよい。理論に束縛されることを望むものではないが、非晶質固体中に繊維質充填剤を含むことで、材料の引張強度を増加させうると考えられる。これは、非晶質固体がシートとして提供される例、例えば、非晶質固体シートがエアロゾル化可能材料のロッドを取り囲むとき、において特に有利となりうる。
【0093】
幾つかの実施形態において、非晶質固体はタバコ繊維を備えない。特定の実施形態では、非晶質固体は繊維質材料を備えない。
【0094】
幾つかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、タバコ繊維を備えない。特定の実施形態において、エアロゾル生成材料は、繊維質材料を備えない。
【0095】
幾つかの実施形態において、エアロゾル生成基体は、タバコ繊維を備えない。特定の実施形態において、エアロゾル生成基体は、繊維質材料を備えない。
【0096】
幾つかの実施形態において、エアロゾル生成物品は、タバコ繊維を備えない。特定の実施形態において、エアロゾル生成物品は、繊維質材料を備えない。
【0097】
幾つかの例において、シート形態の非晶質固体は、約200N/m~約900N/mの引張強度を有してもよい。非晶質固体が充填剤を備えない例など、幾つかの例において、非晶質固体は、200N/m~400N/m、又は200N/m~300N/m、又は約250N/mの引張強度を有してもよい。このような引張強度は、エアロゾル生成材料がシートとして形成され、次いで細断され、エアロゾル生成物品に組み込まれる実施形態に特に好適となりうる。非晶質固体が充填剤を備える例など、幾つかの例において、非晶質固体は、600N/m~900N/m、又は700N/m~900N/m、又は約800N/mの引張強度を有してもよい。このような引張強度は、エアロゾル生成材料が、巻かれたシートとして、好適には管の形態で、エアロゾル生成物品/組立品に含まれる実施形態に特に好適となりうる。
【0098】
非晶質固体を備えるエアロゾル生成材料は、任意の適切な面密度、例えば30g/m2~120g/m2を有してもよい。幾つかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、約30~70g/m2、又は約40~60g/m2の面密度を有してもよい。幾つかの実施形態において、非晶質固体は、約80~120g/m2、又は約70~110g/m2、又は特に約90~110g/m2の面密度を有してもよい。このような面密度は、エアロゾル生成材料がエアロゾル生成物品/組立品にシート形態で、又は細断シートとして含まれる場合(以下で更に説明する)に特に好適となりうる。
【0099】
幾つかの例において、非晶質固体は、ゲル化剤、エアロゾル生成剤、タバコ抽出物、水、及び任意で香料から本質的になるか、又はそれらからなっていてもよい。幾つかの例において、非晶質固体は、グリセロール、アルギン酸塩及び/又はペクチン、タバコ抽出物、並びに水から本質的になるか、又はそれらからなっていてもよい。
【0100】
幾つかの例において、エアロゾル生成基体は、非晶質固体が設置されるキャリアを更に備えてもよい。キャリアは、例えば(a)スラリーが(例えば、キャスティング、噴霧、又は押出によって)付与される面(そして、スラリーを後にそこから分離させる必要のない面)を提供し、(b)エアロゾル生成材料に対して非粘着性の面を提供し、(c)その材料に幾らかの剛性をもたらすことを通じて、製造及び/又は取り扱いを容易にしてもよい。
【0101】
幾つかの例において、キャリアは、金属箔、紙、カーボン紙、耐油紙、セラミック、炭素同素体(例えばグラファイト及びグラフェン)、プラスチック、厚紙、木材、又はこれらの組み合わせから選択される材料から形成されてもよい。幾つかの例において、キャリアは、金属箔、紙、厚紙、木材、又はそれらの組み合わせから選択される材料から形成されてもよい。幾つかの例において、キャリア自体は、前述のリストから選択される複数の材料の層を備える積層構造である。幾つかの例において、キャリアに香味料又は更なるタバコ抽出物を含浸させてもよい。
【0102】
幾つかの例において、キャリアは、気体及び/又はエアロゾルに対して実質的に又は完全に不透過性であってもよい。これは、使用中にエアロゾル又は気体がキャリアを通過することを防止し、それによって流れを制御し、エアロゾル又は気体が使用者に確実に送達されるようにする。これはまた、使用中に気体/エアロゾルが、例えばエアロゾル生成組立品内に設けられた加熱器の表面上で、凝縮又は他の堆積を生じることを防止するために利用することもできる。このようにして、幾つかの例において、消費効率及び衛生を改善することができる。
【0103】
幾つかの例において、エアロゾル生成物品中のキャリアは、非晶質固体に当接する多孔質層を備え、又はその多孔質層からなっていてもよい。例えば、この多孔質層は、紙層であってもよい。幾つかの特定の例において、非晶質固体は、多孔質層と直接接触するように配置され、多孔質層は非晶質固体に当接し、強い結合を形成する。非晶質固体は、ゲルを乾燥させることによって形成され、そして、理論によって限定されるものではないが、ゲルを形成するスラリーは、多孔質層(例えば、紙)に部分的に含浸し、その結果、ゲルが硬化して架橋を形成するときに多孔質層が部分的にゲルに結合されると考えられる。これは、ゲルと多孔質層との間(及び乾燥ゲルと多孔質層との間)に強い結合をもたらす。
【0104】
これに加えて、表面粗さが、非晶質材料及びキャリア間の結合の強度に寄与しうる。本発明者らは、(キャリアに当接する表面の)紙の粗さが、好適には50~1000ベック(Bekk)秒の範囲であって、好適には50~150ベック秒、好適には100ベック秒(50.66~48.00kPaの空気圧区間にわたって測定)でありうることを見出した(ベック平滑度試験機は、紙表面の平滑度を測定するために使用される機器である。この試験機では、平滑なガラス表面と紙試料との間に特定圧力の空気が侵入させられる。これらの表面の間に、ある固定体積の空気が浸透する時間(秒)が「ベック平滑度」である)。
【0105】
逆に、キャリアのうち非晶質固体に対向しない表面は、加熱器に接触させて配置されてもよく、また、より滑らかな表面は、より効率的な熱移動を提供しうる。したがって、幾つかの例において、キャリアは、非晶質材料に当接する、より粗い面と、非晶質材料に対向しない、より滑らかな面とを有するように配置される。
【0106】
1つの特定の例では、キャリアは、紙で裏打ちされた箔であってもよく、ここで、紙層は非晶質固体層に当接し、これまでの段落で論じた特性がこの当接によってもたらされる。箔裏打ちは実質的に不浸透性であり、エアロゾル流路の制御をもたらす。金属箔裏打ちは、非晶質固体に熱を伝える作用も果たしうる。
【0107】
別の例では、紙裏打ち箔の箔層が非晶質固体に当接する。箔は実質的に不浸透性であり、非晶質固体中に与えらされる水分が紙に吸収される(これは、紙の構造的一体性を弱めかねない)ことを防止する。
【0108】
幾つかの例において、キャリアは、金属箔(アルミニウム箔など)から形成されるか、又は金属箔を備える。金属のキャリアは、非晶質固体への熱エネルギーのより良好な伝達を可能にしうる。加えて、又は代替として、金属箔は、誘導加熱システム内のサセプタとして機能してもよい。特定の実施形態では、キャリアは、金属箔層と、支持層(厚紙など)を備える。これらの実施形態では、金属箔層は、20μm未満、例えば約1μm~約10μm、好適には約5μmの厚さを有してもよい。
【0109】
幾つかの例において、キャリアは磁性であってもよい。この機能は、使用時にキャリアを組立品に固定するために使用されてもよく、又は特定の非晶質固体形状を生成するために使用されてもよい。幾つかの例において、エアロゾル生成基体は、使用時に基体を誘導加熱器に固定するために使用することのできる1つ以上の磁石を備えてもよい。
【0110】
幾つかの例において、エアロゾル生成基体は、抵抗加熱要素又は誘導加熱要素などの、非晶質固体に埋め込まれた加熱手段を備えていてもよい。
【0111】
幾つかの例において、非晶質固体は、約0.015mm~約1.0mmの厚さを有してもよい。好適には、厚さは、約0.05mm、0.1mm、又は0.15mm~約0.5mm又は0.3mmの範囲であってもよい。本発明者らは、0.2mmの厚さを有する材料が特に適していることを見出した。非晶質固体は、2つ以上の層を備えてもよく、本明細書に記載される厚さは、これらの層の合計厚さを指す。
【0112】
本発明者らは、非晶質固体が厚すぎる場合、加熱効率及びエアロゾル送達が損なわれることを見出した。これは、使用時の消費電力に悪影響を及ぼす。逆に、非晶質固体が薄すぎる場合、製造及び取り扱いが困難である。つまり、非常に薄い材料は、キャストすることがより困難であり、また、壊れやすく、使用中のエアロゾル形成を損なう可能性がある。
【0113】
本発明者らは、本明細書で規定される非晶質固体の厚さが、これらの競合する検討事項を考慮して材料特性を最適化することを見出した。本明細書に規定される厚さは、材料の平均厚さである。幾つかの例において、非晶質固体の厚さは、25%、20%、15%、10%、5%、又は1%以下だけ変動してもよい。
【0114】
非晶質固体は、異なる部位が別々に加熱される単一のモノリスとして、エアロゾル生成基体に組み込まれてもよい。幾つかのそのような例において、非晶質固体は、シート形態であってもよい。
【0115】
非晶質固体がシート形態である例において、非晶質固体は、平坦なシートとして、ひだ若しくはギャザーをつけたシートとして、波形のシートとして、又は巻かれたシートとして(すなわち、管の形態で)含まれてもよい。そのような例の幾つかにおいて、これらの実施形態の非晶質固体は、シートとして、例えばエアロゾル化可能材料(タバコなど)のロッドを取り囲むシートとして、エアロゾル生成物品/組立品に含まれてもよい。他の幾つかの例では、エアロゾル生成材料は、シートとして形成され、次いで細断され、物品に組み込まれてもよい。幾つかの例において、細断されたシートは、刻みラグタバコと混合され、物品に組み込まれてもよい。
【0116】
他の例において、非晶質固体は、エアロゾル生成基体中の複数の別個の部位に組み込まれてもよく、ここで、各部位は、別々の加熱ゾーン内に配置される。
【0117】
非晶質固体材料は、(a)非晶質固体材料の成分を備えるスラリーを形成するステップ、(b)スラリーの層を形成するステップ、(c)スラリーを硬化させてゲルを形成するステップ、及び(d)ゲルを乾燥させて非晶質固体を形成するステップを備える方法によって作製されてもよい。
【0118】
スラリーの層を形成するステップ(b)は、例えば、スラリーを噴霧する、キャストする、又は押出すことを含んでもよい。幾つかの例において、この層は、スラリーを静電噴霧することによって形成される。幾つかの例において、この層は、スラリーをキャストすることによって形成される。
【0119】
幾つかの例において、ステップ(b)及び/又は(c)及び/又は(d)は、少なくとも部分的に、同時に(例えば、静電噴霧中に)行われてもよい。幾つかの例において、これらのステップは、順次に行われてもよい。
【0120】
幾つかの例において、ゲルを硬化させるステップ(c)は、スラリーへ硬化剤を添加することを含んでもよい。例えば、スラリーは、ゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、又はアルギン酸アンモニウムを備えてもよく、カルシウム源(例えば、塩化カルシウム)を備える硬化剤をこのスラリーに添加して、アルギン酸カルシウムゲルを形成してもよい。
【0121】
硬化剤、例えばカルシウム源、の総量は、0.5~5重量%(乾重量基準で計算)であってもよい。本発明者らは、硬化剤の添加量が少なすぎると、非晶質固体成分を安定化させずに、これらの成分が非晶質固体から脱落することを招くような非晶質固体が得られる可能性があることを見出した。本発明者らは、硬化剤の添加量が多すぎると、非常に粘着性で、結果として取り扱い性に乏しい非晶質固体が得られることを見出した。
【0122】
しかしながら、幾つかの例では、硬化剤は不要である。タバコ抽出物が、ゲル化を生じさせるのに十分なカルシウムを含みうるからである。
【0123】
アルギン酸塩はアルギン酸の誘導体であり、典型的には高分子量重合体(10~600kDa)である。アルギン酸は、(1,4)-グリコシド結合で連結されて多糖を形成するβ-D-マンヌロン酸(M)及びα-L-グルロン酸(G)ユニット(ブロック)の共重合体である。カルシウムカチオンが添加されると、アルギン酸塩は架橋してゲルを形成する。本発明者らは、高いG単量体含有量を有するアルギン酸塩が、カルシウム源の添加時に、より容易にゲルを形成すると判断した。したがって、幾つかの例において、ゲル前駆体は、アルギン酸塩共重合体中の単量体ユニットの少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、又は70%がα-L-グルロン酸(G)ユニットであるアルギン酸塩を備えてもよい。
【0124】
スラリー自体も本発明の一部を形成しうる。幾つかの例において、スラリー溶媒は、水から本質的になるか、又は水からなっていてもよい。幾つかの例において、スラリーは、(WWBで)約50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、又は90重量%以上の溶媒を備えていてもよい。
【0125】
幾つかの例において、スラリーは、46.5℃において約10~約20Pa・sの粘度、例えば、46.5℃において約14~約16Pa・sの粘度を有する。
【0126】
溶媒が水からなる例では、スラリーの乾重量含有量が、非晶質固体の乾重量含有量と一致してもよい。このように、固体の組成に関する本明細書での検討は、本発明のスラリー態様と組み合わせて明示的に開示されている。
【0127】
非晶質固体の例示の実施形態
幾つかの実施形態において、非晶質固体はメンソールを備える。
【0128】
メンソール含有非晶質固体を備える特定の実施形態は、エアロゾル生成物品/組立品に細断シートとして含めるのに特に適しうる。これらの実施形態では、非晶質固体は、以下の組成(DWB)を有してもよく、すなわち、(DWBで)約20重量%~約40重量%、又は約25重量%~35重量%の量のゲル化剤(好ましくはアルギン酸塩を備え、より好ましくはアルギン酸塩とペクチンの組み合わせを備える)、約35重量%~約60重量%、又は約40重量%~55重量%の量のメンソール、及び約10重量%~約30重量%、又は約15重量%~約25重量%の量のエアロゾル生成剤(好ましくはグリセロールを備える)という組成を有してもよい。
【0129】
一実施形態では、非晶質固体は、(DWBで)約32~33重量%のアルギン酸塩/ペクチンゲル化剤ブレンド、約47~48重量%のメンソール香味料、及び約19~20重量%のグリセロールエアロゾル生成剤を備える。
【0130】
上述のように、これらの実施形態の非晶質固体は、細断シートとしてエアロゾル生成物品/組立品に含まれてもよい。この細断シートは、刻みタバコとブレンドされて物品/組立品に提供されてもよい。あるいは、非晶質固体は、非細断シートとして提供されてもよい。好適には、細断又は非細断シートは、約0.015mm~約1mm、好ましくは約0.02mm~約0.07mmの厚さを有する。
【0131】
メンソール含有非晶質固体の特定の実施形態は、シート、例えばエアロゾル化可能材料(タバコなど)のロッドを取り囲むシート、としてエアロゾル生成物品/組立品に含めるのに特に適しうる。これらの実施形態では、非晶質固体は、以下の組成(DWB)を有してもよく、すなわち、(DWBで)約5重量%~約40重量%、又は約10重量%~30重量%の量のゲル化剤(好ましくは、アルギン酸塩を備え、より好ましくは、アルギン酸塩とペクチンの組み合わせを備える)、約10重量%~約50重量%、又は約15重量%~40重量%の量のメンソール、約5重量%~約40重量%、又は約10重量%~約35重量%の量のエアロゾル生成剤(好ましくは、グリセロールを備える)、及び任意で60重量%までの量(例えば、5重量%~20重量%、又は40重量%~60重量%の量)の充填剤という組成を有してもよい。
【0132】
これらの実施形態の1つでは、非晶質固体は、(DWBで)約11重量%のアルギン酸塩/ペクチンゲル化剤ブレンド、約56重量%の木材パルプ充填剤、約18%のメンソール香味料、及び約15重量%のグリセロールを備える。
【0133】
これらの実施形態の別の1つでは、非晶質固体は、(DWBで)約22重量%のアルギン酸塩/ペクチンゲル化剤ブレンド、約12重量%の木材パルプ充填剤、約36%のメンソール香味料、及び約30重量%のグリセロールを備える。
【0134】
上記のように、これらの実施形態の非晶質固体は、シートとして含まれてもよい。一実施形態では、このシートは、紙を備えるキャリア上に設置される。一実施形態では、このシートは、金属箔、好適にはアルミニウム金属箔、を備えるキャリア上に設置される。この実施形態では、非晶質固体は金属箔に当接してもよい。
【0135】
一実施形態では、シートは、シートの上面及び底面に取り付けられた層(好ましくは紙を備える)とともに積層材料の一部を形成する。好適には、非晶質固体のシートは、約0.015mm~約1mmの厚さを有する。
【0136】
幾つかの実施形態において、非晶質固体は、メンソールを備えない香味料を備える。これらの実施形態では、非晶質固体は、以下の組成(DWB)を有してもよく、すなわち、(DWBで)約5~約40重量%、又は約10重量%~約35重量%、又は約20重量%~約35重量%の量のゲル化剤(好ましくはアルギン酸塩を備える)、約0.1重量%~約40重量%、約1重量%~約30重量%、約1重量%~約20重量%、又は約5重量%~約20重量%の量の香味料、15重量%~75重量%、約30重量%~約70重量%、又は約50重量%~約65重量%の量のエアロゾル生成剤(好ましくはグリセロールを備える)、及び任意で約60重量%、約20重量%、約10重量%、又は約5重量%未満の量の充填剤(好適には木材パルプ)という組成を有してもよい(好ましくは、非晶質固体は充填剤を備えない)。
【0137】
これらの実施形態の1つでは、非晶質固体は、(DWBで)約27重量%のアルギン酸塩ゲル化剤、約14重量%の香味料、及び約57重量%のグリセロールエアロゾル生成剤を備える。
【0138】
これらの実施形態の別の1つでは、非晶質固体は、(DWBで)約29重量%のアルギン酸塩ゲル化剤、約9重量%の香味料、及び約60重量%のグリセロールを備える。
【0139】
これらの実施形態の非晶質固体は、細断シートとして、任意で刻みタバコとブレンドされて、エアロゾル生成物品/組立品に含まれてもよい。あるいは、これらの実施形態の非晶質固体は、シート、例えばエアロゾル化可能材料(タバコなど)のロッドを取り囲むシート、としてエアロゾル生成物品/組立品に含まれてもよい。あるいは、これらの実施形態の非晶質固体は、キャリア上に配置された層部分としてエアロゾル生成物品/組立品に含まれてもよい。
【0140】
幾つかの実施形態において、非晶質固体はタバコ抽出物を備える。これらの実施形態では、非晶質固体は、以下の組成(DWB)を有してもよく、すなわち、(DWBで)約5重量%~約40重量%、約10重量%~30重量%、又は約15重量%~約25重量%の量のゲル化剤(好ましくはアルギン酸塩を備える)、約30重量%~約60重量%、約40重量%~55重量%、又は約45重量%~約50重量%の量のタバコ抽出物、約10重量%~約50重量%、約20重量%~約40重量%、又は約25重量%~約35重量%の量のエアロゾル生成剤(好ましくはグリセロールを備える)という組成を有してもよい。
【0141】
一実施形態では、非晶質固体は、(DWBで)約20重量%のアルギン酸塩ゲル化剤、約48重量%のバージニアタバコ抽出物、及び約32重量%のグリセロールを備える。
【0142】
これらの実施形態の非晶質固体は、任意の適切な含水量を有してもよい。例えば、非晶質固体は、約5重量%~約15重量%、又は約7重量%~約13重量%、又は約10重量%の含水量を有してもよい。
【0143】
これらの実施形態の非晶質固体は、細断シートとして、任意で刻みタバコとブレンドされて、エアロゾル生成物品/組立品に含まれてもよい。あるいは、これらの実施形態の非晶質固体は、シート、例えばエアロゾル化可能材料(タバコなど)のロッドを取り囲むシート、としてエアロゾル生成物品/組立品に含まれてもよい。あるいは、これらの実施形態の非晶質固体は、キャリア上に配置された層部分としてエアロゾル生成物品/組立品に含まれてもよい。好適には、これらの実施形態のいずれにおいても、非晶質固体は、約50μm~約200μm、又は約50μm~約100μm、又は約60μm~約90μm、好適には約77μmの厚さを有する。
【0144】
この非晶質固体を形成するためのスラリーも本発明の一部を形成しうる。幾つかの例において、スラリーは、約5~1200Paの弾性率(貯蔵弾性率とも呼ばれる)を有してもよく、幾つかの例において、スラリーは、約5~600Paの粘性率(損失弾性率とも呼ばれる)を有してもよい。
【0145】
定義
本明細書で使用される活性物質は、生理活性材料、すなわち、生理反応を達成又は増強するための材料である。活性物質は、例えば、機能性食品、向知性物質、及び精神作用物質から選択してもよい。活性物質は、天然に存在するものでもよいし、合成により得られるものでもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、ビタミン(B6、B12、Cなど)、メラトニン、カンナビノイド、又はそれらの成分、誘導体、若しくは組み合わせを備えてもよい。活性物質は、タバコ、大麻又は他の植物性材料の成分、誘導体又は抽出物を1つ以上備えてもよい。
【0146】
幾つかの実施形態において、活性物質はニコチンを備える。
【0147】
幾つかの実施形態において、活性物質はカフェイン、メラトニン又はビタミンB12を備える。
【0148】
本明細書に記載されるように、活性物質は、大麻の1つ以上の成分、誘導体又は抽出物、例えば1つ以上のカンナビノイド又はテルペン、を備えてもよい。
【0149】
カンナビノイドは、脳内の神経伝達物質放出を抑制する細胞内のカンナビノイド受容体(すなわち、CB1及びCB2)に作用する天然又は合成化合物の一分類である。カンナビノイドは、大麻などの植物から天然に見つかるもの(フィトカンナビノイド)でもよいし、動物からのもの(内因性カンナビノイド)でもよいし、人工的に製造されたもの(合成カンナビノイド)でもよい。大麻種は、少なくとも85の異なるフィトカンナビノイドを表し、複数の下位分類に分けられる。これらの下位分類には、カンナビゲロール、カンナビクロメン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビノール及びカンナビノジオール、及び他のカンナビノイドが含まれる。大麻中に見つかるカンナビノイドには、これらに限定されるものではないが、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変異体(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)が含まれる。
【0150】
本明細書に記載されるように、活性物質は、1つ以上の植物性材料又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を備えるか、又はそれらに由来してもよい。本明細書中で使用される場合、用語「植物性材料」は、植物に由来する任意の材料を含み、これらに限定されるものではないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、殻、皮などを含む。あるいは、この材料は、植物性材料中に天然に存在し、又は合成により得られる活性化合物を備えてもよい。この材料は、液体、気体、固体、粉末、粉塵、破砕粒子、顆粒、ペレット、断片、細片、シートなどの形態であってもよい。植物性材料の例は、タバコ、ユーカリノキ、スターアニス、麻、カカオ、大麻、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、ショウガ、イチョウ葉エキス、ハシバミ、ハイビスカス、ローリエ、甘草、抹茶、マテ、オレンジピール、パパイヤ、バラ、セージ、茶(緑茶、紅茶など)、タイム、クローヴ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ジュニパー、ニワトコの花、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、ウコン、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、マルベリー、チョウセンニンジン、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ、又はそれらの任意の組み合わせである。ミントは、以下のミント品種、すなわち、ヨウシュハッカ(Mentha arvensis)、グレープフルーツミント(Mentha c.v.)、エジプシャンミント(Mentha niliaca)、ペパーミント(Mentha piperita)、ライムミント(Mentha piperita citrata c.v.)、チョコレートミント(Menthapiperita c.v.)、カーリーミント(Mentha spicata crispa)、ワイルドミント(Mentha cordifolia)、ホースミント(Mentha longifolia)、パイナップルミント(Mentha suaveolens variegata)、ペニーロイヤルミント(Menthapulegium)、イングリッシュスペアミント(Mentha spicata c.v.)、及びアップルミント(Mentha suaveolens)から選択してもよい。
【0151】
幾つかの実施形態において、植物性材料は、ユーカリノキ、スターアニス、カカオ、及び麻から選択される。
【0152】
幾つかの実施形態において、植物性材料は、ルイボス及びウイキョウから選択される。
【0153】
本明細書で使用するとき、用語「香料」及び「香味料」は、現地の規制が許す場合に成人消費者向けの製品に所望の味、香り、又は他の体性感覚を作り出すために使用できる材料を指す。それらは、天然に存在する香味材料、植物性材料、植物性材料の抽出物、合成により得られる材料、又はそれらの組み合わせ(例えば、タバコ、大麻、甘草、アジサイ、ユージノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローヴ、メープル、抹茶、メンソール、ニホンハッカ、アニスの実(アニス)、シナモン、ターメリック、インディアンスパイス、アジアンスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、レッドベリー、クランベリー、ピーチ、アップル、オレンジ、マンゴー、クレメンティン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、マルベリー、柑橘類、ドランブイ(Drambuie)、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、カット(khat)、ナスワール(naswar)、キンマ(betel)、シーシャ(shisha)、パイン、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピーマン、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、麻、ミント属の任意の品種から得られるミント油、ユーカリノキ、スターアニス、カカオ、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、マテ、オレンジの皮、バラ、茶(緑茶、紅茶など)、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味増強剤、苦味受容体部位遮断薬、感覚受容体部位活性化剤、若しくは刺激剤、糖類及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、またはマンニトール)、並びに他の添加剤、例えば、木炭、クロロフィル、ミネラル、植物性材料、又は呼気清涼化剤を含んでもよい。それらは、模造成分、合成成分、若しくは天然成分、又はそれらのブレンドであってもよい。それらは、任意の適切な形態、例えば、液体(油など)、固体(粉末など)、又は気体とすることができる。
【0154】
香料は、好適には、1種類以上のミント香料、好適にはミント属の任意の品種から得られるミント油を備えてもよい。香料は、好適には、メンソールを備えるか、メンソールから本質的になるか、又はメンソールからなってもよい。
【0155】
幾つかの実施形態において、香料は、メンソール、スペアミント、及び/又はペパーミントを備える。
【0156】
幾つかの実施形態において、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類果実、及び/又はレッドベリーの香味成分を備える。
【0157】
幾つかの実施形態において、香料はオイゲノールを備える。
【0158】
幾つかの実施形態において、香料は、タバコから抽出された香味成分を備える。
【0159】
幾つかの実施形態において、香料は、大麻から抽出された香味成分を備える。
【0160】
幾つかの実施形態において、香料は、嗅神経又は味覚神経に加えて、又はその代わりに、第5の脳神経(三叉神経)を刺激することによって通常化学的に誘起され、知覚される体性感覚を達成することを目的とした感覚剤を備えてもよく、これらは、加熱効果、冷却効果、ひりつき効果、麻痺効果を提供する薬剤を含んでもよい。適切な熱効果剤は、これに限定されるものではないが、バニリルエチルエーテルであってもよく、適切な冷却剤は、これに限定されるものではないが、ユーカリプトールやWS-3であってもよい。
【0161】
本明細書で使用される「エアロゾル生成剤」という用語は、エアロゾルの発生を促進する薬剤を指す。エアロゾル生成剤は、吸入可能な固体及び/又は液体のエアロゾルへの気体の初期的な揮発及び/又は凝縮を促進することによって、エアロゾルの発生を促進してもよい。
【0162】
適切なエアロゾル生成剤には、これに限定されるものではないが、ポリオール、例えば、エリスリトール、ソルビトール、グリセロール、及びプロピレングリコールやトリエチレングリコールのようなグリコール、並びに、非ポリオール、例えば、一価アルコール、高沸点炭化水素、酸(乳酸など)、グリセロール誘導体、エステル(ジアセチン、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、クエン酸トリエチル又はミリスチン酸塩(ミリスチン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルを含む))、及び脂肪族カルボン酸エステル(例えば、ステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチル及びテトラデカン二酸ジメチル)が含まれる。エアロゾル生成剤は、好適には、メンソールを溶解しない組成物を有していてもよい。エアロゾル生成剤は、好適には、グリセロールを備えるか、グリセロールから本質的になるか、又はグリセロールからなってもよい。
【0163】
本明細書で使用するとき、用語「タバコ材料」は、タバコ又はその派生物を備える任意の材料を指す。用語「タバコ材料」は、タバコ、タバコ派生物、膨化タバコ、再構成タバコ、又はタバコ代替物のうちの1つ以上を含んでもよい。タバコ材料は、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコ葉柄、再構成タバコ、及び/又はタバコ抽出物のうちの1つ以上を備えてもよい。
【0164】
タバコ材料を製造するために使用されるタバコは、バージニア及び/又はバーレー及び/又はオリエンタルを含む、単一グレード又はブレンド、刻みラグ又は全葉などの任意の適切なタバコであってもよい。それはまた、タバコ粒子の「微粉」又は粉塵、膨化タバコ、葉柄、膨化葉柄、及び他の加工葉柄材料(圧延刻み葉柄など)であってもよい。タバコ材料は、挽きタバコ又は再構成タバコ材料であってもよい。再構成タバコ材料は、タバコ繊維を備えてもよく、キャスティング、タバコ抽出物の背面付加を伴う長網抄紙型アプローチ、又は押出によって形成されてもよい。
【0165】
本明細書に記載される全ての重量百分率(重量%と示される)は、特に明記しない限り、乾重量基準で計算される。全ての重量比も乾重量基準で計算される。乾重量基準で示される重量は、水以外の抽出物、スラリー又は材料の全体を指しており、室温及び室圧のもとでそれ自体で液体である成分、例えばグリセロールを含んでもよい。逆に、湿重量基準で示される重量百分率は、水を含む全ての成分を指す。
【0166】
本発明の一態様に関連して本明細書に開示される特徴は、互換性がある限り、他の態様の各々と組み合わせて明示的に開示されている。
【0167】
誤解を避けるために述べると、本明細書において用語「備える」が本発明又は本発明の特徴を定義する際に使用される場合、「備える」の代わりに「から本質的になる」又は「からなる」という用語を使用して発明や特徴を定義することができる実施形態も開示されている。特定の特徴を「備える」材料への言及は、それらの特徴がその材料に含まれる、材料に含有される、又は材料内に保持されることを意味する。
【0168】
上記の実施形態は、本発明の例示として理解されるべきである。任意の1つの実施形態に関連して説明される任意の特徴は、単独で、又は説明される他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、また、任意の他の実施形態、又は任意の他の実施形態の任意の組み合わせの1つ以上の特徴と組み合わせて使用されてもよいことを理解されたい。更に、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、上記で説明されていない均等物及び変更形態も使用することができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾル生成基体からエアロゾルを生成する方法であって、前記エアロゾル生成基体が非晶質固体材料を備え、前記エアロゾル生成デバイスは、前記エアロゾル生成基体の異なる部位をそれぞれ加熱して、燃焼なしにエアロゾルを生成するように配置された少なくとも2つの加熱ゾーンを備え、
前記エアロゾル生成基体の異なる部位の各々からエアロゾルを順次に生成することを含み、加熱中、
(i)前記エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)前記エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度が前記エアロゾル生成温度から前記最低動作温度へ下げられ、(b)更なる部位が前記エアロゾル生成温度まで加熱される、方法。
【請求項2】
エアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾル生成基体からエアロゾルを生成する方法であって、前記エアロゾル生成基体が非晶質固体を備え、前記エアロゾル生成デバイスは、前記エアロゾル生成基体の異なる部位をそれぞれ加熱して、燃焼なしにエアロゾルを生成するように配置された少なくとも3つの加熱ゾーンを備え、
前記エアロゾル生成基体の異なる部位の各々からエアロゾルを順次に生成することを含み、加熱中、
(i)前記エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)前記エアロゾル生成基体の別の部位が、前記エアロゾル生成温度より低く、最低動作温度にほぼ等しいか又は最低動作温度を上回る中間温度まで加熱され、
(iii)前記エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度が前記エアロゾル生成温度から前記最低動作温度へ下げられ、(b)前記中間温度まで予め加熱された部位が前記エアロゾル生成温度まで加熱され、(c)更なる部位が前記中間温度まで加熱される、方法。
【請求項3】
前記エアロゾル生成基体の異なる部位の各々が、1回のパフの持続時間にわたって前記エアロゾル生成温度まで加熱される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記非晶質固体が、湿重量基準で計算して20重量%未満の水を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記非晶質固体が0.015mm~1.0mmの厚さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記非晶質固体が、
1~60重量%のゲル化剤と、
5~80重量%のエアロゾル生成剤と、
0.1~60重量%の少なくとも1つの活性物質及び/又は香味料と、
を備え、ここで、これらの重量は乾重量基準で計算される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記非晶質固体が、少なくとも1つの活性物質を、乾重量基準で計算して5~50重量%の量で備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記非晶質固体が、少なくとも1つの活性物質を、乾重量基準で計算して10~40重量%の量で備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの活性物質及び/又は香味料がニコチンである、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記非晶質固体がタバコ繊維を備えない、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記エアロゾル生成基体が30g/m
2
~120g/m
2
の面密度を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記エアロゾル生成基体は、前記非晶質固体が設置されるキャリアを更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記キャリアが金属箔を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記キャリアが、紙で裏打ちされた箔である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記キャリアが、金属箔の層と、支持層を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記金属箔が、誘導加熱システム内のサセプタとして機能するように構成されている、請求項13又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記エアロゾル生成基体が、前記非晶質固体に埋め込まれた加熱手段を備える、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記非晶質固体は、異なる部位が別々に加熱される単一のモノリスとして、前記エアロゾル生成基体に組み込まれている、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記非晶質固体が、複数の別個の部位として前記エアロゾル生成基体に組み込まれ、前記別個の部位の各々が、別々の加熱ゾーン内に配置される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
エアロゾル生成基体を燃焼させずに加熱することによって前記エアロゾル生成基体からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、前記エアロゾル生成基体は非晶質固体材料を備え、当該エアロゾル生成デバイスは、少なくとも2つの加熱ゾーンを備え、前記加熱ゾーンの各々は、前記エアロゾル生成基体の異なる部位を加熱するように配置されており、
使用時に、
(i)前記エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)前記エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度が前記エアロゾル生成温度から前記最低動作温度へ下げられ、(b)更なる部位が前記エアロゾル生成温度まで加熱されるように構成されたエアロゾル生成デバイス。
【請求項21】
エアロゾル生成基体を燃焼させずに加熱することによって前記エアロゾル生成基体からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、前記エアロゾル生成基体が非晶質固体を備え、当該エアロゾル生成デバイスは、少なくとも3つの加熱ゾーンを備え、前記加熱ゾーンの各々は、前記エアロゾル生成基体の異なる部位を加熱するように配置されており、
使用時に、
(i)前記エアロゾル生成基体の1つの部位がエアロゾル生成温度まで加熱され、
(ii)前記エアロゾル生成基体の別の部位が、前記エアロゾル生成温度より低く、最低動作温度にほぼ等しいか又は最低動作温度を上回る中間温度まで加熱され、
(iii)前記エアロゾル生成基体の残りの部位の少なくとも1つが、その部位の上又は近傍での揮発成分の凝縮を防止するのに少なくとも十分な最低動作温度まで加熱され、
1つの部位からエアロゾルが生成されると、(a)該部位の温度が前記エアロゾル生成温度から前記最低動作温度へ下げられ、(b)前記中間温度まで予め加熱された部位が前記エアロゾル生成温度まで加熱され、(c)更なる部位が前記中間温度まで加熱されるように構成されたエアロゾル生成デバイス。
【請求項22】
請求項20又は21に記載のエアロゾル生成デバイスと、前記エアロゾル生成基体とを備えるエアロゾル生成組立品。
【請求項23】
冷たい空気が当該エアロゾル生成組立品内に引き込まれることを可能にするように構成された通気孔を更に備え、前記冷たい空気は、加熱された揮発成分と混合し、それによってエアロゾルを冷却することができる、請求項22に記載のエアロゾル生成組立品。
【請求項24】
通気比が少なくとも15%である、請求項23に記載のエアロゾル生成組立品。
【外国語明細書】