(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119968
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】濾過システム及び濾過システムと共に用いるための濾過マニホールド
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
A61M1/00 170
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024095883
(22)【出願日】2024-06-13
(62)【分割の表示】P 2022572707の分割
【原出願日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】63/031,319
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520306831
【氏名又は名称】ミネトロニクス ニューロ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MINNETRONIX NEURO,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、ジャスティン チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ヒル、マシュー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、エリザベス クリスティン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス、ブレット ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】シーハン、ルーカス ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ムエゲンベルク、ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ナイト-スコット、チェイス
(72)【発明者】
【氏名】デローデ、デイビッド ジョン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】脳脊髄液を濾過するための濾過デバイスを提供する。
【解決手段】濾過デバイス14は、患者から脳脊髄液を受けるための入口と、濾過された脳脊髄液を患者に戻すための出口とを有する、フィルタハウジングを含み得る。フィルタハウジングは、互いに連結され、かつ、入口と出口との間に流路を規定する複数の層を含み得る。濾過セクションは、流路に沿ってフィルタハウジング内に規定され得る。濾過セクションはそこを通る流体の通過を遅くするように構成される流路の拡大領域を含み得る。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者から脳脊髄液を受けるための入口と、濾過された脳脊髄液を前記患者に戻すための出口と、を有するフィルタハウジングであって、
互いに連結され、かつ、前記入口と前記出口との間に流体経路を規定する複数の層を含む前記フィルタハウジングと、
前記流体経路に沿って前記フィルタハウジング内に規定される濾過セクションであって、
前記濾過セクションは前記流体経路の拡大領域を含み、そこを通る流体の通過を遅くするように構成される前記濾過セクションと、を備える脳脊髄液を濾過するための濾過デバイス。
【請求項2】
前記フィルタハウジングは三つ以上の層を含む、請求項1に記載の濾過デバイス。
【請求項3】
前記フィルタハウジングは四つ以上の層を含む、請求項1に記載の濾過デバイス。
【請求項4】
前記フィルタハウジングは五つ以上の層を含む、請求項1に記載の濾過デバイス。
【請求項5】
前記流体経路の前記拡大領域は、重力濾過セクションを規定する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の濾過デバイス。
【請求項6】
前記濾過セクションはフィルタディスク部材を含む、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の濾過デバイス。
【請求項7】
前記フィルタディスク部材は終端フィルタディスクを含む、請求項6に記載の濾過デバイス。
【請求項8】
前記フィルタディスク部材は前記フィルタハウジングの二つの隣接する層の間に配置される、請求項6に記載の濾過デバイス。
【請求項9】
前記フィルタハウジングに連結される一つ以上のセンサをさらに含む、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の濾過デバイス。
【請求項10】
前記フィルタハウジングの二つの隣接する層の間に配置される膜をさらに備える、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の濾過デバイス。
【請求項11】
前記フィルタハウジングに連結されるハンドルをさらに備える、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の濾過デバイス。
【請求項12】
前記ハンドルは一つ以上のラッチ突起を含み、前記ハンドルは第1の位置と第2の位置との間でシフトするように構成される、請求項11に記載の濾過デバイス。
【請求項13】
前記ハンドルが第1の位置にあるとき、前記ラッチ突起は係合解除配置にあり、前記ハンドルが第2の位置にあるとき、前記ラッチ突起は係合配置にある、請求項12に記載の濾過デバイス。
【請求項14】
患者から脳脊髄液を受けるための入口と、濾過された脳脊髄液を前記患者に戻すための出口と、コントローラアセンブリに対してフィルタハウジングを方向付けるための湾曲配向面と、を有する前記フィルタハウジングであって、
第1の層、第2の層、第3の層及び第4の層を含む複数の層を含む前記フィルタハウジングと、
前記第1の層に沿って配置される一つ以上のセンサと、
前記第1の層と前記第2の層との間に配置される膜と、
前記第3の層と前記第4の層との間に配置されるフィルタディスクと、を備える脳脊髄液を濾過するための濾過デバイス。
【請求項15】
互いに連結され、かつ、流体経路を規定する複数の個別の層から形成されるフィルタハウジングと、
流体の重力濾過を可能にするためにそこを通る流体の通過を遅くするように構成される前記流体経路の拡大領域によって規定される濾過セクションと、を備える脳脊髄液を濾過するための濾過デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は中枢神経系に沿って治療するための濾過マニホールド、濾過システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様な医療デバイスが医療用途のために開発されている。これらのデバイスのいくつかは、ガイドワイヤ、及びカテーテル等を含む。これらのデバイスは、様々な異なる製造方法のいずれか一つによって製造され、様々な方法のいずれか一つに従って使用され得る。既知の医療デバイス及び方法の各々は、特定の利点と欠点とを有する。代替的な医療デバイス及び医療デバイスを製造及び使用するための代替的な方法を提供することが継続的に必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、医療デバイスのための設計、材料、製造方法、及び使用の代替物を提供する。脳脊髄液を濾過するための濾過デバイスが開示される。前記濾過デバイスは、患者から脳脊髄液を受けるための入口と、濾過された脳脊髄液を前記患者に戻すための出口と、を有するフィルタハウジングであって、互いに連結され、かつ、前記入口と前記出口との間に流体経路を規定する複数の層を含む前記フィルタハウジングと、前記流体経路に沿って前記フィルタハウジング内に規定される濾過セクションであって、前記濾過セクションは前記流体経路の拡大領域を含み、そこを通る流体の通過を遅くするように構成される前記濾過セクションと、を備える。
【0004】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングは三つ以上の層を含む。
【0005】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングは四つ以上の層を含む。
【0006】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングは五つ以上の層を含む。
【0007】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記流体経路の前記拡大領域は、重力濾過セクションを規定する。
【0008】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記濾過セクションはフィルタディスク部材を含む。
【0009】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタディスク部材は、終端フィルタディスクを含む。
【0010】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタディスク部材は、前記フィルタハウジングの二つの隣接する層の間に配置される。
【0011】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングに連結された一つ以上のセンサをさらに備える。
【0012】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングの二つの隣接する層の間に配置される膜をさらに備える。
【0013】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングは湾曲領域を含む。
【0014】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記湾曲領域は、前記フィルタハウジングの上面に沿って配置される。
【0015】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングに連結されたハンドルをさらに備える。
【0016】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記ハンドルは一つ以上のラッチ突起を含む。
【0017】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記ハンドルは、第1の位置と第2の位置との間でシフトするように構成される。
【0018】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記ハンドルが第1の位置にあるとき、前記ラッチ突起は係合解除配置にあり、前記ハンドルが第2の位置にあるとき、前記ラッチ突起は係合配置にある。
【0019】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記濾過デバイスは、コントローラアセンブリに連結される。
【0020】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記ハンドルが第2の位置にあるとき、前記ラッチ突起は前記コントローラアセンブリのラッチ領域に係合する。
【0021】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングの側部はポンプ領域を含む。
【0022】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記ポンプ領域は、第1のコネクタと、第2のコネクタと、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に延在するチューブと、を含む。
【0023】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングに連結されたサンプリングポートをさらに備える。
【0024】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記サンプリングポートは前記入口と連通する。
【0025】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記サンプリングポートは前記入口と連通する。
【0026】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記サンプリングポートは廃棄物経路と連通する。
【0027】
脳脊髄液を濾過するための濾過デバイスが開示される。前記濾過デバイスは、患者から脳脊髄液を受けるための入口と、濾過された脳脊髄液を前記患者に戻すための出口と、コントローラアセンブリに対してフィルタハウジングを方向付けるための湾曲配向面と、を有する前記フィルタハウジングであって、第1の層、第2の層、第3の層及び第4の層を含む複数の層を含む前記フィルタハウジングと、前記第1の層に沿って配置される一つ以上のセンサと、前記第1の層と前記第2の層との間に配置される膜と、前記第3の層と前記第4の層との間に配置されるフィルタディスクと、を備える。
【0028】
脳脊髄液を濾過するための濾過デバイスが開示される。前記濾過デバイスは、患者から脳脊髄液を受けるための入口と、濾過された脳脊髄液を前記患者に戻すための出口と、を有するフィルタハウジングであって、前記入口と前記出口との間に流体経路を規定する複数の層を含む前記フィルタハウジングと、前記フィルタハウジングの二つの隣接する層の間に配置される第1のフィルタと、前記流体経路内の拡大部分により少なくとも部分的に規定される第2のフィルタと、を備える。
【0029】
脳脊髄液を濾過するための濾過デバイスが開示される。前記濾過デバイスは、互いに連結され、かつ、流体経路を規定する複数の個別の層から形成されるフィルタハウジングと、前記流体経路の拡大領域により規定される濾過セクションであって、そこを通る流体の重力濾過を可能にするためにそこを通る流体の通過を遅くするように構成される前記濾過セクションと、を備える。
【0030】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングは三つ以上の層を含む。
【0031】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングは四つ以上の層を含む。
【0032】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングは五つ以上の層を含む。
【0033】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングの二つの隣接する層の間に配置されるフィルタディスク部材をさらに備える。
【0034】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタディスク部材は、終端フィルタディスクを含む。
【0035】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングに連結された一つ以上のセンサをさらに備える。
【0036】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングの二つの隣接する層の間に配置される膜をさらに備える。
【0037】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングは湾曲領域を含む。
【0038】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記湾曲領域は、前記フィルタハウジングの上面に沿って配置される。
【0039】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングに連結されたハンドルをさらに備える。
【0040】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記ハンドルは一つ以上のラッチ突起を含む。
【0041】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記ハンドルは、第1の位置と第2の位置との間でシフトするように構成される。
【0042】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記ハンドルが第1の位置にあるとき、前記ラッチ突起は係合解除配置にあり、前記ハンドルが第2の位置にあるとき、前記ラッチ突起は係合配置にある。
【0043】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記濾過デバイスは、コントローラアセンブリに連結される。
【0044】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記ハンドルが第2の位置にあるとき、前記ラッチ突起は前記コントローラアセンブリのラッチ領域に係合する。
【0045】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングの側部はポンプ領域を含む。
【0046】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記ポンプ領域は、第1のコネクタと、第2のコネクタと、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に延在するチューブと、を含む。
【0047】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、前記フィルタハウジングに連結されたサンプリングポートをさらに備える。
【0048】
脳脊髄液を濾過するための濾過デバイスが開示される。前記濾過デバイスは、患者から脳脊髄液を受けるための入口と、濾過された脳脊髄液を前記患者に戻すための出口と、を有するフィルタハウジングであって、互いに連結され、かつ、前記入口と前記出口との間に流体経路を規定する複数の層を含む前記フィルタハウジングと、前記流体経路に沿って前記フィルタハウジング内に規定される濾過セクションと、前記フィルタハウジングの二つの隣接する層の間に配置され、圧力を感知可能である間、前記フィルタハウジング内の前記流体経路を密封するように構成される膜と、を備え、前記濾過セクションは、そこを通る流体の通過を遅くするように構成される前記流体経路の拡大領域を含む。
【0049】
いくつかの実施形態の上記概要は、本開示のそれぞれの開示された実施形態又は全ての実施を説明することを意図するものではない。以下の図面及び詳細な説明は、これらの実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本開示は、添付の図面に関連して以下の詳細な説明を考慮することにより、より完全に理解され得る。
【0051】
【
図1】第1の構成における例示的な濾過システムの一部分の斜視図である。
【
図2】第2の構成における例示的な濾過システムの一部分の斜視図である。
【
図10】例示的な濾過マニホールドの一部分を示す。
【
図11】例示的な濾過マニホールドの一部分を示す。
【
図12】例示的な濾過マニホールドの一部分を示す。
【
図13】例示的な濾過マニホールドの一部分を示す。
【
図14】例示的な濾過マニホールドの一部分を示す。
【
図15】例示的な濾過マニホールドの一部分を示す。
【0052】
本開示は、様々な修正及び代替の形態を受け入れ可能であるが、それらの詳細は、例によって図面に示されており、詳細に記載されるであろう。しかし、その意図が本発明を記載される特定の実施形態に限定することではないことは理解されるべきである。対照的に、その意図は本開示の趣旨及び範囲に収まる全ての変更、均等物及び代替物を対象とするものである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
異なる定義が特許請求の範囲又は本明細書の他の部分において与えられない限り、以下に定義される用語はこれらの定義が適用されるものとする。
【0054】
明確に示されているか否かに関わらず、全ての数値は本明細書において用語「約」によって修飾されると想定される。用語「約」は、一般に、当業者の一人が列挙された値と同等である(例えば、同じ機能又は結果を有する)と考えるであろう数の範囲を参照する。多くの場合、用語「約」は、最も近い有効数字に丸められた数を含み得る。
【0055】
端点による数値範囲の列挙は、その範囲内の全ての数字を含む(例えば、1から5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
【0056】
本明細書及び添付の特許請求の範囲に用いられるとき、単数形「一つの」、「一つの」及び「その」は、内容が明確に他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲に用いられるとき、用語「又は」は、内容が明確に他のことを指示しない限り、「及び/又は」を含む意味として一般に用いられる。
【0057】
本明細書における「一つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」等への言及は、記載される実施形態が一つ以上の特定の特徴、構造、及び/又は特性を含み得ることを示すことに注意されたい。しかし、そのような記述は、全ての実施形態が特定の特徴、構造、及び/又は特性を含むことを必ずしも意味しない。加えて、特定の特徴、構造、及び/又は特性が一つの実施形態と関連して記載されるとき、そのような特徴、構造、及び/又は特性はまた、明確に反対に述べられない限り、明示的に記載されるか否かに関わらず、他の実施形態に関連して用いられ得ることは理解されるべきである。
【0058】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、異なる図面における類似の要素には同じ番号が付けられる。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、例示的な実施形態を示しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0059】
脳脊髄液(CSF)は、脳室に位置する脈絡叢内において産生される水と同様の粘度を有する、一般に透明で無色の流体である。総CSF量は、健康な成人において、約150から300ミリリットルの範囲であると推定されている。脈絡叢は、毒素及び代謝産物を除去するべく、CSFの洗い流し又は再利用に対応するために、一日に約500ミリリットルのCSFを産生することが信じられる。CSFの合計量は、睡眠周期及び他の活動の間に、一日に数回又は場合によってはそれ以上補充される。CSFはまた、アルキメデスの原理によって繊細な脳組織を浮かせることに役立ち、組織を緩衝することによって、突然の動きから脳を保護する。CSFは、脈絡叢から脳及び脊柱の周囲の空間内へ、一連の開口部を通ってゆっくり流れ、次に、くも膜顆粒、篩板、硬膜リンパ管、脊髄神経根スリーブ、及び可能性のある脳組織内への他の経路を含む複数の流出経路を通って体の中に流れる。CSFは、軟膜とくも膜との間の、くも膜下腔として知られる空間に見いだされ、脳の脳室システム内及び脳の外部に位置する一連の槽にも位置する。CSFの流れの正味の生成及び吸収に加えて、心臓及び呼吸周期と同調する前後の動きによって、CSFは変動する。これらの変動の大きさは、CSFの特定の領域に応じて変わる。CSFの流れはまた、バルサルバ、咳、くしゃみ、楽器の演奏、及び運動活動のような様々な動作に基づいて断続的に変わり得る。健康な成人におけるCSF圧は、仰臥位において、およそ10ミリリットル水銀である。CSF圧は、立位において、CSFシステムに沿った静水圧勾配により変わり、咳のような動作によって一時的に影響を受け得る。
【0060】
研究は、CSFの生物学的組成の変化が、多くの中枢神経系の疾患状態の病理学的プロセスにおいて示され得ること及び/又は関与し得ることを示している。例えば、脳卒中又は他の脳外傷が発生した場合、血液はCSFシステムに入り、血液凝固及び他の生物学的プロセスにより、その後の損傷を脳へ与え得る。筋萎縮性側索硬化症という状況下において、複数の化学物質(炎症性タンパク質又はCHIT1のようなサイトカイン)は、異常に高められ、疾患病態に潜在的に寄与することが見出されている。同様に、多発性硬化タンパク質において、サイトカイン及びケモカインは高められ、潜在的な疾患進行の基礎となることが見出されている。従って、原則では、異常な生物学的組成を有するCSFを取り除くことは有益であり得るが、比較的少量のみが安全に取り出せるように、CSFを直接取り除くことは制限される。従って、第1の位置(例えば、脊柱の頸部領域、又は脳室)からCSFを取り除き、それを変更し(例えば、濾過)、それを第2の位置(例えば、脊柱の腰部領域)においてCSF空間に戻すことが望ましい可能性がある。このプロセスは、同様の総CSF量を維持しながら、望ましくない生物学的生成物を取り除くために用いられ得る。
【0061】
Neurapheresisと呼ばれるプロセスが、CSFからの物質の変更(例えば、微生物、細胞、ウイルス、異物、薬物、及びその組み合わせ等の除去、又は薬理学的薬剤のような物質の循環及び/又は添加)を行うことは理解され得る。上記及び他の治療技術は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、様々な原因の脳炎、様々な原因の髄膜炎、ギラン-バレー症候群(GBS)、多発性硬化症(MS)、HIV関連神経認知障害、脊髄損傷、外傷性脳損傷、脳血管けいれん、脳卒中及び他の疾患又は状態のような、多くの神経疾患及び状態を治療するために用いられ得る。さらに、濾過プロセス又はシステム(例えば、Neurapheresisプロセス又はシステム)は、例えば、手術中にCSFに入り得る血液を取り除くために、切開又は内視鏡を用いた脊椎手術又は脳の手術の間に用いられ得る。
【0062】
図1は例示的な濾過システム10、例えば、Neurapheresis濾過システム10を示す。システム10は、コントローラアセンブリ12及び濾過マニホールド又はデバイス14を含み得る。少なくともいくつかの例では、濾過デバイス14は、一般的にCSFを濾過するように設計された一つ以上のフィルタ(例えば、タンジェンシャルフローフィルタ、終端フィルタ、電気フィルタ、重力フィルタ及び/又はこれらの組み合わせ等)を含む。少なくともいくつかの例において、コントローラアセンブリ12は、病院及び/又は診療所のための資本設備と見なされ得る。言い換えると、コントローラアセンブリ12は、繰り返し/複数の使用のために設計され、及び/又は繰り返し/複数の治療介入のために設計され、及び/又は繰り返し/複数の患者のために設計される。これらの例及び他の例のうちのいくつかにおいて、濾過デバイス14は、使い捨て製品であると見なされ得る。従って、濾過デバイス14は、所与の治療介入のためにコントローラアセンブリ12に取り付けられ/連結され、治療介入のために使用され、次に、治療介入が完了したときに、コントローラアセンブリ12から取り外されるように設計され得る。コントローラアセンブリ12は、新しい濾過デバイス14をそれに取り付け/連結することにより、後の治療介入において再使用され得る。
【0063】
(例えば濾過デバイス14のような)濾過カセット(複数)のコントローラアセンブリ12への取り付け/連結及び/又は取り外しに効率的に適応するために、コントローラアセンブリ12は、濾過デバイス14と嵌合するように及び/又は他の方法で濾過デバイス14に適応するように設計された取り付け領域又はソケットを含み得る。ソケットは、濾過デバイス14の対応する形状の面/ハウジングと共に、濾過デバイス14の取り付け/連結及び/又は取り外しを臨床医にとって比較的容易な手順にするのに役立つ。いくつかの例において、コントローラアセンブリ12は、一つ以上のラッチ領域16を含み得る。ラッチ領域16は、濾過デバイス14から延在するラッチ突起18に係合するか、又は他の方法でそれを受けるように構成され得る。加えて、濾過デバイス14はハンドル20を含み得る。ハンドル20は、(例えば、
図1に示されるような)第1の位置すなわち「ロック解除」位置と(例えば、
図2に示されるような)第2の位置すなわち「ラッチ」位置との間でシフトするように構成され得る。例えば、ハンドル20はラッチ突起18に連結されてよく、従って、ハンドル20を第1の位置からラッチ位置へシフトさせる(例えば、ハンドルを下方へ引く)ことにより、ラッチ突起18をラッチ領域16と係合するようにシフトし、濾過デバイス14をコントロールアセンブリ12に固定する。ハンドル20をシフトさせる比較的容易な動作は、臨床医が片手で濾過デバイス14をコントローラアセンブリ12に固定することを可能にする。
【0064】
使用時、システム10は、カテーテル(図示無し)をシステム10に連結し、カテーテルを脳脊髄空間内に/それに沿って(例えば、腰部脊髄空間に沿って)配置することによって使用され得る。例示的なカテーテルは、米国特許出願公開第2019/0105475号に開示されているものと同様であってもよく、その開示の全体は本明細書に参照によって組み込まれる。CSFは、カテーテルを使用して取り除かれ/吸引されてもよく、取り除かれたCSFは、濾過デバイス14を使用して処理/濾過されてもよい。次に、濾過/調整されたCSFは、カテーテルを使用して患者に戻され得る。
【0065】
図3は、濾過デバイス14を示す。ここで、濾過デバイス14は、(例えば、患者から脳脊髄液を受けるための)入口22及び(例えば、濾過された脳脊髄液を患者に戻すための)出口24を含み得ることが分かる。カテーテル又はカテーテルシステムは、入口22及び/又は出口24に連結され得る。例えば、カテーテルの吸引内腔は、入口22に連結されてもよく又は入口22と連通してもよく、(例えば、同じカテーテルであり得る)カテーテルの注入内腔は、出口24に連結されてもよく又は出口24と連通してもよい。
【0066】
濾過デバイス14はまた、一つ以上のサンプリングポート、例えばサンプリングポート26、28を含み得る。サンプリングポート26は、サンプリングポート26において収集されたサンプルが患者から直接収集されたCSF(例えば、「未濾過」又は「未処理」CSF)を表し得るように、入口22と連通し得る。従って、サンプリングポート26において収集されたサンプルは、CSFの分析、CSF内の一つ以上の物質(例えば、病原体、原核生物、真核生物、ウイルス、汚染物質、及び/又は薬物等)の定量化、CSF内の薬物レベルの監視、治療の進行の監視、及び/又はそれらの組み合わせ等を行うために使用され得る。サンプリングポート28は、濾過デバイス14に隣接して配置されてもよく、それにより廃棄物質(例えば、CSFから取り除かれ/濾過された物質)が収集及び/又は分析され得る。従って、サンプリングポート28が、廃棄物出口(例えば、廃棄物が輸送される濾過デバイス14からの経路)と連通することは理解され得る。システム10は、臨床医がNeurapheresis処置中に濾過を評価することを可能にする追加のポートを含み得る。そのようなサンプリングポートは、出口24に沿って、又は出口24と連通して配置され得る。例えば、一つ以上の追加のサンプリングポートが、出口24と連通してもよく、このサンプリングポートにおいて収集されたサンプルは濾過/処理されたCSFを示す。従って、集合的に、サンプリングポートは、(a)濾過されていないCSF、(b)濾過/処理されたCSF、及び/又は(c)廃棄物質を収集するために使用され得ることが考えられる。
【0067】
濾過デバイス14はまた、ハウジング30を含むと理解され得る。ハウジング30は、湾曲面及び/又は配向面32を含み得る。少なくともいくつかの例において、湾曲面32は、濾過デバイス14の上部に沿って配置され得る。湾曲面32は、側面と共に、ずれを回避する単一の方向において濾過デバイス14が取り付けられることを可能にし得る。言い換えると、濾過デバイス14の形状(例えば、湾曲面32を含む)は、濾過デバイス14がコントローラアセンブリ12に単一の方向でのみ取り付けられ得るように構成される。
【0068】
濾過デバイス14及び/又はハウジング30は、
図4の分解図に示すように、複数の層すなわちプレート34a、34b、34c、34d、34eを含み得る。少なくともいくつかの例では、層34a、34b、34c、34d、34eは、好適なポリマー/プラスチック(例えば、アクリル、ポリカーボネート等)から形成され得る。複数の層34a、34b、34c、34d、34eは、ハウジング30を形成/規定するように、互いに連結、融合、固定、及び/又は他の方法で取り付けられ得る。簡潔にするために、層34eは第1の層34eと呼ばれてもよく、層34dは第2の層34dと呼ばれてもよく、層34cは第3の層34cと呼ばれてもよく、層34bは第4の層34bと呼ばれてもよく、層34aは第5の層34aと呼ばれてもよい。少なくともいくつかの事例では、膜36は、二つの隣接する層(例えば、第5の層34aと第4の層34bと)の間に配置され得る。これらの例及び他の例のうちのいくつかにおいて、膜36は、濾過デバイス14の外側に結合され得る。一般に、膜36は、圧力が膜36の外側上で/外側に沿って感知されることを可能にしながら、濾過デバイス14内の流体経路を密封するように構成され得る。加えて、一つ以上のフィルタ部材すなわちディスク38が、二つの隣接する層(例えば、第3の層34cと第2の層34dと)の間に配置され得る。
【0069】
図5及び
図6は、第5の層34aの正面図及び背面図を示す。
図7及び
図9は、第4の層34bの正面図及び背面図を示す。
図10及び
図11は、第3の層34cの正面図及び背面図を示す。
図12及び
図13は、第2の層34dの正面図及び背面図を示す。
図14及び
図15は、第1の層34eの正面図及び背面図を示す。組み立てられるとき、層34a、34b、34c、34d、34eに形成されたいくつかの溝、カットアウト、スロット、及び/又は開口部は、一般に、入口22と出口24との間でそれらを通る流体経路を規定する。溝、カットアウト、スロット、及び/又は開口部は、射出成形、機械加工、及び/又はエッチングのような好適なプロセスによって層34a、34b、34c、34d、34eに形成される。(熱接合、溶接、超音波接合、熱融接、接着剤連結、及び/又は機械的連結等を含み得る)層34a、34b、34c、34d、34eの接合は、濾過デバイス14内に流体経路を含有するのに役立つ流体密封シールを形成し得る。様々な層34a、34b、34c、34d、34eは、流体経路と共にまとめて記載される。
【0070】
第5の層34aから始めると、ここでは、第5の層34aが前面40a及び後面40bを含み得ることが分かる。(各々が、膜36に接触して圧力を流体経路からコントローラアセンブリ12上に配置又は連結され得る圧力センサに伝達し得るフロート39を収容し得る)複数の開口部及び/又はセンサ領域42a、42b、42cは、第5の層34aに沿って配置され得る(例えば、
図5及び
図6参照)。
【0071】
同様に、第4の層34bは、前面44a及び後面44bを含み得る(例えば、
図7及び
図8参照)。第4の層34bは、入口22と連通する第1のポート領域46aを含み得る。第1のポート領域46aはまた、第3の層34cの後部に沿って見ることができる(例えば、
図11参照)。第1のポート領域46aと入口との間で、流体は、領域58(例えば、
図9参照)に沿って、(各々が、膜36に接触して圧力を流体経路からコントローラアセンブリ12上に配置又は連結され得る圧力センサに伝達し得るフロート39を収容し得る)センサ領域42aを横断して移動してもよく、それにより入口/流入圧力が測定/監視され得る。流体は、
図8に示すように、第1のポート領域46aから濾過デバイス14の外部に沿ってチューブ47を通って第2のポート領域46bまで移動し得る。ポート領域46a、46bは、チューブ47が連結され得るコネクタ又はコネクタ領域とも呼ばれ得る。チューブ47は、濾過デバイス14(例えば、及び/又はハウジング30)の弓形表面に追従してもよく、チューブ47は、流体経路に沿った流体の移動を容易にするために、ポンプ機構(例えば、蠕動ポンプ機構)又はローラ(例えば、コントローラアセンブリ12の構成要素であり得る)によって係合されるように構成され得る。少なくともいくつかの例では、ポート領域46a、46b及びチューブ47に隣接する濾過デバイス14の一部分は、ポンプ領域と呼ばれ得る。
【0072】
第2のポート領域46bを通過した後、流体は、領域50(及び第3の層34cの後面62bに沿った対応する領域74、従って、流体経路は、第4の層34bと第3の層34cとの間にあるものとして記載され得る)に沿い、開口部51を通って第4の層34bの後側に進み、領域52に沿って進み得る。ここで、流体は、(膜36に接触して、圧力を流体経路からコントローラアセンブリ12上に配置又は連結され得る圧力センサに伝達し得るフロート39を収容し得る)センサ領域42bを横断して移動してもよく、それにより圧力(例えば、フィルタ圧力)が測定/監視され得る。流体は、第4の層34bにある領域54(及び第3の層34cの後部に沿った対応する領域76)に沿って進む場合、別の開口部53を通過して前側に戻り得る。いくつかの場合では、流体は、サンプリングポートにおいて領域54に沿って(例えば、領域54の底部の弧に沿って)サンプリングされ得る。
【0073】
流体は、第4の層34bの領域54に沿って、かつ第3の層34cの領域76に沿って位置55まで進み、第3の層34cの開口部66を通過する。ここで、流体経路は、一般に、第3の層34cと第2の層34d(例えば、第2の層34dは、前面80a及び後面80bを含み得る)との間にあるものとして理解されてもよく、流体は、いくつかの濾過ステップ/プロセスを受け得る。例えば、流体は領域82に入り、拡大領域84に沿って進み得る。拡大領域84は、そこを通る流体の通過を遅くするように構成され得る。いくつかの例では、拡大領域84は、流体の通過を10から1000%まで、又は約50から800%まで、又は約100から600%まで、又は約200~500%まで、又は約400%まで遅らせるように構成されてもよく、流体の通過を遅くすることにより、血液のような流体によって運ばれる物質、すなわち血球が、拡大領域84の底部に向かって沈降又は落下し得る。このため、拡大領域84は、重力濾過領域を含むか、又は他の方法で規定し得る。いくつかの例では、廃棄物出口64は、拡大/重力濾過領域84の底部に規定され得る(例えば、
図10参照)。流体は、領域88に沿って濾過領域86(及び第3の層34cの前面62aに沿った対応する濾過領域68)まで進み得る。ここで、流体は、フィルタ部材38(第2の層34と第3の層34cとの間に挟まれ又は他の方法で位置付けられ得る)を通過し得る。少なくともいくつかの例では、フィルタ部材38は終端フィルタである。他の種類のフィルタも考えられる。濾過された流体は、第3の層34c内の開口部72を通過し、第4の層34b内の開口部61を通り、領域56に沿って出口24まで進み得る。このときに、流体は、(各々が、膜36に接触して、圧力を流体経路からコントローラアセンブリ12上に配置又は連結され得る圧力センサに伝達し得るフロート39を収容し得る)センサ領域42cを横断して移動してもよく、それにより圧力(例えば、返却圧力)が測定/監視され得る。
【0074】
廃棄物は、廃棄物出口64から領域60(及び第3の層34cに沿った対応する領域70)へ/に沿って移動し得る。廃棄物は、第1のポート領域48bを通り、フィルタ装置14の外部に沿ったチューブ(図示されていないが、チューブ47に類似し得る)を通って、第2の部分領域48aへ、廃棄物領域63(及び第3の層34cの後部に沿った対応する領域78)へ、サンプリングポート/廃棄物出口へ移動し得る。
【0075】
最後に、
図14及び
図15は、前面90a及び後面90bを示す第1の層34eを示す。ハンドル20が貫通するための開口部92も示されている。第1の層34eはまた、(第2の層34dに沿った対応する溝又はチャネル88と共に)ラッチ突起18に適応するための溝又はチャネル94を含み得る。
【0076】
米国特許出願第63/022,733号は、本明細書に参照により組み込まれる。
【0077】
米国特許出願公開第2019/0105475号は、本明細書に参照により組み込まれる。
【0078】
米国特許出願第15/367,592号は、本明細書に参照により組み込まれる。
【0079】
米国特許第10,632,237号は、本明細書に参照により組み込まれる。
【0080】
米国特許出願第15/177,638号は、本明細書に参照により組み込まれる。
【0081】
本開示が、多くの点において例示的なものにすぎないことは理解されるべきである。本開示の範囲を逸脱することなく、詳細に、特に形状、大きさ、及び工程の配置に関して変更され得る。これは、適切な範囲で、他の実施形態に使用されている一つの例示的な実施形態の特徴のいずれかの使用を含み得る。本発明の範囲は、言うまでもなく、添付の特許請求の範囲が表現される言語において定義される。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳脊髄液システムと共に使用するための濾過カセットであって、
互いに連結される複数の個別の層から形成されるフィルタハウジングであって、そのフィルタハウジングの中に流体経路を規定する、フィルタハウジングと、
前記フィルタハウジングの二つの隣接する層の間に配置された膜と、
前記流体経路の拡大領域であって、そこを通る流体の重力濾過を可能にするためにそこを通る流体の通過を遅くするように構成される拡大領域によって規定される濾過セクションと、
を備える濾過カセット。
【請求項2】
前記フィルタハウジングの二つの隣接する層の間に配置されたフィルタディスク部材をさらに備える、請求項1に記載の濾過カセット。
【請求項3】
前記フィルタディスク部材は終端フィルタディスクを含む、請求項2に記載の濾過カセット。
【請求項4】
前記フィルタハウジングに連結される一つ以上のセンサをさらに備える、請求項1に記載の濾過カセット。
【請求項5】
サンプリングポートをさらに備える、請求項1に記載の濾過カセット。
【請求項6】
前記フィルタハウジングは三つ以上の層を含む、請求項1に記載の濾過カセット。
【請求項7】
前記フィルタハウジングは四つ以上の層を含む、請求項1に記載の濾過カセット。
【請求項8】
前記フィルタハウジングは五つ以上の層を含む、請求項1に記載の濾過カセット。
【請求項9】
前記フィルタハウジングに連結されるハンドルをさらに備える、請求項1に記載の濾過カセット。
【請求項10】
前記ハンドルは、一つ以上のラッチ突起を含み、前記ハンドルは、第1の位置と第2の位置との間でシフトするように構成される、請求項9に記載の濾過カセット。
【請求項11】
脳脊髄液システムと共に使用するための濾過カセットであって、
流体経路が形成されたフィルタハウジングを規定するように互いに連結される複数のプレートと、
前記流体経路の拡大領域であって、そこを通る流体の重力濾過を可能にするためにそこを通る流体の通過を遅くするように構成される拡大領域によって規定される濾過セクションと、
を備える濾過カセット。
【請求項12】
二つの隣接するプレートの間に配置された膜をさらに備える、請求項11に記載の濾過カセット。
【請求項13】
前記膜に接触する当該プレートの一方に連結されたフロートをさらに備える、請求項12に記載の濾過カセット。
【請求項14】
前記フィルタハウジングの二つの隣接する層の間に配置されるフィルタディスク部材をさらに備える、請求項11に記載の濾過カセット。
【請求項15】
前記フィルタディスク部材は、終端フィルタディスクを含む、請求項14に記載の濾過カセット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
本開示が、多くの点において例示的なものにすぎないことは理解されるべきである。本開示の範囲を逸脱することなく、詳細に、特に形状、大きさ、及び工程の配置に関して変更され得る。これは、適切な範囲で、他の実施形態に使用されている一つの例示的な実施形態の特徴のいずれかの使用を含み得る。本発明の範囲は、言うまでもなく、添付の特許請求の範囲が表現される言語において定義される。
本開示に含まれる技術的思想を以下に記載する。
(付記1)
患者から脳脊髄液を受けるための入口と、濾過された脳脊髄液を前記患者に戻すための出口と、を有するフィルタハウジングであって、
互いに連結され、かつ、前記入口と前記出口との間に流体経路を規定する複数の層を含む前記フィルタハウジングと、
前記流体経路に沿って前記フィルタハウジング内に規定される濾過セクションであって、
前記濾過セクションは前記流体経路の拡大領域を含み、そこを通る流体の通過を遅くするように構成される前記濾過セクションと、を備える脳脊髄液を濾過するための濾過デバイス。
(付記2)
前記フィルタハウジングは三つ以上の層を含む、付記1に記載の濾過デバイス。
(付記3)
前記フィルタハウジングは四つ以上の層を含む、付記1に記載の濾過デバイス。
(付記4)
前記フィルタハウジングは五つ以上の層を含む、付記1に記載の濾過デバイス。
(付記5)
前記流体経路の前記拡大領域は、重力濾過セクションを規定する、付記1から付記4のいずれか一つに記載の濾過デバイス。
(付記6)
前記濾過セクションはフィルタディスク部材を含む、付記1から付記5のいずれか一つに記載の濾過デバイス。
(付記7)
前記フィルタディスク部材は終端フィルタディスクを含む、付記6に記載の濾過デバイス。
(付記8)
前記フィルタディスク部材は前記フィルタハウジングの二つの隣接する層の間に配置される、付記6に記載の濾過デバイス。
(付記9)
前記フィルタハウジングに連結される一つ以上のセンサをさらに含む、付記1から付記8のいずれか一つに記載の濾過デバイス。
(付記10)
前記フィルタハウジングの二つの隣接する層の間に配置される膜をさらに備える、付記1から付記9のいずれか一つに記載の濾過デバイス。
(付記11)
前記フィルタハウジングに連結されるハンドルをさらに備える、付記1から付記10のいずれか一つに記載の濾過デバイス。
(付記12)
前記ハンドルは一つ以上のラッチ突起を含み、前記ハンドルは第1の位置と第2の位置との間でシフトするように構成される、付記11に記載の濾過デバイス。
(付記13)
前記ハンドルが第1の位置にあるとき、前記ラッチ突起は係合解除配置にあり、前記ハンドルが第2の位置にあるとき、前記ラッチ突起は係合配置にある、付記12に記載の濾過デバイス。
(付記14)
患者から脳脊髄液を受けるための入口と、濾過された脳脊髄液を前記患者に戻すための出口と、コントローラアセンブリに対してフィルタハウジングを方向付けるための湾曲配向面と、を有する前記フィルタハウジングであって、
第1の層、第2の層、第3の層及び第4の層を含む複数の層を含む前記フィルタハウジングと、
前記第1の層に沿って配置される一つ以上のセンサと、
前記第1の層と前記第2の層との間に配置される膜と、
前記第3の層と前記第4の層との間に配置されるフィルタディスクと、を備える脳脊髄液を濾過するための濾過デバイス。
(付記15)
互いに連結され、かつ、流体経路を規定する複数の個別の層から形成されるフィルタハウジングと、
流体の重力濾過を可能にするためにそこを通る流体の通過を遅くするように構成される前記流体経路の拡大領域によって規定される濾過セクションと、を備える脳脊髄液を濾過するための濾過デバイス。