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特開2024-119972方法、ユーザ装置、プロセッサ、プログラム及び通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119972
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】方法、ユーザ装置、プロセッサ、プログラム及び通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/34 20180101AFI20240827BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20240827BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20240827BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20240827BHJP
【FI】
H04W76/34
H04W16/32
H04W24/10
H04W72/0457 110
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024096251
(22)【出願日】2024-06-13
(62)【分割の表示】P 2022526965の分割
【原出願日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】P 2020091386
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】藤代 真人
(57)【要約】      (修正有)
【課題】セカンダリセルに関する動作を適切に制御する方法及びユーザ装置を提供する。
【解決手段】移動通信システムにおいて、ユーザ装置UE100は、セカンダリセル(SCell)に関する希望動作を示す情報をネットワークに送信する送信部を備える。希望動作は、ユーザ装置に設定されたセカンダリセルを有効化する第1動作と、前記ユーザ装置に設定されたセカンダリセルを無効化する第2動作と、前記ユーザ装置にセカンダリセルを設定する第3動作とのいずれか1つを含む。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重接続方式を利用して、マスタセルグループに関連付けられたマスタノードと接続されるとともに、セカンダリセルグループに関連付けられたセカンダリノードと接続されるユーザ装置において実行される方法であって、
前記マスタノードから、前記セカンダリセルグループの無効化を指示する情報を受信することと、
前記情報の受信に応じて、前記セカンダリセルグループにおけるプライマリSCGセルでのSRS(Sounding Reference Signal)の送信、CSI(Channel State Information)の報告、及びPDCCHの監視を実行しない制御を行うことを含む
方法。
【請求項2】
二重接続方式を利用して、マスタセルグループに関連付けられたマスタノードと接続されるとともに、セカンダリセルグループに関連付けられたセカンダリノードと接続されるユーザ装置であって、
前記マスタノードから、前記セカンダリセルグループの無効化を指示する情報を受信する受信部と、
前記情報の受信に応じて、前記セカンダリセルグループにおけるプライマリSCGセルでのSRS(Sounding Reference Signal)の送信、CSI(Channel State Information)の報告、及びPDCCHの監視を実行しない制御を行う制御部と、を備える
ユーザ装置。
【請求項3】
二重接続方式を利用して、マスタセルグループに関連付けられたマスタノードと接続されるとともに、セカンダリセルグループに関連付けられたセカンダリノードと接続されるユーザ装置を制御するプロセッサであって、
前記マスタノードから、前記セカンダリセルグループの無効化を指示する情報を受信する処理と、
前記情報の受信に応じて、前記セカンダリセルグループにおけるプライマリSCGセルでのSRS(Sounding Reference Signal)の送信、CSI(Channel State Information)の報告、及びPDCCHの監視を実行しない制御を行う処理と、を実行する
プロセッサ。
【請求項4】
二重接続方式を利用して、マスタセルグループに関連付けられたマスタノードと接続されるとともに、セカンダリセルグループに関連付けられたセカンダリノードと接続されるユーザ装置を制御するためのプログラムであって、
前記マスタノードから、前記セカンダリセルグループの無効化を指示する情報を受信する処理と、
前記情報の受信に応じて、前記セカンダリセルグループにおけるプライマリSCGセルでのSRS(Sounding Reference Signal)の送信、CSI(Channel State Information)の報告、及びPDCCHの監視を実行しない制御を行う処理と、を前記ユーザ装置に実行させる
プログラム。
【請求項5】
請求項2に記載のユーザ装置と、マスタノードと、セカンダリノードとを有する通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムにおける方法及びユーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)(登録商標。以下同じ)において、ユーザ装置が複数のセル(プライマリセル及び少なくとも1つのセカンダリセル)を同時に使用する通信が規定される。当該複数のセルが同一の基地局に属するケースは、キャリアアグリゲーション(CA)と称される。当該複数のセルが2つの基地局に属するケースは、デュアルコネクティビティ(DC)と称される。
【0003】
ユーザ装置は、基地局からの設定情報に基づいて、セカンダリセル(SCell)を設定する。ユーザ装置は、基地局からの指示に応じてSCellを有効化(activate)/無効化(deactivate)する(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP技術仕様書 「TS38.300 V16.0.0」 2020年1月
【発明の概要】
【0005】
第1の態様に係る方法は、ユーザ装置において実行される方法である。前記方法は、セカンダリセルに関する希望動作を示す情報をネットワークに送信する送信ことを含む。前記希望動作は、前記ユーザ装置に設定されたセカンダリセルを有効化する第1動作と、前記ユーザ装置に設定されたセカンダリセルを無効化する第2動作と、前記ユーザ装置にセカンダリセルを設定する第3動作とのいずれか1つを含む。
【0006】
第2の態様に係る方法は、ユーザ装置において実行される方法である。前記方法は、前記ユーザ装置に設定されるセカンダリセルを間欠的に有効化するための情報をネットワークから受信することと、前記情報に基づいて決定される有効化期間において前記セカンダリセルを有効化することと、前記有効化期間以外の期間において前記セカンダリセルを無効化することと、を含む。
【0007】
第3の態様に係る方法は、ユーザ装置において実行される方法である。前記方法は、前記ユーザ装置に設定されたプライマリセカンダリセルを休止状態に遷移する情報をネットワークから受信することと、前記情報に基づいて前記プライマリセカンダリセルを前記休止状態に遷移することと、を含む。
【0008】
第4の態様に係るユーザ装置は、セカンダリセルに関する希望動作を示す情報をネットワークに送信する送信部を備える。前記希望動作は、前記ユーザ装置に設定されたセカンダリセルを有効化する第1動作と、前記ユーザ装置に設定されたセカンダリセルを無効化する第2動作と、前記ユーザ装置にセカンダリセルを設定する第3動作とのいずれか1つを含む。
【0009】
第5の態様に係るユーザ装置は、前記ユーザ装置に設定されるセカンダリセルを間欠的に有効化するための情報をネットワークから受信する受信部と、前記情報に基づいて決定される有効化期間において前記セカンダリセルを有効化し、前記有効化期間以外の期間において前記セカンダリセルを無効化する制御部と、を備える。
【0010】
第6の態様に係るユーザ装置は、前記ユーザ装置に設定されたプライマリセカンダリセルを休止状態に遷移する情報をネットワークから受信する受信部と、前記情報に基づいて前記プライマリセカンダリセルを前記休止状態に遷移する制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。
図2図2は、UE100の構成を示す図である。
図3図3は、基地局200の構成を示す図である。
図4図4は、ユーザプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
図5図5は、制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
図6図6は、DCの一例を示す図である。
図7図7は、第1実施形態の動作例1の動作を示す図である。
図8図8は、第1実施形態の動作例2の動作を示す図である。
図9図9は、第1実施形態の動作例3の動作を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係るSCellの間欠的な有効化の動作を示す図である。
図11図11は、第3実施形態の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
現行の3GPP仕様には、ユーザ装置は、自ユーザ装置が希望するSCellに関する動作(例えば、SCellを有効化する動作)をネットワークに通知する方法が規定されていない。例えば、急に高スループットの通信が必要とするアプリケーションが起動され、かつ、ユーザ装置に設定されるSCellが無効化されている場合、ユーザ装置がSCellをすぐに有効化することができない。
【0013】
そこで、本開示は、SCellに関する動作を適切に制御することを目的とする。
【0014】
図面を参照しながら、実施形態に係る移動通信システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0015】
(移動通信システム)
まず、一実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。一実施形態に係る移動通信システムは3GPPの5Gシステムであるが、移動通信システムには、LTEが少なくとも部分的に適用されてもよい。
【0016】
図1は、一実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。
【0017】
図1に示すように、移動通信システムは、ユーザ装置(UE:User Equipment)100と、5Gの無線アクセスネットワーク(NG-RAN:Next Generation Radio Access Network)10と、5Gのコアネットワーク(5GC:5G Core Network)20とを有する。
【0018】
UE100は、移動可能な装置である。UE100は、ユーザにより利用される装置であればどのような装置であっても構わない。例えば、UE100は、携帯電話端末(スマートフォンを含む)、タブレット端末、ノートPC、通信モジュール(通信カード又はチップセットを含む)、センサ若しくはセンサに設けられる装置、車両若しくは車両に設けられる装置(Vehicle UE)、及び/又は飛行体若しくは飛行体に設けられる装置(Aerial UE)である。
【0019】
NG-RAN10は、基地局(5Gシステムにおいて「gNB」と呼ばれる)200を含む。gNB200は、NG-RANノードと呼ばれることもある。gNB200は、基地局間インターフェイスであるXnインターフェイスを介して相互に接続される。gNB200は、1又は複数のセルを管理する。gNB200は、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。gNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能又はリソースを示す用語としても用いられる。1つのセルは1つのキャリア周波数に属する。
【0020】
なお、gNBがLTEのコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)に接続されてもよいし、LTEの基地局が5GCに接続されてもよい。また、LTEの基地局とgNBとが基地局間インターフェイスを介して接続されてもよい。
【0021】
5GC20は、AMF(Access and Mobility Management Function)及びUPF(User Plane Function)300を含む。AMFは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。AMFは、NAS(Non-Access Stratum)シグナリングを用いてUE100と通信することにより、UE100が在圏するエリアの情報を管理する。UPFは、データの転送制御を行う。AMF及びUPFは、基地局-コアネットワーク間インターフェイスであるNGインターフェイスを介してgNB200と接続される。
【0022】
図2は、UE100(ユーザ装置)の構成を示す図である。
【0023】
図2に示すように、UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を備える。
【0024】
受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。
【0025】
送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0026】
制御部130は、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサと電気的に接続された少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPU(Central Processing Unit)と、を含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
【0027】
図3は、gNB200(基地局)の構成を示す図である。
【0028】
図3に示すように、gNB200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びバックホール通信部240を備える。
【0029】
送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0030】
受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。
【0031】
制御部230は、gNB200における各種の制御を行う。制御部230は、少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサと電気的に接続された少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPUと、を含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
【0032】
バックホール通信部240は、基地局間インターフェイスを介して隣接基地局と接続される。バックホール通信部240は、基地局-コアネットワーク間インターフェイスを介してAMF/UPF300と接続される。なお、gNBは、CU(Central Unit)とDU(Distributed Unit)とで構成され(すなわち、機能分割され)、両ユニット間がF1インターフェイスで接続されてもよい。
【0033】
図4は、データを取り扱うユーザプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
【0034】
図4に示すように、ユーザプレーンの無線インターフェイスプロトコルは、物理(PHY)レイヤと、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤとを有する。
【0035】
PHYレイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100のPHYレイヤとgNB200のPHYレイヤとの間では、物理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
【0036】
PHYレイヤにおいて、無線フレーム、サブフレーム、スロット、及びシンボルを含むフレーム構造が使用される。無線フレームは、時間軸上で10個のサブフレームで構成される。各サブフレームの長さは1msである。各サブフレームは、複数のスロットで構成される。各スロットは、複数のシンボルで構成される。各サブフレームは、周波数軸上で複数個のリソースブロック(RB)を含む。各リソースブロックは、周波数軸上で複数個のサブキャリアを含む。UE100に割り当てられる無線リソース(時間・周波数リソース)のうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット、シンボル)により特定できる。
【0037】
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に下りリンク制御情報を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)として用いられる領域である。各サブフレームの残りの部分は、主に下りリンクデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)として用いることができる領域である。
【0038】
MACレイヤは、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセスプロシージャ等を行う。UE100のMACレイヤとgNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。gNB200のMACレイヤはスケジューラを含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定する。
【0039】
RLCレイヤは、MACレイヤ及びPHYレイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとgNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
【0040】
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
【0041】
SDAPレイヤは、コアネットワークがQoS制御を行う単位であるIPフローとAS(Access Stratum)がQoS制御を行う単位である無線ベアラとのマッピングを行う。なお、RANがEPCに接続される場合は、SDAPが無くてもよい。
【0042】
図5は、シグナリング(制御信号)を取り扱う制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
【0043】
図5に示すように、制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックは、図4に示したSDAPレイヤに代えて、RRC(Radio Resource Control)レイヤ及びNAS(Non-Access Stratum)レイヤを有する。
【0044】
UE100のRRCレイヤとgNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のためのRRCシグナリングが伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRC接続状態にある。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がない場合、UE100はRRCアイドル状態にある。また、RRC接続が中断(サスペンド)されている場合、UE100はRRCインアクティブ状態にある。
【0045】
RRCレイヤの上位に位置するNASレイヤは、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。UE100のNASレイヤとAMF300のNASレイヤとの間では、NASシグナリングが伝送される。
【0046】
なお、UE100は、無線インターフェイスのプロトコル以外にアプリケーションレイヤ等を有する。
【0047】
(キャリアアグリゲーション)
次に、キャリアアグリゲーション(CA)の概要について説明する。
【0048】
CAにおいて、複数の送受信機を有するUE100は、1つの基地局200が管理する複数セルを利用するように設定される。複数のセルは、1つのプライマリセル(PCell)及び少なくとも1つのセカンダリセル(SCell)を含む。1つのSCellは、少なくとも下りリンクリソースが設定される。1つのSCellは、上りリンクリソースが設定されていてもよいし、上りリンクリソースが設定されていなくてもよい。
【0049】
UE100は、基地局200からの設定情報に基づいてSCellを設定する。UE100に設定されるSCellのそれぞれにインデックスが割り当てられる。UE100に設定されるSCellの初期状態は、有効化状態(activated state)であってもよいし、無効化状態(deactivated state)であってもよい。
【0050】
UE100は、基地局200からの指示に応じてSCellを有効化(activate)/無効化(deactivate)する。
【0051】
ここで、SCellを有効化することとは、SCellを有効化状態に遷移することである。SCellを無効化することとは、SCellを無効化状態に遷移することである。
【0052】
UE100は、有効化状態にあるSCellにおいて、SRS(Sounding Reference Signal)の送信、CSI(Channel State Information)の測定及び報告、及びPDCCHのモニタリングなどを行う。
【0053】
CSI報告は、CQI(Channel Qulity Information)報告、PMI(Precoding Matrix Indicator)報告、RI(Rank Indicator)報告などを含む。UE100は、基地局200が送信するCSI-RS(Reference Signal)を測定し、測定結果に基づいて、報告するCQI、PMI、RIなどを決定する。基地局200は、UE100から受信したCSI報告に基づいて、UE100をスケジューリングする(例えば、UE100に対して下りリンクリソースを割り当てること、MCS(Modulation and Coding Scheme)を選択することなどを行う)。
【0054】
UE100は、無効化状態にあるSCellにおいて、SRS(Sounding Reference Signal)の送信、CSIの測定及び報告、及びPDCCHのモニタリングなどを行わない。
【0055】
(デュアルコネクティビティ)
次に、デュアルコネクティビティ(DC)の概要について説明する。以下において、NRアクセスを含むDCを主として想定する。このようなDCは、MR-DC(Multi-RAT DC)又はMulti-connectivityと呼ばれることがある。図6は、DCの一例を示す図である。
【0056】
図6に示すように、DCにおいて、複数の送受信機を有するUE100は、2つの異なるノード(2つの異なる基地局)によって提供されるリソースを利用するように設定される。一方の基地局はNRアクセスを提供し、他方の基地局はE-UTRA(LTE)又はNRアクセスを提供する。図6の例において、基地局200AはeNB又はgNBであり、基地局200BはeNB又はgNBであってもよい。
【0057】
また、一方の基地局200Aがマスタノード(MN)として機能し、他方の基地局200Bがセカンダリノード(SN)として機能する。MNは、コアネットワークへの制御プレーン接続を提供する無線アクセスノードである。MNは、マスタ基地局と呼ばれることがある。SNは、コアネットワークへの制御プレーン接続を持たない無線アクセスノードである。SNは、セカンダリ基地局と呼ばれることがある。
【0058】
MNとSNとはネットワークインターフェース(基地局間インターフェイス)を介して接続され、少なくともMNはコアネットワークに接続される。図6において、基地局間インターフェイスがXnインターフェイスである一例を示しているが、基地局間インターフェイスがX2インターフェイスであってもよい。MN及びSNは、基地局間インターフェイスを介して、後述する各種の情報を送受信する。
【0059】
MNのセルであって、UE100に設定されるサービングセルのグループは、マスタセルグループ(MCG)と呼ばれる。一方、SNのセルであって、UE100に設定されるサービングセルのグループは、セカンダリセルグループ(SCG)と呼ばれる。SCGに属するセルは、SCG Cellと呼ばれる。
【0060】
SCGは、プライマリSCG Cell(PSCell)と、0また複数のSCellを含む。つまり、SCGは、PSCellのみを含んでいてもよい。
【0061】
PSCellは、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)リソースが設定される。UE100は、SCGに属する一部のSCellに関するCSI報告をPSCellのPUCCH上で送信する。UE100は、SCGが新たに設定される際に、PSCellに対してRA(Random Access)手順を行う。
【0062】
(第1実施形態)
次に、上述したような移動通信システムの構成を前提として、第1実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0063】
第1実施形態は、UE100が、SCellに関する希望動作として、UE100に設定されるSCellを有効化する動作と、UE100に設定されるSCellを無効化する動作と、UE100にSCellを設定する動作とのいずれか1つを示す情報を基地局200に送信することに関する実施形態である。
【0064】
以下において、第1実施形態の動作例1~3を説明する。
【0065】
(動作例1)
動作例1は、UE100が、SCellに関する希望動作として、UE100に設定されるSCellを有効化する動作、又は、UE100に設定されるSCellを無効化する動作を示す情報を基地局200に送信することに関する動作例である。図7は、動作例1の動作を示す図である。
【0066】
図7に示すように、ステップS101において、UE100は、基地局200とのRRC接続を確立しており、RRC接続状態にある。ここで、UE100には、少なくとも1つの無効化されるSCellが基地局200から設定され、基地局200と通信する。当該SCellは基地局200により管理される。UE100には、1つ又は複数の有効化されるSCellが基地局200から設定されていてもよい。
【0067】
ステップS102において、UE100は、UE100が必要とする通信レートを示すレート値(以下、「必要通信レート値」と呼ぶ)を決定する。通信レートは、スループットであってもよいし、データ伝送レートであってもよい。
【0068】
UE100は、現在起動しているアプリケーションに基づいてUE100が必要とする通信レートを示す値を決定してもよい。UE100は、現在起動しているアプリケーションのそれぞれが要求する通信レート値の合計値を必要通信レート値として決定してもよい。UE100は、現在起動しているアプリケーションのそれぞれが要求する通信レート値のうちの最大値を必要通信レート値として決定してもよい。UE100は、CPUの使用率(又は使用量)、メモリの使用率(又は使用量)などに基づいて必要通信レート値を決定してもよい。
【0069】
ステップS103において、UE100は、必要通信レート値が第1閾値以上であるかを判断する。UE100は、基地局200から受信した閾値情報に基づいて第1閾値を設定してもよい。UE100は、自律的に第1閾値を設定してもよい。例えば、UE100は、現在のサービングセルの無線品質(RSRP、RSRQ、SINRなど)及び帯域幅などに基づいて当該サービングセルが提供する最大通信レートを予測し、当該最大通信レートを第1閾値として設定してもよい。UE100は、サービングセル(有効化されているサービングセル)を複数有する場合、当該複数のサービングセルのそれぞれの最大通信レートを予測し、各サービングセル最大通信レートの合計値を第1閾値として設定してもよい。
【0070】
UE100は、必要通信レート値が第1閾値以上であると判断した場合(ステップS103:YES)、処理をステップS104に進める。
【0071】
ステップS104において、UE100は、SCellに関する希望動作として、UE100に設定されるSCellを有効化する動作を示す情報(以下、「SCell有効化希望情報」と呼ぶ。)を基地局200に送信する。これにより、基地局200は、UE100に設定されるSCellの有効化をUE100が希望していることを把握できる。
【0072】
UE100は、SCell有効化希望情報をRRCメッセージ(例えば、UEアシスト情報メッセージ)で送信してもよいし、MAC CEで送信してもよい。
【0073】
UE100は、SCell有効化希望情報とともに、必要通信レート値を示す情報をさらに送信してもよい。これにより、基地局200は、UE100が必要とする通信レートを把握することができ、当該通信レートを提供可能なSCellを有効化することができる。
【0074】
UE100は、SCell有効化希望情報とともに、無効化されているSCellについての無線品質を含む測定報告をさらに送信してもよい。これにより、基地局200は、無線品質の良いSCellを特定でき、当該SCellを有効化することができる。
【0075】
UE100は、有効化が希望されるSCellが識別可能な様態で、SCell有効化希望情報を送信してもよい。これにより、基地局200は、UE100が有効化を希望するSCellを特定できる。UE100は、無効化されているSCellのそれぞれの無線品質及び帯域幅などに基づいて、無効化されているSCellのうち、必要通信レートを提供可能なSCellを、有効化が希望されるSCellとして決定してもよい。
【0076】
UE100は、有効化が希望されるSCellが識別可能な様態でSCell有効化希望情報を送信する際に、有効化が希望されるSCellのセル識別子又はインデックスを、SCell有効化希望情報とともに送信してもよい。UE100は、有効化が希望されるSCellのセル識別子又はインデックスを、SCell有効化希望情報として送信してもよい。
【0077】
UE100は、UE100に設定されるSCellのそれぞれのインデックスに対応するフィールドを含むMAC CEを生成し、有効化が希望されるSCellのインデックスに対応するフィールドの値を「1」に設定し、当該MAC CEを送信してもよい。
【0078】
ステップS105において、UE100は、1つ又は複数のSCellの有効化を指示するSCell有効化指示を基地局200から受信する。
【0079】
ステップS106において、UE100は、SCell有効化指示に応じて当該1つ又は複数のSCellを有効化する。
【0080】
ステップS107において、UE100は、ステップS102における処理と同様に、必要通信レート値を決定する。
【0081】
ステップS108において、UE100は、必要通信レート値が第2閾値未満であるかを判断する。UE100は、基地局200から受信した閾値情報に基づいて第2閾値を設定してもよい。UE100は、自律的に第2閾値を設定してもよい。第2閾値は、ステップS103における第1閾値と同様な値であってもよい。
【0082】
UE100は、必要通信レート値が第2閾値未満であると判断した場合(ステップS108:YES)、処理をステップS109に進める。
【0083】
ステップS109において、UE100は、SCellに関する希望動作として、UE100に設定されるSCellを無効化する動作を示す情報(以下、「SCell無効化希望情報」と呼ぶ。)を基地局200に送信する。これにより、基地局200は、UE100に設定されるSCellの無効化をUE100が希望していることを把握できる。
【0084】
UE100は、SCell無効化希望情報をRRCメッセージ(例えば、UEアシスト情報メッセージ)で送信してもよいし、MAC CEで送信してもよい。
【0085】
UE100は、SCell無効化希望情報とともに、必要通信レート値を示す情報をさらに送信してもよい。これにより、基地局200は、UE100が必要とする通信レートを把握することができ、当該通信レートを提供可能なSCellを有効化しつつ、他のSCellを無効化することできる。
【0086】
UE100は、SCell無効化希望情報とともに、有効化されているSCellについての無線品質を含む測定報告をさらに送信してもよい。これにより、基地局200は、無線品質の悪いSCellを特定でき、当該SCellを無効化することができる。
【0087】
UE100は、無効化が希望されるSCellが識別可能な様態で、SCell無効化希望情報を送信してもよい。これにより、基地局200は、UE100が無効化を希望するSCellを特定できる。UE100は、有効化されているSCellのそれぞれの無線品質及び帯域幅などに基づいて、必要通信レートを提供可能なSCellを決定し、それ以外のSCellを無効化が希望されるSCellとして決定してもよい。
【0088】
UE100は、無効化が希望されるSCellが識別可能な様態でSCell無効化希望情報を送信する際に、無効化が希望されるSCellのセル識別子又はインデックスを、SCell無効化希望情報とともに送信してもよい。UE100は、無効化が希望されるSCellのセル識別子又はインデックスを、SCell無効化希望情報として送信してもよい。
【0089】
UE100は、UE100に設定されるSCellのそれぞれのインデックスに対応するフィールドを含むMAC CEを生成し、無効化が希望されるSCellのインデックスに対応するフィールドの値を「0」に設定し、当該MAC CEを送信してもよい。
【0090】
ステップS110において、UE100は、1つ又は複数のSCellの無効化を指示するSCell無効化指示を基地局200から受信する。
【0091】
ステップS111において、UE100は、SCell無効化指示に応じて、当該1つ又は複数のSCellを無効化する。
【0092】
動作例1において、UE100は、ステップS102~ステップS103の処理及び/又はステップS107~ステップS108を省略してもよい。ステップS102~ステップS103の処理を省略する場合、UE100は、SCellの有効化が必要とする場合、SCell有効化希望情報を基地局200に送信する。ステップS107~ステップS108の処理を省略する場合、UE100は、SCellの無効化が必要とする場合、SCell無効化希望情報を基地局200に送信する。
【0093】
動作例1において、UE100は、将来の一定期間内に必要とする通信レートを示すレート値が第1閾値以上である場合、SCell有効化希望情報を送信してもよい。或いは、UE100は、将来の一定期間内に発生する送信データの量が第1データ量以上である場合に、SCell有効化希望情報を送信してもよい。一定期間は、ミリ秒の数又はサブフレームの数で表される。一定期間は、基地局200によって設定される。第1データ量は、基地局200によって設定される。
【0094】
動作例1において、UE100は、将来の一定期間内に必要とする通信レートを示すレート値が第1閾値以上である場合、又は、将来の一定期間内に発生する送信データの量が所定値以上である場合、SCell有効化希望情報の代わりに、大量データ通信予知の通知を基地局200に送信してもよい。基地局200は、大量データ通信予知の通知をUE100から受信すると、UE100に設定されるSCellの有効化をUE100が希望しているとみなし、SCell有効化指示をUE100に送信してもよい。
【0095】
動作例1において、UE100は、将来の一定期間内に必要とする通信レートを示すレート値が第2閾値未満である場合、SCell無効化希望情報を送信してもよい。或いは、UE100は、将来の一定期間内に発生する送信データの量が第2データ量未満である場合に、SCell無効化希望情報を送信してもよい。第2データ量は、基地局200によって設定される。
【0096】
動作例1において、UE100は、将来の一定期間内に必要とする通信レートを示すレート値が第2閾値未満である場合、又は、将来の一定期間内に発生する送信データの量が第2データ量未満である場合、SCell無効化希望情報の代わりに、少量データ通信予知の通知を基地局200に送信してもよい。基地局200は、少量データ通信予知の通知をUE100から受信すると、UE100に設定されるSCellの無効化をUE100が希望しているとみなし、SCell無効化指示をUE100に送信してもよい。
【0097】
動作例1において、各閾値(第1閾値、第2閾値、第1データ量、第2データ量)は、上りリンク通信と下りリンク通信とで別々に設定されていてもよい。UE100は、必要通信レート値及び/又は送信データの量を、上りリンク通信と下りリンク通信とで別々で決定し、対応する閾値と比較する。
【0098】
例えば、UE100は、上りリンク通信の必要通信レート値が、上りリンク通信に設定した第1閾値以上である場合に、SCellに関する希望動作として、上りリンクリソースが設定されているSCellを有効化する動作を示す情報を送信する。UE100は、上りリンク通信の必要通信レート値が、上りリンク通信に設定した第2閾値未満である場合に、SCellに関する希望動作として、上りリンクリソースが設定されているSCellを無効化する動作を示す情報を送信する。
【0099】
(動作例2)
動作例2について、動作例1との相違点を主に説明する。動作例2は、SCellに関する希望動作として、UE100に設定されるSCG Cellを有効化する動作、又は、UE100に設定されるSCG Cellを無効化する動作を示す情報を送信することに関する動作例である。図8は、動作例2の動作を示す図である。
【0100】
図8に示すように、ステップS201において、UE100は、基地局200AとのRRC接続を確立しており、RRC接続状態にある。
【0101】
ステップS202において、UE100は、DC通信を基地局200A及び基地局200Bと開始する。ここで、UE100には、少なくとも1つの無効化されるSCG Cellが設定される。基地局200AはUE100のMNとして機能し、基地局200BはUE100のSNとして機能する。
【0102】
ステップS203~ステップS204における処理は、ステップS102~ステップS103と同様である。
【0103】
ステップS205において、UE100は、SCellに関する希望動作として、UE100に設定されるSCG Cellを有効化する動作を示す情報(以下、「SCG Cell有効化希望情報」と呼ぶ。)を基地局200A又は基地局200Bに送信する。
【0104】
ステップS104と同様に、ステップS205において、UE100は、SCG Cell有効化希望情報とともに、必要通信レート値を示す情報をさらに送信してもよい。UE100は、SCG Cell有効化希望情報とともに、無効化されているSCG Cellについての無線品質を含む測定報告をさらに送信してもよい。UE100は、有効化が希望されるSCG Cellが識別可能な様態で、SCG Cell有効化希望情報を送信してもよい。
【0105】
UE100は、SCG Cell有効化希望情報を基地局200Aに送信する際に、SCG Cell有効化希望情報をRRCメッセージ(例えば、UEアシスト情報メッセージ)で送信する。この場合、基地局200Aは、SCG Cell有効化希望情報を基地局200Bに転送する。
【0106】
UE100は、SCG Cell有効化希望情報を基地局200Bに送信する際に、SCG Cell有効化希望情報を、SRB3を介するRRCメッセージで送信してもよいし、MAC CEで送信してもよい。SRB3とは、UE100とSNとの間で確立される制御用の無線ベアラをいう。UE100は、UE100に設定されるSCG Cellのそれぞれのインデックスに対応するフィールドを含むMAC CEを生成し、有効化が希望されるSCG Cellのインデックスに対応するフィールドの値を「1」に設定し、当該MAC CEを送信してもよい。
【0107】
ステップS206において、UE100は、1つ又は複数のSCG Cellの有効化を指示するSCG Cell有効化指示を基地局200A又は基地局200Bから受信する。UE100は、SCG Cell有効化指示を基地局200Aから受信する場合、当該SCG Cell有効化指示は基地局200Bから基地局200Aに送信された後、UE100に送信される。
【0108】
ステップS207において、UE100は、SCG Cell有効化指示に応じて当該1つ又は複数のSCG Cellを有効化する。
【0109】
ステップS208~ステップS209における処理は、ステップS107~ステップS108と同様である。
【0110】
ステップS210において、UE100は、SCellに関する希望動作として、UE100に設定されるSCG Cellを無効化する動作を示す情報(以下、「SCG Cell無効化希望情報」と呼ぶ。)を基地局200A又は基地局200Bに送信する。これにより、基地局200A又は基地局200Bは、UE100に設定されるSCG Cellの無効化をUE100が希望していることを把握する。
【0111】
ステップS109と同様に、ステップS210において、UE100は、SCG Cell無効化希望情報とともに、必要通信レート値を示す情報をさらに送信してもよい。UE100は、SCG Cell無効化希望情報とともに、有効化されているSCG Cellについての無線品質を含む測定報告をさらに送信してもよい。UE100は、無効化が希望されるSCG Cellが識別可能な様態で、SCG Cell無効化希望情報を送信してもよい。
【0112】
UE100は、SCG Cell無効化希望情報を基地局200Aに送信する際に、SCG Cell無効化希望情報をRRCメッセージ(例えば、UEアシスト情報メッセージ)で送信する。この場合、基地局200Aは、SCG Cell無効化希望情報を基地局200Bに転送する。
【0113】
UE100は、SCG Cell無効化希望情報を基地局200Bに送信する際に、SCG Cell無効化希望情報を、SRB3を介するRRCメッセージで送信してもよいし、MAC CEで送信してもよい。UE100は、UE100に設定されるSCG Cellのそれぞれのインデックスに対応するフィールドを含むMAC CEを生成し、無効化が希望されるSCG Cellのインデックスに対応するフィールドの値を「0」に設定し、当該MAC CEを送信してもよい。
【0114】
ステップS211において、UE100は、1つ又は複数のSCG Cellの無効化を指示するSCG Cell無効化指示を基地局200A又は基地局200Bから受信する。UE100は、SCG Cell無効化指示を基地局200Aから受信する場合、当該SCG Cell無効化指示は基地局200Bから基地局200Aに送信された後、UE100に送信される。
【0115】
ステップS212において、UE100は、SCG Cell無効化指示に応じて当該1つ又は複数のSCG Cellを無効化する。
【0116】
動作例2において、UE100は、SCG Cell有効化希望情報として、SCGの有効化(すなわち、SCGに属する全てのセルの有効化)を希望することを示す情報を送信してもよい。
【0117】
動作例2において、UE100は、SCG Cell無効化希望情報として、SCGの無効化(すなわち、SCGに属する全てのセルの無効化)を希望することを示す情報を送信してもよい。
【0118】
(動作例3)
動作例3について、動作例1との相違点を主に説明する。動作例3は、SCellに関する希望動作として、UE100にSCellを設定する動作を示す情報を送信することに関する動作例である。図9は、動作例3の動作を示す図である。
【0119】
図9に示すように、ステップS301において、UE100は、基地局200とのRRC接続を確立しており、RRCコネクティッドモードにある。UE100は、SCellを有しておらず(すなわち、CA及びDCのいずれも設定されていない)、1つのみのサービングセルを介して基地局200との無線通信を行う。
【0120】
ステップS302~ステップS303における処理は、ステップS102~ステップS103と同様である。
【0121】
ステップS304において、UE100は、SCellに関する希望動作として、UE100にSCellを設定する動作(すなわち、CAをUE100に設定する動作)を希望することを示す情報(以下、「SCell設定希望情報」と呼ぶ。)を基地局200に送信する。これにより、基地局200は、SCellをUE100に設定することをUE100が希望していることを把握する。
【0122】
UE100は、SCell設定希望情報をRRCメッセージ(例えば、UEアシスト情報メッセージ)で送信してもよいし、MAC CEで送信してもよい。
【0123】
UE100は、SCell設定希望情報とともに、候補セルのセル識別子を含む候補セルリストを送信してもよい。候補セルリストには、各候補セルの無線品質を示す情報が含まれていてもよい。UE100は、所定品質基準(S-criteriaやR-criteria)を満たす品質を有するセルを候補セルとして決定してもよい。これにより、基地局200は、候補セルリストに基づいて、無線品質の良いセルをSCellとしてUE100に設定できる。
【0124】
UE100は、SCell設定希望情報とともに、必要通信レート値を示す情報をさらに送信してもよい。これにより、基地局200は、必要通信レート値によって示される通信レートを提供可能なセルをSCellとしてUE100に設定できる。
【0125】
UE100は、DCをサポートしている場合、SCellに関する希望動作として、UE100にSCGを設定する動作(すなわち、DCをUE100に設定する)を希望することを示す情報(以下、「SCG設定希望情報」と呼ぶ。)を基地局200に送信してもよい。これにより、基地局200は、SCGをUE100に設定することをUE100が希望していることを把握する。
【0126】
UE100は、SCG設定希望情報とともに、上述の候補セルリスト及び/又は必要通信レート値を示す情報を送信してもよい。基地局200は、これらの情報に基づいて適切なセルをPSCell(及びSCGに属するSCell)としてUE100に設定できる。
【0127】
ステップS305において、UE100は、SCell又はSCGを設定するための指示を基地局200から受信する。
【0128】
ステップS306において、UE100は、指示に応じてSCell又はSCGを設定する。
【0129】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る動作について説明する。第2実施形態は、UE100に設定されるSCellを間欠的に有効化することに関する実施形態である。SCellを間欠的に有効化することにより、UE100の省電力化を図ることができる。
【0130】
SCellの間欠的な有効化の動作を説明する。図10は、SCellの間欠的な有効化の動作を示す図である。
【0131】
図10に示すように、UE100は、設定されるSCellに対して、間欠的な有効化の動作を行う。具体的には、UE100は、周期(T)毎に発生する有効化開始タイミング(t1、t2、t3…)において、SCellを有効化する。UE100は、1周期(T)内の有効化期間においてSCellを継続的に有効化する。UE100は、1周期(T)内の有効化期間以外の期間においてSCellを無効化する。
【0132】
有効化開始タイミングの直前の所定期間において、UE100は、SCellの無効化を維持しつつ、SCellに関するCSI測定及び報告を行ってもよい。これにより、SCellが有効化された直後に、当該SCellを管理する基地局200は、UE100をスケジューリングすること(UE100に対して下りリンクリソースを割り当てること、MCSを選択することなど)ができる。
【0133】
有効化開始タイミングの直前の所定期間において、UE100は、SCellの無効化を維持しつつ、SCellにおいてSRSを送信してもよい。これにより、SCellが有効化された直後に、当該SCellを管理する基地局200は、UE100の上りリンクチャネル品質を把握でき、UE100に適切な上りリンクリソースを割り当てることができる。UE100は、上りリンク送信を行わない場合、SRSを送信しなくてもよい。
【0134】
上述の有効化開始タイミング、周期(T)、有効化期間、及び所定期間は、基地局200からUE100に設定される。また、所定期間においてCSI測定及び報告を行うための無線リソース(以下、「CSI用無線リソース」と呼ぶ。)は、基地局200から設定される。CSI用無線リソースは、CSI-RSを送信する無線リソース、CSI報告を送信する無線リソースなどを含む。
【0135】
有効化開始タイミングは、無線フレーム番号及びサブフレーム番号で表されてもよいし、無線フレーム番号及びサブフレーム番号に加えてスロット番号、シンボル番号で表されてもよい。
【0136】
周期(T)、有効化期間、及び所定期間は、ミリ秒の数又はサブフレームの数で表される。
【0137】
有効化期間は、動的に延長されてもよい。例えば、UE100は、有効化期間において、下りリンクユーザデータの受信又は上りリンクデータの送信を行うと、タイマを起動する。タイマが起動中である場合、UE100はSCellを継続的に有効化する。つまり、有効化期間は、タイマ満了のタイミングまでに延長される。タイマの値は、基地局200から設定される。
【0138】
例えば、UE100は、有効化期間において自UE100宛のPDCCHを受信する場合、タイマを起動する。UE100は、有効化期間においてSR(スケジューリングリクエスト)及び/又はBSR(バッファステータスレポート)を送信する場合、タイマを起動してもよい。
【0139】
UE100が基地局200A(MN)及び基地局200B(SN)とDCを行う場合、間欠的な有効化の動作は、SCG Cellに適用されていてもよい。間欠的な有効化の動作は、SCG CellにおけるPSCellに適用されていてもよい。
【0140】
第2実施形態において、UE100は、基地局200から、SCellの間欠的な有効化の動作を設定するための情報(以下、「間欠有効化設定情報」と呼ぶ。」を受信し、間欠有効化設定情報に基づいて、上述のSCellの間欠的な有効化の動作を行う。間欠有効化設定情報は、間欠的な有効化の対象SCellの識別情報(SCellの識別子又はインデックス)と、間欠的な有効化の動作に関するパラメータ(有効化開始タイミング、周期(T)、有効化期間、所定期間、及びタイマ値)を示す情報と、を含む。
【0141】
間欠的な有効化の動作がSCG Cellに適用される場合、間欠有効化設定情報は、基地局200AからUE100及び基地局200Bに送信されていてもよい。間欠有効化設定情報は、基地局200BからSRB3を介してUE100に送信されていてもよい。UE100は、基地局200Bから受信した間欠有効化設定情報を基地局200Aに送信してもよい。
【0142】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る動作について説明する。第3実施形態は、UE100に設定されるPSCellを休止状態(dormant state)に遷移することに関する実施形態である。PSCellを休止状態に遷移することにより、UE100の省電力化を図ることができる。
【0143】
UE100は、休止状態にあるPSCell上のPDCCHをモニタしないが、当該PSCellについてCSIの測定を行ってもよい。UE100は、休止状態にあるPSCellについて、AGC(Automatic Gain Control)及びビーム管理(ビームの測定及び選択、ビーム障害回復など)を行ってもよい。
【0144】
図11は、第3実施形態の動作を示す図である。
【0145】
図11に示すように、ステップS401において、UE100は、基地局200AとのRRC接続を確立しており、RRC接続状態にある。
【0146】
ステップS402において、UE100は、DC通信を基地局200A及び基地局200Bと開始する。
【0147】
ステップS403において、基地局200Aは、UE100に対して、PSCellを休止状態に遷移するためのPSCell休止設定情報をRRCメッセージ又はMAC CEで送信する。
【0148】
PSCell休止設定情報は、PSCellを休止状態に遷移するタイミング(以下、「休止タイミング」と呼ぶ。)を決定するための情報を含む。UE100は、PSCell休止設定情報に基づいて、休止タイミングを決定する。
【0149】
例えば、PSCell休止設定情報は、タイマ値を含み、UE100は、PSCell休止設定情報の受信に応じて当該タイマ値に対応するタイマを起動し、タイマ満了のタイミングを休止タイミングとして決定する。つまり、UE100は、タイマ満了のタイミングにおいてPSCellを休止状態に遷移する。或いは、PSCell休止設定情報は、単にPSCellを休止状態に遷移する指示であり、UE100は、このような指示を受信したタイミングを休止タイミングとして決定してもよい。
【0150】
また、PSCell休止設定情報は、UE100又は基地局200Aから基地局200Bにも送信される。基地局200Bは、PSCell休止設定情報に基づいて、休止タイミングを把握し、UE100に対してPDCCHの送信を停止する。
【0151】
ステップS404において、UE100は、休止タイミングにおいてPSCellを休止状態に遷移する。
【0152】
ステップS405において、UE100は、休止状態にあるPSCellについてCSI測定を行い、当該CSI測定についてのCSI報告を基地局200Aに送信する。ここで、UE100は、周期的にCSIの測定及び報告を行ってもよい。この場合、周期は基地局200Aから設定される。
【0153】
ステップS406において、基地局200Aは、UE100に対して、PSCellを有効化にするためのPSCell有効化設定情報をRRCメッセージ又はMAC CEで送信する。
【0154】
PSCell有効化設定情報は、PSCellを有効化するタイミング(以下、「有効化タイミング」と呼ぶ。)を決定するための情報を含む。UE100は、PSCell有効化設定情報に基づいて、有効化タイミングを決定する。PSCell有効化設定情報は、基地局200Aから基地局200Bにも送信される。
【0155】
ステップS408において、UE100は、有効化タイミングにおいてPSCellを有効化する。
【0156】
PSCell有効化設定情報の送信後、有効化タイミングの前に、ステップS407において、基地局200Bは、PSCellのCSI報告をUE100又は基地局200Aから受信する。これにより、PSCellが有効化される直後に、基地局200BはUE100をスケジューリングすることができる。
【0157】
PSCell有効化設定情報を基地局200Bが受信するタイミングから有効化タイミングまでの期間が、基地局200Aと基地局200Bとの間の基地局インターフェイス上の許容遅延よりも短い場合、有効化タイミングが到来する前に、基地局200Aから送信するCSI報告が基地局200Bに到達しない可能性がある。この場合、ステップS407において基地局200Bは、CSI報告をUE100から受信する。
【0158】
(その他実施形態)
UE100、基地局200(基地局200A、基地局200B)が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0159】
また、UE100、基地局200(基地局200A、基地局200B)が行う各処理を実行する回路を集積化し、UE100、基地局200(基地局200A、基地局200B)の少なくとも一部を半導体集積回路(チップセット、SoC)として構成してもよい。
【0160】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0161】
本願は、日本国特許出願第2020-091386号(2020年5月26日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11