(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119978
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】遠隔機械更新および制御を含む医療流体送達システム
(51)【国際特許分類】
A61M 1/16 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
A61M1/16 185
A61M1/16
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024096562
(22)【出願日】2024-06-14
(62)【分割の表示】P 2022170545の分割
【原出願日】2017-12-20
(31)【優先権主張番号】15/386,913
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(71)【出願人】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ダニエル ガスマン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】患者が医療流体送達機械と遠隔に相互作用することを可能にするための改良された形態を提供すること。
【解決手段】医療流体送達システムは、医療流体送達機械がタスクを実施できる状態であることを示すメッセージを生成するように構成されている医療流体送達機械と、メッセージを受信するために第1のリンクを介して医療流体送達機械とデータ通信する少なくとも1つのサーバであって、(i)第2のリンクを介してメッセージを医療流体送達機械から遠隔モバイル通信デバイスに中継し、(ii)第2のリンクを介してタスクを開始すべきことを示す応答を遠隔モバイル通信デバイスから受信し、(iii)第1のリンクを介してタスクを開始するための通知を医療流体送達機械に送信するように構成されている少なくとも1つのサーバとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療流体送達装置であって、前記医療流体送達装置は、
血液濾過器および血液ポンプを含む血液回路と、
透析流体回路であって、前記透析流体回路は、前記血液濾過器に流体的に結合されており、少なくとも1つの透析流体ポンプを含む、透析流体回路と、
プロセッサと、
命令を記憶するメモリと
を備え、
前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、
消毒手順を開始するための消毒入力を受信することと、
前記血液ポンプおよび前記少なくとも1つの透析流体ポンプに、消毒流体を使用して、前記血液回路および前記透析流体回路に対して前記消毒手順を実施させることと、
前記消毒手順が完了した後、消毒タイマを開始することと、
前記消毒タイマがゼロに到達する前に透析入力が受信されたとき、透析処置が実施されることを可能にすることと、
前記透析入力が受信される前に前記消毒タイマがゼロに到達したとき、前記消毒手順が再び実施されるまで、前記透析処置が実施されることを防止することと
を前記プロセッサに行わせる、医療流体送達装置。
【請求項2】
前記消毒入力は、前記プロセッサにおいて、ネットワークを介してモバイル通信デバイスから受信される、請求項1に記載の医療流体送達装置。
【請求項3】
前記消毒入力は、前記プロセッサが前記ネットワークを介して前記モバイル通信デバイスにメッセージを伝送した後に受信され、前記メッセージは、(i)前記消毒手順が実施できる状態であること、または、(ii)前記消毒手順を実施する時間を示す、請求項2に記載の医療流体送達装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記消毒タイマを示す情報、または、
前記消毒手順が完了したことを示す情報
のうちの少なくとも1つを前記モバイル通信デバイスに伝送するようにさらに構成されている、請求項2に記載の医療流体送達装置。
【請求項5】
前記医療流体送達装置は、前記プロセッサに通信可能に結合されている接続性エージェントをさらに備え、前記接続性エージェントは、前記消毒手順中、前記プロセッサが前記モバイル通信デバイスと通信することを防止するように構成されている、請求項2に記載の医療流体送達装置。
【請求項6】
前記血液回路は、静脈ライン、動脈ライン、少なくとも1つのラインクランプ、および気泡検出器を付加的に含み、
前記透析流体回路は、新鮮な透析流体の源に流体的に結合されており、限外濾過器、ヒータ、および排出ラインを付加的に含む、請求項1に記載の医療流体送達装置。
【請求項7】
前記血液回路は、少なくとも2つの血液ポンプを付加的に含む、請求項6に記載の医療流体送達装置。
【請求項8】
前記血液濾過器および前記透析流体回路のうちの少なくとも1つは、使い捨てである、請求項1に記載の医療流体送達装置。
【請求項9】
前記血液濾過器は、取り換えまで約1カ月にわたって使用されるように構成されており、前記透析流体回路は、約6カ月にわたって使用されるように構成されている、請求項8に記載の医療流体送達装置。
【請求項10】
前記消毒流体は、温水または化学溶液である、請求項1に記載の医療流体送達装置。
【請求項11】
前記医療流体送達装置は、前記プロセッサに通信可能に結合されているグラフィカルユーザインターフェースをさらに備え、
前記プロセッサは、前記消毒タイマを示す情報を前記グラフィカルユーザインターフェース上に表示させるように構成されている、請求項1に記載の医療流体送達装置。
【請求項12】
医療流体送達装置であって、前記医療流体送達装置は、
少なくとも1つの透析流体ポンプを含む透析流体回路と、
プロセッサと、
命令を記憶するメモリと
を備え、
前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、
消毒手順を開始するための消毒入力を受信することと、
前記少なくとも1つの透析流体ポンプに、消毒流体を使用して、前記透析流体回路に対して前記消毒手順を実施させることと、
前記消毒手順が完了した後、消毒タイマを開始することと、
前記消毒タイマがゼロに到達する前に透析入力が受信されたとき、透析処置が実施されることを可能にすることと、
前記透析入力が受信される前に前記消毒タイマがゼロに到達したとき、前記消毒手順が再び実施されるまで、前記透析処置が実施されることを防止することと
を前記プロセッサに行わせる、医療流体送達装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記消毒入力を受信する前に、(i)前記消毒手順が実施できる状態であること、または、(ii)前記消毒手順を実施する時間を決定することと、
(i)または(ii)を示す情報をモバイル通信デバイスに伝送することと
を行うようにさらに構成されている、請求項12に記載の医療流体送達装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、ネットワークを介してサーバに通信可能に結合されており、
前記プロセッサは、(i)または(ii)を示す前記情報を前記サーバおよび前記ネットワークを介して前記モバイル通信デバイスに伝送し、前記サーバおよび前記ネットワークを介して前記消毒入力を受信する、請求項13に記載の医療流体送達装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、
前記消毒タイマを示す情報、または、
前記消毒手順が完了したことを示す情報
のうちの少なくとも1つを前記モバイル通信デバイスに伝送するようにさらに構成されている、請求項13に記載の医療流体送達装置。
【請求項16】
前記医療流体送達装置は、前記プロセッサに通信可能に結合されている接続性エージェントをさらに備え、前記接続性エージェントは、前記消毒手順中、前記プロセッサが前記モバイル通信デバイスと通信することを防止するように構成されている、請求項13に記載の医療流体送達装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、セルラーネットワークまたはインターネットリンクのうちの少なくとも1つを介して前記モバイル通信デバイスに通信可能に結合されている、請求項13に記載の医療流体送達装置。
【請求項18】
前記消毒入力は、ショートメッセージングサービス(「SMS」)またはマルチメディアメッセージングサービス(「MMS」)プロトコルを介して受信される、請求項17に記載の医療流体送達装置。
【請求項19】
前記医療流体送達装置は、前記プロセッサに通信可能に結合されているグラフィカルユーザインターフェースをさらに備え、
前記プロセッサは、前記消毒タイマを示す情報を前記グラフィカルユーザインターフェース上に表示させるように構成されている、請求項12に記載の医療流体送達装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、前記透析入力が受信される前に前記消毒タイマがゼロに到達したとき、前記消毒手順が再び実施される必要があることを示す情報を前記グラフィカルユーザインターフェースに表示させるようにさらに構成されている、請求項19に記載の医療流体送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国特許出願第15/386,913号(2016年12月21日出願、名称「Medical Fluid Delivery System Including Remote Machine Updating and Control」)に対する優先権を主張し、上記出願の全内容は、参照により本明細書に引用され、依拠される。
【0002】
本開示は、概して、医療流体送達機械のためのデバイス、システム、および方法に関する。より具体的には、本開示は、医療流体送達機械と患者または介護者のモバイル通信デバイスとの間の相互作用に関する。
【背景技術】
【0003】
1つの関連する医療流体送達機械は、腎不全治療機械である。腎不全治療機械に関して、種々の原因に起因して、人の腎臓系は、機能しなくなり得る。腎不全は、いくつかの生理学的撹乱を生じさせる。水分およびミネラルの平衡を保つこと、または日常の代謝負荷を排泄することは、もはや可能ではなくなる。窒素代謝の毒性最終生産物(尿素、クレアチニン、尿酸、およびその他)は、血液および組織中に蓄積し得る。
【0004】
腎臓不全および低下した腎臓機能は、透析を用いて処置されている。透析は、身体から、正常に機能している腎臓がそうでなければ除去するであろう老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。腎臓機能の置換のための透析処置は、処置が救命的であるので、多くの人々にとって重要である。
【0005】
1つのタイプの腎臓不全治療は、一般に、患者の血液から老廃物を除去するために拡散を使用する血液透析(「HD」)である。拡散勾配が、拡散を引き起こすために、血液と透析液または透析流体と呼ばれる電解質溶液との間で半浸透性透析器を横断して起こる。
【0006】
血液濾過(「HF」)は、患者の血液からの毒素の対流輸送に依拠する代替腎置換治療である。HFは、処置中に体外回路に代替液または補液(典型的には、10~90リットルのそのような流体)を添加することによって遂行される。代替液および処置の合間に患者によって蓄積される流体は、一連のHF処置にわたって限外濾過され、中および大分子を除去することにおいて特に有益である対流輸送機構を提供する(血液透析では、透析セッション間に得られる流体とともに、少量の老廃物が除去されるが、しかしながら、その限外濾過液の除去からの溶質引き出しは、対流クリアランスを提供するために十分ではない)。
【0007】
血液透析濾過(「HDF」)は、対流および拡散クリアランスを組み合わせる処置モダリティである。HDFは、拡散クリアランスを提供するために、標準的血液透析と同様に、透析器を通して流動する透析流体を使用する。加えて、代替液が、体外回路に直接提供され、対流クリアランスを提供する。
【0008】
大部分のHD(HF、HDF)処置は、センターで行われる。在宅血液透析(「HHD」)への傾向が、部分的に、HHDが毎日実施され得、典型的には、週に2または3回行われるセンター内血液透析処置に優る治療利益を提供するので、今日存在する。研究によって、頻繁な処置が、より頻度が低いが、おそらく、より長い処置を受ける患者よりも多くの毒素および老廃物を除去することが示されている。より頻繁に処置を受ける患者は、処置に先立って2または3日分の毒素を蓄積しているセンター内患者ほど多くのダウンサイクルを経験しない。ある地域では、最も近い透析センターは、患者の自宅から何マイルも離れ、ドアツードアの処置時間が1日の大部分を費やすことをもたらす。HHDは、1晩で、または患者がリラックスしているか、働いているか、もしくは別様に生産的である間の日中に行われ得る。
【0009】
別のタイプの腎臓不全治療は、腹膜透析であり、それは、透析流体とも呼ばれる透析液をカテーテルを介して患者の腹膜腔の中に注入する。透析流体は、腹膜腔の腹膜に接触する。老廃物、毒素、および過剰な水分が、拡散および浸透に起因して、患者の血流から、腹膜を通して、透析流体の中に入り、すなわち、浸透勾配が、膜を横断して起こる。透析における浸透剤が、浸透勾配を提供する。使用済みまたは消耗済み透析流体は、患者から排出され、患者から老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。このサイクルは、例えば、複数回繰り返される。
【0010】
持続的外来腹膜透析(「CAPD」)、自動化腹膜透析(「APD」)、および潮汐流透析、ならびに持続的流動腹膜透析(「CFPD」)を含む種々のタイプの腹膜透析治療が存在する。CAPDは、手動透析処置である。ここでは、患者は、使用済みまたは消耗済み透析液流体が腹膜腔から排出することを可能にするために、埋め込まれたカテーテルをドレインに手動で接続する。患者は、次いで、カテーテルを通して患者の中に新鮮な透析流体を注入するために、新鮮な透析流体のバッグにカテーテルを接続する。患者は、カテーテルを新鮮な透析流体バッグから接続解除し、透析流体が腹膜腔内で滞留することを可能にし、老廃物、毒素、および過剰な水分の移送が、起こる。ある滞留時間後、患者は、例えば、1日あたり4回手動透析手順を繰り返し、各処置は、約1時間続く。手動腹膜透析は、患者からかなりの量の時間および努力を要求し、改良の余地がある。
【0011】
自動化腹膜透析(「APD」)は、透析処置が排出、充填、および滞留サイクルを含む点においてCAPDに類似する。しかしながら、APD機械は、典型的には、患者が眠っている間に自動的にサイクルを実施する。APD機械は、処置サイクルを手動で実施する必要性から、かつ日中に供給物を輸送する必要性から患者を解放する。APD機械は、埋め込まれたカテーテルに、新鮮な透析流体の源またはバッグに、および流体ドレインに流体的に接続する。APD機械は、新鮮な透析流体を透析流体源から、カテーテルを通して、患者の腹膜腔の中に圧送する。APD機械は、透析流体が腔内で滞留することも可能にし、廃棄物、毒素、および過剰な水分の移送が起こることを可能にする。源は、複数の無菌透析流体バッグを含み得る。
【0012】
APD機械は、使用済みまたは消耗済み透析液を腹膜腔から、カテーテルを通して、ドレインに圧送する。手動プロセスのように、いくつかの排出、充填、および滞留サイクルは、透析中に起こる。「最後の充填」は、APDの終わりに起こり、次の処置まで患者の腹膜腔内に留まる。
【0013】
機械によって実施される上記モダリティのいずれも、スケジュールベースで実行され得、始動手順を要求し得る。例えば、透析患者は、典型的には、隔日、毎日等のスケジュールベースで処置を実施する。血液処置機械は、典型的には、例えば、消毒手順を実行するための設定のために、処置前にある量の時間を要求する。上記モダリティのための患者は、忙しい生活を送り、処置をスケジューリングされた日に実施する計画または実行する用事を有していることもある。患者に有用であるとされている1つの解決策が、「Extracorporeal Blood Treatment Device And Method For Preparing Blood Treatment Using An Extracorporeal Blood Treatment Device」と題された米国特許第8,315,654号(第’654号特許、特許文献1)に開示されている。第’654号特許は、血液処置デバイスにおけるルーチンを始めるために、患者が開始コードを外部通信ユニットから血液処置デバイスに送信する形態を開示する(要約における第’654号特許参照)。しかしながら、下でより詳細に議論されるように、第’654号特許の形態は、機械および処置自体に関連するある重要な因子を考慮しない。
【0014】
患者が医療流体送達機械と遠隔に相互作用することを可能にするための改良された形態が、それに応じて必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第8,315,654号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本開示の医療流体データ転送システムおよび方法論は、例えば、血漿交換、血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液透析濾過(「HDF」)、および持続的腎置換治療(「CRRT」)処置のための流体送達に適用可能である。本明細書に説明される医療流体データ転送システムは、腹膜透析(「PD」)、静脈内薬物送達、および栄養流体送達にも適用可能である。これらのモダリティは、本明細書では、集合的に、または概して、個別に医療流体送達と称され得る。
【0017】
上記モダリティは、1つ以上のポンプ、複数の弁、必要に応じて、ヒータ、必要に応じて、直結医療流体生成機器、圧力センサ、伝導率センサ、温度センサ、空気検出器、血液漏出検出器等のうちのいずれか1つ以上のものもしくは全て等の複数のセンサ、ユーザインターフェース、ならびに上で説明される機器を制御するための1つ以上のプロセッサおよびメモリを採用し得る制御ユニット等の医療流体を送達するために必要とされる構成要素を格納する医療流体送達機械によって提供され得る。医療流体送達機械は、血液を清潔にするための透析器または血液濾過器および/または水分、透析流体、または他の流体を浄化するための限外濾過器等の1つ以上の濾過器も含み得る。
【0018】
本明細書に説明される医療流体送達機械ならびに医療流体データ転送システムおよび方法論は、在宅ベースの機械と共に使用され得る。例えば、システムは、患者の都合のよいときに動作させられる在宅HD、HF、またはHDF機械と共に使用され得る。1つのそのような在宅システムが、2011年10月4日に発行され、「High Convection Home Hemodialysis/Hemofiltration And Sorbent System」と題され、2004年11月4日に出願され、本願の譲受人に譲渡された米国特許第8,029,454号(「第’454号特許」)に説明されている。他のそのような在宅システムも、2013年3月12日に発行され、「Enclosure for a Portable Hemodialysis System」と題され、2008年8月27日に出願された米国特許第8,393,690号(「第’690号特許」)に説明されている。上記参照文献の各々の全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれ、依拠される。
【0019】
患者のための在宅処置の魅力の多くは、患者が主に自身のスケジュールに従って自宅で処置を実施することを可能にすることによって提供される生活様式の柔軟性を中心に展開される。しかしながら、在宅医療流体送達機械は、ユーザまたは患者に指示し、それを制約するソフトウェアタイマを含み得る。在宅血液透析システムは、例えば、処置前、処置間、および処置後シーケンスを始めるために、患者が在宅血液透析機械の直近にいることを要求し得る。
【0020】
一特定の例では、在宅治療機械は、処置の合間にそれらを消毒することによってある構成要素を再使用し得る。機械は、消毒タイマが終了する前に患者または介護者が機械を使用して処置を開始することを要求する1つ以上の消毒タイマを採用し得る。そうでなければ、患者は、処置を開始する前に別の消毒手順が完了されるまで待つ必要があるであろう。ある実施形態における在宅治療機械は、機械のグラフィカルユーザインターフェースを介して処置開始時間期限を通信し、それは、開始時間期限にアクセスし、それに応じて反応するために、患者が機械の近くにいることを要求する。
【0021】
本開示は、温水消毒および化学消毒等の任意のタイプの消毒に適用されることを理解されたい。この点で、本開示は、在宅治療機械に限定されず、例えば、センター内機械が、典型的には、化学的に消毒され、そのような消毒後に処置開始期限を設定し得る。さらに加えて、本開示は、消毒に基づく開始時間期限に限定されず、他の開始時間期限、例えば、事前注入の完了に基づくものにも適用され得る。なおもさらに、本開示は、初期開始時間期限に限定されない。例えば、殆どの機械は、患者が処置を一時的に中止し、機械から接続解除され、機械から離れてあるタイプの必要なアクションを実施することを可能にするであろう。血液処置に対して、機械は、典型的には、患者に戻るように血液を濯ぎ、ある期間にわたって透析流体を循環させることも、そうでないこともある。いずれの場合も、患者が機械から一時的に接続解除され得る時間は、無制限ではなく、本開示は、返還時間制限にも適用されることが考慮される。
【0022】
一実施形態では、本開示のシステムは、患者および/または介護者のパーソナルモバイル通信デバイス、例えば、スマートフォン上にインストールされるソフトウェアアプリケーション(「アプリ」)を提供する。アプリは、一実施形態では、ミドルウェアソフトウェアアプリケーションを介して提供され、その例が、下で詳細に議論される。代替実施形態では、ソフトウェアは、ミドルウェアソフトウェアアプリケーションを通したテキストメッセージング特徴を直接使用して、患者および/または介護者のパーソナルモバイル通信デバイス、例えば、スマートフォンと通信するように構成される。いずれの場合も、アプリまたはテキストメッセージは、一実施形態では、患者を機械に繋ぐことなく、患者に任意の差し迫った期限をリマインドし、患者および/または介護者が、処置が開始される必要があるときを追跡することを可能にするように構築される。
【0023】
代替として、または加えて、ユーザのモバイル通信デバイス上、例えば、カレンダアプリケーション等のデバイスの固有のタスク追跡特徴上にリマインダを自動的にプログラムするように通信ソフトウェアを構築することが考慮される。殆どのスマートフォンは、各日を時間等の時間セグメントに分離するカレンダを提供される。本開示のシステムおよび方法論のソフトウェアは、認可された患者および/または介護者のスマートフォンカレンダにアクセスし、適切な日の適切な時間セグメントに適切な情報、例えば、機械がその時間セグメント内に消毒を開始すること、または完了することを投入するようにプログラムされ得る。
【0024】
一実施形態では、本開示のソフトウェアシステムおよび方法論からの通信は、一方向である。例えば、通信は、在宅機械であり得る医療流体送達機械から患者または介護者のモバイル通信デバイスへのものであり得る。代替実施形態では、本開示のソフトウェアシステムおよび方法論は、医療流体送達機械と患者または介護者のモバイル通信デバイスとの間に双方向通信を可能にする。一例では、双方向通信は、ある機械ルーチンが、それらのモバイル通信デバイスを使用する患者または介護者によって遠隔で開始されることを可能にし得る。一例示的ルーチンは、自動化自己試験ルーチンであり、それは、シーケンスを始めること、または開始すること以外にシステムとのいずれのユーザ相互作用も伴わずに実施され得る。遠隔でシーケンスを開始することは、例えば、患者または介護者が他のタスクを実施する機械から離れ得る追加の時間を提供することによって、患者または介護者に利益をもたらし得る。通信は、機械が自己試験ルーチンを実施できる状態であることを示すことによって、機械が通信を始めると、双方向になる。患者または介護者は、所望の時間、本開示のソフトウェアシステムおよび方法論を介して機械に返答し、シーケンスを始める。
【0025】
本開示のシステムおよび方法論のソフトウェアが、機械が「接続された患者」ソフトウェア状態にあるときは、常に、患者および/または介護者と機械との間の通信をディスエーブルにすることが考慮される。例えば、臨床医が現在患者を処置している機械にコマンドを送信しようとする場合、コマンドは、コマンドが機械に転送されないようにミドルウェアソフトウェアアプリケーションによって遮断され得る。ミドルウェアソフトウェアアプリケーションは、次いで、臨床医に返信し、機械がビジーであり、通信を許容していないことを知らせ得る。
【0026】
下で詳細に説明されるように、本開示の医療流体データ転送システムおよび方法論は、多くの異なるタイプの機械を含む多くの機械、患者、臨床医、医師、保守人員、電子医療記録(「EMR」)データベース、ウェブサイト、患者および臨床医通信を介して生成されるデータを取り扱うリソース計画システム、ならびにビジネスインテリジェンスを包含するより大きいプラットフォームシステム内で動作し得る。本開示の医療流体データ転送システムおよび方法論は、システム全体内で、そのルールおよびプロトコルに違反することなくシームレスに動作する。
【0027】
さらに、本明細書に開示されるものは、単一の医師、看護師、または臨床医が複数の医療流体送達機械を監視し、場合によっては制御することを可能にする病院もしくは臨床設定のために具体的に構成されるシステムである。病院または臨床システムは、複数の機械が、単一のモバイル通信デバイスを介して閲覧され、場合によっては制御されることを可能にする。
【0028】
本明細書の開示に照らして、かついかようにも本開示を限定することなく、別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第1の側面では、医療流体送達システムは、(i)第1の医療流体送達機械がタスクを実施できる状態であること、または(ii)第1の医療流体送達機械が同じまたは異なるタスクを実施するための事前プログラムされた時間を示す第1の患者または介護者への遠隔伝送のための第1のメッセージを生成するように構成される第1の医療流体送達機械と、(i)第2の医療流体送達機械が同じまたは異なるタスクを実施できる状態であること、または、(ii)第2の医療流体送達機械が同じまたは異なるタスクを実施するための事前プログラムされた時間を示す第2の患者または介護者への遠隔伝送のための第2のメッセージを生成するように構成される第2の医療流体送達機械とを含む。
【0029】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第2の側面では、第1および第2の医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバとデータ通信し、第1および第2のメッセージは、サーバに送達され、サーバは、(i)第1の患者または介護者のために第1のメッセージを第1のモバイル通信デバイスに中継し、(ii)第2の患者または介護者のために第2のメッセージを第2のモバイル通信デバイスに中継するように構成される。
【0030】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第2の側面と組み合わせられ得る本開示の第3の側面では、少なくとも1つのサーバは、少なくとも1つの専用サーバまたはクラウドサーバを含む。
【0031】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第2の側面と組み合わせられ得る本開示の第4の側面では、第1または第2のメッセージのうちの少なくとも1つを中継することは、少なくとも1つのサーバおよび第1または第2のモバイル通信デバイスのうちの少なくとも1つをネットワーク化するセルラーネットワークを使用することを含む。
【0032】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第4の側面と組み合わせられ得る本開示の第5の側面では、セルラーネットワークを経由する通信は、ショートメッセージングサービス(「SMS」)またはマルチメディアメッセージングサービス(「MMS」)プロトコルを介する。
【0033】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第2の側面と組み合わせられ得る本開示の第6の側面では、第1および第2の医療流体送達機械は、インターネット接続を介して、少なくとも1つのサーバとデータ通信する在宅機械である。
【0034】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第2の側面と組み合わせられ得る本開示の第7の側面では、第1および第2の医療流体送達機械は、センター内機械であり、少なくとも1つのサーバは、センターにおいて保守される。
【0035】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第2の側面と組み合わせられ得る本開示の第8の側面では、第1または第2のメッセージのうちの少なくとも1つの少なくとも1つのサーバによる中継は、第1または第2のモバイル通信デバイスのうちの少なくとも1つにダウンロードされたソフトウェアアプリケーションを更新することを含む。
【0036】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第8の側面と組み合わせられ得る本開示の第9の側面では、少なくとも1つソフトウェアアプリケーションは、システムからダウンロードされる。
【0037】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第2の側面と組み合わせられ得る本開示の第10の側面では、第1または第2のメッセージのうちの少なくとも1つの少なくとも1つのサーバによる中継は、第1または第2のモバイル通信デバイスのうちの少なくとも1つにインストールされたカレンダを更新することを含む。
【0038】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第11の側面では、同じまたは異なるタスクは、始動手順タスクを含む。
【0039】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第12の側面では、同じまたは異なるタスクは、消毒手順または自己試験ルーチンを含む。
【0040】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第13の側面では、第1または第2の医療流体送達機械のうちの少なくとも1つのための事前プログラムされた時間は、(i)第1または第2のメッセージが生成されたときからの設定持続時間、または、(ii)同じまたは異なるタスクのためにプログラムされた開始するための時間である。
【0041】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第14の側面では、医療流体送達システムは、(i)医療流体送達機械がタスクを実施できる状態であること、または、(ii)医療流体送達機械が同じまたは異なるタスクを実施するための事前プログラムされた時間を示すメッセージを生成するように構成されている医療流体送達機械と、メッセージを受信するために医療流体送達機械とデータ通信する少なくとも1つのサーバであって、メッセージを医療流体送達機械から遠隔モバイル通信デバイスに中継するためのミドルウェアソフトウェアを含む少なくとも1つのサーバとを含む。
【0042】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第14の側面と組み合わせられ得る本開示の第15の側面では、ミドルウェアソフトウェアは、メッセージを中継するために、モバイル通信デバイス上にダウンロードされたソフトウェアアプリケーションを更新する。
【0043】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第14の側面と組み合わせられ得る本開示の第16の側面では、ミドルウェアソフトウェアは、メッセージを中継するために、モバイル通信デバイス上にインストールされたカレンダを更新する。
【0044】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第14の側面と組み合わせられ得る本開示の第17の側面では、ミドルウェアソフトウェアは、メッセージを中継するために、少なくとも1つのサーバおよび第1または第2のモバイル通信デバイスのうちの少なくとも1つをネットワーク化するセルラー通信ネットワークを使用する。
【0045】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第14の側面と組み合わせられ得る本開示の第18の側面では、少なくとも1つのサーバは、少なくとも1つの専用サーバまたはクラウドサーバを含む。
【0046】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第19の側面では、医療流体送達システムは、医療流体送達機械がタスクを実施できる状態であることを示すメッセージを生成するように構成されている医療流体送達機械と、メッセージを受信するために第1のリンクを介して医療流体送達機械とデータ通信する少なくとも1つのサーバであって、(i)第2のリンクを介してメッセージを医療流体送達機械から遠隔モバイル通信デバイスに中継し、(ii)第2のリンクを介してタスクを開始すべきことを示す応答を遠隔モバイル通信デバイスから受信し、(iii)第1のリンクを介してタスクを開始するための通知を医療流体送達機械に送信するように構成されている少なくとも1つのサーバとを含む。
【0047】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第19の側面と組み合わせられ得る本開示の第20の側面では、第1のリンクは、インターネットリンクである。
【0048】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第19の側面と組み合わせられ得る本開示の第21の側面では、第2のリンクは、インターネットリンクまたはセルラー通信ネットワークリンクである。
【0049】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第19の側面と組み合わせられ得る本開示の第22の側面では、少なくとも1つのサーバは、少なくとも1つの専用サーバまたはクラウドサーバを含む。
【0050】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第23の側面では、モバイル通信デバイスは、第1の医療流体送達機械への第1のリンクであって、モバイル通信デバイスが、(i)第1の医療流体送達機械が同じまたは異なるタスクを実施できる状態であること、または、(ii)第1の医療流体送達機械がタスクを実施するための事前プログラムされた時間を示す第1のメッセージを第1の医療流体送達機械から受信することを可能にする第1のリンクと、第2の医療流体送達機械への第2のリンクであって、モバイル通信デバイスが、(i)第2の医療流体送達機械が同じまたは異なるタスクを実施できる状態であること、または、(ii)第2の医療流体送達機械が同じまたは異なるタスクを実施するための事前プログラムされた時間を示す第2のメッセージを第2の医療流体送達機械から受信することを可能にする第2のリンクとを含む。
【0051】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第23の側面と組み合わせられ得る本開示の第24の側面では、第1および第2のリンクは、それぞれ、モバイル通信デバイスの画面上に第1および第2のアイコンを含み、第1および第2のアイコンは、それぞれ、第1および第2の医療流体送達機械に関連付けられている。
【0052】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第24の側面と組み合わせられ得る本開示の第25の側面では、第1および第2のアイコンは、それぞれ、第1および第2のメッセージに関連付けられている。
【0053】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第24の側面と組み合わせられ得る本開示の第26の側面では、第1または第2のアイコンのうちの少なくとも1つは、それぞれ、第1または第2のメッセージを閲覧するためにユーザ選択可能である。
【0054】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第24の側面と組み合わせられ得る本開示の第27の側面では、第1および第2のアイコンは、第1および第2の医療流体送達機械が施設において配列されている方法に従ってモバイル通信デバイス上に配列される。
【0055】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第24の側面と組み合わせられ得る本開示の第28の側面では、モバイル通信デバイスは、第1または第2の医療流体送達機械のうちの少なくとも1つに、同じまたは異なるタスクを実施させるようにユーザ選択可能である、少なくとも1つのアクションアイコンを含む。
【0056】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第28の側面と組み合わせられ得る本開示の第29の側面では、同じまたは異なるタスクを実施するために、少なくとも1つのアクションアイコンは、それぞれ、第1または第2の医療流体送達機械のうちの少なくとも1つを選択するための第1または第2のアイコンと組み合わせて動作させられる。
【0057】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第30の側面では、医療流体送達システムは、第1の医療流体送達デバイスと、第2の医療流体送達デバイスと、第1および第2の医療流体送達デバイスと通信するサーバと、モバイル通信デバイスのためのソフトウェアアプリケーションであって、第1の医療流体送達デバイスを表す第1のアイコンを表示させ、第2の医療流体送達デバイスを表す第2のアイコンを表示させるソフトウェアアプリケーションと、第1および第2の医療流体送達デバイスとサーバとの間の第1の通信リンクと、サーバとソフトウェアアプリケーションとの間の第2の通信リンクであって、ソフトウェアアプリケーションは、サーバならびに第1および第2のリンクを介して第1または第2の医療流体送達デバイスから少なくとも1つのステータス更新を受信するようにプログラムされている第2の通信リンクとを含む。
【0058】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第30の側面と組み合わせられ得る本開示の第31の側面では、第1および第2の通信リンクは、インターネットリンクである。
【0059】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第30の側面と組み合わせられ得る本開示の第32の側面では、ソフトウェアアプリケーションはさらに、サーバならびに第1および第2のリンクを介して動作コマンドを第1および第2の医療流体送達機械に送信するようにプログラムされる。
【0060】
本開示の第33の側面では、
図1-9と関連して開示される構造および機能性のうちのいずれかは、
図1-9と関連して開示される任意の他の構造および機能性と組み合わせられ得る。
【0061】
本開示および上記側面に照らして、したがって、改良された医療流体送達システムを提供することが、本開示の利点である。
【0062】
改良された患者生活様式を提供することが、本開示の別の利点である。
【0063】
改良された臨床医または介護者効率を提供することが、本開示のさらなる利点である。
【0064】
改良された機械効率を提供することが、本開示のなおも別の利点である。
【0065】
改良された患者コンプライアンスを提供することが、本開示のなおもさらなる利点である。
【0066】
異なるタイプの医療流体送達機械に適用され得る医療流体データ転送システムおよび方法論を提供することが、本開示のさらに別の利点である。
【0067】
医療流体送達機械と患者および臨床医または患者および一次介護者等の複数の人物との間の通信を可能にする医療流体データ転送システムならびに方法論を提供することが、本開示のまたさらなる利点である。
【0068】
さらに、多くの場合、機械タイマが終了するときに起こる廃棄に起因する使い捨てセットおよび他の補助織物製品の浪費を低減させることが、本開示の利点である。
【0069】
本明細書に議論される利点は、本明細書に開示される実施形態のうちの1つまたはいくつかに見出され得、おそらく、その全てに見出されるわけではない。追加の特徴および利点が、本明細書に説明され、以下の発明を実施するための形態ならびに図から明白となるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
医療流体送達システムであって、前記医療流体送達システムは、
医療流体送達機械であって、前記医療流体送達機械は、前記医療流体送達機械がタスクを実施できる状態であることを示すメッセージを生成するように構成されている、医療流体送達機械と、
前記メッセージを受信するために第1のリンクを介して前記医療流体送達機械とデータ通信する少なくとも1つのサーバと
備え、
前記少なくとも1つのサーバは、
(i)第2のリンクを介して、前記医療流体送達機械からの前記メッセージを遠隔モバイル通信デバイスに中継することと、
(ii)前記第2のリンクを介して、前記タスクを開始すべきことを示す応答を前記遠隔モバイル通信デバイスから受信することと、
(iii)前記第1のリンクを介して、前記タスクを開始するための通知を前記医療流体送達機械に送信することと
を行うように構成されている、医療流体送達システム。
(項目2)
前記第1のリンクは、インターネットリンクである、項目1に記載の医療流体送達システム。
(項目3)
前記第2のリンクは、インターネットリンクまたはセルラー通信ネットワークリンクである、項目1に記載の医療流体送達システム。
(項目4)
前記少なくとも1つのサーバは、少なくとも1つの専用サーバまたはクラウドサーバを含む、項目1に記載の医療流体送達システム。
(項目5)
医療流体送達システムであって、前記医療流体送達システムは、
医療流体送達機械であって、前記医療流体送達機械は、
(i)医療流体送達機械がタスクを実施できる状態であること、または、
(ii)前記医療流体送達機械が同じまたは異なるタスクを実施するための事前プログラムされた時間
を示すメッセージを生成するように構成されている、医療流体送達機械と、
前記メッセージを受信するために前記医療流体送達機械とデータ通信する少なくとも1つのサーバと
を備え、
前記少なくとも1つのサーバは、前記医療流体送達機械からの前記メッセージを遠隔モバイル通信デバイスに中継するためのミドルウェアソフトウェアを含む、医療流体送達システム。
(項目6)
前記ミドルウェアソフトウェアは、前記メッセージを中継するために、前記モバイル通信デバイス上にダウンロードされたソフトウェアアプリケーションを更新する、項目5に記載の医療流体送達システム。
(項目7)
前記ミドルウェアソフトウェアは、前記メッセージを中継するために、前記モバイル通信デバイス上にインストールされたカレンダを更新する、項目5に記載の医療流体送達システム。
(項目8)
前記ミドルウェアソフトウェアは、前記メッセージを中継するために、前記少なくとも1つのサーバと前記第1または第2のモバイル通信デバイスのうちの少なくとも1つとをネットワーク化するセルラー通信ネットワークを使用する、項目5に記載の医療流体送達システム。
(項目9)
前記少なくとも1つのサーバは、少なくとも1つの専用サーバまたはクラウドサーバを含む、項目5に記載の医療流体送達システム。
(項目10)
医療流体送達システムであって、前記医療流体送達システムは、
第1の医療流体送達機械であって、前記第1の医療流体送達機械は、
(i)第1の医療流体送達機械がタスクを実施できる状態であること、または、
(ii)前記第1の医療流体送達機械が同じまたは異なるタスクを実施するための事前プログラムされた時間
を示す第1の患者または介護者への遠隔伝送のための第1のメッセージを生成するように構成されている、第1の医療流体送達機械と、
第2の医療流体送達機械と
を備え、
前記第2の医療流体送達機械は、
(i)第2の医療流体送達機械が前記同じまたは異なるタスクを実施できる状態であること、または、
(ii)前記第2の医療流体送達機械が前記同じまたは異なるタスクを実施するための事前プログラムされた時間を示す第2の患者または介護者への遠隔伝送のための第2のメッセージを生成するように構成されている、医療流体送達システム。
(項目11)
前記第1および第2の医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバとデータ通信し、前記第1および第2のメッセージは、前記サーバに送達され、前記サーバは、(i)前記第1のメッセージを前記第1の患者または介護者のための第1のモバイル通信デバイスに中継し、(ii)前記第2のメッセージを前記第2の患者または介護者のための第2のモバイル通信デバイスに中継するように構成されている、項目10に記載の医療流体送達システム。
(項目12)
前記少なくとも1つのサーバは、少なくとも1つの専用サーバまたはクラウドサーバを含む、項目11に記載の医療流体送達システム。
(項目13)
前記第1または第2のメッセージのうちの少なくとも1つを中継することは、前記少なくとも1つのサーバおよび前記第1または第2のモバイル通信デバイスのうちの少なくとも1つをネットワーク化するセルラーネットワークを使用することを含む、項目11に記載の医療流体送達システム。
(項目14)
前記セルラーネットワークを経由する通信は、ショートメッセージングサービス(「SMS」)またはマルチメディアメッセージングサービス(「MMS」)プロトコルを介する、項目13に記載の医療流体送達システム。
(項目15)
前記第1および第2の医療流体送達機械は、インターネット接続を介して前記少なくとも1つのサーバとデータ通信する在宅機械である、項目11に記載の医療流体送達システム。
(項目16)
前記第1および第2の医療流体送達機械は、センター内機械であり、前記少なくとも1つのサーバは、前記センターにおいて保守されている、項目11に記載の医療流体送達システム。
(項目17)
前記第1または第2のメッセージのうちの少なくとも1つを前記少なくとも1つのサーバによって中継することは、前記第1または第2のモバイル通信デバイスのうちの少なくとも1つにダウンロードされたソフトウェアアプリケーションを更新することを含む、項目11に記載の医療流体送達システム。
(項目18)
前記少なくとも1つソフトウェアアプリケーションは、前記システムからダウンロードされている、項目17に記載の医療流体送達システム。
(項目19)
前記第1または第2のメッセージのうちの少なくとも1つを前記少なくとも1つのサーバによって中継することは、前記第1または第2のモバイル通信デバイスのうちの少なくとも1つにインストールされたカレンダを更新することを含む、項目11に記載の医療流体送達システム。
(項目20)
前記同じまたは異なるタスクは、始動手順タスクを含む、項目10に記載の医療流体送達システム。
(項目21)
前記同じまたは異なるタスクは、消毒手順または自己試験ルーチンを含む、項目10に記載の医療流体送達システム。
(項目22)
前記第1または第2の医療流体送達機械のうちの少なくとも1つのために前記事前プログラムされた時間は、(i)前記第1または第2のメッセージが生成されたときからの設定持続時間、または、(ii)前記同じまたは異なるタスクのためにプログラムされた開始するための時間である、項目10に記載の医療流体送達システム。
(項目23)
モバイル通信デバイスであって、前記モバイル通信デバイスは、
第1の医療流体送達機械への第1のリンクであって、前記第1のリンクは、
(i)前記第1の医療流体送達機械が同じまたは異なるタスクを実施できる状態であること、または、(ii)前記第1の医療流体送達機械がタスクを実施するための事前プログラムされた時間を示す第1のメッセージを前記第1の医療流体送達機械から前記モバイル通信デバイスが受信することを可能にする、第1のリンクと、
第2の医療流体送達機械への第2のリンクと
を備え、
前記第2のリンクは、
(i)前記第2の医療流体送達機械が前記同じまたは異なるタスクを実施できる状態であること、または、(ii)前記第2の医療流体送達機械が前記同じまたは異なるタスクを実施するための事前プログラムされた時間を示す第2のメッセージを前記第2の医療流体送達機械から前記モバイル通信デバイスが受信することを可能にする、
モバイル通信デバイス。
(項目24)
前記第1および第2のリンクは、それぞれ、前記モバイル通信デバイスの画面上に第1および第2のアイコンを含み、前記第1および第2のアイコンは、それぞれ、前記第1および第2の医療流体送達機械に関連付けられている、項目23に記載のモバイル通信デバイス。
(項目25)
前記第1および第2のアイコンは、それぞれ、前記第1および第2のメッセージに関連付けられている、項目24に記載のモバイル通信デバイス。
(項目26)
前記第1または第2のアイコンのうちの少なくとも1つは、それぞれ、前記第1または第2のメッセージを閲覧するためにユーザ選択可能である、項目24に記載のモバイル通信デバイス。
(項目27)
前記第1および第2のアイコンは、前記第1および第2の医療流体送達機械が施設において配列されている方法に従って前記モバイル通信デバイス上に配列されている、項目24に記載のモバイル通信デバイス。
(項目28)
少なくとも1つのアクションアイコンを含み、前記少なくとも1つのアクションアイコンは、前記同じまたは異なるタスクを実施することを前記第1または第2の医療流体送達機械のうちの少なくとも1つに行わせるためにユーザ選択可能である、項目24に記載のモバイル通信デバイス。
(項目29)
前記少なくとも1つのアクションアイコンは、前記同じまたは異なるタスクを実施するために、それぞれ、前記第1または第2の医療流体送達機械のうちの少なくとも1つを選択するための前記第1または第2のアイコンと組み合わせて動作させられる、項目28に記載のモバイル通信デバイス。
(項目30)
医療流体送達システムであって、前記医療流体送達システムは、
第1の医療流体送達デバイスと、
第2の医療流体送達デバイスと、
前記第1および第2の医療流体送達デバイスと通信するサーバと、
モバイル通信デバイスのためのソフトウェアアプリケーションであって、前記ソフトウェアアプリケーションは、前記第1の医療流体送達デバイスを表す第1のアイコンが表示されることと、前記第2の医療流体送達デバイスを表す第2のアイコンが表示されることとをもたらす、ソフトウェアアプリケーションと、
前記第1および第2の医療流体送達デバイスと前記サーバとの間の第1の通信リンクと、
前記サーバと前記ソフトウェアアプリケーションとの間の第2の通信リンクと
を備え、
前記ソフトウェアアプリケーションは、前記サーバと前記第1および第2のリンクとを介して、前記第1または第2の医療流体送達デバイスから少なくとも1つのステータス更新を受信するようにプログラムされている、医療流体送達システム。
(項目31)
前記第1および第2の通信リンクは、インターネットリンクである、項目30に記載の医療流体送達システム。
(項目32)
前記ソフトウェアアプリケーションは、前記サーバと前記第1および第2のリンクとを介して、動作コマンドを前記第1および第2の医療流体送達機械に送信するようにさらにプログラムされている、項目30に記載の医療流体送達システム。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】
図1は、医療流体データ転送システムに関する一実施形態を図示する概略図であり、システムは、本開示の医療流体送達機械を組み込むことによって、データは、そのような機械に転送され、かつそれから転送され得る。
【0071】
【
図2】
図2は、本開示の医療流体送達機械の一実施形態の概略図である。
【0072】
【
図3】
図3は、
図2の医療流体送達機械の一実施形態との使用のための血液セットを図示する斜視図である。
【0073】
【
図4】
図4は、本開示の医療流体送達機械およびデータ転送システムならびに方法に関する一実施形態の概略図である。
【0074】
【
図5】
図5は、本開示の医療流体送達機械およびデータ転送システムならびに方法に関する第2の実施形態の概略図である。
【0075】
【
図6】
図6は、本開示の医療流体送達機械およびデータ転送システムならびに方法に関する第3の実施形態の概略図である。
【0076】
【
図7】
図7は、第1の状態におけるモバイル通信デバイスアプリケーションを有する本開示の医療流体送達デバイスおよびデータ転送システムならびに方法の病院または臨床バージョンの一実施形態の概略図である。
【0077】
【
図8】
図8は、第2の状態におけるモバイル通信デバイスアプリケーションを有する、本開示の医療流体送達デバイスおよびデータ転送システムならびに方法の病院または臨床バージョンの一実施形態の概略図である。
【0078】
【
図9】
図9は、第3の状態におけるモバイル通信デバイスアプリケーションを有する本開示の医療流体送達デバイスおよびデータ転送システムならびに方法の病院または臨床バージョンの一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
本明細書に説明される例は、血液、透析流体、代替液、および/または静脈内薬物(「IV」)等の医療流体を送達する、任意の医療流体送達システムに適用可能である。例は、特に、本明細書では、集合的に、または概して、個別に腎不全治療と称される全ての形態の血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液透析濾過(「HDF」)、持続的腎置換治療(「CRRT」)、および腹膜透析(「PD」)等の腎臓不全治療のために非常に好適である。医療流体送達機械は、代替として、大容量蠕動タイプポンプまたはシリンジポンプ等の薬物送達もしくは栄養流体送達デバイスであり得る。本明細書に説明される機械は、在宅設定において使用され得る。例えば、本開示のデータ転送形態で動作する機械は、例えば、患者が眠っている間の夜に起動され得る在宅HD機械とともに採用され得る。本開示の医療流体データ転送システムおよび方法論は、代替として、病院および/または診療所における臨床医もしくは看護師を補助するために使用され得る。
【0080】
ここで図面、特に、
図1を参照すると、医療流体送達機械90内で動作する医療流体データ転送システム10が、図示される。システム10は、多くの医療流体送達機械90(その1つのタイプが、下で詳細に議論される)を組み込む。データ転送システム10の機械90は、同一のタイプ(例えば、全てHD機械)であるか、または異なるタイプ(例えば、HD、PD、CRRT、および医療もしくは栄養流体送達の混合)であり得る。
【0081】
単一の医療流体送達90が、接続性サーバ118と通信するものとして図示されるが、システム10は、同一のタイプまたは上でリストアップされる異なるタイプの複数の医療流体送達システムおよび機械の動作を監督する。例えば、サーバ118に接続され、システム10とともに動作するM個の数の血液透析機械90、N個の数の血液濾過機械90、O個の数のCRRT機械90、P個の数の腹膜透析機械90、Q個の数の在宅薬物送達機械90、およびR個の数の栄養または薬物送達機械90が存在し得る。MからRまでの数は、同一または異なる数であり得、ゼロ、1、または2以上のものであり得る。
図1では、医療流体送達機械90は、在宅治療機械90として図示される(自宅が破線によって示される)。
【0082】
在宅治療機械90は、そのフロントエンドにおいて、上で議論されるような水処理デバイス60から浄化水を受け取り得る。水処理デバイス60は、ある実施形態では、イーサネット(登録商標)ケーブルを介して在宅治療機械90に接続する。図示される実施形態における在宅治療機械90は、血圧モニタ104、計量器、例えば、無線計量器106、および無線タブレットユーザインターフェース122等のユーザインターフェース等の水処理デバイス60以外の他のデバイスとともに動作する。在宅治療機械90は、一実施形態では、モデム102を介して無線でサーバ118に接続する。これらの構成要素の各々は、(そうである必要性はないが)
図1の破線によって境界画定されるような患者の自宅内に位置し得る。構成要素60、104、106、および122のうちのいずれか1つ以上のものもしくは全ては、在宅治療機械90と有線または無線で通信し得る。無線通信は、Bluetooth(登録商標)、WiFi
TM、Zigbee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、無線ユニバーサルシリアルバス(「USB」)、赤外線、または任意の他の好適な無線通信技術を介してであり得る。代替として、構成要素60、104、106、および122のうちのいずれか1つ以上のものもしくは全ては、有線通信を介して在宅治療機械90と通信し得る。
【0083】
接続性サーバ118は、医療デバイスシステムハブ120を介して医療流体送達機械90と通信する。システムハブ120は、各在宅治療機械90およびその周辺機器に関するデータならびに情報が、機械90とサーバ118に接続される他のクライアントとの間で接続性サーバ118を介して行き来することを可能にする。図示される実施形態では、システムハブ120は、サービスポータル130、企業リソース計画システム140、ウェブポータル150、ビジネスインテリジェンスポータル160、HIPAA準拠データベース124、製品開発チーム128、および、例えば、診療所または病院126a-126nにおいて保守される電子医療記録データベースに接続される。
【0084】
診療所または病院126a-126nにおける電子医療記録(「EMR」)データベースは、患者に関する電子情報を記憶する。システムハブ120は、機械90のログファイルから収集されたデータを病院または診療所データベース126a-126nに送信し、その患者の医療記録を併合もしくは補完し得る。診療所または病院126a-126nにおけるデータベースは、患者特有処置および処方データを含み得、したがって、そのようなデータベースへのアクセスは、高度に制限され得る。企業リソース計画システム140は、苦情、請求情報、およびライフサイクル管理情報等の患者ならびに臨床医ウェブサイトアクセスを介して生成されたデータを取得およびコンパイルする。ウェブポータル150は、患者および患者を処置する診療所152a-152nが、医療流体送達機械90のユーザのために公的に利用可能なウェブサイトにアクセスすることを可能にする。ビジネスインテリジェンスポータル160は、システムハブ120からデータを収集し、データをマーケティング162、研究および開発164、ならびに品質/医薬品安全性監視166に提供する。
【0085】
本明細書に説明されるシステム、方法、および手順は、1つ以上のコンピュータプログラムまたはコンポーネントを使用して実装され得ることを理解されたい。コンポーネントのプログラムは、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、読み取り専用メモリ(「ROM」)、フラッシュメモリ、磁気もしくは光学ディスク、光学メモリ、または他の記憶媒体を含む任意の従来のコンピュータ読み取り可能な媒体上の一連のコンピュータ命令として提供され得る。命令は、一連のコンピュータ命令を実行すると、開示される方法および手順の全てまたは一部を実施するプロセッサ、もしくはその実施を促進するプロセッサによって実行されるように構成され得る。
【0086】
一実施形態では、在宅治療機械90は、患者の自宅で患者に在宅血液透析等の在宅処置を実施し、次いで、その処置の結果をその患者の健康および福祉を管理することに関与する臨床医、医師、および看護師に報告する。
【0087】
ある実施形態における在宅治療機械90は、例えば、Linux(登録商標)オペレーティングシステムを使用してログファイルを書き込む。ログファイルは、周辺デバイスデータを含む関連する在宅治療機械90のデータを文書化する。ログファイルは、拡張マークアップ言語(「XML」)、コンマ区切り値(「CSV」)、またはテキストファイルのうちのいずれか1つ以上のものを含み得る。ログファイルは、在宅治療機械90のソフトウェアのファイルサーバボックスの中に設置される。機械90に送信されないデータを周辺デバイス、例えば、水処理デバイス60において記憶することも、考慮される。そのようなデータは、別様に周辺デバイスへの有線もしくは無線接続を介して取得されるか、または他のデータ接続もしくは記憶媒体を通してダウンロードされ得る。例えば、保守担当者は、例えば、イーサネット(登録商標)接続を介して、水処理デバイス60または無線計量器106に接続されるラップトップを介して追加のデータにアクセスすることができる。または、追加のデータは、周辺デバイスから遠隔に読み出され得、在宅治療機械90は、周辺デバイスと医療流体データ転送システムの認可されたクライアントとの間のデータ転送通信路としての役割を果たす。
【0088】
一実施形態では、在宅治療機械90は、例えば、インターネットを介して、接続性サービスを使用し、モデム102とシステムハブ120との間でデータを転送する。ここでは、専用回線が、在宅治療機械90をモデム102を介して接続性サーバ118に接続するために、各患者の自宅において提供され得る。一実施形態における在宅治療機械90は、別個の、例えば、3G、4G、または5Gモデム102を使用してインターネットにアクセスする。モデム102は、VodafoneTM等のインターネットサービスプロバイダ(ISP)を使用し得る。一実装では、接続性サービスプロバイダ(例えば、接続性サーバ118のプロバイダ)によって開発された接続性エージェント114が、在宅治療機械90上にインストールされ、機械のACPU 50上で起動される。1つの好適な接続性サービスは、AxedaTMによって提供され、それは、医療デバイスと接続性サーバ118との間にセキュアに管理される接続116を提供する。
【0089】
接続性エージェント114は、在宅治療機械90が、接続性サーバ118に接続し、データを接続性サーバ118に転送すること、およびそれから転送することを可能にする。エージェント114およびサーバ118を介して動作する接続性サービスは、機械90との接続がセキュアであることを確実にし、データが機械90のファイアウォールを正しく通過することを確実にし、データまたはシステムクラッシュが存在しているかどうかをチェックし、接続性サーバ118が正しい在宅治療機械90と通信していることを確実にする。
【0090】
一実施形態では、在宅治療機械90は、接続性エージェント114がオンにされているとき、またはアクティブにされているときのみ接続性サーバ118に接続し得る。処置および処置後消毒中、機械90およびその周辺機器が機能している間、一実施形態では、接続性エージェント114は、オフにされ、それは、処置および消毒中、または機械90が作動中であるとき、もしくは起動しているとき、在宅治療機械90が任意のエンティティと通信すること、データを送信または受信することを防止する。在宅治療機械90がアイドル状態であるとき、例えば、処置および事後消毒が完了した後、ACPU 50は、一実施形態では、接続性エージェント114をオンにする。ある実施形態では、接続性エージェント114は、処置および場合によっては事前処置中、オフである。処置後、接続性エージェント114は、接続性サービスを使用して、在宅治療機械90からログファイルを読み出し、データを接続性サーバ118に転送する。接続性サービスは、データパケットをそれらの適切な宛先にルーティングするが、一実施形態では、接続性サービスは、データを修正せず、それにアクセスせず、またはそれを暗号化しない。
【0091】
図1の医療流体データ転送システム10では、接続性サーバ118を介した接続性サービスは、システムハブ120を介して、サービスポータル130、診療所または病院126a-126n、およびウェブポータル150等の種々の場所にデータを通信し得る。接続性サーバ118は、保守人員132a-132nおよび/または臨床医が、適切な在宅治療機械90および3G、4G、または5Gモデム102等のネットワークを横断する種々のアセットならびに機械もしくはモデムシリアル番号を含むそれらの関連付けられている情報を追跡し、読み出すことを可能にする。接続性サーバ118は、保守人員の監督者134によって承認され、サービスポータル130を介して遠隔に取得されたファームウェアアップグレードを受信し、それを認可された在宅治療機械90および水処理デバイス60等の関連付けられている周辺機器に提供するために使用され得る。
【0092】
ここで
図2を参照すると、医療流体送達機械90に関するHDフロー概略図の例が、図示される。
図2のHDシステムは、比較的に複雑であるので、
図2およびその議論は、上で議論される腎不全治療モダリティのうちのいずれかおよびIV、薬物送達、または栄養流体送達機械のためのサポートも提供する。概して、簡略化されたバージョンの透析流体またはプロセス流体送達回路を有する医療流体送達機械90が、示される。血液回路も、簡略化されるが、透析流体回路が簡略化されるほどではない。回路は、本開示の説明をより容易にするために簡略化されており、システムは、実装される場合、上で参照することによって組み込まれる刊行物に見出されるもの等の追加の構造および機能性を有するであろうことを理解されたい。
【0093】
図2の医療流体送達機械90は、血液回路20を含む。血液回路20は、患者12から血液を引き込みそれに血液を戻す。血液は、動脈ライン14を介して患者12から引き込まれ、静脈ライン16を介して患者に戻される。動脈ライン14は、患者12と採血連通する動脈針14bに接続する動脈ラインコネクタ14aを含む。静脈ライン16は、患者と返血連通する静脈針16bに接続する静脈ラインコネクタ16aを含む。動脈および静脈ライン14および16は、ばね荷重フェールセーフ機械的ピンチクランプであり得るラインクランプ18aおよび18vも含む。ラインクランプ18aおよび18vは、一実施形態では、緊急状況において自動的に閉鎖される。
【0094】
動脈および静脈ライン14および16は、それぞれ、超音波空気検出器であり得る空気または気泡検出器22aおよび22vも含む。空気または気泡検出器22aおよび22vは、それぞれ、動脈および静脈ライン14および16内の空気を探す。空気が空気検出器22aおよび22vのうちの1つによって検出される場合、システム10は、ラインクランプ18aおよび18vを閉鎖し、血液および透析流体ポンプを一時停止させ、処置が再開され得るように空気を一掃するための命令を患者に提供する。
【0095】
血液ポンプ30が、図示される実施形態では、動脈ライン14内に位置する。図示される実施形態では、血液ポンプ30は、第1の血液ポンプポッド30aと、第2の血液ポンプポッド30bとを含む。血液ポンプポッド30aは、入口弁32iおよび出口弁32oとともに動作する。血液ポンプポッド30bは、入口弁34iおよび出口弁34oとともに動作する。ある実施形態では、血液ポンプポッド30aおよび30bの各々は、例えば、球形の硬質外側シェルを含む血液容器であり、可撓性ダイヤフラムが、シェル内に位置すし、ダイヤフラムポンプを形成する。各ダイヤフラムの片側は、血液を受け取る一方、各ダイヤフラムの他方の側は、正および負の空気圧によって動作させられる。血液ポンプ30は、代替として、動脈ライン14とともに動作する蠕動ポンプまたは動脈ライン14および静脈ライン16とともに動作する複数の蠕動ポンプである。
【0096】
ヘパリンバイアル24およびヘパリンポンプ26が、図示される実施形態では、血液ポンプ30と血液濾過器40(例えば、透析器)との間に位置する。ヘパリンポンプ26は、空気圧ポンプまたはシリンジポンプ(例えば、ステッパモータ駆動シリンジポンプ)であり得る。血液濾過器40の上流にヘパリンを供給することは、濾過器の膜の凝固を防止することに役立つ。
【0097】
一次制御プロセッサ(「ACPU」)または制御ユニット50が、1つ以上のプロセッサおよびメモリを含む。制御ユニット50は、空気検出器22aおよび22v(ならびに温度センサ、血液漏出検出器、伝導率センサ、圧力センサ、およびアクセス切断トランスデューサ86、88等のシステム10の他のセンサ)から空気検出信号を受信し、ラインクランプ18aおよび18v、血液ポンプ30、ヘパリンポンプ26、透析流体ポンプ64および96、ならびに弁32i、32o、34i、34o、68i、68o、98i、および98o等の構成要素を制御する。静脈ライン16を介して血液濾過器40から退出する血液は、空気トラップ28を通して流動する。空気トラップ28は、透析された血液が静脈ライン16を介して患者12に戻される前、血液から空気を除去する。
【0098】
図2の医療流体送達機械90の血液透析バージョンでは、透析流体は、血液濾過器40の膜の外側に沿って圧送される一方、血液は、血液濾過器膜の内側を通して圧送される。透析流体は、水浄化ユニット60を介した水の浄化を始めとして調製される。1つの好適な水浄化ユニットが、「Water Purification System and
Method」と題され、2011年4月25日に出願された米国特許公開第2011/0197971号(その全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれ、依拠される)に記載されている。一実施形態では、水浄化ユニットは、水が、一実装では、0.03エンドトキシン単位/ml(「EU/ml」)を下回り、0.1コロニー形成単位/ml(「CFU/ml」)を下回るように、水道水を浄化する(例えば、病原体および塩素等のイオンを除去する)ための濾過器ならびに他の構造を含む。水浄化ユニット60は、血液回路20と、透析流体回路70とを含む血液透析機械90の筐体またはシャーシとは別個の筐体内に提供され得る。
【0099】
透析流体回路70が、図示を容易にするために、再び、
図2において大幅に簡略化されている。現実における透析流体回路70は、上で参照することによって組み込まれる刊行物に記載される関連構造および機能性の全てを含み得る。透析流体回路70のある特徴が、
図2に図示される。図示される実施形態では、透析流体回路70は、血液濾過器行き透析流体ポンプ64を含む。ポンプ64は、一実施形態では、血液ポンプ30と同一に構成される。ポンプ64は、ポンプ30のように、各々が入口弁68iおよび出口弁68oを有するポンプポッド66の対を含み、それらは、再び、球状に構成され得る。2つのポンプポッドは、血液ポンプ30のように、交互に動作させられ、それによって、一方のポンプポッドがHD透析流体を用いて充填する一方、他方のポンプポッドがHD透析流体を放出する。
【0100】
ポンプ64は、血液濾過器行き透析流体ポンプである。使用された透析流体を排出するために押し出すために、排出ライン82に位置する弁98iおよび98oとともに動作する別の二重ポッドポンプチャンバ96が存在する。重炭酸塩カートリッジ72を通してポンプ浄化水を圧送するための第3のポッドポンプ(図示せず)が存在する。酸容器74から混合ライン62の中に酸を圧送するために使用される第4のポッドポンプ(図示せず)が存在する。第3および第4のポンプ、すなわち、濃縮物ポンプは、一実施形態では、混合ライン62と血液濾過器行き透析流体ポンプ64との間の緩衝透析流体タンク(図示せず)に起因して、連続圧送が混合ライン62においてあまり重要ではないので、単一のポッドポンプであり得る。
【0101】
排出ライン82において提供される第5のポッドポンプ(図示せず)が、HD治療が提供されるときに既知の量の限外濾過(「UF」)を除去するために使用される。システム10は、限外濾過液が患者から除去された量を制御および把握するために、UFポンプを追跡する。システム10は、必要な量の限外濾過液が処置の終わりまでに患者から除去されることを確実にする。
【0102】
上で説明されるポンプの各々は、代替として、圧送管とともに動作する蠕動ポンプであり得る。該当する場合、システム弁は、依然として、本開示の特徴に従って空気圧で作動され得る。
【0103】
一実施形態では、水浄化ユニット60からの浄化水は、重炭酸塩カートリッジ72を通して混合ライン62に沿って圧送される。容器74からの酸が、混合ライン62に沿って、重炭酸塩カートリッジ72から流動する重炭酸塩水の中に圧送され、電解的かつ生理学的に適合性の透析流体溶液を形成する。浄化水を重炭酸塩および酸と適切に混合するために使用されるポンプならびに温度補償伝導率センサは、図示されないが、上で参照することによって組み込まれる刊行物に詳細に開示されている。
【0104】
図2はまた、透析流体が血液濾過器40に到達する前、ヒータ78および限外濾過器80を通して新鮮な透析流体ライン76に沿って圧送され、その後、使用された透析流体が排出ライン82を介して排出されるように圧送されることを図示する。ヒータ78は、透析流体を体温または約37℃まで加熱する。限外濾過器80は、血液濾過器40に到達する前に透析流体をさらに清浄にし、浄化し、透析流体から、例えば、重炭酸塩カートリッジ72または酸容器74を介して導入される異物および/または汚染物質を濾過する。
【0105】
透析流体回路70は、図示される実施形態では、サンプルポート84も含む。透析流体回路70は、血液漏出検出器(図示されないが、血液濾過器40の繊維が断裂しているかどうかを検出するために使用される)と、全てが上で参照することによって組み込まれる刊行物に詳細に例証および説明される平衡チャンバ、複数の透析流体弁、ならびに透析流体保持タンク等の図示されない他の構成要素とをさらに含むであろう。
【0106】
図示される実施形態では、医療流体送達機械90は、透析流体を血液濾過器を通して一度圧送し、次いで、使用された透析流体を排出するために圧送する直結通過システムである。血液回路20および透析流体回路70の両方は、血液回路20および透析流体回路70が再使用され得るように、各処置後に温水消毒され得る。一実装では、血液濾過器40を含む血液回路20は、約1カ月にわたって毎日温水消毒および再使用される一方、透析流体回路70は、約6カ月にわたって温水消毒および再使用される。
【0107】
代替実施形態では、例えば、CRRTのために、滅菌された透析流体または注入液の複数のバッグが、一緒にまとめられ、次々と使用される。そのような場合、空の供給バッグは、排出または消耗済み流体バッグとしての役割を果たすことができる。
【0108】
医療流体送達機械90は、
図2の破線によって示されるような封入体を含む。機械90の封入体は、処置のタイプ、処置がセンター内であるか、または在宅処置であるか、および透析流体/注入液供給がバッチタイプ(例えば、袋詰め)であるか、または直結であるか応じて変動する。
【0109】
図3は、
図2の機械90が血液セット100とともに動作し得ることを図示する。血液セット100は、動脈ライン14と、静脈ライン16と、ヘパリンバイアル24と、ヘパリンポンプ26/血液ポンプ30と、血液濾過器40(例えば、透析器)とを含む。空気トラップ28が、患者12に戻される前に血液から空気を除去するために、静脈ライン16に位置し得る。空気検出器22aおよび22vが、それぞれ、動作のために動脈および静脈ライン14および16に接触する。
【0110】
図2および3では、ポンプ26、30(30aおよび30b)、64、96(および図示されない他のポンプ)のうちのいずれかならびに弁32i、32o、34i、34o、68i、68o、98i、および98o等の弁のうちのいずれかが、空気圧で作動され得る。ある実施形態では、ポンプおよび弁の各々は、可撓な膜によって分離された流体側および空気側を有する。負の空気圧が、流体をポンプチャンバの中に引き込むために、または弁を開放するために、膜の空気側に印加され得る(またはポンプもしくは弁は、正の閉鎖圧力を大気に通気し、流体圧力が開放することを可能にすることによって開放され得る)。正の空気圧が、ポンプチャンバから流体を放出するために、または弁を閉鎖するために、膜の空気側に印加される。
【0111】
ここで
図4を参照すると、本開示のシステム110aが、図示される。図示される実施形態におけるシステム110aは、上で説明されるシステム10とともに動作し、システム10は、クラウド環境の一部として
図4に図示される接続性サーバ118、システムハブ120、サービスポータル130、企業リソース計画システム140、ウェブポータル150、およびビジネスインテリジェンスポータル160を含む。接続性サーバ118、システムハブ120、サービスポータル130、企業リソース計画システム140、ウェブポータル150、およびビジネスインテリジェンスポータル160の各々は、クラウド環境の一部である、または1つ以上の専用サーバに位置し得る。
【0112】
図4に図示されないシステム10の他のコンポーネントも、システム110aの一部であり得る。例えば、医療流体送達機械90aおよび90bは、患者12aおよび12b(自宅の外側にいるものとして図示される)の自宅内に別個に存在し得る。代替として、医療流体送達機械90aおよび90bは、同一の診療所126a-126n内または診療所126a-126nのうちの異なるものの中に存在し得る。臨床医112aおよび112bは、診療所の内側または外側に存在し得る。
【0113】
医療流体送達機械90aおよび90bは、上で説明されるようなセキュアに管理される接続116を介して接続性サーバ118に接続される。そのように行うために、機械90aおよび90bは、例えば、上で議論されるモデム102を介してインターネット52に接続する。一実施形態におけるシステムハブ120は、モバイル通信デバイス200aおよび200b(本明細書では、集合的にデバイス200と称される、または概して、個別にデバイス200と称される)によってアクセスされ得るミドルウェアソフトウェアを記憶する。モバイル通信デバイス200aおよび200bは、例えば、Android
TM、iOS
TM、Windows(登録商標) Phone
TM、BlackBerry
TM、Sailfish OS
TM、Tizen
TM、またはUbuntu Touch
TMオペレーティングシステム上で起動するスマートフォンであり得る。モバイル通信デバイス200aおよび200bは、それぞれ、患者12aおよび12bの所有物であり得、および/または、それぞれ、臨床医112aおよび112bのものであり得る。
図4に図示されるようなモバイル通信デバイス200aおよび200bも、インターネット52に接続される。
【0114】
一実施形態では、モバイル通信デバイス200aおよび200bは、インターネット52へのそれらの接続を介して、システムハブ120上に記憶されるミドルウェアソフトウェアからアプリケーションソフトウェア(「アプリ」)をダウンロードする。アプリは、対応する機械90aまたは90bの状態の変更が存在するとき、常に更新される。例えば、医療流体送達機械90aは、その自動化自己試験ルーチンを完了したばかりであり得、現在、消毒手順を実行できる状態である。機械90aは、この状態を識別するコードを生成し、それをシステムハブ120上に記憶されるミドルウェアソフトウェアに送信し得る。ミドルウェアソフトウェアは、次いで、例えば、ルックアップテーブルを使用して、コードを「自己試験完了、消毒できる状態」等のメッセージに変換し、患者12aまたは臨床医112aのモバイル通信デバイス200a上にダウンロードされたアプリにメッセージを表示させる。アプリは、メッセージとともに、機械90aが存在する特定の状態に関連付けられているアイコン等の視覚的識別子を提供するようにプログラムされ得る。アプリは、患者12aまたは臨床医112aがアプリを閲覧し、機械90の状態変更を確認するように促す「鳴動」音等のオーディオアラートおよび/または振動等の触覚アラートのうちのいずれか1つ以上のものも提供し得る。
【0115】
別の例では、医療流体送達機械90bは、午後3:00に処置を開始するように事前プログラムされていることもある。医療流体送達機械90bは、自己試験および消毒のために3時間を必要とし得る。患者12aまたは臨床医112aは、したがって、事前処置を開始するために正午までに機械90bのそばにいる必要がある。ある実施形態では、患者12aまたは臨床医112aは、3時間の準備時間のどの程度前に患者12aまたは臨床医112aが通知もしくはアラートされるべきか(例えば、2時間)に関して機械90bに設定を行う。したがって、この例では、機械90bは、午前10:00にコードを生成し、コードをシステムハブ120上に記憶されるミドルウェアソフトウェアに送信し得る。ミドルウェアソフトウェアは、次いで、例えば、ルックアップテーブルを使用して、コードを「処置準備が2時間後に開始される必要がある」等のメッセージに変換し、患者12bまたは臨床医112bのモバイル通信デバイス200b上にダウンロードされたアプリにメッセージを表示させる。アプリは、再び、メッセージとともに、120分からゼロにおけるタイムアウトまでカウントダウンするカウントダウンタイマ等の視覚的識別子を提供するようにプログラムされ得る。アプリは、患者12bまたは臨床医112bがアプリを閲覧し、処置準備通知を確認するように促す「鳴動」音等のオーディオアラートおよび/または振動等の触覚アラートのうちのいずれか1つ以上のものも提供し得る。アプリは、カウントダウン期間中に事前プログラムされた間隔で、例えば、1時間および30分毎に、「鳴動」音および/または触覚フィードバックを繰り返すようにもプログラムされ得る。
【0116】
ユーザの通信デバイス200b上にアプリを提供することに加えて、またはその代替として、システムハブ120におけるミドルウェアソフトウェアが、機械90bからのコードをそのカレンダアプリケーション等のデバイス200の固有のタスク追跡特徴上に埋め込まれるメッセージに変換することが考慮される。殆どのスマートフォンデバイス200は、例えば、各日を時間等の時間セグメントに分離するカレンダを提供される。ここでは、システムハブ120のミドルウェアソフトウェアによって変換されるメッセージは、認可された通信デバイス200bのカレンダにアクセスし、適切な日の適切な時間セグメントに適切な情報を投入するようにプログラムされ得る。上記例では、適切な日のために、固有のカレンダソフトウェアアプリケーションは、「処置準備が2時間後に開始される必要がある」等のメッセージで埋められたその10:0:00AMタイムスロットを有するであろう。オーディオおよび/または触覚フィードバック信号が、カレンダ入力について患者12または臨床医112に通知するために提供され得る。
【0117】
機械90aおよび90b、中央サーバ120におけるミドルウェアソフトウェア、ならびに通信デバイス200aおよび200bは、任意の所望のメッセージを患者12a、12bおよび/または臨床医112a、112bに提供するために上で説明されるようにプログラムならびに動作させられ得、本明細書に説明されるメッセージに限定されないことを理解されたい。例えば、患者12a、12bおよび/または臨床医112a、112bは、同様に、付随のカウントダウンタイマを用いて、消毒の終了時、機械90a、90bを再消毒する必要性を回避するために、処置がカウントダウン時間以内に開始される必要があることを知らされ得る。
【0118】
ここで
図5を参照すると、本開示のシステム110bが、図示される。図示される実施形態におけるシステム110bは、上で説明されるシステム10とともに動作し、システム10は、クラウド環境の一部として
図5に図示されるが、代替として、1つ以上の専用サーバに位置し得る接続性サーバ118、システムハブ120、サービスポータル130、企業リソース計画システム140、ウェブポータル150、およびビジネスインテリジェンスポータル160を含む。
図5に図示されないシステム10の他のコンポーネントも、システム110aの一部であり得る。単一の医療流体送達機械90が、説明を容易にするために図示されるが、しかしながら、複数の医療流体送達機械90が、同様に、システム110bに接続され得る。医療流体送達機械90は、患者12(自宅の外側にいるものとして図示される)の自宅内または臨床医112に関する診療所126a-126n内に存在し得る。医療流体送達機械90は、再び、図示される実施形態では、例えば、モデム102を使用して、セキュアに管理される接続116およびインターネット52接続を介して接続性サーバ118に接続される。
【0119】
一実施形態におけるシステムハブ120は、モバイル通信デバイス200(容易にするために単一のデバイスとして示されるが、複数のデバイス200も同様に、システム110bに接続され得る)によってアクセスされ得るミドルウェアソフトウェアを記憶する。
図5のモバイル通信デバイス200は、インターネット52に接続されることを含む
図4に図示されるデバイス200aおよび200bに関して開示される構造、機能性、ならびに代替物の全てを含む。
図5では、モバイル通信デバイス200は、そうである必要性はないが、インターネット52へのそれらの接続を介して、システムハブ120上に記憶されるミドルウェアソフトウェアからソフトウェアアプリケーション(「アプリ」)をダウンロードし得る。アプリは、機械90からのコード化メッセージをアプリ上で提示可能なフォーマットに変換するミドルウェアソフトウェアを含む
図4と関連して厳密に上で説明されるように動作させられ得る。代替として、または加えて、システムハブ120上に記憶されるミドルウェアソフトウェアは、
図4に説明される方法のうちのいずれかにおいて、機械90からのコードをそのカレンダアプリケーション等のモバイル通信デバイス200の固有のタスク追跡特徴上に埋め込まれるメッセージに変換することが可能であり得る。
【0120】
さらに代替として、または加えて、システム110bは、例えば、システムハブ120に記憶されるミドルウェアソフトウェアとモバイル通信デバイス200との間でインターフェースをとるセルラーネットワーク210を含む。セルラーネットワーク210は、電波を使用して動作するセルラー電話塔のネットワークを含み、および/または衛星を採用し得る。システム110bのセルラーネットワーク210との使用のために好適な通信プロトコルは、(i)「ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス」(「WiMAX」)プロトコルおよび(ii)世界中のセルラー電話の多くへのデータ通信を可能にする広範囲の長距離無線プロトコルである「汎欧州デジタル移動電話方式」(「GSM(登録商標)」)プロトコル等の長距離プロトコルであり得る。ネットワーク210は、代替として、または加えて、(i)IEEE 802.11a、(ii)IEEE 802.11b、(iii)WEE 802.11g、または(iv)802.11n等の米国電気電子技術者協会(「IEEE」)802.11規格の一部であるプロトコルであり得る無線ローカルエリアネットワーク(「WLAN」)等の中距離プロトコルを採用し得る。他の好適なセルラー技術は、CDMA、AMPS(アナログ)、汎用パケット無線サービス(「GPRS」)、cdmaOne、CDMA2000、エボリューションデータオプティマイズ(「EV-DO」)、GSM(登録商標)進化型高速データレート(「EDGE」)、ユニバーサル移動体通信システム(「UMTS」)、デジタルコードレス電話規格(「DECT」)、デジタルAMPS(「IS-136/TDMA」)、および統合デジタル拡張ネットワーク(「iDEN」)を含み得る。
【0121】
モバイル通信デバイス200は、当業者に公知の方法のうちのいずれかを介して、例えば、ショートメッセージングサービス(「SMS」)またはマルチメディアメッセージングサービス(「MMS」)プロトコルを介して、セルラーネットワーク210と通信する。システムハブ120におけるミドルウェアソフトウェアは、いくつかの方法でセルラーネットワーク210と通信し得る。一例では、ユーザ12、112(患者12、患者の在宅ケアパートナー、患者の臨床医112のうちのいずれかまたは全て)の電話番号およびキャリアが、例えば、ミドルウェアソフトウェアにおけるルックアップテーブルを介して、特定の機械90に関連付けられている。特定の機械90からのメッセージ/コードがミドルウェアによって受信されると、ミドルウェアソフトウェアは、電子メールを[user phone number]@[carrier].netに送信するようにプログラムされ得る。例えば、患者001の電話番号が(555)555-5555であり、患者001のキャリアがAT&TTMである場合、患者001の機械90がメッセージをシステムハブ120のミドルウェアソフトウェアに送信すると、受信に応じて、ミドルウェアソフトウェア120は、電子メールを5555555555@att.netに中継するようにプログラムされ、それは、テキストメッセージとして患者001のモバイル通信デバイス200によって受信される。当業者は、テキストメッセージに電子メールを送る方法を知らせ、異なるキャリアによって要求される詳細を概説することに専念する複数のウェブサイトが存在することを理解する。
【0122】
ミドルウェアソフトウェアは、モバイル通信デバイス200の各々の電話番号の各々を記憶し、それらの番号の各々を機械90と合致させる。イベントコードが、上で説明されているように機械90からミドルウェアソフトウェアに送信されると、ミドルウェアソフトウェアは、その機械に関連付けられているモバイル通信デバイス200の電話番号を検索し、例えば、上で説明されるようなルックアップテーブルを使用してコードを適切なメッセージに変換し、変換されたメッセージを呼び出された電話番号に送信する。複数の通信デバイス200が、同一の医療流体送達機械90に関連付けられ得ることが考慮される。例えば、診療所126a-126nのうちのいずれかにおいて、複数の医師、看護師、および/または臨床医の電話番号が、同一の機械90に関連付けられ得る。在宅環境では、患者12および患者の臨床医および/または介護者アシスタントの電話番号が、同一の機械90に関連付けられ得る。
【0123】
同様に、モバイル通信デバイス200のための電話番号が、複数の医療流体送達機械90に関連付けられ得る。例えば、診療所126a-126nのうちのいずれかにおいて、単一の看護師が、複数の機械90を監視し得る。イベントが看護師のシフト中にそれらの機械のうちのいずれかに起こる場合、看護師は、看護師のモバイル通信デバイス200に送信されるセルラーメッセージを介して通知され得る。このシナリオは、
図7-9と関連して下で詳細に説明される。
【0124】
セルラーメッセージは、情報をモバイル通信デバイス200に投入するソフトウェアアプリおよびカレンダ更新モードに対して上で議論される同一のイベントのうちのいずれかに関する情報を伝え得る。例えば、医療流体送達機械90は、その自動化自己試験ルーチンを完了したばかりであり得、現在、消毒手順を実行できる状態である。機械90は、この状態を識別するコードを生成し、それをシステムハブ120上に記憶されるミドルウェアソフトウェアに送信し得る。ミドルウェアソフトウェアは、次いで、例えば、ルックアップテーブルを使用して、コードを「自己試験完了、消毒できる状態」等のメッセージに変換し、例えば、上で議論されるセルラー出力ルーチンにテキストメッセージを患者12または臨床医112のモバイル通信デバイス200に送信させ、メッセージを表示させる。代替実施形態では、コードは、必要とされず、機械90は、代わりに、実際のテキスト文字列を送信し、ミドルウェアソフトウェアは、例えば、上で議論されるセルラー出力ルーチンを介して、テキストメッセージとしてモバイル通信デバイス200にそれを転送する。公知であるように、通信デバイス200上のテキストメッセージの受信は、患者12または臨床医112がメッセージを閲覧するように促すオーディオ、例えば、「鳴動」音および/または振動等の触覚アラートを伴い得る。
【0125】
別の例では、医療流体送達機械90は、午後3:00に処置を開始するように事前プログラムされていることもある。医療流体送達機械90は、再び、自己試験および消毒のために3時間を必要とし得る。患者12または臨床医112は、したがって、事前処置を開始するために正午までに機械90のそばにいる必要がある。ある実施形態では、患者12または臨床医112は、3時間の準備時間のどの程度前に患者12または臨床医112が通知もしくはアラートされるべきか(例えば、2時間)に関して機械90に設定を行う。ここでは、機械90は、午前10:00にコードを生成し、コードをシステムハブ120上に記憶されるミドルウェアソフトウェアに送信する。ミドルウェアソフトウェアは、次いで、例えば、ルックアップテーブルを使用して、コードを「処置準備が2時間後に開始される必要がある」等のメッセージに変換し、例えば、上で議論されるセルラー出力ルーチンにテキストメッセージを患者12または臨床医112のモバイル通信デバイス200に送信させ、例えば、患者12または臨床医112が通知を閲覧するように促す「鳴動」音等のオーディオアラートおよび/または振動等の触覚アラートとともにメッセージを表示させる。
【0126】
機械90、中央サーバ120におけるミドルウェアソフトウェア、および通信デバイス200は、代替として、または加えて、セルラーネットワーク210を使用して、任意の所望のメッセージを患者12および/または臨床医112に提供するために上で説明されるようにプログラムされ、動作させられ得ることを理解されたい。例えば、患者12および/または臨床医112は、同様に、消毒の終了時、機械90を再消毒する必要性を回避するために、処置がカウントダウン時間以内に開始される必要があることを知らされ得る。通信デバイス200のカレンダアプリケーション等の固有のタスク追跡特徴の更新が、インターネット接続を経由して、または
図5に図示されるセルラーネットワーク210を介して行われ得ることも理解されたい。
【0127】
ここで
図6を参照すると、本開示のシステム110cが、図示される。図示される実施形態におけるシステム110cは、上で説明されるシステム10とともに動作し、システム10は、クラウド環境の一部として
図6に図示されるが、代替として、1つ以上の専用サーバに位置し得る接続性サーバ118、システムハブ120、サービスポータル130、企業リソース計画システム140、ウェブポータル150、およびビジネスインテリジェンスポータル160を含む。
図6に図示されないシステム10の他のコンポーネントも、システム110aの一部であり得る。単一の医療流体送達機械90が、説明を容易にするために図示されるが、しかしながら、複数の医療流体送達機械90が、同様に、システム110bに接続され得る。療流体送達機械90は、患者12(自宅の外側にいるものとして図示される)の自宅内または臨床医112に関する診療所126a-126n内に存在し得る。医療流体送達機械90は、再び、図示される実施形態では、例えば、モデム102を使用して、セキュアに管理される接続116およびインターネット52接続を介して接続性サーバ118に接続される。
図6では、接続性サーバ118およびセキュアに管理される接続116は、双方向通信のために使用される。
【0128】
一実施形態におけるシステムハブ120は、モバイル通信デバイス200(容易にするために単一のデバイスとして示されるが、複数のデバイス200も同様に、システム110bに接続され得る)によってアクセスされ得るミドルウェアソフトウェアを記憶する。
図6のモバイル通信デバイス200は、インターネット52に接続されることを含む
図4に図示されるデバイス200aおよび200bに関して開示される構造、機能性、ならびに代替物の全てを含む。
図6では、モバイル通信デバイス200は、そうである必要性はないが、インターネット52へのそれらの接続を介して、システムハブ120上に記憶されるミドルウェアソフトウェアからソフトウェアアプリケーション(「アプリ」)をダウンロードし得る。アプリは、機械90からのコード化メッセージをアプリ上で提示可能なフォーマットに変換するミドルウェアソフトウェアを含む
図4と関連して厳密に上で説明されるように動作させられ得る。代替として、または加えて、システムハブ120上に記憶されるミドルウェアソフトウェアは、
図4に説明される方法のうちのいずれかにおいて、機械90からのコードをそのカレンダアプリケーション等のモバイル通信デバイス200の固有のタスク追跡特徴上に埋め込まれるメッセージに変換することが可能であり得る。カレンダアプリケーションは、代替として、
図5と関連して上で議論されるセルラーネットワーク210(
図6に破線引き出し線を介して代替物として図示される)を介して更新され得る。
【0129】
図6は、通信が医療流体送達機械90とモバイル通信デバイス210との間で双方向であり得ることを図示する。モバイル通信デバイス210とサーバコンピュータ120におけるミドルウェアソフトウェアとの間の通信は、インターネット52および/またはセルラーネットワーク210を介してであり得る。サーバコンピュータ120におけるミドルウェアソフトウェア間の通信は、上で詳細に説明されるように、セキュアに管理される接続116を介する接続性サーバ118を介してであり得る。
【0130】
上で議論されるように、在宅治療機械90は、そのオンボード接続性エージェント114を介して接続性サーバ118に接続し、オンボード接続性エージェント114は、一実施形態では、処置中(例えば、機械90およびその周辺機器が機能している間)オフにされる(処置後消毒の間にオフにされる場合とそうではないこともある)。これは、処置および消毒中、または機械90が作動中であるとき、もしくは起動しているとき、在宅治療機械90が任意のエンティティと通信し、データを送信または受信することを防止する。システム110a-110cを介する通信が、同一の方法で保護されることが考慮される。例えば、特定の機械90が、患者12および臨床医112の両方と通信するようにミドルウェアソフトウェアを介して設定されると仮定する。ここでは、患者が機械90によって処置されている場合、接続性エージェント114が遮断され、それによって、臨床医112は、その時間にその機械90から通知を受信できない、またはそれにコマンドを送信できないことが想定される。代替実施形態では、臨床医112は、処置中に機械90から通知を受信することが可能であり得る。
【0131】
接続性エージェント114を接続解除すべきとき(通信がない)を決定することは、システム110a-110cがモバイル通信デバイス200に通信することを所望する機械状態の内容または数に依存し得る。例えば、患者12または臨床医112が処置準備を開始するために機械90に戻る必要があることを処置準備の2時間前に患者12または臨床医112に知らせることのみが所望されると仮定する。ここでは、接続性エージェント114は、患者12または臨床医112が最初の処置準備ステップを開始すると、例えば、自己試験ルーチンを実行すると、すぐにオフにされ得る。
【0132】
別の例では、機械90が、処置が開始されるように設定される前のある事前設定された時間に自動的に自己試験ルーチンを実行することが所望され得る。機械90は、消毒を開始する時間になると、患者12または臨床医112に通知する。ここでは、接続性エージェント114は、患者12または臨床医112が機械消毒を開始すると、接続解除され得る。さらなる例では、患者が消毒の終了からある量の時間内に処置を開始し、消毒が繰り返される必要がないように、機械90が、消毒が完了すると、患者12に通知することが所望され得る。ここでは、接続性エージェント114は、患者12または臨床医112が処置を開始すると、例えば、患者が処置ラインに、例えば、動脈ライン14または静脈ライン16にまだ接続されていない事前注入の開始に応じて、接続解除され得る。
【0133】
システム110cは、患者12または臨床医112が、上記アクション(および本明細書に明確に説明されないその他)のうちのいずれかを遠隔で開始することを可能にする。患者12または臨床医112は、例えば、自己試験ルーチンまたは消毒手順を開始するために、例えば、モバイル通信デバイス200上に表示されるアプリ上のアイコンを選択し得る。アイコンの選択は、インターネット52を経由してミドルウェアソフトウェアに伝送される。ミドルウェアソフトウェアは、次いで、例えば、ルックアップテーブルを介して、例えば、アイコン選択を接続性サーバ118およびセキュアに管理される接続116を介して、その接続性エージェント114がオンである機械90に送信されるアクションコードに変換し、選択されたアクションに関するアクションコードが機械のACPU 50に送信されることを可能にし、それは、選択されたアクションの実施を開始する。
【0134】
代替実施形態では、患者12または臨床医112は、例えば、機械90において実施されるべき特定のアクション、例えば、自己試験ルーチンまたは消毒手順を選択する既知のコードをテキストメッセージ内に入力し得る。コードは、「自己試験」または「消毒」等の示唆的コードであり得る。テキストメッセージは、セルラーネットワーク210を介してシステムハブ120におけるミドルウェアソフトウェアに送信される。ミドルウェアソフトウェアは、例えば、ルックアップテーブルを介して、テキスト化コードを選択されたアクションのためのアクションコードに変換する。または、患者12または臨床医112によって入力されたコードは、いかなる変換も必要とされないように、アクションコードであり得る。いずれの場合も、アクションコードは、接続性サーバ118およびセキュアに管理される接続116を介して、その接続性エージェント114がオンである機械90に送信され、選択されたアクションのためのアクションコードが機械のACPU 50に送信されることを可能にし、ACPU 50は、選択されたアクションの実施を開始する。
【0135】
図6は、以下の例示的7ステップシーケンスを図示する。ステップ1において、医療流体送達機械90は、機械が、患者12が機械90の、例えば、2時間の自動化自己試験ルーチンの開始を始めることができる状態であることを示すメッセージをシステムハブ120におけるミドルウェアソフトウェアアプリケーションに送信する。ステップ2において、システムハブ120におけるミドルウェアソフトウェアアプリケーションは、機械90が、患者12が自動化自己試験ルーチンの開始を始めることができる状態であることを示す対応する(例えば、変換された)メッセージを患者のモバイル通信デバイス200に送信する。
【0136】
ステップ3において、患者のモバイル通信デバイス200にダウンロードされたカスタムアプリが、オーディオ、視覚および/または触覚アラート、および関連付けられているメッセージを介して、患者12の機械90が、患者が、例えば、2時間の自動化自己試験ルーチンの開始を始めることができる状態であることを患者12にアラートする。ステップ4において、患者12は、機械90がその自動化自己試験ルーチンを開始すべきであることを確認するために、モバイル通信デバイス200上のカスタムアプリを使用する。
【0137】
ステップ5において、患者のモバイル通信デバイス200は、患者の機械90がその自動化自己試験ルーチンを開始することが所望されることを確認するメッセージをシステムハブ120におけるミドルウェアソフトウェアアプリケーションに送信する。ステップ6において、システムハブ120におけるミドルウェアソフトウェアアプリケーションは、機械90がその自動化自己試験ルーチンを開始することを患者12が確認したことを示すメッセージを機械90に送信する(例えば、変換および送信する)。ステップ7において、機械90は、その自動化自己試験ルーチンを開始および実施する。
【0138】
自己試験が実施されると、ここでは、アクションが自動化自己試験ルーチンの代わりに消毒手順であることを除いて、システム110cが、上で議論される同一のステップ1-7を実施することが想定される。ここで、患者のモバイル通信デバイス200にダウンロードされたカスタムアプリは、患者が処置を開始するために機械90に戻るまでに有する時間の量を患者にリマインドするカウントダウンタイマを患者12に表示し得る。異なるタイプの医療流体送達機械は、患者12または臨床医112が処置が開始される前に実施し得る異なる1つ、2つ、3つ、またはそれを上回るアクションを有し得ることを理解されたい。
【0139】
システム110a-110cに関して、ユーザがそれらのデバイス200上で、例えば、アプリ自体を介して、テキストメッセージを介して、および/またはカレンダ通知を介して受信することを所望する通知のタイプを選択するために、ユーザによって構成可能であるようにモバイル通信デバイス200上のアプリをプログラムすることが考慮される。システムハブ120は、一実施形態では、全ての通知タイプを送信し得、モバイル通信デバイス200は、ユーザがディスエーブルにした通信タイプを無視する。別の実施形態におけるシステムハブ120は、ユーザの選好を記憶し、選択された通知タイプにおける情報のみを送信する。
【0140】
ここで
図7-9を参照すると、医師、臨床医、または看護師のモバイル通信デバイス200のための臨床医ベースのダウンロード可能ソフトウェアアプリケーション(「アプリ」)230を有するシステム110dの一実施形態が、画面232-236上に図示される。上で議論されるように、モバイル通信デバイス200は、患者12のものまたは医師/看護師/臨床医112のものであり得る。
図7-9の画面232-236は、アプリ230が、例えば、看護師が複数の機械90a-90nに関与する診療所または病院126a-126nにおいて使用され得ることを図示する。機械90a-90nは、再び、血液透析機械、腹膜透析機械、CRRT機械、薬物および/または栄養流体送達機械、ならびにそれらの組み合わせであり得る。
【0141】
画面232は、アプリ230が、複数の機械90を監視し、所望される場合、制御し得ることを図示する。図示される実施形態では、機械90a-90nは、それぞれ、アプリ230の画面232上に表示される専用アイコン190a-190nによって表される。図示される実施形態におけるアイコン190a-190nは、医師/看護師/臨床医112を適応させることに役立つように、機械90a-90nが診療所126a-126c内で順序付けられるものと同一に画面232-236上で順序付けられる。
【0142】
アプリ230は、本明細書に議論されているようにシステムハブ120とともに動作し、システムハブ120は、診療所または病院126a-126nから遠隔であり、例えば、機械90a―90nのうちの1つ以上のものの製造業者によって保守されることが想定される。アプリ230は、例えば、最初に、
図1に図示される製品開発128において開発され得る。アプリ230は、次いで、
図1および7に図示されるようなサービスポータル130を介して製品開発128からシステムハブ120に送信され得る。アプリ230をダウンロードすることが認可された任意の看護師、臨床医、または医師112が、システムハブ120からそのように行い得る。その後、システムハブ120は、システム110a-110cにおいて上で説明される様式でアプリ230とともに動作するようにミドルウェアソフトウェアを保守する。
【0143】
代替実施形態では、診療所126a-126nは、各々がローカルシステムハブ220とともに動作するそれらの独自のローカルエリアネットワークを保守し得る。アプリ230は、再び、製品開発128(
図1)によって開発され、サービスポータル130を介して、システム10全体とともに動作する診療所126a-126nのローカルシステムハブ220に送達され得る。アプリ230をダウンロードすることが認可された各看護師、臨床医、または医師112は、ローカルシステムハブ220からそのように行う。その後、ローカルシステムハブ220は、システム110a-110cにおけるシステムハブ120に関して上で説明される様式でアプリ230とともに動作するようにミドルウェアソフトウェアを保守する。さらなる代替実施形態では、アプリ230は、診療所126a-126nによって開発され、そのローカルシステムハブ220上に記憶され得る。
【0144】
システムハブ120またはローカルシステムハブ220のミドルウェアソフトウェアは、各機械90a-90nのステータスを更新する。看護師、臨床医、または医師112は、各機械90a-90nの現在のステータス、例えば、
図8の画面234内に図示されるような「休止中」、「自己試験」、「消毒」、または「患者処置中」を確認するために、任意の時点でアイコン190a-190nを選択し得る。他のステータスマーカが、考慮され、異なるタイプの機械に対して異なり得る。看護師、臨床医、または医師112は、次いで、
図9に図示されるようなホームアイコン190a-190nに戻るために「休止中」、「自己試験」、「消毒」、または「患者処置中」のうちのいずれかを選択し得る。
【0145】
上で議論されるように、機械が起動しているとき、特に、患者12が機械に接続されているとき、各機械90の接続性エージェント114をオフにすることが考慮される。しかしながら、システムハブ120またはローカルシステムハブ220におけるミドルウェアソフトウェアが、各機械90a-90nから「患者処置中」へのステータス変更を受信し得るように、診療所126a-126nの各機械90a-90nの接続性エージェント114が、消毒の終了までオンのままであることを可能にすることも考慮される。加えて、各機械90a-90nは、そのスケジューリングされた処置期間を把握しているので、機械は、ミドルウェアソフトウェアにスケジューリングされた持続時間も送信し得、それは、次いで、「患者処置中」に対するステータス変更とともにカウントダウンタイマの形態における持続時間を送信する。ここで、次いで、看護師、臨床医、または医師112が
図8の「患者処置中」を選択すると、それらは、
図9に図示されるような残りの処置の時間を示すカウントダウンタイマを確認することが可能である。
【0146】
カウントダウンタイマに対して、アプリ230が各計時されるプロセスを受ける機械90のための実際の残り時間を表示し得るように、接続性エージェント114が、機械90a-90nが残り時間データをシステムハブ120に送信することを可能にすることが考慮される。アプリ230は、アラームまたは機械90が経験し得る他の遅延を考慮する。アラーム状況中、対応するアイコン190a-190fは、「アラーム」または「セーフモード」等のメッセージを表示し得る。看護師、臨床医、または医師112は、次いで、
図7に図示されるホームアイコン190c、190d、および190hに戻るために、
図9のカウントダウン時間を選択し得る。
【0147】
看護師、臨床医、または医師112は、機械90a-90nに対するステータス変更が、視覚的に、可聴的に、および/または触覚的にアラートされることを可能にするか、または可能にしないためかのいずれかのために、アラートオン/オフアイコン238をトグルし得る。アラートオン/オフアイコン238が「オン」に切り替えられる場合、モバイル通信デバイス200のアプリ230は、機械のステータスが変化する度に、例えば、(i)自己試験が開始される度、(ii)自己試験が完了される度、(iii)消毒が開始される度、(iii)消毒が完了される度、(v)処置が開始される度、(vi)処置が完了される度、視覚、可聴、および/または触覚アラートを提供するであろう。ある実施形態では、(i)-(v)に関するコードが、機械90a-90nを介して、セキュアに管理される接続116、接続性サーバ118、およびシステムハブ120またはローカルシステムハブ220を通して送信され、ミドルウェアソフトウェアによって変換され、アプリ230に転送され、それは、適切なアイコン190を更新する。種々の実施形態では、「(vi)処置が完了された」は、(a)アクティブにされた接続性エージェント114を用いて機械90a-90nを介して送信されるか、または、(b)適切なアイコン190a-190nのカウントダウンタイマが終了するとき、および接続性エージェント114が依然としてオフであり得る場合に推測され得る。
【0148】
アラートオン/オフアイコン238がオフに切り替えられる場合、例えば、看護師、臨床医、または医師112が、所与の瞬間に中断されることを所望しない場合、アイコン190a-190nは、上で説明されるように依然として更新されるが、可聴および/または触覚アラートは、提供されない。しかしながら、看護師、臨床医、または医師112は、依然として、関連付けられているアイコン190a-190nを選択することによって、各機械90a-90nのステータスを能動的に閲覧し得る。
【0149】
画面232-236は、アクションボタン240a-240b(本明細書では、集合的にアクションボタン240と称される、または概して、個別にアクションボタン240と称される)を図示する。任意の数のアクションボタン240が、任意のモダリティ、例えば、血液透析、腹膜透析、CRRT、薬物および/または栄養流体送達のために必要とされる任意のタイプの事前処置アクションのために提供され得る。図示される実施形態では、アクションボタン240aは、機械90のための自己試験を開始するためのものである一方、アクションボタン240bは、機械90のための消毒シーケンスを開始するためのものである。
【0150】
一実施形態では、自己試験ボタン240aが選択されると、その時間に自己試験を実施することが可能な任意の機械90a-90nが、その対応するアイコン190a-190nを強調される。看護師、臨床医、または医師112は、看護師、臨床医、または医師112が自己試験を実施することを所望する機械90のためのいずれかのアイコン190を選択する。その選択されたアイコン190は、次いで、看護師、臨床医、または医師112が選択された機械90にその自己試験を実施させるために再び押す必要がある「確認」ボタンに変わり得る。モバイル通信デバイス200のアプリ230は、次いで、対応する自己試験コードをシステムハブ120またはローカルシステムハブ220におけるミドルウェアソフトウェアに送信し、ミドルウェアソフトウェアは、必要に応じて、自己試験コードを自己試験開始コマンドに変換し、それは、接続性サーバ118を介してセキュアに管理される接続116を経由して選択された機械90の接続性エージェント114に送信され、接続性エージェント114は、コマンドを機械のACPU 50に転送し、ACPU 50は、順に、自己試験を始める。
【0151】
図示される実施形態では、消毒ボタン240bが選択されると、その時間に消毒を実施することが可能な任意の機械90a-90nが、その対応するアイコン190a-190nを強調される。看護師、臨床医、または医師112は、看護師、臨床医、または医師112が消毒を実施することを所望する機械90のためのいずれかのアイコン190を選択する。その選択されたアイコン190は、再び、看護師、臨床医、または医師112が選択された機械90にその消毒を実施させるために再び押す必要がある「確認」ボタンに変わり得る。モバイル通信デバイス200のアプリ230は、次いで、対応する消毒コードをシステムハブ120またはローカルシステムハブ220におけるミドルウェアソフトウェアに送信し、ミドルウェアソフトウェアは、必要に応じて、消毒コードを消毒開始コマンドに変換し、それは、接続性サーバ118を介してセキュアに管理される接続116を経由して選択された機械90の接続性エージェント114に送信され、接続性エージェント114は、コマンドを機械のACPU 50に転送し、ACPU 50は、順に、消毒を始める。
【0152】
アクションボタン240のためのこのように説明された手順は、システム110cにおいても実装され、機械90のタイプに応じて変動し得る他の機械コマンドのために実装され得る。診療所126aが、診療所に存在する1人以上の看護師、臨床医、または医師112によって、処置または処置の一部の間に接続性エージェント114をオンのままにすることが十分に安全であると決定し得ることも考慮される。そのような場合、看護師、臨床医、医師112は、機械90のための処置中活動を制御し得る。例えば、看護師、臨床医、医師112は、モバイル接続デバイス200におけるアプリ230を介してアラーム/アラートを受信し、それに応答し、ポンプおよび処置の他の面を開始および停止すること、消毒を開始および停止すること、事前注入を開始および停止すること等を行い得る。
【0153】
システム110a-110dの各々は、ある形態のアドレス指定とともに動作する。上で議論されるように、接続性サーバ118は、一実施形態では、データが適切な形態で適切な機械90に送達され、機械90からのデータがその適切な形態で適切な宛先に送達されることを確実にするために提供される。一実施形態では、機械90がモバイル通信デバイス200への送達のためにシステムハブ120またはローカルシステムハブ220にデータを送信するとき、データは、それからデータが送信された機械90を識別する機械識別子を提供される。接続性サーバ118は、特定の機械のデータが所属する各モバイル通信デバイス200を把握し、どの通信デバイス200がデータを受信すべきかをシステムハブ120またはローカルシステムハブ220に指示する。システムハブ120またはローカルシステムハブ220は、次いで、本明細書に議論されているようにデータを変換し得る。例えば、変換されたデータを送信するとき、システムハブ120またはローカルシステムハブ220は、それがもはや必要とされないので、データから機械識別子を取り除き得る。しかしながら、システム110dでは、機械識別子は、アプリ230がどのアイコン190a-190nに新しいデータを投入すべきかを把握するように、例えば、変換されたデータとともに送達され得る。ここでは、アプリ230は、それがもはや必要とされなくなると、機械識別子を取り除き得る。
【0154】
一実施形態では、モバイル通信デバイス200が機械90への送達のためにシステムハブ120またはローカルシステムハブ220にデータを送信するとき、データは、データが送信されたモバイル通信デバイス200を識別するモバイル通信デバイス200識別子を提供される。システムハブ120またはローカルシステムハブ220は、上で議論されるように、モバイル通信デバイス200からのデータを変換する場合とそうではないこともあるが、いずれの場合も、モバイル通信デバイス200識別子は、接続性サーバ118のために維持される。接続性サーバ118は、各モバイル通信デバイス200のためにどの機械90が、例えば、変換されたデータを受信するかを把握し、例えば、変換されたデータを各関連付けられている通信デバイス200に送信する。接続性サーバ118は、機械90に送達されると、それがもはや必要とされないので、データからモバイル通信デバイス200識別子を取り除き得る。
【0155】
上で説明されるようなアプリ230は、看護師、臨床医、または医師112が、医療流体送達機械90における処置を設定し、監視し、おそらく制御することを可能にする。患者の自宅(
図1の破線枠)における患者12または患者12のための介護者にアプリを介して類似する機能性を提供することが、考慮される。接続性は、
図7-9に示されるものと同一であり得る。しかしながら、設定は、診療所126a-126nではなく、代わりに、自宅またはビジネスもしくは休暇場所等の他の非臨床的場所である。加えて、典型的には、複数の機械90a-90nではなく、単一の機械90のみが存在する。しかしながら、単一の患者12が、各々が本明細書に説明されるようなアプリによってサポートされ得る複数の機械90を介して処置され得ることが可能である。患者12が自宅にいるが、機械90から離れている場合、アプリは、始動手順タスク、消毒手順、または自己試験ルーチンを開始もしくは完了するために残されている時間の量等の有益な情報を提供し得る。患者が機械90によって処置されているとき、患者は、それ自体が
図1に図示されるようなタブレットであり得るそのユーザインターフェース122上で情報を確認することができる。しかし、配偶者、友人、または在宅看護師等、処置中に自宅で患者12を補助する介護者も存在し得る。介護者は、ステータス更新、始動手順残り時間、消毒残り時間、事前注入残り時間、処置残り時間、患者12が機械90に接続されているかどうかに関する情報、アラート、アラーム等を受信することによって、在宅アプリから利益を享受する。一実施形態におけるアプリは、認可された人物のみが患者処置データを閲覧し得るように、これが介護者のモバイル通信デバイス200にダウンロードされ得る前、患者に関連付けられているログインおよびパスワードが入力されることを要求する。
【0156】
本明細書に説明される好ましい実施形態の種々の変更および修正が、当業者に明白であろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図される利点を減少させることなく行われることができる。したがって、そのような変更および修正は、添付される請求項によって対象とされることが意図される。