(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120032
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】ユニットチェア
(51)【国際特許分類】
A61G 15/12 20060101AFI20240827BHJP
A47C 7/38 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
A61G15/12 510
A47C7/38
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024099066
(22)【出願日】2024-06-19
(62)【分割の表示】P 2022516752の分割
【原出願日】2020-09-11
(31)【優先権主張番号】10-2019-0114189
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0114205
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0114225
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】517128064
【氏名又は名称】オステムインプラント カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OSSTEMIMPLANT CO., LTD
【住所又は居所原語表記】(Magok-dong) 3, Magokjungang 12-ro Gangseo-gu Seoul 07789 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パク サンヨン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ヘッドレストの正方向角度調節が可能であり、且つ逆方向の力が加えられる場合に支持する構造の耐久性が確保できるユニットチェアを提供する。
【解決手段】リンク部は、第2リンク部材が第1ヒンジピンの中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように第2リンク部材の運動を拘束する第1ラチェット部材とを含み、第1ラチェット部材は、第1ヒンジピンの中心軸線を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯が一面に形成され、反対面が第1リンク部材に固定された第1ラチェットベース部と、第1ラェットベース部の鋸歯に噛み合う複数の鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第2リンク部材に固定された第1ラチェット回動部とを含むことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドレストの姿勢を調節するためのリンク部を含むユニットチェアであって、
前記リンク部は、
前記ユニットチェアのバックレスト部に固定可能な第1リンク部材と、
一端部が前記第1リンク部材と第1ヒンジピンでヒンジ結合する第2リンク部材と、
前記第1リンク部材および前記第2リンク部材のうち少なくとも一つの一面に形成され、前記第2リンク部材が第1ヒンジピンの中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように前記第2リンク部材の運動を拘束する第1ラチェット部材と、を含み、
前記第1ラチェット部材は、
前記第1ヒンジピンの中心軸線を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第1リンク部材に固定された第1ラチェットベース部と、
少なくとも一部が前記第1ラチェットベース部の鋸歯の少なくとも一部に噛み合う複数の鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第2リンク部材に固定された第1ラチェット回動部と、を含むことを特徴とする、ユニットチェア。
【請求項2】
一端部が前記第2リンク部材の他端部と第2ヒンジピンでヒンジ結合し、
一面に前記ヘッドレストが固定される第3リンク部材と、
前記第2リンク部材および前記第3リンク部材のうち少なくとも一つの一面に形成され、前記第3リンク部材が前記第2ヒンジピンの中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように前記第3リンク部材の運動を拘束する第2ラチェット部材とをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のユニットチェア。
【請求項3】
前記第2リンク部材は、
前記第1ラチェット部材に外力を伝達して前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除可能な第1解除部と、
前記第1解除部と独立して動作し、前記第2ラチェット部材に外力を伝達して前記第3リンク部材の運動拘束状態を解除可能な第2解除部とを含むことを特徴とする、請求項2に記載のユニットチェア。
【請求項4】
前記第2リンク部材は、前記第1ラチェット部材に外力を伝達して前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除可能な第1解除部を含み、
前記第1ラチェット部材は、第1ラチェットベース部の鋸歯および前記第1ラチェット回動部の鋸歯の噛み合いによって、前記第2リンク部材が第1ヒンジピンの中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように前記第2リンク部材の運動を拘束し、
前記第1解除部は、外力が印加される場合、前記第1ラチェット部材の前記噛み合いを解除して、前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除することを特徴とする、請求項1に記載のユニットチェア。
【請求項5】
前記第2ラチェット部材は、
前記第2ヒンジピンの中心軸線を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第3リンク部材に固定された第2ラチェットベース部と、
少なくとも一部が前記第2ラチェットベース部の鋸歯の少なくとも一部に噛み合う複数の鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第2リンク部材に固定された第2ラチェット回動部とを含むことを特徴とする、請求項3に記載のユニットチェア。
【請求項6】
前記第2リンク部材は、前記第1ラチェット部材に外力を伝達して前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除可能な第1解除部を含み、
前記第1解除部は、
前記第2リンク部材の一外部側面に突出形成されて外力が印加される第1ボタンと、
前記第2リンク部材の内部に形成されて第1弾性部材によって支持され、一面に前記第1ボタンおよび前記第1ラチェット回動部が固定され、前記第1ボタンに外力を印加する時に、第1ボタンおよび前記第1ラチェット回動部と一体に移動して前記第1ラチェット回動部を前記第1ラチェットベース部から離隔させる第1作動部材とを含むことを特徴とする、請求項1に記載のユニットチェア。
【請求項7】
前記第1ラチェットベース部および前記第1ラチェット回動部それぞれの鋸歯は、前記それぞれの鋸歯が形成された面に対して一方向にのみ40度以上50度以下の傾斜角を成すことを特徴とする、請求項1に記載のユニットチェア。
【請求項8】
前記傾斜角は45度であることを特徴とする、請求項7に記載のユニットチェア。
【請求項9】
前記第1ラチェットベース部の鋸歯の数および前記第1ラチェット回動部の鋸歯の数のいずれか一つは、他の一つの2以上である倍数であることを特徴とする、請求項7に記載のユニットチェア。
【請求項10】
前記第1ラチェット回動部の鋸歯の数は、前記第1ラチェットベース部の鋸歯の数の2倍であることを特徴とする、請求項9に記載のユニットチェア。
【請求項11】
前記第1ラチェット回動部の鋸歯は、それぞれ複数個が等角である間隔を成して環状に配列されることを特徴とする、請求項10に記載のユニットチェア。
【請求項12】
前記第2リンク部材は、前記第1ラチェット部材によって運動が拘束され、前記バックレスト部のシート面に向かう方向にのみ回転可能であり、
前記第3リンク部材は、前記第2ラチェット部材によって運動が拘束され、前記第2リンク部材が回転可能な方向の反対方向にのみ回転可能であることを特徴とする、請求項2に記載のユニットチェア。
【請求項13】
前記第2解除部は、
前記第2リンク部材の一外部側面に突出形成されて外力が印加される第2ボタンと、
前記第2リンク部材の内部に形成されて第2弾性部材によって支持され、一面に前記第2ボタンおよび前記第2ラチェット回動部が固定され、前記第2ボタンに外力を印加する時に、前記第2ボタンおよび前記第2ラチェット回動部と一体に移動して前記第2ラチェット回動部を前記第2ラチェットベース部から離隔させる第2作動部材とを含むことを特徴とする、請求項5に記載のユニットチェア。
【請求項14】
前記第2リンク部材の外部面のうち、前記第2リンク部材が前記一方向に回転する時に先端になる面は、前記第1ヒンジピンの中心軸線方向で観察する場合、凹入した形状に形成されることを特徴とする、請求項1に記載のユニットチェア。
【請求項15】
前記第1リンク部材が前記バックレスト部に固定された場合、
前記第2リンク部材の前記一方向への回転により、前記第2リンク部材の前記一端部ではなく、他端部が前記バックレスト部のシート面に接することを特徴とする、請求項14に記載のユニットチェア。
【請求項16】
ヘッドレストの姿勢を調節するためのリンク部を含むユニットチェアであって、
前記リンク部は、
前記ユニットチェアのバックレスト部に固定可能な第1リンク部材と、
一端部が前記第1リンク部材と第1ヒンジピンでヒンジ結合する第2リンク部材と、
一端部が前記第2リンク部材の他端部と第2ヒンジピンでヒンジ結合し、一面に前記ヘッドレストが固定される第3リンク部材と、
前記第1リンク部材および前記第2リンク部材のうち少なくとも一つの一面に形成され、互いに対面するように備えられた傾斜した形状の鋸歯の噛み合いによって、前記第2リンク部材が前記第1ヒンジピンの中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように前記第2リンク部材の運動を拘束する第1ラチェット部材と、
前記第2リンク部材および前記第3リンク部材のうち少なくとも一つの一面に形成され、互いに対面するように備えられた傾斜した形状の鋸歯の噛み合いによって、前記第3リンク部材が前記第2ヒンジピンの中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように前記第3リンク部材の運動を拘束する第2ラチェット部材とを含み、
前記第2リンク部材は、
前記第1ラチェット部材に外力を伝達して前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除可能な解除部を含むことを特徴とする、ユニットチェア。
【請求項17】
前記解除部は、前記第1ラチェット部材に外力を伝達して前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除可能な第1解除部と、前記第1解除部と独立して動作し、前記第2ラチェット部材に外力を伝達して前記第3リンク部材の運動拘束状態を解除可能な第2解除部とを含むことを特徴とする、請求項16に記載のユニットチェア。
【請求項18】
前記第1解除部は、
外力が印加される場合、前記第1ラチェット部材の前記鋸歯の噛み合いを解除して、前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除し、
前記第2解除部は、
外力が印加される場合、前記第2ラチェット部材の前記鋸歯の噛み合いを解除して、前記第3リンク部材の運動拘束状態を解除することを特徴とする、請求項17に記載のユニットチェア。
【請求項19】
前記第1ラチェット部材は、
前記第1ヒンジピンの中心軸線を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第1リンク部材に固定された第1ラチェットベース部と、
少なくとも一部が前記第1ラチェットベース部の鋸歯の少なくとも一部に噛み合う複数の鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第2リンク部材に固定された第1ラチェット回動部とを含み、
前記第2ラチェット部材は、
前記第2ヒンジピンの中心軸線を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第3リンク部材に固定された第2ラチェットベース部と、
少なくとも一部が前記第2ラチェットベース部の鋸歯の少なくとも一部に噛み合う複数の鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第2リンク部材に固定された第2ラチェット回動部とを含むことを特徴とする、請求項16から請求項18のいずれか一項に記載のユニットチェア。
【請求項20】
前記第1ラチェットベース部、前記第1ラチェット回動部、前記第2ラチェットベース部および前記第2ラチェット回動部それぞれの鋸歯は、前記それぞれの鋸歯が形成された面に対して一方向にのみ40度以上50度以下の傾斜角を成すことを特徴とする、請求項19に記載のユニットチェア。
【請求項21】
前記傾斜角は45度であることを特徴とする、請求項20に記載のユニットチェア。
【請求項22】
前記第1ラチェットベース部の鋸歯の数および前記第1ラチェット回動部の鋸歯の数のいずれか一つは、他の一つの2以上である倍数であるか、
前記第2ラチェットベース部の鋸歯の数および前記第2ラチェット回動部の鋸歯の数のいずれか一つは、他の一つの2以上である倍数であることを特徴とする、請求項19に記載のユニットチェア。
【請求項23】
前記第1ラチェット回動部の鋸歯の数は、前記第1ラチェットベース部の鋸歯の数の2倍であり、
前記第2ラチェット回動部の鋸歯の数は、前記第2ラチェットベース部の鋸歯の数の2倍であることを特徴とする、請求項22に記載のユニットチェア。
【請求項24】
前記第1ラチェット回動部の鋸歯および前記第2ラチェット回動部の鋸歯は、それぞれ複数個が等角である間隔を成して環状に配列されることを特徴とする、請求項23に記載のユニットチェア。
【請求項25】
前記第2リンク部材は、前記第1ラチェット部材によって運動が拘束され、前記バックレスト部のシート面に向かう方向にのみ回転可能であり、
前記第3リンク部材は、前記第2ラチェット部材によって運動が拘束され、前記第2リンク部材が回転可能な方向の反対方向にのみ回転可能であることを特徴とする、請求項16に記載のユニットチェア。
【請求項26】
前記第1解除部は、
前記第2リンク部材の一外部側面に突出形成されて外力が印加される第1ボタンと、
前記第2リンク部材の内部に形成されて第1弾性部材によって支持され、一面に前記第1ボタンおよび前記第1ラチェット回動部が固定され、前記第1ボタンに外力を印加する時に、第1ボタンおよび前記第1ラチェット回動部と一体に移動して前記第1ラチェット回動部を前記第1ラチェットベース部から離隔させる第1作動部材とを含み、
前記第2解除部は、
前記第2リンク部材の一外部側面に突出形成されて外力が印加される第2ボタンと、
前記第2リンク部材の内部に形成されて第2弾性部材によって支持され、一面に前記第2ボタンおよび前記第2ラチェット回動部が固定され、前記第2ボタンに外力を印加する時に、前記第2ボタンおよび前記第2ラチェット回動部と一体に移動して前記第2ラチェット回動部を前記第2ラチェットベース部から離隔させる第2作動部材とを含むことを特徴とする、請求項19に記載のユニットチェア。
【請求項27】
前記第2リンク部材の外部面のうち、前記第2リンク部材が前記一方向に回転する時に先端になる面は、前記第1ヒンジピンの中心軸線方向で観察する場合、凹入した形状に形成されることを特徴とする、請求項16に記載のユニットチェア。
【請求項28】
前記第2リンク部材は、「C」字状に形成されることを特徴とする、請求項17に記載のユニットチェア。
【請求項29】
前記第1リンク部材が前記バックレスト部に固定された場合、
前記第2リンク部材の前記一方向への回転により前記第2リンク部材の前記他端部が前記バックレスト部のシート面に接することができることを特徴とする、請求項17に記載のユニットチェア。
【請求項30】
前記第1解除部および前記第2解除部のうち少なくとも一つは、外力が印加される場合、前記第1ヒンジピンの中心軸線または前記第2ヒンジピンの中心軸線を含む軌跡に沿って移動するボタンを含むことを特徴とする、請求項17に記載のユニットチェア。
【請求項31】
前記第2解除部は、
外力が印加される場合、前記第1ヒンジピンの中心軸線を含む軌跡に沿って前記第2ラチェット部材の少なくとも一部を押しながら移動して前記第2ラチェット部材の前記鋸歯の噛み合いを解除して、前記第3リンク部材の運動拘束状態を解除する第2ボタンを含むことを特徴とする、請求項30に記載のユニットチェア。
【請求項32】
前記第1解除部は、
前記第2リンク部材の一外部側面に突出形成されて外力が印加される場合、前記第1ヒンジピンの中心軸線を含まず、且つ前記第1ヒンジピンの中心軸線と平行な軌跡に沿って移動する第1ボタンと、
前記第2リンク部材の内部に形成されて第1弾性部材によって支持され、外力が印加される場合、前記第1ボタンと一体に移動し、前記第1ラチェット部材の前記鋸歯の噛み合いを解除して、前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除する第1作動部材とを含むことを特徴とする、請求項31に記載のユニットチェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニットチェアに関する。
【背景技術】
【0002】
ユニットチェアは、歯科などで受診者を収容する装備であり、受診者の背中を支えるバックレスト(背もたれ)と、臀部と脚部を支えるシート(足置き台)とを一般的に含む。また、受診者の頭部を支えるヘッドレスト(頭置き台)、受診者の診療のために、ハンドピースのような歯科用施術器具を置くドクターテーブルやスピットン、給水器などをさらに含むことができる。
【0003】
前記シートは、歯科診療空間の床に配置されたベースによって支持される。前記ベースおよびシートのうち少なくとも一つに、前記シートの高さを調節可能な駆動部が形成されることができる。
【0004】
前記バックレストは、前記シートの一端に結合し、前記シートに対してチルト動作を行うことができる。バックレストを前方に起立するようにチルトすることで、前記受診者を座った状態にし、また、バックレストを後方に転倒するようにチルトすることで、前記受診者を横になった状態にし、診療状況に適する受診者の姿勢を得ることができる。
【0005】
前記ヘッドレストは、背もたれの上端に形成され、診療の目的や患者の体形、医療陣の都合に合わせて角度が調節可能であることが好ましい。ヘッドレストの角度調節が必要な診療の状況を見ると、医療陣が施術工具を一手に握っており、両手を自由に使用することができないか、受診者の頭部がヘッドレストに荷重を加えていることが多い。
【0006】
したがって、前記受診者が頭部を前に下げるか前に進む方向にヘッドレストの角度または姿勢を調節しようとする場合には、別のボタンやレバー操作を行わず、一手でヘッドレストを軽く押す動作だけで、角度の調節が可能であることが好ましい。また、逆に、前記受診者の頭部をもとの位置にする方向(逆方向)に角度の調節をすることは、別のボタンやレバーを動作させる場合にのみ可能であり、そうでない場合には、頭部を強固に支えていることが好ましい。
【0007】
前記のボタンやレバーの設計は非常に重要である。必ずボタンやレバーが適切な力で押される場合にのみ逆方向への角度調節が可能であるように信頼性が保障されなければならない。また、歯科の診療の特性上、前記ヘッドレストの近くで医者の手の動作が多く行われるという点で、前記ボタンやレバーに手が触れて誤動作を引き起こす場合、受診者の負傷につながり得るため、注意を要する。したがって、効果的に誤動作を防止することができる安全手段を講じる必要がある。
【0008】
しかし、前記のように一方向にのみ角度の調節が可能であり、逆方向には受診者の頭部を支える構造に耐久性を保障することは容易でないことである。
【0009】
また、耐久性を保障することに加え、ヘッドレストの姿勢をより細密に調節可能であるとともに、前記構造を成す部品同士がくっつく現象のような副作用を解決し、製作が容易な構造が提案される必要がある。
【0010】
また、前記一方向にのみ角度の調節が可能な構造を採択し、且つ子供のように非常に背が低い受診者をはじめ、様々な身長の受診者の体形に対応して姿勢を取ることができるヘッドレストの支持構造が提供される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記のような問題に鑑みて導き出されたものであり、ヘッドレストの正方向角度調節が可能であり、且つ逆方向の力が加えられる場合に支持する構造の耐久性が確保されるユニットチェアを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明の他の目的は、ヘッドレストの姿勢を精密に調節可能であるとともに、それによる副作用を解決することができるヘッドレストの支持構造を提供することである。
【0013】
また、本発明の他の目的は、部品数を簡素化し、且つ射出成形による製作が容易なヘッドレストの支持構造を提供することである。
【0014】
また、本発明のさらに他の目的は、ユニットチェアに収容される様々な身長の受診者の体形に対応して姿勢を取ることができるヘッドレストの支持構造を提供することである。
【0015】
また、本発明のさらに他の目的は、二つの関節の運動拘束状態を独立して解除可能であり、且つ一方向角度調節が可能な2関節ヘッドレストの支持構造を提供することである。
【0016】
また、本発明のさらに他の目的は、ヘッドレストの正方向姿勢調節が可能であり、且つ逆方向に力が加えられる場合には、ヘッドレストを支持し固定する構造を備えるユニットチェアを提供することである。
【0017】
また、本発明のさらに他の目的は、逆方向の力が加えられる場合に、ヘッドレストが支持され固定された状態を、必要に応じて解除する機能の誤動作を防止する、ユニットチェアの安全装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一様相によるユニットチェアは、ヘッドレストの姿勢を調節するためのリンク部を含むユニットチェアであって、前記リンク部は、前記ユニットチェアのバックレスト部に固定可能な第1リンク部材と、一端部が前記第1リンク部材と第1ヒンジピンでヒンジ結合する第2リンク部材と、前記第1リンク部材および前記第2リンク部材のうち少なくとも一つの一面に形成され、前記第2リンク部材が第1ヒンジピンの中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように前記第2リンク部材の運動を拘束する第1ラチェット部材とを含み、前記第1ラチェット部材は、前記第1ヒンジピンの中心軸線を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第1リンク部材に固定された第1ラチェットベース部と、少なくとも一部が前記第1ラチェットベース部の鋸歯の少なくとも一部に噛み合う複数の鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第2リンク部材に固定された第1ラチェット回動部とを含むことができる。
【0019】
また、一端部が前記第2リンク部材の他端部と第2ヒンジピンでヒンジ結合し、一面に前記ヘッドレストが固定される第3リンク部材と、前記第2リンク部材および前記第3リンク部材のうち少なくとも一つの一面に形成され、前記第3リンク部材が前記第2ヒンジピンの中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように前記第3リンク部材の運動を拘束する第2ラチェット部材とをさらに含むことができる。
【0020】
また、前記第2リンク部材は、前記第1ラチェット部材に外力を伝達して前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除可能な第1解除部と、前記第1解除部と独立して動作し、前記第2ラチェット部材に外力を伝達して前記第3リンク部材の運動拘束状態を解除可能な第2解除部とを含むことができる。
【0021】
また、前記第2リンク部材は、前記第1ラチェット部材に外力を伝達して前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除可能な第1解除部を含み、前記第1ラチェット部材は、第1ラチェットベース部の鋸歯および前記第1ラチェット回動部の鋸歯の噛み合いによって、前記第2リンク部材が第1ヒンジピンの中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように前記第2リンク部材の運動を拘束し、前記第1解除部は、外力が印加される場合、前記第1ラチェット部材の前記噛み合いを解除して、前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除することができる。
【0022】
また、前記第2ラチェット部材は、前記第2ヒンジピンの中心軸線を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第3リンク部材に固定された第2ラチェットベース部と、少なくとも一部が前記第2ラチェットベース部の鋸歯の少なくとも一部に噛み合う複数の鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第2リンク部材に固定された第2ラチェット回動部とを含むことができる。
【0023】
前記第2リンク部材は、前記第1ラチェット部材に外力を伝達して前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除可能な第1解除部を含み、前記第1解除部は、前記第2リンク部材の一外部側面に突出形成されて外力が印加される第1ボタンと、前記第2リンク部材の内部に形成されて第1弾性部材によって支持され、一面に前記第1ボタンおよび前記第1ラチェット回動部が固定され、前記第1ボタンに外力を印加する時に、第1ボタンおよび前記第1ラチェット回動部と一体に移動して前記第1ラチェット回動部を前記第1ラチェットベース部から離隔させる第1作動部材とを含むことができる。
【0024】
また、前記第1ラチェットベース部および前記第1ラチェット回動部それぞれの鋸歯は、前記それぞれの鋸歯が形成された面に対して一方向にのみ40度以上50度以下の傾斜角を成すことができる。
【0025】
また、前記傾斜角は45度であることができる。
【0026】
また、前記第1ラチェットベース部の鋸歯の数および前記第1ラチェット回動部の鋸歯の数のいずれか一つは、他の一つの2以上である倍数であることができる。
【0027】
また、前記第1ラチェット回動部の鋸歯の数は、前記第1ラチェットベース部の鋸歯の数の2倍であることができる。
【0028】
また、前記第1ラチェット回動部の鋸歯は、それぞれ複数個が等角である間隔を成して環状に配列されることができる。
【0029】
また、前記第2リンク部材は、前記第1ラチェット部材によって運動が拘束され、前記バックレスト部のシート面に向かう方向にのみ回転可能であり、前記第3リンク部材は、前記第2ラチェット部材によって運動が拘束され、前記第2リンク部材が回転可能な方向の反対方向にのみ回転可能である。
【0030】
また、前記第2解除部は、前記第2リンク部材の一外部側面に突出形成されて外力が印加される第2ボタンと、前記第2リンク部材の内部に形成されて第2弾性部材によって支持され、一面に前記第2ボタンおよび前記第2ラチェット回動部が固定され、前記第2ボタンに外力を印加する時に、前記第2ボタンおよび前記第2ラチェット回動部と一体に移動して前記第2ラチェット回動部を前記第2ラチェットベース部から離隔させる第2作動部材とを含むことができる。
【0031】
また、前記第2リンク部材の外部面のうち、前記第2リンク部材が前記一方向に回転する時に先端になる面は、前記第1ヒンジピンの中心軸線方向で観察する場合、凹入した形状に形成されることができる。
【0032】
また、前記第1リンク部材が前記バックレスト部に固定された場合、前記第2リンク部材の前記一方向への回転により、前記第2リンク部材の前記一端部ではなく、他端部が前記バックレスト部のシート面に接することができることが好ましい。
【0033】
本発明の他の様相によるユニットチェアは、ヘッドレストの姿勢を調節するためのリンク部を含むユニットチェアであって、前記リンク部は、前記ユニットチェアのバックレスト部に固定可能な第1リンク部材と、一端部が前記第1リンク部材と第1ヒンジピンでヒンジ結合する第2リンク部材と、一端部が前記第2リンク部材の他端部と第2ヒンジピンでヒンジ結合し、一面に前記ヘッドレストが固定される第3リンク部材と、前記第1リンク部材および前記第2リンク部材のうち少なくとも一つの一面に形成され、互いに対面するように備えられた傾斜した形状の鋸歯の噛み合いによって、前記第2リンク部材が前記第1ヒンジピンの中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように前記第2リンク部材の運動を拘束する第1ラチェット部材と、前記第2リンク部材および前記第3リンク部材のうち少なくとも一つの一面に形成され、互いに対面するように備えられた傾斜した形状の鋸歯の噛み合いによって、前記第3リンク部材が前記第2ヒンジピンの中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように前記第3リンク部材の運動を拘束する第2ラチェット部材とを含み、前記第2リンク部材は、前記第1ラチェット部材に外力を伝達して前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除可能な解除部を含むことができる。
【0034】
前記解除部は、前記第1ラチェット部材に外力を伝達して前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除可能な第1解除部と、前記第1解除部と独立して動作し、前記第2ラチェット部材に外力を伝達して前記第3リンク部材の運動拘束状態を解除可能な第2解除部とを含むことができる。
【0035】
前記第1解除部は、外力が印加される場合、前記第1ラチェット部材の前記鋸歯の噛み合いを解除して、前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除し、前記第2解除部は、外力が印加される場合、前記第2ラチェット部材の前記鋸歯の噛み合いを解除して、前記第3リンク部材の運動拘束状態を解除することができる。
【0036】
前記第1ラチェット部材は、前記第1ヒンジピンの中心軸線を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第1リンク部材に固定された第1ラチェットベース部と、少なくとも一部が前記第1ラチェットベース部の鋸歯の少なくとも一部に噛み合う複数の鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第2リンク部材に固定された第1ラチェット回動部とを含み、前記第2ラチェット部材は、前記第2ヒンジピンの中心軸線を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第3リンク部材に固定された第2ラチェットベース部と、少なくとも一部が前記第2ラチェットベース部の鋸歯の少なくとも一部に噛み合う複数の鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第2リンク部材に固定された第2ラチェット回動部とを含むことができる。
【0037】
前記第1ラチェットベース部、前記第1ラチェット回動部、前記第2ラチェットベース部および前記第2ラチェット回動部それぞれの鋸歯は、前記それぞれの鋸歯が形成された面に対して一方向にのみ40度以上50度以下の傾斜角を成すことが好ましい。
【0038】
より好ましくは、前記傾斜角は45度であることが好ましい。
【0039】
前記第1ラチェットベース部の鋸歯の数および前記第1ラチェット回動部の鋸歯の数のいずれか一つは、他の一つの2以上である倍数であるか、前記第2ラチェットベース部の鋸歯の数および前記第2ラチェット回動部の鋸歯の数のいずれか一つは、他の一つの2以上である倍数であることができる。
【0040】
前記第1ラチェット回動部の鋸歯の数は、前記第1ラチェットベース部の鋸歯の数の2倍であり、前記第2ラチェット回動部の鋸歯の数は、前記第2ラチェットベース部の鋸歯の数の2倍であることができる。
【0041】
前記第1ラチェット回動部の鋸歯および前記第2ラチェット回動部の鋸歯は、それぞれ複数個が等角である間隔を成して環状に配列されることができる。
【0042】
前記第2リンク部材は、前記第1ラチェット部材によって運動が拘束され、前記バックレスト部のシート面に向かう方向にのみ回転可能であり、前記第3リンク部材は、前記第2ラチェット部材によって運動が拘束され、前記第2リンク部材が回転可能な方向の反対方向にのみ回転可能であることができる。
【0043】
前記第1解除部は、前記第2リンク部材の一外部側面に突出形成されて外力が印加される第1ボタンと、前記第2リンク部材の内部に形成されて第1弾性部材によって支持され、一面に前記第1ボタンおよび前記第1ラチェット回動部が固定され、前記第1ボタンに外力を印加する時に、第1ボタンおよび前記第1ラチェット回動部と一体に移動して前記第1ラチェット回動部を前記第1ラチェットベース部から離隔させる第1作動部材とを含み、前記第2解除部は、前記第2リンク部材の一外部側面に突出形成されて外力が印加される第2ボタンと、前記第2リンク部材の内部に形成されて第2弾性部材によって支持され、一面に前記第2ボタンおよび前記第2ラチェット回動部が固定され、前記第2ボタンに外力を印加する時に、前記第2ボタンおよび前記第2ラチェット回動部と一体に移動して前記第2ラチェット回動部を前記第2ラチェットベース部から離隔させる第2作動部材とを含むことができる。
【0044】
前記第2リンク部材の外部面のうち、前記第2リンク部材が前記一方向に回転する時に先端になる面は、前記第1ヒンジピンの中心軸線方向で観察する場合、凹入した形状に形成されることができる。
【0045】
前記第2リンク部材は、「C」字状に形成されることができる。
【0046】
前記第1リンク部材が前記バックレスト部に固定された場合、前記第2リンク部材の前記一方向への回転により前記第2リンク部材の前記他端部が前記バックレスト部のシート面に接することができることが好ましい。
【0047】
前記第1解除部および前記第2解除部のうち少なくとも一つは、外力が印加される場合、前記第1ヒンジピンの中心軸線または前記第2ヒンジピンの中心軸線を含む軌跡に沿って移動するボタンを含むことができる。
【0048】
前記第2解除部は、外力が印加される場合、前記第1ヒンジピンの中心軸線を含む軌跡に沿って前記第2ラチェット部材の少なくとも一部を押しながら移動して前記第2ラチェット部材の前記鋸歯の噛み合いを解除して、前記第3リンク部材の運動拘束状態を解除する第2ボタンを含むことができる。
【0049】
前記第1解除部は、前記第2リンク部材の一外部側面に突出形成されて外力が印加される場合、前記第1ヒンジピンの中心軸線を含まず、且つ前記第1ヒンジピンの中心軸線と平行な軌跡に沿って移動する第1ボタンと、前記第2リンク部材の内部に形成されて第1弾性部材によって支持され、外力が印加される場合、前記第1ボタンと一体に移動し、前記第1ラチェット部材の前記鋸歯の噛み合いを解除して、前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除する第1作動部材とを含むことができる。
【0050】
本発明のさらに他の様相によるユニットチェアは、ヘッドレストの姿勢を調節するためのリンク部を含むユニットチェアであって、前記リンク部は、前記ユニットチェアのバックレスト部に固定可能な第1リンク部材と、一端部が前記第1リンク部材と第1ヒンジピンでヒンジ結合する第2リンク部材と、前記第1リンク部材および前記第2リンク部材のうち少なくとも一つの一面に形成され、前記第2リンク部材が第1ヒンジピンの中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように前記第2リンク部材の運動を拘束する第1ラチェット部材とを含み、前記第2リンク部材は、前記第1ラチェット部材に外力を伝達して前記第2リンク部材の運動拘束状態を解除可能な第1解除部を含み、前記第1解除部は、外力が印加されることによって形状または位置が変化する第1変形部材を含み、前記第1変形部材の形状または位置の変化量が所定の第1基準量を超える場合にのみ前記第1ラチェット部材に前記印加された外力を伝達することができる。
【0051】
また、前記第1解除部は、前記第2リンク部材の内部に形成されて第1-1弾性部材によって支持される第1作動部材をさらに含み、前記第1変形部材は、前記第2リンク部材の一外部側面に突出形成されて第1-2弾性部材によって支持される第1ボタンを含み、前記第1作動部材は、前記第1ボタンに外力が印加されることによって前記第1ボタンが第1基準変位を超えて移動した場合にのみ前記第1ラチェット部材に前記印加された外力を伝達することができる。
【0052】
外力が印加されることによって前記第1ボタンが前記第1基準変位を超えて移動した場合、前記第1作動部材は、前記第1ボタンと接触および連動することができる。
【0053】
また、前記第2リンク部材のハウジングの内側には、前記第1作動部材に形成された孔を貫く第1隆起部が形成され、前記第1隆起部の外壁は、前記第1作動部材の移動方向をガイドすることができる。
【0054】
また、前記第1隆起部には、前記第1ボタンの移動方向をガイドする第1ガイド溝が形成されることができる。
【0055】
また、前記第1-2弾性部材は、一端が前記第1隆起部に連結され、他端は前記第1ボタンに連結されて前記第1ボタンを支持し、前記第1ボタンの移動動作に応じて変形されることができる。
【0056】
また、前記第1ラチェット部材は、前記第1ヒンジピンの中心軸線を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第1リンク部材に固定された第1ラチェットベース部と、前記第1ラチェットベース部の鋸歯に噛み合う鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第1作動部材に固定された第1ラチェット回動部とを含み、前記第1作動部材は、前記第1ボタンに外力が印加される場合、前記第1ボタンおよび前記第1ラチェット回動部とともに移動して前記第1ラチェット回動部を前記第1ラチェットベース部から離隔させることができる。
【0057】
また、前記リンク部は、一端部が前記第2リンク部材の他端部と第2ヒンジピンでヒンジ結合し、一面に前記ヘッドレストが固定される第3リンク部材と、前記第2リンク部材および前記第3リンク部材のうち少なくとも一つの一面に形成され、前記第3リンク部材が第2ヒンジピンの中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように前記第3リンク部材の運動を拘束する第2ラチェット部材とをさらに含み、前記第2リンク部材は、前記第1解除部と独立して動作し、前記第2ラチェット部材に外力を伝達して前記第3リンク部材の運動拘束状態を解除可能な第2解除部をさらに含み、前記第2解除部は、外力が印加されることによって形状または位置が変化する第2変形部材を含み、前記第2変形部材の形状または位置の変化量が所定の第2基準量を超える場合にのみ前記第2ラチェット部材に前記印加された外力を伝達することができる。
【0058】
また、前記第2解除部は、前記第2リンク部材の内部に形成されて第2-1弾性部材によって支持される第2作動部材をさらに含み、前記第2変形部材は、前記第2リンク部材の一外部側面に突出形成されて第2-2弾性部材によって支持される第2ボタンを含み、前記第2作動部材は、前記第2ボタンに外力が印加されることによって前記第2ボタンが第2基準変位を超えて移動した場合にのみ前記第2ラチェット部材に前記印加された外力を伝達することができる。
【0059】
また、外力が印加されることによって前記第2ボタンが前記第2基準変位を超えて移動した場合、前記第2作動部材は、前記第2ボタンと接触および連動し、前記第2ラチェット部材は、前記第2ヒンジピンの中心軸線を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第3リンク部材に固定された第2ラチェットベース部と、前記第2ラチェットベース部の鋸歯に噛み合う鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第2作動部材に固定された第2ラチェット回動部とを含み、前記第2作動部材は、前記第2ボタンに外力が印加される場合、前記第2ボタンおよび前記第2ラチェット回動部とともに移動して前記第2ラチェット回動部を前記第2ラチェットベース部から離隔させることができる。
【0060】
また、前記第2リンク部材は、前記第1ラチェット部材によって運動が拘束され、前記バックレスト部のシート面に向かう方向にのみ回転可能であり、前記第3リンク部材は、前記第2ラチェット部材によって運動が拘束され、前記第2リンク部材が回転可能な方向の反対方向にのみ回転可能であることができる。
【発明の効果】
【0061】
本発明の様々な実施形態によると、一手でもユニットチェアのヘッドレストの正方向角度調節は自由に行うことができ、且つ逆方向の力が加えられる場合に、強固に支持する構造を提供することができる。
【0062】
また、本発明の様々な実施形態によると、ヘッドレストの正方向姿勢調節が可能であり、且つ逆方向に力が加えられる場合には、ヘッドレストを支持して固定する構造の耐久性を確保することができる。
【0063】
また、本発明の様々な実施形態によると、逆方向の力が加えられる場合に、ヘッドレストが支持され固定された状態を、必要に応じて解除する機能の誤動作を効果的に防止することができる。
【0064】
また、本発明の様々な実施形態によると、ユニットチェアに収容される様々な受診者の体形に対応してヘッドレストの姿勢を精密に調節可能であり、且つヘッドレストの支持構造を成す部品同士のくっつきのような副作用を解決することができる。
【0065】
また、本発明の様々な実施形態によると、ガスバネや板バネのような複雑な部品を排除することで、部品の数を簡素化するとともに、射出成形による製作が容易なヘッドレストの支持構造を提供することができる。
【0066】
また、本発明の様々な実施形態によると、ユニットチェアに収容される様々な身長の受診者の体形に対応してヘッドレストの姿勢を取ることができる。
【0067】
また、本発明の様々な実施形態によると、二つの関節の運動拘束状態を独立して解除可能であり、且つ一方向角度調節が可能な2関節ヘッドレストの支持構造を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】本発明の一実施形態によるユニットチェアの斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるユニットチェアの構成を説明するためのブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるリンク部の構成を説明するためのブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるリンク部の右側面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による第1ラチェット部材の構造を説明するための図である。
【
図6】本発明の解除部の構造および動作を説明するための図である。
【
図7】本発明の第2リンク部材の組み立てられた外形を説明するための正面図(a)および右側面図(b)である。
【
図8】本発明の第2リンク部材の形状を説明するための図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるリンク部の右側面図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるリンク部の右側面図および背面図である。
【
図11】本発明の解除部の構造および動作を説明するための図である。
【
図12】本発明の一実施形態による解除部の構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
以下の内容は、単に本発明の原理を例示する。したがって、当業者は、本明細書に明確に説明または図示されていないものの、本発明の原理を実現し、本発明の概念と範囲に含まれた様々な装置を発明することができる。また、本明細書に挙げられたすべての条件付き用語および実施形態は、原則的に、本発明の概念が理解されるようにするための目的にのみ明白に意図され、このように特別に挙げられた実施形態および状態に制限されないものと理解すべきである。
【0070】
また、本発明の原理、観点および実施形態のみだけでなく、特定の実施形態を挙げるすべての詳細な説明は、このような事項の構造的および機能的均等物を含むように意図されるものと理解すべきである。また、このような均等物は、現在公知の均等物だけでなく、将来開発される均等物、すなわち、構造とは無関係に同じ機能を行うように発明されたすべての素子を含むものと理解すべきである。
【0071】
上述の目的、特徴および利点は、添付の図面と関連する以下の詳細な説明によってより明らかになり、それによって、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができる。また、本発明を説明するに際し、本発明と関連する公知の技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭し得ると判断した場合には、その詳細な説明を省略する。
【0072】
以下、添付の図面を参照して、本発明の様々な実施形態について詳細に説明する。
【0073】
本発明の一実施形態によるユニットチェア10は、歯科の診療空間の床に設置されて診療中に受診者が座るか横になる装置である。ユニットチェア10は、診療中に受診者が不便を感じないように、体形に対応した形状であることができる
【0074】
図1は本発明の一実施形態によるユニットチェアの斜視図であり、
図2は本発明の一実施形態によるユニットチェアの構成を説明するためのブロック図である。
【0075】
これらの図面に図示されているように、本発明の一実施形態によるユニットチェア10は、受診者の脚部が置かれるシート部200と、受診者が背もたれるバックレスト部300とを基本的に含む。
【0076】
また、前記ユニットチェア10は、受診者の頭部を支えるヘッドレスト部600と、前記シート部200を支持するベース部700と、前記バックレスト部300および前記シート部200のうち少なくとも一つを駆動させる駆動部400と、前記駆動部400を制御する制御部100とを含むことができる。前記バックレスト部300および前記シート部200のうち少なくとも一つの側面には、受診者の腕部が置かれるアームレストが形成されることができる。
【0077】
また、前記ユニットチェア10は、連携装置(Associated Device)を備えることができる。例えば、前記受診者の診療のための施術器具、診療チャートなどを置くか、器具の操作のためのインタフェースを備えた診療テーブル部800を含むことができる。また、前記受診者を照らすための照明ユニット(図示せず)、受診者の口をゆすぐためのガーグル物を供給するための給水ユニット(図示せず)、コントロールユニット(図示せず)、ディスプレイユニット(図示せず)、フットコントロールユニット(図示せず、Foot Control Unit)、電源部(図示せず)のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0078】
シート部200は、受診者の臀部を含む下半身に接触する部分であることができる。シート部200は、ベース部700によって支持されることができる。シート部200の端部には、受診者の脚部分を支持するレッグレスト(図示せず)が結合していることができる。シート部200に結合したレッグレスト(図示せず)は、必要に応じて、角度および/または距離が調節されることができる。
【0079】
診療者および受診者の便宜のために、ユニットチェア10の一部分は、他の部分と分離して動作することができる。
【0080】
バックレスト部300は、受診者の背中(back)部分と接触する部分であることができる。バックレスト部300の上側には、ヘッドレスト部600が連結されていることができる。バックレスト部300に連結されたヘッドレスト部600は、必要に応じて、角度が調節されることができる。ヘッドレスト部600の角度は、電動および/または手動で調節されることができる。バックレスト部300は、シート部200および/またはベース部700に結合することができる。
【0081】
ヘッドレスト部600は、受診者の頭部分と接触するヘッドレスト610を含むことができる。ヘッドレスト610は、頭部の形状に対応するように、少なくとも一部分が凹状の形状に加工されていることができる。
【0082】
アームレストは、シート部200またはバックレスト部300の両側に位置することができる。アームレストは、受診者が安定的な姿勢で検診を受けることができるように、シート部200に着座した受診者の両腕が自然に位置する部分に対応した位置に設けられることができる。
【0083】
診療テーブル部800は、ユニットチェア10を診療および/または治療に使用する各種の歯科用施術器具(Dental Instruments)が配置された置き台(Cradle)であることができる。診療テーブル部800には、施術器具の動作に使用される電気、空圧、油圧のうち少なくとも一つが供給されることができる。例えば、供給された電気で、施術器具の一つである口腔用ライトを点灯することができることを意味する。
【0084】
診療テーブル部800は、各種のスイッチを含んでいることができる。施術者の位置を考慮すると、診療テーブル部800は、施術者が手を伸ばして容易に接することができる距離に位置していることができる。したがって、診療テーブル部800には、ユニットチェア10の各部を制御することができる各種のスイッチが位置していることができる。
【0085】
照明ユニット(図示せず)は、施術者の胴体などによって検診者の口腔の内部が見えない位置に位置付けられていることができる。例えば、検診者が、上半身を動かして受診者の口腔の内部を検診する場合に、口腔の内部が暗くならない上方位置に位置付けられることができることを意味する。
【0086】
照明ユニット(図示せず)は、必要に応じて、互いに異なる光を発することができる。例えば、周りの明るさおよび/または検診内容に応じて明るさが調節および/または波長が調節されることができることを意味する。
【0087】
一実施形態において、本願発明のリンク部900の作動によるヘッドレスト610の姿勢調節に対応して、前記照明ユニット(図示せず)の照明の光度を制御部100で制御することが可能である。
【0088】
給水ユニット(図示せず)は、検診者が口腔の内部を洗浄するなどの施術に使用されることができる。給水ユニット(図示せず)は、排水装置および/または唾を吐くスピットンを含むことができる。
【0089】
ディスプレイユニット(図示せず)は、検診に必要な各種の情報を表示することができる。例えば、受診者の口腔状態を撮影したX-ray映像、受診者の口腔内部を撮影した映像などがリアルタイムで表出されることができることを意味する。ディスプレイユニット207は、検診者の疲れを軽減するように、必要に応じて、上下左右に位置/角度が調節されることができる。
【0090】
フットコントロールユニット(図示せず)は、少なくとも一つの歯科用施術器具の動作の調節のために使用されることができる。検診者は、足でフットコントロールユニット(図示せず)を操作して施術器具を制御しながらも両手を自由に使用することができる。
【0091】
制御部100は、ユニットチェア10の各部分に対する制御動作を行うことができる。制御部100は、ユニットチェア10の各部分が有機的に動作するようにすることができる。
【0092】
制御部100は、複数の位置に分散していることができる。例えば、ベース部800は第1制御部が制御し、診療テーブル部800は第2制御部が制御することができる。第1、2制御部は、一方または双方間信号を送信し、ユニットチェア10が全体的にバランスよく動作するようにすることができる。
【0093】
制御部100は、ユニットチェア10の連携装置(Associated Device)に対する制御動作を行うことができる。例えば、ベース部800に制御部100が位置している時に、検診時にベース部800とともに使用されるユニットチェア10構成要素の全部または一部に対する制御動作を行うことができることを意味する。例えば、連携装置に対する活性化または非活性化制御動作を行うことができることを意味する。
【0094】
電源部(図示せず)は、ユニットチェア10に電源を供給する装置であることができる。電源部(図示せず)は、交流/直流電源に対する変換器および/または各構成要素に適切な電圧/電流変換器を含むことができる。
【0095】
図2に図示されているように、本発明の一実施形態によって、ヘッドレスト部600は、受診者の頭部を支えるヘッドレスト610と、前記ヘッドレスト610と前記バックレスト部300の一端をリンク連結するリンク部900とを含むことができる。
【0096】
前記リンク部900は、ヘッドレスト610の姿勢を調節するための動作を行うことができる。すなわち、ヘッドレスト610を前記バックレスト部300の一端に連結し、受診者の頭部の荷重を支持する機能を基本的に備えているとともに、診療時に、都合に合わせて受診者の頭部の前後方向に前記ヘッドレスト310を下げるか広げる角度調節動作または前記ヘッドレスト310を前進または後進させる姿勢調節が可能である。
【0097】
ユーザ(医療陣)は、一手で前記ヘッドレスト610を握って外力を加えることで、前記角度または姿勢調節が可能である。
【0098】
以下、本発明のリンク部300の構成について、図面を参照してより具体的に説明する。
【0099】
図3は本発明の一実施形態によるリンク部の構成を説明するためのブロック図である。また、
図4は本発明の一実施形態によるリンク部の右側面図である。
図3および
図4に図示されているように、前記リンク部900は、一連の第1リンク部材910および第2リンク部材920を含むことができる。また、実施形態によって、前記リンク部900は、第3リンク部材930をさらに含むことができる。
【0100】
第1リンク部材910は、前記ユニットチェア10のバックレスト部300に固定可能である。
【0101】
本発明の一実施形態において、前記第1リンク部材910は、前記バックレスト部300の一端に結合して半永久的に固定されることができる。
【0102】
本発明の他の実施形態において、前記第1リンク部材910は、長く形成されて前記バックレスト部300の一端の挿入孔に摺動結合することができる。
【0103】
前記第1リンク部材910は、前記ユニットチェア10が背が高い受診者を収容しなければならない場合、ヘッドレスト610が、前記バックレスト部300の前記一端と離れるように摺動し、特定の位置に固定されることができる。
【0104】
前記第1リンク部材910は、前記ユニットチェア10が背が多少低い受診者を収容しなければならない場合、ヘッドレスト610が、前記バックレスト部300の前記一端と近づくように摺動し、特定の位置に固定されることができる。
【0105】
第2リンク部材920の一端部は、前記第1リンク部材910と第1ヒンジピン911でヒンジ結合することができる。
【0106】
前記第3リンク部材930の一端部は、前記第2リンク部材920の前記一端部ではなく、他端部と第2ヒンジピン931でヒンジ結合することができる。
【0107】
前記第3リンク部材の一面には、
図4に図示されているように、ヘッドレスト610が固定されることができる。
【0108】
前記リンク部900は、前記第1リンク部材910および前記第2リンク部材920のうち少なくとも一つの一面に形成される第1ラチェット部材940をさらに含むことができる。
【0109】
第1ラチェット部材940は、互いに接触して互いに相対的に一方向にのみ回転可能な二つのサブ部材を含むことができる。
【0110】
前記二つのサブ部材は、後述する本発明の第1ラチェットベース部941および第1ラチェット回動部945であることができる。
【0111】
ガスバネや板バネのような構造を使用せずにラチェットの構造を使用することで、ヘッドレスト部300の構造をより単純化することが可能である。
【0112】
前記第1ラチェット部材940は、前記第2リンク部材920の運動を一方向回転運動に拘束することができる。
【0113】
前記第1ラチェット部材940は、前記第2リンク部材920が第1ヒンジピン911の中心軸線(
図4の下側「+」形状の中心)を中心に、一方向(
図4の下側の点線矢印が指す方向)にのみ回転可能であるように、前記第2リンク部材920の運動を拘束することができる。
【0114】
前記第2リンク部材920は、第1ラチェット部材940に外力を伝達して、前記第2リンク部材920の運動拘束状態を解除可能な解除部960を含むことができる。
【0115】
本発明のリンク部900は、前記第2リンク部材920および前記第3リンク部材930のうち少なくとも一つの一面に形成された第2ラチェット部材950をさらに含むことができる。
【0116】
前記第2ラチェット部材950は、構造的に前記第1ラチェット部材940と同様に形成されることができる。
【0117】
前記第2ラチェット部材950は、前記第3リンク部材930の運動を一方向回転運動に拘束することができる。
【0118】
前記第2ラチェット部材950は、前記第3リンク部材930が第2ヒンジピン931の中心軸線(
図4の上側「+」形状の中心)を中心に一方向(
図4の上側の点線矢印が指す方向)にのみ回転可能であるように、前記第3リンク部材930の運動を拘束することができる。
【0119】
第2ラチェット部材950をさらに含む実施形態において、前記解除部960は、前記第2ラチェット部材950に外力を伝達して前記第3リンク部材930の運動拘束状態を解除することができる。
【0120】
前記第1ラチェット部材940は、前記第1リンク部材910および前記第2リンク部材920のうち少なくとも一つの一面に形成されることができる。
【0121】
前記第2ラチェット部材950は、前記第2リンク部材920および前記第3リンク部材930のうち少なくとも一つの一面に形成されることができる。
【0122】
図5は本発明の一実施形態による第1ラチェット部材の構造を説明するための図である。
【0123】
図5の(a)およびその一部の拡大図である
図5の(b)に図示されているように、第1ラチェット部材940は、互いに対面するように備えられた傾斜した形状の鋸歯の噛み合いによって、前記第2リンク部材920が前記第1ヒンジピン911の中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように、前記第2リンク部材920の運動を拘束することができる。
【0124】
第1ラチェット部材940は、一方向にのみ傾斜した複数の鋸歯でそれぞれ構成された二つの鋸歯グループを含むことができる。
【0125】
前記二つの鋸歯グループは、
図5の上側に図示されている部品941に形成された鋸歯942のグループおよび
図5の下側に図示されている部品945に形成された鋸歯946のグループを意味し得る。
【0126】
第1ラチェット部材940は、前記二つの鋸歯グループの相互接続により、前記第2リンク部材920が前記第1ヒンジピン911の中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように、前記第2リンク部材920の運動を拘束することができる。
【0127】
前記第2ラチェット部材950は、前記第1ラチェット部材940と同等な構造に形成されることができる。
【0128】
第2ラチェット部材950も、互いに対面するように備えられた傾斜した形状の鋸歯の噛み合いによって、前記第3リンク部材930が前記第2ヒンジピン931の中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように、前記第3リンク部材930の運動を拘束することができる。
【0129】
前記第2ラチェット部材950は、一方向にのみ傾斜した複数の鋸歯でそれぞれ構成された二つの鋸歯グループを含むことができる。
【0130】
第2ラチェット部材950は、前記二つの鋸歯グループの相互接続により、前記第3リンク部材930が第2ヒンジピン931の中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように、前記第3リンク部材930の運動を拘束することができる。
【0131】
前記第1解除部970は、外力が印加される場合、前記第1ラチェット部材940の前記二つの鋸歯グループの相互接続を解除し、前記第2リンク部材920の運動拘束状態を解除することができる。
【0132】
前記第2解除部980は、外力が印加される場合、前記第2ラチェット部材950の前記二つの鋸歯グループの相互接続を解除し、前記第3リンク部材930の運動拘束状態を解除することができる。
【0133】
より具体的には、前記第1ラチェット部材940は、第1ラチェットベース部941および第1ラチェット回動部945を含むことができる。第1ラチェットベース部941および第1ラチェット回動部945は、相互接続される場合、力を伝達するクラッチ(clutch)構成を成すことができる。すなわち、One-Way-Clutch Systemを実現することができる。
【0134】
前記第2ラチェット部材950は、第2ラチェットベース部951および第2ラチェット回動部955を含むことができる。第2ラチェットベース部951および第2ラチェット回動部955は、相互接続される場合、力を伝達するクラッチ(clutch)構成を成すことができる。
【0135】
第1ラチェットベース部941は、その一面に前記第1ヒンジピン911の中心軸線を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯942が形成されることができる。前記一面の反対面は、前記第1リンク部材910に固定されることができる。
【0136】
第2ラチェットベース部951は、その一面に前記第2ヒンジピン931の中心軸線を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯952が形成されることができる。前記一面の反対面は、前記第3リンク部材930に固定されることができる。
【0137】
第1ラチェット回動部945は、その一面に少なくとも一部が前記第1ラチェットベース部941の鋸歯942の少なくとも一部に噛み合う複数の鋸歯946が形成されることができる。前記一面の反対面は、前記第2リンク部材920に固定されることができる。
【0138】
第2ラチェット回動部955は、その一面に少なくとも一部が前記第2ラチェットベース部951の鋸歯952の少なくとも一部に噛み合う複数の鋸歯956が形成されることができる。前記一面の反対面は、前記第2リンク部材920に固定されることができる。
【0139】
このように環状に配列された鋸歯が互いに噛み合うように構成することにより、鋸歯の数だけ第1ラチェット回動部945と第1ラチェットベース部941が互いに伝達する力および第2ラチェット回動部955と第2ラチェットベース部951が互いに伝達する力が分散することができる。これによってより強い力で受診者の頭部を支持することが可能になり、ラチェット部材の寿命を長くし、耐久性を保障することが可能になる。
【0140】
また、第1ラチェット回動部945と第1ラチェットベース部941を金属ではなく、合成樹脂系の素材で形成して射出成形により製作することで、材料および加工にかかる費用を抑えることが可能になる。
【0141】
前記鋸歯946も一方向にのみ傾斜した形状に形成されることができる。したがって、前記鋸歯942、946のそれぞれの傾斜面に互いの力が伝達される場合には摺動が可能であるが、直角の面に互いに押す力が伝達される場合には摺動が不可能であるため、前記第1ラチェットベース部941および第1ラチェット回動部945の相互回転も不可能である。
【0142】
一般的に、歯車の鋸歯は、回転する両方向に対応して傾斜面に形成される。しかし、本発明の前記鋸歯942、946、952、956は、
図5の(a)、(b)に図示されているように、一方向には傾斜した傾斜面が形成され、他方向には直角に形成されることができる。
【0143】
本発明の前記直角は、幾何学的な意味ではなく、実質的な意味での直角を意味し得る。
【0144】
前記傾斜した傾斜面が過剰に緩い場合、ラチェットベース部941、951およびそれに対応するラチェット回動部945、955の相互運動拘束状態が簡単に解除されることができる。この場合、受診者を収容して診療をする間にヘッドレスト610が受診者の後方に倒れることがあり、不便および危険を引き起こすことがある。
【0145】
前記傾斜した傾斜面が過剰に急な傾斜を成す場合、ラチェットベース部941、951およびそれに対応するラチェット回動部945、955の一方向回転が難しくなる。この場合、一手でヘッドレストの位置および姿勢を診療に必要な状態に変形させるという目的を達成し難くなる。
【0146】
前記第1ラチェットベース部941および前記第1ラチェット回動部945それぞれの鋸歯942、946は、前記それぞれの鋸歯942、946が形成された面に対して一方向にのみ40度以上50度以下の傾斜角(
図5の(b)のCL)を成すことが好ましい。
【0147】
より好ましくは、前記傾斜角CLは、45度であることが好ましい。
【0148】
前記第2ラチェットベース部951および前記第2ラチェット回動部955それぞれの鋸歯952、956は、前記それぞれの鋸歯952、956が形成された面に対して一方向にのみ40度以上50度以下の傾斜角を成すことが好ましい。
【0149】
さらに好ましくは、前記傾斜角は45度であることが好ましい。
【0150】
前記第1ラチェットベース部941の鋸歯942の数および前記第1ラチェット回動部945の鋸歯946の数のいずれか一つは、他の一つの2以上である倍数であることができる。
【0151】
前記第2ラチェットベース部951の鋸歯952の数および前記第2ラチェット回動部955の鋸歯956の数のいずれか一つは、他の一つの2以上である倍数であることができる。
【0152】
このように、ラチェットベース部941、951およびそれに対応するラチェット回動部945、955のうち一つの鋸歯の数と他の一つの鋸歯の数を異なるように構成し、さらには、互いに倍数、約数の関係が成立するように設計することは、様々な面で利点がある。
【0153】
先ず、ラチェットベース部941、951およびそれに対応するラチェット回動部945、955のうち射出成形がよりややこしい形状を有する部品に対して一部の鋸歯を省略することで、射出成形がより容易になる利点がある。
【0154】
また、一方向回転時に鋸歯の数が多い部品での連接した二つの鋸歯が成す角度を回転の最小角度に維持してより精密な操作を可能にするとともに、摩擦面を減少させることで、ラチェットベース部941、951およびそれに対応するラチェット回動部945、955が互いにくっつく現象を防止することができる。
【0155】
より好ましくは、前記第1ラチェット回動部945の鋸歯946の数は、前記第1ラチェットベース部941の鋸歯942の数の2倍であることができる。前記第2ラチェット回動部955の鋸歯956の数は、前記第2ラチェットベース部951の鋸歯952の数の2倍であることができる(
図5参照)。
【0156】
前記第1ラチェット回動部945の鋸歯946および前記第2ラチェット回動部955の鋸歯956は、それぞれ複数個が等角である間隔を成して環状に配列されることができる。
【0157】
一方、
図4に図示されているように、第2リンク部材920は、前記第1ラチェット部材940によって運動が拘束され、前記バックレスト部300のシート面310に向かう方向にのみ回転可能であることができる。
【0158】
前記シート面310は、前記バックレスト部300の外面のうち受診者の背中が接する面を意味し得る。
【0159】
図4に図示されているように、前記第3リンク部材930は、前記第2ラチェット部材950によって運動が拘束され、前記第2リンク部材920が回転可能な方向(
図4の下側の点線矢印が指す回転方向)の反対方向にのみ回転することができる。
【0160】
図6は本発明の解除部の構造および動作について説明するための図である。
【0161】
図6の(a)に図示されているように、前記解除部960は、第1解除部970と、前記第1解除部970と独立して動作する第2解除部980とを含むことができる。
【0162】
図6の(b)に図示されているように、前記第1解除部970は、前記第1ラチェット部材940に外力(
図6の(b)の右側の矢印方向に作用)を伝達して前記第2リンク部材920の運動拘束状態を解除することができる。
【0163】
前記第2解除部980は、前記第2ラチェット部材950に外力(
図6(b)の左側の矢印方向に作用)を伝達して前記第3リンク部材930の運動拘束状態を解除することができる。
【0164】
図7は本発明の第2リンク部材の組み立てられた外形について説明するための正面図(a)および右側面図(b)である。
【0165】
図7に図示されているように、前記第1解除部970は、第1ボタン971および第1作動部材972を含むことができる。
【0166】
前記第1ボタン971は、第2リンク部材920の一外部側面に突出形成されてユーザが加える外力が印加される構成であることができる。
【0167】
前記第1作動部材972は、第2リンク部材920の内部に形成されることができる。
【0168】
前記第1作動部材972は、第1弾性部材973によって支持されることができる。前記第1弾性部材973は、コイルバネ、板バネ、トーションバネなどで形成されることができる。
【0169】
前記第1弾性部材973の一端は、前記第1作動部材972に固定され、前記第1弾性部材973の他端は、前記第2リンク部材920の外形を成すハウジング921に固定されることができる。
【0170】
前記第1弾性部材973は、前記第1ボタン971に印加された外力が除去された場合、前記第1作動部材972をもとの位置に戻すことができる。
【0171】
第1作動部材972の一面に前記第1ボタン971および前記第1ラチェット回動部945が固定されることができる。第1作動部材972は、前記第1ボタン971に外力を印加する時に、第1ボタン971および前記第1ラチェット回動部945と一体に移動して前記第1ラチェット回動部945を前記第1ラチェットベース部941から離隔することができる。このように離隔が発生する場合、第2リンク部材920の一方向への運動拘束が解除される。
【0172】
前記第2解除部980は、構造的に前記第1解除部970の構成と同様に形成されることができる。
【0173】
前記第2解除部980は、第2ボタン981および第2作動部材982を含むことができる。
【0174】
前記第2ボタン981は、第2リンク部材920の一外部側面に突出形成されてユーザが加える外力が印加される構成であることができる。
【0175】
前記第2作動部材982は、第2リンク部材920の内部に形成されることができる。
【0176】
前記第2作動部材982は、第2弾性部材983によって支持されることができる。前記第2弾性部材983は、コイルバネ、板バネ、トーションバネなどで形成されることができる。
【0177】
前記第2弾性部材983の一端は、前記第2作動部材982に固定され、前記第2弾性部材983の他端は、前記第2リンク部材920の外形を成すハウジング921に固定されることができる。
【0178】
前記第2弾性部材983は、前記第2ボタン981に印加された外力が除去された場合、前記第2作動部材982をもとの位置に戻すことができる。
【0179】
第2作動部材982の一面に前記第2ボタン981および前記第2ラチェット回動部955が固定されることができる。第2作動部材982は、前記第2ボタン981に外力を印加する時に、第2ボタン981および前記第2ラチェット回動部955と一体に移動して前記第2ラチェット回動部955を前記第2ラチェットベース部951から離隔することができる。このように離隔が発生する場合、第3リンク部材930の一方向への運動拘束が解除される。
【0180】
図8は本発明の第2リンク部材の形状を説明するための図である。
図8に図示されているように、前記第2リンク部材920の外部面のうち、前記第2リンク部材920が前記一方向に回転する時に先端になる面925は、前記第1ヒンジピン911の中心軸線方向で観察する場合、凹入した形状に形成されることができる。すなわち、前記先端になる面925は、前記ヘッドレスト部600の側面から見た時に、後端になる面に向かって中に入った形状で凹状に形成されることができる。
【0181】
好ましくは、前記先端になる面925は、前記側面から観察した時に、「C」字状に形成されることができる。より好ましくは、前記先端になる面925は、前記側面から観察した時に、円弧形状に形成されることができる。
【0182】
前記第2リンク部材920は、外形が全体的に「C」字状に形成されることができる。好ましくは、前記第2リンク部材920は、円弧形状に形成されることが好ましい。
【0183】
前記のようにカーブ状に形成された第2リンク部材920は、子供のように非常に背が低い受診者に適する位置へもヘッドレスト610を容易に移動させることができる。
【0184】
図9は本発明の一実施形態によるリンク部の右側面図である。
図9は前記のように、子供に適する位置にヘッドレストがある状態を意味し得る。
【0185】
図9の実施形態において、前記第1リンク部材920および前記第3リンク部材930のそれぞれは、最後まで回転した状態であることができる。
【0186】
図9において、前記ヘッドレスト610は、子供の背に合わせて調整された位置にある。
【0187】
前記第2リンク部材920の前記のようなカーブ形状は、子供のように背が低い受診者の頭部を効果的に支えることができる姿勢モードの実現を可能にする。
【0188】
図8に示されているように、前記第2リンク部材920が単純に直線状に実現されている場合、前記第3リンク部材930が連結される端部と前記第1リンク部材910との距離d’が大きくなる。
【0189】
この場合、子供のように非常に背が低い受診者の収容時に、受診者の頭部が過剰に前方へ下げられるようになり、頭部支持台として不適である。
【0190】
しかし、第2リンク部材920が本発明のようにカーブ状に形成された場合の前記第3リンク部材930が連結される端部と前記第1リンク部材910との距離dは、子供の体形に合わせて適切に維持されることができる。
【0191】
図9に図示されているように、前記第1リンク部材910が前記バックレスト部300に固定された場合、前記第2リンク部材920の前記一方向への回転により前記第2リンク部材920の前記他端部、すなわち、前記第3リンク部材930が結合する端部は、前記バックレスト部300のシート面310に接することができることが好ましい。より好ましくは、前記他端部は、前記第2リンク部材920の前記一方向への回転により前記シート面310に接した後、前記シート面310を変形させるように前進可能であることが好ましい。すなわち、シート面310に埋まるものである。これにより、子供の頭部を置くのに適するように、ヘッドレスト610の高さ(厚さ)をより下げることができる。
【0192】
前記シート面310は、前記バックレスト部300の外面のうち受診者の背中が接する面を意味し得る。
【0193】
仮に、前記第2リンク部材920が単純に直線状に実現された場合、前記第3リンク部材930が結合する前記第2リンク部材920の端部は、構造的に前記バックレスト部300のシート面310に接することができなくなる。
【0194】
一方、
図4に図示されているように、第2リンク部材920は、前記第1ラチェット部材940によって運動が拘束され、前記バックレスト部300のシート面310に向かう方向にのみ回転することができる。
【0195】
前記シート面310は、前記バックレスト部300の外面のうち受診者の背中が接する面を意味し得る。
【0196】
図4に図示されているように、前記第3リンク部材930は、前記第2ラチェット部材950によって運動が拘束され、前記第2リンク部材920が回転可能な方向(
図4の下側の点線矢印が指す回転方向)の反対方向にのみ回転することができる。
【0197】
前記のように第2リンク部材920の凹入した先端部の形状とともに、第2リンク部材920および第3リンク部材930のそれぞれが自由に回転可能な方向を設定することで、医者のようなユーザが一手だけでヘッドレスト610を取っても、容易に大人のためのヘッドレスト姿勢モード(
図4参照)から子供のためのヘッドレスト姿勢モード(
図6参照)に切り替えることが可能である。
【0198】
また、解除部960を動作させることにより、前記第2リンク部材920および第3リンク部材930それぞれの運動拘束状態を解除することで、容易にまた大人のためのヘッドレスト姿勢モード(
図4参照)に戻るようにすることができる。
【0199】
図10は本発明の一実施形態によるリンク部の右側面図および背面図である。
【0200】
図10に図示されているように、本発明の一実施形態による前記第1解除部970および前記第2解除部980のうち少なくとも一つは、外力が印加される場合に、前記第1ヒンジピン911の中心軸線または前記第2ヒンジピン931の中心軸線を含む軌跡に沿って移動(
図10の(b)の矢印方向参照)するボタン981を含むことができる。
【0201】
本発明の一実施形態によって、前記第1解除部970は、外力が印加される場合、前記第2リンク部材920の運動拘束状態を解除する第1ボタン971を含むことができる。前記第2ボタンは、外力が印加される場合、前記第1ヒンジピン911の中心軸線を含む軌跡に沿って前記第1ラチェット部材940の少なくとも一部を押しながら移動することができる。前記第1ボタン971は、前記のように移動しながら前記第1ラチェット部材940の前記鋸歯942、946の噛み合いを解除して、前記第2リンク部材920の運動拘束状態を解除することができる。
【0202】
より具体的には、前記第1ボタン971は、前記第1ラチェット回動部945と一体に形成されることができる。前記第1ボタン971に外力を印加する時に、第1ボタン971および前記第1ラチェット回動部945は一体に移動し、前記第1ラチェット回動部945が前記第1ラチェットベース部941から離隔させることができる。このように離隔が発生する場合、第2リンク部材920の一方向への運動拘束が解除される。
【0203】
本発明の一実施形態によって、前記第2解除部980は、外力が印加される場合、前記第3リンク部材930の運動拘束状態を解除する第2ボタン981を含むことができる。前記第2ボタンは、外力が印加される場合、前記第1ヒンジピン911の中心軸線を含む軌跡に沿って前記第2ラチェット部材950の少なくとも一部を押しながら移動することができる。前記第2ボタン981は、前記のように移動しながら前記第2ラチェット部材950の前記鋸歯952、956の噛み合いを解除して、前記第3リンク部材930の運動拘束状態を解除することができる。
【0204】
より具体的には、前記第2ボタン981は、前記第2ラチェット回動部955と一体に形成されることができる。前記第2ボタン981に外力を印加する時に、第2ボタン981および前記第2ラチェット回動部955は一体に移動し、前記第2ラチェット回動部955が前記第2ラチェットベース部951から離隔させることができる。このように離隔が発生する場合、第3リンク部材930の一方向への運動拘束が解除される。
【0205】
本発明の一実施形態によって、前記第1解除部970は、第1ボタン971および第1作動部材972を含むことができる。前記第1ボタン971は、前記第2リンク部材920の一外部側面に突出形成されて外力が印加される場合、前記第1ヒンジピン911の中心軸線を含まず、前記第1ヒンジピン911の中心軸線と平行な軌跡に沿って移動することができる。第1作動部材972は、前記第2リンク部材920の内部に形成されて第1弾性部材973によって支持されることができる。第1作動部材972は、外力が印加される場合、前記第1ボタン971と一体に移動し、前記第1ラチェット部材940の前記鋸歯942、946の噛み合いを解除して、前記第2リンク部材920の運動拘束状態を解除することができる。
【0206】
本発明の一実施形態によって、前記第2解除部980は、第2ボタン981および第2作動部材982を含むことができる。前記第2ボタン981は、前記第2リンク部材920の一外部側面に突出形成されて外力が印加される場合、前記第2ヒンジピン931の中心軸線を含まず、前記第2ヒンジピン931の中心軸線と平行な軌跡に沿って移動することができる。第2作動部材982は、前記第2リンク部材920の内部に形成されて第2弾性部材983によって支持されることができる。第2作動部材982は、外力が印加される場合、前記第2ボタン981と一体に移動し、前記第2ラチェット部材950の前記鋸歯952、956の噛み合いを解除して、前記第3リンク部材930の運動拘束状態を解除することができる。
【0207】
図11は本発明の解除部の構造および動作を説明するための図である。
【0208】
図11の(a)に図示されているように、前記解除部960は、第1解除部970を含むことができる。また、実施形態によって、前記第1解除部970と独立して動作する第2解除部980をさらに含むことができる。
【0209】
図11の(b)に図示されているように、前記第1解除部970は、前記第1ラチェット部材940に外力(
図11の(b)の左側上方に図示されている矢印方向に作用)を伝達して前記第2リンク部材920の運動拘束状態を解除することができる。
【0210】
前記第2解除部980は、前記第2ラチェット部材950に外力を伝達して、前記第3リンク部材930の運動拘束状態を解除することができる。
【0211】
前記第1ラチェット部材940は、第1ラチェットベース部941および第1ラチェット回動部945を含むことができる。
【0212】
第1ラチェットベース部941は、その一面に前記第1ヒンジピン911の中心軸線を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯942が形成されることができる。前記一面の反対面は、前記第1リンク部材910に固定されることができる。
【0213】
一般的に、歯車の鋸歯は、回転する両方向に対応して傾斜面に形成される。しかし、本発明の前記鋸歯942は、
図11の(c)の楕円形の点線内に図示されているように、一方向には傾斜した傾斜面が形成され、他方向には直角に形成されることができる。
【0214】
本発明の前記直角は、幾何学的な意味ではなく、実質的な意味での直角を意味し得る。
【0215】
第1ラチェット回動部945は、その一面に前記第1ラチェットベース部941の鋸歯942に噛み合う鋸歯946が形成されることができる。前記一面の反対面は、前記第2リンク部材920に固定されることができる。
【0216】
このように環状に配列された鋸歯が互いに噛み合うように構成することにより、鋸歯の数だけ第1ラチェット回動部945と第1ラチェットベース部941が互いに伝達する力が分散することができる。これによって、より強い力で受診者の頭部を支持することが可能になり、第1ラチェット回動部945と第1ラチェットベース部941の寿命を長くし、耐久性を保障することが可能になる。
【0217】
また、第1ラチェット回動部945と第1ラチェットベース部941を金属ではなく、合成樹脂系の素材で形成し、射出成形により製作することで、材料および加工にかかる費用を抑えることが可能になる。
【0218】
前記鋸歯946も一方向にのみ傾斜した形状に形成されることができる。したがって、前記鋸歯942、946のそれぞれの傾斜面に互いの力が伝達される場合には摺動が可能であるが、直角である面に互いに押す力が伝達される場合には摺動が不可能であるため、前記第1ラチェットベース部941および第1ラチェット回動部945の相互回転も不可能である。
【0219】
前記第2ラチェット部材950は、構造的に前記第1ラチェット部材940と同様に形成されることができる。
【0220】
前記第2ラチェット部材950は、第2ラチェットベース部951および第2ラチェット回動部955を含むことができる。
【0221】
第2ラチェットベース部951は、その一面に前記第2ヒンジピン931の中心軸線(
図4の上側「+」形状の中心)を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯952が形成されることができる。前記一面の反対面が前記第3リンク部材930に固定されることができる。
【0222】
第2ラチェット回動部955は、その一面に前記第2ラチェットベース部951の鋸歯952に噛み合う鋸歯953が形成され、前記一面の反対面が前記第2リンク部材920に固定されることができる。
【0223】
前記第1解除部970は、外力が印加されることによって形状または位置が変化する第1変形部材を含むことができる。前記第1変形部材の形状または位置の変化量が所定の第1基準量を超える場合にのみ、前記第1ラチェット部材940に前記印加された外力を伝達することができる。
【0224】
前記第1基準量は、前記第1変形部材が変化する正の数値化された基準を決めたものであることができる。一実施形態において、前記第1変形部材の位置が変化する場合、特定基準の変位値(距離)を意味し得る。他の実施形態において、前記第1変形部材が形状が変化する場合、形状が変化する程度に該当する基準体積であることができる。
【0225】
このような第1基準量は、前記第1変形部材が変化する正の最大値より小さい範囲で適切に設計することができる。例えば、前記最大値の半分に達しない値に決めることができる。好ましくは、70%~80%に該当する値に指定することができる。より好ましくは、75%であることができる。
【0226】
このように第1基準量を前記最大値の半分に達しない値に決める場合に、前記第1解除部970の誤動作防止効果が増加する。
【0227】
前記第1解除部970は、第1ボタン971および第1作動部材972を含むことができる。
【0228】
前記第1ボタン971は、第2リンク部材920の一外部側面に突出形成されてユーザが加える外力が印加される構成であることができる。
【0229】
前記第1作動部材972は、第2リンク部材920の内部に形成されることができる。
【0230】
前記第1作動部材972は、第1-1弾性部材973によって支持されることができる。前記第1弾性部材973は、コイルバネ、板バネ、トーションバネなどで形成されることができる。
【0231】
前記第1-1弾性部材973の一端は、前記第1作動部材972に固定され、前記第1弾性部材973の他端は、前記第2リンク部材920の外形を成すハウジング921に固定されることができる。
【0232】
前記第1-1弾性部材973は、前記第1ボタン971に印加された外力が除去された場合、前記第1作動部材972をもとの位置に戻すことができる。
【0233】
前記第1解除部970は、前記第2リンク部材920の内部に形成されて第1-1弾性部材973によって支持される第1作動部材972をさらに含み、前記第1変形部材は、前記第2リンク部材920の一外部側面に突出形成され第1-2弾性部材974によって支持される第1ボタン971を含むことができる(
図11の(a)~(c)参照)
【0234】
前記第1作動部材972は、前記第1ボタン971に外力が印加されることによって前記第1ボタン971が第1基準変位975以上移動した場合にのみ、前記第1ラチェット部材940に前記印加された外力を伝達することができる(
図11の(c)参照)。
【0235】
外力が印加されることによって前記第1ボタン971が前記第1基準変位975以上移動した場合、前記第1作動部材972は、前記第1ボタン971と接触および連動することができる。
【0236】
このように、前記第1ボタン971の移動量が、前記第1基準変位975が前記第1基準変位975に達しない場合、前記第1ラチェット部材940には外力が伝達されず、前記第2リンク部材920の運動拘束状態が持続する。
【0237】
これによって医者のようなユーザの手がボタンに誤って触れて、ある程度外力が印加される場合において前記運動拘束状態が解除される誤動作を防止することができる。
【0238】
また、前記第2リンク部材920のハウジング921の内側には、前記第1作動部材972に形成された孔を貫く第1隆起部922が形成され、前記第1隆起部922の外壁は、前記第1作動部材972の移動方向をガイドすることができる。
【0239】
また、前記第1隆起部922には、前記第1ボタン971の移動方向をガイドする第1ガイド溝923が形成されることができる。
【0240】
このように、前記第1隆起部922を構成することで、前記第1隆起部922が前記第1作動部材972および前記第1ボタン971の移動動作をいずれも正確な軌跡でガイドすることができる。
【0241】
また、前記第1-2弾性部材974は、一端が前記第1隆起部922に連結され、他端は、前記第1ボタン971に連結されて前記第1ボタン971を支持し、前記第1ボタン971の移動動作に応じて変形されることができる。
【0242】
前記第1-2弾性部材974は、外力が除去される場合、変形された状態から逸脱し、前記第1ボタン971をもとの位置に戻す役割を行う。
【0243】
前記第1作動部材972は、前記第1ボタン971に外力が印加される場合、前記第1ボタン971および前記第1ラチェット回動部945とともに移動して、前記第1ラチェット回動部945を前記第1ラチェットベース部941から離隔させることができる。
【0244】
このように離隔が発生する場合、第2リンク部材920の一方向への運動拘束が解除される。
【0245】
前記第2リンク部材920は、前記第1解除部970と独立して動作し、前記第2ラチェット部材950に外力を伝達して、前記第3リンク部材930の運動拘束状態を解除可能な第2解除部980をさらに含むことができる。
【0246】
前記第2解除部980は、本発明の一実施形態によって前記第1解除部970と同等な構造に形成されることができる。
【0247】
前記第2解除部980は、外力が印加されることによって形状または位置が変化する第2変形部材を含むことができる。
【0248】
前記第2解除部980は、前記第2変形部材の形状または位置の変化量が所定の第2基準量を超える場合にのみ、前記第2ラチェット部材950に前記印加された外力を伝達するように構成されることができる。
【0249】
前記第2基準量は、前記第1基準量と同じ性質を有することができ、同等な値に決めることができる。
【0250】
前記第2解除部980は、前記第2リンク部材920の内部に形成されて第2-1弾性部材983によって支持される第2作動部材982をさらに含むことができる。
【0251】
前記第2作動部材982は、第2リンク部材920の内部に形成されることができる。
【0252】
前記第2作動部材982は、第2-1弾性部材983によって支持されることができる。前記第2-1弾性部材983は、コイルバネ、板バネ、トーションバネなどで形成されることができる。
【0253】
前記第2-1弾性部材983の一端は、前記第2作動部材982に固定され、前記第2-1弾性部材983の他端は、前記第2リンク部材920の外形を成すハウジング921に固定されることができる。
【0254】
前記第2-1弾性部材983は、前記第2ボタン981に印加された外力が除去された場合、前記第2作動部材982をもとの位置に戻すことができる。
【0255】
前記第2変形部材は、前記第2リンク部材920の一外部側面に突出形成されて第2-2弾性部材984によって支持される第2ボタン981を含むことができる。
【0256】
前記第2ボタン981は、ユーザが加える外力が印加される構成であることができる。
【0257】
前記第2作動部材982は、前記第2ボタン981に外力が印加されることによって前記第2ボタン981が第2基準変位を超えて移動した場合にのみ、前記第2ラチェット部材950に前記印加された外力を伝達することができる。
【0258】
前記第2基準変位は、前記第1基準変位と同等な値に決めることができる。
【0259】
また、外力が印加されることによって前記第2ボタン981が前記第2基準変位975以上移動した場合、前記第2作動部材982は、前記第2ボタン971と接触および連動することができる。
【0260】
このように、前記第2ボタン981の移動量が前記第2基準変位に達しない場合、前記第2ラチェット部材950には外力が伝達されず、前記第3リンク部材930の運動拘束状態は持続する。
【0261】
これによって、医者のようなユーザの手がボタンに誤って触れて、ある程度外力が印加される場合において前記運動拘束状態が解除される誤動作を防止することができる。
【0262】
また、前記第2リンク部材920のハウジング921の内側には、前記第2作動部材982に形成された孔を貫く第2隆起部926が形成され、前記第2隆起部926の外壁は、前記第2作動部材982の移動方向をガイドすることができる。
【0263】
また、前記第2隆起部926には、前記第2ボタン981の移動方向をガイドする第2ガイド溝927が形成されることができる。
【0264】
このように前記第2隆起部926を構成することで、前記第2隆起部926が、前記第2作動部材982および前記第2ボタン981の移動動作をいずれも正確な軌跡でガイドすることができる。
【0265】
また、前記第2-2弾性部材984は、一端が前記第2隆起部926に連結され、他端は前記第2ボタン981に連結されて前記第2ボタン981を支持し、前記第2ボタン981の移動動作に応じて変形されることができる。
【0266】
前記第2-2弾性部材984は、外力が除去される場合、変形された状態から逸脱するようになり、前記第2ボタン981をもとの位置に戻す役割を行う。
【0267】
前記第2作動部材982は、前記第2ボタン981に外力が印加される場合、前記第2ボタン981および前記第2ラチェット回動部955とともに移動し、前記第2ラチェット回動部955を前記第2ラチェットベース部951から離隔させることができる。
【0268】
このように離隔が発生する場合、第3リンク部材930の一方向への運動拘束が解除される。
【0269】
前記第1-1弾性部材973は、前記第1隆起部922の外壁の周りを一周するコイルバネで形成されることができる(
図11参照)。
【0270】
前記第1-2弾性部材974は、前記第1ボタン971の中に入ることができる。また、コイルバネで形成されることができる(
図11参照)。
【0271】
前記第2-1弾性部材983は、前記第2隆起部922の外壁の周りを一周するコイルバネで形成されることができる(
図11参照)
【0272】
前記第2-2弾性部材984は、前記第1ボタン981の中に入ることができる。また、コイルバネで形成されることができる(
図11参照)。
【0273】
図12は本発明の一実施形態による解除部の構造を説明するための図である。
【0274】
図12の(a)に図示されているように、前記第1-1、1-2、2-1、2-2弾性部材は、
図11に図示されている実施形態とは異なる位置に形成されることができる。
【0275】
すなわち、前記第1-1および2-1弾性部材は、それぞれ対応する隆起部922、926の周りを一周しない位置に形成されることができる。
【0276】
前記第1-2弾性部材974は、前記第1隆起部922の第1ガイド溝923の中に入ることができる。また、コイルバネで形成されることができる。
【0277】
前記第2-2弾性部材984は、前記第2隆起部926に形成された第2ガイド溝927の中に入ることができる。また、コイルバネで形成されることができる。
【0278】
また、前記第1作動部材972および前記第2作動部材982のうち少なくとも一つは、前記ハウジング921とヒンジ結合することができる。
図12の(a)には、前記第1作動部材972および前記第2作動部材982が第3ヒンジピン961を共有する実施形態が図示されている。
【0279】
このように、前記第1作動部材972および前記第2作動部材982のうち少なくとも一つが前記ハウジング921とヒンジ結合した実施形態では、前記第1隆起部922または前記第2隆起部926の形状も前記第1作動部材972および前記第2作動部材982の移動軌跡に対応する形状に形成されることが好ましい。
【0280】
さらに他の実施形態として、前記
図12(b)に図示されているように、前記第1作動部材972および前記第2作動部材982の各一端が前記ハウジング921に一体に固定された状態で構成されることができる。
【0281】
このような実施形態では、前記第1作動部材972および前記第2作動部材982が一体に形成されて一つの作動部材を成すようにすることができる。
【0282】
また、弾性力を有する素材(例えば、炭素鋼、プラスチックなど)で形成されて前記第1-1弾性部材973および前記第2-1弾性部材983なしに構成されて機能を行うことができる。このような実施形態では、構造を単純化し、費用を抑えることができる。
【0283】
一方、本明細書および請求の範囲において、「第1」、「第2」、「第3」および「第4」などの用語は、類似する構成要素の間の区分のために使用され、必ずしもそうではないが、特定の順次または発生順序を記述するために使用される。それとともに使用される用語は、ここに記述された本発明の実施形態が、例えば、ここに図示または説明されたものではなく、他のシーケンスで動作するように、適切な環境下で互換可能であることを理解することができる。同様に、ここで、方法が一連のステップを含むものと記述される場合、ここに提示されているそのようなステップの順序は、必ずしもそのようなステップが実行されることができる順序ではなく、任意の記述されたステップは省略されることができ/省略されるか、ここに記述されていない任意の他のステップがその方法に付加可能である。
【0284】
本明細書および請求の範囲の「左側」、「右側」、「前」、「後」、「上部」、「床」、「上」、「下」などの用語は、説明のために使用されるものであって、必ずしも不変の相対的な位置を記述するためのものではない。そのように使用される用語は、ここに記述された本発明の実施形態が、例えば、ここに図示または説明されたものではなく、他の方向に動作するように適切な環境下で互換可能であることを理解することができる。ここで使用された用語「連結された」は電気的または非電気的方式で直接または間接に接続されるものと定義される。ここで、互いに「隣接する」と記述された対象は、その文章が使用される文脈に対して適切に、互いに物理的に接触するか、互いに近接するか、互いに同一の一般的範囲または領域にあるものであることができる。ここで、「一実施形態において」という文章の存在は、必ずしもそうなことではないが、同じ実施形態を意味する。
【0285】
また、本明細書および請求の範囲において、「連結される」、「連結する」、「締結される」、「締結する」、「結合される」、「結合する」などと、このような表現の様々な変形の指称は、他の構成要素と直接連結されるか、他の構成要素を介して間接に連結されることを含む意味として使用される。
【0286】
また、本明細書で使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「部」は、明細書の作成の容易性だけが考慮されて付与されるか混用されるものであり、それ自体として互いに区別される意味または役割を有するものではない。
【0287】
また、本明細書で使用された用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数型は、文章で特に言及しない限り、複数型も含む。明細書で使用される「含む(comprise)」および/または、「含み(comprising)」は、言及された構成要素、ステップ、動作および/または素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0288】
また、以上では、本発明の好ましい実施形態に対して図示して説明しているが、本発明は、上述の特定の実施形態に限定されず、請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって様々な変形実施が可能であることは言うまでもなく、このような変形実施は、本発明の技術的思想や展望から個別に理解されてはならない。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドレストの姿勢を調節するためのリンク部を含むユニットチェアであって、
前記リンク部は、
前記ユニットチェアのバックレスト部に固定可能な第1リンク部材と、
一端部が前記第1リンク部材と第1ヒンジピンでヒンジ結合する第2リンク部材と、
前記第1リンク部材および前記第2リンク部材のうち少なくとも一つの一面に形成され、前記第2リンク部材が第1ヒンジピンの中心軸線を中心に一方向にのみ回転可能であるように前記第2リンク部材の運動を拘束する第1ラチェット部材と、を含み、
前記第1ラチェット部材は、
前記第1ヒンジピンの中心軸線を中心に複数個が環状に配列されて前記中心軸線方向に隆起し、一方向にのみ傾斜した形状を有する鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第1リンク部材に固定された第1ラチェットベース部と、
少なくとも一部が前記第1ラチェットベース部の鋸歯の少なくとも一部に噛み合う複数の鋸歯が一面に形成され、反対面が前記第2リンク部材に固定された第1ラチェット回動部と、を含むことを特徴とする、ユニットチェア。