(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120047
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】投影された基準によって案内される局所用組成物の塗布装置及び塗布方法
(51)【国際特許分類】
A45D 44/00 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
A45D44/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024099502
(22)【出願日】2024-06-20
(62)【分割の表示】P 2021536688の分割
【原出願日】2019-12-24
(31)【優先権主張番号】62/785,482
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522236350
【氏名又は名称】ジョンソン アンド ジョンソン コンシューマー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】エドガー・アルバート・デュール
(57)【要約】 (修正有)
【課題】処置表面(例えば、皮膚)に組成物を塗布するための装置及び方法を提供する。
【解決手段】装置は、基準を皮膚に投影する光学エミッタと、基準でマークされた皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得する検出器と、皮膚範囲内のある場所に組成物を塗布するアプリケータと、処理構成と、を含んでもよい。処理構成は、画像データを受信し、画像データを分析して画像内に撮像された基準に基づいて皮膚範囲の形態を決定し、形態に基づいて、アプリケータ構成により照準される場所に対応する画像内の領域を特定し、画像データを分析して、特定された領域が皮膚アーチファクトに対応するか否かを判定し、皮膚アーチファクトが特定された領域から検出された場合、組成物をその場所に選択的に塗布するようにアプリケータ構成に指示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処置表面に組成物を塗布するためのハンドヘルド装置であって、
緑の基準及び赤の基準を含む複数の基準を前記処置表面に投影するように構成された光学エミッタと、
前記複数の基準でマークされた前記処置表面のある範囲の画像に対応する緑の画像データ及び赤の画像データを含む画像データを取得するように構成された検出器構成と、
前記処置表面の前記範囲内のある場所に前記組成物を塗布するように構成されたアプリケータ構成と、
処理構成であって、前記検出器構成から前記画像データを受信することと、前記画像データを分析して前記画像内に撮像された前記複数の基準に基づいて前記処置表面の前記範囲の形態を決定することと、前記アプリケータ構成が前記組成物を塗布するように構成された前記場所に位置合わせする前記画像内の領域を特定することであって、前記領域は、前記処置表面の前記範囲の前記形態に基づいて特定される、特定することと、前記画像データを分析して、特定された前記領域がアーチファクトに対応するか否かを判定することと、前記アーチファクトが特定された前記領域から検出された場合、前記組成物を前記場所に選択的に塗布するように前記アプリケータ構成に指示することと、を行うように構成された処理構成と、を含み、
前記光学エミッタが、前記緑の基準に前記赤の基準を重ね合わせて、
前記処理構成が、前記緑の画像データを基準に前記赤の画像データを標準化する、ハンドヘルド装置。
【請求項2】
前記複数の基準が、少なくとも3つの基準を含む、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの光学エミッタが、基準光源と、前記基準光源からの光が通過して前記複数の基準を前記処置表面の前記範囲に投影するテンプレートと、を含む、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項4】
前記複数の基準が市松模様を形成している、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項5】
前記検出器構成が、前記処置表面の前記範囲に光を送達するための少なくとも1つの光源と、前記処置表面の前記範囲から前記光及び投影された前記複数の基準を検出して前記画像データを取得するための少なくとも1つのセンサと、を備える、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項6】
前記アプリケータ構成が、加圧リザーバから前記組成物を付着させて、前記処置表面上に前記組成物の薄層を形成するように構成されたノズルを含む、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項7】
前記組成物が、反射率調整剤及び皮膚状態を処置するための有効成分のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項8】
前記処理構成が、前記画像データを分析して、各基準について、前記光学エミッタと各基準によってマークされた前記処置表面上の位置の高さとの間の距離を決定することによって前記形態を決定する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項9】
較正データを記憶するように構成されたコンピュータアクセス可能媒体を更に備え、前記較正データが、前記検出器構成によって撮像された較正用基材の較正画像内の領域を、前記光学エミッタと前記較正用基材との間の距離と相関させ、前記処理構成は、前記画像内の各基準の基準位置を前記較正データと比較することによって、前記光学エミッタと、各基準によってマークされた前記処置表面上の前記位置の前記高さとの間の前記距離を決定する、請求項8に記載のハンドヘルド装置。
【請求項10】
前記形態が、前記処置表面の前記範囲の曲率及び傾きのうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【請求項11】
前記処理構成は、前記画像内で検出された前記処置表面の反射率に基づいて、前記画像内の前記領域が前記アーチファクトを含むか否かを判定する、請求項1に記載のハンドヘルド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、その全容を参照によって本明細書に援用するところの2018年12月27日出願の米国特許仮出願第62/785,482号に基づく優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、角質表面(例えば、皮膚、毛髪又は爪)又はエナメル質(例えば、歯)などの処置表面に組成物を塗布するための装置及び方法に関する。より詳細には、本発明は、皮膚の美的外観を向上させる範囲を特定するために皮膚の撮像による案内に従って局所用組成物を選択的に塗布するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の局所用組成物の塗布は、その外観が修正を必要とする皮膚の範囲と、何らの修正も必要としない皮膚の範囲とを区別しない手作業による塗布をしばしば必要とする。例えば、皮膚上の特徴的要素(例えば、ニキビ、瘢痕、加齢斑など)の外観を被覆又は変更しようとする人は一般的に、皮膚の表面全体にわたって化粧品のファウンデーションベース層を塗布して均一な外観を作り出すが、これは、不自然な、又はこびりついたような外観をもたらし得る。皮膚の大きな範囲にわたって区別なく化粧品を塗布することは、化粧品がほとんど又はまったく修正を必要としない皮膚の部分にも塗布されるために材料の無駄にもつながる。しかしながら、不自然な、又はムラのある外観を作り出すことなく、充分な正確性及び制御による修正を必要とする皮膚の部分のみに化粧品を手作業で塗布することも困難である。更に、局所用組成物の連続層の手作業による塗布は、皮膚の大きな部分にわたってフィルムを付与し得るが、これは、皮膚に不快で、自然でない感覚を生じ得る。皮膚の大きな部分にわたるこのようなフィルムはまた、皮膚の通気性を低下させ、皮膚への局所物質への曝露を増加させる可能性があり、これにより、潜在的なアレルゲンに曝露される皮膚の表面積が増加し、したがって、局所用材料に対してユーザが望まない、又はアレルギー反応を有するリスクを増大させるおそれがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の例示的な一実施形態は、例えば、ユーザの処置表面、例えば、ユーザの顔の皮膚に組成物を塗布するための方法に関する。この方法は、光学エミッタによって、複数の基準を処置表面に投影することと、検出器構成によって、基準でマークされた処置表面のある範囲の画像に対応する画像データを取得することと、を含む。方法はまた、処理構成によって、画像データを分析して画像内に撮像された基準に基づいて処置表面の範囲の形態を決定することと、処理構成によって、アプリケータ構成により組成物を塗布するために照準される、処置表面の範囲内のある場所に対応する画像内のある領域を特定することと、を含む。領域は、処置表面の範囲の形態に基づいて特定される。方法は、処理構成によって画像データを分析して画像内の特定された領域がアーチファクトに対応するか否かを判定することと、アーチファクトが特定された領域から検出された場合、アプリケータ構成によって組成物を処置表面の範囲内の場所に選択的に塗布することと、を更に含む。
【0005】
組成物を処置表面に塗布するためのハンドヘルド装置についてもまた記載する。装置は、複数の基準を処置表面に投影するように構成された光学エミッタと、基準でマークされた処置表面のある範囲の画像に対応する画像データを取得するように構成された検出器構成と、を備える。装置はまた、処置表面の範囲内のある場所に組成物を塗布するように構成されたアプリケータ構成も備える。装置は、処理構成であって、検出器構成から画像データを受信することと、画像データを分析して画像内に撮像された基準に基づいて処置表面の範囲の形態を決定することと、アプリケータ構成が組成物を塗布するように構成された場所に対応する画像内の領域を特定することと、画像データを分析して、特定された領域がアーチファクトに対応するか否かを判定することと、アーチファクトが特定された領域から検出された場合、組成物をその場所に選択的に塗布するようにアプリケータ構成に指示することと、を行うように構成された処理構成を更に含む。領域は、処置表面の範囲の形態に基づいて特定される。
【0006】
本発明のこれら及び他の態様は、図面及び添付の「特許請求の範囲」を含む、本発明の以下の「発明を実施するための形態」の読了後に、当業者には明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本出願の例示的な実施形態による、ユーザの皮膚に組成物を塗布するための例示的な装置のブロック図である。
【
図2】本出願の例示的な実施形態による、ユーザの皮膚に局所用組成物を選択的に塗布するための例示的な方法を示す図である。
【
図3】本出願の実施例Iによる、組成物を基材に塗布するための装置の別の例示的な実施形態を示す図である。
【
図4】
図3の例示的な装置のカメラによって取得され得る例示的な画像を示す図である。
【
図5a】本出願の実施例IIに従って得られた較正データの例示的なセットを示す図である。
【
図5b】本出願の実施例IIに従って得られた、
図5aのデータを更なる補間データポイントと共に含む較正データの別の例示的なセットを示す図である。
【
図5c】本出願の実施例IIに従って得られた、画像内の各ピクセルを、光学エミッタと光学エミッタによって投影された基準によってマークされた皮膚の高さとの間の距離と相関させるルックアップテーブルを有する較正データの更なる例示的なセットを示す図である。
【
図6】本出願の実施例IIIによる、特定の形態を有する例示的な皮膚の範囲の、カメラによって例示的な画像内で撮像された基準マークに対応するピクセルに重ね合わせられた塗布較正データを示す、カメラの例示的な画像フレームを示す図である。
【
図7】塗布較正データ及び
図6の例示的な画像フレームの投影された基準を使用して決定された皮膚の例示的な範囲の形態に対応する曲線のグラフ表示である。
【
図8a】投影された光学基準をなにも有さない、手の皮膚の例示的な対照画像である。
【
図8b】
図8aの皮膚の同じ範囲の例示的な画像であって、市松模様の基準は、緑色光及び赤色光の両方で皮膚に投影され、画像は緑チャネル内のセンサによって撮像されたものとしてシミュレートされている画像である。
【
図8c】
図8bと同じ範囲の皮膚であり、緑色光及び赤色光の両方で投影された同じ市松模様の基準を有する例示的な画像であって、赤色チャネル内のセンサによって捕捉されたものとしてシミュレートされている画像である。
【
図8d】
図8cと同じ範囲の皮膚であり、緑色光及び赤色光の両方で投影された同じ市松模様の基準を有する例示的な画像であって、皮膚の色及び質感の変化によって生じる市松模様の基準の歪みを低減するために、緑色チャネル内で撮像された画像に対応するデータによって標準化された赤色チャネル内で撮像された画像としてシミュレートされている図である。
【
図8e】市松模様の基準の縦のエッジを示すために、
図8dの画像の小さい縦の平均化及び横の差別化によって生成された例示的な処理画像である。
【
図8f】
図8eの画像の絶対値として生成された例示的な処理画像である。
【
図8g】ちょうど2つの正方形に沿って縦に市松模様のエッジを平均化するように
図8fの画像を処理することによって生成された例示的な処理画像である。
【
図8h】横方向を除いて、
図8gの画像と同様の要領で処理された例示的な処理画像である。
【
図8i】
図8gの画像に
図8hの画像を乗じて、市松模様の角部の基準点を明らかにすることによって得られる、例示的な処理画像である。
【
図9a】拡大された倍率を有する
図8cの例示的な処理画像の詳細図である。
【
図9b】拡大された倍率を有する
図8dの例示的な処理画像の詳細図である。
【
図9c】拡大された倍率を有する
図8eの例示的な処理画像の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で使用する用語「フレクセル」は、デジタル的に取得された画像内の単一の大きいピクセル又は少数のピクセルに対応する、皮膚の小さなピクセル様の領域を指す。例えば、フレクセルは、約1/15~約1/5インチの平均直径を有する皮膚範囲に対応し得る。
【0009】
本明細書で使用する用語「中間空間周波数」を、以下に更に説明する。例えば、皮膚の画像に対応する画像データは、その画像データを生成する検出器(例えば、カメラ)によって観察された皮膚にわたるある距離にわたって画像内に存在する細部のレベルを測定する、空間周波数帯域にわたる光反射率を捕捉することができる。空間周波数は、検出器によって観察された皮膚にわたるある距離にわたった画像内で、例えば、交互の明暗の縞模様の周期に対応する周期的な正弦波パターンとして記述される周期的要素の数によって、測定することができる。画像の空間周波数は、検出器によって皮膚が撮像される距離に基づいて較正及び/又は正規化することができる。本明細書で使用する空間周波数は、光の波長又は色を測定するものではないが、代わりに、画像内の検出器によって捕捉された皮膚の細部の構造の空間波長を指すことに留意されたい。空間ドメイン(例えば、ピクセル又はフレクセルの形態)内の画像に対応するデータは、空間周波数ドメイン内の画像に関するデータを取得するためにフーリエ変換関数を使用してコンピュータプロセッサによって処理することができる。この空間周波数ドメインは、光の波長又は色とは異なる、捕捉された画像の光学解像度に関する。当業者には理解されるように、画像の空間周波数成分は、例えば、フーリエ変換、フィルタリングなどの画像分析のための任意の適当な方法を使用して、(1)高い空間周波数、(2)中間空間周波数、及び(3)低い空間周波数を含む3つの異なるカテゴリーに大きく分けることができる。当業者には理解されるように、高い空間周波数を有する空間周波数成分は、画像内の鮮明なエッジ及び細かな細部の外観に寄与する画像内の光反射率に対応する。例えば、皮膚の画像の場合、高い空間周波数を有する空間周波数成分は、例えば、毛穴、毛髪、毛包、細胞、目の虹彩などの人の遺伝子コードに由来するものなどの皮膚の小さな自然なばらつきに見える特徴的要素に対応する。低い空間周波数は、例えば、鼻、頬などのより大きな特徴的要素の色などの幅広い視覚的外観に寄与する画像内の光反射率に対応する。低い周波数周波数とスペクトル周波数との間の残りの空間周波数成分は、中間空間周波数と呼ばれる。
【0010】
中間空間周波数帯域は、捕捉された画像に対して決定することができる。例えば、顔の皮膚の範囲の中間空間周波数帯域は、脚の皮膚の範囲の中間空間周波数帯域とは異なり得る。中間空間周波数帯域はまた、撮像される皮膚の基調となる皮膚の色合いにも依存し得る。1つの例では、ヒトの皮膚の中間空間周波数は、約0.03サイクル/mm~約1.5サイクル/mm、又はより詳細には約0.05サイクル/mm~約1.0サイクル/mm、更により詳細には約0.07サイクル/mm~約0.5サイクル/mmの帯域であり得る。
【0011】
本明細書で使用する用語「ゴボ」とは、光源と光源が投影する表面との間に配置される任意の形状又はパターンを有するステンシル又はテンプレートを指す。光源からの光は、ゴボを通過して所望の光のパターンを投影する。投影された光のパターンは、ゴボのパターンと対応し得る。
【0012】
本出願は、組成物を処置表面に選択的に塗布するための装置及び方法を提供する。組成物は、生物学的表面と外部環境(例えば、空気)との間の界面、特に局所表面など、任意の適当な処置表面に塗布し得ることが想到される。適当な生物学的表面には、角質表面(これらに限定されるものではないが、皮膚、毛髪、及び/又は爪の表面などが挙げられる)、及びエナメル質表面(例えば、歯の表面)が含まれ得る。好ましくは、処置表面は、哺乳動物又はヒトのものである。本明細書では皮膚に関する例示的な実施形態について検討するが、本出願の装置及び方法は、任意の適当な組成物、特に局所用組成物を処置表面に選択的に塗布するために使用され得ることが企図される。より詳細には、本出願は、ユーザが皮膚の全体的な審美的外観を改善するために、その見た目を最小限に抑えるか又は消失させることを望む皮膚アーチファクト(例えば、瘢痕、しわ、傷、そばかす、日光によるダメージ、加齢斑など)に対処するために、局所用組成物を皮膚(例えば、哺乳類又はヒトの顔の皮膚)に選択的に塗布するための装置及び方法を提供する。本出願の装置は、皮膚のある範囲の画像を分析して、皮膚の視覚的外観を変化させるために組成物を塗布すべき場所、例えば、皮膚アーチファクトが検出される場所を特定する。より詳細には、本出願の装置及び方法は、投影された光学基準を利用して、検出器によって捕捉された画像内の領域をアプリケータの照準場所と調節可能に位置合わせすることで、皮膚の所望の場所におけるより組成物のより精密かつ/又は正確な塗布を提供する。例えば、本出願の装置及び方法は、投影された光学基準でマークされた皮膚の画像に対応する画像データを取得し、この画像データを分析して、画像内の領域をアプリケータによって照準された場所と位置合わせし、皮膚上の所望の場所、例えば、画像内の対応する領域の分析に基づいて皮膚アーチファクトが検出される場所に選択的に組成物を付着させるようにアプリケータを案内する。特に、本出願の装置及び方法を用いて顔の皮膚に組成物を塗布することができる。組成物は、皮膚の外観及び/又は健康状態を改善するための化粧品組成物及び/又は皮膚処置用組成物であってよい。
【0013】
図1は、局所用組成物を皮膚に塗布するための例示的な装置100のブロック図を示す。本実施形態の装置100は、ユーザの手のひら内に保持されるように設計されたハンドヘルド装置となるような大きさ及び形状となっている。本実施形態による装置100は、ヘッド部分102とハンドル部分104とを備えている。装置100のハンドル部分104は、内部に各構成要素を収容するための空洞を画定する細長い形状を有している。いくつかの実施形態では、ハンドル部分104は、ユーザの手のひら内に保持されるような大きさ及び形状とされる。他の実施形態では、ハンドル部分104は、ユーザの手の指先によって保持されるような大きさ及び形状とされる。
【0014】
本実施形態による装置100のヘッド部分102は、少なくとも1つの基準を皮膚に対して投影する光学エミッタ110と、基準が投影される皮膚の範囲の画像に対応する画像データを取得する検出器構成120と、を備えている。本実施形態のヘッド部分102はまた、検出器構成120からの画像データに基づいて処理構成140によって案内されるように皮膚の部分に組成物を選択的に塗布するアプリケータ構成130も備えている。この構成では、光学エミッタ110及び検出器構成120は、アプリケータ構成130に対して固定的に取り付けられているため、検出器構成120によって捕捉された画像データを処理構成140によって分析することで、画像内の場所をアプリケータ構成130によって照準された皮膚上の場所と一致させることができる。いくつかの実施形態では、光学エミッタ110、検出器構成120、及びアプリケータ構成は、ヘッド部分102の嵌め込み部分106の一部となっており、処置しようとする皮膚の範囲上にヘッド部分102が配置される際に嵌め込み部分106が皮膚と接触しないようになっている。
【0015】
光学エミッタ110は、光(例えば、可視光)の集束ビームを送達して皮膚上に少なくとも1つの基準を投影するための任意の適当な基準光源を備えている。例えば、光学エミッタ110は、以下でより詳細に説明するように、基準を生成するために使用される発光ダイオード(LED)、詳細には集束LEDを備える。本実施形態における集束LEDは、LED発光体と、エミッタからの光を集束させて光学基準を皮膚に投影するための鋭い光線にする小開口を有する発光ダイと、を備えている。あるいは、光学エミッタ110は、皮膚上に基準を投影するレーザを含んでもよい。例えば、光学エミッタ110は、650nmのクラス1赤色レーザ又は青色(例えば、465nm)LEDを含んでもよい。
【0016】
より詳細には、光学エミッタ110は、皮膚上に複数の基準を投影する。例えば、光学エミッタ110は、光源と、光源からの光が通過して皮膚上に基準を投影するテンプレート(例えば、ゴボ又はホログラフィックプレート)を備えてもよい。一実施例では、光学エミッタ110は、ゴボを通過してゴボのパターンに従って皮膚の選択領域を陰影とすることにより皮膚上に基準を投影する光を放射する光源を提供してもよく、その場合、ゴボの中実領域は陰影を投影し、ゴボの切り抜き領域は光を通過させることで皮膚上に光学基準マークを投影する。テンプレートには、皮膚の撮像された範囲の形態を決定し、検出器構成120により捕捉された画像内の対応する領域(例えば、1つ以上のピクセル)にアプリケータ構成130によって化粧品組成物を塗布するために照準される皮膚上の場所をマッピングするための基準を生成するための任意の適当なパターンをステンシルすることができる。例えば、テンプレートは、実施例IVで以下に更に記載するように、複数のピンホール、又はそれに代えて市松模様をステンシルすることができる。あるいは、基準光源がレーザ光を放射する実施形態では、複数の基準をホログラフィックプレートを介して皮膚上に投影することができる。複数の基準は、複数の点基準(アレイ又は任意の他の適当な形態で配列され得る)、又は所望のパターン(例えば、市松模様)の形態であってよい。1つの例では、ホログラフィックプレートは、通過する単一のレーザ光源を回折して複数の点基準を投影するための回折格子を有する。別の例では、ホログラフィックプレートは、所望のパターンを投影するためにレーザ光源を回折及び/又は位相変化させるための複数の異なる表面形状要素を有する位相差ホログラフィックプレートであってもよい。ホログラフィックプレートは、実質的にすべてのレーザ光源を通過させるため、複数の基準を皮膚上に投影するための基準レーザ光源の効率的な使用を提供する点に留意されたい。
【0017】
好ましくは、少なくとも3つの基準が、皮膚の撮像された範囲内の異なる場所に投影されて、所望の精度で皮膚の形態を決定するためのその範囲の画像内の所望の数の基準点を提供する。皮膚の形態は、例えば、皮膚の曲率及び/又は傾きを含むことができるが、以下により詳細に記載されるように、アプリケータ構成130から放出された液滴が皮膚上に落下する位置を理解するために、画像の平面に対する皮膚の撮像された部分の表面の全体又は一部分の3次元形状の決定と一般的にみなすことができる。特定の実施形態では、光学エミッタ110は、25個又はそれよりも多くの基準を皮膚の撮像された範囲に投影することができる。
【0018】
一実施形態では、検出器構成120は、光学エミッタ110から基準が投影される皮膚の範囲に光(例えば、可視光)を送達するための少なくとも1つの光源121と、皮膚の範囲から反射される、投影された基準を含む、光を検出するセンサ122と、を備えている。光源121は、皮膚の範囲を照明するための任意の適当な発光素子、例えば、1つ以上のLEDを含むことができる。光源121はまた、皮膚による光の反射率を検出及び/又は測定するうえで充分な量の照明を皮膚の範囲上に与えるように選択及び配置することができる。好ましくは、光源121は集合的に、撮像される皮膚の範囲にわたって実質的に均一な光の分布を与える。センサ122は、皮膚からの光の反射率を検出するための任意の適当な構成要素を含んでもよい。例えば、センサ122は、1つ以上の波長の反射光の量に対する感度を有し得る。適当なセンサ122としては、例えば、当業者に理解されるような、写真又はビデオカメラ(異なる種類のカメラレンズを含み得る)、フォトダイオード及び/又はフォトトランジスタを含むことができる。
【0019】
好ましくは、検出器構成120の光源121は、光学エミッタ110の基準光源とは異なる波長を有するため、投影された基準は、検出器構成によって得られた画像の残りの部分から容易に区別可能である。例えば、光学エミッタ110の基準光源は、赤色又は青色光を放射することができるのに対して、検出器構成120の光源121は緑色光を放射する。この例示的な実施形態では、検出器構成120のセンサ122は、カメラの赤色、緑色、及び青色のチャネル内の光を検出することができるRGBカメラも備えることができる。赤色又は青色光で投影された基準は、それぞれRGBカメラの赤色又は青色チャネルによってのみ感知され、これは、RBGカメラの緑色チャネルで検出されることになる検出器構成120の緑色光源121によって与えられる照明と容易に区別可能である。別の実施形態では、光源121は青色光を投射することができ、基準は赤色光とすることができ、これもやはり、上記のRGBカメラを使用して容易に区別可能である。
【0020】
あるいは、検出器構成120の光源121は、基準光源から時間的に分離してもよく、これにより、検出器構成120が、特定の順序ではない、皮膚の各範囲についての画像のペア、すなわち、(1)投影された基準なしで検出器構成120の光源121によって照射される皮膚の範囲の第1の画像、及び(2)投影された基準を有するが、検出器構成120の光源121によって照射されない、皮膚の同じ範囲の第2の画像、に対応した画像データを捕捉する。次いで、第1の画像は、処理構成140により分析されて、アプリケータ構成130によって照準される皮膚の撮像された範囲内の場所を、第1の画像内の対応する領域と一致させる。第2の画像内の同じ対応する領域は、処理構成140によって分析されて、組成物が皮膚上のその場所に塗布されるべきか否かを判定することができる。
【0021】
光源121及びセンサ122を含む検出器構成120は、コンピュータアクセス可能媒体150に記憶された命令を実行するために処理構成140に動作可能に接続される。この実施形態の処理構成140は、光源121を制御し、センサ122から受信した画像データを受信及び分析する。処理構成140はまた、光学エミッタ110を制御するために光学エミッタ110に動作可能に接続されてもよく、それにより、センサ122は、処理構成140によって決定されるように、投影された基準を有する画像又は有さない画像を撮像することができる。以下に更に説明するように、撮像された、投影された基準を有する画像データと有さない画像データとを組み合わせて使用することで、皮膚の色及び質感の変化によって生じる基準の歪みを低減することができる。処理構成140及びコンピュータアクセス可能媒体150が、装置100の内部又は外部の任意の場所に配置され得る点は想到される。一実施形態では、
図1に示されるように、処理構成140及びコンピュータアクセス可能媒体150は、ハンドル部分104内に配置される。この実施形態の処理装置140はまた、所望のフレクセルに組成物を選択的に塗布するアプリケータ構成130も制御する。処理構成140は、これらに限定されるものではないが、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサを含み、コンピュータアクセス可能媒体150(例えば、メモリ記憶装置)上に記憶された命令を使用することができるコンピュータ/プロセッサの全体若しくは一部であってよく、又はこれを含むことができる。コンピュータアクセス可能媒体150は、例えば、実行可能な命令を含む、非一時的なコンピュータアクセス可能媒体であってもよい。記憶構成は、処理構成140に、特定の例示的な手順、プロセス、及び方法を実行するように処理構成140を構成する命令を与えることができるコンピュータアクセス可能媒体150とは別個に与えられてもよい。
【0022】
本実施形態によるアプリケータ構成130は、局所用組成物(例えば、化粧品組成物及び/又は皮膚処置用組成物)をフレクセル上に付着させるための少なくとも1つの適当な組成物塗布装置を含む。使用時、ユーザは、アプリケータ構成130が皮膚に対して垂直又はほぼ垂直となるように装置100を保持することが好ましく、これにより、アプリケータ構成130が局所用組成物の液滴を供給するフレクセルが、組成物を塗布すべき画像内で特定される場所に正確にマッピングされるか、又はこのマッピングが、皮膚の形態とは関係なくわずかな位置のずれが目立たないような所定の誤差の範囲内となる。本実施形態における例示的な局所用組成物塗布装置は、例えば、噴霧器(例えば、電子噴霧器若しくはエアブラシ噴霧器)、液滴制御装置、又は当業者に理解されるような所望の場所に組成物を小さな液滴として塗布するための他の任意の適当な塗布装置を含む。例示的な一実施形態では、アプリケータ構成130は、加圧ミストの形態の加圧された液体又は粘性組成物を皮膚上に付着させて、所望の場所に薄い被覆層を形成するためのノズルを備える。ノズルは、組成物の薄層を皮膚上の照準した場所に付着させるための任意の適当な装置とすることができる。例示的な一実施形態では、ノズルは、液体又は粘性組成物が入った第1のチャンバと、組成物のパルスがフレクセルに分注される際に組成物に圧力を加えるが組成物と混ざり合わない噴射剤(例えば、圧縮空気又は窒素ガス)を収容した第2のチャンバと、を備えることができる。別の実施例では、ノズルは、液体又は粘性組成物が入った第1のチャンバと、組成物が所望の場所に分注される際に組成物と混合される噴射剤を収容する第2のチャンバと、を備える。ノズルの2つの例示的な実施形態について上記に述べたが、当業者には理解されるように、本出願の装置は、加圧された組成物の液滴を分注するための任意の適当なノズルを含み得る点は想到される。
【0023】
アプリケータ構成130は、皮膚に塗布される局所用組成物を収容したリザーバ160に動作可能に接続されている。詳細には、アプリケータ構成130は、一連の導管、弁、及び/又は圧力源によってリザーバ160に流体接続されている。リザーバ160は、装置100内の任意の場所に収容され得る点は想到される。例示的な一実施形態では、
図1に示すように、リザーバ160は装置100のハンドル部分104内に収容される。リザーバ160内の組成物は、組成物の付着のためにリザーバ160からアプリケータ構成130に移送される。いくつかの実施形態では、リザーバ160は、内容物を使い果たした時点で交換することができる着脱可能な容器である。例えば、リザーバ160は、皮膚に塗布される組成物を内部に収容する加圧容器とすることができる。
【0024】
皮膚に塗布される組成物は、例えば、皮膚の外観を修正するための任意の適当な化粧品成分、例えば、不透明物質、着色化粧料、又は皮膚の外観を向上させるための他の任意の適当な組成物を含むことができる。組成物はまた、水和のための保湿剤、担体、又は皮膚状態、例えば、ニキビ、色素沈着過剰、湿疹、じんましん、白斑、乾癬、酒さ、疣贅、帯状疱疹、ヘルペス、色素沈着及びトーン、潮紅/酸化的皮膚ストレス、皺、美白(brightening)、たるみ/弾性などを処置及び/又は改善するための有益剤(例えば、有益な化合物/組成物/抽出物、又は有効成分)などの成分も含むことができる。組成物に取り入れることができる有益剤の例示的な実施形態について、以下に更に説明する。
【0025】
有用な水和活性有益剤の非限定的なリストには、ヒアルロン酸及び保湿剤が含まれる。ヒアルロン酸は、直鎖ヒアルロン酸、架橋ヒアルロン酸、又は直鎖ヒアルロン酸と架橋ヒアルロン酸との混合物であってよい。これは、塩形態、例えば、ヒアルロン酸ナトリウムであってよい。保湿剤とは、皮膚の最上層の含水量を増加させることを目的とした化合物(例えば、吸湿性化合物)である。適当な保湿剤の例としては、これらに限定されるものではないが、グリセリン、ソルビトール若しくはトレハロース、又はこれらの塩若しくはエステルが挙げられる。
【0026】
ニキビに有用な有益剤の非限定的なリストとしては、過酸化ベンゾイル;レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチニル、及びパルミチン酸レチニルを含むレチノイド類が挙げられ、ヒドロキシ酸としては、これらに限定されるものではないが、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、サリチル酸、クエン酸、及び酒石酸、硫黄、亜鉛PCA(亜鉛ピロリドンカルボン酸)、アラントイン(5-ウレイドヒダントイン)、ローズマリー、4-ヘキシルレゾルシノール、N-アセチルグルコサミン、グルコノラクトン、ナイアシンアミド、アゼライン酸、及びレスベラトロールが挙げられる。
【0027】
有用な色素沈着活性有益剤の非限定的なリストとしては、ナイアシンアミド、4-ヘキシルレゾルシノール、クルクミノイド(サビホワイト(テトラヒドロクルクミン)、フィチン酸、レスベラトロール、大豆グリシン大豆油、グルコノラクトン、アゼライン酸などのレゾルシノール;並びにレチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチニル、及びパルミチン酸レチニルを含むレチノイド類;ラッカーゼなどの酵素、チロシナーゼ阻害物質、メラニン分解剤、PAR-2アンタゴニストを含むメラノソーム転移阻害剤、剥離剤、日焼け止め剤、レチノイド、抗酸化剤、トラネキサム酸、トラネキサム酸セチルエステル塩酸塩、皮膚漂白剤、リノール酸、アデノシン一リン酸二ナトリウム塩、カモミラ抽出物、アラントイン、乳白剤、タルク及びシリカ、亜鉛塩などが挙げられる。適当なチロシナーゼ阻害物質の例としては、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、コウジ酸、アルブチン、レゾルシノール、ヒドロキノン、フラボン(例えば、カンゾウフラバノイド、カンゾウ根抽出物、クワ根抽出物、ディオスコレア・コポジータ(Dioscorea Coposita)根抽出物、ユキノシタ科抽出物など)、エラグ酸、サリチル酸塩及び誘導体、グルコサミン及び誘導体、フラーレン、ヒノキチオール、二酸、アセチルグルコサミン、5,5’-ジプロピル-ビフェニル-2,2’-ジオール(マグノリグナン)、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール(4-HPB)、これらのうちの2つ又は3つ以上の組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。ビタミンCの誘導体の例としては、これらに限定されるものではないが、アスコルビン酸及びその塩、アスコルビン酸-2-グルコシド、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、及びビタミンCを多く含む天然抽出物が挙げられる。ビタミンEの誘導体の例としては、これらに限定されるものではないが、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、δ-トコトリエノール、及びこれらの混合物、酢酸トコフェロール、リン酸トコフェロール、及びビタミンE誘導体を多く含む天然抽出物が挙げられる。レゾルシノール誘導体の例としては、レゾルシノール、4-置換レゾルシノール、例えば、4-ブチルレゾルシノール(ルシノール)、4-ヘキシルレゾルシノール、フェニルエチルレゾルシノール、1-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-3-(2,4-ジメトキシ-3-メチルフェニル)-プロパンなどの4-アルキルレゾルシノール、及びレゾルシノールを多く含む天然抽出物が挙げられるが、これらに限定されない。サリチル酸塩の例としては、4-メトキシカリウムサリチレート、サリチル酸、アセチルサリチル酸、4-メトキシサリチル酸及びこれらの塩が挙げられるが、これらに限定されない。特定の好ましい実施形態では、チロシナーゼ阻害物質として、4-置換レゾルシノール、ビタミンC誘導体、又はビタミンE誘導体が挙げられる。
【0028】
潮紅/抗酸化活性有益剤の非限定的な例としては、水溶性抗酸化剤、例えば、スルフヒドリル化合物及びその誘導体(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム及びN-アセチル-システイン)、リポ酸及びジヒドロリポ酸、レスベラトロール、ラクトフェリン、並びにアスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル及びアスコルビルポリペプチド)が挙げられる。本発明の組成物において使用するのに適した油溶性抗酸化剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン、レチノイド(例えば、レチノール及びパルミチン酸レチニル)、トコフェロール(例えば、酢酸トコフェロール)、トコトリエノール、及びユビキノンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物において使用するのに適した抗酸化剤を含有する天然抽出物としては、フラボノイド及びイソフラボノイド並びにこれらの誘導体(例えば、ゲニステイン及びダイゼイン)を含有する抽出物、レスベラトロールを含有する抽出物などが挙げられるが、これらに限定されない。このような天然抽出物の例としては、ブドウ種子、緑茶、松の樹皮、プロポリス、及びナツシロギク抽出物が挙げられる。「ナツシロギク抽出物」とは、植物「Tanacetum parthenium」の抽出物を意味し、特に好適なナツシロギク抽出物の1つは、約20%の活性ナツシロギクとして市販されている。
【0029】
有用な皺活性有益剤の非限定的なリストとしては、N-アセチルグルコサミン、2-ジメチルアミノエタノール、塩化銅などの銅塩、アルジルリン、シン-エイク及び銅を含むものなどのペプチド、コエンザイムQ10、ディル、クロイチゴ、キリ、ピキア・アノマラ、及びチコリ、4-ヘキシルレゾルシノールなどのレゾルシノール、クルクミノイド、及びレチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチニル、及びパルミチン酸レチニルを含むレチノイドが挙げられ、ヒドロキシ酸としては、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、サリチル酸、クエン酸、及び酒石酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
有用な美白活性有益剤の非限定的なリストとしては、ビタミンC及びアスコルビン酸2-グルコシドなどのその誘導体、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、又は上記のいずれかの組み合わせなどのα-ヒドロキシ酸、サリチル酸などのβ-ヒドロキシ酸、ラクトビオン酸及びグルコン酸などのポリヒドロキシ酸が挙げられる。
【0031】
弛んだ皮膚に対して有用な有益剤の非限定的なリストとしては、クロイチゴ抽出物、コティヌス抽出物、ナツシロギク抽出物、キダチコミカンソウの抽出物、並びに銅及び/又は亜鉛成分を有する二金属錯体が挙げられる。銅及び/又は亜鉛構成要素を有する二金属錯体は、例えば、クエン酸銅-亜鉛、シュウ酸銅-亜鉛、酒石酸銅-亜鉛、リンゴ酸銅-亜鉛、コハク酸銅-亜鉛、マロン酸銅-亜鉛、マレイン酸銅-亜鉛、アスパラギン酸銅-亜鉛、グルタミン酸銅-亜鉛、グルタル酸銅-亜鉛、フマル酸銅-亜鉛、グルカル酸銅-亜鉛、ポリアクリル酸銅-亜鉛、アジピン酸銅-亜鉛、ピメリン酸銅-亜鉛、スベリン酸銅-亜鉛、アゼライン酸銅-亜鉛、セバシン酸銅-亜鉛、ドデカン酸銅-亜鉛、又はこれらの組み合わせであってよい。
【0032】
更なる皮膚有益剤又は活性物質は、以下のパラグラフに列挙される活性物質を含んでもよい。これらの活性物質の一部のものは上記に列挙されているが、より確かなリストを確実にするためにそれらを以下に含める。
【0033】
適当な更なる有益剤の例としては、皮膚美白剤、黒色化剤、アンチエイジング剤、トポエラスチン促進剤、コラーゲン促進剤、抗ニキビ剤、光沢調整剤、抗微生物剤(例えば、抗酵母剤、抗真菌剤及び抗細菌剤)、抗炎症剤、抗寄生虫剤、外用鎮痛剤、日焼け止め剤、光防護剤、抗酸化剤、角質溶解剤、洗剤/界面活性剤、保湿剤、栄養素、ビタミン、エネルギーエンハンサ、制汗剤、皮膚収斂剤、防臭剤、脱毛剤、発毛強化剤、発毛遅延剤、安定剤、水和増進剤、有効性増進剤、抗たこ剤、皮膚コンディショニング剤、抗セルライト剤、フルオリド、歯ホワイトニング剤、歯石防止剤、及び歯石溶解剤、悪臭防止剤(例えば、悪臭マスキング剤)又はpH変更剤などが挙げられる。様々な適当な更なる化粧料として許容される活性物質の例としては、UVフィルタ、例えば、これらに限定されるものではないが、アボベンゾン(Parsol 1789)、ビスジスリゾール二ナトリウム(Neo Heliopan AP)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(Uvinul A Plus)、エカムスル(Mexoryl SX)、アントラニル酸メチル、4-アミノ安息香酸(PABA)、シノキセート、エチルヘキシルトリアゾン(Uvinul T150)、ホモサラート、4-メチルベンジリデンカンファー(Parsol5000)、メトキシケイ皮酸オクチル(Octinoxate)、サリチル酸オクチル(Octisalate)、パジメートO(Escalol507)、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(Ensulizole)、ポリシリコーン-15(Parsol SLX)、トロラミンサリチル酸、ベモトリジノール(Tinosorb S)、ベンゾフェノン1-12、ジオキシベンゾン、ドロメトリゾールトリシロキサン(Mexoryl XL)、イソコトリジノール(Uvasorb HEB)、オクトクリレン、オキシベンゾン(Eusolex4360)、スルイソベンゾン、ビスオクトリゾール(Tinosorb M)、二酸化チタン、酸化亜鉛、カロテノイド、フリーラジカル捕捉剤、スピントラップ、レチノイド及びレチノールなどのレチノイド前駆体、レチノイン酸及びパルミチン酸レチニル、セラミド、多価不飽和脂肪酸、必須脂肪酸、酵素、酵素阻害物質、ミネラル、エストロゲンなどのホルモン、ヒドロコルチゾンなどのステロイド、2-ジメチルアミノエタノール、塩化銅などの銅塩、Cu:Gly-His-Lysなどの銅を含有するペプチド、コエンザイムQ10、プロリンなどのアミノ酸、ビタミン、ラクトビオン酸、アセチル補酵素A、ナイアシン、リボフラビン、チアミン、リボース、NADH及びFADH2などの電子輸送体、並びにオーツ麦、アロエベラ、ナツシロギク、ダイズ、シイタケ抽出物などの他の植物抽出物、並びにこれらの誘導体及び混合物が挙げられる。
【0034】
適当な皮膚美白有益剤の例としては、これらに限定されるものではないが、チロシナーゼ阻害物質、メラニン分解剤、メラノソーム移動阻害剤(PAR-2アンタゴニストを含む)、剥離剤、日焼け止め剤、レチノイド、抗酸化剤、トラネキサム酸、トラネキサム酸セチルエステルヒドロクロリド、皮膚白化剤、リノール酸、アデノシン一リン酸二ナトリウム塩、カモミール抽出物、アラントイン、乳白剤、タルク及びシリカ、亜鉛塩などが挙げられる。
【0035】
好適なチロシナーゼ阻害物質の例としては、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、コウジ酸、アルブチン、レゾルシノール、ヒドロキノン、フラボン(例えば、カンゾウフラバノイド、カンゾウ根抽出物、クワ根抽出物、ディオスコレア・コポジータ(Dioscorea Coposita)根抽出物、ユキノシタ科抽出物など)、エラグ酸、サリチル酸塩及び誘導体、グルコサミン及び誘導体、フラーレン、ヒノキチオール、二酸、アセチルグルコサミン、5,5’-ジプロピル-ビフェニル-2,2’-ジオール(Magnolignan)、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール(4-HPB)、これらのうちの2つ又は3つ以上の組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。ビタミンCの誘導体の例としては、これらに限定されるものではないが、アスコルビン酸及びその塩、アスコルビン酸-2-グルコシド、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、及びビタミンCを多く含む天然抽出物が挙げられる。ビタミンEの誘導体の例としては、これらに限定されるものではないが、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、δ-トコトリエノール、及びこれらの混合物、酢酸トコフェロール、リン酸トコフェロール、及びビタミンE誘導体を多く含む天然抽出物が挙げられる。レゾルシノール誘導体の例としては、レゾルシノール、4-置換レゾルシノール[例えば、4-ブチルレゾルシノール(ルシノール)、4-ヘキシルレゾルシノール(Synovea HR、Sytheon)、フェニルエチルレゾルシノール(Symwhite、Symrise)、1-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-3-(2,4-ジメトキシ-3-メチルフェニル)-プロパン(ニビトール、Unigen)などの4-アルキルレゾルシノール]、及びレゾルシノールを多く含む天然抽出物が挙げられるが、これらに限定されない。サリチル酸塩の例としては、4-メトキシカリウムサリチレート、サリチル酸、アセチルサリチル酸、4-メトキシサリチル酸及びこれらの塩が挙げられるが、これらに限定されない。特定の好ましい実施形態では、チロシナーゼ阻害物質としては、4-置換レゾルシノール、ビタミンC誘導体、又はビタミンE誘導体が挙げられる。より好ましい実施形態では、チロシナーゼ阻害物質は、フェニルエチルレゾルシノール、4-ヘキシルレゾルシノール、又はアスコルビル-2-グルコシドを含む。
【0036】
好適なメラニン分解剤の例としては、ペルオキシド及び酵素(例えば、ペルオキシダーゼ及びリグニナーゼ)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の好ましい実施形態では、メラニン阻害剤としては、ペルオキシド及びリグニナーゼが挙げられる。
【0037】
好適なメラノソーム移動阻害剤の例としては、PAR-2アンタゴニスト(例えば、ダイズトリプシン阻害物質又はボーマン-バーク阻害物質)、ビタミンB3及び誘導体(例えば、ナイアシンアミド)、必須ダイズ、全ダイズ、ダイズ抽出物が挙げられる。特定の好ましい実施形態では、メラノソーム移動阻害剤としては、ダイズ抽出物又はナイアシンアミドが挙げられる。
【0038】
剥離剤の例としては、α-ヒドロキシ酸(例えば、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、又は前述のもののいずれかの任意の組み合わせ)、β-ヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸、ポリヒドロキシ酸、例えば、ラクトビオン酸及びグルコン酸)、及び機械的剥離剤(例えば、マイクロ皮膚擦傷剤)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の好ましい実施形態では、剥離剤としては、グリコール酸又はサリチル酸が挙げられる。
【0039】
日焼け止め剤の例としては、アボベンゾン(Parsol1789)、ビスジスリゾール二ナトリウム(Neo Heliopan AP)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート(Uvinul A Plus)、エカムスル(Mexoryl SX)、メチルアントラニレート、4-アミノ安息香酸(PABA)、シノキセート、エチルヘキシルトリアゾン(Uvinul T150)、ホモサレート、4-メチルベンジリデンカンファー(Parsol5000)、オクチルメトキシシンナメート(Octinoxate)、オクチルサリチレート(Octisalate)、パジメートO(Escalol507)、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(Ensulizole)、ポリシリコーン-15(Parsol SLX)、トロラミンサリチレート、ベモトリジノール(Tinosorb S)、ベンゾフェノン1-12、ジオキシベンゾン、ドロメトリゾールトリシロキサン(Mexoryl XL)、イスコトリジノール(Uvasorb HEB)、オクトクリレン、オキシベンゾン(Eusolex4360)、スルイソベンゾン、ビソクトリゾール(Tinosorb M)、二酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
レチノイドの例としては、レチノール(ビタミンAアルコール)、レチナール(ビタミンAアルデヒド)、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル、リノール酸レチニル、レチノイン酸、パルミチン酸レチニル、イソトレチノイン、タザロテン、ベキサロテン、アダパレン、これらの2つ又は3つ以上の組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。特定の好ましい実施形態では、レチノイドは、レチノール、レチナール、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル、リノール酸レチニル、及びこれらの2つ又は3つ以上の組み合わせからなる群から選択される。特定のより好ましい実施形態では、レチノイドは、レチノールである。
【0041】
抗酸化剤の例としては、スルフヒドリル化合物及びその誘導体(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム及びN-アセチル-システイン、グルタチオン)、リポ酸及びジヒドロリポ酸、スチルベノイド(例えば、レスベラトロール及び誘導体)、ラクトフェリン、鉄及び銅キレート剤、並びにアスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体(例えば、アスコビル-2-グルコシド、パルミチン酸アスコルビル及びアスコビルポリペプチド)などの水溶性抗酸化剤が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物において使用するのに適した油溶性抗酸化剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン、レチノイド(例えば、レチノール及びパルミチン酸レチニル)、トコフェロール(例えば、酢酸トコフェロール)、トコトリエノール、及びユビキノンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物において使用するのに適した抗酸化剤を含有する天然抽出物としては、フラボノイド及びイソフラボノイド並びにこれらの誘導体(例えば、ゲニステイン及びダイゼイン)を含有する抽出物、レスベラトロールを含有する抽出物などが挙げられるが、これらに限定されない。このような天然抽出物の例としては、ブドウ種子、緑茶、紅茶、白茶、マツ樹皮、ナツシロギク、パルテノライドを含まないナツシロギク、オート麦抽出物、クロイチゴ抽出物、ハグマノキ抽出物、ダイズ抽出物、ザボン抽出物、小麦胚抽出物、ヘスペレジン、ブドウ抽出物、スベリヒユ抽出物、リコカルコン、カルコン、2,2’-ジヒドロキシカルコン、サクラソウ抽出物、プロポリスなどが挙げられる。
【0042】
いくつかの好ましい実施形態では、ニキビに対して有用な有益剤として、サリチル酸、亜鉛PCA(亜鉛ピロリドンカルボン酸)、アラントイン(5-ウレイドヒダントイン)、ローズマリー、4-ヘキシルレゾルシノール、N-アセチルグルコサミン、グルコノラクトン、ナイアシンアミド、アゼライン酸、及びレスベラトロールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
いくつかの好ましい実施形態では、有用な色素沈着活性有益剤のリストには、テトラヒドロクルクミン、フィチン酸、レスベラトロール、大豆グリシン大豆油、グルコノラクトン、ラッカーゼ、4-ヘキシルレゾルシノール、N-アセチルグルコサミン、グルコノラクトン、ナイアシンアミド、アゼライン酸、及びレスベラトロールが含まれる。
【0044】
いくつかの好ましい実施形態では、ニキビと色素沈着を同時に処置する有用な活性有益剤のリストには、4-ヘキシルレゾルシノール、N-アセチルグルコサミン、グルコノラクトン、ナイアシンアミド、アゼライン酸、及びレスベラトロールが挙げられる。
【0045】
組成物は、皮膚に塗布されて、検出器構成120によって供給される画像データに基づいてアーチファクトの外観を変更又は最小限に抑えるために皮膚に塗布される化粧品組成物(皮膚を処置するための更なる有効成分を含んでも含まなくてもよい)であってよい。特定の一実施形態では、組成物は、1つ以上の反射率調整剤(RMA)(皮膚の反射率を変化させるのに有用な任意の成分)を含む。例えば、適当なRMAとしては、インク、染料、顔料、漂白剤、化学変化剤、及び皮膚の反射率を変化させるために用いることができる他の物質を挙げることができる。いくつかの適当なRMAは、染料又は希釈顔料などの透明なRMAを含んでもよい。他の適当なRMAは、高屈折率粒子を有する不透明なRMAを含んでもよい。詳細には、高屈折率粒子は、2.0以上の屈折率を有する粒子を含んでもよい。1つの具体例では、RMAは、二酸化チタンの粒子を含んでもよい。具体的には、二酸化チタン粒子は、化粧品組成物中に均一に分布させるか、かつ/又は懸濁することができる。
【0046】
本実施形態による装置100は、装置100を制御して動作させるための電力を供給する電源170を更に備えている。電源170は、装置100内の任意の場所に配置されるか、あるいは装置100の外部にあってもよい点は想到される。例示的な一実施形態では、
図1に示すように、装置100のハンドル部分104内に収容された電源170が光学エミッタ110、検出器構成120は、アプリケータ構成130及び/又は処理構成140に動作可能に接続されている。当業者であれば、様々な既知の適当な電源が使用され得る点は理解されよう。例えば、電源170は、電池又は外部電源への接続を含んでもよい。詳細には、電源170は、充電式電池装置を含んでもよい。
【0047】
上述のように、本出願の装置及び方法は、光学エミッタ110によって投影された基準を利用して、検出器構成120によって撮像された画像を、アプリケータ構成130によって照準される皮膚上の場所と調整可能に整列させる。例えば、光学エミッタ110は、検出器構成120及び/又はアプリケータ構成130に対して角度をなして配置することができる。したがって、以下の実施例Iに示すように、光学エミッタ110によって皮膚の表面上に投影された基準は、光学エミッタ110と皮膚との間の距離、及び皮膚の表面に対する光学エミッタ110の角度に応じて、異なる場所で皮膚にマークを付けることになる。その結果、基準は、光エミッタ110と皮膚との間の距離に応じて、皮膚の画像内の異なる領域で検出器構成120によって撮像される。したがって、これらの基準を用いて、検出器構成120によって撮像された画像内の領域を皮膚の形態と相関させる基準較正データを生成することができる。
【0048】
より詳細には、基準較正データは、検出器構成120によって撮像された基材の基準較正画像内の領域を、光学エミッタ110と基準のそれぞれの較正用基材との間の距離と相関させる。例えば、基準較正データは、平坦又は実質的に平坦な表面を有する、好ましくは、例えば、グラフ用紙などの格子状案内線を有する較正用基材を使用して経験的に得ることができる。光学エミッタ110から投影された基準でマークされた較正用基材を複数の既知の距離から検出器構成120によって撮像することで基準較正画像に対応するデータを生成し、例えば、下記実施例IIで更に例示されるように、基準較正画像内の基準のそれぞれによってマークされた領域と、既知の較正距離との間の相関を生成するための基準較正データを提供することができる。相関(例えば、線形相関)を生成するには最小で2つの既知の距離が必要であるが、3つ以上の既知の距離を用いることで、より精密かつ正確な基準較正データを生成し、距離と、基準較正画像内の基準のそれぞれによってマークされた領域とを更に整列させて、更なる歪みの原因(例えば、検出器構成120からのレンズ歪み)について調整することができる。
【0049】
基準較正データは、経験的に測定された基準較正データを含むことができる。いくつかの実施形態では、基準較正データは、基準較正画像内の選択領域と光学エミッタ110と基材との間の補間距離とを相関させる解像度行列を生成するための経験的データから補間されたデータを含むことができる。より詳細には、基準較正データは、基準のそれぞれについて、基準較正画像内のすべてのピクセルをある距離と相関させるルックアップテーブルを生成するための経験的データから補間されたデータを含むことができる。処理構成140は、検出器構成120から受信した皮膚の画像に関する画像データを分析して、画像データを基準較正データと比較することにより、皮膚の形態を決定する。基準較正データのリアルタイム又はほぼリアルタイムの補間は必要ではないことから、ルックアップテーブルは、処理構成140が画像データを基準較正データと比較するためのより都合のよい方法を提供することができる。
【0050】
上述したように、検出器構成120によって得られた画像データは、検出器構成120の角度をつけた配置によって歪んでいる場合もある。同様に、下記実施例Iに更に示されるように、アプリケータ構成130によって塗布される組成物は、アプリケータ構成130と皮膚との間の距離が考慮されない場合に想定されるフレクセルとは異なるフレクセル上に着地する可能性がある。したがって、アプリケータ構成130によって塗布される組成物はまた、皮膚の形態に応じて、検出器構成120によって皮膚の画像内の異なる領域でも撮像される。
【0051】
処理構成140は、画像データから決定された形態を使用して、アプリケータ構成130によって照準されるフレクセルに対応した検出器構成120によって撮像された画像内の領域を特定することができる。例えば、領域は、決定された形態を、アプリケータ構成130からの組成物の付着に対応する、検出器構成120によって撮像された1つ以上の画像内の領域と皮膚の形態とを相関させるアプリケータ較正データと比較することによって特定することができる。例えば、アプリケータ較正データは、アプリケータ構成130と基材(例えば、皮膚)との間の距離を、検出器構成120によって撮像された較正用基材のアプリケータ較正画像内の領域と相関させる。例えば、アプリケータ較正は、基準較正データについて上記に述べたものと同様の方法で生成することができる。具体的には、アプリケータ構成130が検出器構成120から既知の距離に配置された、例えば、グラフ用紙などの、平坦又はほぼ平坦な表面を有する、好ましくは格子状案内線を有する較正用基材に組成物を付着させ、続いて、検出器構成120が組成物を有する較正用基材を撮像して、アプリケータ較正画像に対応するデータを生成する。基準較正データについて上述したのと同様の方法で、また、下記実施例IIで更に説明するように、このアプリケータ較正プロセスは、2つ以上の既知の距離を使用して行われることで複数のアプリケータ較正画像に対応するデータを生成し、これらの距離と、アプリケータ較正画像内で撮像される、組成物の付着に対応した領域とを相関させるアプリケータ較正データを提供することができる。基準較正データと同様、アプリケータ較正データは、経験的に測定されたデータを含んでもよく、又は、例えば、アプリケータ較正画像内の選択領域を、アプリケータ構成130と基材との間の補間された距離と相関させる解像度行列、及び/又はアプリケータ較正画像内のすべてのピクセルをある距離と相関させるルックアップテーブルなどの経験的に測定されたデータに基づいて補間されたデータを含んでもよい。
【0052】
基準較正データ及び/又はアプリケータ較正データは、装置100の初回の使用前に生成されてもよく、又は皮膚の一部にわたって複数回通過させることで行われる使用セッションの前に生成されてもよい。基準較正データ及び/又はアプリケータ較正データは、コンピュータアクセス可能媒体150上に記憶されてもよく、又は装置100の内部若しくは外部に配置された、コンピュータアクセス可能媒体150とは別個の記憶構成に記憶されてもよい。処理構成140は、コンピュータアクセス可能媒体150又は別個の記憶構成に動作可能に接続されて、そこから基準較正データ及び/又はアプリケータ較正データを取得する。
【0053】
使用時、ヘッド部分102は、処置される皮膚の範囲の上に配置される。使用時、装置100は、皮膚の複数の異なる範囲を撮像するために用いることができる。例えば、ヘッド部分102を皮膚の表面にわたって移動させることで装置100に皮膚の異なる範囲(任意の所望のフレームレートで)を連続的に撮像させて画像データを取得し、この画像データを分析して、所望のフレクセル(皮膚上の場所)に組成物を選択的に塗布することができる。より詳細には、ユーザは、皮膚の表面にわたってヘッド部分102を行ったり来たり複数回通過するように移動させて、先に処理された範囲を装置100に再確認させることで見逃された又は不完全に処理されたアーチファクトを検出し、組成物を皮膚上の識別されたアーチファクトに塗布することができる。
【0054】
本出願はまた、皮膚に組成物を選択的に塗布する方法も含む。例示的な方法200を
図2に示す。工程202では、ユーザは、装置100のヘッド部分102を皮膚の表面、例えば顔の皮膚に対して配置することによって、装置100の使用を開始することができる。ヘッド部分102は、皮膚のある範囲、例えば、装置100によって撮像及び分析されるフレームを構成する範囲をカバーする。工程204に示されるように、光学エミッタ110は、上記で述べたように、装置100が上に配置された皮膚の範囲上に基準を投影する。工程206において、検出器構成120は、その範囲を撮像して基準が投影された皮膚の範囲に関する画像データを取得する。工程208において、処理構成140は、検出器構成120からの画像データを分析して装置100が上に配置された皮膚の範囲の形態を決定する。詳細には、処理構成140は、画像データを分析し、画像データを基準較正データと比較することによって、皮膚の範囲の形態を決定する。例えば、処理構成140は、各基準について、基準較正データによって与えられる相関を使用して、光学エミッタ110と、基準が投影された皮膚上の場所の高さとの間の距離を決定する。
【0055】
また、工程208は、例えば、下記の実施例IVで述べるこれらの例示的な方法などの様々な技術を使用して、皮膚の色及び質感の変化によって生じる基準の歪みを低減するように、様々な条件下で画像データを更に調整、操作、及び/又は処理する工程を含んでもよい点も想到される。装置100が上に配置される皮膚の範囲の形態は、この更なる処理されたデータを分析することによって得ることができる。1つの例では、基準マークでマークされた皮膚の範囲の画像に対応する画像データを、基準マーキングなしで検出器構成120によって撮像された同じ範囲の画像に対応する画像データの第2のセットを使用して調整することができる。次いで、調整した画像データを分析して装置100が上に配置された皮膚の範囲の形態を決定することができる。いくつかの実施形態では、画像データは、第1の色の光を検出するための第1のセンサを使用して取得することができ、画像データの第2のセットは、第2の色の光を検出するための第2のセンサを使用して取得することができる。
【0056】
工程210において、処理構成140は、工程208で決定された形態を用いて、工程206で検出器構成120によって得られた画像内で、アプリケータ構成130の照準場所(すなわち、アプリケータ構成130の各組成物塗布ノズルから放出される液滴が、皮膚に対する装置の現在のアラインメントで塗布されるフレクセル)に対応する場所を特定する。具体的には、処理構成140は、例えば、下記の実施例IIIに更に示されるように、形態をアプリケータ較正データと比較することによって、組成物がアプリケータ構成130によって塗布される領域を特定する。
【0057】
工程212において、処理構成140は、画像データを更に分析して、工程210で特定された検出器構成120によって取得された画像内の領域が、組成物の塗布を保証する大きさ(すなわち、所定の閾値レベルを上回る大きさ)を有する皮膚アーチファクトを含むか否かを判定する。当業者には理解されるように、特定された領域に対応する画像データは、任意の適当な方法を用いて処理構成140により分析することでアーチファクトを識別することができる。例えば、特定された領域の画像データは、処理構成140により分析されて、画像の特定された領域内で捕捉された反射率と画像全体の平均反射率とを比較することによってその領域が外観を変更すべきである皮膚アーチファクトを表すか否かを判定することができる。処理構成140は、工程208で決定された形態を含む更なるデータを利用して、領域が皮膚アーチファクトを表すか否かを判定することができる点も想到される。工程212の例示的な一実施形態では、その関連する画像フレームの全体の平均反射率から大きく逸脱した反射率を有するものとして特定された領域は、皮膚アーチファクトに対応すると判定される。別の例示的な実施形態では、工程210で特定された領域に対応する画像データを処理構成140によって分析して、工程210で特定された領域に対応する画像データが、画像のバランスに対して高い強度を有する、撮像された皮膚のフレーム全体(すなわち、工程206の検出器構成によって得られる画像)の中間空間周波数帯域内のスペクトル成分を含むか否かを判定する。中間空間周波数の強度が閾値レベルを上回る場所は、化粧品組成物が塗布されるべきアーチファクトとして特定される。好ましくは、中間空間周波数帯域は、撮像された範囲全体の反射率に基づいて各フレームについて決定される。
【0058】
画像の中間空間周波数における強い寄与を含む場所は、例えば、その外観をユーザが変更するか又は最小限に抑えることを望む場合があるアーチファクトを含み得る。中間空間周波数は、皮膚の画像の全体の空間周波数及び/又は皮膚の視覚的知覚に寄与する割合は小さい(例えば、約5%)と考えられる。しかしながら、中間空間周波数内の空間周波数成分は、視覚的に特に目立ちやすく、したがって、皮膚の知覚される審美的外観に対して、不釣り合いに大きな画像を与えるものと考えられる。したがって、皮膚の画像の中間空間周波数内の細部に対応するフレクセルに局所用組成物を選択的に塗布することによって皮膚の外観を変更又は最小限に抑えることで、皮膚に審美的に心地良い外観が付与されるものと考えられる。中間空間周波数に対応するフレクセルのみの外観を選択的に変更又は最小限に抑えることで、皮膚上の限られた数のフレクセルのみを修正しながら、皮膚の外観に視覚的に著しい審美的変化を与えることが特に有益となり得る。したがって、少ない量の局所用組成物を皮膚に塗布する一方で、皮膚の外観に対する審美的に著しい改善をなおも与えることができる。反射率及び中間空間周波数の分析を用いてアーチファクトを検出するための更なる装置及び方法が、例えば、米国特許第8,007,062号、同第9,020,184号、及び同第10,092,082号に記載されており、これらの開示内容を参照により本明細書に援用する。
【0059】
工程212で皮膚アーチファクトが検出された場合、方法は工程214に進む。工程214において、処理構成140は、アプリケータ構成130に、局所用組成物を皮膚の撮像された範囲内で特定されたアーチファクトの場所に塗布するように指示する。工程212において皮膚アーチファクトが検出されない場合、方法200は、皮膚の撮像領域内のいずれの場所にも局所用組成物を塗布せず、方法は工程216に進む。工程216において、装置100は、ユーザによって皮膚の新しいフレーム又は範囲に移動され、プロセスが繰り返される。この運動は、例えば加速度計又は画像分析などの任意の適当な手段によって装置100により検出することができる。次に、方法200は工程204に戻り、上記に述べたのと同じ要領で装置100によって決定されるように皮膚のこの新たな範囲に基準を投影し、撮像し、分析し、選択的に局所用組成物を塗布する。方法200は、例えば、装置100を皮膚から取り外す、又は装置100、特に装置の電源170をオフするなど、任意の適当な動作によって、工程204~216のいずれか1つの前にユーザにより中断及び終了され得る点に留意されたい。
【0060】
当業者であれば、本明細書に記載される例示的な実施形態は、別個のソフトウェアモジュールとして、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして、などの任意の数の形で実施され得る点は理解されよう。例えば、例示的な方法は、非一時的記憶媒体に記憶され、コンパイルされる際に1つ以上のプロセッサコア又は別個のプロセッサによって実行することができるコードのラインを含む1つ以上のプログラムの実施形態であってもよい。一実施形態によるシステムは、複数のプロセッサコアと、複数のプロセッサコア上で実行されて上記に述べた例示的な方法を実行する命令のセットと、を含む。プロセッサコア又は別個のプロセッサは、任意の適当な電子装置、例えば、装置の内部のオンボード処理構成又は装置の外部の処理構成、例えば、装置の少なくとも一部と通信し得る、モバイルコンピューティングデバイス、スマートフォン、コンピューティングタブレット、コンピューティングデバイスなどに組み込まれてもよく、又はそれらと通信してもよい。
【実施例0061】
(実施例I)
実施例Iは、基材(例えば、皮膚)の平坦面から異なる距離で離れて配置された装置内で投影された基準によって案内される化粧品の噴霧とカメラとのアラインメントを示すために与えられる。
図3は、例示的な装置内のプローブ310の例示的な実施形態を示しており、処置される皮膚の範囲の上に装置が配置される際、プローブ310は皮膚と直接接触していない。プローブ310は、少なくとも1つの光学基準332を皮膚の平坦な表面に投影する光学エミッタ330、化粧品342の噴霧を送達するための化粧品アプリケータ340、及びカメラ350を備えている。例示的なプローブ310は、カメラ350のために皮膚を照射する光源355を含んでいる。使用時、例示的なプローブ310は、皮膚の範囲の上に配置することができる。例示として、例えば
図3に、プローブ310と皮膚の平坦な表面との間の短い距離321、中間の距離322、及び長い距離323の異なる大きさの距離が示されている。カメラ350によって撮像され得る例示的な画像400を
図4に示す。
【0062】
図3に示されるように、光学エミッタ330は皮膚に対して角度をなして取り付けられているため、プローブ310から異なる距離で離れて位置する皮膚に投影される光学基準332は、皮膚上の異なる場所で皮膚をマークし、これにより、基準は、プローブ310と皮膚との間の距離に応じて、画像400内の異なる場所で撮像される。例えば、皮膚がプローブ310から短い距離321に位置する場合、投影された基準332は、位置334で皮膚にマークする。皮膚上の位置334のこの基準マークは、カメラにより
図4に示す画像400内のピクセル434において撮像され得る。別の例では、皮膚がプローブ310から中間の距離322に位置する場合、投影された基準332は、位置336で皮膚にマークする。皮膚上の位置336のこの基準マークは、カメラにより画像400内のピクセル436において撮像され得る。更なる例では、皮膚がプローブ310から長い距離323に位置する場合、投影された基準332は、位置338で皮膚にマークする。皮膚上の位置338のこの基準マークは、カメラにより画像400内のピクセル438において撮像され得る。
【0063】
図3に示されるように、例えば、化粧品アプリケータ340によって送達される化粧品342の噴霧は、プローブ310から短い距離321に位置する皮膚の位置344に照準される。別の例として、化粧品342の噴霧は、装置から中間の距離322に位置する皮膚の位置346に照準される。更なる例として、化粧品342の噴霧は、装置から長い距離323に位置する皮膚の位置348に照準される。
図3に示される例示的な実施形態では、化粧品アプリケータ340は、皮膚に対して垂直に配置され、したがって皮膚に対して垂直な方向に化粧品の噴霧を分注する。したがって、皮膚に対して垂直に配置された化粧品アプリケータ340は、プローブ310と皮膚との間の距離にかかわらず、皮膚の2次元表面上の同じ場所に化粧品を分注することになる。しかしながら、化粧品アプリケータ340が皮膚の表面に対して角度をなして配置される場合、化粧品は皮膚上の異なる場所に塗布されることになる。
【0064】
化粧品アプリケータ340は皮膚に対して垂直に配置され、プローブ310と皮膚との間の距離にかかわらず、皮膚の2次元表面上の同じ場所を照準しているが、カメラ350は、化粧品アプリケータ340及び皮膚の表面に対して角度をなして取り付けられており、したがって、プローブ310と皮膚との間の距離に応じて、撮像された画像に歪みを与え得る。カメラ350によって撮像された画像内の更なる歪みは、カメラレンズの歪みに起因し得る。例えば、位置344に塗布された化粧品は、カメラ350により
図4に示される画像400内のピクセル444において撮像され得る。同様に、位置346及び348に塗布された化粧品は、カメラによりそれぞれピクセル446及び448において撮像され得る。
【0065】
(実施例II)
実施例IIでは、カメラ350によって撮像された画像内の領域の、基材がプローブ310から配置される距離による例示的な較正を説明するため、装置座標系360、皮膚フレクセル座標系370、及びピクセル座標系380についてここで説明する。
図3に示される装置座標系360は、プローブ310の3次元的な配置に対応している。
図3に示されるように、カメラ350、光学エミッタ330、及び化粧品アプリケータ340の位置は、この装置座標系360内で固定されている。この装置座標系360は、
図3に示される位置X軸及び高さZ軸、並びに
図3に示されるX-Z平面から垂直に延びる位置Y軸を含んでいる。
図3に示される皮膚フレクセル座標系370は、皮膚の表面にわたった2次元的な配置に対応している。この皮膚フレクセルシステム370は、
図3に示される位置X軸及び位置Y軸を含んでいる。この例では、化粧品アプリケータ340は皮膚に対して垂直に配置されているため、皮膚フレクセル座標系370のX軸及びY軸は、上記に述べた装置座標系360のX軸及びY軸と一致している。
図4に示されるピクセル座標系380は、カメラ350の画像フレームにわたった2次元な配置に対応している。このピクセル座標系380は、カメラ350によって撮像された画像400にわたったピクセルの2次元的な配置に対応する、
図4に示される位置X軸及び位置Y軸を含んでいる。
【0066】
この実施例では、装置は上記実施例Iと同様に配置されているが、代わりに、
図3に示される距離321、322及び323は、基準332について各距離と較正画像内の各領域との間の相関を与えるための較正用基材の基準較正画像を生成するための既知の距離である。格子状案内線(例えば、グラフ用紙)を有する較正用基材を、距離321、322及び323からカメラ350によって撮像して、基準較正画像に対応した経験的基準較正データを生成することができる。実施例Iで上記に述べたように、プローブ310から短い距離321に配置された基材に投影された基準332は、カメラにより画像400内のピクセル434において撮像される。同様に、プローブ310から中間の距離322及び長い距離323に配置された基材に投影された基準332は、カメラによりそれぞれ、画像400内のピクセル436及びピクセル438において撮像される。各基準較正画像に対する較正用基材上の場所は、格子状案内線を使用して決定することができる。したがって、基準332によってマークされた較正用基材上の場所(この例では、装置座標系360のX軸及びY軸とも一致する、皮膚フレクセル座標系370のX軸及びY軸に沿って示される)は、格子状案内線を使用して確認することができる。基準332によってマークされた較正用基材上の場所の高さとプローブ310との間の距離(装置座標系360のZ軸で示される)は、基準較正画像に対応するデータを生成するために用いられる既知の距離(例えば、距離321、322又は323)に対応している。したがって、カメラ350によって撮像された皮膚の範囲の画像についての画像データが、画像400内のピクセル434における基準332を示す場合(ピクセル座標系380のX軸及びY軸に沿って示されるように)、その画像データを経験的基準較正データと比較することで、基準332によってマークされた場所について、装置座標系360のZ軸内の位置を決定することができる。画像400内のピクセルは、必要に応じて、基準332によってマークされた場所について皮膚フレクセル座標系370のX軸及びY軸内の位置に対して更に較正することができる。
【0067】
この例では、経験的基準較正データを生成するために3つの既知の距離が用いられているため、カメラ350によって撮像された基準較正画像内の3つのピクセルが、較正に用いられる3つの既知の距離に対して経験的に較正される。
図5aに示されるように、画像400内の3つのピクセル434、436、及び438は、較正データエントリ434a、436a、及び438aにそれぞれ対応してよく、それぞれ、較正に用いられる既知の距離(例えば、装置座標系360のZ軸内の)と相関させることができる。
図5aに示される数値は、本明細書に記載される基準較正データを例示する目的のためのものであり、任意の特定の測定単位と相関している必要はない。例えば、ピクセル434は、
図5aで装置座標系360のZ軸の値「23」を有するものとして示される短い距離321に対応するデータエントリ434aと相関している。ピクセル436もまた、装置座標系360のZ軸の値「27」を有するものとして示される中間の距離322に対応するデータエントリ436aと相関している。同様に、ピクセル438は、装置座標系360のZ軸の値「31」を有するものとして示される長い距離323に対応するデータエントリ438aと相関している。経験的データは、距離を画像内の各ピクセルと相関させるために補間することもできる。
図5b及び
図5cは、画像400の経験的に較正されたピクセル434、436及び438によって規定される補間線502又はスプラインに沿った更なるピクセルに対する較正データエントリの例示的補間を示す。
図5cは、更なるピクセルに対応する距離を、例えば補間線502又はスプラインに垂直な方向504に補間することで、画像内の各ピクセルと距離を更に相関させ得ることを示す。画像内の各ピクセルについて完全に補間された相関は、記憶媒体内に基準較正データとしてルックアップテーブルの形態で記憶させることができる。あるいは、各値は、一般に線形補間され得るため、例えば、
図5cで丸で囲まれたピクセルのみと距離を相関させる縮小解像度行列を基準較正データとして記憶媒体に記憶させてもよい。
【0068】
この例は、単一の投影された基準332の較正を示しているが、複数の基準を使用して装置座標系360のX軸、Y軸、及びZ軸内のより多くの点について基準較正データを生成し、これを用いて皮膚の形態、例えば傾き及び/又は曲率をマッピングすることができる。各更なる基準は、異なる距離のセットをカメラ350によって撮像された画像内の各ピクセルと相関させるように較正されてもよい。
【0069】
化粧品アプリケータ340もまた、基準332について上記に述べたのと同様の要領で較正することができる。化粧品アプリケータ340は、距離321、322及び323のそれぞれに配置された較正用基材に化粧品組成物を付着させる。基材に塗布された化粧品組成物を有する較正用基材を、カメラ350によりそれぞれの距離から撮像することでアプリケータ較正画像に対応する経験的なアプリケータ較正データが生成される。具体的には、上記実施例Iで述べたように、プローブ310から短い距離321に配置された基材に塗布された化粧品は、カメラ350によりピクセル444において撮像され、プローブ310から中間の距離322に配置された基材に塗布された化粧品はカメラ350によりピクセル446において撮像され、プローブ310から長い距離323に配置された基材に塗布された化粧品はカメラ350によりピクセル448において撮像される。経験的に得られたアプリケータ較正データもまた、基準332について上記に述べたのと同様の要領で、アプリケータ較正画像内の更なるピクセルと距離を相関させる更なるアプリケータ較正データを生成するために補間することができる。
【0070】
(実施例III)
実施例IIIは、アプリケータ340の照準場所に対応する、カメラ350により撮像された画像内の領域を特定するための例示的な方法を示す。
図6は、カメラ350の例示的な画像フレームを示す。
図6の画像フレームは、実施例IIで上記に述べたアプリケータ較正データからの画像400のピクセル444、446及び448と画像フレーム内の同じ位置にあるピクセル444f、446f、及び448fを含んでいる。これらのピクセル444f、446f及び448fを用いて、
図6に示す画像フレーム内に補間スプライン605が規定される。カメラ350はまた、複数の投影された基準によってマークされた特定の形態を有する皮膚の例示的な範囲の例示的な画像を撮像するためにも用いることができる。例えば、基準は、
図6に示す画像フレームのピクセル611、612、613及び614において撮像され得る。
【0071】
図7に示すように、複数の基準によって決定される皮膚の形態(例えば、ピクセル611、612、613及び614で皮膚の画像内で撮像された基準を基準較正データの例示的なセットと比較する)をアプリケータ較正データと比較することで、アプリケータ340の照準場所に対応する、カメラ350により撮像された皮膚の画像内の領域を特定することができる。
図7では、画像フレームの補間スプライン605に沿った各ピクセルは、スプライン620に示されるように、例示的な画像に対応する画像データ及び基準較正データの例示的なセットを使用して決定される、プローブとこの皮膚上の対応する場所の高さとの間の距離に対してマッピングされる。アプリケータ較正データはまた、補間スプライン605に沿った各ピクセル444f、446f、448fを、それぞれ、
図7のデータポイント444i、446i及び448iによって表される、プローブ310と基材との間の距離(例えば、
図2に示される短い距離321、中間の距離322、及び長い距離323に対応する距離測定値321d、322d、323d)と相関させるために補間することもできる。補間スプライン605に対応する距離が、
図7のスプライン610に沿って示されている。
図7に見られるように、スプライン610と620とは、位置630で交差しており、この位置は、
図6に示す画像フレームのピクセル611、612、613及び614において撮像される投影された基準によって決定される形態を有する皮膚の例示的な範囲についてアプリケータ340の照準場所に対応する、
図6の画像フレーム内のスプライン505に沿ったピクセルを表す。
【0072】
(実施例IV)
実施例IVは、市松模様の複数の基準を投影する光学エミッタ110の例示的な実施形態を提供する。詳細には、光学エミッタ110は、基準光源、好ましくは非レーザ光源と、複数の交互に配された正方形を有する市松模様を有するゴボと、を備えてもよく、このゴボを基準光源からの光が通過して、皮膚に市松模様の基準を投影する。市松模様を有するこのゴボは、人間の眼又はその近くで使用するうえでレーザ基準光源よりも安全であると考えられるLED基準光源と共に特に有用である。ゴボは、皮膚の平均的な配向に対して平行又はほぼ平行である保護窓上に投射することができ、それにより、ゴボを通じて皮膚上に投影される基準は、キーストーン歪みを含まないか又は実質的に含まない。本実施形態において、市松模様の基準は、単一の基準光源を使用して皮膚上に複数の基準点を投影するのに特に効率的な方法である。あるいは、光学エミッタ110は、レーザ光源を回折及び/又は位相変化させて市松模様を投影するための複数の異なる表面形状要素を有する位相差ホログラフィックプレートを通じて投影されるレーザ基準光源を備えてもよい。位相差ホログラフィックプレートを通るレーザ基準光源の組み合わせは、集束された、かつ/又は鮮鋭な光学基準を提供し、複数の基準を市松模様で処置表面上、特に、投影されたレーザ基準がレーザ以外の光学基準と比較して増大した安全性リスクを示さない、人の眼から離れた皮膚上に投影するために使用することができる。
【0073】
更に、上記に述べたように、市松模様の基準は、皮膚上で個々に識別可能な基準点として機能し得る市松模様の正方形のそれぞれの角部に区別可能な空間的事象を与えることができ、その例を
図8iに示す。市松模様の基準の正方形のそれぞれの角部のこれらの空間的事象は、レーザ基準光源を使用することなく、鮮鋭な区別可能な基準点を提供することができる。
【0074】
市松模様に投影される基準は、多くの理由から特に有益であり得る。第1に、市松模様を有するゴボは、基準光源からの光の半分を通過させることから、基準光源から放射された光を効率的に利用するパターンを提供する。対照的に、ピンホールの配列を投影するためのパターンを有するゴボは、基準光源から放射された光のより小さな部分を通過させるため、基準光源から放謝された光のほとんどが無駄になり、ピンホールパターン化されたゴボによって利用されない。第2に、市松模様で投影された基準は、点としてではなく線のエッジに沿って検出することができるマークを提供し、これにより、市松模様の基準を使用してマッピングされた位置の正確性及び/又は精度を向上させることができる。市松模様の基準は、線のエッジに沿って検出可能なマークを与えることができ、その線にわたった各点の平均に基づいて位置決定に使用することができ、これにより、皮膚の色又は質感の変化によって生じ得る歪みの量を低減する。市松模様はまた、極性が交互に代わり、それによって基準の可能なエッジバイアスを平均的に打ち消すエッジも含む。第3に、市松模様は、N2個の単一点基準の代わりに2N本の線を有する基準を与えるN×N個のパターンとすることができ、これにより、単一点基準の誤分類の可能性を低減することができる。
【0075】
図8aは、円形偏光子を通じて得られた、コントラストを2倍とした手の皮膚のある範囲の対照画像を示している。
図8b~
図8iは、
図8aからの皮膚の同じ範囲についての異なるシミュレート画像を示し、市松模様は緑色光で皮膚に投影され、また、同じ市松模様が赤色光で重ね合わされている。異なる条件下の市松模様の基準を示すため、異なる方法で処理された市松模様の基準を
図8b~
図8iに示す。
【0076】
上記で述べたように、検出器構成120からの画像データは、処理された画像データ内の基準を鮮鋭化するように、かつ/又は処理された画像データが分析されて皮膚の範囲の形態を決定する前に画像データから干渉するバックグラウンドノイズを除去するように、様々な条件下で更に調整、操作、又は処理することができる。詳細には、市松模様の基準によってマークされた画像において、市松模様の基準の正方形の角部のそれぞれの基準点を鮮鋭化して、画像内のこれらの基準点の場所の特定の精度を改善するため、画像データを更に操作及び/又は処理することができる。例えば、基準でマークされた皮膚の範囲の画像に対応する画像データを、基準マーキングなしで撮像された範囲の画像に対応する画像データの第2のセットを使用して標準化することができる。いくつかの実施形態では、画像データの第2のセットは、異なる照明条件下で取得することができる。1つの例では、画像データは、1つの色チャネルを使用して取得することができ、画像データの第2のセットは、異なる色チャネルを使用して取得することができる。画像データの第2のセットは、画像全体、又は画像の特定の成分、例えば、画像のガンマ輝度などに対応してもよい。画像データは、画像データの第2のセットで割った画像データのピクセル分割によって、画像データの第2のセットにより標準化することで、処理済みの画像データの新たなセットを生成することができる。この画像データに対するこの更なる調整(例えば、画像データの第2のセットを使用した標準化)は、LED及び/又はレーザを含む任意の適当な基準光源から形成された市松模様の基準によってマークされた画像に対応する画像データに適用され得る点に留意されたい。
【0077】
図8dに示される例示的な実施形態では、赤色チャネル内のセンサによって撮像された皮膚の画像である
図8cの例示的な画像データが、緑色チャネル内で撮像された皮膚の画像に対応するデータによって標準化されることで、皮膚の色及び質感の変化によって生じる市松模様の基準の歪みが低減されている。歪みは、皮膚の色又は質感のむらによって生じ得る。詳細には、皮膚は、色のむらがある場合があり、光が暗い領域から拡散する際、投影された基準(例えば、基準の広がり及び/又はぼやけ)に歪みを引き起こし得る、高い濃度のメラニンを有する異なる暗い領域を含み得る。歪みは、暗い領域を有する皮膚の領域の画像内で撮像された基準の正確な位置決めを特定する際の誤差に寄与する。異なる色チャネルを使用して得られた画像データの第2のセットを用いて画像データを標準化することにより、肌の色及び質感の変化によって生じる基準の歪みを低減することができる。より詳細には、皮膚の変化は赤色光よりも緑色光下でより視覚的に見えやすい傾向があるため、撮像されたデータは、例えば、約0.6~約1.0の緑色チャネルのバイアス電力により、赤色チャネルに向かうバイアスを用いて標準化することができる。代替的な一実施形態では、基準は青色光で投影されてもよく、赤色チャネルに向かうバイアス電力は約1.0であってよい。
図8dに示される例示的な画像は、0.6の緑色チャネルのバイアス電力を使用して標準化されている。
図9a~
図9cは、それぞれ、拡大された倍率の
図8c~
図8eの画像のより詳細な図を示す。これらの例示的な画像で見ることができるように、
図8d及び
図9bの標準化画像は、より鮮鋭な画像、詳細には、市松模様の基準のエッジのより鮮明な画像を示している。標準化プロセスについては市松模様の基準を用いて上記に述べたが、標準化プロセスは、任意の種類の投影された基準と共に用いて皮膚の色及び質感の変化によって生じる基準の歪みを低減することができる点は想到される。
【0078】
市松模様の基準を含む皮膚の画像に対応する画像データは、上記で述べたように標準化し、市松模様の正方形のそれぞれの角部に対応する個々の基準点を特定するように更に処理することができる。市松模様の基準の垂直成分は、例えば、
図8gに示される画像におけるように、画像から分離することができる。同様に、市松模様の基準の水平成分は、例えば、
図8hに示される画像におけるように、画像から取得することができる。これらの垂直成分と水平成分との交点によって、
図8iに見られるように、市松模様の正方形のそれぞれの角部に対応する個々の基準点が明らかとなる。市松模様の基準の正方形のそれぞれの角部の基準点は、上記で述べたように皮膚の範囲の形態を識別するための別々の基準マークとしてそれぞれ使用することができる。
【0079】
実施例I~IVは、化粧品アプリケータからの化粧品噴霧のアラインメントに関して説明されているが、局所用組成物アプリケータからの他の任意の局所噴霧(例えば、皮膚の外観及び/又は健康状態を改善するための皮膚処置用組成物)も、これらの実施例で上記に述べたのと同様にして整列させることができる。
【0080】
本明細書に開示される特定の実施形態は本発明のいくつかの態様の例示を目的としたものであるため、本明細書に記載され、特許請求される発明はこれらの実施形態によって範囲を限定されない。あらゆる同等の実施形態は、本発明の範囲内に含まれるものとする。実際、本明細書で示し、記載したものに加えて、本発明の様々な改変が上記の記載より当業者に明らかとなろう。そのような改変もまた、付属の特許請求の範囲内に含まれるものとする。本明細書に引用されるすべての文献は、参照によりそれらの全容を援用する。
【0081】
〔実施の態様〕
(1) ユーザの処置表面に組成物を塗布するための方法であって、
光学エミッタによって、複数の基準を前記処置表面に投影することと、
検出器構成によって、前記基準でマークされた前記処置表面のある範囲の画像に対応する画像データを取得することと、
処理構成によって、前記画像データを分析して前記画像内に撮像された前記基準に基づいて前記処置表面の前記範囲の形態を決定することと、
前記処理構成によって、アプリケータ構成により前記組成物を塗布するために照準される、前記処置表面の前記範囲内のある場所に対応する前記画像内のある領域を特定することであって、前記領域は、前記処置表面の前記範囲の前記形態に基づいて特定される、特定することと、
前記処理構成によって前記画像データを分析して前記画像内の特定された前記領域がアーチファクトに対応するか否かを判定することと、
前記アーチファクトが前記特定された領域から検出された場合、アプリケータ構成によって前記組成物を前記処置表面の前記範囲内の前記場所に選択的に塗布することと、を含む、方法。
(2) 前記処置表面が、前記ユーザの顔の皮膚である、実施態様1に記載の方法。
(3) 少なくとも3つの基準が前記処置表面に投影される、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記複数の基準が市松模様を形成している、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記処置表面の前記範囲の前記形態が、前記市松模様の角部に対応する複数の基準点を用いて決定される、実施態様4に記載の方法。
【0082】
(6) 前記形態が、前記画像データを分析して、各基準について、前記光学エミッタと各基準によってマークされた前記処置表面上の位置の高さとの間の距離を決定することによって決定される、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記距離が、前記画像データを分析して前記画像内の各基準の基準位置を較正データと比較することによって決定され、前記較正データは、前記検出器構成によって撮像された較正用基材の較正画像内の領域を、前記光学エミッタと前記較正用基材との間の距離と相関させる、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記形態が、前記処置表面の前記範囲の曲率及び傾きのうちの少なくとも一方を含む、実施態様6に記載の方法。
(9) 前記処理構成が、前記画像内で検出された前記処置表面の反射率に基づいて、前記特定された領域が前記アーチファクトに対応するか否かを判定する、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記組成物が、反射率調整剤を含む化粧品組成物である、実施態様1に記載の方法。
【0083】
(11) 前記組成物が、皮膚状態を処置するための有効成分を含む、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記分析する工程が、前記画像内に撮像された前記基準の歪みに対応するデータを低減するように前記画像データを調整することと、処理された前記画像データを使用して、前記画像内に撮像された前記基準に基づいて、前記処置表面の前記範囲の形態を決定することと、を含む、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記画像データが、前記検出器構成によって取得された前記処置表面の前記範囲の第2の画像の少なくとも1つの成分に対応する画像データの第2のセットを使用して調整され、前記第2の画像は、前記基準でマークされていない、実施態様12に記載の方法。
(14) 処置表面に組成物を塗布するためのハンドヘルド装置であって、
複数の基準を前記処置表面に投影するように構成された光学エミッタと、
前記基準でマークされた前記処置表面のある範囲の画像に対応する画像データを取得するように構成された検出器構成と、
前記処置表面の前記範囲内のある場所に前記組成物を塗布するように構成されたアプリケータ構成と、
処理構成であって、前記検出器構成から前記画像データを受信することと、前記画像データを分析して前記画像内に撮像された前記基準に基づいて前記処置表面の前記範囲の形態を決定することと、前記アプリケータ構成が前記組成物を塗布するように構成された前記場所に対応する前記画像内の領域を特定することであって、前記領域は、前記処置表面の前記範囲の前記形態に基づいて特定される、特定することと、前記画像データを分析して、特定された前記領域がアーチファクトに対応するか否かを判定することと、前記アーチファクトが前記特定された領域から検出された場合、前記組成物を前記場所に選択的に塗布するように前記アプリケータ構成に指示することと、を行うように構成された処理構成と、を含む、ハンドヘルド装置。
(15) 前記複数の基準が、少なくとも3つの基準を含む、実施態様14に記載のハンドヘルド装置。
【0084】
(16) 前記少なくとも1つの光学エミッタが、基準光源と、前記基準光源からの光が通過して前記複数の基準を前記処置表面の前記範囲に投影するテンプレートと、を含む、実施態様14に記載のハンドヘルド装置。
(17) 前記複数の基準が市松模様を形成している、実施態様14に記載のハンドヘルド装置。
(18) 前記検出器構成が、前記処置表面の前記範囲に光を送達するための少なくとも1つの光源と、前記処置表面の前記範囲から前記光及び投影された前記基準を検出して前記画像データを取得するための少なくとも1つのセンサと、を備える、実施態様14に記載のハンドヘルド装置。
(19) 前記アプリケータ構成が、加圧リザーバから前記組成物を付着させて、前記処置表面上に前記組成物の薄層を形成するように構成されたノズルを含む、実施態様14に記載のハンドヘルド装置。
(20) 前記組成物が、反射率調整剤及び皮膚状態を処置するための有効成分のうちの少なくとも1つを含む、実施態様14に記載のハンドヘルド装置。
【0085】
(21) 前記処理構成が、前記画像データを分析して、各基準について、前記光学エミッタと各基準によってマークされた前記処置表面上の位置の高さとの間の距離を決定することによって前記形態を決定する、実施態様14に記載のハンドヘルド装置。
(22) 較正データを記憶するように構成されたコンピュータアクセス可能媒体を更に備え、前記較正データが、前記検出器構成によって撮像された較正用基材の較正画像内の領域を、前記光学エミッタと前記較正用基材との間の距離と相関させ、前記処理構成は、前記画像内の各基準の基準位置を前記較正データと比較することによって、前記光学エミッタと、各基準によってマークされた前記処置表面上の前記位置の前記高さとの間の前記距離を決定する、実施態様21に記載のハンドヘルド装置。
(23) 前記形態が、前記処置表面の前記範囲の曲率及び傾きのうちの少なくとも一方を含む、実施態様14に記載のハンドヘルド装置。
(24) 前記処理構成は、前記画像内で検出された前記処置表面の反射率に基づいて、前記画像内の前記領域が前記アーチファクトを含むか否かを判定する、実施態様14に記載のハンドヘルド装置。