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特開2024-120049通信方法、対応するシステム、装置、信号及び乗物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120049
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】通信方法、対応するシステム、装置、信号及び乗物
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/40 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
H04L12/40 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024099746
(22)【出願日】2024-06-20
(62)【分割の表示】P 2022185693の分割
【原出願日】2019-03-25
(31)【優先権主張番号】102018000003980
(32)【優先日】2018-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519105795
【氏名又は名称】エスティーマイクロエレクトロニクス アプリケーション ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】STMicroelectronics Application GmbH
(71)【出願人】
【識別番号】519105809
【氏名又は名称】エスティーマイクロエレクトロニクス デザイン アンド アプリケーション エス.アール.オー.
【氏名又は名称原語表記】STMicroelectronics Design and Application s.r.o.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】フレッド レーニング
(72)【発明者】
【氏名】ルデク ベラン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高データレート乗物ネットワークの実現などを容易化させる方法、システム及び装置を提供する。
【解決手段】乗物第Vにおいて、第1装置10と一組の第2装置20とをバス30を介して結合し、一組の第2装置による実行のための動作を表す第1メッセージ及び予期されている反応期間内に該第1装置に対して夫々の反応を要求する第2装置のを識別する識別子を伝達する該第2メッセージを送信し、且つ、第2装置に、第1装置から送信される第1メッセージをバス上で受信し、一組の動作データメッセージ部分における夫々の動作データメッセージ部分を読み取り、且つ、読み取った該夫々の動作データメッセージ部分の関数として夫々の動作を実行し、第1装置から送信される第2メッセージを受信し、且つ、第1装置へ向けて反応メッセージを送信させることにより夫々の予期されている反応期間内に第2メッセージに関して反応させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1装置(10)と一組の第2装置(20,20,...,20)とをバス(3
0)を介して結合し、
該第1装置(10)をマスタ装置として構成して該バス(30)上を、
a)該一組の第2装置(20,20,...,20)における第2装置による
実行のための動作を表す一組の動作データメッセージ部分を担持しており該第2装置から
の応答を必要とするものではない第1メッセージ、及び
b)該一組の第2装置(20,20,...,20)における第2装置へアド
レスする第2メッセージであって、該第2メッセージがアドレスされて予期されている応
答期間内に該第1装置(10)に対して応答を要求する該第2装置(20,20,.
..,20)の内の一つを識別する識別子を伝達しアドレスされた該第2装置(20
)のみからの応答をトリガーする該第2メッセージ、
を送信し、及び
該第2装置(20,20,...,20)をスレーブ装置として構成して、
c)マスタ装置として構成されている該第1装置(10)から送信される該第1メッ
セージを該バス(30)上で受信し、前記一組の動作データメッセージ部分における夫々
の動作データメッセージ部分を読み取り、且つ読み取った該夫々の動作データメッセージ
部分の関数として夫々の動作を実行し、
d)マスタ装置として構成されている該第1装置(10)から送信される該第2メッ
セージを該バス(30)上で受信し且つマスタ装置として構成されている該第1装置(1
0)へ向けて反応メッセージを該バス(30)上を送信させることにより前記予期されて
いる応答期間内に該第2メッセージに関して応答させる、
ことを包含しており、
該第1装置(10)をマスタ装置として構成することが、前記第1メッセージ及び前記
第2メッセージをCAN FDフォーマットでエンコードさせ且つ前記第1メッセージ及
び前記第2メッセージを該バス(30)上で送信するためのプロトコル制御回路(106
2)を構成することを包含しており、及び該第2装置(20,20,...,20
)をスレーブ装置として構成することが、前記反応メッセージをCAN FDフォーマッ
トでエンコードさせ、前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを受信し、且つ前記反
応メッセージを該バス(30)上を送信するための夫々の通信及びプロトコル制御回路(
201)を構成することを包含している、
方法。
【請求項2】
マスタ装置として構成されている該第1装置(10)が、マスタ装置として構成されて
いる該第1装置(10)から該バス(30)上を送信される該第1メッセージ内のどの動
作データメッセージ部分がスレーブ装置として構成されている該第2装置(20,20
,...,20)の夫々のものに対して専用であるかを表す初期化データを有する初
期化メッセージを該バス(30)上を送信し、
スレーブ装置として構成されている該第2装置(20,20,...,20)が
、マスタ装置として構成されている該第1装置(10)から該バス(30)上を送信され
る該初期化メッセージを受信し且つ前記一組の動作データメッセージ部分においてそれに
対して専用とされている夫々の動作データメッセージ部分を読み取るために前記初期化デ
ータの関数として初期化を行い、
前記初期化メッセージがCAN FDフォーマットに従ってエンコードされている、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
スレーブ装置として構成されている該一組の第2装置(20,20,...,20
)における前記第2装置を複数の第2装置の複数のサブセットに配置させることを包含
しており、その場合にマスタ装置として構成されている該第1装置(10)は該第1動作
メッセージが専用とされている前記第2装置の該サブセットを識別するサブセット識別イ
ンデックスを有している第1メッセージを該バス(30)上を送信する、
請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
マスタ装置として構成されている該第1装置(10)が一定のレートで該バス(30)
上を前記第1メッセージを送信する、
請求項1乃至3の内のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
該一組の第2装置(20,20,...,20)における第2装置が夫々のウオ
ッチドッグタイマーの満了の結果としてフェイルセーフモードにスイッチする、
請求項1乃至4の内のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
該一組の第2装置(20,20,...,20)における第2装置が、マスタ装
置として構成されている該第1装置(10)から、前記第1メッセージ及び前記第2メッ
セージの内から選択されるメッセージを受信することの結果として、前記夫々のウオッチ
ドッグタイマーをリセットさせる、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
該第1装置(10)が、
該一組の第2装置(20,20,...,20)における第2装置から要求さ
れる夫々の反応が前記予期されている反応期間内に該第1装置(10)へ到達しないこと
に対して感応し、及び/又は
該一組の第2装置(20,20,...,20)における第2装置からの夫々
の反応が前記予期されている反応期間内に該第1装置(10)へ到達しないことを表す夫
々のウオッチドッグエラー信号をトリガする、
請求項1乃至6の内のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記バス(30)が差動配線バスを有している、
請求項1乃至7に記載の方法。
【請求項9】
第1装置(10)とバス(30)を介して結合されている一組の第2装置(20,2
,...,20)とを有しており、該第1装置(10)及び該第2装置(20
20,...,20)が、夫々、マスタ装置及びスレーブ装置として構成されており
、該マスタ装置及び該スレーブ装置が請求項1乃至8の内のいずれか1項に記載の方法で
動作すべく構成されており、
該第1装置(10)が、前記第1メッセージ及び前記第2メッセージをCAN FDフ
ォーマットでエンコードさせ且つ前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを該バス(
30)上を送信させる構成とされているプロトコル制御回路(1062)を包含しており
、及び該第2装置(20,20,...,20)が、前記反応メッセージをCAN
FDフォーマットでエンコードさせ、前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを受
信し、且つ前記反応メッセージを該バス(30)上を送信させる構成とされている夫々の
通信及びプロトコル制御回路(201)を包含している、
システム。
【請求項10】
バス(30)を介して一組の第2装置(20,20,...,20)へ第1装置
として結合させる装置(10)において、該第1装置は該バス上を、
該一組の第2装置(20,20,...,20)における第2装置による実行の
ための動作を表す一組の動作データメッセージ部分を担持しており、該第2装置からの応
答を必要とすることの無い第1メッセージ、及び
該一組の第2装置(20,20,...,20)における第2装置に対してアド
レスされている第2メッセージであって、予期されている反応期間内に該第1装置(10
)に対して夫々の反応を要求し、該第2メッセージがアドレスされる該第2装置(20
,20,...,20)のものを識別する識別子を伝達し、アドレスされた第2装置
(20)のみからの応答とトリガーさせる該第2メッセージ、
を送信させる構成とされているプロトコル制御回路(1062)を包含しており、
前記第1メッセージ及び前記第2メッセージがCAN FDフォーマットでエンコード
されている、
装置(10)。
【請求項11】
該装置は、
該一組の第2装置(20,20,...,20)における第2装置から要求さ
れる夫々の反応が前記夫々の予期されている反応期間内に該第1装置(10)へ到達しな
いことに感応し、及び/又は
該一組の第2装置(20,20,...,20)における第2装置からの夫々
の反応が前記予期されている反応期間内に該第1装置(10)へ到達しないことを表す夫
々のウオッチドッグエラー信号をトリガさせる構成とされている、
請求項10に記載の装置(10)。
【請求項12】
バス(30)を介して第1装置(10)へ結合されている一組の第2装置(20,2
,...,20)内に包含させるための装置(20)において、該装置が、
該一組の第2装置(20,20,...,20)における第2装置による実行
のための動作を表している一組の動作データメッセージ部分を担持しており該第2装置か
らの応答を必要とすることの無い第1メッセージを該バス(30)上で受信し、前記一組
の動作データメッセージ部分における少なくとも一つの夫々の動作データメッセージ部分
を読み取り、且つ読み取った該少なくとも一つの夫々の動作データメッセージ部分の関数
として少なくとも一つの夫々の動作を実行し、
前記第2メッセージがアドレスされる該第2装置(20,20,...,20
)の内の該一つとして該装置を識別する識別子を担持する第2メッセージであって予期さ
れている反応期間内に該第1装置(10)に対する夫々の反応を該装置から要求しアドレ
スされた第2装置(20)のみからの応答をトリガーする第2メッセージを該バス(3
0)上で受信し、且つ前記予期されている反応期間内にそれについて反応する、
構成とされている通信及びプロトコル制御回路(201)を包含しており、
前記装置からの反応メッセージがマスタ装置として構成されている該第1装置(10)
へ向けて該バス(30)上を送信され、
前記第1メッセージ及び前記第2メッセージがCAN FDフォーマットでエンコード
されている、
装置(20)。
【請求項13】
夫々のウオッチドッグタイマーの満了の結果としてフェイルセーフ状態へスイッチする
構成とされている請求項12に記載の装置(20)。
【請求項14】
前記バス(30)を介して前記第1装置(10)から受信したメッセージの結果として
前記夫々のウオッチドッグタイマーをリセットさせる構成とされている請求項13に記載
の装置(20)。
【請求項15】
前記通信及びプロトコル制御回路(201)が、その中に実現されている応用特定ハー
ドウエアを包含している請求項12乃至14の内のいずれか1項に記載の装置(20
【請求項16】
好適には乗物ライトドライバ(20,20,...,20)であるライト照射供
給源ドライバを有している請求項12乃至15の内のいずれか1項に記載の装置(20
)。
【請求項17】
請求項9に基づくシステムを具備している乗物(V)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車適用例において使用するための、バスサポート型通信に関する
ものである。
【0002】
例えば、一つ又はそれ以上の実施例は乗物のライト(例えば、前部ライト、後部ライト
、室内ライト)の電子制御ユニット(ECU)と対応するライティングモジュール(例え
ば、LEDライトモジュール)との間の通信へ適用させることが可能である。
【背景技術】
【0003】
例えば自動車分野においての種々の適用例は、一つ又はそれ以上のバスネットワーク上
でのデータの交換が関与する。高データレート、堅牢性、欠陥検知、安全性、及び低コス
トがこの様な適用例に対して望ましい特徴である。
【0004】
既存の高データレート(例えば、1Mb/s)の標準化された乗物通信システムは、外
部部品を使用する複雑且つ正確なプロトコル制御器が関与する場合がある。これらは高価
なものとなる場合があり、特に単一チップアナログ/バイポーラ応用特定集積回路(AS
IC)及び/又は応用特定標準製品(ASSP)として実現される場合にはそうである。
【0005】
乗物のライト(例えば、前部ライト、後部ライト、室内ライト)は益々洗練化され且つ
分散化(例えば、マトリックスLED,アンビエントLED)されてきている。この様な
洗練化され且つ分散化されたシステムを制御することは、高データレート制御が関与する
場合がある。更に、特に前部及び後部のライティングシステムに対しては、オートモーテ
ィブグレイドの安全性と堅牢性とが望ましい。
【0006】
LEDドライバは、例えばバイポーラ-CMOS-DMOS(BCD)技術などの単一
チップ技術を使用する場合には、費用効率的である場合がある。そうでない場合には、例
えばBCD技術を使用する高データレートプロトコル制御器は高価なものであり且つ正確
なクロック供給源(クリスタル)に依存するものとなる。
【0007】
堅牢性を容易とさせるためにクロック信号及びデータ信号に対して差動配線を採用する
ことが可能であるが、そのことはワイヤ「ハーネス」コストを増加させる場合がある。
【0008】
従って、例えばLEDマトリクスなどの分散型照明光源を駆動するために乗物における
通信ネットワークの増加する複雑性は、生産コストを増加させることとなる場合があり、
そのことは自動車業界におけるビジネスモデルと殆ど適合性のないものである場合がある
【0009】
一つ又はそれ以上の実施例は、例えば、CAN(コントローラエリアネットワーク)バ
スに対して適用可能である。これは、ホストコンピュータ無しで、乗物に搭載されている
装置と例えばマイクロコントローラとの間の通信を容易化させることが可能な公知の取り
決めである。CANバスの動作は、例えばISO11898-2:2015及びISO1
1898-2:2016等のスタンダードにおいて取り扱われているようにメッセージに
基づくプロトコルに基づくものとすることが可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】ISO11898-2:2015及びISO11898-2:2016
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この分野における広範な活動にも拘わらず、更に改良された解決手段が望まれている。
【0012】
例えば、堅牢性、欠陥検知、及び安全性の観点で自動車の条件に適合する分散型LED
光源を駆動するための費用効果的な高データレート乗物ネットワークを実現することなど
を容易化させることが可能な解決手段が望まれている。同様の解決手段は、又、例えば、
生産オートメーションシステム等における実施のための高データレートネットワークの実
現化を容易化させることが可能である場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一つ又はそれ以上の実施例の一つの目的はこのような改良された解決手段を提供するこ
とに貢献することである。
【0014】
一つ又はそれ以上の実施例によれば、この様な目的は以下の特許請求の範囲に記載され
る特徴を具備する方法によって達成させることが可能である。
【0015】
一つ又はそれ以上の実施例は、対応するシステムに関連する場合がある。
【0016】
一つ又はそれ以上の実施例は、例えば一緒に動作することが意図されている送信機と受
信機(インターフェース)等の対応する装置に関連する場合がある。
【0017】
一つ又はそれ以上の実施例は、対応する信号に関連する場合がある。
【0018】
一つ又はそれ以上の実施例は、例えば自動車等の動力車等の対応する乗物に関連する場
合がある。
【0019】
特許請求の範囲は、実施例に関連して本書で提供される技術的教えの一体的な部分であ
る。
【0020】
一つ又はそれ以上の実施例は、例えば電子制御装置(ECU)とLEDライトモジュー
ル等のライティングモジュールとの間の通信用の通信ネットワークを実現するために適切
なハードウエア解決手段を提供することが可能である。
【0021】
一つ又はそれ以上の実施例は、自動車適用例において使用することが可能なマスタ-ス
レーブ通信バスインターフェースを実現することが可能である。
【0022】
自動車適用例において使用するためのこの様な通信バスインターフェースは、乗物にお
けるライトモジュール(「CAN FD ライト」)を駆動するための標準化されている
CAN FD(フレキシブルデータレート)プロトコルに依存することが可能である。
【0023】
一つ又はそれ以上の実施例は、例えばオートメーションシステム等の非自動車適用例に
おいて使用するための標準化CAN FDネットワーク以外のネットワーク技術に依存す
ることが可能である。
【0024】
例えば、一つ又はそれ以上の実施例は差動バス配線を使用することが可能であり且つ同
期目的のための定義されたエッジ密度(例えば、各10個のビットに対しての一つのリセ
ッシブからドミナントへのエッジ)を提供することが可能である。
【0025】
一つ又はそれ以上の実施例は、安全性の理由のために巡回冗長検査(CRC)及びエラ
ーチェックを実施することが可能である。
【0026】
一つ又はそれ以上の実施例において、データ交換はマスタ-スレーブスキームに依存す
ることが可能であり、その場合には、スレーブである「サテライト」はマスタ装置からの
要求に依存して(のみ)で通信バスを介してデータを送信する。この様な動作スキームは
、通常動作が衝突を回避することを意図することが可能である場合には、衝突をエラーと
して処置する衝突解決特徴が関与しない場合がある。
【0027】
一つ又はそれ以上の実施例において、通信バスの通常動作は、マスタがスレーブへ(定
期的に)データを送信することに関与する場合がある。この様な(定期的な)データスト
リームは、一種のネットワーク「ハートビート」又はウオッチドッグとしてスレーブによ
って使用することが可能である。定義されている時間スロット内に定期的なデータストリ
ームが受信されない場合には、スレーブはフェイルセーフ(又はリンプホーム)モードに
入ることが可能である。
【0028】
一つ又はそれ以上の実施例において、スレーブからの診断データ等のデータは、例えば
専用のコマンドフレームを使用することにより、マスタにより要求することが可能である
。或るアドレスされたスレーブはこの様な要求に対して或る時間フレーム内に反応するこ
とが可能である。この様な反応はスレーブの利用可能性を検出するためにマスタによって
使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施例の可能な実現例の概略図。
図2】実施例におけるマスタ装置の可能な実現例の概略図。
図3】実施例におけるスレーブ装置の可能な実現例の概略図。
図4】実施例の可能な動作の例示的概略図。
図5】「ブロードキャスト」フレームを管理する実施例の可能な動作の例示的ブロック図。
図6】「診断」フレームを管理する実施例の可能な動作の例示的ブロック図。
図7】「エラー」フレームを管理する実施例の可能な動作の例示的ブロック図。
図8】実施例におけるマスタ通信サイクルの可能な実現例の例示的ブロック図。
図9】実施例におけるスレーブ通信サイクルの可能な実現例の例示的ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の記載において、この記載の実施例の例示の深い理解を与えることを目的として一
つ又はそれ以上の特定の詳細が例示される。実施例は、その特定の詳細の内の一つ又はそ
れ以上無しで、又はその他の方法、部品、物質等と共に、実現することが可能である。そ
の他の場合には、実施例の或る側面がぼやかされることがないように、公知の構造、物質
、又は動作は詳細には例示するか又は記載するものではない。
【0031】
本記載の枠組みにおいての「一つの実施例」又は「1個の実施例」との言及は、その実
施例に関連して記載される特定の形態、構造、又は特性が少なくとも一つの実施例におい
て構成されていることを表すことを意図している。従って、本記載の一つ又はそれ以上の
ポイントにおいて存在することのある「一つの実施例において」又は「1個の実施例にお
いて」という表現は必ずしも一つ且つ同一の実施例を言及するものではない。更に、特定
の形態、構造、又は特性は、一つ又はそれ以上の実施例において任意の適宜の態様で結合
させることが可能である。
【0032】
本書において使用されている文献は単に便宜上提供されているに過ぎず、保護範囲又は
実施例の範囲を定義するものではない。
【0033】
注記した如く、一つ又はそれ以上の実施例は、自動車適用例において使用することが可
能な「堅牢な」マスタ-スレーブバスインターフェースを提供することを意図している場
合がある。
【0034】
一つ又はそれ以上の実施例は、標準化されているCAN FD物理的インターフェース
及びプロトコルに依存することが可能であり且つ同期目的のために或るエッジ密度を提供
しながら差動バス配線を使用することが可能である。
【0035】
一つ又はそれ以上の実施例は、安全性順守のために循環冗長検査(CRC)及びエラー
チェックを実現することが可能である。
【0036】
図1の図面は構成の例示的概略図であり、そこでは、第1装置10と例えば乗物Vに搭
載されている一組の第2装置20,20,...,20,とがバス30を介して結
合されている。例えば、バス30は差動バスとすることが可能である。CANバスはこの
様な可能な差動バスの一例である。
【0037】
図1に例示されるようなこの様な構成において、第1装置10は一組の動作データメッ
セージ部分を担持する「第1」メッセージをバス30上を送信し、且つ該一組の第2装置
20,20,...,20における夫々の第2装置は該第1メッセージ中において
それらにアドレスされているそれぞれの動作データメッセージ部分を識別して夫々の動作
を実行することによってそれらに反応する。
【0038】
図1に例示されている如く、一つ又はそれ以上の実施例は、例えばLEDクラスタ(例
えば乗物の複数のライト)を駆動するために、ローカル通信バスネットワークへ適用する
ことが可能である。この様なバスネットワークが標準CAN FDネットワークと適合性
がある場合には、それらは本書においては「CAN FDライト」ネットワークとして言
及される。
【0039】
そうでない場合には、この様な可能な適用例に対する言及は単に例示的な目的のための
みであって、実施例を制限するものとして解釈されるべきものではない(間接的にであっ
ても)ことが理解される。
【0040】
例えば、図1に例示されているような通信システムは、乗物の前部ライト即ち前灯及び
/又は車内ライト即ち室内灯用のドライバと共に使用することも適切である場合がある。
【0041】
それらがマスタ-スレーブアーキテクチャに依存することが可能である限り、任意のそ
の他のタイプのECU及びドライバ(必ずしも乗物内であることはない)と共に使用する
ために同様の通信システムが適している場合がある。
【0042】
図1は、マスタ装置10、例えば乗物における後部ライトにおけるLEDクラスタ用の
電子制御ユニット(ECU)、を有する実施例に基づくシステムの例である。
【0043】
再度強調しておくが、この様な可能な適用例に対する参照は単に例示目的のためであっ
て、実施例を制限するものとして解釈されるべきものではない(例え間接的にであっても
)。
【0044】
一つ又はそれ以上の実施例は、複数個の「サテライト」即ちスレーブ装置20,20
,...,20、例えば通信バス30を介して該マスタ装置と通信する(リニア)L
ED駆動回路、を包含することが可能である。
【0045】
一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ装置10及びスレーブ装置20,20
,...,20の両方に電源40、例えば乗物内に設けられているバッテリ、から電力
を供給させることが可能である。
【0046】
一つ又はそれ以上の実施例において、該マスタ装置10及びスレーブ装置20,20
,...,20を異なるグラウンド即ち接地へ参照させることが可能である。
【0047】
図1に例示されている如きマスタ装置10は、以下の部品、即ち、
-メイン(例えば、「バック」)コンバータ101、
-オプションの(例えば、再度「バック」)コンバータ102、
-低ドロップアウト(LDO)リニア電圧レギュレータ、スタンドバイ、リセット及
びウィンドウ、及びウオッチドッグ回路ブロック103、
-電圧スーパーバイザ、電力良好、オシレータ及びイネーブル回路ブロック104、
-マイクロコントローラ106、
該乗物内に搭載されている可能性のあるその他のECUと通信するためのトランシー
バ回路105(例えば、LIN2.2/HS-CANトランシーバ)、及び、
-該乗物内に設けられているその他のECUと通信するためにトランシーバ105へ
接続されている外部通信バス107に対するアクセスポイント、
の内の一つ又はそれ以上を有することが可能である。
【0048】
一つ又はそれ以上の実施例において、マイクロコントローラ106はメインコンバータ
101から及び/又はオプションのコンバータ102から供給させることが可能である。
マイクロコントローラ106は回路ブロック103と及びトランシーバ105と結合させ
ることが可能であり、且つ通信バス30との通信及び/又は共同作業のために適合させる
ことが可能である。
【0049】
以下に説明する側面に対するもの以外、マスタ装置10に対するこの様なアーキテクチ
ャは従来技術であり、従って本書においてより一層詳細な説明を提供することを不必要と
している。
【0050】
一つ又はそれ以上の実施例において、装置10の「マスタ」機能性は、マイクロコント
ローラ106及びCAN FDトランシーバ(図1には示されていない)内に埋め込まれ
ているプロトコルコントローラを使用して実現させることが可能である。
【0051】
例えば、本書において例示されているような一つ又はそれ以上の実施例において、マス
タ10はバス通信を取り扱うマイクロコントローラ(μC)である。この様なマイクロコ
ントローラは、ソフトウエアの介入無しでCAN FDプロトコルを取り扱うことが可能
な埋込型CAN FDプロトコルコントローラを使用することが可能である。このことは
、マイクロコントローラコアの資源を占有することとなり且つ不所望に遅いこととなる場
合があるようなSWを介して異なるコントローラを稼働させることと比較して望ましい選
択である場合がある。従って、一つ又はそれ以上の実施例は、CAN FDメッセージを
送信し且つそれらのコンテントをソフトウエアで制御することで既存のハードウエアプロ
トコルコントローラを再使用することを容易化させる。
【0052】
一つ又はそれ以上の実施例において、スレーブ装置20はBCD技術を使用するLED
ドライバとして実現させることが可能である。
【0053】
一つ又はそれ以上の実施例において、通信バス30上のデータ交換はマスタ-スレーブ
スキームに依存することが可能であり、その場合に、スレーブ20,20,...,
20は、マスタ装置10からの要求があると、通信バス30(のみ)を介してデータを
送信することが可能である。
【0054】
注記したように、一つ又はそれ以上の実施例において、
-この様な動作スキームは、通常動作が衝突を回避することを意図することが可能であ
る限り、衝突をエラーとして処理することで、衝突解消特徴が関与するものではない場合
があり、
-通信バス30の通常動作は、マスタ10がスレーブ20,20,...,20
へデータを定期的に(即ち、定義されている時間間隔で)送信し、この様なデータは(全
ての)スレーブ20,20,...,20によって受信されるということが関与す
る場合がある。この様な定期的なデータストリームは該スレーブによってネットワーク「
ハートビート」又はウオッチドッグとして使用することが可能である。この定期的なデー
タストリームが定義されている時間スロット内に受信されないことの結果として、該スレ
ーブはフェイルセーフ(又はリンプホーム)モードに入ることが可能である。
【0055】
一つ又はそれ以上の実施例において、スレーブ20,20,...,20からの
診断データ等のデータが、例えばバス30上をマスタ10によって送信される「第2」メ
ッセージ等の専用コマンドフレームを使用することによってマスタ10によって要求され
る場合がある。或る(一つの)アドレスされたスレーブ20が反応することが可能であ
り、例えば或る時間フレーム内に該マスタによって発行された要求に応答することが可能
である。この様なバスネットワーク30を介してスレーブ20によって送信される応答
は、スレーブ20の利用可能性及び/又は正しい動作を検知するためにマスタ10によ
って使用することが可能である。
【0056】
次のことが理解される、即ち、
-ここで議論される第1メッセージは、基本的に、例えばCANバスプロトコル等のメ
ッセージを基礎としたプロトコルにおいて従来送信されているブロードキャストメッセー
ジに対応するものであり、CANバスプロトコルにおいては、一つの装置によってバス上
を送信されるメッセージは(全ての)その他の装置によって(同時的に)受信され、これ
らのメッセージを受信した装置はこの様なブロードキャストメッセージによって伝達され
る動作データ部分の関数として夫々の動作を実行することが可能であり、
-一つの(マスタ)装置によってバス上を所謂「物理的に」ブロードキャストされる一
方、該第2メッセージは、実際には、基本的には要求メッセージとしてその他の(スレー
ブ)装置の個々のものへ「論理的に」アドレスされ、それにより、該スレーブ装置は、例
えば診断メッセージ等の夫々の応答を-或る時間間隔(期間)内に-該マスタ装置へ向け
て送信することによって反応することが要求され、該マスタ装置が該夫々のスレーブ装置
に対して夫々の非衝突性応答間隔(期間)を割り当てる限りにおいてこの様な応答の可能
な衝突は回避されることとなる。
【0057】
更に注意すべきことであるが、本記載の枠組みにおいて、「フレーム」及び「メッセー
ジ」の両方の用語は通信バス30における参加者間で交換されるメッセージを表すために
使用される場合がある。
【0058】
一つ又はそれ以上の実施例において、該通信プロトコルは、ビットレートスイッチング
無しで且つ標準ID有りでCAN FDフォーマットフレーム(のみ)を使用することが
可能である。
【0059】
拡張型IDをサポートする等の拡張、古典的CANフレーム又はビットレートスイッチ
ングをオプションとして包含させることが可能である。実現例によってサポートされてい
ないフレームは無視することが可能であり、これらの動作モードを変えるために意図され
ているビットはそれらの固定値に維持される。
【0060】
図2は、幾つかの実施例に基づくマスタ装置10の可能な実現例の例示的ブロック図で
ある。
【0061】
本書に添付した図にわたって、同様の部品又は要素は同様の参照/番号で表してあり、
且つ対応する記載は簡潔性のために反復されることはない。
【0062】
従って、図2はマスタ装置10を示しており、それは、
-通信バス30、例えばCANバス、へのアクセスポイント、
-第2通信バス107へのアクセスポイント、
-通信バス107との共同のためのトランシーバ回路105、
-通信バス30との共同のための例えばCAN FDトランシーバ等のトランシーバ回
路108、
-例えばCAN FDプロトコルコントローラ等の(HW及び/又はSW)通信プロト
コルコントローラ1062と、例えば「CAN FDライト」プロトコル拡張などの通信
プロトコル拡張(例えば、SW)1061と、及び可能性としてその他の回路ブロック1
063とを包含しているマイクロコントローラ106、
を具備することが可能である。
【0063】
一つ又はそれ以上の実施例において、本書において例示されるように、CAN FDラ
イトプロトコルのマスタ側を実現するために、付加的なCAN FDプロトコル拡張10
61がCAN FDプロトコルコントローラ1062を制御することが可能である。
【0064】
一つ又はそれ以上の実施例において、バス30の物理的インターフェースへのアクセス
は、そうでなければ従来のCAN FDトランシーバ108を使用することによって与え
ることが可能である。
【0065】
図3は、幾つかの実施例に基づくスレーブ装置20の可能な実現例の例示的ブロック
図である。
【0066】
図3に例示されるように、スレーブ装置20は、
-例えば「CAN FDライト」通信及びプロトコルコントローラ等の通信及びプロト
コルコントローラ回路201、
-メモリエリア202、
-通信バス30との共同のための例えばCAN FDトランシーバ等のトランシーバ2
03、及び
-可能性としてのその他のECU回路ブロック204、
を具備することが可能である。
【0067】
以下に説明する側面に対するもの以外、スレーブ装置20についてのこの様なアーキ
テクチャは従来技術であり、従って本書で一層詳細な記載を提供することは必要ではない
【0068】
例えば、一つ又はそれ以上の実施例において、通信及びプロトコルコントローラ回路2
01の実現は、ソフトウエアを稼働させるための埋込プロセッサの必要性を減少させるた
めに応用特定ハードウエアによるものとすることが可能である。
【0069】
一つ又はそれ以上の実施例において、通信及びプロトコルコントローラ回路201は、
データビットの発生及びサンプリングに使用するために正確なオシレータ(図3中には不
図示)を有する場合がある。
【0070】
図4は、例えばCAN FDライト通信及びプロトコルコントローラ回路等の通信及び
プロトコルコントローラ回路201の可能な動作を例示する概略図である。
【0071】
図4に例示されるような通信及びプロトコルコントローラ201は、
-通信コントローラ2010、
-送信機回路2012と、送信エラーカウンタ(TEC)回路2013と、受信機回路
2014と、受信エラーカウンタ(REC)回路2015とを有するプロトコルコントロ
ーラ2011、及び
-オプションとして電圧、プロセス及び温度の補償型及び/又は対応的にトリム型のオ
シレータ2016、
を有している。
【0072】
一つの又はそれ以上の実施例において、送信機回路2012及び/又は受信機回路20
14は、バス30上での通信のために、例えばCAN FDトランシーバ等のトランシー
バ203と共同すべく構成することが可能である。
【0073】
一つ又はそれ以上の実施例において、送信機回路2012は、フレーム準備(2012
a)、ビットスタッフィング(2012b)、CRC挿入(2012c)、フレームエラ
ーチェック(2012d)、エラーカウンティング(2012e)、及びアクノレッジ(
2012f)を実施する構成とすることが可能である。
【0074】
一つ又はそれ以上の実施例において、受信機回路2014は、ビットデコーディング(
サンプリング-2014a)、エラー検知(2014b)、ビットデスタッフィング(2
014c)、CRC検証(2014d)、及びアクノレッジ発生(2014e)を実施す
る構成とすることが可能である。
【0075】
一つ又はそれ以上の実施例において、通信コントローラ2010は、通信を制御するた
めに、夫々、プロトコルコントローラ2011へデータを送信し、該プロトコルコントロ
ーラ2011から、夫々、データを受信することが可能である。
【0076】
一つ又はそれ以上の実施例において、CAN FDを基礎とした通信バス30に対して
マスタ-スレーブアーキテクチャを適用することは、CAN FDプロトコルの利点(例
えば、高データレート、堅牢な差動信号処理、安全性目的のためのCRC)を享受する可
能性を与えると共に、その欠点である例えばマルチラテラル通信のための正確なクロック
タイミング(例えば、仲裁、エラー信号処理、すべてのECUによるフレームチェックの
ため)の必要性、高い複雑性、及び中央通信マスタの不存在に起因する保証された通信ス
ロットの不存在等の欠点を解消している。
【0077】
本書に例示するような一つ又はそれ以上の実施例において、高い帯域幅(例えば、50
0kb/s、好適には1Mb/s)を使用することが可能であり、且つ通信はASIL
B(自動車安全完全性レベルB)安全性条件に対するチェックを関与させることが可能で
ある。例えば、この様な安全性条件を充足することは、各データフレームと共に送信され
るCRC値によって容易化させることが可能である。
【0078】
本書に例示するような一つ又はそれ以上の実施例において、例えばバス30上をマスタ
10によって送信される「第1」メッセージ等のデータフレームを受信することの結果と
して、受信者(スレーブ20,20,...,20)は「アクノレッジ(acknowle
dge)」ビットを送信し、従ってシステムが正しく動作している場合には少なくとも1個
のアクノレッジビットが送信者(マスタ10)によって受信されることとなる。
【0079】
従って、スレーブ20,20,...,20から少なくとも1個のアクノレッジ
ビットを受信することの結果として、マスタ10はそれが未だにバスネットワーク30へ
結合されていることを検知することが可能である。バスネットワーク30の参加者は同じ
ワイヤ即ち配線へ接続されているので、送信機はそれが正しく動作していないかを検知す
ることが可能であり、且つその結果、バス通信を妨げることがないように「受動的」状態
に入ることが可能である。
【0080】
一つ又はそれ以上の実施例において、受動的(例えば、リセッシブ(recessive))状
態にあるバスネットワーク30の参加者はバス差動電圧の値を検知することが可能である
が、バスを駆動することが可能ではない場合があり、即ち、バス差動電圧の或る値を強制
することができない場合がある。
【0081】
一つ又はそれ以上の実施例において、複数の受信機回路において個別的にデータサンプ
リングクロックを発生させることが可能である。従って、データストリームの最小エッジ
密度が有益的であり、例えば少なくとも各例えば10番目ビット毎のリセッシブからドミ
ナントへのエッジがある場合であり、従って受信機回路のデータストリームへの同期を容
易化させることとなる。
【0082】
一つ又はそれ以上の実施例において、差動バスネットワークは低コストでの「堅牢な」
データ転送を容易化させる。一つ又はそれ以上の実施例において、ネットワーク上のウエ
イクアップも実現することが可能であり、且つスレーブ20,20,...,20
は、ISO11898-2:2015スタンダードに従ってウエイクアップパターン(W
UP)を使用して、例えばフィルタ時間Tfilter(ショート)を使用して、ウエイ
クアップさせることが可能である。
【0083】
従って、一つ又はそれ以上の実施例は、例えば1Mb/sにおいて、適合性の理由に対
するビットレートスイッチング無しで、従来のCAN FDプロトコルを利用することが
可能である。従って、従来のCAN FDプロトコルのサブセットの特徴(のみ)(ビッ
トレートスイッチング特徴を実行せずに)を(そうでなければ従来のCAN FDプロト
コルコントローラにおいて)実行することによって適合性を探求することが可能である。
【0084】
本書に記載するような通信ネットワークは、概念的に、任意のCAN及び/又はCAN
FDプロトコル「フレイバー(flavors)即ち風味」と共に使用するのに適している。
【0085】
例えば、本書に例示されるような一つ又はそれ以上の実施例において、
-例えば各フレームのデータペイロードを増加させるために(例えば、フレーム当たり
最大で64バイトまで)、拡張型IDに訴える必要性なしに、CAN FDベースフレー
ムフォーマット(FBFF)(のみ)を使用することが可能であり、
-制御フィールド内のビットを固定し且つ拡張型ID(EID,IDEビットは常にド
ミナント)、ビットレートスイッチ(BRS,常にドミナント)及びエラー状態表示(E
SI,常にドミナント)をサポートさせる必要性無しに、一つのフレームフォーマット(
FBFF)(のみ)をサポートすることが可能であり、例えばFDフレーム(FDF)を
(定常的に)リセッシブへセットすることが可能である。
【0086】
一つ又はそれ以上の実施例において、一つ(のみ)のフレームフォーマット、例えばC
AN FDベースフレームフォーマット、をサポートすることは、一層簡単な実現例とな
る場合があり且つコスト低下を容易化させる場合がある。
【0087】
CAN FDベースフレームフォーマットにおけるデータフィールドは最大で64バイ
トの長さとすることが可能である。データバイト数に依存して、CRC17又はCRC2
1のいずれかを計算することが可能である。一つ又はそれ以上の実施例において、一つ(
のみ)のCRCデリミタビットを送信し且つ受け付けることが可能である。
【0088】
一つ又はそれ以上の実施例において、ネットワーク参加者20は、受信エラーカウンタ
(REC)2015及び送信エラーカウンタ(TEC)2013を有することが可能であ
る。
【0089】
一つ又はそれ以上の実施例において、ネットワーク参加者20,20,...,2
の中のネットワーク参加者20における受信エラーカウンタ2015が或るスレッ
シュホールドに到達した結果として、ネットワーク参加者20の通信バス30への結合
が失われたものと仮定することが可能である。
【0090】
一つ又はそれ以上の実施例において、ネットワーク参加者20,20,...,2
の中のネットワーク参加者20における送信エラーカウンタが或るスレッシュホー
ルドに到達した結果として、ノード20iはデータを送信することを停止し且つ該バスを
混乱させることを回避するために受動的状態(リセッシブ状態)に入ることが可能である
【0091】
一つ又はそれ以上の実施例において、ネットワーク参加者20,20,...,2
の中のいずれかの送信エラーカウンタは、或る時間期間の間にノード20からのデ
ータが受信されていないことの結果として或る参加者20へ送信することが可能なマス
タ10からのコマンドによってリセットさせることが可能である。或るスレーブ20
おけるリセットコマンドの受信は例えば何らかの例外的な条件(例えば、ひずみ)に起因
して受動的状態に入っている場合のあるそのスレーブをアンロックさせることが可能であ
る。
【0092】
一つ又はそれ以上の実施例は、それらがCANバスの「事実上」のスタンダードにおい
て(既に)提供されている限り、REC/TECを採用することが可能である。
【0093】
一つ又はそれ以上の実施例の安全性概念は、マスタ-スレーブプロトコル構造及び与え
られた時間フレーム内にメッセージを送信すること及びこれらのメッセージを正しく受信
することが関与する動作に関して構築することが可能である。
【0094】
一つ又はそれ以上の実施例は以下に説明するような状況を目論む場合がある。
【0095】
a.TECスレッシュホールド超過
i.マスタにおけるTEC:マスタは最早スレーブと結合されていないことを認識して
おり->警告メッセージが発行される(例えば、ドライバに対して:ランプ、ダッシュボ
ードメッセージ等)
ii.スレーブにおけるTEC:或るスレーブはマスタへ診断メッセージを送信するこ
とが不可能であることを認識->フェイルセーフ状態(「リンプホーム」)へ入る、例え
ばLEDバックライトをターンオンさせる。
【0096】
b.RECスレッシュホールド超過
i.マスタにおけるREC:ネットワークに「ひずみ発生」(例えば、短絡ケーブル又
はその他の理由)->マスタがスレーブへフェイルセーフコマンドを送信し且つ警告メッ
セージを(例えば、ドライバへ)発行する。
【0097】
ii.スレーブにおけるREC:ネットワークに「ひずみ発生」->スレーブは通信を
停止し(従って、該バスが他のスレーブの通信をブロックすることの潜在的な危険性を回
避)且つフェイルセーフ状態へ入る。
【0098】
c.マスタが「第1」メッセージを送信
i.マスタはアクノレッジを受信せず->TECがマスタにおいて増加し、上述したの
と同一の反応。
【0099】
ii.スレーブが与えられた時間フレームにおいて「第1」メッセージを受信せず->
ネットワークにひずみ発生(スレーブにおけるREC障害と同じ、上述したのと同一の反
応)。
【0100】
d.マスタが「第2」メッセージを送信
i.マスタがアクノレッジ(ACK)を受信せず->上述したのと同一の反応。
【0101】
ii.マスタはアドレスしたスレーブから応答を受信せず->ネットワークにひずみ発
生(少なくとも関連するスレーブにおいて、上述したのと同一の反応)。
【0102】
iii.スレーブが「第2」メッセージを受信せず->動作無し;通信は「第1」メッ
セージによって検証され、その点に関しては上述したのと同一の反応。
【0103】
e.スレーブが診断フレームを送信することにより「第2」メッセージに応答
i.マスタは或る時間フレーム内に診断フレームを受信しないか又はひずみ発生応答を
受信->ネットワークにひずみ発生(少なくとも関連するスレーブにおいて、マスタにお
けるREC障害に対して上述したのと同一の反応)。
【0104】
ii.スレーブはアクノレッジを受信せず:ネットワークにひずみ発生->スレーブに
おけるTEC障害に対して上述したのと同一の反応;スレーブにおけるTECのありうる
不存在において(以下も参照)何らの反応も提供されず且つマスタからの「第1」メッセ
ージの受信によって通信が検証される。
【0105】
上述した如く、一つ又はそれ以上の実施例は、スレーブに対するREC/TEC概念を
「捨て去る(dropping)」と共に、例えばオリジナルのCAN(FD)プロトコルの一部
として、マスタにおいて(のみ)それを維持することを目論むことが可能であり、従って
マスタ(のみ)がそのTEC/RECを評価する。
【0106】
一つ又はそれ以上の実施例において、フェイルセーフ/リンプホーム状況において、ス
レーブ(例えば、自動車におけるバックライトのLEDドライバ)はセーフ状態に入り、
例えば、バックライトを(少なくとも部分的に)ターンオンさせ、従ってその自動車を暗
闇におけるその他の運転手によって見ることが可能であり、尚且つ例えば過剰温度又はそ
の他の障害を回避するために電力消費を増加させる場合があるその他の付随的な機能を遮
断する。
【0107】
勿論、フェイルセーフ/リンプホーム状況のタイプ及び性質は関与するスレーブの種類
の関数として異なる場合があり、例えば、夜間運転期間中に運転手の困惑を回避するため
に室内ライトを単純にターンオフさせる場合がある。
【0108】
一つ又はそれ以上の実施例において、バス107を介してのメインコントローラ(シャ
シー/ボディコントローラ、一層高いレベルのコントローラ)へのネットワーク接続に障
害が発生した場合には、マスタはフェイルセーフ状態に入る場合もある。マスタがフェイ
ルセーフ状態に入ることの結果として、マスタはそれと結合されているスレーブへコマン
ドを送信して夫々フェイルセーフ状態に入ることが可能である。又、マスタは警告メッセ
ージによってネットワークのひずみ発生に反応することが可能であり、例えば、警告ラン
プ及び/又はダッシュボードメッセージを介して運転手に通知する。
【0109】
一つ又はそれ以上の実施例において、いずれかの送信機は、受信機がデータフレームを
正しく受信したことの結果としてアクノレッジ(「ACK」)ビットを少なくとも一つの
受信機から受信することが可能である。従って、送信機は、それが未だにネットワークの
少なくとも一部へ結合されているか否かを識別することが可能である。例えば、送信機の
送信エラーカウンタは、その送信機によってACKビットが受信されない結果として増加
される。
【0110】
例えば、一つ又はそれ以上の実施例において、本書に例示するように、マスタ10は「
ウオッチドッグトリガ」及び/又はネットワーク「ハートビート」として使用することが
可能な定期的な時間期間でメッセージを送り出す。従って、受信用スレーブ20,20
,...,20はマスタ10が通信しているか否かを認識することが可能である。マ
スタ10は、周期的に各接続しているスレーブ20からステータス情報を要求する場合が
ある。スレーブ20,20,...,20の中のスレーブ20がマスタ10によ
って発行されたステータス情報要求に応答しない場合には、スレーブ20の「不存在」
(例えば、障害)を検知することが可能である。
【0111】
例えば、本書に例示する如き一つ又はそれ以上の実施例において、どの送信機も、通信
バス30を介してそれが送信するビットをバス30上で受信したビットと比較するように
構成することが可能である。送信ビットと受信ビットとが等しくないことが判別される結
果として、エラーの存在を仮定することが可能であり、従って、送信機の送信エラーカウ
ンタを増加させることが可能である。送信機ノードは、対応するTECが或るスレッシュ
ホールドに到達したことの結果としてデータを送信することを停止し、該送信機を受動的
状態に入りさせることが可能である。
【0112】
例えば、本書において例示される如き一つ又はそれ以上の実施例において、受信された
フレームは、例えば、以下の特徴の内の一つ又はそれ以上をチェックすることによって、
正確性を検証することが可能である。
【0113】
即ち、その特徴とは、
-受信したCRCの正確性、
-CRCフィールドに続くCRCデリミターとしての一つのリセッシブビットの受信、
-受信フレームのビットスタッフィング(bit stuffing)の正確性、
である。
【0114】
一つ又はそれ以上の実施例において、受信したCRCが受信したフレームと整合しない
場合の結果として、受信したフレームを廃棄することが可能であり且つ受信機のRECを
増加させることが可能である。
【0115】
一つ又はそれ以上の実施例において、受信したフレームのビットスタッフィングが正し
くないことの結果として、受信したフレームを廃棄することが可能であり且つ受信機のR
ECを増加させることが可能である。
【0116】
一つ又はそれ以上の実施例において、送信したフレームを、例えば以下の特徴の内の一
つ又はそれ以上をチェックすることによって、正確性について検証することが可能である
。その特徴とは、
-送信したビットはトランシーバによって受信されるので、送信したビットと受信した
ビットとの間の均等性、
-少なくとも一つの受信機からACKビットを発行することによって、少なくとも一つ
の受信機回路による送信フレームのアクノレッジ。
【0117】
一つ又はそれ以上の実施例において、送信されたビットと受信されたビットとが同一で
はないことが判明した結果として、送信されたフレームは無効であると考えることができ
、送信は中止され且つ送信機のTECは増加される。
【0118】
一つ又はそれ以上の実施例において、送信機回路が受信器からACKビットを受信する
ことがないことの結果として、送信されたフレームは受信機のいずれによっても受信され
ていないものとして考えることができ、送信機のTECを増加し且つ送信したフレームは
再送信しないものとする場合がある。
【0119】
一つ又はそれ以上の実施例において、スレーブ装置20,20,...,20
オシレータ2016は、例えば予測される値の±2%であるそれらの振動周波数の最大の
許容される逸れを有することが可能である。従って、一つ又はそれ以上の実施例における
2つのスレーブの間の最大の周波数オフセットは最大値、例えば振動周波数の最大±4%
、に到達することが可能である。
【0120】
一つ又はそれ以上の実施例において、一つのスレーブによって送信されたフレームは同
一の通信バス30上の別のスレーブによってデコードされることが意図されているもので
はない場合がある。一つのスレーブが別のスレーブによって送信されたフレームを受信す
ることの結果として、該第1スレーブの受信エラーカウンタが増加する場合がある。エラ
ーフレームはこれらのスレーブによって送信されることはなく、従ってその通信にひずみ
が発生することはない。
【0121】
従って、一つ又はそれ以上の実施例において、受信機のRECは、以下における表1に
例示される如く、この様に受信されたフレームの長さに従って、エラーのないフレームを
受信することの結果として、減少される場合がある。
【0122】
一つ又はそれ以上の実施例において、受信機のRECは、例えば古典的なCAN拡張型
フレームフォーマット(CEFF)と共に動作するCAN部分的ネットワーキング(CA
N PN)に従って、最大で8までのデータ長コード(DLC)に対して1単位だけ減少
される場合がある。一層長いフレームの場合には、この様な挙動は通信コントローラ20
10内において考慮することが可能である。何故ならば、スレーブから発生する多くのフ
レームは通信バス30におけるその他のスレーブによって認識されない場合があるからで
ある。最悪の場合には、スレーブから発生するフレームの(すべて)は通信バス30内の
その他のスレーブによって認識されない場合がある。更に、受信機のRECは受信された
フレーム当たりに1単位を超えて増加される場合がある。何故ならば、スタッフィングエ
ラー、CRCエラー、及びCRCデリミターエラーが加算される場合があるからである。
【0123】
一つ又はそれ以上の実施例において、マスタは、スレーブよりも各スレーブ応答に対し
て一層多くの8バイトデータパケットを送信する。実際に、一つ又はそれ以上の実施例に
おいて、スレーブ応答はマスタによって送信されるフレームよりも一層短い場合がある(
例えば、一層低い数のデータバイトを担持している)。
【0124】
バス30上を一つのスレーブによって送信されバス30へ結合されている他のスレーブ
へ通じるスレーブ応答がそれらのRECを増加させることを「補償」するために、スレー
ブによって正しく受信されるマスタにより送信される長いフレームが、表1に例示される
如く、該マスタにより送信される該フレームの長さに従う長さだけ該スレーブのRECを
減少させることが可能である。
【0125】
【表1】
【0126】
図5は、一つ又はそれ以上の実施例において実行される「ブロードキャスト」フレーム
プロトコルを記載した可能な論理フローを例示するブロック図であって、例えばマスタが
「第1」メッセージを送信し且つスレーブがこの様なメッセージを受信する場合である。
【0127】
図5において、太い縦線の左側に存在する論理ブロックはマスタ装置10によって実行
される動作を表しており、その太い縦線の右側に存在している論理ブロックはスレーブ装
置20,20,...,20の中でいずれかのスレーブ装置20において実行さ
れる動作を表している。
【0128】
図5中の論理ブロックの意味は以下の通りである。
【0129】
-300:ブロードキャストIDで「第1」メッセージを送信、
-301:「第1」メッセージの受信、
-302:受信した「第1」メッセージにおいてエラーを検知(Y=エラー検知、N=
エラー不検知)、
-303:ブロック302の正(Y)出力の場合に該スレーブのRECを増加、
-304:送信終了、
-305:ブロック302の負(N)出力の場合にACKビットを送信、
-306:該スレーブのRECを減少、
-307:「受信成功」状態で終了、
-308:ACKビットを受信、
-309:受信したACKビットにおいてエラー検知(Y=エラー検知、N=エラー不
検知)、
-310:ブロック309の負(N)出力の場合に「送信成功」状態で終了、
-311:ブロック309の正(Y)出力の場合に、オプションとして該マスタのTE
Cを増加し、且つエラーフレームを送信、
-312:送信終了、
-313:エラーフレームを受信、
-314:該スレーブのRECを増加、
-315:送信終了。
【0130】
図5のブロック図に記載される動作について理解を容易にさせるために以下に更に簡単
に説明する。
【0131】
図5に例示される如く、一つ又はそれ以上の実施例において、動作値をセットするため
、例えばアクチュエータ値をセット即ち設定するために、マスタ10からスレーブ20
,20,...,20へ「第1」メッセージを送信することが可能である。
【0132】
一つの実施例においては、「第1」メッセージは通信バス30へ接続されているスレー
ブ20,20,...,20の全てに対しての設定値を包含している場合がある。
【0133】
別の実施例においては、「第1」メッセージは通信バス30へ接続されているスレーブ
20,20,...,20の全ての中の或るサブセットのスレーブ、例えばスレー
ブ20,20,...,20の中で単一のスレーブの場合もある、に対して設定値
を包含している場合がある。
【0134】
一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ10は「第1」メッセージを送信した後に
スレーブ20,20,...,20から戻される応答を予期しない場合もあるが、
少なくとも一つのスレーブから少なくとも一つのアクノレッジビット、例えばCANアク
ノレッジスロットにおいて、を予期する場合もある。
【0135】
本書において例示するような一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ10が少なく
とも一つのスレーブからどのようなアクノレッジビットも受信することがない、例えばC
ANアクノレッジスロットにおいて、ことの結果として、マスタ10はその送信エラーカ
ウンタを増加させる。一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ10は通信バス30上
にエラーフレームを送信する場合もある。
【0136】
本書で例示する如き一つ又はそれ以上の実施例において、スレーブ20,20,.
..,20は受信した「第1」メッセージの完全性をチェックし且つ受信した「第1」
メッセージがエラーの無いものである場合にはアクノレッジビットを送信することが可能
であり、このような場合には該「第1」メッセージは有効であると考慮される。一つ又は
それ以上の実施例において、付加的なエラーフレームを受信することは何らの付加的な反
応無しで受信エラーカウンタを増加させることとなる。
【0137】
一つ又はそれ以上の実施例において、スレーブ20,20,...,20は、そ
れらに対して有効である「第1」メッセージからデータをピック即ち採取する場合がある
。一つ又はそれ以上の実施例において、「第1」メッセージはブロードキャストID、例
えばCANメッセージの標準IDフィールドにおいて、を担持している場合がある。
【0138】
図6は、一つ又はそれ以上の実施例において実行される診断フレームプロトコルを記載
している可能な論理フローを例示するブロック図であって、例えばマスタが「第2」メッ
セージを送信し且つ一つのスレーブがそのようなメッセージを受信し且つそれについて反
応する場合である。
【0139】
図5における如く、図6中の太い縦線の左側に存在する論理ブロックはマスタ装置10
において実行される動作を表しており、且つ該太い縦線の右側に存在する論理ブロックは
スレーブ20,20,...,20中のいずれかのスレーブ装置20において実
行される動作を表している。
【0140】
図6中の論理ブロックの意味は以下の通りである。
【0141】
-400:(ターゲット)スレーブIDで「第2」メッセージを送信、
-401:「第2」メッセージを受信、
-402:受信した「第2」メッセージにおけるエラー検知(Y=エラー検知、N=エ
ラー不検知)、
-403:ブロック402の正(Y)出力の場合に該スレーブのRECを増加、
-404:送信終了、
-405:ブロック402の負(N)出力の場合にACKビットを送信、
-406:該スレーブのRECを減少、
-407:10ビットバスアイドル待機、
-408:エラー検知(Y=エラー検知、N=エラー不検知)、
-409:スレーブID付きで反応メッセージを送信、
-410:ACKビットを受信、
-411:受信したACKビットにおけるエラー検知(Y=エラー検知、N=エラー不
検知)、
-412:ブロック411の正(Y)出力の場合に該マスタのTECを増加させ且つエ
ラーフレームを送信、
-413:エラーフレームを受信、
-414:該スレーブのRECを増加、
-415:送信終了、
-416:TRECを待機、
-417:TRECタイムアウトに到達したか否かをチェック(Y=TRECタイムア
ウトに到達、N=TRECタイムアウトに到達せず)
-418:ブロック417の正(Y)出力の場合にウオッチドッグ失敗をトリガ、
-419:ブロック417の負(N)出力の場合に反応メッセージを受信、
-420:受信した反応メッセージにおけるエラー検知(Y=エラー検知、N=エラー
不検知)、
-421:ブロック420の正(Y)出力の場合に該マスタのRECを増加させ且つエ
ラーフレームを送信、
-422:エラーフレームを受信、
-423:該スレーブのTEC及びRECを増加、
-424:送信終了、
-425:ブロック420の負(N)出力の場合にACKビットを送信、
-426:該マスタのRECを減少、
-427:「受信成功」状態で終了、
-428:ACKビットを受信、
-429:受信したACKビットにおけるエラー検知(Y=エラー検知、N=エラー不
検知)、
-430:ブロック429の正(Y)出力の場合に該スレーブのTECを増加、
-431:送信終了、
-432:ブロック429の負(N)出力の場合に該スレーブのTECを減少、
-433:「送信成功」状態で終了。
【0142】
図6のブロック図によって記載されている動作についても理解を容易にさせるために以
下において簡単に説明する。
【0143】
図6において例示される如く、一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ10は、メ
ッセージID内に、例えばCANメッセージのスタンダードIDフィールド、スレーブ2
の識別スレーブIDを包含させることによって通信バス30に接続されているスレー
ブ20,20,...,20の中で或るスレーブ20からの診断データを要求す
る「第2」メッセージを送信することが可能である。該マスタ10は特定の時間ウィンド
ウTREC内にそのアドレスされたスレーブからの応答、例えば反応メッセージ、を待機
する場合がある。その時間ウィンドウTREC内に該マスタ10が応答を受け取らなかっ
たことの結果として、ウオッチドッグエラーをトリガさせることが可能である。
【0144】
一つ又はそれ以上の実施例において、バス30上をマスタ10によって送信された「第
2」メッセージを正しく受信した結果として、スレーブ20はACKスロットにおける
ACKビットで応答し且つ或る時間間隔(期間)、例えばバスアイドルのすくなくとも1
0ビット、待機した後にその反応メッセージを送信する。
【0145】
一つ又はそれ以上の実施例において、スレーブ20,20,...,20中のそ
の他のスレーブは反応メッセージを不正確に受信する場合がある(例えば、マスタ10の
周波数に関連して夫々のオシレータの周波数オフセットに起因して)。この様な反応メッ
セージを不正確に受信することの結果として、受信するスレーブ20,20,...
,20のRECが増加される場合がある。
【0146】
本書で例示される如き一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ10によって発行さ
れた「第2」メッセージによってアドレスされないスレーブは応答せず且つアドレスされ
たスレーブによって送信される反応メッセージを無視する。
【0147】
本書で例示される如き一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ10からの要求によ
ってフレームがスレーブ20,20,...,20によって(のみ)送信される。
従って、エラーが発生した場合には、スレーブ20,20,...,20は何らの
フレームも再送信することはない。
【0148】
本書で例示される如き一つ又はそれ以上の実施例において、「第2」メッセージはアド
レスされたスレーブのIDによってラベル付けされる場合がある。オプションとして、「
第2」メッセージは、スタンダードIDフィールド中の使用されていないIDビットによ
ってブロードキャストフレームとしてラベル付けさせることが可能である(例えば、スタ
ンダードIDフィールドの下位10ビットがアドレスされたスレーブを示すことが可能で
あり、一方11番目のビットがそのフレームをブロードキャストフレームとしてマーク付
けすることが可能である)。
【0149】
図7は、一つ又はそれ以上の実施例において実行されるエラー及びオーバーロードフレ
ームプロトコルを記載している可能な論理フローを例示しているブロック図である。
【0150】
図5及び6における如く、図7中の太い縦線の左側に存在する論理ブロックはマスタ装
置10によって実行される動作を表しており、且つその太い縦線の右側に存在する論理ブ
ロックはスレーブ装置20,20,...,20中のいずれかのスレーブ装置20
において実行される動作を表している。
【0151】
図7中の論理ブロックの意味は以下のとおりである。
【0152】
-500:エラー検知(Y=エラー検知、N=エラー不検知)、
-501:ブロック500の負(N)出力の場合には「送信成功」状態で終了、
-502:ブロック500の正(Y)出力の場合には該マスタのTECを増加させ且つ
エラーフレームを送信、
-503:送信終了、
-504:エラーフレームを受信、
-505:該スレーブのRECを増加、
-506:送信終了。
【0153】
図7のブロック図によって記載される動作も理解を容易にするために以下において簡単
に説明する。
【0154】
一つ又はそれ以上の実施例において、エラーフレームはスレーブ20,20,..
.,20ではなくマスタ10によって(のみ)送信される。エラーフレームを受信する
ことは該スレーブのRECを1だけ増加させることとなる場合がある。同じ挙動がエラー
フレームとして取り扱われるオーバーロードフレームの場合にも適用することが可能であ
る。
【0155】
一つ又はそれ以上の実施例において、バス参加者(スレーブ20,20,...,
20)はバス30上の通信を仲裁することが可能なものではない。何故ならば、通信は
マスタ10によって(のみ)開始及び/又は制御させることが可能であるからである。
【0156】
本書に例示される如き一つ又はそれ以上の実施例において、バス30上でのどのような
衝突も関連するエラーカウンタを増加させることとなる。マスタ10は、必ずしもそのフ
レームを再送信すること無しに、エラーを衝突として検知し且つその送信エラーカウンタ
を増加させることが可能である。スレーブ20,20,...,20中の一つのス
レーブがバス30上で誤りのビット(例えば、予期されているリセッシブの代わりのドミ
ナントビット)を検知し且つその送信エラーカウンタを増加させる場合がある。
【0157】
理解されるように、エラーメッセージは、いわば、エラー自身であり、即ちそれらはC
ANプロトコル要件を充足するものではない場合がある。それらは、単に、一組の、例え
ば6個の、連続するドミナントビットである場合がある。従って、それらはエラーである
と看做して、スレーブ側ではそれらに対して何らの反応をすること無しに、廃棄すること
が可能である。
【0158】
一つ又はそれ以上の実施例の根底にある一つの概念は、「第1」メッセージ及び「第2
」メッセージがマスタによって送信された(唯一の)メッセージである限り、「第1」メ
ッセージ及び/又は「第2」メッセージを正しく受信した場合に(のみ)ウオッチドッグ
タイマーをリセットすることである。
【0159】
図8は、一つ又はそれ以上の実施例において、マスタユニット10の通信サイクルの可
能な実行例を表しているブロック図である。
【0160】
図8中の論理ブロックの意味は以下のとおりである。
【0161】
-600:通信を開始、
-601:スレーブ20に対して診断データに対する要求が発行されるべきであるか
否かを決定(Y=スレーブ20に対して診断データ要求を発行、N=スレーブ20
対して診断データ要求を発行せず)、
-602:ブロック601の正(Y)出力の場合にスレーブ20に対して「第2」メ
ッセージを送信、
-603:スレーブ20のウオッチドッグタイマーをリセット、
-604:スレーブ20から診断データ付きの反応メッセージが受信されたか否かを
チェック(Y=診断データ受信、N=診断データ受信せず)、
-605:スレーブ20のウオッチドッグタイマーが満了したか否かをチェック(Y
=ウオッチドッグ満了、N=ウオッチドッグ満了せず)、
-606:ブロック605の正(Y)出力の場合にスレーブ20に対するウオッチド
ッグタイムアウトを検知、
-607:ブロック601の負(N)出力である場合に「第1」メッセージを送信、
-608:オプションとして、TWAIT待機。
【0162】
一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ10は「第1」メッセージを、例えばアク
チュエータセッティングのために、(例えば循環的に)スレーブ20,20,...
,20へ送信することが可能であり、それらのスレーブはこの様なサイクルをウオッチ
ドッグトリガとして使用することが可能である。「第1」メッセージがウオッチドッグ時
間内にスレーブ20によって受信されないことの結果として、ウオッチドッグタイムア
ウトを検知することが可能である。ウオッチドッグタイムアウトが検知されることの結果
として、スレーブ20はフェイルセーフ状態に入ることが可能である。
【0163】
一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ10は或るアドレスされたスレーブ20
から診断データを要求する場合がある。アドレスされたスレーブ20が或る量の時間以
内に応答しないことの結果として、ウオッチドッグタイマーをトリガさせることが可能で
あり、従って該マスタはそのスレーブ20との通信の喪失に関して動作することが可能
である。
【0164】
本書で例示する如き一つ又はそれ以上の実施例において、データは少なくとも2つの異
なる態様でスレーブ20,20,...,20へ送信することが可能である。
【0165】
第1のケースにおいては、「第1」メッセージをマスター10が全てのスレーブ20
,20,...,20へ送信することが可能である。この様な場合には、マスタ装置
10はスレーブ20,20,...,20からの応答を期待しない場合がある。
【0166】
第2のケースにおいては、「第2」メッセージをマスタ10が特定のスレーブ20
送信することが可能である。スレーブ20,20,...,20は「第2」メッセ
ージを、例えばアクチュエータセッティングのための、ブロードキャストフレームとして
取り扱うことが可能である。従って、アドレスされたスレーブ(のみ)が反応メッセージ
においてその診断データを送り戻すことによって「第2」メッセージに関して反応する。
この様な診断データはバス30上のその他のスレーブによって無視される。該スレーブ間
の周波数オフセットに起因して、該スレーブ中の一つによって送信される反応メッセージ
はその他のスレーブによって誤りフレームとして看做される場合があり且つそれらの夫々
のRECを増加させる場合がある。
【0167】
一つ又はそれ以上の実施例において、該「第2」メッセージは専用のフレームである場
合もあり、それはその他のスレーブによっては無視される場合がある。
【0168】
一つ又はそれ以上の実施例において、「第1」メッセージは特定したブロードキャスト
IDを使用する場合があり、且つ「第2」メッセージはそのアドレスされたスレーブのI
Dを包含している場合がある。
【0169】
一つ又はそれ以上の実施例において、スタンダードIDフィールド中の使用可能な残り
のビットは、該複数のスレーブへの診断要求送信データとアドレスされたスレーブのみへ
の特定要求との間を区別するために使用することが可能である。
【0170】
図9は一つ又はそれ以上の実施例におけるスレーブユニット20,20,...,
20の通信サイクルの可能な実行例を表すブロック図である。
【0171】
図9中の論理ブロックの意味は以下の通りである。
【0172】
-700:通信開始、
-701:ウオッチドッグタイマーをリセット、
-702:有効なメッセージが受信されたか否かを検知(Y=有効なメッセージを受信
、N=有効なメッセージを受信せず)、
-703:ブロック702の正(Y)出力である場合に受信した該有効なメッセージが
「第1」メッセージであるか又は「第2」メッセージであるかを決定(Y=「第1」メッ
セージを受信、N=「第2」メッセージを受信)、
-704:ブロック703の負(N)出力である場合に診断データ付き反応メッセージ
を送信、
-705:ブロック702の負(N)出力である場合にウオッチドッグが満了したか否
かをチェック(Y=ウオッチドッグ満了、N=ウオッチドッグ満了せず)、
-706:ブロック705の正(Y)出力である場合にウオッチドッグ失敗を発行。
【0173】
一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ10がスレーブ20,20,...,
20に対して(循環的に)データを送信する。この様なデータは夫々のウオッチドッグ
をリセットさせるために夫々のスレーブによって使用することが可能である。リセットす
ることが意図されていないフレームである場合には、夫々のウオッチドッグは該ウオッチ
ドッグが満了する前に一つのスレーブによって受信され、ウオッチドッグ失敗がセット即
ち設定される場合がある。この様なウオッチドッグ失敗はフェイルセーフ状態に入るため
に該スレーブによって使用される場合がある。
【0174】
一つ又はそれ以上の実施例において、スレーブ20がそれに対してアドレスされた「
第2」メッセージを受信することの結果として、受信するスレーブ20は要求された診
断データを包含している反応メッセージを送信することによって応答する。
【0175】
一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ10は単一のデータフレームにおいて例え
ば64バイト(即ち、512ビット、尚1バイトは8ビットに等しい)のデータを送信す
る場合がある。バス参加者、例えばスレーブ20,20,...,20、はマスタ
10から送信されるこの様なデータを受信する。従って、一つのスレーブはマスタ10か
ら受信した512ビットのデータの内の任意の一組からそれが必要とする情報を「ピック
」即ち採取することが可能である。この種類のフレームは「第1」メッセージと呼称され
る。
【0176】
或る「第1」メッセージにおいて一つのスレーブが読み取る場合があるビット数は通信
バスの特定の実施例に依存して異なる場合がある。或るスレーブの該データの位置は初期
化シーケンス期間中に決定することが可能である。
【0177】
例えば、各スレーブは「第1」メッセージにおける8ビットのデータを読み取る場合が
ある。或る「第1」メッセージにおいてマスタ10によって送信されるデータの全量が、
例えば、64バイト(即ち、512ビット)である場合には、「第1」メッセージ当たり
のデータを最大で64個のスレーブへ供給することが可能である。「第1」メッセージに
おけるマスタ10によって送信されるデータ量と「第1」メッセージにおいてスレーブに
よって読み取られるデータ量とが定義されると、「第1」メッセージによってアドレス可
能なスレーブの最大数を対応して定義することが可能である。
【0178】
一つ又はそれ以上の実施例において、可能なバス参加者の数(即ち、スレーブの数)は
、スレーブの「複数のチェーン」を供給することによって増加させることが可能である。
その場合には、1番目の「第1」メッセージは第1チェーンのスレーブ(例えば、64個
のスレーブを含んでいる)へアドレスし、2番目の「第1」メッセージは第2チェーンの
スレーブをアドレスする等、以下同様とすることが可能である。該複数のスレーブチェー
ンはメッセージIDフィールド内の専用のID(例えば、CAN FD IDフィールド
)によってアドレスすることが可能である。
【0179】
一つ又はそれ以上の実施例において、一つのスレーブはそのスレーブアドレスを使用す
ることによって個別的にアドレスさせることが可能であり、且つそのアドレスされたスレ
ーブはこの診断要求フレームに関して反応する。
【0180】
一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ10によって送信される「第2」メッセー
ジ及びスレーブ20,20,...,20によって送信される反応メッセージのデ
ータ内に例えばSTグループに属する会社によって開発されたST SPI(シリアルペ
リフェラルインターフェース)4.1プロトコル等のプロトコルを埋め込むことは、或る
アドレスに対しての或るデータを読み取ること又は書き込むことを容易化させる。
【0181】
一つ又はそれ以上の実施例において、該マスタからの「第2」メッセージのデータ内に
埋め込まれたST SPIプロトコルに基づくSPIコマンドは、メモリアドレスと該要
求(読取/書込)に対するデータバイトの数とから構成することが可能である。該スレー
ブは、該アドレスおよび該要求されたメモリアドレスのデータバイトの代わりに、特定の
バイトでST SPIプロトコルに応答することが可能である。この様な特定のバイトは
「グローバルステータスバイト」(GSB)と呼称され且つ重要なステータスビットを包
含しており、この様なステータスビットは、例えば、発生したエラー、発生したリセット
、等を表すものである。従って、該グローバルステータスレジスタを各診断応答と共に送
り戻すことが可能である。
【0182】
一つ又はそれ以上の実施例において、「第1」メッセージが、バスネットワーク30内
の(全ての)スレーブ20,20,...,20へマスタ10によtって送信され
る。「第1」メッセージのIDフィールドは、その「第1」メッセージによってアドレス
される一つのチェーンの識別番号を包含している場合がある。そのアドレスされたチェー
ンに属しているスレーブはそのフレームによって転送されたデータ(例えば、最大で64
バイトのデータ)からそれらのデータを採取することが可能である。一つのスレーブによ
って読み取られるデータビットの数は、その機能の実行時に定義される(例えば、所謂「
ハードコード化」値である)。「第1」メッセージの全体的なデータフィールドにおいて
アドレスされたチェーンの或るスレーブへ指向されたデータの位置は、チェーン初期化期
間中に決定することが可能である。
【0183】
一つ又はそれ以上の実施例において、「第1」メッセージは、例えば、「1」で始まり
且つ3個の「1」が続く11ビットフレームIDとアドレスされるチェーン識別数、例え
ば7ビット数、を使用する場合がある。例えば、5ビットにコード化されているチェーン
識別番号を使用することは最大で64個のスレーブチェーンの識別及び割り当てを可能と
させ、その場合に各チェーンは、例えば、最大で63個のスレーブを包含している。
【0184】
一つ又はそれ以上の実施例において、特定の「第1」メッセージ、尚ここでは「初期化
フレーム」と呼称される、を通信バス30内のスレーブ20,20,...,20
へ送信して、或るチェーンにおけるそれらの「メンバーシップ」と該チェーン内のそれら
の相対的な位置とを設定させることが可能である。初期化フレームを受信することの結果
として、該スレーブは、通信バス30上で受信されるブロードキャストフレームからそれ
らに対して意図されたデータを読み取る条件とされる。例えば、或る「第1」メッセージ
において一つのスレーブによって読み取られるビット数は、該スレーブの全てに対して同
じであり且つバス実行において定義される場合がある(例えば、ハードコード化値)。
【0185】
一つ又はそれ以上の実施例において、チェーン初期化フレームに対するIDは、例えば
、「1_0110_0000_00」とすることが可能である。
【0186】
一つ又はそれ以上の実施例において、一つのスレーブは初期化フレームから例えば3バ
イトののデータを読み取る場合があり、例えば、その第1バイトはそれが属するチェーン
を表し、その第2バイトは該チェーン内のその位置を表し、且つその第3バイトはアドレ
スされたスレーブを表す場合がある。従って、該初期化フレームのデータフィールドのバ
イトでのディメンジョン即ち大きさと適切に初期化されるべき一つのスレーブによって必
要とされるデータの量とに依存して、制限された数のスレーブを初期化するために単一の
初期化フレームを使用することが可能である。例えば、該初期化フレームのデータフィー
ルドが例えば64バイトの長さであり且つ一つのスレーブが適切に初期化されるために例
えば3バイトのデータを必要とする場合には、一つのCAN FDフレームで最大で21
個のスレーブを初期化させることが可能である。
【0187】
一つ又はそれ以上の実施例において、ウエイクアップパターン(WUP)を特定の「第
1」メッセージとして実行させることが可能である。ウエイクアップパターンのIDは、
例えば1Mb/sでのTFILETER(short)でもって、ISO11898-2
のウエイクアップパターン要件を満足すべく選択することが可能である。通信バスが一層
低いビットレートで動作される場合には、TFILETER(long)を使用すること
が可能である。
【0188】
一つ又はそれ以上の実施例において、予約されているWUP IDは「1_000_1
11_000」である場合がある。該WUPは、ウエイクアップフレームのオプションの
データバイトにおいて繰り返すか又はエンハンスさせることが可能である。
【0189】
一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ10は、CAN FDフレームであるよう
に選択することが可能な「第2」メッセージを送信することによって特定のスレーブ20
からデータを要求する場合がある。「第2」メッセージのそのCAN FD IDは、
スレーブID、例えば9ビットスレーブID、及びこの様なフレームを「第2」フレーム
として識別する1個のビット、及びこの様なフレームをユニキャストフレームとして識別
する1個のビットを包含する場合がある。
【0190】
一つ又はそれ以上の実施例において、バス30において使用される該CAN FD I
Dの最大桁ビット(MSB)は、所謂「ユニキャスト」フレーム、即ち或る一つのスレー
ブのみにアドレスされているフレーム、を識別する場合には「0」と等しく、且つ「ブロ
ードキャスト」フレーム、即ち全てのスレーブに対してアドレスされるフレーム、を識別
する場合には、「1」と等しい場合があり、そこでは、更に、チェーン初期化フレームと
ウエイクアップフレームとを包含している。理解されるように、夫々「1」及び「0」の
値への参照は単に例示的なものであって、一つ又はそれ以上の実施例では、実際に、相補
的選択(例えば、夫々、「0」及び「1」の値)を採用する場合がある。
【0191】
一つ又はそれ以上の実施例において、ユニキャストフレームが何らのデータも包含して
いないことの結果として、そのアドレスされたスレーブは、実行において定義される如く
、デフォルトの診断データを送信する場合がある。そうでない場合で、ユニキャストフレ
ームがデータを包含している場合には、この様なデータはST SPI 4.1プロトコ
ルに基づくSPIコマンドである。
【0192】
一つ又はそれ以上の実施例において、上述した如きSPIコマンドを包含しているユニ
キャストフレームを受信するスレーブは、ST SPI 4.1プロトコルによってコー
ド化された「第2」メッセージによって要求されたデータで応答する。
【0193】
一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ10は、CAN FD IDフィールド内
のスレーブIDを包含しているフレームを送信することによってスレーブ20をアドレ
スすることが可能である。そのオプションとしてのデータバイトはST SPI SDI
(STシリアルペリフェラルインターフェースシリアルデータインプット)フレームを包
含している場合がある。
【0194】
一つ又はそれ以上の実施例において、スレーブ20iは、通信バス30上を反応メッセ
ージ、例えば診断応答フレーム、を送信することによって受信した「第2」メッセージに
応答することが可能である。その反応メッセージはCAN FDフレームであるように選
択することが可能である。反応メッセージのCAN FD IDは、スレーブID、例え
ば9ビットスレーブID、と、この様なフレームを反応メッセージとして識別する1個の
ビットと、この様なフレームをユニキャストフレームとして識別する1個のビットとを包
含することが可能である。
【0195】
一つ又はそれ以上の実施例において、反応メッセージのデータバイトは、ST SPI
SDO(STグループの会社によって開発された如きシリアルペリフェラルインターフ
ェースシリアルデータアウトプット)フレームを包含することが可能である。スレーブに
よって受信された「第2」メッセージがフレームデータフィールド内にデータを包含する
ものではない場合には、そのスレーブは、そのデータバイトがグローバルステータスバイ
ト(GSB)のみを包含している場合があるCAN FDフレームでその受信した「第2
」メッセージに応答する場合がある。
【0196】
一つ又はそれ以上の実施例において、異なるデフォルト応答を使用することが可能であ
り且つ装置のデータシートに明細を記載することが可能である。
【0197】
幾つかの実施例におけるフレームID、例えばCAN FDスタンダードフレームID
、の可能な使用態様を以下の表2に例示的に示してある。
【0198】
【表2】
【0199】
一つ又はそれ以上の実施例において、プロトコルコントローラが前述した如くにCAN
FDプロトコルを実行する場合がある。
【0200】
一つ又はそれ以上の実施例において、CAN FDウエイクアップフレーム検知を実行
するためのビルディングブロックを、簡単化したマスタ/スレーブ通信構造の実現を容易
化するために使用し且つ修正することが可能であり、その場合に、該スレーブは該マスタ
による要求に(のみ)応答する。
【0201】
既に注記した如く、
-本記載を介して説明した「第1」メッセージは、基本的に、例えば一つの装置によっ
てバス上を送信されるメッセージは(同時的に)(全ての)その他の装置によって受信さ
れて、これら後者の装置はブロードキャストメッセージによって運ばれる動作データ部分
の関数として夫々の動作を実行することが可能であるようなCANバスプロトコル等のメ
ッセージを基礎としたプロトコルにおいて従来送信されるようなブロードキャストメッセ
ージに対応しており、
-同様に、一つの(マスタ)装置によってバス上をいわば「物理的に」ブロードキャス
トするものであるが、本記載の全体にわたり説明した該第2メッセージは、実際には、基
本的には要求メッセージとしてその他の(スレーブ)装置の個々のものへ「論理的に」ア
ドレスされるものであり、その場合に、該スレーブ装置は、例えば診断メッセージ等の夫
々の応答を-或る時間間隔内で-該マスタ装置へ送信することによって反応することが要
求され、その際に該マスタ装置が該スレーブ装置に対して夫々の非衝突性の応答間隔を割
り当てる限りにおいてこの様な応答の可能な衝突は回避される。
【0202】
従って、該第1メッセージは真の「ブロードキャスト」メッセージとして看做すことが
可能であり、逆に言えば、一つの(マスタ)装置によってバス30上を物理的にブロード
キャストする一方、該第2メッセージが該スレーブ装置の個々のものへの論理的にアドレ
スされる限りにおいて該第2メッセージを基本的に「ユニキャスト」メッセージとして看
做すことが可能である。
【0203】
一つ又はそれ以上の実施例において、一つの方法が、
-バス(例えば30)を介して第1装置(例えば、10)と一組の第2装置(例えば、
20,20,...,20)とを結合させ;
-該第1装置を該バス上で送信するマスタ装置として構成し、
-a)該一組の第2装置における第2装置による実行のための動作を表す一組の動作デ
ータメッセージ部分を担持する第1メッセージ;及び
-b)該一組の第2装置における第2装置へアドレスされている第2メッセージであっ
て、該第2メッセージがアドレスされて夫々の予期された反応期間内に該第1装置に対し
て夫々の反応を要求する該第2装置の夫々のものを識別する識別子を担持している該第2
メッセージ;及び
-該第2装置をスレーブ装置として構成し;
-c)マスタ装置として構成された該第1装置から送信された該第1メッセージを該バ
ス上で受信するために、該一組の動作データメッセージ部分における夫々の動作データメ
ッセージ部分を読み取り且つ読み取られた該夫々の動作データメッセージ部分の関数とし
て夫々の動作を実行し;
-d)マスタ装置として構成されている該第1装置から送信された該第2メッセージを
該バス上で受信し且つマスタ装置として構成されている該第1装置へ反応メッセージを該
バス上で送信することにより該夫々の予期されている反応期間内にそれについて反応する

を包含している。
【0204】
一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ装置として構成されている第1装置は、マ
スタ装置として構成されている該第1装置から該バス上を送信される第1メッセージにお
けるどの動作データメッセージ部分がスレーブとして構成されている第2装置の夫々のも
のへ専用とされているかを表す初期化データを有している初期化メッセージをバス上を送
信することが可能であり、且つスレーブ装置として構成されている第2装置は、マスタ装
置として構成されている該第1装置から該バス上を送信される該初期化メッセージを受信
することが可能であり且つ該一組の動作データメッセージ部分においてそれに対して専用
とされている夫々の動作データメッセージ部分を読み取るために該初期化データの関数と
して初期化することが可能である。
【0205】
一つ又はそれ以上の実施例において、一つの方法は、スレーブ装置として構成されてい
る一組の第2装置を複数のサブセットの第2装置に配置させることを包含することが可能
であり、その場合に、マスタ装置として構成されている第1装置は、第1動作メッセージ
が専用とされている該サブセットの第2装置を識別するサブセット識別インデックスを有
する第1メッセージをバス上を送信することが可能である。
【0206】
一つ又はそれ以上の実施例において、マスタ装置として構成されている第1装置は、一
定のレート即ち割合でバス上を第1メッセージを送信することが可能である。
【0207】
一つ又はそれ以上の実施例において、一組の第2装置における第2装置は、夫々のウオ
ッチドッグタイマーの満了の結果としてフェイルセーフ状態へスイッチすることが可能で
ある。
【0208】
一つ又はそれ以上の実施例において、一組の第2装置における第2装置は、マスタ装置
として構成されている第1装置から第1メッセージ及び第2メッセージから選択されたメ
ッセージを受信する結果として夫々のウオッチドッグタイマーをリセットすることが可能
である。
【0209】
一つ又はそれ以上の実施例において、第1装置は、一組の第2装置における第2装置か
ら要求された夫々の反応が夫々の予期されている反応期間内に該第1装置へ到達しないこ
とに感応することが可能であり、及び/又は一組の第2装置における第2装置からの夫々
の反応が夫々の予期されている反応期間内に該第1装置へ到達しないことを表す夫々のウ
オッチドッグエラー信号をトリガすることが可能である。
【0210】
一つ又はそれ以上の実施例において、バスは差動配線バスを有することが可能である。
【0211】
一つ又はそれ以上の実施例において、システムが、第1装置(例えば、10)と、バス
(例えば、30)を介して結合されている一組の第2装置(例えば、20,20,.
..,20)とを有しており、該第1装置及び該第2装置は、夫々、マスタ装置及びス
レーブ装置として構成することが可能であり、且つ該マスタ装置及び該スレーブ装置は一
つ又はそれを超える実施例の内の該方法で動作する構成とすることが可能である。
【0212】
一つ又はそれ以上の実施例において、バス(例えば、30)を介して一組の第2装置(
例えば、20,20,...,20)へ第1装置として結合させる装置(例えば、
10)は、該バスを介して、
-該一組の第2装置における第2装置による実行のための動作を表す一組の動作データ
メッセージ部分を担持している第1メッセージ、及び
-該一組の第2装置における第2装置へアドレスされる第2メッセージであって、夫々
の予期されている反応期間内に該第1装置に対して夫々の反応を要求し、且つ該第2メッ
セージがアドレスされる該第2装置の夫々のものを識別する識別子を担持している該第2
メッセージ、
を送信する構成とすることが可能である。
【0213】
一つ又はそれ以上の実施例において、バスを介して一組の第2装置へ第1装置として結
合させる装置が、該一組の第2装置における第2装置から要求された夫々の反応が夫々の
予期されている反応期間内に該第1装置へ到達することがないことに感応することが可能
であり、及び/又は該一組の第2装置における第2装置からの夫々の反応が夫々の予期さ
れている反応期間内に該第1装置へ到達しないことを表す夫々のウオッチドッグエラー信
号をトリガさせる構成とすることが可能である。
【0214】
一つ又はそれ以上の実施例において、バス(例えば、30)を介して第1装置(例えば
、10)へ結合されている一組の第2装置(例えば、20,20,...,20
内に包含させる装置(例えば、20)が、
-該一組の第2装置における第2装置による実行のための動作を表す一組の動作データ
メッセージ部分を担持している第1メッセージを該バス上で受信し、該一組の動作データ
メッセージ部分における少なくとも一つの夫々の動作データメッセージ部分を読み取り、
且つ該読み取った少なくとも一つの夫々の動作データメッセージ部分の関数として少なく
とも一つの夫々の動作を実行し、
-該バス上を夫々の第2メッセージがアドレスされる該第2装置の内の該一つとして
該装置を識別する識別子を伝達する該夫々の第2メッセージであって、夫々の予期されて
いる反応期間内に該第1装置に対して夫々の反応を該装置から要求する該夫々の第2メッ
セージを受信し、且つ該夫々の予期されている反応期間内にそれについて反応する、
構成とさせることが可能であり、該装置からの反応メッセージがマスタ装置として構成さ
れている該第1装置へ向けて該バス上を送信される。
【0215】
一つ又はそれ以上の実施例において、バスを介して第1装置へ結合されている一組の第
2装置内に包含させる装置が、夫々のウオッチドッグタイマーの満了の結果としてフェイ
ルセーフ状態へスイッチする構成とすることが可能である。
【0216】
一つ又はそれ以上の実施例において、バスを介して第1装置へ結合されている一組の第
2装置内に包含させる装置が、該バスを介して該第1装置から受信されたメッセージの結
果として夫々のウオッチドッグタイマーをリセットさせる構成とさせることが可能である
【0217】
一つ又はそれ以上の実施例において、バスを介して第1装置へ結合されている一組の第
2装置内に包含させる装置が、その中に実現されている応用特定ハードウエアを有してい
るHW通信及びプロトコルコントローラ(例えば、201)を有することが可能である。
【0218】
一つ又はそれ以上の実施例において、バスを介して第1装置へ結合されている一組の第
2装置内に包含させる装置が、光照射供給源ドライバ、好適には乗物ライトドライバ、を
有することが可能である。
【0219】
一つ又はそれ以上の実施例において、乗物(例えば、V)に一つ又はそれを超える実施
例に基づくシステム具備させることが可能である。
【0220】
一つ又はそれ以上の実施例において、一つ又はそれを超える実施例に基づくシステムに
おいて第1装置(例えば、10)から一組の第2装置(例えば、20,20,...
,20)へメッセージを送信するためにバス(例えば、30)上を送信可能な信号が、
-該一組の第2装置における第2装置による実行のための動作を表す一組の動作データ
メッセージ部分を担持している第2メッセージ、及び
-該一組の第2装置における第2装置へアドレスされている第2メッセージであって、
夫々の予期されている反応期間内に該第1装置に対しての夫々の反応を要求し、該第2メ
ッセージがアドレスされる該第2装置の夫々のものを識別する識別子を担持している該第
2メッセージ、
を有することが可能である。
【0221】
一つ又はそれ以上の実施例において、スレーブ装置として構成されている第2装置に対
して専用とされている一組の動作データメッセージ部分を担持している第1メッセージを
送信する信号が一定のレート即ち割合で発生することが可能である。
【0222】
基礎となる原理を損なうこと無しに、該詳細及び実施例は、保護範囲を逸脱すること無
しに、例示としてのみ記載されていることに関して例え顕著にでも異なるものとなる場合
がある。
【0223】
以上、本発明の具体的実施の態様について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲を逸
脱すること無しに種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0224】
10:第1装置
20:第2装置
30:バス
V:乗物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1装置(10)と一組の第2装置(201,202,...,20n)とをバス(30)を介して結合し、
該第1装置(10)をマスタ装置として構成して該バス(30)上を、
a)該一組の第2装置(201,202,...,20n)における第2装置による実行のための動作を表す一組の動作データメッセージ部分を担持しており該第2装置からの応答を必要とするものではない第1メッセージ、及び
b)該一組の第2装置(201,202,...,20n)における第2装置へアドレスする第2メッセージであって、該第2メッセージがアドレスされて予期されている応答期間内に該第1装置(10)に対して応答を要求する該第2装置(201,202,...,20n)の内の一つを識別する識別子を伝達しアドレスされた該第2装置(20i)のみからの応答をトリガーする該第2メッセージ、
を送信し、及び
該第2装置(201,202,...,20n)をスレーブ装置として構成して、
c)マスタ装置として構成されている該第1装置(10)から送信される該第1メッセージを該バス(30)上で受信し、前記一組の動作データメッセージ部分における夫々の動作データメッセージ部分を読み取り、且つ読み取った該夫々の動作データメッセージ部分の関数として夫々の動作を実行し、
d)マスタ装置として構成されている該第1装置(10)から送信される該第2メッセージを該バス(30)上で受信し且つマスタ装置として構成されている該第1装置(10)へ向けて反応メッセージを該バス(30)上を送信させることにより前記予期されている応答期間内に該第2メッセージに関して応答させる、
ことを包含しており、
該第1装置(10)をマスタ装置として構成することが、前記第1メッセージ及び前記第2メッセージをCAN FDフォーマットでエンコードさせ且つ前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを該バス(30)上で送信するためのプロトコル制御回路(1062)を構成することを包含しており、及び該第2装置(201,202,...,20n)をスレーブ装置として構成することが、前記反応メッセージをCAN FDフォーマットでエンコードさせ、前記第1メッセージ及び前記第2メッセージを受信し、且つ前記反応メッセージを該バス(30)上を送信するための夫々の通信及びプロトコル制御回路(201)を構成することを包含している、
方法。