(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120065
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/4063 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
G05B19/4063 L
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024100620
(22)【出願日】2024-06-21
(62)【分割の表示】P 2022550512の分割
【原出願日】2021-09-09
(31)【優先権主張番号】P 2020155276
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】野口 儀晃
(57)【要約】 (修正有)
【課題】各作業工程において必要とされる時間を短縮し、製造時間を短縮する手段を容易に選択することを可能とすること。
【解決手段】情報処理装置は、加工プログラムに基づいて工作機械に含まれるモータへの出力パルスを演算する制御装置に対して、制御装置による加工物の製造における加工前工程、加工工程、及び加工後工程に係る製造時間を短縮する手段を抽出する情報処理装置であって、加工プログラムを含むワークの加工に関連する加工関連情報を記憶する記憶部と、記憶部に格納された加工関連情報から、ワークの加工に必要な少なくとも1つの作業工程を推定し、推定された作業工程にかかる時間を算出することで、ワークの加工に必要な製造時間を算出する製造時間推定部と、製造時間推定部で推定された少なくとも1つの作業工程の時間を削減し、製造時間を短縮する手段を記憶部に予め格納された複数の手段の中から選択する短縮手段決定部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工プログラムに基づいて工作機械に含まれるモータへの出力パルスを演算する制御装置に対して、前記制御装置による加工物の製造における加工前工程、加工工程、及び加工後工程に係る製造時間を短縮する手段を抽出する情報処理装置であって、
前記加工プログラムを含むワークの加工に関連する加工関連情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に格納された前記加工関連情報から、前記ワークの加工に必要な少なくとも1つの作業工程を推定し、推定された前記作業工程にかかる時間を算出することで、前記ワークの加工に必要な製造時間を算出する製造時間推定部と、
前記製造時間推定部で推定された少なくとも1つの作業工程の時間を削減し、前記製造時間を短縮する手段を前記記憶部に予め格納された複数の手段の中から選択する短縮手段決定部と、
ユーザからの入力を受け付ける入力部と、
前記入力部を介して前記製造時間を短縮する手段を適用するか否かの指示を前記ユーザより受け付け、前記製造時間を短縮する手段を適用する場合、前記製造時間を短縮する手段を前記加工プログラム、前記制御装置、及び/又は前記工作機械に反映させる手段反映部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記短縮手段決定部により選択された前記製造時間を短縮する手段を報知する報知部を備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記短縮手段決定部は、選択した前記製造時間を短縮する手段を適用した場合、前記製造時間の増減時間を算出し、
前記報知部は、前記短縮手段決定部により選択された前記製造時間を短縮する手段と算出された前記増減時間とを報知する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
加工プログラムに基づいて工作機械に含まれるモータへの出力パルスを演算する制御装置に対して、前記制御装置による加工物の製造における加工前工程、加工工程、及び加工後工程に係る製造時間を短縮する手段を抽出する情報処理装置の情報処理方法であって、
前記情報処理装置に含まれる記憶部に格納された前記加工プログラムを含むワークの加工に関連する加工関連情報から、前記ワークの加工に必要な少なくとも1つの作業工程を推定し、推定された前記作業工程にかかる時間を算出することで、前記ワークの加工に必要な製造時間を算出する製造時間推定ステップと、
推定された少なくとも1つの作業工程の時間を削減し、前記製造時間を短縮する手段を前記記憶部に予め格納された複数の手段の中から選択する短縮手段決定ステップと、
ユーザからの入力を受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップを介して前記製造時間を短縮する手段を適用するか否かの指示を前記ユーザより受け付け、前記製造時間を短縮する手段を適用する場合、前記製造時間を短縮する手段を前記加工プログラム、前記制御装置、及び/又は前記工作機械に反映させる手段反映ステップと、
を備える情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械を用いた加工では、加工時間を短縮するため、数値制御装置には工具がプログラム経路を制約条件下で最短時間で通過する速度プロファイルを作成する機能が開発されている。
また、工作機械の加工完了時刻を予測し、工作機械が加工を完了する時刻にロボットによるワークの入れ替えを行う準備動作を完了するようにすることで、加工完了後、即座にロボットにワーク交換動作を行い、ロボットの稼働効率を高める技術が知られている。例えば、特許文献1参照。
あるいは、加工形状にあった工具それぞれと、工具それぞれの切削条件とに基づいて、工具それぞれの加工時間を計算し、加工時間が最短となる工具を自動的に選択する技術が知られている。例えば、特許文献2参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-182173号公報
【特許文献2】特開平2-109657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、切削加工、プレス加工、放電加工等を含む金属加工で部品や金型を量産製造する際の製造時間は、加工前工程、金属加工、及び加工後工程のトータル時間に相当する。加工前工程に係る時間としては、例えばワークの設置時間、前工程(例えば、別の工作機械による加工)からのワークの搬送時間等が含まれる。また、加工後工程に係る時間には金属加工によって発生した工作機械内の切粉の除去や金属加工後にワーク加工面に発生するバリ取りの時間も含まれる。
最近では、旋盤加工時の搖動切削技術等の切粉のサイズを小さくする技術等が開発されている。
しかしながら、依然として、工作機械の作業員等のユーザ自身が製造時間を短縮する各種機能や手段を理解し、テスト加工等の結果からそれらの有効無効を判断する必要がある。このため、いずれの機能や手段を選択することで製造時間をどの程度短縮することができるかを判断することが困難なことがある。
【0005】
そこで、各作業工程において必要とされる時間を短縮し、製造時間を短縮する手段を容易に選択することを可能とする情報処理装置、及び情報処理方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の情報処理装置の一態様は、加工プログラムに基づいて工作機械に含まれるモータへの出力パルスを演算する制御装置に対して、前記制御装置による加工物の製造における加工前工程、加工工程、及び加工後工程に係る製造時間を短縮する手段を抽出する情報処理装置であって、前記加工プログラムを含むワークの加工に関連する加工関連情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に格納された前記加工関連情報から、前記ワークの加工に必要な少なくとも1つの作業工程を推定し、推定された前記作業工程にかかる時間を算出することで、前記ワークの加工に必要な製造時間を算出する製造時間推定部と、前記製造時間推定部で推定された少なくとも1つの作業工程の時間を削減し、前記製造時間を短縮する手段を前記記憶部に予め格納された複数の手段の中から選択する短縮手段決定部と、を備える。
【0007】
本開示の情報処理方法の一態様は、加工プログラムに基づいて工作機械に含まれるモータへの出力パルスを演算する制御装置に対して、前記制御装置による加工物の製造における加工前工程、加工工程、及び加工後工程に係る製造時間を短縮する手段を抽出する情報処理装置の情報処理方法であって、前記情報処理装置に含まれる記憶部に格納された前記加工プログラムを含むワークの加工に関連する加工関連情報から、前記ワークの加工に必要な少なくとも1つの作業工程を推定し、推定された前記作業工程にかかる時間を算出することで、前記ワークの加工に必要な製造時間を算出する製造時間推定ステップと、推定された少なくとも1つの作業工程の時間を削減し、前記製造時間を短縮する手段を前記記憶部に予め格納された複数の手段の中から選択する短縮手段決定ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
一態様によれば、各作業工程において必要とされる時間を短縮し、製造時間を短縮する手段を容易に選択することを可能とする情報処理装置、及び情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る情報処理システムの機能的構成例を示す機能ブロック図である。
【
図4】情報処理装置の、金属加工に係る製造時間短縮処理の一例について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<一実施形態>
まず、本実施形態の概略を説明する。本実施形態では、情報処理装置は、情報処理装置に含まれる記憶部に格納された加工プログラムや加工物に関する情報等の加工に関連する加工関連情報等から解析し、工作機械によるワークの加工及び加工以外に想定される作業工程、例えばワークの搬送等の作業工程を推定し、推定した各作業工程にかかる時間を算出することで、ワークの加工に係る加工前工程、加工工程、及び加工後工程のそれぞれに必要な時間を算出する。情報処理装置は、推定した作業工程の中から当該作業工程に必要とする時間を削減し、トータルとしての製造時間を短縮する手段を記憶部に予め格納された複数の手段の中から選択する。
【0011】
これにより、本実施形態によれば、「各作業工程において必要とされる時間を短縮し、製造時間を短縮する手段を容易に選択することを可能とする」という課題を解決する情報処理装置、及び情報処理方法を提供することができる。
以上が本実施形態の概略である。
【0012】
次に、本実施形態の構成について図面を用いて詳細に説明する。ここでは、製造時間として、前工程の工作機械等から金属のワークが搬送され次の工程(すなわち、加工工程)の工作機械にワークを設置するまでにかかる加工前工程時間と、今回の工程の工作機械によるワークを加工するのにかかる金属加工時間と、今回の工程の工作機械から加工されたワークを取り出して測定器に搬送し加工されたワークを測定するとともに加工されたワークのバリ取りや工作機械内の切粉の除去等を行うのにかかる加工後工程時間と、を足し合わせた時間を例示する。なお、本発明は、後述するように、加工前工程時間にはワークの搬送や工作機械にワークの設定以外の作業時間が含まれてもよく、加工後工程時間にはワークの測定やバリ取り、切粉の除去以外の作業時間が含まれてもよい。
【0013】
図1は、一実施形態に係る情報処理システムの機能的構成例を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、工作機械10、制御装置20、及び情報処理装置30を有する。
工作機械10、制御装置20、及び情報処理装置30は、図示しない接続インタフェースを介して互いに直接接続されてもよい。なお、工作機械10、制御装置20、及び情報処理装置30は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して相互に接続されていてもよい。この場合、工作機械10、制御装置20、情報処理装置30は、かかる接続によって相互に通信を行うための図示しない通信部を備えてもよい。
なお、情報処理装置30は、後述するように、制御装置20に含まれてもよい。また、制御装置20は、後述するように、工作機械10に含まれてもよい。
【0014】
工作機械10は、当業者にとって公知の工作機械である。工作機械10は、例えば、制御装置20からの動作指令に基づいて、工作機械10に含まれる主軸に取り付けられた刃物等の工具を用い、工作機械10に配置されたワークに対して切削加工等の金属加工を行う。
なお、工作機械10は、例えば、ワークを搬送したりワークを工作機械に取り付けたりするロボットや周辺装置等でもよい。
【0015】
制御装置20は、当業者にとって公知の数値制御装置であり、CAD/CAM装置や後述する情報処理装置30等の外部装置(図示しない)から加工プログラムを取得する。制御装置20は、取得した加工プログラムに基づいて、工作機械10に含まれるモータ(図示しない)への出力パルスを演算して動作指令を生成し、生成した動作指令を工作機械10に送信する。これにより、制御装置20は、工作機械10を駆動させることができる。
なお、工作機械10がロボット等の場合、制御装置20は、ロボット制御装置等でもよい。
【0016】
<情報処理装置30>
情報処理装置30は、当業者にとって公知のコンピュータ装置であり、
図1に示すように、制御部310、入力部320、及び記憶部330を有する。また、制御部310は、製造時間推定部311、短縮手段決定部312、報知部313、及び手段反映部314を有する。また、記憶部330は、製造時間推定用加工関連データ331、及び改善手段リスト332を記憶する。
【0017】
<入力部320>
入力部320は、例えば、キーボードやタッチパネル等であり、作業員等のユーザからの入力を受け付ける。
【0018】
<記憶部330>
記憶部330は、ROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等であり、各種の制御用プログラムとともに、製造時間推定用加工関連データ331、及び改善手段リスト332を記憶してもよい。
【0019】
製造時間推定用加工関連データ331は、加工プログラムを含めたワークの材質や形状等、製造時間を推定するのに必要となるワークの加工に関連する情報である。
具体的には、製造時間推定用加工関連データ331は、例えば、加工プログラム及びワーク情報(材質、形状)等を含む加工に係る情報と、加工に使用する工具の工具径、工具材質、工具の刃数等を含む工具に係る情報と、ワーク取付時間、バリ取り時間、切粉除去作業時間、及びワーク測定時間等を含む加工外作業に係る情報と、を有する。
加工に係る情報には、例えば、入力部320を介して、ユーザにより予め入力された加工プログラムや、制御装置20から取得された加工プログラムが格納されてもよい。また、加工に係る情報には、例えば、入力部320を介して、ユーザにより予め入力されたワークの材質及び形状のワーク情報が格納されてもよく、加工プログラムを解析することにより特定されたワークの材質及び仕上げ形状等のワーク情報が格納されてもよい。
工具に係る情報には、工作機械10に取り付け可能な全ての工具の工具径、工具材質、工具の刃数等が予め格納されてもよい。
加工外作業に係る情報(作業時間リスト)には、ある程度以前に記録された各工程にかけた時間である、加工前工程時間及び加工後工程時間における搬送時間、ワーク取付時間、バリ取り時間、ワーク測定時間、及び加工を継続的に行うための設備のメンテナンス時間(洗浄、部品交換、切粉の定期的除去)等が、これまでの各作業の実績時間や予測から予め規定されて格納されてもよい。
なお、加工外作業に係る情報(作業時間リスト)の加工前工程時間及び加工後工程時間における搬送時間、ワーク取付時間、バリ取り時間、ワーク測定時間、及びメンテナンス時間等のそれぞれは、例えば、制御装置20又は情報処理装置30により逐次測定され、情報処理装置30により更新されてもよい。
【0020】
改善手段リスト332は、例えば、加工前工程時間、金属加工時間、及び加工後工程時間それぞれにおいて、時間短縮に係る複数の手段(例えば、加工手順の追加や削減等)が予め設定されている。
具体的には、改善手段リスト332には、例えば、加工前工程時間において、前工程の終了時間、及び前記終了時間からの搬送時間が含まれることから、加工前工程時間が大きい場合には「加工前工程の終了時間と加工工程の開始時間とのタイミング調整」や「搬送経路の見直し」等の手段が格納されてもよい。
【0021】
また、改善手段リスト332には、例えば、金属加工時間において、同一の加工プログラムでもバリが発生しやすい材質のワークが選択された場合には「バリの発生しにくい工具」等の手段が選択されるように格納されてもよい。あるいは、改善手段リスト332には、金属加工時間において、バリの発生する量が大きい場合に「バリの発生しにくい形状に構造設計からやり直す」や「加工プログラムの見直し」等の手段が格納されてもよい。
また、改善手段リスト332には、金属加工時間において、旋盤加工で一度に切削する切削量が大きい場合には「揺動切削機能」等の手段が格納されてもよい。
【0022】
また、改善手段リスト332には、例えば、加工後工程時間において、バリ取り時間よりもバリ取りの作業場への搬送時間や測定器へのワークの取り付け時間等を合算した時間が大半を占める場合、「搬送経路の見直し」や「取り付けジグの構造設計見直し」等の手段が格納されてもよい。また、改善手段リスト332には、加工後工程時間において、切粉除去にかかる時間を削減するために、切粉のサイズを小さくする「揺動切削機能」等の手段が格納されてもよい。
【0023】
<制御部310>
制御部310は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)メモリ等を有し、これらはバスを介して相互に通信可能に構成される、当業者にとって公知のものである。
CPUは情報処理装置30を全体的に制御するプロセッサである。CPUは、ROMに格納されたシステムプログラム及びアプリケーションプログラムを、バスを介して読み出し、前記システムプログラム及びアプリケーションプログラムに従って情報処理装置30全体を制御する。これにより、
図1に示すように、制御部310が、製造時間推定部311、短縮手段決定部312、報知部313、及び手段反映部314の機能を実現するように構成される。RAMには一時的な計算データや表示データ等の各種データが格納される。また、CMOSメモリは図示しないバッテリでバックアップされ、情報処理装置30の電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成される。
【0024】
<製造時間推定部311>
製造時間推定部311は、記憶部330に格納された製造時間推定用加工関連データ331から、ワークの加工に必要な加工前工程、金属加工、及び加工後工程の作業工程を推定し、推定された各作業工程にかかる時間を算出することで、ワークの加工に必要な製造時間を算出する。
具体的には、製造時間推定部311は、例えば、製造時間推定用加工関連データ331のうち加工外作業に係る情報(作業時間リスト)に含まれる加工前工程時間における前工程の工作機械等からの搬送時間、及び工作機械10へのワーク取付時間等に基づいて、加工前工程時間を算出する。なお、加工前工程における搬送時間に関しては、前工程の終了予定時間を前工程の工作機械等から情報を得ることで、前工程の終了時間間隔から算出するようにしてもよい。具体的には、例えば前工程が10分間隔で加工し、搬送時間が1分、本加工時間が4分とした場合でも、前工程が10分間隔で加工することから、ワークは前工程から10分おきに届く。すなわち、前工程の終了時間間隔(10分間隔)を搬送時間(加工前時間)としてもよい。
また、製造時間推定部311は、製造時間推定用加工関連データ331の加工に係る情報に含まれる加工プログラムを予めシミュレーション等で解析して加工工程における加工完了時間を予測して金属加工時間を算出してもよい。あるいは、製造時間推定部311は、金属加工の実績時間に基づいて、金属加工時間を算出してもよい。
また、製造時間推定部311は、製造時間推定用加工関連データ331の加工に係る情報に含まれるワーク情報(材質、形状)、及び加工外作業に係る情報(作業時間リスト)に基づいて、加工後工程時間を算出する。
以下では、加工後工程時間を短縮する手段の例を挙げて説明する。具体的には、2つの例(a)と例(b)について説明する。ここで、例(a)として、バリ取りについて、加工の中で加工形状的にバリの発生しやすい部分、例えば垂直な工具経路が生じる場合の加工後工程時間と、例(b)として、旋削加工において加工の中で逃げの無い直線的な加工指令が存在する場合、例えば旋盤加工かつ元のワーク形状との座標値の比較から切削量が大きいと判断される部分がある場合、又は中断点の無い長い切削ブロックが存在する部分がある場合における加工後工程時間と、について説明する。
【0025】
まず例(a)における加工後工程時間の大きな時間を占める部分(具体的にはバリ取り作業時間)を含む加工後工程時間の算出方法について説明する。
例(a)のバリ取りについて、加工の中で加工形状的にバリの発生しやすい部分、具体的には垂直な工具経路が生じる場合であって、かつワークの材質がアルミ等の粘性の高い材質を用いる場合の加工後工程時間の算出方法について。
製造時間推定部311は、例えば、ワーク情報(材質、形状)に基づいて(直角加工面エリア)×(バリ発生量/cm)の式からバリ発生量を算出する。なお、直角加工面エリアは、ワークにおいて加工面同士の角度が90度になる部分であり、バリ発生量/cmは、単位長さあたりのバリ発生量である。
そして、製造時間推定部311は、(バリ発生量)×(アルミバリ除去時間/単位量)+(作業員の休憩時間)の式からバリ除去時間を算出する。なお、アルミバリ除去時間/単位量は、ワークがアルミの場合の予め設定された単位量あたりのバリ除去時間である。また、作業員の休憩時間は、バリ発生量が予め設定された所定の閾値以上の場合に設定され、実測値でも経験値でもよい。
次に、製造時間推定部311は、加工外作業に係る情報(作業時間リスト)に基づいて(測定エリアへの搬送時間)+(ワーク取付時間)+(測定時間)の式から測定関連時間を算出する。そして、製造時間推定部311は、加工後工程時間を、加工外作業に係る情報(作業時間リスト)に基づいて(バリ除去エリアへの搬送時間)+(バリ除去時間)+(測定関連時間)の式から算出する。
なお、例(a)のバリ取りについて、加工の中で加工形状的にバリの発生しやすい部分、具体的には垂直な工具経路が生じる場合であって、アルミ以外の材質のワークについても製造時間推定部311は上述と同様に加工後工程時間を算出することができる。この場合、アルミ以外の粘性の低い材質のワークの場合には(バリ発生量)の部分が減る。
【0026】
例(b)の旋削加工において加工の中で逃げの無い直線的な加工指令が存在する場合の加工後工程時間の算出方法について。
製造時間推定部311は、例えば、ワーク情報(材質、形状)に基づいて(直線移動距離)×(切り込み量)の式から切粉発生量を算出する。なお、直線移動距離は、加工プログラムを解析することにより求まる直線旋削の移動距離である。
そして、製造時間推定部311は、(切粉発生量及び切り込み回数に関する関数)+(作業員の休憩時間)の式から切粉除去時間を算出する。なお、切粉発生量及び切り込み回数に関する関数は、例えば、(切粉発生量)×(切り込み回数)2×(基準除去時間)の式としてもよく、切粉発生量毎にかかる実際の除去時間の実績テーブル(図示しない)から求めてもよい。また、基準除去時間は、基準となる予め設定された切粉除去にかかる時間である。なお、加工するワークの金属材質によっては切粉形状が変わるため切粉除去時間が変わる。
次に、製造時間推定部311は、加工外作業に係る情報(作業時間リスト)に基づいて(測定エリアへの搬送時間)+(ワーク取付時間)+(測定時間)の式から測定関連時間を算出する。そして、製造時間推定部311は、加工後工程時間を、例えば測定と切粉除去とが並行して作業できる場合、(測定関連時間)と(切粉除去時間)との大きい方の値として算出する。
以上により、製造時間推定部311は、加工前工程時間、金属加工時間、及び加工後工程時間を足し合わせて、製造時間を算出する。
【0027】
<短縮手段決定部312>
短縮手段決定部312は、製造時間推定部311で推定された加工前工程時間、金属加工時間、及び加工後工程時間のうち少なくとも1つの作業工程の時間を削減し、製造時間を短縮する手段を記憶部330の改善手段リスト332に予め格納された複数の手段の中から選択する。
前述した例(a)のように、バリ取りについて、加工の中で加工形状的にバリの発生しやすい部分、例えばワークにおいて加工面同士の角度が90度になる工具経路が生じる場合の短縮手段決定部312の作用について説明する。まず、短縮手段決定部312は、例えば、加工プログラムを解析することで工具経路の中で90度近傍の面角度になる加工形状的にバリの発生しやすい部分を抽出し、当該部分の角度を変更可能かの要検討部分として抽出する。
図2は、バリ抑制の一例を示す図である。
短縮手段決定部312は、抽出した部分の切削エリア(短い距離ならバリも小さい)に対して、
図2に示すように、垂直ではなく、面取りのような傾斜をつけるように加工プログラムの(設計の)修正手段として、改善手段リスト332から「バリの発生しにくい形状に構造設計からやり直す」等の手段を選択するようにしてもよい。
あるいは、短縮手段決定部312は、例えば、同一の加工プログラムでもバリが発生しやすい材質のワークが選択された場合には「バリの発生しにくい工具」等の手段を選択するようにしてもよい。
ただし、このような場合、バリの量を減らすために、加工物の構造を変更する必要が生じ、もともとの所望の形状を変更することになるため、加工物の強度等を再計算する必要が生じる。そうすると加工よりも前の設計段階での見直しが必要となる。このため、後述するように、報知部313は、オペレータに対して、このような作業が必要となることを報知することができる。
【0028】
次に、前述した例(b)の旋削加工において加工の中で逃げの無い直線的な加工指令が存在する場合(例えば旋盤加工かつ元のワーク形状との座標値の比較から切削量が大きいと判断される部分がある場合、又は中断点の無い長い切削ブロックが存在する部分がある場合)の短縮手段決定部312の作用について説明する。
このような場合、切粉のサイズが大きくなるほど、切粉同士がからまり、工作機械10の機内から取り出す時間が飛躍的に増大する。特に旋削加工(旋盤加工)の場合には、加工プログラム次第では1本数十cmの切粉も頻繁に発生する。そこで、短縮手段決定部312は、例えば、加工プログラムを解析することにより、旋削加工でかつ、加工プログラムから切粉が大きくなる部分(直線切削の移動距離が長い部分が存在する等)を検知した場合、改善手段リスト332から切粉を細かく分断する「揺動切削機能」等の手段を選択するようにしてもよい。そうすることで、例えば切粉のサイズに対応する、加工外作業に係る情報(作業時間リスト)に基づいて、工作機械10の機内から取り出す時間を算出するようにしてもよい。
また、工作機械10として横形マシニングセンタの方が立形マシニングセンタに比べて切粉の排出がスムーズのため、短縮手段決定部312は、設備状況にも依存するが、工作機械10として別機械の使用を、製造時間を短縮する手段として選択するようにしてもよい。ただし、このような場合、後述する報知部313は、オペレータに対して、横形マシニングセンタに変更可能か否かの判断を報知することができる。
【0029】
なお、短縮手段決定部312は、1つの製造時間を短縮する手段を選択することに限定されず、2以上の複数の手段を選択してもよい。ただし、短縮手段決定部312は、複数の「バリの発生しにくい工具」の手段が選択された場合、「バリの発生しにくい工具を選択する」という手段を改善手段リスト332から選択するようにしてもよい。
また、短縮手段決定部312は、製造時間を短縮する手段を選択するとともに、選択した手段を適用した場合の製造時間の増減時間を算出するようにしてもよい。
【0030】
<報知部313>
報知部313は、短縮手段決定部312により選択された製造時間を短縮する手段を報知する。
具体的には、報知部313は、例えば、情報処理装置30に含まれる液晶ディスプレイ等の表示装置(図示しない)に選択された製造時間を短縮する手段を表示してもよい。あるいは、報知部313は、例えば、情報処理装置30に含まれるスピーカ(図示しない)から製造時間を短縮する手段を音で出力してもよい。
なお、報知部313は、短縮手段決定部312により選択された製造時間を短縮する手段が反映可能であることが明らかな場合、選択された製造時間を短縮する手段を報知しないようにしてもよい。この場合、後述する手段反映部314は、選択された製造時間を短縮する手段を自動で加工プログラム、制御装置20及び/又は工作機械10に反映させるようにしてもよい。
【0031】
<手段反映部314>
手段反映部314は、入力部320を介して製造時間を短縮する手段を適用するか否かの指示をユーザより受け付け、製造時間を短縮する手段を適用する場合、前記製造時間を短縮する手段を加工プログラム及び/又は工作機械10に反映させるようにしてもよい。
具体的には、手段反映部314は、例えば、前述したように報知部313により「バリの発生しにくい形状に構造設計からやり直す」の手段が報知された場合、入力部320を介してユーザにより「バリの発生しにくい形状に構造設計からやり直す」の手段を行うか否かの指示を受け付ける。手段反映部314は、「バリの発生しにくい形状に構造設計からやり直す」の手段を行うという指示を受け付けた場合、バリの量を減らすためにワークを加工した加工物の構造を変更するようにしてもよい。この場合、元々の所望の形状から変更することから、加工物の強度等を再計算する必要があるため、加工よりも前の設計段階での見直しが入ることになる。
また、手段反映部314は、例えば、報知部313により「バリの発生しにくい工具」の手段が報知された場合、入力部320を介してユーザにより「バリの発生しにくい工具」の手段を使用するか否かの指示を受け付ける。手段反映部314は、「バリの発生しにくい工具」の手段を使用するという指示を受け付けた場合、バリの発生しにくい工具に交換するために加工プログラムを変更するようにしてもよい。
なお、報知部313により2以上の複数の「バリの発生しにくい工具」の手段が報知された場合、手段反映部314は、例えば、情報処理装置30の表示装置(図示しない)に表示された、それぞれの工具を適用した場合の製造時間に係る増減時間に基づいて、ユーザによる工具それぞれの要否の判断、及び複数の工具の中からいずれかを選択するようにしてもよい。
【0032】
また、手段反映部314は、例えば、報知部313により「揺動切削機能」の手段が報知された場合、入力部320を介してユーザにより「揺動切削機能」の手段を使用するか否かの指示を受け付ける。手段反映部314は、「揺動切削機能」の手段を使用するという指示を受け付けた場合、揺動切削を行うために加工プログラムを変更してもよい。この場合、例えば、搖動切削に係るパラメータ値の設定は予め推奨値のテーブルが記憶部330に格納されてもよい。
図3は、推奨値のテーブルの一例を示す図である。
また、揺動切削の場合、揺動切削を有効/無効にするプログラム指令も存在することから、報知部313は、無効の場合に設定した上で有効にすることを選択肢にあげるようにしてもよい。
また、前述したように、報知部313により立形マシニングセンタに換えて横形マシニングセンタの適用の是非について報知された場合、立形マシニングセンタを適用するか否かの指示をユーザより入力部320を介して受け付け、立形マシニングセンタを適用するように加工工程における工作マシンを変更するようにしてもよい。
【0033】
なお、手段反映部314は、報知部313により製造時間を短縮する手段が報知された場合に、報知された製造時間を短縮する手段を適用するか否かをユーザより入力部320を介して受け付けたが、これに限定されない。例えば、上述したように、手段反映部314は、短縮手段決定部312により選択された製造時間を短縮する手段が反映可能であることが明らかな場合、選択された製造時間を短縮する手段を自動で加工プログラム、制御装置20及び/又は工作機械10に反映させるようにしてもよい。
【0034】
<情報処理装置30の製造時間短縮処理>
次に、情報処理装置30の製造時間短縮処理に係る動作の一例について説明する。
図4は、情報処理装置30の、金属加工に係る製造時間短縮処理の一例について説明するフローチャートである。
【0035】
ステップS11において、製造時間推定部311は、製造時間推定用加工関連データ331から、ワークの加工に必要な加工前工程、金属加工、及び加工後工程の作業工程を推定し、推定された各作業工程にかかる時間を算出する。
【0036】
ステップS12において、製造時間推定部311は、加工前工程時間、金属加工時間、及び加工後工程時間を足し合わせて、製造時間を算出する。
【0037】
ステップS13において、短縮手段決定部312は、ステップS11で推定された加工前工程時間、金属加工時間、及び加工後工程時間のうち少なくとも1つの作業工程の時間を削減し製造時間を短縮する手段を、改善手段リスト332から選択する。
【0038】
ステップS14において、短縮手段決定部312は、ステップS13で製造時間を短縮する手段が選択されたか否かを判断する。製造時間を短縮する手段が選択された場合、処理はステップS15に進む。一方、製造時間を短縮する手段が選択されなかった場合、製造時間短縮処理は終了する。
【0039】
ステップS15において、報知部313は、ステップS13で選択された製造時間を短縮する手段を報知する。
【0040】
ステップS16において、手段反映部314は、ステップS16で報知された手段を適用する指示を入力部320を介してユーザより受け付けたか否かを判定する。報知された手段を適用する場合、処理はステップS17に進む。一方、報知された手段を適用しない場合、製造時間短縮処理は終了する。
【0041】
ステップS17において、手段反映部314は、製造時間を短縮する手段を加工プログラム、制御装置20、及び/又は工作機械10に反映させる。
【0042】
以上により、一実施形態の情報処理装置30は、記憶部330に格納された製造時間推定用加工関連データ331から、ワークの加工及ワークの搬送等の作業工程を推定し、推定した各作業工程にかかる時間を算出することで、ワークの加工に必要な製造時間を算出する。情報処理装置30は、推定した各作業工程の時間を削減し、製造時間を短縮する手段を改善手段リスト332に予め格納された複数の手段の中から選択する。
これにより、情報処理装置30は、各作業工程において必要とされる時間を短縮し、製造時間を短縮する手段を容易に選択することを可能とする。また、ユーザが製造時間を削減する要否判断を容易にすることができ、製造時間の短縮に繋げることができる。
【0043】
以上、一実施形態について説明したが、情報処理装置30は、上述の実施形態に限定されるものではなく、目的を達成できる範囲での変形、改良等を含む。
【0044】
<変形例>
上述の実施形態では、情報処理装置30は、制御装置20や工作機械10と異なる装置としたが、これに限定されない。例えば、情報処理装置30は、制御装置20に含まれてもよい。また、制御装置20は、工作機械10に含まれてもよい。
【0045】
なお、一実施形態における、情報処理装置30に含まれる各機能は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせによりそれぞれ実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0046】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(Non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(Tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(Transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は、無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0047】
なお、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0048】
以上を換言すると、本開示の情報処理装置、及び情報処理方法は、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
【0049】
(1)本開示の情報処理装置30は、加工プログラムに基づいて工作機械10に含まれるモータへの出力パルスを演算する制御装置20に対して、制御装置20による加工物の製造における加工前工程、加工工程、及び加工後工程に係る製造時間を短縮する手段を抽出する情報処理装置であって、加工プログラムを含むワークの加工に関連する製造時間推定用加工関連データ331を記憶する記憶部330と、記憶部330に格納された製造時間推定用加工関連データ331から、ワークの加工に必要な少なくとも1つの作業工程を推定し、推定された作業工程にかかる時間を算出することで、ワークの加工に必要な製造時間を算出する製造時間推定部311と、製造時間推定部311で推定された少なくとも1つの作業工程の時間を削減し、製造時間を短縮する手段を記憶部330に予め格納された複数の手段の中から選択する短縮手段決定部312と、を備える。
この情報処理装置30によれば、各作業工程において必要とされる時間を短縮し、製造時間を短縮する手段を容易に選択することを可能とする。
【0050】
(2) (1)に記載の情報処理装置30において、短縮手段決定部312により選択された製造時間を短縮する手段を報知する報知部313を備えてもよい。
そうすることで、情報処理装置30は、ユーザに対して最適な製造時間を短縮する手段を提示することができる。
【0051】
(3) (2)に記載の情報処理装置30において、短縮手段決定部312は、選択した製造時間を短縮する手段を適用した場合、製造時間の増減時間を算出し、報知部313は、短縮手段決定部312により選択された製造時間を短縮する手段と算出された増減時間とを報知してもよい。
そうすることで、情報処理装置30は、ユーザが製造時間を短縮する手段の要否判断を容易にすることができる。
【0052】
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の情報処理装置30において、ユーザからの入力を受け付ける入力部320と、入力部320を介して製造時間を短縮する手段を適用するか否かの指示をユーザより受け付け、製造時間を短縮する手段を適用する場合、製造時間を短縮する手段を加工プログラム、制御装置20、及び/又は工作機械10に反映させる手段反映部314と、をさらに備えてもよい。
そうすることで、情報処理装置30は、選択された製造時間を短縮する手段を容易に加工プログラム及び/又は工作機械に反映させることができる。
【0053】
(5)本開示の情報処理方法は、加工プログラムに基づいて工作機械10に含まれるモータへの出力パルスを演算する制御装置20に対して、制御装置20による加工物の製造における加工前工程、加工工程、及び加工後工程に係る製造時間を短縮する手段を抽出する情報処理装置30の情報処理方法であって、情報処理装置30に含まれる記憶部330に格納された加工プログラムを含むワークの加工に関連する製造時間推定用加工関連データ331から、ワークの加工に必要な少なくとも1つの作業工程を推定し、推定された作業工程にかかる時間を算出することで、ワークの加工に必要な製造時間を算出する製造時間推定ステップと、推定された少なくとも1つの作業工程の時間を削減し、製造時間を短縮する手段を記憶部330に予め格納された複数の手段の中から選択する短縮手段決定ステップと、を備える。
この情報処理方法によれば、(1)と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 情報処理システム
10 工作機械
20 制御装置
30 情報処理装置
310 制御部
311 製造時間推定部
312 短縮手段決定部
313 報知部
314 手段反映部
320 入力部
330 記憶部
331 製造時間推定用加工関連データ
332 改善手段リスト