(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120140
(43)【公開日】2024-09-04
(54)【発明の名称】配電システム
(51)【国際特許分類】
H02H 3/16 20060101AFI20240828BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20240828BHJP
【FI】
H02H3/16 A
H02J1/00 309D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026804
(22)【出願日】2023-02-23
(71)【出願人】
【識別番号】390001812
【氏名又は名称】株式会社デンソーエレクトロニクス
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野々山 真行
(72)【発明者】
【氏名】杉本 恵一
(72)【発明者】
【氏名】多田 玲
【テーマコード(参考)】
5G004
5G165
【Fターム(参考)】
5G004AA04
5G004AB02
5G004BA01
5G004CA01
5G165BB08
5G165EA04
5G165GA09
5G165LA01
5G165LA02
(57)【要約】
【課題】配電ユニット10a、10b、10c、10dは、短時間で地絡電源線を特定する。
【解決手段】制御回路50aは、ステップS100~S150、S170、S180において、電圧V1a、V2a、および電流Iに基づいて、電源線20a、20bのうち地絡故障が生じている地絡電源線を配電ユニット10b、10c、10dに対して独立して特定する。制御回路50aは、ステップS160、S190において、スイッチ44a、45aのうち地絡電源線に対応するスイッチをオフすることにより、配電ユニット10aから地絡電源線を分離することができる。配電ユニット10aは、単独で電源線20a、20bのうち地絡故障が生じている地絡電源線を特定する。このため、短時間で配電ユニット10aから地絡電源線を分離する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源端子(40a、40b、40c、40d)および第2電源端子(41a、41b、41c、41d)の間に配置されている第1スイッチ(44a、44b、44c、44d)と、前記第1スイッチおよび前記第2電源端子の間に配置されている第2スイッチ(45a、45b、45c、45d)とをそれぞれ備え、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの間に配置されて前記第1スイッチおよび前記第2スイッチに共通接続されている共通接続端子(42a、43a、42b、43b、42c、43c、42d、43d)に、電気負荷(53a、54a、53b、54b、53c、54c、53d、54d)が接続されている複数の配電ユニット(10a、10b、10c、10d)と、
前記複数の配電ユニットのうちいずれか2つの配電ユニットを一方の配電ユニット、他方の配電ユニットとしたとき、前記一方の配電ユニットの前記第1電源端子、前記第2電源端子のうちいずれか一方と前記他方の配電ユニットの前記第1電源端子、前記第2電源端子のうちいずれか一方とを接続して前記複数の配電ユニットとともに閉回路を構成する複数の電源線(20a、20b、20c、20d)と、を備え、
前記複数の電源線のうち少なくとも2つ以上の異なる電源線には、前記複数の配電ユニットのそれぞれの前記第1スイッチ、前記第2スイッチがオンした状態で前記複数の配電ユニットの前記電気負荷に電力を供給する電源(30a、30b)が接続されており、
前記複数の配電ユニットは、それぞれ、
前記第1電源端子とグランドとの間の電圧を検出する第1電圧検出部(49a、49b、49c、49d)と、
前記第2電源端子とグランドとの間の電圧を検出する第2電圧検出部(49a、49b、49c、49d)と、
前記第1電源端子および前記第2電源端子の間に流れる電流を検出する電流検出部(48a、48b、48c、48d)と、
前記複数の電源線のうち前記第1電源端子に接続されている電源線を第1電源線とし、前記複数の電源線のうち前記第2電源端子に接続されている電源線を第2電源線としたとき、前記第1電圧検出部の検出値、前記第2電圧検出部の検出値、および前記電流検出部の検出値に基づいて、前記第1電源線および前記第2電源線のうち地絡故障が生じている地絡電源線を前記それぞれが単独で特定する地絡故障特定部(S100~S150、S170、S180)と、
を備える配電システム。
【請求項2】
前記複数の配電ユニットは、それぞれ、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチのうち前記地絡電源線に対応するスイッチをオフすることにより、前記それぞれから前記地絡電源線を分離する分離制御部(S160、S190)を備える請求項1に記載の配電システム。
【請求項3】
前記複数の配電ユニットは、それぞれ、
前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの間に配置されている第3スイッチ(46a、46b、46c、46d)と、
前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの間に配置されて、前記第3スイッチに対して並列に配置されている抵抗素子(47a、47b、47c、47d)と、を備え、
前記地絡故障特定部は、
前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、前記第3スイッチがそれぞれオンした状態で、前記第1電圧検出部の検出値が第1閾値(Vs)未満であるか否かについて判定する第1判定部(S110)と、
前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、前記第3スイッチがそれぞれオンした状態で、前記第2電圧検出部の検出値が第2閾値(Vs)未満であるか否かについて判定する第2判定部(S120)と、
前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、前記第3スイッチがそれぞれオンした状態で、前記電流検出部の検出値が第3閾値(Ia)以上であるか否かについて判定する第3判定部(S100)と、
前記第1電圧検出部の検出値が前記第1閾値未満であると前記第1判定部が判定し、かつ前記第2電圧検出部の検出値が前記第2閾値未満であると前記第2判定部が判定し、さらに前記電流検出部の検出値が前記第3閾値以上であると前記第3判定部が判定したとき、前記第1スイッチ、前記第2スイッチがそれぞれオンした状態で、前記第3スイッチをオフするオフ制御部(S130)と、
前記オフ制御部が前記第3スイッチをオフした状態で、前記第1電圧検出部の検出値が第1所定値(Ve)以上であり、かつ前記第2電圧検出部の検出値が、前記第1所定値よりも小さい第2所定値(Vr)未満であるとき、前記第2電源線が前記地絡電源線であると特定し、前記オフ制御部が前記第3スイッチをオフした状態で、前記第2電圧検出部の検出値が第3所定値(Ve)以上であり、かつ前記第1電圧検出部の検出値が、前記第3所定値よりも小さい第4所定値(Vr)未満であるとき、前記第1電源線が前記地絡電源線であると特定する特定部(S140、S150、S170、S180)と、
を備える請求項1または2に記載の配電システム。
【請求項4】
前記複数の配電ユニットは、それぞれ、
前記第1電源端子および前記第2スイッチの間に配置され、かつ前記第1スイッチに対して並列に配置され、前記第1電源端子側から第2電源端子側に電流が流れることを許容する第1ダイオード(55a、55b、55c、55d)と、
前記第1スイッチ、前記第1ダイオードと、前記第2電源端子との間に配置され、かつ前記第2スイッチに対して並列に配置され、前記第2電源端子側から第1電源端子側に電流が流れることを許容する第2ダイオード(56a、56b、56c、56d)と、を備え、
前記地絡故障特定部は、
前記第1スイッチ、前記第2スイッチがそれぞれオンした状態で、前記第1電圧検出部の検出値が第1閾値未満であるか否かについて判定する第1判定部(S110)と、
前記第1スイッチ、前記第2スイッチがそれぞれオンした状態で、前記第2電圧検出部の検出値が第2閾値未満であるか否かについて判定する第2判定部(S120)と、
前記第1スイッチ、前記第2スイッチがそれぞれオンした状態で、前記電流検出部の検出値が第3閾値以上であるか否かについて判定する第3判定部(S100)と、
前記第1電圧検出部の検出値が前記第1閾値未満であると前記第1判定部が判定し、かつ前記第2電圧検出部の検出値が前記第2閾値未満であると前記第2判定部が判定し、さらに前記電流検出部の検出値が前記第3閾値以上であると前記第3判定部が判定したとき、前記第2スイッチがオンした状態で前記第1スイッチをオフする第1オフ制御部(130C)と、
前記第1オフ制御部が前記第2スイッチがオンした状態で前記第1スイッチをオフしたとき、前記第1電圧検出部の検出値が第1所定値(Ve)以上であり、かつ前記第2電圧検出部の検出値が、前記第1所定値よりも小さい第2所定値(Vr)未満であるとき、前記第2電源線が前記地絡電源線であると特定する第1特定部(S170、S180)と、
前記第1電圧検出部の検出値が前記第1閾値未満であると前記第1判定部が判定し、かつ前記第2電圧検出部の検出値が前記第2閾値未満であると前記第2判定部が判定し、さらに前記電流検出部の検出値が前記第3閾値以上であると前記第3判定部が判定したとき、前記第1スイッチがオンした状態で前記第2スイッチをオフする第2オフ制御部(S130A)と、
前記第2オフ制御部が前記第1スイッチがオンした状態で前記第2スイッチをオフした状態で、前記第2電圧検出部の検出値が第3所定値(Ve)以上であり、かつ前記第1電圧検出部の検出値が、前記第3所定値よりも小さい第4所定値(Vr)未満であるとき、前記第1電源線が前記地絡電源線であると特定する第2特定部(S140、S150)と、
を備える請求項1または2に記載の配電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電力供給装置では、電気負荷に電力を供給する複数の配電ユニットが電源線でリング状に接続されているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
電力供給装置において、電源線には、複数の配電ユニット内の電気負荷に電力供給するための電源が接続されている。
【0004】
複数の配電ユニットは、それぞれ、制御回路と、電源線のうち地絡故障している地絡故障区間を検出する検出回路と、検出回路で検出される地絡故障区間を配電ユニットから分離する遮断回路とを備える。
【0005】
地絡故障が生じた場合に、複数の配電ユニットのうち1つの配電ユニットでは、検出回路が電源線の地絡故障区間を検出すると、制御回路は、地絡故障区間を特定する故障信号を他の配電ユニットに通信線を介して送信する。
【0006】
これに伴い、他の配電ユニットの制御回路は、1つの配電ユニットから受信した故障信号に基づいて、電源線の地絡故障区間を特定する。すなわち、1つの配電ユニットおよび他の配電ユニットは、通信を介して、地絡故障区間に関する情報を共有する。
【0007】
これに伴い、他の配電ユニットの制御回路は、故障信号に基づいて、遮断回路を制御して他の配電ユニットおよび電源線の地絡故障区間の間を遮断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記電力供給装置では、1つの配電ユニットが電源線の地絡故障区間を特定した後、他の配電ユニットは、1つの配電ユニットから受信した故障信号に基づいて、電源線の地絡故障区間を特定する。したがって、電源線に地絡故障が生じてから、他の配電ユニットが電源線の地絡故障区間を特定する迄に長い時間を必要とする
本発明は上記点に鑑みて、複数の電源線によって複数の配電ユニットを接続して閉回路を構成する配電システムにおいて、地絡故障した電源線を短時間で特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、第1電源端子(40a、40b、40c、40d)および第2電源端子(41a、41b、41c、41d)の間に配置されている第1スイッチ(44a、44b、44c、44d)と、第1スイッチおよび第2電源端子の間に配置されている第2スイッチ(45a、45b、45c、45d)とをそれぞれ備え、第1スイッチおよび第2スイッチの間に配置されて第1スイッチおよび第2スイッチに共通接続されている共通接続端子(42a、43a、42b、43b、42c、43c、42d、43d)に、電気負荷(53a、54a、53b、54b、53c、54c、53d、54d)が接続されている複数の配電ユニット(10a、10b、10c、10d)と、
複数の配電ユニットのうちいずれか2つの配電ユニットを一方の配電ユニット、他方の配電ユニットとしたとき、一方の配電ユニットの第1電源端子、第2電源端子のうちいずれか一方と他方の配電ユニットの第1電源端子、第2電源端子のうちいずれか一方とを接続して複数の配電ユニットとともに閉回路を構成する複数の電源線(20a、20b、20c、20d)と、を備え、
複数の電源線のうち少なくとも2つ以上の異なる電源線には、複数の配電ユニットのそれぞれの第1スイッチ、第2スイッチがオンした状態で複数の配電ユニットの電気負荷に電力を供給する電源(30a、30b)が接続されており、
複数の配電ユニットは、それぞれ、
第1電源端子とグランドとの間に電圧を検出する第1電圧検出部(49a、49b、49c、49d)と、
第2電源端子とグランドとの間に電圧を検出する第2電圧検出部(49a、49b、49c、49d)と、
第1電源端子および第2電源端子の間に流れる電流を検出する電流検出部(48a、48b、48c、48d)と、
複数の電源線のうち第1電源端子に接続されている電源線を第1電源線とし、複数の電源線のうち第2電源端子に接続されている電源線を第2電源線としたとき、
第1電圧検出部の検出値、第2電圧検出部の検出値、および電流検出部の検出値に基づいて、第1電源線および第2電源線のうち地絡故障が生じている地絡電源線をそれぞれが単独で特定する地絡故障特定部(S100~S150、S170、S180)と、を備える。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、複数の配電ユニットは、それぞれ、地絡故障特定部によって地絡電源線を単独で特定する。このため、複数の配電ユニットの間の通信によって地絡電源線を特定する場合に比べて、短時間で地絡電源線を特定することができる。
【0012】
したがって、複数の電源線によって複数の配電ユニットを接続して閉回路を構成する配電システムにおいて、地絡故障した電源線を短時間で特定することができる。
【0013】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態における配電システムの全体構成を示す図であり、4つの配電ユニット内の電気的構成、4つの電源線、および、2つの直流電源の接続関係を説明するための図である。
【
図2】
図1の第1実施形態における配電システムの4つの配電ユニット内の制御回路によって実行される地絡電源線分離処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図3】
図1の第1実施形態における配電システムにおいて、4つの電源線のうち1つの電源線が地絡した第2具体例を説明するための図である。
【
図4】
図1の第1実施形態における配電システムにおいて、4つの電源線のうち1つの電源線が地絡した第3具体例を説明するための図である。
【
図5】
図1の第1実施形態における配電システムにおいて、4つの電源線のうち1つの電源線が地絡した第4具体例を説明するための図である。
【
図6】本発明の第2実施形態における配電システムの全体構成を示す図であり、4つの配電ユニット内の電気的構成、4つの電源線、および、2つの直流電源の接続関係を説明するための図である。
【
図7】
図6の第2実施形態における配電システムの4つの配電ユニット内の制御回路によって実行される地絡電源線分離処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図8】
図6の第2実施形態における配電システムにおいて、4つの電源線のうち1つの電源線が地絡した第6具体例を説明するための図である。
【
図9】
図6の第2実施形態における配電システムにおいて、4つの電源線のうち1つの電源線が地絡した第7具体例を説明するための図である。
【
図10】
図6の第2実施形態における配電システムにおいて、4つの電源線のうち1つの電源線が地絡した第8具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0016】
(第1実施形態)
本発明の配電システム1が自動車に適用されてなる第1実施形態について
図1、
図2、
図3等を参照して説明する。本実施形態の配電システム1は、
図1に示すように、配電ユニット10a、10b、10c、10d、電源線20a、20b、20c、20d、および直流電源30a、30bを備える。
【0017】
配電ユニット10aは、電源端子40a、41a、共通接続端子42a、43a、スイッチ44a、45a、46a、抵抗素子47a、電流検出器48a、電圧検出器49a、および制御回路50aを備える配電ボックスである。
【0018】
配電ユニット10aには、電流ヒューズ51a、52a、および電気負荷53a、54aが接続されている。
【0019】
電源端子40aは、直流電源30aからの電力を電気負荷53a、54aに与えるための第1電源端子である。電源端子41aは、直流電源30aからの電力を電気負荷53a、54aに与えるための第2電源端子である。スイッチ44aは、電源端子40a、41aの間に配置されている第1スイッチである。
【0020】
スイッチ45aは、電源端子40a、41aの間でスイッチ44aに対して直列に接続されている第2スイッチである。すなわち、スイッチ45aは、スイッチ44aおよび電源端子41aの間に接続されている。
【0021】
換言すれば、スイッチ44aは、電源端子40a、41aの間でスイッチ45aに対して電源端子40a側に配置されている。スイッチ45aは、電源端子40a、41aの間でスイッチ44aに対して電源端子41a側に配置されている。
【0022】
本実施形態のスイッチ44a、45aは、それぞれ、オンによって、電源端子40a、41aの間を接続する。一方、スイッチ44a、45aは、それぞれ、オフによって、電源端子40a、41aの間を開放する。
【0023】
スイッチ46aは、スイッチ44a、45aの間に接続されている第3スイッチである。このことにより、スイッチ46aは、スイッチ44a、スイッチ45aとともに、電源端子40a、41aの間に直列接続されている。スイッチ46aは、オンによって、スイッチ44a、45aの間を接続する。一方、スイッチ46aは、オフによって、スイッチ44a、45aの間を開放する。
【0024】
なお、本実施形態のスイッチ44a、45a、46aとしては、それぞれ、制御回路50aから制御信号が与えられていない状態でオン状態を維持するノーマリーオン型のメカニカルスイッチが用いられている。
【0025】
抵抗素子47aは、スイッチ44a、45aの間に配置されている。抵抗素子47aは、スイッチ46aに対して並列に接続されている。本実施形態の抵抗素子47aは、後述するように、電源線20a、20bのうち地絡故障している電源線を特定するために用いられる。
【0026】
電流検出器48aは、電源端子40a、41aの間に流れる電流を検出する電流検出部である。本実施形態の電流検出器48aは、スイッチ44aおよびスイッチ46aの間に配置されている。なお、
図1においては、電流検出器48aは、「電流検出」と記載されている。
【0027】
電圧検出器49aは、電源端子40aおよびグランド間の電圧V1aと、電源端子41aおよびグランド間の電圧V2aとをそれぞれ検出する。このことにより、電圧検出器49aは、電圧V1aを検出する第1電圧検出部と電圧V2aを検出する第2電圧検出部を構成することになる。
【0028】
本実施形態の電圧V1aは、電源線20aおよびグランドの間の電圧を検出するために用いられる。電圧V2aは、電源線20bおよびグランドの間の電圧を検出するために用いられる。なお、
図1においては、電圧検出器49aは、「電圧検出」と記載されている。
【0029】
制御回路50aは、マイクロコンピュータ、メモリ、およびその周辺回路を備える。制御回路50aは、メモリに予め記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、地絡故障分離処理を実行する。地絡故障分離処理は、電源線20a、20bのうち地絡故障が生じた電源線を配電ユニット10aから分離するために用いられる。
【0030】
本実施形態において、地絡故障とは、電源線20a、20b、20c、20dのうちいずれかの電源線がグランドに接触する故障のことである。本実施形態では、自動車の車体がグランドを構成している。このため、地絡故障は、電源線20a、20b、20c、20dのうちいずれかの電源線が車体に接触することにより生じる故障である。
【0031】
以下、説明の便宜上、電源線20a、20b、20c、20dのうち地絡故障が生じている電源線を地絡電源線ともいう。
【0032】
制御回路50aは、地絡電源線分離処理の実行に伴って、電流検出器48aの検出電流、および電圧検出器49aの検出電圧に基づいて、電源線20a、20bのうち地絡電源線を特定してこの特定した地絡電源線を配電ユニット10a自体から分離する。
【0033】
共通接続端子42a、43aは、それぞれ、電源端子40a、41aの間に配置されている。具体的には、共通接続端子42a、43aは、それぞれ、スイッチ45a、46aの間に配置されている。共通接続端子42a、43aは、それぞれ、電源端子40a、41aに共通接続されている。つまり、共通接続端子42a、43aは、それぞれ、スイッチ45a、46aに共通接続されている。
【0034】
電気負荷53aは、共通接続端子42aに対して電流ヒューズ51aを介して接続されている。電流ヒューズ51aは、溶断することにより、共通接続端子42aから電気負荷53aへ過電流が流れることを未然に防止する。
【0035】
電気負荷54aは、共通接続端子43aに対して電流ヒューズ52aを介して接続されている。電流ヒューズ52aは、溶断することにより、共通接続端子43aから電気負荷54aへ過電流が流れることを未然に防止する。
【0036】
本実施形態の電気負荷53a、54aとしては、それぞれ、自動車に搭載される各種の電気機器が用いられる。
【0037】
配電ユニット10bは、配電ユニット10aと同様の回路構成を備える。具体的には、配電ユニット10bは、電源端子40b、41b、共通接続端子42b、43b、スイッチ44b、45b、46b、抵抗素子47b、電流検出器48b、および電圧検出器49bを備える。
【0038】
配電ユニット10bには、配電ユニット10aと同様に、制御回路50b、および電流ヒューズ51b、52bが接続されている。
【0039】
ここで、説明の便宜上、配電ユニット10bを構成する各構成要素には、符号bを付して、配電ユニット10a、10c、10dを構成する各構成要素と区別している。配電ユニット10bを構成する各構成要素とは、例えば、電源端子40b、41b、共通接続端子42b、43b、スイッチ44b、45b、46b等の構成要素のことである。
【0040】
電源端子40bは、電源端子40aに対応し、電源端子41bは、電源端子41aに対応する。共通接続端子42bは、共通接続端子42aに対応し、共通接続端子43bは、共通接続端子43aに対応する。スイッチ44bは、スイッチ44aに対応し、スイッチ45bは、スイッチ45aに対応し、スイッチ46bは、スイッチ46aに対応する。
【0041】
抵抗素子47bは、抵抗素子47aに対応し、電流検出器48bは、電流検出器48aに対応する。電流検出器48bは、電源端子40b、41bの間に流れる電流を検出する。電圧検出器49bは、電圧検出器49aに対応する。電圧検出器49bは、電源端子40bおよびグランド間の電圧V1bと、電源端子41bおよびグランド間の電圧V2bとをそれぞれ検出する。
【0042】
制御回路50bは、制御回路50aに対応し、電流ヒューズ51bは、電流ヒューズ51aに対応し、電流ヒューズ52bは、電流ヒューズ52bに対応する。電気負荷53bは、電気負荷53aに対応し、電気負荷54bは、電気負荷54bに対応する。
【0043】
同様に、配電ユニット10cは、配電ユニット10aと同様の回路構成を備える。具体的には、配電ユニット10cは、電源端子40c、41c、および共通接続端子42c、43c、スイッチ44c、45c、46c、抵抗素子47c、電流検出器48c、および電圧検出器49cを備える。
【0044】
配電ユニット10cには、配電ユニット10aと同様に、制御回路50c、電流ヒューズ51c、52c、および電気負荷53c、54cが接続されている。ここで、説明の便宜上、配電ユニット10cを構成する各構成要素には、符号cを付して、配電ユニット10a、10b、10dを構成する各構成要素と区別している。
【0045】
同様に、配電ユニット10dは、配電ユニット10aと同様の回路構成を備える。具体的には、配電ユニット10dは、電源端子40d、41d、および共通接続端子42d、43d、スイッチ44d、45d、46d、抵抗素子47d、電流検出器48d、および電圧検出器49dを備える。配電ユニット10dには、配電ユニット10aと同様に、制御回路50d、電流ヒューズ51d、52d、および電気負荷53d、54dが設けられている。
【0046】
ここで、説明の便宜上、配電ユニット10dを構成する各構成要素には、符号dを付して、配電ユニット10a、10b、10cを構成する各構成要素と区別している。
【0047】
電源線20a、20b、20c、20dは、配電ユニット10a、10b、10c、10dとともに、閉回路を構成する。具体的には、電源線20aは、配電ユニット10aの電源端子40aおよび配電ユニット10cの電源端子40cを接続している。電源線20bは、配電ユニット10aの電源端子41aおよび配電ユニット10bの電源端子40bを接続している。
【0048】
電源線20cは、配電ユニット10dの電源端子40dおよび配電ユニット10cの電源端子41cを接続している。電源線20dは、配電ユニット10bの電源端子41bおよび配電ユニット10dの電源端子41dを接続している。
【0049】
直流電源30a、30bは、それぞれ、直流電力を電気負荷53a、54a、53b、54b、53c、54c、53d、54dに電力を供給するための電源である。
【0050】
具体的には、直流電源30aの正極電極が電源線20aに接続されており、直流電源30aの負極電極が自動車の車体に接続されている。直流電源30bの正極電極が電源線20dに接続されており、直流電源30bの負極電極が自動車の車体に接続されている。
【0051】
本実施形態の直流電源30a、30bは、それぞれの正極電極が電源線20a、20b、20c、20dのうち異なる2つの電源線20a、20dに接続されている。
【0052】
次に、本実施形態の配電システム1の作動について
図1、
図2、
図3、
図4、
図5を参照して説明する。
図1は、配電システム1の電源線20a、20b、20c、20dに地絡故障が生じていない状態を示す図である。
【0053】
図3は、配電システム1の電源線20aに地絡故障が生じている状態を示す図である。
図4は、配電システム1の電源線20bに地絡故障が生じている状態を示す図である。
図5は、配電システム1の電源線20dに地絡故障が生じている状態を示す図である。
【0054】
まず、配電システム1に地絡故障が生じていない状態では、スイッチ44a、45a、46a・・・・45d、46dがオンした状態で、直流電源30a、30bが電気負荷53a、54a、53b、54b、53c、54c、53d、54dに電力供給する。
【0055】
なお、スイッチ44a、45a、46a・・・・45d、46dは、スイッチ44a、45a、46a、スイッチ44b、45b、46b、スイッチ44c、45c、46c、スイッチ44d、45d、46dを省略したものである。
【0056】
このように、配電システム1に地絡故障が生じていない状態においては、電気負荷53a、54a、53b、54b、53c、54c、53d、54dは、直流電源30a、30bから供給される電力によって、作動する。
【0057】
制御回路50aは、
図2のフローチャートにしたがって、地絡電源線分離処理を実行する。地絡電源線分離処理の実行は、スイッチ44a、45a、46a・・・・45d、46dがオンした状態で、一定期間毎に、制御回路50aによって開始される。
図2は、地絡電源線分離処理の詳細を示すフローチャートである。
【0058】
以下、制御回路50aによる地絡電源線分離処理の詳細について
図2を参照して説明する。
【0059】
まず、電源線20a、20bのうちいずれか一方で地絡故障が生じている場合には、電源端子40a、41aの間には、大きな電流が流れる。
【0060】
そこで、制御回路50aは、
図2のステップS100において、第3判定部として、スイッチ44a、45a、46aがオンした状態で、電流検出器48aにより検出される電流Iが閾値Ia(すなわち、第3閾値)以上であるか否かについて判定する。
【0061】
このとき、電流Iが閾値Ia以上であるときには、制御回路50aは、ステップS100において、YESと判定する。
【0062】
ここで、電源線20a、20bのうちいずれか一方で地絡故障が生じている場合には、電圧V1a、電圧V2aがそれぞれ電源線20a、20bに地絡故障が生じていない場合に比べて、低くなる。電圧V1aは、電源端子40aおよびグランド間の電圧である。電圧V2aは、電源端子41aおよびグランド間の電圧である。
【0063】
そこで、制御回路50aは、ステップS110において、第1判定部として、スイッチ44a、45a、46aがオンした状態で、電圧検出器49aによって検出される電圧V1aが閾値Vs(すなわち、第1閾値)未満であるか否かについて判定する。
【0064】
このとき、電圧V1aが閾値Vs未満であるときには、制御回路50aは、ステップS110において、YESと判定する。
【0065】
次に、制御回路50aは、ステップS120において、第2判定部として、スイッチ44a、45a、46aがオンした状態で、電圧検出器49aによって検出される電圧V2aが閾値Vs(すなわち、第2閾値)未満であるか否かについて判定する。
【0066】
このとき、電圧V2aが閾値Vs未満であるときには、制御回路50aは、ステップS120において、YESと判定する。
【0067】
以上により、電源線20a、20bのうちいずれか一方で地絡故障が生じている可能性があると判定されることになる。
【0068】
次に、電源線20a、20bのうち地絡故障が生じている地絡電源線を特定するために、制御回路50aは、オフ制御部として、ステップS130において、スイッチ46aをオフさせる。これにより、スイッチ44a、45aがオンし、かつスイッチ46aがオフした状態になる。
【0069】
これに伴い、制御回路50aは、ステップS140において、電圧検出器49aによって検出される電圧V1aが閾値Vr(すなわち、第4所定値)未満であるか否かについて判定する。
【0070】
このとき、制御回路50aは、電圧V1aが閾値Vr未満であるときには、ステップS140において、YESと判定する。
【0071】
次に、制御回路50aは、ステップS150において、スイッチ44a、45aがオンし、かつスイッチ46aがオフした状態で、電圧V2aが閾値Ve(すなわち、第3所定値)以上であるか否かについて判定する。
【0072】
このとき、制御回路50aは、電圧V2aが閾値Ve以上であるときには、ステップS150において、YESと判定する。閾値Vrは、閾値Veに比べて小さな値が設定されている。
【0073】
ここで、電源線20aに地絡故障が生じている場合に、スイッチ46aがオフした際に、電圧V1aが閾値Vrが低い状態が維持されるが、電圧V2aは、抵抗素子47aによる電圧降下が起因して高い状態になる。
【0074】
これに対して、本実施形態では、電圧V1aが閾値Vr未満であり、かつ電圧V2aが閾値Ve以上であるときには、制御回路50aは、電源線20aに地絡故障が生じていると判定する。すなわち、制御回路50aは、ステップS130、140、S150において、電源線20a、20bのうち電源線20a(すなわち、第1電源線)が地絡電源線であることを特定する。
【0075】
次に、制御回路50aは、ステップS160において、分離制御部として、スイッチ44aをオフさせる。このため、配電ユニット10aから電源線20a(すなわち、第1電源線)を分離させることができる。これに加えて、ステップS165において、制御回路50aは、スイッチ46aをオンさせる。
【0076】
これに伴い、電気負荷53a、54aは、直流電源30bからの電力が供給される。その後、制御回路50aは、ステップS100に戻る。
【0077】
また、制御回路50aは、上記ステップS140において、電圧V1aが閾値Vr以上であるときには、NOと判定して、ステップS170に移行する。さらに、制御回路50aは、上記ステップS150において、電圧V2aが閾値Ve未満であるときには、NOと判定して、ステップS170に移行することになる。
【0078】
次に、このように移行したステップS170において、制御回路50aは、スイッチ44a、45aがオンし、かつスイッチ46aがオフした状態で、電圧V1aが閾値Ve(すなわち、第1所定値)以上であるか否かについて判定する。
【0079】
このとき、制御回路50aは、電圧検出器49aによって検出される電圧V1aが閾値Ve以上であるときには、ステップS170において、YESと判定する。
【0080】
次に、制御回路50aは、ステップS180において、スイッチ44a、45aがオンし、かつスイッチ46aがオフした状態で、電圧V2aが閾値Vr(すなわち、第2所定値)未満であるか否かについて判定する。閾値Vrは、上述の如く、閾値Veに比べて小さな値が設定されている。
【0081】
このとき、制御回路50aは、電圧V2aが閾値Vr未満であるときには、ステップS180において、YESと判定する。
【0082】
ここで、電源線20bに地絡故障が生じている場合に、スイッチ46aがオフした際に、電圧V2aが閾値Vrが低い状態が維持されるが、電圧V1aは、抵抗素子47aによる電圧降下が起因して高い状態になる。
【0083】
これに対して、本実施形態では、電圧V2aが閾値Vr未満であり、かつ電圧V1aが閾値Ve以上であるときには、制御回路50aは、電源線20b(すなわち、第2電源線)に地絡故障が生じていると判定する。すなわち、制御回路50aは、ステップS130、180、S190において、電源線20a、20bのうち電源線20bが地絡電源線であることを特定する。
【0084】
なお、ステップS100、S110、S120、S130、S140、S150、S170、S180が地絡故障特定部を構成する。特に、ステップS140、S150、S170、S180が特定部を構成する。
【0085】
次に、制御回路50aは、ステップS190において、スイッチ45aをオフする。このため、配電ユニット10aから電源線20bを分離させることができる。これに加えて、制御回路50aは、ステップS195において、スイッチ46aをオンする。この場合、電気負荷53a、54aは、直流電源30aからの電力が供給される。
【0086】
また、制御回路50aは、電流Iが閾値Ia未満であるときには、上記ステップS100において、NOと判定する。この場合、制御回路50aは、配電システム1には、地絡故障が生じていないとして、ステップS100の判定処理に戻る。
【0087】
また、制御回路50aは、電圧V1aが閾値Vs以上であるときには、上記ステップS110において、NOと判定する。この場合、制御回路50aは、配電システム1には、地絡故障が生じていないとして、ステップS100の判定処理に戻る。
【0088】
また、制御回路50aは、電圧V2aが閾値Vs以上であるときには、制御回路50aは、ステップS120において、NOと判定する。この場合、制御回路50aは、配電システム1には、地絡故障が生じていないとして、ステップS100の判定処理に戻る。
【0089】
さらに、制御回路50aは、電圧V1aが閾値Ve未満であるときには、ステップS170において、配電システム1には、地絡故障が生じていないとして、NOと判定する。その後、制御回路50aは、ステップS200において、スイッチ46aをオンさせる。このため、スイッチ44a、45a、46aがオンした状態になる。その後、制御回路50aは、ステップS100に戻る。
【0090】
さらに、制御回路50aは、電圧V2aが閾値Vr以上であるときには、ステップS180において、配電システム1には、地絡故障が生じていないとして、NOと判定する。その後、制御回路50aは、ステップS200において、スイッチ46aをオンさせる。このため、スイッチ44a、45a、46aがオンした状態になる。その後、制御回路50aは、ステップS100に戻る。
【0091】
このように、制御回路50aは、ステップS100、S110、・・・S200各制御処理を繰り返し実行する。これにより、制御回路50aは、電源線20a、20bのうち地絡電源線を特定し、さらにスイッチ44a、45aのうち地絡電源線に対応するスイッチをオフして地絡電源線を配電ユニット10aから分離する。
【0092】
さらに、制御回路50bは、制御回路50aと同様に、
図2のフローチャートにしたがって、地絡電源線分離処理を実行する。地絡電源線分離処理の実行は、スイッチ44b、45b、46bがオンした状態で、一定期間毎に、制御回路50bによって開始される。
【0093】
例えば、制御回路50bは、スイッチ44b、45bがオンし、かつスイッチ46bをオフした状態で、ステップS140において、電圧検出器49bによって検出される電圧V1bが閾値Vr未満である場合に、YESと判定する。
【0094】
制御回路50bは、ステップS150において、スイッチ44b、45bがオンし、かつスイッチ46bをオフした状態で、電圧検出器49bによって検出される電圧V2bが閾値Ve以上である場合に、YESと判定する。
【0095】
この場合、制御回路50bは、電源線20b、20dのうち電源線20bが地絡電源線であることを特定する。これに伴い、制御回路50bは、ステップS160において、スイッチ44bをオフして、配電ユニット10bから地絡電源線である電源線20bを分離する。
【0096】
これに加えて、制御回路50bは、ステップS165において、スイッチ46bをオンする。これに伴い、電気負荷53b、54bは、直流電源30b電力供給される。
【0097】
制御回路50bは、ステップS170において、スイッチ44b、45bがオンし、かつスイッチ46bをオフした状態で、電圧検出器49bによって検出される電圧V1bが閾値Ve以上である場合に、YESと判定する。
【0098】
制御回路50bは、ステップS180において、スイッチ44b、45bがオンし、かつスイッチ46bをオフした状態で、電圧検出器49bによって検出される電圧V2bが閾値Vr未満である場合に、YESと判定する。
【0099】
この場合、制御回路50bは、電源線20b、20dのうち電源線20dが地絡電源線であることを特定する。これに伴い、制御回路50bは、ステップS200において、スイッチ45bをオフして、配電ユニット10bから地絡電源線である電源線20dを分離する。
【0100】
同様に、制御回路50cは、制御回路50aと同様に、
図2のフローチャートにしたがって、地絡電源線分離処理を実行する。地絡電源線分離処理の実行は、一定期間毎に、制御回路50cによって開始される。これにより、制御回路50cは、電源線20a、20cのうち地絡故障が生じている地絡電源線を特定した場合に、配電ユニット10cから地絡電源線を分離する。
【0101】
同様に、制御回路50dは、制御回路50aと同様に、
図2のフローチャートにしたがって、地絡電源線分離処理を実行する。地絡電源線分離処理の実行は、一定期間毎に、制御回路50dによって開始される。これにより、制御回路50dは、電源線20d、20cのうち地絡故障が生じている地絡電源線を特定した場合に、配電ユニット10dから地絡電源線を分離する。
【0102】
このように、制御回路50a、50b、50c、50dは、それぞれ、独立して、地絡電源線分離処理を実行する。このことにより、制御回路50a、50b、50c、50dは、それぞれ、単独で地絡電源線を特定して配電ユニット10a、10c、10d10dから地絡電源線を分離する。
次に、本実施形態の配電システム1の作動の具体例について
図1、
図3、
図4、
図5を参照して説明する。
【0103】
図1は、配電システム1に地絡故障が生じていない正常時である第1具体例を示し、
図3は、電源線20aに地絡故障が生じている第2具体例を示している。
図4は、電源線20bに地絡故障が生じている第3具体例を示し、
図5は、電源線20dに地絡故障が生じている第4具体例を示す。以下、第1具体例、第2具体例、第3具体例、第4具体例を別々に説明する
【0104】
(第1具体例)
図1に示すように、配電システム1に地絡故障が生じていない場合に、制御回路50aは、ステップS100、S110、S120、S170、S180のいずれかでNOと判定する。この場合、制御回路50b、50c、50dは、それぞれ、制御回路50aと同様に、ステップS100、S110、S120、S170、S180のいずれかでNOと判定する。
【0105】
この場合、電気負荷53a、54a、53b、54b、53c、54c、53d、54dは、それぞれ、直流電源30a、30bから電力供給される
【0106】
(第2具体例)
図3に示すように、電源線20aに地絡故障が生じている場合に、制御回路50aは、ステップS130でスイッチ46aをオフし、かつステップS140でYESと判定する。これに加えて、制御回路50aは、ステップS150でYESと判定して、ステップS160でスイッチ44aをオフさせる。
【0107】
このため、配電ユニット10aから電源線20aが分離されることになる。これに加えて、制御回路50aは、ステップS165においてスイッチ46aをオンさせる。
【0108】
このとき、スイッチ44aがオフした状態では、電圧V1b、電圧V2bは、それぞれ閾値Vs以上になる。このため、制御回路50bは、ステップS100でYESと判定した後、ステップS110でNOと判定する。このため、スイッチ46b、45b、46bのそれぞれのオン状態が維持される。
【0109】
制御回路50cは、ステップS130でスイッチ46cをオフし、かつステップS140でYESと判定する。これに加えて、制御回路50cは、ステップS150でYESと判定して、ステップS160でスイッチ44cをオフさせる。このため、配電ユニット10cから電源線20aが分離されることになる。これに加えて、制御回路50cは、ステップS165においてスイッチ46cをオンさせる。
【0110】
このとき、スイッチ44cがオフした状態では、電圧V1d、電圧V2dは、それぞれ閾値Vs以上になる。このため、制御回路50dは、ステップS100でYESと判定した後、ステップS110でNOと判定する。このため、スイッチ46d、45d、46dのそれぞれのオン状態が維持される。
【0111】
以上により、電気負荷53a、54a、53b、54b、53c、54c、53d、54dは、それぞれ、直流電源30bから電力供給される
【0112】
(第3具体例)
図4に示すように、電源線20bに地絡故障が生じている場合に、制御回路50aは、ステップS130でスイッチ46aをオフし、かつステップS170でYESと判定する。これに加えて、制御回路50aは、ステップS180でYESと判定して、ステップS190においてスイッチ45aをオフさせる。このため、配電ユニット10aから電源線20bが分離されることになる。これに加えて、制御回路50aは、ステップS195でスイッチ46aをオンさせる。
【0113】
このとき、スイッチ45aがオフした状態では、電圧V1c、電圧V2cは、それぞれ閾値Vs以上になる。このため、制御回路50bは、ステップS100でYESと判定した後、ステップS110でNOと判定する。このため、スイッチ46b、45b、46bのそれぞれのオン状態が維持される。
【0114】
制御回路50bは、ステップS130でスイッチ46bをオフし、かつステップS140でYESと判定する。これに加えて、制御回路50cは、ステップS150でYESと判定して、ステップS160でスイッチ44bをオフさせる。このため、配電ユニット10cから電源線20bが分離されることになる。これに加えて、制御回路50cは、ステップS165においてスイッチ46cをオンさせる。
【0115】
このとき、スイッチ44bがオフした状態では、電圧V1d、電圧V2dは、それぞれ閾値Vs以上になる。このため、制御回路50dは、ステップS100でYESと判定した後、ステップS110でNOと判定する。このため、スイッチ46d、45d、46dのそれぞれのオン状態が維持される。
【0116】
以上により、電気負荷53a、54a、53b、54b、53d、54dは、それぞれ、直流電源30a、30bから電力供給される。
【0117】
(第4具体例)
図5に示すように、電源線20dに地絡故障が生じている場合に、制御回路50bは、ステップS130でスイッチ46bをオフし、かつステップS170でYESと判定する。これに加えて、制御回路50aは、ステップS180でYESと判定して、ステップS190においてスイッチ45bをオフさせる。このため、配電ユニット10bから電源線20dが分離されることになる。これに加えて、制御回路50bは、ステップS195でスイッチ46bをオンさせる。
【0118】
このとき、スイッチ45bがオフした状態では、電圧V1a、電圧V2aは、それぞれ閾値Vs以上になる。このため、制御回路50aは、ステップS100でYESと判定した後、ステップS110でNOと判定する。このため、スイッチ46a、45a、46aのそれぞれのオン状態が維持される。
【0119】
制御回路50dは、ステップS130でスイッチ46dをオフして、かつステップS170でYESと判定する。これに加えて、制御回路50dは、ステップS180でYESと判定して、ステップS190において、分離制御部として、スイッチ45dをオフさせる。このため、配電ユニット10dから電源線20dが分離されることになる。これに加えて、制御回路50dは、ステップS195でスイッチ46dをオンさせる。
【0120】
このとき、スイッチ45dがオフした状態では、電圧V1c、電圧V2cは、それぞれ閾値Vs以上になる。このため、制御回路50cは、ステップS100でYESと判定した後、ステップS110でNOと判定する。このため、スイッチ46c、45c、46cのそれぞれのオン状態が維持される。
【0121】
以上により、電気負荷53a、54a、53b、54b、53c、54c、53d、54dは、直流電源30bから電力供給される。
【0122】
以上説明した本実施形態によれば、配電システム1は、配電ユニット10a、10b、10c、10dと、電源線20a、20b、20c、20dと、を備える。配電ユニット10aは、電源端子40a、41aの間に配置されているスイッチ44aと、スイッチ44aおよび電源端子41aの間に配置されているスイッチ45aとを備える。
【0123】
配電ユニット10aは、スイッチ44a、45aの間に配置されてスイッチ44a、45aに共通接続され、かつ電気負荷53a、54aに接続されている共通接続端子42a、43aを備える。
【0124】
配電ユニット10b、10b、10cは、配電ユニット10aと同様に、構成されている。電源線20a、20b、20c、20dは、それぞれ、閉回路を構成するように配電ユニット10a、10b、10c、10dのうち2つの配電ユニットを接続する。
【0125】
具体的には、電源線20aは、配電ユニット10aの電源端子40aと配電ユニット10cの電源端子40cとを接続する。電源線20bは、配電ユニット10aの電源端子41aと配電ユニット10bの電源端子40bとを接続する。
【0126】
電源線20cは、配電ユニット10cの電源端子41cと配電ユニット10dの電源端子40dとを接続する。電源線20dは、配電ユニット10bの電源端子41bと配電ユニット10dの電源端子41dとを接続する。
【0127】
直流電源30aは、電源線20aに接続されており、直流電源30bは、電源線20aと異なる電源線20dに接続されている。
【0128】
配電ユニット10aは、電源端子40aとグランドとの間の電圧V1aと、電源端子41aとグランドとの間の電圧V2aとをそれぞれ検出する電圧検出器49aと、電源端子40a、41aの間を流れる電流Iを検出する電流検出器48aとを備える。
【0129】
制御回路50aは、ステップS100~S150、S170、S180において、電圧V1a、V2a、および電流Iに基づいて、電源線20a、20bのうち地絡故障が生じている地絡電源線を配電ユニット10b、10c、10dに対して独立して特定する。
【0130】
以上により、配電ユニット10aは、単独で電源線20a、20bのうち地絡故障が生じている地絡電源線を特定する。このため、配電ユニット10aは、配電ユニット10aが配電ユニット10b、10c、10dとの間で通信を行うことにより地絡電源線を特定する場合に比べて、短時間で地絡電源線を特定することができる。
【0131】
本実施形態では、制御回路50aは、ステップS160、S190において、スイッチ44a、45aのうち地絡電源線に対応するスイッチをオフすることにより、配電ユニット10aから地絡電源線を分離することができる。したがって、短時間で配電ユニット10aから地絡電源線を分離することができる。
【0132】
同様に、配電ユニット10b、10c、10dは、配電ユニット10aと同様に構成されている。以上により、配電ユニット10a、10b、10c、10dは、それぞれ単独で地絡電源線を特定する。このため、配電ユニット10a、10b、10c、10dは、それぞれの他の配電ユニットとの間で通信を行うことにより地絡電源線を特定する場合に比べて、短時間で地絡電源線を特定することができる。
【0133】
したがって、短時間で配電ユニット10a、10b、10c、10dから地絡電源線を分離することができる。
このように構成される本実施形態においては、次の効果が得られる。
【0134】
すなわち、配電ユニット10aは、スイッチ44a、45aの間に配置されているスイッチ46aと、スイッチ44a、45aの間に配置されてスイッチ46aに対して並列に配置されている抵抗素子47aとを備える。
【0135】
制御回路50aは、ステップS130において、スイッチ44a、45a、46aがオンした状態で、電圧V1aが閾値Vs未満であり、かつ電圧V2aが閾値Vs未満であり、さらに電流Iが閾値Ia以上であると判定したとき、スイッチ46aをオフする。
【0136】
制御回路50aは、スイッチ44a、45aがオンしてスイッチ46aをオフした状態で、電圧V1aが閾値Vr以上であり、かつ電圧V2aが閾値Ve未満であるときには、電源線20bが地絡電源線であると特定する。
【0137】
制御回路50aは、スイッチ44a、45aがオンしてスイッチ46aをオフした状態で、電圧V2aが閾値Vr以上であり、かつ電圧V1aが閾値Ve未満であるとき、電源線20aが地絡電源線であると特定する。
【0138】
以上により、制御回路50aは、抵抗素子47aによる電圧降下を利用して、電源線20a、20bのうち地絡電源線を高精度に特定することができる。
【0139】
同様に、制御回路50b、50c、50dは、それぞれ、抵抗素子47b、47c、47dによる電圧降下を利用して、地絡電源線を高精度に特定することができる。
【0140】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、配電ユニット10aにおいて、電源端子40a、41aの間で電圧降下を発生させるための抵抗素子47aを設けた例について説明した。
【0141】
しかし、これに代えて、配電ユニット10aにおいて、ダイオード55a、56aを設けて電源端子40a、41aの間で電圧降下を発生させる本第2実施形態について
図6、
図7、
図8、
図9、
図10を用いて説明する。
図6において、
図1と同一符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0142】
図6は、本実施形態の配電システム1の全体構成を示す図である。配電ユニット10aは、
図6に示すように、スイッチ46aおよび抵抗素子47aに代えて、ダイオード55a、56aを備える。
【0143】
ダイオード55aは、電源端子40a、41aの間でスイッチ44aに対して並列に配置されている第1ダイオードである。具体的には、ダイオード55aは、電源端子40aおよびスイッチ45aの間でスイッチ44aに対して並列に配置されている。
【0144】
ダイオード55aは、電源端子40a側から電源端子41a側に電流が流れることを許容する一方、電源端子41a側から電源端子40aに電流が流れることを阻止する。
【0145】
ダイオード56aは、スイッチ44a、ダイオード55aと電源端子41aの間に配置されて、スイッチ45aに対して並列に配置されている第2ダイオードである。ダイオード56aは、電源端子41a側から電源端子40a側に電流が流れることを許容する一方、電源端子40a側から電源端子41a側に電流が流れることを阻止する。
【0146】
本実施形態のスイッチ44a、45aとしては、電界効果型トランジスタを用いることができる。ダイオード55aは、スイッチ44aを構成する電界効果型トランジスタのボディーダイオードを用いることができる。ダイオード56aは、スイッチ45aを構成する電界効果型トランジスタのボディーダイオードを用いることができる。
【0147】
同様に、配電ユニット10bは、スイッチ46bおよび抵抗素子47bに代えて、ダイオード55b、56bを備える。ダイオード55bは、電源端子40bおよびスイッチ45bの間でスイッチ44bに対して並列に配置されている。ダイオード55bは、電源端子40b側から電源端子41b側に電流が流れることを許容する一方、電源端子41b側から電源端子40b側に電流が流れることを阻止する。
【0148】
ダイオード56bは、スイッチ44b、ダイオード55bと電源端子41bとの間に配置されて、スイッチ45bに対して並列に配置されている。ダイオード56bは、電源端子41b側から電源端子40b側に電流が流れることを許容する一方、電源端子40b側から電源端子41b側に電流が流れることを阻止する。
【0149】
同様に、配電ユニット10cは、スイッチ46cおよび抵抗素子47cに代えて、ダイオード55c、56cを備える。ダイオード55cは、電源端子40cおよびスイッチ45cの間でスイッチ44cに対して並列に配置されている。ダイオード55cは、電源端子40c側から電源端子41c側に電流が流れることを許容する一方、電源端子41c側から電源端子40c側に電流が流れることを阻止する。
【0150】
ダイオード56cは、スイッチ44c、ダイオード55cと電源端子41cとの間に配置されて、スイッチ45cに対して並列に配置されている。ダイオード56cは、電源端子41c側から電源端子40c側に電流が流れることを許容する一方、電源端子40c側から電源端子41c側に電流が流れることを阻止する。
【0151】
同様に、配電ユニット10dは、スイッチ46dおよび抵抗素子47dに代えて、ダイオード55d、56dを備える。ダイオード55dは、電源端子40dおよびスイッチ45dの間でスイッチ44dに対して並列に配置されている。ダイオード55dは、電源端子40d側から電源端子41d側に電流が流れることを許容する一方、電源端子41d側から電源端子40d側に電流が流れることを阻止する。
【0152】
ダイオード56dは、スイッチ44d、ダイオード55dと電源端子41dとの間に配置されて、スイッチ45dに対して並列に配置されている。ダイオード56dは、電源端子41d側から電源端子40d側に電流が流れることを許容する一方、電源端子40d側から電源端子41d側に電流が流れることを阻止する。
【0153】
次に、本実施形態の配電システム1の作動について
図6、
図7、
図8、
図9、
図10を参照して説明する。
図6は、配電システム1の電源線20a、20b、20c、20dに地絡故障が生じていない状態を示す図である。
図8は、配電システム1の電源線20aに地絡故障が生じている状態を示す図である。
【0154】
図9は、配電システム1の電源線20bに地絡故障が生じている状態を示す図である。
図10は、配電システム1の電源線20dに地絡故障が生じている状態を示す図である。
【0155】
まず、制御回路50aがスイッチ44a、45aをオンし、制御回路50bがスイッチ44b、45bをオンする。制御回路50cがスイッチ44c、45cをオンし、制御回路50dがスイッチ44d、45dをオンする。
【0156】
このとき、配電システム1に地絡故障が生じていない状態では、スイッチ44a、45a、・・・・45d、46dをオンした状態で、直流電源30a、30bが電気負荷53a、54a、53b、54b、53c、54c、53d、54dに電力供給する。
【0157】
このように、配電システム1に地絡故障が生じていない状態においては、電気負荷53a、54a、53b、54b、53c、54c、53d、54dは、直流電源30a、30bから供給される電力によって、作動する。
【0158】
制御回路50aは、
図2に代わる
図7のフローチャートにしたがって、スイッチ44a、44bがオンした状態で、地絡電源線分離処理を実行する。地絡電源線分離処理の実行は、一定期間毎に、制御回路50aによって開始される。
図7は、地絡電源線分離処理の詳細を示すフローチャートである。
【0159】
図7のフローチャートでは、
図2のフローチャートの一部のステップを変更したものである。
図7のフローチャートでは、
図2のフローチャートにおいて同一符号は、同一ステップを示し、その説明を省略する。
【0160】
図7のフローチャートは、
図2のステップS130に代わるステップS130Aと、
図2のステップS165に代わるステップS165Aと、
図2のステップS195に代わるステップS195Aとを備える。
図7のフローチャートは、
図2のステップS200に代わるステップS200Aと、ステップS130B、S130Cとを備える。
【0161】
例えば、制御回路50aは、ステップS110、S110、S120でそれぞれYESと判定する。この場合、電源線20a、20bのうちいずれか一方で地絡故障が生じている可能性があると判定されることになる。
【0162】
そこで、本実施形態の制御回路50aは、次のステップS130A、S140、S150において、電源線20aに地絡故障が生じているか否かを判定する。
【0163】
具体的には、制御回路50aは、ステップS130Aで、第2オフ制御部として、スイッチ44aがオンした状態でスイッチ45aをオフする。このとき、電源線20aに地絡故障が生じている場合には、電圧V1aが低い状態が維持され、ダイオード55aのPN結合による電圧降下が起因して電圧V2aが高い状態になる。
【0164】
そこで、制御回路50aは、ステップS140において、第2特定部として、スイッチ44aがオンしてスイッチ45aがオフしている状態で、電圧V1aが閾値Vr(すなわち、第4所定値)未満であるか否かについて判定する。
【0165】
このとき、制御回路50aは、電圧V1aが閾値Vr未満であるときには、ステップS140において、YESと判定する。
【0166】
次に、制御回路50aは、ステップS150において、第2特定部として、スイッチ44aがオンしてスイッチ45aがオフしている状態で、電圧V2aが閾値Ve(すなわち、第3所定値)以上であるか否かについて判定する。
【0167】
このとき、制御回路50aは、電圧V2aが閾値Ve以上であるときには、ステップS150において、YESと判定する。
【0168】
このように、電圧V1aが閾値Vr未満であり、かつ電圧V2aが閾値Ve以上であるときには、制御回路50aは、電源線20a(すなわち、第1電源線)に地絡故障が生じていると判定する。閾値Vrは、閾値Veに比べて小さな値が設定されている。
【0169】
次に、制御回路50aは、ステップS160において、分離制御部として、スイッチ44aをオフする。このため、配電ユニット10aから電源線20aを分離させることができる。
【0170】
これに加えて、制御回路50aは、ステップS165Aにおいて、スイッチ45aをオンさせる。この場合、電気負荷53a、54aは、直流電源30bからの電力が供給される。その後、制御回路50aは、ステップS100に戻る。
【0171】
また、制御回路50aは、上記ステップS140において、電圧V1aが閾値Vr以上であるときには、NOと判定して、ステップS130Bに移行する。
【0172】
また、制御回路50aは、上記ステップS150において、電圧V2aが閾値Vr未満であるときには、NOと判定して、ステップS130Bに移行する。
【0173】
このように移行したステップS130Bにおいて、制御回路50aは、電源線20bに地絡故障が生じているか否かを判定する。
【0174】
具体的には、制御回路50aは、ステップS130Bでスイッチ45aをオンした後、次のステップS130Cにおいて、第1オフ制御部として、スイッチ44aをオフする。このため、スイッチ45aがオンしてスイッチ44aがオフした状態になる。
【0175】
このとき、電源線20bに地絡故障が生じている場合には、電圧V2aが低い状態が維持され、ダイオード55aのPN結合による電圧降下が起因して電圧V1aが高い状態になる。
【0176】
そこで、制御回路50aは、ステップS170において、第1特定部として、スイッチ45aがオンしてスイッチ44aがオフした状態で、電圧V1aが閾値Ve(すなわち、第1所定値)以上であるか否かについて判定する。
【0177】
このとき、制御回路50aは、電圧V1aが閾値Ve以上であるときには、ステップS170において、YESと判定する。
【0178】
次に、制御回路50aは、ステップS180において、第1特定部として、スイッチ45aがオンしてスイッチ44aがオフした状態で、電圧V2aが閾値Vr(すなわち、第2所定値)未満であるか否かについて判定する。閾値Vrは、閾値Veに比べて小さな値が設定されている。
【0179】
このとき、制御回路50aは、電圧V2aが閾値Vr未満であるときには、ステップS180において、YESと判定する。
【0180】
このように、電圧V2aが閾値Vr未満であり、かつ電圧V1aが閾値Ve以上であるときには、制御回路50aは、電源線20b(すなわち、第2電源線)に地絡故障が生じていると判定する。次に、制御回路50aは、ステップS190において、分離制御部として、スイッチ45aをオフする。このため、配電ユニット10aから電源線20bを分離させることができる。
【0181】
これに加えて、制御回路50aは、ステップS195Aにおいて、スイッチ44aをオンする。この場合、電気負荷53a、54aは、直流電源30aからの電力が供給される。
【0182】
さらに、制御回路50aは、上記ステップS170において、電圧V1aが閾値Ve未満であるときには、配電システム1には、地絡故障が生じていないとして、NOと判定して、次のステップS200Aに移行する。
【0183】
また、制御回路50aは、上記ステップS180において、電圧V2aが閾値Vr以上であるときには、配電システム1には、地絡故障が生じていないとして、NOと判定して、次のステップS200Aに移行する。
【0184】
次に、制御回路50aは、このように移行したステップS200Aにおいて、スイッチ44aをオンする。このため、スイッチ44a、45aがそれぞれオンした状態になる。これにより、電気負荷53a、54aは、直流電源30a、30bからの電力が供給される。
【0185】
このように、制御回路50aは、単独で、ステップS100、S110、・・・S200Aの制御処理を繰り返し実行することにより、電源線20a、20bのうち地絡電源線を特定して、この特定した地絡電源線を配電ユニット10aから分離する。
【0186】
さらに、制御回路50bは、制御回路50aと同様に、
図7のフローチャートにしたがって、地絡電源線分離処理を実行する。地絡電源線分離処理の実行は、一定期間毎に、制御回路50bによって開始される。
【0187】
同様に、制御回路50cは、制御回路50aと同様に、
図2のフローチャートにしたがって、地絡電源線分離処理を実行する。地絡電源線分離処理の実行は、一定期間毎に、制御回路50cによって開始される。
【0188】
同様に、制御回路50dは、制御回路50aと同様に、
図2のフローチャートにしたがって、地絡電源線分離処理を実行する。地絡電源線分離処理の実行は、一定期間毎に、制御回路50dによって開始される。
【0189】
このように、制御回路50a、50b、50c、50dは、それぞれ、独立して、地絡電源線分離処理を実行する。このことにより、制御回路50a、50b、50c、50dは、それぞれ、単独で地絡電源線を特定して配電ユニット10a、10c、10d10dから地絡電源線を分離する。
【0190】
次に、本実施形態の配電システム1の作動の具体例について
図6、
図8、
図9、
図10を参照して説明する。
図6は、配電システム1に地絡故障が生じていない正常時である第5具体例を示し、
図8は、電源線20aに地絡故障が生じている第6具体例を示している。
【0191】
図9は、電源線20bに地絡故障が生じている第7具体例を示し、
図10は、電源線20dに地絡故障が生じている第8具体例を示す。以下、第5具体例、第6具体例、第7具体例、第8具体例を別々に説明する
【0192】
(第5具体例)
図6に示すように、配電システム1に地絡故障が生じていない場合に、制御回路50aは、ステップS100、S110、S120、S170、S180のいずれかでNOと判定する。この場合、制御回路50b、50c、50dは、それぞれ、制御回路50aと同様に、ステップS100、S110、S120、S170、S180のいずれかでNOと判定する。
【0193】
このため、スイッチ44a、45a、46a・・・・45d、46dがオンした状態で、電気負荷53a、54a、53b、54b、53c、54c、53d、54dは、それぞれ、直流電源30a、30bから電力供給される
【0194】
(第6具体例)
図8に示すように、電源線20aに地絡故障が生じている場合に、制御回路50aは、ステップS130Aでスイッチ45aをオフした状態で、ステップS140でYESと判定する。これに加えて、制御回路50aは、ステップS150でYESと判定して、ステップS160において、スイッチ44aをオフさせる。
【0195】
このため、配電ユニット10aから電源線20aが分離されることになる。これに加えて、制御回路50aは、ステップS165Aにおいてスイッチ45aをオンさせる。
【0196】
このとき、スイッチ44aがオフした状態では、電圧V1b、電圧V2bは、それぞれ閾値Vs以上になる。このため、制御回路50bは、ステップS100でYESと判定した後、ステップS110でNOと判定する。このため、スイッチ44b、45bのそれぞれのオン状態が維持される。
【0197】
制御回路50cは、ステップS130Aでスイッチ45cをオフし、かつステップS140でYESと判定する。これに伴い、制御回路50cは、ステップS150でYESと判定して、ステップS160においてスイッチ44cをオフさせる。このため、配電ユニット10cから電源線20aが分離されることになる。これに加えて、制御回路50cは、ステップS165Aにおいてスイッチ45cをオンさせる。
【0198】
このとき、スイッチ44cがオフした状態では、電圧V1d、電圧V2dは、それぞれ閾値Vs以上になる。このため、制御回路50dは、ステップS100でYESと判定した後、ステップS110でNOと判定する。このため、スイッチ44d、45dのそれぞれのオン状態が維持される。
【0199】
以上により、電気負荷53a、54a、53b、54b、53c、54c、53d、54dは、それぞれ、直流電源30bから電力供給される。
【0200】
(第7具体例)
図9に示すように、電源線20bに地絡故障が生じている場合に、制御回路50aは、ステップS130Bでスイッチ45aをオンし、かつステップS130Cでスイッチ44aをオフした状態で、ステップS170でYESと判定する。
【0201】
これに伴い、制御回路50aは、ステップS180でYESと判定して、ステップS190でスイッチ45aをオフさせる。このため、配電ユニット10aから電源線20bが分離されることになる。これに加えて、制御回路50aは、ステップS195Aでスイッチ44aをオンさせる。
【0202】
このとき、スイッチ45aがオフした状態では、電圧V1c、電圧V2cは、それぞれ閾値Vs以上になる。このため、制御回路50cは、ステップS100でYESと判定した後、ステップS110でNOと判定する。このため、スイッチ44c、45cのそれぞれのオン状態が維持される。
【0203】
制御回路50bは、ステップS130Aでスイッチ45bをオフし、かつステップS140でYESと判定する。これに伴い、制御回路50bは、ステップS150でYESと判定して、ステップS160でスイッチ44bをオフさせる。
【0204】
このため、配電ユニット10bから電源線20bが分離されることになる。これに加えて、制御回路50bは、ステップS165Aにおいてスイッチ46bをオンさせる。
【0205】
このとき、スイッチ44bがオフした状態では、電圧V1d、電圧V2dは、それぞれ閾値Vs以上になる。このため、制御回路50dは、ステップS100でYESと判定した後、ステップS110でNOと判定する。このため、スイッチ46d、45dのそれぞれのオン状態が維持される。
【0206】
以上により、電気負荷53a、54a、53b、54b、53c、54c、53d、54dは、それぞれ、直流電源30a、30bから電力供給される。
【0207】
(第8具体例)
図10に示すように、電源線20dに地絡故障が生じている場合に、制御回路50bは、ステップS130Bでスイッチ45bをオンし、かつステップS130Cでスイッチ44bをオフし、さらにステップS170でYESと判定する。
【0208】
これに伴い、制御回路50bは、ステップS180でYESと判定して、ステップS190でスイッチ45bをオフさせる。このため、配電ユニット10bから電源線20dが分離されることになる。これに加えて、制御回路50bは、ステップS195Aでスイッチ44bをオンさせる。
【0209】
このとき、スイッチ45bがオフした状態では、電圧V1a、電圧V2aは、それぞれ閾値Vs以上になる。このため、制御回路50aは、ステップS100でYESと判定した後、ステップS110でNOと判定する。このため、スイッチ46a、45aのそれぞれのオン状態が維持される。
【0210】
制御回路50dは、ステップS130Bでスイッチ45dをオンし、かつステップS130Cでスイッチ44dをオフし、さらにステップS170でYESと判定する。これに伴い、制御回路50cは、ステップS180でYESと判定して、ステップS190でスイッチ45dをオフさせる。
【0211】
このため、配電ユニット10dから電源線20dが分離されることになる。これに加えて、制御回路50cは、ステップS195Aでスイッチ44dをオンさせる。
【0212】
このとき、スイッチ45dがオフした状態では、電圧V1c、電圧V2cは、それぞれ閾値Vs以上になる。このため、制御回路50cは、ステップS100でYESと判定した後、ステップS110でNOと判定する。このため、スイッチ44c、45cのそれぞれのオン状態が維持される。
【0213】
以上により、電気負荷53a、54a、53b、54b、53c、54c、53d、54dは、直流電源30aから電力供給される。
【0214】
以上説明した本実施形態によれば、配電ユニット10aは、電源端子40aおよびスイッチ45aの間に配置され、かつスイッチ44aに対して並列に配置され、電源端子40a側から電源端子41a側に電流が流れることを許容するダイオード55aを備える。
【0215】
配電ユニット10aは、スイッチ44a、ダイオード55aと電源端子41aとの間に配置され、かつスイッチ45aに対して並列に配置され、電源端子41a側から電源端子40a側に電流が流れることを許容するダイオード56aとを備える。
【0216】
制御回路50aは、ステップS100において、スイッチ44a、45aがそれぞれオンした状態で、電流Iが閾値Ia以上であるか否かについて判定する。
【0217】
制御回路50aは、ステップS110、S120において、スイッチ44a、45aがそれぞれオンした状態で、電圧V1a、V2aが閾値Vs未満であるか否かについて判定する。
【0218】
制御回路50aは、電流Iが閾値Ia以上であると判定し、かつ電圧V1a、V2Aが閾値Vs未満であると判定したとき、ステップS130Aにおいて、スイッチS44aがオンした状態でスイッチS45aをオフさせる。
【0219】
制御回路50aは、スイッチS44aがオンしてスイッチS45aがオフした状態で、電圧V1aが閾値Vr未満であり、かつ電圧V2aが閾値Ve以上あるとき、ステップS140、S150でYESと判定する。これに伴い、制御回路50aは、電源線20aが地絡電源線であると特定する。
【0220】
これに伴い、制御回路50aは、スイッチ44a、45aのうち電源線20aに対応するスイッチ44aをオフする。これにより、配電ユニット10aから電源線20aを分離することができる。
【0221】
制御回路50aは、電流Iが閾値Ia以上であると判定し、かつ電圧V1a、V2Aが閾値Vs未満であると判定したとき、ステップS130Cにおいて、スイッチS45aがオンした状態でスイッチS44aをオフさせる。
【0222】
制御回路50aは、スイッチS45aがオンしてスイッチS44aをオフした状態で、電圧V2aが閾値Vr未満であり、かつ電圧V1aが閾値Ve以上あるとき、ステップS170、S180でYESと判定する。これに伴い、制御回路50aは、電源線20bが地絡電源線であると特定する。
【0223】
以上により、配電ユニット10aは、単独で地絡電源線を特定することができる。このため、配電ユニット10aは、配電ユニット10aが配電ユニット10b、10c、10dとの間で通信を行うことにより地絡電源線を特定する場合に比べて、短時間で地絡電源線を特定することができる。
【0224】
したがって、短時間で地絡電源線を特定することができる。これに伴い、配電ユニット10aから地絡電源線を短時間で分離することができる。
【0225】
配電ユニット10b、10c、10dは、配電ユニット10aと同様に、単独で地絡電源線を特定する。
このため、配電ユニット10b、10c、10dは、配電ユニット10aと同様に、短時間で地絡電源線を特定することができる。したがって、配電ユニット10b、10c、10dから地絡電源線を短時間で分離することができる。
【0226】
(他の実施形態)
【0227】
(1)上記第1、第2実施形態において、配電システム1が自動車に適用された例について説明した。しかし、これに代えて、配電システム1が自動車以外の各種機器に適用されるようにしてもよい。
【0228】
(2)上記第1、第2実施形態において、配電システム1において、4つの配電ユニット10a、10b、10c、10dを設けた例について説明した。しかし、これに代えて、2つの配電ユニット、或いは3つの配電ユニットを設けてもよい。或いは、配電システム1において、5つ以上の配電ユニットを設けてもよい。
【0229】
(3)上記第1、第2実施形態において、配電システム1において、2つの直流電源30a、30bを設けた例について説明した。しかし、これに代えて、3つ以上の直流電源を設けてもよい。この場合、3つ以上の直流電源は互いに異なる電源線に接続されることが必要になる。
【0230】
(4)上記第1、第2実施形態において、配電システム1において、電源として、直流電源30a、30bを設けた例について説明した。しかし、これに代えて、交流電源を電源として設けてもよい。
【0231】
この場合、電圧検出器49aは、電源端子40aおよびグランド間の交流電圧の実効値としての電圧V1aを検出する。電圧検出器49aは、電源端子41aおよびグランド間の交流電圧の実効値としての電圧V2aを検出する。電流検出器48aは、電源端子40a、41aの間を流れる交流電流の実効値としての電流Iを検出する。
【0232】
(5)上記第1、第2実施形態において、電流検出器48aをスイッチ44a、45aの間に配置した例について説明したが、これに限らず、電源端子40a、41aの間であれば、スイッチ44a、45aの間以外の箇所に配置してもよい。電流検出器48b、48c、498dも同様である。
【0233】
(6)上記第1、第2実施形態において、電源端子40aおよびグランド間の電圧V1aと、電源端子41aおよびグランド間の電圧V2aとを1つの電圧検出器49aによって検出した例について説明した。
【0234】
しかし、これに代えて、電源端子40aおよびグランド間の電圧V1aと、電源端子41aおよびグランド間の電圧V2aとを別々の電圧検出器によって検出してもよい。
【0235】
(7)上記第1実施形態において、スイッチ44a、45a、46aとしてはメカニカルスイッチを用いた例について説明した。しかし、これに代えて、スイッチ44a、45a、46aとしては半導体スイッチを用いてもよい。
【0236】
また、上記第1実施形態において、スイッチ44a、45a、46aとしてはメカニカルスイッチを用いる場合でも、ノーマリーオープン型のメカニカルスイッチを用いてもよい。
【0237】
(7)上記第1実施形態において、スイッチ44a、45a、46aとしてはメカニカルスイッチを用いた例について説明した。しかし、これに代えて、スイッチ44a、45a、46aとしては半導体スイッチを用いてもよい。
【0238】
(8)上記第1実施形態において、スイッチ44a、45aとしては、電界効果型トランジスタを用いた例について説明したが、これに限らず、スイッチ44a、45aとしては、電界効果型トランジスタ以外の半導体スイッチやメカニカルスイッチを用いてもよい。
【0239】
(9)上記第1、第2実施形態において、ステップS140で用いられる閾値(すなわち、第4所定値)と、ステップS180で用いられる閾値(すなわち、第2所定値)とを互いに同一値である閾値Vrとした例について説明した。
【0240】
しかし、これに代えて、ステップS140で用いられる閾値と、ステップS180で用いられる閾値とを互いに異なる値としてもよい。
(10)上記第1、第2実施形態において、ステップS170で用いられる閾値(すなわち、第1所定値)と、ステップS180で用いられる閾値(すなわち、第2所定値)とを互いに同一値である閾値Veとした例について説明した。
【0241】
しかし、これに代えて、ステップS170で用いられる閾値と、ステップS180で用いられる閾値とを互いに異なる値としてもよい。
【0242】
(11)なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、センサから車両の外部環境情報(例えば車外の湿度)を取得することが記載されている場合、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報を受信することも可能である。あるいは、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報に関連する関連情報を取得し、取得した関連情報からその外部環境情報を推定することも可能である。
【符号の説明】
【0243】
1 配電システム
10a 配電ユニット
20a 電源線
20b 電源線
20c 電源線
20d 電源線
30a 直流電源
30b 直流電源
40a 電源端子
41a 電源端子
44a スイッチ
45a スイッチ
46a スイッチ
47a 抵抗素子
48a 電流検出器
49a 電圧検出器
50a 制御回路