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特開2024-120153立位姿勢で仮眠又は休憩するユーザーを支持する支持機構、支持装置及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120153
(43)【公開日】2024-09-04
(54)【発明の名称】立位姿勢で仮眠又は休憩するユーザーを支持する支持機構、支持装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/00 20060101AFI20240828BHJP
   A47C 7/02 20060101ALI20240828BHJP
   A47C 7/14 20060101ALI20240828BHJP
   A47C 20/00 20060101ALI20240828BHJP
   A47C 16/00 20060101ALI20240828BHJP
   A47C 9/00 20060101ALI20240828BHJP
   A47C 3/02 20060101ALI20240828BHJP
【FI】
A47C19/00 Z
A47C7/02 D
A47C7/14 Z
A47C20/00
A47C16/00 Z
A47C9/00 Z
A47C3/02
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215178
(22)【出願日】2023-12-20
(62)【分割の表示】P 2023026812の分割
【原出願日】2023-02-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】523028426
【氏名又は名称】広葉樹合板株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177231
【弁理士】
【氏名又は名称】鴨志田 伸一
(72)【発明者】
【氏名】山口 裕也
(72)【発明者】
【氏名】野原 嘉人
(72)【発明者】
【氏名】菊地 文貴
【テーマコード(参考)】
3B084
3B091
3B095
【Fターム(参考)】
3B084BA00
3B091AB01
3B095CA07
3B095GA00
3B095GA01
3B095GA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、複数のユーザーの異なる脚長に応じて人体の支持位置を調整することができる支持機構を提供する。
【解決手段】立位姿勢で仮眠又は休憩するユーザーを支持する支持機構20は、人体の膝及び下腿の一方に接触して人体を下方から支持する第1支持部210と、人体の臀部及び上腿の一方に接触して人体を下方から支持する第2支持部220と、人体の上肢及び頭の一方に接触して、人体を前後方向の少なくとも一方から支持する第3支持部230と、人体の足が上下方向に対して傾斜した姿勢となるように人体の足の裏に接触して人体を下方から支持する第4支持部240と、第1支持部210、第2支持部220及び第4支持部240のうちの1つを、第1支持部210、第2支持部220及び第4支持部240のうちの前記1つ以外の1つに対して前記上下方向に相対移動させる移動機構250と、を備える。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立位姿勢で仮眠又は休憩するユーザーを支持する支持機構であって、
上下方向の上方に向く斜面を有し、人体の正面側から人体の膝及び下腿の一方又は両方に接触して人体を下方から支持する第1支持部と、
前記上下方向から見て前記第1支持部と異なる位置に配置され、人体の背面側から人体の臀部及び上腿の一方又は両方に接触して人体を下方から支持する第2支持部と、
前記第1支持部及び前記第2支持部よりも上方の位置に配置され、人体の上肢及び頭がその前後方向における定められた範囲に配置されるように人体の上肢及び頭の一方又は両方に接触して、人体を前記前後方向の少なくとも一方から支持する第3支持部と、
前記第1支持部及び前記第2支持部よりも下方の位置かつ前記上下方向から見て前記前後方向における前記第1支持部よりも前記第2支持部に近い位置に配置され、人体の足が前記上下方向に対して傾斜した姿勢となるように人体の足の裏に接触して人体を下方から支持する第4支持部と、
前記第1支持部、前記第2支持部及び前記第4支持部のうちの1つ又は2つを、前記第1支持部、前記第2支持部及び前記第4支持部のうちの前記1つ又は前記2つ以外の1つに対して前記上下方向に相対移動させる移動機構と、
を備える、
支持機構。
【請求項2】
請求項1に記載の支持機構と、
前記移動機構を制御する制御部と
を備える
支持装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2支持部が前記第1支持部及び前記第4支持部に対して前記上下方向に相対移動するように、前記移動機構を制御する、
請求項2に記載の支持装置。
【請求項4】
前記第1支持部、前記第2支持部及び前記第4支持部のそれぞれに取り付けられ、接触する人体から受ける荷重又は圧力を計測する複数のセンサであって、前記制御部に通信可能に接続されている複数のセンサ、
をさらに備え、
前記制御部は、前記複数のセンサの各計測値の比が定められた比の範囲内となるように、前記移動機構を制御する、
請求項3に記載の支持装置。
【請求項5】
前記制御部に通信可能に接続され、ユーザーからのリクエストを前記制御部に伝達するユーザーインターフェイス、
をさらに備え、
前記制御部は、前記ユーザーインターフェイスを介してユーザーから使用開始のリクエストを伝達されると、前記複数のセンサの各計測値の比が前記定められた比の範囲内となるように前記移動機構を制御する、
請求項4に記載の支持装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ユーザーインターフェイスを介してユーザーから使用時間のリクエストを伝達されて当該使用時間が経過すると、前記定められた比の範囲内となっている前記複数のセンサの各計測値の比が前記定められた比の範囲外となるように前記移動機構を制御する、
請求項5に記載の支持装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記ユーザーインターフェイスを介してユーザーから使用時間のリクエストを伝達されて当該使用時間が経過するまでの期間、前記定められた比の範囲内で前記複数のセンサの各計測値の比が変動するように前記移動機構を制御する、
請求項6に記載の支持装置。
【請求項8】
前記第2支持部は、人体の臀部及び上腿の一方又は両方に接触するシート及び前記シートと前記移動機構とを連結するリンク機構を有し、
前記シートは、前記移動機構により上方に移動するほど前記上下方向に沿うようにリンクとで形成する角度を広げるように姿勢を変更させる、
請求項2~7のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項9】
前記支持機構を囲むハウジングであって、ユーザーが出入り可能なドアを有するハウジング、
をさらに備える、
請求項2~7のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項10】
請求項4に記載の支持装置を制御するプログラムであって、
制御部を用いて、
接触する人体から受ける荷重又は圧力を前記複数のセンサに計測させる計測機能と、
前記複数のセンサの各計測値の比が定められた比の範囲内となるように、前記移動機構に制御して前記第2支持部を前記第1支持部及び前記第4支持部に対して前記上下方向に相対移動させる移動機能と、
を実行させる、
プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立位姿勢で仮眠又は休憩するユーザーを支持する支持機構、支持装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、その図1図3に示されるように、人体を収納する収納空間を備え、前記収納空間に収納した前記人体を立位状態で支持するように構成されている人体収納用構造体(睡眠用筐体)が開示されている。
この睡眠用筐体は、(1)前記収納空間に収納された前記人体の重量の少なくとも一部を下方から支持するように前記人体の臀部を支持する第一支持部と、(2)前記収納空間に収納された前記人体の上半身の水平方向における移動を阻止するように前記上半身を支持する第二支持部と、(3)前記収納空間に収納された前記人体の膝部が前方に移動することを阻止するように前記膝部を支持する第三支持部と、(4)前記収納空間に立位状態で収納された人体の足裏を支持する底部としての第四支持部とを備えている。また、この睡眠用筐体は、上記(1)~(4)の各部は、壁に固定されている。
特許文献1によれば、この睡眠用筐体は、上記(1)~(4)の各部を構成要素に備えることで、水平方向に広いスペースを必要とすることなく、人体を立位状態で支持することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-99444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている睡眠用筐体は、確かに、人体を立位状態で支持することができる。しかしながら、この睡眠用筐体は、少なくとも、上下方向における(2)第二支持部と(3)第三支持部との相対距離が一定であることから、脚長が異なる複数のユーザーのうち一部のユーザーにとってはこの相対距離が適切にならない虞がある。
【0005】
本発明は、複数のユーザーの異なる脚長に応じて人体の支持位置を調整することができる支持機構の提供を目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の支持機構は、
立位姿勢で仮眠又は休憩するユーザーを支持する支持機構であって、
上下方向の上方に向く斜面を有し、人体の正面側から人体の膝及び下腿の一方又は両方に接触して人体を下方から支持する第1支持部と、
前記上下方向から見て前記第1支持部と異なる位置に配置され、人体の背面側から人体の臀部及び上腿の一方又は両方に接触して人体を下方から支持する第2支持部と、
前記第1支持部及び前記第2支持部よりも上方の位置に配置され、人体の上肢及び頭がその前後方向における定められた範囲に配置されるように人体の上肢及び頭の一方又は両方に接触して、人体を前記前後方向の少なくとも一方から支持する第3支持部と、
前記第1支持部及び前記第2支持部よりも下方の位置かつ前記上下方向から見て前記前後方向における前記第1支持部よりも前記第2支持部に近い位置に配置され、人体の足が前記上下方向に対して傾斜した姿勢となるように人体の足の裏に接触して人体を下方から支持する第4支持部と、
前記第1支持部、前記第2支持部及び前記第4支持部のうちの1つ又は2つを、前記第1支持部、前記第2支持部及び前記第4支持部のうちの前記1つ又は前記2つ以外の1つに対して前記上下方向に相対移動させる移動機構と、
を備える。
【0007】
第1態様の支持装置は、
一態様の支持機構と、
前記移動機構を制御する制御部と
を備える。
【0008】
第2態様の支持装置は、
第1態様の支持装置において、
前記制御部は、前記第2支持部が前記第1支持部及び前記第4支持部に対して前記上下方向に相対移動するように、前記移動機構を制御する。
【0009】
第3態様の支持装置は、
第2態様の支持装置において、
前記第1支持部、前記第2支持部及び前記第4支持部のそれぞれに取り付けられ、接触する人体から受ける荷重又は圧力を計測する複数のセンサであって、前記制御部に通信可能に接続されている複数のセンサ、
をさらに備え、
前記制御部は、前記複数のセンサの各計測値の比が定められた比の範囲内となるように、前記移動機構を制御する。
【0010】
第4態様の支持装置は、
第3態様の支持装置において、
前記制御部に通信可能に接続され、ユーザーからのリクエストを前記制御部に伝達するユーザーインターフェイス、
をさらに備え、
前記制御部は、前記ユーザーインターフェイスを介してユーザーから使用開始のリクエストを伝達されると、前記複数のセンサの各計測値の比が前記定められた比の範囲内となるように前記移動機構を制御する。
【0011】
第5態様の支持装置は、
第3態様又は第4態様の支持装置において、
前記制御部は、前記ユーザーインターフェイスを介してユーザーから使用時間のリクエストを伝達されて当該使用時間が経過すると、前記定められた比の範囲内となっている前記複数のセンサの各計測値の比が前記定められた比の範囲外となるように前記移動機構を制御する。
【0012】
第6態様の支持装置は、
第3態様~第5態様のいずれか一態様の支持装置において、
前記制御部は、前記ユーザーインターフェイスを介してユーザーから使用時間のリクエストを伝達されて当該使用時間が経過するまでの期間、前記定められた比の範囲内で前記複数のセンサの各計測値の比が変動するように前記移動機構を制御する。
【0013】
第7態様の支持装置は、
第1態様~第6態様のいずれか一態様の支持装置において、
前記第2支持部は、人体の臀部及び上腿の一方又は両方に接触するシート及び前記シートと前記移動機構とを連結するリンク機構を有し、
前記シートは、前記移動機構により上方に移動するほど前記上下方向に沿うようにリンクとで形成する角度を広げるように姿勢を変更させる。
【0014】
第8態様の支持装置は、
第1態様~第7態様のいずれか一態様の支持装置において、
前記支持機構を囲むハウジングであって、ユーザーが出入り可能なドアを有するハウジング、
をさらに備える。
【0015】
一態様のプログラムは、
第2態様の支持装置を制御するプログラムであって、
制御部を用いて、
接触する人体から受ける荷重又は圧力を前記複数のセンサに計測させる計測機能と、
前記複数のセンサの各計測値の比が定められた比の範囲内となるように、前記移動機構に制御して前記第2支持部を前記第1支持部及び前記第4支持部に対して前記上下方向に相対移動させる移動機能と、
を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
一態様の支持機構並びに第1態様の支持装置、第2態様及び第9態様の支持装置によれば、複数のユーザーの異なる脚長に応じて人体の支持位置を調整することができる。
【0017】
第3態様及び第4態様の支持装置によれば、複数のセンサにより人体から受ける荷重又は圧力を計測しない態様に比べて、人体の支持位置をより適切に調整することができる。
【0018】
第5態様の支持装置によれば、人体の支持位置をより適切に調整する移動機構を利用してユーザーに使用時間の経過を体感により報知することができる。
【0019】
第6態様の支持装置によれば、複数のセンサの各計測値の比が一定のままである態様に比べて、使用開始後から使用時間が経過するまでの期間に支持機構からユーザーが反力を受ける部位を分散させることができる。
【0020】
第7態様の支持装置によれば、シートが上方に移動するほど上下方向に沿うようにその姿勢を変更させない態様に比べて、複数のユーザーの異なる脚長に応じて人体の支持位置をより適切に調整することができる。
【0021】
一態様のプログラムによれば、複数のユーザーの異なる脚長に応じて人体の支持位置を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】本実施形態の仮眠ボックスの図であって、ドアを閉じた状態での正面図である。
図1B】本実施形態の仮眠ボックスの図であって、ドアを開けた状態での正面図である。
図1C】本実施形態の仮眠ボックスの図であって、ドアを開けた状態での正面図である。
図1D】本実施形態の仮眠ボックスをユーザーが使用している状態を説明するための図である。
図1E】本実施形態の仮眠ボックスが備える第3支持部の上面図である。
図2】本実施形態の仮眠ボックスの制御系のブロック図である。
図3】本実施形態の仮眠ボックスの制御フローを示すフロー図である。
図4】本実施形態の仮眠ボックスの使用開始時における初期動作を説明するための概略図である。
図5A】第4変形例の仮眠ボックスの動作を説明するための概略図である。
図5B】第5変形例の仮眠ボックスの主要部分の概略図である。
図6】第6変形例の仮眠ボックスの制御フローを示すフロー図である。
図7】第7変形例の仮眠ボックスの制御フローを示すフロー図である。
図8A】第8変形例の仮眠ボックスの制御系のブロック図である。
図8B】第8変形例の仮眠ボックスの制御フローを示すフロー図である。
図9】第9変形例の仮眠ボックスの制御フローを示すフロー図である。
図10】第10変形例の仮眠ボックスの制御フローを示すフロー図である。
図11】第12変形例の仮眠ボックスの制御系のブロック図である。
図12A】第13変形例の仮眠ボックスの制御系のブロック図である。
図12B】第13変形例のAIモデルの概略図である。
図12C】第13変形例の仮眠ボックスの制御フローを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
≪概要≫
以下、本実施形態の仮眠ボックス10(支持装置の一例、図1A図1B等参照)について説明する。次いで、複数の変形例について説明する。本明細書では、後述する複数の変形例で参照する各図面において、同じような機能を有する構成要素に対して同じ符号又は同じような符号を付している点に留意されたい。
【0024】
≪本実施形態≫
まず、本実施形態の仮眠ボックス10の構成及び機能について説明する、次いで、仮眠ボックス10の動作について説明する。次いで、仮眠ボックス10の効果について説明する。
【0025】
<仮眠ボックスの構成及び機能>
図1Aは、本実施形態の仮眠ボックス10の図であって、ハウジング40のドア442を閉じた状態での正面図である。図1B及び図1Cは、それぞれ、仮眠ボックス10の図であって、ドア442を開けた状態での正面図である。図1Dは、仮眠ボックス10をユーザーが使用している状態を説明するための図である。図1Eは、仮眠ボックス10が備える第3支持部230の上面図である。図2は、仮眠ボックス10の制御系CSのブロック図である。
【0026】
本実施形態の仮眠ボックス10は、図1Bに示されるように、支持機構20と、複数のセンサ30と、ハウジング40と、制御部50と、ユーザーインターフェイス60(以下、UI60とする。)と、を備えている。そして、仮眠ボックス10は、ユーザーU(図1D参照)を立位姿勢のまま支持してユーザーUに仮眠又は休憩をさせるために利用される装置である。
【0027】
ここで、ユーザーUに仮眠又は休憩をさせるのであれば、立位姿勢ではなくベッド等を利用してユーザーUを横向きの姿勢にすることが妥当と思われるかもしれない。しかしながら、本実施形態の仮眠ボックス10のように、立位姿勢のユーザーUに仮眠又は休憩をさせることは、(1)ベッド等に比べて設置面積を小さくできる点、及び、(2)ノンレム睡眠における睡眠の深さの4つのレベル(レベル1~4)のうち浅い方のレベルであるレベル1及び2であえてユーザーUを仮眠又は休憩させることができる点の2つの点で技術的な意義を有する。
【0028】
〔支持機構、複数のセンサ及びハウジング〕
支持機構20は、仮眠ボックス10におけるハードウェアの主要な部分であって、立位状態のユーザーUを支持する機能を有する。支持機構20は、図1B及び図1Cに示されるように、第1支持部210と、第2支持部220と、第3支持部230と、第4支持部240と、移動機構250と、複数の柱260(本実施形態では一例として4本の柱)とを有している。
第1支持部210、第2支持部220、第3支持部230、第4支持部240及び移動機構250については、本実施形態の仮眠ボックス10における主要な構成要素であることから、後述する。
【0029】
複数のセンサ30(本実施形態では一例として3個)は、荷重又は圧力を計測する、第1センサ32、第2センサ34及び第3センサ36で構成されている。複数のセンサ30は、それぞれ、第1支持部210、第2支持部220及び第4支持部240に取り付けられつつ(図1B及び図1C参照)、制御部50に通信可能に接続されている(図2参照)。そして、第1センサ32、第2センサ34及び第3センサ36は、接触するユーザーUの人体から受ける荷重又は圧力を計測して、その計測データを制御部50に送信する機能を有する。
第1センサ32、第2センサ34及び第3センサ36については、本実施形態の仮眠ボックス10における主要な構成要素であることから、後述する。
【0030】
ハウジング40は、仮眠ボックス10の外装であり、その内部に支持機構20、複数のセンサ30、制御部50及びUI60を収容する機能を有する。すなわち、ハウジング40は、支持機構20を囲んでいる。ハウジング40は、図1Aに示されるように、天井壁42と、周壁44と、底壁46と、台48とを有している。また、ハウジング40は、図1Aに示されるように、仮眠ボックス10の正面側から見て、略左右対称の形状を有している。ここで、図中の一点鎖線CLは、仮眠ボックス10の中心線を意味する。
天井壁42及び底壁46は、一例として、それぞれ半球の外面にダイヤモンドカットを施したような多角形状に形成されている。
周壁44は、天井壁42の下端と底壁46の上端とを繋ぐ筒であって、上下方向から見て正多角形状をしている。周壁44は、複数の長尺板が周方向に並べられて構成されており、その一部がくり抜かれて、ユーザーUが出入り可能なドア442が取り付けられている。ドア442は、一例として、両開き型が採用されている。
台48は、天井壁42、周壁44及び底壁46を下方から支持している。
【0031】
複数の柱260は、図1B及び図1Cに示されるように、ドア442側から見て(仮眠ボックス10の正面側から見て)、底壁46の両側の手前側及び奥側にそれぞれ一対ずつ上下方向に沿って配置されて、それぞれの両端は底壁46及び天井壁42に固定されている。
【0032】
[主要な構成要素]
(第1支持部及び第1センサ)
第1支持部210は、ユーザーUの人体の正面側から人体の膝及び下腿の一方又は両方に接触して人体を下方から支持する機能を有する(図1D参照)。
第1支持部210は、図1B及び図1Cに示されるように、一例として、基台212と、クッション214とを有している。
基台212は、一例として、平板状であって、その厚み方向から見ると矩形状に形成されている。基台212は、図1B及び図1Cに示されるように、仮眠ボックス10の正面側から見て、左側に配置され、上面が上方側かつ中心線CL側(内側)を向くように傾いている。そのため、当該上面は斜面を形成している。基台212の傾斜角度は、一例として、20°~60°に設定されている。基台212は、移動機構250が備える、後述する第2アクチュエータ254の円筒に固定されている。
クッション214は、一例として、平板状であって、その厚み方向から見ると、基台212よりも一回り小さい矩形状に形成されている。クッション214は、基台212の上面に固定されている。
第1センサ32は、図1B及び図1Cに示されるように、基台212とクッション214との間に配置されている。第1センサ32は、ユーザーUの人体のうちクッション214に接触する人体の膝及び下腿の一方又は両方から受ける荷重又は圧力を計測して、その計測データを制御部50に送信する。
なお、本明細書では、仮眠ボックス10の正面側から見て、左側を前側、右側を後側とし、それらを結ぶ直線方向を前後方向として説明する。
【0033】
(第2支持部及び第2センサ)
第2支持部220は、上下方向から見て第1支持部210と異なる位置(本実施形態では、第1支持部210に対して前後方向の後側の位置)に配置され(図1B及び図1C参照)、ユーザーUの人体の背面側から人体の臀部及び上腿の一方又は両方に接触して人体を下方から支持する機能を有する(図1D参照)。
第2支持部220は、図1B及び図1Cに示されるように、一例として、シート222と、リンク機構224とを有している。
シート222は、一例として、基台222Aと、クッション222Bとを有している。シート222は、ユーザーUの人体の臀部及び上腿の一方又は両方に接触する部分である。
基台222Aは、一例として、平板状であって、その厚み方向から見ると矩形状に形成されている。基台222Aは、図1B及び図1Cに示されるように、仮眠ボックス10の正面側から見て、右側(前後方向の後側)に配置され、上面が上方側かつ中心線CL側(内側)を向くように傾いている。そのため、当該上面は斜面を形成している。基台222Aの裏面の上端側の部分は、移動機構250が備える、後述する第1アクチュエータ252の上端に揺動可能に取り付けられている。
クッション222Bは、一例として、平板状であって、その厚み方向から見ると、基台222Aよりも一回り小さい矩形状に形成されている。クッション222Bは、基台222Aの上面に固定されている。
リンク機構224は、図1B及び図1Cに示されるように、シート222と、第1アクチュエータ252とを連結する機能を有する。リンク機構224は、リンク224Aと、リンク224Aの両端の貫通孔に嵌め込まれている2つのジョイント224Bとを有している。そして、リンク224Aは、その一端側が基台222Aの下端側の部分にジョイント224Bで取り付けられつつ、その他端側が複数の柱260のうちの隣接する2本の柱にジョイント224Bで取り付けられている。
以上の構成により、シート222は、第1アクチュエータ252により上方に移動するほど上下方向に沿うようにリンク224Aとで形成する角度を広げる姿勢に変更するように設定されている(図4参照)。なお、第1アクチュエータ252の伸縮量及び範囲は予め設定されている。本実施形態では、シート222の傾斜角度は、その最下限位置で一例として45°、その最上限位置で一例として80°に設定されている。
第2センサ34は、図1B及び図1Cに示されるように、基台222Aとクッション222Bとの間に配置されている。第2センサ34は、ユーザーUの人体のうちクッション222Bに接触する人体の臀部及び上腿の一方又は両方から受ける荷重又は圧力を計測して、その計測データを制御部50に送信する。
【0034】
(第3支持部)
第3支持部230は、図1B及び図1Cに示されるように、第1支持部210及び第2支持部220よりも上方の位置に配置されている。第3支持部230は、ユーザーUの人体の上肢及び頭がその前後方向における定められた範囲に配置されるように人体の上肢及び頭の一方又は両方に接触して、人体を前後方向の少なくとも一方から支持する機能を有する。
第3支持部230は、図1B及び図1Cに示されるように、第2アクチュエータ254の上端に取り付けられている。そのため、第2アクチュエータ254の動作に伴い上下方向の予め設定された範囲を移動可能とされている。
第3支持部230は、図1B及び図1Cに示されるように、第2アクチュエータ254に取り付けられている取付部232と、人体を前側から支持する本体部234と、蝶番236(図1E参照)とを有している。
本体部234は、蝶番236により取付部232に揺動可能に取り付けられている。本体部234は、図1Eに示されるように、上方から見て、C字状に形成されている。本体部234は、基台234Aと、基台234Aの上面に固定されているクッション234Bとを有している。基台234A及びクッション234Bは、互いにほぼ同形状のC字状に形成されている。本体部234は、非使用時には取付部232に対して直角をなして配置され、使用時にユーザーUが倒すことで、その開口側がユーザーUの胸部付近に対向するという思想のもとに設計されている。そして、本体部234には、使用時のユーザーUが両腕及び頭を載せらせるようになっている。
【0035】
(第4支持部及び第3センサ)
第4支持部240は、図1B及び図1Cに示されるように、第1支持部210及び第2支持部220よりも下方の位置かつ上下方向から見て前後方向における第1支持部210よりも第2支持部220に近い位置(上下方向から見て第2支持部220のほぼ真下の位置)に配置されている。第4支持部240は、図1Dに示されるように、ユーザーUの人体の足が上下方向に対して傾斜した姿勢となるように人体の足の裏に接触して人体を下方から支持する。
第4支持部240は、仮眠ボックス10の正面側から見てV字状の部材であって、手前側から奥側に沿った2枚の長尺板(固定板及び傾斜板)が一例として約45°をなして構成されている。そして、一方の長尺板(固定板)が底壁46の上面(床面)に固定されている。
第3センサ36は、図1B及び図1Cに示されるように、第4支持部240の傾斜板の上に配置されている。第3センサ36は、ユーザーUの人体のうち傾斜板に接触する人体の足から受ける荷重又は圧力を計測して、その計測データを制御部50に送信する。
【0036】
(移動機構)
移動機構250は、図1B及び図1Cに示されるように、第1アクチュエータ252と、第2アクチュエータ254とを有している。
第1アクチュエータ252は、前述のとおり、その上端に、第2支持部220のシート222を揺動可能に取り付けている。そして、第1アクチュエータ252は、複数の柱260のうちの隣接する2本の柱にリンク機構224のリンク224Aが取り付けられていることを利用して、そのロッドを上方に移動することに伴いシート222の上下方向の位置及び傾斜角度(又は姿勢)を変更させる機能を有する。ここで、本実施形態では、第1支持部210及び第4支持部240は上下方向に対して移動しない構成を採用していることから、第1アクチュエータ252は、第1支持部210、第2支持部220及び第4支持部240のうちの1つ(一例として第2支持部220)を、第1支持部210、第2支持部220及び第4支持部240のうちの前記1つ以外の1つ(第1支持部210又は第4支持部240)に対して上下方向に相対移動させる機能を有するといえる。
第2アクチュエータ254は、前述のとおり、その上端に、第3支持部230の取付部232を取り付けている。第2アクチュエータ254は、そのロッドを上下方向に移動することに伴い第3支持部230の上下方向の位置を変更させる機能を有する。
【0037】
〔制御部〕
制御部50は、後述するUI60から送信される指令及び自身が有する記憶装置54に記憶されているプログラムPGに基づいて、移動機構250を制御する機能を有する。
制御部50は、図2に示されるように、UI60、移動機構250及び複数のセンサ30とI/Oポート(出入力ポート)を介して通信可能に接続されている。また、制御部50は、演算装置52と、記憶装置54と、タイマー56とを有している。
【0038】
演算装置52は、いわゆる中央演算処理装置であり、記憶装置54の第1記憶部542に記憶されているプログラムPGを実行する。なお、プログラムPGの内容については、後述する仮眠ボックス10の動作の説明の中で説明する。
記憶装置54は、図2に示されるように、第1記憶部542と、第2記憶部544とを有する。第1記憶部542は、一例として、読み出しのみ可能なメモリ(ROM(=Read Only Memory))である。第1記憶部542には、移動機構250を動作させるためのプログラムPGが記憶されている。第2記憶部544は、一例として、読み書き可能なメモリ(RAM(=Randоm Access Memory))である。第2記憶部544は、仮眠ボックス10の使用中の移動機構250の動作のデータ等を一時的に記憶する。
タイマー56は、主に、プログラムPGの実行時間をカウントする。
【0039】
〔ユーザーインターフェイス〕
UI60は、図2に示されるように、制御部50にI/Oポートを介して通信可能に接続されている。UI60は、ユーザーUからのリクエストを制御部50に伝達する機能を有する。本実施形態のUI60は、タッチパネル形式及び音声による対話形式のいずれかの形式又はこれらの組合せ形式とされている。UI60に入力される具体的なリクエストについては、後述する仮眠ボックス10の動作の説明の中で説明する。
【0040】
以上が、本実施形態の仮眠ボックス10の構成及び機能についての説明である。
【0041】
<仮眠ボックスの動作>
次に、本実施形態の仮眠ボックス10の動作について主に図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、仮眠ボックス10の制御フローを示すフロー図(プログラムPGのアルゴリズム)である。
【0042】
まず、仮眠ボックス10を使用するユーザーUは、ハウジング40のドア442(図1A及び図1B参照)を開けて、仮眠ボックス10の中に移動し、ドア442を閉める。そして、ユーザーUは、前後方向の前側を向け、第4支持部240に両足を載せる。
次いで、ユーザーUがUI60を操作してUI60に自身が使用時間(仮眠する時間)を入力すると、UI60はその情報を制御部50に送信する(図3の制御フローのS10)。これに伴い、制御部50は、第1記憶部542に記憶されているプログラムPGに基づいて動作を開始する。送信された使用時間の情報は、第2記憶部544に一時的記憶される。
次いで、制御部50は、UI60を介してユーザーUが定位置に立っていることを確認する。具体的には、UI60がユーザーUに対して「両足を第4支持部240に載せて立った姿勢でいるか」と画面(図示省略)又は音声により問い合わせをし、ユーザーUが肯定した回答を入力又は発声すると(図3の制御フローのS20)、制御部50は判断ステップを伴う次の動作(図3の制御フローのS30)を開始する。また、この際に、UI60は、ユーザーUに、第3支持部230の本体部234を倒して(図1C参照)、両腕及び頭を載せる提案を伝達する。ここで、図4の初期状態とされている図は、使用開始前の位置関係で配置された第1支持部210、第2支持部220及び第3支持部230を含む簡略図である。
S30では、制御部50は、まず、初期状態において複数のセンサ30からの各計測データを受信して、各支持部(第1支持部210、第2支持部220及び第4支持部240)が接触するユーザーUの人体から受ける荷重又は圧力の比が定められた比の範囲内かを判断する。
ここで、各支持部が受ける荷重又は圧力の定められた比の範囲とは、一例として以下の関係式(以下、定められた比の関係式という。)とおりである。

第1支持部210 :第2支持部220 :第4支持部240
=45%以上55%未満:25%以上35%未満:15%以上25%未満
(ただし、すべての支持部の比の合計は100%である。)

そして、制御部50は、S30に対して肯定判断をした場合、次の動作(S40)を行う。これに対して、制御部50は、S30で否定判断をした場合、S40を開始せずにS32を行う。S32では、制御部50は、第1アクチュエータ252を制御して第2支持部220を定められた高さ分(例えば1cm)上昇させ、再度S30の判断を行う。このS30とS32とのサブルーチンは制御部50がS30で肯定判断をするまで行う(図4の調整状態1及び調整状態2参照)。
ここで、第2支持部220の高さに対する各支持部が受ける荷重又は圧力の情報は、計測の度に第2記憶部544に記憶される。仮に、1cmずつ第2支持部220の高さを上昇させて第1アクチュエータ252の可動範囲の全域で制御部50がS30の判断をした結果、S30で肯定判断ができなかった場合には、制御部50は、第1アクチュエータ252を動作させて第2支持部220を上記の定められた関係式の関係に近い高さに移動させ、1cmよりも短いピッチで第2支持部220を移動させながら、S30とS32とのサブルーチンを行う。これは、S30とS32とのサブルーチンの結果が逐次第2記憶部544に記憶されているための実現できる。
なお、第2アクチュエータ254による第3支持部230の上下方向の位置の調整も、一例として、S30の動作に伴って行う。
次いで、S40では、タイマー56のカウントを開始させる。
次いで、判断ステップS50において、タイマー56のカウント数が第2記憶部544に記憶されている使用時間以上に(制御部50がS50において肯定判断をすると)、S60においてUI60がユーザーUに使用時間になったことを報知する。S60での報知は、例えば、音声、使用時にオフになっていたハウジング40内の照明をオンにすること等により実行される。
次いで、仮眠から覚めたユーザーUがUI60を操作して使用時間が経過したことを了解すると、制御部50は第1アクチュエータ252を制御して第2支持部220を初期位置(図4参照)に戻して、本実施形態の仮眠ボックス10の動作が終了する。
【0043】
以上が、本実施形態の仮眠ボックス10の動作についての説明である。
【0044】
<仮眠ボックスの効果>
次に、本実施形態の仮眠ボックス10の効果について説明する。
【0045】
〔第1の効果〕
本実施形態の支持機構20は、第1支持部210、第2支持部220及び第4支持部240のうちの1つ又は2つである、第2支持部220を、これらのうちの前記1つ又は前記2つ以外の1つ(第1支持部210又は第4支持部240)に対して上下方向に相対移動させる(図4参照)。
したがって、本実施形態の支持機構20及び仮眠ボックス10は、それぞれ脚長が異なる複数のユーザーUに応じてそれぞれの人体の支持位置をユーザーU毎に調整することができる。
【0046】
〔第2の効果〕
本実施形態の仮眠ボックス10は、支持機構20が備える複数の支持部(第1支持部210、第2支持部220及び第4支持部240)のそれぞれにセンサ(第1センサ32、第2センサ34、第3センサ36)が配置され、各支持部でユーザーUの人体から受ける荷重又は圧力を計測できるように設定されている(図1C及び図2参照)。さらに、本実施形態の仮眠ボックス10では、制御部50が、プログラムPGに基づき、各センサ(第1センサ32、第2センサ34、第3センサ36)からの計測データを入手しつつ第1アクチュエータ252を動作させて、各センサの値が定められた比の関係式を満たすように複数の支持部(第1支持部210、第2支持部220及び第4支持部240)の相対的な位置関係を調整する(図3のS30及びS32参照)。
したがって、本実施形態の仮眠ボックス10は、複数のセンサにより人体から受ける荷重又は圧力を計測しない態様に比べて、それぞれ脚長が異なる複数のユーザーUに応じてそれぞれの人体の支持位置をユーザーU毎に適切に調整することができる。これに伴い、本実施形態のプログラムPGを用いれば、複数のユーザーUの異なる脚長に応じて人体の支持位置を調整することができる。
【0047】
〔第3の効果〕
本実施形態の仮眠ボックス10では、第1アクチュエータ252により上下方向の高さを焼成される第2支持部220が、シート222と、リンク機構224とを有している(図1B及び図1C参照)。シート222は、第1アクチュエータ252により上方に移動するほど上下方向に沿うようにリンク224Aとで形成する角度を広げる姿勢に変更するように設定されている(図4参照)。
このような構成により、本実施形態の仮眠ボックス10は、脚長が長いユーザーUほどシート222の高さが上方となるように配置されつつ脚長の異なる複数のユーザーUが使用しても各ユーザーUに各支持部(第1支持部210、第2支持部220及び第4支持部240)が適切に面接触するようにシート222の傾斜角度が調整される。
したがって、本実施形態の仮眠ボックス10は、シート222の傾斜角度が調整できない態様に比べて、それぞれ脚長が異なる複数のユーザーUに応じてそれぞれの人体の支持位置をユーザーU毎に適切に調整することができる。
【0048】
以上が本実施形態の仮眠ボックス10の効果についての説明である。また、以上が本実施形態の仮眠ボックス10についての説明である。
【0049】
≪変形例≫
次に、複数の変形例(下記の表1を参照)について説明する。表1の変更点とは、前述の実施形態に対する変更点を意味する。各変形例については、前述の実施形態の場合と異なる部分についてのみ説明する。
【0050】
【表1】
【0051】
〔第1変形例〕
変更点:複数のセンサがないこと
前述の実施形態の仮眠ボックス10は、支持機構20が備える複数の支持部(第1支持部210、第2支持部220及び第4支持部240)のそれぞれにセンサ(第1センサ32、第2センサ34、第3センサ36)が配置され、各支持部でユーザーUの人体から受ける荷重又は圧力を計測できるように設定されている(図1C及び図2参照)。
しかしながら、これらのセンサの一部又は全部がない形態(第1変形例(図示省略))であってもよい。
本変形例の場合、前述の実施形態における第2の効果を奏することはないが、第1の効果及び第3の効果を奏する。
【0052】
〔第2変形例〕
変更点:移動機構が移動させる支持部が異なること
前述の実施形態の仮眠ボックス10では、移動機構250の第1アクチュエータ252に取り付けられている第2支持部220が上下方向に移動することにより、第2支持部220が第1支持部210及び第4支持部240に対して相対的に移動する(図4参照)。
しかしながら、移動機構250が、一例として、第1支持部210、第2支持部220及び第4支持部240のうちの1つ又は2つを、前記第1支持部、前記第2支持部及び前記第4支持部のうちの前記1つ又は前記2つ以外の1つに対して前記上下方向に相対移動させることができれば、前述の実施形態の場合と異なる形態(第2変形例(図示省略))でもよい。
例えば、第2変形例では、第1支持部210、第2支持部220及び第4支持部240のそれぞれが異なる移動機構(図示省略)に取り付けられていて互いに相対的に移動できるようにしてもよい。また、例えば、第2支持部220が上下方向に移動できないように設定して、第1支持部210及び第4支持部240が床とともに移動機構(図示省略)によって上下方向に移動できるようにしてもよい。また、例えば、第2支持部220及び第4支持部240が上下方向に移動できないように設定して、第1支持部210が第2アクチュエータ254によって上下方向に移動できるようにしてもよい。さらに、この場合において、基台212及びクッション214で構成される第1支持部210の構成を第2支持部220のように、リンク機構を追加した構成(基台212にリンク機構を取り付ける構成(図示省略))にして、第1支持部が上下方向に移動することに伴い第1支持部の傾斜角度も変更されるようにしてもよい。
これらの第2変形例の場合であっても、第1支持部210、第2支持部220及び第4支持部240が相対的に移動できない態様に比べて、前述の第1の効果及び第2の効果又はこれらの効果に準じる効果を奏する。
【0053】
〔第3変形例〕
変更点:第3支持部の構造が異なること
前述の実施形態の仮眠ボックス10では、第3支持部230は、第2アクチュエータ254の上端に取り付けられていて、第2アクチュエータ254の動作に伴い上下方向の予め設定された範囲を移動可能とされている(図1B及び図1C参照)。この構成については、例えば、第3支持部230の上下方向の移動機構は手動によるものであってもよい。
また、前述の実施形態の仮眠ボックス10では、第3支持部230は、第2アクチュエータ254に取り付けられている取付部232と、人体を前側から支持する本体部234と、蝶番236とを有している(図1E参照)。
しかしながら、第3支持部230は、ユーザーUの人体の上肢及び頭がその前後方向における定められた範囲に配置されるように人体の上肢及び頭の一方又は両方に接触して、人体を前後方向の少なくとも一方から支持する機能を発揮できればよい。そして、第3支持部230は、その機能を発揮できる構成であれば、前述の実施形態の場合とは異なる形態(第3変形例(図示省略))であってもよい。第3支持部の変形例としては、ユーザーUの上半身が倒れ難くするために、両腕の付け根及び顎の一方又は両方を天井側又は前後方向の後側から支持する紐状の部材その他の部材であってもよい。
【0054】
〔第4変形例〕
変更点:第2支持部の構造が異なること(1)
図5Aは、第4変形例の仮眠ボックス10Aの動作を説明するための概略図である。
前述の実施形態の仮眠ボックス10は、第2支持部220は、シート222と、リンク機構224とを有している(図1B及び図1C参照)。そして、シート222は、第1アクチュエータ252により上方に移動するほど上下方向に沿うようにリンク224Aとで形成する角度を広げる姿勢に変更するように設定されている(図4参照)。
しかしながら、移動機構250により上下方向に移動されれば、第2支持部は本実施形態の場合と異なる構成であってもよい。例えば、図5Aに示される第4変形例の仮眠ボックス10Aの場合のように、第2支持部220Aは、上下方向及び前後方向に交差する方向に沿って配置されている軸体220A1と、軸体220A1の外周を覆う弾性の筒状部材220A2とで構成されていてもよい。
第4変形例の場合、第2支持部220Aの姿勢は上下方向の移動に伴い変更することはないが、そもそも外周面が周面であることから、異なる脚長のユーザーUが使用してもその人体にフィットし易い点で有効である。
【0055】
〔第5変形例〕
変更点:第2支持部の構造が異なること(2)
図5Bは、第5変形例の仮眠ボックス10Bの主要部分の概略図である。
前述の実施形態の仮眠ボックス10は、第2支持部220は、シート222と、リンク機構224とを有している(図1B及び図1C参照)。そして、シート222は、第1アクチュエータ252により上方に移動するほど上下方向に沿うようにリンク224Aとで形成する角度を広げる姿勢に変更するように設定されている(図4参照)。
しかしながら、移動機構250により上下方向に移動されれば、第2支持部は本実施形態の場合と異なる構成であってもよい。例えば、図5Bに示される第5変形例の仮眠ボックス10Bの場合のように、第2支持部220Bは、上下方向及び前後方向に交差する方向に沿って配置されている軸体220B1と、軸体220B1の外周を覆い、外周の一部が平坦面であり、軸体220B1の周りに回転して位置決め可能な筒状部材220B2と、当該平坦面に取り付けられているクッション220B3とで構成されていてもよい。
第5変形例の場合、第2支持部220Bの姿勢は上下方向の移動に伴い変更することはないが、ユーザーUが自身でクッション220B3の傾斜角度を変更させながらクッション220B3の傾斜角度を調整することができる。そのため、本変形例の場合も、異なる脚長のユーザーUが使用してもその人体にフィットし易い点で有効である。
【0056】
〔第6変形例〕
変更点:使用時間の終了時の報知方法が異なること
図6は、第6変形例の仮眠ボックスの制御フローを示すフロー図である。
前述の実施形態の仮眠ボックス10の動作(図3の制御フローを参照)では、制御部50がS50において肯定判断をすると、S60においてUI60がユーザーUに使用時間になったことを報知する。S60での報知は、例えば、音声、使用時にオフになっていたハウジング40内の照明をオンにすること等により実行される。そのため、前述の実施形態の場合、UI60は、音声を発生する構成要素(一例としてスピーカー)等を必要とする。
しかしながら、ユーザーUに使用時間が経過したことを報知することができれば、報知方法は前述の実施形態の場合と異なる方法であってもよい。例えば、図6に示される第6変形例の制御フローのように、前述の実施形態の場合(図3の制御フローを参照)のS60をS60Aに換えて、制御部50が定められた比の範囲内となっている複数のセンサ30の各計測値の比が定められた比の範囲外の比となるように移動機構250を制御するようにしてもよい。この場合、ユーザーUに使用時間の経過を報知するために、移動機構250は各支持部220、230等の相対位置の関係が定められた比の範囲内と範囲外とに相当する位置の関係となるように例えば第2支持部220を複数回上下移動させてもよい。
この動作により、仮眠していたユーザーUは、各支持部210、220等からの支持位置が変更することにより自身の人体の姿勢も変更されることで予定の使用時間が経過したことを報知される。報知されたユーザーUがUI60に終了を承諾した旨を入力すると、制御部50が各支持部210、220等を初期位置に戻して本変形例の動作が終了する。
本変形例の場合、前述の実施形態の場合と異なり、各支持部210、220及び移動機構250を利用することで報知を実現できる点で有効である。つまり、本変形例によれば、人体の支持位置をより適切に調整する移動機構250を利用してユーザーUに使用時間の経過を体感により報知することができる。
【0057】
〔第7変形例〕
変更点:使用時間内に各支持部同士の相対位置が変化すること
図7は、第7変形例の仮眠ボックスの制御フローを示すフロー図である。
前述の実施形態の仮眠ボックス10の動作(図3の制御フローを参照)では、ユーザーUによる使用開始から終了までの期間、各支持部210、220等の相対位置が変化しない。
しかしながら、使用時間中にユーザーUが仮眠又は休憩することができれば、使用時間中に各支持部210、220等の相対位置を変化させてもよい。具体的には、図7に示される第7変形例の制御フローのようにしてもよい。ここで、第7変形例の制御フローの詳細は以下のとおりである。
S30Aでは、あえて移動機構250(の第1アクチュエータ252)を広範囲で動作させて、制御部50はそのユーザーUに対して複数のセンサ30の各計測値の比が定められた比となる組合せを把握する。この組合せの情報は、記憶装置54の第2記憶部544に一時的に記憶される(図2参照)。
次いで、S40Aにおいて、制御部50が移動機構250を動作させて、上記組合せの範囲内に各支持部210、220等をセットして、タイマー56のカウントを開始する。
次いで、S50A及びS52Aにおいて、制御部50は、使用開始後に使用時間の1/3が経過した時点で、その直前とは異なる各支持部210、220等の相対位置であってS30Aで把握した組合せのいずれか1つとなるように、各支持部210、220等の相対位置を移動機構250により変更する。
次いで、S54A及びS56Aにおいて、制御部50は、使用開始後に使用時間の2/3が経過した時点で、その直前とは異なる各支持部220、230等の相対位置であってS30Aで把握した組合せのいずれか1つとなるように、各支持部220、230等の相対位置を移動機構250により変更する。
次いで、S58Aにおいて、制御部50は、使用開始が経過した時点で、各支持部210、220等の相対位置であってS30Aで把握した組合せ以外の組合せとなるように、各支持部210、220等の相対位置を移動機構250により変更する。その結果、仮眠していたユーザーUは、各支持部210、220等からの支持位置が変更することにより自身の人体の姿勢も変更されることで予定の使用時間が経過したことを報知される。そして、ユーザーUがUI60に終了を承諾した旨を入力すると、制御部50が各支持部210、220等を初期位置に戻して本変形例の動作が終了する。
本変形例の場合、使用時間中に各支持部210、220等の相対位置がS30Aで把握した組合せで変化する。そのため、本変形例によれば、使用時間中にユーザーUの人体が各支持部210、220等から反力を受ける部位を変化させることができる。
したがって、本変形例によれば、複数のセンサ30の各計測値の比が一定のままである場合に比べて、使用開始後から使用時間が経過するまでの期間に支持機構20からユーザーUの人体が受ける反力の部位を分散させることができる。
なお、本変形例では、使用時間中における、各支持部210、220等の相対位置の変更を、使用時間の1/3及び使用時間の2/3としたが、例えば、使用時間の1/4、使用時間の1/5等の整数分の1ずつ変更してもよいし、使用時間が経過する毎に変更するまでの期間を短くしてもよい。
【0058】
〔第8変形例〕
変更点:モバイル機器が制御部に接続可能であること(1)
図8Aは、第8変形例の仮眠ボックスの制御系CSAのブロック図である。図8Bは、本変形例の仮眠ボックスの制御フローを示すフロー図である。
前述の実施形態の仮眠ボックス10では、ユーザーUはUI60を介して仮眠ボックス10にリクエスト(使用時間等)を伝達する構成を採用している(図3参照)。
しかしながら、例えば、仮眠ボックス10の制御部50に、ユーザーUが所有するモバイル機器70(モバイル機器70とは、スマートフォン、スマートウォッチ、携帯電話その他の携帯情報端末のこと)を、WiFi、BLUETOOTH(登録商標)等の無線通信回線を利用して接続可能としてもよい(図8Aの第8変形例の制御系CSA参照)。
この場合、モバイル機器70は、仮眠ボックス10と接続するための専用のアプリケーションソフトウェアをユーザーインターフェイスとして通信できるようにして、ユーザーUが当該アプリケーションソフトウェアを介して入力した自身の身長、体重等の体型に関するプロファイル(体型情報)を送信する。別の見方をすると、制御部50は、モバイル機器70から体型情報及び使用時間の情報を受信する(図8BのS10A)。
次いで、制御部50は、前述の実施形態のS20の場合(図3参照)と同様に、UI60を介してユーザーUが定位置に立っていることを確認する(図8BのS20)。
次いで、制御部50は、受信した体型情報に基づいてプログラムPGに記憶されている当該ユーザーUに対応する各支持部210、220等の相対位置を移動機構250により調整する(図8BのS30B)。
以降の制御フローは、図8Bに示されるように、一例として、前述の第7変形例(図7参照)と同様に行われる。
このようにすれば、当該ユーザーUが使用する場合には、前述の実施形態の初期動作で行われる移動機構250を利用した各支持部210、220等の相対位置の調整(例えば、図3のS30及びS32を参照)を省略することができる。
なお、本変形例の場合、S40A以降の制御フローを、前述の実施形態等におけるS40以降の制御フロー等(図3及び図6参照)にしてもよい。
【0059】
〔第9変形例〕
変更点:モバイル機器が制御部に接続可能であること(2)
図9は、第9変形例の仮眠ボックスの制御フローを示すフロー図である。
本変形例は、第8変形例の更なる変形例である。第8変形例では、S30Bの後S40Aを行うが(図8B参照)、本変形例ではS30BとS40Aとの間で以下のステップが行われる。具体的には、S30Bの後に、S70においてUI60がユーザーUに各支持部210、220等の相対位置を微調整するかを問う。ユーザーUは、自動で調整された各支持部210、220等の相対位置を微調整したいとき(すなわち、肯定するとき)には、UI60にその旨を入力する。そして、使用時間の経過後にUI60がユーザーUに支持位置が最適であったかについてのアンケートを行い、ユーザーUが最適であると回答した場合には、接続したモバイル機器70と最適な支持位置とを関連させた情報を例えば第1記憶部542、モバイル機器70又は仮眠ボックス10とインターネットを介して接続されている外部サーバー80に書き込むようにしてもよい(S62A)。
このようにすれば、次回、このユーザーUが仮眠ボックス10を使用する場合に、最適な支持位置を再現することができる。特に、この情報の書き込みをモバイル機器70又は外部サーバー80の記憶装置に対して行うようにすれば、別の場所で利用可能な仮眠ボックス10を使用する場合にも最適な支持位置を再現できる点で有効である。
【0060】
〔第10変形例〕
変更点:モバイル機器が制御部に接続可能であること(3)
図10は、第10変形例の仮眠ボックスの制御フローを示すフロー図である。
本変形例は、第9変形例の更なる変形例である。第9変形例ではS40とS60Aとの間で使用時間を計測するサブルーチン(S50)を行うが(図9参照)、本変形例ではS50で否定判断がされた場合に以下のステップが行われる。具体的には、S80において、心拍数が定められた心拍数以上であるかが判断される。これはモバイル機器70が例えばスマートウォッチ等であって心拍数を計測できるものである場合、スマートウォッチを制御部50と通信可能にすることで実現できる。ここで、定められた心拍数とは、ユーザーUが仮眠している(レム睡眠の状態である)場合と判断される上限の心拍数を意味する。そして、S80で肯定判断がされた場合、すなわち、ユーザーUが仮眠していないと判断された場合には、S82において各支持部210、220等の相対位置の調整、すなわち、支持位置が微調整される。
本変形例によれば、心拍数を計測できるモバイル機器70の情報を利用して、より適した支持位置の調整ができる。
【0061】
〔第11変形例〕
変更点:UIで個人認証を行うこと(1)
図11は、第11変形例の仮眠ボックスの制御系CSBのブロック図である。
本変形例では、図11に示されるように、UI60に換えて個人認証が可能な個人認証機能付UI60Aが採用されている。ここで、個人認証とは、一例として、顔認証、指紋認証、声帯認証又はこれらの組合せに基づく認証である。
本変形例は、あるユーザーUが2回目以降に仮眠ボックスを使用する場合に、前回の使用時に自身に適した支持位置の情報を当該ユーザーUの認証情報とともに記憶装置54又は外部サーバー80に記憶されるようにしておく。そのため、2回目以降にこのユーザーUが仮眠ボックスを使用する場合、この情報を記憶装置54又は外部サーバー80から取り出して使用する。
本変形例によれば、2回目以降の使用時においては、前述の実施形態の場合(図3参照)のように各支持部210、220等の支持位置の調整を行う必要がない。
【0062】
〔第12変形例〕
変更点:UIで個人認証を行うこと(2)
前述の第11変形例では、ユーザーUの特定のために、個人認証機能付UI60Aが採用されている(図11参照)。
しかしながら、例えば、UI160Aに個人認証機能を持たせることなく、単にユーザーUを特定するための管理番号等を登録することで、複数のユーザーUを個別に管理して使用可能としてもよい。
本変形例は、あるユーザーUが2回目以降に仮眠ボックスを使用する場合に、前回の使用時に自身に適した支持位置の情報を当該ユーザーUの個人情報とともに記憶装置54又は外部サーバー80に記憶されるようにしておく。そのため、2回目以降にこのユーザーUが仮眠ボックスを使用する場合、この情報を記憶装置54又は外部サーバー80から取り出して使用する。
本変形例によれば、2回目以降の使用時においては、前述の実施形態の場合(図3参照)のように各支持部210、220等の支持位置の調整を行う必要がない。また、本変形例の場合、第11変形例(図11参照)の場合のように、UIに個人認証機能を持たせる必要がなく、第8変形例(図8A及び図8B参照)の場合のように、モバイル機器70がなくても利用できる点で有効である。
【0063】
〔第13変形例〕
変更点:AI技術を利用すること
図12Aは、第13変形例の仮眠ボックスの制御系CSCのブロック図である。図12Bは、本変形例のAIモデルの概略図である。図12Cは、本変形例の仮眠ボックスの制御フローを示すフロー図である。
本変形例では、前述の第8変形例の制御系CSAの制御部50(図8A参照)にモデル生成部58が追加されて制御部50Aに変更されている。
【0064】
以下、図12Bを参照しながら、本変形例におけるAI機能の特徴について説明する。

(教師データ)
本変形例の教師データは、(1)それぞれ身長(脚長)が異なる複数のユーザーUの身長、(2)各ユーザーUが仮眠ボックスを使用する際の支持姿勢(各支持部210、220等の相対位置の関係)、及び、(3)各ユーザーUがスマートウォッチ等の心拍数を計測できるモバイル機器70から得られる心拍数に関する情報であって、仮眠ボックスの使用開始一定時間(一例として5分)経過後の心拍数の実測値である。
身長の実測値は、各ユーザーUからのUI60への入力、モバイル機器70からのアップロード、仮眠ボックスに取り付けられた身長計(一例として超音波方式の非接触型)等からの値である。これらの情報は、教師データとして、一例として、記憶装置54に記憶されていく。

(モデル生成部)
モデル生成部58は、蓄積した教師データ、すなわち、身長と心拍数と支持姿勢との相関のデータから、ある身長のユーザーUにとってどのような支持姿勢が仮眠に最適であるかを推定した推定モデルを機械学習により生成する。推定モデルの生成のためのプログラムは、移動機構250の制御のためのプログラムPGに、推定モデルの生成のためのプロフラムを含むAI用プログラムを追加したプログラムPGAとして、第1記憶部542に記憶されている(図12A参照)。

(制御部50A(受付部及び処理部の一例))
制御部50Aは、UI60又はモバイル機器70からユーザーUの身長及び心拍数を入力として受け付ける。そして、制御部50Aは、前述の推定モデルを用いて、自身がUI60又はモバイル機器70から受け付けた入力からユーザーUの最適な支持姿勢を出力する。
以上が、本変形例のAI機能の特徴についての説明である。
なお、本変形例のAIの特徴を備える発明(例えば、推定システムとする。)は、一例として、以下のようなに表現することができる。
================================================================================
身長、その身長のユーザーの支持姿勢及びモバイル装置から得られる心拍数の実測値を教師データとして用いて、身長及び心拍数から、ユーザーの支持姿勢を推定する推定モデルを機械学習により生成するモデル生成部と、
ユーザーの身長及び心拍数を入力として受け付ける受付部と、
前記推定モデルを用いて、前記受付部が受け付けた前記入力からユーザーの支持姿勢を出力する処理部と、
を備える推定システム。
================================================================================
【0065】
次に、本変形例の仮眠ボックスの動作について図12Cを参照しながら説明する。
初期のステップである、S10A及びS20は、前述の第8変形例(図8参照)及び第9変形例(図9参照)と同様である。
次いで、S30では、例えば、モバイル機器70から受信した体型情報に基づいて各支持部210、220等の相対位置を移動機構250により調整する。この場合、本変形例では、前述のAI機能により導き出される学習済モデル(推定モデル)を用いる。ここで、前述の推定モデルでは、入力をユーザーUの身長と心拍数とするが、本ステップでは、身長とレム睡眠に相当する心拍数(つまり実測していない心拍数)とを入力とする。その結果、出力として当該身長のユーザーUの場合の最適な支持姿勢(各支持部210、220等の相対位置)が導き出される。この結果に基づいて、制御部50Aは移動機構250を動作させる。
次いで、S40でタイマー56によるカウントを開始させる。
次いで、S70では、UI60がユーザーUに、ユーザーUがモバイル機器70を使用しているか、使用している場合に心拍数を計測できるかを問う。ユーザーUが肯定した結果をUI60に入力すると、UI60はその結果を制御部50Aに送信する。その後、制御部50Aは、S74Aで、モバイル機器70と通信しながら心拍数の記録を開始して、使用時間のカウントを継続する(S50参照)。モバイル機器70から送信される心拍数のデータは、記憶装置54に記憶される。なお、記録された結果は、新たな教師データとしてモデル生成部58により推定モデルの更新に利用される。
これに対して、S70で、ユーザーUが否定した結果(心拍数を計測できるモバイル機器70を使用していないこと)をUI60に入力すると、使用時間のカウントを継続する(S50参照)。
そして、使用時間が経過すると、S60Aを行って本変形例の動作が終了する。
以上が、本変形例の動作についての説明である。
【0066】
本変形例によれば、2回目以降の使用時においては、前述の実施形態の場合(図3参照)のように各支持部210、220等の支持位置の調整を行う必要がない。
なお、本変形例で動作する仮眠ボックスは、前述の実施形態の仮眠ボックス10であってもよいし、第1支持部210、第3支持部230等の第2支持部220以外の支持部も、上下方向の位置及傾斜角度が変更可能な態様の場合(図示省略)、より適切な支持姿勢を出力することができる点で有効である。
【0067】
以上が、複数の変形例についての説明である。
【0068】
以上のとおり、本発明の一例として前述の実施形態及び複数の変形例を用いて説明したが、本発明の技術的範囲に含まれる形態は前述の実施形態及び複数の変形例に限定されるものではない。本発明の技術的範囲には、以下のような形態も含まれる。
例えば、前述の実施形態及び複数の変形例の一形態の一部の構成要素、制御方法等を当該一形態以外の他の形態の一部に置換した形態であってもよい。また、前述の実施形態及び複数の変形例の一形態に、当該一形態以外の他の形態の一部の構成要素、制御方法等を付加した形態であってもよい。すなわち、前述の実施形態及び複数の変形例は、相互に組合せ、入れ替え等をしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10 仮眠ボックス
10A 仮眠ボックス
10B 仮眠ボックス
20 支持機構
210 第1支持部
212 基台
214 クッション
220 第2支持部
220A 第2支持部
220A1 軸体
220A2 筒状部材
220B 第2支持部
220B1 軸体
220B2 筒状部材
220B3 クッション
222 シート
222A 基台
222B クッション
224 リンク機構
224A リンク
224B ジョイント
230 第3支持部
220A 第2支持部
220A1 軸体
220A2 筒状部材
232 取付部
234 本体部
234A 基台
234B クッション
236 蝶番
240 第4支持部
250 移動機構
252 第1アクチュエータ
254 第2アクチュエータ
260 柱
30 複数のセンサ
32 第1センサ
34 第2センサ
342 ドア
36 第3センサ
40 ハウジング
42 天井壁
44 周壁
442 ドア
46 底壁
48 台
50 制御部
52 演算装置
54 記憶装置
542 第1記憶部
544 第2記憶部
56 タイマー
58 モデル生成部
60 ユーザーインターフェイス(UI)
60A 個人認証機能付UI
70 モバイル機器
80 外部サーバー
CL 中心線
CS 制御系
CSA 制御系
CSB 制御系
CSC 制御系
PG プログラム
PGA プログラム
U ユーザー
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C