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特開2024-120166タッチ保護カバー、接続部材、モジュールコネクタおよびバッテリシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120166
(43)【公開日】2024-09-04
(54)【発明の名称】タッチ保護カバー、接続部材、モジュールコネクタおよびバッテリシステム
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/46 20060101AFI20240828BHJP
   H01R 13/631 20060101ALI20240828BHJP
   H01M 50/502 20210101ALI20240828BHJP
【FI】
H01R13/46 A
H01R13/631
H01M50/502
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024023318
(22)【出願日】2024-02-20
(31)【優先権主張番号】10 2023 104 462.1
(32)【優先日】2023-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100229736
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 剛
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル エーハイム
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ディストラー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ヴェーバー
(72)【発明者】
【氏名】ビヨルン ホフマン
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ヴォルフ
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
5H043
【Fターム(参考)】
5E021FA02
5E021FA08
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB20
5E021FC31
5E021FC36
5E021HB11
5E021HC07
5E087EE02
5E087EE06
5E087FF04
5E087FF07
5E087GG12
5E087HH04
5E087PP03
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR25
5H043AA13
5H043CA21
5H043FA08
5H043KA45F
5H043LA22F
(57)【要約】      (修正有)
【課題】2つの電流導体を導電可能に接続する2つの接続部材を有する電気モジュールコネクタ用の電気絶縁性タッチ保護カバーを提供する。
【解決手段】タッチ保護カバー(1)は、差込み方向(28)に沿って差し込み接続可能な2つの保護ハウジング(30)を、2つの接続部材の各々について1つずつ備え、2つの保護ハウジング(30)のうちの一方は、内部カラー(34)を備え、2つの保護ハウジング(30)のうちの他方は、内部カラー(34)を少なくとも部分的に受け入れるように構成される外部カラー(36)を備え、内部カラー(34)は、少なくとも1つの形状嵌め要素(44a)を備え、外部カラー(36)は、それと相補的な少なくとも1つの形状嵌め要素(44b)を備え、形状嵌め要素(44a、44b)は、差込み方向(28)においてラッチ接続するように構成され、ラッチ接続済み状態(46)において互いに対して回転可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの電流導体(6)を導電可能に接続する2つの接続部材(8)を有する電気モジュールコネクタ(2)用の電気絶縁性タッチ保護カバー(1)であって、
前記タッチ保護カバー(1)は、差込み方向(28)に沿って差し込み接続可能な2つの保護ハウジング(30)を、前記2つの接続部材(8)の各々について1つずつ備え、
前記2つの保護ハウジング(30)のうちの一方は、内部カラー(34)を備え、前記2つの保護ハウジング(30)のうちの他方は、前記内部カラー(34)を少なくとも部分的に受け入れるように構成されている外部カラー(36)を備え、
前記内部カラー(34)は、少なくとも1つの形状嵌め要素(44a)を備え、前記外部カラー(36)は、それと相補的な少なくとも1つの形状嵌め要素(44b)を備え、
前記形状嵌め要素(44a、44b)は、前記差込み方向(28)においてラッチ接続するように構成され、
前記内部カラー(34)および前記外部カラー(36)は、前記形状嵌め要素(44a)のラッチ接続済み状態(46)において互いに対して回転可能であるように構成されている、
タッチ保護カバー(1)。
【請求項2】
前記内部カラー(34)および前記外部カラー(36)は、それぞれの前記保護ハウジング(30)の他の部分から突出し、前記差込み方向(28)の周りに嵌め込み式に構成されている、請求項1に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項3】
前記形状嵌め要素(44a、44b)は、前記差込み方向(28)の周りに異なる長さで延び、前記形状嵌め要素のうちの一方(44a)は、それと相補的な他方の前記形状嵌め要素(44b)がその後方に係合可能であるように配置されているアンダーカット状の形状嵌め面を有する、請求項1または2に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項4】
前記形状嵌め要素のうちの一方(44a)は、ラッチ突起(54)であり、それと相補的な他方の前記形状嵌め要素(44b)は、ラッチ凹部(60)である、請求項1から3のいずれか一項に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項5】
前記ラッチ凹部(60)は、前記ラッチ突起(54)よりも長く前記差込み方向(28)の周りに延びる、請求項4に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項6】
前記差込み方向(28)に延びるコーディングスロット(72)が、前記ラッチ凹部(60)に繋がり、前記コーディングスロット(72)の内輪郭(76)は、前記ラッチ突起(54)の外輪郭に少なくとも部分的に対応する、請求項5に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項7】
前記内部カラー(34)および前記外部カラー(36)は各々、対として互いに相補的であるように構成されている少なくとも2つの形状嵌め要素(44a、44b)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項8】
同じ前記カラー(34、36)の前記少なくとも2つの形状嵌め要素(44a、44b)は、前記差込み方向(28)に対して異なるまたは等しい高さ(70a、70b)に配置されている、請求項7に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項9】
同じ前記カラー(34、36)の前記少なくとも2つの形状嵌め要素(44a、44b)は、前記差込み方向(28)において互いに離隔し、周方向(42)において互いにオフセットされている、請求項7または8に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項10】
保護ハウジング(30)と、前記保護ハウジング(30)に繋がる電流導体(6)と、前記電流導体(6)に配置されているコンタクト要素(92)とを有する、電気モジュールコネクタ(2)用の接続部材(8)であって、
前記保護ハウジング(30)の前記カラー(34、36)は、前記コンタクト要素(92)を覆うように突出し、
前記保護ハウジング(30)は、請求項1から9のいずれか一項に記載のタッチ保護カバー(1)の保護ハウジング(30)として構成されている、
接続部材(8)。
【請求項11】
2つの接続部材(8)と、タッチ保護カバー(1)とを備える電気モジュールコネクタ(2)であって、
前記2つの接続部材(8)は、前記タッチ保護カバー(1)に配置され、互いに対して回転可能である、
モジュールコネクタ(2)。
【請求項12】
前記タッチ保護カバー(1)は、請求項1から9のいずれか一項に従って構成されている、請求項11に記載のモジュールコネクタ(2)。
【請求項13】
前記2つの接続部材(8)は各々、締結要素(16)を備え、各締結要素(16)は、前記保護ハウジング(30)の前記内部カラー(34)および/または前記外部カラー(36)と同軸で延びる、請求項12に記載のモジュールコネクタ(2)。
【請求項14】
請求項11から13のいずれか一項に記載のモジュールコネクタ(2)と、少なくとも2つの電気モジュール(22)とを備える、特に電気駆動装置を有する車両のバッテリシステム(4)であって、
前記2つの電気モジュール(22)は、前記モジュールコネクタ(2)の前記2つの接続部材(8)を介して接続されている、
バッテリシステム(4)。
【請求項15】
各々請求項1から9のいずれか一項に記載の2つのタッチ保護カバー(1)を備えるセット(78)であって、
前記2つのタッチ保護カバー(1)の前記保護ハウジング(30)は、前記形状嵌め要素(44a、44b)の位置および/またはサイズを除き、対として同じ寸法を有する、
セット(78)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの電流導体を互いに導電可能に接続する2つの接続部材を有する電気モジュールコネクタ用の電気絶縁性タッチ保護カバーに関する。本発明はさらに、2つのタッチ保護カバーからなるセット、接続部材、モジュールコネクタ、および、特に電気駆動装置を有する車両用のバッテリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
モジュールコネクタは、例えば、電流導体(例えばバスバーまたは電流ストリップ)を介して、バッテリシステムを形成する様々な電気モジュールを接続するために用いられる。そのようなモジュールでは、作業場における機械工などのユーザにとって危険な高電圧および高電流が生じる。この理由から、モジュールコネクタのそれぞれの電流導体および接続部材を取り囲むタッチ保護機構が設けられる場合が多い。
【0003】
接続部材におけるタッチ保護機構の設計は、困難である場合が多い。多くの場合、タッチ保護機構は、バッテリシステムにおけるモジュールコネクタの組み立てを妨げるか、またはより困難にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、モジュールコネクタの組み立てを妨げないタッチ保護機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これは、冒頭で述べた種類の電気絶縁性タッチ保護カバーにより、本発明に従って満足される。タッチ保護カバーは、差込み方向に沿って差し込み接続可能な2つの保護ハウジングを、2つの接続部材の各々について1つずつ備え、2つの保護ハウジングのうちの一方は、内部カラーを備え、2つの保護ハウジングのうちの他方は、内部カラーを少なくとも部分的に受け入れるように構成される外部カラーを備え、内部カラーは、少なくとも1つの形状嵌め要素(ポジティブフィット要素、positive-fit element)を備え、外部カラーは、それと相補的な少なくとも1つの形状嵌め要素を備え、形状嵌め要素は、差込み方向においてラッチ接続するように構成され、内部カラーおよび外部カラーは、形状嵌め要素のラッチ接続済み状態において互いに対して回転可能であるように構成される。
【0006】
本発明に係る解決策は、接続部材が例えばねじ接続部により固定される前に、ラッチ接続する形状嵌め要素に起因して2つの保護ハウジングを固定的に事前位置決めすることができるので、有利である。換言すると、受け入れられる内部カラーおよび受け入れる外部カラーは、内部カラーと外部カラーとの間の(少なくとも所定の角度範囲内における)相対回転可能性を可能とする、差込み方向に働くラッチ式の形状嵌め接続を確立する。事前位置決めと最終固定との間で、2つの保護ハウジングは、その相対回転可能性を保持する。これにより、必要に応じて、組み立ておよび位置の許容誤差の、力を要さない補償が可能となる。加えて、最終固定を行うときに、必ずしもタッチ保護カバーを手で保持する必要が無い。
【0007】
従来のタッチ保護カバーでは、好適な形状嵌め要素が無いことに起因して固定的な事前位置決めを行うことができないか、あるいは、固定的な事前位置決めがあらゆる回転可能性を妨げることで、組み立ておよび位置の許容誤差の補償を可能とするために、接続部材、電流導体、およびタッチ保護カバーに外力を働かせる必要がある。これら両方の状況は、本発明に係る解決策と比較して、設置プロセスをより困難にする。
【0008】
本発明に係る解決策は、以下の独立かつ個別に有利な構成およびさらなる発展例により、さらに改善することができる。
【0009】
第1の可能な実施形態によれば、内部カラーおよび外部カラーは、それぞれの保護ハウジングの他の部分(残余部分、remainder)から突出してよく、差込み方向の周りに嵌め込み式(self-contained)に構成されてよい。このとき、内部カラーおよび外部カラーは、接続部材に連続的な全周囲の保護を提供する。例えば、内部カラーおよび外部カラーは、スリーブ形状、特に円筒形であるように構成されてよい。ここで、外部カラーの内径は、内部カラーの外径よりも大きいかまたはそれに等しいことが好ましい。したがって、外部カラーは、内部カラーを同軸で受け入れてよい。
【0010】
内部カラーおよび外部カラーは、それぞれの保護ハウジングの他の部分から差込み方向に平行に突出することが好ましく、内部カラーと外部カラーとの間の相対回転可能性が差込み方向に垂直な周方向において与えられる。
【0011】
さらなる可能な実施形態によれば、形状嵌め要素は、差込み方向の周りに異なる長さで延びてよい。このとき、内部カラーと外部カラーとの間の相対回転可能性が実現されるように、より短い形状嵌め要素がより長い形状嵌め要素の延在長さ以内で周方向に移動してよい。延在長さは、周方向部分または角度部分を指してよい。
【0012】
代替的に、両方の形状嵌め要素が全周に沿って嵌め込み式に延びる場合、これらは同じ長さであってもよいが、やはり内部カラーと外部カラーとの間の相対回転可能性が与えられる。
【0013】
形状嵌め要素のうちの一方が、それと相補的な他方の形状嵌め要素がその後方に係合可能であるように配置されるアンダーカット状の形状嵌め面を有することで、形状嵌め要素のラッチ接続を実現することができる。これは、内部カラーまたは外部カラーの少なくとも1つの形状嵌め要素が、アンダーカット状に、対応する保護ハウジングの他の部分に向かいその他方の保護ハウジングから離れる方向に向く形状嵌め面を形成することを意味する。他方のカラーの少なくとも1つの形状嵌め要素は、例えば、ラッチ接続済み状態において上記の形状嵌め面の後方に係合する形状嵌め面または1つまたは複数のノブ、ノーズ、ウェッジ、ピラミッド、プリズム形状の突起を備えてもよい。
【0014】
ラッチ接続済み状態における形状嵌め要素は、任意選択で、互いに分離可能、特に非破壊的に分離可能である。この目的で、形状嵌め要素は、形状における一定程度の弾性および/または引抜きベベルを有してよい。加えて、形状嵌め要素には各々、保護ハウジングにおける差込みプロセスを容易にする挿入ベベルが設けられてよい。
【0015】
さらなる可能な実施形態によれば、形状嵌め要素のうちの一方は、ラッチ突起であってよく、それと相補的な他方の形状嵌め要素は、ラッチ凹部であってよい。ラッチ突起は、差込み方向に垂直に突出してよく、ラッチ凹部は、差込み方向に垂直に陥凹していてよい。例えば、内部カラーは、少なくとも1つのラッチ突起を備えてよく、外部カラーは、内部カラーのラッチ突起と相補的であるように構成される少なくとも1つのラッチ凹部を備えてよく、かつ/または、外部カラーは、少なくとも1つのラッチ突起を備えてよく、内部カラーは、外部カラーのラッチ突起と相補的な少なくとも1つのラッチ凹部を備えてよい。
【0016】
ラッチ接続済み状態においてラッチ突起およびラッチ凹部がその相補性に起因して互いに係合可能であることにより、省スペース化が得られることが有利である。代替的に、内部カラーおよび外部カラーは、ラッチ接続されたときに互いの後方に係合するラッチ突起のみを備えてもよい。
【0017】
ラッチ凹部内でのラッチ突起の可動性が確保されるように、ラッチ凹部がラッチ突起よりも長く差込み方向の周りに延びるようにすることが特に有利である。これにより、製造が容易な方法で内部カラーと外部カラーとの間の相対回転可能性が実現する。
【0018】
任意選択で、差込み方向に延びるコーディングスロットが、ラッチ凹部に繋がってよい。コーディングスロットは、内部カラーまたは外部カラーの外縁部からラッチ凹部へと延びてよい。任意選択で、コーディングスロットおよびラッチ凹部は、共にL字形状の外形を形成する。コーディングスロットの内輪郭は、ラッチ突起の外輪郭に少なくとも部分的に対応することが好ましい。代替的に、スナップ機構が形成されるように、コーディングスロットは、ラッチ突起よりもわずかに平坦であるように構成されてもよい。
【0019】
コーディングスロットの形状により、合致する内部カラーおよび外部カラーのみが差し込み接続可能である(すなわち、コーディングスロットの内輪郭およびラッチ突起の外輪郭が合致する場合)ことを確実にする鍵と鍵穴の原理を組み込むことが可能となる。加えて、コーディングスロットの位置により、内部カラーおよび外部カラーを差し込み接続可能とするために互いに対して配置する必要がある角度範囲を規定することができる。いくつかのラッチ突起が存在する場合、各ラッチ突起について別個のコーディングスロットが設けられてよい。
【0020】
既に示したように、内部カラーおよび外部カラーは各々、少なくとも2つの形状嵌め要素を備えてよい。換言すると、少なくとも2つの形状嵌め要素が内部カラーに存在してよく、少なくとも2つのさらなる形状嵌め要素が外部カラーに存在してよい。ここで、異なるカラーの形状嵌め要素は、対として互いに相補的であるように構成されることが好ましい。この実施形態の利点は、比較的大きい形状的なラッチ力である。向上した安定性を実現するために、同じカラーの少なくとも2つの形状嵌め要素は、互いに直径上の反対側に配されてよい。2つよりも多くの形状嵌め要素が存在する場合、これらは、周方向において均等にまたは不均等に分散していてよい。
【0021】
さらなる可能な実施形態によれば、同じカラーの少なくとも2つの形状嵌め要素は、差込み方向に対して異なる高さに配置されてよい。特に、同じカラーの少なくとも2つの形状嵌め要素は、差込み方向において互いに離隔してよい。同じカラーの2つの形状嵌め要素は、任意選択で、周方向において互いにオフセットされる。形状嵌め要素の高さ位置はまた、前述の鍵と鍵穴の原理をもたらす。鍵と鍵穴の原理を組み込むために、同じカラーの少なくとも2つの形状嵌め要素の長さ、幅、深さおよび外形の差異が設けられてもよい。
【0022】
ジオメトリを簡略化するために、同じカラーの少なくとも2つの形状嵌め要素は、代替的に、差込み方向に対して同じ高さに配置されてもよく、かつ/または、その幾何学的形状に関して相似に構成されてもよい。
【0023】
各々前出の実施形態のうちの1つに係る2つのタッチ保護カバーを備えるセットであって、2つのタッチ保護カバーの保護ハウジングが、形状嵌め要素の位置および/またはサイズを除き、対として同じ寸法を有する、セットを用いることにより、2つの異なるモジュールコネクタに相互の誤差込み保護機構を設けることができる。換言すると、本発明に係るセットにおいては、一方のタッチ保護カバーの保護ハウジングを、差込み方向において他方のタッチ保護カバーの保護ハウジングに差し込み接続することができない。これにより、誤差込みが防止されるので、それぞれのモジュールコネクタの設置が容易になる。これは、本発明に係るセットが、冒頭で述べた目的を満足することを意味する。
【0024】
形状嵌め要素の位置は、例えば角度位置または高さ位置により与えられてよい。ここで、角度位置または高さ位置は、それぞれのカラーに対するそれぞれの形状嵌め要素の上端縁部、下端縁部または中心に関連する。形状嵌め要素のサイズは、例えばそれらの体積、それらの表面、またはそれらの断面の周方向長さにより与えられてよい。
【0025】
冒頭で提起した目的はさらに、電気モジュールコネクタ用の接続部材により満足される。接続部材には、保護ハウジングと、保護ハウジングに繋がる電流導体と、電流導体の一端部に配置されるコンタクト要素とが設けられる。コンタクト要素は、例えば、モジュールコネクタの動作中に電流が電流導体へとおよび/または電流導体から流れる電流ブリッジであってよい。保護ハウジングのカラー(すなわち内部カラーまたは外部カラー)は、コンタクト要素を覆うように突出し、保護ハウジングは、前出の実施形態のうちの1つに係るタッチ保護カバーの保護ハウジングとして構成される。
【0026】
したがって、本発明に係る接続部材は、タッチ保護カバーの利点を享受する。特に、接続部材が、タッチ保護カバーのその他方の保護ハウジングを備える相補的な相手側接続部材に差し込み接続されると、接続部材を最終固定まで回転可能であるように事前位置決めすることができる。これにより、特に組み立ておよび位置の許容誤差の補償に関して、接続部材の設置が容易になる。これには、回転可能であることに起因して、力を必要としない。
【0027】
同じ理由で、2つの接続部材と、タッチ保護カバーとを備える電気モジュールコネクタもまた、冒頭で提起した目的を満足する。2つの接続部材は、少なくとも部分的にタッチ保護カバーに配置され、互いに対して回転可能である。前述した本発明に係るタッチ保護カバーの利点および機能を利用するために、モジュールコネクタにおけるタッチ保護カバーは、上記の実施形態のうちの1つに従って構成されてよい。
【0028】
特に、2つの接続部材のそれぞれのコンタクト要素のタッチ保護カバーは、内部カラーまたは外部カラーが差込み方向において対応するコンタクト要素を覆うように突出することで、指保護機構を形成することができる。これにより、ユーザの指が通電構成要素(例えばコンタクト要素および電流導体)と接触することを防止することができる。これは例えば、テストフィンガにより、標準的な規格に従って、例えばテストフィンガについて80mmの長さおよび12mmの直径を規定するDIN EN 60529:2000に従って、模擬実験される。他の関連する規格としては、VDE 0470 part 2、IEC/EN 61032、VDE 0470 part 1ならびにIEC/EN 60529、IEC/EN 60950、IEC 61010、IEC/EN 60335、IEC/EN 60745-1、IEC/EN 60034-5およびIEC/EN 60065があり得る。
【0029】
任意選択で、モジュールコネクタの2つの接続部材は各々、締結要素を備えてよい。これは、例えばねじ接続部のための締結要素であってよい。例えば、一方の接続部材は、雄ねじを有するねじを備え、他方の接続部材は、雌ねじを有する対応するねじ付きスリーブまたはナットを備える。代替的に、リベット接続部が用いられてもよい。各締結要素は、保護ハウジングの内部カラーおよび/または外部カラーと同軸で延びることが好ましい。
【0030】
この実施形態において、内部カラーと外部カラーとの間のラッチ式の形状嵌め接続は、接続部材を事前位置決めするために機能し、締結要素は、接続部材の実際の最終固定に用いられる。有利な点として、事前位置決めの状態における接続部材は、互いに対して回転可能であり、これにより、特に最終固定ステップを容易にすることができる。加えて、これにより、最終固定の後にモジュールコネクタを恒久的な応力にさらすことになるあらゆる不要な力の印加を、最終固定の前に回避することができる。
【0031】
本発明に係るタッチ保護カバーの機能および利点を利用する場合、特に電気駆動装置を有する車両のバッテリシステムを、より容易に設置することができる。この理由で、前出の実施形態のうちの1つに係るモジュールコネクタおよび少なくとも2つの電気モジュールを有するバッテリシステムは、冒頭で提起した目的を満足する。2つの電気モジュールは、モジュールコネクタの2つの接続部材を介して互いに接続される。それらの設置時において組み立ておよび位置の許容誤差の、力を要さない補償が可能となったため、2つの電気モジュールおよび2つの接続部材が受ける応力が、外力の導入によってのみ許容誤差の補償を可能とする従来のバッテリシステムでの場合よりも小さくなる。
【0032】
2つの電気モジュールは、バッテリモジュール、制御ユニット、電力コンバータ等であってよい。勿論、バッテリシステムは、2つよりも多くの電気モジュールを備えてもよい。
【0033】
本出願における標準および規格(例えばDIN/IEC/EN規格)のあらゆる参照は、出願時において有効なそれぞれの標準または規格のバージョンを指す。
【0034】
以下、いくつかの例示的実施形態に基づき、図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。それらの実施形態の様々な特徴は、上記の知見に従って必要に応じて互いに組み合わされてよい。特に、個々の特徴の効果が特定の用途に必要である場合、これらの特徴は上記の説明に従って記載の実施形態に加えられてよい。反対に、個々の特徴の技術的な効果が特定の用途において重要でない場合、これらの特徴は既存の実施形態から省略されてよい。図面における類似の、同一の、および機能的に同一の要素には、適切である限りにおいて、同じ参照番号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】タッチ保護カバーの例示的実施形態の模式的な側面図である。
図2】バッテリシステムの例示的実施形態の模式的な側面図である。
図3】分解図における2つのモジュールコネクタの例示的実施形態の模式的な斜視図である。
図4】接続部材の第1の例示的実施形態の模式的な斜視図である。
図5図4の接続部材のさらなる模式的な斜視図である。
図6】接続部材の第2の例示的実施形態の模式的な斜視図である。
図7】接続部材の第3の例示的実施形態の模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、電気モジュールコネクタ2用の電気絶縁性タッチ保護カバー1の例示的実施形態を示す。図2は、モジュールコネクタ2を有するバッテリシステム4の略図を示し、図3は、いくつかのモジュールコネクタ2を示す。見ることができるように、各モジュールコネクタ2は、2つの接続部材8を介して互いに導電可能に接続され得る少なくとも2つの電流導体6を備える。電流導体6は、例えば、個別にまたは対として設置されるバスバー10、電流ストリップ12、またはケーブルである。
【0037】
各接続部材8は、それぞれの電流導体6の1つの端部14にまたは2つの端部14の間に配置される。さらに、各接続部材8は、締結要素16、例えばねじ接続部50のための締結要素を備える。例えば、一方の接続部材8は、雄ねじを有するねじ18を備え、他方の接続部材8は、雌ねじを有する合致するねじ付きスリーブ20を備える。
【0038】
バッテリシステム4の2つ以上の電気モジュール22が、電流導体6および接続部材8を介して互いに接続される。電気モジュール22は、それぞれバッテリシステム4のバッテリモジュール24、制御ユニット26、または電流コンバータであってよい。
【0039】
図1において見ることができるように、タッチ保護カバー1は、差込み方向28に沿って差し込み接続可能な2つの保護ハウジング30を、2つの接続部材8の各々について1つずつ備える。換言すると、2つの接続部材8は各々、タッチ保護カバー1の保護ハウジング30のうちの一方に少なくとも部分的に配置されてよい。この目的で、各保護ハウジング30は、2つの接続部材8のうちの一方が少なくとも部分的に受け入れられ得る内部キャビティ32を備えてよい。さらに、各保護ハウジング30は、接続部材8の受け入れを容易にするために、2つの部品として構成されてよい。ただし、保護ハウジング30が一体に構成されることも可能である。
【0040】
2つの保護ハウジング30のうちの一方は、内部カラー34を備え、2つの保護ハウジング30のうちの他方は、少なくとも部分的に内部カラー34を受け入れるように構成される外部カラー36を備える。
【0041】
内部カラー34および外部カラー36は、それぞれの保護ハウジング30の他の部分から突出してよく、差込み方向の周りに嵌め込み式に構成されてよい。図示の例において、内部カラー34および外部カラー36は、スリーブ形状、特に円筒形であるように構成される。ここで、外部カラー36の内径38は、内部カラー34の外径40よりも大きいかまたはそれに等しいことが好ましい。したがって、外部カラー36は、内部カラー34を同軸で受け入れてよい。
【0042】
内部カラー34は、少なくとも1つの形状嵌め要素44aを備え、外部カラー36は、それと相補的な少なくとも1つの形状嵌め要素44bを備える。形状嵌め要素44a、44bは、差込み方向28においてラッチ接続するように構成される。さらに、内部カラー34および外部カラー36は、形状嵌め要素44a、44bのラッチ接続済み状態46において互いに対して回転可能であるように構成される。これは、図1において矢印48で示されている。
【0043】
したがって、接続部材8がねじ接続部50を介して固定される前に、2つの保護ハウジング30を、その後保持する必要なく、ラッチ接続する形状嵌め要素44a、44bに起因して固定的に事前位置決めすることができる。一方、2つの保護ハウジング30およびその内部の接続部材8は、相対回転可能性を保持する。これにより、結果として、組み立ておよび位置の許容誤差の補償が可能となる。これは、電流導体6が曲がりくねって配線される場合、力をかけずに行う必要がある場合が多い。
【0044】
特に、内部カラー34および外部カラー36は、内部カラー34と外部カラー36との間の相対回転可能性が差込み方向28に垂直な周方向42において与えられるように、それぞれの保護ハウジング30の他の部分から差込み方向28に平行に突出してよい(図1参照)。
【0045】
図1において見ることができるように、それぞれのカラー34、36における形状嵌め要素44a、44bは、差込み方向28の周りに(すなわち周方向42に)異なる長さで延びてよい。このとき、内部カラー34と外部カラー36との間の相対回転可能性が実現されるように、より短い形状嵌め要素44aがより長い形状嵌め要素44bの延在長さ52b以内で周方向に移動してよい。ここで、延在長さ52bは、周方向部分または角度方向部分を指してよい。
【0046】
図1に示す実施形態において、形状嵌め要素44aは、内部カラー34の外面56(カラー側面)から差込み方向28に垂直に径方向に突出するラッチ突起54、特にビード状突起である。ビード状突起は、周方向の環状ビード(不図示)または環状ビード部分58により形成されてよい。
【0047】
相補的な他方の形状嵌め要素44bは、差込み方向28に垂直な溝状凹部として陥凹したラッチ凹部60であってよい。特に、溝状凹部は、外部カラー36の内面64(カラー側面)における周方向の環状溝(不図示)または環状溝部分62により形成されてよい。図1に示すように、ラッチ凹部60は、窓状開口部66または貫通孔68として対応するカラー34、36を貫通してよい。
【0048】
図1に示す実施形態によれば、内部カラー34は、少なくとも1つのラッチ突起54を備えてよく、外部カラー36は、内部カラー34のラッチ突起54と相補的であるように構成される少なくとも1つのラッチ凹部60を備えてよい。代替的に、外部カラー36が少なくとも1つのラッチ突起を備え、内部カラー34が外部カラー36のラッチ突起と相補的な少なくとも1つのラッチ凹部を備えてもよい。
【0049】
図1に示す実施形態におけるラッチ接続済み状態46での内部カラー34と外部カラー36との間の相対回転可能性は、ラッチ凹部60がラッチ突起54よりも長く差込み方向29の周りに延びることに基づく。換言すると、溝状凹部は、ビード状突起の延在長さ52aよりも大きい周方向42における延在長さ52bを有する。
【0050】
図1において見ることができるように、内部カラー34および外部カラー36は各々、いくつかの形状嵌め要素44a、44bを備えてよい。換言すると、少なくとも2つの形状嵌め要素44aが内部カラー34に存在してよく、少なくとも2つのさらなる形状嵌め要素44bが外部カラー36に存在してよい。ここで、異なるカラーの形状嵌め要素44a、44bは、対として互いに相補的であるように構成されることが好ましい。
【0051】
図7に示す実施形態によれば、同じカラーの少なくとも2つの形状嵌め要素44bは、差込み方向28に対して異なる高さ70a、70bに配置されてよい。特に、同じカラー34、36の少なくとも2つの形状嵌め要素44a、44bは、差込み方向28において互いに離隔してよい。同じカラー34、36の2つの形状嵌め要素44a、44bはまた、任意選択で、周方向42において互いにオフセットされる。代替的に、同じカラー36の少なくとも2つの形状嵌め要素44bは、差込み方向28に対して同じ高さに配置されてもよい(図6参照)。
【0052】
図4および図5は、差込み方向28に延びるコーディングスロット72が外部カラー36におけるラッチ凹部60に繋がる実施形態を示す。コーディングスロット72は、外部カラー36の外縁部74からラッチ凹部60へと延びてよい。ここで、コーディングスロット72およびラッチ凹部60は、共にL字形状の外形を形成する(図5参照)。
【0053】
コーディングスロット72の内輪郭76は、ラッチ突起54の外輪郭(不図示)に少なくとも部分的に対応する。コーディングスロット72の形状により、合致する内部カラー34および外部カラー36のみが差し込み接続可能である(すなわち、コーディングスロット72の内輪郭76およびラッチ突起54の外輪郭が合致する場合)ことを確実にする鍵と鍵穴の原理を組み込むことが可能となる。加えて、コーディングスロット72の位置により、内部カラー34および外部カラー36を差し込み接続可能とするために互いに対して配置する必要がある角度範囲77を規定することができる。いくつかのラッチ突起が存在する場合、任意選択で、各ラッチ突起について別個のコーディングスロットが設けられてよい。
【0054】
2つのタッチ保護カバー1を有するセット78が、図3の2つのモジュールコネクタ2に設置される。2つのタッチ保護カバー1は各々、図1の実施形態に従って構成され、2つのタッチ保護カバー1の保護ハウジング30は、形状嵌め要素44a、44bの位置および/またはサイズを除き、対として同じ寸法を有する。換言すると、2つのタッチ保護カバー1のうちの一方の保護ハウジング30は、他方のタッチ保護カバー1の保護ハウジング30の内部カラー34と同じ寸法を有する内部カラー34を備える。それぞれの内部カラー34における形状嵌め要素44aのみが、位置および/またはサイズで異なる。両方のタッチ保護カバー1は各々、外部カラー36を有する保護ハウジング30を有し、外部カラー36は、互いに異なる位置および/またはサイズを有する形状嵌め要素44bを備えるが、その他は同じ寸法を有する。
【0055】
したがって、セット78においては、一方のタッチ保護カバー1の保護ハウジング30を、差込み方向28において他方のタッチ保護カバー1の保護ハウジング30に差し込み接続することができない。結果として、2つのモジュールコネクタ2の間での相互の誤差込み保護機構が存在する。
【0056】
形状嵌め要素44a、44bの位置は、例えば角度位置80および/または高さ位置82により与えられてよい。ここで、角度位置80または高さ位置82は、対応するカラー36における基準点に対するそれぞれの形状嵌め要素44bの上端縁部84、下端縁部86または中心88に該当する。形状嵌め要素44a、44bのサイズは、例えばそれらの体積90、それらの表面、またはそれらの断面の周方向長さにより与えられてよい。
【0057】
図4および図5は、例示的実施形態における電気モジュールコネクタ2用の接続部材8を示す。接続部材8は、タッチ保護カバー1の保護ハウジング30として構成される保護ハウジング30を備える。
【0058】
電流導体6は保護ハウジング30に繋がり、電流導体6の端部14には、コンタクト要素92(図3参照)が配置される。コンタクト要素92は、例えば、モジュールコネクタ2の動作中に電流が電流導体6へとおよび/または電流導体6から流れる電流ブリッジ94であってよい。保護ハウジング30のカラー(すなわち内部カラー34または外部カラー36)は、コンタクト要素92を覆うように突出する。
【符号の説明】
【0059】
1 タッチ保護カバー
2 モジュールコネクタ
4 バッテリシステム
6 電流導体
8 接続部材
10 バスバー
12 電流ストリップ
14 端部
16 締結要素
18 ねじ
20 ねじ付きスリーブ
22 モジュール
24 バッテリモジュール
26 制御ユニット
28 差込み方向
30 保護ハウジング
32 キャビティ
34 内部カラー
36 外部カラー
38 内径
40 外径
42 周方向
44a、44b 形状嵌め要素
46 状態
48 矢印
50 ねじ接続部
52a、52b 延在長さ
54 ラッチ突起
56 外面
58 リング状ビード部分
60 ラッチ凹部
62 リング状溝部分
64 内面
66 開口部
68 貫通孔
70a、70b 高さ
72 コーディングスロット
74 縁部
76 内輪郭
77 角度範囲
78 セット
80 角度位置
82 高さ位置
84 縁部
86 縁部
88 中心
90 体積
92 コンタクト要素
94 電流ブリッジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの電流導体(6)を導電可能に接続する2つの接続部材(8)を有する電気モジュールコネクタ(2)用の電気絶縁性タッチ保護カバー(1)であって、
前記タッチ保護カバー(1)は、差込み方向(28)に沿って差し込み接続可能な2つの保護ハウジング(30)を、前記2つの接続部材(8)の各々について1つずつ備え、
前記2つの保護ハウジング(30)のうちの一方は、内部カラー(34)を備え、前記2つの保護ハウジング(30)のうちの他方は、前記内部カラー(34)を少なくとも部分的に受け入れるように構成されている外部カラー(36)を備え、
前記内部カラー(34)は、少なくとも1つの形状嵌め要素(44a)を備え、前記外部カラー(36)は、それと相補的な少なくとも1つの形状嵌め要素(44b)を備え、
前記形状嵌め要素(44a、44b)は、前記差込み方向(28)においてラッチ接続するように構成され、
前記内部カラー(34)および前記外部カラー(36)は、前記形状嵌め要素(44a、44b)のラッチ接続済み状態(46)において互いに対して回転可能であるように構成されている、
タッチ保護カバー(1)。
【請求項2】
前記内部カラー(34)および前記外部カラー(36)は、それぞれの前記保護ハウジング(30)の他の部分から突出し、前記差込み方向(28)の周りに嵌め込み式に構成されている、請求項1に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項3】
前記形状嵌め要素(44a、44b)は、前記差込み方向(28)の周りに異なる長さで延び、前記形状嵌め要素のうちの一方(44a)は、それと相補的な他方の前記形状嵌め要素(44b)がその後方に係合可能であるように配置されているアンダーカット状の形状嵌め面を有する、請求項1に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項4】
前記形状嵌め要素のうちの一方(44a)は、ラッチ突起(54)であり、それと相補的な他方の前記形状嵌め要素(44b)は、ラッチ凹部(60)である、請求項1に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項5】
前記ラッチ凹部(60)は、前記ラッチ突起(54)よりも長く前記差込み方向(28)の周りに延びる、請求項4に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項6】
前記差込み方向(28)に延びるコーディングスロット(72)が、前記ラッチ凹部(60)に繋がり、前記コーディングスロット(72)の内輪郭(76)は、前記ラッチ突起(54)の外輪郭に少なくとも部分的に対応する、請求項5に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項7】
前記内部カラー(34)および前記外部カラー(36)は各々、対として互いに相補的であるように構成されている少なくとも2つの形状嵌め要素(44a、44b)を備える、請求項1に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項8】
同じ前記内部カラー(34)および前記外部カラー(36)の前記少なくとも2つの形状嵌め要素(44a、44b)は、前記差込み方向(28)に対して異なるまたは等しい高さ(70a、70b)に配置されている、請求項7に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項9】
同じ前記内部カラー(34)および前記外部カラー(36)の前記少なくとも2つの形状嵌め要素(44a、44b)は、前記差込み方向(28)において互いに離隔し、周方向(42)において互いにオフセットされている、請求項7に記載のタッチ保護カバー(1)。
【請求項10】
保護ハウジング(30)と、前記保護ハウジング(30)に繋がる電流導体(6)と、前記電流導体(6)に配置されているコンタクト要素(92)とを有する、電気モジュールコネクタ(2)用の接続部材(8)であって、
前記保護ハウジング(30)の前記内部カラー(34)および前記外部カラー(36)は、前記コンタクト要素(92)を覆うように突出し、
前記保護ハウジング(30)は、請求項1から9のいずれか一項に記載のタッチ保護カバー(1)の保護ハウジング(30)として構成されている、
接続部材(8)。
【請求項11】
2つの接続部材(8)と、タッチ保護カバー(1)とを備える電気モジュールコネクタ(2)であって、
前記2つの接続部材(8)は、前記タッチ保護カバー(1)に配置され、互いに対して回転可能である、
モジュールコネクタ(2)。
【請求項12】
前記タッチ保護カバー(1)は、請求項1から9のいずれか一項に従って構成されている、請求項11に記載のモジュールコネクタ(2)。
【請求項13】
前記2つの接続部材(8)は各々、締結要素(16)を備え、各締結要素(16)は、前記保護ハウジング(30)の前記内部カラー(34)および/または前記外部カラー(36)と同軸で延びる、請求項12に記載のモジュールコネクタ(2)。
【請求項14】
請求項11に記載のモジュールコネクタ(2)と、少なくとも2つの電気モジュール(22)とを備える、バッテリシステム(4)であって、
前記2つの電気モジュール(22)は、前記モジュールコネクタ(2)の前記2つの接続部材(8)を介して接続されている、
バッテリシステム(4)。
【請求項15】
電気駆動装置を有する車両のバッテリシステム(4)である、請求項14に記載のバッテリシステム(4)。
【請求項16】
各々請求項1から9のいずれか一項に記載の2つのタッチ保護カバー(1)を備えるセット(78)であって、
前記2つのタッチ保護カバー(1)の前記保護ハウジング(30)は、前記形状嵌め要素(44a、44b)の位置および/またはサイズを除き、対として同じ寸法を有する、
セット(78)。
【外国語明細書】