(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120174
(43)【公開日】2024-09-04
(54)【発明の名称】トレンチおよび/またはメサセグメント化のためのシリコンプラグを有する半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/76 20060101AFI20240828BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20240828BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20240828BHJP
【FI】
H01L21/76 L
H01L27/04 C
H01L27/088 331E
H01L27/088 331A
H01L27/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024025392
(22)【出願日】2024-02-22
(31)【優先権主張番号】18/113,351
(32)【優先日】2023-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516153409
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ オーストリア アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies Austria AG
【住所又は居所原語表記】Siemensstr. 2, A-9500 Villach, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アネット ヴィンツァー
(72)【発明者】
【氏名】ラース ミュラー-メスカンプ
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】トム ペーターヘンゼル
(72)【発明者】
【氏名】ビアギート エーレンヴァル
(72)【発明者】
【氏名】フリド エアラー
(72)【発明者】
【氏名】ディアク マンガー
【テーマコード(参考)】
5F032
5F038
5F048
【Fターム(参考)】
5F032AA01
5F032AA35
5F032AA44
5F032AA46
5F032AA47
5F032AA48
5F032AA63
5F032BA02
5F032BA08
5F032BB04
5F032BB06
5F032CA17
5F032CA24
5F032CA25
5F032DA02
5F038AC05
5F038AC10
5F038AC15
5F038CA02
5F038CA05
5F038EZ06
5F048AA04
5F048AA05
5F048AC01
5F048AC06
5F048BC03
5F048BG01
5F048BG03
5F048BG05
5F048BG13
5F048BG14
(57)【要約】
【課題】本発明は、トレンチおよび/またはメサセグメント化のためのシリコンプラグを有する半導体デバイスを提供する。
【解決手段】半導体デバイスは、前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層と、シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在し、シリコン層の第1の領域を横方向にアイソレートする第1のトレンチと、第1のトレンチ内の導電性材料と、シリコン層のシリコン材料から導電性材料を分離する誘電材料と、誘電材料によって横方向に取り囲まれ、導電性材料を第1のトレンチ内の複数の別個のセグメントに分割する複数のシリコンプラグと、を備える。半導体デバイスおよび半導体デバイスを製造するための方法のさらなる実施形態も説明される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、前記半導体デバイスは、
前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層と、
前記シリコン層を貫通して前記前面から前記電気的に絶縁された裏面まで延在し、前記シリコン層の第1の領域を横方向にアイソレートする第1のトレンチと、
前記第1のトレンチ内の導電性材料と、
前記シリコン層のシリコン材料から前記導電性材料を分離する誘電材料と、
前記誘電材料によって横方向に取り囲まれ、前記導電性材料を前記第1のトレンチ内の複数の別個のセグメントに分割する複数のシリコンプラグと、
を備える半導体デバイス。
【請求項2】
横方向において、各シリコンプラグの周りの前記誘電材料の平均厚さは、前記シリコン材料と前記導電性材料との間の前記誘電材料の平均厚さよりも大きい、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記シリコン層の前記第1の領域は、ドリフト領域によってドレイン領域から横方向に分離されたソース領域を有するトランジスタデバイスを含み、前記シリコンプラグは、前記トランジスタデバイスがオフであるときに別個のセグメントが異なる電位にあるように、前記導電性材料を前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記別個のセグメントに分割する、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記半導体デバイスは、第2のトレンチをさらに備え、
前記第2のトレンチは、前記シリコン層を貫通して前記前面から前記電気的に絶縁された裏面まで延在し、前記シリコン層の第2の領域を横方向にアイソレートし、前記導電性材料を含み、
前記誘電材料は、前記シリコン層の前記シリコン材料から前記第2のトレンチ内の前記導電性材料を分離し、
前記第1および第2のトレンチは、互いに交差または合流し、
前記シリコンプラグの1つは、前記第1および第2のトレンチが互いに交差または合流するところで前記導電性材料を中断する、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記シリコン層の前記第1の領域は、前記第1のトレンチによって前記シリコン層の第2の領域から横方向にアイソレートされ、前記第1および第2の領域は、異なる電圧ドメインを支持し、前記シリコンプラグの少なくとも1つは、前記導電性材料を前記シリコン層の前記第1の領域と第2の領域との間の少なくとも2つの別個のセグメントに分割して、前記第1の領域と第2の領域との間に容量性カプラを形成する、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記複数のシリコンプラグは、前記シリコン層を貫通して前記前面から前記電気的に絶縁された裏面まで延在する別のトレンチと前記第1のトレンチが合流または交差する各位置で、前記導電性材料を中断する、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記半導体デバイスは、前記シリコン層を貫通して前記前面から前記電気的に絶縁された裏面まで延在し、前記第1のトレンチと合流する複数の追加トレンチをさらに備え、
前記複数の追加トレンチは、前記シリコン層の第1の追加領域を前記シリコン層の第2の追加領域から横方向にアイソレートし、
前記第1の追加領域は、前記第2の追加領域よりも高い電圧ドメインを支持し、
レベルシフタデバイスは、前記第1の領域内に形成され、前記第1の追加領域と第2の追加領域との間に電圧レベルシフトを提供するように構成され、
前記複数のシリコンプラグは、前記複数の追加トレンチが前記第1のトレンチと合流するところで前記導電性材料を中断する、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
半導体デバイスであって、前記半導体デバイスは、
前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層と、
前記シリコン層を貫通して前記前面から前記電気的に絶縁された裏面まで延在し、前記シリコン層の複数の領域を横方向にアイソレートする複数のトレンチと、
トレンチ内の導電性材料と、
前記シリコン層のシリコン材料から前記導電性材料を分離する誘電材料と、
第1の横方向の前記トレンチの隣接するトレンチ間の第1のシリコンメサと、
前記第1の横方向を横断する第2の横方向の前記トレンチの隣接するトレンチ間の第2のシリコンメサであって、前記第1および第2のシリコンメサが互いに交差する第2のシリコンメサと、
前記第1および第2のシリコンメサが互いに交差する領域にあるシリコンプラグまたはシリコンメサであって、前記誘電材料によって横方向に取り囲まれ、前記第1および第2のシリコンメサを互いに分離するシリコンプラグまたはシリコンメサと、
を備える半導体デバイス。
【請求項9】
横方向において、前記シリコンプラグの周りの前記誘電材料の平均厚さは、前記シリコン材料と前記導電性材料との間の前記誘電材料の平均厚さよりも大きい、
請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記第1のシリコンメサは、前記第1および第2のシリコンメサが互いに交差する領域の外側で前記誘電材料によって互いに分離された複数のセグメントに分割される、
請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記第1のシリコンメサは、前記第1および第2のシリコンメサが互いに交差する領域の外側で前記誘電材料によって互いに分離された複数のセグメントに分割され、
前記第2のシリコンメサは、前記第1および第2のシリコンメサが互いに交差する領域の外側で前記誘電材料によって互いに分離された複数のセグメントに分割される、
請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記シリコン層の前記横方向にアイソレートされた領域の第1のサブセットは、第1の電圧ドメインを支持し、前記シリコン層の前記横方向にアイソレートされた領域の第2のサブセットは、前記第1の電圧ドメインとは異なる第2の電圧ドメインを支持し、前記第1の電圧ドメインの前記横方向にアイソレートされた領域の1つまたは複数が前記第2の電圧ドメインの前記横方向にアイソレートされた領域の1つまたは複数に隣接するコーナ領域において、前記シリコンプラグは、前記第1および第2のシリコンメサを互いに分離する、
請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
半導体デバイスであって、
前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層と、
前記シリコン層を貫通して前記前面から前記電気的に絶縁された裏面まで延在し、前記シリコン層の複数の領域を横方向にアイソレートする複数のトレンチであって、第1の横方向の前記トレンチの中間トレンチは、前記第1の横方向を横断する第2の横方向の前記トレンチの中間トレンチと交差する、複数のトレンチと、
前記トレンチ内の導電性材料と、
前記シリコン層のシリコン材料から前記導電性材料を分離する誘電材料と、
前記第1の横方向の前記トレンチの隣接するトレンチ間および前記第2の横方向の前記トレンチの隣接するトレンチ間のシリコンメサと、
前記誘電材料によって横方向に取り囲まれ、前記第1の横方向の前記中間トレンチが前記第2の横方向の前記中間トレンチと交差するところで前記導電性材料を中断するシリコンプラグと、
を備える半導体デバイス。
【請求項14】
横方向において、前記シリコンプラグの周りの前記誘電材料の平均厚さは、前記シリコン層の前記横方向にアイソレートされた領域と前記導電性材料との間の前記誘電材料の平均厚さよりも大きい、
請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記第1の横方向の前記トレンチの隣接するトレンチ間の前記シリコンメサは、前記誘電材料によって互いに分離された複数のセグメントに分割される、
請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
前記第2の横方向の前記トレンチの隣接するトレンチ間の前記シリコンメサは、前記誘電材料によって互いに分離された複数のセグメントに分割される、
請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
前記第1の横方向の前記トレンチの隣接するトレンチ間の前記シリコンメサは、前記誘電材料によって互いに分離された複数のセグメントに分割され、前記第2の横方向の前記トレンチの隣接するトレンチ間の前記シリコンメサは、前記誘電材料によって互いに分離された複数のセグメントに分割される、
請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項18】
前記シリコン層の前記横方向にアイソレートされた領域の第1のサブセットは、第1の電圧ドメインを支持し、
前記シリコン層の前記横方向にアイソレートされた領域の第2のサブセットは、前記第1の電圧ドメインとは異なる第2の電圧ドメインを支持し、
前記シリコンプラグは、前記第1の電圧ドメインの前記横方向にアイソレートされた領域の1つまたは複数が前記第2の電圧ドメインの前記横方向にアイソレートされた領域の1つまたは複数に隣接するコーナ領域内の前記中間トレンチ内の前記導電性材料を分離する、
請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
半導体デバイスであって、前記半導体デバイスは、
前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層と、
前記シリコン層を貫通して前記前面から前記電気的に絶縁された裏面まで延在し、前記シリコン層を第1の横方向にセグメント化するトレンチの第1の対と、
前記シリコン層を貫通して前記前面から前記電気的に絶縁された裏面まで延在し、前記シリコン層を、前記第1の横方向を横断する第2の横方向にセグメント化するトレンチの第2の対と、
トレンチの前記第1の対およびトレンチの前記第2の対内の導電性材料と、
前記シリコン層のシリコン材料から前記導電性材料を分離する誘電材料と、
前記トレンチの前記第1の対の間に介在する第1のシリコンメサと、
前記トレンチの前記第2の対の間に介在する第2のシリコンメサと、
トレンチの前記第1の対およびトレンチの前記第2の対が互いに交差する領域にある複数のシリコンプラグであって、前記誘電材料によって横方向に取り囲まれ、前記導電性材料を前記トレンチ内の複数の別個のセグメントに分割する複数のシリコンプラグと、
を備える半導体デバイス。
【請求項20】
半導体デバイスを製造するための方法であって、前記方法は、
前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層を提供するステップと、
前記シリコン層を貫通して前記前面から前記電気的に絶縁された裏面まで延在し、前記シリコン層の第1の領域を横方向にアイソレートする第1のトレンチ構造を形成するステップと、
を含み、
前記第1のトレンチ構造を形成するステップは、
前記第1のトレンチ内に導電性材料を形成することと、
前記シリコン層のシリコン材料から前記導電性材料を分離する誘電材料を形成することと、
前記誘電材料によって横方向に取り囲まれ、前記導電性材料を前記第1のトレンチ内の複数の別個のセグメントに分割する複数のシリコンプラグを形成することと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
SOI(シリコンオンインシュレータ)およびSOI様技術の場合、絶縁ライナおよびドープされた、またはドープされていないポリシリコンなどの継ぎ目のない、またはほぼ空隙のない導電性充填物を用いたディープトレンチアイソレーションが必要とされている。SOI構造が裏面薄化およびアイソレーションポストデバイス製造によって形成されるSOI様技術の場合、ディープトレンチアイソレーションは、ウェハ破壊およびその後の裏面酸化物堆積なしに充填トレンチ内への裏面研削を可能にする。従来、SOIおよびSOI様技術におけるそのようなディープトレンチアイソレーションのために、異なる電圧ドメインは、包囲まれたディープトレンチリングによって横方向に分離される。積層されたトレンチリング間のトレンチ導電性充填物および/またはシリコンメサの電気的接続(短絡)ならびに結果として生じる異なる電圧ドメイン間のディープトレンチアイソレーションの失敗のリスクにより、ディープアイソレーショントレンチの交差は許容されない。さらに、従来のディープトレンチアイソレーションリングは、非対称および/または積層された高電圧デバイスを可能にせず、結果としてより大きな高電圧デバイス面積を生じさせる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
半導体デバイスの一実施形態によれば、半導体デバイスは、前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層と、シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在し、シリコン層の第1の領域を横方向にアイソレートする第1のトレンチと、第1のトレンチ内の導電性材料と、シリコン層のシリコン材料から導電性材料を分離する誘電材料と、誘電体材料によって横方向に取り囲まれ、導電性材料を第1のトレンチ内の複数の別個のセグメントに分割する複数のシリコンプラグと、を備える。
【0003】
半導体デバイスの別の実施形態によれば、半導体デバイスは、前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層と、シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在し、シリコン層の複数の領域を横方向にアイソレートする複数のトレンチと、トレンチ内の導電性材料と、シリコン層のシリコン材料から導電性材料を分離する誘電材料と、第1の横方向のトレンチの隣接するトレンチ間の第1のシリコンメサと、第1の横方向を横断する第2の横方向のトレンチの隣接するトレンチ間の第2のシリコンメサであって、第1および第2のシリコンメサが互いに交差する、第2のシリコンメサと、第1および第2のシリコンメサが互いに交差する領域にある、誘電体材料によって横方向に取り囲まれ、第1および第2のシリコンメサを互いに分離するシリコンプラグまたはシリコンメサと、を備える。
【0004】
半導体デバイスの別の実施形態によれば、半導体デバイスは、前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層と、シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在し、シリコン層の複数の領域を横方向にアイソレートする複数のトレンチであって、第1の横方向のトレンチの中間トレンチが、第1の横方向を横断する第2の横方向のトレンチの中間トレンチと交差する、複数のトレンチと、トレンチ内の導電性材料と、シリコン層のシリコン材料から導電性材料を分離する誘電材料と、第1の横方向のトレンチの隣接するトレンチ間および第2の横方向のトレンチの隣接するトレンチ間のシリコンメサと、誘電体材料によって横方向に取り囲まれ、第1の横方向の中央トレンチが第2の横方向の中央トレンチと交差するところで導電性材料を中断するシリコンプラグと、を備える。
【0005】
半導体デバイスの別の実施形態によれば、半導体デバイスは、前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層と、シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在し、シリコン層を第1の横方向にセグメント化するトレンチの第1の対と、シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在し、シリコン層を第1の横方向を横断する第2の横方向にセグメント化するトレンチの第2の対と、トレンチの第1の対およびトレンチの第2の対内の導電性材料と、シリコン層のシリコン材料から導電性材料を分離する誘電材料と、第1の対のトレンチ間に介在する第1のシリコンメサと、第2の対のトレンチ間に介在する第2のシリコンメサと、トレンチの第1の対およびトレンチの第2の対が互いに交差する領域にある、誘電材料によって横方向に取り囲まれ、導電性材料をトレンチ内の複数の別個のセグメントに分割する複数のシリコンプラグと、を備える。
【0006】
半導体デバイスを製造するための方法の一実施形態によれば、方法は、前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層を提供するステップと、シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在し、シリコン層の第1の領域を横方向にアイソレートする第1のトレンチ構造を形成するステップと、を含み、第1のトレンチ構造を形成するステップが、第1のトレンチ内に導電性材料を形成することと、シリコン層のシリコン材料から導電性材料を分離する誘電材料を形成することと、誘電材料によって横方向に取り囲まれ、導電性材料を第1のトレンチ内の複数の別個のセグメントに分割する複数のシリコンプラグを形成することと、を含む。
【0007】
当業者は、以下の詳細な説明を読み、添付の図面を見ることにより、追加の特徴および利点を認識するであろう。
【0008】
図面の要素は、必ずしも互いに対して縮尺通りではない。同様の参照番号は、対応する同様の部分を示す。例示されたさまざまな実施形態の特徴は、互いに除外しない限り、組み合わせることができる。実施形態は図面に示され、以下の説明で詳述される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態による、半導体デバイスの一部の断面図である。
【
図2A】さらなる実施形態による、シリコンプラグの1つまたは複数の領域内の半導体デバイスの部分上面図である。
【
図2B】さらなる実施形態による、シリコンプラグの1つまたは複数の領域内の半導体デバイスの別の部分上面図である。
【
図2C】さらなる実施形態による、シリコンプラグの1つまたは複数の領域内の半導体デバイスの別の部分上面図である。
【
図3A】別の実施形態による、半導体デバイスの部分上面図である。
【
図3B】
図3AのA-A’で標識された線に沿った断面図である。
【
図4】追加の実施形態による、半導体デバイスの部分上面図である。
【
図5】追加の実施形態による、半導体デバイスの別の部分上面図である。
【
図6】追加の実施形態による、半導体デバイスの別の部分上面図である。
【
図7】追加の実施形態による、半導体デバイスの別の部分上面図である。
【
図8】追加の実施形態による、半導体デバイスの別の部分上面図である。
【
図9】追加の実施形態による、半導体デバイスの別の部分上面図である。
【
図10】追加の実施形態による、半導体デバイスの別の部分上面図である。
【
図11】追加の実施形態による、半導体デバイスの別の部分上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
説明する実施形態は、誘電的に絶縁されたシリコンプラグを使用することによって、ディープトレンチアイソレーションの交差およびセグメント化されたアイソレーショントレンチなどの他のディープトレンチアイソレーション構成を可能にする。シリコンプラグは、交差がない従来のディープトレンチアイソレーションリングと比較して、広範なダイ(チップ)領域を犠牲にすることなく、同じシリコン層内で異なる電圧ドメインを可能にする。各シリコンプラグは、トレンチ誘電体ライナに埋め込まれてもよく、またはトレンチもしくはメサ交差部内に配置されてもよく、これにより、トレンチが絶縁ライナのみで充填される場合のCD(臨界寸法)の低減がもたらされる。シリコンプラグでは、絶縁能力が約2倍になる。したがって、誘電破壊の弱点は生じない。シリコンプラグによって提供されるトレンチピンチングは、高電圧デバイス用の深いトレンチによるエッジ終端を可能にする。トレンチに沿った高電圧降下は、1つまたは複数のシリコンプラグを使用することによって高電位(例えば、ドレイン)から低電位(例えば、ソース)まで中断され得る。トレンチライン内の導電性充填物を1つまたは複数のシリコンプラグによって切り離すことができるため、シリコンプラグを使用することによって非対称デバイスが可能にされ得る。さらに、追加の高電圧ルーティングは必要とされない。本明細書に説明されるシリコンプラグは、キャパシタ板として使用され得る導電性トレンチ充填物(例えば、ドープされたポリシリコンまたはドープされていないポリシリコン)のセグメント化を可能にする。したがって、マルチチャネル容量結合が、シリコンプラグを使用して提供され得る。
【0011】
次に、図を参照して、シリコンプラグおよび関連する製造方法を使用する半導体デバイスの実施形態を説明する。
【0012】
図1は、一実施形態による、半導体デバイスの一部の断面図である。半導体デバイスは、前面102および電気的に絶縁された裏面104を有するシリコン層100を含む。シリコン層100は、n型またはp型にドープされてもよい。誘電材料106は、シリコン層100の裏面104を覆い、裏面104を電気的に絶縁する。
【0013】
シリコン層100の裏面104を覆う誘電材料106は、例えば、0.8μm(ミクロン)~35μmの範囲の厚さを有する堆積酸化物であってもよい。別の例では、誘電材料106は、シリコン層100の裏面104に適用された電気絶縁性ダイアタッチフィルムであってもよい。シリコン層100の裏面104を覆う誘電材料106として、さらに他のタイプの電気絶縁材料または材料スタックが使用されてもよい。Cu(銅)、Al(アルミニウム)、AlCuなどのような1つまたは複数のメタライゼーション層124、バリア層、接着促進層、ポリシリコン、成形コンパウンド、ダイアタッチフィルム、Siキャリア、リードフレーム、接着剤、回路基板、インターポーザ、別のダイなどのような1つまたは複数の追加の構造108が、シリコン層100の裏面104を覆う誘電材料106に適用されてもよい。
【0014】
第1の領域110および第2の領域112が、シリコン層100内に形成され、少なくとも1つのトレンチ114によって互いに横方向に離間される。第1の領域110は、1つまたは複数の孤立高電圧(例えば20V以上)アイランドを含んでもよく、低電圧領域112は、1つまたは複数の孤立低電圧(例えば、20V未満)アイランドを含んでもよい。
【0015】
トレンチ114は、シリコン層100を貫通して前面102から電気的に絶縁された裏面104まで延在し、シリコン層100の第1および第2の領域110、112を横方向にアイソレートする。ドープされたもしくはドープされていないポリシリコンおよび/または金属もしくは金属スタックなどの導電性材料116が、トレンチ114内に配置される。誘電材料118は、シリコン層100のシリコン材料からトレンチ114内の導電性材料116を分離する。誘電材料118は、SiOx、SiN、HfOx、AlxOy(例えば、Al2O3)、TEOS(テトラエトキシシラン)など、またはこれらのもしくは同様の誘電材料のうちの2つ以上の層スタックであってもよい。
【0016】
図1において、シリコン層100の第1の領域110内に、LDMOSデバイスが形成される。LDMOSデバイスは、ゲート誘電体122によってシリコン層100の前面102から分離された平面ゲート電極120と、反対の導電型の本体領域126内に配置され、ゲート電極120によって制御されるチャネル領域128を含むソース領域124と、半導体シリコン層100のソース領域124と同じ側に配置され、ソース領域124およびドレイン領域130と同じ導電型のドリフトゾーン132によってチャネル領域128から横方向に分離されたドレイン領域130と、を含む。第2の領域112は、異なる電圧アイランド136、138内に形成された論理および/またはパワーデバイス特徴134を含んでもよい。これらは、シリコン層100の第1および第2の領域110、112のほんの数例であり、限定的であると見なされるべきではない。
【0017】
トレンチ114は、例えば、第1の領域110に隣接していてもよく、第2の領域112に隣接していてもよく、または第1および第2の領域110、112を互いに横方向に分離してもよい。各トレンチ114内の導電性材料116は、第1の電圧領域110の領域に印加される電位、第2の領域112の領域に印加される電位、異なる電位または信号に電気的に接続されてもよく、または浮動型であってもよい。
【0018】
図1において、各トレンチ114内の導電性材料116は、トレンチ114の底部140のシリコン層100の電気的に絶縁された裏面104で終端し、トレンチ114の側壁142を裏打ちする誘電材料118によってシリコン層100から横方向に分離される。ストライプ状トレンチの場合、トレンチ114は、誘電材料118によって裏打ちされた2つの対向する側壁142を有する。ここでいう「ストライプ状」とは、シリコン層100の深さ方向(
図1のz方向)を横断する方向(
図1のy方向)の長さ寸法が最も長い構造を意味する。
【0019】
1つの実施形態では、シリコン層100の厚さT_Siは、シリコン層100の前面102と電気的に絶縁された裏面104との間で10μm~200μmの範囲内である。電気的に絶縁された裏面104を有するシリコン層100は、バルクシリコンウェハ内またはバルクシリコンウェハ上で成長された1つまたは複数のエピタキシャル層内にパワーダイオード、高電圧トランジスタ、パワートランジスタ用のゲートドライバなどの1つまたは複数のデバイスを形成し、次いで、バルクシリコンウェハの裏面を最終SOI厚さT_Siまで研削することによって実現され得る。
【0020】
例えば、
図1では、裏面ウェハ研削は、シリコン層100の第1および第2の領域110、112を横方向にアイソレートするトレンチ114内の導電性材料116上で停止してもよい。次いで、薄くされたウェハ裏面が誘電材料106によって覆われて、シリコン層100の電気的に絶縁された裏面104が得られる。結果として得られるシリコン層100は、通常ナノメートル(nm)範囲の厚さを有する典型的なSOIデバイス層よりも厚い(例えば、T_Si=10μm~200μm)。代わりに、シリコン層100は、SIMOX(酸素注入による分離)、ウェハ接合などによって形成された、10μm未満の厚さT_Siを有する標準SOIデバイス層であってもよい。
【0021】
図1に示す半導体デバイスはまた、トレンチ誘電材料118によって横方向に囲まれ、トレンチ114内の導電性材料116をトレンチ114内の別個のセグメント116_1、...、116_nに分割するシリコンプラグ144を含む。シリコンプラグ144は、
図1では見ることはできない。
図2Aから
図2Cは、シリコンプラグ144の1つまたは複数の領域における半導体デバイスの部分上面図を示す。シリコンプラグ144は、水平面(
図2Aから
図2Cのx-y平面)内で円形の断面形状を有するものとして示されている。これは単なる例である。通常、プラグ144は、リソグラフィプロセスを使用して可能にされる水平面(
図2Aから
図2Cのx-y平面)内の任意の曲線または直線断面形状を有し得る。
【0022】
図2Aでは、第1および第2のトレンチ114_1、114_2は、2つの異なる横方向(
図2Aのx、y方向)で互いに交差する。シリコンプラグ144は、第1および第2のトレンチ114_1、114_2が互いに交差するところで導電性材料116を中断する。横方向(
図2Aのxまたはy方向)において、シリコンプラグ144の周囲の誘電材料118の平均厚さT_1は、トレンチ114_1、114_2内のシリコン層100のシリコン材料と導電性材料116との間の誘電材料118の平均厚さT_2よりも大きくなり得る。
【0023】
交差するトレンチ114_1、114_2をシリコン層100内にエッチングするために使用されるマスク(図示せず)の局所的なCD低減は、トレンチ114_1、114_2内の導電性材料116が中断される領域200内で使用され得る。交差するトレンチ114_1、114_2は、その後の誘電堆積プロセス(例えば、TEOS)中に、低減されたCDの領域200を完全に充填する。したがって、トレンチ誘電材料118は、導電性材料116を含むトレンチ114_1、114_2の領域と比較して低減されたCDの領域200においてより厚い(T1>T2)。シリコンプラグ144が形成されるシリコン層100の領域は、トレンチエッチングプロセス中にシリコンプラグ144を画定するために、トレンチエッチングプロセス中にマスク(保護)されてもよい。例えば、シリコンプラグ144の周囲は、第1のステップでエッチングされてもよく、トレンチ114は、第1のステップの後の第2のステップでエッチングされてもよく、このときシリコンプラグ144は、第2のエッチングステップ中、マスクによって覆われている。別の例では、シリコンプラグ144およびトレンチ114の周囲は、単1のステップでエッチングされてもよい。
【0024】
図2Bにおいて、第1および第2のトレンチ114_1、114_2は、T字状の交差部で互いに合流する。シリコンプラグ144は、第1および第2のトレンチ114_1、114_2が互いに合流するところで導電性材料116を遮断する。
図2Aに関連して上述したように、シリコンプラグ144は、トレンチエッチングプロセス中にマスキングすることによって画定されてもよく、合流したトレンチ114_1、114_2をシリコン層100内にエッチングするために使用されるマスク(図示せず)の局所的なCD低減が、トレンチ114_1、114_2内の導電性材料116が中断されるべき領域200内で使用されてもよく、それにより、トレンチ誘電材料118は、導電性材料116を含むトレンチ114_1、114_2の領域と比較して低減されたCDの領域200内でより厚くなる(T1>T2)。
【0025】
図2Cでは、単一のトレンチ114内の導電性材料116は、例えばトレンチ114のコーナ領域付近で、それぞれのシリコンプラグ144によって少なくとも一度中断される。
図2Aに関連して上述したように、シリコンプラグ144は、トレンチエッチングプロセス中にマスキングすることによって画定されてもよく、トレンチ114をシリコン層100内にエッチングするために使用されるマスク(図示せず)の局所的なCD低減が、トレンチ114_1、114_2内の導電性材料116が中断されるべき領域200内で使用されてもよく、それにより、トレンチ誘電材料118は、導電性材料116を含むトレンチ114_1、114_2の領域と比較して低減されたCDの領域200内でより厚くなる(T1>T2)。
【0026】
図3Aは、一実施形態による、シリコン層100の第1の領域110の部分上面図を示し、
図3Bは、
図3AのA-A’で標識された線に沿った対応する断面図を示す。
図3Aおよび
図3Bにおいて、シリコン層100の第1の領域110は、ドリフト領域306によってドレイン領域304から横方向に分離されたソース領域302を各々が有する少なくとも1つのトランジスタデバイス300を含む。この実施形態によれば、シリコンプラグ144は、各トランジスタデバイス300がオフであり、ドレイン領域304に高電圧が印加され、ソース領域302に低電位が印加されるときに別個のセグメント308が異なる電位にあるように、各トレンチ114内の導電性材料116を各トランジスタデバイスのソース領域302とドレイン領域304との間の別個のセグメント308に分割する。
【0027】
図3Aには、2つのトランジスタデバイス300が背中合わせに示されている。1つの実施形態では、2つのトランジスタデバイス300は、カスケード接続されたデバイスである。例えば、2つのトランジスタデバイス300は、例えば、金属ルーティングを使用して、カスケード接続されたデバイス300のソース領域302およびドレイン領域304を接続することによって、またはカスケード接続されたデバイス300のソース領域302およびドレイン領域304を分離するトレンチ114を排除することによって、カスケード接続されたデバイス300のソース領域302およびドレイン領域304が同じ電位にある200Vデバイスをもたらすように直列にカスケード接続された100Vデバイスであってもよい。このようにして、3つ以上のトランジスタデバイス300がカスケード接続されてもよい。トレンチ114内の導電性材料116はシリコンプラグ144によって切断され得るので、非対称デバイスも実現され得る。
【0028】
各トランジスタデバイス300を取り囲むトレンチ114内の導電性材料116がソース領域302とドレイン領域304との間で中断されない場合、導電性材料116は、ソース電位およびドレイン電位の両方に容量結合し、トレンチ114の側面全体に沿って存在する中間電位に浮動する。浮遊電位が十分に高いと、トレンチ誘電材料118の破壊が生じる。シリコンプラグ144を使用して対応するトレンチ114内の導電性材料116を妨げることにより、より良好に制御された電位降下が、ソース領域302とドレイン領域304との間のトレンチ114に沿って生じる。例えば、左端の導電性トレンチセグメント308_1はソース電位付近であり、中央の導電性トレンチセグメント308_2は中間電位であり、右端の導電性トレンチセグメント308_3はドレイン電位付近である。シリコンプラグ144および導電性トレンチセグメント308は、浮動していてもよく、または電位に接続されてもよい。例えば、左端の導電性トレンチセグメント308_1はソース電位に接続され、右端の導電性トレンチセグメント308_3はドレイン電位に接続され、中央の導電性トレンチセグメント308_2は浮動していてもよい。
【0029】
図4は、一実施形態による、シリコン層100の部分上面図を示す。
図4において、第2のトレンチ114_2は、シリコン層100を貫通して前面102から電気的に絶縁された裏面104まで延在し、トランジスタデバイス300を取り囲むトレンチ114_1と合流する。第2のトレンチ114_2は、シリコン層100の第1の追加領域400をシリコン層100の第2の追加領域402から横方向にアイソレートする。1つの実施形態では、第1の追加領域400は、第2の追加領域402よりも高い電圧ドメインを支持する。例えば、第1の追加領域400は、200V以上の電圧領域を支持してもよく、第2の追加領域402は、200V未満の電圧ドメインを支持してもよい。
【0030】
シリコン層100の第1の領域110内に形成されたトランジスタ300は、第1の追加領域400と第2の追加領域402との間に電圧レベルシフトを提供するレベルシフタデバイス404の一部であってもよい。シリコンプラグ144は、第2のトレンチ114_2がシリコン層100の第1の領域110を画定するトレンチ114_1と合流するところで導電性材料116を中断する。
【0031】
図5は、別の実施形態による、シリコン層100の部分上面図を示す。
図5において、シリコンプラグ144は、トレンチ114が互いに合流または交差する各位置で導電性材料116を中断する。そのような構成は、互いに分離された少なくとも2つの異なる電圧ドメイン500、502へのシリコン層100のセグメント化を可能にする。
【0032】
図6は、別の実施形態による、シリコン層100の部分上面図を示す。
図6に示す実施形態は、
図5に示す実施形態と同様である。しかしながら、
図6では、容量性カプラ600が、異なる電圧ドメイン500、502を支持するシリコン層の領域間に形成される。容量性カプラ600は、少なくとも1つのシリコンプラグ144を使用して、対応するトレンチ114内の導電性材料116を、異なる電圧ドメイン500、502を支持するシリコン層100の領域間の少なくとも2つの別個のセグメント308に分割することによって形成される。
【0033】
シリコンプラグ144は、トレンチキャパシタンスを使用して信号を送信することにより、容量性カプラ600を可能にする。複数のトレンチが使用され、シリコンプラグ144を使用してセグメント化されて、2つ以上の容量性カプラ600を形成してもよい。少なくとも2つのキャパシタンスC1、C2が、異なるシグナリングを可能にするために使用されてもよい。シリコンプラグ144を使用することによって実現される導電性セグメント308は、電極として使用することができる。対応するトレンチ114に隣接するシリコン領域が十分に薄い場合、狭いシリコン領域は、低ドープされて容量性カプラ600を完成させてもよい。各容量性カプラ600は、独立して駆動および感知されてもよく、これは、例えば別個のアイソレーションを有するゲートドライバによって、それぞれの電圧ドメイン500、502内で行うことができる。
【0034】
図7は、別の実施形態による、シリコン層100の部分上面図を示す。
図7において、半導体デバイスは、第1の横方向(
図7のx方向)のトレンチ114の隣接するトレンチ間の(によって画定された)第1のシリコンメサ700と、第1の横方向を横断する第2の横方向(
図7のy方向)のトレンチ114の隣接するトレンチ間の(によって画定された)第2のシリコンメサ702と、を有する。第1および第2のシリコンメサ700、702は、互いに交差している。
【0035】
第1および第2のシリコンメサ700、702が互いに交差する領域704において、トレンチ誘電材料118によって横方向に囲まれたシリコンプラグ144が、第1および第2のシリコンメサ700、702を互いに分離する。アイソレートされた深いメサ交差部704は、ダイ(チップ)領域を犠牲にすることなく、異なる電圧ドメイン706、708を互いに隣接して配置することを可能にする。
【0036】
1つの実施形態では、シリコン層100の横方向にアイソレートされた領域706、708の第1のサブセット706は、第1の電圧ドメインを支持し、シリコン層100の横方向にアイソレートされた領域706、708の第2のサブセット708は、第1の電圧ドメインとは異なる第2の電圧ドメインを支持する。第1の電圧ドメインの1つまたは複数の横方向にアイソレートされた領域706が第2の電圧ドメインの1つまたは複数の横方向にアイソレートされた領域708に隣接するコーナ領域704において、シリコンプラグ144は、第1および第2のシリコンメサ700、702を互いに分離する。
【0037】
図2Aから
図2Cに関連して上述したように、シリコンプラグ144は、トレンチエッチングプロセス中にマスキングすることによって画定されてもよく、トレンチ114をシリコン層100内にエッチングするために使用されるマスク(図示せず)の局所的なCD低減が、第1および第2のシリコンメサ700、702が互いに交差する領域704において使用されてもよく、それにより、トレンチ誘電材料118は、導電性材料116を含むトレンチ114の領域と比較して低減されたCDの領域704内でより厚くなる。
【0038】
横方向(
図7のxまたはy方向)において、シリコンプラグ144の周りのトレンチ誘電材料118の平均厚さは、それぞれのメサ700、702のシリコン材料と、隣接するトレンチ114内の導電性材料116と、の間のトレンチ誘電材料118の平均厚さよりも大きくなり得る。この実施形態によれば、シリコンプラグ144は、メサ交差部704内に配置されてCD低減をもたらし、したがってメサ交差部704においてより厚い誘電材料118をもたらす。
【0039】
図8は、別の実施形態による、シリコン層100の部分上面図を示す。
図8に示す実施形態は、
図7に示す実施形態と同様である。しかしながら、
図8では、第1のシリコンメサ700は、第1および第2のシリコンメサ700、702が互いに交差する領域704の外側でトレンチ誘電材料118によって互いに分離されたセグメント800に分割されている。別個にまたは組み合わせて、第2のシリコンメサ702が、第1および第2のシリコンメサ700、702が互いに交差する領域704の外側でトレンチ誘電材料118によって互いに分離されたセグメント802に分割されてもよい。
【0040】
図9は、別の実施形態による、シリコン層100の部分上面図を示す。
図9において、デバイストレンチ114は、シリコン層100の領域900を横方向にアイソレートする。トレンチ114の第1の横方向(
図9のx方向)の中間トレンチ902は、第1の横方向を横断する第2の横方向(
図9のy方向)のトレンチ114の中間トレンチ904と交差する。シリコンメサ906が、第1の横方向(
図9のx方向)のトレンチ114の隣接するトレンチ間にある(によって画定される)。シリコンメサ908もまた、第2の横方向(
図9のy方向)のトレンチ114の隣接するトレンチ間にある(によって画定される)。トレンチ誘電材料118によって横方向に取り囲まれたシリコンプラグ144は、第1の横方向(
図9のx方向)の中間トレンチ902が第2の横方向(
図9のy方向)の中間トレンチ904と交差するところでトレンチ114内の導電性材料116を中断する。
【0041】
横方向(
図9のxまたはy方向)において、シリコンプラグ144の周りのトレンチ誘電材料118の平均厚さは、シリコン層100の横方向にアイソレートされた領域900とトレンチ114内の導電性材料116との間のトレンチ誘電材料118の平均厚さよりも大きくなり得る。この実施形態によれば、シリコンプラグ144は、メサ交差部910内に配置されてCD低減をもたらし、したがってメサ交差部910においてより厚い誘電材料118をもたらす。
【0042】
一実施形態では、シリコン層100の横方向にアイソレートされた領域900の第1のサブセット912は、第1の電圧ドメインを支持し、シリコン層100の横方向にアイソレートされた領域900の第2のサブセット914は、第1の電圧ドメインとは異なる第2の電圧ドメインを支持する。この実施形態によれば、シリコンプラグ144は、第1の電圧ドメインの横方向にアイソレートされた領域912の1つまたは複数が第2の電圧ドメインの横方向にアイソレートされた領域914の1つまたは複数に隣接するコーナ領域910内の中間トレンチ902、904内で導電性材料116を分離する。
【0043】
図10は、別の実施形態による、シリコン層100の部分上面図を示す。
図10に示す実施形態は、
図9に示す実施形態と同様である。しかしながら、
図10では、第1の横方向(
図10のx方向)のトレンチ114の隣接するトレンチ間の各シリコンメサ906は、トレンチ誘電材料118によって互いに分離されたセグメント1000に分割されている。別個にまたは組み合わせて、第2の横方向(
図10におけるy方向)のトレンチ114のものに隣接する各シリコンメサ908が、トレンチ誘電材料118によって互いに分離されたセグメント1002に分割されてもよい。
【0044】
図11は、別の実施形態による、シリコン層100の部分上面図を示す。
図11において、半導体デバイスは、シリコン層100を第1の横方向(
図11のx方向)にセグメント化するトレンチ114の第1の対1100と、シリコン層100を、第1の横方向を横断する第2の横方向(
図11のy方向)にセグメント化するトレンチ114の第2の対1102と、を有する。第1のシリコンメサ1104が、第1の対1100のトレンチ114間に介在し(画定され)、第2のシリコンメサ1106が、第2の対1102のトレンチ114間に介在し(画定され)ている。トレンチ114の第1の対1100およびトレンチ114の第2の対1102が互いに交差する各領域1108において、トレンチ誘電材料118によって横方向に取り囲まれたシリコンプラグ144は、トレンチ114内の導電性材料116を別個のセグメント1110に分割する。トレンチ114の第1の対1100およびトレンチ114の第2の対1102が互いに交差する各領域1108には、4つのシリコンプラグ144が示されている。通常、トレンチ114の第1の対1100およびトレンチ114の第2の対1102が互いに交差する各領域1108内でトレンチ114内の導電性材料116を別個のセグメント1110に分割するために、任意の数のシリコンプラグ144が使用されてもよい。
【0045】
本開示はそのように限定されないが、以下の番号が付けられた例は、本開示の1つまたは複数の態様を実証する。
【0046】
例1.半導体デバイスであって、前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層と、シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在し、シリコン層の第1の領域を横方向にアイソレートする第1のトレンチと、第1のトレンチ内の導電性材料と、シリコン層のシリコン材料から導電性材料を分離する誘電材料と、誘電材料によって横方向に取り囲まれ、導電性材料を第1のトレンチ内の複数の別個のセグメントに分割する複数のシリコンプラグと、を備える半導体デバイス。
【0047】
例2.横方向において、各シリコンプラグの周りの誘電材料の平均厚さが、シリコン材料と導電性材料との間の誘電材料の平均厚さよりも大きい、例1の半導体デバイス。
【0048】
例3.シリコン層の第1の領域が、ドリフト領域によってドレイン領域から横方向に分離されたソース領域を有するトランジスタデバイスを含み、シリコンプラグが、トランジスタデバイスがオフであるときに別個のセグメントが異なる電位にあるように、導電性材料をソース領域とドレイン領域との間の別個のセグメントに分割する、例1または2の半導体デバイス。
【0049】
例4.シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在し、シリコン層の第2の領域を横方向にアイソレートする第2のトレンチであって、導電性材料を含む第2のトレンチをさらに備え、誘電材料が、シリコン層のシリコン材料から第2のトレンチ内の導電性材料を分離し、第1および第2のトレンチが互いに交差または合流し、シリコンプラグの1つが、第1および第2のトレンチが互いに交差または合流するところで導電性材料を中断する、例1から3のいずれかの半導体デバイス。
【0050】
例5.シリコン層の第1の領域が、第1のトレンチによってシリコン層の第2の領域から横方向にアイソレートされ、第1および第2の領域が、異なる電圧ドメインを支持し、シリコンプラグの少なくとも1つが、導電性材料をシリコン層の第1の領域と第2の領域との間の少なくとも2つの別個のセグメントに分割して、第1の領域と第2の領域との間に容量性カプラを形成する、例1から4のいずれかの半導体デバイス。
【0051】
例6.複数のシリコンプラグが、シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在する別のトレンチと第1のトレンチが合流または交差する各位置で、導電性材料を中断する、実施例1から5のいずれかの半導体デバイス。
【0052】
例7.シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在し、第1のトレンチと合流する複数の追加トレンチをさらに備え、複数の追加トレンチが、シリコン層の第1の追加領域をシリコン層の第2の追加領域から横方向にアイソレートし、第1の追加領域が、第2の追加領域よりも高い電圧ドメインを支持し、レベルシフタデバイスが、第1の領域内に形成され、第1の追加領域と第2の追加領域との間に電圧レベルシフトを提供するように構成され、複数のシリコンプラグが、複数の追加トレンチが第1のトレンチと合流するところで導電性材料を中断する、実施例1から6のいずれかの半導体デバイス。
【0053】
例8.半導体デバイスであって、前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層と、シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在し、シリコン層の複数の領域を横方向にアイソレートする複数のトレンチと、トレンチ内の導電性材料と、シリコン層のシリコン材料から導電性材料を分離する誘電材料と、第1の横方向のトレンチの隣接するトレンチ間の第1のシリコンメサと、第1の横方向を横断する第2の横方向のトレンチの隣接するトレンチ間の第2のシリコンメサであって、第1および第2のシリコンメサが互いに交差する、第2のシリコンメサと、第1および第2のシリコンメサが互いに交差する領域にある、誘電材料によって横方向に取り囲まれ、第1および第2のシリコンメサを互いに分離するシリコンプラグまたはシリコンメサと、を備える半導体デバイス。
【0054】
例9.横方向において、シリコンプラグの周りの誘電材料の平均厚さが、シリコン材料と導電性材料との間の誘電材料の平均厚さよりも大きい、例8の半導体デバイス。
【0055】
例10.第1のシリコンメサが、第1および第2のシリコンメサが互いに交差する領域の外側で誘電材料によって互いに分離された複数のセグメントに分割される、例8または9の半導体デバイス。
【0056】
例11.第2のシリコンメサが、第1および第2のシリコンメサが互いに交差する領域の外側で誘電材料によって互いに分離された複数のセグメントに分割される、実施例8から10のいずれかの半導体デバイス。
【0057】
例12.第1のシリコンメサが、第1および第2のシリコンメサが互いに交差する領域の外側で誘電材料によって互いに分離された複数のセグメントに分割され、第2のシリコンメサが、第1のシリコンメサおよび第2のシリコンメサが互いに交差する領域の外側で誘電材料によって互いに分離された複数のセグメントに分割される、例8から11のいずれかの半導体デバイス。
【0058】
例13.シリコン層の横方向にアイソレートされた領域の第1のサブセットが、第1の電圧ドメインを支持し、シリコン層の横方向にアイソレートされた領域の第2のサブセットが、第1の電圧ドメインとは異なる第2の電圧ドメインを支持し、第1の電圧ドメインの横方向にアイソレートされた領域の1つまたは複数が第2の電圧ドメインの横方向にアイソレートされた領域の1つまたは複数に隣接するコーナ領域において、シリコンプラグが、第1および第2のシリコンメサを互いに分離する、例8から12のいずれかの半導体デバイス。
【0059】
例14.半導体デバイスであって、前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層と、シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在し、シリコン層の複数の領域を横方向にアイソレートする複数のトレンチであって、第1の横方向のトレンチの中間トレンチが、第1の横方向を横断する第2の横方向のトレンチの中間トレンチと交差する、複数のトレンチと、トレンチ内の導電性材料と、シリコン層のシリコン材料から導電性材料を分離する誘電材料と、第1の横方向のトレンチの隣接するトレンチ間および第2の横方向のトレンチの隣接するトレンチ間のシリコンメサと、誘電材料によって横方向に取り囲まれ、第1の横方向の中間トレンチが第2の横方向の中間トレンチと交差するところで導電性材料を中断するシリコンプラグと、を備える半導体デバイス。
【0060】
例15.横方向において、シリコンプラグの周りの誘電材料の平均厚さが、シリコン層の横方向にアイソレートされた領域と導電性材料との間の誘電材料の平均厚さよりも大きい、例14の半導体デバイス。
【0061】
例16.第1の横方向のトレンチの隣接するトレンチ間のシリコンメサが、誘電材料によって互いに分離された複数のセグメントに分割される、例14または15の半導体デバイス。
【0062】
例17.第2の横方向のトレンチの隣接するトレンチ間のシリコンメサが、誘電材料によって互いに分離された複数のセグメントに分割される、実施例14から16のいずれかの半導体デバイス。
【0063】
例18.第1の横方向のトレンチの隣接するトレンチ間のシリコンメサが、誘電材料によって互いに分離された複数のセグメントに分割され、第2の横方向のトレンチの隣接するトレンチ間のシリコンメサが、誘電材料によって互いに分離された複数のセグメントに分割される、例14から17のいずれかの半導体デバイス。
【0064】
例19.シリコン層の横方向にアイソレートされた領域の第1のサブセットが、第1の電圧ドメインを支持し、シリコン層の横方向にアイソレートされた領域の第2のサブセットが、第1の電圧ドメインとは異なる第2の電圧ドメインを支持し、シリコンプラグが、第1の電圧ドメインの横方向にアイソレートされた領域の1つまたは複数が第2の電圧ドメインの横方向にアイソレートされた領域の1つまたは複数に隣接するコーナ領域内の中間トレンチ内の導電性材料を分離する、例14から18のいずれかの半導体デバイス。
【0065】
例20.半導体デバイスであって、前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層と、シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在し、シリコン層を第1の横方向にセグメント化するトレンチの第1の対と、シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在し、シリコン層を第1の横方向を横断する第2の横方向にセグメント化するトレンチの第2の対と、トレンチの第1の対およびトレンチの第2の対内の導電性材料と、シリコン層のシリコン材料から導電性材料を分離する誘電材料と、第1の対のトレンチ間に介在する第1のシリコンメサと、第2の対のトレンチ間に介在する第2のシリコンメサと、トレンチの第1の対およびトレンチの第2の対が互いに交差する領域にある、誘電材料によって横方向に取り囲まれ、導電性材料をトレンチ内の複数の別個のセグメントに分割する複数のシリコンプラグと、を備える半導体デバイス。
【0066】
例21.半導体デバイスを製造するための方法であって、前面および電気的に絶縁された裏面を有するシリコン層を提供するステップと、シリコン層を貫通して前面から電気的に絶縁された裏面まで延在し、シリコン層の第1の領域を横方向にアイソレートする第1のトレンチ構造を形成するステップと、を含み、第1のトレンチ構造を形成するステップが、第1のトレンチ内に導電性材料を形成することと、シリコン層のシリコン材料から導電性材料を分離する誘電材料を形成することと、誘電材料によって横方向に取り囲まれ、導電性材料を第1のトレンチ内の複数の別個のセグメントに分割する複数のシリコンプラグを形成することと、を含む方法。
【0067】
「第1」、「第2」などの用語は、さまざまな要素、領域、セクションなどを説明するために使用され、限定することも意図されていない。説明全体を通して、同様の用語は同様の要素を指す。
【0068】
本明細書で使用する場合、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「含む(including)」、「備える(comprising)」などの用語は、記載された要素または特徴の存在を示すオープンエンドの用語であるが、追加の要素または特徴を排除するものではない。冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数および単数を含むことが意図される。
【0069】
「および/または」という表現は、別途明記しない限り、すべての可能な連言的および選言的組み合わせを含むと解釈されるべきである。例えば、「Aおよび/またはB」という表現は、Aのみ、Bのみ、またはAとBの両方を意味すると解釈されるべきである。「のうちの少なくとも1つ」という表現は、別途明記しない限り、「および/または」と同じ方法で解釈されるべきである。例えば、「AおよびBの少なくとも一方」という表現は、Aのみ、Bのみ、またはAとBの両方を意味すると解釈されるべきである。
【0070】
本明細書に説明するさまざまな実施形態の特徴が、別途明記しない限り、互いに組み合わせられてもよいことを理解されたい。
【0071】
本明細書では特定の実施形態を図示および説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、図示および説明された特定の実施形態の代わりに、さまざまな代替および/または同等の実装形態を置き換えてもよいことが当業者には理解されよう。本出願は、本明細書で論じる特定の実施形態の任意の適応または変形を網羅することを意図している。したがって、本発明は、特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されることが意図される。
【外国語明細書】