(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120176
(43)【公開日】2024-09-04
(54)【発明の名称】砂粒コーティングを有するアスファルトタイル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
E04D 5/10 20060101AFI20240828BHJP
【FI】
E04D5/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024025485
(22)【出願日】2024-02-22
(31)【優先権主張番号】202023000000687
(32)【優先日】2023-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】524070185
【氏名又は名称】テゴラ カナデーゼ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ルカ フローレアン
(72)【発明者】
【氏名】ミケーレ ドリゴ
(57)【要約】
【課題】砂粒コーティングを有するアスファルトタイル及びその製造方法の提供。
【解決手段】第1の主面(4)の少なくとも80%を覆うガラス繊維ネット(6)が結合される第1の主面(4)と、ネット(6)及び第1の主面(4)を覆う第1の外部アスファルト層(9)と、第1の主面(4)から離れる方向に面するベース層(3)の第2の主面(5)を覆う第2の外部アスファルト層(10)と、第2の外部アスファルト層(10)を覆うセラミック化有色鉱物顆粒を含有する砂粒(13)とを含む、砂粒コーティング(13)を有するアスファルトタイル(1)及びその製造方法。方法は、上記ベース層を提供し、120~180℃で支持層を炭化水素溶液で含浸させ、支持層を170~210℃で非接着性アスファルト化合物で覆い、砂粒を120~170℃で第2の外部アスファルト層上に堆積させ、支持層を切断する工程を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
砂粒コーティング(13)を有するアスファルトタイル(1)であって、
第1の主面(4)の少なくとも80%を覆うガラス繊維ネット(6)が結合された前記第1の主面(4)を有する、ガラス繊維不織布で作られるベース層(3)を含む支持層(2)と、
前記ネット(6)及び前記第1の主面(4)を覆う第1の外部アスファルト層(9)と、
前記ベース層(3)の第2の主面(5)を覆って前記第1の主面(4)から離れる方向に面する第2の外部アスファルト層(10)と、
前記第2の外部アスファルト層(10)を覆う、セラミック化有色鉱物顆粒を含む砂粒(13)と、を含む、
ことを特徴とするアスファルトタイル(1)。
【請求項2】
前記第1の主面(4)と前記第1の外部アスファルト層(9)の間に、前記第1の外部アスファルト層(9)のものとは異なる組成を有し、前記第1の主面(4)及び前記ネット(6)を覆い且つ次に前記第1の外部アスファルト層(9)によって覆われる、第1の中間アスファルト層(11)が介在する、
請求項1に記載のタイル(1)。
【請求項3】
前記第1の中間アスファルト層(11)は、ポリマー、1又は2以上の融剤/可塑剤、1又は2以上の接着促進剤及び1又は2以上の鉱物充填剤を用いて改質された酸化アスファルト又は蒸留アスファルトを含む、
請求項2に記載のタイル(1)。
【請求項4】
前記第2の主面(5)と前記第2の外部アスファルト層(10)の間に、前記第2の外部アスファルト層(10)のものとは異なる組成を有し、前記第2の主面(5)を覆い且つ次に前記第2の外部アスファルト層(10)によって覆われる、第2の中間アスファルト層(12)が介在する、
請求項1乃至請求項3の1又は2以上に記載のタイル(1)。
【請求項5】
前記第2の中間アスファルト層(12)は、ポリマー、1又は2以上の融剤/可塑剤、1又は2以上の接着促進剤及び1又は2以上の鉱物充填剤を用いて改質された酸化アスファルト又は蒸留アスファルトを含む、
請求項4に記載のタイル(1)。
【請求項6】
前記第1の外部アスファルト層(9)及び前記第2の外部アスファルト層(10)は、ポリマー、1又は2以上の融剤/可塑剤、1又は2以上の接着促進剤及び1又は2以上の鉱物充填剤を用いて改質された酸化アスファルト又は蒸留アスファルトを含む、
請求項1乃至請求項5の1又は2以上に記載のタイル(1)。
【請求項7】
前記ネット(6)は、前記第1の主面(4)の前記全面を覆う、
請求項1乃至請求項6の1又は2以上に記載のタイル(1)。
【請求項8】
ガラス繊維不織布の前記ベース層(3)は、平面図で実質的に矩形又は正方形形状を有し、
前記ネット(6)は、正方形又は矩形メッシュ(8)を有し、
前記ベース層(3)の辺が、前記ネット(6)の前記メッシュ(8)の辺に対して平行でも垂直でもない、
請求項1乃至請求項7の1又は2以上に記載のタイル(1)。
【請求項9】
前記砂粒(13)で覆われた前記第2の外部アスファルト層(10)の上部に付加された、接着性アスファルト化合物の1又は2以上の第1の部分(14)を含み、
前記1又は2以上の第1の部分(14)は、前記1又は2以上の第1の部分(14)がその上に存在する前記砂粒(13)で覆われた前記第2の外部アスファルト層(10)の上部に位置決めされた、更に別のタイル(1)の底部に接着するのに適している、
請求項1乃至請求項8の1又は2以上に記載のタイル(1)。
【請求項10】
砂粒コーティング(13)を有するアスファルトタイル(1)を製造する方法であって、
次の順序で次の、
a)第1の主面(4)の少なくとも80%を覆うガラス繊維ネット(6)が結合された前記第1の主面(4)と、前記第1の主面(4)から離れる方向に面する第2の主面(5)と、を有するガラス繊維不織布で作られるベース層(3)を含む支持層(2)を提供する工程と、
b)120~180℃の間を含む温度で、接着促進剤を含む炭化水素溶液を用いて前記支持層(2)を含浸させる工程と、
c)前記ネット(6)及び前記第1の主面(4)を覆う第1の外部アスファルト層(9)と、前記第2の主面(5)を覆う第2の外部アスファルト層(10)と、を規定するように、接着促進剤を含む前記炭化水素溶液を用いて含浸された前記支持層(3)を、170~210℃の間を含む温度で非接着性アスファルト化合物で覆う工程と、
d)セラミック化有色鉱物顆粒を含有する砂粒(13)を、120~170℃の間を含む温度を有するときに前記第2の外部アスファルト層(10)上に堆積させる工程と、
e)前記第1及び第2の外部アスファルト層(9、10)及び前記砂粒(13)で覆われた前記支持層(2)を、そこから所望の数のタイル(1)を取得するために切断する工程と、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記工程b)と前記工程c)の間に次の、
b1)前記第1の主面(4)及び前記ネット(6)を覆い且つ次に前記工程c)で前記第1の外部アスファルト層(9)によって覆われる第1の中間アスファルト層(11)と、前記第2の主面(5)を覆い且つ次に前記工程c)で前記第2の外部アスファルト層(10)によって覆われる第2の中間アスファルト層(12)と、を規定するように、接着促進剤を含む前記炭化水素溶液で含浸された前記支持層(3)を、170~200℃の間を含む温度で改質アスファルト化合物を用いて事前含浸させる工程、を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記工程c)の後且つ前記工程e)の前に次の、
f)接着性アスファルト化合物を、接着性アスファルト層(15)を形成するように前記第1の外部アスファルト層(9)の上部に付加する工程、を含む、
請求項10又は請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記工程f)の後且つ前記工程e)の前に次の、
f2)前記接着性アスファルト層(15)を少なくとも部分的に覆う非粘着層(16)を、前記支持層(2)の反対側で前記接着性アスファルト層(15)上に付加する工程、を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記工程d)の後且つ前記工程e)の前に次の、
d1)接着性アスファルト化合物の1又は2以上の第1の部分(14)を、前記砂粒(13)で覆われた前記第2の外部アスファルト層(10)の上部に付加する工程、を含む、
請求項10乃至請求項13のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の知見は、砂粒コーティングを有するアスファルトタイル(「砂粒」アスファルトタイルとも称される)及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建設業界では、(ガラス繊維で作られる不織布であり、「ガラスベール」とも称される)ガラスベールシート、又は接着促進剤で処理されてアスファルトコーティングによって含浸され、次にセラミック化有色鉱物顆粒から構成される砂粒によって覆われた有機材料で、構成された支持層で構成されるいわゆる「砂粒」アスファルトタイルが公知である。
【0003】
本明細書では、「セラミック化有色鉱物顆粒」という表現は、コーティング後に高温調理工程(400~600℃)を受けた無機酸化物によって着色された無機コーティングによって覆われた鉱物顆粒を意味することを明示している。
【0004】
一部のセラミック化有色鉱物顆粒は、調理及びそれらの冷却に続いて、疎水性を取得するために及び/又はアスファルトコーティングへの接着性を改善するために更なる処理を受けることができることを更に明示している。
【0005】
上記公知のタイプのタイルは、典型的には、大気要素からの保護を提供するように及び異なる色及び形態を通して審美的に心地よい外観を屋根に与えるように建物の屋根に取り付けられる。
【0006】
上記公知のタイプのタイルを製造するための公知の解決法は、ガラスベール(又は有機材料)連続シートで構成される支持層を、高温アスファルト化合物を含有するコーティング装置に通過させて、上記コーティング装置を通過すると、シートがアスファルト化合物によって含浸されることで提供される。
【0007】
次に、含浸されたシートは、アスファルト材料を大気化学物質及び紫外線から保護するために、セラミック化有色鉱物顆粒で構成される砂粒で表面的に散布されている。
【0008】
連続シートは、砂粒で覆われた後、単一タイルに分割される切断工程を受ける。
【0009】
上記公知のタイプのタイルは、一般的に、「くぎ打ちゾーン」と称されるタイルの専用ゾーンに打ち込まれるくぎによって建物のカバーリング構造体(例えば、屋根)に付加され、次いで下に重なるカバーリング構造体に固定され、後者とタイルとの間に機械的相互接続を形成する。
【0010】
しかし、くぎによって作動されたタイルの穴は、タイル自体が弱くなる原因になる可能性があり、特に強風の存在下でタイルが破損するリスクをもたらす。
【0011】
タイルが破損するリスクは、くぎ打ちゾーンに加えて、タイルが建物カバーに取り付けられた状態でタイルの位置に応じてカバー自体から突出する又は別の下に重なるタイルを部分的に覆うように位置決めされるタイルの前面部分であるいわゆる「ピッチ」でも発生し、実際に、ピッチは、風の作用に最もさらされるタイルの部分であり、風が十分に強ければ、上記ピッチを曲げ、(屋根の全体的美観に加えて)その機械的特性及び応力強度を損なう材料の弱体化を発生させる可能性があり、タイルが破損する及び/又はカバーリング構造体から剥がれるリスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の知見の主な意図は、外部応力に最適に耐え、従って、破損のリスクが低減される砂粒コーティングを有するアスファルトタイルを取得することである。
【0013】
上記意図の範囲では、本発明の知見の目的は、支持層とアスファルト層の間の剥離のリスクが低減されるタイルを取得することである。
【0014】
本発明の知見の別の目的は、取り付け作業員に広いくぎ打ちゾーンを提供する砂粒コーティングを有するアスファルトタイルを取得することである。
【0015】
更に別の目的は、公知のタイプのものと同等の審美的特徴を維持しながら、上述の意図及び目的を達成する砂粒コーティングを有するアスファルトタイルを取得することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の知見による意図及び目的は、
-第1の主面を有する、ガラス繊維不織布で作られるベース層を含む支持層であって、上記第1の主面の少なくとも80%を覆うガラス繊維ネットが第1の主面に結合されている支持層と、
-ネット及び第1の主面を覆う第1の外部アスファルト層と、
-ベース層の第2の主面を覆い、第1の主面から離れる方向に面する第2の外部アスファルト層と、
-第2の外部アスファルト層を覆うセラミック化有色鉱物顆粒を含む砂粒と、を含む、砂粒コーティングを有するアスファルトタイルによって達成される。
【0017】
本明細書では、ネットが第1の層の主面のある一定の割合を覆うということは、例えば、ネットが主面の少なくとも80%を覆うということは、平面図で、上記ネットを包み込む周辺部によって区切られた領域が主面の少なくとも80%を覆うようにネットが上記主面上を延びることを意味し、平面図で、上記ネットを包み込む周辺部によって区切られた領域が主面の上記割合を覆うようにネットが上記主面上を延びることを意味することに留意されたい。
【0018】
更に、本明細書では、特定しない限り、一層が別の層(又は支持体)を覆うということは、更なる層が上記層間(又は層と支持体の間)に存在しないことを含意するものではない。
【0019】
本発明の知見によるタイルの他の有利な特徴は、従属請求項に記録されている。
【0020】
本発明の知見による意図及び目的はまた、次の順序且つ次の工程を含む砂粒コーティングを有するアスファルトタイルの製造方法によって達成され、その方法は、
a)ガラス繊維不織布で作られるベース層を含む支持層であって、第1の主面の少なくとも80%を覆うガラス繊維ネットが結合された第1の主面と、第1の主面から離れる方向に面する第2の主面と、を有する、支持層を提供する工程と、
b)120~180℃の間を含む温度で接着促進剤を含む炭化水素溶液で支持層を含浸させる工程と、
c)ネット及び第1の主面を覆う第1の外部アスファルト層と、第2の主面を覆う第2の外部アスファルト層と、を規定するように、170~210℃の間を含む温度で、接着促進剤を含む炭化水素溶液で含浸された支持層を非接着性アスファルト化合物で覆う工程と、
d)セラミック化有色鉱物顆粒を含有する砂粒を、120~170℃の間を含む温度を有するときに第2の外部アスファルト層上に堆積させる工程と、
e)第1及び第2の外部アスファルト層及び砂粒で覆われた支持層を、そこから所望の数のタイルを取得するために切断する工程と、を含む方法である。
【0021】
有利には、本発明の知見による方法は、工程b)と工程c)の間に次の工程を含む。
b1)第1の主面及びネットを覆い且つ次いで工程c)で第1の外部アスファルト層によって覆われる第1の中間アスファルト層と、第2の主面を覆い且つ次いで工程c)で第2の外部アスファルト層によって覆われる第2の中間アスファルト層と、を規定するように、接着促進剤を含む炭化水素溶液で含浸された支持層を、170~200℃の間を含む温度で、改質アスファルト化合物で事前含浸させる工程。
【0022】
有利には、本発明の知見による方法は、工程c)に続いて且つ工程e)の前に次の工程を含む。
f)接着性アスファルト層を形成するように、接着性アスファルト化合物を第1の外部アスファルト層の上部に付加する工程。
【0023】
有利には、本発明の知見による方法は、工程f)の後且つ工程e)の前に次の工程を含む。
f2)少なくとも部分的に接着性アスファルト層を覆い支持層から離れる方向に面した非粘着層を、接着性アスファルト層上に付加する工程。
【0024】
有利には、本発明の知見による方法は、工程d)の後且つ工程e)の前に次の工程を含む。
d1)砂粒で覆われた第2の外部アスファルト層の上部に接着性アスファルト化合物の1又は2以上の第1の部分を付加する工程。
【0025】
本発明の知見の特徴及び利点は、添付の概略図を参照して以下の例示的かつ非限定的な説明からより明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の知見によるタイルの有利な実施形態の一部分を分解斜視図に概略的に示す図である。
【
図2】本発明の知見によるタイルの支持層の有利な実施形態を平面図で概略的に示す図である。
【
図3】本発明の知見によるタイルの支持層の更なる有利な実施形態を平面図で概略的に示す図である。
【
図4】本発明の知見によるタイルの支持層のネットの有利な実施形態を平面図で概略的に示す図である。
【
図5】本発明の知見によるタイルの第1の実施形態の生産ラインのスキームの有利な実施形態を概略的に示す図である。
【
図6】本発明の知見によるタイルの第1の実施形態の生産ラインのスキームの更なる有利な実施形態を概略的に示す図である。
【
図7】本発明の知見によるタイルの第2の実施形態の生産ラインの有利な実施形態を概略的に示す図である。
【
図8】本発明の知見によるタイルの第2の実施形態の生産ラインの更なる有利な実施形態を概略的に示す図である。
【
図9】本発明の知見によるタイルの第1の実施形態の上面図である。
【
図11】くぎ打ちによって互いに固定されて互いに部分的に重なり合う2つのタイルの部分断面の側面図である。
【
図12】くぎ打ちによって互いに固定されて互いに部分的に重なり合う2つのタイルの上面図である。
【
図13】タイルを製造する過程の本発明の知見によるタイルの更なる実施形態の2つの第1の及び2つの第2のバンドの上面図である。
【
図14】本発明の知見によるタイルの更なる実施形態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付図面を参照すると、本発明の知見により、砂粒コーティングを有するアスファルトタイルが全体的に番号1で示されている。
【0028】
本発明の知見により、タイル1は、第1の主面4及び第1の主面4から離れる方向に面する第2の主面5を有する(「ガラスベール」又は「ベールガラス」とも称される)ガラス繊維不織布で作られるベース層3を含む支持層2を含む。
【0029】
有利には、ガラスベールは、非常に細いガラス繊維(有利には100分の1ミリメートルよりも小さい直径を有する)を含み、非常に細いガラス繊維は、有利には可変の(有利には10~40mmの間の範囲を含む)長さを有し、平面的で均質な不織布を形成するように、均一に分散され、(好ましくは全質量の15~35%を形成する)特定のポリマーベースの結合剤によって熱シールされ、この不織布は、好ましくは可変の幅及び長さを有するコイル状に巻かれて分散される。
【0030】
ガラスベールは、有利には、30から150g/m2まで変動する単位面積当たりの質量及び幅によって分類される。
【0031】
材料の機械的引張強度は、ガラス繊維の減少に起因して、結晶化欠陥(例えば、微小破壊、空気の存在など)として低減される。
【0032】
更に、材料の(ほぼ全てが二酸化シリコン(SiO2)を含む)化学組成は、高い耐熱性及び難燃性を決定付け、これは、500~700℃の近くの温度までの寸法の安定性に起因する。
【0033】
本発明の知見により、支持層2は、ベース層3の第1の主面4に結合され、上記第1の主面4の少なくとも80%、より好ましくは100%を覆うガラス繊維ネット6を更に含む。
【0034】
本明細書では、ネット6がベース層3の第1の主面4のある一定の割合を覆うということは、例えば、ネット6が第1の主面4の少なくとも80%を覆うということは、平面図で、上記ネット6を包み込む周辺部7によって区切られた領域が第1の主面4の少なくとも80%を覆うように、ネット6が上記第1の主面4上に延びることを意味し、
図4に破線7で示される、平面図で、上記ネット6を包み込む周辺部によって区切られた領域が第1の主面4の上記割合を覆うように、ネット6が上記第1の主面4上に延びることを意味することに留意されたい。
【0035】
ベース層3をネット6に接合することにより、支持層2に、高い引張強度、高い機械的特性及び寸法安定性、軽量性、均一性、化学的不活性、耐熱性が付与される。
【0036】
有利には、ネットがベース層3の第1の主面4の少なくとも80%を覆うという事実は、ベース層3及びネット6を含む支持層2が、その延長の殆どに関して、高い引張強度、高い機械的特性、寸法安定性、軽量性、均一性、化学的不活性及び耐熱性を有することを保証し、それにより、そのように構成されたタイル1は、外部応力に対して最適に抵抗することができ、従って、破損のリスクが低減される。
【0037】
有利には、ネット6は、ガラス繊維モノフィラメントの縦糸及び横糸によって形成された、好ましくは正方形又は矩形の、好ましくは2本ずつ平行で互いに離間した、より好ましくは1~6mmだけ離間したメッシュ8を含む。
【0038】
上記ネット6は、好ましくはガラスベールで作られる、より好ましくは30~80g/m2タイプであるベース層3に、有利には、ポリマー結合剤(例えば、スチレン-ブタジエン、ポリ塩化ビニルなど)を使用することによって結合され、ポリマー結合剤は以下で説明するように、支持層が覆われるアスファルトに対してより大きい適合性を付与する。
【0039】
例えば、添付図面に示すような有利な実施形態では、ベース層3は、平面図で、実質的に矩形又は正方形の形状を有する。
【0040】
例えば、
図2に示すような有利な実施形態では、ベース層3は、平面図で、実質的に矩形又は正方形の形状を有し、ネット6は、正方形又は矩形のメッシュ8を有し、ネット6のメッシュ8の辺は、ベース層3の互いに平行な2つの辺にそれぞれ2対2で平行である。
【0041】
例えば、
図3に示すような更なる有利な実施形態では、ベース層3は、平面図で、実質的に矩形又は正方形の形状を有し、ネット6は、正方形又は矩形のメッシュ8を有し、ネット6のメッシュ8の辺は、ベース層3の辺に対して平行でも垂直でもなく、より好ましくは、上記有利な実施形態では、ネット6のメッシュ8の辺は、ベース層3の辺に対して45度で傾斜する。
【0042】
図2の実施形態に関し、
図3の有利な実施形態に示すもののように、ネット6のメッシュ8とベース層3との間の相互の位置決めにより、機械的応力、特にベース層3の辺に平行な軸線周りの曲げに対するタイル1の強度、及びくぎ試験(EN12310-1)に従って定められた裂傷に対するタイル1のより大きい強度を取得することができることが観測されている。
【0043】
有利には、タイル1は、有利にはネット6及び第1の主面4を全体的に覆う第1の外部アスファルト層9と、有利にはベース層3の第2の主面5を全体的に覆う第2の外部アスファルト層10と、を含む。
【0044】
有利には、タイル1は、第2の外部アスファルト層10を覆うセラミック化有色鉱物顆粒を有利に含む(実際には複数の顆粒であるとしても、
図1では連続層として概略的に表されている)砂粒13を含み、上記砂粒13に関して、以下でより良好に説明する。
【0045】
有利な実施形態では、第1の外部アスファルト層9及び第2の外部アスファルト層10は、ポリマー(例えば、低密度ポリエチレン、LDPE、直鎖状低密度ポリエチレン、LLDPE、アイソタクチックポリプロピレン、IPP)、1又は2以上の融剤/可塑剤、1又は2以上の接着促進剤及び1又は2以上の鉱物充填剤で改質された、有利には工業タイプの酸化アスファルト又は蒸留アスファルトを含む。
【0046】
有利な実施形態では、第1の外部アスファルト層9及び第2の外部アスファルト層10は、次の組成を有するアスファルト化合物で有利に構成することができる。
酸化アスファルト:30~60%m/m
融剤/可塑剤:0.1~1.0%m/m
接着促進剤0.1~0.8%m/m
炭酸カルシウム:20~50%m/m
【0047】
本明細書では、測定単位「%m/m」は、成分の質量と化合物の全質量との比率を百分率で表したものであることに留意されたい。
【0048】
上記組成により、次の化学的及び物理的特徴を取得することができることが確認されている。
軟化点R&B(℃):110~135
25℃での浸透性(dmm):9~14
60℃での浸透性(dmm):30~55
粘性、12rpm、180℃(cP):5500~9000
比重(g/cm3):1.20~1.70
【0049】
上記パラメータは、アスファルト化合物の特性、すなわち、軟化点(R&B)、(25℃で及び60℃の荷重条件下での浸透度が10分の1ミリメートル「dmm」で表される)硬度、180℃での粘性及び比重を特徴付ける。
【0050】
更なる有利な実施形態では、第1の外部アスファルト層9及び第2の外部アスファルト層10は、次の組成を有するアスファルト化合物で構成することができる。
工業用蒸留アスファルト70/100:30~60%m/m
LDPE/LLDPE:10~18%m/m
IPP:2~15%m/m
融剤:0.1~2%m/m
接着促進剤:0.1~0.8%m/m
炭酸カルシウム:20~50%m/m
【0051】
上記組成により、次の化学的及び物理的特徴を取得することができることが確認されている。
軟化点R&B(℃):120~145
25℃での浸透性(dmm):12~28
60℃での浸透性(dmm):50~85
粘性、12rpm、180℃(cP):6000~9500
比重(g/cm3):1.20~1.500
【0052】
有利には、砂粒13は、セラミック化有色鉱物砂粒であり、好ましくは0.3~2mmの間の粒度を有する。鉱物材料(例えば、玄武岩又は粘板岩)は、有利には、高温(400~600℃)のセラミック化プロセスを経て無機顔料で着色され、好ましくは、所望の特性に機能的である一部の物質(例えば、防塵物質、接着促進剤、疎水性物質、光触媒又は防汚添加剤など)で続いて処理される。
【0053】
鉱物有色砂粒は、アスファルト下層に付加されるために、下層に対して接着性を有する必要があり、好ましくは、この目的のために、鉱物は、有利には接着促進剤(例えば、エトキシル化脂肪酸のリン酸エステル/シランエステル)を含有する炭化水素油(及び/又は鉱物及び/又は混合物)によって処理され、シリコン/シラン(又は有機シラン)/シロキサンベースの疎水性添加剤で水熱処理される。
【0054】
接着促進剤は、疎水性添加剤と共に、玄武岩質の砂粒とアスファルトの間の相互作用を更に増大させ、強力かつ耐久性のある化学的相互作用を形成し、製造プロセスでの粉塵含有量を低減する。
【0055】
疎水化水熱プロセスは、(割合低減で存在する)有機シラン/シロキサン/シリコンをアスファルトの鉱物下層に直接に接続させ、(例えば、紫外可視放射線、温度、湿度のような)環境及び機械的応力に強い永久の疎水性を保証する。
【0056】
好ましくは、第1の主面4と第1の外部アスファルト層9の間に、第1の外部アスファルト層9とは異なる組成を有する第1の中間アスファルト層11が介在し、第1の中間アスファルト層11は、第1の主面4及びネット6を覆い、次に、第1の外部アスファルト層9によって覆われる。
【0057】
有利には、第2の主面5と第2の外部アスファルト層10の間に、第2の外部アスファルト層10とは異なる組成を有する第2の中間アスファルト層12が介在し、第2の中間アスファルト層12は、第2の主面5を覆い、次に、第2の外部アスファルト層10によって覆われる。
【0058】
有利には、必ずしもそうとは限らないが、第2の中間アスファルト層12の組成は、第1の中間アスファルト層11と同じである。
【0059】
有利な実施形態では、第1の中間アスファルト層11及び/又は第2の中間アスファルト層12は、ポリマーと、1又は2以上の融剤/可塑剤と、1又は2以上の接着促進剤と、1又は2以上の鉱物充填剤と、を用いて改質された酸化アスファルト又は蒸留アスファルトを含み、上記成分は、第1の外部アスファルト層9及び第2の外部アスファルト層10に存在する成分とは異なる及び/又は異なる割合で存在する。
【0060】
第1の外部アスファルト層9及び第2の外部アスファルト層10と、異なる組成及び/又は割合のあり得る第1の中間アスファルト層11及び/又は第2の中間アスファルト層12と、に存在する融剤/可塑剤は、アスファルト化合物の粘性を低減する特性を有する生成物であり、従って、上記化合物は、ある一定のアスファルト層又は支持層2をより容易に覆うことを保証し、層間剥離(又は層の相互分離)及び砂粒の顆粒とアスファルトの間の分離のリスクを低減することに留意されたい。
【0061】
本発明の知見では、(第1の外部アスファルト層9及び第2の外部アスファルト層10に対して両方で、異なる組成及び割合のあり得る第1の中間アスファルト層11及び第2の中間アスファルト層12に対して両方で)付加する最も有利な融剤/可塑剤は、オレフィン及び/又は鉱物又は合成炭化水素混合物、例えば、ポリアルキルベンゼン及びエトキシル化脂肪酸のリン酸エステル/シランエステルを含む。上記成分の投与は、アスファルトの質量に対して0.01%~2%の範囲とすることができる。
【0062】
直鎖状ポリアルキルベンゼンは、アルキルベンゼン又は芳香族部分及び脂肪族部分を含む単量体の重合に由来する材料である。アスファルト混合物の場合には、ポリアルキルベンゼンは、約150~170℃の間を含む温度、すなわちアスファルトが液状であるときに配合物に加えられる。しかし、その機能は、作業性及び可撓性が改善するので、低温で発揮される。ポリアルキルベンゼンは、純粋なまま使用することができるが、より好ましくは混合物として使用される。
【0063】
アスファルト化合物(第1の外部アスファルト層9及び第2の外部アスファルト層10の両方、及び異なる組成及び/又は割合でのあり得る第1の中間アスファルト層11及び第2の中間アスファルト層12の両方)に追加される1又は2以上の付着促進剤は、それぞれ、アスファルト/砂粒13及びアスファルト/支持層2の接触角を低減する主な効果を有する。接触角が小さいほど、アスファルトは砂粒13の面及び/又は支持層2への付着が増進され、微細部品の濡れ性が促進され、特に、アスファルトが支持層2及び砂粒13の面に存在する微細な孔に入りやすくなる。
【0064】
1又は2以上の接着促進剤は、エトキシル化脂肪酸のリン酸エステル/シランエステル及び/又は脂肪酸のポリアルキルポリアミン、ポリアルキルイミダゾリン、ポリアルキルアミドアミンで構成する又は含むことができる(これらの投与は、有利には、アスファルト質量に対して0.01%~1%の範囲とすることができる)。
【0065】
有利には、1又は2以上の鉱物充填剤は、限定生成物に所望の機械的特性を付与するとともに原材料を使用するときのコストを低減するように、アスファルト層(第1の外部アスファルト層9と第2の外部アスファルト層10の両方、及び異なる組成及び/又は割合でのあり得る第1の中間アスファルト層11及び第2の中間アスファルト層12の両方)の組成物に追加される。
【0066】
有利には、炭酸カルシウム(CaCO3)、有利にはアスファルト化合物中に30~65重量%(第1の外部アスファルト層9及び第2の外部アスファルト層10の場合と、あり得る第1の中間アスファルト層11及び第2の中間アスファルト層12の場合とで、異なる割合)で存在する炭酸カルシウムを、鉱物充填剤として使用することができ、炭酸カルシウムは、流動改質剤としてヒートシンクとして使用され、衝撃強度及び限定生成物の寸法安定性を経時的に改善する。炭酸カルシウムに加えて、パーライト、雲母、タルク及び/又は他の鉱物微粒子を、鉱物充填剤として使用することができる。
【0067】
有利な実施形態では、第1の中間アスファルト層11及び/又は第2の中間アスファルト層12は、次の組成を有する改質アスファルト化合物によって構成される。
酸化アスファルト:30~60%m/m
融剤/可塑剤:0.2~1.5%m/m
接着促進剤:0.1~1%m/m
炭酸カルシウム:20~45%m/m
【0068】
上記組成により、次の化学的及び物理的特徴を取得することができることが確認されている。
軟化点(℃):100~135
25℃での浸透性(dmm):8~20
60℃での浸透性(dmm):25~50
粘性、12rpm、180℃(cP):3000~6700
比重(g/cm3):1.20~1.70
【0069】
更なる有利な実施形態では、第1の中間アスファルト層11及び/又は第2の中間アスファルト層12は、次の組成を有する改質アスファルト化合物によって構成される。
工業用蒸留アスファルト70/100:30~60%m/m
LDPE/LLDPE:10~18%m/m
IPP:2~15%m/m
融剤:0.2~2%m/m
接着促進剤:0.2~1%m/m
炭酸カルシウム:20~50%m/m
【0070】
上記組成により、次の化学的及び物理的特徴を取得することができることが確認されている。
軟化点(℃):120~150
25℃での浸透性(dmm)15~35
60℃での浸透性(dmm):50~100
粘性、12rpm、180℃(cP):2500~7700
比重(g/cm3):1.20~1.50
【0071】
有利には、アスファルトとの相溶性を高め、支持層2と上記支持層2と接触して付加される層のアスファルト化合物(例えば、あり得る第1の中間アスファルト層11及び/又はあり得る第2の中間アスファルト層12)との間に強力かつ耐久性のある結合を生成するために、支持層2は、上記アスファルト層を付加する前に、直鎖状及び/又は分岐状のポリアルキルベンゼンの高温溶液によって処理される。有利には、スチレン―ブタジエン―スチレン(SBS)ゴム及び/又は小割合(0.5~2%)でのアイソタクチックポリプロピレン(IPP)のような一部のポリマー及び接着促進剤(0.1~1%)も、上記溶液に溶解されることができる。パラフィン油、ナフテン油及び鉱物は、直鎖/分岐ポリアルキルベンゼンの代替品として使用されることができる。
【0072】
例えば、添付の
図9、
図11、及び
図12に示すような有利な実施形態では、タイル1は、例えば、砂粒13で覆われた第2の外部アスファルト層10の上部に付加された、1又は2以上の第1の部分又はパッド14がその上に存在する砂粒13で覆われた第2の外部アスファルト層10の上部に位置決めされた更なるタイル1の底部に接着するのに適する接着性アスファルト化合物(以下、「パッド」とも称される)の1又は2以上の第1の部分14を含む。
【0073】
有利な実施形態では、タイル1は、第1の外部アスファルト層9をその延長全体又は一部にわたって覆う接着性アスファルト層15を含む。
【0074】
有利には、接着性アスファルト層15は、好ましくは、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)及び樹脂のような異なるポリマーのアリコートを、工業タイプの蒸留アスファルトに追加することによって取得される接着性アスファルト化合物で形成される。有利には、樹脂は、改質脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素若しくは脂肪族-芳香族炭化水素の性質のもの、又は限定生成物に接着特性を提供する熱可塑性樹脂とすることができる。
【0075】
有利な実施形態では、接着性アスファルト層15の接着性アスファルト化合物は、次の組成を有することができる。
工業用アスファルト70/100:50~98%m/m
スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS):1~15%m/m
芳香族樹脂:1~15%m/m
【0076】
上記組成により、次の化学的及び物理的特徴を取得することができることが確認されている。
軟化点(℃):65~98
25℃での浸透性(mm):45~90
粘性、12rpm、180℃(cP)>400
比重(g/cm3):1.1~1.5
【0077】
上記パラメータは、アスファルト化合物の特性、すなわち、軟化点(R&B)、硬度(荷重条件下での25℃及び60℃での浸透度で表される)、180℃での粘性、比重を特徴付ける。
【0078】
例えば、
図9~
図12に示すような有利な実施形態では、タイル1は更に、例えば、互いに積み重ねられた本発明の知見による複数のタイル1を保管及び/又は搬送するときに、タイル1が本発明の知見による更なる下に重なるタイル1に接着することを防止するのに適した、接着性アスファルト層15を覆うように固定された支持層2から離れる方向に面する非粘着層16を含む。
【0079】
有利には、非粘着層16は、取り外し可能であり、非粘着層16は、タイル1が取り付けられるときに取り外すことができる。
【0080】
有利には、非粘着層16は、珪砂又は例えばシリコーンポリマーテープのような他の非接着性材料で構成する又はそれを含むことができる。
【0081】
有利には、非粘着層16は、接着性アスファルト層15の面全体又はそのうちの1又は2以上の領域にのみ影響を及ぼすことができ、例えば、
図10に示すような有利な実施形態では、非粘着層は、有利には、接着性アスファルト層15に付加された好ましくは互いに平行な及びタイル1の互いに平行な2つの辺に平行な1又は2以上のシリコーンテープ16a、16bを含む。
【0082】
本発明の知見によるタイル1の異なる実施形態を取得する方法の異なる実施形態を以下に説明する。
【0083】
本発明の知見によるタイル1の製造方法は、最初に、ガラス繊維不織布で作られるベース層3を含む支持層2を提供する工程を含み、この支持層2は、第1の主面4の少なくとも80%、好ましくは100%を覆うガラス繊維ネット6が結合された第1の主面4と、第1の主面4から離れる方向に面する第2の主面5と、を有する。
【0084】
上記支持層2は、連続テープの形態で、上記支持層2が生産ライン100の最終ステーションに前進させるようにできる専用ローラー18を提供する生産ライン100で前進させられ、以下でより良く説明するように、好ましく処理され且つコーティングされた上記支持層2は、1又は2以上のタイル1を形成するように切断される。
【0085】
支持層2の幅は、製造されるタイル1の種類によるが、好ましくは、上記の幅は、900~1400mmである。
【0086】
有利には、支持層2の幅は、4つのタイル1を同時に形成することができるような幅である。
【0087】
例えば、
図5及び
図7に示すような有利な実施形態では、形成された(又は予め形成された)支持層2は、初めは第1のコイル17に巻かれ、支持層2を前進させるときに本発明の知見による方法の異なる工程を受けるようにローラー18上で前進させることによってローラー18によって巻き出される。
【0088】
例えば、
図6及び
図8に示すような他の有利な実施形態では、支持層2は、ベース層3及びネット6を互いに結合することによって直接生産ライン100で取得される。
【0089】
上記の有利な実施形態では、ベース層3は、好ましくは、初めは第2のコイル19に巻かれ、ネット6は、好ましくは、初めは、第3のコイル20に巻かれる。
【0090】
ベース層3及びネット6は、それぞれのコイルから巻き出され、生産ライン100のローラー18で前進させられ、ベース層3がポリマーベースの結合剤によって有利に前処理された後に、ベース層3及びネット6は、生産ライン100に設けられた熱カレンダー21に有利に到達し、好ましくは、有利には120~230℃の間を含む温度で熱カレンダー処理によって互いに永久的に接合される。
【0091】
熱カレンダー処理はまた、アスファルトとの不適合及び/又は限定生成物の損傷という問題を引き起こし兼ねない材料の固有の湿度の排除を更に増進させる。
【0092】
このようにして取得された支持体層2は、熱カレンダー処理後に、支持体層2を前進させるときに本発明の知見による方法の異なる工程を受けるように生産ライン100のローラー18上を前進し続ける。
【0093】
有利には、本発明の知見による方法は、(生産ライン100で直接に好ましくは熱カレンダー処理によって事前形成又は得取得される)支持層2が、例えば、実施形態に応じて事前成形された支持層2又はベース層3及びネット6を含有するコイルを交換又は再装填する必要がある場合でも、製造プロセスの継続性を保証するために、第1のアキュムレータ22を通されることを規定する。
【0094】
支持層2は、(第1のアキュムレータ22の有無に関わらず)次に、有利には、前処理ステーション101で、好ましくは接着促進剤を含む炭化水素溶液で、より好ましくは120~180℃の間を含む温度で含浸され、更に80~130℃の間を含む温度で加熱される。
【0095】
有利な実施形態では、好ましくは接着促進剤を含む炭化水素溶液で含浸された支持層2は、事前含浸ステーション102に運ばれ、支持層2は、第1の主面4及びネット6を覆う第1の中間アスファルト層11と、第2の主面5を覆う第2の中間アスファルト層12と、を規定するように、好ましくは170~200℃の間を含む温度で、改質アスファルト化合物で覆われる。
【0096】
有利な実施形態では、好ましくは接着促進剤を含む炭化水素溶液で含浸され、有利には改質アスファルト化合物で含浸された支持層2は、第1の中間アスファルト層11及び第2の中間アスファルト層12を規定するように、含浸ステーション103に運ばれ、支持層2は、第1の中間アスファルト層11を覆う第1の外部アスファルト層9と第2の中間アスファルト層12を覆う第2の外部アスファルト層10とを規定するように、好ましくは170~210℃の間を含む温度で、非接着性アスファルト化合物で覆われる。
【0097】
図示していない有利な実施形態では、含浸ステーション102は設けられず、好ましくは接着促進剤を含む炭化水素溶液で含浸された支持層2は、有利には、含浸ステーション103で直接運ばれることができ、支持層2は、ネット6及び第1の主面4を直接覆う第1の外部アスファルト層9と第2の主面5を直接覆う第2の外部アスファルト層10とを規定するように、好ましくは170~210℃の間を含む温度で、非接着性アスファルト化合物で覆われる。
【0098】
有利には、あり得る余分なアスファルト材料は、例えば、含浸ステーション103に存在する含浸タンク103aに対して横断方向に位置決めされた専用金属スクレーパによって排除される。
【0099】
更に、本発明の知見による方法は、あり得る第1及び第2の中間アスファルト層が存在するか否かに関わらず、有利には、砂粒13が120~170℃の間を含む温度を有するときに、セラミック化有色鉱物顆粒を含有する砂粒13を、第2の外部アスファルト層10上に堆積させる工程を提供する。
【0100】
上記の含浸は、第1の外部アスファルト層9及び第2の外部アスファルト層10が設けられた支持層2をまだ高温のまま(有利には120~170℃の間を含む温度で)一部のサイロ109の下に通すことによって行われ、これらのサイロは、定められた粒度を有するセラミック化有色鉱物顆粒を送出し、セラミック化有色鉱物顆粒は、タイル1の上層を形成し、(例えば、防汚作用及び/又は光触媒作用のようなあり得る更なる特徴を限定タイル1に付与することに加えて)タイル1を紫外線及び悪天候から保護することになる。砂粒の送出は、砂粒のタイプ13、使用される色及び所望の色調の関数として連続的又は交互とすることができる。
【0101】
有利には、本発明の知見による方法は、砂粒を第1の回転ドラム23を介して押圧する第1の工程を提供し、好ましくは、付着していない及び/又は余分な砂粒が落下し、その後の付加のために回収されることを可能にするようにタイル1の一時的なひっくり返しをもたらす。
【0102】
有利な実施形態では、本発明の知見による方法は、砂粒13を付加する前に、第1の外部アスファルト層9を延長全体又はその一部にわたって覆う接着性アスファルト層15を形成するように更なる含浸ステーション104で、接着性アスファルト化合物を、好ましくは170~210℃の間を含む温度で、第1の外部アスファルト層9の上部に付加する工程を提供する。
【0103】
有利な実施形態では、本発明の知見による方法は、例えば、互いの上部に積み重ねられた本発明の知見による複数のタイル1を保管及び/又は搬送するときに、タイル1が本発明の知見による更なる下層のタイル1に接着することを防止するのに適した、支持層2から離れる方向に面する接着性アスファルト層15を覆うように固定された非粘着層16を付加する工程を提供する。
【0104】
上記の非粘着層16は、例えば、1又は2以上のシリコーンテープ16a、16b(例えば、ポリエチレン、PE、又はポリプロピレン、PPからなり、片面、両面又は非シリコーン化されているシリコーンテープ)を含むことができ、シリコーンテープは、例えば、高温アスファルトの固有接着性を使用して接着性アスファルト層15に固定させることができる。
【0105】
非粘着層16は、1又は2以上のシリコーンテープ16a、16bに対してこれに代えて又はこれに加えて砂層、例えば、図示しない珪砂を含むことができ、この砂層は、有利には、分注器24を介して接着性アスファルト層15及び/又はアスファルト層9に付加されることができる。
【0106】
例えば、添付の
図5~
図8に示すような有利な実施形態では、本発明の知見による方法は、有利には生産ライン100に設けられた押圧ローラー52によって有利には実行される、所望のアスファルト層及び砂粒13、場合によっては非粘着層16で覆われた支持層2を押圧する第2の工程を含むことができる。
【0107】
有利には、本発明の知見による方法は、生産ライン100に有利に設けられた例えば専用の第1のノズル25によって送出される、例えば空気及び/又は水ジェット(好ましくは130℃~50℃の間を含む温度を有する)を使用して所望のアスファルト層及び砂粒13で、及び場合によっては非粘着層16で覆われた支持層2を冷却する工程を含むことができる。
【0108】
有利には、本発明の知見による方法は、第2の蓄積工程を提供し、所望のアスファルト層及び砂粒13で、場合によっては非粘着層16で覆われた支持層2は、切断セクションで切断工程の中断を伴う問題が発生した場合に、その後の製造プロセスの継続性を保証するために、冷却された後に、有利には生産ライン100に設けられた第2のアキュムレータ26に通される。
【0109】
例えば、
図5及び
図6に示すような有利な実施形態では、本発明の知見による方法は、第2の蓄積工程後に、砂粒13で覆われた第2の外部アスファルト層10の上部に接着性アスファルト化合物(又は「パッド」)の1又は2以上の第1の部分14を付加する工程と、次いで(タイル1の製造時に第1の部分14の接着力を抑制するように)好ましくは空気及び/又はより好ましくは専用の第2のノズル27によって送出された水及び面活性剤の混合物で上記第1の部分14を冷却する工程と、を提供する。
【0110】
例えば、
図5及び
図6に示すような有利な実施形態では、本発明の知見による方法は、第2の蓄積工程後及び存在する場合には接着性アスファルト化合物の1又は2以上の第1の部分14を付加する工程後に、好ましくはゴム又は金属で作られている第1の切断シリンダ28a及び第1のカウンタローラー(又は支持ローラー)28bを含むのが好ましい、(有利には生産ライン100に設けられた)第1の回転カッター28によって、所望のアスファルト層及び砂粒13で覆われ、場合によっては非粘着層16及び/又は第1の部分14で覆われた支持層2を切断することにより、いわゆる「単層」タイプの単一タイル1を取得する工程を提供し、上記第1の切断シリンダ28aは、限定生成物を特徴付けるであろう異なる形及び形状(ノッチ、タブ、シングル)をタイル1に与えることができる。
【0111】
切断工程に続いて、このようにして取得された単層タイプのタイル1は、有利には互いに重複し、例えば、熱収縮性プラスチックフィルムによって包装されることができる。
【0112】
例えば、
図7及び
図8に示すような他の有利な実施形態では、本発明の知見による方法は、第2の蓄積工程直後にいわゆる「2重層」タイプの単一タイル1を取得する工程を含み、上記工程は、最初に、切端工程を提供し、
所望のアスファルト層及び砂粒13で、場合によっては接着アスファルト層で及び非粘着層16で覆われた支持層2が、実質的に矩形又は正方形の(すなわち、孔又は開口部のない)全断面形状を有する1又は2以上の第1のバンド29aと、包絡線が平面図で好ましくは矩形又は正方形の形状を有し、その上にその長手方向の縁部30から始まって好ましくは矩形、正方形、又は台形の平面(全て同じ形状を有する又は有することができないこともある)を有する貫通開口部31が互いから2つずつ離間し、その間に歯310が定められる1又は2以上の第2のバンド29bと、を取得するように切断を受ける。
【0113】
好ましくは、貫通開口部31は、(支持層2の巻き出し方向に対して長手方向の軸線150に対して垂直な)その横断延長の約半分に対して、第2のバンド29bに影響を与える。
【0114】
例えば、
図13に示すような有利な実施形態では、材料の使用を最適化するために、切断工程は、第2のバンド29bの歯310が他の第2のバンド29bの貫通開口部31に及びその逆に対応するように平面図で互いに鏡面である2つの第2のバンド29bを取得するように提供され、好ましくは、上記有利な実施形態では、切断工程は更に、横断延長が有利には貫通開口部31の横断延長に等しいか又はそれよりも大きい2つの第1のバンド29aを取得するように提供される。
【0115】
有利には、切断工程は、1又は2以上の第1のバンド29a及び1又は2以上の第2のバンド29bで、所望のアスファルト層及び砂粒13で、場合によっては接着性アスファルト層15で及び非粘着層16で覆われた支持層2の分割を行うことができる、生産ライン100に設けられた切断ローラー32によって形成される。
【0116】
有利には、いわゆる「2重層」タイプの単一タイル1を取得する工程は、切断工程後に、好ましくは付加ローラー33によって、砂粒13を有するものと対向する第2のバンド29bの面に好ましくは平行でより好ましくは等間隔でストリップの形態の接着性アスファルト化合物を付加する工程と、好ましくは第2のバンド29bの貫通開口部31が第1のバンド29aと重なる状態で第1のバンド29aの上部に上記第2のバンド29bを接着する工程と、を提供する。
【0117】
有利な実施形態では、本発明の知見による方法では、接着性アスファルト層15及び非粘着層16が付加されなかった場合に、本発明の知見による方法は、第2のバンド29bを第1のバンド29a上に固定した後に、有利には生産ライン100に設けられた特定のアプリケータ34によって、第1のバンド29aが重なる第2のバンド29bの第1の外部アスファルト層9上に図示しない接着性アスファルトの第2の部分(又はパッド)を付加する工程を含むことができ、上記第2の部分は、互いに重なり合う2重層タイプの2つのタイル1の間の接着を可能にするだろう。
【0118】
有利には、いわゆる「2重層」タイプの単一タイル1を取得する工程は、好ましくは第2の部分を付加する工程後に、タイル1を製造するときに上記第2の部分の接着力を抑制するように好ましくは空気及び/又は水及び面活性剤の混合物を送出することによって第2の部分を冷却する工程を提供し、有利には、上記送出は、専用の第3のノズル35によって行うことができる。
【0119】
有利には、いわゆる「2重層」タイプの単一タイル1を取得する工程は、最終的に、有利には、例えば、第2の切断シリンダ36a及び第2のカウンタローラー36bを含む第2の回転カッター36によって、第1のバンド29aと第1のバンド29aに重なる関連の第2のバンド29bとを進行方向に対して横断方向に切断する工程を提供する。
【0120】
この場合でさえも、切断工程に続いて、このようにして取得された「2重層」タイプのタイル1は、有利には互いに重複し、例えば、熱収縮性プラスチックフィルムによって包装されることができる。
【0121】
本発明の知見によるタイル1は、基準として取り上げられた(「従来型」とも称される)公知のタイプのタイルに対する性能を検証するためにいくつかの比較試験を受けた。
【0122】
本発明の知見によるタイルの性能を比較するために試験に使用された従来のタイルは、テゴラカナデーゼ社によって製造された「上部シングル矩形」モデルタイルである。
【0123】
タイルが受けた主な試験を以下に説明する。
【0124】
EN 12311-1/EN544規格による引張強度試験
この試験では、5つの50×250mmの大きさのサンプルがタイルから長手方向(以下「MD」と呼ぶ)及び横断方向(以下「CMD」と呼ぶ)の両方から採取され、23℃の温度で20時間にわたって維持される。試験は、温度23±2℃で100mm/minの速度で牽引を掛ける張力計によって単一サンプルに対して行われる。N/50mmで表されたサンプルの破断(サンプルの中心セクションで局在化する破断)を決定する最大荷重が記録される。
【0125】
試験結果を以下に記録する。
従来の単層タイル:
最大荷重MD:800N/50mm
最大荷重CMD:610N/50mm
単層タイプの本発明の知見のタイル物体:
最大荷重MD:1220N/50mm
最大荷重CMD:950N/50mm
【0126】
本発明の知見によるタイルは、公知のタイプのタイルよりも遥かに大きい引張強度を示すことがわかる。
【0127】
引張強度試験(アスファルト膜に対するASTM D4073-06規格に対する逸脱)
この試験では、5つの適切な大きさのサンプルがタイルの長手方向及び横断方向の両方から採取され、23℃の温度で72時間にわたって維持される。試験は、23±2℃の温度で2.54mm/minの速度で牽引を掛ける張力計によって単一サンプルに対して行われる。Nで表されるサンプルの破断を決定する最大荷重が記録される。
【0128】
試験結果を以下に記録する。
従来の単層タイル:
最大荷重MD:412N
最大荷重CMD:328N
単層タイプの本発明の知見のタイル物体:
最大荷重MD:710N
最大荷重CMD:670N
【0129】
本発明の知見によるタイルは、公知のタイプのタイルよりも遥かに大きい引張強度を示すことがわかる。
【0130】
引裂強度試験(規格設定なし)
200×200mmの大きさのタイルサンプルが、タイルの一辺をくぎで打つことによって木製支持平面に対して拘束される。
【0131】
拘束面に垂直なタイルの一辺を、張力計の荷重セルに接続されたプライヤーにより持ち上げ、タイルを支持面に対して60°の角度に傾け、サンプルが完全に破断するまで100mm/分の速度で行う(
図2、引張角度60°)。サンプルを引き裂くのに要求される最大荷重(N)が記録される。
【0132】
試験結果を以下に記録する。
従来の単層タイル:
最大荷重MD:50N
最大荷重CMD:44N
単層タイプの本発明の知見のタイル物体:
最大荷重MD:128N
最大荷重CMD:87N
【0133】
本発明の知見によるタイルは、公知のタイプのタイルよりも遥かに大きい引き裂き強度を示した。
【0134】
裂傷強度試験(標準設定なし)
長さ130mmの切り込みが、サンプルの短辺から開始してその中心線上の100×200mmの大きさの矩形タイルサンプルまで作られ、切り離された2つのタイル部分の一方は、固定支持体に固定され、他方の部分の自由端は、固定部分に対して180度回転され、次いで張力計による牽引を受ける。
【0135】
従って、サンプルを裂傷させるのに必要な平均荷重が(Nで)記録される。
【0136】
試験結果を以下に記録する。
従来の単層タイル:
最大荷重MD:20N
最大荷重CMD:18N
単層タイプの本発明の知見のタイル物体:
最大荷重MD:56N
最大荷重CMD:46N
【0137】
本発明の知見によるタイルは、公知のタイプのタイルよりも遥かに大きい裂傷強度を示した。
【0138】
ASTM D3462規格によるくぎ引き抜き抵抗試験
98±3mm×98±3mmの正方形の5つのタイルサンプルが採取され、23±2℃の温度で2時間にわたって維持される。
【0139】
次いで、サンプルは、長さ38mm、9.5mmに等しい頭部直径の亜鉛メッキくぎによって、砂粒を有するサンプルの面から中心方向に孔が開けられ、くぎの頭部は、砂粒を伴う面で止まる必要がある。専用機器によって及び張力計を使用することによって、牽引は、くぎの先端を100mm/分の速度で移動しながら、くぎの頭部自体がサンプルを通過するまで掛けられる。くぎの頭部をサンプルに通すのに要求される力は、N又はLBFで記録される。この試験はまた、0±2℃及び70±2℃の温度(70℃で規格から逸脱)で実施される。
【0140】
試験結果を以下に記録する。
23±2℃での従来の単層タイル:
必要な力:21LBF
23±2℃での単層タイプの本発明の知見のタイル物体:
必要な力:35LBF
23±2℃での従来の2重層タイル:
必要な力:32LBF
23±2℃での2重層タイルの知見のタイル物体:
必要な力:59LBF
0±2℃での従来の単層タイル:
必要な力:24LBF
0±2℃での単層タイプの本発明の知見のタイル物体:
必要な力:38LBF
0±2℃での従来の2重層タイル:
必要な力:42LBF
0±2℃での2重層タイルの知見のタイル物体:
必要な力:115LBF
70±2℃での従来の単層タイル:
必要な力:5LBF
70±2℃での単層タイプの本発明の知見のタイル物体:
必要な力:16LBF
70±2℃での従来の2重層タイル:
必要な力:19LBF
70±2℃での2重層タイルの知見のタイル物体:
必要な力:29LBF
【0141】
本発明の知見によるタイルは、単層又は2重層の両方で公知のタイプのタイルよりも大きいくぎ打ち強度を示した。
【0142】
くぎ引き抜き抵抗試験(ASTM D3462規格の逸脱)
この試験では、ASTM D3462規格に従ったくぎ打ち強度と組み合わせた上記と類似の手順が適用され、試験に使用されたくぎの頭部直径の大きさの変更のみ(9.0mmから15.6mmまで変動する頭部直径)行っている。
【0143】
試験結果を以下に報告する。
従来の単層タイル
必要な力(頭部直径9mm):21LBF
必要な力(頭部直径9.6mm):23LBF
必要な力(頭部直径11.8mm):29LBF
必要な力(頭部径15.6mm):31LBF
単層タイプの本発明の知見のタイル物体:
必要な力(頭部径9mm):35LBF
必要な力(頭部径9.6mm):35LBF:46LBF
必要な力(頭部直径11.8mm):49LBF
必要な力(頭部直径15.6mm):51LBF
【0144】
本発明の知見によるタイルは、公知のタイプのタイルよりも遥かに大きいくぎ打ち強度を示した。
【0145】
ASTM D4977-89規格によるブラシ試験
この試験では、(277mmx70mmのサイズの)5つの矩形のタイルサンプルが露出セクションから採取され、ステンレス鋼で作られたブラシ(ASTM D-4977-89仕様、GRANULE EMDEBBING TEST MACHINEに準拠した機器3M)を使用して50回のブラッシングサイクルを受けた。
【0146】
試験の開始及び終了でサンプルが計量され、損失砂粒及び支持体に付着して残った砂粒の百分率が決定された。
【0147】
試験結果を以下に記録する。
従来の単層タイル:
ブラッシング前後の重量差:0.28g.
単層タイプの本発明の知見のタイル物体:
ブラッシング前後の重量差:0.15g
【0148】
本発明の知見によるタイルは、ブラッシング後に公知のタイプのタイルよりも多い砂粒を維持した。
【0149】
ブリスタリング試験第1(EN544-2005の逸脱、標準化なし)
この試験では、タイルの5つの「ピッチ」は、23℃(±2℃)の温度で水中に24時間にわたって維持された。次いで、90℃でストーブに2時間入れられ、室温(約23℃)で恒温槽に1分間にわたって浸漬された。ピッチは、優しく乾燥させ、2つ又は3つの10cm×10cmの正方形サンプルがそこから切り出された。各サンプルに関して1cmの幅を有する平行な10本のストリップが切り出され、互いの上に位置決めされた後に、気泡の有無とその大きさ(1mmよりも大きい及び小さい)が評価された。結果は、存在する気泡の数と1mmよりも大きい気泡の数との間の比として表される。
【0150】
試験結果を以下に記録する。
従来の単層タイル:
21個の気泡、そのうちの1mmよりも大きい気泡は、6個である。
単層タイプの本発明の知見のタイル物体:
6個の気泡、そのうちの1mmよりも大きい気泡は、1個である。
【0151】
ブリスタリング試験第2(-10/+90℃熱サイクルによるEN544の逸脱)
この試験では、5ピッチのタイルが23℃(±2℃)の水中で24時間、-10℃で12時間、90℃のストーブで12時間にわたって10回の熱サイクルを受けた。
【0152】
サンプルが表面気泡/膨脹の出現を示さない場合に、ブリスタリング現象は発生していない。
【0153】
試験を受けたサンプルは、支持体をアスファルトから出現させるために無傷ピッチ及び裂け/損傷ピッチで構成される。
【0154】
試験結果を以下に記録する。
従来の単層タイル:
ブリスタリングの最小の存在が発見された。
単層タイプの本発明の知見のタイル物体:
ブリスタリングの存在が発見された。
【0155】
EN544規格による吸水試験
この試験では、5つの正方形のタイルサンプル(100±3mm×100±3mm)が計量され、23±2℃で恒温水槽に6日間入れられる。サンプルは、上記時間範囲後に、50℃でストーブに1時間にわたって乾燥させ、次に計量される。各サンプルの重量の百分率増加は、上記時間範囲後に検出される。試験結果を以下に記録する。
従来の単層タイル:
重量百分率増加:0.500%
単層タイプの本発明の知見のタイル物体:
重量百分率増加:0.40%
【0156】
透水試験(アスファルト膜に関するASTM D7349/D7349M-15規格の逸脱)
この試験では、単層タイル及び積層タイルに関するプロトコル第4を有するASTM D7349規格(72時間、4℃、125mmH2O)が適用され、サンプル/木質基板の水通過が評価される。
【0157】
試験結果を以下に記録する。
従来の単層タイル:
最少水通過
単層タイプの本発明の知見のタイル物体:
水通過なし
従来の2重層タイル
水通過なし
2重層タイプの本発明の知見のタイル物体:
水通過なし
【0158】
従って、本発明の知見は、上述の目標及び目的を解決することが見出される。その理由は、本発明の知見によるタイルは、ベース層の第1の主面の少なくとも80%、より好ましくは100%を覆うネットの存在に起因して外部応力に対して最適に抵抗し、従って、破損のリスクの低減を有するからである。
【0159】
実際に、ネットの存在は、支持層の機械的強度を高め、アスファルト層との接着性を改善し、分離のリスクを低減する。
【0160】
ベース層とネットの適合性は、タイルに強度を与え、ベース層は、外部応力を受けた場合に(例えば、曲げ、暴風、強風などに起因して)裂けに抵抗することができるようになっている。
【0161】
更に、特に可能性のあるくぎ打ちゾーン(タイルを例えば屋根に固定するためにくぎが打たれる可能性のあるゾーン)では、ネットの存在は、特にネットがガラス繊維で作られる場合に、くぎの頭部が係合したままであることを可能にし、上記頭部の下に潜在的に起こる可能性がある応力に抵抗するのに十分な材料があることを保証する。
【0162】
更に、ネットは、敷設段階でのタイルの穿孔強度を高め、その結果、例えば、くぎ打ちガンの高すぎる圧力に起因するタイルの損傷の可能性が防止される。
【0163】
ベース層の第1の主面の少なくとも80%、より好ましくは100%を覆うネットの延長は、くぎを位置決めすることができる広いくぎ打ちゾーン(ネットの延長に対応)を取り付け作業員に提供するのでくぎ打ちによるタイルの敷設を容易にする。
【0164】
更に、砂粒から離れる方向に面する支持層の側(使用時にタイルの下側及び従って目に見えない面に対応する)にのみネットが存在することは、タイルの美観上の特徴に影響を与えず、更に、ネットは、(そのメッシュの間にそれを取り囲む)砂粒の顆粒の付着に有用なアスファルト化合物を低減しないことを保証する。
【0165】
更に、具体的に採用された有利な実施形態に応じて、本発明の知見によるタイルは、公知のタイプの砂粒コーティングを有するアスファルトタイルに対して1又は2以上の更なる利点を有する。
【0166】
特に、場合によって支持層を1又は2以上の接着促進剤で処理することにより、アスファルト化合物に対する相溶性が改善し、上記1又は2以上の接着促進剤に起因して、化合物は、支持層の繊維/フィラメントの間の間隙を通って及びその間隙で最適に拡散及び流動し、冷却された状態で支持層との強力な機械的-本質的結合を形成する。
【0167】
上記結合は、タイルが変形した場合でさえも、アスファルト化合物と支持層の間の剥離現象を防止する。
【0168】
支持層とアスファルトとのより大きい相互作用及び適合性も、ネットをベース層と結合させるのに使用される可能性があるポリマー結合剤によって増進される。
【0169】
更に、アスファルト層間に封入されたベース層及びネットを有利に含む支持層の存在は、支持層が大気中の薬剤に直接露出されないのでタイルの大きさ及び機械的強度が経時的に維持されることを保証する。
【0170】
更に、支持層を事前含浸して第1及び/又は第2の中間アスファルト層を取得するために潜在的に改質アスファルト化合物を使用することは、第1及び第2の外部アスファルト層を形成するアスファルトとの支持層の適合性を増進する。
【0171】
アスファルトに含まれる可能性がある融剤及び接着促進剤は、その粘性を低減し、支持体層の繊維の含浸を増進させ、異なる構成要素間の強力な結合を生成し、アスファルト-支持体の剥離の可能性を防止する。
【0172】
限定タイルでのあり得る異なるアスファルト化合物の存在により、同じタイルにより弾塑性の特質及びより大きい機械的応力及び変形強度が付与される。アスファルト層を層状化することにより、様々なアスファルト化合物の単一特徴間の相乗効果を取得することができる。
【0173】
支持層とアスファルト化合物の間の強い相互作用は、水/湿気がタイルに浸透することを許容せず、ブリスタリング及び/又は層間剥離(支持層がアスファルト化合物によって完全かつ強固に含浸されていない場合に発生する事象)のような劣化現象を引き起こさない。
【0174】
更に、タイルを作る方法は、有利には連続的かつ低コストであり、限定生成物での美的変動を伴わない。
【0175】
更に、ベース層に適合するネットの使用に起因して従来技術よりも低い単位面積当たりの質量及び厚み、例えば、80~125g/m2から30~50g/m2を有するガラスベール層をベース層に使用することができる。
【0176】
更に、アスファルト単層タイルの有利な事例では、タイルを敷いて別のタイルを部分的に覆うときに、上に位置決めされたタイルの接着性アスファルト層と下に位置決めされたタイルのあり得る「パッド」との間に強力かつ耐久性のある接着が生じ、その理由は、パッドのアスファルト化合物と接着性アスファルト層の接着性アスファルト化合物とは、加熱時に完全に混合/適合するからであり、上記効果は、特にくぎ又は他の固定要素がペーストに対して中心的に打ち込まれる場合に、互いに固定されたタイルの完全な密封性及び不浸透性を決定する。
【0177】
最後に、本明細書に説明する本発明の知見によるタイルとその形成方法は、いくつかの修正又は変形が可能であり、その全ては、本発明の知見の範囲にあることは明らかであり、更に、その詳細の全ては、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく技術的に同等な要素によって交換可能である。
【外国語明細書】