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特開2024-120203制御装置、報知システム、制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120203
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】制御装置、報知システム、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240829BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026839
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】石井 佳奈
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA25
5H181AA26
5H181AA27
5H181CC04
5H181EE15
5H181FF05
5H181FF10
5H181FF25
5H181FF32
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】道路において異常が発生した際に、他者に注意喚起を行うことを支援することが可能な制御装置等を提供することを目的の一つとする。
【解決手段】本開示の一態様にかかる制御装置は、道路が撮影された撮影画像を取得する取得手段と、取得された前記撮影画像から、異常を示す事象を検出する検出手段と、前記事象が発生した前記道路上の位置を特定する特定手段と、特定された前記位置の、前記道路における車両の走行すべき方向に対して後方に設置された報知装置に、危険を報知するための目印を出力させる出力制御手段と、を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路が撮影された撮影画像を取得する取得手段と、
取得された前記撮影画像から、異常を示す事象を検出する検出手段と、
前記事象が発生した前記道路上の位置を特定する特定手段と、
特定された前記位置の、前記道路における車両の走行すべき方向に対して後方に設置された報知装置に、危険を報知するための目印を出力させる出力制御手段と、を備える、
制御装置。
【請求項2】
前記目印は、前記報知装置に搭載された、危険を報知するための器具であり、
前記出力制御手段は、前記器具を前記道路に対して繰り出すよう前記報知装置を制御する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記出力制御手段は、特定された前記位置の、前記道路における車両の走行すべき方向に対して後方に設置された前記報知装置のうち、特定された前記位置から第1の距離以内に設置された報知装置と、特定された前記位置から第2の距離以上離れた報知装置と、に前記目印を出力させ、
前記第2の距離は、前記第1の距離より長い、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
複数の前記報知装置が、前記道路に沿って設置され、
前記事象は、停止車両の発生であり、
前記出力制御手段が、前記報知装置のいずれかに前記目印を出力させた場合に、
前記検出手段は、前記停止車両の移動を検出し、
前記特定手段は、移動した前記停止車両が再停止した位置である再停止位置を特定し、
前記出力制御手段は、前記再停止位置に応じて、前記目印を出力させる報知装置を変更する、
請求項1乃至3のいずれかに記載の制御装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記撮影画像から、降車した人物を検出する、
前記検出手段によって、前記事象が検出され、さらに前記人物が検出された場合、
前記特定手段は、前記人物の位置を特定し、
前記出力制御手段は、特定された前記人物の位置から所定範囲内に設置されたスピーカーに、注意喚起を示す音声を出力させる、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記検出手段によって前記事象が検出された場合、前記道路の管理者が所有する端末に、前記事象が発生した際の撮影画像と特定された前記位置を示す情報とを通知する通知手段を備える、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記検出手段によって前記事象が検出された場合、前記道路を走行する車両のうち、特定された前記位置から所定の範囲内を走行する車両に紐づく機器に、前記事象が発生したことを通知する通知手段を備える、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
制御装置と、報知装置と、を備え、
前記制御装置は、
道路が撮影された撮影画像を取得する取得手段と、
取得された前記撮影画像から、異常を示す事象を検出する検出手段と、
前記事象が発生した前記道路上の位置を特定する特定手段と、
特定された前記位置の、前記道路の進行方向に対して後方に設置された報知装置に、危険を報知するための目印を出力させる出力制御手段と、を備え、
前記報知装置は、
前記目印を搭載し、
前記出力制御手段の制御によって、前記目印を前記報知装置の内部から繰り出す駆動手段を備える、
報知システム。
【請求項9】
道路が撮影された撮影画像を取得し、
取得された前記撮影画像から、異常を示す事象を検出し、
前記事象が発生した前記道路上の位置を特定し、
特定された前記位置の、前記道路における車両の走行すべき方向に対して後方に設置された報知装置に、危険を報知するための目印を出力させる、
制御方法。
【請求項10】
道路が撮影された撮影画像を取得する処理と、
取得された前記撮影画像から、異常を示す事象を検出する処理と、
前記事象が発生した前記道路上の位置を特定する処理と、
特定された前記位置の、前記道路における車両の走行すべき方向に対して後方に設置された報知装置に、危険を報知するための目印を出力させる処理と、をコンピュータに実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、周囲への報知を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両が走行する道路において、事故及び故障等で車両が停止した場合、当該車両の運転手は停止表示器具を設置する。これにより、後続車両に、停止した車両の存在を知らせることができる。このような停止表示器具は、三角表示板と呼ばれることもある。
【0003】
停止表示器具を設置しない場合、後続車両の運転手は、停止した車両に気づかず、追突してしまう可能性が高くなる。そのため、後続車両に対して注意喚起を行う技術が存在する。
【0004】
例えば、特許文献1には、車両に搭載される画像表示装置が、路面に報知画像を表示することにより、他者に情報を報知することが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-149859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような停止表示器具を設置する状況の一例は、事故及び故障等により車両が道路上で停止する状況である。このような場合、停止した車両に搭載された装置が、事故または故障の影響により、正常に動作しない可能性がある。すなわち、特許文献1に開示される技術においては、車両に搭載される画像表示装置が、事故及び故障等により正常に動作しない可能性がある。
【0007】
本開示は、上記課題を鑑みてなされたものであり、道路において異常が発生した際に、他者に注意喚起を行うことを支援することが可能な制御装置等を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様にかかる制御装置は、道路が撮影された撮影画像を取得する取得手段と、取得された前記撮影画像から、異常を示す事象を検出する検出手段と、前記事象が発生した前記道路上の位置を特定する特定手段と、特定された前記位置の、前記道路における車両の走行すべき方向に対して後方に設置された報知装置に、危険を報知するための目印を出力させる出力制御手段と、を備える。
【0009】
本開示の一態様にかかる報知システムは、制御装置と、報知装置と、を備え、前記制御装置は、道路が撮影された撮影画像を取得する取得手段と、取得された前記撮影画像から、異常を示す事象を検出する検出手段と、前記事象が発生した前記道路上の位置を特定する特定手段と、特定された前記位置の、前記道路における車両の走行すべき方向に対して後方に設置された報知装置に、危険を報知するための目印を出力させる出力制御手段と、を備え、前記報知装置は、前記目印を搭載し、前記出力制御手段の制御によって、前記目印を報知装置の内部から繰り出す駆動手段を備える。
【0010】
本開示の一態様にかかる制御方法は、道路が撮影された撮影画像を取得し、取得された前記撮影画像から、異常を示す事象を検出し、前記事象が発生した前記道路上の位置を特定し、特定された前記位置の、前記道路における車両の走行すべき方向に対して後方に設置された報知装置に、危険を報知するための目印を出力させる。
【0011】
本開示の一態様にかかるプログラムは、道路が撮影された撮影画像を取得する処理と、取得された前記撮影画像から、異常を示す事象を検出する処理と、前記事象が発生した前記道路上の位置を特定する処理と、特定された前記位置の、前記道路における車両の走行すべき方向に対して後方に設置された報知装置に、危険を報知するための目印を出力させる処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、道路において異常が発生した際に、他者に注意喚起を行うことを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態の報知システムの構成の一例を模式的に示す図である。
図2】第1の実施形態の制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態の制御装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
図4】第2の実施形態の報知システムの構成の一例を示す図である。
図5】第2の実施形態の報知装置の設置例を示す図である。
図6】第2の実施形態の報知システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図7A】第2の実施形態の駆動部の第1の例を示す図である。
図7B】第2の実施形態の駆動部の第2の例を示す図である。
図8】第2の実施形態の目印の第1の出力例を示す図である。
図9】第2の実施形態の目印の第2の出力例を示す図である。
図10】第2の実施形態の制御装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
図11】第3の実施形態の報知システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図12】第3の実施形態の事象が変化する状況の一例を示す図である。
図13】第3の実施形態の制御装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
図14】第4の実施形態の報知システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図15】第4の実施形態の制御装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
図16】本開示の第1、第2、第3、及び第4の実施形態の報知システムを実現するコンピュータ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
<第1の実施形態>
第1の実施形態の制御装置の概要について説明する。
【0016】
図1は、報知システム1000の構成の一例を模式的に示す図である。報知システム1000は、少なくとも制御装置100と報知装置200とを含む。図1の例では、報知システム1000は、制御装置100と報知装置200と撮影装置300とを有する。制御装置100は、報知装置200及び撮影装置300と、ネットワークを介して通信可能に接続される。
【0017】
報知装置200は、危険を報知するための目印を出力する。報知装置200は、道路付近に設置される。例えば、報知装置200は、道路脇、及び、中央分離帯等に設置されてもよいし、支柱を利用して道路の上部の空間に設置されてもよい。報知装置200は複数存在してよい。複数の報知装置200は、例えば道路に沿って設置される。
【0018】
撮影装置300は、道路を撮影する。撮影装置300は、道路付近に設置されてよい。例えば、撮影装置300は、道路脇、及び、中央分離帯等に設置されてもよいし、道路の支柱を利用して道路の上部の空間に設置されてもよい。撮影装置300は複数存在してよい。この場合、撮影装置300は、例えば、道路に沿って設置されてよい。また、撮影装置300は、車両、航空機、及び船舶等の移動体に搭載される装置であってよい。
【0019】
報知装置200と撮影装置300とは、一体の装置であってもよい。
【0020】
制御装置100は、撮影装置300から取得される情報に基づいて、報知装置200を制御する。制御装置100は、例えばサーバである。制御装置100は、クラウドサーバとして実現されてもよい。
【0021】
次に制御装置100の機能構成の一例を説明する。図2は、制御装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、制御装置100は、取得部110と検出部120と特定部130と出力制御部140とを備える。
【0022】
取得部110は、撮影装置300から撮影画像を取得する。撮影装置300は、道路を撮影する。すなわち撮影画像は、道路が撮影された画像である。撮影装置300が複数存在する場合、取得部110は、撮影装置300のそれぞれから撮影画像を取得してよい。
【0023】
このように、取得部110は、道路が撮影された撮影画像を取得する。取得部110は、取得手段の一例である。
【0024】
検出部120は、撮影画像から、異常を示す事象を検出する。事象は、例えば、事故、停止車両、及び落下物の発生である。停止車両には、事故または故障により停止する車両等が含まれる。ここで、車両は、自動車、自動二輪車、及び自転車等を含む。本開示における車両は、道路を走行可能な乗り物であればよい。落下物には、落石、及び、車両から落下した積荷等が含まれる。この例に限られず、事象は、円滑な交通を妨げ得る出来事を示すものであればよい。検出部120は、既存の画像処理手法を用いて、撮影画像から事象を検出する。例えば、検出部120は、時系列の撮影画像に基づいて停止車両を検出してよい。また、例えば、検出部120は、撮影画像に含まれる石を、落石として検出してもよい。事象の検出手法はこの例に限られない。
【0025】
図1に示される状況では、道路脇に撮影装置300と報知装置200とが設置されている。車両Aは、事故により横転している。車両Bは、車両Aに対する後続車両である。この場合において検出部120は、車両Aが映る撮影画像から、事故の発生、または、停止車両の発生を、異常を示す事象として検出する。
【0026】
このように、検出部120は、取得された撮影画像から、異常を示す事象を検出する。検出部120は、検出手段の一例である。
【0027】
特定部130は、事象が発生した位置を特定する。例えば、撮影装置300は、撮影画像とともに、撮影したときの位置情報を制御装置100に送信する。このとき取得部110は、撮影画像と、当該撮影画像に対応する位置情報と、を取得する。特定部130は、事象が検出された撮影画像に対応する位置情報を特定する。そして、特定部130は、特定された位置情報と、道路を含む地図情報と、撮影画像上の事象の発生箇所と、に基づいて、事象が発生した道路上の位置を特定する。なお、このとき、特定部130は、特定された位置情報が示す位置を、事象が発生した道路上の位置として特定してもよい。
【0028】
また、例えば、撮影装置300が設置された場所を示す位置情報が、制御装置100が有する記憶装置(図示せず)に予め格納されているとする。このとき、特定部130は、事象が検出された撮影画像を撮影した撮影装置300を特定する。そして、特定部130は、特定された撮影装置300の位置情報を、記憶装置から取得する。特定部130は、当該取得された位置情報と、道路を含む地図情報と、撮影画像上の事象の発生箇所と、に基づいて、事象が発生した道路上の位置を特定する。このとき、特定部130は、取得された位置情報が示す位置を、事象が発生した道路上の位置として特定してよい。なお、位置の特定方法はこの例に限られない。
【0029】
このように、特定部130は、事象が発生した道路上の位置を特定する。特定部130は、特定手段の一例である。
【0030】
出力制御部140は、特定された位置に基づいて報知装置200を制御する。具体的には、出力制御部140は、特定された位置の、道路における車両の走行すべき方向に対して後方に設置された報知装置200を特定する。道路における車両の走行すべき方向とは、各道路について予め設定される、車両が通行可能な方向である。道路における車両の走行すべき方向は、例えば、法律等で定められる。道路における車両の走行すべき方向に対して後方とは、特定された道路上の所定の位置を基準とした場合の後続車両側を示す。なお、本開示において、道路における車両の走行すべき方向を、単に「進行方向」とも称する。
【0031】
図1に示される状況では、「進行方向」という記載とともに示された矢印の方向が、道路における車両の走行すべき方向を示す。例えば、車両Aの位置が、事象が発生した道路上の位置として特定される。このとき、出力制御部140は、車両Aの位置を基準とした場合の車両B側に設置された報知装置200を特定する。
【0032】
そして、出力制御部140は、特定された報知装置200に、危険を報知するための目印を出力させる。目印の一例は、停止表示器具である。例えば、報知装置200が停止表示器具を格納している場合、出力制御部140は、停止表示器具を報知装置200から道路の方向へ繰り出すよう、報知装置200を制御する。また、例えば、報知装置200が、プロジェクタ等の投影機能を有している場合、出力制御部140は、停止表示器具を示す画像を、道路上に投影させてもよい。
【0033】
このように、出力制御部140は、特定された位置の、道路における車両の走行すべき方向に対して後方に設置された報知装置200に、危険を報知するための目印を出力させる。出力制御部140は、出力制御手段の一例である。
【0034】
次に、制御装置100の動作の一例を、図3を用いて説明する。なお本開示において、フローチャートの各ステップを「S1」のように、各ステップに付した番号を用いて表現する。
【0035】
図3は、制御装置100の動作の一例を説明するフローチャートである。取得部110は、道路が撮影された撮影画像を取得する(S1)。検出部120は、取得された撮影画像から、異常を示す事象を検出する(S2)。特定部130は、事象が発生した道路上の位置を特定する(S3)。出力制御部140は、特定された位置の、道路における車両の走行すべき方向に対して後方に設置された報知装置200に、危険を報知するための目印を出力させる(S4)。
【0036】
このように、第1の実施形態の制御装置100は、道路が撮影された撮影画像を取得し、取得された撮影画像から、異常を示す事象を検出する。そして、制御装置100は、事象が発生した道路上の位置を特定し、特定された位置の、道路における車両の走行すべき方向に対して後方に設置された報知装置200に、危険を報知するための目印を出力させる。
【0037】
これにより、制御装置100は、道路で異常を示す事象が発生した場合に、後続車両に対して注意喚起を行うことができる。車両に報知機能を有する装置を搭載して、車両が停止した際に当該装置から情報を報知する場合、事故及び故障等の影響により、当該装置が正常動作しない可能性がある。また、この場合には、車両に当該装置が搭載されていない場合、情報を報知することができない。これに対して、制御装置100は、予め設置された報知装置200に、危険を報知するための目印を出力させる。そのため、車両の状況に関わらず、危険を報知するための目印を出力させることができる。すなわち、制御装置100は、道路において異常が発生した際に、他者に注意喚起を行うことを支援することができる。
【0038】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態の報知システムについて説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した報知システムに関する更なる例を説明する。なお、第1の実施形態と重複する内容は、一部説明を省略する。
【0039】
図4は、報知システム1000の構成の一例を示す図である。図4に示すように、報知システム1000は、制御装置100と報知装置200-1、200-2、・・・、200-n(nは自然数)と撮影装置300-1、300-2、・・・、300-m(mは自然数)とを備える。本開示において、報知装置200-1、200-2、・・・、200-nのそれぞれを区別しない場合、単に報知装置200と称する。また、本開示において、撮影装置300-1、300-2、・・・、300-mのそれぞれを区別しない場合、単に撮影装置300と称する。
【0040】
報知装置200と撮影装置300との数は異なっていてもよいし、同じであってもよい。撮影装置300は、報知装置200に搭載されてもよい。
【0041】
図5は、報知装置200の設置例を示す図である。図5の例では、道路脇に複数の報知装置200が設置されている。報知装置200は、一定間隔で道路に沿って設置されてよい。例えば、報知装置200は、50メートル間隔で設置されてよい。撮影装置300も同様に、一定間隔で道路に沿って設置されてよい。
【0042】
図5の例では、道路上に車両Cが存在する。ここで、車両Cの前方は、車両Cの位置を基準としたときの道路における車両の走行すべき方向を示す。言い換えると、車両Cの前方は、車両Cの位置を基準としたときの先行車両側を示す。また、車両Cの後方は、車両Cの位置を基準としたときの道路における車両の走行すべき方向の反対方向を示す。言い換えると、車両Cの後方は、車両Cの位置を基準としたときの後続車両側を示す。以降、本開示において、単に「前方」と記載するときは、道路における車両の走行すべき方向を示すものとする。また、単に「後方」と記載するときは、道路における車両の走行すべき方向の反対方向を示すものとする。
【0043】
[報知システム1000の詳細]
図6は、報知システム1000の機能構成の一例を示すブロック図である。制御装置100は、取得部110と検出部120と特定部130と出力制御部140とを備える。さらに制御装置100は、記憶装置190を有する。なお、記憶装置190は、制御装置100と通信可能に接続される外部の装置であってもよい。
【0044】
報知装置200は、駆動部210と表示部220と音声出力部230とを備える。報知装置200の機能構成については後述する。
【0045】
取得部110は、撮影装置300のそれぞれから撮影画像を取得する。このとき、撮影画像とともに、撮影装置300の識別情報を取得してもよい。
【0046】
検出部120は、撮影画像から異常を示す事象を検出する。例えば、検出部120は、時系列の撮影画像の差分をとることにより、一定時間以上停止している車両を検出する。そして、検出部120は、一定時間以上停止している車両を検出したことに応じて、停止車両の発生を検出する。このとき、検出部120は、停止車両が、単に一時停止しているか、故障等でやむを得ず停止しているかを判別してよい。例えば、単に一時停止する場合と、故障により停止する場合と、では車両の動作が異なる。そこで、検出部120は、時系列の撮影画像から、車両が停止するまでの動作を観測する。そして、検出部120は、観測された動作から、停止車両が単なる一時停止であるか故障による停止であるか判別してよい。
【0047】
また、例えば検出部120は、撮影画像から特徴量を抽出する。このとき、所定の物体を示す情報と特徴量とが関連付けられた特徴量データベースが、記憶装置190に予め格納される。そして検出部120は、抽出された特徴量と、特徴量データベースの特徴量と、を比較することにより、所定の物体を検出する。このように検出部120は、所定の物体を検出することにより、道路上の落下物の発生を検出してよい。この場合、所定の物体とは、落石、及び、車両から落下した積荷等の車両以外の物体である。そのため、検出部120は、撮影画像上の道路を示す領域において車両以外の物体を検出したことに応じて、落下物の発生を検出してもよい。
【0048】
また、検出部120は、機械学習を利用して異常を示す事象を検出してよい。このとき、検出部120は、所定の学習が行われた学習モデルを利用する。学習モデルは、撮影画像と異常を示す事象との関係が、機械学習によって学習されたモデルである。この場合、検出部120は、学習モデルに時系列の撮影画像を入力する。例えば、学習モデルにおいて、事故であることが出力された場合、検出部120は、事故の発生を検出する。このように、検出部120は、学習モデルを利用して、発生した事象が、事故であるか、停止車両であるか、及び落下物であるかを判別してよい。学習モデルは、例えば、ニューラルネットワークを用いた深層学習等により学習されたものであるが、この例に限られない。学習モデルは、記憶装置190に格納されてよい。
【0049】
特定部130は、検出された事象が発生した位置を特定する。例えば、撮影装置300の識別情報と、撮影装置300が設置された場所を示す位置情報と、が対応付けられた撮影装置情報が、記憶装置190に格納される。この場合、特定部130は、事象が検出された際の撮影画像とともに送信された識別情報を取得する。そして、撮影装置情報に基づいて、取得された識別情報に対応する位置情報を特定する。特定部130は、当該特定された位置情報を、検出された事象が発生した位置として特定してよい。また、道路を含む地図データが存在する場合、特定部130は、撮影装置情報から特定した位置情報と、当該地図データと、撮影画像上の事象が検出された領域と、から、検出された事象が発生した道路上の位置を特定してよい。
【0050】
出力制御部140は、特定部130によって特定された位置に基づいて、報知装置200を選択する。このとき、報知装置200の位置情報と報知装置200の識別情報とが関連付けられた報知装置情報が記憶装置190に格納される。出力制御部140は、報知装置情報に基づいて、特定部130によって特定された位置から所定の範囲内であって、特定された位置の後方に設置された報知装置200を選択する。そして、出力制御部140は、選択した報知装置200に、危険を報知するための目印を出力させる。
【0051】
ここで、報知装置200に対する出力制御の具体例を説明する。
【0052】
まず、駆動部210による目印の出力について説明する。報知装置200は、駆動部210を搭載する。駆動部210は、標識及び電光掲示板等の器具を、道路に対して繰り出す部材である。標識は、特定の記号及びマーク並びに文字の少なくともいずれかが記載される。標識の一例は、停止表示器具である。器具は、目印の一例である。
【0053】
図7Aは、駆動部210の第1の例を示す図である。例えば、図7Aに示されるように、報知装置200に駆動部210が格納される。この例では、駆動部210は、アームとアームの先端に接続された器具とを含む。図7Aの例では、アームの先端に停止表示器具(三角表示板)が接続される。出力制御部140により、駆動部210は駆動する。具体的には、出力制御部140の制御により、駆動部210のアームが伸縮する。
【0054】
図7Bは、駆動部210の第2の例を示す図である。図7Bの例では、駆動部210のアームが伸びて、アームの一部と器具とが報知装置200の外部に繰り出されている。このように、駆動部210は、アームの伸縮により器具を報知装置200の内部に格納したり、報知装置200の外部に繰り出したりする。すなわち、出力制御部140は、特定した報知装置200の駆動部210を制御して、報知装置200に格納される器具を繰り出させる。
【0055】
図8は、目印の第1の出力例を示す図である。具体的には、図8は、出力制御部140により、報知装置200から器具が繰り出される例を示す。図8に示される状況において、車両Cが停止車両であるとする。このとき、出力制御部140は、車両Cの後方に設置された報知装置200を選択する。この例では、車両Cに最も近い報知装置200-2が選択されている。そして、出力制御部140は、報知装置200-2の駆動部210を制御し、道路に対して器具を繰りださせる。この例では、器具は、三角表示板である。これにより、車両Cに対する後続車両に対して、危険を報知することができる。
【0056】
このように、目印は、報知装置200に搭載された、危険を報知するための器具であってよい。そして、出力制御部140は、器具を道路に対して繰り出すよう報知装置200を制御してよい。駆動部210は、出力制御部140の制御によって、目印の一例である器具を、報知装置200の内部から繰り出す。駆動部210は、駆動手段の一例である。
【0057】
次に表示部220による目印の出力について説明する。報知装置200は、表示部220を搭載する。表示部220は、プロジェクタ及びディスプレイ等、各種の情報を表示することが可能な装置である。
【0058】
表示部220がプロジェクタである場合、表示部220は、道路に目印を示す画像を投影する。図9は、目印の第2の出力例を示す図である。具体的には、図9は、出力制御部140により、報知装置200から画像が投影される例を示す。図9に示される例において、車両Cが停止車両であるとする。このとき、図8の例と同様に、出力制御部140は、報知装置200-2を選択する。そして、出力制御部140は、報知装置200-2を制御し、道路に画像を投影させる。画像は、地面に対して投影される二次元画像であってもよいし、ホログラム等のような三次元画像であってもよい。これにより、車両Cの後続車両に対して、危険を報知することができる。
【0059】
同様に、表示部220がディスプレイである場合、出力制御部140は、ディスプレイに目印を示す画像を表示させる。報知装置200は、道路脇、または、道路上部の空間に設置されるので、後続車両は、表示された画像を認識することができる。
【0060】
なお、図8及び図9の例では、車両Cの位置(すなわち事象が発生した道路上の位置)の後方であって、車両Cの位置から、最も近い報知装置200を、出力制御部140が選択する例を説明した。報知装置200の選択方法はこの例に限られない。例えば、出力制御部140は、車両Cの位置の後方であって、車両Cの位置から所定の距離以上離れた報知装置200のうち、最も車両Cに近い報知装置200を選択してもよい。例えば、出力制御部140は、車両Cから50メートル以上後方に設置される報知装置200のうち、車両Cに最も近い報知装置200を選択してよい。図8の例において、報知装置200が50メートル間隔で設置されているとする。このとき、車両Cから最も近い報知装置200は、報知装置200-2である。しかしながら、車両Cと報知装置200-2とは50メートル以上離れていない。そのため、この場合、出力制御部140は、報知装置200-3を選択してよい。
【0061】
このように、出力制御部140は、事象が発生した道路上の位置の後方であって、当該位置から所定の距離以上離れた報知装置200のうち、当該位置と最も近い報知装置200を選択してよい。事象が発生した位置からある程度離れた位置に目印を出力させることができるので、後続車両の運転手により早く注意喚起を行うことができる。
【0062】
また、出力制御部140は、複数の報知装置200に目印を出力させてよい。例えば、事象が発生した道路上の位置から後方50メートル以内に設置された報知装置200と、事象が発生した道路上の位置から後方に8000メートル以上離れた報知装置200と、に目印を出力させてよい。
【0063】
このように、出力制御部140は、特定された位置の、道路における車両の走行すべき方向に対して後方に設置された報知装置200のうち、特定された位置から第1の距離以内に設置された報知装置200と、特定された位置から第2の距離以上離れた報知装置200と、に目印を出力させてよい。なお第2の距離は、第1の距離より長い。
【0064】
このとき、出力制御部140は、報知装置200のそれぞれに異なる目印を出力させてよい。例えば、出力制御部140は、50メートル以内に設置された報知装置200には、三角表示板を道路に繰り出させ、8000メートル離れた報知装置200には、「この先停止車両有り」といった文字を表示させてよい。例えば、道路が高速道路であれば、時速100キロメートルを超える速度で走行する車両も存在する。車両が時速100キロメートルで走行しているとすると、8000メートル離れた報知装置200に目印を出力させることにより、報知装置200は、当該車両に対して、事象が発生した位置に到着する5分前に注意喚起を行うことができる。
【0065】
さらに、出力制御部140は、報知装置200に音声を出力させてもよい。報知装置200は、音声出力部230を搭載する。音声出力部230は、スピーカー等の音声を出力することが可能な装置である。例えば、出力制御部140は、上述のように選択した報知装置200に対して、注意喚起を示す音声を出力させてよい。
【0066】
このとき、出力制御部140は、事象が発生した位置に最も近い報知装置200を選択してよい。そして、出力制御部140は、事象が発生した位置に最も近い報知装置200に音声を出力させてよい。例えば、事故及び停止車両が発生した場合、車両の運転手が、状況の確認のために降車する可能性がある。そのため、出力制御部140は、このような運転手に対して、道路脇への退避を促す音声を報知装置200に出力させる。また、出力制御部140は、検出された事象の種類によって出力させる音声を変えてもよい。例えば、事故の発生及び故障による停止車両の発生が検出された場合、出力制御部140は、道路脇への退避を促す音声を出力させる。一方で、単なる一時停止による停止車両の発生が検出された場合、出力制御部140は、一時停止をやめるよう促す音声を出力させてよい。
【0067】
[制御装置100の動作例]
次に、制御装置100の動作の一例を、図10を用いて説明する。本動作例では、道路上で停止車両が発生した場合の制御装置100の動作を説明する。
【0068】
図10は、制御装置100の動作の一例を説明するフローチャートである。まず取得部110は、撮影装置300のそれぞれから、撮影画像を取得する(S101)。検出部120は、取得された撮影画像から異常を示す事象を検出する(S102)。具体的には、検出部120は、撮影画像から、停止車両の発生を検出する。
【0069】
特定部130は、事象が発生した道路上の位置を特定する(S103)。具体的には、特定部130は、停止車両の位置を特定する。このとき、特定部130は、例えば、撮影装置情報に基づいて、停止車両の発生を検出した際の撮影画像を撮影した撮影装置300の位置情報を取得する。そして、特定部130は、当該位置情報が示す位置を、停止車両が発生した位置として特定してよい。
【0070】
出力制御部140は、特定された位置に基づいて報知装置200を選択する(S104)。例えば、出力制御部140は、特定された位置から所定の範囲内であって、特定された位置の後方に設置された報知装置200を選択する。
【0071】
そして、出力制御部140は、選択された報知装置200に出力制御を行う(S105)。例えば、出力制御部140は、選択された報知装置200に搭載された、危険を報知するための器具を、道路に対して繰り出すよう制御する。
【0072】
なお、本動作例はあくまで一例であり、制御装置100の動作はこの例に限られない。例えば、取得部110は、撮影装置300のそれぞれから、随時撮影画像を取得してよい。
【0073】
このように、第2の実施形態の制御装置100は、道路が撮影された撮影画像を取得し、取得された撮影画像から、異常を示す事象を検出する。そして、制御装置100は、事象が発生した道路上の位置を特定し、特定された位置の、道路における車両の走行すべき方向に対して後方に設置された報知装置200に、危険を報知するための目印を出力させる。
【0074】
これにより、制御装置100は、道路で異常を示す事象が発生した場合に、後続車両に対して注意喚起を行うことができる。車両に報知機能を有する装置を搭載して、車両が停止した際に当該装置から情報を報知する場合、事故及び故障等の影響により、当該装置が正常動作しない可能性がある。また、この場合には、車両に当該装置が搭載されていない場合、情報を報知することができない。これに対して、制御装置100は、予め設置された報知装置200に、危険を報知するための目印を出力させる。そのため、車両の状況に関わらず、危険を報知するための目印を出力させることができる。すなわち、制御装置100は、道路において異常が発生した際に、他者に注意喚起を行うことを支援することができる。
【0075】
また、目印は、報知装置200に搭載された、危険を報知するための器具であってよい。そして、第2の実施形態の制御装置100は、器具を道路に対して繰り出すよう報知装置200を制御してよい。
【0076】
これにより、制御装置100は、道路上に、危険を報知するための器具を提示させることができるので、事象が発生した位置からの後続車両に対して、より強調した注意喚起を行うことができる。
【0077】
また、第2の実施形態の報知システム1000は、上述のような制御装置100と報知装置200とを備える。報知装置200は、例えば、目印である器具を搭載し、制御装置100の制御によって、目印を報知装置200の内部から繰り出す。これにより、上述した効果と同様の効果が得られる。
【0078】
[変形例1]
上述の例において、報知装置200が音声出力部230を搭載する例を説明した。報知装置200の機能構成はこの例に限られない。例えば、音声出力部230は、報知装置200と異なる装置として実現されてもよい。
【0079】
この場合、音声出力部230は、外部スピーカーとして実現される。外部スピーカーは、ネットワークを介して制御装置100と通信可能に接続される。そして、外部スピーカーの識別情報と位置情報とが関連付けられた情報が予め記憶装置190に格納される。例えば出力制御部140は、事象が発生した位置に最も近い外部スピーカーを選択してよい。そして、出力制御部140は、事象が発生した位置に最も近い報知装置200に音声を出力させてよい。
【0080】
[変形例2]
上述の例では、撮影装置300が、道路付近に設置されている例を主に説明した。この例に限られず、撮影装置300は、車両、航空機、及び船舶等の移動体に搭載される装置であってよい。
【0081】
例えば、撮影装置300は、マルチコプター(マルチローターヘリコプター、またはマルチローター等とも呼ばれる)等の無人航空機に搭載されてよい。人が搭乗しないマルチコプターは、UAV(Unmanned Aerial Vehicle)、小型無人機またはドローンと呼ばれることもある。
【0082】
この場合、無人航空機が道路上空を撮影しながら飛行している。無人航空機は、自機が位置する地点の情報を取得する機能を有していてよい。例えば無人航空機は、GPS(Global Positioning System)等の、GNSS(Global Navigation Satellite System)によって測位された位置情報を取得する機能を有する。無人航空機は、撮影画像と位置情報とを制御装置100に送信する。
【0083】
また、例えば、撮影装置300は、道路を走行する車両に搭載されてもよい。車両に搭載される撮影装置300は、車載カメラ及びドライブレコーダーと呼ばれることもある。
【0084】
この場合、車両は、道路上を撮影しながら走行している。車両は、GNSSによって測位された位置情報を取得する機能を有してよい。このような位置情報を取得する機能は、例えば、車両に搭載されたカーナビゲーション端末、及び、ETC(Electronic Toll Collection system)2.0の車載器等において実現される機能であってよい。そして、車両は、撮影画像と位置情報とを制御装置100に送信してよい。
【0085】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態の報知システムについて説明する。第3の実施形態では、事象が変化した場合の処理例を説明する。なお、第1の実施形態及び第2の実施形態と重複する内容は、一部説明を省略する。
【0086】
[報知システム1001の詳細]
図11は、報知システム1001の機能構成の一例を示すブロック図である。報知システム1001は、制御装置101と報知装置200と撮影装置300とを備える。制御装置101は、報知装置200と撮影装置300と通信可能に接続される。制御装置101は、制御装置100が行う処理に加え、以下で説明する機能を有していてよい。報知装置200と撮影装置300とは、第1及び第2の実施形態で説明した装置と同様であってよい。
【0087】
制御装置101は、取得部110と検出部121と特定部131と出力制御部141とを備える。さらに制御装置101は、記憶装置190を有する。なお、記憶装置190は、制御装置101と通信可能に接続される外部の装置であってもよい。
【0088】
検出部121は、発生した事象の変化を検出する。事象の変化は、例えば、停止車両が移動したことであってよい。また、事象の変化は、事故または停止車両が発生した際に、車両から人物が降車したことであってもよい。また、事象の変化は、落石が発生した際に、再度落石が発生したことであってもよい。また、事象の変化は、落下物が発生した際に、当該落下物に車両が衝突したことであってもよい。事象の変化はこの例に限られない。
【0089】
特定部131は、事象が変化した際の位置を特定する。例えば、停止車両が移動した場合、特定部131は、移動した後の停止車両の位置を特定する。また、例えば、事故または停止車両が発生した際に、車両から人物が降車した場合、特定部131は、降車した人物の位置を特定する。また、例えば、落石が発生した際に、再度落石が発生した場合、特定部131は、再度落石が発生した位置を、特定する。また、例えば、落下物が発生した際に、当該落下物に車両が衝突した場合、特定部131は、車両が衝突した位置を特定する。
【0090】
出力制御部141は、特定部131によって特定された、事象が変化した際の位置に応じて、報知装置200を制御する。具体的には、出力制御部141は、特定部131によって特定された位置の後方に設置された報知装置200に、危険を報知するための目印を出力させてよい。また、出力制御部141は、特定部131によって特定された位置から所定範囲内に設置された報知装置200または外部スピーカーに、注意喚起を示す音声を出力させてよい。
【0091】
停止車両の移動を例にして説明する。図12は、事象が変化する状況の一例を示す図である。図12の例では、複数の報知装置200が道路に沿って設置されている。また車両Dが道路上で停止している。まず検出部121が停止車両を検出した。そして、特定部131が停止車両の位置を特定し、出力制御部141報知装置200に目印を出力させた。この例においては、報知装置200-3が停止表示器具を道路に繰り出している。
【0092】
この状況において、車両Dが発進し、地点Xで停止したとする。このような場合、検出部121は、撮影画像から、車両Dが移動して再停止したことを検出する。すなわち、検出部121は、停止車両の移動を検出する。特定部131は、移動した停止車両の位置を特定する。具体的には、特定部131は、車両Dが再停止した位置である再停止位置を特定する。そして出力制御部141は、特定部131によって特定された再停止位置に応じて、報知装置200を制御する。具体的には、出力制御部141は、特定された位置に応じた報知装置200を選択する。この例においては、出力制御部141は、報知装置200-2を選択したとする。出力制御部141は、報知装置200-2に、目印を出力させる。このとき、出力制御部141は、報知装置200-2に、車両を発進させることを示す音声を出力させてもよい。また、出力制御部141は、報知装置200-3に対して、目印の出力をやめさせる制御を行ってよい。図12の例では、出力制御部141は、報知装置200-3に対して、停止表示器具を格納させてよい。
【0093】
次に、降車した人物の発生を例にして説明する。図12の状況において、停止車両である車両Dから人物が降車したとする。そして、降車した人物は地点Yにいるとする。このような場合、検出部121は、撮影画像から、降車した人物を検出する。特定部131は、降車した人物の位置を特定する。そして、出力制御部141は、特定された人物の位置に応じて、注意喚起を示す音声を出力させる。例えば、出力制御部141は、特定された人物の位置から所定範囲内に設置される報知装置200を選択する。一例としては、出力制御部141は、特定された人物の位置から、最も近い報知装置200を選択する。そして、出力制御部141は、報知装置200に注意喚起を示す音声を出力させる。これにより報知装置200の音声出力部230から音声が出力される。図12の例では、出力制御部141は、報知装置200-2を選択する。そして、出力制御部141は、報知装置200-2に、注意喚起を示す音声を出力させる。例えば、出力制御部141は、道路脇への退避を促す音声を出力させてよい。また、例えば、出力制御部141は、警察及び消防、並びに故障補償のサービスを行う組織等に通報を行う旨の音声を出力させてよい。
【0094】
ここで、報知装置200とは異なる外部スピーカーが道路に設置されている場合、出力制御部141は、外部スピーカーに注意喚起を示す音声を出力させてよい。例えば出力制御部141は、特定された人物の位置から所定範囲内に設置される外部スピーカーを選択する。一例としては、出力制御部141は、特定された人物の位置から、最も近い外部スピーカーを選択する。そして、出力制御部141は、選択した外部スピーカーに注意喚起を示す音声を出力させる。図12の例では、出力制御部141は、地点Yに最も近い外部スピーカーに、注意喚起を示す音声を出力させる。
【0095】
このように、検出部121によって事象が検出され、さらに降車した人物が検出された場合、特定部131は、降車した人物の位置を特定してよい。そして、出力制御部141は、特定された人物の位置から所定範囲内に設置されたスピーカーに、注意喚起を示す音声を出力させてよい。
【0096】
[制御装置101の動作例]
次に、制御装置101の動作の一例を図13を用いて説明する。本動作例では、図10に示す処理が行われたものとする。またこのとき制御装置101の取得部110は、撮影装置300のそれぞれから、随時撮影画像を取得しているものとする。
【0097】
図13は、制御装置101の動作の一例を説明するフローチャートである。検出部121は、発生した事象の変化を検出する(S201)。例えば、発生した事象が停止車両の発生である場合、検出部121は、停止車両が発進し、再停止したことを検出する。特定部131は、事象が変化した際の位置を特定する(S202)。例えば、特定部131は、発進した車両の再停止位置を特定する。
【0098】
出力制御部141は、特定された位置に応じた装置を選択する(S203)。例えば、出力制御部141は、特定された再停止位置から所定範囲内に設置された報知装置200を選択する。そして、出力制御部141は、選択された装置に出力制御を行う(S204)。例えば、出力制御部141は、選択された報知装置200に、目印を出力させるよう制御する。
【0099】
なお、本動作例はあくまで一例であり、制御装置101の動作はこの例に限られない。例えば、S201の処理より前に、一の報知装置200において目印が出力されているとする。ここで、S203の処理で一の報知装置200と異なる報知装置200が選択された場合、出力制御部141は、一の報知装置200に対して、目印の出力をやめさせてもよい。例えば、出力制御部141は、S203の処理の後またはS204の処理の後に、一の報知装置200に対して、目印の出力をやめさせる制御を行ってよい。
【0100】
このように、事象が停止車両の発生であり、報知装置200のいずれかに目印を出力させた場合、第3の実施形態の制御装置101は、停止車両の移動を検出してよい。そして、制御装置101は、移動した当該車両が再停止した位置である再停止位置を特定し、当該再停止位置に応じて、目印を出力させる報知装置200を変更してよい。
【0101】
これにより、制御装置101は、停止車両が別の場所に移動した場合であっても、適切な位置に危険を報知するための目印を出力させることができる。
【0102】
また、第3の実施形態の制御装置101は、撮影画像から、降車した人物を検出してよい。制御装置101は、事象を検出し、さらに当該降車した人物を検出した場合、当該人物の位置を特定してよい。そして、制御装置101は、特定された当該人物の位置から所定範囲内に設置されたスピーカーに、注意喚起を示す音声を出力させてよい。
【0103】
これにより、制御装置101は、道路上に存在する人物に向けて注意喚起を行うことができる。
【0104】
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態の報知システムについて説明する。第4の実施形態では、事象が発生したことを通知する例を説明する。なお、第1の実施形態、第2の実施形態、及び第3の実施形態と重複する内容は、一部説明を省略する。
【0105】
[報知システム1002の詳細]
図14は、報知システム1002の機能構成の一例を示すブロック図である。報知システム1002は、制御装置102と報知装置200と撮影装置300とを備える。制御装置102は、報知装置200と撮影装置300と通信可能に接続される。制御装置102は、制御装置100、101が行う処理に加え、以下で説明する機能を有していてよい。報知装置200と撮影装置300とは、第1、第2及び第3の実施形態で説明した装置と同様であってよい。
【0106】
制御装置102は、取得部111と検出部121と特定部131と出力制御部141と通知部150とを備える。さらに制御装置101は、記憶装置190を有する。なお、記憶装置190は、制御装置102と通信可能に接続される外部の装置であってもよい。
【0107】
取得部111は、車両の位置を示す車両位置情報を取得する。車両位置情報は、車両に紐づく機器において測位された位置情報であってよい。車両に紐づく機器とは、車両に搭載された機器であって、GNSS等を利用して位置情報を測位可能な機器であってよい。例えば車両に搭載された機器は、カーナビゲーション端末、ETC2.0の車載器、及びドライブレコーダー等である。また、車両に紐づく機器は、車両に搭乗する人物が所持する携帯端末であってよい。携帯端末は、携帯電話、スマートフォン及びタブレット端末等である。このように取得部111は、車両に紐づく機器から車両位置情報を取得する。
【0108】
取得部111は、車両に紐づく機器から車両位置情報と機器識別情報とを取得してよい。機器識別情報は、車両に紐づく機器を識別する情報である。記憶装置190には、機器識別情報と通知先とが関連付けられた機器情報が予め格納される。通知先とは、機器に通知するためのアドレスを示すものである。そのため、取得された機器識別情報と機器情報とに基づいて、取得した車両位置情報の通知先を特定することができる。
【0109】
通知部150は、事象が発生したことを通知する。通知部150は、通知手段の一例である。
【0110】
検出部121によって事象が検出されたとする。この場合、通知部150は、事象が発生した位置から所定の範囲内を走行する車両を特定する。具体的には、通知部150は、取得部111によって取得された車両位置情報と、特定部131によって特定された事象が発生した位置と、に基づいて、車両が、事象が発生した位置から所定の範囲内であるか否かを判定する。所定の範囲は、例えば、事象が発生した位置の後方であって、当該位置から1000メートル以内であってよい。
【0111】
判定の結果、所定の範囲内である場合、通知部150は、機器情報から、所定の範囲内にいる車両に紐づく機器の通知先を特定する。そして通知部150は、当該車両に紐づく機器に対して、注意喚起を示す情報を通知する。例えば通知部150は、事象が発生したこと、及び、事象が発生した位置を通知する。さらに通知部150は、事象が発生した場所の撮影画像を通知してもよい。
【0112】
なおこのとき、通知部150は、事象が発生した道路を走行する車両についてのみ通知を行ってよい。具体的には、通知部150は、車両位置情報の変化から、車両が、事象が発生した道路を走行しているかどうか判定する。そして、通知部150は、事象が発生した道路を走行している車両のうち、事象が発生した位置から所定の範囲の車両に対して通知を行ってもよい。
【0113】
このように、通知部150は、事象が検出された場合、道路を走行する車両のうち、特定された位置から所定の範囲内を走行する車両に紐づく機器に、事象が発生したことを通知してよい。
【0114】
さらに、通知部150は、道路の管理者に通知を行ってもよい。例えば、事象が発生した場合に、通知部150は、道路の管理者が所有する端末に、事象が発生した際の撮影画像と事象が発生した位置を示す情報とを通知する。管理者が所有する端末への通知先を示す情報は、予め定められている。
【0115】
このように、通知部150は、事象が検出された場合、道路の管理者が所有する端末に、事象が発生した際の撮影画像と特定された位置を示す情報とを通知してよい。
【0116】
[制御装置102の動作例]
次に、制御装置102の動作の一例を図15を用いて説明する。本動作例では、図10に示す処理が行われたものとする。すなわち、既に事象が発生した場合の動作例を説明する。
【0117】
図15は、制御装置102の動作の一例を説明するフローチャートである。まず、通知部150は、管理者に通知を行う(S301)。具体的には、通知部150は、管理者が所有する端末に、事象が発生した際の撮影画像と特定された位置を示す情報とを通知する。
【0118】
取得部111は、車両位置情報を取得する(S302)。次に通知部150は、車両位置情報に基づいて、車両が、事象が発生した位置から所定の範囲内であるか否かを判定する。車両が、事象が発生した位置から所定の範囲内でない場合(S302の「No」)、制御装置102は処理を終了する。車両が、事象が発生した位置から所定の範囲内である場合(S302の「Yes」)、通知部150は、当該車両に紐づく機器の通知先を特定する(S303)。そして、通知部150は、車両に紐づく機器に注意喚起を示す情報を通知する。
【0119】
なお、本動作例はあくまで一例であり、制御装置102の動作はこの例に限られない。例えば、S301の処理はどのタイミングで行われてもよい。
【0120】
このように、第4の実施形態の制御装置102は、事象が検出された場合、道路を走行する車両のうち、特定された位置から所定の範囲内を走行する車両に紐づく機器に、事象が発生したことを通知してよい。これにより、制御装置102は、事象が発生した位置の周囲にいる車両に対して、直接注意喚起を行うことができる。
【0121】
また、第4の実施形態の制御装置102は、事象が検出された場合、道路の管理者が所有する端末に、事象が発生した際の撮影画像と特定された位置を示す情報とを通知してよい。これにより、制御装置102は、管理者に、事象への早期の対応を促すことができる。
【0122】
[変形例3]
上述の例では、通知部150は、予め格納される機器情報に基づいて、周囲の車両に通知を行っている。周囲の車両への通知方法は、この例に限られない。
【0123】
例えば通知部150は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信技術を用いて、通知を行ってよい。この場合、報知装置200は、通信制御部を有する。通知部150は、事象が発生した位置から所定の範囲内に設置された報知装置200を特定する。そして、通知部150は、特定された報知装置200の通信制御部を介して、注意喚起を示す情報を発信する。特定された報知装置200の周辺を走行する車両に搭載された機器または当該車両に乗車している人物の携帯端末は、注意喚起を示す情報を受信する。
【0124】
<報知システムのハードウェアの構成例>
上述した第1、第2、第3及び第4の実施形態の報知システムを構成するハードウェアについて説明する。図16は、各実施形態における報知システムを構成するコンピュータ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。コンピュータ装置90において、各実施形態及び各変形例で説明した、制御装置及び制御方法が実現される。例えば、各実施形態及び各変形例で説明した制御装置、報知装置、及び撮影装置等のそれぞれが、図16に示すハードウェア構成を有していてよい。
【0125】
図16に示すように、コンピュータ装置90は、プロセッサ91、RAM(Random Access Memory)92、ROM(Read Only Memory)93、記憶装置94、入出力インタフェース95、バス96、及びドライブ装置97を備える。なお、報知システムは、複数の電気回路によって実現されてもよい。
【0126】
記憶装置94は、プログラム(コンピュータプログラム)98を格納する。プロセッサ91は、RAM92を用いて本報知システムのプログラム98を実行する。具体的には、例えば、プログラム98は、図3図10図13、及び図15に示す処理をコンピュータに実行させるプログラムを含む。プロセッサ91が、プログラム98を実行することに応じて、本報知システムの各構成の機能が実現される。プログラム98は、ROM93に記憶されていてもよい。また、プログラム98は、記憶媒体80に記録され、ドライブ装置97を用いて読み出されてもよいし、図示しない外部装置から図示しないネットワークを介してコンピュータ装置90に送信されてもよい。
【0127】
入出力インタフェース95は、周辺機器(キーボード、マウス、表示装置など)99とデータをやり取りする。入出力インタフェース95は、データを取得または出力する手段として機能する。バス96は、各構成を接続する。
【0128】
なお、報知システムの実現方法には様々な変形例がある。例えば、報知システムに含まれる各構成は、それぞれ専用の装置として実現することができる。また、報知システムは、それぞれ複数の装置の組み合わせに基づいて実現することができる。
【0129】
各実施形態の機能における各構成を実現するためのプログラムを記憶媒体に記録させ、該記憶媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記憶媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記憶媒体、及びそのプログラム自体も各実施形態に含まれる。
【0130】
該記憶媒体は、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disc)-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、またはROMであるが、この例に限られない。また該記憶媒体に記録されたプログラムは、単体で処理を実行しているプログラムに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するプログラムも各実施形態の範疇に含まれる。
【0131】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0132】
また、上記実施形態及び変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0133】
100、101、102 制御装置
110、111 取得部
120、121 検出部
130、131 特定部
140、141 出力制御部
150 通知部
190 記憶装置
200 報知装置
300 撮影装置
1000、1001、1002 報知システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16