(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120224
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】動物用トイレ
(51)【国際特許分類】
A01K 1/01 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
A01K1/01 801A
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026877
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】321000026
【氏名又は名称】株式会社大貴
(74)【代理人】
【識別番号】100179327
【弁理士】
【氏名又は名称】大坂 憲正
(72)【発明者】
【氏名】吉永 隼士
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101CA08
2B101CB01
2B101CC01
(57)【要約】
【課題】動物の成長にかかわらず長期にわたって使用するのに適した動物用トイレを提供する。
【解決手段】動物用トイレ1は、本体部10、及び仕切部40を備えている。本体部10は、底面部10a及び側面部10bを有している。本体部10は、排泄された尿を受ける。仕切部40は、尿を通過させる複数の貫通孔41を有している。仕切部40は、本体部10の内部空間を上部空間S1と下部空間S2とに区画している。底面部10a及び仕切部40の面積は、可変である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部及び側面部を有し、排泄された尿を受ける本体部と、
前記尿を通過させる複数の貫通孔を有し、前記本体部の内部空間を上部空間と下部空間とに区画する仕切部と、を備え、
前記底面部及び前記仕切部の面積は、可変であることを特徴とする動物用トイレ。
【請求項2】
請求項1に記載の動物用トイレにおいて、
前記底面部及び前記仕切部の面積の最大値は、それぞれ、当該底面部及び当該仕切部の面積の最小値の1.5倍以上である動物用トイレ。
【請求項3】
請求項1に記載の動物用トイレにおいて、
前記底面部及び前記仕切部の面積の最大値は、それぞれ、当該底面部及び当該仕切部の面積の最小値の2倍未満である動物用トイレ。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記本体部は、第1及び第2の本体部材を有し、
前記第1及び第2の本体部材は、それぞれ、前記底面部を構成する第1及び第2の底部を有し、
前記第2の本体部材は、前記第1の本体部材に対して水平に変位可能である動物用トイレ。
【請求項5】
請求項4に記載の動物用トイレにおいて、
前記第2の本体部材は、前記第1の本体部材に対して一方向にのみ変位可能である動物用トイレ。
【請求項6】
請求項4に記載の動物用トイレにおいて、
前記第1及び第2の本体部材は、互いに嵌合している動物用トイレ。
【請求項7】
請求項4に記載の動物用トイレにおいて、
前記第1の本体部材は、前記第1の底部に接続され、前記側面部を構成する第1の側部を有する動物用トイレ。
【請求項8】
請求項7に記載の動物用トイレにおいて、
前記第1の底部及び第1の側部は、一体に成形されている動物用トイレ。
【請求項9】
請求項4に記載の動物用トイレにおいて、
前記第2の本体部材は、前記第2の底部に接続され、前記側面部を構成する第2の側部を有する動物用トイレ。
【請求項10】
請求項9に記載の動物用トイレにおいて、
前記第2の底部及び第2の側部は、一体に成形されている動物用トイレ。
【請求項11】
請求項4に記載の動物用トイレにおいて、
前記第1の本体部材は、当該第1の本体部材の外部に繋がる空洞を有し、
前記第2の本体部材は、前記第1の本体部材の前記空洞に挿入されている動物用トイレ。
【請求項12】
請求項4に記載の動物用トイレにおいて、
前記本体部は、前記第2の本体部材を前記第1の本体部材に対して一時的に固定する固定手段を有する動物用トイレ。
【請求項13】
請求項4に記載の動物用トイレにおいて、
前記本体部は、前記第1の本体部材と前記第2の本体部材との間に介在するパッキンを有する動物用トイレ。
【請求項14】
請求項1乃至3の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記仕切部は、前記貫通孔を構成する複数の第1の開口を有する第1の仕切部材と、前記貫通孔を構成する複数の第2の開口を有する第2の仕切部材とを有し、
前記第2の仕切部材は、前記第1の仕切部材に重なった状態で、当該第1の仕切部材に対して変位可能である動物用トイレ。
【請求項15】
請求項14に記載の動物用トイレにおいて、
前記第2の仕切部材は、前記第1の仕切部材に対して一方向にのみ変位可能である動物用トイレ。
【請求項16】
請求項14に記載の動物用トイレにおいて、
前記第1の仕切部材は、
前記第1の開口が形成された板状の部分である板状部と、
前記板状部に連続し、前記第2の仕切部材を支持する支持部とを有する動物用トイレ。
【請求項17】
請求項16に記載の動物用トイレにおいて、
前記第2の仕切部材は、前記第1の仕切部材に対向する面と反対側の面である非対向面を有しており、
前記支持部は、前記第2の仕切部材の側面から前記非対向面にかけて覆うようにして当該第2の仕切部材を支持する動物用トイレ。
【請求項18】
請求項14に記載の動物用トイレにおいて、
前記各第2の開口の平面形状は、前記各第1の開口の平面形状と合同である動物用トイレ。
【請求項19】
請求項14に記載の動物用トイレにおいて、
前記第2の仕切部材に設けられた前記第2の開口の個数は、前記第1の仕切部材に設けられた前記第1の開口の個数に等しい動物用トイレ。
【請求項20】
請求項19に記載の動物用トイレにおいて、
前記第2の仕切部材における前記複数の第2の開口の配列パターンは、前記第1の仕切部材における前記複数の第1の開口の配列パターンと一致する動物用トイレ。
【請求項21】
請求項1乃至3の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記上部空間に敷設され、疎水性を有する複数の粒状体を備える動物用トイレ。
【請求項22】
請求項1乃至3の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記仕切部は、前記本体部に固定されていない動物用トイレ。
【請求項23】
請求項22に記載の動物用トイレにおいて、
前記本体部は、前記側面部から当該本体部の内側に突出する突出部を有し、
前記仕切部は、前記突出部上に載置される動物用トイレ。
【請求項24】
請求項23に記載の動物用トイレにおいて、
前記突出部は、平面視で、前記側面部の内周の全体に設けられている動物用トイレ。
【請求項25】
請求項1乃至3の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記下部空間に配設され、前記尿を吸収する吸水性シートを備える動物用トイレ。
【請求項26】
請求項25に記載の動物用トイレにおいて、
前記吸水性シートが収容される引出部を備え、
前記本体部の前記側面部には、開口部が形成されており、
前記引出部は、前記開口部を通じて前記本体部に対して抜き挿しすることが可能である動物用トイレ。
【請求項27】
請求項26に記載の動物用トイレにおいて、
前記引出部は、前記吸水性シートが載置される底板を有しており、
前記底板の面積は、可変である動物用トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物用トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の動物用トイレとしては、例えば特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載された動物用トイレは、排泄された尿を受ける本体部(トレー)、及び本体部の内部空間を上部空間と下部空間とに区画する仕切部(簀子)を備えている。仕切部は、尿を通過させる貫通孔を有している。上部空間(仕切部上)には、低吸水性を有する複数の粒状体が敷設されている。下部空間には、尿を吸収する吸水性シートが配設されている。本体部に排泄された尿は、粒状体どうしの隙間を通り抜けた後、仕切部の貫通孔を通じて上部空間から下部空間へと移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動物用トイレは、様々な広さを有するものが販売されている。ユーザ(動物の飼主等)は、通常、当該動物用トイレを使用する動物の大きさに合った広さのものを購入する。そのため、動物が成長するにつれて、動物用トイレをより広いものに買い替えていかなければならないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、動物の成長にかかわらず長期にわたって使用するのに適した動物用トイレを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による動物用トイレは、底面部及び側面部を有し、排泄された尿を受ける本体部と、上記尿を通過させる複数の貫通孔を有し、上記本体部の内部空間を上部空間と下部空間とに区画する仕切部と、を備え、上記底面部及び上記仕切部の面積は、可変であることを特徴とする。
【0007】
この動物用トイレにおいては、本体部の底面部の面積、及び仕切部の面積が、何れも可変である。このように底面部及び仕切部の面積が可変であれば、動物の成長に応じて底面部及び仕切部の面積を大きくすることにより、動物用トイレを広くすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、動物の成長にかかわらず長期にわたって使用するのに適した動物用トイレが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明による動物用トイレの一実施形態を示す斜視図である。
【
図2】
図1のII-II線に沿った端面の概略図である。
【
図6】本体部10の動作を説明するための平面図である。
【
図7】本体部10の動作を説明するための平面図である。
【
図13】
図12のXIII-XIII線に沿った端面図である。
【
図17】仕切部40の動作を説明するための平面図である。
【
図18】仕切部40の動作を説明するための平面図である。
【
図20】本体部10の一変形例を説明するための端面図である。
【
図21】本体部10の他の変形例を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本発明による動物用トイレの一実施形態を示す斜視図である。また、
図2は、
図1のII-II線に沿った端面の概略図である。動物用トイレ1は、本体部10、仕切部40、複数の粒状体50、吸水性シート60、及び引出部70を備えている。
図2においては、各部(本体部10、仕切部40及び引出部70)の詳細な構成の図示を省略している。動物用トイレ1は、例えば猫用トイレである。本体部10は、箱状をしており、底面部10a及び側面部10bを有している。本体部10は、排泄された尿を受ける。本体部10の外形は、略直方体である。本体部10の材料としては、例えば、プラスチックを用いることができる。プラスチックとしては、例えば、ポリプロピレン又はポリエチレンが挙げられる。
【0012】
本体部10は、開口部12、及び突出部14を有している。開口部12は、引出部70を抜き挿しするために、本体部10の側面部10bに形成されている。開口部12は、底面部10aの近傍に位置し、横長の長方形状をしている。開口部12の横方向(水平方向)の長さは、本体部10の横幅(内寸)に略等しく、例えば20cm以上40cm以下である。開口部12の縦方向(鉛直方向)の長さは、例えば2cm以上5cm以下である。
【0013】
突出部14は、側面部10bから本体部10の内側に突出している。突出部14は、仕切部40を下から支持する。突出部14は、平面視で、側面部10bの内周の全体に設けられている。すなわち、突出部14は、側面部10bの内周に沿って環状に設けられた突条からなる。側面部10bの内周は、平面視で、略矩形状をしている。ここで、略矩形とは、矩形に限らず、角丸四角形のように矩形に近い形状も含む趣旨である。突出部14の突出長さ(当該突出部14が設けられた側面部10bの内面に垂直な方向の長さ)は、例えば5mm以上20mm以下である。突出部14は、側面部10bと一体に成形されてもよいし、側面部10bと別々に成形された後に側面部10bに取り付けられてもよい。
【0014】
図3及び
図4は、本体部10を示す端面図である。
図3及び
図4は、それぞれ、
図1のII-II線及びIV-IV線に沿った端面を示している。また、
図5は、本体部10を示す平面図である。底面部10aの面積(底面部10aの上面のうち、側面部10bの内側にある領域の面積)は、可変である。底面部10aの面積の最大値は、当該面積の最小値の1.5倍以上2倍未満であることが好ましい。
【0015】
本体部10は、本体部材20(第1の本体部材)、及び本体部材30(第2の本体部材)を有している。本体部材20及び本体部材30は、平面視で部分的に重なり合うように互いに嵌合している。本体部材30は、本体部材20に対して水平に変位可能である。すなわち、本体部材30は、底面部10aに平行な面内で、本体部材20に対して相対的に移動できるように構成されている。本体部材30は、本体部材20に対して一方向(底面部10aの長手方向)にのみ変位可能である。
図5においては、本体部材30の変位方向を矢印で示している。
【0016】
図6に示すように、本体部材30を本体部材20に近づく向き(同図の左向き)に変位させることにより、底面部10aの面積を小さくすることができる。反対に、
図7に示すように、本体部材30を本体部材20から遠ざかる向き(同図の右向き)に変位させることにより、底面部10aの面積を大きくすることができる。
【0017】
図8及び
図9は、それぞれ、本体部材20を示す正面図及び平面図である。本体部材20は、底部22(第1の底部)、側部24(第1の側部)、及び空洞26を有している。底部22は、底面部10aを構成する。底部22は、
図9からわかるように、平面視で、線22a、線22b、線22c、及び線22dで囲まれた形状をしている。線22a及び線22bは、互いに平行な線分からなる。線22a及び線22bの延在方向は、本体部材30の変位方向に等しい。線22cは、線22aの一端と線22bの一端とを結んでいる。線22dは、線22aの他端と線22bの他端とを結んでいる。本実施形態においては、線22c及び線22dも、互いに平行な線分からなる。すなわち、底部22は、平面視で矩形状をしている。
【0018】
側部24は、底部22に接続されており、側面部10bを構成する。側部24は、底部22の4つの線(線22a,22b,22c,22d)のうち、3つの線(線22a,22b,22c)側にのみ設けられている。残りの1つの線(線22d)側には、側部24が設けられていない。底部22及び側部24は、一体に成形されることが好ましい。すなわち、本体部材20の全体が一体に成形されることが好ましい。
【0019】
空洞26は、底部22の内部から側部24の内部にかけて連続的に存在している。また、空洞26は、本体部材20の外部に繋がっている。具体的には、空洞26は、底部22の線22d側において、本体部材20の外部に繋がっている。空洞26と外部との境界部分は、
図8からわかるように、略コ字状の開口28となっている。
【0020】
底部22の内部における空洞26の厚みd21(
図8の上下方向の寸法)と、側部24の内部における空洞26の厚みd22(
図8の左右方向の寸法)とは、互いに等しくてもよいし、相異なっていてもよい。厚みd21及び厚みd22は、例えば5mm以上15mm以下である。空洞26の幅w21(
図8の左右方向の寸法)は、例えば、20cm以上40cm以下である。空洞26の高さh21(
図8の上下方向の寸法)は、例えば、20cm以上30cm以下である。また、底部22の上面(側部24の内側にある部分)の長さd23(
図9の左右方向の寸法)は、例えば、20cm以上30cm以下である。
【0021】
図10及び
図11は、それぞれ、本体部材30を示す正面図及び平面図である。本体部材30は、底部32(第2の底部)、及び側部34(第2の側部)を有している。底部32は、底部22と共に底面部10aを構成する。底面部10aの上面は、底部22の上面と、底部32の上面のうち底部22の上面に重なっていない部分とによって構成される。底部32は、
図11からわかるように、平面視で、線32a、線32b、線32c、及び線32dで囲まれた形状をしている。線32a及び線32bは、互いに平行な線分からなる。線32a及び線32bの延在方向は、部材30の変位方向に等しい。線32cは、線32aの一端と線32bの一端とを結んでいる。線32dは、線32aの他端と線32bの他端とを結んでいる。本実施形態においては、線32c及び線32dも、互いに平行な線分からなる。すなわち、底部32は、平面視で矩形状をしている。
【0022】
側部34は、底部32に接続されており、側部24と共に側面部10bを構成する。側部34は、底部32の4つの線(線32a,32b,32c,32d)のうち、3つの線(線32a,32b,32c)側にのみ設けられている。残りの1つの線(線32d)側には、側部34が設けられていない。底部32及び側部34は、一体に成形されることが好ましい。すなわち、本体部材30の全体が一体に成形されることが好ましい。
【0023】
本体部材30は、本体部材20の空洞26に挿入される。具体的には、本体部材30は、底部32の線32d側から、本体部材20の開口28を通じて空洞26に挿入される。なお、本体部材30は、空洞を有していてもよいし、有していなくてもよい。前者の場合、当該空洞は、本体部材30の外部に繋がっていないことが好ましい。
【0024】
底部32の厚みd31及び側部34の厚みd32は、それぞれ空洞26の厚みd21及び厚みd22に略等しい。本体部材30の幅w31及び高さh31は、それぞれ空洞26の幅w21及び高さh21に略等しい。ただし、本体部材30が本体部材20に略隙間なく接した状態で本体部材20内を摺動できるように、厚みd31、厚みd32、幅w31及び高さh31は、それぞれ、厚みd21、厚みd22、幅w21及び高さh21より僅かに小さく設計されている。また、底部32の上面(側部34の内側にある部分)の長さd33(
図11の左右方向の寸法)は、底部22の上面の長さd23の1/2よりも大きく、長さd23以下であることが好ましい。
【0025】
図12は、仕切部40を示す平面図である。また、
図13及び
図14は、それぞれ、
図12のXIII-XIII線及びXIV-XIV線に沿った端面図である。仕切部40は、突出部14上に載置されている(
図2参照)。仕切部40は、本体部10に固定されていない。仕切部40は、本体部10に対して着脱可能である。仕切部40は、その周囲全体が側面部10bから離間した状態で本体部10内に配設することが可能である。仕切部40は、平面視で、略矩形状をしている。仕切部40は、底面部10aと平行に配置されている。また、仕切部40は、本体部10(側面部10b)の上端及び吸水性シート60の双方から離間した位置に配設されている。これにより、仕切部40は、本体部10の内部空間を上部空間S1と下部空間S2とに区画している。上部空間S1は、仕切部40の上方に存在し、複数の粒状体50が敷設される空間である。下部空間S2は、仕切部40の下方に存在し、尿が溜まる空間である。仕切部40の材料としては、例えば、プラスチックを用いることができる。
【0026】
仕切部40は、尿を通過させる複数の貫通孔41を有している。貫通孔41は、尿を通過させる一方で、各粒状体50を通過させない。複数の貫通孔41は、仕切部40において格子状に配列されている。各貫通孔41の平面形状は、円形である。各貫通孔41の径は、例えば2mm以上10mm以下である。
【0027】
仕切部40の面積(仕切部40の上面の面積)は、可変である。仕切部40の面積の最大値は、当該面積の最小値の1.5倍以上2倍未満であることが好ましい。仕切部40は、仕切部材42(第1の仕切部材)、及び仕切部材44(第2の仕切部材)を有している。仕切部材42は、平面視で略矩形状をしている。仕切部材42は、貫通孔41を構成する複数の開口43(第1の開口)を有している。仕切部材44は、平面視で略矩形の板状をしている。仕切部材44の厚みは、例えば3mm以上10mm以下である。仕切部材44は、貫通孔41を構成する複数の開口45(第2の開口)を有している。
【0028】
仕切部材44は、仕切部材42に重なった状態で、仕切部材42に対して変位可能である。すなわち、仕切部材44は、その板面に平行な面内で、仕切部材42に対して相対的に移動できるように構成されている。仕切部材44は、仕切部材42に対して一方向(仕切部40の長手方向)にのみ変位可能である。仕切部材44の変位方向は、上述した本体部材30の変位方向に等しい。
図12においては、仕切部材44の変位方向を矢印で示している。同図において仕切部材42と仕切部材44とは、部分的に重なり合っている。仕切部材42及び仕切部材44が重なり合った領域(重畳領域)においては、各貫通孔41が開口43及び開口45によって構成される。一方、仕切部材42及び仕切部材44が重なり合わない領域(非重畳領域)においては、各貫通孔41が開口43又は開口45の何れか一方のみによって構成される。そのため、仕切部40の面積の変化に伴い、貫通孔41の個数も変化する。このように、仕切部40の使用時、仕切部材44は、重畳領域内に存在する開口43と開口45とが互いに重なるような位置に合わされる。このとき、何れの開口43も閉塞されない。ここで、閉塞とは、平面視で、開口43の全体に仕切部材44(開口45が形成されていない部分)が重なった状態をいう。同様に、何れの開口45も閉塞されない。
【0029】
仕切部材42は、板状部42a及び支持部42bを有している(
図13参照)。板状部42aは、開口43が形成された板状の部分である。板状部42aの下面は、仕切部材44の上面に対向している。板状部42aの厚みは、例えば3mm以上10mm以下である。支持部42bは、板状部42aに連続しており、仕切部材44を支持する。詳細には、支持部42bは、仕切部材44の側面から非対向面にかけて覆うようにして仕切部材44を支持する。ここで、仕切部材44の非対向面とは、仕切部材42に対向する面と反対側の面をいう。本実施形態の場合、仕切部材44の下面が非対向面となる。ただし、支持部42bは、開口45に重ならないように、開口45が形成されていない、仕切部材44の周縁部のみを覆う。支持部42bは、鉤型(断面L字状)をしている。
【0030】
支持部42bは、板状部42aの4辺のうち2辺にのみ接続されている。支持部42bが接続された2辺は、仕切部材44の変位方向に平行な一対の辺である。支持部42bは、上記2辺の各々の全体に設けられていてもよいし、一部にのみ設けられていてもよい。支持部42bは、板状部42aと一体に成形されてもよいし、板状部42aと別々に成形された後に板状部42aに取り付けられてもよい。仕切部材44が支持部42bに支持された状態で変位方向にスライドできるように、板状部42aと支持部42bの先端との間隔d1は、仕切部材44の厚みよりも僅かに大きく設計されている。
【0031】
図15及び
図16は、それぞれ、仕切部材42及び仕切部材44を示す平面図である。仕切部材42は、n個(nは2以上の整数)の開口43を有している。ここでは、n=121の場合の例を示している。仕切部材44は、n個の開口45を有している。すなわち、仕切部材44に設けられた開口45の個数は、仕切部材42に設けられた開口43の個数に等しい。また、開口43及び開口45は、平面視で、互いに等しい大きさの円形をしている。すなわち、各開口45の平面形状は、各開口43の平面形状と合同である。さらに、仕切部材44における複数の開口45の配列パターンは、仕切部材42における複数の開口43の配列パターンと一致する。
【0032】
図17に示すように、仕切部材44を仕切部材42に近づく向き(同図の左向き)に変位させることにより、仕切部40の面積を小さくすることができる。同図においては、全ての開口43と全ての開口45とが、重なり合っている。このとき、仕切部40の面積は、最小値をとる。反対に、
図18に示すように、仕切部材44を仕切部材42から遠ざかる向き(同図の右向き)に変位させることにより、仕切部40の面積を大きくすることができる。同図においては、何れの開口45も、開口43と重なり合っていない。このとき、仕切部40の面積は、最大値をとる。
【0033】
図1及び
図2に戻って、本体部10の上部空間S1には、排泄物(主に尿)を処理するための複数の粒状体50が敷設される。複数の粒状体50は、仕切部40上に直接敷設される。各粒状体50は、粒状をしている。かかる粒状の形状としては、例えば、球、円柱、又は楕円体が挙げられる。各粒状体50の粒径は、例えば、5mm以上30mm以下である。ここで、粒状体50の粒径は、当該粒状体50を内包し得る最小の球の直径として定義される。動物用トイレ1の使用時、粒状体50は、排泄物を直接に受けることになる。
【0034】
粒状体50は、疎水性を有している。すなわち、粒状体50は、尿等の液体を全く吸収しないか、あるいは吸収するとしても殆ど吸収しない性質を有する。かかる疎水性を有する粒状体50は、吸水性を有する粒状体とは異なり、尿で濡れたときに粒状体どうしが接着して固まりを形成するということはない。
【0035】
粒状体50が疎水性を有するというには、次の試験により測定される液通過率が60%以上であることが必要である。まず、内径10cm、目開き1mmの篩に50g相当の粒状体50(サンプル)を入れる。篩の下には、空のビーカーを設置する。そして、サンプルに対し、外筒の内径3cm、筒先の内径4mmのシリンジ(テルモ社製60mlシリンジ)を用いて、30mlの水を10秒かけて滴下する。1分間放置した後、ビーカー内の水量を計測する。計測した水量の滴下した水量(30ml)に対する割合をもって液通過率とする。このとき、ビーカー内の水量が18ml以上であれば、液通過率が60%以上となるため、粒状体50が疎水性を有するといえる。
【0036】
各粒状体50は、有機物を主材料とすることが好ましい。ここで、粒状体50の主材料とは、粒状体50を構成する1又は2以上の材料のうち、当該粒状体50に占める重量割合が最大のものをいう。かかる有機物としては、例えば、紙類、植物類、プラスチック類、又は有機汚泥類が挙げられる。各粒状体50は、有機物のみからなっていてもよいし、有機物及び無機物からなっていてもよい。
【0037】
紙類は、パルプを主体とする材料をいう。紙類としては、例えば、通常の紙(紙粉)の他にも、印画紙、剥離紙、フラッフパルプ、塩ビ壁紙由来の紙(塩ビ壁紙の製造時又は分級時に発生する紙)、石膏ボード由来の紙(石膏ボードの製造時又は分級時に発生する紙)、又は衛生用品由来の紙(紙を含む衛生用品の製造時又は分級時に発生する紙)を用いることができる。紙を含む衛生用品としては、例えば、紙おむつ、生理用ナプキン、尿取りパッド、又は衛生用紙(ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ペーパータオル等)が挙げられる。植物類としては、例えば、木粉、大鋸屑、又は植物性残渣(茶殻、オカラ等)を用いることができる。プラスチック類としては、例えば、通常のプラスチックの他にも、アルミ蒸着フィルム、塩ビ壁紙由来のプラスチック(塩ビ壁紙の製造時又は分級時に発生するプラスチック)、又は衛生用品由来のプラスチック(プラスチックを含む衛生用品の製造時又は分級時に発生するプラスチック)を用いることができる。プラスチックを含む衛生用品としては、例えば、紙おむつ、生理用ナプキン、尿取りパッド、又は衛生マスクが挙げられる。有機汚泥類としては、例えば、製紙スラッジ、又はパルプスラッジを用いることができる。これらの材料には、疎水処理(撥水処理)が施されていてもよいし、施されていなくてもよい。
【0038】
粒状体50を構成する材料は、1つのみであってもよいし、2つ以上であってもよい。前者の場合、粒状体50を構成する材料は、上述の主材料のみということになる。後者の場合、粒状体50は、主材料と他の材料との混合物によって構成されることになる。他の材料としては、例えば、石膏又は重曹が挙げられる。石膏又は重曹を加えることにより、粒状体50に疎水性を付与しやすくなる。石膏又は重曹の割合は、例えば、粒状体50の全体に対して5重量%以上50重量%未満とされる。
【0039】
粒状体50は、例えば、次の方法により製造することができる。まず、造粒装置を用いて造粒材料(粒状体50を構成する材料)を造粒することにより、粒状体50となる造粒物を形成する。造粒装置としては、例えば押出造粒機を用いることができる。造粒物には、必要に応じて疎水処理を施してもよい。疎水処理は、例えば、造粒物の表面を疎水剤(撥水剤)でコーティングすることにより行うことができる。疎水処理を行わない場合、造粒時に造粒材料に加わる圧力を高めることにより、造粒物内に隙間が極力生じないようにすることが好ましい。かかる隙間は、粒状体50の内部に尿等の液体が浸入する経路となるからである。造粒に先立って、造粒材料には、粉砕、混錬、加水等の前処理が必要に応じて行われる。また、造粒後には、篩分け(分粒)、乾燥等の後処理が必要に応じて行われる。
【0040】
本体部10の下部空間S2には、吸水性シート60が配設される。吸水性シート60は、仕切部40の貫通孔41を通過した尿を吸収する。すなわち、貫通孔41を通過した尿は、吸水性シート60に吸収された状態で下部空間S2に溜まる。
【0041】
図19は、引出部70を示す斜視図である。引出部70は、底板70a、前板70b、先板70c、及び一対の側板70dを有している。底板70aの面積(底板70aの上面のうち、前板70b、先板70c及び側板70dの内側にある領域の面積)は、可変である。底板70aの面積の最大値は、当該面積の最小値の1.5倍以上2倍未満であることが好ましい。引出部70は、引出部材72(第1の引出部材)、及び引出部材74(第2の引出部材)を有している。上述した本体部材20及び本体部材30の関係と同様、引出部材72及び引出部材74は、平面視で部分的に重なり合うように互いに嵌合している。引出部材74は、引出部材72に対して水平に変位可能である。すなわち、引出部材74は、底板70aに平行な面内で、引出部材72に対して相対的に移動できるように構成されている。引出部材74は、引出部材72に対して一方向(底板70aの長手方向)にのみ変位可能である。引出部材74の変位方向は、上述した本体部材30及び仕切部材44の変位方向に等しい。
図19においては、引出部材74の変位方向を矢印で示している。引出部材74を引出部材72に近づく向きに変位させることにより、底板70aの面積を小さくすることができる。反対に、引出部材74を引出部材72から遠ざかる向きに変位させることにより、底板70aの面積を大きくすることができる。
【0042】
前板70bは、開口部12と略同一の形状及び大きさをしている。前板70bには、把手76が取り付けられている。引出部70は、開口部12を通じて本体部10に対して抜き挿しすることが可能である。引出部70には、吸水性シート60が収容される。すなわち、吸水性シート60は、引出部70に収容された状態で本体部10内に配設される。吸水性シート60は、底板70a上に載置される。引出部70の材料としては、例えば、プラスチックを用いることができる。
【0043】
動物用トイレ1の使用時、本体部10に排泄された尿は、粒状体50どうしの隙間を通り抜けた後、仕切部40の貫通孔41を通じて、上部空間S1から下部空間S2へと移動する。下部空間S2に移動した尿は、吸水性シート60に吸収される。
【0044】
動物用トイレ1の効果を説明する。動物用トイレ1においては、本体部10の底面部10aの面積、及び仕切部40の面積が、何れも可変である。このように底面部10a及び仕切部40の面積が可変であれば、動物の成長に応じて底面部10a及び仕切部40の面積を大きくすることにより、動物用トイレ1を広くすることができる。したがって、動物の成長にかかわらず長期にわたって使用するのに適した動物用トイレ1が実現されている。
【0045】
ところで、動物の成長に伴うトイレの買替えを避ける手段としては、当該動物の成長を見越して広めのトイレを最初から購入することも考えられる。しかし、トイレが広くなる程、そこに敷設される粒状体の量も増えることになる。そのため、トイレをなるべく狭くした方が、粒状体を節約できるという利点がある。また、トイレを設置するスペースを小さく抑えられるという利点もある。この点、本実施形態によれば、動物の成長に合わせて少しずつ動物用トイレ1を広げていくことが可能になるため、これらの利点も享受することができる。
【0046】
動物の成長に柔軟に対応するには、底面部10a及び仕切部40の面積の変動幅が大きい方が有利である。かかる観点から、底面部10a及び仕切部40の面積の最大値は、それぞれの最小値の1.5倍以上であることが好ましい。
【0047】
底面部10a及び仕切部40の面積の最大値がそれぞれの最小値の2倍未満である場合、広さが可変な動物用トイレ1を比較的簡易な構成で実現することができる。実際、動物用トイレ1においては、本体部10及び仕切部40の何れも、2つの部材(本体部材20,30、又は仕切部材42,44)の組み合わせにより実現されている。
【0048】
本体部材20及び本体部材30は、それぞれ、底面部10aを構成する底部22及び底部32を有している。そして、本体部材30は、本体部材20に対して水平に変位可能である。この場合、本体部材30の変位が底面部10aの面積の変化に直結するため、当該面積を容易に変えることができる。
【0049】
本体部材30は、本体部材20に対して一方向にのみ変位可能である。このように変位可能な方向を一方向に限ることにより、本体部材30が本体部材20に対して変位可能な構成を容易に実現することができる。
【0050】
本体部材20及び本体部材30は、互いに嵌合している。これにより、本体部材20と本体部材30との相対的な位置関係を安定的に維持することができる。
【0051】
本体部材20及び本体部材30は、それぞれ、側面部10bを構成する側部24及び側部34を有している。そして、側部24及び側部34は、それぞれ底部22及び底部32に接続されている。これにより、底面部10aの面積の変化に連動させて側面部10bの面積も適宜変化させることができる。
【0052】
側部24は、底部22の4つの線22a,22b,22c,22dのうち、3つの線22a,22b,22c側にのみ設けられている。また、側部34は、底部32の4つの線32a,32b,32c,32dのうち、3つの線32a,32b,32c側にのみ設けられている。これにより、互いに組み合わさって箱状の本体部10を構成する本体部材20及び本体部材30を簡易な構成で実現することができる。
【0053】
底部22及び側部24が一体に成形されている場合、万一底面部10a上に尿が溜まったとしても、当該尿が底部22と側部24との境界から漏れないようにすることができる。同様に、底部32及び側部34が一体に成形されている場合、万一底面部10a上に尿が溜まったとしても、当該尿が底部32と側部34との境界から漏れないようにすることができる。
【0054】
本体部材30は、本体部材20の空洞26に挿入されている。この場合、本体部材20に対する本体部材30の挿入深さを調整するという簡単な操作で、底面部10aの面積を変化させることができる。
【0055】
仕切部40は、仕切部材42及び仕切部材44を有している。そして、仕切部材44は、仕切部材42に重なった状態で仕切部材42に対して変位可能である。この場合、仕切部材44の変位が仕切部40の面積の変化に直結するため、当該面積を容易に変えることができる。
【0056】
仕切部材44は、仕切部材42に対して一方向にのみ変位可能である。このように変位可能な方向を一方向に限ることにより、仕切部材44が仕切部材42に対して変位可能な構成を容易に実現することができる。
【0057】
仕切部材42は、板状部42aに加えて、仕切部材44を支持する支持部42bを有している。これにより、他の部材(仕切部材42及び仕切部材44以外の部材)を用いなくても、仕切部材44が仕切部材42に重なった状態を維持することができる。
【0058】
支持部42bは、仕切部材44の側面から非対向面にかけて覆うようにして仕切部材44を支持する。これにより、仕切部材44を支持する支持部42bを簡易な構成で実現することができる。
【0059】
各開口45の平面形状は、各開口43の平面形状と合同である。これにより、各開口43と各開口45とが完全に重なり合うようにすることが可能となる。
【0060】
開口45の個数は、開口43の個数に等しい。これにより、開口45の配列パターンを開口43の配列パターンと一致させることが可能となる。実際、複数の開口45の配列パターンは、複数の開口43の配列パターンと一致している。これにより、全ての開口43と全ての開口45とが同時に重なり合うようにすることが可能となる。
【0061】
粒状体50は、疎水性を有している。この場合、粒状体50上に排泄された尿の大部分は、粒状体50に吸収されずに、粒状体50どうしの隙間を通り抜けていく。これにより、尿を下部空間S2まで速やかに導くことができる。
【0062】
各粒状体50が有機物を主材料とする場合、焼却処分に適した粒状体50を得ることができる。このことは、使用済みの粒状体50の処分の便宜に資する。特に各粒状体50が有機物のみからなる場合、焼却処分に一層適した粒状体50を得ることができる。
【0063】
仕切部40は、本体部10に固定されていない。この場合、本体部10に対する仕切部40の着脱が容易になる。このため、仕切部40を本体部10から取り外して仕切部40の面積を調整する作業を楽に行うことができる。
【0064】
仕切部40は、突出部14上に載置されている。これにより、本体部10に固定することなく仕切部40を本体部10内の所定の位置に留めておくことができる。
【0065】
突出部14は、平面視で、側面部10bの内周の全体に設けられている。これにより、仕切部40が下部空間S2に落下してしまう事態を防ぎやすくなる。
【0066】
下部空間S2には、吸水性シート60が配設されている。これにより、下部空間S2に溜まった尿を吸水性シート60内に閉じ込めることができる。このため、当該尿からの悪臭の発生を緩和することができる。
【0067】
本体部10に対して抜き挿しすることが可能な引出部70が設けられている。これにより、使用済みの吸水性シート60を新しいものと交換する作業を楽に行うことができる。
【0068】
引出部70の底板70aの面積は、可変である。このため、底面部10aの面積に合わせて、底板70aの面積も変えることができる。
【0069】
ところで、猫は、犬等の他の動物と異なり、排泄後に排泄物を粒状体で隠す習性を有する。それゆえ、上部空間S1に複数の粒状体50が敷設される動物用トイレ1は、猫用トイレとして特に好適に用いることができる。
【0070】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。上記実施形態において本体部10は、本体部材30を本体部材20に対して一時的に固定する固定手段を有していてもよい。固定手段としては、例えば
図20に示すように、締結具82を用いることができる。本例において締結具82は、ボルトである。同図においては、本体部材20の側部24にボルトが通る孔が設けられている。この孔の内面には、ボルトの雄ネジに螺合する雌ネジが形成されている。ボルトを締めてボルトの先端を本体部材30の側部34に押し当てることにより、本体部材30を本体部材20に対して任意の位置で固定することができる。また、ボルトを緩めてボルトの先端を側部34から離間させることにより、固定状態を解除することができる。締結具82は、その締緩作業をスパナ等の道具を用いることなく手だけで行えるものであることが好ましい。かかる固定手段を設けることにより、動物用トイレ1の使用時に本体部材30が不意に変位してしまう事態を回避することができる。また、固定手段として締結具82を用いることにより、固定手段を簡易な構成で実現することができる。同様の固定手段を仕切部40及び引出部70に設けてもよい。
【0071】
上記実施形態において本体部10は、例えば
図21に示すように、本体部材20と本体部材30との間に介在するパッキン84を有していてもよい。本例においてパッキン84は、本体部材20の開口28の縁に沿って設けられている。パッキン84は、例えばゴム製である。かかるパッキン84を設けることにより、尿が本体部材20と本体部材30との間に浸入しにくいようにすることができる。同様のパッキンを引出部70に設けてもよい。
【0072】
上記実施形態においては、開口43の平面形状が円形である場合を例示した。しかし、開口43の平面形状は、任意であり、例えば、楕円形であってもよいし、矩形等の多角形であってもよい。開口45についても同様である。
【0073】
上記実施形態においては、引出部70が設けられた場合を例示した。しかし、引出部70を設けることは必須でない。引出部70を設けない場合、吸水性シート60は、底面部10a上に直接配設される。その場合、当然ながら、側面部10bに開口部12は設けられない。
【0074】
上記実施形態においては、本体部10に吸水性シート60が配設される場合を例示した。しかし、本体部10に吸水性シート60を配設することは必須でない。吸水性シート60を配設しない場合、引出部70も設けられない。
【符号の説明】
【0075】
1 動物用トイレ
10 本体部
10a 底面部
10b 側面部
12 開口部
14 突出部
20 本体部材(第1の本体部材)
22 底部(第1の底部)
24 側部(第1の側部)
26 空洞
28 開口
30 本体部材(第2の本体部材)
32 底部(第2の底部)
34 側部(第2の側部)
40 仕切部
41 貫通孔
42 仕切部材(第1の仕切部材)
42a 板状部
42b 支持部
43 開口(第1の開口)
44 仕切部材(第2の仕切部材)
45 開口(第2の開口)
50 粒状体
60 吸水性シート
70 引出部
70a 底板
72 引出部材(第1の引出部材)
74 引出部材(第2の引出部材)
76 把手
82 締結具
84 パッキン
S1 上部空間
S2 下部空間