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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120225
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ペグ用工具
(51)【国際特許分類】
   B25D 1/04 20060101AFI20240829BHJP
   B25B 7/02 20060101ALI20240829BHJP
   B25B 7/22 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B25D1/04
B25B7/02
B25B7/22
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026878
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】596090122
【氏名又は名称】株式会社IPS PLIERS
(74)【代理人】
【識別番号】100084102
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 彰
(72)【発明者】
【氏名】内 山 航 洋
(72)【発明者】
【氏名】吉 田 和 仁
【テーマコード(参考)】
2D058
3C020
【Fターム(参考)】
2D058AA03
2D058BA08
2D058BB02
3C020PP01
3C020QQ09
3C020QQ10
(57)【要約】
【課題】 ペグの引き抜きに作業に際して、各種のペグに対応でき、且つ作業を効率的に行う事ができるペク用工具を提供する。
【解決手段】 左右一対の挟持体A,Bを交差枢結し、前記枢結箇所(枢結軸3)の先方を挟持作用部1a,1bとし、基方を適宜長さの把手部2a,2bとし、挟持作用部の対向面に把手部開閉操作によって挟持機能を発揮する挟持部4を設けた工具であって、挟持作用部1aの外側面に、打撃面を備えた打撃部5を設け、他方に嘴状に突出させた梃子鉤部6を設けてなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の挟持体を交差枢結し、前記枢結箇所の先方を挟持作用部とし、基方を適宜長さの把手部とし、前記挟持作用部の対向面に把手部開閉操作によって挟持機能を発揮する挟持部を設けた工具であって、挟持作用部の外側面の一方に、打撃面を備えた打撃部を設け、他方側に嘴状に突出させた梃子鉤部を設けてなることを特徴とするペグ用工具。
【請求項2】
挟持部が、先端開口箇所の突出部と、突出部の奥方に前記突出部より外方側に後退して形成した抱持部で構成してなる請求項1記載のペグ用工具。
【請求項3】
梃子鉤部の基部に適宜径の係止透孔を設けてなる請求項1記載のペグ用工具。
【請求項4】
打撃部を、挟持作用部に着脱自在に構成した打撃頭部としてなる請求項1乃至3記載の何れかのペグ用工具。
【請求項5】
打撃頭部における打撃面及の反対面に装着螺軸を設け、挟持作用部の所定箇所に、前記装着螺軸と螺合する装着螺孔を設けてなる請求項4記載のペグ用工具。
【請求項6】
打撃部を設けた挟持体における把手部側面の枢結箇所近傍に、透孔を備える紐装着部を突設してなる請求項1乃至3記載の何れかのペグ用工具。
【請求項7】
把手部における基方の握持部分を、対向する把手部側に近接する凹状に形成すると共に、表裏面をダイヤカット凹凸面に形成してなる請求項1乃至3記載の何れかのペグ用工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペグの打ち込み並びに引き抜きに使用する工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ペグの打ち込み及び引き抜きの器具として、最も一般的なのは頭部が打撃部と鉤部を備えたペグ抜きハンマーである(特許文献1)。また適宜な把柄の下端にペグ抜き鉤を設けたペグ抜き用ゴムハンマー(特許文献2)も知られている。更にプライヤに打撃機能を付加してなる工具も公知である(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】意匠登録1548755号公報。
【特許文献2】実開平6-31968号公報。
【特許文献3】登録実用新案3092193号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ペグの打ち込み並びに引き抜き作業に際しては、上記した特許文献1記載のペグハンマーによるペグの引き抜き作業は、鉤部をペグの適宜箇所に係止し、地面を支点受けとして梃子のように把柄を煽り回動操作して行うようにしている。また特許文献2記載のペグ抜き器具は、鉤部をペグの上端屈曲部に引っ掛けて引き上げてペグ引き抜きを行うものである。
【0005】
しかし梃子作用でペグ引き抜きを行う器具では、最初の段階でペグを僅かに浮き上がらせるのみで、その後は、直接若しくは紐などを使用してペグ全体を引き抜くものであるが、地面に打ち込まれたペグを僅かに浮き上がらせた状態では、ペグと地面の摩擦抵抗が大きくペグ引き抜き作業は煩瑣である。
【0006】
またハンマー機能付きのプライヤをペグ工具として使用した場合は、梃子作用によるペグ引き抜き作業が行えないので、最初の地面からのペグ引き抜きが困難であり、しかも挟持部分がペグ頭部形状に対応していないのでペグ頭部の挟持引き抜き作業も適切に行う事ができない。
【0007】
そこで本発明はペグの引き抜き作業の容易化を実現する新規なペグ用工具を提案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1記載に係るペグ用工具は、左右一対の挟持体を交差枢結し、前記枢結箇所の先方を挟持作用部とし、基方を適宜長さの把手部とし、前記挟持作用部の対向面に把手部開閉操作によって挟持機能を発揮する挟持部を設けた工具であって、挟持作用部の外側面の一方に、打撃面を備えた打撃部を設け、他方側に嘴状に突出させた梃子鉤部を設けてなることを特徴とするものである。
【0009】
而して挟持体を閉じた状態で、左右の把手部を一体としてハンマーの把柄と同様に握持することで、一般的なペグハンマーと同様にペグの打ち込み、梃子作用によるペグ引き抜き(ペグの浮き上がり)を行い、更にペグ頭部を挟持部で挟持してペグを捩じりながら引き抜くことで、引き抜き作業が効率的に且つ容易に行う事ができる。
【0010】
また本発明の請求項2記載に係るペグ用工具は、上記工具において、特に挟持部が、先端開口箇所の突出部と、突出部の奥方に前記突出部より外方側に後退して形成した抱持部で構成してなるもので、ペグ頭部全体を抱持部で挟み付けると共に、突出部がペグ頭部の下方のくびれ部分に係止するので、ペグの引き抜きが確実に行える。
【0011】
また本発明の請求項3記載に係るペグ用工具は、上記工具において、特に梃子鉤部の基部に適宜径の係止透孔を設けてなるもので、ペグの一部(例えば紐掛け部)を係止透孔に挿通して係止し、ペグの引き抜きを行う事ができる。
【0012】
また本発明の請求項4記載に係るペグ用工具は、上記工具において、特に打撃部を、挟持作用部に着脱自在に構成した打撃頭部としてなり、請求項5記載に係るペグ用工具は、特に打撃頭部における打撃面及の反対面に装着螺軸を設け、挟持作用部の所定箇所に、前記装着螺軸と螺合する装着螺孔を設けてなるものである。
【0013】
従って、打撃部が摩耗した場合における取替や、ペグの種類に対応して金属製頭部と樹脂製頭部の変更が可能となるものである。
【0014】
また本発明の請求項6記載に係るペグ用工具は、更に上記工具において、特に打撃部を設けた挟持体における把手部側面の枢結箇所近傍に、透孔を備える紐装着部を突設してなるもので、前記透孔に適宜な紐体(ストラップ)を装着し、前記紐体(ストラップ)を手首に回して所定の作業を行うことで、作業の安全性が確保される。
【0015】
また本発明の請求項7記載に係るペグ用工具は、上記工具において、把手部における基方の握持部分を、対向する把手部側に近接する凹状に形成すると共に、表裏面をダイヤカット凹凸面に形成してなるもので、ペグ打ち込み作業や、梃子様に使用してペグを引き抜く作業において、把手部を握りやすく、且つ作業中に滑り難くしている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の構成は上記のとおりで、ペグの打ち込み・引き抜きを行うに際して、従前の一般的なペグハンマーと同様に使用できる他、ペグの頭部を挟持してのペグの回転・引き抜きも行うことができ、テント張・テント撤収作業に便利な器具を提供できたものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態の全体斜視図。
図2】同使用状態の説明図(ペグ頭部の打撃)。
図3】同図(ペグの梃子作用によるペグの引き抜き)。
図4】同図(ペグの紐通し孔への係止による引き抜き)。
図5】同図(ペグの紐掛け部への係止による引き抜き)。
図6】同図(ペグ頭部の挟持回転による引き抜き)。
図7】同打撃部の説明図で、分離状態の正面図及び一部平面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に本発明の実施形態について説明する。実施形態に示したペグ用工具は、基本構造は従前のプライヤと同様に、先方を挟持作用部1a,1bとし基方を適宜長さの把手部2a,2bとした一対の挟持体A,Bを、挟持作用部1a,1bと把手部2a,2bの中間部分を枢結軸3で枢結し、開閉可能な挟持機能を備える手持ち工具とし、挟持作用部1a,1bに挟持部4、打撃部5、梃子鉤部6を設けたものである。
【0019】
挟持部4は、挟持体A及びBの両挟持作用部1a,1bの対向面に形成したもので、先端開口箇所を対向側に突出させた突出部41に形成し、前記突出部41の奥方に前記突出部41より外方側に適宜範囲を後退させて形成した抱持部42で構成される。
【0020】
打撃部5は、挟持体Aの挟持作用部1aの外側面に、挟持作用部1aより表裏を厚くした装着部51を形成すると共に、装着部51の外側面に装着螺孔52を設け、適宜な材質・形状に形成した打撃頭部53に前記装着螺孔52に螺合する装着螺軸54を設けてなるもので、打撃頭部53を装着部51に着脱自在としたものである。
【0021】
梃子鉤部6は、挟持体Bの挟持作用部1bの外側方に形成したもので、外側前方に突出させ、前面をへの字状とした支持部61を形成すると共に、前記支持部61の外側先端下面に鉤部62を設け、支持部61の基方に適宜大きさ(後述するペグDの紐掛け部d2が挿通し得る内径を備える大きさ)の係止透孔63を設けたものである。
【0022】
また挟持体Aにおける把手部2aの側面の枢結軸3の近傍箇所に、紐装着部7を突設したもので、紐装着部7には、適宜な紐体(ストラップ)Cを装着する透孔71を設けたものである。
【0023】
更に把手部2a,2bは、基方の握持部分を、対向する把手部側に近接する凹状に形成すると共に、表裏面をダイヤカット凹凸面21に形成してなる。
【0024】
而して上記工具は、一般的なペグハンマーと同様にペグDの打ち込み及び引き抜きの工具として使用できる。即ち図2に示すように挟持体A,Bを閉じた状態で、左右の把手部2a,2bを一体としてハンマーの把柄と同様に握持し、ペグDの頭部d1を打撃することでペグDを地面に打ち込むものである。
【0025】
ペグDの引き抜きに際しては、図3に示すように、ペグDの先方側面に突出した紐掛け部d2と軸部d3の間の溝内に鉤部62を差し入れ、支持部61を地面Eに接して把手部2a,2bを握持して回動させて、梃子作用でペグDを地面Eより僅かに浮かせ、そのまま引き抜いたり、後述するようにペグ頭部d1の挟持によって引き抜いても良い。
【0026】
また図4に示すように、ペグDの頭部d1の下方に形成されている紐通し孔d4に鉤部62を差し入れ、把手部2a,2bを握持して工具を捻じりながらベグDを地面Eより引き抜くようにしても良い。
【0027】
また図5に示すように、ペグDの側方に突出形成されている紐掛け部d2を係止透孔63に差し入れて、工具をそのまま若しくは捻じりながらベグDを地面Eより引き抜くようにしても良い。
【0028】
また図6に示すようにペグDの頭部d1のくびれ部分d5を突出部41で挟持し、頭部d1の全体を抱持部42で挟持して適宜工具を捻じり、ペグDの軸部d3の地面への食い込み(土の摩擦抵抗)を緩め、上方に引っ張るとペグDが地面から容易に引き抜かれるものである。
【0029】
勿論前述した梃子鉤部6を使用せずに、或いは上記したペグと異なる形状で梃子鉤部6を使用できない場合には、直接ペグDの頭部d1を挟持部4で挟持してペグ引き抜き作業を行っても良い。
【0030】
また発明に係るペグ用工具は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば枢結部分の構造を、一方の挟持体に枢結軸を備え、他方の挟持体に、軸支内面を多段に設けた軸長孔を設けて、公知のプライヤと同様に開口間隔の変更を可能とするようにしても良い。
【符号の説明】
【0031】
A,B 挟持体
C 紐体(ストラップ)
D ペグ
d1 頭部
d2 紐掛け部
d3 軸部
d4 紐通し孔
d5 くびれ部分
E 地面
1a,1b 挟持作用部
2a,2b 把手部
21 凹凸面
3 枢結軸
4 挟持部
41 突出部
42 抱持部
5 打撃部
51 装着部
52 装着螺孔
53 打撃頭部
54 装着螺軸
6 梃子鉤部
61 支持部
62 鉤部
63 係止透孔
7 紐装着部
71 透孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7