IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イシダの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120240
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 35/56 20060101AFI20240829BHJP
   B65B 35/46 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B65B35/56
B65B35/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026904
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】柴田 大地
(72)【発明者】
【氏名】西辻 悟史
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 達也
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄一
【テーマコード(参考)】
3E054
【Fターム(参考)】
3E054AA13
3E054BA09
3E054CA09
3E054DA01
3E054DA02
3E054DA03
3E054DD01
3E054DD11
3E054DE03
3E054DE05
3E054DE06
3E054EA04
3E054FA07
3E054FA09
3E054FC02
3E054FC09
3E054FC15
3E054FE02
3E054GA01
3E054GA06
3E054GB01
3E054GC03
3E054GC07
3E054HA08
3E054JA02
(57)【要約】
【課題】本開示は、スタンディング・パウチ型の物品を起立させるときの整列姿勢の乱れを抑制する物品搬送装置を提供する。
【解決手段】物品搬送装置20は、物品搬入部21と、物品整列部22と、制御部50とを備えている。物品搬入部21は、物品をX1方向に搬送する。物品整列部22は、X1方向における物品搬入部21の下流に配置され、物品搬入部21により搬送された物品を受け取り、X1方向と交差するY1方向に搬送する。制御部50は、物品搬入部21および物品整列部22の搬送動作を制御し、物品整列部22の搬送面上に、N番目の物品とN+1番目の物品とがX1方向およびY1方向それぞれにずれた状態で重なる物品群を形成させる。
【選択図】図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を第1方向に搬送する第1搬送部と、
前記第1方向における前記第1搬送部の下流に配置され、前記第1搬送部により搬送された前記物品を受け取り、前記第1方向と交差する第2方向に搬送する第2搬送部と、
前記第1搬送部および前記第2搬送部の搬送動作を制御し、前記第2搬送部の搬送面上に、N番目の前記物品とN+1番目の前記物品とが前記第1方向および前記第2方向それぞれにずれた状態で重なる物品群を形成させる制御部と、
を備える、
物品搬送装置。
【請求項2】
前記第1搬送部は、伸縮可能なシャトルコンベアであり、
前記制御部は、前記第1搬送部における搬送終端部分を前記第1方向に対して平行に伸縮させ、前記搬送面上に前記物品群を形成させる、
請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記搬送終端部分の伸縮量を制御して、前記N番目の前記物品と前記N+1番目の前記物品との前記第1方向のずれ量を調節する、
請求項2に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1搬送部における前記物品の搬送速度を可変させ、前記第2搬送部の前記搬送面上に前記物品群を形成させる、
請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項5】
前記第2搬送部の前記搬送面の上方を前記第1方向に沿って平行に往復し、前記物品をガイドするガイド部をさらに備える、
請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項6】
前記N番目の前記物品と前記N+1番目の前記物品との前記第1方向のずれ量は、前記物品の長さの15%以上である、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の物品搬送装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記物品に係る商品選択に応じて、
前記N番目の前記物品と前記N+1番目の前記物品とが前記第1方向および前記第2方向それぞれにずれた状態である第1状態、および
前記N番目の前記物品と前記N+1番目の前記物品とが前記第2方向のみにずれた状態である第2状態、
のいずれかに切り換える、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の物品搬送装置。
【請求項8】
前記第2方向における前記第2搬送部の下流に配置され、前記第2搬送部により搬送された前記物品群をその先頭と後尾とから挟み込んで前記物品群を立ち上がらせる起立部をさらに備える、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の物品搬送装置。
【請求項9】
前記起立部によって立ち上がった前記物品群を前記起立部から離脱させる方向に押し出す押し部をさらに備える、
請求項8に記載の物品搬送装置。
【請求項10】
前記物品は、前記第1方向において、上流側の厚さが下流側の厚さよりも薄い形状の袋からなる、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の物品搬送装置。
【請求項11】
前記制御部は、さらに、前記第1搬送部および前記第2搬送部の搬送動作を制御し、前記第2搬送部の前記搬送面上に、前記N+1番目の前記物品とN+2番目の前記物品とが前記第1方向および前記第2方向それぞれにずれた状態で、かつ前記N番目と前記N+2番目の前記物品は前記第1方向において略一致する位置で前記N番目から前記N+2番目の前記物品が前記第1方向において交互にずれて重なる前記物品群を形成させる、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を整列させながら搬送する物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を箱詰めするシステムとして、例えば、特許文献1(特開2010-155648号公報)に開示されている物品搬送装置を利用した箱詰めシステムがある。
【0003】
上記の箱詰めシステムでは、所定の場所に搬送され集積された複数の物品に対して両側から板を押し当てて、複数の物品を起立させることにより物品を整列させて箱詰めする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、物品が、自立するために下端に底を有する、いわゆるスタンディング・パウチ型の袋の場合、袋の上端部は下端部よりも薄いので、袋の側方の一方を下に起立させるときに扇状に広がり物品の整列姿勢が乱れ、箱詰め動作が妨げられる。
【0005】
それゆえ、スタンディング・パウチ型の物品を起立させるときの整列姿勢の乱れを抑制する物品搬送装置が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点の物品搬送装置は、第1搬送部と、第2搬送部と、制御部とを備えている。第1搬送部は、物品を第1方向に搬送する。第2搬送部は、第1方向における第1搬送部の下流に配置され、第1搬送部により搬送された物品を受け取り、第1方向と交差する第2方向に搬送する。制御部は、第1搬送部および第2搬送部の搬送動作を制御し、第2搬送部の搬送面上に、N番目の物品とN+1番目の物品とが第1方向および第2方向それぞれにずれた状態で重なる物品群を形成させる。
【0007】
この物品搬送装置では、スタンディング・パウチ型の物品のような上端部が下端部よりも薄い物品であっても、物品が第1方向にずれることによって、物品群として整列し集積された状態において物品の薄い部分に隣接する物品の厚い部分が重なるので、起立したときの姿勢が安定し、箱詰め時の姿勢の崩れが抑制される。
【0008】
第2観点の物品搬送装置は、第1観点に係る物品搬送装置であって、第1搬送部が伸縮可能なシャトルコンベアである。制御部は、第1搬送部における搬送終端部分を第1方向に対して平行に伸縮させ、搬送面上に物品群を形成させる。
【0009】
この物品搬送装置では、第1搬送部における搬送終端部分を早く縮めた場合と遅く縮めた場合とで第2搬送部における物品の着地位置が異なる。これを利用して、物品を第1方向にずれた状態で重ねることができる。
【0010】
第3観点の物品搬送装置は、第2観点に係る物品搬送装置であって、制御部が、搬送終端部分の伸縮量を制御して、N番目の物品とN+1番目の物品との第1方向のずれ量を調節する。
【0011】
第4観点の物品搬送装置は、第1観点に係る物品搬送装置であって、制御部が、第1搬送部における物品の搬送速度を可変させ、第2搬送部の搬送面上に物品群を形成させる。
【0012】
この物品搬送装置では、搬送速度が速い方が第1搬送部における搬送終端部分から射出される物品の射出速度が速くなる。それゆえ、第1搬送部における搬送終端部分から射出される物品の射出速度が遅い場合と速い場合とで第2搬送部における物品の着地位置が異なる。これを利用して、物品を第1方向にずれた状態で重ねることができる。
【0013】
第5観点の物品搬送装置は、第1観点の物品搬送装置であって、ガイド部をさらに備えている。ガイド部は、第2搬送部の搬送面の上方を第1方向に沿って平行に往復し、物品をガイドする。
【0014】
この物品搬送装置では、ガイド部が第2搬送部の搬送面の上方に出た場合と出ていない場合とで、ガイド部が物品をガイドして第2搬送部上に着地させる位置が異なる。これを利用して、物品を第1方向にずれた状態で重ねることができる。
【0015】
第6観点の物品搬送装置は、第1観点から第5観点のいずれか1つの物品搬送装置であって、N番目の物品とN+1番目の物品との第1方向のずれ量が、物品の長さの20%以上である。
【0016】
この物品搬送装置では、スタンディング・パウチ型の物品のような上端部が下端部よりも薄い物品の場合、物品が第1方向に物品の長さの15%以上ずれることによって、物品群として整列し集積された状態において物品の薄い部分に隣接する物品の厚い部分が重なるので、起立したときの姿勢が安定し、箱詰め時の姿勢の崩れが抑制される。
【0017】
第7観点の物品搬送装置は、第1観点から第5観点のいずれか1つの物品搬送装置であって、制御部が、物品に係る商品選択に応じて、第1状態および第2状態のいずれかに切り換える。第1状態とは、N番目の物品とN+1番目の物品とが第1方向および第2方向それぞれにずれた状態である。第2状態とは、N番目の物品とN+1番目の物品とが第2方向のみにずれた状態である。
【0018】
この物品搬送装置では、商品に応じて第1状態と第2状態とが自動的に切り替わるので、切り替えのミスがない。
【0019】
第8観点の物品搬送装置は、第1観点から第5観点のいずれか1つの物品搬送装置であって、起立部をさらに備えている。起立部は、第2方向における第2搬送部の下流に配置され、第2搬送部により搬送された物品群をその先頭と後尾とから挟み込んで物品群を立ち上がらせる。
【0020】
この物品搬送装置では、N番目の物品とN+1番目の物品とが第1方向および第2方向それぞれにずれた状態で重なる物品群が形成されているので、挟み込みによる起立時に物品群の姿勢が崩れることが抑制される。
【0021】
第9観点の物品搬送装置は、第8観点の物品搬送装置であって、押し部をさらに備えている。押し部は、起立部によって立ち上がった物品群を起立部から離脱させる方向に押し出す。
【0022】
この物品搬送装置では、N番目の物品とN+1番目の物品とが第1方向および第2方向それぞれにずれた状態で重なる物品群が形成されているので、例えば箱詰めのための押し込み時に物品群の姿勢が崩れることが抑制される。
【0023】
第10観点の物品搬送装置は第1観点から第5観点のいずれか1つの物品搬送装置であって、物品は、第1方向において、上流側の厚さが下流側の厚さよりも薄い形状の袋からなる。
【0024】
第11観点の物品搬送装置は、第1観点から第5観点のいずれか1つの物品搬送装置であって、制御部は、さらに、第1搬送部および第2搬送部の搬送動作を制御し、第2搬送部の搬送面上に、N+1番目の物品とN+2番目の物品とが第1方向および第2方向それぞれにずれた状態で、かつN番目とN+2番目の物品は第1方向において略一致する位置でN番目からN+2番目の物品が第1方向において交互にずれて重なる物品群を形成させる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る物品搬送装置では、スタンディング・パウチ型の物品のような上端部が下端部よりも薄い物品であっても、物品が第1方向にずれることによって、物品群として整列し集積された状態において物品の薄い部分に隣接する物品の厚い部分が重なるので、起立したときの姿勢が安定し、箱詰め時の姿勢の崩れが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る物品搬送装置を搭載した箱詰システムにおけるダンボール箱および物品の流れを示す斜視図。
図2A】整列した一群の袋の搬送方向と直交する水平方向から視た正面図。
図2B図2Aの整列した一群の袋を起立させた状態の正面図。
図3】搬入コンベアの袋との接触面を瞬時に除いた状態における搬入コンベア、第1整列コンベアおよび第2整列コンベアの斜視図。
図4】搬入コンベアと袋との接触面を瞬時に除いた場合の、袋が搬入コンベアから落下するときの姿勢の正面図。
図5】搬入コンベアの先端部の伸縮量の変更前および変更後における搬入コンベアの先端部の動作を示す説明図。
図6A】搬入コンベアの先端部ローラおよび中間ローラが第1動作後に原位置に戻るだけの動作で、6個の袋を1つの物品群として物品整列部で整列させる物品搬送装置の平面図。
図6B】搬入コンベアの先端部ローラおよび中間ローラが第1動作と第2動作と交互に繰り返して6個の袋を1つの物品群として物品整列部で整列させたときの当該物品群の平面図。
図7A図6Aの物品群が第3整列コンベア上で起立した状態を示す平面図。
図7B図6Bの物品群が第3整列コンベア上で起立した状態を示す平面図。
図8A】物品群の先頭となる袋を着地位置へ案内する物品搬送装置の平面図。
図8B】物品群の先頭から2番目となる袋を着地位置へ案内する物品搬送装置の平面図。
図8C】物品群の先頭から3番目となる袋を着地位置へ案内する物品搬送装置の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0028】
(1)箱詰システム1の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る物品搬送装置20を搭載した箱詰システム1におけるダンボール箱Bおよび物品の流れを示す斜視図である。箱詰システム1は、主に、箱材搬入部11、箱組立部12、箱下方搬送部13、物品搬入部21、物品整列部22、箱詰部31および箱搬送部32で構成されており、その中の物品搬入部21および物品整列部22によって物品搬送装置20が構成されている。
【0029】
(1-1)箱材搬入部11
箱材搬入部11では、図1に示すように、昇降機構111が、供給位置に積み重ねられたダンボール箱材Zのうちの一番先頭のダンボール箱材Zを1枚ずつ挟んで上方へ送出する。その後、吸着回転機構112が、送出されたダンボール箱材Zを鉛直軸周りに90°回転させて筒状に広げる。
【0030】
(1-2)箱組立部12
箱組立部12は、筒状に広がったダンボール箱材Zを水平方向に搬送させながらダンボール箱材Zの底フラップZfbを折り込んでテープ張りを行い、天フラップZfaが開いた状態のダンボール箱Bを組み立てる。
【0031】
(1-3)箱下方搬送部13
箱下方搬送部13は、ダンボール箱Bを搬送方向と直交する水平軸周りに90°回転させ、ダンボール箱Bの開口と天フラップZfaとが同一鉛直面上になるように姿勢を変換させてから下方へ搬送する。
【0032】
(1-4)物品搬入部21
物品搬入部21は、物品導入コンベア211、および搬入コンベア212を有している。物品導入コンベア211は、重量、シール性、異物混入検査等を行う工程の下流側で、検査に合格した袋Gの供給を受けて、それを搬入コンベア212へ導く。
【0033】
袋Gがスタンディング・パウチ型の場合、袋Gは、厚みが大きい方の端部(底部)を搬送方向の下流側に向けた姿勢で、搬入コンベア212上を移動する。
【0034】
搬入コンベア212は、物品導入コンベア211から搬送されてくる袋Gを物品整列部22へ搬送する。なお、搬入コンベア212については、後半で詳細を説明する。
【0035】
(1-5)物品整列部22
物品整列部22は、第1整列コンベア221、第2整列コンベア222、および第3整列コンベア223を有している。
【0036】
第1整列コンベア221は、一つの袋Gを受けとめる毎に一定距離Tだけ当該袋Gを第2整列コンベア222に向けて搬送する。それゆえ、袋Gは落下した位置から一定距離Tだけ第2整列コンベア222に近づく。一方、後に落下してくる袋Gの一部分は第1整列コンベア221に着地し、残り部分は先の袋Gに寄り掛って傾斜する。
【0037】
また、第1整列コンベア221および第2整列コンベア222上の袋Gは、互いに隣接するもの同士が部分的に重なり合うように列を成している。
【0038】
列の最後尾の袋Gが第1整列コンベア221に着地した後、第2整列コンベア222と第3整列コンベア223とが動作を開始し、第1整列コンベア221、第2整列コンベア222、および第3整列コンベア223が同一方向に搬送動作を行う。それゆえ、第1整列コンベア221および第2整列コンベア222上で一列に整列したN個の袋Gが、一斉に第3整列コンベア223に移動し、その第3整列コンベア223上を進行する。
【0039】
(1-6)箱詰部31
箱詰部31は、第3整列コンベア223で一列に整列した一群の袋Gの先頭と最後尾とを挟んで一群の袋Gを丸ごとダンボール箱B内に挿入する。図1に示すように、箱詰部31は、整列した一群の袋Gを挟むために、阻止板311と、押寄板313と、挿入板315とを有している。
【0040】
阻止板311は、第3整列コンベア223の下流端上に設けられ、列を成して搬送されて来る袋Gの進行を阻止する。阻止板311は、平面部が常に袋Gの搬送方向と直交するように配置されている。
【0041】
本実施形態では、阻止板311は、垂直に立てられたコンベアのエンドレスベルトで構成されており、エンドレスベルトが鉛直方向に移動しているので、物品群の先頭の袋Gは阻止板311に接触すると起立姿勢へ移行する(図7A図7B参照)。
【0042】
図2Aは、整列した一群の袋Gの搬送方向と直交する水平方向から視た正面図である。また、図2Bは、図2Aの整列した一群の袋Gを起立させた状態の正面図である。図2Aおよび図2Bにおいて、押寄板313は、一列に整列したN個の袋Gの最後尾を押して、阻止板311とで挟んで起立させる。
【0043】
押寄板313は、第3整列コンベア223の上流端上に設けられているが、袋Gの列が第2整列コンベア222から第3整列コンベア223へ移動している間は、平面部が袋Gの搬送方向と平行になるように第3整列コンベア223の脇に収容されている。また、押寄板313は、列の最後尾の袋Gが第2整列コンベア222から第3整列コンベア223へ完全に移った際に、平面部が袋Gの搬送方向と直交するように回動する。さらに、押寄板313は、列の最後尾の袋Gを押して列全体を阻止板311側へ寄せる。
【0044】
このとき、阻止板311の鉛直面は鉛直移動するエンドレスベルトであるので、列の先頭の袋Gは阻止板311の鉛直面に沿って起立し、次の袋Gは起立した先頭の袋に沿って起立する。後続の袋Gも同様の動作で連鎖して起立するので、N個の袋Gは起立状態で整列する。
【0045】
本実施形態では、第3整列コンベア223、阻止板311および押寄板313が起立部230を構成している。
【0046】
また、箱詰部31は、挿入板315を介して、起立状態のN個の袋Gを一括してダンボール箱B内に押し込む。挿入板315は、第3整列コンベア223を挟んでダンボール箱Bの位置と反対側に位置している。第2整列コンベア222側から視たととき、第3整列コンベア223の右側にダンボール箱Bの開口面が位置し、第3整列コンベア223の左側に挿入板315が位置する。
【0047】
挿入板315は、平面部をダンボール箱Bの開口に対向させて待機しており、N個の袋Gは起立状態になった後、それらをダンボール箱Bの開口面に向かって押し、N個の袋Gをダンボール箱Bの開口から底に向かって一挙に挿入する。挿入板315は、阻止板311と押寄板313との間を横切ってダンボール箱Bに開口面まで進行する。
【0048】
(1-7)箱搬送部32
箱搬送部32は、袋Gの詰められたダンボール箱Bの姿勢を変換する姿勢変換機構321と、ダンボール箱Bを搬送する排出コンベア322とを有している。
【0049】
姿勢変換機構321は、開口面が上を向くようにダンボール箱Bを回転させて、排出コンベア322に載せる。排出コンベア322は、ダンボール箱Bを所定位置まで搬送する。
【0050】
(2)袋Gの着地位置調整
第1整列コンベア221は、一つの袋Gを受けとめる毎に一定距離Tだけ当該袋Gを第2整列コンベア222に向けて搬送するので、袋Gの一部分は第1整列コンベア221に着地し、残り部分は先の袋Gに寄り掛って傾斜し、互いに隣接するもの同士が部分的に重なり合うように列を成すようになる。
【0051】
また、袋Gが水平姿勢で落下すると、待機している袋Gの上面に後続の袋Gが直に落下するため、狙った位置とは異なる方向に弾むことがあるので、それを抑制するために、
本実施形態では、袋Gを搬入コンベア212で搬送されている段階から、第1整列コンベア221への着地に適した姿勢となるように、搬入コンベア212を傾斜させている。
【0052】
(2-1)搬入コンベア212の先端部の伸縮動作
本実施形態では、袋Gが搬入コンベア212の所定位置に到達したとき、搬入コンベア212と袋Gとの接触面を瞬時に除くことによって、袋Gの落下姿勢が搬送時の姿勢を維持するようにしている。
【0053】
図3は、搬入コンベア212の袋Gとの接触面を瞬時に除いた状態における搬入コンベア212、第1整列コンベア221および第2整列コンベア222の斜視図である。
【0054】
図4は、搬入コンベア212と袋Gとの接触面を瞬時に除いた場合の、袋Gが搬入コンベア212から落下するときの姿勢の正面図である。
【0055】
図3および図4において、搬入コンベア212の下流側へ袋Gが搬送され、袋Gの先端部が搬入コンベア212の先端部に到達したことを検知する第1センサ215(または第2センサ216)が検知したとき、搬入コンベア212の先端部ローラR1が、搬送方向(X1方向)とは逆のX2方向に距離D1移動する。このとき、搬入コンベア212の中間ローラR2も連動してX2方向に距離D1移動することにより、先端部ローラR1がX2方向に移動した際のコンベア・ベルトの弛みを吸収する。
【0056】
搬入コンベア212の先端部が瞬間的に袋Gよりも上流側に移動するので、袋Gは搬入コンベア212の搬送面からの抗力を突然失うことになるが、慣性によって搬送時の姿勢を維持する。
【0057】
それゆえ、第1整列コンベア221への着地姿勢は搬入コンベア212から離れるときの姿勢が維持されやすく、着地したときの姿勢乱れが抑制される。
【0058】
(2-2)搬入コンベア212の先端部の伸縮量の変更
本実施形態では、搬入コンベア212の先端部の伸縮量の変更が可能である。図5は、搬入コンベア212の先端部の伸縮量の変更前および変更後における搬入コンベア212の先端部の動作を示す説明図である。
【0059】
本実施形態では、搬入コンベア212の先端部の動作を含む全ての動作は、制御部50によって制御されている。
【0060】
図5の上段(a)はN番目の袋Gに対する搬入コンベア212の動作を記載し、図5の下段(b)はN+1番目の袋Gに対する搬入コンベア212の動作を記載している。
【0061】
(2-2-1)第1動作
図5の上段(a)において、N番目の袋Gの先端部が搬入コンベア212の先端部に到達したことを第1センサ215が検知したとき、搬入コンベア212の先端部ローラR1および中間ローラR2が原位置P1からX2方向に距離D1だけ瞬時に移動する。ここまでを第1動作とする。
【0062】
(2-2-2)第2動作
図5の下段(b)において、搬入コンベア212の先端部ローラR1および中間ローラR2が、原位置P1からX2方向に距離Sだけ移動した第2位置P2まで戻って、N+1番目の袋Gが搬入コンベア212の先端部に到達するのを待つ。
【0063】
そして、N+1番目の袋Gの先端部が搬入コンベア212の先端部に到達したことを第2センサ216が検知したとき、搬入コンベア212の先端部ローラR1および中間ローラR2がX2方向に距離D1だけ瞬時に移動し、その後、原位置P1に戻る。
【0064】
N番目の袋GとN+1番目の袋Gとは、搬入コンベア212から離脱するときの初速は同じである。また、搬入コンベア212から離脱する位置は、N+1番目の袋Gの方がN番目の袋よりも距離Sだけ搬送方向の上流側である。
【0065】
それゆえ、N+1番目の袋Gが第1整列コンベア221上に着地する位置は、N番目の袋Gが第1整列コンベア221上に着地する位置よりも距離SだけX2方向(X1方向の反対方向)にずれている。
【0066】
その結果、第1整列コンベア221上では、N番目の袋GとN+1番目の袋GとはX1方向に距離S、Y1方向に距離Tだけずれた状態で重なる。
【0067】
搬入コンベア212では、N+1番目の袋Gを搬出した後は、先端部ローラR1および中間ローラR2がX1方向に距離Sだけ移動して、N+2番目の袋Gが搬入コンベア212の先端部に到達するのを待つ。ここまでを第2動作とする。
【0068】
以後、搬入コンベア212は、第1動作と第2動作とを繰り返して、第1整列コンベア221上に袋Gを重ねていく。
【0069】
図6Aは、搬入コンベア212の先端部ローラR1および中間ローラR2が第1動作後に原位置に戻るだけの動作で、6個の袋Gを1つの物品群として物品整列部22で整列させる物品搬送装置の平面図である。
【0070】
図6Aにおいて、搬入コンベア212の先端部ローラR1および中間ローラR2は、距離D1だけ瞬時に移動して戻るという繰り返しなので、6個の各袋GはY方向に距離Tだけずれた状態で重なる。
【0071】
一方、図6Bは、搬入コンベア212の先端部ローラR1および中間ローラR2が第1動作と第2動作と交互に繰り返して6個の袋Gを1つの物品群として物品整列部22で整列させたときの当該物品群の平面図である。
【0072】
図6Bにおいて、6個の各袋GはY方向に距離Tだけシフトし、且つ6個の袋Gのうち先頭の袋G1から数えて偶数番目の袋G2、袋G4および袋G6と、奇数番目の袋G1、G3およびG5とは、X1方向に距離Sだけずれた状態で重なる。
【0073】
(3)箱詰め時の物品群の挙動
図7Aは、図6Aの物品群が第3整列コンベア223上で起立した状態を示す平面図である。
【0074】
図7Aにおいて、最初に起立した袋G1に沿って、後続の袋Gが順次起立していく。しかし、袋Gは、底となる一端部が厚く他端部が薄い形状であるので、6個の袋Gが扇状に集合する。
【0075】
それゆえ、扇状に集合した物品群を挿入板315で押してダンボール箱Bに挿入しようとすると、物品群の各袋Gがダンボール箱Bに挿入される前に散らばり、起立姿勢が崩れる。
【0076】
図7Bは、図6Bの物品群が第3整列コンベア223上で起立した状態を示す平面図である。
【0077】
図7Bにおいて、偶数番目の袋Gと奇数番目の袋Gとは、X1方向に距離Sだけずれた状態で重なったまま、第3整列コンベア223上で起立する。それゆえ、袋Gの厚い部分同士が重ならないので、起立したときの姿勢が安定し、箱詰め時の姿勢の崩れが抑制される。
【0078】
上記のように、本実施形態では、搬入コンベア212の先端部ローラR1および中間ローラR2が第1動作と第2動作とを交互に繰り返して複数の袋Gを物品整列部22上で整列させるので、起立したときの姿勢が安定し、箱詰め時の姿勢の崩れが抑制される。
【0079】
(4)特徴
(4-1)
物品搬送装置20は、物品搬入部21と、物品整列部22と、制御部50とを備えている。物品搬入部21は、袋GをX1方向に搬送する。物品整列部22は、X1方向における物品搬入部21の下流に配置され、物品搬入部21により搬送された袋Gを受け取り、X1方向と交差するY1方向に搬送する。制御部50は、物品搬入部21および物品整列部22の搬送動作を制御し、物品整列部22の搬送面上に、N番目の袋GとN+1番目の袋GとがX1方向およびY1方向それぞれにずれた状態で重なる物品群を形成させる。
【0080】
その結果、物品搬送装置20では、スタンディング・パウチ型の袋のような上端部が下端部よりも薄い袋Gであっても、袋GがX1方向にずれることによって、物品群として整列し集積された状態において袋Gの薄い部分に隣接する袋の厚い部分が重なるので、起立したときの姿勢が安定し、箱詰め時の姿勢の崩れが抑制される。
【0081】
(4-2)
物品搬送装置20は、物品搬入部21の搬入コンベア212が伸縮可能なシャトルコンベアである。制御部50は、搬入コンベア212における搬送終端部分のローラR1をX1方向に対して平行に伸縮させ、物品整列部22の搬送面上に物品群を形成させる。
【0082】
物品搬送装置20では、ローラR1を早く縮めた場合と遅く縮めた場合とで物品整列部22における袋Gの着地位置が異なる。これを利用して、袋GをX1方向にずれた状態で重ねることができる。
【0083】
(4-3)
物品搬送装置20では、制御部50が、ローラR1の伸縮量を制御して、N番目の袋GとN+1番目の袋GとのX1方向のずれ量を調節する。
【0084】
(4-4)
物品搬送装置20では、物品群の先頭の袋G1、3番目の袋G3および5番目の袋G5と、2番目の袋G2、4番目の袋G4および6番目の袋G6とのX1方向のずれ量が、物品の長さの15%以上である。一例として、X1方向のずれ量は約1/3である。
【0085】
物品搬送装置では、スタンディング・パウチ型の袋のような上端部が下端部よりも薄い袋Gの場合、袋GがX1方向に物品の長さの15%以上ずれる。これによって、物品群として整列し集積された状態において袋Gの薄い部分に隣接する袋Gの厚い部分が重なるので、或いは、隣接する袋Gの厚い部分同士が重ならないので、起立したときの姿勢が安定し、箱詰め時の姿勢の崩れが抑制される。
【0086】
(4-5)
物品搬送装置20では、制御部50が、物品に係る商品選択に応じて、第1状態および第2状態のいずれかに切り換える。第1状態とは、物品群の先頭の袋G1、3番目の袋G3および5番目の袋G5と、2番目の袋G2、4番目の袋G4および6番目の袋G6とがX1方向に距離Sだけずれ、且つ物品群のY1方向に隣接するもの同士が互いにY1方向に距離Tだけずれた状態である。第2状態とは、物品群のY1方向に隣接するもの同士が互いにY1方向に距離Tだけずれた状態である。
【0087】
物品搬送装置20では、商品に応じて第1状態と第2状態とが自動的に切り替わるので、切り替えのミスがない。
【0088】
(4-6)
物品搬送装置20では、起立部230が、物品整列部22により搬送された物品群をその先頭と後尾とから挟み込んで物品群を立ち上がらせる。
【0089】
物品搬送装置20では、物品群の先頭から視て奇数番目の袋G1、袋G3および袋G5と偶数番目の袋G2、袋G4および袋G6とがX1方向に距離Sだけずれ、且つY1方向に隣接するもの同士が互いにY1方向に距離Tだけずれた状態で重なる物品群が形成されるので、起立時に物品群の姿勢が崩れることが抑制される。
【0090】
(4-7)
物品搬送装置20では、挿入板315が、起立部230によって立ち上がった物品群を起立部230から離脱させる方向に押し出し、ダンボール箱Bに箱詰めするときでも、物品群の姿勢が崩れることが抑制されている。
【0091】
(4-8)
物品搬送装置20であって、袋Gは、X1方向において、上流側の厚さが下流側の厚さよりも薄い形状の袋からなる。
【0092】
(4-9)
物品搬送装置20では、制御部50が、さらに、物品搬入部21および物品整列部22の搬送動作を制御し、物品整列部22の搬送面上で、物品群の先頭から視て互いに隣接する奇数番目の袋Gと偶数番目の袋GとがX1方向に距離Sだけ、Y1方向に距離Tだけずれた状態で、かつ物品群の先頭から視て奇数番目の袋GはX1方向において略一致する位置で、かつ物品群の先頭から視て偶数番目の袋GはX1方向において略一致する位置で、かつ物品群の先頭から視て連続する3つの袋GがX1方向において距離Sだけ交互にずれて重なる物品群を形成させる。
【0093】
(5)第1変形例
上記実施形態では、袋Gが搬入コンベア212の先端部から離脱する位置を交互に変更することによって第1整列コンベア221上への着地位置を切り換えている。しかし、袋Gが搬入コンベア212の先端部から離脱した後は自然落下であるので、袋Gがターゲット位置に必ず着地するとは限らない。
【0094】
第1変形例では、袋Gが第1整列コンベア221のターゲット位置に着地できるように袋Gを案内する物品搬送装置120を提供する。
【0095】
(5-1)ガイド部40
図8Aは、物品群の先頭となる袋G1を着地位置へ案内する物品搬送装置120の平面図である。物品搬送装置120は、ガイド部40を備えている点で上記実施形態に係る物品搬送装置20と相違している。それゆえ、ここでは、ガイド部40の構成および動作についてのみ説明する。
【0096】
図8Aにおいて、ガイド部40は、可動ガイド板41、出力軸42および駆動機構43を有している。
【0097】
(5-1-1)可動ガイド板41
可動ガイド板41は、鉛直面41aを有する板状部材である。可動ガイド板41は、物品整列部22の搬送面から上方に所定距離をあけた高さ位置において、X1方向またはX2方向に移動することができる。
【0098】
可動ガイド板41は、搬入コンベア212の先端部から離脱して放物線状に落下してくる袋Gの水平方向の移動を鉛直面41aで止め、袋Gを鉛直面41aに沿わせて鉛直下方の着地位置へ導く。
【0099】
(5-1-2)出力軸42
出力軸42は、可動ガイド板41の鉛直面41aの反対側の背面に連結されている。出力軸42は伸縮可能である。
【0100】
(5-1-3)駆動機構43
駆動機構43は、出力軸42を伸縮させる。駆動機構43の動力源として、モータ、またはエアシリンダが採用される。
【0101】
(5-2)ガイド部40の動作
物品群の先頭となる袋G1は、搬入コンベア212の先端部から離脱すると、放物線状に自然落下する途中で、図8Aに示すように、可動ガイド板41の鉛直面41aに当たり、鉛直面41aに沿って降下し、第1整列コンベア221上に着地する。その後、第1整列コンベア221は袋G1をY1方向に距離Tだけ搬送して停止する。
【0102】
図8Bは、物品群の先頭から2番目となる袋G2を着地位置へ案内する物品搬送装置120の平面図である。図8Bにおいて、ガイド部40では、駆動機構43が出力軸42を伸ばして、可動ガイド板41をX2方向に距離Sだけ移動させて待機する。
【0103】
袋G2は、搬入コンベア212の先端部から離脱すると、放物線状に自然落下する途中で、図8Bに示すように、可動ガイド板41の鉛直面41aに当たり、鉛直面41aに沿って降下し、一部は袋G1上に重なった状態で着地する。
【0104】
袋G1と袋G2とは、Y1方向に距離Tだけ、X1方向に距離Sだけずれた状態である。この後、第1整列コンベア221は袋G1および袋G2をY1方向に距離Tだけ搬送して停止する。
【0105】
図8Cは、物品群の先頭から3番目となる袋G3を着地位置へ案内する物品搬送装置120の平面図である。図8Cにおいて、ガイド部40では、駆動機構43が出力軸42を縮めて、可動ガイド板41をX1方向(X2方向の反対方向)に距離Sだけ移動させて待機する。
【0106】
袋G3は、搬入コンベア212の先端部から離脱すると、放物線状に自然落下する途中で、図8Cに示すように、可動ガイド板41の鉛直面41aに当たり、鉛直面41aに沿って降下し、一部は袋G2上に重なった状態で着地する。
【0107】
袋G2と袋G3とは、Y1方向に距離Tだけ、X1方向に距離Sだけずれた状態である。この後、第1整列コンベア221は袋G1~袋G3をY1方向に距離Tだけ搬送して停止する。
【0108】
以後、上記の動作を繰り返して後続の袋Gを整列させる。第1変形例に係る物品搬送装置120では、ガイド部40の働きによって、物品群の先頭を基準にして、奇数番目の袋Gの底の位置と、偶数番目の袋Gの底の位置が、平面視で距離Sだけ離れた状態が上記実施形態よりも正確に実現することができる。
【0109】
(5-3)第1変形例の特徴
物品搬送装置120では、ガイド部40の可動ガイド板41が、物品整列部22の搬送面の上方をX1方向またはX2方向に沿って平行に往復し、袋Gをガイドする。
【0110】
物品搬送装置120では、ガイド部40の可動ガイド板41が物品整列部22の搬送面の上方に出た場合と出ていない場合とで、ガイド部40が袋Gをガイドして物品整列部22の搬送面上に着地させる位置が異なる。これを利用して、袋GをX1方向にずれた状態で重ねることができる。
【0111】
(6)第2変形例
上記実施形態では、搬入コンベア212の先端部の伸縮量を変更して、袋Gの着地点を変更しているが、これに限定されるものではない。
【0112】
例えば、物品搬送装置20,120において、制御部50が、物品搬入部21の搬入コンベア212における袋Gの搬送速度を可変させ、物品整列部22の搬送面上に物品群を形成させてもよい。
【0113】
物品搬送装置20,120では、搬送速度が速い方が搬入コンベア212における搬送終端部分から射出される物品の射出速度が速くなる。搬入コンベア212における搬送終端部分から射出される袋Gの射出速度が遅い場合と速い場合とで物品整列部22における袋Gの着地位置が異なる。これを利用して、物品をX1方向にずれた状態で重ねることができる。
【0114】
(7)第3変形例
上記実施形態では、袋G1~袋G4をX1方向に1つずつ互い違いにずれた状態で重ねているが、これに限定されるものではない。
【0115】
例えば、袋G1と袋G2とは、Y1方向に距離T、X1方向に距離Sずれた状態で、袋G2と袋G3とは、Y1方向に距離T、X1方向にさらに距離Sずれた状態としてもよい。袋G4は袋G3とは、Y1方向にさらに距離Tずれ、X1方向は袋G2と同じ位置とし、以後それを繰り返し、重ねることができる。
【0116】
(8)第4変形例
上記実施形態では、袋Gはスタンディング・パウチ型の袋としたが、これに限られるものではない。通常の形状の袋であっても、内容物が偏って収納されている場合や、幅の広いタブ部やチャックシール部を有する袋についても同様に優れた効果を発揮する。
【符号の説明】
【0117】
1 箱詰システム
20 物品搬送装置
21 物品搬入部(第1搬送部)
22 物品整列部(第2搬送部)
50 制御部
40 ガイド部
41 可動ガイド板(ガイド部)
42 出力軸(ガイド部)
43 駆動機構(ガイド部)
212 搬入コンベア(第1搬送部)
221 第1整列コンベア(第2搬送部)
222 第2整列コンベア(第2搬送部)
223 第3整列コンベア(第2搬送部、起立部)
230 起立部
311 阻止板(起立部)
313 押寄板(起立部)
315 挿入板(押し部)
G 袋(物品)
X1 第1方向
Y1 第2方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0118】
【特許文献1】特開2010-155648号公報
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C