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特開2024-120244情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120244
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20240829BHJP
【FI】
G06Q40/12 410
G06Q40/12 420
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026910
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 弘悦
(72)【発明者】
【氏名】河野 真理
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB64
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】取引に適用される控除率をユーザが容易に認識できるようにする。
【解決手段】情報処理装置1は、第1期間に行われた取引に適用される第1控除率と、第1期間とは異なる第2期間に行われた取引に適用される第2控除率と、含む控除率データ(免税控除制御テーブル122)を記憶する記憶部12と、制御部11とを備える。制御部11は、取引が行われた日付と、取引の勘定科目と、取引の金額とを含む取引データを取得し、取得した取引データと控除率データとに基づいて、所定の期間における取引データを含む勘定データ(総勘定元帳のデータ)を出力する場合に、所定の期間が第1期間と第2期間とを含む場合に、第1控除率が適用される取引であることを示す情報と、第2控除率が適用される取引であることを示す情報と、をそれぞれ表示する勘定データを出力する。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引が行われた日付に基づいて前記取引に係る税金の控除率を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された前記控除率を、前記取引が行われた日付に対応付けてユーザに報知するための報知手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記報知手段は、前記取引に係る税金の控除率を示す情報を、前記取引に関する情報に対応付けて表示又は印刷することで報知する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記控除率として第1控除率が適用される1期間と前記第1控除率とは異なる第2控除率が適用される第2期間とを含む期間の取引データに基づく帳簿を表示又は印刷する場合に、前記第1控除率が適用される前記取引に関する情報には前記第1控除率が適用されることを示す情報を対応付け、前記第2控除率が適用される前記取引に関する情報には前記第2控除率が適用されることを示す情報を対応付けて表示又は印刷する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記税金は、所定の事業者からの仕入れについての仮払消費税であり、
前記控除率は、前記仮払消費税についての控除率である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
第1期間に行われた取引に適用される第1控除率と、前記第1期間とは異なる第2期間に行われた取引に適用される第2控除率と、含む控除率データを記憶する記憶手段と、
取引が行われた日付と、前記取引の勘定科目と、前記取引の金額とを含む取引データを取得する取引データ取得手段と、
前記取引データと前記控除率データとに基づいて、所定の期間における前記取引データを含む勘定データを出力する勘定データ出力手段と、
を備え、
前記勘定データ出力手段は、前記所定の期間が前記第1期間と前記第2期間とを含む場合に、前記第1控除率が適用される前記取引であることを示す情報と、前記第2控除率が適用される前記取引であることを示す情報と、をそれぞれ表示する前記勘定データを出力する、
情報処理装置。
【請求項6】
取引が行われた日付に基づいて前記取引に係る税金の控除率を判定する判定工程と、
前記判定工程において判定された前記控除率を、前記取引が行われた日付に対応付けてユーザに報知するための報知工程と、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
第1期間に行われた取引に適用される第1控除率と、前記第1期間とは異なる第2期間に行われた取引に適用される第2控除率と、含む控除率データを記憶する記憶手段を備える情報処理装置のコンピュータが、
取引が行われた日付と、前記取引の勘定科目と、前記取引の金額とを含む取引データを取得する取引データ取得工程と、
前記取引データと前記控除率データとに基づいて、所定の期間における前記取引データを含む勘定データを出力する勘定データ出力工程と、
を含み、
前記勘定データ出力工程は、前記所定の期間が前記第1期間と前記第2期間とを含む場合に、前記第1控除率が適用される前記取引であることを示す情報と、前記第2控除率が適用される前記取引であることを示す情報と、をそれぞれ表示する前記勘定データを出力する、
情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
取引が行われた日付に基づいて前記取引に係る税金の控除率を判定する判定手段、
前記判定手段により判定された前記控除率を、前記取引が行われた日付に対応付けてユーザに報知するための報知手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
第1期間に行われた取引に適用される第1控除率と、前記第1期間とは異なる第2期間に行われた取引に適用される第2控除率と、含む控除率データを記憶する記憶手段を備える情報処理装置のコンピュータを、
取引が行われた日付と、前記取引の勘定科目と、前記取引の金額とを含む取引データを取得する取引データ取得手段、
前記取引データと前記控除率データとに基づいて、所定の期間における前記取引データを含む勘定データを出力する勘定データ出力手段、
として機能させ、
前記勘定データ出力手段は、前記所定の期間が前記第1期間と前記第2期間とを含む場合に、前記第1控除率が適用される前記取引であることを示す情報と、前記第2控除率が適用される前記取引であることを示す情報と、をそれぞれ表示する前記勘定データを出力する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品購入時のレシートに、第1控除税制(セルフメディケーション税制による控除)の対象品に該当する商品の項目に対応させて、第1控除税制の対象品である旨の記載及び対応するマークを表示し、第2控除税制(医療費控除税制)の対象品に該当する商品の項目に対応させて、第2控除税制(医療費控除税制)の対象品であることを示す旨の記載及び対応マークを表示するPOSシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-106670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、インボイス制度の導入により、適格請求書発行事業者以外(免税事業者など)からの仕入れに適用される仕入税額控除の控除率が変わることが決定している。上記の控除率はいずれ0%になるが、経過措置が設けられ段階的に減っていく。具体的には、現行は全額控除可能であるが、2023年10月1日から80%控除となり、2026年10月1日から50%控除となり、2029年10月1日から0%控除(控除なし)となる。
【0005】
このため、インボイス制度の導入後においては、ユーザは、適格請求書発行事業者以外からの仕入れに適用される仕入税額控除の控除率を、取引が行われた日付に基づいて判断することとなるため、控除率を判断するのに手間がかかることが予想される。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、取引に適用される控除率をユーザが容易に認識できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
取引が行われた日付に基づいて前記取引に係る税金の控除率を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された前記控除率を、前記取引が行われた日付に対応付けてユーザに報知するための報知手段と、
を備える。
【0008】
また、本発明の一態様の情報処理装置は、
第1期間に行われた取引に適用される第1控除率と、前記第1期間とは異なる第2期間に行われた取引に適用される第2控除率と、含む控除率データを記憶する記憶手段と、
取引が行われた日付と、前記取引の勘定科目と、前記取引の金額とを含む取引データを取得する取引データ取得手段と、
前記取引データと前記控除率データとに基づいて、所定の期間における前記取引データを含む勘定データを出力する勘定データ出力手段と、
を備え、
前記勘定データ出力手段は、前記所定の期間が前記第1期間と前記第2期間とを含む場合に、前記第1控除率が適用される前記取引であることを示す情報と、前記第2控除率が適用される前記取引であることを示す情報と、をそれぞれ表示する前記勘定データを出力する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、取引に適用される控除率をユーザが容易に認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図2】(a)は、免税控除制御テーブルのファイル構造の一例を示す図であり、(b)は、免税控除制御テーブルに格納(記憶)されるデータの例を示す図である。
図3】(a)は、会計制御テーブルのファイル構造の一例を示す図であり、(b)は、会計制御テーブルに格納されるデータの例を示す図である。
図4】(a)は、勘定科目マスタテーブルのファイル構造の一例を示す図であり、(b)は、勘定科目マスタテーブルに格納されるデータの例を示す図である。
図5】(a)は、仕訳明細テーブルのファイル構造の一例を示す図であり、(b)~(d)は、仕訳明細テーブルに格納されるデータの例を示す図である。
図6図1の制御部により実行される振替伝票入力処理の流れを示すフローチャートである。
図7】振替伝票入力画面の一例を示す図である。
図8】振替伝票入力画面の一例を示す図である。
図9図1の制御部により実行される総勘定元帳印刷処理の流れを示すフローチャートである。
図10図1の制御部により実行される総勘定元帳印刷処理の流れを示すフローチャートである。
図11図1の制御部により実行される総勘定元帳印刷処理の流れを示すフローチャートである。
図12】総勘定元帳印刷画面の一例を示す図である。
図13】印刷範囲の期間として、仕入税額控除率が80%の期間が指定された場合に総勘定元帳印刷処理で印刷される総勘定元帳の例を示す図である。
図14】印刷範囲の期間として、仕入税額控除率が50%の期間が指定された場合に総勘定元帳印刷処理で印刷される総勘定元帳の例を示す図である。
図15】印刷範囲の期間として、仕入税額控除率が80%と50%が混在する期間が指定された場合に総勘定元帳印刷処理で印刷される総勘定元帳の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。そのため、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
[情報処理装置1の構成]
図1は、本発明に係る情報処理装置1の機能的構成を示すブロック図である。
情報処理装置1は、会社の会計処理を行うコンピュータ装置である。
図1に示すように、情報処理装置1は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14、通信部15を備えて構成されている。情報処理装置1の各部はバス16により接続されている。
【0013】
制御部11は、少なくとも一つのCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、情報処理装置1の各部を制御する。具体的には、制御部11のCPUは、記憶部12に記憶されているシステムプログラムや各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。例えば、制御部11は、記憶部12に記憶されている会計システムプログラム121との協働により、後述する振替伝票入力処理及び総勘定元帳印刷処理を実行する。制御部11は、振替伝票入力処理を実行することにより、取引データ取得手段として機能する。また、制御部11は、総勘定元帳印刷処理を実行することにより、判定手段、報知手段、勘定データ出力手段として機能する。
【0014】
記憶部12は、不揮発性の半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。記憶部12は、情報処理装置1に内蔵されたものに限られず、情報処理装置1に対して着脱可能なメモリカード等の外部記録媒体を含んでもよい。
【0015】
記憶部12には、会計システムプログラム121が記憶されている。会計システムプログラム121は、会計処理を行うためのプログラムであり、後述する振替伝票入力処理及び総勘定元帳印刷処理を実行するためのプログラムが含まれる。
【0016】
また、記憶部12には、免税控除制御テーブル122、会計制御テーブル123、勘定科目マスタテーブル124等が記憶されている。
【0017】
図2(a)は、免税控除制御テーブル122のファイル構造の一例を示す図であり、図2(b)は、免税控除制御テーブル122に格納(記憶)されるデータの例を示す図である。
図2(a)、(b)に示すように、免税控除制御テーブル122には、「開始日」と「控除率」の項目からなるレコード(控除率データ)が格納されている。「開始日」は、「控除率」に示す仕入税額控除率を適用する開始日である。「控除率」は、インボイス制度導入後に適格請求書発行事業者以外からの仕入税額に適用される仕入税額控除率である。図2(b)に示すレコード(控除率データ)は、1行目の「開始日」から2行目の「開始日」の前日までの第1期間(インボイス制度導入開始日の2023年10月1日~2026年9月30日)に適用される第1控除率(80%)と、2行目の「開始日」から3行目の「開始日」の前日までの第2期間(2026年10月1日~2029年9月30日)に適用される第2控除率(50%)の情報を含んでいる。
【0018】
図3(a)は、会計制御テーブル123のファイル構造の一例を示す図であり、図3(b)は、会計制御テーブル123に格納されるデータの例を示す図である。
図3(a)、(b)に示すように、会計制御テーブル123には、「システムコード」、「自社名」、「期首月度」、「期首月日」、「仕入控除印8」、「仕入控除印5」、「仕入控除説明8」、「仕入控除説明5」、「仕入控除説明85」の項目からなるレコードが格納されている。「仕入控除印8」は、仕入税額控除率が80%の時に印字するマークである。「仕入控除印5」は、仕入税額控除率が50%の時に印字するマークである。「仕入控除説明8」は、仕入税額控除率が80%の時に印字する説明文である。「仕入控除説明5」は、仕入税額控除率が50%の時に印字する説明文である。「仕入控除説明85」は、仕入税額控除率が80%と50%が混在する時に印字する説明文である。
【0019】
図4(a)は、勘定科目マスタテーブル124のファイル構造の一例を示す図であり、図4(b)は、勘定科目マスタテーブル124に格納されるデータの例を示す図である。
図4(a)、(b)に示すように、勘定科目マスタテーブル124には、「勘定科目コード」、「勘定科目名」、「借方貸方区分」、「消費税区分」の項目からなるレコードが格納されている。「借方貸方区分」は、“1”が借方、“2”が貸方であることを示す。「消費税区分」は、“1”が課税売上、“2”が課税仕入、“9”が対象外であることを示す。
【0020】
また、記憶部12には、入力された振替伝票に基づく取引データである仕訳明細データを格納するための仕訳明細テーブル125が設けられている。
図5(a)は、仕訳明細テーブル125のファイル構造の一例を示す図であり、図5(b)~(d)は、仕訳明細テーブル125に格納されるデータの例を示す図である。図5(b)は、インボイス制度導入前の伝票日付の仕訳明細データの格納例である。図5(c)は、仕入税額控除率80%の適用期間中の伝票日付の仕訳明細データの格納例である。図5(d)は、仕入税額控除率50%の適用期間中の伝票日付の仕訳明細データの格納例である。
図5(a)~(d)に示すように、仕訳明細テーブル125は、「伝票日付」、「伝票番号」、「行番号」、「明細区分」、「借方科目コード」、「借方金額」、「貸方科目コード」、「貸方金額」、「仕入控除区分」等の項目を有し、これらの項目からなる取引データである仕訳明細データを格納する。「行番号」は、伝票内の行番号である。「明細区分」は、“1”が非消費税行、“2”が消費税行であることを示す。「仕入控除区分」は、“1”が全額控除、“2”が控除率適用、であることを示す。「仕入控除区分」が“2”の仕訳明細データは、インボイス制度導入後の、適格請求書発行事業者以外からの仕入れに対する仕入税額控除率が適用される仕訳明細データである。
【0021】
入力部13は、各種キーを備えたキーボードやマウス等のポインティングデバイス、あるいは表示部14に取り付けられたタッチパネル等で構成されている。入力部13は、ユーザ操作により入力されたキーに対応するキー入力信号や画面上の操作信号を制御部11に出力する。
【0022】
表示部14は、液晶ディスプレイ、有機EL等の表示デバイスにより構成され、制御部11の制御動作に基づいて表示を行う。
【0023】
通信部15は、有線又は無線によりLAN(Local Area Network)やインターネット等の通信ネットワークを介して印刷装置2を始めとする外部機器と通信を行うための通信制御を行う。
【0024】
[情報処理装置1の動作]
次に、情報処理装置1の動作について説明する。
情報処理装置1において、入力部13により会計システムの起動が指示されると、制御部11は、会計システムプログラム121を起動させ、表示部14に、図示しないメニュー画面を表示する。メニュー画面から、入力部13の操作により振替伝票入力が選択されると、制御部11は、図6に示す振替伝票入力処理を実行し、仕訳明細データを生成する。メニュー画面から、入力部13の操作により総勘定元帳印刷が選択されると、制御部11は、図9~11に示す総勘定元帳印刷処理を実行し、仕訳明細データに基づいて総勘定元帳を出力する。
【0025】
ここで、インボイス制度の導入により、適格請求書発行事業者以外(免税事業者など)からの仕入れに適用される仕入税額控除の控除率が変わることが決定している。上記の控除率はいずれ0%になるが、経過措置が設けられ、80%控除の期間と、50%控除の期間を経て、控除率が0%となる。本実施形態では、経過措置の適用期間に含まれる取引についての振替伝票入力画面141(図7~8参照)の表示や総勘定元帳の印刷において、経過措置の仕入税額控除率が適用される取引の情報については、伝票日付に基づいて仕入税額控除率を示すマークや説明文を記載する。これにより、適用される仕入税額控除率をユーザが容易に認識できるようにする。また、適用される仕入税額控除率が異なる複数の取引が含まれている場合に、その旨をユーザが容易に認識できるようにする。
【0026】
図6は、振替伝票入力処理の流れを示すフローチャートである。振替伝票入力処理は、制御部11と会計システムプログラム121との協働により実行される。
【0027】
振替伝票入力処理において、まず、制御部11は、表示部14に振替伝票入力画面141を表示する(ステップS1)。
図7図8は、振替伝票入力画面141の一例を示す図である。
図7図8に示すように、振替伝票入力画面141には、伝票日付入力欄141a、伝票番号表示欄141b、明細入力欄141c、登録キー141d、終了キー141e等が設けられている。なお、ステップS1で表示される振替伝票入力画面141には、伝票日付入力欄141a、伝票番号表示欄141b、明細入力欄141cの入力内容及び後述する仕入税額控除キー141fは表示されていない。
【0028】
伝票番号表示欄141bは、伝票を一意に識別するための識別番号である伝票番号を表示する欄である。伝票番号は、制御部11により自動的に割り当てられる。
明細入力欄141cは、ユーザが振替伝票の明細(借方科目、借方金額、貸方科目、貸方金額)を入力するための欄である。
登録キー141dは、振替伝票入力画面141から入力された内容を仕訳明細テーブル125に登録することを指示するためのキーである。
終了キー141eは、振替伝票入力を終了することを指示するためのキーである。
【0029】
次いで、制御部11は、終了キー141eが押下されたか否かを判断する(ステップS2)。
終了キー141eが押下されていないと判断した場合(ステップS2;NO)、制御部11は、伝票日付入力欄141aにおける伝票日付の入力を受け付ける(ステップS3)。なお、伝票日付は、ユーザが入力するのではなく、制御部11が自動的に本日の日付を入力することとしてもよい。
【0030】
次いで、制御部11は、入力部13によるカーソルの移動に応じて、明細入力欄141cに行を追加し、行番号をプラスする(ステップS4)。
【0031】
次いで、制御部11は、追加した行において、借方の勘定科目(借方科目)の入力を受け付ける(ステップS5)。
次いで、制御部11は、入力された勘定科目の消費税区分が“2”であるか否かを判断する(ステップS6)。
ここで、制御部11は、勘定科目マスタテーブル124の、入力された勘定科目の消費税区分を参照し、入力された勘定科目の消費税区分が“2”、すなわち、課税仕入であるか否かを判断する。
【0032】
入力された勘定科目の消費税区分が“2”ではない、すなわち、課税仕入ではないと判断した場合(ステップS6;NO)、制御部11は、ステップS8に移行する。
【0033】
入力された勘定科目の消費税区分が“2”である、すなわち、課税仕入であると判断した場合(ステップS6;YES)、制御部11は、振替伝票入力画面141に仕入税額控除キー141fを表示し(ステップS7)、ステップS8に移行する。
仕入税額控除キー141fは、インボイス制度導入後の適格請求書発行事業者以外からの仕入れに対する仕入税額控除率を適用することを指示するためのキーである。
【0034】
ステップS8において、制御部11は、借方金額の入力を受け付け、消費税額及び合計を計算して表示する(ステップS8)。
制御部11は、入力された借方金額の消費税額(仮払消費税額)を計算し、例えば図7図8に示すように、入力された借方金額の下段に括弧を付して消費税額を表示する。また、制御部11は、明細入力欄141cの各行の借方金額及び消費税額の合計を計算し、最下段の合計欄に表示する。
【0035】
次いで、制御部11は、仕入税額控除キー141fが押下されたか否かを判断する(ステップS9)。
仕入税額控除キー141fが押下されていないと判断した場合(ステップS9;NO)、制御部11は、ステップS13に移行する。
【0036】
仕入税額控除キー141fが押下されたと判断した場合(ステップS9;YES)、制御部11は、伝票日付に該当する仕入税額控除率を免税控除制御テーブル122から取得する(ステップS10)。
図2(b)に示すように、伝票日付が2023年10月1日~2026年9月30日の場合は、仕入税額控除率80%、2026年10月1日~2029年9月30日の場合は、仕入税額控除率50%、2029年10月1日以降の場合は、仕入税額控除率0%が取得される。
【0037】
次いで、制御部11は、伝票日付に該当する仕入税額控除率が免税控除制御テーブル122から取得できたか否かを判断する(ステップS11)。
伝票日付に該当する仕入税額控除率が免税控除制御テーブル122から取得できていないと判断した場合(ステップS11;NO)、制御部11は、ステップS13に移行する。
伝票日付に該当する仕入税額控除率が免税控除制御テーブル122から取得できたと判断した場合(ステップS11;YES)、制御部11は、ステップS8で計算した消費税額を取得した仕入税額控除率(控除率)で乗算し、乗算結果を消費税額として再表示するとともに、控除率を示すマークと説明文(図7、8参照)を会計制御テーブル123から取得して振替伝票入力画面141の所定の位置に表示し(ステップS12)、ステップS13に移行する。
例えば、制御部11は、明細入力欄141cにおける入力された借方金額の行の横に控除率に応じたマーク(図7のM1や図8のM2)を、明細入力欄141cの合計欄の下に取得した仕入税額控除率に応じた説明文(図7のE1や図8のE2)を表示する。
なお、消費税額の再表示が終了すると、仕入税額控除キー141fの表示は一旦消去されるようになっていてもよい。
【0038】
ステップS13において、制御部11は、貸方の勘定科目(貸方科目)の入力を受け付ける(ステップS13)。
【0039】
次いで、制御部11は、入力された勘定科目の消費税区分が“2”であるか否かを判断する(ステップS14)。
ここで、制御部11は、勘定科目マスタテーブル124の、入力された勘定科目の消費税区分を参照し、入力された勘定科目の消費税区分が“2”、すなわち、課税仕入であるか否かを判断する。
【0040】
入力された勘定科目の消費税区分が“2”ではない、すなわち、課税仕入ではないと判断した場合(ステップS14;NO)、制御部11は、ステップS16に移行する。
【0041】
入力された勘定科目の消費税区分が“2”である、すなわち、課税仕入であると判断した場合(ステップS14;YES)、制御部11は、振替伝票入力画面141に仕入税額控除キー141fを表示し(ステップS15)、ステップS16に移行する。
【0042】
ステップS16において、制御部11は、貸方金額の入力を受け付け、消費税額及び合計を計算して表示する(ステップS16)。
制御部11は、入力された貸方金額の消費税額を計算し、例えば図7図8に示すように、入力された貸方金額の下段に括弧を付して消費税額を表示する。また、制御部11は、明細入力欄141cの各行の貸方金額及び消費税額の合計を計算し、最下段の合計欄に表示する。
【0043】
次いで、制御部11は、仕入税額控除キー141fが押下されたか否かを判断する(ステップS17)。
仕入税額控除キー141fが押下されていないと判断した場合(ステップS17;NO)、制御部11は、ステップS21に移行する。
【0044】
仕入税額控除キー141fが押下されたと判断した場合(ステップS17;YES)、制御部11は、伝票日付に該当する仕入税額控除率を免税控除制御テーブル122から取得する(ステップS18)。
図2(b)に示すように、伝票日付が2023年10月1日~2026年9月30日の場合は、仕入税額控除率80%、2026年10月1日~2029年9月30日の場合は、仕入税額控除率50%、2029年10月1日以降の場合は、仕入税額控除率0%が取得される。
【0045】
次いで、制御部11は、伝票日付に該当する仕入税額控除率が免税控除制御テーブル122から取得できたか否かを判断する(ステップS19)。
伝票日付に該当する仕入税額控除率が免税控除制御テーブル122から取得できていないと判断した場合(ステップS19;NO)、制御部11は、ステップS21に移行する。
伝票日付に該当する仕入税額控除率が免税控除制御テーブル122から取得できたと判断した場合(ステップS19;YES)、制御部11は、ステップS16で計算した消費税額を取得した控除率で乗算し、乗算結果を消費税額として再表示するとともに、控除率を示すマークと説明文(図7、8参照)を会計制御テーブル123から取得して振替伝票入力画面141の所定の位置に表示し(ステップS20)、ステップS21に移行する。
例えば、制御部11は、明細入力欄141cにおける入力された貸方金額の行の横に控除率に応じたマーク(例えば、図7のM1や図8のM2)を、明細入力欄141cの合計欄の下に取得した仕入税額控除率に応じた説明文(例えば、図7のE1や図8のE2)を表示する。
【0046】
ステップS21において、制御部11は、登録キー141dが押下されたか否かを判断する(ステップS21)。
登録キー141dが押下されていないと判断した場合(ステップS21;NO)、制御部11は、ステップS4に戻り、ステップS4以降の処理を繰り返し実行する。
登録キー141dが押下されたと判断した場合(ステップS21;YES)、制御部11は、振替伝票入力画面141から入力された取引データである仕訳明細データを仕訳明細テーブル125に格納して更新するとともに、次の入力のために振替伝票入力画面141から入力された内容をクリアし(ステップS22)、ステップS2に戻る。
なお、仕訳明細データの「仕入控除区分」としては、仕入税額控除キー141fが押下され、ステップS10又はS18で仕入税額控除率が取得された取引については“2”、仕入税額控除キー141fが押下されなかった取引又はステップS10又はS18で仕入税額控除率が取得されなかった取引については“1”が格納される。
ステップS2において終了キー141eが押下されたと判断するまで、制御部11は、ステップS2以降の処理を繰り返し実行する。ステップS2において終了キー141eが押下されたと判断した場合、制御部11は、振替伝票入力処理を終了する。
【0047】
図7の上段は、適格請求書発行事業者以外からの仕入れにおいて、伝票日付がインボイス制度導入後の第1期間内の日付である場合の、仕入税額控除キー141fが押下される前の振替伝票入力画面141の一例を示す図である。この振替伝票入力画面141において、仕入税額控除キー141fが押下されると、図7の下段に示すように、伝票日付に応じた仕入税額控除率で消費税額(仮払消費税)が再計算されて表示される。図7の例では、伝票日付が2026年9月31日であり、この日は仕入税額控除率80%であるため、仕入高の借方金額における仮払消費税が1000から800に変更される。また、明細入力欄141cにおける仕入高の行に対応付けて、控除率80%が適用されたことを示すマークM1が表示され、明細入力欄141cの合計欄の下に控除率80%であることを示す説明文E1が表示される。
【0048】
図8の上段は、適格請求書発行事業者以外からの仕入れにおいて、伝票日付がインボイス制度導入後の第2期間内の日付である場合の、仕入税額控除キー141fが押下される前の振替伝票入力画面141の一例を示す図である。この振替伝票入力画面141において、仕入税額控除キー141fが押下されると、図8の下段に示すように、伝票日付に応じた仕入税額控除率で消費税額(仮払消費税)が再計算されて表示される。図8の例では、伝票日付が2026年10月1日であり、この日は仕入税額控除率50%であるため、仕入高の借方金額における仮払消費税が1000から500に変更される。また、明細入力欄141cにおける仕入高の行に対応付けて、控除率50%が適用されたことを示すマークM2が表示され、明細入力欄141cの合計欄の下に控除率50%であることを示す説明文E2が表示される。
【0049】
次に、総勘定元帳印刷処理について説明する。
図9~11は、総勘定元帳印刷処理の流れを示すフローチャートである。総勘定元帳印刷処理は、制御部11と記憶部12に記憶されている会計システムプログラム121との協働により実行される。
【0050】
総勘定元帳印刷処理において、まず、制御部11は、表示部14に総勘定元帳印刷画面142を表示する(ステップS31)。
【0051】
図12は、総勘定元帳印刷画面142の一例を示す図である。図12に示すように、総勘定元帳印刷画面142には、印刷範囲入力欄142aと、勘定科目入力欄142bと、印刷キー142cと、終了キー142dと、が設けられている。
印刷範囲入力欄142aは、印刷対象の年月度を入力するための欄である。
勘定科目入力欄142bは、印刷対象の勘定科目(勘定科目コード)を入力するための欄である。
印刷キー142cは、印刷を指示するためのキーである。終了キー142dは、総勘定元帳印刷処理の終了を指示するためのキーである。
【0052】
次いで、制御部11は、入力部13における印刷範囲入力欄142aにおける印刷対象の年月度の入力及び勘定科目入力欄142bからの印刷対象の勘定科目の入力を受け付ける(ステップS32)。
【0053】
次いで、制御部11は、印刷キー142cが押下されたか否かを判断する(ステップS33)。
印刷キー142cが押下されたと判断した場合(ステップS33;YES)、制御部11は、印刷対象の年月度を年月日の期間に変換する(ステップS34)。
制御部11は、会計制御テーブル123から期首月度及び期首月日を取得し、取得した期首月度及び期首月日に基づいて、印刷対象の年月度を年月日に変換する。例えば、図3(b)に示すように、期首月度が4月に対して期首月日が3月21日である場合、毎月度は前月の21日から当月の20日となる。よって、例えば、印刷対象の年月度が2023/10の場合は、印刷対象の年月日は、2023年9月21~2023年10月20日に変換される。
【0054】
次いで、制御部11は、印刷対象の勘定科目を勘定科目入力欄142bの上から順に1つ取得する(ステップS35)。
【0055】
次いで、制御部11は、印刷対象の勘定科目が取得できたか否かを判断する(ステップS36)。
印刷対象の勘定科目が取得できたと判断した場合(ステップS36;YES)、制御部11は、仕入税額控除マークの変数を初期化する(ステップS37)。
すなわち、仕入税額控除マークの変数を0に設定する。
ここで、仕入税額控除マークの変数が0の場合、マークの印刷がないことを示す。仕入税額控除マークの変数が1の場合、仕入税額控除率80%のマークの印刷があったことを示す。仕入税額控除マークの変数が2の場合、仕入税額控除率50%のマークの印刷があったことを示す。仕入税額控除マークの変数が3の場合、仕入税額控除率80%と仕入税額控除率50%の両方のマークの印刷があったことを示す。
【0056】
次いで、制御部11は、仕訳明細テーブル125から、印刷対象の年月日の範囲にある伝票日付、かつ借方科目コード又は貸方科目コードのいずれかに印刷対象として指定された勘定科目コードが存在するレコード(明細レコードと呼ぶ)を抽出し、伝票日付/伝票番号/行番号の順にソートする(ステップS38)。
【0057】
次いで、制御部11は、ステップS38において該当する明細レコードが抽出できたか否かを判断する(ステップS39)。
ステップS38において該当する明細レコードが抽出できなかったと判断した場合(ステップS39;NO)、制御部11は、ステップS35に戻り、次の勘定科目を取得して、ステップS36~S39を実行する。
【0058】
ステップS38において該当する明細レコードが抽出できたと判断した場合(ステップS39;YES)、制御部11は、抽出した明細レコードのうちの一つの明細レコードを取得し、取得した借方金額を印刷用データの借方金額に設定する(ステップS40)。
また、制御部11は、取得した明細レコードの貸方金額を印刷用データの貸方金額に設定する(ステップS41)。
ここで、印刷用データは、総勘定元帳を印刷装置2に印刷させるためのデータ(勘定データ)であり、印刷すべき項目のレイアウト等は予め定められている。
【0059】
次いで、制御部11は、印刷対象の勘定科目の借方貸方区分を勘定科目マスタテーブル124から取得し、取得した借方貸方区分に基づいて、印刷対象の勘定科目における借方金額と貸方金額の差引残高を算出する(ステップS42)。
ステップS42において、制御部11は、借方貸方区分が“1”の場合、前行の差引残高に借方金額をプラスし、貸方金額をマイナスする。借方貸方区分が“2”の場合、前行の差引残高に借方金額をマイナスし、貸方金額をプラスする。前行がない場合は、前行の差引残高は0とする。
【0060】
次いで、制御部11は、取得した明細レコードの仕入控除区分が“2”であるか否かを判断する(ステップS43)。
取得した明細レコードの仕入控除区分が“2”であると判断した場合(ステップS43;YES)、制御部11は、伝票日付に基づいて仕入税額控除率を判定し、判定した仕入税額控除率の時に印字するマーク(判定した仕入税額控除率が適用されていることを示すマーク)を会計制御テーブル123から取得する。そして、取得したマークを印刷用データに設定する(ステップS44)。
例えば、制御部11は、伝票日付に対応する仕入税額控除率を免税控除制御テーブル122から取得して仕入税額控除率を判定し、その仕入税額控除率の時に印字するマークを会計制御テーブル123から取得する。そして、取得したマークを印刷用データに設定する。
【0061】
次いで、制御部11は、判定した仕入税額控除率が80%であるか否かを判断する(ステップS45)。
判定した仕入税額控除率が80%であると判断した場合(ステップS45;YES)、制御部11は、仕入税額控除マークの変数が0であるか否かを判断する(ステップS46)。
仕入税額控除マークの変数が0であると判断した場合(ステップS46;YES)、制御部11は、仕入税額控除マークの変数に1を設定し(ステップS47)、ステップS55に移行する。
【0062】
仕入税額控除マークの変数が0ではないと判断した場合(ステップS46;NO)、制御部11は、仕入税額控除マークの変数が2であるか否かを判断する(ステップS48)。
仕入税額控除マークの変数が2であると判断した場合(ステップS48;YES)、制御部11は、仕入税額控除マークの変数に3を設定し(ステップS49)、ステップS55に移行する。
仕入税額控除マークの変数が2ではないと判断した場合(ステップS48;NO)、制御部11は、ステップS55に移行する。
【0063】
一方、ステップS45において、判定した仕入税額控除率が80%ではないと判断した場合(ステップS45;NO)、制御部11は、判定した仕入税額控除率が50%であるか否かを判断する(ステップS50)。
判定した仕入税額控除率が50%であると判断した場合(ステップS50;YES)、制御部11は、仕入税額控除マークの変数が0であるか否かを判断する(ステップS51)。
仕入税額控除マークの変数が0であると判断した場合(ステップS51;YES)、制御部11は、仕入税額控除マークの変数に2を設定し(ステップS52)、ステップS55に移行する。
【0064】
仕入税額控除マークの変数が0ではないと判断した場合(ステップS51;NO)、制御部11は、仕入税額控除マークの変数が1であるか否かを判断する(ステップS53)。
仕入税額控除マークの変数が1であると判断した場合(ステップS53;YES)、制御部11は、仕入税額控除マークの変数に3を設定し(ステップS54)、ステップS55に移行する。
仕入税額控除マークの変数が1ではないと判断した場合(ステップS53;NO)、制御部11は、ステップS55に移行する。
【0065】
一方、ステップS55において、制御部11は、次の明細レコードがあるか否かを判断する(ステップS55)。
次の明細レコードがあると判断した場合(ステップS55;YES)、制御部11は、ステップS40に戻り、次の明細レコードについてステップS40~S55の処理を実行する。
【0066】
次の明細レコードがないと判断した場合(ステップS55;NO)、制御部11は、仕入税額控除マークの変数に1が設定されているか否かを判断する(ステップS56)。
仕入税額控除マークの変数に1が設定されていると判断した場合(ステップS56;YES)、制御部11は、仕入税額控除率が80%の説明文を会計制御テーブル123から取得し、取得した説明文を印刷用データのヘッダー部に設定し(ステップS57)、ステップS62に移行する。
【0067】
仕入税額控除マークの変数に1が設定されていないと判断した場合(ステップS56;NO)、制御部11は、仕入税額控除マークの変数に2が設定されているか否かを判断する(ステップS58)。
仕入税額控除マークの変数に2が設定されている判断した場合(ステップS58;YES)、制御部11は、仕入税額控除率が50%の説明文を会計制御テーブル123から取得し、取得した説明文を印刷用データのヘッダー部に設定し(ステップS59)、ステップS62に移行する。
【0068】
仕入税額控除マークの変数に2が設定されていないと判断した場合(ステップS58;NO)、制御部11は、仕入税額控除マークの変数に3が設定されているか否かを判断する(ステップS60)。
仕入税額控除マークの変数に3が設定されている判断した場合(ステップS60;YES)、制御部11は、仕入税額控除率が80%と50%が混在する説明文を会計制御テーブル123から取得し、取得した説明文を印刷用データのヘッダー部に設定し(ステップS61)、ステップS62に移行する。
仕入税額控除マークの変数に3が設定されていないと判断した場合(ステップS60;NO)、制御部11は、ステップS62に移行する。
【0069】
ステップS62において、制御部11は、通信部15により印刷装置2に印刷用データを出力して印刷を行わせ(ステップS62)、ステップS35に戻る。
【0070】
ステップS35の実行後、ステップS36において、印刷対象の勘定科目が取得できなかった(すなわち、一番下の勘定科目まで印刷が終了した)と判断した場合(ステップS36;NO)、制御部11は、ステップS63に移行する。
また、ステップS33において、印刷キー142cが押下されていないと判断した場合(ステップS33;NO)、制御部11は、ステップS63に移行する。
【0071】
ステップS63において、制御部11は、終了キー142dが押下されたか否かを判断する(ステップS63)。
終了キー142dが押下されていないと判断した場合(ステップS63;NO)、制御部11は、ステップS32に戻る。
終了キー142dが押下されたと判断した場合(ステップS63;YES)、制御部11は、総勘定元帳印刷処理を終了する。
【0072】
図13は、印刷範囲の期間として、仕入税額控除率が80%の期間が指定された場合に上記総勘定元帳印刷処理で印刷される総勘定元帳の例を示す図である。図13(a)は仕入高についてのページ、(b)は仮払消費税についてのページ、(c)は現金についてのページ、(d)は売上高についてのページの印刷例を示している。
図13(a)~(d)に示すように、総勘定元帳の各ページには、ヘッダー部151と、取引情報表示欄152が設けられている。ヘッダー部151には、年度151a、勘定科目151b、会社名151cが表示されている。また、取引情報表示欄152には、印刷対象の年月度の各取引の、取引年月日152a、伝票番号152b、借方金額152c、貸方金額152d、差引残高152eの項目を含む取引情報の内容が行ごとに表示されるとともに、印刷対象の年月度の会計152fが表示されている。取引情報表示欄152の仕入税額控除率80%が適用される取引情報の側方には、仕入税額控除率が80%の取引であることを示すマークM1が対応付けて表示されている。また、ページのヘッダー部151には、マークM1が付与されている取引が仕入税額控除率80%の対象であることの説明文E1が表示されている。したがって、マークM1が表示されている行の取引に仕入税額控除率80%が適用されることがユーザに報知されるので、仕入税額控除率80%が適用される取引があったことをユーザが容易に認識することが可能となる。
【0073】
図14は、印刷範囲の期間として、仕入税額控除率が50%の期間が指定された場合に上記総勘定元帳印刷処理で印刷される総勘定元帳の例を示す図である。図14(a)は仕入高についてのページ、(b)は仮払消費税についてのページ、(c)は現金についてのページ、(d)は売上高についてのページの印刷例を示している。各ページには、図13(a)~(d)と同様に、ヘッダー部151と、取引情報表示欄152が設けられている。
図14(a)~(d)に示すように、仕入税額控除率50%が適用される取引情報の側方には、仕入税額控除率が50%の取引であることを示すマークM2が対応付けて表示されている。また、ページのヘッダー部151には、マークM2が付与されている取引が仕入税額控除率50%の対象であることの説明文E2が表示されている。したがって、マークM2が表示されている行の取引に仕入税額控除率50%が適用されることがユーザに報知されるので、仕入税額控除率50%が適用される取引があったことをユーザが容易に認識することが可能となる。
【0074】
図15は、印刷範囲の期間として、仕入税額控除率が80%と50%が混在する期間が指定された場合に上記総勘定元帳印刷処理で印刷される総勘定元帳の例を示す図である。図15(a)は仕入高についてのページ、(b)は仮払消費税についてのページ、(c)は現金についてのページ、(d)は売上高についてのページの例を示している。各ページには、図13(a)~(d)と同様に、ヘッダー部151と、取引情報表示欄152が設けられている。
図15(a)~(d)に示すように、仕入税額控除率80%が適用される取引情報の側方には、仕入税額控除率が80%の取引であることを示すマークM1が対応付けて表示されている。仕入税額控除率50%が適用される取引情報の側方には、仕入税額控除率が50%の取引であることを示すマークM2が対応付けて表示されている。また、ページのヘッダー部151には、マークM1が付与されている取引が仕入税額控除率80%の対象であることの説明文及びマークM2が付与されている取引が仕入税額控除率50%の対象であることの説明文からなる説明文E3が表示されている。したがって、仕入税額控除率が80%と50%が混在する期間の総勘定元帳において、マークM1が表示されている行の取引には仕入税額控除率80%が適用されること、マークM2が表示されている行の取引には仕入税額控除率50%が適用されること、がユーザに報知されるので、仕入税額控除率80%が適用される取引と、仕入税額控除率50%が適用される取引が含まれていることをユーザが容易に認識することが可能となる。
【0075】
なお、上記総勘定元帳印刷処理では、制御部11は、勘定データとして、総勘定元帳を印刷するための印刷用データを生成して印刷装置2に出力する(送信する)こととして説明したが、勘定データとして、総勘定元帳を表示するための表示用データを生成して、表示部14又は外部の表示装置に出力することとしてもよい。
【0076】
また、上記総勘定元帳印刷処理では、本発明を仕入で発生した消費税の控除について適用した場合の例について説明したが、税金が控除される取引の種類及び控除される税金の種類は、実施形態に限定されるものではない。
【0077】
また、上記総勘定元帳印刷処理では、総勘定元帳を表示又は印刷する場合に、第1控除率又は第2控除率が適用される取引であることを示すマークや説明文を印刷又は表示することとして説明したが、上記マークや説明文が印刷又は表示される対象は、総勘定元帳に限られず、他の帳簿であってもよい。
【0078】
また、上記総勘定元帳印刷処理では、仕入税額控除率が80%と50%の場合に、その仕入税額控除率が適用されることを示すマークや説明文を印刷又は表示することとしたが、仕入税額控除率が0%の場合においても、仕入税額控除率が0%であることを示すマークや説明文を表示することとしてもよい。
【0079】
以上説明したように、情報処理装置1の制御部11は、取引が行われた日付に基づいてその取引に係る税金の控除率を判定し、判定した控除率を、取引が行われた日付に対応付けてユーザに報知する。
例えば、制御部11は、取引に係る税金の控除率を示す情報を、取引に関する情報に対応付けて表示又は印刷することで報知する。
したがって、取引に適用される控除率をユーザが容易に認識することが可能となる。
【0080】
また、制御部11は、控除率として第1控除率(例えば、80%)が適用される第1期間と、第1控除率とは異なる第2控除率(例えば、50%)が適用される第2期間とを含む期間の取引データに基づく帳簿を表示又は印刷する場合に、第1控除率が適用される取引に関する情報には第1控除率が適用されることを示す情報を対応付け、第2控除率が適用される取引に関する情報には第2控除率が適用されることを示す情報を対応付けて表示又は印刷する。
したがって、取引に適用される控除率をユーザが容易に認識することが可能となる。また、適用される控除率が異なる取引が帳簿に含まれている場合に、それぞれの控除率が適用される取引をユーザが容易に認識することが可能となる。
【0081】
また、情報処理装置1は、第1期間に行われた取引に適用される第1控除率と、第1期間とは異なる第2期間に行われた取引に適用される第2控除率と、含む控除率データ(例えば、免税控除制御テーブル122)を記憶する記憶部12と、制御部11とを備える。制御部11は、取引が行われた日付と、取引の勘定科目と、取引の金額とを含む取引データを取得し、取得した取引データと控除率データとに基づいて、所定の期間における取引データを含む勘定データ(例えば、総勘定元帳のデータ)を出力する場合に、所定の期間が第1期間と第2期間とを含む場合に、第1控除率が適用される取引であることを示す情報と、第2控除率が適用される取引であることを示す情報と、をそれぞれ表示する勘定データを出力する。
したがって、取引に適用される控除率をユーザが容易に認識することが可能となる。また、適用される控除率が異なる取引が含まれている場合に、その旨をユーザが容易に認識することが可能となる。
【0082】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、会計システムにおいて本発明を適用した場合を例にとり説明したが、販売管理システムにおいても本発明を適用することが可能である。
【0083】
また、上記実施形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として半導体メモリやハードディスクを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、SSDや、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0084】
その他、上記実施形態の情報処理装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0085】
以上に本発明の実施形態及び変形例を説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載に基づいて定められる。更に、特許請求の範囲の記載から本発明の本質とは関係のない変更を加えた均等な範囲も本発明の技術的範囲に含む。
【符号の説明】
【0086】
1 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
121 会計システムプログラム
122 免税控除制御テーブル
123 会計制御テーブル
124 勘定科目マスタテーブル
125 仕訳明細テーブル
13 入力部
14 表示部
15 通信部
2 印刷装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15