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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120250
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/19 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
H02K9/19 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026919
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】堀川 達未
(72)【発明者】
【氏名】松崎 良亮
【テーマコード(参考)】
5H609
【Fターム(参考)】
5H609BB03
5H609BB16
5H609BB18
5H609PP02
5H609PP06
5H609PP07
5H609PP17
5H609QQ05
5H609QQ09
5H609QQ14
5H609RR01
5H609RR37
5H609RR51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シャフトの中空部内において所望する位置に流体を供給しやすくできる構造を有する駆動装置を提供する。
【解決手段】ロータおよびステータを備える駆動装置100であって、中心軸線J1を中心として回転可能で軸方向に延びる第1シャフト23aと、供給口92を有する流体供給部90と、を備える。第1シャフト23aは、中空部44を有し、供給口92は、中空部44の内面に向かって軸方向に対して傾いた向きに開口している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータおよびステータを備える駆動装置であって、
中心軸線を中心として回転可能で軸方向に延びる第1シャフトと、
供給口を有する流体供給部と、
を備え、
前記第1シャフトは、中空部を有し、
前記供給口は、前記中空部の内面に向かって軸方向に対して傾いた向きに開口している、駆動装置。
【請求項2】
前記第1シャフトは、前記中空部の内部と前記第1シャフトの外部とを繋ぐ孔部を有し、
前記供給口は、前記孔部から軸方向に離れた位置にあり、かつ、前記中空部の内面のうち軸方向の位置が前記供給口と前記孔部との間の位置となる部分に向かって開口している、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記供給口は、前記中空部の内面のうち軸方向の位置が前記供給口と前記孔部との間の中心よりも前記供給口に近い位置となる部分に向かって開口している、請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記ロータは、
前記第1シャフトと、
前記第1シャフトに固定されたロータコアと、
を有し、
前記ロータコアには、前記孔部を介して前記中空部の内部と繋がる流路部が設けられている、請求項2に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記ロータに接続されたギヤ機構をさらに備え、
前記ギヤ機構は、前記第1シャフトを有する、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記供給口は、前記中空部の内部に位置する、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記第1シャフトのうち前記中空部が設けられた部分を回転可能に支持するベアリングを備え、
前記供給口の軸方向の位置は、前記ベアリングの少なくとも一部における軸方向の位置と同じである、請求項6に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記供給口は、複数設けられ、
複数の前記供給口は、
軸方向一方側向きに対して斜めに傾いた向きに開口する供給口と、
軸方向他方側向きに対して斜めに傾いた向きに開口する供給口と、
を含む、請求項6に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記供給口は、前記中空部の外部に位置する、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記第1シャフトは、水平方向に延びており、
前記供給口は、水平方向に対して下側に傾いた向きに開口している、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記第1シャフトは、水平方向に延びており、
前記供給口は、水平方向に対して上側に傾いた向きに開口している、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記流体供給部は、軸方向に突出するノズル部を有し、
前記供給口は、前記ノズル部に設けられている、請求項1から11のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記流体供給部は、軸方向に突出する根元部を有し、
前記ノズル部は、前記根元部から突出している、請求項12に記載の駆動装置。
【請求項14】
前記供給口は、前記中空部の内面に向かうに従って広がっている、請求項1から11のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項15】
前記第1シャフトを内部に収容するハウジングを備え、
前記ハウジングの少なくとも一部は、前記流体供給部と同一の部材である、請求項1から11のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項16】
前記第1シャフトを内部に収容するハウジングを備え、
前記流体供給部は、前記ハウジングと別体であり、前記ハウジングに固定されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項17】
前記第1シャフトと軸方向に連結された第2シャフトを備え、
前記第2シャフトは、前記第1シャフトの軸方向一方側に位置し、
前記供給口は、前記第2シャフトよりも軸方向他方側に位置し、かつ、前記中空部の内面のうち軸方向の位置が前記供給口と前記第2シャフトとの間の位置となる部分に向かって開口している、請求項1から11のいずれか一項に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転電機のシャフト内に設けられた孔部に、エンドカバーに設けられた通路の流出口を介して潤滑油が供給される構造が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-142090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような構造では、流出口が軸方向を向いて開口している。そのため、潤滑油が流出口から勢いよく噴出する場合、シャフトの孔部内において潤滑油が軸方向に飛び過ぎて、孔部内において潤滑油を供給したい位置を越える恐れがあった。具体的には、例えば、シャフトの孔部内に供給された潤滑油をシャフトの壁部を径方向に貫通する径方向第一油路に供給する構成では、流出口から噴出した潤滑油が軸方向に飛び過ぎて当該径方向第一油路を通り過ぎる恐れがあった。そのため、シャフトの孔部内において潤滑油を供給したい位置、すなわち径方向第一油路が設けられた位置に流体を供給しにくい場合があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、シャフトの中空部内において所望する位置に流体を供給しやすくできる構造を有する駆動装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の駆動装置の一つの態様は、ロータおよびステータを備える駆動装置であって、中心軸線を中心として回転可能で軸方向に延びる第1シャフトと、供給口を有する流体供給部と、を備える。前記第1シャフトは、中空部を有する。前記供給口は、前記中空部の内面に向かって軸方向に対して傾いた向きに開口している。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、駆動装置において、シャフトの中空部内において所望する位置に流体を供給しやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態における駆動装置を模式的に示す断面図である。
図2図2は、第1実施形態における駆動装置の一部を示す断面図である。
図3図3は、第1実施形態における第1流体供給部を示す斜視図である。
図4図4は、第1実施形態におけるモータカバーの一部を軸方向一方側から見た図である。
図5図5は、第2実施形態における駆動装置の一部を示す断面図である。
図6図6は、第3実施形態における駆動装置の一部を示す断面図である。
図7図7は、第4実施形態における駆動装置の一部を示す断面図である。
図8図8は、第5実施形態における駆動装置の一部を示す断面図である。
図9図9は、第6実施形態における駆動装置の一部を示す断面図である。
図10図10は、第7実施形態における駆動装置の一部を示す断面図である。
図11図11は、第8実施形態における駆動装置の一部を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、上下方向である。+Z側は、上側であり、-Z側は、下側である。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置が搭載される車両の前後方向である。以下の実施形態において、+X側は、車両における前側であり、-X側は、車両における後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の左右方向、すなわち車幅方向である。以下の実施形態において、+Y側は、車両における左側であり、-Y側は、車両における右側である。
【0010】
なお、前後方向の位置関係は、以下の実施形態の位置関係に限られず、+X側が車両の後側であり、-X側が車両の前側であってもよい。この場合には、+Y側は、車両の右側であり、-Y側は、車両の左側である。また、本明細書において、「平行な方向」は略平行な方向も含み、「直交する方向」は略直交する方向も含む。
【0011】
適宜図に示す中心軸線J1は、上下方向と交差する方向に延びる仮想軸線である。より詳細には、中心軸線J1は、上下方向と直交するY軸方向、つまり車両の左右方向に延びている。以下の説明においては、特に断りのない限り、中心軸線J1に平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸線J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸線J1を中心とする周方向、つまり中心軸線J1の軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。
【0012】
以下の説明においては、軸方向のうち左側(+Y側)を「軸方向一方側」と呼び、軸方向のうち右側(-Y側)を「軸方向他方側」と呼ぶ。上下方向は、例えば、鉛直方向であり、前後方向および左右方向(軸方向)は、例えば、鉛直方向と直交する水平方向である。また、前後方向は、上下方向および軸方向の両方と交差する交差方向であり、前側(+X側)は交差方向一方側であり、後側(-X側)は交差方向他方側である。
【0013】
<第1実施形態>
図1に示す本実施形態の駆動装置100は、車両に搭載され、車軸を回転させる駆動装置である。駆動装置100が搭載される車両は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)などのモータを動力源とする車両である。図1に示すように、駆動装置100は、モータ10と、ギヤ機構20と、ハウジング30と、を備える。ハウジング30は、モータ10を内部に収容するモータハウジング31と、ギヤ機構20を内部に収容するギヤハウジング32と、を有する。
【0014】
モータ10は、中心軸線J1を中心として回転可能なロータ40と、ロータ40と隙間を介して対向するステータ50と、を有する。つまり、駆動装置100は、ロータ40およびステータ50を備える。ロータ40は、中心軸線J1に沿って配置されたモータシャフト41と、モータシャフト41に固定されたロータコア42と、を有する。つまり、駆動装置100は、モータシャフト41と、ロータコア42と、を備える。
【0015】
モータシャフト41は、中心軸線J1を中心として回転可能である。モータシャフト41は、軸方向に延びている。本実施形態においてモータシャフト41は、水平方向に延びている。本実施形態においてモータシャフト41は、中心軸線J1を中心として軸方向に延び、軸方向両側に開口する中空シャフトである。つまり、モータシャフト41は、内部が中空な中空部44を有する。本実施形態において中空部44は、軸方向に延びており、モータシャフト41の軸方向の全体に亘って設けられている。モータシャフト41は、モータハウジング31の内部に収容されている。つまり、ハウジング30は、モータシャフト41を内部に収容している。
【0016】
モータシャフト41は、一対のベアリング43a,43bによって、中心軸線J1回りに回転可能に支持されている。つまり、駆動装置100は、一対のベアリング43a,43bを備える。一対のベアリング43a,43bは、モータシャフト41のうち中空部44が設けられた部分を回転可能に支持するベアリングである。ベアリング43aは、モータシャフト41の軸方向一方側(+Y側)の端部を回転可能に支持する。ベアリング43bは、モータシャフト41の軸方向他方側(-Y側)の端部を回転可能に支持する。一対のベアリング43a,43bは、例えば、ボールベアリングである。
【0017】
モータシャフト41は、中空部44の内部とモータシャフト41の外部とを繋ぐ孔部41aを有する。孔部41aは、モータシャフト41の内部とモータシャフト41の外部とを繋いでいる。本実施形態において孔部41aは、モータシャフト41を構成する壁をモータシャフト41の径方向内側面からモータシャフト41の径方向外側面まで径方向に貫通する孔である。孔部41aは、例えば、モータシャフト41の軸方向の中央部に設けられている。孔部41aは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。図2に示すように、モータシャフト41の軸方向一方側(+Y側)の端部における内面、すなわち中空部44の軸方向一方側の端部における内面には、スプライン溝41bが設けられている。スプライン溝41bは、径方向外側に窪み、軸方向に延びている。スプライン溝41bは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。なお、本実施形態においてモータシャフト41は、「第1シャフト」に相当する。
【0018】
ロータコア42は、モータシャフト41を囲む筒状である。ロータコア42の内周面は、モータシャフト41の外周面に直接または間接的に固定されている。ロータコア42は、例えば、電磁鋼板などの板部材が軸方向に複数積層されて構成されている。ロータコア42には、コア流路部42aが設けられている。コア流路部42aは、孔部41aを介して中空部44の内部と繋がる流路部である。コア流路部42aは、径方向に延びる径方向延伸部42bと、軸方向に延びる軸方向延伸部42cと、を有する。径方向延伸部42bおよび軸方向延伸部42cは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。径方向延伸部42bの径方向内側の端部は、孔部41aに繋がっている。軸方向延伸部42cは、径方向延伸部42bの径方向外側に位置する。本実施形態において軸方向延伸部42cは、ロータコア42を軸方向に貫通している。軸方向延伸部42cの軸方向の中央部には、径方向延伸部42bの径方向外側の端部が繋がっている。
【0019】
ロータコア42には、マグネット45が保持されている。本実施形態においてマグネット45は、軸方向延伸部42cの径方向外側に位置する。マグネット45は、ロータコア42に設けられた貫通孔内に収容されて、ロータコア42に保持されている。本実施形態においてマグネット45は、周方向に間隔を空けて複数設けられている。マグネット45は、軸方向に延びている。
【0020】
図1に示すように、ステータ50は、ロータ40の径方向外側に位置する。ステータ50は、ロータ40を囲む環状である。ステータ50は、ステータコア51と、コイルアセンブリ54と、を有する。ステータコア51は、ロータコア42の径方向外側に位置し、ロータコア42と隙間を介して対向して配置されている。ステータコア51は、例えば、電磁鋼板などの板部材が軸方向に複数積層されて構成されている。
【0021】
コイルアセンブリ54は、ステータコア51に取り付けられた複数のコイル54cを有する。図示は省略するが、コイルアセンブリ54は、各コイル54cを結束する結束部材などを有してもよいし、各コイル54c同士を繋ぐ渡り線を有してもよい。コイルアセンブリ54は、ステータコア51よりも軸方向に突出するコイルエンド54a,54bを有する。コイルエンド54aは、ステータコア51よりも軸方向一方側(+Y側)に突出している。コイルエンド54bは、ステータコア51よりも軸方向他方側(-Y側)に突出している。
【0022】
ギヤ機構20は、ロータ40に接続されている。より詳細には、ギヤ機構20は、モータシャフト41の軸方向一方側(+Y側)の端部に接続されている。ギヤ機構20は、ロータ40の回転を車両の車軸に伝達する。ギヤ機構20は、ロータ40に接続された減速装置21と、減速装置21に接続された差動装置22と、を有する。
【0023】
減速装置21は、第1ギヤシャフト23aと、第2ギヤシャフト23bと、第1ギヤ24aと、第2ギヤ24bと、第3ギヤ24cと、を有する。つまり、駆動装置100は、第1ギヤシャフト23aと、第2ギヤシャフト23bと、第1ギヤ24aと、第2ギヤ24bと、第3ギヤ24cと、を備える。第1ギヤシャフト23aは、軸方向に延びている。本実施形態において第1ギヤシャフト23aは、中心軸線J1を中心とし、軸方向両側に開口する中空シャフトである。第1ギヤシャフト23aは、一対のベアリング25a,25bによって中心軸線J1回りに回転可能に支持されている。一対のベアリング25a,25bは、例えば、ボールベアリングである。
【0024】
第1ギヤシャフト23aは、モータシャフト41の軸方向一方側(+Y側)に位置する。第1ギヤシャフト23aは、モータシャフト41と軸方向に連結されている。第1ギヤシャフト23aの軸方向他方側(-Y側)の端部は、モータシャフト41の軸方向一方側(+Y側)の端部に接続されている。図2に示すように、第1ギヤシャフト23aの軸方向他方側の端部における径方向外側面には、スプライン突起23cが設けられている。スプライン突起23cは、径方向外側に突出し、軸方向に延びている。スプライン突起23cは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。複数のスプライン突起23cは、複数のスプライン溝41b内に挿入されている。これにより、スプライン突起23cとスプライン溝41bの周方向側面とが周方向に噛み合い、モータシャフト41と第1ギヤシャフト23aとがスプライン嵌合によって連結されている。なお、本実施形態において第1ギヤシャフト23aは、「第2シャフト」に相当する。
【0025】
図1に示すように、第2ギヤシャフト23bは、中間軸線J2回りに回転可能である。本実施形態において中間軸線J2は、中心軸線J1と平行に延びる仮想軸線である。中間軸線J2は、例えば、中心軸線J1よりも上側に位置し、かつ、中心軸線J1よりも後側(-X側)に位置する。第2ギヤシャフト23bは、軸方向に延びている。本実施形態において第2ギヤシャフト23bは、中間軸線J2を中心とし、軸方向両側に開口する中空シャフトである。第2ギヤシャフト23bは、一対のベアリング25c,25dによって中間軸線J2回りに回転可能に支持されている。一対のベアリング25c,25dは、例えば、ボールベアリングである。
【0026】
第1ギヤ24aは、第1ギヤシャフト23aの外周面に設けられている。第2ギヤ24bおよび第3ギヤ24cは、第2ギヤシャフト23bの外周面に設けられている。第2ギヤ24bは、第1ギヤ24aと噛み合っている。第3ギヤ24cは、第1ギヤ24aおよび第2ギヤ24bよりも軸方向他方側(-Y側)に位置する。
【0027】
差動装置22は、出力軸線J3回りに回転可能なリングギヤ22aを有する。本実施形態において出力軸線J3は、中心軸線J1と平行に延びる仮想軸線である。出力軸線J3は、例えば、中心軸線J1よりも上側に位置し、かつ、中間軸線J2よりも下側に位置する。出力軸線J3は、中心軸線J1および中間軸線J2よりも後側(-X側)に位置する。リングギヤ22aは、第3ギヤ24cと噛み合っている。リングギヤ22aの下側の端部は、ギヤハウジング32内に貯留されたオイルOに浸漬している。リングギヤ22aが回転することで、オイルOがかき上げられる。かき上げられたオイルOは、例えば、減速装置21および差動装置22に潤滑油として供給される。差動装置22には、車両の車軸が接続されている。
【0028】
本実施形態のハウジング30において、モータハウジング31とギヤハウジング32とは軸方向に並んで配置されている。ギヤハウジング32は、モータハウジング31の軸方向一方側(+Y側)に位置する。ギヤハウジング32は、モータハウジング31の軸方向一方側に繋がっている。本実施形態においてハウジング30は、ハウジング本体30aと、モータカバー30bと、ギヤカバー30cと、によって構成されている。ハウジング本体30aとモータカバー30bとギヤカバー30cとは、互いに別体である。ハウジング本体30aは、第1周壁部30dと、第2周壁部30eと、隔壁部33と、を有する。本実施形態においてギヤハウジング32は、隔壁部33と第2周壁部30eとギヤカバー30cとによって構成されている。本実施形態においてモータハウジング31は、隔壁部33と第1周壁部30dとモータカバー30bとによって構成されている。
【0029】
第1周壁部30dは、軸方向他方側(-Y側)に開口する筒状である。第1周壁部30dの軸方向一方側(+Y側)の端部には、隔壁部33が設けられている。第1周壁部30dの軸方向他方側の開口は、第1周壁部30dの軸方向他方側の端部に固定されたモータカバー30bによって塞がれている。モータカバー30bは、モータ10を軸方向他方側から覆っている。モータカバー30bの軸方向一方側の面には、ベアリング43bを保持するベアリング保持部34bが設けられている。ベアリング保持部34bは、ベアリング43bを囲む略円環状である。
【0030】
ベアリング保持部34bは、モータカバー30bから軸方向一方側(+Y側)に突出している。図2に示すように、ベアリング保持部34bの軸方向一方側部分における内径は、ベアリング保持部34bの軸方向他方側部分における内径よりも大きい。ベアリング保持部34bのうち軸方向一方側部分における径方向内側にベアリング43bが嵌め合わされている。モータカバー30bのうち軸方向一方側から見てベアリング保持部34bに囲まれた部分は、モータシャフト41の軸方向他方側(-Y側)に対向して配置される対向壁部30kである。
【0031】
図1に示すように、第2周壁部30eは、軸方向一方側(+Y側)に開口する筒状である。第2周壁部30eの軸方向他方側(-Y側)の端部には、隔壁部33が設けられている。第2周壁部30eの軸方向一方側の開口は、第2周壁部30eの軸方向一方側の端部に固定されたギヤカバー30cによって塞がれている。ギヤカバー30cは、ギヤ機構20を軸方向一方側から覆う蓋部30fと、蓋部30fの径方向外縁部から軸方向他方側に突出する第3周壁部30gと、を有する。第3周壁部30gの軸方向他方側の端部は、第2周壁部30eの軸方向一方側の端部と繋がっている。蓋部30fの軸方向他方側の面には、ベアリング25aを保持するベアリング保持部35aと、ベアリング25cを保持するベアリング保持部35cと、が設けられている。各ベアリング保持部35a,35cは、各ベアリング25a,25cを囲む略円環状である。
【0032】
隔壁部33は、モータハウジング31の内部とギヤハウジング32の内部とを区画している。隔壁部33は、モータハウジング31の内部とギヤハウジング32の内部とを軸方向に隔てる壁部である。隔壁部33は、モータハウジング31の内部とギヤハウジング32の内部とを繋ぐ隔壁開口33aを有する。本実施形態において隔壁開口33aは、隔壁部33の下側の端部を軸方向に貫通している。
【0033】
隔壁部33のうちモータハウジング31の内面の一部を構成する部分、すなわち隔壁部33の軸方向他方側(-Y側)の面には、ベアリング43aを保持するベアリング保持部34aが設けられている。隔壁部33のうちギヤハウジング32の内面の一部を構成する部分、すなわち隔壁部33の軸方向一方側(+Y側)の面には、ベアリング25bを保持するベアリング保持部35bと、ベアリング25dを保持するベアリング保持部35dと、が設けられている。各ベアリング保持部34a,35b,35dは、各ベアリング43a,25b,25dを囲む略円環状である。図2に示すように、ベアリング保持部34aの内部とベアリング保持部35bの内部とは、互いに軸方向に繋がっており、隔壁部33を軸方向に貫通する孔33bを構成している。
【0034】
図1に示すように、本実施形態においてハウジング30は、流体としてのオイルOが貯留される貯留部39を有する。オイルOは、モータ10を冷却する冷媒として使用される。また、オイルOは、減速装置21および差動装置22に対して潤滑油として使用される。オイルOとしては、例えば、冷媒および潤滑油の機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
【0035】
貯留部39は、ハウジング30を構成する壁部のうち下側に位置する底壁部30hと、底壁部30hから上側に突出する複数の壁部と、によって構成されている。底壁部30hは、モータハウジング31を構成する壁部のうち下側に位置する底壁部30iと、ギヤハウジング32を構成する壁部のうち下側に位置する底壁部30jと、によって構成されている。本実施形態においてモータハウジング31の底壁部30iとギヤハウジング32の底壁部30jとは、上下方向において同じ位置に位置する。貯留部39を構成する壁部のうち底壁部30hから上側に突出する複数の壁部は、モータハウジング31を構成する壁部と、ギヤハウジング32を構成する壁部と、を含む。当該複数の壁部は、例えば、隔壁部33、モータカバー30b、および蓋部30fなどを含む。
【0036】
本実施形態において貯留部39は、モータハウジング31に設けられた貯留部39aと、ギヤハウジング32に設けられた貯留部39bと、を有する。貯留部39aの内部と貯留部39bの内部とは、隔壁開口33aを介して繋がっている。隔壁開口33aの内部も、貯留部39の内部の一部を構成している。
【0037】
駆動装置100は、第1供給口94を有する第1流体供給部90を備える。第1流体供給部90は、後述する流路80の一部を構成している。第1流体供給部90は、第1供給口94から吐出される流体としてのオイルOを中空部44内に供給する。本実施形態において第1流体供給部90は、モータカバー30bに設けられている。モータカバー30bと第1流体供給部90とは、一体に成形されている。言い換えれば、モータカバー30bと第1流体供給部90とは、互いに同一の単一部材の一部である。つまり、ハウジング30の少なくとも一部は、第1流体供給部90と同一の部材である。そのため、第1流体供給部90をハウジング30と別体にする場合に比べて、駆動装置100の部品点数が増加することを抑制できる。また、第1流体供給部90が別体である場合に比べて、ハウジング30から第1流体供給部90へとオイルOが流れる際のオイルOの圧力損失を低減しやすい。
【0038】
本実施形態において第1流体供給部90は、対向壁部30kに設けられている。第1流体供給部90は、対向壁部30kから軸方向一方側(+Y側)に突出している。第1流体供給部90は、ベアリング保持部34bの径方向内側に位置する。図3に示すように、第1流体供給部90は、根元部91と、ノズル部92と、供給流路部93と、を有する。根元部91は、軸方向に突出している。より詳細には、根元部91は、対向壁部30kから軸方向一方側に突出している。根元部91は、対向壁部30kのうちの後側(-X側)の部分に偏って設けられている。本実施形態では、根元部91は、軸方向と平行な断面において、軸方向一方側に凸となる略半円形状である。根元部91は、軸方向一方側に凸となる略半球状である。根元部91の前側(+X側)の縁部には、中心軸線J1が通っている。なお、根元部91の形状は、上述の形状に限られず、軸方向と平行な断面において、軸方向一方側に凸となる四角形状などであってもよいし、軸方向一方側に凸となる多角形状などであってもよいし、その他の形状であってもよい。
【0039】
ノズル部92は、略筒状であり、軸方向に突出している。本実施形態においてノズル部92は、根元部91から軸方向一方側(+Y側)に突出している。より詳細には、ノズル部92は、軸方向一方側向き(+Y側向き)に対して、下側かつ前側(+X側)に斜めに傾いた向きに突出している。本実施形態においてノズル部92は、中心軸線J1よりも後側(-X側)に位置する。ノズル部92は、根元部91から離れるに従って外径が小さくなる略円錐台状である。なお、ノズル部92の形状は、特に限定されない。ノズル部92は、例えば、円筒状であってもよいし、多角筒状であってもよい。軸方向と直交する方向において、ノズル部92の寸法は、根元部91の寸法よりも小さい。軸方向に見て、根元部91の外縁は、ノズル部92の径方向外側に位置し、ノズル部92を囲んでいる。
【0040】
供給流路部93は、ノズル部92が突出する方向に延びている。供給流路部93は、根元部91とノズル部92とに跨って延びている。すなわち、ノズル部92の中空部分の少なくとも一部が、供給流路部93を構成している。供給流路部93の軸方向一方側(+Y側)の端部は、ノズル部92に設けられた第1供給口94である。第1供給口94は、ノズル部92の先端部、すなわちノズル部92の軸方向一方側の端部に設けられている。本実施形態において第1供給口94は、根元部91からノズル部92が突出する向きに開口している。つまり、本実施形態において第1供給口94は、軸方向一方側向き(+Y側向き)に対して下側かつ前側(+X側)に斜めに傾いた向きに開口している。
【0041】
図2に示すように、ノズル部92の先端部、すなわち軸方向一方側(+Y側)の端部は、中空部44の軸方向他方側(-Y側)の開口を介して、中空部44の内部に挿入されている。これにより、本実施形態においてノズル部92の先端部に設けられた第1供給口94は、中空部44の内部に位置する。より詳細には、第1供給口94は、中空部44の内部における軸方向他方側の端部に位置する。
【0042】
第1供給口94は、中空部44の内面と対向している。つまり、第1供給口94は、中空部44の内面に向かって軸方向に対して傾いた向きに開口している。そのため、第1供給口94から中空部44の内面に向けてオイルOを吐出することができ、中空部44の内面に好適にオイルOを当てることができる。これにより、第1供給口94が軸方向にまっすぐに向いている場合に比べて、第1供給口94から吐出されたオイルOが中空部44内を軸方向に飛び過ぎることを抑制できる。したがって、第1供給口94から中空部44内に吐出されたオイルOが、中空部44内においてオイルOを供給したい所望の位置を越えることを抑制できる。そのため、モータシャフト41の中空部44内において所望する位置にオイルOを供給しやすくできる。本実施形態では、上述したように、第1供給口94が中空部44の内部に位置するため、第1供給口94から吐出されたオイルOを中空部44内に供給しやすくできる。
【0043】
なお、本明細書において「供給口が中空部の内面に向かって開口している」とは、供給口の少なくとも一部が間に他の部材などを介さずに中空部の内面と対向しており、供給口が開口する方向に見て、供給口の少なくとも一部が中空部の内面と重なっていればよい。また、本明細書において「供給口が軸方向に対して傾いた向きに開口している」とは、供給口が軸方向と平行でない向きに開口していればよく、供給口が軸方向に対して斜めに傾いた向きに開口してもよいし、供給口が軸方向に対して直交する向きに開口してもよい。また、本明細書において「供給口が開口する向き」とは、例えば、供給口から流体が吐出される向きと同じ向きである。
【0044】
第1供給口94は、孔部41aから軸方向に離れた位置にある。本実施形態において第1供給口94は、孔部41aよりも軸方向他方側(-Y側)に離れた位置にある。第1供給口94は、中空部44の内面のうち軸方向の位置が第1供給口94と孔部41aとの間の位置となる部分に向かって開口している。そのため、第1供給口94は、軸方向において孔部41aが位置する側を向きつつ、中空部44の内面のうち第1供給口94から見て孔部41aよりも手前となる位置に向かって開口する。これにより、第1供給口94から吐出されたオイルOは、図2において矢印で示すように、中空部44の内面に当たった後、中空部44の内面に沿って孔部41aへと流れやすい。本実施形態では、第1供給口94から吐出されたオイルOは、中空部44の内面に当たった後に、軸方向一方側(+Y側)へと流れやすい。したがって、第1供給口94から吐出されたオイルOが中空部44の内面に当たる前に孔部41aよりも軸方向一方側まで飛ぶことを好適に抑制でき、第1供給口94から吐出されたオイルOを孔部41aに供給しやすい。
【0045】
第1供給口94から中空部44内に供給されたオイルOの一部は、例えば中空部44から溢れるなどにより、中空部44の軸方向他方側(-Y側)の端部からベアリング保持部34b内に流れる。これにより、ベアリング保持部34b内に保持されたベアリング43bにオイルOが供給される。
【0046】
本実施形態において中空部44の内面のうち第1供給口94が対向している対向部44aと第1供給口94との間の軸方向の距離L1は、対向部44aと孔部41aとの間の軸方向の距離L2よりも短い。つまり、本実施形態において第1供給口94は、中空部44の内面のうち軸方向の位置が第1供給口94と孔部41aとの間の中心よりも第1供給口94に近い位置となる部分に向かって開口している。そのため、中空部44の内面のうち軸方向の位置が第1供給口94と孔部41aとの間の中心よりも第1供給口94から遠い位置となる部分に向かって第1供給口94が開口する場合よりも、第1供給口94から中空部44内に供給されたオイルOを孔部41aから軸方向に離れた位置において中空部44の内面に当てることができる。これにより、第1供給口94から吐出された後に中空部44の内面に当たったオイルOが、孔部41aに到達するまでに流れる軸方向の距離を長くできる。したがって、中空部44の内面に当たったオイルOが孔部41aの軸方向位置まで流れる間に、回転するモータシャフト41の遠心力によって周方向に好適に広がりやすい。そのため、中空部44の内面に沿って孔部41aに近づく向きに流れるオイルOをより好適に孔部41aに供給できる。また、中空部44の内面において第1供給口94からのオイルOが当たる位置を、中空部44の軸方向他方側(-Y側)の端部に軸方向に近い位置にできる。そのため、第1供給口94から中空部44内に供給されたオイルOの一部を、ベアリング保持部34b内に流しやすくでき、ベアリング保持部34b内に保持されたベアリング43bにオイルOを好適に供給できる。
【0047】
本実施形態では、上述したように、ロータコア42には、孔部41aを介して中空部44の内部と繋がる流路部としてのコア流路部42aが設けられている。そのため、第1供給口94から中空部44内に吐出されたオイルOを、孔部41aを介してコア流路部42a内に好適に流すことができる。これにより、コア流路部42a内を流れるオイルOによってロータ40を好適に冷却できる。本実施形態において孔部41aからコア流路部42a内に流入したオイルOは、径方向延伸部42b内を径方向外側に流れて軸方向延伸部42c内に流入する。軸方向延伸部42c内に流入したオイルOは、径方向延伸部42bの径方向外側の端部から軸方向の両側に分岐して流れる。当該分岐して流れたオイルOは、それぞれ軸方向延伸部42cの軸方向端部からロータ40の外部に流出する。図1に示すように、ロータ40の外部に流出したオイルOは、ロータ40が回転することによって生じる遠心力によって径方向外側に飛ばされ、ステータ50のコイルエンド54a,54bに供給される。したがって、本実施形態では、第1供給口94から中空部44内に供給されたオイルOを孔部41a内に流しやすくできることで、ロータ40だけでなく、ステータ50も好適に冷却することができる。
【0048】
図2に示すように、本実施形態において第1供給口94の軸方向の位置は、モータシャフト41のうち中空部44が設けられた部分を回転可能に支持するベアリング43bの少なくとも一部における軸方向の位置と同じである。そのため、第1供給口94をベアリング43bの近くに配置することができ、第1供給口94から中空部44内に吐出されたオイルOの一部をベアリング43bへと供給しやすい。本実施形態では、第1供給口94から吐出されたオイルOの一部を中空部44の軸方向他方側(-Y側)の開口からベアリング保持部34b内に好適に流しやすくでき、ベアリング43bにオイルOを好適に供給しやすくできる。本実施形態において第1供給口94の軸方向の位置は、ベアリング43bの軸方向他方側の端部における軸方向の位置と同じである。本実施形態において第1供給口94は、ベアリング43bの径方向内側に位置する。より詳細には、第1供給口94は、ベアリング43bの軸方向他方側の端部における径方向内側に位置する。
【0049】
本実施形態において第1供給口94は、水平方向である軸方向に対して下側に傾いた向きに開口している。そのため、第1供給口94から吐出されるオイルOは、重力方向に沿って吐出される。これにより、第1供給口94から吐出されたオイルOの勢いが衰えることなどを抑制できる。したがって、第1供給口94から吐出されたオイルOを、中空部44の内面のうちの所望する箇所に対して、位置精度よく当てることができる。そのため、第1供給口94から吐出されたオイルOを、より好適に中空部44内の所望する位置に供給できる。これにより、本実施形態では、孔部41aにオイルOが流れやすくなり、ロータ40をより冷却することができる。
【0050】
本実施形態では、第1供給口94は、軸方向に突出するノズル部92に設けられている。そのため、ノズル部92の少なくとも一部を中空部44内に挿入することによって、第1供給口94を中空部44内に配置しやすい。また、本実施形態のようにノズル部92を第1供給口94が開口する向きに突出させて、ノズル部92の先端部に第1供給口94を設けることで、第1供給口94から吐出されるオイルOの向きをより安定化させやすい。これにより、第1供給口94から、より好適に中空部44内の所望の位置にオイルOを供給できる。
【0051】
本実施形態では、ノズル部92は、軸方向に突出する根元部91から突出している。そのため、根元部91が設けられない場合に比べて、ノズル部92の軸方向の寸法を小さくできる。これにより、ノズル部92が軸方向に比較的大きい場合に比べて、ノズル部92が共振などにより振動しにくくできる。したがって、第1供給口94の位置がぶれることを抑制でき、第1供給口94から吐出されるオイルOの向きをより安定化できる。また、根元部91を設けることにより、ハウジング30のうちノズル部92が繋がる部分の剛性を向上させることができる。特に、上記構成により、モータカバー30bの対向壁部30kにおける剛性を向上させることができる。そのため、ノズル部92が振動することをより抑制でき、第1供給口94から吐出されるオイルOの向きをより安定化できる。
【0052】
本実施形態において第1供給口94は、第2シャフトである第1ギヤシャフト23aよりも軸方向他方側(-Y側)に位置する。第1供給口94は、中空部44の内面のうち軸方向の位置が第1供給口94と第1ギヤシャフト23aとの間の位置となる部分に向かって開口している。そのため、第1供給口94から吐出されて中空部44の内面に当たったオイルOを、中空部44の内面に沿って、モータシャフト41と第1ギヤシャフト23aとの連結部分へと供給しやすい。具体的に本実施形態のようにモータシャフト41と第1ギヤシャフト23aとがスプライン嵌合によって連結している場合には、図2に示すように、第1供給口94から中空部44内に吐出されたオイルOの一部を、スプライン溝41bとスプライン突起23cとの隙間に潤滑油として供給しやすい。また、第1供給口94から中空部44内に吐出されたオイルOの一部を、モータシャフト41と第1ギヤシャフト23aとの連結部分の隙間を介して、ベアリング保持部34a,35b内に供給することができる。これにより、第1供給口94から中空部44内に吐出されたオイルOの一部を、潤滑油としてベアリング43a,25bに供給できる。
【0053】
図1に示すように、本実施形態において駆動装置100は、モータ10に流体としてのオイルOを供給する第2流体供給部85を備える。本実施形態において第2流体供給部85は、軸方向に延びるパイプである。より詳細には、第2流体供給部85は、軸方向に延び、軸方向両側に開口する円筒状である。第2流体供給部85は、モータハウジング31の内部に位置する。第2流体供給部85の軸方向一方側(+Y側)の端部は、隔壁部33に支持されている。第2流体供給部85の軸方向他方側(-Y側)の端部は、モータカバー30bに支持されている。第2流体供給部85は、ステータコア51の径方向外側に位置する。
【0054】
第2流体供給部85は、ステータコア51に向かって開口する第2供給口85cを有する。本実施形態において第2供給口85cは、パイプである第2流体供給部85を内面から外面まで貫通する孔によって構成されている。第2供給口85cは、軸方向に間隔を空けて複数設けられている。第2流体供給部85は、後述する流路80の一部を構成しており、第2流体供給部85の内部には、流体としてのオイルOが流れる。第2流体供給部85の内部を流れるオイルOの一部は、第2供給口85cからモータハウジング31内に噴射されて、ステータコア51に供給される。これにより、第2流体供給部85は、モータ10に流体としてのオイルOを供給する。図示は省略するが、本実施形態において第2流体供給部85は、2つ設けられている。
【0055】
ハウジング30は、流路80を有する。流路80の途中には、ポンプ89aと、クーラ89bと、が設けられている。ポンプ89aおよびクーラ89bは、ハウジング30に取り付けられている。流路80は、第1接続流路部81と、第2接続流路部82と、第3接続流路部83と、第4接続流路部84と、第1流体供給部90と、第2流体供給部85と、第3流体供給部86と、モータシャフト内流路部87と、ギヤシャフト内流路部88a,88bと、を有する。なお、以下の流路80の説明においては、流路80内を流れるオイルOの流れ方向における下流側を単に「下流側」と呼ぶ場合がある。
【0056】
第1接続流路部81は、貯留部39の内部とポンプ89aとを繋いでいる。第1接続流路部81は、ハウジング30の底壁部30hに設けられ、貯留部39内のうち隔壁開口33aの内部に開口している。第2接続流路部82は、ポンプ89aとクーラ89bとを繋いでいる。本実施形態において第2接続流路部82は、モータハウジング31の底壁部30iに設けられている。
【0057】
第3接続流路部83は、クーラ89bと第2流体供給部85の内部とを繋いでいる。このように、本実施形態において流路80は、貯留部39から少なくとも第2流体供給部85まで延びている。本実施形態において第3接続流路部83は、モータハウジング31の底壁部30iとモータカバー30bとに跨って設けられている。図4に示すように、第3接続流路部83は、第1流路部83aと、第2流路部83bと、第3流路部83cと、第4流路部83dと、第5流路部83eと、を有する。
【0058】
第1流路部83aは、クーラ89bからモータカバー30bまで延びる。第1流路部83aの下流側の部分は、軸方向に延びている。第1流路部83aの下流側の端部は、モータカバー30bにおいて第2流路部83bに繋がっている。本実施形態において第1流路部83aの下流側の端部は、第1流路部83aの軸方向他方側(-Y側)の端部である。第1流路部83aの下流側の端部は、第1流体供給部90よりも後側(-X側)に位置する。
【0059】
第2流路部83b、第3流路部83c、第4流路部83d、および第5流路部83eは、モータカバー30bに設けられている。第2流路部83bは、第1流路部83aの下流側の端部から前側(+X側)かつ下側に延びている。第2流路部83bの下流側の端部、すなわち前側かつ下側の端部は、モータカバー30bに設けられた接続穴部30mに繋がっている。接続穴部30mは、モータカバー30bの軸方向一方側(+Y側)の面から軸方向他方側に窪む穴部である。接続穴部30mには、2つの第2流体供給部85のうちの一方の第2流体供給部85の軸方向他方側の端部が嵌め合わされている。第2流路部83bは、接続穴部30mを介して、第1流路部83aと一方の第2流体供給部85とを繋いでいる。
【0060】
第3流路部83cは、第2流路部83bの下流側の端部に繋がっている。第3流路部83cは、第2流路部83bから前側(+X側)かつ下側に延びている。第4流路部83dは、第3流路部83cの下流側の端部、すなわち前側かつ下側の端部に繋がっている。第4流路部83dは、第3流路部83cから前側かつ下側に延びている。第4流路部83dの下流側の端部、すなわち前側かつ下側の端部には、第1流体供給部90における供給流路部93の軸方向他方側(-Y側)の端部が繋がっている。
【0061】
本実施形態において第2流路部83bと第3流路部83cと第4流路部83dとは、互いに同じ方向に延びている。第2流路部83bと第3流路部83cと第4流路部83dとは、互いに順に繋がって、直線状に延びる接続流路83fを構成している。接続流路83fは、軸方向と直交し、かつ、前後方向および上下方向の両方と交差する方向に延びている。接続流路83fは、前側(+X側)に向かうに従って下側に位置する。接続流路83fは、第1流路部83aと供給流路部93とを繋いでいる。
【0062】
本実施形態では、第1流路部83aと一方の第2流体供給部85とを繋ぐ第2流路部83bの延長線上に第1流体供給部90の供給流路部93を配置することで、第3接続流路部83内に流れたオイルOの一部を、圧力損失を低減しつつ好適に第1流体供給部90および第2流体供給部85へと送ることができる。このように第3接続流路部83と第1流体供給部90とを繋ぐことで、第1流体供給部90は、対向壁部30kにおいて第1流路部83aが位置する側(-X側)に偏った位置に配置される。これにより、根元部91を対向壁部30kの全体に設けることなく、根元部91を対向壁部30kの後側部分のみに設けるだけで、ノズル部92の剛性を好適に向上させることができる。したがって、根元部91を小さくすることができ、ハウジング30と第1流体供給部90とを一体成形しやすくできる。
【0063】
第5流路部83eは、第3流路部83cの下流側の端部、すなわち前側(+X側)かつ下側の端部に繋がっている。第5流路部83eは、第3流路部83cから前側かつ上側に延びている。第5流路部83eの下流側の端部、すなわち前側かつ上側の端部は、モータカバー30bに設けられた接続穴部30pに繋がっている。接続穴部30pは、モータカバー30bの軸方向一方側(+Y側)の面から軸方向他方側に窪む穴部である。接続穴部30pには、2つの第2流体供給部85のうちの他方の第2流体供給部85の軸方向他方側の端部が嵌め合わされている。接続穴部30pは、接続穴部30mよりも前側かつ上側に位置する。第5流路部83eは、接続穴部30pを介して、第3流路部83cと他方の第2流体供給部85とを繋いでいる。
【0064】
図1に示すように、モータシャフト内流路部87は、中空部44によって構成された流路である。モータシャフト内流路部87は、第1流体供給部90を介して、第3接続流路部83と繋がっている。第1供給口94から吐出されたオイルOは、モータシャフト内流路部87内に流入する。本実施形態のモータシャフト内流路部87内において、オイルOは、軸方向他方側(-Y側)から軸方向一方側(+Y側)へと流れる。モータシャフト内流路部87の軸方向他方側の端部は、ベアリング保持部34b内に繋がっている。第3接続流路部83からモータシャフト内流路部87へと流れるオイルOの一部は、ベアリング保持部34bに保持されたベアリング43bに供給される。
【0065】
モータシャフト内流路部87の内部を流れるオイルOの一部は、モータシャフト41の孔部41aからロータコア42に設けられたコア流路部42aを通過して、ステータ50に飛散する。モータシャフト内流路部87の内部を流れるオイルOの残りは、モータシャフト41の軸方向一方側(+Y側)の端部からベアリング保持部34a内およびベアリング保持部35b内に流れ、ベアリング43a,25bに供給される。
【0066】
第3接続流路部83から第2流体供給部85内へと流れたオイルOの一部は、第2供給口85cからモータハウジング31内に供給される。第2流体供給部85からモータハウジング31内に供給されたオイルOは、ステータ50に供給される。ステータ50およびベアリング43a,43bに供給されたオイルOは、下側に落下して、モータハウジング31の貯留部39a内に溜まる。ベアリング25bに供給されたオイルOは、下側に落下してギヤハウジング32の貯留部39b内に溜まる。第2流体供給部85の内部を流れるオイルOの残りは、第3流体供給部86へと流れる。
【0067】
本実施形態において第3流体供給部86は、軸方向に延びるパイプである。より詳細には、第3流体供給部86は、軸方向に延び、軸方向両側に開口する円筒状である。第3流体供給部86は、ギヤハウジング32の内部に位置する。第3流体供給部86の軸方向一方側(+Y側)の端部は、ギヤカバー30cの蓋部30fに支持されている。第3流体供給部86の軸方向他方側(-Y側)の端部は、隔壁部33に支持されている。第3流体供給部86は、隔壁部33を貫通する孔を介して1つの第2流体供給部85と軸方向に繋がっている。第3流体供給部86に繋がる第2流体供給部85は、例えば、2つの第2流体供給部85のうちで前側かつ上側に位置する第2流体供給部85である。
【0068】
第3流体供給部86は、ギヤ機構20に向かって開口する第3供給口86aを有する。第3供給口86aは、軸方向に間隔を空けて複数設けられている。第2流体供給部85から第3流体供給部86へと流れたオイルOは、軸方向一方側(+Y側)に流れ、一部が第3供給口86aからギヤ機構20へと噴射される。これにより、ギヤ機構20の各ギヤに潤滑油としてオイルOを好適に供給できる。第3流体供給部86内を流れる残りのオイルOは、第4接続流路部84へと流れる。
【0069】
第4接続流路部84は、第3流体供給部86の軸方向一方側(+Y側)の端部とギヤシャフト内流路部88a,88bの軸方向一方側の端部とを繋いでいる。本実施形態において第4接続流路部84は、ギヤカバー30cの蓋部30fに設けられている。第4接続流路部84内を流れるオイルOは、ギヤシャフト内流路部88aとギヤシャフト内流路部88bとに分岐して流れる。
【0070】
ギヤシャフト内流路部88aは、中空の第1ギヤシャフト23aによって構成されている。ギヤシャフト内流路部88bは、中空の第2ギヤシャフト23bによって構成されている。ギヤシャフト内流路部88a,88b内において、オイルOは、軸方向一方側(+Y側)から軸方向他方側(-Y側)へと流れる。ギヤシャフト内流路部88aの軸方向両側の端部は、それぞれベアリング保持部35a,35b内に繋がっている。ギヤシャフト内流路部88bの軸方向両側の端部は、それぞれベアリング保持部35c,35d内に繋がっている。第4接続流路部84からギヤシャフト内流路部88a,88bへと流れるオイルOの一部は、ベアリング保持部35a,35cに保持されたベアリング25a,25cに供給される。ギヤシャフト内流路部88a内を流れるオイルOは、ギヤシャフト内流路部88aの軸方向他方側の端部からベアリング保持部34a,35b内のベアリング43a,25bに供給される。ギヤシャフト内流路部88b内を流れるオイルOは、ギヤシャフト内流路部88bの軸方向他方側の端部からベアリング保持部35d内のベアリング25dに供給される。ベアリング25a,25b,25c,25dに供給されたオイルOは、下側に落下してギヤハウジング32の貯留部39b内に溜まる。
【0071】
以下、上述した実施形態と異なる実施形態について説明する。以下の各実施形態の説明においては、各実施形態の説明よりも上段において説明した構成と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより説明を省略する場合がある。また、各実施形態の説明よりも上段において説明した構成の各部に対応する部分については、同一の名称を付すとともに異なる符号を付して、上述した構成とは異なる点を説明し、上述した構成と同様の点については説明を省略する場合がある。なお、以下の各実施形態において説明を省略した構成としては、矛盾しない範囲内において、各実施形態よりも上段において説明した構成と同様の構成を採用できる。
【0072】
<第2実施形態>
図5に示すように、本実施形態の駆動装置200においてロータ240は、エンドプレート246と、ナット247と、を有する。エンドプレート246は、ロータコア42と軸方向に並んで配置されている。図5においてエンドプレート246は、ロータコア42の軸方向他方側(-Y側)に位置する。エンドプレート246は、モータシャフト241を囲む環状である。エンドプレート246は、板面が軸方向を向く板状である。エンドプレート246は、マグネット45を軸方向他方側から押さえている。これにより、マグネット45がロータコア42に設けられた貫通孔から軸方向他方側に抜け出ることが抑制されている。
【0073】
エンドプレート246は、溝部246aを有する。溝部246aは、エンドプレート246の軸方向他方側(-Y側)の面から軸方向一方側(+Y側)に窪み、径方向に延びている。溝部246aの径方向内側の端部は、エンドプレート246の径方向内縁部に位置し、径方向内側に開口している。溝部246aの径方向外側の端部は、エンドプレート246の径方向外縁部に位置する。溝部246aの内面のうち軸方向一方側に位置する溝底面は、平坦面246bと、傾斜面246cと、を有する。平坦面246bは、径方向に延び、軸方向と直交する面である。平坦面246bの径方向内側の端部は、溝部246aの溝底面における径方向内側の端部である。傾斜面246cは、平坦面246bの径方向外側の端部に繋がっている。傾斜面246cは、径方向外側に向かうに従って軸方向他方側に位置する。傾斜面246cを径方向外側に延長した延長線上には、コイルエンド54bが位置する。溝部246aは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。
【0074】
ナット247は、ロータコア42との軸方向の間でエンドプレート246を挟んでいる。ナット247は、モータシャフト241の外周面に設けられた図示しないねじ部に締め込まれて、モータシャフト241に固定されている。ナット247によって、エンドプレート246は、モータシャフト241およびロータコア42に固定されている。ナット247は、平坦面246bの径方向内側部分と軸方向に対向している。ナット247は、傾斜面246cよりも径方向内側に位置する。
【0075】
本実施形態においてモータシャフト241の孔部241aは、エンドプレート246の溝部246aと軸方向において同じ位置に配置されている。孔部241aは、中空部44の内部と溝部246aの内部とを繋いでいる。モータシャフト241の構成は、孔部241aの軸方向の位置が異なる点を除いて、第1実施形態のモータシャフト41の構成と同様である。本実施形態においてもモータシャフト241は、「第1シャフト」に相当する。
【0076】
本実施形態において中空部44の内面のうち第1供給口94が対向している対向部44aと第1供給口94との間の軸方向の距離L1は、対向部44aと孔部241aとの間の軸方向の距離L3よりも長い。つまり、本実施形態において第1供給口94は、中空部44の内面のうち軸方向の位置が第1供給口94と孔部241aとの間の中心よりも孔部241aに近い位置となる部分に向かって開口している。そのため、第1供給口94から中空部44内に供給されたオイルOの一部が孔部241aを越えて軸方向一方側に流れやすい。ここで、図示は省略するが、モータシャフト241の軸方向一方側(+Y側)の部分にも、孔部241aと同様の孔部が設けられている。孔部241aを越えて軸方向一方側に流れたオイルOは、当該軸方向一方側に位置する孔部に供給されやすい。これにより、モータシャフト241の軸方向両側の各部分にそれぞれ設けられた各孔部に対して、オイルOを同程度に供給しやすくできる。
【0077】
本実施形態において第1流体供給部90の第1供給口94から中空部44内に吐出されたオイルOは、孔部241aよりも手前で中空部44の内面に当たり、中空部44の内面に沿って孔部241aに向かって流れる。これにより、第1実施形態と同様に、孔部241aにオイルOを供給しやすくできる。孔部241aに流れたオイルOは、溝部246a内に流入し、ロータ240に生じる遠心力によって溝部246a内を径方向外側に流れる。溝部246a内を径方向外側に流れるオイルOは、傾斜面246cに沿って、径方向外側かつ斜め軸方向他方側向きに噴射され、コイルエンド54bに供給される。
【0078】
図示は省略するが、ロータコア42の軸方向一方側(+Y側)にもエンドプレートが設けられている。当該エンドプレートは、軸方向に対称である点を除いて、エンドプレート246と同様の構成である。なお、これらのエンドプレートを固定する方法は、特に限定されず、ナット247の代わりにモータシャフト241に径方向外側に突出する凸部を設けて、当該凸部とロータコア42との間で挟むことでエンドプレートを固定してもよい。駆動装置200のその他の構成は、第1実施形態における駆動装置100のその他の構成と同様である。
【0079】
なお、上述した説明においては、エンドプレート246に溝部246aが設けられることで、径方向外側にオイルOを導く流路が構成される場合について説明したが、これに限られない。例えば、エンドプレート246に径方向に延びる孔が設けられることで当該流路が構成されてもよいし、エンドプレート246の軸方向一方側の面に溝が設けられることでロータコア42との間に当該流路が構成されてもよい。また、エンドプレート246とナット247などの他の部材との間に、径方向外側にオイルOを導く流路が構成される場合、当該流路は、エンドプレート246とナット247などの他の部材との少なくとも一方に設けられた溝を含んでもよい。
【0080】
<第3実施形態>
図6に示すように、本実施形態の駆動装置300において、第1流体供給部390のノズル部392は、軸方向一方側向き(+Y側向き)に対して、上側かつ前側(+X側)に斜めに傾いた向きに突出している。供給流路部393は、ノズル部392が突出する方向に延びている。第1供給口394は、軸方向一方側向き(+Y側向き)に対して、上側かつ前側(+X側)に斜めに傾いた向きに開口している。つまり、第1供給口394は、水平方向である軸方向に対して上側に傾いた向きに開口している。そのため、第1供給口394から中空部44内に吐出されるオイルOの勢いを重力によって低減させることができる。これにより、第1供給口394から吐出されて中空部44の内面に当たるオイルOの勢いが強くなり過ぎることを抑制できる。したがって、中空部44の内面に当たったオイルOが飛び散りにくくでき、中空部44の内面に沿ってオイルOをより好適に流しやすくできる。そのため、中空部44内に供給されたオイルOを孔部41aなどに、より好適に供給できる。
【0081】
第1流体供給部390のその他の構成は、第1実施形態の第1流体供給部90のその他の構成と同様である。駆動装置300のその他の構成は、第1実施形態における駆動装置100のその他の構成と同様である。
【0082】
<第4実施形態>
図7に示すように、本実施形態の駆動装置400において、第1流体供給部490は、全体が中空部44の外部に位置する。第1流体供給部490は、モータシャフト41の軸方向他方側(-Y側)に離れて位置する。第1流体供給部490は、第1実施形態の第1流体供給部90と異なり、根元部91を有しない。第1流体供給部490のノズル部492は、対向壁部30kから軸方向一方側(+Y側)に突出している。より詳細には、ノズル部492は、軸方向一方側向き(+Y側向き)に対して、下側に斜めに傾いた向きに突出している。本実施形態においてノズル部492は、前後方向(X軸方向)において対向壁部30kの中央部に設けられている。ノズル部492には、中心軸線J1が通っている。ノズル部492に設けられた供給流路部493は、ノズル部492が突出する方向に延びている。供給流路部493は、軸方向一方側に向かうに従って下側に位置する。
【0083】
本実施形態においてノズル部492の先端部に設けられた第1供給口494は、中空部44の外部に位置する。そのため、中空部44の内部に第1供給口494が位置する場合に比べて、中空部44の内面のうち第1供給口494が対向する部分を中空部44の軸方向の端部に近づけることができる。本実施形態では、第1供給口494が対向する部分を、中空部44の内面における軸方向他方側(-Y側)の端部にすることができる。これにより、第1供給口494から中空部44内に吐出されたオイルOの一部を、中空部44の軸方向他方側の端部からベアリング保持部34b内に流しやすくできる。また、第1供給口494から吐出されたオイルOが中空部44の内面に当たる位置を、孔部41aから好適に離しやすい。そのため、ベアリング保持部34b内および孔部41a内に、より好適にオイルOを供給しやすくできる。また、第1供給口494が中空部44の外部に位置するため、第1流体供給部490のうち第1供給口494が設けられた部分を中空部44内に挿入する必要がない。そのため、駆動装置400を組み立てる際に、第1流体供給部490がモータシャフト41と接触することを抑制でき、駆動装置400の組立性を向上できる。
【0084】
本実施形態では、ノズル部492を中空部44の内部に挿入する必要がなく、ノズル部492を対向壁部30kに直接設けても、ノズル部492の軸方向の寸法が大きくなりにくい。そのため、根元部91を設けなくても、ノズル部492が振動しにくくできる。なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様に根元部91を設けてもよい。
【0085】
第1流体供給部490のその他の構成は、第1実施形態における第1流体供給部90のその他の構成と同様である。駆動装置400のその他の構成は、第1実施形態における駆動装置100のその他の構成と同様である。
【0086】
<第5実施形態>
図8に示すように、本実施形態の駆動装置500において、第1流体供給部590のノズル部592は、根元部91から、軸方向一方側向き(+Y側向き)に対して下側に斜めに傾く向きに突出している。ノズル部592の軸方向一方側の部分は、中空部44内に挿入されている。本実施形態においてノズル部592は、前後方向(X軸方向)において対向壁部30kの中央部に設けられている。ノズル部592には、中心軸線J1が通っている。ノズル部592は、根元部91に繋がる基部592aと、基部592aに繋がる供給部592bと、を有する。基部592aは、外径および内径が一定の円筒状である。供給部592bは、基部592aから離れるに従って外径および内径が大きくなる円錐台筒状である。供給部592bは、ほぼ全体が中空部44の内部に位置する。なお、ノズル部592は、上述した形状に限られない。ノズル部592は、例えば、基部592aが設けられずに、供給部592bが直接的に根元部91に繋がる構成であってもよい。基部592aは、例えば、角筒状であってもよい。供給部592bは、例えば、流路断面の形状が、四角形などの多角形状であってもよい。
【0087】
本実施形態において第1供給口594は、供給部592bによって構成されている。第1供給口594は、中空部44の内面に向かうに従って広がっている。そのため、第1供給口594から中空部44内に吐出されるオイルOは、第1供給口594の内面に沿って広がる。これにより、第1供給口594から中空部44内に吐出されるオイルOの勢いを低減することができる。したがって、中空部44の内面に当たったオイルOが飛び散りにくくでき、中空部44の内面に沿ってオイルOをより好適に流しやすくできる。そのため、中空部44内に供給されたオイルOを孔部41aなどに、より好適に供給できる。また、第1供給口594の先端部の内径を大きくできるため、第1供給口594の先端部に対して面取りなどの加工を行ってバリなどを除去する場合に、当該加工を行いやすくできる。ノズル部592と根元部91とに跨って設けられた供給流路部593の流路断面積は、供給部592bにおいて、中空部44の内面に向かうに従って大きくなっている。
【0088】
第1流体供給部590のその他の構成は、第1実施形態における第1流体供給部90のその他の構成と同様である。駆動装置500のその他の構成は、第1実施形態における駆動装置100のその他の構成と同様である。
【0089】
<第6実施形態>
図9に示すように、本実施形態の駆動装置600において、第1流体供給部690は、ハウジング30と別体であり、ハウジング30に固定されている。そのため、ハウジング30の一部と第1流体供給部690とが互いに同一の単一部材の一部である場合に比べて、第1流体供給部690の配置の自由度を向上できる。また、第1流体供給部690のみを交換することよって、第1供給口694が向く向きを容易に変更できる。
【0090】
第1流体供給部690は、ノズル部692と、フランジ部695と、を有する。本実施形態では、ノズル部692は、軸方向に対して上下方向に斜めに傾く方向に延び、両側に開口する円筒状である。なお、ノズル部692の形状は、特に限定されない。ノズル部692は、例えば、角筒状であってもよい。ノズル部692は、軸方向一方側(+Y側)に向かうに従って下側に位置する。供給流路部693は、円筒状のノズル部692によって構成されている。ノズル部692の軸方向一方側の部分は、中空部44の内部に位置する。ノズル部692の軸方向他方側(-Y側)の端部には、中心軸線J1が通る。ノズル部692の軸方向他方側の端部は、第3接続流路部83のうち対向壁部30kに設けられた部分に繋がっている。ノズル部692の軸方向一方側の先端部には、第1供給口694が設けられている。第1供給口694は、中空部44の内面に向かって、軸方向一方側向きに対して下側に斜めに傾く向きに開口している。
【0091】
フランジ部695は、ノズル部692の軸方向他方側の端部から径方向外側に広がっている。フランジ部695は、板面が軸方向を向く板状である。フランジ部695は、対向壁部30kの軸方向一方側(+Y側)の面に接触している。フランジ部695は、複数のねじ部材695aによって対向壁部30kに固定されている。これにより、第1流体供給部690がハウジング30に固定されている。本実施形態において第1流体供給部690は、モータカバー30bに対して着脱可能に固定されている。なお、第1流体供給部690をハウジング30に対して固定する固定方法は、特に限定されない。第1流体供給部690は、スナップフィット構造によってハウジング30に固定されてもよいし、駆動装置600に設けられた他の部品によって押さえられることでハウジング30に固定されてもよい。
【0092】
第1流体供給部690のその他の構成は、第1実施形態における第1流体供給部90のその他の構成と同様である。駆動装置600のその他の構成は、第1実施形態における駆動装置100のその他の構成と同様である。
【0093】
<第7実施形態>
図10に示すように、本実施形態の駆動装置700において、第1流体供給部790は、第6実施形態と同様に、ハウジング30と別体であり、ハウジング30に固定されている。第1流体供給部790は、ノズル部792と、フランジ部695と、を有する。本実施形態においてノズル部792は、軸方向にまっすぐ延びる筒状である。ノズル部792は、例えば、中心軸線J1を中心とする円筒状である。ノズル部792の軸方向一方側(+Y側)の部分は、中空部44内に挿入されている。ノズル部792の軸方向一方側の端部は、塞がれている。ノズル部792の軸方向他方側(-Y側)の端部は、開口し、第3接続流路部83のうち対向壁部30kに設けられた部分に繋がっている。供給流路部793は、ノズル部792によって構成されている。供給流路部793は、中心軸線J1に沿って軸方向に延びている。
【0094】
本実施形態において第1供給口794は、ノズル部792を構成する周壁部を、径方向内側面から径方向外側面まで貫通する孔によって構成されている。本実施形態において第1供給口794は、ノズル部792を構成する周壁部のうち下側に位置する部分に設けられている。第1供給口794は、中空部44の内部に位置する。本実施形態において第1供給口794は、複数設けられている。複数の第1供給口794は、軸方向一方側向き(+Y側向き)に対して斜めに傾いた向きに開口する第1供給口794aと、軸方向他方側向き(-Y側向き)に対して斜めに傾いた向きに開口する第1供給口794bと、を含む。そのため、図10において矢印で示すように、第1供給口794aから中空部44内に吐出されるオイルOを中空部44の内面に沿って軸方向一方側に好適に流しつつ、第1供給口794bから中空部44内に吐出されるオイルOを中空部44の内面に沿って軸方向他方側に好適に流すことができる。これにより、第1供給口794aから吐出されたオイルOの一部をモータシャフト41の孔部41aに向けて好適に流しつつ、第1供給口794bから吐出されたオイルOをベアリング保持部34b内へと好適に流すことができる。したがって、孔部41aおよびベアリング保持部34bにオイルOをより好適に供給できる。
【0095】
第1供給口794aは、中空部44の内面に向かって、軸方向一方側(+Y側)かつ斜め下側向きに開口している。第1供給口794bは、中空部44の内面に向かって、軸方向他方側(-Y側)かつ斜め下側向きに開口している。第1供給口794aの開口面積と第1供給口794bの開口面積とは、例えば、互いに同じである。なお、第1供給口794aの開口面積と第1供給口794bの開口面積とは、例えば、互いに異なっていてもよい。この場合、第1供給口794aの開口面積を第1供給口794bの開口面積よりも大きくすることで、モータシャフト41の孔部41aに向けて流すオイルOの量を好適に多くしやすい。第1供給口794aの開口する向きは、第1供給口794bの開口する向きと、同じであってもよく、異なっていてもよい。すなわち、第1供給口794aの開口する向きが、鉛直方向上側であり、第1供給口794bの開口する向きが鉛直方向下側であってもよく、その逆であってもよい。第1供給口794aの形状は、第1供給口794bの形状と、異なっていてもよく、同じであってもよい。
【0096】
第1流体供給部790のその他の構成は、第6実施形態における第1流体供給部690のその他の構成と同様である。駆動装置700のその他の構成は、第6実施形態における駆動装置600のその他の構成と同様である。
【0097】
<第8実施形態>
図11に示すように、本実施形態の駆動装置800において、第1流体供給部890は、第1ギヤシャフト23aの内部にオイルOを供給する。第1ギヤシャフト23aの内部は、第1ギヤシャフト23aに設けられた中空部23dの内部である。本実施形態において第1ギヤシャフト23aは、「第1シャフト」に相当する。つまり、本実施形態においてギヤ機構20は、第1シャフトとしての第1ギヤシャフト23aを有する。そのため、上述した実施形態と同様に、第1流体供給部890の第1供給口894から吐出されるオイルOを、第1ギヤシャフト23aの中空部23d内において所望する位置に供給しやすくできる。
【0098】
第1流体供給部890は、ギヤカバー30cに設けられている。より詳細には、第1流体供給部890は、蓋部30fのうち軸方向他方側(-Y側)から見てベアリング保持部35aに囲まれた部分に設けられている。第1流体供給部890は、第1実施形態の第1流体供給部90に対して軸方向に反転した形状である。第1流体供給部890の第1供給口894は、第1ギヤシャフト23aの中空部23d内に位置する。第1供給口894は、中空部23dの内面に向かって、軸方向他方側向き(-Y側向き)に対して下側に斜めに傾く向きに開口している。
【0099】
第1流体供給部890のその他の構成は、第1実施形態における第1流体供給部90のその他の構成と同様である。駆動装置800のその他の構成は、第1実施形態における駆動装置100のその他の構成と同様である。
【0100】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。中空部を有する第1シャフトは、駆動装置に備えられるシャフトであれば、どのようなシャフトであってもよい。例えば、上述した実施形態における第2ギヤシャフト23bが第1シャフトに相当してもよい。この場合、第1シャフトの中心軸線は、中間軸線J2である。第1シャフトの中心軸線が延びる方向は、特に限定されない。第1シャフトの中心軸線がロータの回転軸線と異なる軸線である場合、第1シャフトの中心軸線が延びる方向は、ロータの回転軸線と異なる方向に延びていてもよい。第1シャフトは、中空部の内部と第1シャフトの外部とを繋ぐ孔部を有しなくてもよい。第1シャフトは、軸方向の一部のみに中空部を有するシャフトであってもよい。
【0101】
第1シャフトに軸方向に連結される第2シャフトは、第1シャフトとどのように連結されていてもよい。例えば、上述した第1実施形態において、第2シャフトである第1ギヤシャフト23aの軸方向他方側の端部内に、第1シャフトであるモータシャフト41の軸方向一方側の端部が挿入されて、第1ギヤシャフト23aとモータシャフト41とが連結されてもよい。第2シャフトは、中空部を有しなくてもよい。第2シャフトは、設けられなくてもよい。
【0102】
中空部の内面に向かって開口する供給口を有する流体供給部は、複数設けられてもよい。具体的には、例えば、上述した第1実施形態の第1流体供給部90のような流体供給部と、第8実施形態の第1流体供給部890のような流体供給部とが設けられてもよい。この場合、モータシャフト41および第1ギヤシャフト23aは、共に第1シャフトに相当する。また、1つの第1シャフトに対して、複数の流体供給部が設けられていてもよい。この場合、1つの第1シャフトの中空部内には、複数の流体供給部の各供給口から流体が供給される。流体供給部は、供給口を有するならば、どのような構成であってもよい。例えば、流体供給部は、ハウジングの内壁面に直接開口する供給口を有する構成であってもよい。供給口は、第1シャフトの中空部の内面に向かって第1シャフトの軸方向に対して傾いた向きに開口しているならば、どのような形状であってもよいし、どのような向きに開口していてもよい。供給口は、1つの流体供給部に複数設けられてもよい。この場合、複数の供給口は、互いに同じ向きに開口する2つ以上の供給口を含んでもよいし、互いに異なる向きに開口する2つ以上の供給口を含んでもよい。
【0103】
本発明が適用される駆動装置の用途は、特に限定されない。駆動装置は、例えば、車軸を回転させる用途以外の用途で車両に搭載されてもよいし、車両以外の機器に搭載されてもよい。駆動装置が用いられる際の姿勢は、特に限定されない。駆動装置は、減速装置および差動装置を有するギヤ機構を備えなくてもよい。この場合、駆動装置は、上述した各実施形態において「モータ」と呼んで説明した部分、すなわちロータおよびステータを備えた部分をモータ本体として備えるモータであってもよい。
【0104】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) ロータおよびステータを備える駆動装置であって、中心軸線を中心として回転可能で軸方向に延びる第1シャフトと、供給口を有する流体供給部と、を備え、前記第1シャフトは、中空部を有し、前記供給口は、前記中空部の内面に向かって軸方向に対して傾いた向きに開口している、駆動装置。
(2) 前記第1シャフトは、前記中空部の内部と前記第1シャフトの外部とを繋ぐ孔部を有し、前記供給口は、前記孔部から軸方向に離れた位置にあり、かつ、前記中空部の内面のうち軸方向の位置が前記供給口と前記孔部との間の位置となる部分に向かって開口している、(1)に記載の駆動装置。
(3) 前記供給口は、前記中空部の内面のうち軸方向の位置が前記供給口と前記孔部との間の中心よりも前記供給口に近い位置となる部分に向かって開口している、(2)に記載の駆動装置。
(4) 前記ロータは、前記第1シャフトと、前記第1シャフトに固定されたロータコアと、を有し、前記ロータコアには、前記孔部を介して前記中空部の内部と繋がる流路部が設けられている、(2)または(3)に記載の駆動装置。
(5) 前記ロータに接続されたギヤ機構をさらに備え、前記ギヤ機構は、前記第1シャフトを有する、(1)から(3)のいずれか一項に記載の駆動装置。
(6) 前記供給口は、前記中空部の内部に位置する、(1)から(5)のいずれか一項に記載の駆動装置。
(7) 前記第1シャフトのうち前記中空部が設けられた部分を回転可能に支持するベアリングを備え、前記供給口の軸方向の位置は、前記ベアリングの少なくとも一部における軸方向の位置と同じである、(6)に記載の駆動装置。
(8) 前記供給口は、複数設けられ、複数の前記供給口は、軸方向一方側向きに対して斜めに傾いた向きに開口する供給口と、軸方向他方側向きに対して斜めに傾いた向きに開口する供給口と、を含む、(6)または(7)に記載の駆動装置。
(9) 前記供給口は、前記中空部の外部に位置する、(1)から(5)のいずれか一項に記載の駆動装置。
(10) 前記第1シャフトは、水平方向に延びており、前記供給口は、水平方向に対して下側に傾いた向きに開口している、(1)から(9)のいずれか一項に記載の駆動装置。
(11) 前記第1シャフトは、水平方向に延びており、前記供給口は、水平方向に対して上側に傾いた向きに開口している、(1)から(9)のいずれか一項に記載の駆動装置。
(12) 前記流体供給部は、軸方向に突出するノズル部を有し、前記供給口は、前記ノズル部に設けられている、(1)から(11)のいずれか一項に記載の駆動装置。
(13) 前記流体供給部は、軸方向に突出する根元部を有し、前記ノズル部は、前記根元部から突出している、(12)に記載の駆動装置。
(14) 前記供給口は、前記中空部の内面に向かうに従って広がっている、(1)から(13)のいずれか一項に記載の駆動装置。
(15) 前記第1シャフトを内部に収容するハウジングを備え、前記ハウジングの少なくとも一部は、前記流体供給部と同一の部材である、(1)から(14)のいずれか一項に記載の駆動装置。
(16) 前記第1シャフトを内部に収容するハウジングを備え、前記流体供給部は、前記ハウジングと別体であり、前記ハウジングに固定されている、(1)から(14)のいずれか一項に記載の駆動装置。
(17) 前記第1シャフトと軸方向に連結された第2シャフトを備え、前記第2シャフトは、前記第1シャフトの軸方向一方側に位置し、前記供給口は、前記第2シャフトよりも軸方向他方側に位置し、かつ、前記中空部の内面のうち軸方向の位置が前記供給口と前記第2シャフトとの間の位置となる部分に向かって開口している、(1)から(16)のいずれか一項に記載の駆動装置。
【0105】
以上、本明細書において説明した構成および方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0106】
20…ギヤ機構、23a…第1ギヤシャフト(第1シャフト,第2シャフト)、23d,44…中空部、30…ハウジング、33b…孔、40,240…ロータ、41,241…モータシャフト(第1シャフト)、41a,241a…孔部、42…ロータコア、42a…コア流路部(流路部)、43b…ベアリング、50…ステータ、90,390,490,590,690,790,890…第1流体供給部(流体供給部)、91…根元部、92,392,492,592,692,792…ノズル部、94,394,494,594,694,794,794a,794b,894…第1供給口(供給口)、100,200,300,400,500,600,700,800…駆動装置、J1…中心軸線
図1
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