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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120297
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】電子時計
(51)【国際特許分類】
   G04R 60/12 20130101AFI20240829BHJP
   G04G 21/04 20130101ALI20240829BHJP
   G04C 9/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G04R60/12
G04G21/04
G04C9/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026997
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】中島 恭央
【テーマコード(参考)】
2F002
2F101
【Fターム(参考)】
2F002AA01
2F002AA12
2F002AB02
2F002AB03
2F002AB04
2F002AC01
2F002AC03
2F002BB04
2F101CJ12
(57)【要約】
【課題】ケースやベゼルを金属製にでき、アンテナ特性を改善できる電子時計の提供。
【解決手段】電子時計は、指針と、文字板と、文字板の裏面側に配置され、給電部に接続される板状の第1導体素子、文字板の表面に直交する方向から見た平面視で第1導体素子と重なる板状の第2導体素子、文字板の表面に平行な方向から見た側面視で第1導体素子と第2導体素子の間に配置される誘電体、および第1導体素子と第2導体素子とを短絡する短絡部を有するアンテナと、短絡部とは反対側かつアンテナ外周側に配置され、アンテナの誘電体よりも高い誘電率の材料を使用したアンテナ補助部材と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指針と、
文字板と、
前記文字板の裏面側に配置され、給電部に接続される板状の第1導体素子、前記文字板の表面に直交する方向から見た平面視で前記第1導体素子と重なる板状の第2導体素子、前記文字板の表面に平行な方向から見た側面視で前記第1導体素子と前記第2導体素子との間に配置される誘電体、および前記第1導体素子と前記第2導体素子とを短絡する短絡部を有するアンテナと、
前記短絡部とは反対側かつ前記アンテナの外周側に配置され、前記アンテナの前記誘電体よりも高い誘電率の材料を使用したアンテナ補助部材と、
を備えることを特徴とする電子時計。
【請求項2】
請求項1に記載の電子時計において、
前記アンテナ補助部材の誘電率は、5以上である
ことを特徴とする電子時計。
【請求項3】
請求項2に記載の電子時計において、
前記アンテナ補助部材の誘電率は、8以上である
ことを特徴とする電子時計。
【請求項4】
請求項1に記載の電子時計において、
前記アンテナ補助部材の誘電率は、前記アンテナの前記誘電体の誘電率の2倍以上である
ことを特徴とする電子時計。
【請求項5】
請求項1に記載の電子時計において、
前記アンテナ補助部材は、
前記平面視において、中心角が90°以上の円弧状に形成され、
少なくとも前記アンテナの前記短絡部に対して反対側を含む位置に配置されている
ことを特徴とする電子時計。
【請求項6】
請求項1に記載の電子時計において、
前記アンテナ補助部材は、前記側面視で前記第1導体素子および前記第2導体素子の間に配置されている
ことを特徴とする電子時計。
【請求項7】
請求項6に記載の電子時計において、
前記側面視で前記第1導体素子および前記第2導体素子の間に配置され、前記文字板に形成された開口から情報を表示する表示車を備え、
前記アンテナ補助部材は、前記平面視で円弧状に形成され、前記表示車の外側に配置されている
ことを特徴とする電子時計。
【請求項8】
請求項1に記載の電子時計において、
前記アンテナの裏面側に配置された地板を備え、
前記アンテナ補助部材は、前記地板にネジで固定され、
前記ネジは、電気的に浮いている
ことを特徴とする電子時計。
【請求項9】
請求項1に記載の電子時計において、
金属製のケースおよびベゼルを備え、
前記アンテナおよび前記アンテナ補助部材は前記ケース内に配置される
ことを特徴とする電子時計。
【請求項10】
請求項1に記載の電子時計において、
前記アンテナの前記誘電体は、薄板部と、厚肉部とを備え、
前記第1導体素子は、前記誘電体の表面に形成される金属被膜であり、
前記第2導体素子は、金属板であり、
前記アンテナ補助部材は、前記側面視で前記薄板部と前記第2導体素子との間に配置され、前記薄板部を支持する
ことを特徴とする電子時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナを内蔵する電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
腕時計などの小型の電子時計において、GPS衛星から送信される衛星信号を受信するアンテナを内蔵する電子時計が知られている。例えば、特許文献1には、カレンダー車を保持するカレンダー押さえに形成した逆F型アンテナが開示されている。逆Fアンテナは、樹脂製のカレンダー押さえの文字板側の表面に設けられた第1導体素子と、カレンダー押さえの裏面に設けられた第2導体素子と、カレンダー押さえの側面に設けられて第1導体素子および第2導体素子を短絡する導電性の短絡部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-163963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記衛星信号は、右旋偏波の円偏波である。また、逆Fアンテナの右旋偏波の指向性は、短絡部側から逆Fアンテナを見た側面視において、第1導体素子に垂直な方向から約60°右側に傾いている。このため、時計のケースやベゼルを金属材で構成すると、逆Fアンテナの利得が低下する恐れがある。
したがって、ケースやベゼルの材料を制限したり、ケースサイズを大きくしてアンテナと距離を離す必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の電子時計は、指針と、文字板と、前記文字板の裏面側に配置され、給電部に接続される板状の第1導体素子、前記文字板の表面に直交する方向から見た平面視で前記第1導体素子と重なる板状の第2導体素子、前記文字板の表面に平行な方向から見た側面視で前記第1導体素子と前記第2導体素子との間に配置される誘電体、および前記第1導体素子と前記第2導体素子とを短絡する短絡部を有するアンテナと、前記短絡部とは反対側かつ前記アンテナの外周側に配置され、前記アンテナの前記誘電体よりも高い誘電率の材料を使用したアンテナ補助部材と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の電子時計を示す正面図である。
図2】第1実施形態の電子時計を示す断面図である。
図3】第1実施形態の電子時計の平面アンテナ、ソーラーパネルおよび回路基板を示す斜視図である。
図4】第1実施形態の電子時計の平面アンテナ、ソーラーパネルおよびムーブメントを示す分解斜視図である。
図5】第1実施形態の平面アンテナおよびアンテナ補助部材を示す分解斜視図である。
図6】第1実施形態の平面アンテナおよびアンテナ補助部材を示す平面図である。
図7】第1実施形態の平面アンテナの指向性を示す図である。
図8】アンテナ補助部材の誘電率と感度改善量との関係を示すグラフである。
図9】アンテナ補助部材の配置位置を説明する図である。
図10】長さ寸法の異なるアンテナ補助部材の配置位置を説明する図である。
図11】第2実施形態の電子時計を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、第1実施形態の電子時計1を図面に基づいて説明する。本実施形態では、電子時計1のカバーガラス15側を表面側または上側とし、裏蓋14側を裏面側または下側として説明する。また、平面視とは、文字板2の表面に直交する方向、つまり後述する指針軸35~37の軸方向から電子時計1を見ることを意味し、側面視とは、文字板2の表面に平行な方向から電子時計1を見ることを意味する。
【0008】
本実施形態の電子時計1は、後述する平面アンテナ50を内蔵し、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星や準天頂衛星などの位置情報衛星Sからの衛星信号を受信して衛星時刻情報を取得し、内部時刻情報を修正できるように構成されている。
【0009】
電子時計1は、図1、2に示すように、ケース10と、ケース10内に収容された文字板2、指針3、日車5とを備える。電子時計1は、外部操作用のりゅうず6と、2つのボタン7、8とを備える。
【0010】
[電子時計の外装構造]
ケース10は、ケース本体11と、裏蓋14とを備える。ケース本体11は、円筒状の胴12と、胴12の表面側に設けられたリング状のベゼル13とを備える。なお、本実施形態では、胴12と裏蓋14とは別体で構成されているが、これに限らず、胴12および裏蓋14が一体化されたワンピースケースでもよい。また、本実施形態では、胴12とベゼル13とは別体で構成されているが、これに限らず、胴12およびベゼル13が一体化された構造を用いてもよく、この場合、安価にできるメリットがある。
胴12、ベゼル13、裏蓋14の材質は、ステンレス鋼、チタン合金、アルミ、真鍮などの金属材料つまり導電性材料である。
【0011】
ベゼル13には、プラスチックパッキン17を介して、カバーガラス15が取り付けられる。カバーガラス15は、ミネラルガラス、サファイアガラス、有機ガラス等の透明な材料で製造される。
カバーガラス15の直径であるガラス径はケース10のサイズで決まり、カバーガラス15の厚さ寸法は、ガラス径と防水性能との関係で決まる。
【0012】
[電子時計の内部構造]
次に、電子時計1のケース10に内蔵される内部構造について説明する。
図2に示すように、ケース10内には、文字板2、ダイヤルリング16、ムーブメント20、平面アンテナ50、アンテナ補助部材60等が収容される。
【0013】
文字板2は、非導電性部材にて円板状に形成されている。本実施形態の文字板2は、誘電率3のポリカーボネート樹脂で形成されている。文字板2はケース10に対応する大きさで形成されている。すなわち、文字板2の平面サイズ、つまり平面視における文字板2の直径は、ケース10の内径に応じて設定される。電子時計1において、文字板2の平面サイズは、後述する地板21の平面サイズより大きく、平面視で中枠28の一部と重なっている。
指針3は、図2に示すように、時針31、分針32、秒針33を備える。文字板2の平面中心には貫通孔2Aが形成され、貫通孔2Aには同軸に設けられた3本の指針軸35、36、37が配置されている。指針軸35には時針31が取り付けられ、指針軸36には分針32が取り付けられ、指針軸37には秒針33が取り付けられている。時針31、分針32、秒針33は、文字板2の平面サイズに対応する長さに設定されている。
指針軸35、36、37および時針31、分針32、秒針33は、金属製の導電性部材で構成される。
文字板2の3時位置には矩形の日窓2Bが設けられている。文字板2の裏面側には表示車である日車5が配置され、日車5は日窓2Bから視認可能となっている。時針31、分針32、秒針33、日車5は、後述するステップモーターおよび輪列を介して駆動される。なお、表示車としては、日車5に限定されず、曜車等のカレンダー情報を表示するものでもよいし、カレンダー以外の情報を表示するものでもよい。
【0014】
ダイヤルリング16は、文字板2と同様に非導電性部材で平面視リング状に構成され、文字板2の外周に沿って配置されている。本実施形態のダイヤルリング16は、誘電率3のポリカーボネート樹脂で形成されている。
【0015】
ムーブメント20は、地板21、駆動機構23、二次電池24、ソーラーパネル25、平面アンテナ50、回路基板70、耐磁板81、回路押さえ82等を備える。なお、図示は省略するが、地板21と回路基板70との間には、駆動機構23を構成する輪列を地板21と共に支持する輪列受けが配置される。
【0016】
地板21は、合成樹脂製であり、その平面サイズは、ケース10の内径に関わらず、一定のサイズとされている。すなわち、地板21の裏面には、駆動機構23が取り付けられる。このため、地板21は、駆動機構23に対応する大きさ、つまり駆動機構23が取付可能な大きさで形成されている。したがって、ケース10の内径が大きくなっても地板21の平面サイズは一定にできる。電子時計1では、ケース10の内径に比べて、地板21の外径は小さい。このため、地板21とケース10の内面との間の隙間には、リング状の中枠28が配置されている。
駆動機構23は、地板21の裏面に取り付けられ、時針31、分針32、秒針33および日車5を駆動する。すなわち、駆動機構23は、時針31、分針32、秒針33、日車5をそれぞれ駆動する4つのステップモーターと、4つの輪列とを有する。これらのステップモーターは、前記平面視で二次電池24と重ならない位置に配置されている。
【0017】
回路基板70は、表裏両面に半導体集積回路(IC: Integrated Circuit)や、抵抗、コンデンサー等の回路素子が実装されている。ICとしては、平面アンテナ50で受信した信号を処理する受信用ICと、時針31、分針32、秒針33、日車5の駆動を制御する制御用ICとが設けられている。回路基板70は、輪列受けの裏面側に配置され、地板21に対応する大きさ、つまり駆動機構23に対応する大きさで形成されている。
二次電池24は、ボタン型のリチウムイオン電池であり、回路基板70の切欠部に配置されている。
【0018】
ソーラーパネル25は、図3および図4にも示すように、腕時計用に用いられる太陽電池パネルであり、例えば、樹脂フィルム基板上にアモルファスシリコン薄膜を積層したフィルム型の太陽電池などを利用できる。ソーラーパネル25は、指針軸35~37が挿通される貫通孔25Aと、日車5を視認するための日窓25Bと、2つの電極端子とを備える。この電極端子と回路基板70とは、2本の導通部材251によって導通されている。導通部材251は具体的にはコイルばねで構成され、ソーラーパネル25で発電した電流は、導通部材251および回路基板70を介して二次電池24に充電される。
【0019】
[平面アンテナ]
平面アンテナ50は、GPS衛星からの衛星信号を受信するアンテナであり、本実施形態では板状逆F型アンテナで構成されている。
平面アンテナ50は、カバーガラス15およびソーラーパネル25と平面視で重なるように配置され、図2および図4にも示すように、文字板2の表面に平行な方向から見た側面視で文字板2の裏面側に配置されるソーラーパネル25と地板21との間に配置される。このため、平面アンテナ50は、フィルム製のソーラーパネル25を支持する支持基板を兼ねている。
平面アンテナ50は、誘電体51と、板状の第1導体素子52と、平面視で第1導体素子52と重なるように配置された板状の第2導体素子53と、第1導体素子52および第2導体素子53を短絡する短絡部54とを備えて構成される。
平面アンテナ50の平面中心位置には、指針軸35~37が挿通される貫通孔501が形成されている。すなわち、貫通孔501は、第1導体素子52、誘電体51、第2導体素子53を貫通して形成されている。また、平面アンテナ50において、第1導体素子52が表面に形成された誘電体51と第2導体素子53との間には日車5が配置され、誘電体51および第1導体素子52において日窓2B、25Bと平面視で重なる位置には、日車5を視認するための日窓503が形成されている。
平面アンテナ50の外周面には、図3および図4に示すように、凹部502が形成されている。凹部502には、導通部材251が配置される。
【0020】
誘電体51は、ポリフェニレンスルファイド、液晶ポリマー、ポリカーボネート等の誘電材料で形成され、側面視で第1導体素子52および第2導体素子53間に配置される。これらの材料で構成される誘電体51の誘電率は、約2~4である。
誘電体51は、図5に示すように、薄板状の誘電体本体51Aと、誘電体本体51Aの裏面において平面視で日車5の内周側の位置に形成された内周側突出部51Bと、日車5の外周側の位置に形成された外周側突出部51Cとを備える。外周側突出部51Cは、平面視で文字板2の略12時位置から略3時位置の範囲に形成されている。
誘電体51は、薄板部である誘電体本体51Aと、厚肉部である内周側突出部51Bおよび外周側突出部51Cとを備えている。誘電体51は、地板21に対して日車5を押さえる機能を備える。
【0021】
第1導体素子52は、誘電体51の表面、つまり文字板2側の面に形成された金属被膜で形成され、給電部材である給電ピン56を介して回路基板70に導通されている。したがって、第1導体素子52は、給電部である給電ピン56に接続される板状の第1導体素子であり、板状逆F型アンテナの放射電極として機能する。
第1導体素子52を形成する金属被膜は、例えば金、銅、銀、ニッケル、アルミなどのメッキ処理によって形成することができる。なお、図2では、給電ピン56は、第2導体素子53および誘電体51を貫通して第1導体素子52に接触するように模式的に図示しているが、実際には、図5に示すように、第1導体素子52に導通する金属被膜で形成された給電端子55を、誘電体51の外周側突出部51Cの側面を介して下面まで形成し、この給電端子55に給電部である給電ピン56の上端が接触するように構成している。なお、第1導体素子52は、誘電体51にメッキなどで形成された金属被膜に限らず、例えば銅、鉄合金などの金属薄板で形成してもよい。
給電ピン56の下端は、回路基板70に当接し、回路基板70に実装された受信ICに導通されている。したがって、給電ピン56は、平面視で地板21および回路基板70に重なって配置されている。
【0022】
第2導体素子53は、例えば銅、鉄合金などの金属薄板で形成され、回路基板70のグランド端子に導通されている。第2導体素子53は、板状逆F型アンテナのグランド電極として機能する。
第2導体素子53は、平面視で前記第1導体素子52と重なる板状の第2導体素子である。なお、第2導体素子53は、地板21の表面を殆ど覆うサイズに形成されており、ステップモーターの文字板2側を覆う耐磁板と、筒車を押さえる筒車押さえを兼ねている。第2導体素子53は、給電端子55には接触せず、短絡部54には接触して導通する。
【0023】
短絡部54は、誘電体51の外周側突出部51Cの側面および裏面にメッキ等で形成された金属被膜で形成され、第1導体素子52および第2導体素子53に導通している。短絡部54は、少なくとも誘電体51の凹部502にも設けられ、導通部材251は、短絡部54の外周側に配置されている。
【0024】
[アンテナ補助部材]
アンテナ補助部材60は、平面アンテナ50の誘電体51よりも誘電率が高い高誘電材料で構成されている。すなわち、誘電体51の誘電率が約2~4であるため、アンテナ補助部材60は、誘電率が5以上、好ましくは8以上の合成樹脂などで構成されている。アンテナ補助部材60の誘電率が8以上である場合、誘電体51の誘電率が約2~4であるため、アンテナ補助部材60の誘電率は、誘電体51の2倍以上である。
アンテナ補助部材60は、平面視で日車5の外側に配置され、側面視で第1導体素子52と第2導体素子53との間、具体的には、誘電体51の薄板部である誘電体本体51Aと、第2導体素子53との間に配置されている。
アンテナ補助部材60は、図4図6に示すように、円弧状に形成された円弧部61と、ガイド凹部62と、ネジ止め部63と、突起部64とを備える。ガイド凹部62は、円弧部61の内周側の4箇所に形成されている。ネジ止め部63は、円弧部61の外周側において、両端部および中間部の3箇所に形成されている。
ガイド凹部62には、合成樹脂製の地板21に形成されたガイドピン211が配置される。これにより、アンテナ補助部材60を位置決めすることができる。
ネジ止め部63には、ネジ65が挿通される貫通孔が形成されている。このネジ65によって、アンテナ補助部材60は地板21に固定されている。なお、アンテナ補助部材60の両端部のネジ止め部63に挿入されるネジ65は、アンテナ補助部材60のみを地板21に固定し、中央部のネジ止め部63に挿入されるネジ65は、平面アンテナ50の誘電体51に形成されたネジ止め部513とネジ止め部63とを共締めする。
また、ネジ65は、電気的に浮いた状態となるように、グランド電位に設定された金属部分には当接しないように設けられている。
突起部64は、円弧部61の内周側の4箇所に、側面視で誘電体本体51A側に突出するように形成されている。突起部64の上面は平面となっており、誘電体本体51Aの下面と接する。前述したガイドピン211の上面も誘電体本体51Aの下面と接するようになっており、誘電体51が下面側に撓まないように突起部64とガイドピン211とで誘電体本体51Aが支持されている。
【0025】
アンテナ補助部材60は、図6に示すように、中心角が90°以上、具体的には約180°の平面円弧状に形成されている。そして、アンテナ補助部材60は、文字板2の略5時位置から時計回りに略11時位置までの範囲に配置されている。平面アンテナ50の短絡部54は、文字板2の略12時位置を含んで形成され、その幅寸法は受信周波数に応じて調整されている。
アンテナ補助部材60は、平面アンテナ50の短絡部54の反対側に配置され、さらに、平面アンテナ50の外周側に配置されている。
ここで、平面アンテナ50の短絡部54の反対側とは、平面アンテナ50の開放端側を意味し、平面視で平面アンテナ50の中心に対して短絡部54の反対側を意味する。例えば、短絡部54が文字板2の略12時位置に設けられている場合、アンテナ補助部材60は、短絡部54の反対側である文字板2の略6時位置を含んで配置されている。なお、短絡部54は、平面アンテナ50の外周方向に受信周波数に応じた所定の幅寸法で形成される。例えば、短絡部54が文字板2の12時位置から時計回りに2時位置までの範囲に形成された場合、短絡部54の反対側は、短絡部54の幅寸法の中心である1時位置の反対側である7時位置となる。この場合、アンテナ補助部材60を、少なくとも7時位置を含んで配置すればよい。
また、平面アンテナ50の外周側とは、電界強度が高くなっている第1導体素子52の外周部分を意味する。このため、アンテナ補助部材60が平面アンテナ50の外周側に配置されるとは、平面視でアンテナ補助部材60の外周が平面アンテナ50の第1導体素子52の外周に沿って配置される場合だけでなく、平面視でアンテナ補助部材60の外周が平面アンテナ50の第1導体素子52の外側に配置され、アンテナ補助部材60の内周が第1導体素子52の外周よりも内側に配置される場合を含む。さらに、アンテナ補助部材60が平面アンテナ50の外周側に配置されるには、平面視でアンテナ補助部材60の内周が平面アンテナ50の第1導体素子52の外側に配置される場合や、アンテナ補助部材60の外周が平面アンテナ50の第1導体素子52の外周の内側に配置される場合に、その離間距離が短く、アンテナ特性を改善できる位置にアンテナ補助部材60が配置されている場合が含まれる。
【0026】
[アンテナ特性の改善効果]
図7は、平面アンテナ50の指向性を示す図であり、点線はアンテナ補助部材60を設けていない場合の指向性を示し、実線はアンテナ補助部材60を設けた場合の指向性を示す。図7に示すように、アンテナ補助部材60を設けることで、文字板2側つまり天頂方向の利得が約1dB改善し、横に出ていた指向性が天頂方向に向くように改善され、アンテナ性能も改善する。これにより、ケース10内に配置した平面アンテナ50は、天頂方向であるカバーガラス15側からの信号を受信しやすくなり、導電性の胴12やベゼル13の影響を低減できる。さらに、天頂方向の衛星の信号を受信できるため、ビル等の高い建物に囲まれたような厳しい条件でも衛星信号の受信が可能となる。
【0027】
図8は、アンテナ補助部材60に用いられる材料の誘電率と感度改善量とを示すグラフである。平面アンテナ50の誘電体51の誘電率が略2~4程度であるため、図8に示すように、アンテナ補助部材60を平面アンテナ50の誘電体51と同程度の誘電率の材料で構成した場合、感度は改善しない。一方、アンテナ補助部材60を誘電率5の材料で構成した場合は約0.2dB改善し、誘電率8の材料で構成した場合は0.8dB改善する。また、アンテナ補助部材60を誘電率17の材料で構成した場合は約1.0dB改善する。
したがって、アンテナ補助部材60の誘電率は5以上であればよいことが分かった。特に、アンテナ補助部材60の誘電率が8であれば、誘電率が17の場合と同程度の改善効果が得られるため、アンテナ補助部材60の誘電率は8以上であることが好ましいことが判明した。すなわち、平面アンテナ50の誘電率が2~4程度であるため、アンテナ補助部材60の誘電率を平面アンテナ50の2倍以上にすることが好ましいことが判明した。
【0028】
平面アンテナ50のアンテナ特性をシミュレーションモデルで分析した。平面アンテナ50は短絡部54と反対側である開放端側で電波を受信しており、電界強度も高くなっている。したがって、短絡部54が12時側である場合、電界密度が高いアンテナの開放端側である6時側に、高誘電材料のアンテナ補助部材60を配置することで、天頂方向の指向性が改善し、アンテナ特性が改善することがシミュレーション解析結果によっても判明した。
【0029】
[アンテナ補助部材の配置位置]
次に、アンテナ補助部材60の配置位置によるアンテナ特性の改善効果について図9を参照して説明する。
図9(A)に示すように、中心角90°の円弧状に形成したアンテナ補助部材60Aを、平面アンテナ50の短絡部54の反対側である6時位置に配置した場合は、アンテナ特性の改善効果が確認できた。なお、アンテナ補助部材60Aを6時位置に配置とは、アンテナ補助部材60Aが4.5時および7.5時の範囲に配置され、アンテナ補助部材60Aの長手方向の中央位置が文字板2の6時位置に位置する状態を意味する。また、6時位置は、平面アンテナ50の給電端子55や給電ピン56が配置された位置に対してほぼ反対側となる位置である。
一方、図9(B)、(C)に示すように、アンテナ補助部材60Aを9時位置や3時位置に配置した場合は、アンテナ特性の改善効果が得られなかった。
したがって、前述したシミュレーション解析結果と同様に、電界密度が高いアンテナ開放端にアンテナ補助部材60Aを配置することで、アンテナ特性の改善効果が得られることが確認された。
【0030】
[アンテナ補助部材の形状]
次に、アンテナ補助部材60の形状、具体的には円弧状の長さによるアンテナ改善効果の違いに関して図10を参照して説明する。
図10(A)は、中心角180°の円弧状に形成された本実施形態のアンテナ補助部材60であり、図10(B)は、中心角90°の円弧状に形成されたアンテナ補助部材60Aである。
図10(C)は、中心角180°の円弧状に形成されたアンテナ補助部材60Bを6時位置、つまり文字板2の3時位置から6時位置を経由して9時位置の範囲に配置したものである。
図10(D)は、中心角270°の円弧状に形成されたアンテナ補助部材60Cを6.5時位置、つまり文字板2の2時位置から6.5時位置を経由して11時位置の範囲に配置したものである。
図10(E)は、中心角90°の円弧状に形成された2つのアンテナ補助部材60Dを6時位置および9時位置に配置したものである。
以上の図10(A)~図10(E)に示すアンテナ補助部材60、60A、60B、60C、60Dにおいて、アンテナ改善効果は殆ど変わらなかった。すなわち、アンテナ補助部材は、短絡部54の反対側である6時位置を含んで配置されていれば、その長さに違いがあっても平面アンテナ50の特性の改善効果は同等であった。
【0031】
[第1実施形態の効果]
平面アンテナ50の誘電体51よりも高い誘電率のアンテナ補助部材60を、短絡部54とは反対側、つまり平面アンテナ50の開放端側に配置したので、平面アンテナ50の指向性を天頂方向に近づけることができ、アンテナ特性を改善できる。このため、金属製の胴12やベゼル13を用いることができ、ケース10に用いる材質の制約を少なくでき、平面アンテナ50の設計自由度も高めることができる。
誘電率が5以上、具体的には8以上のアンテナ補助部材60を用いたので、天頂方向の感度を1dB近く改善できる。
アンテナ補助部材60を平面アンテナ50とは別体で設けることで、誘電体51の材質の制約を少なくできる。例えば、前述したように、平面アンテナ50では、短絡部54は受信周波数に応じた幅寸法で形成される。平面アンテナ50で受信する電波の受信周波数は、平面アンテナ50自身の誘電率や周囲に配置される部品の材質等によっても変動するため、適切な受信周波数となるように短絡部54の幅寸法を調整する必要がある。アンテナ補助部材60を誘電体51とは別体とすることで、アンテナ補助部材60や誘電体51のそれぞれの材質を所望する指向性や受信周波数に応じて選択することができる。また、平面アンテナ50は日車押さえや筒車押さえの機能を兼ねているため複雑な形状が必要になるが、アンテナ補助部材60は単純な形状で成形できるので、平面アンテナ50と一体で設ける場合に比べてアンテナ補助部材60の製造にかかるコストを下げることもできる。
【0032】
アンテナ補助部材60を、誘電体51の誘電体本体51Aと、第2導体素子53との間に配置したので、日車5の外周側の空きスペースをアンテナ補助部材60の配置スペースとして有効利用できる。さらに、アンテナ補助部材60で誘電体51を支持することができ、誘電体51を支持する部品を別途設ける必要がないため、部品点数を減少できる。特に、本実施形態では、アンテナ補助部材60を中心角180°の円弧状に形成したので、広い範囲で誘電体51を安定して支持することができる。これにより、平面アンテナ50の第1導体素子52と第2導体素子53と間の距離を一定にして受信感度や指向性などのアンテナ性能を安定化させることができる。
【0033】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の電子時計1Bについて、図11を参照して説明する。なお、電子時計1Bにおいて、第1実施形態の電子時計1と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
電子時計1Bは、ダイヤルリング16Bでカバーされる空間に、アンテナ補助部材60Eを配置した点が電子時計1と相違する。ダイヤルリング16Bは、薄板状に形成され、ベゼル13および文字板2との間にアンテナ補助部材60Eを配置可能な空間を形成する。アンテナ補助部材60Eの一部は、平面視で第1導体素子52の外周よりも内側に配置されている。すなわち、アンテナ補助部材60Eは、少なくとも一部が平面視で第1導体素子52に重なる位置に配置されている。
【0034】
第2実施形態の電子時計1Bにおいても、平面アンテナ50の開放端側、つまり短絡部54の反対側にアンテナ補助部材60Eを配置したので、アンテナ特性を改善できる。
【0035】
[他の実施形態]
なお、本発明は前記各実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、平面アンテナ50の形状は平面視で略円形のアンテナに限らず、平面視で四角形やトノー型でもよい。例えば、平面形状が四角形やトノー型のケースを用いた電子時計では、文字板、ソーラーパネル、平面アンテナの形状はケースの形状に合わせて四角形やトノー型とし、地板21や駆動機構23等の他の構成は前記各実施形態の電子時計1と共通化すればよい。なお、四角形などのケースに円形の地板21を組む込むためには中枠を用いれば良い。
【0036】
アンテナ補助部材60は、中心角が90°以上の円弧状に形成されたものに限定されない。例えば、平面アンテナが平面視で四角形であり、開放端側が直線状に形成されている場合、アンテナ補助部材は開放端に沿って直線状に形成すればよい。
【0037】
前記実施形態の電子時計1、1Bは、時針31、分針32、秒針33を有する3針の時計であったが、地板21や平面アンテナ50に予め他のモーターや輪列、指針軸を配置できる形状や貫通孔等を設けておいてもよい。このように構成すれば、サブダイヤルの有無や、サブダイヤルの位置の変更などを、対応するモーター、輪列の追加や、文字板の変更によって容易に実現できる。このため、ケースサイズの変更に加えて、表示部の追加などの電子時計の派生展開を容易に実現できる。
さらに、ケース10の材質は金属製に限定されない。例えば、胴12およびベゼル13を有するケース本体11や裏蓋14は、セラミック製や合成樹脂製としてもよい。
【0038】
電子時計は、ソーラーパネル25を備えずに、二次電池24の代わりに一次電池を用いたものでもよいし、ソーラーパネル25以外の発電機を設けてもよい。
【0039】
前記各実施形態では、アンテナは、GPS衛星から送信される衛星信号を受信していたが、アンテナで受信する信号はこれに限られない。例えば、ガリレオ、GLONASS、Beidouなどの他の全地球的航法衛星システム(GNSS)や、静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS)や、準天頂衛星等の特定の地域のみで検索できる地域的衛星測位システム(RNSS)などの各衛星から送信される衛星信号を受信してもよい。
アンテナは、衛星信号を受信するものに限られず、例えば、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)、Wi-Fi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、LPWA(Low Power Wide Area)等の他の電波を受信するアンテナでもよい。すなわち、電子時計1、1Bに組み込むアンテナは、受信する信号に種類や、時計のサイズ、他の部品との納まりなどに応じて適切なアンテナを用いればよい。
【0040】
[本開示のまとめ]
本開示の電子時計は、指針と、文字板と、前記文字板の裏面側に配置され、給電部に接続される板状の第1導体素子、前記文字板の表面に直交する方向から見た平面視で前記第1導体素子と重なる板状の第2導体素子、前記文字板の表面に平行な方向から見た側面視で前記第1導体素子と前記第2導体素子との間に配置される誘電体、および前記第1導体素子と前記第2導体素子とを短絡する短絡部を有するアンテナと、前記短絡部とは反対側かつ前記アンテナの外周側に配置され、前記アンテナの前記誘電体よりも高い誘電率の材料を使用したアンテナ補助部材と、を備えることを特徴とする。
本開示の時計によれば、アンテナの誘電体よりも高い誘電率のアンテナ補助部材を、短絡部と反対側のアンテナ外周側に配置したので、アンテナの指向性を文字板の表面に直交する方向に近づけることができ、アンテナ特性を改善できる。これにより、ケースやベゼルの影響を軽減できるため、ケースやベゼルを金属製とすることもできて材質の制約を少なくでき、アンテナの設計自由度を高めることができる。
【0041】
本開示の電子時計において、前記アンテナ補助部材の誘電率は、5以上であることが好ましい。
時計に内蔵されるアンテナの誘電体の誘電率は2~4程度であるため、アンテナ補助部材の誘電率を5以上に設定すれば、アンテナの指向性を改善できる。
【0042】
本開示の電子時計において、前記アンテナ補助部材の誘電率は、8以上であることが好ましい。
アンテナ補助部材の誘電率を8以上に設定すれば、アンテナの指向性を改善してアンテナ特性を大幅に改善できる。
【0043】
本開示の電子時計において、前記アンテナ補助部材の誘電率は、前記アンテナの前記誘電体の誘電率の2倍以上であることが好ましい。
アンテナ補助部材の誘電率を、アンテナの誘電体の誘電率の2倍以上に設定すれば、アンテナの指向性を改善してアンテナ特性を大幅に改善できる。
【0044】
本開示の電子時計において、前記アンテナ補助部材は、前記平面視において、中心角が90°以上の円弧状に形成され、少なくとも前記アンテナの前記短絡部に対して反対側を含む位置に配置されていることが好ましい。
アンテナ補助部材を中心角が90°以上の円弧状に形成して、アンテナの短絡部の反対側を含む位置に配置することで、アンテナ特性を十分に改善することができる。
【0045】
本開示の電子時計において、前記アンテナ補助部材は、前記側面視で前記第1導体素子および前記第2導体素子の間に配置されていることが好ましい。
アンテナ補助部材を、第1導体素子および第2導体素子間に配置すれば、各導体素子間の空きスペースをアンテナ補助部材の配置スペースとして効率的に利用できる。
【0046】
本開示の電子時計において、前記側面視で前記第1導体素子および前記第2導体素子の間に配置され、前記文字板に形成された開口から情報を表示する表示車を備え、前記アンテナ補助部材は、前記平面視で円弧状に形成され、前記表示車の外側に配置されていることが好ましい。
アンテナ補助部材を、第1導体素子および第2導体素子間において、日車等の表示車の外側に配置することで、各導体素子間の空スペースをアンテナ補助部材の配置スペースとして効率的に利用できる。
【0047】
本開示の電子時計において、前記アンテナの裏面側に配置された地板を備え、前記アンテナ補助部材は、前記地板にネジで固定され、前記ネジは、電気的に浮いていることが好ましい。
アンテナ補助部材を地板に固定するネジを電気的に浮いていることで、アンテナの感度低下を防止できる。
【0048】
本開示の電子時計において、金属製のケースおよびベゼルを備え、前記アンテナおよび前記アンテナ補助部材は前記ケース内に配置されることが好ましい。
アンテナ補助部材を設けることで、アンテナの指向性を文字板に直交する方向に近づけることができるため、金属製のケースおよびベゼルを用いても、アンテナ特性の低下を抑制できる。
【0049】
本開示の電子時計において、前記アンテナの前記誘電体は、薄板部と、厚肉部とを備え、前記第1導体素子は、前記誘電体の表面に形成される金属被膜であり、前記第2導体素子は、金属板であり、前記アンテナ補助部材は、前記側面視で前記薄板部と前記第2導体素子との間に配置され、前記薄板部を支持することが好ましい。
第1導体素子は、誘電体の表面に形成した金属被膜であるため、第1導体素子を金属板など誘電体と別体で構成する場合に比べて、アンテナの組立作業性を向上できる。アンテナ補助部材は、アンテナの薄板部を支持するため、アンテナ補助部材とは別の支持部材を設ける必要が無く、部品点数を減少できる。
【符号の説明】
【0050】
1…電子時計、1B…電子時計、2…文字板、3…指針、5…日車、10…ケース、11…ケース本体、12…胴、13…ベゼル、14…裏蓋、16…ダイヤルリング、16B…ダイヤルリング、20…ムーブメント、21…地板、24…二次電池、25…ソーラーパネル、50…平面アンテナ、51…誘電体、51A…誘電体本体、51B…内周側突出部、51C…外周側突出部、52…第1導体素子、53…第2導体素子、54…短絡部、55…給電端子、56…給電ピン、60…アンテナ補助部材、60A…アンテナ補助部材、60B…アンテナ補助部材、60C…アンテナ補助部材、60D…アンテナ補助部材、60E…アンテナ補助部材、61…円弧部、62…ガイド凹部、63…ネジ止め部、65…ネジ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11