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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001203
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】癌を処置するための併用療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/06 20060101AFI20231226BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20231226BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231226BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231226BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P11/00
A61P35/00
A61P43/00 111
A61P43/00 121
A61K31/4184
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174378
(22)【出願日】2023-10-06
(62)【分割の表示】P 2020512822の分割
【原出願日】2018-09-05
(31)【優先権主張番号】62/554,484
(32)【優先日】2017-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513137330
【氏名又は名称】エピザイム,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(72)【発明者】
【氏名】マリア アレハンドラ ライモンディ
(72)【発明者】
【氏名】ドロシー ブラック
(57)【要約】      (修正有)
【課題】非小細胞性肺癌(NSCLC)を処置する方法を提供する。
【解決手段】本開示は、それを必要とする被験体に治療有効量の第1の薬剤及びそれぞれ治療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤を投与することを含む、癌の処置のための方法、使用される化合物、及び医薬に関する。いくつかの実施形態では、第1の薬剤はEZH2阻害剤を含む。特定の実施形態では、第1の薬剤は、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩であり、本開示の方法は、肺癌、例えば非小細胞肺癌を処置するために使用される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とする被験体に、
(a)EZH2阻害剤を含む治療有効量の第1の薬剤、及び
(b)治療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤
を投与することを含む、非小細胞肺癌(NSCLC)の処置方法。
【請求項2】
前記EZH2阻害剤が、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩である、請求
項1に記載の方法。
【請求項3】
治療有効量の前記EZH2阻害剤が、終点を含めて約100mg~約1600mgであ
る、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
治療有効量の前記EZH2阻害剤が、約100mg、約200mg、約400mg、約
800mg、又は約1600mgである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記治療有効量のEZH2阻害剤が約800mgである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩が、終点を含めて約10
0mg~約1600mgである、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
治療有効量の前記タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩が、約100mg、
約200mg、約400mg、約800mg、又は約1600mgである、請求項6に記
載の方法。
【請求項8】
前記治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩が約800mgであ
る、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記治療有効量のEZH2阻害剤が、1日2回(BID)投与される、請求項1~8の
いずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記治療有効量のEZH2阻害剤が経口投与される、請求項1~9のいずれか一項に記
載の方法。
【請求項11】
前記治療有効量のEZH2阻害剤が、カプセル又は錠剤として投与される、請求項10
に記載の方法。
【請求項12】
癌細胞の成長、生存率、生存、又は増殖を阻害又は減少させる方法であって、前記細胞
を、
(a)有効量のEZH2阻害剤、及び
(b)1つ又は複数の第2の薬剤
と接触させることを含む、方法。
【請求項13】
前記癌細胞が、非小細胞肺癌(NSCLC)細胞である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記EZH2阻害剤が、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩である、請求
項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記EZH2阻害剤の有効量が、前記非小細胞肺癌の成長、生存率、生存、又は増殖を
少なくとも50%阻害又は減少させるのに十分な量である、請求項12~14のいずれか
一項に記載の方法。
【請求項16】
前記EZH2阻害剤の有効量が、前記非小細胞肺癌の成長、生存率、生存、又は増殖を
少なくとも70%阻害又は減少させるのに十分な量である、請求項12~14のいずれか
一項に記載の方法。
【請求項17】
有効量の前記EZH2阻害剤が、前記非小細胞肺癌細胞の成長、生存率、生存、又は増
殖を少なくとも90%阻害又は減少させるのに十分な量である、請求項12~14のいず
れか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記接触させることが、インビトロ又はエクスビボで行われる、請求項12~14のい
ずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記接触させることが、前記EZH2阻害剤及び前記1つ又は複数の第2の薬剤を、癌
細胞を有する被験体に投与することによってインビボで行われる、請求項12~14のい
ずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が標準的な治療剤を含む、請求項1~19のいずれか一
項に記載の方法。
【請求項21】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、アルキル化剤又はアルキル化様剤、抗腫瘍剤、有糸
分裂阻害剤、チューブリン重合阻害剤、代謝拮抗剤、DNAメチルトランスフェラーゼ(
DNMT)阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、トポイソメラーゼ阻害
剤、上皮成長因子受容体(EFGR)阻害剤、EFGR及びErbB2の阻害剤、EFG
R及びヒト上皮成長因子受容体2(Her2)の阻害剤、未分化リンパ腫キナーゼ(AL
K)阻害剤、ALK及びROS1の阻害剤、ALK及びEGFRの阻害剤、サイクリン依
存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK
)阻害剤、BRAF阻害剤、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、Wee
1阻害剤、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤、グルココルチコ
イド受容体アゴニスト、レチノイン酸受容体アゴニスト、CBP/p300阻害剤、又は
それらの組み合わせを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、アルキル化剤又はアルキル化様剤を含む、請求項2
1に記載の方法。
【請求項23】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がシスプラチンを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が抗腫瘍剤を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がオキサリプラチンを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が有糸分裂阻害剤を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、
又はそれらの組み合わせを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がチューブリン重合阻害剤を含む、請求項21に記載の
方法。
【請求項29】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がビノレルビンを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が代謝拮抗剤を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がゲムシタビンを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、葉酸型の代謝拮抗剤を含む、請求項30に記載の方
法。
【請求項33】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、メトトレキサート、ペメトレキセド、又はそれらの
組み合わせを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)阻害
剤を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項35】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、デシタビン、アザシチジン、又はそれらの組み合わ
せを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤を含む
、請求項21に記載の方法。
【請求項37】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がボリノスタットを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がトポイソメラーゼ阻害剤を含む、請求項21に記載の
方法。
【請求項39】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、イリノテカン、エトポシド、又はそれらの組み合わ
せを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が上皮成長因子受容体(EFGR)阻害剤を含む、請求
項21に記載の方法。
【請求項41】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、エルロチニブ、ゲフィチニブ、AZD9291、又
はそれらの組み合わせを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、EFGR及びErbB2の阻害剤を含む、請求項2
1に記載の方法。
【請求項43】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がラパチニブを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、EFGR及びヒト上皮成長因子受容体2(Her2
)の阻害剤を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項45】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がアファチニブを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤を含む、
請求項21に記載の方法。
【請求項47】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がセリチニブを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、ALK及びROS1の阻害剤を含む、請求項21に
記載の方法。
【請求項49】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がクリゾチニブを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、ALK及びEFGRの阻害剤を含む、請求項21に
記載の方法。
【請求項51】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がブリガチニブを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤
を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項53】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、
又はそれらの組み合わせを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)
阻害剤を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項55】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、トラメチニブ、セルメチニブ、又はそれらの組み合
わせを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がBRAF阻害剤を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項57】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がベムラフェニブを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤
を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項59】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、ピクチリシブ、BKM-120、又はそれらの組み
合わせを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がWee1阻害剤を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項61】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がMK-1775を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)
阻害剤を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項63】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がベリパリブを含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がグルココルチコイド受容体アゴニストを含む、請求項
21に記載の方法。
【請求項65】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がプレドニゾロンを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がレチノイン酸受容体アゴニストを含む、請求項21に
記載の方法。
【請求項67】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がATRAを含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記1つ又は複数の第2の薬剤がCBP/p300阻害剤を含む、請求項21に記載の
方法。
【請求項69】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が化合物H:
【化1】
又はその薬学的に許容される塩を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記EZH2阻害剤及び前記1つ又は複数の第2の薬剤が連続的に投与される、請求項
1~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記EZH2阻害剤が、前記1つ又は複数の第2の薬剤の前に投与される、請求項1~
70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記1つ又は複数の第2の薬剤が、前記EZH2阻害剤の前に投与される、請求項1~
71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記EZH2阻害剤が、タゼメトスタットの薬学的に許容される塩である、請求項1~
72のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、内容全体を参照により本明細書に援用する、2017年9月5日に出願され
た米国仮特許出願第62/554,484号明細書の優先権及び利益を主張する。
【0002】
本発明は、ヒストンH3のリシン27(H3-K27)のモノメチル化からトリメチル
化を触媒するPRC2複合体の触媒サブユニットであるヒトヒストンメチルトランスフェ
ラーゼEZH2の阻害剤と、1つ又は複数の他の治療剤、特に抗癌剤とを含む組成物、及
び癌を処置するための併用療法の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
癌の併用療法処置は、一つには複数の手段によって疾患を攻撃することの利点が認めら
れたことが理由で、ますます普及してきた。多くの有効な併用療法処置が過去数十年かけ
て確認されてきたが、癌による死亡数が毎年継続して多いことを考慮すると、抗癌処置に
おいて使用するための有効な治療レジメンを突き止める必要性が継続的に存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、EZH2ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤と他の抗癌剤とを併用で
使用して一定の腫瘍を処置すると、EZH2ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤及
び抗癌剤を単独で用いて腫瘍を処置することによって達成される結果より優れた結果を得
ることができる、という発見に基づいている。したがって、本開示は、EZH2ヒストン
メチルトランスフェラーゼ阻害剤と1つ又は複数の他の治療剤とを含む組成物、及びヒス
トン又は他のタンパク質のメチル化状態の調節によってその過程が影響を受け得る疾患、
たとえば癌を処置するためのそれらの使用方法を提供する。特定の実施形態では、本開示
は、EZH2ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤タゼメトスタット又はその薬学的
に許容される塩及び1つ又は複数の第2の抗癌剤を含む組成物を提供する。特定の実施形
態では、本開示は、EZH2ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤タゼメトスタット
又はその薬学的に許容される塩、及び肺癌、例えば非小細胞肺癌の処置用の第2の抗癌剤
を含む組成物を提供する。
【0005】
本開示のいくつかの態様は、癌の処置のための方法、戦略、治療法、組成物、及び組み
合わせを提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体に、(
a)EZH2阻害剤を含む治療有効量の第1の薬剤、及び(b)治療有効量の1つ又は複
数の第2の薬剤を投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、EZH
2阻害剤は、本明細書で提供されるEZH2阻害剤である。例えば、限定されるものでは
ないが、いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、式(I)、(II)、(III)
、(IVa)、(IVb)、(V)、又は(VIa)の化合物又はその薬学的に許容され
る塩である。いくつかの例示的な実施形態では、EZH2阻害剤は、化合物(A)、(B
)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(Ga)、若しくは(Gb)又はその薬
学的に許容される塩である。
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示は、癌の処置のための方法を提供し、この方法は、そ
れを必要とする被験体に、(a)化合物(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F
)、(G)、(Ga)、若しくは(Gb)又はその薬学的に許容される塩を含む治療有効
量の第1の薬剤、及び(b)治療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤を投与することを含
む。特定の実施形態では、第1の薬剤及び/又は第2の薬剤は、薬学的に許容される担体
を含み得る。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体は、第1の薬剤及び第2
の薬剤と同じであるか、又は第1の薬剤と第2の薬剤との間で異なる。
【0007】
いくつかの実施形態では、本開示は、癌の処置のための方法を提供し、この方法は、そ
れを必要とする被験体に、(a)タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩を含む
治療有効量の第1の薬剤、及び(b)治療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤を投与する
ことを含む。特定の実施形態では、第1の薬剤及び/又は第2の薬剤は、薬学的に許容さ
れる担体を含み得る。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体は、第1の薬剤
及び第2の薬剤と同じあるか、又は第1の薬剤と第2の薬剤との間で異なる。
【0008】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の第2の薬剤は、2つ以上の第2の薬剤(例え
ば、2つ、3つ、4つ、又は5つ、又はそれ以上の異なる第2の薬剤)を含む。典型的に
は、第2の薬剤は、化学療法剤、免疫腫瘍学的薬剤、及び標準的な治療剤、又はそのよう
な薬剤の組み合わせなどの治療薬を含む。
【0009】
本開示のいくつかの態様は、それを必要とする被験体の癌の処置に使用されるEZH2
阻害剤を提供し、この被験体には、治療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤も投与される
【0010】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置に使用される
式(I)、(II)、(III)、(IVa)、(IVb)、(V)、若しくは(VIa
)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、この被験体には、治療有効量の1つ
又は複数の第2の薬剤も投与される。
【0011】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置に使用される
化合物(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(Ga)、若しくは
(Gb)又はその薬学的に許容される塩を提供し、この被験体には、治療有効量の1つ又
は複数の第2の薬剤も投与される。
【0012】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置に使用される
タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩を提供し、この被験体には、治療有効量
の1つ又は複数の第2の薬剤も投与される。
【0013】
本開示のいくつかの態様は、それを必要とする被験体の癌の処置用の医薬として使用さ
れるEZH2阻害剤を提供し、この被験体には、治療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤
も投与される。
【0014】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置用の医薬とし
て使用される式(I)、(II)、(III)、(IVa)、(IVb)、(V)、若し
くは(VIa)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、この被験体には、治療
有効量の1つ又は複数の第2の薬剤も投与される。
【0015】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置用の医薬とし
て使用される化合物(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(Ga
)、若しくは(Gb)又はその薬学的に許容される塩を提供し、この被験体には、治療有
効量の1つ又は複数の第2の薬剤も投与される。
【0016】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置用の医薬とし
て使用されるタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩を提供し、この被験体には
、治療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤も投与される。
【0017】
本開示のいくつかの態様は、それを必要とする被験体の癌の処置用の医薬の製造におけ
るEZH2阻害剤の使用を提供し、この被験体には、治療有効量の1つ又は複数の第2の
薬剤も投与される。
【0018】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置用の医薬の製
造における式(I)、(II)、(III)、(IVa)、(IVb)、(V)、若しく
は(VIa)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供し、この被験体には、
治療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤も投与される。
【0019】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置用の医薬の製
造における化合物(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(Ga)
、若しくは(Gb)又はその薬学的に許容される塩の使用を提供し、この被験体には、治
療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤も投与される。
【0020】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置用の医薬の製
造におけるタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩の使用を提供し、この被験体
には、治療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤も投与される。
【0021】
本開示のいくつかの態様は、それを必要とする被験体の癌の処置において、治療有効量
の1つ又は複数の第2の薬剤と組み合わせて使用されるEZH2阻害剤を提供する。
【0022】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置において、治
療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤と組み合わせて使用される式(I)、(II)、(
III)、(IVa)、(IVb)、(V)、若しくは(VIa)の化合物又はその薬学
的に許容される塩を提供する。
【0023】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置において、治
療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤と組み合わせて使用される化合物(A)、(B)、
(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(Ga)、若しくは(Gb)又はその薬学的
に許容される塩を提供する。
【0024】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置において、治
療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤と組み合わせて使用されるタゼメトスタット又はそ
の薬学的に許容される塩を提供する。
【0025】
本開示のいくつかの態様は、それを必要とする被験体の癌を処置するための、治療有効
量の1つ又は複数の第2の薬剤との併用療法のための医薬として使用されるEZH2阻害
剤を提供する。
【0026】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌を処置するための、
治療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤との併用療法のための医薬として使用される式(
I)、(II)、(III)、(IVa)、(IVb)、(V)、若しくは(VIa)の
化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0027】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置のための、治
療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤との併用療法のための医薬として使用される化合物
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(Ga)、若しくは(Gb
)又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0028】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置のための、治
療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤との併用療法のための医薬として使用されるタゼメ
トスタット又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0029】
本開示のいくつかの態様は、それを必要とする被験体の癌の処置のための、治療有効量
の1つ又は複数の第2の薬剤との併用療法のための医薬の製造におけるEZH2阻害剤の
使用を提供する。
【0030】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置のための、治
療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤との併用療法のための医薬の製造における式(I)
、(II)(III)、(IVa)、(IVb)、(V)又は(VIa)の化合物又はそ
の薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0031】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置のための、治
療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤との併用療法のための医薬の製造における化合物(
A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(Ga)、若しくは(Gb)
の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0032】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする被験体の癌の処置のための、治
療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤との併用療法のための医薬の製造におけるタゼメト
スタット又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0033】
いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤の治療有効量は、終点を含めて約100mg
~約1600mgの間の量である。特定の実施形態では、EZH2阻害剤の治療有効量は
、約100mg、約200mg、約400mg、約800mg、又は約1600mgであ
る。特定の実施形態では、EZH2阻害剤の治療有効量は約800mgである。
【0034】
いくつかの実施形態では、化合物(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、
(G)、(Ga)、若しくは(Gb)又はその薬学的に許容される塩の治療有効量は、終
点を含めて約100mg~約1600mgの間である。特定の実施形態では、タゼメトス
タット又はその薬学的に許容される塩の治療有効量は、約100mg、200mg、40
0mg、800mg、又は約1600mgである。特定の実施形態では、治療有効量のタ
ゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩は約800mgである。
【0035】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩の治療有効
量は、終点を含めて約100mg~約1600mgの間である。特定の実施形態では、タ
ゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩の治療有効量は、約100mg、200m
g、400mg、800mg、又は1600mgである。特定の実施形態では、タゼメト
スタット又はその薬学的に許容される塩の治療有効量は約800mgである。
【0036】
いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤の治療有効量は、単回投与として、又はある
期間にわたる複数回投与、例えば1日2回(BID)、1日3回などで投与する。例えば
、限定ではなく、いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるEZH2阻害剤は、1
週間から6ヶ月の期間にわたって1日に2回、約100mg~約1600mgの用量で投
与する。
【0037】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩の治療有効
量は、例えば1回の投与につき800mg又は1600mgの用量で1日2回(BID)
投与する。
【0038】
いくつかの実施形態では、治療有効量のEZH2阻害剤を経口投与する。例えば、いく
つかの実施形態では、治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩は、
カプセル剤又は錠剤として投与する。
【0039】
いくつかの実施形態では、治療有効量のEZH2阻害剤、例えば、タゼメトスタット又
はその薬学的に許容される塩は経口投与する。例えば、いくつかの実施形態では、治療有
効量のEZH2阻害剤、例えば、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩は、カ
プセル剤若しくは錠剤として、又は液体懸濁液として経口投与する。いくつかの実施形態
では、治療有効量のEZH2阻害剤は、非経口的に、例えば静脈内投与する。例えば、い
くつかの実施形態では、治療有効量のEZH2阻害剤は、注射用溶液又は懸濁液として非
経口的に投与する。
【0040】
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態は、肺癌、例えば非小細胞肺癌を処置
することを含む。本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態は、肺癌、例えば非小
細胞肺癌を、EZH2阻害剤、例えばタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩及
び1つ又は複数の第2の薬剤(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの異なる第2
の薬剤)で処置することを含む。本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態は、肺
癌、例えば非小細胞肺癌を、EZH2阻害剤、例えばタゼメトスタット又はその薬学的に
許容される塩及び2つ以上の第2の薬剤(例えば、2つ、3つ、4つ、又は5つの異なる
第2の薬剤)で処置することを含む。
【0041】
本明細書で提供される化合物のいくつかの実施形態は、肺癌、例えば非小細胞肺癌の処
置に使用される化合物を含む。本明細書で提供される化合物のいくつかの実施形態は、タ
ゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び肺癌、例えば非小細胞肺癌の処置に
使用される1つ又は複数の第2の薬剤(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの異
なる第2の薬剤)を含む。本明細書で提供される化合物のいくつかの実施形態は、タゼメ
トスタット又はその薬学的に許容される塩、及び肺癌、例えば非小細胞肺癌の処置に使用
される2つ以上の第2の薬剤(例えば、2つ、3つ、4つ、又は5つの異なる第2の薬剤
)を含む。
【0042】
本明細書で提供される化合物のいくつかの実施形態は、肺癌、例えば非小細胞肺癌の処
置用の医薬として使用される化合物を含む。本明細書で提供される化合物のいくつかの実
施形態は、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び肺癌、例えば非小細胞
肺癌の処置用の医薬として使用される1つ又は複数の第2の薬剤(例えば、1つ、2つ、
3つ、4つ、又は5つの異なる第2の薬剤)を含む。本明細書で提供される化合物のいく
つかの実施形態は、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び肺癌、例えば
非小細胞肺癌の処置用の医薬として使用される2つ以上の第2の薬剤(例えば、2つ、3
つ、4つ、又は5つの異なる第2の薬剤)を含む。
【0043】
本明細書で提供される化合物の使用のいくつかの実施形態は、肺癌、例えば非小細胞肺
癌の処置用の医薬の製造における化合物の使用を含む。本明細書で提供される化合物の使
用のいくつかの実施形態は、肺癌、例えば非小細胞肺癌の処置用の医薬の製造におけるタ
ゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び1つ又は複数の第2の薬剤(例えば
、2つ、3つ、4つ、又は5つの異なる第2の薬剤)の使用を含む。本明細書で提供され
る化合物の使用のいくつかの実施形態は、肺癌、例えば非小細胞肺癌の処置用の医薬の製
造におけるタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び2つ以上の第2の薬剤
(例えば、2つ、3つ、4つ、又は5つの異なる第2の薬剤)の使用を含む。
【0044】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤は、アルキル化剤又はアルキル化様剤、抗腫瘍剤、有糸分裂阻害
剤、チューブリン重合阻害剤、代謝拮抗剤、DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT
)阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、上皮
成長因子受容体(EFGR)阻害剤、EFGR及びErbB2の阻害剤、EFGR及びヒ
ト上皮成長因子受容体2(Her2)の阻害剤、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害
剤、ALK及びROS1の阻害剤、ALK及びEGFRの阻害剤、サイクリン依存性キナ
ーゼ(CDK)4/6阻害剤、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤
、BRAF阻害剤、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、Wee1阻害剤
、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤、グルココルチコイド受容
体アゴニスト、レチノイン酸受容体アゴニスト、CBP/p300阻害剤、又はそれらの
組み合わせを含む。
【0045】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤は、アルキル化剤又はアルキル化様剤を含む。したがって、本開
示のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、アルキ
ル化剤又はアルキル化様剤と組み合わせて投与される。アルキル化剤又はアルキル化様剤
である例示的な第2の薬剤としては、シスプラチンが挙げられるが、これに限定されない
【0046】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤は抗腫瘍剤を含む。したがって、本開示のいくつかの実施形態で
は、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、抗腫瘍剤と組み合わせて投与され
る。抗腫瘍剤である例示的な第2の薬剤としては、オキサリプラチンが挙げられるが、こ
れに限定されない。
【0047】
本開示の特定の実施形態、特に癌が非小細胞肺癌である実施形態では、1つ又は複数の
第2の薬剤は有糸分裂阻害剤を含む。したがって、本開示のいくつかの実施形態では、E
ZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、有糸分裂阻害剤と組み合わせて投与され
る。有糸分裂阻害剤である例示的な第2の薬剤としては、パクリタキセル、ドセタキセル
、又はビンブラスチンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤はチューブリン重合阻害剤を含む。したがって、本開示のいくつ
かの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、チューブリン重合
阻害剤と組み合わせて投与される。チューブリン重合阻害剤である例示的な第2の薬剤と
しては、ビノレルビンが挙げられるが、これに限定されない。
【0049】
本開示の特定の実施形態、特に癌が非小細胞肺癌である実施形態では、1つ又は複数の
第2の薬剤は代謝拮抗剤を含む。さらなる実施形態では、1つ又は複数の第2の薬剤は、
葉酸型の代謝拮抗剤を含む。代謝拮抗剤である例示的な第2の薬剤としては、ゲムシタビ
ンが挙げられるが、これに限定されない。葉酸型の代謝拮抗剤である例示的な第2の薬剤
としては、メトトレキサート、ペメトレキセド、又はそれらの組み合わせが挙げられるが
、これらに限定されない。
【0050】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤は、DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)阻害剤を含む
。したがって、本開示のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトス
タット)は、DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)阻害剤と組み合わせて投与さ
れる。DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)阻害剤である例示的な第2の薬剤と
しては、デシタビン、アザシチジン、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに
限定されない。
【0051】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤を含む。したが
って、本開示のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)
は、HDAC阻害剤と組み合わせて投与される。HDAC阻害剤である例示的な第2の薬
剤としては、ボリノスタットが挙げられるが、これに限定されない。
【0052】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤はトポイソメラーゼ阻害剤を含む。したがって、本開示のいくつ
かの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、トポイソメラーゼ
阻害剤と組み合わせて投与される。トポイソメラーゼ阻害剤である例示的な第2の薬剤と
しては、イリノテカン、エトポシド、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに
限定されない。
【0053】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤は、上皮成長因子受容体(EFGR)阻害剤を含む。したがって
、本開示のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)はE
FGR阻害剤と組み合わせて投与される。EFGR阻害剤である例示的な第2の薬剤とし
ては、エルロチニブ、ゲフィチニブ、AZD9291、又はそれらの組み合わせが挙げら
れるが、これらに限定されない。
【0054】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤は、上皮成長因子受容体(EFGR)及びErbB2の阻害剤を
含む。したがって、本開示のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメ
トスタット)は、EFGR及びErbB2の阻害剤と組み合わせて投与される。EFGR
及びErbB2の阻害剤である例示的な第2の薬剤としては、ラパチニブが挙げられるが
、これに限定されない。
【0055】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤は、上皮成長因子受容体(EFGR)及びヒト上皮成長因子受容
体2(Her2)の阻害剤を含む。したがって、本開示のいくつかの実施形態では、EZ
H2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、EFGR及びHer2の阻害剤と組み合わ
せて投与される。EFGR及びHer2の阻害剤である例示的な第2の薬剤としては、ア
ファチニブが挙げられるが、これに限定されない。
【0056】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤は、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤を含む。したがっ
て、本開示のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は
、ALK阻害剤と組み合わせて投与される。ALK阻害剤である例示的な第2の薬剤とし
ては、セリチニブが挙げられるが、これに限定されない。
【0057】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤は、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)及びROS1の阻害剤を
含む。したがって、本開示のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメ
トスタット)は、ALK及びROS1の阻害剤と組み合わせて投与される。ALK及びR
OS1の阻害剤である例示的な第2の薬剤としては、クリゾチニブが挙げられるが、これ
に限定されない。
【0058】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤は、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)及び上皮成長因子受容体
(EFGR)の阻害剤を含む。したがって、本開示のいくつかの実施形態では、EZH2
阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、阻害剤ALK及びEFGRと組み合わせて投与
される。ALK及びEFGRの阻害剤である例示的な第2の薬剤としては、ブリガチニブ
が挙げられるが、これに限定されない。
【0059】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤はサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤を含む。し
たがって、本開示のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタッ
ト)は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤と組み合わせて投与される。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤である例示的な第2の薬剤としては、
アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、又はそれらの組み合わせが挙げられる
が、これらに限定されない。
【0060】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤を
含む。したがって、本開示のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメ
トスタット)は、MEK阻害剤と組み合わせて投与される。MEK阻害剤である例示的な
第2の薬剤としては、トラメチニブ、セルメチニブ、又はそれらの組み合わせが挙げられ
るが、これらに限定されない。
【0061】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤はBRAF阻害剤を含む。したがって、本開示のいくつかの実施
形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、BRAF阻害剤と組み合わ
せて投与される。BRAF阻害剤である例示的な第2の薬剤としては、ベムラフェニブが
挙げられるが、これに限定されない。
【0062】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤は、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤を含む。
したがって、本開示のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタ
ット)は、PI3K阻害剤と組み合わせて投与される。PI3K阻害剤である例示的な第
2の薬剤としては、ピクチリシブ又はBKM-120が挙げられるが、これらに限定され
ない。
【0063】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤はWee1阻害剤を含む。したがって、本開示のいくつかの実施
形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、Wee1阻害剤と組み合わ
せて投与される。Wee1阻害剤である例示的な第2の薬剤としては、MK-1775が
挙げられるが、これに限定されない。
【0064】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤は、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤
を含む。したがって、本開示のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼ
メトスタット)は、PARP阻害剤と組み合わせて投与される。PARP阻害剤である例
示的な第2の薬剤としては、ベリパリブが挙げられるが、これに限定されない。
【0065】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤は、グルココルチコイド受容体アゴニストを含む。したがって、
本開示のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、グ
ルココルチコイド受容体アゴニストと組み合わせて投与される。グルココルチコイド受容
体アゴニストである例示的な第2の薬剤としては、プレドニゾロンが挙げられるが、これ
に限定されない。
【0066】
本開示の特定の実施形態、特に癌が肺癌、例えば非小細胞肺癌である実施形態では、1
つ又は複数の第2の薬剤はレチノイン酸受容体アゴニストを含む。したがって、本開示の
いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、レチノイン
酸受容体アゴニストと組み合わせて投与される。レチノイン酸受容体アゴニストである例
示的な第2の薬剤としては、ATRAが挙げられるが、これに限定されない。
【0067】
本開示の特定の実施形態、特に癌が非小細胞肺癌である実施形態では、1つ又は複数の
第2の薬剤は、CBP/p300阻害剤を含み得る。したがって、本開示のいくつかの実
施形態では、EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)は、CBP/p300阻害剤
と組み合わせて投与される。CBP/p300阻害剤受容体アゴニストである例示的な第
2の薬剤としては、以下の化合物Hが挙げられるが、これに限定されない:
【化1】
又はその薬学的に許容される塩。
【0068】
化合物H、(N-(4-フルオロベンジル)-2-[(3’R,4S)-3’-フルオ
ロ-5-{1-[2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル]-1H-ピラゾール-4
-イル}-2,5-ジオキソ-2’、3’-ジヒドロ-1H-スピロ[イミダゾリジン-
4,1’-インデン]-1-イル]-N-[(2S)-1,1,1-トリフルオロプロパ
ン-2-イル]アセトアミドは、内容全体を参照により本明細書に援用する、国際公開第
2016/044770号パンフレットに記載されている。
【0069】
いくつかの実施形態では、本開示の第2の抗癌剤は、0.01mg/kg/日~約10
00mg/kg/日の用量で投与する。
【0070】
いくつかの実施形態では、治療有効量のEZH2阻害剤及び第2の薬剤を同時に投与す
る。或いは、治療有効量のEZH2阻害剤及び1つ又は複数の第2の薬剤を連続的に投与
する。特定の実施形態では、EZH2阻害剤は、1つ又は複数の第2の薬剤の前に投与す
る。特定の実施形態では、1つ又は複数の第2の薬剤は、EZH2阻害剤の前に投与する
【0071】
EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)及び1つ又は複数の第2の薬剤が組み合
わせて投与されるいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤と第2の薬剤は同時に投与さ
れる。EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)及び1つ又は複数の第2の薬剤が組
み合わせて投与されるいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤と第2の薬剤は連続して
投与される。EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)及び1つ又は複数の第2の薬
剤が組み合わせて投与されるいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、1つ又は複数
の第2の薬剤の前に投与される。EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)及び1つ
又は複数の第2の薬剤が組み合わせて投与されるいくつかの実施形態では、1つ又は複数
の第2の薬剤は、EZH2阻害剤の前に投与される。
【0072】
EZH2阻害剤(例えば、タゼメトスタット)及び1つ又は複数の第2の薬剤が組み合
わせて投与されるいくつかの実施形態では、治療有効量のEZH2阻害剤、例えば、タゼ
メトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び第2の薬剤が同時に投与される。或い
は、治療有効量のEZH2阻害剤、例えば、タゼメトスタット又はその薬学的に許容され
る塩、及び1つ又は複数の第2の薬剤を連続的に投与する。特定の実施形態では、EZH
2阻害剤、例えば、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩は、1つ又は複数の
第2の薬剤の前に投与する。特定の実施形態では、1つ又は複数の第2の薬剤は、EZH
2阻害剤、例えば、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩の前に投与する。
【0073】
本開示の特定の実施形態では、EZH2阻害剤は、以下の式(VIa)
【化2】
の化合物である。
【0074】
いくつかの実施形態では、式(VIa)の化合物は、以下の特徴の1つ又は複数を含み
得る:
【0075】
及びRは各々独立にH又はC~Cアルキルである。
【0076】
及びRは、それらが結合しているN原子と一緒になっての、0又は1個の追加の
ヘテロ原子を有する4~7員ヘテロシクロアルキル環であり、C~Cアルキル及び4
~12員(例えば、4~7員)ヘテロシクロアルキル環は、1つ又は複数の-Q-T
で任意に置換されている。
【0077】
は結合又は非置換若しくは置換C~Cアルキルリンカーである。
【0078】
はH、ハロ、4~7員ヘテロシクロアルキル、C~Cアルキル、OR、CO
OR、-S(O)、又は-NRであり、R及びRは各々独立にH又は
~Cアルキルである。
【0079】
はC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル又は4~12員(例えば、4~
7員)ヘテロシクロアルキルであり、各々が1つ又は複数の-Q-Tで任意に置換さ
れている。例えば、RはHではない。
【0080】
は1つ又は複数の-Q-Tで任意に置換された4~7員ヘテロシクロアルキル
である。
【0081】
はピペリジニル、テトラヒドロピラン、シクロペンチル又はシクロヘキシルであり
、各々が1つの-Q-Tで任意に置換されている。
【0082】
はH、ハロ、C~Cアルキル、C~Cアルコキシル、C~Cシクロア
ルキル、C~C10アリール、又は4~12員(例えば、4~7員)ヘテロシクロアル
キルである。
【0083】
は結合であり、TはC~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、又は4~
12員(例えば、4~7員)ヘテロシクロアルキルである。
【0084】
はCO、S(O)、又はNHC(O)であり、TはC~Cアルキル、C
~Cアルコキシル、C~Cシクロアルキル、又は4~12員(例えば、4~7員)
ヘテロシクロアルキルである。
【0085】
はC~Cアルキルリンカーであり、TはH又はC~C10アリールである
【0086】
はC~Cアルキルリンカーであり、TはC~Cシクロアルキル、4~7
員ヘテロシクロアルキル、又はS(O)である。
【0087】
はシクロペンチル又はシクロヘキシルであり、各々が1つの-Q-Tで任意に
置換されている。
【0088】
はNHC(O)であり、TはC~Cアルキル又はC~Cアルコキシであ
る。
【0089】
はイソプロピルである。
【0090】
及びRは各々独立にH、又はアミノで任意に置換されたC~Cアルキル、モ
ノ-C~Cアルキルアミノ、ジ-C~Cアルキルアミノ、若しくはC~C10
アリールである。
【0091】
はH、メチル又はエチルである。
【0092】
はメチルである。
【0093】
はエチルである。
【0094】
は4~7-ヘテロシクロアルキル、例えば、テトラヒドロピランである。
【0095】
本開示の特定の実施形態では、式(VIa)の化合物は、以下の式:
【化3】
を有するタゼメトスタット(本明細書では化合物(A)とも呼ばれ、且つ化合物44、E
PZ-6438、及びE7438としても知られる)又はその薬学的に許容される塩若し
くは溶媒和物である。
【0096】
本開示の方法の特定の実施形態では、EZH2阻害剤は、以下の式:
【化4】
を有する化合物B、その立体異性体、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物で
ある。
【0097】
本開示の特定の実施形態では、EZH2阻害剤は、以下の式:
【化5】
を有する化合物C(EPZ011989としても知られている)、その立体異性体、又は
その薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である。
【0098】
本開示の特定の実施形態では、EZH2阻害剤は、以下の式:
【化6】
を有する化合物D、その立体異性体、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物で
ある。
【0099】
本開示の特定の実施形態では、EZH2阻害剤は、以下の式:
【化7】
を有する化合物E、その立体異性体、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物で
ある。
【0100】
本開示の治療薬(第1の薬剤及び/又は1つ若しくは複数の第2の薬剤を含む)は、経
腸経路、及び非経口経路、例えば経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、及び粘膜組織を介
した直接吸収を含むがこれらに限定されない任意の適切な経路によって投与することがで
きる。治療薬は、同じ経路によって投与してもよいし、又は異なる経路によって投与して
もよい。
【0101】
本開示において特徴付けられる併用療法の方法、又はこの併用療法に使用される化合物
若しくは医薬は、相乗効果をもたらし得、ここで、治療薬(例えば、EZH2阻害剤、例
えばタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩、及び1つ又は複数の第2の抗癌剤
)の組み合わせの効果は、単剤としてのあらゆる治療薬の投与から生じた効果の合計より
も大きい。相乗効果はまた、単剤としてのどの治療薬の投与によっても達成することがで
きない効果であり得る。相乗効果は、腫瘍サイズを縮小することによる、被験体の又は被
験体から得た試料中の悪性細胞の数又は頻度を減少させることによる、腫瘍の増殖を阻害
することによる、悪生細胞の成長、生存、若しくは増殖を阻害することによる、又は被験
体の生存率を高めることによる、癌、例えば非小細胞肺癌の処置効果を挙げることができ
るが、これらに限定されない。相乗効果はまた、癌細胞の生存率を低下させること、癌細
胞死を誘導すること、及び癌細胞の増殖を阻害又は遅延させることも含み得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、本開示によって提供される被験体は、非小細胞肺癌を含むが
これらに限定されない癌を有する。被験体は、任意の種であり得るが;被験体は好ましく
はヒトである。いくつかの実施形態では、被験体は、0期、I期、II期、III期、及
びIV期を含むがこれらに限定されない任意の病期によって特徴付けられる癌を有し得る
。いくつかの実施形態では、被験体の癌は、原発性腫瘍又は続発性腫瘍である。被験体の
癌は転移性であり得る。被験体の癌は、別の原発部位から二次部位に転移したものであり
得る。いくつかの実施形態では、被験体の非小細胞肺癌は、骨髄のある領域から別の領域
に移動し得る、又は移動したものであり得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される被験体、例えば、非小細胞肺癌を有す
る被験体は、野生型EZH2を発現し得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される被験体、例えば、非小細胞肺癌を有す
る被験体は、変異型EZH2を発現し得る。例えば、変異型EZH2は1つ又は複数の変
異を含み、その変異は、置換、点変異、ナンセンス変異、ミスセンス変異、欠失、又は挿
入である。本開示の変異型EZH2は、基質ポケットドメイン中に変異を含んでもよい。
変異型EZH2は、アミノ酸Y641で置換を有していてもよい。いくつかの実施形態で
は、変異型EZH2は以下の変異、すなわち、アミノ酸位置641における野生型残基チ
ロシン(Y)からフェニルアラニン(F)への置換(Y641F);アミノ酸位置641
における野生型残基チロシン(Y)からヒスチジン(H)への置換(Y641H);アミ
ノ酸位置641における野生型残基チロシン(Y)からアスパラギン(N)への置換(Y
641N);アミノ酸位置641における野生型残基チロシン(Y)からセリン(S)へ
の置換(Y641S);及びアミノ酸位置641における野生型残基チロシン(Y)から
システイン(C)への置換(Y641C)のうち1つを有する。
【0105】
いくつかの実施形態では、EZH2変異として、アミノ酸位置677における野生型残
基アラニン(A)からグリシン(G)への置換(A677G)、アミノ酸位置687にお
ける野生型残基アラニン(A)からバリン(V)への置換(A687V)、アミノ酸位置
674における野生型残基バリン(V)からメチオニン(M)への置換(V674M)、
アミノ酸位置685における野生型残基アルギニン(R)からヒスチジン(H)への置換
(R685H)、アミノ酸位置685における野生型残基アルギニン(R)からシステイ
ン(C)への置換(R685C)、アミノ酸位置322における野生型残基アスパラギン
(N)からセリン(S)への置換(N322S)、アミノ酸位置288における野生型残
基アルギニン(R)からグルタミン(Q)への置換(R288Q)、アミノ酸位置573
における野生型残基スレオニン(T)からイソロイシン(I)への置換(T573I)、
アミノ酸位置664における野生型残基アスパラギン酸(D)からグルタミン酸(E)へ
の置換(D664E)、アミノ酸位置458における野生型残基アルギニン(R)からグ
ルタミン(Q)への置換(R458Q)、アミノ酸位置249における野生型残基グルタ
ミン酸(E)からリシン(K)への置換(E249K)、アミノ酸位置684における野
生型残基アルギニン(R)からシステイン(C)への置換(R684C)、アミノ酸位置
628における野生型残基アルギニン(R)からヒスチジン(H)への置換(R628H
)、アミノ酸位置501における野生型残基グルタミン(Q)からヒスチジン(H)への
置換(Q501H)、アミノ酸位置192における野生型残基アスパラギン酸(D)から
アスパラギン(N)への置換(D192N)、アミノ酸位置664における野生型残基ア
スパラギン酸(D)からバリン(V)への置換(D664V)、アミノ酸位置704にお
ける野生型残基バリン(V)からロイシン(L)への置換(V704L)、アミノ酸位置
132における野生型残基プロリン(P)からセリン(S)への置換(P132S)、ア
ミノ酸位置669における野生型残基グルタミン酸(E)からリシン(K)への置換(E
669K)、アミノ酸位置255における野生型残基アラニン(A)からスレオニン(T
)への置換(A255T)、アミノ酸位置726における野生型残基グルタミン酸(E)
からバリン(V)への置換(E726V)、アミノ酸位置571における野生型残基シス
テイン(C)からチロシン(Y)への置換(C571Y)、アミノ酸位置145における
野生型残基フェニルアラニン(F)からシステイン(C)への置換(F145C)、アミ
ノ酸位置693における野生型残基アスパラギン(N)からスレオニン(T)への置換(
N693T)、アミノ酸位置145における野生型残基フェニルアラニン(F)からセリ
ン(S)への置換(F145S)、アミノ酸位置109における野生型残基グルタミン(
Q)からヒスチジン(H)への置換(Q109H)、アミノ酸位置622における野生型
残基フェニルアラニン(F)からシステイン(C)への置換(F622C)、アミノ酸位
置135における野生型残基グリシン(G)からアルギニン(R)への置換(G135R
)、アミノ酸位置168における野生型残基アルギニン(R)からグルタミン(Q)への
置換(R168Q)、アミノ酸位置159における野生型残基グリシン(G)からアルギ
ニン(R)への置換(G159R)、アミノ酸位置310における野生型残基アルギニン
(R)からシステイン(C)への置換(R310C)、アミノ酸位置561における野生
型残基アルギニン(R)からヒスチジン(H)への置換(R561H)、アミノ酸位置6
34における野生型残基アルギニン(R)からヒスチジン(H)への置換(R634H)
、アミノ酸位置660における野生型残基グリシン(G)からアルギニン(R)への置換
(G660R)、アミノ酸位置181における野生型残基チロシン(Y)からシステイン
(C)への置換(Y181C)、アミノ酸位置297における野生型残基ヒスチジン(H
)からアルギニン(R)への置換(H297R)、アミノ酸位置612における野生型残
基システイン(C)からセリン(S)への置換(C612S)、アミノ酸位置694にお
ける野生型残基ヒスチジン(H)からチロシン(Y)への置換(H694Y)、アミノ酸
位置664における野生型残基アスパラギン酸(D)からアラニン(A)への置換(D6
64A)、アミノ酸位置150における野生型残基イソロイシン(I)からスレオニン(
T)への置換(I150T)、アミノ酸位置264における野生型残基イソロイシン(I
)からアルギニン(R)への置換(I264R)、アミノ酸位置636における野生型残
基プロリン(P)からロイシン(L)への置換(P636L)、アミノ酸位置713にお
ける野生型残基イソロイシン(I)からスレオニン(T)への置換(I713T)、アミ
ノ酸位置501における野生型残基グルタミン(Q)からプロリン(P)への置換(Q5
01P)、アミノ酸位置243における野生型残基リシン(K)からグルタミン(Q)へ
の置換(K243Q)、アミノ酸位置130における野生型残基グルタミン酸(E)から
アスパラギン酸(D)への置換(E130D)、アミノ酸位置509における野生型残基
アルギニン(R)からグリシン(G)への置換(R509G)、アミノ酸位置566にお
ける野生型残基アルギニン(R)からヒスチジン(H)への置換(R566H)、アミノ
酸位置677における野生型残基アスパラギン酸(D)からヒスチジン(H)への置換(
D677H)、アミノ酸位置466における野生型残基リシン(K)からアスパラギン(
N)への置換(K466N)、アミノ酸位置78における野生型残基アルギニン(R)か
らヒスチジン(H)への置換(R78H)、アミノ酸位置1における野生型残基リシン(
K)からメチオニン(M)への置換(K6M)、アミノ酸位置538における野生型残基
セリン(S)からロイシン(L)への置換(S538L)、アミノ酸位置149における
野生型残基ロイシン(L)からグルタミン(Q)への置換(L149Q)、アミノ酸位置
252における野生型残基ロイシン(L)からバリン(V)への置換(L252V)、ア
ミノ酸位置674における野生型残基ロイシン(L)からバリン(V)への置換(L67
4V)、アミノ酸位置656における野生型残基アラニン(A)からバリン(V)への置
換(A656V)、アミノ酸位置731における野生型残基アラニン(A)からアスパラ
ギン酸(D)への置換(Y731D)、アミノ酸位置345における野生型残基アラニン
(A)からスレオニン(T)への置換(A345T)、アミノ酸位置244における野生
型残基アラニン(A)からアスパラギン酸(D)への置換(Y244D)、アミノ酸位置
576における野生型残基システイン(C)からトリプトファン(W)への置換(C57
6W)、アミノ酸位置640における野生型残基アスパラギン(N)からリシン(K)へ
の置換(N640K)、アミノ酸位置675における野生型残基アスパラギン(N)から
リシン(K)への置換(N675K)、アミノ酸位置579における野生型残基アスパラ
ギン酸(D)からチロシン(Y)への置換(D579Y)、アミノ酸位置693における
野生型残基アスパラギン(N)からイソロイシン(I)への置換(N693I)、及び/
又はアミノ酸位置693における野生型残基アスパラギン(N)からリシン(K)への置
換(N693K)を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【0106】
EZH2の他の変異として、アミノ酸位置730、391、461、441、235、
254、564、662、715、405、685、64、73、656、718、37
4、592、505、730若しくは363又は核酸配列の対応するヌクレオチド位置で
のフレームシフト;アミノ酸位置148及び149でのグルタミン酸(E)及びロイシン
(L)の欠失、又はアミノ酸位置733、25、317、62、553、328、58、
207、123、63、137又は60でのナンセンス変異を挙げることができる。
【0107】
他に定義しない限り、本明細書で使用する技術用語及び科学用語はすべて、本開示が属
する技術分野の当業者が一般に理解しているのと同じ意味を持つ。本明細書では、単数形
は、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、複数形をさらに含む。本明細書に記
載の方法及び材料と同様又は同等の方法及び材料を、本開示の実施又は試験に使用するこ
とができるが、いくつかの例示的で非限定的な適切な方法及び材料を以下に記載する。本
明細書に記載した刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献はすべて援用する。本明細書
に引用する参考文献は、特許請求の範囲に記載されている発明に対する従来技術と認める
ものではない。矛盾がある場合、定義を含む本明細書が優先する。さらに、材料、方法及
び例は単に例示のためのものであり、限定的であることを意図するものではない。
【0108】
本発明の他の特徴と利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになるで
あろう。
【0109】
特許又は出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラー図
面を含む本特許又は特許出願公開のコピーは、請求及び必要な料金の支払いにより官庁に
より提供されるであろう。
【0110】
上記及びさらなる特徴は、添付の図面と併せた以下の詳細な説明からより明確に理解さ
れるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0111】
図1図1は、実施例1の実験手順の概要を示す概略図である。
図2図2は、A427細胞内でのデシタビンとEZH2阻害剤(タゼメトスタット)との相乗効果を例示する一連のグラフである。パネルAは、インビトロアッセイの用量のマトリックス表である。パネルBは、タゼメトスタットとデシタビンとの組み合わせのLoewe過剰のマトリックス表を示している。パネルCは、タゼメトスタットとデシタビンとの組み合わせのアイソボログラムを示している。
図3図3は、A427細胞内でのトラメチニブとEZH2阻害剤(タゼメトスタット)との相乗効果を例示する一連のグラフである。パネルAは、インビトロアッセイの用量のマトリックス表である。パネルBは、タゼメトスタットとトラメチニブとの組み合わせのLoewe過剰のマトリックス表を示している。パネルCは、タゼメトスタットとトラメチニブとの組み合わせのアイソボログラムを示している。
図4図4は、A427細胞内でのパルボシクリブとEZH2阻害剤(タゼメトスタット)との相乗効果を例示する一連のグラフである。パネルAは、インビトロアッセイの用量のマトリックス表である。パネルBは、タゼメトスタットとパルボシクリブとの組み合わせのLoewe過剰のマトリックス表を示している。パネルCは、タゼメトスタットとパルボシクリブとの組み合わせのアイソボログラムを示している。
図5図5は、A427細胞内でのセリチニブとEZH2阻害剤(タゼメトスタット)の相乗効果を例示する一連のグラフである。パネルAは、インビトロアッセイの用量のマトリックス表である。パネルBは、タゼメトスタットとセリチニブとの組み合わせのLoewe過剰のマトリックス表を示している。パネルCは、タゼメトスタットとセリチニブとの組み合わせのアイソボログラムを示している。
図6図6は、EZH2タンパク質構造の図である。
【発明を実施するための形態】
【0112】
本開示のいくつかの態様は、被験体の癌、例えば非小細胞肺癌の処置のための併用療法
の方法、戦略、組成物、及び組み合わせを提供し、この方法は、EZH2阻害剤及び第2
の抗癌剤を該被験体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は
、本明細書で提供される化合物である。いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、タ
ゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、EZH
2阻害剤の組み合わせは、第2の抗癌剤と相乗作用して所望の臨床効果を達成する。
EZH2
【0113】
EZH2は、ヒストンH3のリシン27(H3-K27)のモノメチル化からトリメチ
ル化を触媒するPRC2複合体の触媒サブユニットであるヒストンメチルトランスフェラ
ーゼである。ヒストンH3-K27のトリメチル化は、ヒストン修飾部位の近位にある特
定の遺伝子の転写を抑制するための機序である。このトリメチル化は、前立腺癌などの癌
における発現変化の癌マーカーであることが知られている(例えば、米国特許出願公開第
2003/0175736号明細書を参照されたく、その内容全体を参照により本明細書
に援用する)。他の研究が、調節異常を起こしたEZH2の発現と、転写抑制と、腫瘍性
転化との間の機能連関の証拠を示した。Varambally et al.(2002
)Nature 419(6907):624-9 Kleer et al.(200
3)Proc Natl Acad Sci USA 100(20):11606-1
1。
【0114】
ヒトEZH2核酸及びポリペプチドは、以前に記述されている。例えば、Chen e
t al.(1996)Genomics 38:30-7[746アミノ酸];Swi
ss-Prot受託番号Q15910[746アミノ酸];GenBank受託番号NM
_004456及びNP_004447(アイソフォームa[751アミノ酸]);並び
にGenBank受託番号NM_152998及びNP_694543(アイソフォーム
b[707アミノ酸])を参照されたく、これらの各々は、その内容全体を参照により本
明細書に援用する。
【0115】
やはり本出願の目的上、ヒトEZH2のY641変異型及び同様の意味でEZH2のY
641変異型は、野生型ヒトEZH2のY641に対応するアミノ酸残基がチロシン以外
のアミノ酸残基で置換されているヒトEZH2をいうものと理解されたい。
【0116】
いくつかの実施形態では、EZH2のY641変異型のアミノ酸配列が野生型ヒトEZ
H2のアミノ酸配列と異なるのは、野生型ヒトEZH2のY641に対応する単一アミノ
酸残基がチロシン以外のアミノ酸残基によって置換されていることのみによるものである
【0117】
いくつかの実施形態では、EZH2のY641変異型のアミノ酸配列が野生型ヒトEZ
H2のアミノ酸配列と異なるのは、野生型ヒトEZH2のY641に対応する単一アミノ
酸残基からフェニルアラニン(F)への置換のみによるものである。これらの実施形態に
よるEZH2のY641変異型を、本明細書ではY641F変異型又は同様の意味でY6
41Fと呼ぶ。
【0118】
いくつかの実施形態では、EZH2のY641変異型のアミノ酸配列が野生型ヒトEZ
H2のアミノ酸配列と異なるのは、野生型ヒトEZH2のY641に対応する単一アミノ
酸残基からヒスチジン(H)への置換のみによるものである。これらの実施形態によるE
ZH2のY641変異型を、本明細書ではY641H変異型又は同様の意味でY641H
と呼ぶ。
【0119】
いくつかの実施形態では、EZH2のY641変異型のアミノ酸配列が野生型ヒトEZ
H2のアミノ酸配列と異なるのは、野生型ヒトEZH2のY641に対応する単一アミノ
酸残基からアスパラギン(N)ヘの置換のみによるものである。これらの実施形態による
EZH2のY641変異型を、本明細書ではY641N変異型又は同様の意味でY641
Nと呼ぶ。
【0120】
いくつかの実施形態では、EZH2のY641変異型のアミノ酸配列が野生型ヒトEZ
H2のアミノ酸配列と異なるのは、野生型ヒトEZH2のY641に対応する単一アミノ
酸残基からセリン(S)への置換のみによるものである。これらの実施形態によるEZH
2のY641変異型を本明細書ではY641S変異型又は同様の意味でY641Sと呼ぶ
【0121】
いくつかの実施形態では、EZH2のY641変異型のアミノ酸配列が野生型ヒトEZ
H2のアミノ酸配列と異なるのは、野生型ヒトEZH2のY641に対応する単一アミノ
酸残基からシステイン(C)への置換のみによるものである。これらの実施形態によるE
ZH2のY641変異型を、本明細書ではY641C変異型又は同様の意味でY641C
と呼ぶ。
【0122】
いくつかの実施形態では、EZH2のA677変異型のアミノ酸配列が野生型ヒトEZ
H2のアミノ酸配列と異なるのは、野生型ヒトEZH2のA677に対応する単一アミノ
酸残基から非アラニンアミノ酸、好ましくはグリシン(G)への置換のみによるものであ
る。これらの実施形態によるEZH2のA677変異型を、本明細書ではA677変異型
、好ましくはA677G変異型又は同様の意味でA677Gと呼ぶ。
【0123】
いくつかの実施形態では、EZH2のA687変異型のアミノ酸配列が野生型ヒトEZ
H2のアミノ酸配列と異なるのは、野生型ヒトEZH2のA687に対応する単一アミノ
酸残基から非アラニンアミノ酸、好ましくはバリン(V)への置換のみによるものである
。これらの実施形態によるEZH2のA687変異型を、本明細書ではA687変異型、
好ましくはA687V変異型又は同様の意味でA687Vと呼ぶ。
【0124】
いくつかの実施形態では、EZH2のR685変異型のアミノ酸配列が野生型ヒトEZ
H2のアミノ酸配列と異なるのは、野生型ヒトEZH2のR685に対応する単一アミノ
酸残基から非アルギニンアミノ酸、好ましくはヒスチジン(H)又はシステイン(C)へ
の置換のみによるものである。これらの実施形態によるEZH2のR685変異型を、本
明細書ではR685変異型、好ましくはR685C変異型若しくはR685H変異型又は
同様の意味でR685H若しくはR685Cと呼ぶ。
【0125】
EZH2に対してヘテロ接合性の細胞は、野生型酵素によるH3-K27me1の高効
率形成、並びに変異型酵素形態によるこの前駆細胞腫からH3-K27me2、及び特に
H3-K27me3への高効率な後続の移行によって、悪性形質を示すと予想され得る。
【0126】
以前の結論によると、濾胞性リンパ腫及びびまん性大細胞型B細胞リンパ腫における病
理発生については、H3-K27のモノ-メチル化を行う酵素間の酵素カップリング及び
EZH2の一定の変異型に依存することが指摘されている。例えば、Y641変異型EZ
H2を発現している細胞は、野生型EZH2を発現している細胞より、低分子EZH2阻
害剤に対して感受性が高い場合がある。具体的には、Y641変異型EZH2を発現して
いる細胞は、EZH2阻害剤の処置後に、成長、分裂又は増殖が低減し、又はアポトーシ
ス若しくはネクローシスを起こすことさえある。これとは逆に、野生型EZH2を発現し
ている細胞はEZH2阻害剤の増殖抑制効果に対して反応性がない(米国特許出願第13
/230,703号明細書(現在は米国特許第8,895,245号明細書);その内容
全体を参照により本明細書に援用する。)
【0127】
本開示のいくつかの態様は、野生型又は変異型EZH2のいずれかを発現している被検
体に、本明細書に記載のEZH2阻害剤、例えば、式(I)~(VIa)の化合物(好ま
しくは、タゼメトスタット)の治療有効量を、一緒に投与するのに好適な第2の抗癌剤と
併用して、同時に、逐次的に、又は交互に投与することによる、被検体における癌の症状
又は前癌性状態の処置又は緩和に関する。
【0128】
本発明のいくつかの態様は、被検体においてH3-K27からトリメチル化H3-K2
7への変換の阻害に関する。この阻害は、被検体において、非メチル化H3-K27から
モノメチル化H3-K27への変換、モノメチル化H3-K27からジメチル化H3-K
27への変換、ジメチル化H3-K27からトリメチル化H3-K27ヘの変換、又は、
例えば、モノメチル化H3-K27からジメチル化H3-K27への変換とジメチル化H
3-K27からトリメチル化H3-K27ヘの変換とを含む、これらの任意の組合せを阻
害するというものであり得る。本明細書で使用する場合、非メチル化H3-K27とは、
リシン27のアミノ基に共有結合しているメチル基がないヒストンH3をいう。本明細書
で使用する場合、モノメチル化H3-K27とは、リシン27のアミノ基に1つのメチル
基が共有結合しているヒストンH3をいう。モノメチル化H3-K27はまた、本明細書
でH3-K27me1とも呼ばれる。本明細書で使用する場合、ジメチル化H3-K27
とは、リシン27のアミノ基に2つのメチル基が共有結合しているヒストンH3をいう。
ジメチル化H3-K27はまた、本明細書でH3-K27me2とも呼ばれる。本明細書
で使用する場合、トリメチル化H3-K27とは、リシン27のアミノ基に3つのメチル
基が共有結合しているヒストンH3をいう。トリメチル化H3-K27はまた、本明細書
でH3-K27me3とも呼ばれる。
【0129】
ヒストンH3は136アミノ酸長のタンパク質であり、その配列は既知である。例えば
、GenBank受託番号CAB02546を参照されたく、その内容を参照により本明
細書に援用する。本明細書にさらに開示しているように、完全長ヒストンH3に加えて、
完全長ヒストンH3のK27に対応するリシン残基を含むヒストンH3のペプチド断片を
、EZH2に対する(及び同様にEZH2の変異型に対する)基質として使用して、H3
-K27m1からH3-K27m2への変換及びH3-K27m2からH3-K27m3
への変換を評価することができる。いくつかの実施形態では、こうしたペプチド断片は、
ヒストンH3の21~44番目のアミノ酸残基に対応する。
【0130】
EZH2阻害剤
本開示による使用に適した例示的なEZH2阻害剤には、式(I)~(VIa)の化合
物が含まれる。本開示の方法に適した式(I)~(VIa)以外の他の化合物は、米国特
許出願公開第20120264734号明細書に記載されており、その内容全体を参照に
より本明細書に援用する。
【0131】
いくつかの実施形態では、本開示のEZH2阻害剤は、次式I:
【化8】
又はその薬学的に許容される塩を有することができ、式中、
701はH、F、OR707、NHR707、-(C≡C)-(CHn7-R
08、フェニル、5員又は6員ヘテロアリール、C3~8シクロアルキル又は1~3個の
ヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクロアルキルであり、ここで、フェニル、5員又は6
員ヘテロアリール、C3~8シクロアルキル又は4~7員ヘテロシクロアルキルは各々独
立にハロ、C1~3アルキル、OH、O-C1~6アルキル、NH-C1~6アルキル、
及びC3~8シクロアルキル又は1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクロアル
キルで置換されたC1~3アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意に置換されて
おり、ここで、O-C1~6アルキル及びNH-C1~6アルキルの各々はヒドロキシル
、O-C1~3アルキル又はNH-C1~3アルキルで任意に置換されており、O-C
~3アルキル及びNH-C1~3アルキルの各々はO-C1~3アルキル又はNH-C
~3アルキルでさらに任意に置換されており;
702及びR703は各々独立にH、ハロ、C1~4アルキル、C1~6アルコキシ
ル又はC~C10アリールオキシであり、各々が1つ又は複数のハロで任意に置換され
ており;
704及びR705は各々独立にC1~4アルキルであり;
706はN(C1~4アルキル)で置換されたシクロヘキシルであり、ここで、C
1~4アルキルのうち一方又は両方がC1~6アルコキシで置換されており;又はR70
はテトラヒドロピラニルであり;
707はヒドロキシル、C1~4アルコキシ、アミノ、モノ-又はジ-C1~4アル
キルアミノ、C3~8シクロアルキル、及び1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロ
シクロアルキルから選択される1つ又は複数の基で任意に置換されたC1~4アルキルで
あり、ここで、C3~8シクロアルキル又は4~7員ヘテロシクロアルキルは各々独立に
1~3アルキルでさらに任意に置換されており;
708はOH、ハロ、及びC1~4アルコキシ、1~3個のヘテロ原子を含む4~7
員ヘテロシクロアルキル、又はO-C1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で
任意に置換されたC1~4アルキルであり、ここで、4~7員ヘテロシクロアルキルはO
H又はC1~6アルキルで任意にさらに置換されていることが可能であり;及び
は0、1又は2である。
【0132】
例えば、R706はN(C1~4アルキル)で置換されたシクロヘキシルであり、こ
こで、C1~4アルキルのうち一方が非置換であり、他方がメトキシで置換されている。
【0133】
例えば、R706は、
【化9】
である。
【0134】
いくつかの実施形態では、本開示のEZH2阻害剤は、以下の式II:
【化10】
を有することができる。
【0135】
例えば、R702はメチル又はイソプロピルであり、R703はメチル又はメトキシル
である。
【0136】
例えば、R704はメチルである。
【0137】
例えば、R701はOR707であり、R707はOCH又はモルホリンで任意に置
換されたC1~3アルキルである。
【0138】
例えば、R701はH又はFである。
【0139】
例えば、R701はテトラヒドロピラニル、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジ
ニル、イミダゾリル又はピラゾリルであり、その各々がメチル、メトキシ、モルホリンで
置換されたエチル又は-OCHCHOCHで任意に置換されている。
【0140】
例えば、R708はモルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ジアゼパン又
はアゼチジンであり、その各々がOH又はC1~6アルキルで任意に置換されている。
【0141】
例えば、R708はモルホリンである。
【0142】
例えば、R708はC1~6アルキルで置換されたピペラジンである。
【0143】
例えば、R708はメチル、t-ブチル又はC(CHOHである。
【0144】
いくつかの実施形態では、本開示のEZH2阻害剤は、次式III:
【化11】
又はその薬学的に許容される塩を有することができる。
【0145】
この式において:
801はC1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~8
クロアルキル、1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクロアルキル、フェニル又
は5員又は6員ヘテロアリールであり、その各々がO-C1~6アルキル-R又はNH
-C1~6アルキル-Rで置換されており、ここで、Rはヒドロキシル、O-C1~
アルキル又はNH-C1~3アルキルであり、Rは、これがヒドロキシルである場合
を除いて、O-C1~3アルキル又はNH-C1~3アルキルで任意にさらに置換されて
おり;或いはR801は-Q-Tで置換されたフェニルであり、ここで、Qは結合
又はハロ、シアノ、ヒドロキシル若しくはC~Cアルコキシで任意に置換されたC
~Cアルキルリンカーであり、Tは4員~12員ヘテロシクロアルキルで任意に置換
されており;及びR801は任意にさらに置換されており;
802及びR803は各々独立にH、ハロ、C1~4アルキル、C1~6アルコキシ
ル又はC~C10アリールオキシであり、各々が1つ又は複数のハロで任意に置換され
ており;
804及びR805は各々独立にC1~4アルキルであり;並びに
806は-Q-Tであり、ここで、Qは結合又はC1~4アルキルリンカーで
あり、TはH、任意に置換されたC1~4アルキル、任意に置換されたC~Cシク
ロアルキル又は任意に置換された4員~14員ヘテロシクロアルキルである。
【0146】
例えば、Q及びQは各々独立に結合又はメチルリンカーであり、T及びTは各
々独立にテトラヒドロピラニル、1つ、2つ又は3つのC1~4アルキル基で置換された
ピペリジニル、又はN(C1~4アルキル)で置換されたシクロヘキシルであり、ここ
で、C1~4アルキルのうち一方又は両方がC1~6アルコキシで任意に置換されている
【0147】
例えば、R806はN(C1~4アルキル)で置換されたシクロヘキシルであり、又
はR806はテトラヒドロピラニルである。
【0148】
例えば、R806
【化12】
である。
【0149】
例えば、R801はフェニル又はO-C1~6アルキル-Rで置換された5員若しく
は6員ヘテロアリールであり、又はR801はCH-テトラヒドロピラニルで置換され
たフェニルである。
【0150】
本開示のEZH2阻害剤は、以下の式IVa又はIVb:
【化13】
を有することができ、式中、Z’はCH又はNであり、R807はC2~3アルキル-R
である。
【0151】
例えば、R807は-CHCHOH、-CHCHOCH又は-CHCH
OCHCHOCHである。
【0152】
例えば、R802はメチル又はイソプロピルであり、R803はメチル又はメトキシル
である。
【0153】
例えば、R804はメチルである。
【0154】
本開示のEZH2阻害剤は、次式(V):
【化14】
、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルを有することができる。
【0155】
この式において:
、R及びR12は各々独立にC1~6アルキルであり;
はC~C10アリール又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、その各々が
1つ又は複数の-Q-Tで任意に置換されており、ここで、Qは結合、又はハロ、
シアノ、ヒドロキシル若しくはC~Cアルコキシで任意に置換されたC~Cアル
キルリンカーであり、TはH、ハロ、シアノ、-OR、-NR、-(NR
、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NR
C(O)R、-NRC(O)OR、-S(O)、-S(O)NR
はRS2であり、ここで、R、R及びRは各々独立にH又はRS3であり、A
薬学的に許容されるアニオンであり、RS2及びRS3は各々独立にC~Cアルキル
、C~Cシクロアルキル、C~C10アリール、4~12員ヘテロシクロアルキル
又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、或いはR及びRは、それらが結合して
いるN原子と一緒に0又は1個の追加のヘテロ原子を有する4~12員ヘテロシクロアル
キル環を形成し、RS2と、RS3と、R及びRで形成される4~12員ヘテロシク
ロアルキル環との各々は、1つ又は複数の-Q-Tで任意に置換されており、ここで
、Qは結合、又はハロ、シアノ、ヒドロキシル又はC~Cアルコキシで各々任意に
置換されたC~Cアルキルリンカーであり、Tはハロ、シアノ、C~Cアルキ
ル、C~Cシクロアルキル、C~C10アリール、4~12員ヘテロシクロアルキ
ル、5員又は6員ヘテロアリール、OR、COOR、-S(O)、-NR
及び-C(O)NRからなる群から選択され、R及びRは各々独立にH又は
~Cアルキルであるか、又は-Q-Tはオキソであり;或いは任意の2つの隣
接する-Q-Tは、それらが結合している原子と一緒に5員又は6員環を形成し、当
該5員又は6員環は、N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を任意に含み、
ハロ、ヒドロキシル、COOH、C(O)O-C~Cアルキル、シアノ、C~C
アルコキシル、アミノ、モノ-C~Cアルキルアミノ、ジ-C~Cアルキルアミ
ノ、C~Cシクロアルキル、C~C10アリール、4~12員ヘテロシクロアルキ
ル及び5員又は6員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で任
意に置換されており;
は-Q-Tであり、ここで、Qは結合、C~Cアルキルリンカー又はC
~Cアルケニルリンカーであり、各リンカーはハロ、シアノ、ヒドロキシル又はC
~Cアルコキシで任意に置換されており、TはH、ハロ、シアノ、NR、-O
、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-C(O)NR
、-NRC(O)R、-S(O)又はRS4であり、ここで、R及びR
は各々独立にH又はRS5であり、RS4及びRS5は各々独立にC~Cアルキル
、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~C
10アリール、4~12員ヘテロシクロアルキル又は5員若しくは6員ヘテロアリールで
あり、RS4及びRS5は各々1つ又は複数の-Q-Tで任意に置換されており、こ
こで、Qは結合、C(O)、C(O)NR、NRC(O)、S(O)又はC
アルキルリンカーであり、RはH又はC~Cアルキルであり、TはH、ハロ
、C~Cアルキル、ヒドロキシル、シアノ、C~Cアルコキシル、アミノ、モノ
-C~Cアルキルアミノ、ジ-C~Cアルキルアミノ、C~Cシクロアルキ
ル、C~C10アリール、4~12員ヘテロシクロアルキル、5員若しくは6員ヘテロ
アリール又はS(O)であり、ここで、qは0、1又は2であり、RはC~C
アルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル
、C~C10アリール、4~12員ヘテロシクロアルキル又は5員若しくは6員ヘテロ
アリールであり、Tは、これがH、ハロ、ヒドロキシル又はシアノである場合を除いて
、ハロ、C~Cアルキル、ヒドロキシル、シアノ、C~Cアルコキシル、アミノ
、モノ-C~Cアルキルアミノ、ジ-C~Cアルキルアミノ、C~Cシクロ
アルキル、C~C10アリール、4~12員ヘテロシクロアルキル及び5員又は6員ヘ
テロアリールからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されており;
或いは-Q-Tはオキソであり;並びに
はH、ハロ、ヒドロキシル、COOH、シアノ、RS6、ORS6又はCOOR
であり、ここで、RS6はC~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~C
ルキニル、C~Cシクロアルキル、4~12員ヘテロシクロアルキル、アミノ、モノ
-C~Cアルキルアミノ又はジ-C~Cアルキルアミノであり、RS6はハロ、
ヒドロキシル、COOH、C(O)O-C~Cアルキル、シアノ、C~Cアルコ
キシル、アミノ、モノ-C~Cアルキルアミノ及びジ-C~Cアルキルアミノか
らなる群から選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されており;或いはR及び
は、それらが結合しているN原子と一緒に、0~2個の追加のヘテロ原子を有する4
~11員ヘテロシクロアルキル環を形成し、R及びRで形成された4~11員ヘテロ
シクロアルキル環は1つ又は複数の-Q-Tで任意に置換されており、ここで、Q
は結合、C(O)、C(O)NR、NRC(O)、S(O)又はC~Cアルキ
ルリンカーであり、RはH又はC~Cアルキルであり、TはH、ハロ、C~C
アルキル、ヒドロキシル、シアノ、C~Cアルコキシル、アミノ、モノ-C~C
アルキルアミノ、ジ-C~Cアルキルアミノ、C~Cシクロアルキル、C
10アリール、4~12員ヘテロシクロアルキル、5員若しくは6員ヘテロアリール又
はS(O)であり、ここで、pは0、1又は2であり、RはC~Cアルキル
、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~C
10アリール、4~12員ヘテロシクロアルキル又は5員若しくは6員ヘテロアリールで
あり、Tは、これがH、ハロ、ヒドロキシル又はシアノである場合を除いて、ハロ、C
~Cアルキル、ヒドロキシル、シアノ、C~Cアルコキシル、アミノ、モノ-C
~Cアルキルアミノ、ジ-C~Cアルキルアミノ、C~Cシクロアルキル、
~C10アリール、4~12員ヘテロシクロアルキル及び5員又は6員ヘテロアリー
ルからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されており;或いは-Q
-Tはオキソである。
【0156】
例えば、RはC~C10アリール又は5員若しくは6員ヘテロアリールであり、そ
の各々が独立に、1つ又は複数の-Q-Tで任意に置換されており、ここで、Q
結合又はC~Cアルキルリンカーであり、TはH、ハロ、シアノ、-OR、-N
,-(NR、-C(O)NR、-NRC(O)R
、-S(O)又はRS2であり、ここで、R及びRは各々独立にH又はRS3
であり、RS2及びRS3は各々独立にC~Cアルキルであり、或いはR及びR
は、それらが結合しているN原子と一緒に0又は1個の追加のヘテロ原子を有する4~7
員ヘテロシクロアルキル環を形成し、RS2と、RS3と、R及びRで形成された4
~7員ヘテロシクロアルキル環との各々は独立に、1つ又は複数の-Q-Tで任意に
置換されており、ここで、Qは結合又はC~Cアルキルリンカーであり、Tはハ
ロ、C~Cアルキル、4~7員ヘテロシクロアルキル、OR、-S(O)
び-NRからなる群から選択され、R及びRは各々独立にH又はC~C
ルキルであり、又は-Q-Tはオキソであり;或いは任意の2つの隣接する-Q
は、それらが結合している原子と一緒に、N、O及びSから選択される1~4個のヘ
テロ原子を任意に含む5員又は6員環を形成する。
【0157】
いくつかの実施形態では、本開示のEZH2阻害剤は、以下の式(VIa):
【化15】
、又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルを有することができ、式中、R、R
、R、及びRは本明細書で定義される。
【0158】
式(VIa)の化合物には、以下の特徴のうち1つ又は複数を含めることができる。
【0159】
例えば、R及びRは各々独立にH、又は1つ若しくは複数の-Q-Tで任意に
置換されたC~Cアルキルである。
【0160】
例えば、R及びRのうち一方はHである。
【0161】
例えば、R及びRは、それらが結合しているN原子と一緒に、N原子に加えて0又
は1個のヘテロ原子を有する4~7員ヘテロシクロアルキル環(例えば、アゼチジニル、
ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリ
ジニル、トリアゾリジニル、ピペリジニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、
ピペラジニル、モルホリニル、1,4-ジアゼパニル、1,4-オキサゼパニル、2-オ
キサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.
1]ヘプタニル、及び同種のもの)を形成し、その環は1つ又は複数の-Q-Tで任
意に置換されている。
【0162】
例えば、R及びRは、それらが結合しているN原子と一緒に、アゼチジニル、ピロ
リジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニ
ル、トリアゾリジニル、テトラヒロフラニル(tetrahyrofuranyl)、ピ
ペリジニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、ピペラジニル又はモルホリニル
を形成し、これらの環は1つ又は複数の-Q-Tで任意に置換されている。
【0163】
例えば、1つ又は複数の-Q-Tはオキソである。
【0164】
例えば、Qは結合又は非置換若しくは置換のC~Cアルキルリンカーである。
【0165】
例えば、TはH、ハロ、4~7員ヘテロシクロアルキル、C~Cアルキル、OR
、COOR,-S(O)又は-NRである。
【0166】
例えば、各々独立にH又はC~CアルキルであるR及びR
【0167】
例えば、RはC~Cシクロアルキル又は4~7員ヘテロシクロアルキルであり、
各々が1つ又は複数の-Q-Tで任意に置換されている。
【0168】
例えば、Rはピペリジニル、テトラヒドロピラン、テトラヒドロ-2H-チオピラニ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル又はシクロヘプチルであり、各々が
1つ又は複数の-Q-Tで任意に置換されている。
【0169】
例えば、Rはシクロペンチル、シクロヘキシル又はテトラヒドロ-2H-チオピラニ
ルであり、その各々が1つ又は複数の-Q-Tで任意に置換されている。
【0170】
例えば、QはNHC(O)であり、TはC~Cアルキル又はC~Cアルコ
キシ、各々である。
【0171】
例えば、1つ又は複数の-Q-Tはオキソである。
【0172】
例えば、Rは1-オキシド-テトラヒドロ-2H-チオピラニル又は1,1-ジオキ
シド-テトラヒドロ-2H-チオピラニルである。
【0173】
例えば、Qは結合であり、Tはアミノ、モノ-C~Cアルキルアミノ、ジ-C
~Cアルキルアミノである。
【0174】
例えば、QはCO、S(O)又はNHC(O)であり、TはC~Cアルキル
、C~Cアルコキシル、C~Cシクロアルキル又は4~7員ヘテロシクロアルキ
ルである。
【0175】
例えば、RはH、又はハロ、ヒドロキシル、COOH、C(O)O-C~Cアル
キル、シアノ、C~Cアルコキシル、アミノ、モノ-C~Cアルキルアミノ及び
ジ-C~Cアルキルアミノからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で任意に
置換されているC~Cアルキルである。
【0176】
例えば、RはH、メチル又はエチルである。
【0177】
いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、タゼメトスタット(本明細書では化合物
44又は化合物(A)とも呼ばれる):
【化16】
又はその立体異性体、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩である。
【0178】
いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は:
【化17】
、又はその立体異性体、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩である。
【0179】
特定の実施形態では、EZH2阻害剤は化合物F:
【化18】
、又はその立体異性体、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩である。
【0180】
いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、以下の式:
【化19】
を有するGSK-126、その立体異性体、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒
和物である。
【0181】
特定の実施形態では、EZH2阻害剤は化合物G:
【化20】
、又はその立体異性体、若しくはその薬学的に許容される塩及び溶媒和物である。
【0182】
特定の実施形態では、本明細書で提示される任意の方法に使用することができる化合物
(例えば、EZH2阻害剤)は、化合物Ga~Gc:
【化21】
、又はその立体異性体、薬学的に許容される塩、若しくは溶媒和物である。
【0183】
いくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、CPI-1205又はGSK343を含
み得る、それから本質的になり得る、又はそれからなり得る。
【0184】
本明細書で提供される方法、戦略、組成物、及び/又は組み合わせに使用されるさらな
る適切なEZH2阻害剤は、当業者には明らかであろう。本明細書で提供される戦略、治
療法、方法、組み合わせ、及び組成物のいくつかの実施形態では、EZH2阻害剤は、米
国特許第8,536,179号明細書(他の化合物の中でもGSK-126を記載してお
り、国際公開第2011/140324号パンフレットに対応する)に記載されているE
ZH2阻害剤であり、それぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する。
【0185】
本明細書で提供される戦略、治療法、方法、組み合わせ、及び組成物のいくつかの実施
形態では、EZH2阻害剤は、国際公開第2014/124418号パンフレットとして
公開された国際出願PCT/US2014/015706号明細書、国際公開第2013
/120104号パンフレットとして公開された国際出願PCT/US2013/025
639号明細書、及び米国特許出願公開第2015/0368229号明細書として公開
された米国特許出願第14/839,273号明細書に記載されているEZH2阻害剤で
あり、これらの特許文献のそれぞれの内容全体を参照により本明細書に援用する。
【0186】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、化合物自体、すなわち遊離塩基又は「裸
の」分子である。いくつかの実施形態では、化合物は、その塩、例えば薬学的に許容され
る塩、例えば裸の分子のモノ-HCl塩又はトリ-HCl塩、モノ-HBr塩又はトリ-
HBr塩である。本明細書で提供される化合物の薬学的に許容される塩は、本開示及び当
技術分野における知識に基づいて当業者に明らかであろう。本開示はこの点において限定
されない。
【0187】
本開示の式VIaの代表的な化合物としては、表1に列挙した化合物が挙げられる。
【0188】
表1では、
【化22】
のそれぞれの存在は、
【化23】
と解釈するべきである。
【0189】
【表1】
【0190】
【表2】
【0191】
【表3】
【0192】
【表4】
【0193】
【表5】
【0194】
【表6】
【0195】
【表7】
【0196】
【表8】
【0197】
【表9】
【0198】
【表10】
【0199】
【表11】
【0200】
【表12】
【0201】
【表13】
【0202】
【表14】
【0203】
【表15】
【0204】
【表16】
【0205】
【表17】
【0206】
【表18】
【0207】
【表19】
【0208】
【表20】
【0209】
【表21】
【0210】
【表22】
【0211】
【表23】
【0212】
本明細書で使用する場合、「アルキル」、「C、C、C、C、C又はC
ルキル」又は「C~Cアルキル」は、C、C、C、C、C又はC直鎖(
線状)飽和脂肪族炭化水素基、及びC、C、C又はC分岐飽和脂肪族炭化水素基
を含むことを意図している。例えば、C~Cアルキルは、Cアルキル基、Cアル
キル基、Cアルキル基、Cアルキル基、Cアルキル基及びCアルキル基を含むこ
とを意図している。アルキルの例として、以下に限定されるものではないが、メチル、エ
チル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチ
ル、s-ペンチル又はn-ヘキシルなど1~6個の炭素原子を有する部分が挙げられる。
【0213】
いくつかの実施形態では、直鎖又は分岐アルキルは6個以下の炭素原子(例えば、直鎖
のC~C、分岐鎖のC~C)を有しいくつかの実施形態では、直鎖又は分岐アル
キルは4個以下の炭素原子を有する。
【0214】
本明細書で使用する場合、「シクロアルキル」という用語は、3~30個の炭素原子(
例えば、C~C10)を有する飽和又は不飽和の、非芳香族炭化水素単環又は多環(例
えば、縮合環、架橋環又はスピロ環)系をいう。シクロアルキルの例として、シクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチ
ル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロへプテニル及びアダマンチルが挙げら
れるが、これに限定されるものではない。「ヘテロシクロアルキル」という用語は、別段
の指定のない限り、1つ又は複数のヘテロ原子(O、N、S又はSeなど)を有する、飽
和又は不飽和の非芳香族の、3~8員単環系、7~12員二環系(縮合環、架橋環又はス
ピロ環)又は11~14員三環系(縮合環、架橋環又はスピロ環)をいう。ヘテロシクロ
アルキル基の例として、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、テ
トラヒドロフラニル、イソインドリニル、インドリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジ
ニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、トリアゾリジニル、テトラヒドロフラ
ニル、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2,3,6-テト
ラヒドロピリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ピラニル、モルホリニ
ル、1,4-ジアゼパニル、1,4-オキサゼパニル、2-オキサ-5-アザビシクロ[
2.2.1]ヘプタニル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2-オキ
サ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル
、1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカニル及び同種のものが挙げられるが
、これに限定されるものではない。
【0215】
「任意に置換されたアルキル」という用語は、非置換アルキル、又は炭化水素骨格の1
つ又は複数の炭素上の1つ又は複数の水素原子に置き換わる所定の置換基を有するアルキ
ルをいう。こうした置換基として、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲ
ン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシ
カルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカル
ボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミ
ノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、
ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルア
ミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシル
アミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレ
イドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオ
カルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル
、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、ア
ルキルアリール、又は芳香族部分若しくは芳香族複素環部分を挙げることができる。
【0216】
「アリールアルキル」又は「アラルキル」部分とは、アリールで置換されたアルキル(
例えば、フェニルメチル(ベンジル))である。「アルキルアリール」部分は、アルキル
で置換されたアリール(例えば、メチルフェニル)である。
【0217】
本明細書で使用する場合、「アルキルリンカー」は、C、C、C、C、C
はC直鎖(線状)飽和二価脂肪族炭化水素基、及びC、C、C又はC分岐飽和
脂肪族炭化水素基を含むことを意図している。例えば、C~Cアルキルリンカーは、
アルキルリンカー基、Cアルキルリンカー基、Cアルキルリンカー基、Cアル
キルリンカー基、Cアルキルリンカー基及びCアルキルリンカー基を含むことを意図
している。アルキルリンカーの例として、以下に限定されるものではないが、メチル(-
CH-)、エチル(-CHCH-)、n-プロピル(-CHCHCH-)、
i-プロピル(-CHCHCH-)、n-ブチル(-CHCHCHCH-)
、s-ブチル(-CHCHCHCH-)、i-ブチル(-C(CHCH
)、n-ペンチル(-CHCHCHCHCH-)、s-ペンチル(-CHCH
CHCHCH-)又はn-ヘキシル(-CHCHCHCHCHCH
-)など1~6個の炭素原子を有する部分が挙げられる。
【0218】
「アルケニル」は、上述のアルキルと長さが類似し、上述のアルキルへの置換が可能で
あるが、少なくとも1つの二重結合を含む不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルケニル
」という用語は、直鎖アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテ
ニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル)、及び分岐アルケニ
ル基を含む。ある種の実施形態では、直鎖又は分岐アルケニル基はその骨格に6個以下の
炭素原子(例えば、直鎖に対してC~C、分岐鎖に対してC~C)を有する。「
~C」という用語は、2~6個の炭素原子を含むアルケニル基を含む。「C~C
」という用語は、3~6個の炭素原子を含むアルケニル基を含む。
【0219】
「任意に置換されたアルケニル」という用語は、非置換アルケニル、又は1つ又は複数
の炭化水素骨格の炭素原子上の1つ又は複数の水素原子に置き換わる所定の置換基を有す
るアルケニルをいう。こうした置換基として、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニ
ル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、
アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、ア
ルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ア
ルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アル
コキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジ
アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む
)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイ
ル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリール
チオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スル
ファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヘテロシクリル、
アルキルアリール又は芳香族部分若しくは芳香族複素環部分を挙げることができる。
【0220】
「アルキニル」は、上述のアルキルと長さが類似し、上述のアルキルへの置換が可能で
あるが、少なくとも1つの三重結合を含む不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルキニル
」は、直鎖アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキ
シニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル)、及び分岐アルキニル基を含む
。ある種の実施形態では、直鎖又は分岐アルキニル基はその骨格に6個以下の炭素原子(
例えば、直鎖に対してC~C、分岐鎖に対してC~C)を有する。「C~C
」という用語は、2~6個の炭素原子を含むアルキニル基を含む。「C~C」という
用語は、3~6個の炭素原子を含むアルキニル基を含む。
【0221】
「任意に置換されたアルキニル」という用語は、非置換アルキニル、又は1つ又は複数
の炭化水素骨格の炭素原子上の1つ又は複数の水素原子に置き換わる所定の置換基を有す
るアルキニルをいう。こうした置換基として、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニ
ル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、
アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、ア
ルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ア
ルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アル
コキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジ
アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む
)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイ
ル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリール
チオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スル
ファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシ
クリル、アルキルアリール又は芳香族部分若しくは芳香族複素環部分を挙げることができ
る。
【0222】
他の任意に置換された部分(例えば任意に置換されたシクロアルキル、ヘテロシクロア
ルキル、アリール又はヘテロアリール)は、非置換部分、及び1つ又は複数の所定の置換
基を有する部分の両方を含む。例えば、置換されたヘテロシクロアルキルとして、1つ又
は複数のアルキル基で置換されているもの、例えば、2,2,6,6-テトラメチル-ピ
ペリジニル及び2,2,6,6-テトラメチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジニ
ルが挙げられる。
【0223】
「アリール」は、少なくとも1つの芳香環を有するが、環構造に任意のヘテロ原子を有
さない「結合された」環系、又は多環系を含む、芳香族性を有する基を含む。例として、
フェニル、ベンジル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニルなどが挙げられる。
【0224】
「ヘテロアリール」基は、環構造に1~4個のヘテロ原子を有すること以外は上記で定
義したようなアリール基であり、「複素環アリール」又は「複素芳香族化合物」というこ
ともある。本明細書で使用する場合、「ヘテロアリール」という用語は、炭素原子と、窒
素、酸素及び硫黄からなる群から独立に選択される1つ又は複数のヘテロ原子、例えば1
個若しくは1~2個若しくは1~3個若しくは1~4個若しくは1~5個若しくは1~6
個のヘテロ原子、又は、例えば1個、2個、3個、4個、5個若しくは6個のヘテロ原子
とからなる安定な5員、6員若しくは7員単環式又は7員、8員、9員、10員、11員
若しくは12員二環式芳香族複素環式環を含むことを意図している。窒素原子は置換され
ていても、或いは置換されていなくてもよい(すなわち、N、或いは、RがH又は定義さ
れた他の置換基であるNR)。窒素ヘテロ原子及び硫黄ヘテロ原子は、任意に酸化されて
いてもよい(すなわち、N→O及びS(O)、式中、p=1又は2)。芳香族複素環の
S原子及びO原子の総数は、1以下である点に留意されたい。
【0225】
ヘテロアリール基の例として、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチア
ゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソ
オキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン及び同種のものが挙げられ
る。
【0226】
さらに、「アリール」及び「ヘテロアリール」という用語は、多環式、例えば、三環式
、二環式アリール基及びヘテロアリール基、例えば、ナフタレン、ベンゾオキサゾール、
ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メ
チレンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、ナフトリジン、インドール、ベンゾ
フラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリン、インドリジンを含む。
【0227】
多環式芳香環の場合、すべての環が芳香族(例えば、キノリン)であってもよいが、環
の1つのみが芳香族(例えば、2,3-ジヒドロインドール)であってもよい。また第2
の環は縮合していても、或いは架橋していてもよい。
【0228】
シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール環は、1つ又は
複数の環位置(例えば、環形成炭素又はNなどのヘテロ原子)において上記のような置換
基、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ
、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ
、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキル
アミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキ
ルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、ア
ルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホス
ホネート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミ
ノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカ
ルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミ
ジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、
スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、
ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール又は
芳香族部分若しくは芳香族複素環部分で置換されていてもよい。アリール及びヘテロアリ
ール基はさらに、多環式系(例えば、テトラリン、メチレンジオキシフェニル)を形成す
るように、芳香族でない脂環式環又は複素環式環と縮合していても、或いは架橋していて
もよい。
【0229】
本明細書で使用する場合、「炭素環(carbocycle)」又は「炭素環(car
bocyclic ring)」は、そのいずれもが飽和でも、不飽和でも、或いは芳香
族でもよい、特定の数の炭素を有する任意の安定な単環式、二環式又は三環式環を含むこ
とを意図している。炭素環は、シクロアルキル及びアリールを含む。例えば、C~C
炭素環は、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、1
3個又は14個の炭素原子を有する単環式、二環式又は三環式環を含むことを意図してい
る。炭素環の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチ
ル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘ
プテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、
フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル及びテトラヒドロナフチ
ルがあるが、これに限定されるものではない。炭素環の定義には、架橋環も含まれ、例え
ば、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]
ビシクロデカン及び[2.2.2]ビシクロオクタンがある。架橋環は、1個又は複数個
の炭素原子が2個の隣接しない炭素原子を連結すると生じる。いくつかの実施形態では、
架橋環は、1個又は2個の炭素原子である。架橋は常に単環式環を三環式環に変換する点
に注意されたい。環が架橋されると、当該環について記載された置換基も架橋上に存在し
てもよい。さらに縮合環(例えば、ナフチル、テトラヒドロナフチル)及びスピロ環も含
まれる。
【0230】
本明細書で使用する場合、「複素環」又は「複素環基」には、少なくとも1つの環ヘテ
ロ原子(例えば、N、O又はS)を含む任意の環状構造(飽和、不飽和又は芳香族)が含
まれる。複素環にはヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールが含まれる。複素環の例と
して、モルホリン、ピロリジン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、ピペラジン、オ
キセタン、ピラン、テトラヒドロピラン、アゼチジン及びテトラヒドロフランが挙げられ
るが、これに限定されるものではない。
【0231】
複素環式基の例として、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラ
ニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾ
リニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンゾイソオキ
サゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH-カル
バゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニ
ル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロ
フラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1
H-インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H-
インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、
イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリ
ル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノ
リニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾ
リル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-オ
キサジアゾール5(4H)-オン、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシンドリル、
ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジ
ニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニ
ル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル
、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキ
サゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニ
ル、ピロリジニル、ピロリニル、2H-ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル
、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テト
ラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H-1,2,5-
チアジアジニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,
5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエ
ニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、ト
リアジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,5-トリ
アゾリル、1,3,4-トリアゾリル及びキサンテニルがあるが、これに限定されるもの
ではない。
【0232】
「置換された」という用語は、本明細書で使用する場合、指定された原子上の任意の1
つ又は複数の水素原子が、表記された基から選択された基で置き換えられていることを意
味する。ただし、指定された原子の通常の原子価を超えず、且つ置換の結果、安定な化合
物が得られるものとする。置換基がオキソ又はケト(すなわち、=O)である場合、原子
上の2個の水素原子が置き換えられる。ケト置換基は芳香族部分には存在しない。環二重
結合は、本明細書で使用する場合、隣接する2つの環原子間に形成される二重結合(例え
ば、C=C、C=N又はN=N)である。「安定な化合物」及び「安定な構造」とは、あ
る化合物が、反応混合物から有用な程度の純度に単離されること、及び有効な治療薬とし
て製剤化することに耐えるのに十分に強いことを示すことを意図する。
【0233】
置換基との結合が、環内の2つの原子を連結する結合を横切るように示される場合、そ
うした置換基は、環内のどの原子に結合してもよい。ある置換基について、そうした置換
基が所定の式の化合物の残部に結合している原子を示さずに記載される場合、そうした置
換基は当該式のどの原子を介して結合してもよい。置換基及び/又は可変基の組み合わせ
も許容されるが、そうした組み合わせの結果、安定な化合物が得られる場合に限られる。
【0234】
任意の可変基(例えば、R)が、ある化合物の任意の構成要素又は式に2回以上存在
する場合、その各存在時の定義は、その他のすべての存在時の定義と無関係である。した
がって、例えば、ある基が0~2のR部分で置換されているように示される場合、その
基は、最大2つのR部分で任意に置換されていてもよく、各存在時のRは、Rの定
義から独立に選択される。さらに、置換基及び/又は可変基の組み合わせも許容されるが
、そうした組み合わせの結果、安定な化合物が得られる場合に限られる。
【0235】
「ヒドロキシ」又は「ヒドロキシル」という用語は、-OH又は-Oを有する基を含
む。
【0236】
本明細書で使用する場合、「ハロ」又は「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及
びヨードをいう。「過ハロゲン化」という用語は一般に、ある部分においてすべての水素
原子がハロゲン原子で置き換えられていることをいう。「ハロアルキル」又は「ハロアル
コキシル」という用語は、1つ又は複数のハロゲン原子で置換されたアルキル又はアルコ
キシルをいう。
【0237】
「カルボニル」という用語は、酸素原子に二重結合で連結された炭素を含む化合物及び
部分を含む。カルボニルを含む部分の例として、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミ
ド、エステル、無水物などがあるが、これに限定されるものではない。
【0238】
「カルボキシル」という用語は、-COOH又はそのC~Cアルキルエステルをい
う。
【0239】
「アシル」は、アシルラジカル(R-C(O)-)又はカルボニル基を含む部分を含む
。「置換アシル」は、1つ又は複数の水素原子が、例えば、アルキル基、アルキニル基、
ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アル
コキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキ
ルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキ
ルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキ
シル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、アミノ(アルキルアミノ、ジアル
キルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、
アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及
びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ
、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファ
モイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリ
ル、アルキルアリール又は芳香族部分若しくは芳香族複素環部分で置き換えられているア
シル基を含む。
【0240】
「アロイル」は、カルボニル基に結合したアリール又は芳香族複素環部分を有する部分
を含む。アロイル基の例として、フェニルカルボキシ、ナフチルカルボキシなどが挙げら
れる。
【0241】
「アルコキシアルキル」、「アルキルアミノアルキル」及び「チオアルコキシアルキル
」は、1つ又は複数の炭化水素骨格の炭素原子が酸素原子、窒素原子又は硫黄原子で置き
換えられている上記のようなアルキル基を含む。
【0242】
「アルコキシ」又は「アルコキシル」という用語は、酸素原子に共有結合した置換及び
非置換アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基を含む。アルコキシ基又はアルコキシ
ルラジカルの例として、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、プロポキシ基
、ブトキシ基及びペントキシ基があるが、これに限定されるものではない。置換アルコキ
シ基の例として、ハロゲン化アルコキシ基が挙げられる。アルコキシ基は、アルケニル、
アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニル
オキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレ
ート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボ
ニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニ
ル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィナート、アミノ(アルキルア
ミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミ
ノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カ
ルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、
アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナ
ト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、
ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族部分又は芳香族複素環部分などの基で置
換されていてもよい。ハロゲン置換アルコキシ基の例として、フルオロメトキシ、ジフル
オロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ及びトリクロ
ロメトキシがあるが、これに限定されるものではない。
【0243】
「エーテル」又は「アルコキシ」という用語は、2個の炭素原子又はヘテロ原子に結合
した酸素を含む化合物又は部分を含む。例えば、この用語は、アルキル基に共有結合して
いる酸素原子に共有結合したアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基をいう「アルコ
キシアルキル」を含む。
【0244】
「エステル」という用語は、カルボニル基の炭素に結合している酸素原子に結合した炭
素又はヘテロ原子を含む化合物又は部分を含む。「エステル」という用語は、アルコキシ
カルボキシ基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル
、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニルなどを含む。
【0245】
「チオアルキル」という用語は、硫黄原子と連結したアルキル基を含む化合物又は部分
を含む。チオアルキル基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ
ル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキ
シ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、カルボキシ酸、アルキルカル
ボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミ
ノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、
アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びア
ルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカ
ルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリ
ル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスル
フィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル
、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族部分若しくは芳香族
複素環部分などの基で置換されていてもよい。
【0246】
「チオカルボニル」又は「チオカルボキシ」という用語は、硫黄原子に二重結合で連結
された炭素を含む化合物及び部分を含む。
【0247】
「チオエーテル」という用語は、2個の炭素原子又はヘテロ原子に結合した硫黄原子を
含む部分を含む。チオエーテルの例として、アルクチオアルキル、アルクチオアルケニル
及びアルクチオアルキニルがあるが、これに限定されるものではない。「アルクチオアル
キル」という用語は、アルキル基に結合している硫黄原子に結合したアルキル基、アルケ
ニル基又はアルキニル基を有する部分を含む。同様に、「アルクチオアルケニル」という
用語は、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基が、アルケニル基に共有結合してい
る硫黄原子に結合している部分をいう。アルクチオアルキニル」は、アルキル基、アルケ
ニル基又はアルキニル基が、アルキニル基に共有結合している硫黄原子に結合している部
分をいう。
【0248】
本明細書で使用する場合、「アミン」又は「アミノ」は、非置換又は置換NHをいう
。「アルキルアミノ」は、-NHの窒素が少なくとも1つのアルキル基に結合している
化合物の基を含む。アルキルアミノ基の例として、ベンジルアミノ、メチルアミノ、エチ
ルアミノ、フェネチルアミノなどが挙げられる。「ジアルキルアミノ」は、-NHの窒
素が少なくとも2つの別のアルキル基に結合している基を含む。ジアルキルアミノ基の例
として、ジメチルアミノ及びジエチルアミノがあるが、これに限定されるものではない。
「アリールアミノ」及び「ジアリールアミノ」はそれぞれ、窒素が少なくとも1つ又は2
つのアリール基に結合している基を含む。「アミノアリール」及び「アミノアリールオキ
シ」は、アミノで置換されたアリール及びアリールオキシをいう。「アルキルアリールア
ミノ」、「アルキルアミノアリール」又は「アリールアミノアルキル」は、少なくとも1
つのアルキル基及び少なくとも1つのアリール基に結合しているアミノ基をいう。「アル
カミノアルキル」は、アルキル基にも結合している窒素原子に結合したアルキル基、アル
ケニル基又はアルキニル基をいう。「アシルアミノ」は、窒素がアシル基に結合している
基を含む。アシルアミノの例として、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニル
アミノ基、カルバモイル基及びウレイド基があるが、これに限定されるものではない。
【0249】
「アミド」又は「アミノカルボキシ」という用語は、カルボニル基又はチオカルボニル
基の炭素に結合している窒素原子を含む化合物又は部分を含む。この用語は、カルボニル
基又はチオカルボニル基の炭素に結合しているアミノ基に結合したアルキル基、アルケニ
ル基又はアルキニル基を含む「アルカミノカルボキシ」基を含む。この用語はさらに、カ
ルボニル基又はチオカルボニル基の炭素に結合しているアミノ基に結合したアリール部分
又はヘテロアリール部分を含む「アリールアミノカルボキシ」基を含む。「アルキルアミ
ノカルボキシ」、「アルケニルアミノカルボキシ」、「アルキニルアミノカルボキシ」及
び「アリールアミノカルボキシ」という用語はそれぞれ、アルキル部分、アルケニル部分
、アルキニル部分及びアリール部分が窒素原子に結合し、その窒素原子がカルボニル基の
炭素に結合している部分を含む。アミドは、直鎖アルキル、分岐アルキル、シクロアルキ
ル、アリール、ヘテロアリール又は複素環などの置換基で置換されていてもよい。アミド
基上の置換基はさらに置換されていてもよい。
【0250】
窒素を含む本開示の化合物は、他の本発明の化合物を得るため、酸化剤(例えば、3-
クロロペルオキシ安息香酸(mCPBA)及び/又は過酸化水素)を用いた処理によりN
-オキシドに変換してもよい。したがって、図示し特許請求の範囲に記載されているすべ
ての窒素含有化合物は、原子価及び構造が許容される場合、図示した化合物及びそのN-
オキシド誘導体(N→O又はN-Oと表記することがある)の両方を含むものと見な
される。さらに、他の例では、本開示の化合物中の窒素は、N-ヒドロキシ化合物又はN
-アルコキシ化合物に変換してもよい。例えば、N-ヒドロキシ化合物は、酸化剤、例え
ばm-CPBAによる親アミンの酸化により調製することができる。図示し特許請求の範
囲に記載されているすべての窒素含有化合物はさらに、原子価及び構造が許容される場合
、図示した化合物とそのN-ヒドロキシ(すなわち、N-OH)誘導体及びN-アルコキ
シ(すなわち、N-OR(式中、Rは置換若しくは非置換C~Cアルキル、C~C
アルケニル、C~Cアルキニル、3~14員炭素環又は3~14員複素環である)
)誘導体との両方を包含する。
【0251】
「異性」は、化合物が同一の分子式を有するものの、その原子の結合順序又はその原子
の空間配置が異なることを意味する。原子の空間配置が異なる異性体は「立体異性体」と
呼ばれる。互いに鏡像でない立体異性体は「ジアステレオ異性体」と呼ばれ、互いに重ね
合わせることができない鏡像である立体異性体は「エナンチオマー」と呼ばれ、光学異性
体と呼ばれることもある。逆のキラリティーの各エナンチオマー型を等量含む混合物は「
ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0252】
同一でない4つの置換基に結合した炭素原子は「キラル中心」と呼ばれる。
【0253】
「キラル異性体」は、少なくとも1つのキラル中心を有する化合物を意味する。2つ以
上のキラル中心を有する化合物は、個々のジアステレオマーとして存在しても、或いは「
ジアステレオマー混合物」と呼ばれるジアステレオマーの混合物として存在してもよい。
1つのキラル中心が存在する場合、立体異性体は、そのキラル中心の絶対配置(R又はS
)により特徴付けてもよい。絶対配置とは、キラル中心に結合した置換基の空間配置をい
う。検討対象のキラル中心に結合した置換基は、Sequence Rule of C
ahn,Ingold and Prelogに従いランク付けされる。(Cahn e
t al.,Angew.Chem.Inter.Edit.1966,5,385;e
rrata 511;Cahn et al.,Angew.Chem.1966,78
,413;Cahn and Ingold,J.Chem.Soc.1951(Lon
don),612;Cahn et al.,Experientia 1956,12
,81;Cahn,J.Chem.Educ.1964,41,116)。
【0254】
「幾何異性体」は、存在する原因が二重結合又はシクロアルキルリンカー(例えば、1
,3-シルコブチル)の周りの回転障壁であるジアステレオマーを意味する。これら配置
は、接頭辞シス及びトランス、又はカーン-インゴルド-プレローグ順位則に従い各基が
分子の二重結合に関して同じ側又は反対側にあることを示すZ及びEにより、その名称に
より区別される。
【0255】
本開示の化合物は、異なるキラル異性体又は幾何異性体として図示し得ることが理解さ
れよう。さらに、化合物がキラル異性体型又は幾何異性体型を有する場合、すべての異性
体型が本開示の範囲に含まれることを意図しており、化合物の名称は任意の異性体型を除
外するものではないことも理解されるべきである。
【0256】
さらに、こうした構造及び本発明で考察された他の化合物は、そのすべてのアトロピッ
ク(atropic)異性体を含む。「アトロピック(atropic)異性体」は、2
つの異性体の原子が空間で異なって配置されている立体異性体の1種である。アトロピッ
ク(atropic)異性体が存在する原因は、中心結合の周りの大きな基の回転障壁に
より引き起こされる回転の束縛である。こうしたアトロピック(atropic)異性体
は典型的には混合物として存在するが、クロマトグラフィー技術の最近の進歩の結果、特
定の場合、2つのアトロピック(atropic)異性体の混合物を分離することが可能
になっている。
【0257】
「互変異性体」は、2つ以上の構造異性体が平衡状態で存在し、ある異性体型から別の
異性体型に容易に変換される、それらの構造異性体の1つである。この変換の結果、水素
原子が、隣接する共役二重結合の変化を伴って形式的に移動する。互変異性体は、溶液中
で互変異性体のセットの混合物として存在する。互変異性が可能である溶液においては、
互変異性体の化学平衡に達する。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒及びpHを含む
いくつかの要因によって異なる。互変異性化により相互変換可能な互変異性体の概念は、
互変異性と呼ばれる。
【0258】
考えられる様々なタイプの互変異性のうち、2つが一般に観察される。ケト-エノール
互変異性では、電子及び水素原子の同時移動が起こる。環鎖互変異性は、糖鎖分子のアル
デヒド基(-CHO)が同じ分子のヒドロキシ基(-OH)の1つと反応して、分子にグ
ルコースに見られるような環式(環状)形態が生じた結果として起こる。
【0259】
一般的な互変異性のペアとして、ケトン-エノール、アミド-ニトリル、ラクタム-ラ
クチム、複素環における(例えば、グアニン、チミン及びシトシンなどの核酸塩基におけ
る)アミド-イミド酸互変異性、イミン-エナミン及びエナミン-エナミンがある。ケト
-エノール平衡の例は、以下に示すように、ピリジン-2(1H)-オンと対応するピリ
ジン-2-オールとの間の平衡である。
【化24】
【0260】
本開示の化合物は異なる互変異性体として図示され得ることが理解されよう。さらに、
化合物が互変異性型を有する場合、すべての互変異性型が本開示の範囲に含まれることを
意図しており、化合物の名称は任意の互変異性体型を除外するものではないことも理解さ
れるべきである。
【0261】
本明細書に開示している式(I)~(VIa)の化合物には、化合物それ自体と、該当
する場合、その塩及びその溶媒和物も含まれる。塩は、例えば、アニオンと、アリール置
換又はヘテロアリール置換されたベンゼン化合物上の正に荷電した基(例えば、アミノ)
との間で形成させることができる。好適なアニオンとして、塩化物イオン、臭化物イオン
、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、重硫酸イオン、スルファミン酸イオン、硝酸イオン、リ
ン酸イオン、クエン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、グル
タミン酸イオン、グルクロン酸イオン、グルタル酸イオン、リンゴ酸イオン、マレイン酸
イオン、コハク酸イオン、フマル酸イオン、酒石酸イオン、トシル酸イオン、サリチル酸
イオン、乳酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン及び酢酸イオン(例えば、トリフルオ
ロ酢酸イオン)が挙げられる。「薬学的に許容されるアニオン」という用語は、薬学的に
許容される塩を形成するのに好適なアニオンをいう。同様に、塩はまた、カチオンと、ア
リール置換又はヘテロアリール置換されたベンゼン化合物上の負に荷電した基(例えば、
カルボン酸イオン)との間で形成させることもできる。好適なカチオンとして、ナトリウ
ムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、及びテトラメチル
アンモニウムイオンなどのアンモニウムカチオンが挙げられる。アリール置換又はヘテロ
アリール置換されたベンゼン化合物として、第四級窒素原子を含むその塩も含まれる。塩
形態において、化合物対塩のカチオン又はアニオンの比は、1:1でもよく、1:1以外
の任意の割当量、例えば、3:1、2:1、1:2又は1:3でもよいことが理解されよ
う。
【0262】
加えて、本開示の化合物、例えば、化合物の塩は、水和若しくは非水和(無水)形態で
存在しても、或いは他の溶媒分子との溶媒和物として存在してもよい。水和物の非限定的
な例として、一水和物、二水和物などが挙げられる。溶媒和物の非限定的な例として、エ
タノール溶媒和物、アセトン溶媒和物などが挙げられる。
【0263】
「溶媒和物」は、化学量論量或いは非化学量論量の溶媒を含む溶媒付加形態を意味する
。一部の化合物は、結晶性固体状態で一定のモル比の溶媒分子を捕捉する傾向があり、し
たがって溶媒和物を形成する。溶媒が水の場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶
媒がアルコールの場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は1つの物質
分子と1つ又は複数の水分子の組み合わせにより形成され、水はその分子状態をHOと
して維持する。
【0264】
本明細書で使用する場合、「アナログ」という用語は、別の化学化合物と構造的に類似
しているが、組成がやや異なる(異なる元素の原子による1つの原子の置き換え、又は特
定の官能基の存在、又は別の官能基による1つの官能基の置き換えのように)化学化合物
をいう。したがって、アナログは、参照化合物と機能及び外観が類似又は同様であるが、
構造又は起源が類似又は同様でない化合物である。
【0265】
本明細書で定義した、「誘導体」という用語は、共通のコア構造を有するが、本明細書
に記載するような様々な基で置換されている化合物をいう。例えば、式(I)で表される
化合物はすべて、アリール又はヘテロアリール置換ベンゼン化合物であり、共通のコアと
して式(I)を有する。
【0266】
「生物学的等価体」という用語は、ある原子又は原子団と、別の概ね類似した原子又は
原子団との交換により生じる化合物をいう。生物学的等価性置換の目的は、親化合物に類
似した生物学的特性を有する新しい化合物を作ることにある。生物学的等価性置換は、物
理化学をベースにしても、或いは位相幾何学をベースにしてもよい。カルボン酸の生物学
的等価体の例として、アシルスルホンイミド、テトラゾール、スルホネート及びホスホネ
ートがあるが、これに限定されるものではない。例えば、Patani and LaV
oie,Chem.Rev.96,3147-3176,1996を参照されたい。
【0267】
本開示は、本化合物に生じる原子の同位体をすべて含むことを意図している。同位体は
、同じ原子番号を有するが、異なる質量数を有する原子を含む。一般的な例として、限定
するものではないが、水素の同位体としてトリチウム及びジュウテリウムがあり、炭素の
同位体としてC-13及びC-14がある。
【0268】
本開示の式(I)~(VIa)の任意の化合物は、本明細書に記載の通り、EZH2阻
害剤とすることができる。
【0269】
本発明のある種の態様では、EZH2の阻害剤は、それが野生型EZH2のヒストンメ
チルトランスフェラーゼ活性を阻害するよりも有効に変異型EZH2のヒストンメチルト
ランスフェラーゼ活性を阻害するとき、変異型EZH2のヒストンメチルトランスフェラ
ーゼ活性を「選択的に阻害する」。例えば、いくつかの実施形態では、選択的阻害剤は、
変異型EZH2に対するIC50が、野生型EZH2に対するIC50より少なくとも4
0パーセント低い。いくつかの実施形態では、選択的阻害剤は、変異型EZH2に対する
IC50が野生型EZH2に対するIC50より少なくとも50パーセント低い。いくつ
かの実施形態では、選択的阻害剤は、変異型EZH2に対するIC50が野生型EZH2
に対するIC50より少なくとも60パーセント低い。いくつかの実施形態では、選択的
阻害剤は、変異型EZH2に対するIC50が野生型EZH2に対するIC50より少な
くとも70パーセント低い。いくつかの実施形態では、選択的阻害剤は、変異型EZH2
に対するIC50が野生型EZH2に対するIC50より少なくとも80パーセント低い
。いくつかの実施形態では、選択的阻害剤は、変異型EZH2に対するIC50が野生型
EZH2に対するIC50より少なくとも90パーセント低い。
【0270】
いくつかの実施形態では、変異型EZH2の選択的阻害剤は、野生型EZH2に対して
阻害効果を実質的に発揮しない。
【0271】
本発明のある種の態様では、阻害剤(例えば、本明細書で開示される化合物)は、H3
-K27me2からH3-K27me3への変換を阻害する。いくつかの実施形態では、
阻害剤はH3-K27のトリメチル化を阻害すると言われる。H3-K27me1からH
3-K27me2への変換はH3-K27me2からH3-K27me3への変換に先行
するため、H3-K27me1からH3-K27me2への変換の阻害剤は当然H3-K
27me2からH3-K27me3への変換も阻害する。すなわちそれは、H3-K27
のトリメチル化を阻害する。H3-K27me1からH3-K27me2への変換を阻害
せずにH3-K27me2からH3-K27me3への変換を阻害することも可能である
。このタイプの阻害もまた、H3-K27のジメチル化の阻害はしないにしても、H3-
K27のトリメチル化を阻害することになる。
【0272】
いくつかの実施形態では、阻害剤(例えば、本明細書で開示される化合物)は、H3-
K27me1からH3-K27me2への変換及びH3-K27me2からH3-K27
me3ヘの変換を阻害する。こうした阻害剤は、H3-K27me1からH3-K27m
e2への変換のみを直接阻害するものであってもよい。或いは、こうした阻害剤は、H3
-K27me1からH3-K27me2への変換及びH3-K27me2からH3-K2
7me3ヘの変換の両方を直接阻害するものであってもよい。
【0273】
本発明のある種の態様では、EZH2阻害剤(例えば、本明細書で開示される化合物)
は、ヒストンメチルトランスフェラーゼ活性を阻害する。ヒストンメチルトランスフェラ
ーゼ活性の阻害は、任意の好適な方法を用いて検出することができる。阻害は、例えば、
ヒストンメチルトランスフェラーゼ活性の速度によって、又はヒストンメチルトランスフ
ェラーゼ活性の産物として、測定することができる。
【0274】
阻害は、好適な対照と比較して測定可能な阻害である。いくつかの実施形態では、阻害
は好適な対照と比較して少なくとも10パーセントの阻害である。すなわち、阻害剤を用
いた場合の酵素活性の速度又は産物の量が、阻害剤を用いない場合に作られる、対応する
速度又は量の90パーセント以下である。種々の他の実施形態では、阻害は好適な対照と
比較して少なくとも20、25、30、40、50、60、70、75、80、90又は
95パーセントの阻害である。いくつかの実施形態では、阻害は好適な対照と比較して少
なくとも99パーセントの阻害である。すなわち、阻害剤を用いた場合の酵素活性の速度
又は産物の量が、阻害剤を用いない場合に作られる、対応する速度又は量の1パーセント
以下である。
【0275】
本開示の組成物は、式(I)~(VIa)の化合物又はその薬学的に許容される塩と、
1つ又は複数の他の治療剤又はその薬学的に許容される塩とを含み得る。本開示は、式(
I)~(VIa)の化合物又はその薬学的に許容される塩と、1つ又は複数の治療剤又は
その薬学的に許容される塩との、合剤又は別個の製剤としての投与を提供し、製剤の投与
は同時、逐次又は交互である。ある種の実施形態では、他の治療剤は、本開示の組成物で
処置される疾患又は状態を処置するのに有用であると当技術分野において認識されている
薬剤とすることができる。いくつかの実施形態では、他の治療剤は、本開示の組成物で処
置される疾患又は状態を処置するのに有用であると当技術分野において認識されていない
薬剤とすることができる。いくつかの態様では、他の治療剤は、本開示の組成物に有益な
特性を付与する薬剤(例えば、組成物の粘度に影響を及ぼす薬剤)とすることができる。
本開示の組成物の有益な特性として、式(I)~(VIa)の化合物と1つ又は複数の他
の治療剤との併用から生じる薬物動態学的又は薬力学的な協同作用が含まれるが、これに
限定されるものではない。
【0276】
以下に示す治療剤は、例示を目的とするものであり、限定を意図するものではない。本
開示は、以下のリストから選択される少なくとも1つの他の治療剤を含む。本開示は、本
開示の組成物がその目的とする機能を発揮することができるように、2つ以上の他の治療
剤、例えば、2つ、3つ、4つ又は5つの他の治療剤を含むことができる。
【0277】
いくつかの実施形態では、他の治療薬は抗癌剤である。いくつかの実施形態では、抗癌
剤は、HDAC阻害剤(ゾリンザ(登録商標)又はファリーダック(Farydak)(
登録商標)など)などのヒストン修飾に影響を及ぼす化合物である。特定の実施形態では
、抗癌剤は、化学療法剤(2CdA、5-FU、6-メルカプトプリン、6-TG、アブ
ラキサン(商標)、アキュテイン(登録商標)、アクチノマイシンD、アドリアマイシン
(登録商標)、アリムタ(登録商標)、アルケラン(登録商標)、全トランス型レチノイ
ン酸、アメトプテリン、Ara-C、アザシタジン(Azacitadine)、BCN
U、ブレノキサン(登録商標)、カンプトサール(Camptosar)(登録商標)、
CeeNU(登録商標)、クロファラビン、クロラール(商標)、シトキサン(登録商標
)、塩酸ダウノルビシン、ダウノキソーム(DaunoXome)(登録商標)、ダコゲ
ン(Dacogen)(登録商標)、DIC、ドキシル(登録商標)、エレンス(Ell
ence)(登録商標)、エロキサチン(登録商標)、エムシト(Emcyt)(登録商
標)、リン酸エトポシド、エトポフォス(Etopophos)(登録商標)、フルダラ
(登録商標)、FUDR(登録商標)、ジェムザール(登録商標)、グリーベック(登録
商標)、ヘキサメチルメラミン、ハイカムチン(登録商標)、ハイドレア(登録商標)、
イダマイシン(登録商標)、アイフェックス(Ifex)(登録商標)、イムブルビカ(
登録商標)、イキサベピロン、イグゼンプラ(登録商標)、L-アスパラギナーゼ、ロイ
ケラン(登録商標)、リポソームAra-C、L-PAM、リソドレン(Lysodre
n)(登録商標)、マフォスファミド、マーキボ(Marqibo)(登録商標)、マチ
ュレーン(Matulane)(登録商標)、ミスラシン(mithracin)、マイ
トマイシンC、ミレラン(登録商標)、ナベルビン(登録商標)、ノイトレキシン(Ne
utrexin)(登録商標)、ニロチニブ、ニペント(Nipent)(登録商標)、
ナイトロジェンマスタード、ノバントロン(登録商標)、オンカスパー(Oncaspa
r)(登録商標)、パンレチン(登録商標)、パラプラチン(登録商標)、プラチノール
(登録商標)、カルムスチンインプラント含有プロリフェプロスパン(prolifep
rospan)20、サンドスタチン(登録商標)、タルグレチン(Targretin
)(登録商標)、タシグナ(登録商標)、タキソテール(登録商標)、テモダール(登録
商標)、TESPA、トポサール(Toposar)(登録商標)、トレアンダ(Tor
eanda)(登録商標)、トリセノックス(登録商標)、バルスター(Valstar
)(登録商標)、ベルバン(Velban)(登録商標)、ビダーザ(商標)、硫酸ビン
クリスチン、VM26、ゼローダ(登録商標)及びザノサー(登録商標)など);生物製
剤(アルファインターフェロン、無菌化ウシ型結核菌、ベキサール(登録商標)、キャン
パス(登録商標)、エルガミソール(Ergamisol)(登録商標)、エルロチニブ
、ハーセプチン(登録商標)、インターロイキン2、イレッサ(登録商標)、レナリドミ
ド、マイロターグ(登録商標)、オンタック(Ontak)(登録商標)、ペガシス(登
録商標)、レブリミド(登録商標)、リツキサン(登録商標)、タルセバ(商標)、サロ
ミド(登録商標)、タイケルブ(登録商標)ベルケイド(登録商標)及びゼバリン(商標
)など);コルチコステロイド(リン酸デキサメタゾンナトリウム、デルタゾン(Del
taSone)(登録商標)、及びデルタ-コルテフ(Delta-Cortef)(登
録商標)など);グルココルチコイド受容体アゴニスト(ベイカードロン(Baycad
ron)(登録商標)、マキシデックス(登録商標)、オザーデックス(Ozurdex
)(登録商標)、エコノプレド(Econopred)(登録商標)、オムニプレド(O
mnipred)(登録商標)、又はミリプレド(Millipred)(登録商標)な
ど);ホルモン療法(アリミデックス(登録商標)、アロマシン(登録商標)、カソデッ
クス(登録商標)、シタドレン(登録商標)、エリガード(登録商標)、ユーレキシン(
Eulexin)(登録商標)、エビスタ(登録商標)、フェソロデックス(登録商標)
、フェマーラ(登録商標)、ハロテスチン(登録商標)、メガス(Megace)(登録
商標)、ニランドロン(Nilandron)(登録商標)、ノルバデックス(登録商標
)、プレナキシス(Plenaxis)(商標)及びゾラデックス(登録商標)など);
並びに放射性医薬品(ヨードトープ(Iodotope)(登録商標)、メタストロン(
登録商標)、ホスホコル(Phosphocol)(登録商標)及びサマリウムSM-1
53など);免疫調節薬(ポマリスト(登録商標)、レブリミド(登録商標)、及びサリ
ドマイド(登録商標)など);プロテアソーム阻害剤(カイプロリス(Kyprolis
)(登録商標)、ニンラーロ(Ninlaro)(登録商標)、及びベルケイド(登録商
標)など);bcl-2阻害薬(ベンクレクスタ(Venclexta)(登録商標)な
ど)からなる群から選択される。
【0278】
例示的なグルココルチコイド受容体アゴニストとしては、デキサメタゾン(ベイカード
ロン(登録商標)、マキシデックス(Maxidex)(登録商標)、オザーデックス(
登録商標))、メチルプレドニゾロン(デポ・メドロール(登録商標)、ソル・メドロー
ル(登録商標))、又はプレドニゾロン(エコノプレド(登録商標)、オムニプレド(登
録商標)、ミリプレド(Millipred)(登録商標))が挙げられるが、これらに
限定されない。
【0279】
例示的な免疫調節薬としては、レナリドミド(レブリミド(登録商標))、ポマリドミ
ド(ポマリスト(登録商標))、及びサリドマイド(サリドマイド(登録商標))が挙げ
られるが、これらに限定されない。
【0280】
例示的なプロテアソーム阻害剤としては、ボルテゾミブ(ベルケイド(登録商標))、
カルフィルゾミブ(カイプロリス(登録商標))、及びイキサゾミブ(ニンラーロ(登録
商標))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0281】
例示的なBcl-2阻害剤としては、ベネトクラックス(ベンクレクスタ(登録商標)
)が挙げられるが、これに限定されない。
【0282】
いくつかの実施形態では、他の治療剤は、アルキル化剤;抗生物質;代謝拮抗剤;解毒
剤;インターフェロン;ポリクローナル又はモノクローナル抗体;EGFR阻害剤;HE
R2阻害剤;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;ホルモン;有糸分裂阻害剤;MTOR阻害
剤;多標的キナーゼ阻害剤;セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;チロシンキナーゼ阻害
剤;VEGF/VEGFR阻害剤;タキサン又はタキサン誘導体、アロマターゼ阻害剤、
アントラサイクリン、微小管標的薬、トポイソメラーゼ毒性薬、分子標的又は酵素(例え
ば、キナーゼ又はタンパク質メチルトランスフェラーゼ)の阻害剤、シチジンアナログ薬
、或いはwww.cancer.org/docroot/cdg/cdg_0.asp
に収載されている任意の化学療法剤、抗新生物剤又は抗増殖剤を含む群から選択される化
学療法剤(抗新生物剤又は抗増殖剤とも呼ばれる)である。
【0283】
例示的なアルキル化剤又はアルキル化様剤としては、以下に限定されるものではないが
、シクロホスファミド(シトキサン(登録商標);ネオサー(Neosar)(登録商標
));クロランブシル(ロイケラン(登録商標));メルファラン(アルケラン(登録商
標));カルムスチン(BiCNU(登録商標));ブスルファン(ブスルフェクス(登
録商標));ロムスチン(CeeNU)(登録商標);ダカルバジン(DTIC-Dom
e(登録商標));オキサリプラチン(エロキサチン(登録商標));カルムスチン(ギ
リアデル(登録商標));イホスファミド(アイフェックス(登録商標));メクロレタ
ミン(ムスタルゲン);ブスルファン(ミレラン);カルボプラチン(パラプラチン(登
録商標));シスプラチン(CDDP(登録商標);プラチノール(登録商標));テモ
ゾロミド(テモダール(登録商標));チオテパ(チオプレックス(Thioplex)
(登録商標));ベンダムスチン(トレアンダ(登録商標));又はストレプトゾシン(
ザノサー(登録商標))が挙げられる。
【0284】
例示的な抗生物質としては、以下に限定されるものではないが、ドキソルビシン(アド
リアマイシン(登録商標));ドキソルビシンリポソーム(ドキシル(登録商標));ミ
トキサントロン(ノバントロン(登録商標));ブレオマイシン(ブレノキサン(登録商
標));ダウノルビシン(セルビジン(登録商標));ダウノルビシンリポソーム(ダウ
ノキソーム(登録商標));ダクチノマイシン(コスメゲン(登録商標));エピルビシ
ン(エレンス(登録商標));イダルビシン(イダマイシン(登録商標));プリカマイ
シン(ミスラシン(Mithracin)(登録商標));マイトマイシン(ムタミシン
(Mutamycin)(登録商標));ペントスタチン(ニペント(登録商標));又
はバルルビシン(バルスター(登録商標))が挙げられる。
【0285】
例示的な代謝拮抗剤としては、以下に限定されるものではないが、フルオロウラシル(
アドルシル(登録商標));カペシタビン(ゼローダ(登録商標));ヒドロキシ尿素(
ハイドレア(登録商標));メルカプトプリン(プリネトール(登録商標));ペメトレ
キセド(アリムタ);フルダラビン(フルダラ(登録商標));ネララビン(アラノン(
Arranon)(登録商標));クラドリビン(クラドリビンノバプラス(Cladr
ibine Novaplus)(登録商標));クロファラビン(クロラール(登録商
標));シタラビン(サイトサール-U(登録商標));デシタビン(ダコゲン);シタ
ラビンリポソーム(DepoCyt(登録商標));ヒドロキシ尿素(ドロキシア(Dr
oxia)(登録商標));プララトレキセート(フォロチン(登録商標));フロクス
ウリジン(FUDR)(登録商標);ゲムシタビン(ジェムザール(登録商標));クラ
ドリビン(ロイスタチン(登録商標));フルダラビン(オフォルタ(Oforta)(
登録商標));メトトレキセート(MTX(登録商標);リウマトレックス(登録商標)
);メトトレキセート(トレキサール(Trexall)(登録商標));チオグアニン
(タブロイド(登録商標));TS-1又はシタラビン(タラビン(Tarabine)
PFS(登録商標))が挙げられる。
【0286】
葉酸型の代謝拮抗剤を含む例示的な代謝拮抗剤としては、ゲムシタビン、メトトレキサ
ート、及びペメトレキセドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0287】
例示的な解毒剤としては、以下に限定されるものではないが、アミホスチン(エチオー
ル(Ethyol)(登録商標))又はメスナ(メスネックス(Mesnex)(登録商
標))が挙げられる。
【0288】
例示的なインターフェロンとしては、以下に限定されるものではないが、インターフェ
ロンアルファ-2b(イントロンA)又はインターフェロンアルファ-2a(ロフェロン
A)が挙げられる。
【0289】
例示的ポリクローナル又はモノクローナル抗体としては、以下に限定されるものではな
いが、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標));オファツムマブ(アーゼラ(登録
商標));ベバシズマブ(アバスチン(登録商標));リツキシマブ(リツキサン);セ
ツキシマブ(アービタックス(登録商標));パニツムマブ(ベクティビックス(登録商
標));トシツモマブ/ヨウ素131トシツモマブ(ベキサール(登録商標));アレム
ツズマブ(キャンパス(登録商標));イブリツモマブ(ゼバリン(登録商標);In-
111(登録商標);Y-90ゼバリン(登録商標));ゲムツズマブ(マイロターグ(
登録商標));エクリズマブ(ソリリス(登録商標))又はデノスマブが挙げられる。
【0290】
例示的なEGFR阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、ゲフィチニブ(
イレッサ);ラパチニブ(タイケルブ(登録商標));セツキシマブ(アービタックス(
登録商標));エルロチニブ(タルセバ(登録商標));パニツムマブ(ベクティビック
ス(登録商標));PKI-166;カネルチニブ(CI-1033);マツズマブ(E
md7200)又はEKB-569が挙げられる。
【0291】
例示的なHER2阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、トラスツズマブ
(ハーセプチン(登録商標));ラパチニブ(タイケルブ(登録商標))又はAC-48
0が挙げられる。
【0292】
ヒストンデアセチラーゼ阻害剤には、ボリノスタット(ゾリンザ(登録商標))及びパ
ノビノスタット(ファリーダック(登録商標))が含まれるが、これらに限定されない。
【0293】
例示的なホルモン剤としては、以下に限定されるものではないが、タモキシフェン(ソ
ルタモックス(Soltamox);ノルバデックス(登録商標));ラロキシフェン(
エビスタ(登録商標));メゲストロール(メガス(登録商標));リュープロリド(リ
ュープロン(登録商標);リュープロンデポー剤(登録商標);エリガード(登録商標)
;ビアドュール(Viadur)(登録商標));フルベストラント(フェソロデックス
(登録商標));レトロゾール(フェマーラ(登録商標));トリプトレリン(トレルス
ターLA(登録商標);トレルスターデポー剤(登録商標));エキセメスタン(アロマ
シン(登録商標));ゴセレリン(ゾラデックス(登録商標));ビカルタミド(カソデ
ックス(登録商標));アナストロゾール(アリミデックス(登録商標));フルオキシ
メステロン(アンドロキシ(Androxy)(登録商標);ハロテスチン(登録商標)
);メドロキシプロゲステロン(プロベラ(登録商標);デポプロベラ(登録商標));
エストラムスチン(エムシト(登録商標));フルタミド(ユーレキシン(登録商標))
;トレミフェン(フェアストン(登録商標));デガレリクス(ファーマゴン(登録商標
));ニルタミド(ニランドロン(Nilandron)(登録商標));アバレリック
ス(プレナキシス(Plenaxis)(登録商標));又はテストラクトン(テスラッ
ク(登録商標))が挙げられる。
【0294】
例示的な有糸分裂阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、パクリタキセル
(タキソール(登録商標);オンキソール(Onxol)(登録商標);アブラキサン(
登録商標));ドセタキセル(タキソテール(登録商標));ビンクリスチン(オンコビ
ン(登録商標);ビンカサールPFS(登録商標));ビンブラスチン(ベルバン(登録
商標));エトポシド(トポサール(Toposar(登録商標));エトポホス(登録
商標);ベペシド(登録商標);テニポシド(ブモン(Vumon)(登録商標));イ
キサベピロン(イグゼンプラ)(登録商標);ノコダゾール;エポチロン;ビノレルビン
(ナベルビン(登録商標));カンプトテシン(CPT);イリノテカン(カンプトサー
ル)(登録商標);トポテカン(ハイカムチン)(登録商標);アムサクリン又はラメラ
リンD(LAM-D)が挙げられる。
【0295】
例示的なMTOR阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、エベロリムス(
アフィニトール(登録商標))又はテニシロリムス(トーリセル(登録商標));ラパミ
ューン、リダホロリムス;又はAP23573が挙げられる。
【0296】
例示的なVEGF/VEGFR阻害剤としては、以下に限定されるものではないが、ベ
バシズマブ(アバスチン(登録商標));ソラフェニブ(ネクサバール(登録商標));
スニチニブ(スーテント(登録商標));ラニビズマブ;ペガプタニブ;又はバンデチニ
ブ(vandetinib)が挙げられる。
【0297】
例示的な微小管標的薬としては、以下に限定されるものではないが、パクリタキセル、
ドセタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、エポチロン及びナベル
ビンが挙げられる。
【0298】
例示的なトポイソメラーゼ毒性薬/トポイソメラーゼ阻害剤としては、以下に限定され
るものではないが、イリノテカン、テニポシド、エトポシド、アドリアマイシン、カンプ
トテシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ミトキサントロン、アムサクリン、エピ
ルビシン及びイダルビシンが挙げられる。
【0299】
例示的なタキサン又はタキサン誘導体としては、以下に限定されるものではないが、パ
クリタキセル及びドセタキソールが挙げられる。
【0300】
例示的で一般的な化学療法剤、抗新生物剤、抗増殖剤としては、アルトレタミン(ヘキ
サレン);イソトレチノイン(アキュテイン;アムネスティーム;クララビス;ソトレッ
ト(Sotret));トレチノイン(ベサノイド(登録商標));アザシチジン(ビダ
ーザ(登録商標));ボルテゾミブ(ベルケイド(登録商標))アスパラギナーゼ(エル
スパール(Elspar)(登録商標));イブルチニブ(インブルビカ(Imbruv
ica)(登録商標));レバミソール(エルガミソール(登録商標));ミトタン(リ
ソドレン(登録商標));プロカルバジン(マチュレーン);ペガスパルガーゼ(オンカ
スパー(登録商標));デニロイキンディフチトクス(オンタック(登録商標));ポル
フィマー(フォトフリン(登録商標));アルデスロイキン(プロロイキン(登録商標)
);レナリドミド(レブリミド(登録商標));ベキサロテン(タルグレチン(登録商標
));サリドマイド(サロミド(登録商標));テニシロリムス(トーリセル(登録商標
));三酸化ヒ素(トリセノックス(登録商標));ベルテポルフィン(ビスダイン(登
録商標));ミモシン(ロイセノール(登録商標));(1M テガフール-0.4M
5-クロロ-2,4-ジヒドロキシピリミジン-1M カリウムオキソネート)、又はロ
バスタチンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0301】
いくつかの態様では、他の治療薬は、化学療法剤又はG-CSF(顆粒球コロニー刺激
因子)などのサイトカインである。
【0302】
さらなる態様では、他の治療薬は、CMF(シクロホスファミド、メトトレキセート、
及び5-フルオロウラシル)、CAF(シクロホスファミド、アドリアマイシン、及び5
-フルオロウラシル)、AC(アドリアマイシン及びシクロホスファミド)、FEC(5
-フルオロウラシル、エピルビシン、及びシクロホスファミド)、ACT若しくはATC
(アドリアマイシン、シクロホスファミド、及びパクリタキセル)、リツキシマブ、ゼロ
ーダ(カペシタビン)、シスプラチン(CDDP)、カルボプラチン、TS-1(1:0
.4:1のモル比のテガフール、ギメスタット、及びオタスタットカリウム)、カンプト
テシン-11(CPT-11、イリノテカン、若しくはカンプトサール(商標))、CH
OP(シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン、オンコビン、及びプレドニゾン
若しくはプレドニゾロン)、R-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ヒドロ
キシダウノルビシン、オンコビン、プレドニゾン、若しくはプレドニゾロン)、CVP(
シクロホスファミド、ビンクリスチン、及びプレドニゾン)、hyper-CVAD(多
分割シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、及びプレドニゾン)、又は
CMFP(シクロホスファミド、メトトレキセート、5-フルオロウラシル、及びプレド
ニゾン)など標準的な化学併用療法であり得るが、これらに限定されない。
【0303】
他の態様では、他の治療剤は、受容体型又は非受容体型キナーゼなどの酵素の阻害剤で
あり得る。受容体型及び非受容体型キナーゼは、例えばチロシンキナーゼ又はセリン/ス
レオニンキナーゼである。本明細書に記載のキナーゼ阻害剤は、小分子、ポリ核酸、ポリ
ペプチド又は抗体である。
【0304】
例示的なキナーゼ阻害剤としては、アフィチニブ(EFGR/Her2を標的とする)
、ベバシズマブ(VEGFを標的とする)、BIBW2992(EGFR及びErbB2
を標的とする)、ブリガチニブ(ALK及びEFGRを標的とする)、セリチニブ(AL
Kを標的とする)、クリゾチニブ(ALK及びROS1を標的とする)、セツキシマブ/
アービタックス(ErbB1を標的とする)、イマチニブ/グリービック(Gleevi
c)(Bcr-Ablを標的とする)、トラスツズマブ(ErbB2を標的とする)、ゲ
フィチニブ/イレッサ(EGFRを標的とする)、ラニビズマブ(VEGFを標的とする
)、ペガプタニブ(VEGFを標的とする)、エルロチニブ/タルセバ(ErbB1を標
的とする)、ニロチニブ(Bcr-Ablを標的とする)、ラパチニブ(ErbB1及び
ErbB2/Her2を標的とする)、GW-572016/ラパチニブジトシレート(
HER2/ErbB2を標的とする)、パニツムマブ/ベクティビックス(EGFRを標
的とする)、バンデチニブ(Vandetinib)(RET/VEGFRを標的とする
)、E7080(RET及びVEGFRを含む複数を標的とする)、ハーセプチン(HE
R2/ErbB2を標的とする)、PKI-166(EGFRを標的とする)、カネルチ
ニブ/CI-1033(EGFRを標的とする)、スニチニブ/SU-11464/スー
テント(EGFR及びFLT3を標的とする)、マツズマブ/Emd7200(EGFR
を標的とする)、EKB-569(EGFRを標的とする)、Zd6474(EGFR及
びVEGFRを標的とする)、PKC-412(VEGR及びFLT3を標的とする)、
バタラニブ/Ptk787/ZK222584(VEGRを標的とする)、CEP-70
1(FLT3を標的とする)、SU5614(FLT3を標的とする)、MLN518(
FLT3を標的とする)、XL999(FLT3を標的とする)、VX-322(FLT
3を標的とする)、Azd0530(SRCを標的とする)、BMS-354825(S
RCを標的とする)、SKI-606(SRCを標的とする)、CP-690(JAKを
標的とする)、AG-490(JAKを標的とする)、WHI-P154(JAKを標的
とする)、WHI-P131(JAKを標的とする)、ソラフェニブ/ネクサバール(R
AFキナーゼ、VEGFR-1、VEGFR-2、VEGFR-3、PDGFR-β、K
IT、FLT-3及びRETを標的とする)、ダサチニブ/スプリセル(BCR/ABL
及びSrc)、AC-220(Flt3を標的とする)、AC-480(HERタンパク
質をすべて標的とする、「panHER」)、モテサニブ二リン酸塩(VEGF1-3、
PDGFR及びc-kitを標的とする)、デノスマブ(RANKLを標的にし、SRC
を阻害する)、AMG888(HER3を標的とする)、並びにAP24534(Flt
3を含む複数を標的とする)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0305】
例示的なセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤としては、ラパミューン(mTOR/FR
AP1を標的とする)、デフォロリムス(mTORを標的とする)、サーティカン/エベ
ロリムス(mTOR/FRAP1を標的とする)、AP23573(mTOR/FRAP
1を標的とする)、エリル/塩酸ファスジル(RHOを標的とする)、アベマシクリブ(
CDKを標的とする)、パルボシクリブ(CDKを標的とする)、リボシクリブ(CDK
を標的とする)、フラボピリドール(CDKを標的とする)、セリシクリブ(Selic
iclib)/CYC202/ロスコビトリン(Roscovitrine)(CDKを
標的とする)、SNS-032/BMS-387032(CDKを標的とする)、ルボキ
シスタウリン(PKCを標的とする)、Pkc412(PKCを標的とする)、ブリオス
タチン(PKCを標的とする)、KAI-9803(PKCを標的とする)、SF112
6(PI3Kを標的とする)、ピクチリシブ(PI3Kを標的とする)、BKM-120
(PI3Kを標的とする)、VX-680(オーロラキナーゼを標的とする)、Azd1
152(オーロラキナーゼを標的とする)、Arry-142886/AZD-6244
(MAP/MEKを標的とする)、AZD9291(EGFRを標的とする)、SCIO
-469(MAP/MEKを標的とする)、GW681323(MAP/MEKを標的と
する)、CC-401(JNKを標的とする)、CEP-1347(JNKを標的とする
)、MK-1775(Weeを標的とする)、ベリパリブ(PARPを標的とする)、デ
シタビン(DNMTを標的とする)、アザシチジン(DNMTを標的とする)、及びPD
332991(CDKを標的とする)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0306】
例示的なチロシンキナーゼ阻害剤として、エルロチニブ(タルセバ);ゲフィチニブ(
イレッサ);イマチニブ(グリーベック);ソラフェニブ(ネクサバール);スニチニブ
(スーテント);トラスツズマブ(ハーセプチン);ベバシズマブ(アバスチン);リツ
キシマブ(リツキサン);ラパチニブ(タイケルブ);セツキシマブ(アービタックス)
;パニツムマブ(ベクティビックス);エベロリムス(アフィニトール);アレムツズマ
ブ(キャンパス);ゲムツズマブ(マイロターグ);テムシロリムス(トーリセル);パ
ゾパニブ(ヴォトリエント);ダサチニブ(スプリセル);ニロチニブ(タシグナ);バ
タラニブ(Ptk787;ZK222584);CEP-701;SU5614;MLN
518;XL999;VX-322;Azd0530;BMS-354825;SKI-
606 CP-690;AG-490;WHI-P154;WHI-P131;AC-2
20;又はAMG888が挙げられるが、これに限定されるものではない。式(I)~(
VIa)の化合物又はその薬学的に許容される塩と併用するのに好適な他の治療剤のさら
なる例は、2014年5月13日に出願された同時係属中の米国特許出願第61/992
,881号明細書及び2014年12月8日に出願された国際出願番号PCT/US20
14/069167号明細書に開示されており、その各々の内容全体を参照により本明細
書に援用する。
【0307】
例示的なチューブリン重合阻害剤としては、ビノレルビンが挙げられるが、これに限定
されない。
【0308】
例示的なマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤としては、トラメチ
ニブ及びセルメチニブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0309】
例示的なBRAF阻害剤としては、ベムラフェニブが挙げられるが、これに限定されな
い。
【0310】
レチノイン酸受容体アゴニストであり得る例示的な第2の薬剤としては、ATRAが挙
げられるが、これに限定されない。
【0311】
CBP/p300阻害剤受容体アゴニストであり得る例示的な第2の薬剤としては、化
合物H又はその薬学的に許容される塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0312】
いくつかの実施形態では、他の治療薬は多面的経路修飾因子である。例示的な多面的経
路修飾因子としては、CC-122が挙げられるが、これに限定されない。
【0313】
本開示は、式(I)~(VIa)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び1つ又
は複数の他の治療薬を含む組成物が、疾患又は癌の処置を必要とする被験体に投与される
併用療法の方法を提供する。本開示はまた、併用療法のための医薬として使用される組成
物を提供し、この組成物は、式(I)~(VIa)の化合物又はその薬学的に許容される
塩を含み、1つ又は複数の他の治療薬と組み合わせて、疾患又は癌の処置を必要とする被
験体に投与される。本開示は、併用療法のための医薬の製造における組成物の使用をさら
に提供し、この組成物は、式(I)~(VIa)の化合物又はその薬学的に許容される塩
を含み、1つ又は複数の他の治療薬と組み合わせて、疾患又は癌の処置を必要とする被験
体に投与される。併用療法はまた、癌細胞に投与して増殖を阻害する、又は細胞死を誘導
することができる。いくつかの態様では、式(I)~(VIa)の化合物又はその薬学的
に許容される塩は、式(I)~(VIa)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び
1つ又は複数の他の治療薬を含む本開示の組成物の投与後に投与される。いくつかの態様
では、式(I)~(VIa)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、式(I)~(V
Ia)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び1つ又は複数の他の治療薬を含む本
開示の組成物の投与前に投与される。いくつかの態様では、式(I)~(VIa)の化合
物又はその薬学的に許容される塩は、1つ又は複数の治療剤の投与後に投与され、したが
って、他の治療剤は単一の組成物で又は2つ以上の組成物で投与され、例えば、同時に、
逐次的に、又は交互に投与される。いくつかの態様では、式(I)~(VIa)の化合物
又はその薬学的に許容される塩は1つ又は複数の治療剤の投与前に投与され、したがって
、他の治療剤は単一の組成物で又は2つ以上の組成物で投与され、例えば、同時に、逐次
的に又は交互に投与される。
【0314】
いくつかの態様では、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩は、タゼメトス
タット又はその薬学的に許容される塩及び1つ若しくは複数の他の治療薬を含む本開示の
組成物の投与後に投与される。いくつかの態様では、タゼメトスタット又はその薬学的に
許容される塩は、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩及び1つ若しくは複数
の他の治療薬を含む本開示の組成物の投与前に投与される。いくつかの態様では、タゼメ
トスタット又はその薬学的に許容される塩は、他の治療薬が単一組成物中又は2つ以上の
組成物中のいずれかで、例えば、同時に、連続的に、又は交互に投与されるように、1つ
又は複数の治療薬の投与後に投与される。いくつかの態様では、タゼメトスタット又はそ
の薬学的に許容される塩は、他の治療薬が単一組成物中又は2つ以上の組成物中のいずれ
かで、例えば、同時に、連続的に、又は交互に投与されるように、1つ又は複数の治療薬
の投与前に投与される。
【0315】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、アルキル化剤又はアルキル化様剤、抗腫瘍剤、有糸分裂阻害剤、チューブリン重
合阻害剤、代謝拮抗剤、DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)阻害剤、ヒストン
デアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、上皮成長因子受容体(E
FGR)阻害剤、EFGR及びErbB2の阻害剤、EFGR及びヒト上皮成長因子受容
体2(Her2)の阻害剤、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤、ALK及びRO
S1の阻害剤、ALK及びEGFRの阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/
6阻害剤、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤、BRAF阻害剤、
ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、Wee1阻害剤、ポリ(ADP-リ
ボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤、グルココルチコイド受容体アゴニスト、レチ
ノイン酸受容体アゴニスト、CBP/p300阻害剤、又はそれらの組み合わせと組み合
わせて投与される。
【0316】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、アルキル化剤又は
アルキル化様剤、抗腫瘍剤、有糸分裂阻害剤、チューブリン重合阻害剤、代謝拮抗剤、D
NAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC
)阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、上皮成長因子受容体(EFGR)阻害剤、EFGR
及びErbB2の阻害剤、EFGR及びヒト上皮成長因子受容体2(Her2)の阻害剤
、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤、ALK及びROS1の阻害剤、ALK及び
EGFRの阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤、マイトジェン活
性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤、BRAF阻害剤、ホスホイノシチド3-キナ
ーゼ(PI3K)阻害剤、Wee1阻害剤、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(P
ARP)阻害剤、グルココルチコイド受容体アゴニスト、レチノイン酸受容体アゴニスト
、CBP/p300阻害剤、又はそれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0317】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、シスプラチン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、ビノレルビ
ン、ゲムシタビン、デシタビン、アザシチジン、ボリノスタット、イリノテカン、エトポ
シド、ビンブラスチン、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、アファチニブ、AZ
D9291、クリゾチニブ、セリチニブ、ブリガチニブ、アベマシクリブ、パルボシクリ
ブ、リボシクリブ、メトトレキサート、ペメトレキセド(permetrexed)、ト
ラメチニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ、ピクチリシブ、BKM-120、MK-1
775、ベリパリブ、プレドニゾロン、ATRA、化合物H、又はその薬学的に許容され
る塩、又はそれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0318】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、シスプラチン、オ
キサリプラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、ビノレルビン、ゲムシタビン、デシタ
ビン、アザシチジン、ボリノスタット、イリノテカン、エトポシド、ビンブラスチン、エ
ルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、アファチニブ、AZD9291、クリゾチニブ
、セリチニブ、ブリガチニブ、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、メトト
レキサート、ペメトレキセド、トラメチニブ、セルメチニブ、ベムラフェニブ、ピクチリ
シブ、BKM-120、MK-1775、ベリパリブ、プレドニゾロン、ATRA、化合
物H、又はその薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせと組み合わせて投与され
る。
【0319】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、アルキル化剤又はアルキル化様剤と組み合わせて投与される。例えば、式(I)
~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(VIa)の
化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、シスプラチンと組み合わせて
投与される。
【0320】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、アルキル化剤又は
アルキル化様剤アゴニストと組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しく
はその薬学的に許容される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩
を含む組成物は、シスプラチンと組み合わせて投与される。
【0321】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、抗腫瘍剤と組み合わせて投与される。例えば、式(I)~(VIa)の化合物若
しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学
的に許容される塩を含む組成物は、オキサリプラチンと組み合わせて投与される。
【0322】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、抗腫瘍剤と組み合
わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、オキサリプラチン
と組み合わせて投与される。
【0323】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、有糸分裂阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、式(I)~(VIa)の化
合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはそ
の薬学的に許容される塩を含む組成物は、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチ
ン、又はそれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0324】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、有糸分裂阻害剤と
組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩
、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、パクリタキ
セル、ドセタキセル、ビンブラスチン、又はそれらの組み合わせと組み合わせて投与され
る。
【0325】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、チューブリン重合阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、式(I)~(VI
a)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若
しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、ビノレルビンと組み合わせて投与され
る。
【0326】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、チューブリン重合
阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容
される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、ビ
ノレルビンと組み合わせて投与される。
【0327】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、代謝拮抗剤と組み合わせて投与される。例えば、式(I)~(VIa)の化合物
若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬
学的に許容される塩を含む組成物は、ゲムシタビンと組み合わせて投与される。
【0328】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、代謝拮抗剤と組み
合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又
はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、ゲムシタビンと
組み合わせて投与される。
【0329】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、葉酸型の代謝拮抗剤と組み合わせて投与される。例えば、式(I)~(VIa)
の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しく
はその薬学的に許容される塩を含む組成物は、メトトレキサート、ペメトレキセド、又は
それらの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0330】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、葉酸型の代謝拮抗
剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容され
る塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、メトト
レキサート、ペメトレキセド、又はそれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0331】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)阻害剤と組み合わせて投与される
。例えば、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(
I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、デシタビ
ン、アザシチジン、又はそれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0332】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、DNAメチルトラ
ンスフェラーゼ(DNMT)阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタッ
ト若しくはその薬学的に許容される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容
される塩を含む組成物は、デシタビン、アザシチジン、又はそれらの組み合わせと組み合
わせて投与される。
【0333】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤と組み合わせて投与される。例えば
、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(
VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、ボリノスタットと
組み合わせて投与される。
【0334】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、ヒストンデアセチ
ラーゼ(HDAC)阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しく
はその薬学的に許容される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩
を含む組成物は、ボリノスタットと組み合わせて投与される。
【0335】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、トポイソメラーゼ阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、式(I)~(VI
a)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若
しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、イリノテカン、エトポシド、又はそれ
らの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0336】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、トポイソメラーゼ
阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容
される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、イ
リノテカン、エトポシド、又はそれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0337】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、上皮成長因子受容体(EFGR)阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、式
(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(VI
a)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、エルロチニブ、ゲフィ
チニブ、AZD9291、又はそれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0338】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、上皮成長因子受容
体(EFGR)阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しくはそ
の薬学的に許容される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含
む組成物は、エルロチニブ、ゲフィチニブ、AZD9291、又はそれらの組み合わせと
組み合わせて投与される。
【0339】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、上皮成長因子受容体(EFGR)及びErbB2の阻害剤と組み合わせて投与さ
れる。例えば、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は
式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、ラパ
チニブと組み合わせて投与される。
【0340】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、上皮成長因子受容
体(EFGR)及びErbB2の阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメトス
タット若しくはその薬学的に許容される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に
許容される塩を含む組成物は、ラパチニブと組み合わせて投与される。
【0341】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、上皮成長因子受容体(EFGR)及びヒト上皮成長因子受容体2(Her2)の
阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその
薬学的に許容される塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩を含む組成物は、アファチニブと組み合わせて投与される。
【0342】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、上皮成長因子受容
体(EFGR)及びヒト上皮成長因子受容体2(Her2)の阻害剤と組み合わせて投与
される。例えば、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又はタゼメトス
タット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、アファチニブと組み合わせて
投与される。
【0343】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、
式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(V
Ia)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、セリチニブと組み合
わせて投与される。
【0344】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、未分化リンパ腫キ
ナーゼ(ALK)阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しくは
その薬学的に許容される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を
含む組成物は、セリチニブと組み合わせて投与される。
【0345】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)及びROS1の阻害剤と組み合わせて投与さ
れる。例えば、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は
式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、クリ
ゾチニブと組み合わせて投与される。
【0346】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、未分化リンパ腫キ
ナーゼ(ALK)及びROS1の阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメトス
タット若しくはその薬学的に許容される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に
許容される塩を含む組成物は、クリゾチニブと組み合わせて投与される。
【0347】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)及び上皮成長因子受容体(EFGR)の阻害
剤と組み合わせて投与される。例えば、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学
的に許容される塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される
塩を含む組成物は、ブリガチニブと組み合わせて投与される。
【0348】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、未分化リンパ腫キ
ナーゼ(ALK)及び上皮成長因子受容体(EFGR)の阻害剤と組み合わせて投与され
る。例えば、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又はタゼメトスタッ
ト若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、ブリガチニブと組み合わせて投与
される。
【0349】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤と組み合わせて投与される。
例えば、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I
)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、アベマシク
リブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、又はそれらの組み合わせと組み合わせて投与され
る。
【0350】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、サイクリン依存性
キナーゼ(CDK)4/6阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット
若しくはその薬学的に許容される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容さ
れる塩を含む組成物は、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リボシクリブ、又はそれらの
組み合わせと組み合わせて投与される。
【0351】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤と組み合わせて投与さ
れる。例えば、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は
式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、トラ
メチニブ、セルメチニブ、又はそれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0352】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、マイトジェン活性
化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメトス
タット若しくはその薬学的に許容される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に
許容される塩を含む組成物は、トラメチニブ、セルメチニブ、又はそれらの組み合わせと
組み合わせて投与される。
【0353】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、BRAF阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、式(I)~(VIa)の化
合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはそ
の薬学的に許容される塩を含む組成物は、ベムラフェニブと組み合わせて投与される。
【0354】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、BRAF阻害剤と
組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩
、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、ベムラフェ
ニブと組み合わせて投与される。
【0355】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、ホスファチジルイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤と組み合わせて投与
される。例えば、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又
は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、ピ
クチリシブ、BKM-120、又はそれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0356】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、ホスホイノシチド
3-キナーゼ(PI3K)阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット
若しくはその薬学的に許容される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容さ
れる塩を含む組成物は、ピクチリシブ、BKM-120、又はそれらの組み合わせと組み
合わせて投与される。
【0357】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、Wee1阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、式(I)~(VIa)の化
合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはそ
の薬学的に許容される塩を含む組成物は、MK-1775と組み合わせて投与される。
【0358】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、Wee1阻害剤と
組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩
、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、MK-17
75と組み合わせて投与される。
【0359】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤と組み合わせて投与
される。例えば、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又
は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、ベ
リパリブと組み合わせて投与される。
【0360】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、ポリ(ADP-リ
ボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメト
スタット若しくはその薬学的に許容される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的
に許容される塩を含む組成物は、ベリパリブと組み合わせて投与される。
【0361】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、ポリ(ADP-リ
ボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメト
スタット若しくはその薬学的に許容される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的
に許容される塩を含む組成物は、ベリパリブと組み合わせて投与される。
【0362】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、グルココルチコイド受容体アゴニストと組み合わせて投与される。例えば、式(
I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(VIa
)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、プレドニゾロンと組み合
わせて投与される。
【0363】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、グルココルチコイ
ド受容体アゴニストと組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しくはその
薬学的に許容される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む
組成物は、プレドニゾロンと組み合わせて投与される。
【0364】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、レチノイン酸受容体アゴニストと組み合わせて投与される。例えば、式(I)~
(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(VIa)の化
合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、ATRAと組み合わせて投与さ
れる。
【0365】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、レチノイン酸受容
体アゴニストと組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しくはその薬学的
に許容される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物
は、ATRAと組み合わせて投与される。
【0366】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、CBP/p300阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、式(I)~(VI
a)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若
しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、化合物Hと組み合わせて投与される。
【0367】
いくつかの実施形態では、式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容さ
れる塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む組
成物は、CBP/p300阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、式(I)~(VI
a)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は式(I)~(VIa)の化合物若
しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、化合物Hの薬学的に許容される塩と組
み合わせて投与される。
【0368】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、CBP/p300
阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容
される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、化
合物Hと組み合わせて投与される。
【0369】
いくつかの実施形態では、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩、又は
タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、CBP/p300
阻害剤と組み合わせて投与される。例えば、タゼメトスタット若しくはその薬学的に許容
される塩、又はタゼメトスタット若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、化
合物Hの薬学的に許容される塩と組み合わせて投与される。
【0370】
ある種の実施形態では、「併用療法」は、各治療剤が異なる時点で投与される、これら
の治療剤の逐次的な投与、並びにこれらの治療剤又はこれらの治療剤の少なくとも2つの
同時又は実質的に同時の投与を包含することを意図する。同時投与は、例えば、固定比率
の各治療剤を含有する単一カプセル剤又は治療剤の各々についての複数の単一カプセル剤
を被検体に投与することによって達成することができる。各治療剤の逐次的又は実質的に
同時の投与は、以下に限定されるものではないが、経口経路、静注経路、筋肉内経路及び
粘膜組織による直接吸収を含む、任意の適切な経路により達成することができる。治療剤
は、同じ経路により又は異なる経路により投与することができる。例えば、選択された併
用の最初の治療剤は静脈内注射により投与することができ、一方他の治療剤は経口投与す
ることができる。或いは、例えば、治療剤をすべて経口投与することも、又は静脈内注射
により投与することもできる。治療剤はまた交互に投与してもよい。
【0371】
本発明のある種の態様では、本開示で注目する併用療法は、疾患又は癌の処置において
相乗効果をもたらし得るものである。「相乗効果」は、治療剤の併用の効力が単独投与さ
れたいずれの薬剤の効果の合計よりも大きい場合として定義される。相乗効果はまた、化
合物又は他の治療剤のいずれについても単剤として投与することによって達成することが
できない効果でもあり得る。相乗効果には、以下に限定されるものではないが、腫瘍サイ
ズの縮小、腫瘍増殖の阻害又は被検体の生存期間の延長による癌処置の効果が含まれる。
相乗効果にはまた、癌細胞生存率の低下、癌細胞死の誘導及び癌細胞増殖の阻害又は遅延
も含まれ得る。
【0372】
本発明のある種の態様では、「併用療法」はまた、他の生物学的に活性な成分及び非薬
物療法(例えば、外科手術又は放射線処置)とのさらなる併用における、上記の治療剤の
投与も包含する。併用療法が非薬物処置をさらに含む場合、治療剤の併用と非薬物処置と
の共同作用からの有益な効果が達成される限り、非薬物処置は任意の好適な時期に行うこ
とができる。例えば、適合する症例では、非薬物処置が治療剤の投与のためにおそらく数
日間又は数週間も一時的に中断される場合でも依然として有益な効果が達成される。
【0373】
他の態様では、本開示の組成物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、アナログ若
しくは誘導体は、放射線療法と併用して投与することができる。放射線療法はまた、多剤
療法の一部として、本開示の組成物及び本明細書に記載の別の化学療法剤と併用して適用
することもできる。
【0374】
いくつかの実施形態では、併用療法は、2つ以上の薬剤、例えば式(I)~(VIa)
の化合物及び本明細書に記載の1つ又は複数の他の治療薬を投与することによって達成さ
れ、式(I)~(VIa)の化合物は、1つ又は複数の他の治療薬とは別に製剤化され投
与される。いくつかの実施形態では、併用療法は、単一製剤中の2つ以上の薬剤を投与す
ることによって達成される。他の組み合わせもまた、併用療法に包含される。例えば、2
つの薬剤を一緒に製剤化し、そして第3の薬剤を含む別個の製剤と共に投与することがで
きる。いくつかの実施形態では、併用療法における2つ以上の薬剤は、同時に投与するこ
とができるが、必ずしもそうする必要はない。例えば、第1の薬剤(又は薬剤の併用)の
投与は、1つ又は複数の第2の薬剤(例えば、薬剤の併用)の投与の数分前、数時間前、
数日前又は数週間前にすることができる。したがって、2種以上の薬剤は、互いに数分以
内、若しくは互いに1、2、3、6、9、12、15、18若しくは24時間以内、若し
くは互いに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14日以内、又は互いに
2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10週間以内に投与することができる。場合に
よっては、間隔をさらに一層長くすることが可能である。多くの場合、併用療法に使用さ
れる2種以上の薬剤は患者の体内に同時に存在することが望ましいが、そうである必要は
ない。
【0375】
いくつかの実施形態では、2つ以上の薬剤、例えば式(I)~(VIa)の化合物及び
本明細書に記載の1つ又は複数の他の治療薬の投与計画は異なる。例えば、いくつかの実
施形態では、第1の薬剤、例えば本明細書で提供されるEZH2阻害剤は、毎日、例えば
1日2回、100mg~1600mgの用量で投与され、そして1つ又は複数の第2の薬
剤、例えば本明細書で提供される抗癌剤は、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回
、又は4週間に1回投与される。いくつかの実施形態では、1つの薬剤、例えばEZH2
阻害剤は、処置期間、例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月などの期間にわたって毎
日(例えば、BID)連続的に投与される一方、1つ又は複数の第2の薬剤、例えば本明
細書で提供される抗癌剤は、断続的な非処置期間を伴う連続的な処置期間、例えば2週間
の処置とそれに続く1週間の非処置で、この期間中に投与される。併用療法は、そのよう
な実施形態では、1つの薬剤の少なくとも1つの処置期間を他の薬剤の少なくとも1つの
処置期間と重複させることによって達成することができる。
【0376】
本開示はまた、式(I)~(VIa)の化合物又はその薬学的に許容される塩と、本明
細書に開示している1つ又は複数の他の治療剤とを、薬学的に好適なキャリア又は賦形剤
と混合して、本明細書に記載の疾患又は状態を処置又は予防するための用量で含む医薬組
成物も提供する。いくつかの態様では、本開示はまた、表Iの任意の化合物又はその薬学
的に許容される塩と、1つ又は複数の治療剤とを、薬学的に好適なキャリア又は賦形剤と
混合して、本明細書に記載の疾患又は状態を処置又は予防するための用量で含む医薬組成
物も提供する。いくつかの態様では、本開示はまた、本明細書に記載の疾患又は状態を処
置又は予防するための用量で、薬学的に適切な担体又は賦形剤と混合された、タゼメトス
タット
【化25】
又はその薬学的に許容される塩、及び1つ又は複数の治療薬を含む医薬組成物を提供する
。本開示の医薬組成物はまた、他の治療剤又は治療法と併用して、同時に、逐次的に又は
交互に投与することもできる。
【0377】
本開示の組成物の混合物はまた、患者に、単純な混合物として、又は製剤化した好適な
医薬組成物で投与することもできる。例えば、本発明のいくつかの態様は、治療有効用量
の式(I)~(VIa)のEZH2阻害剤又はその薬学的に許容される塩、水和物、エナ
ンチオマー若しくは立体異性体と、1つ又は複数の他の治療剤と、薬学的に許容される希
釈剤又はキャリアとを含む医薬組成物に関する。
【0378】
「医薬組成物」とは、本開示の化合物を、被検体への投与に好適な形態で含む製剤のこ
とである。式(I)~(VIa)の化合物(例えば、タゼメトスタット)及び本明細書に
記載の1つ又は複数の他の治療薬はそれぞれ、個々に製剤化することもできるし、又は活
性成分の任意の組み合わせで複数の医薬組成物に製剤化することもできる。したがって、
1つ又は複数の投与経路を、各医薬組成物の剤形に基づいて適切に選択することができる
。或いは、式(I)~(VIa)の化合物(例えば、タゼメトスタット)及び本明細書に
記載の1つ又は複数の他の治療薬は、1つの医薬組成物として製剤化することができる。
【0379】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法、戦略、治療法、組成物、又は組
み合わせに有用な医薬組成物は、バルク又は単位剤形である。単位剤形は、例えば、カプ
セル剤、サシェ剤、IVバッグ、錠剤、エアロゾル吸入器の単一ポンプ、又はバイアル若
しくはアンプルを含む、様々な形態のいずれかであり得る。単位用量の組成物中の活性成
分(例えば、開示される化合物若しくはその塩、水和物、溶媒和物、若しくは異性体の製
剤、又はそのような化合物の組み合わせ)の量は、有効量であり、関連する特定の処置に
よって異なる。当業者であれば、患者の年齢及び状態によって投薬量を日常的に変える必
要があることもあることを理解するであろう。投薬量はまた投与経路によって異なる。経
口、経肺、直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、吸入、口腔内、舌下、
胸膜内、髄腔内、鼻腔内及び同種のものなど種々の経路を意図している。本発明の化合物
の局所投与又は経皮投与用の剤形として、散剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリ
ーム剤、ローション剤、ゲル剤、溶液剤、パッチ剤及び吸入薬が挙げられる。いくつかの
実施形態では、活性化合物は、滅菌条件下で薬学的に許容されるキャリアと、必要とされ
る任意の防腐剤、バッファー又は噴霧剤と混合される。
【0380】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される」という語句とは、化合物、アニオン
、カチオン、材料、組成物、キャリア及び/又は剤形が、適切な医学的判断の範囲内にお
いて、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症を回避しつつ、
合理的なベネフィット/リスク比に見合ってヒト及び動物の組織と接触させて使用するの
に好適であることをいう。
【0381】
「薬学的に許容される賦形剤」は、医薬組成物の調製に有用であり、且つ一般に安全で
無毒性であり、生物学的にも或いは他の点でも望ましい賦形剤を意味し、動物用途のほか
、ヒトの医薬用途に許容可能な賦形剤を含む。本明細書及び特許請求の範囲に使用される
「薬学的に許容される賦形剤」は、そうした賦形剤の1種及び2種以上の両方を含む。
【0382】
本発明の医薬組成物は、その目的の投与経路に適合するように製剤化される。投与経路
の例として、非経口投与、例えば、静脈内投与、皮内投与、皮下投与、経口投与(例えば
、吸入)、経皮投与(局所)、及び経粘膜投与が挙げられる。非経口用途、皮内用途又は
皮下用途に使用される溶液又は懸濁液として、以下の成分:無菌希釈液、例えば食塩水溶
液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の
合成溶媒;抗菌薬、例えばベンジルアルコール又はメチルパラベン;酸化防止剤、例えば
アスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウム;キレート化剤、例えばエチレンジアミン四酢酸
;バッファー、例えばアセテート、シトレート又はホスフェート、及び張度調整剤、例え
ば塩化ナトリウム又はブドウ糖を挙げることができる。pHは、酸又は塩基、例えば塩酸
又は水酸化ナトリウムで調整することができる。非経口調製物は、ガラス若しくはプラス
チック製のアンプル、ディスポーザブルシリンジ又はマルチドーズバイアルに封入しても
よい。
【0383】
本発明の化合物又は医薬組成物は、化学療法処置に現在使用されるよく知られた方法の
多くで被検体に投与することができる。例えば、癌の処置では、本発明の化合物を腫瘍に
直接注射しても、血流中若しくは体腔に注射しても、或いは経口投与しても、或いはパッ
チを用いて経皮適用してもよい。選択される用量は効果的な処置となるのに十分であるが
、許容できない副作用を引き起こすほど高くないようにすべきである。病状の状況(例え
ば、癌、前癌及び同種のもの)及び患者の健康については好ましくは、処置中及び処置後
相当期間、詳細にモニターすべきである。
【0384】
「治療有効量」という用語は、本明細書で使用する場合、特定された疾患又は状態を処
置、軽減又は予防する、或いは検出可能な治療効果又は阻害効果を示す医薬剤の量をいう
。効果は、当該技術分野において公知の任意のアッセイ方法により検出することができる
。被検体の正確な有効量は、被検体の体重、大きさ及び健康;その状態の性質及び程度;
並びに投与のために選択した治療法又は併用療法によって異なる。ある状況に対する治療
有効量は、臨床医の技能及び判断の範囲内にある通常の実験により決定することができる
。いくつかの態様では、処置対象の疾患又は状態は癌である。他の態様では、処置対象の
疾患又は状態は細胞増殖性障害である。
【0385】
ある種の実施形態では、併用される各医薬剤の治療有効量は、各薬剤を単独で用いる単
剤療法と比較して、併用した場合の方が少ない。このように治療有効量が少なければ、治
療レジメンの毒性が低くなり得る。
【0386】
いずれの化合物でも、治療有効量は、例えば、腫瘍性細胞の細胞培養アッセイ、又は動
物モデル、通常ラット、マウス、ウサギ、イヌ若しくはブタを用いて最初に推定すること
ができる。動物モデルはさらに、適切な濃度範囲及び投与経路を判定するのに使用しても
よい。次いでこうした情報を使用して、ヒトの投与に有用な用量及び経路を判定すること
ができる。治療/予防有効性及び毒性は、細胞培養又は実験動物を対象とした標準的な薬
学的手順、例えば、ED50(集団の50%で治療効果のある用量)及びLD50(集団
の50%致死用量)により判定することができる。毒性効果と治療効果との間の用量比は
治療係数であり、LD50/ED50比で表すことができる。好ましいのは、大きな治療
係数を示す医薬組成物である。投薬量は、利用する剤形、患者の感受性及び投与経路によ
ってこの範囲内で変わってもよい。
【0387】
投薬量及び投与は、十分なレベルの活性剤を与えるか、又は所望の効果を維持するよう
に調整される。考慮に入れてもよい因子として、病状の重症度、被検体の一般的な健康状
態、被検体の年齢、体重及び性別、食事、投与の時間及び頻度、薬剤の組み合わせ、反応
感受性、並びに治療に対する忍容性/反応が挙げられる。長時間作用性医薬組成物は、特
定の製剤の半減期及びクリアランス速度によって3~4日毎、毎週或いは2週に1回投与
してもよい。
【0388】
本発明の活性化合物を含む医薬組成物は、一般に知られた方法で、例えば、従来の混合
プロセス、溶解プロセス、造粒プロセス、糖衣錠製造プロセス、研和プロセス、乳化プロ
セス、カプセル化プロセス、封入プロセス又は凍結乾燥プロセスによって製造することが
できる。医薬組成物は、活性化合物を薬学的に使用することができる調製物に加工しやす
くする賦形剤及び/又は助剤を含む、1種若しくは複数種の薬学的に許容されるキャリア
を用いて従来の方法で製剤化してもよい。言うまでもなく、適切な製剤は選択された投与
経路によって異なる。
【0389】
注射用途に好適な医薬組成物は、無菌水溶液(水溶性の場合)又は分散液、及び必要に
応じて調製される無菌注射用溶液又は分散液用の無菌粉末を含む。静脈内投与では、好適
なキャリアとして、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF
,Parsippany,N.J.)又はリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられ
る。すべての場合において、組成物は無菌でなければならず、シリンジ操作が容易である
程度の流動性があるべきである。組成物は、製造及び保存条件下で安定でなければならず
、細菌及び真菌などの混入微生物の作用を防止しなければならない。キャリアは、例えば
、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体
ポリエチレングリコール並びに同種のもの)及びこれらの好適な混合物を含む溶媒又は分
散媒であってもよい。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によ
り、分散液の場合には、必要とされる粒度の維持により、及び界面活性剤の使用により維
持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラ
ベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール及び同種のものの
使用により達成することができる。多くの場合、組成物中に等張剤、例えば、糖、多価ア
ルコール、例えばマニトール及びソルビトール、並びに塩化ナトリウムを含むことが好ま
しい。注射用組成物の吸収の持続化は、組成物に吸収を遅らせる薬、例えば、モノステア
リン酸アルミニウム及びゼラチンを含ませることにより行うことができる。
【0390】
無菌注射溶液は、必要量の活性化合物を、必要に応じて上記に列挙した1つの成分又は
成分の組み合わせと共に適切な溶媒に加え、続いて濾過滅菌を行うことにより調製するこ
とができる。一般に、分散液は、基本的な分散媒及び上記に列挙したものから必要とされ
る他の成分を含む無菌ビヒクルに活性化合物を加えることにより調製される。無菌注射溶
液の調製用の無菌粉末の場合、調製方法は真空乾燥及びフリーズドライであり、これによ
り活性成分と任意の所望の追加成分との、前もって滅菌濾過した溶液から、活性成分と任
意の所望の追加成分との粉末が得られる。
【0391】
経口組成物は一般に、不活性希釈剤又は食用の薬学的に許容されるキャリアを含む。経
口組成物はゼラチンカプセルに封入しても、或いは錠剤に圧縮してもよい。経口治療投与
の目的上、活性化合物を賦形剤と混合し、錠剤、トローチ剤又はカプセル剤の形態で使用
してもよい。経口組成物はさらに、洗口剤として使用される液体キャリアを用いて調製し
てもよく、液体キャリア中の化合物は経口適用し、すすいで吐き出すか又は飲み込む。薬
学的に適合する結合剤及び/又は補助剤を組成物の一部として含めてもよい。錠剤、丸剤
、カプセル剤、トローチ剤及び同種のものは、性質の類似した以下の成分又は化合物:バ
インダー、例えば微結晶性セルロース、トラガントゴム又はゼラチン;賦形剤、例えばデ
ンプン又はラクトース、崩壊剤、例えばアルギン酸、Primogel又はコーンスター
チ;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム又はSterotes;流動促進剤、例え
ばコロイド状二酸化ケイ素;甘味剤、例えばスクロース又はサッカリン;又は着香剤、例
えばペパーミント、サリチル酸メチル又はオレンジ香味料のいずれかを含んでもよい。
【0392】
吸入による投与では、化合物は、好適な噴射剤、例えば、二酸化炭素などのガスを含む
加圧容器若しくはディスペンサー、又はネブライザーからエアロゾルスプレーの形態で送
達される。
【0393】
全身投与はまた、経粘膜又は経皮手段によるものでもよい。経粘膜又は経皮投与では、
透過対象のバリアに適した浸透剤を製剤に使用する。こうした浸透剤は一般に当該技術分
野において公知であり、例えば、経粘膜投与の場合、界面活性剤、胆汁酸塩及びフシジン
酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻スプレー又は坐剤の使用により達成することが
できる。経皮投与では、活性化合物を一般に当該技術分野において公知の軟膏、膏薬、ゲ
ル又はクリームに製剤する。
【0394】
活性化合物は、化合物の身体からの急速な排除を防ぐ薬学的に許容されるキャリア、例
えばインプラント及びマイクロカプセル化送達系などの放出制御製剤と共に調製してもよ
い。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエ
ステル及びポリ乳酸などの生分解性生体適合性ポリマーを使用してもよい。こうした製剤
を調製するための方法は、当業者に明らかであろう。こうした材料はさらに、Alza
Corporation及びNova Pharmaceuticals,Inc.から
市販品として入手することができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクロ
ーナル抗体を用いて感染細胞を標的としたリポソームを含む)も、薬学的に許容されるキ
ャリアとして使用することができる。これらは、例えば米国特許第4,522,811号
明細書に記載されているような当業者に公知の方法に従い調製することができる。
【0395】
投与のしやすさ及び投薬量の均一性のため、経口又は非経口組成物を投薬単位剤形で製
剤化すると特に有利である。投薬単位剤形とは、本明細書で使用する場合、単位投薬量と
して処置対象の被検体に適した物理的に分離した単位をいい、各単位は、必要とされる薬
学的キャリアと共に、所望の治療効果を発揮するように計算された所定量の活性化合物を
含む。本発明の投薬単位剤形の規格は、活性化合物の特有の特徴及び達成されるべき個々
の治療効果により決定され、それらに直接左右される。
【0396】
治療用途では、本明細書に記載のEZH2阻害剤、本明細書に記載の他の治療剤、式(
I)~(VIa)の化合物と1つ又は複数の他の治療剤とを含む組成物、又は本発明に従
い使用される医薬組成物の投薬量は、選択される投薬量に影響を与える数ある要因の中で
も、薬剤、レシピエント患者の年齢、体重及び臨床状態、並びに療法を行う臨床医又は開
業医の経験及び判断によって異なる。一般に、用量は、腫瘍の増殖を遅延させる、そして
好ましくは退縮させる、さらに好ましくは癌を完全に退縮させるのに十分であるべきであ
る。投薬量は、単回投与、分割投与又は連続投与で約0.01mg/kg/日~約500
0mg/kg/日の範囲であってもよい。いくつかの態様では、投薬量は約1mg/kg
/日~約1000mg/kg/日の範囲であってもよい。いくつかの態様では、用量は約
0.1mg/日~約50g/日;約0.1mg/日~約25g/日;約0.1mg/日~
約10g/日;約0.1mg~約3g/日;又は約0.1mg~約1g/日の範囲であっ
てもよい(投与はkg単位の患者の体重、m単位の体表面積及び年齢に応じて調整して
もよい)。医薬剤の有効量は、臨床医又は他の適格な観察者により認められる改善が客観
的に特定できる量である。例えば、患者の腫瘍の退縮は、腫瘍の直径を基準に測定しても
よい。腫瘍の直径の減少は退縮を示す。退縮はさらに、処置を中止した後に再発する腫瘍
がないことによっても示される。本明細書で使用する場合、「投薬量効果的方法」という
用語は、活性化合物の量が被検体又は細胞で所望の生物学的作用を発揮することをいう。
【0397】
医薬組成物は、投与説明書と共に容器、パック又はディスペンサーに含めてもよい。
【0398】
本開示の組成物はさらに塩を形成することができる。本開示の組成物は、例えば、モノ
-、ジ-、トリ-など、分子につき1つを超す塩を形成することができる。こうした形態
もすべて、特許請求の範囲に記載されている発明の範囲内にあることを意図している。
【0399】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその酸性塩又は塩
基性塩を作ることにより修飾された本開示の化合物の誘導体をいう。薬学的に許容される
塩の例として、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩又は有機酸塩、カルボン酸などの酸性残
基のアルカリ塩又は有機塩、及び同種のものがあるが、これに限定されるものではない。
薬学的に許容される塩は、例えば、無毒性無機酸又は有機酸から形成された親化合物の従
来の無毒性塩又は第四級アンモニウム塩を含む。例えば、そうした従来の無毒性塩として
、2-アセトキシ安息香酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、
ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン
酸、1,2-エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン
酸、グリコール酸、グリコリアルサニル酸、ヘキシルレゾルシン酸、ヒドラバム酸、臭化
水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオ
ン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸
、メタンスルホン酸、ナプシル酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢
酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、サブ酢酸
(subacetic)、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン
酸、酒石酸、トルエンスルホン酸及び一般に存在するアミン酸、例えば、グリシン、アラ
ニン、フェニルアラニン、アルギニンなどから選択される無機酸及び有機酸から得られる
ものがあるが、これに限定されるものではない。
【0400】
薬学的に許容される塩の他の例として、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ピ
ルビン酸、マロン酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、4-クロロ
ベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファー
スルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸
、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ムコン酸及び同種の
ものが挙げられる。本開示はさらに、親化合物に存在する酸性プロトンが金属イオン、例
えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、又はアルミニウムイオンに置き換えら
れている場合、或いは有機塩基、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミン及び同種のものと配位している場
合に形成される塩を包含する。
【0401】
薬学的に許容される塩への言及にはすべて、同じ塩の溶媒付加体(溶媒和物)が含まれ
ることを理解すべきである。
【0402】
本開示の組成物はさらに、エステル、例えば、薬学的に許容されるエステルとして調製
してもよい。例えば、化合物のカルボン酸官能基をその対応するエステル、例えば、メチ
ル、エチル又は他のエステルに変換してもよい。さらに、化合物のアルコール基をその対
応するエステル、例えば、アセテート、プロピオネート又は他のエステルに変換してもよ
い。
【0403】
本組成物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、経口、経鼻、経皮、経肺
、吸入、口腔内、舌下、腹腔内、皮下、筋肉内、静脈内、直腸内、胸膜内、髄腔内及び非
経口で投与される。いくつかの実施形態では、化合物は経口投与される。当業者であれば
、特定の投与経路の利点を認識するであろう。
【0404】
化合物を利用する投与レジメンは、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別及び医学的状
態;処置対象の状態の重症度;投与経路;患者の腎機能及び肝機能;並びに利用される個
々の化合物又はその塩など種々の因子に従い選択される。通常の知識を有する医師又は獣
医師であれば、当該状態の進行を予防、防止又は停止するのに必要な薬剤の有効量を容易
に判定し、処方することができる。
【0405】
開示した本発明の化合物の製剤及び投与のための技術は、Remington:the
Science and Practice of Pharmacy,19th
dition,Mack Publishing Co.,Easton,PA(199
5)で確認することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物及びそ
の薬学的に許容される塩は、薬学的に許容されるキャリア又は希釈薬と組み合わせて医薬
調製物に使用される。好適な薬学的に許容されるキャリアとして、不活性な固体充填剤又
は希釈薬、及び無菌水溶液又は有機溶液が挙げられる。本化合物は、本明細書に記載の範
囲の所望の投薬量を与えるのに十分な量でそうした医薬組成物中に存在する。
【0406】
本明細書に使用されるパーセンテージ及び比率はすべて、他に記載がない限り、重量に
よる。本発明の他の特徴と利点は様々な例から明らかである。提示した例は、本開示を実
施する際に有用な様々な要素及び方法を説明するものである。こうした例は、特許請求の
範囲に記載されている発明を限定するものではない。本開示に基づき、当業者であれば、
本開示を実施するのに有用な他の要素及び方法を特定し、利用することができる。
【0407】
本明細書で使用する場合、「それを必要とする被検体」は、EZH2に媒介されるタン
パク質のメチル化が役割を担う障害を有する被検体、又は一般集団と比較してそうした障
害を発症するリスクが高い被検体をいう。いくつかの実施形態では、それを必要とする被
検体は癌を有する。「被検体」には哺乳動物が含まれる。哺乳動物は、例えば、任意の哺
乳動物、例えば、ヒト、霊長類、トリ、マウス、ラット、家禽、イヌ、ネコ、雌ウシ、ウ
マ、ヤギ、ラクダ、ヒツジ又はブタであってもよい。いくつかの実施形態では、哺乳動物
はヒトである。
【0408】
本開示の被験体は、癌又は前癌性状態と診断されている、それらの症状を有する、又は
それらを発症するリスクのある任意のヒト被験体を含む。本開示の被検体は、変異型EZ
H2を発現している任意のヒト被検体を含む。例えば、変異型EZH2は1つ又は複数の
変異を含み、その変異は置換、点変異、ナンセンス変異、ミスセンス変異、欠失若しくは
挿入又は本明細書に記載の他の任意のEZH2変異である。
【0409】
それを必要とする被検体は、難治性癌又は耐性癌を有していてもよい。「難治性癌又は
耐性癌」とは、処置に反応しない癌を意味する。癌は処置の初期に耐性である場合もあり
、処置中に耐性になる場合もある。いくつかの実施形態では、それを必要とする被検体は
、直近の療法による寛解後に癌が再発している。いくつかの実施形態では、それを必要と
する被検体は、癌処置に有効な既知の療法をすべて受けて無効であった。いくつかの実施
形態では、それを必要とする被検体は少なくとも1つの従来療法を受けた。ある種の実施
形態では、従来療法は単剤療法である。ある種の実施形態では、従来療法は併用療法であ
る。
【0410】
いくつかの実施形態では、それを必要とする被検体は、以前の療法の結果として二次癌
を有してもよい。「二次癌」は、以前の発癌性療法、例えば化学療法によって、又はその
結果として発生する癌を意味する。
【0411】
被検体はまた、EZH2ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤又は他の任意の治療
剤に対して耐性を示すこともある。
【0412】
本明細書で使用する場合、「反応性」という用語は、「反応性のある」、「感受性のあ
る」及び「感受性」と同義であり、本発明の組成物を投与されたときに被検体が治療反応
を示す、例えば、被検体の腫瘍細胞又は腫瘍組織がアポトーシス及び/若しくは壊死を起
こし、且つ/又は成長、分裂若しくは増殖の低下を示すことを意味する。この用語はまた
、被検体が、本発明の組成物を投与されたときに一般集団と比較して、治療反応を示す、
例えば、被検体の腫瘍細胞又は腫瘍組織がアポトーシス及び/若しくは壊死を起こし、且
つ/又は成長、分裂若しくは増殖の低下を示す確率が高くなること又は高いことを意味す
る。
【0413】
「サンプル」は、被検体から得られた任意の生物学的サンプルを意味し、以下に限定さ
れるものではないが、細胞、組織サンプル、体液(粘液、血液、血漿、血清、尿、唾液及
び精液があるが、これに限定されるものではない)、腫瘍細胞及び腫瘍組織がある。いく
つかの実施形態では、サンプルは、骨髄、末梢血細胞、血液、血漿及び血清から選択され
る。サンプルは、処置又は検査中の被検体から得てもよい。或いはサンプルは、当該技術
分野における通常の業務に従い医師が採取してもよい。
【0414】
本明細書で使用する場合、「正常細胞」は、「細胞増殖障害」の一部として分類できな
い細胞である。正常細胞は、望ましくない状態又は疾患の発症をもたらし得る、制御不能
な増殖又は異常増殖、又はその両方が見られない。いくつかの実施形態では、正常細胞は
、正常に機能する細胞周期チェックポイント制御機構を有する。
【0415】
本明細書で使用する場合、「細胞を接触させること」は、化合物若しくは他の組成物が
細胞と直接接触している、又は所望の生物学的効果を細胞に誘発するのに十分近い状態を
いう。
【0416】
本明細書で使用する場合、「候補化合物」は、その化合物が、研究者又は臨床医が探し
求めている細胞、組織、系、動物、又はヒトに所望の生物学的又は医学的応答を誘発する
可能性があるかどうかを判定するために、1つ又は複数のインビトロ又はインビボでの生
物学的アッセイで既に試験された又はこれから試験される、本開示の化合物又はその薬学
的に許容される塩若しくは溶媒和物を指す。候補化合物は、本開示の化合物又はその薬学
的に許容される塩若しくは溶媒和物である。生物学的又は医学的応答は、癌の処置であり
得る。生物学的応答又は医学的応答は、細胞増殖性障害の処置又は予防であり得る。イン
ビトロ又はインビボでの生物学的アッセイとしては、酵素活性アッセイ、電気泳動移動度
シフトアッセイ、レポーター遺伝子アッセイ、インビトロ細胞生存率アッセイ、及び本明
細書に記載のアッセイなどを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【0417】
本明細書で使用する場合、「処置すること(treating)」又は「処置する(t
reat)」は、疾患、状態、若しくは障害に対応することを目的とする患者の管理及び
ケアを指し、且つ疾患、状態、若しくは障害の症状又は合併症を緩和するため、或いは疾
患、状態、若しくは障害を根絶するための本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩
若しくは溶媒和物の投与を含む。
【0418】
本開示の組成物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、疾患、状態、又は
障害を予防するために使用することもできる。本明細書で使用する場合、「予防すること
(preventing)」又は「予防する(prevent)」は、疾患、状態、若し
くは障害の症状又は合併症の発症を低減又は根絶することを指す。
【0419】
本明細書で使用する場合、「緩和する」という用語は、障害の徴候又は症状の重症度を
低下させるプロセスを記載することを意図している。重要なことに、徴候又は症状は、根
絶することなく緩和することができる。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物の
投与は、徴候又は症状の根絶につながるが、根絶は必須ではない。有効薬用量は、徴候又
は症状の重症度を低下させることが見込まれる。例えば、複数の部位で起こり得る癌のよ
うな障害の徴候又は症状は、癌の重症度が複数の部位の少なくとも1つで低下する場合に
緩和される。
【0420】
本明細書で使用する場合、「重症度」という用語は、癌が前癌状態又は良性状態から悪
性状態に変化する可能性を記載することを意図している。或いは、又はさらに、重症度は
、例えば、TNM方式(International Union Against C
ancer(UICC)及びAmerican Joint Committee on
Cancer(AJCC)により認められた)により、或いは他の当該技術分野におい
て承認されている方法により癌の病期を記載することを意図している。癌の病期とは、原
発腫瘍の位置、腫瘍の大きさ、腫瘍数及びリンパ節転移(癌のリンパ節への広がり)など
の因子に基づく癌の程度又は重症度をいう。或いは、又はさらに、重症度は、当該技術分
野において承認されている方法により腫瘍グレードを記載することを意図している(米国
国立癌研究所(National Cancer Institute)、www.ca
ncer.govを参照されたい)。腫瘍グレードは、癌細胞が顕微鏡下でどのように異
常に見えるか、そして腫瘍がいかに急速に増殖し広がる傾向があるかという観点から癌細
胞を分類するのに使用するシステムである。腫瘍グレードを判定する際は、細胞の構造及
び増殖パターンなど多くの因子が考慮される。腫瘍グレードの判定に使用される具体的な
因子は、各癌型によって異なる。重症度はまた、腫瘍細胞が同じ組織型の正常な細胞にど
の程度類似しているかを示す、分化とも呼ばれる組織学的グレードもいう(米国国立癌研
究所(National Cancer Institute)、www.cancer
.govを参照されたい)。さらに、重症度は、腫瘍細胞の核の大きさ及び形状と、分裂
している腫瘍細胞の割合とを示す核グレードについてもいう(米国国立癌研究所(Nat
ional Cancer Institute)、www.cancer.govを参
照されたい)。
【0421】
本発明の他の態様では、重症度は、腫瘍が増殖因子をどの程度分泌したか、細胞外マト
リックスをどの程度分解したか、どの程度血管新生化したか、隣接した組織への接着をど
の程度失ったか、或いはどの程度転移したかをいう。さらに重症度は、原発腫瘍が転移し
た部位の数も示す。最後に、重症度は、様々な型及び部位の腫瘍の処置のしにくさを含む
。例えば、手術不能な腫瘍、複数の器官に到達しやすい癌(血液系及び免疫系の腫瘍)、
及び伝統的な処置に最も難治性があるものが、最も重度と見なされる。これらの状況にお
いて、被験体の平均余命の延長及び/又は疼痛の低下、癌性細胞の比率の低下又は細胞が
1つの系に限定されること、並びに癌の病期/腫瘍グレード/組織学的グレード/核グレ
ードの改善は、癌の徴候又は症状の緩和と見なされる。
【0422】
本明細書で使用する場合、「症状」という用語は、疾患、疾病、障害又は体内に適切で
ないものがあることの兆しと定義される。症状は、症状を経験している個体が感じ或いは
気付くものであるが、他人は容易に気付くことができない。他人とは、非医療専門家と定
義される。
【0423】
本明細書で使用する場合、「徴候」という用語も、体内に適切でないものがあることの
兆しと定義される。ただし、徴候は、医師、看護師又は他の医療専門家により確認するこ
とができるものと定義される。
【0424】
非小細胞肺癌
肺癌は、2番目に多い癌の一般的な形態であり、癌関連死の主な原因である。非小細胞
肺癌(NSCLC)は、肺癌の最も一般的な形態であり、すべての肺癌症例の約85%を
占めている。ほとんどの患者は、進行したステージIII又はIVのNSCLCを示し、
それぞれ5年生存率が24%及び4%である。示される疾患の進行特性から、多くの場合
、外科的切除は選択肢ではない。大部分の患者では、処置には、化学療法及び/又は放射
線治療が含まれる。化学療法の選択は、病期、患者の能力基準(performance
criteria)、及び地域別の事情に基づいて大きく異なる。ほとんどの場合、化
学療法は、シスプラチン又はカルボプラチンなどの白金製剤及びゲムシタビン、エトポシ
ド、又はタキソテールなどの第2の細胞毒性薬を含む二剤併用(doublet)に基づ
いている。少数の患者の場合、療法には、ALK及びEGFRなどの変異又は調節不全の
特定のタンパク質を標的とする薬剤(例えば、クリゾチニブ、ゲフィチニブ及びエルロチ
ニブ)による処置が含まれ得る。患者は、遺伝子マーカー又はプロテオミクスマーカー(
proteomic marker)に基づいてこれらの標的治療のために選択される。
多くの薬剤が後期NSCLC臨床試験で評価されているが、ほとんどは、化学療法ベース
の処置に比べてほとんど効果がないことを示し、全生存期間の中央値は、典型的には11
ヶ月未満である。したがって、非小細胞肺癌の処置を改善するための新しい戦略が強く要
望されている。
【0425】

「癌細胞」又は「癌性細胞」は、癌である細胞増殖性障害を発現している細胞である。
任意の再現可能な測定手段を用いて、癌細胞又は前癌性細胞を同定することができる。癌
細胞又は前癌性細胞は、組織サンプル(例えば、生検標本)の組織学的分類又はグレード
分類により同定してもよい。癌細胞又は前癌性細胞は、適切な分子マーカーの使用により
同定してもよい。
【0426】
例示的な癌として、副腎皮質癌、AIDS関連癌、AIDS関連リンパ腫、肛門癌、肛
門直腸癌、肛門管癌、虫垂癌、小児小脳星状細胞腫、小児大脳星状細胞腫、基底細胞癌、
皮膚癌(非メラノーマ性)、胆道癌、肝外胆管癌、肝内胆管癌、膀胱癌(bladder
cancer、urinary bladder cancer)、骨及び関節癌、骨
肉腫及び悪性線維性組織球腫、脳癌、脳腫瘍、脳幹神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星細
胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、視覚路及び視床
下部神経膠腫、乳癌、気管支腺腫/カルチノイド、カルチノイド腫瘍、胃腸、神経系癌、
神経系リンパ腫、中枢神経系癌、中枢神経系リンパ腫、子宮頸癌、小児癌、慢性リンパ球
性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、結腸直腸癌、皮膚T細胞リ
ンパ腫、リンパ系腫瘍、菌状息肉腫、Seziary症候群、子宮内膜癌、食道癌、頭蓋
外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼癌、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫、胆嚢
癌、胃癌(gastric cancer、stomach cancer)、消化管カ
ルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、妊娠性絨
毛性腫瘍神経膠腫、頭頸部癌、肝細胞(肝臓)癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼内黒
色腫、眼癌、島細胞腫瘍(膵内分泌部)、カポジ肉腫、腎臓癌、腎癌、腎臓癌、喉頭癌、
急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病
、有毛細胞白血病、口唇及び口腔癌、肝癌、肺癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、AIDS
関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、Waldenstra
mマクログロブリン血症、髄芽腫、メラノーマ、眼内(眼)メラノーマ、メルケル細胞癌
、悪性中皮腫、中皮腫、転移性頸部扁平上皮癌、口癌、舌癌、多発性内分泌腫瘍症候群、
菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、急性
骨髄性白血病、多発性骨髄腫、慢性骨髄増殖性障害、上咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔癌(
oral cancer、oral cavity cancer)、中咽頭癌、卵巣癌
、上皮性卵巣癌、卵巣低悪性度腫瘍、膵癌、島細胞 膵癌、副鼻腔及び鼻腔癌、副甲状腺
癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂
体腫瘍、形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、前立腺癌、直腸癌、腎盂及び尿管移
行上皮癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、カポ
ジ肉腫、軟部組織肉腫、子宮癌、子宮肉腫、皮膚癌(非メラノーマ性)、皮膚癌(メラノ
ーマ)、メルケル皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、胃癌、テント上原始神経
外胚葉性腫瘍、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫、胸腺腫及び胸腺癌、甲状腺癌、腎盂及び尿管並
びに他の泌尿器の移行上皮癌、妊娠性絨毛性腫瘍、尿道癌、子宮内膜子宮癌、子宮肉腫、
子宮体部癌、腟癌、外陰癌、並びにウィルムス腫瘍があるが、これに限定されるものでは
ない。
【0427】
「血液系の細胞増殖性障害」は、血液系の細胞に関係する細胞増殖性障害である。血液
系の細胞増殖性障害として、リンパ腫、白血病、骨髄系新生物、マスト細胞新生物、骨髄
形成異常、良性単クローン性免疫グロブリン血症、リンパ腫様肉芽腫症、リンパ腫様丘疹
症、真性赤血球増加症、慢性骨髄球性白血病、原発性骨髄線維症及び本態性血小板血症を
挙げることができる。血液系の細胞増殖性障害として、血液系の細胞の過形成、異形成及
び化生を挙げることができる。いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、本開示の血
液癌又は本開示の血液細胞増殖性障害からなる群から選択される癌を処置するのに使用す
る。本開示の血液癌は、多発性骨髄腫、リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ
腫、例えば、マントル細胞リンパ腫、小児リンパ腫、並びにリンパ球起源及び皮膚起源の
リンパ腫を含む)、白血病(小児白血病、有毛細胞白血病、急性リンパ性白血病、急性骨
髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病(chronic myelocy
tic leukemia)、慢性骨髄性白血病(chronic myelogeno
us leukaemia)、及び肥満細胞性白血病を含む)、骨髄性新生物、及び肥満
細胞性新生物を挙げることができる。
【0428】
「肺の細胞増殖性障害」は、肺の細胞に関係する細胞増殖性障害である。肺の細胞増殖
性障害として、肺細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げることができる。肺の細
胞増殖性障害として、肺癌、肺の前癌又は前癌性状態、肺の良性増殖又は病変、及び肺の
悪性増殖又は病変、及び肺以外の体内の組織及び臓器の転移病変を挙げることができる。
好ましくは、本開示の組成物は、肺癌又は肺の細胞増殖性障害を処置するのに使用しても
よい。肺癌として、肺の癌のすべての型を挙げることができる。肺癌として、悪性肺新生
物、上皮内癌、定型的カルチノイド腫瘍、及び非定型的カルチノイド腫瘍を挙げることが
できる。肺癌として、小細胞肺癌(「SCLC」)、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、
扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌、大細胞癌、腺扁平上皮細胞癌及び中皮腫を挙げることがで
きる。肺癌として、「瘢痕癌」、気管支肺胞上皮癌、巨細胞癌、紡錘細胞癌及び大細胞神
経内分泌癌を挙げることができる。肺癌として、組織化学的及び超徴形態学的多様性(例
えば、混合細胞型)を有する肺新生物を挙げることができる。
【0429】
肺の細胞増殖性障害として、肺細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げることが
できる。肺の細胞増殖性障害として、肺癌、肺の前癌性状態を挙げることができる。肺の
細胞増殖性障害として、肺の過形成、化生及び異形成を挙げることができる。肺の細胞増
殖性障害として、アスベストによる過形成、扁平上皮化生及び良性反応性中皮化生を挙げ
ることができる。肺の細胞増殖性障害として、円柱上皮が重層扁平上皮に置換された状態
、及び粘膜異形成を挙げることができる。有害な環境化学物質、例えばタバコの煙及びア
スベストを吸入した個体は、肺の細胞増殖性障害を発症するリスクが高い場合がある。個
体に肺の細胞増殖性障害の発症を引き起こしやすい可能性がある既往の肺疾患として、慢
性間質性肺疾患、壊死性肺疾患、強皮症、リウマチ様疾患、サルコイドーシス、間質性肺
臓炎、結核、繰り返す肺炎、特発性肺線維症、肉芽腫、石綿肺、線維化肺胞炎及びホジキ
ン病を挙げることができる。
【0430】
「結腸の細胞増殖性障害」は、結腸の細胞に関係する細胞増殖性障害である。いくつか
の実施形態では、結腸の細胞増殖性障害は結腸癌である。いくつかの実施形態では、好ま
しくは、本開示の組成物は、結腸癌又は結腸の細胞増殖性障害を処置するのに使用する。
結腸癌として、結腸の癌のすべての型を挙げることができる。結腸癌として、散発性及び
遺伝性結腸癌を挙げることができる。結腸癌として、悪性結腸新生物、上皮内癌、定型的
カルチノイド腫瘍、及び非定型的カルチノイド腫瘍を挙げることができる。結腸癌として
、腺癌、扁平上皮癌及び腺扁平上皮細胞癌を挙げることができる。結腸癌は、遺伝性非ポ
リポーシス結腸直腸癌、家族性大腸腺腫症、ガードナー症候群、ポイツ・ジェガース症候
群、ターコット症候群及び若年性ポリポーシスからなる群から選択される遺伝性症候群と
関連していてもよい。結腸癌は、遺伝性非ポリポーシス結腸直腸癌、家族性大腸腺腫症、
ガードナー症候群、ポイツ・ジェガース症候群、ターコット症候群及び若年性ポリポーシ
スからなる群から選択される遺伝性症候群により引き起こされることがある。
【0431】
結腸の細胞増殖性障害として、結腸細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げるこ
とができる。結腸の細胞増殖性障害として、結腸癌、結腸の前癌性状態、結腸の腺腫性ポ
リープ及び結腸の異時性病変を挙げることができる。結腸の細胞増殖性障害として腺腫を
挙げることができる。結腸の細胞増殖性障害は、結腸の過形成、化生及び異形成を特徴と
してもよい。個体に結腸の細胞増殖性障害の発症を引き起こしやすい可能性がある既往の
結腸疾患として、既往の結腸癌を挙げることができる。個体に結腸の細胞増殖性障害の発
症を引き起こしやすい可能性がある現在の疾患として、クローン病及び潰瘍性大腸炎を挙
げることができる。結腸の細胞増殖性障害は、p53、ras、FAP及びDCCからな
る群から選択される遺伝子の突然変異と関連していてもよい。個体は、p53、ras、
FAP及びDCCからなる群から選択される遺伝子の突然変異の存在のため、結腸の細胞
増殖性障害を発症するリスクが高い可能性がある。
【0432】
「膵臓の細胞増殖性障害」は、膵臓の細胞に関係する細胞増殖性障害である。膵臓の細
胞増殖性障害として、膵臓細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げることができる
。膵臓の細胞増殖性障害として、膵臓癌、膵臓の前癌又は前癌性状態、膵臓の過形成、及
び膵臓の異形成、膵臓の良性増殖又は病変、及び膵臓の悪性増殖又は病変、並びに膵臓以
外の体内の組織及び臓器の転移病変を挙げることができる。膵癌は、膵臓の癌のすべての
型を含む。膵癌として、導管腺癌、腺扁平上皮癌、多形巨細胞癌、粘液性腺癌、破骨細胞
様巨細胞癌、粘液性嚢胞性癌、細葉細胞癌、分類不能大細胞癌、小細胞癌、膵芽腫、乳頭
状新生物、粘液性嚢胞腺腫、乳頭状嚢胞性新生物、及び漿液性嚢胞腺腫を挙げることがで
きる。膵癌はまた、組織化学的及び超徴形態学的多様性(例えば、混合細胞型)を有する
膵臓の新生物を含んでもよい。
【0433】
「前立腺の細胞増殖性障害」は、前立腺細胞に関係する細胞増殖性障害である。前立腺
の細胞増殖性障害として、前立腺細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げることが
できる。前立腺の細胞増殖性障害として、前立腺癌、前立腺の前癌又は前癌性状態、前立
腺の良性増殖又は病変、及び前立腺の悪性増殖又は病変、並びに前立腺以外の体内の組織
及び臓器の転移病変を挙げることができる。前立腺の細胞増殖性障害として、前立腺の過
形成、化生及び異形成を挙げることができる。
【0434】
「皮膚の細胞増殖性障害」は、皮膚の細胞に関係する細胞増殖性障害である。皮膚の細
胞増殖性障害として、皮膚細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げることができる
。皮膚の細胞増殖性障害として、皮膚の前癌又は前癌性状態、皮膚の良性増殖又は病変、
メラノーマ、悪性メラノーマ及び皮膚の他の悪性増殖又は病変、並びに皮膚以外の体内の
組織及び臓器の転移病変を挙げることができる。皮膚の細胞増殖性障害として、皮膚の過
形成、化生及び異形成を挙げることができる。
【0435】
「卵巣の細胞増殖性障害」は、卵巣の細胞に関係する細胞増殖性障害である。卵巣の細
胞増殖性障害として、卵巣の細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げることができ
る。卵巣の細胞増殖性障害として、卵巣の前癌又は前癌性状態、卵巣の良性増殖又は病変
、卵巣癌、卵巣の悪性増殖又は病変、及び卵巣以外の体内の組織及び臓器の転移病変を挙
げることができる。皮膚の細胞増殖性障害として、卵巣の細胞の過形成、化生及び異形成
を挙げることができる。
【0436】
「乳房の細胞増殖性障害」は、乳房の細胞に関係する細胞増殖性障害である。乳房の細
胞増殖性障害として、乳房細胞を侵す細胞増殖性障害のすべての型を挙げることができる
。乳房の細胞増殖性障害として、乳癌、乳房の前癌又は前癌性状態、乳房の良性増殖又は
病変、及び乳房の悪性増殖又は病変、並びに乳房以外の体内の組織及び臓器の転移病変を
挙げることができる。乳房の細胞増殖性障害として、乳房の過形成、化生及び異形成を挙
げることができる。
【0437】
乳房の細胞増殖性障害は、乳房の前癌性状態であってもよい。いくつかの実施形態では
、本開示の組成物は、乳房の前癌性状態を処置するのに使用する。乳房の前癌性状態とし
て、乳房の非定型的過形成、非浸潤性乳管癌(DCIS)、乳管内癌、非浸潤性小葉癌(
LCIS)、小葉性新生物、及びステージ0若しくはグレード0の乳房の増殖又は病変(
例えば、ステージ0若しくはグレード0の乳癌又は上皮内癌)を挙げることができる。乳
房の前癌性状態は、American Joint Committee on Can
cer(AJCC)により承認されたTNM分類スキームに従いステージ判定することが
でき、原発腫瘍(T)にはステージT0又はTisが割り当てられ;所属リンパ節(N)
にはステージN0が割り当てられ;遠隔転移(M)にはステージM0が割り当てられてい
る。
【0438】
乳房の細胞増殖性障害は乳癌であってもよい。いくつかの実施形態では、本開示の組成
物は、乳癌を処置するのに使用する。乳癌は、乳房の癌のすべての型を含む。乳癌として
、原発性上皮乳癌を挙げることができる。乳癌として、乳房が他の腫瘍、例えばリンパ腫
、肉腫又はメラノーマに罹患している癌を挙げることができる。乳癌として、乳房の癌腫
、乳房の腺管癌、乳房の小葉癌、乳房の未分化癌、乳房の葉状嚢肉腫、乳房の血管肉腫及
び乳房の原発性リンパ腫を挙げることができる。乳癌として、ステージI、II、III
A、IIIB、IIIC及びIVの乳癌を挙げることができる。乳房の腺管癌として、浸
潤癌、管内成分優位の浸潤性上皮内癌、炎症性乳癌、並びに面皰型、粘液(膠様)型、髄
様、リンパ球浸潤を伴う髄様型、乳頭型、硬性型及び管状型からなる群から選択される組
織学的型を有する乳房の腺管癌を挙げることができる。乳房の小葉癌として、in si
tu成分優位の浸潤性小葉癌、浸潤性(invasive)小葉癌、及び浸潤性(inf
iltrating)小葉癌を挙げることができる。乳癌として、パジェット病、乳管内
癌を伴うパジェット病、及び浸潤性腺管癌を伴うパジェット病を挙げることができる。乳
癌として、組織化学的及び超徴形態学的多様性(例えば、混合細胞型)を有する乳房新生
物を挙げることができる。
【0439】
処置できる癌は、American Joint Committee on Can
cer(AJCC)のTNM分類方式に従いステージ判定することができ、この場合、腫
瘍(T)にはTX、T1、T1mic、T1a、T1b、T1c、T2、T3、T4、T
4a、T4b、T4c又はT4dのステージが割り当てられており;所属リンパ節(N)
にはNX、N0、N1、N2、N2a、N2b、N3、N3a、N3b又はN3cのステ
ージが割り当てられており;遠隔転移(M)にはMX、M0又はM1のステージが割り当
てられ得る。処置できる癌は、American Joint Committee o
n Cancer(AJCC)分類に従い、ステージI、ステージIIA、ステージII
B、ステージIIIA、ステージIIIB、ステージIIIC又はステージIVとステー
ジ判定することができる。処置できる癌は、AJCC分類に従い、グレードGX(例えば
、評価できないグレード)、グレード1、グレード2、グレード3又はグレード4のグレ
ードを割り当ててもよい。処置できる癌は、AJCCの病理分類(pN)に従い、pNX
、pN0、PN0(I-)、PN0(I+)、PN0(mol-)、PN0(mol+)
、PN1、PN1(mi)、PN1a、PN1b、PN1c、pN2、pN2a、pN2
b、pN3、pN3a、pN3b又はpN3cのステージに判定することができる。
【0440】
処置できる癌として、直径が約2センチメートル以下であると判定された腫瘍を挙げる
ことができる。処置できる癌として、直径が約2~約5センチメートルであると判定され
た腫瘍を挙げることができる。処置できる癌として、直径が約3センチメートル以上であ
ると判定された腫瘍を挙げることができる。処置できる癌として、直径が5センチメート
ル超であると判定された腫瘍を挙げることができる。処置できる癌は、顕微鏡所見によっ
て高分化、中分化、低分化又は未分化として分類してもよい。処置できる癌は、顕微鏡所
見により有糸分裂数(例えば、細胞分裂の量)又は核異型度(例えば、細胞の変化)に関
して分類してもよい。処置できる癌は、顕微鏡所見により壊死領域(例えば、死につつあ
る又は変性しつつある細胞領域)を伴うものとして分類してもよい。処置できる癌は、異
常核型を有するもの、異常な数の染色体を有するもの、或いは外見が異常な1つ又は複数
の染色体を有するものと分類してもよい。処置できる癌は、異数体、三倍体、四倍体又は
倍数性が変化したものとして分類してもよい。処置できる癌は、染色体転座、又は全染色
体の欠失若しくは重複、又は一部の染色体の欠失、重複若しくは増幅の領域を有するもの
として分類してもよい。
【0441】
処置できる癌は、DNAサイトメトリー、フローサイトメトリー又はイメージサイトメ
トリーにより評価してもよい。処置できる癌は、細胞の10%、20%、30%、40%
、50%、60%、70%、80%又は90%が細胞分裂の合成期(例えば、細胞分裂の
S期)にあるものとして型別にしてもよい。処置できる癌は、S期割合が低い又はS期割
合が高いものとして型別にしてもよい。
【0442】
癌は、ほとんどすべての徴候又は症状を引き起こし得る疾患群である。徴候及び症状は
、癌がどこにあるか、癌の大きさ、及び癌が近くの器官又は構造にどの程度影響を与える
かによって異なる。癌が広がる(転移する)場合、症状は体の様々な部分で現れることが
ある。
【0443】
EZH2に媒介されるタンパク質のメチル化が役割を担う障害は神経系疾患であり得る
。したがって、本発明の化合物はまた、神経疾患、例えば、癲癇、統合失調症、双極性障
害、又は他の心理的障害及び/若しくは精神障害、ニューロパチー、骨格筋萎縮、及び神
経変性疾患類、例えば、神経変性疾患を処置するために使用することもできる。例示的な
神経変性疾患類として、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)及びパーキン
ソン病が挙げられる。神経変性疾患類の別のクラスとして、少なくとも一部がポリ-グル
タミンの凝集により引き起こされる疾患が挙げられる。このクラスの疾患として、ハンチ
ントン病、球脊髄性筋萎縮症(SBMA又はケネディ病)歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症
(DRPLA)、脊髄小脳失調症1(SCA1)、脊髄小脳失調症2(SCA2)、マシ
ャド・ジョセフ病(MJD;SCA3)、脊髄小脳失調症6(SCA6)、脊髄小脳失調
症7(SCA7)及び脊髄小脳失調症12(SCA12)が挙げられる。
【0444】
EZH2に媒介されるエピジェネティックなメチル化が役割を担う他の任意の疾患も、
本明細書に記載の組成物及び方法を用いて処置可能又は予防可能とすることができる。
【0445】
癌を処置すると、腫瘍の大きさが小さくなることがある。腫瘍の大きさが小さくなるこ
とは、「腫瘍退縮」という場合もある。いくつかの実施形態では、処置後、腫瘍の大きさ
は、処置前のその大きさと比較して5%以上縮小し;いくつかの実施形態では、腫瘍の大
きさは10%以上縮小し;20%以上縮小し;30%以上縮小し;40%以上縮小し;5
0%以上縮小し;75%以上縮小する。腫瘍の大きさは、任意の再現可能な測定手段によ
り測定することができる。腫瘍の大きさは、腫瘍の直径として測定してもよい。
【0446】
癌を処置すると、腫瘍容積が縮小することがある。いくつかの実施形態では、処置後、
腫瘍容積は、処置前のその大きさと比較して5%以上縮小し;いくつかの実施形態では、
腫瘍容積は10%以上縮小し;20%以上縮小し;30%以上縮小し;40%以上縮小し
;50%以上縮小し;最も好ましくは75%超縮小する。腫瘍容積は、任意の再現可能な
測定手段により測定することができる。
【0447】
癌を処置すると、腫瘍の数が減少する。いくつかの実施形態では、処置後、腫瘍数は、
処置前の数と比較して5%以上減少し;いくつかの実施形態では、腫瘍数は10%以上減
少し;20%以上減少し;30%以上減少し;40%以上減少し;50%以上減少し;最
も好ましくは75%超減少する。腫瘍の数は、任意の再現可能な測定手段により測定する
ことができる。腫瘍の数は、肉眼又は特定の倍率で観察できる腫瘍をカウントすることに
より測定することができる。いくつかの実施形態では、特定の倍率は2倍、3倍、4倍、
5倍、10倍又は50倍である。
【0448】
癌を処置すると、原発腫瘍部位から離れた他の組織又は器官における転移病変の数が減
少することがある。いくつかの実施形態では、処置後、転移病変の数は、処置前の数と比
較して5%以上減少し;いくつかの実施形態では、転移病変の数は10%以上減少し;2
0%以上減少し;30%以上減少し;40%以上減少し;50%以上減少し;最も好まし
くは75%超減少する。転移病変の数は、任意の再現可能な測定手段により測定すること
ができる。転移病変の数は、肉眼又は特定の倍率で観察できる転移病変をカウントするこ
とにより測定することができる。いくつかの実施形態では、特定の倍率は2倍、3倍、4
倍、5倍、10倍又は50倍である。
【0449】
癌を処置すると、処置した被検体の集団の平均生存期間が、キャリアを単独投与した集
団と比較して延長されることがある。いくつかの実施形態では、平均生存期間は30日を
超えて;60日を超えて;90日を超えて;最も好ましくは120日を超えて延長される
。集団の平均生存期間の延長は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集
団の平均生存期間の延長は、例えば、集団について活性化合物による処置の開始後の平均
生存期間を計算することにより測定してもよい。集団の平均生存期間の延長はまた、例え
ば、集団について活性化合物による初回処置の終了後の平均生存期間を計算することによ
り測定してもよい。
【0450】
癌を処置すると、処置した被検体の集団の平均生存期間が、未処置被検体の集団と比較
して延長されることがある。いくつかの実施形態では、平均生存期間は30日を超えて;
60日を超えて;90日を超えて;最も好ましくは120日を超えて延長される。集団の
平均生存期間の延長は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集団の平均
生存期間の延長は、例えば、集団について活性化合物による処置の開始後の平均生存期間
を計算することにより測定してもよい。集団の平均生存期間の延長はまた、例えば、集団
について活性化合物による初回処置の終了後の平均生存期間を計算することにより測定し
てもよい。
【0451】
癌を処置すると、処置した被検体の集団の平均生存期間が、本開示の化合物、又はその
薬学的に許容される塩、溶媒和物、アナログ若しくは誘導体ではない薬剤による単独療法
を受けた集団と比較して延長されることがある。いくつかの実施形態では、平均生存期間
は30日を超えて;60日を超えて;90日を超えて;最も好ましくは120日を超えて
延長される。集団の平均生存期間の延長は、任意の再現可能な手段により測定することが
できる。集団の平均生存期間の延長は、例えば、集団について活性化合物による処置の開
始後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。集団の平均生存期間の延長は
また、例えば、集団について活性化合物による初回処置の終了後の平均生存期間を計算す
ることにより測定してもよい。
【0452】
癌を処置すると、処置した被検体の集団の死亡率がキャリアを単独投与した集団と比較
して低下することがある。癌を処置すると、処置した被検体の集団の死亡率が未処置集団
と比較して低下することがある。癌を処置すると、処置した被検体の集団の死亡率が、本
開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩溶媒和物、アナログ若しくは誘導体ではな
い薬剤による単独療法を受けた集団と比較して低下することがある。いくつかの実施形態
では、死亡率は2%超;5%超;10%超;最も好ましくは25%超低下する。処置した
被検体の集団の死亡率の低下は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集
団の死亡率の低下は、例えば、集団について活性化合物による処置の開始後の単位時間当
たりの疾患関連死亡の平均数を計算することにより測定してもよい。集団の死亡率の低下
はまた、例えば、集団について活性化合物による初回処置の終了後の単位時間当たりの疾
患関連死亡の平均数を計算することにより測定してもよい。
【0453】
癌を処置すると、腫瘍の増殖率が低下することがある。いくつかの実施形態では、処置
後、腫瘍の増殖率は処置前の数と比較して少なくとも5%低下し;いくつかの実施形態で
は、腫瘍の増殖率は少なくとも10%低下し;少なくとも20%低下し;少なくとも30
%低下し;少なくとも40%低下し;少なくとも50%低下し;少なくとも50%低下し
;最も好ましくは少なくとも75%低下する。腫瘍の増殖率は、任意の再現可能な測定手
段により測定することができる。腫瘍の増殖率は、単位時間当たり腫瘍直径の変化により
測定してもよい。
【0454】
癌を処置すると、腫瘍の再増殖が抑制されることがある。いくつかの実施形態では、処
置後、腫瘍の再増殖は5%未満であり;いくつかの実施形態では、腫瘍の再増殖は10%
未満であり;20%未満であり;30%未満であり;40%未満であり;50%未満であ
り;50%未満であり;最も好ましくは75%未満である。腫瘍の再増殖は、任意の再現
可能な測定手段により測定することができる。腫瘍の再増殖は、例えば、以前の腫瘍縮小
後に、処置後生じた腫瘍の直径の増加を測定することにより測定してもよい。腫瘍の再増
殖の抑制は、処置を中止した後に腫瘍が再発しないことにより示される。
【0455】
細胞増殖性障害を処置又は予防すると、細胞増殖率が低下することがある。いくつかの
実施形態では、処置後、細胞増殖率は少なくとも5%低下し;少なくとも10%低下し;
少なくとも20%低下し;少なくとも30%低下し;少なくとも40%低下し;少なくと
も50%低下し;少なくとも50%低下し;最も好ましくは少なくとも75%低下する。
細胞増殖率は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。細胞増殖率は、
例えば、組織サンプルにおいて単位時間当たりに分裂している細胞数を測定することによ
り測定してもよい。
【0456】
細胞増殖性障害を処置又は予防すると、増殖している細胞の比率が低下することがある
。いくつかの実施形態では、処置後、増殖している細胞の比率は少なくとも5%;少なく
とも10%;少なくとも20%;少なくとも30%;少なくとも40%;少なくとも50
%;少なくとも50%;最も好ましくは少なくとも75%低下する。増殖している細胞の
比率は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。いくつかの実施形態で
は、増殖している細胞の比率は、例えば組織サンプルにおいて分裂している細胞数を非分
裂細胞の数と比較して定量することにより測定される。
【0457】
増殖細胞の割合は、有糸分裂指数と同等であり得る。
【0458】
細胞増殖性障害を処置又は予防すると、細胞の増殖部位又は領域の大きさが小さくなる
ことがある。いくつかの実施形態では、処置後、細胞の増殖部位又は領域の大きさは、処
置前のその大きさと比較して少なくとも5%縮小し;少なくとも10%縮小し;少なくと
も20%縮小し;少なくとも30%縮小し;少なくとも40%縮小し;少なくとも50%
縮小し;少なくとも50%縮小し;最も好ましくは少なくとも75%縮小する。細胞の増
殖部位又は領域の大きさは、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。細
胞の増殖部位又は領域の大きさは、細胞の増殖部位又は領域の直径又は幅として測定して
もよい。
【0459】
細胞増殖性疾患を処置又は予防することにより、増殖細胞、例えば悪性細胞の生存度又
は生存率が低下し得る。いくつかの実施形態では、処置後、増殖細胞の生存度又は生存率
は、処置前の生存度又は生存率と比較して少なくとも5%減少し;少なくとも10%減少
し;少なくとも20%減少し;少なくとも30%減少し;少なくとも40%減少し;少な
くとも50%減少し;少なくとも50%減少し;少なくとも75%減少し、少なくとも8
0%減少し、少なくとも90%減少し、少なくとも95%減少し、少なくとも99%減少
する。増殖細胞の生存度又は生存率は、任意の再現性のある測定手段によって測定するこ
とができる。細胞の生存率、生存度、及び増殖速度を測定するのに適したいくつかの例示
的なアッセイが本明細書に記載されており、さらなる適切なアッセイは、本開示及び当技
術分野の知識に基づいて当業者には明らかであろう。いくつかの例示的な実施形態では、
増殖細胞の生存度は、例えば、初期の細胞数に対して処置の一定時間後の残存細胞数を定
量することによって測定される。いくつかの実施形態では、細胞の生存率は、例えば、イ
ンビトロ細胞生存率アッセイで測定される。
【0460】
細胞増殖性障害を処置又は予防すると、異常な外観若しくは形態を有する細胞の数又は
比率が低下することがある。いくつかの実施形態では、処置後、異常な形態を有する細胞
数は、処置前のその大きさと比較して少なくとも5%減少し;少なくとも10%減少し;
少なくとも20%減少し;少なくとも30%減少し;少なくとも40%減少し;少なくと
も50%減少し;少なくとも50%減少し;最も好ましくは少なくとも75%減少する。
異常な細胞外観又は形態は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。異
常な細胞形態は、例えば倒立型培養顕微鏡を用いて顕微鏡観察により測定してもよい。異
常な細胞形態は、核異型の形をとることがある。
【0461】
本明細書で使用する場合、「選択的に」という用語は、ある集団において別の集団より
高頻度で起こる傾向があることを意味する。比較される集団は細胞集団であってもよい。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒
和物は、癌又は前癌性細胞に選択的に作用するが、正常な細胞には作用しない。いくつか
の実施形態では、本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、
ある分子標的(例えば、標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)を調節するが、別の
分子標的(例えば、非標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)をあまり調節しないよ
うに選択的に作用する。本発明はまた、酵素、例えばタンパク質メチルトランスフェラー
ゼの活性を選択的に阻害するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、あるイベ
ントが集団Bと比較して集団Aで2倍を超える高い頻度で起こる場合、そのイベントは、
集団Bに対して集団Aにおいて選択的に起こる。あるイベントが集団Aで5倍を超える高
い頻度で起こる場合、そのイベントは選択的に起こる。あるイベントが集団Bと比較して
集団Aで10倍を超える高い頻度で;50倍を超える;100倍を超える;最も好ましく
は1000倍を超える高い頻度で、集団Aで起こる場合、そのイベントは選択的に起こる
。例えば、細胞死は、正常な細胞と比較して癌細胞で2倍を超える頻度で起こる場合、癌
細胞で選択的に起こるといえると考えられる。
【0462】
本開示の組成物、例えば、式(I)~(VIa)の任意の化合物又はその薬学的に許容
される塩と、1つ又は複数の他の治療剤、例えば、プレドニゾンとを含む組成物は、分子
標的(例えば、標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)の活性を調節することができ
る。調節とは、分子標的の活性を刺激又は阻害することをいう。いくつかの実施形態では
、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が、前記化合物が存在
しないこと以外は同じ条件下の分子標的の活性と比較して、分子標的の活性を少なくとも
2倍刺激又は阻害する場合、この組成物は分子標的の活性を調節する。いくつかの実施形
態では、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が、前記化合物
が存在しないこと以外は同じ条件下の分子標的の活性と比較して、分子標的の活性を少な
くとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも10
0倍刺激又は阻害する場合、この組成物は分子標的の活性を調節する。分子標的の活性は
、任意の再現可能な手段により測定することができる。分子標的の活性は、インビトロで
測定してもインビボで測定してもよい。例えば、分子標的の活性は、酵素活性アッセイ又
はDNA結合アッセイによりインビトロで測定してもよいし、又は分子標的の活性は、レ
ポーター遺伝子の発現をアッセイすることによりインビボで測定してもよい。
【0463】
本開示の組成物は、化合物を添加しても、前記化合物が存在しないこと以外は同じ条件
下の分子標的の活性と比較して、分子標的の活性を10%より多く刺激又は阻害しない場
合、分子標的の活性をあまり調節しない。
【0464】
本明細書で使用する場合、「アイソザイム選択的」という用語は、酵素の第2のアイソ
フォームと比較した際の酵素の第1のアイソフォームの優先的な阻害又は刺激(例えば、
タンパク質メチルトランスフェラーゼアイソザイムβと比較した際のタンパク質メチルト
ランスフェラーゼアイソザイムαの優先的な阻害又は刺激)を意味する。いくつかの実施
形態では、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、生物学的
作用を得るのに必要な投薬量で最低4倍の差、好ましくは10倍の差、一層好ましくは5
0倍の差を示す。いくつかの実施形態では、本開示の化合物又はその薬学的に許容される
塩若しくは溶媒和物は、阻害の範囲全域にわたってこの差を示し、この差は、IC50
すなわち、目的の分子標的の50%阻害で例示される。
【0465】
本開示の組成物を細胞又はそれを必要とする被検体に投与すると、目的のタンパク質メ
チルトランスフェラーゼの活性が調節(すなわち、刺激又は阻害)され得る。
【0466】
本開示の化合物、例えば、式(I)~(VIa)の任意の化合物又はその薬学的に許容
される塩と、1つ又は複数の他の治療剤、例えば、プレドニゾンとを含む組成物を、細胞
又はそれを必要とする被検体に投与すると、細胞内の標的(例えば、基質)の活性が調節
(すなわち、刺激又は阻害)される。本開示の化合物を用いて、以下に限定されるもので
はないが、タンパク質メチルトラスフェラーゼ(methyltrasferase)な
ど、いくつかの細胞内標的を調節することができる。
【0467】
活性化するとは、組成物(例えば、タンパク質又は核酸)を所望の生物学的機能を果た
すのに好適な状態にすることをいう。活性化させることができる組成物はまた、不活性状
態も有する。活性化している組成物は、阻害性若しくは刺激性の生物学的機能、又はその
両方を有し得る。
【0468】
上昇とは、組成物(例えば、タンパク質又は核酸)の所望の生物活性における増加をい
う。上昇は組成物の濃度の増加によって起こり得る。
【0469】
癌又は細胞増殖性障害を処置すると、細胞死が起こることがあり、好ましくは細胞死に
より、ある集団で細胞の数が少なくとも10%減少する。いくつかの実施形態では、細胞
死は、少なくとも20%の減少;少なくとも30%の減少;少なくとも40%の減少;少
なくとも50%の減少;最も好ましくは少なくとも75%の減少を意味する。集団におけ
る細胞数は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集団における細胞数は
、蛍光活性化セルソーター(FACS)、免疫蛍光顕微鏡及び光学顕微鏡により測定して
もよい。細胞死を測定する方法は、Li et al.,Proc Natl Acad
Sci U S A.100(5):2674-8,2003に示される通りである。
いくつかの態様では、細胞死はアポトーシスにより起こる。
【0470】
いくつかの実施形態では、有効量の本開示の組成物又はその薬学的に許容される塩若し
くは溶媒和物は、正常な細胞に対してあまり細胞毒性を示さない。治療有効量の化合物の
投与により、正常な細胞に10%を超えて細胞死が誘導されない場合、治療有効量の化合
物は正常な細胞に対してあまり細胞毒性を示さない。治療有効量の化合物の投与により、
正常な細胞に10%を超えて細胞死が誘導されない場合、治療有効量の化合物は正常な細
胞の生存率にあまり影響を与えない。いくつかの態様では、細胞死はアポトーシスにより
起こる。
【0471】
本開示の組成物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物と細胞を接触させて、
癌細胞に選択的に細胞死を誘導する、又はこの癌細胞を活性化することができる。本開示
の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を、それを必要とする被験体に
投与して、癌細胞に選択的に細胞死を誘導する、又はこの癌細胞を活性化することができ
る。本開示の組成物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物と細胞を接触させて
、細胞増殖性障害に冒された1つ又は複数の細胞に選択的に細胞死を誘導することができ
る。いくつかの実施形態では、本開示の組成物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶
媒和物を、それを必要とする被験体に投与して、細胞増殖性障害に冒された1つ又は複数
の細胞に選択的に細胞死を誘導する。
【0472】
本開示は、本開示の組成物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を、それを
必要とする被検体に投与することによって、癌を処置又は予防する方法であって、本開示
の組成物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与すると、細胞周期(例え
ばG1、G1/S、G2/M)のうち1つ又は複数の期における細胞の蓄積による癌細胞
増殖の予防、又は細胞老化の誘導、若しくは腫瘍細胞分化の促進;正常な細胞において相
当量の細胞死を起こすことのない、細胞毒性、壊死若しくはアポトーシスによる癌細胞の
細胞死の促進、治療係数が少なくとも2の動物における抗腫瘍活性のうち1つ又は複数が
起こる方法に関する。本明細書で使用する場合、「治療係数」とは最大耐量を有効用量で
除した値である。
【0473】
当業者は、本明細書で考察した公知の技術又は等価な技術の詳細な説明に関する一般的
な参考文献を参照してもよい。そうした文献として、Ausubel et al.,C
urrent Protocols in Molecular Biology,Jo
hn Wiley and Sons,Inc.(2005);Sambrook et
al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manu
al(3rd edition),Cold Spring Harbor Press
,Cold Spring Harbor,New York(2000);Colig
an et al.,Current Protocols in Immunolog
y,John Wiley & Sons,N.Y.;Enna et al.,Cur
rent Protocols in Pharmacology,John Wile
y & Sons,N.Y.;Fingl et al.,The Pharmacol
ogical Basis of Therapeutics(1975),Remin
gton’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publ
ishing Co.,Easton,PA,18th edition(1990)が
挙げられる。さらにこれらの文献は、本発明の1つの態様の製造又は使用の際に参照して
もよいことは、言うまでもない。
【0474】
実施例1:EZH2非小細胞肺癌インビトロ組み合わせ試験
方法:インビトロで乳癌細胞株を用いて試験を行って、タゼメトスタットと第2の薬剤
との組み合わせの抗増殖効果を評価した。最初の増殖試験を行って、各細胞株におけるタ
ゼメトスタットのIC50を決定した。スクリーニングのために、タゼメトスタットを約
IC50値を括弧で囲んだ濃度で使用した。50%阻害濃度に到達しなかった場合は、1
0μMからタゼメトスタットの試験を開始した。
【0475】
細胞増殖に対するタゼメトスタットと第2の薬剤との二重組み合わせの効果を試験する
ために、対数線形増殖期(log-linear phase growth rate
)中の細胞をフラスコ内で様々な濃度のタゼメストスタット又はDMSOで7日間前処理
し、化合物の非存在下で、384ウェルプレートでプレーティングし、8日目に、さらに
6日間連続希釈したタゼメトスタット又はDMSO及び第2の薬剤で同時処理した(図1
に示されている)。15日目に、Cell Titer Gloを使用するエンドポイン
ト分析のためにプレートを展開して、細胞生存率の指標として使用したATP含量を測定
した。DMSO濃度は、アッセイ全体を通して0.15%v/vで一定に保った。
【0476】
細胞株:すべての細胞株は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATC
C;Rockville,MD)から入手した。NCI-H1573を、次の成分を含む
DMEM:F12培地で培養した:0.02mg/mlインスリン、0.01mg/ml
トランスフェリン、25nM亜セレン酸ナトリウム、50nMヒドロコルチゾン、1ng
/ml上皮成長因子、0.01mMエタノールアミン、0.01mMホスホリルエタノー
ルアミン、100pMトリヨードサイロニン、0.5%(w/v)ウシ血清アルブミン、
0.5mMピルビン酸ナトリウム、4.5mM L-グルタミン、及び1%v/v Pe
n/Strep。A427、Calu-3、Calu-6細胞株を、EMEM+10%ウ
シ胎児血清(FBS)+1%v/vペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)で培養し
た。A549細胞株を、F-12K+10% FBS+1%v/v P/Sで培養した。
NCI-H1793を、HITES+5% FBS+1%v/v P/Sで培養した。H
CC827、NCI-H838、NCI-H460、NCI-H661、NCI-H23
、NCI-H1299、NCI-H1703、NCI-H1993、NCI-H2030
、NCI-H2122、及びNCI-H522細胞株をRPMI-1640+10% F
BSで培養した。
【0477】
相乗効果の分析:組み合わせ効果の分析及び相乗効果の定量化を、CHALICEソフ
トウェア(Horizon Discovery,Cambridge,UK)を用いて
行って、Loewe法(Lehar et al,Mol Syst Biol 200
7;3:80)を用いて相乗効果を決定した。1より大きいLoewe量は、「相乗効果
」を示し、-1未満の量は「拮抗作用」を示した。-1~1の値は「加算性」を示した。
単剤もその組み合わせも50%阻害濃度に達しない場合は、「効果なし」とみなされた。
【0478】
タゼメトスタットといくつかの標準治療薬と標的療法との間の組み合わせ効果の分析の
結果を表2に示す。
【0479】
【表24】
【0480】
例示的な実施形態
実施形態1. 非小細胞肺癌(NSCLC)の処置方法であって、それを必要とする被
験体に、
(a)EZH2阻害剤を含む治療有効量の第1の薬剤、及び
(b)治療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤
を投与することを含む方法。
【0481】
実施形態2. EZH2阻害剤が、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩で
ある、実施形態1に記載の方法。
【0482】
実施形態3. 治療有効量のEZH2阻害剤が、終点を含めて約100mg~約160
0mgの間である、実施形態1に記載の方法。
【0483】
実施形態4. 治療有効量のEZH2阻害剤が、約100mg、約200mg、約40
0mg、約800mg、又は約1600mgである、実施形態3に記載の方法。
【0484】
実施形態5. 治療有効量のEZH2阻害剤が約800mgである、実施形態4に記載
の方法。
【0485】
実施形態6. 治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩が、終点
を含めて約100mg~約1600mgの間である、実施形態2に記載の方法。
【0486】
実施形態7. 治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩が、約1
00mg、約200mg、約400mg、約800mg、又は約1600mgである、実
施形態6に記載の方法。
【0487】
実施形態8. 治療有効量のタゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩が約80
0mgである、実施形態7に記載の方法。
【0488】
実施形態9. 治療有効量のEZH2阻害剤が1日2回(BID)投与される、実施形
態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0489】
実施形態10. 治療有効量のEZH2阻害剤が経口投与される、実施形態1~9のい
ずれか1つに記載の方法。
【0490】
実施形態11. 治療有効量のEZH2阻害剤がカプセル又は錠剤として投与される、
実施形態10に記載の方法。
【0491】
実施形態12. 癌細胞の成長、生存率、生存、又は増殖を阻害又は減少させる方法で
あって、この細胞を、
(a)有効量のEZH2阻害剤、及び
(b)1つ又は複数の第2の薬剤
と接触させることを含む、方法。
【0492】
実施形態13. 癌細胞が、非小細胞肺癌(NSCLC)細胞である、実施形態12に
記載の方法。
【0493】
実施形態14. EZH2阻害剤が、タゼメトスタット又はその薬学的に許容される塩
である、実施形態12又は13に記載の方法。
【0494】
実施形態15. 有効量のEZH2阻害剤が、非小細胞肺癌細胞の成長、生存率、生存
、又は増殖を少なくとも50%阻害又は減少させるのに十分な量である、実施形態12~
14のいずれか1つに記載の方法。
【0495】
実施形態16. 有効量のEZH2阻害剤が、非小細胞肺癌細胞の成長、生存率、生存
、又は増殖を少なくとも70%阻害又は減少させるのに十分な量である、実施形態12~
14のいずれか1つに記載の方法。
【0496】
実施形態17. 有効量のEZH2阻害剤が、非小細胞肺癌細胞の成長、生存率、生存
、又は増殖を少なくとも90%阻害又は減少させるのに十分な量である、実施形態12~
14のいずれか1つに記載の方法。
【0497】
実施形態18. 接触させることが、インビトロ又はエクスビボで行われる、実施形態
12~14のいずれか1つに記載の方法。
【0498】
実施形態19. 接触させることが、EZH2阻害剤及び1つ又は複数の第2の薬剤を
癌細胞を有する被験体に投与することによってインビボで行われる、実施形態12~14
のいずれか1つに記載の方法。
【0499】
実施形態20. 1つ又は複数の第2の薬剤が標準的な治療剤を含む、実施形態1~1
9のいずれか1つに記載の方法。
【0500】
実施形態21. 1つ又は複数の第2の薬剤が、アルキル化剤又はアルキル化様剤、抗
腫瘍剤、有糸分裂阻害剤、チューブリン重合阻害剤、代謝拮抗剤、DNAメチルトランス
フェラーゼ(DNMT)阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、トポイソ
メラーゼ阻害剤、上皮成長因子受容体(EFGR)阻害剤、EFGR及びErbB2の阻
害剤、EFGR及びヒト上皮成長因子受容体2(Her2)の阻害剤、未分化リンパ腫キ
ナーゼ(ALK)阻害剤、ALK及びROS1の阻害剤、ALK及びEGFRの阻害剤、
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤、マイトジェン活性化プロテインキナ
ーゼ(MEK)阻害剤、BRAF阻害剤、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻
害剤、Wee1阻害剤、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤、グ
ルココルチコイド受容体アゴニスト、レチノイン酸受容体アゴニスト、CBP/p300
阻害剤、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~19のいずれか1つに記載の方法
【0501】
実施形態22. 1つ又は複数の第2の薬剤が、アルキル化剤又はアルキル化様剤を含
む、実施形態21に記載の方法。
【0502】
実施形態23. 1つ又は複数の第2の薬剤がシスプラチンを含む、実施形態22に記
載の方法。
【0503】
実施形態24. 1つ又は複数の第2の薬剤が抗腫瘍剤を含む、実施形態21に記載の
方法。
【0504】
実施形態25. 1つ又は複数の第2の薬剤がオキサリプラチンを含む、実施形態24
に記載の方法。
【0505】
実施形態26. 1つ又は複数の第2の薬剤が有糸分裂阻害剤を含む、実施形態21に
記載の方法。
【0506】
実施形態27. 1つ又は複数の第2の薬剤が、パクリタキセル、ドセタキセル、ビン
ブラスチン、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態26に記載の方法。
【0507】
実施形態28. 1つ又は複数の第2の薬剤がチューブリン重合阻害剤を含む、実施形
態21に記載の方法。
【0508】
実施形態29. 1つ又は複数の第2の薬剤がビノレルビンを含む、実施形態28に記
載の方法。
【0509】
実施形態30. 1つ又は複数の第2の薬剤が代謝拮抗剤を含む、実施形態21に記載
の方法。
【0510】
実施形態31. 1つ又は複数の第2の薬剤がゲムシタビンを含む、実施形態30に記
載の方法。
【0511】
実施形態32. 1つ又は複数の第2の薬剤が葉酸型の代謝拮抗剤を含む、実施形態3
0に記載の方法。
【0512】
実施形態33. 1つ又は複数の第2の薬剤が、メトトレキサート、ペメトレキセド、
又はそれらの組み合わせを含む、実施形態32に記載の方法。
【0513】
実施形態34. 1つ又は複数の第2の薬剤が、DNAメチルトランスフェラーゼ(D
NMT)阻害剤を含む、実施形態21に記載の方法。
【0514】
実施形態35. 1つ又は複数の第2の薬剤が、デシタビン、アザシチジン、又はそれ
らの組み合わせを含む、実施形態34に記載の方法。
【0515】
実施形態36. 1つ又は複数の第2の薬剤が、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC
)阻害剤を含む、実施形態21に記載の方法。
【0516】
実施形態37. 1つ又は複数の第2の薬剤がボリノスタットを含む、実施形態36に
記載の方法。
【0517】
実施形態38. 1つ又は複数の第2の薬剤がトポイソメラーゼ阻害剤を含む、実施形
態21に記載の方法。
【0518】
実施形態39. 1つ又は複数の第2の薬剤が、イリノテカン、エトポシド、又はそれ
らの組み合わせを含む、実施形態38に記載の方法。
【0519】
実施形態40. 1つ又は複数の第2の薬剤が上皮成長因子受容体(EFGR)阻害剤
を含む、実施形態21に記載の方法。
【0520】
実施形態41. 1つ又は複数の第2の薬剤が、エルロチニブ、ゲフィチニブ、AZD
9291、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態40に記載の方法。
【0521】
実施形態42. 1つ又は複数の第2の薬剤が、EFGR及びErbB2の阻害剤を含
む、実施形態21に記載の方法。
【0522】
実施形態43. 1つ又は複数の第2の薬剤がラパチニブを含む、実施形態42に記載
の方法。
【0523】
実施形態44. 1つ又は複数の第2の薬剤が、EFGR及びヒト上皮成長因子受容体
2(Her2)の阻害剤を含む、実施形態21に記載の方法。
【0524】
実施形態45. 1つ又は複数の第2の薬剤がアファチニブを含む、実施形態44に記
載の方法。
【0525】
実施形態46. 1つ又は複数の第2の薬剤が未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害
剤を含む、実施形態21に記載の方法。
【0526】
実施形態47. 1つ又は複数の第2の薬剤がセリチニブを含む、実施形態46に記載
の方法。
【0527】
実施形態48. 1つ又は複数の第2の薬剤がALK及びROS1の阻害剤を含む、実
施形態21に記載の方法。
【0528】
実施形態49. 1つ又は複数の第2の薬剤はクリゾチニブを含む、実施形態48に記
載の方法。
【0529】
実施形態50. 1つ又は複数の第2の薬剤が、ALK及びEFGRの阻害剤を含む、
実施形態21に記載の方法。
【0530】
実施形態51. 1つ又は複数の第2の薬剤がブリガチニブを含む、実施形態50に記
載の方法。
【0531】
実施形態52. 1つ又は複数の第2の薬剤が、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)
4/6阻害剤を含む、実施形態21に記載の方法。
【0532】
実施形態53. 1つ又は複数の第2の薬剤が、アベマシクリブ、パルボシクリブ、リ
ボシクリブ、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態52に記載の方法。
【0533】
実施形態54. 1つ又は複数の第2の薬剤が、マイトジェン活性化プロテインキナー
ゼ(MEK)阻害剤を含む、実施形態21に記載の方法。
【0534】
実施形態55. 1つ又は複数の第2の薬剤が、トラメチニブ、セルメチニブ、又はそ
れらの組み合わせを含む、実施形態54に記載の方法。
【0535】
実施形態56. 1つ又は複数の第2の薬剤がBRAF阻害剤を含む、実施形態21に
記載の方法。
【0536】
実施形態57. 1つ又は複数の第2の薬剤がベムラフェニブを含む、実施形態56に
記載の方法。
【0537】
実施形態58. 1つ又は複数の第2の薬剤が、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI
3K)阻害剤を含む、実施形態21に記載の方法。
【0538】
実施形態59. 1つ又は複数の第2の薬剤が、ピクチリシブ、BKM-120、又は
それらの組み合わせを含む、実施形態58に記載の方法。
【0539】
実施形態60. 1つ又は複数の第2の薬剤がWee1阻害剤を含む、実施形態21に
記載の方法。
【0540】
実施形態61. 1つ又は複数の第2の薬剤がMK-1775を含む、実施形態60に
記載の方法。
【0541】
実施形態62. 1つ又は複数の第2の薬剤がポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ
(PARP)阻害剤を含む、実施形態21に記載の方法。
【0542】
実施形態63. 1つ又は複数の第2の薬剤がベリパリブを含む、実施形態62に記載
の方法。
【0543】
実施形態64. 1つ又は複数の第2の薬剤がグルココルチコイド受容体アゴニストを
含む、実施形態21に記載の方法。
【0544】
実施形態65. 1つ又は複数の第2の薬剤がプレドニゾロンを含む、実施形態64に
記載の方法。
【0545】
実施形態66. 1つ又は複数の第2の薬剤がレチノイン酸受容体アゴニストを含む、
実施形態21に記載の方法。
【0546】
実施形態67. 1つ又は複数の第2の薬剤がATRAを含む、実施形態66に記載の
方法。
【0547】
実施形態68. 1つ又は複数の第2の薬剤がCBP/p300阻害剤を含む、実施形
態21に記載の方法。
【0548】
実施形態69. 1つ又は複数の第2の薬剤が、化合物H:
【化26】
又はその薬学的に許容される塩を含む、実施形態68に記載の方法。
【0549】
実施形態70. EZH2阻害剤及び1つ又は複数の第2の薬剤が連続的に投与される
、実施形態1~69のいずれか1つに記載の方法。
【0550】
実施形態71. EZH2阻害剤が、1つ又は複数の第2の薬剤の前に投与される、実
施形態1~70のいずれか1つに記載の方法。
【0551】
実施形態72. 1つ又は複数の第2の薬剤がEZH2阻害剤の前に投与される、実施
形態1~71のいずれか1つに記載の方法。
【0552】
実施形態73. EZH2阻害剤が、タゼメトスタットの薬学的に許容される塩である
、実施形態1~72のいずれか1つに記載の方法。
【0553】
本明細書に引用する刊行物及び特許文書はすべて、そうした刊行物又は文書を本明細書
に援用するために具体的に個々に示しているかのように本明細書に援用する。刊行物及び
特許文書の引用は、いずれかが適当な従来技術であること認めることを意図するものでは
なく、その内容又は日付について何ら承認することにならない。これまで本発明を書面に
よる記載により説明してきたが、当業者であれば、本発明を種々の実施形態で実施するこ
とができること、及び前述の記載及び下記の例は説明を目的としたものであり、以下の特
許請求の範囲の限定を目的としたものでないことを認識するであろう。細胞株の名称又は
遺伝子の名称が使用される場合、特に明記されていない、又は文脈から明らかでない限り
、略語及び名称は、American Type Culture Collectio
n(ATCC)又はNational Center for Biotechnolo
gy Information(NCBI)の命名法に準拠する。
【0554】
本発明は、その精神又は本質的な特徴を逸脱することなく他の特定の形態で実施するこ
とができる。したがって前述の実施形態は、あらゆる点で本明細書に記載の本発明に関す
る限定ではなく、例示と見なすべきである。このため本発明の範囲は、明細書本文ではな
く添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の均等範囲に属するすべての変更
をすべてその範囲内に包含することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-10-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とする被験体に、
(a)EZH2阻害剤を含む治療有効量の第1の薬剤、及び
(b)治療有効量の1つ又は複数の第2の薬剤
を投与することを含む、非小細胞肺癌(NSCLC)の処置方法。