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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120315
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】シャワーシステム
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/28 20060101AFI20240829BHJP
   B05B 1/18 20060101ALI20240829BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240829BHJP
   B05B 1/02 20060101ALI20240829BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
A47K3/28
B05B1/18 101
B05C11/10
B05B1/02 101
B08B3/02 G
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027024
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】599048638
【氏名又は名称】CBC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141852
【弁理士】
【氏名又は名称】吉本 力
(72)【発明者】
【氏名】林 義久
【テーマコード(参考)】
2D132
3B201
4F033
4F042
【Fターム(参考)】
2D132FA02
2D132FA17
2D132FC04
2D132FD00
2D132FF04
2D132FG01
2D132FJ07
2D132FJ08
2D132FJ15
2D132FJ22
2D132FJ25
3B201AA46
3B201AA47
3B201AB52
3B201BB22
3B201BB32
3B201BB62
3B201BB92
3B201CD42
3B201CD43
4F033AA11
4F033BA02
4F033BA04
4F033DA05
4F033EA01
4F033GA01
4F033GA11
4F033LA09
4F033LA13
4F033NA01
4F042BA07
4F042BA11
4F042BA19
4F042CA01
4F042CB02
4F042CB08
4F042CB10
4F042CB19
4F042CB27
4F042DH09
(57)【要約】
【課題】短時間で効率よく洗浄を行うことができるシャワーシステムを提供する。
【解決手段】送液ポンプ36は、第1液体を送液するためのものである。第1送液管311には、送液ポンプ36により送液される第1液体が供給される。第1シャワーヘッド31は、第1送液管311に接続され、第1送液管311から送られてくる第1液体を対象物に向けて放出するためのものである。第2送液管321には、送液ポンプ36を介さずに送液される第2液体が供給される。第2シャワーヘッド32は、第2送液管321に接続され、第2送液管321から送られてくる第2液体を対象物に向けて放出するためのものである。気泡供給部30は、第1送液管311に供給される第1液体、又は、第2送液管321に供給される第2液体に対して、選択的に切り替えて気泡を混入させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1液体を送液するための送液ポンプと、
前記送液ポンプにより送液される前記第1液体が供給される第1送液管と、
前記第1送液管に接続され、当該第1送液管から送られてくる前記第1液体を対象物に向けて放出するための第1シャワーヘッドと、
前記送液ポンプを介さずに送液される第2液体が供給される第2送液管と、
前記第2送液管に接続され、前記第2送液管から送られてくる前記第2液体を対象物に向けて放出するための第2シャワーヘッドと、
前記第1送液管に供給される前記第1液体、又は、前記第2送液管に供給される前記第2液体に対して、選択的に切り替えて気泡を混入させる気泡供給部とを備える、シャワーシステム。
【請求項2】
前記第1シャワーヘッドが、
前記第1送液管から送られてくる前記第1液体が収容される第1収容室と、
前記第1収容室内の前記第1液体を放出させるための複数の第1小穴が形成された第1ノズル部材と、
前記第1小穴から放出される前記第1液体を収容して、当該第1液体中の気泡を滞留させるための第2収容室とを備える、請求項1に記載のシャワーシステム。
【請求項3】
前記第1シャワーヘッドが、前記第2収容室内の前記第1液体を放出させるための複数の第2小穴が形成された第2ノズル部材をさらに備える、請求項2に記載のシャワーシステム。
【請求項4】
前記第2ノズル部材における前記第2収容室側の面には、前記第1小穴に対向する位置に凸部が形成されている、請求項3に記載のシャワーシステム。
【請求項5】
前記第2収容室は、開口部を介して開放されており、当該開口部に前記対象物を当接又は近接させることにより、前記第1小穴から放出される前記第1液体を前記第2収容室に収容可能となる、請求項2に記載のシャワーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1シャワーヘッド及び第2シャワーヘッドを備えたシャワーシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば美容院又は介護施設などでは、下記特許文献1に例示されるように、シャワーヘッドから放出される液体により人体の一部(例えば頭、髪又は体など)を洗浄する場合がある。この種のシャワーヘッドは、人体だけでなく、動物又は金属などの各種対象物の洗浄に使用できる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-210002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、水などの液体中に、ナノバブル又はマイクロバブルといった微細な気泡を混入させることにより、液体の洗浄力を向上させる技術が提案されている。しかしながら、液体中に気泡が混入していたとしても、その液体を単に対象物に噴射するだけでは、当該液体中の気泡による洗浄力を十分に発揮できているとは言えない場合があった。
【0005】
そこで、液体中の溶存酸素量を増加させて洗浄力を向上させることができるように、シャワーヘッドの構造を改良することが考えられる。しかしながら、そのような構造のシャワーヘッドでは、放出される液体の流量が少なくなるため、本洗いには適していたとしても、予洗いやすすぎには時間がかかりすぎて適さないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、短時間で効率よく洗浄を行うことができるシャワーシステムを提供することを目的とする。また、本発明は、液体中の気泡による洗浄力を向上することができるシャワーシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係るシャワーシステムは、送液ポンプと、第1送液管と、第1シャワーヘッドと、第2送液管と、第2シャワーヘッドと、気泡供給部とを備える。前記送液ポンプは、第1液体を送液するためのものである。前記第1送液管には、前記送液ポンプにより送液される前記第1液体が供給される。前記第1シャワーヘッドは、前記第1送液管に接続され、当該第1送液管から送られてくる前記第1液体を対象物に向けて放出するためのものである。前記第2送液管には、前記送液ポンプを介さずに送液される第2液体が供給される。前記第2シャワーヘッドは、前記第2送液管に接続され、前記第2送液管から送られてくる前記第2液体を対象物に向けて放出するためのものである。前記気泡供給部は、前記第1送液管に供給される前記第1液体、又は、前記第2送液管に供給される前記第2液体に対して、選択的に切り替えて気泡を混入させる。
【0008】
このような構成によれば、送液ポンプにより送液される第1液体を対象物に向けて放出するための第1シャワーヘッドと、送液ポンプを介さずに送液される第2液体を対象物に向けて放出するための第2シャワーヘッドとで、選択的に切り替えて気泡を混入させた第1液体又は第2液体を放出させることができる。したがって、流量と洗浄力を考慮して第1シャワーヘッド又は第2シャワーヘッドを選択的に使用することにより、短時間で効率よく洗浄を行うことができる。
【0009】
例えば、第1液体としての洗浄液をタンクから送液ポンプにより送液して、第1シャワーヘッドから放出させることにより本洗いを行う一方で、第2液体としての水を水道栓から送液ポンプを介さずに送液して、第2シャワーヘッドから放出させることにより予洗い又はすすぎを行えば、短時間で効率よく洗浄を行うことができる。
【0010】
(2)前記第1シャワーヘッドが、第1収容室と、第1ノズル部材と、第2収容室とを備えていてもよい。前記第1収容室には、前記第1送液管から送られてくる前記第1液体が収容される。前記第1ノズル部材には、前記第1収容室内の前記第1液体を放出させるための複数の第1小穴が形成されている。前記第2収容室は、前記第1小穴から放出される前記第1液体を収容して、当該第1液体中の気泡を滞留させるためのものである。
【0011】
このような構成によれば、第1収容室内から第1小穴を介して放出される第1液体中の気泡が、第2収容室内で滞留するため、当該第2収容室内の第1液体中の溶存酸素量が増加する。その結果、第2収容室内の第1液体が対象物に接触したときの第1液体中の気泡による洗浄力を向上することができる。
【0012】
(3)前記第1シャワーヘッドが、前記第2収容室内の前記第1液体を放出させるための複数の第2小穴が形成された第2ノズル部材をさらに備えていてもよい。
【0013】
このような構成によれば、第2収容室内に第1液体を収容し、当該第1液体中の気泡を滞留させたうえで、当該第1液体を第2小穴から放出させることができる。これにより、第2小穴から放出される溶存酸素量が多い第1液体を用いて、高い洗浄力で対象物を洗浄することができる。
【0014】
(4)前記第2ノズル部材における前記第2収容室側の面には、前記第1小穴に対向する位置に凸部が形成されていてもよい。
【0015】
このような構成によれば、第1収容室内から第1小穴を介して放出される第1液体が、第2ノズル部材に形成された凸部に衝突することにより、当該第1液体中の気泡が粉砕され、より細かい気泡となって第2収容室内で滞留する。これにより、第2収容室内の第1液体中の溶存酸素量をさらに増加させることができるため、より高い洗浄力で対象物を洗浄することができる。
【0016】
(5)前記第2収容室は、開口部を介して開放されており、当該開口部に前記対象物を当接又は近接させることにより、前記第1小穴から放出される前記第1液体を前記第2収容室に収容可能となってもよい。
【0017】
このような構成によれば、開口部に対象物を当接又は近接させることにより、第2収容室内に第1液体を収容し、当該第1液体中の気泡を滞留させることができる。したがって、シャワーヘッドを対象物に当接又は近接させて使用するだけで、第1液体中の気泡による洗浄力を容易に向上することができる。
【0018】
(6)別の本発明に係るシャワーヘッドは、送液管に接続され、前記送液管から送られてくる液体を対象物に向けて放出するためのシャワーヘッドであって、第1収容室と、第1ノズル部材と、第2収容室とを備える。前記第1収容室には、前記送液管から送られてくる液体が収容される。前記第1ノズル部材には、前記第1収容室内の液体を放出させるための複数の第1小穴が形成されている。前記第2収容室は、前記第1小穴から放出される液体を収容して、当該液体中の気泡を滞留させるためのものである。
【0019】
(7)前記シャワーヘッドは、前記第2収容室内の液体を放出させるための複数の第2小穴が形成された第2ノズル部材をさらに備えていてもよい。
【0020】
(8)前記第2ノズル部材における前記第2収容室側の面には、前記第1小穴に対向する位置に凸部が形成されていてもよい。
【0021】
(9)前記第2収容室は、開口部を介して開放されており、当該開口部に前記対象物を当接又は近接させることにより、前記第1小穴から放出される液体を前記第2収容室に収容可能となってもよい。
【0022】
(10)別の本発明に係る洗浄方法は、前記シャワーヘッドを用いた洗浄方法であって、前記シャワーヘッドを前記対象物に当接又は近接させた状態で使用する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、流量と洗浄力を考慮して第1シャワーヘッド又は第2シャワーヘッドを選択的に使用することにより、短時間で効率よく洗浄を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係るシャワーシステムの概略構成を示した図である。
図2】コントローラの概略構成を示した図である。
図3】シャワーシステムの第1設置態様を示した図である。
図4】シャワーシステムの第2設置態様を示した図である。
図5】シャワーシステムの第3設置態様を示した図である。
図6】第1シャワーヘッドの第1実施形態を示した概略断面図である。
図7図6の第1シャワーヘッドの底面図である。
図8図6の第1シャワーヘッドを用いて対象物を洗浄する際の態様を示した概略断面図である。
図9】第1シャワーヘッドの第2実施形態を示した概略断面図である。
図10図9の第1シャワーヘッドを用いて対象物を洗浄する際の態様を示した概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
1.シャワーシステムの概略構成
図1は、本発明の一実施形態に係るシャワーシステム1の概略構成を示した図である。このシャワーシステム1は、例えば美容院又は介護施設などで使用され、第1シャワーヘッド31又は第2シャワーヘッド32のいずれかを選択的に使用して、対象物に向けて液体を放出することにより、対象物を洗浄することができる。洗浄の対象物は、人体の一部(例えば頭、髪又は体など)であってもよいし、動物又は金属などの人体以外を対象物としてもよい。
【0026】
シャワーシステム1には、第1シャワーヘッド31及び第2シャワーヘッド32の他に、本体33、コントローラ34及びタンク35が備えられている。コントローラ34及びタンク35は、本体33に対して着脱可能に設けられているが、本体33と結合されることにより一体的に構成されていてもよい。
【0027】
本体33には、筐体330と、当該筐体330内にそれぞれ設けられた送液ポンプ36、エアポンプ37、切替バルブ38及び制御部39などが備えられている。筐体330は、中空状の部材であり、パッキン(図示せず)が適宜設けられることにより防水構造となっている。筐体330には、その内外での液体の通過を許容する4つの接続部331,332,333,334が設けられている。
【0028】
接続部334は、本体33の外部において導入管351に接続されている。導入管351の先端は、タンク35内に配置されており、タンク35内に貯留されている第1液体としての洗浄液が、導入管351及び接続部334を介して本体33内に流入する。洗浄液は、シャンプー液などの洗浄剤を予め水道水に溶かすことにより準備されてもよいし、単なる水(水道水)などであってもよい。接続部331は、本体33の外部において水道栓4に接続されており、水道栓4から供給される第2液体としての水(水道水)が、水道栓4からの水圧により接続部331を介して本体33内に流入する。
【0029】
接続部332は、本体33の外部において第1送液管311に接続されている。第1送液管311の先端は、第1シャワーヘッド31に接続されている。接続部332及び接続部334は、本体33の内部において、第1給液管335を介して連通している。送液ポンプ36は、第1給液管335の途中に設けられており、接続部334から本体33内に流入するタンク35内の洗浄液を接続部332へと送液する。送液ポンプ36により送液される洗浄液は、接続部332から第1送液管311に供給される。そして、第1送液管311から第1シャワーヘッド31に送られてくる洗浄液が、第1シャワーヘッド31の先端に設けられたノズル(図示せず)から対象物に向けて放出される。
【0030】
接続部333は、本体33の外部において第2送液管321に接続されている。第2送液管321の先端は、第2シャワーヘッド32に接続されている。接続部331及び接続部333は、本体33の内部において、第2給液管336を介して連通している。第2給液管336の途中に送液ポンプは設けられておらず、水道栓4からの水圧により、第2給液管336から第2送液管321へと送液ポンプを介さずに水が供給される。そして、第2送液管321から第2シャワーヘッド32に送られてくる水が、第2シャワーヘッド32の先端に設けられたノズル(図示せず)から対象物に向けて放出される。
【0031】
エアポンプ37及び切替バルブ38は、第1送液管311に供給される洗浄液、又は、第2送液管321に供給される水に対して、選択的に切り替えて気泡を混入させる気泡供給部30を構成している。切替バルブ38は、第1給気管337を介して第1給液管335に接続されるとともに、第2給気管338を介して第2給液管336に接続されている。エアポンプ37は、切替バルブ38に接続されており、当該切替バルブ38の切替動作により、エアポンプ37が第1給気管337に接続された状態、又は、エアポンプ37が第2給気管338に接続された状態のいずれかに切り替えることができる。
【0032】
したがって、送液ポンプ36を駆動して第1給液管335から第1送液管311に洗浄液を供給しているときに、エアポンプ37から切替バルブ38及び第1給気管337を介して空気を供給すれば、第1シャワーヘッド31から放出される洗浄液に気泡を混入させることができる。一方、送液ポンプ36を停止させた状態で、水道栓4を開いて第2給液管336から第2送液管321に水を供給しているときに、エアポンプ37から切替バルブ38及び第2給気管338を介して空気を供給すれば、第2シャワーヘッド32から放出される水に気泡を混入させることができる。なお、図1に二点鎖線で示すように、第2給液管336又は第2給気管338の途中に、ナノバブル又はマイクロバブルといった微細な気泡を供給する気泡発生装置339が設けられていてもよい。
【0033】
制御部39は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含み、シャワーシステム1の動作を制御する。制御部39には、コントローラ34、送液ポンプ36、エアポンプ37及び切替バルブ38などが電気的に接続されている。制御部39は、コントローラ34からの入力信号に基づいて、送液ポンプ36、エアポンプ37及び切替バルブ38の動作を制御する。
【0034】
図2は、コントローラ34の概略構成を示した図である。コントローラ34は、内部に電気配線などが配置されたケーシング340を備え、当該ケーシング340の表面に複数のボタン(電源ボタン341、バブルシャワーボタン342、シャンプーボタン343及び停止ボタン344)が設けられている。以下では、シャワーシステム1を用いた洗浄方法の一例について説明するが、本発明に係るシャワーシステム1は、ここに例示する方法に限らず、他の任意の洗浄方法に適用可能である。
【0035】
ユーザは、電源ボタン341を操作することにより、シャワーシステム1の電源をオン状態とし、各部(送液ポンプ36及びエアポンプ37など)をレディ状態とすることができる。その後、ユーザは、水道栓4を開くとともに、バブルシャワーボタン342を操作することによりエアポンプ37を第2給気管338に接続させ、気泡供給部30から第2給液管336内の水に気泡を供給させる。これにより、第2シャワーヘッド32から気泡が混入された水を放出させ、その水を用いて対象物に対する予洗いを行うことができる(予洗い工程)。
【0036】
予洗い工程の後、ユーザは、水道栓4を閉じるとともに、シャンプーボタン343を操作する。これに伴い、送液ポンプ36を駆動させてタンク35から第1給液管335内に洗浄液を供給することができるとともに、エアポンプ37を第1給気管337に接続させ、気泡供給部30から第1給液管335内の洗浄液に気泡を供給することができる。これにより、第1シャワーヘッド31から気泡が混入された洗浄液を放出させ、その洗浄液を用いて対象物に対する本洗いを行うことができる(本洗い工程)。
【0037】
本洗い工程の後、ユーザは、停止ボタン344を操作することにより、送液ポンプ36及びエアポンプ37の動作を停止させる。その状態で、ユーザは、水道栓4を開くことにより、第2シャワーヘッド32から気泡を含まない水を放出させ、その水を用いて対象物に対するすすぎを行うことができる(すすぎ工程)。すすぎ工程の後、ユーザは、水道栓4を閉じることにより作業を終了する。ただし、水道栓4の開閉は、手動ではなく、制御部39によるバルブ(図示せず)の切替により行われてもよい。
【0038】
このように、本実施形態では、送液ポンプ36により送液される洗浄液を対象物に向けて放出するための第1シャワーヘッド31と、送液ポンプ36を介さずに送液される水を対象物に向けて放出するための第2シャワーヘッド32とで、選択的に切り替えて気泡を混入させた洗浄液又は水を放出させることができる。したがって、流量と洗浄力を考慮して第1シャワーヘッド31又は第2シャワーヘッド32を選択的に使用することにより、短時間で効率よく洗浄を行うことができる。
【0039】
第2シャワーヘッド32は、第1シャワーヘッド31よりも流量が多い。したがって、上記のように、洗浄液をタンク35から送液ポンプ36により送液して、第1シャワーヘッド31から放出させることにより本洗いを行う一方で、水を水道栓4から送液ポンプ36を介さずに送液して、第2シャワーヘッド32から放出させることにより予洗い又はすすぎを行えば、短時間で効率よく洗浄を行うことができる。
【0040】
2.シャワーシステムの第1設置態様
図3は、シャワーシステム1の第1設置態様を示した図である。この例では、コントローラ34及びタンク35が、本体33から取り外された状態で使用される。なお、コントローラ34は、本体33(制御部39)に対して有線で接続されていてもよいし、無線で制御部39と通信可能であってもよい。
【0041】
タンク35は、浴槽などの槽5内に設置され、そのタンク35内に導入管351が挿入されている。コントローラ34は、槽5の縁などのユーザが操作しやすい位置に設置される。本体33は、槽5の下方又は側方などのユーザの邪魔にならない位置に設置される。
【0042】
図3に示すように、4つの接続部331,332,333,334は、本体33の筐体330の1つの面(例えば上面)に並べて配置されている。したがって、ユーザは、各接続部331,332,333,334に対応する管を接続する作業を容易に行うことができ、工事不要でシャワーシステム1を設置することができる。
【0043】
例えば、水道栓にホースを介してシャワーヘッドが接続された一般的なシャワー設備がある場合、そのホースを水道栓から取り外し、当該ホースを第1送液管311として接続部332に接続すればよい。この場合、ホースが取り外された水道栓を接続部331に別途接続すればよい。また、接続部334には、設置態様に合わせた長さの導入管351をユーザが選択して取り付けることができる。
【0044】
3.シャワーシステムの第2設置態様
図4は、シャワーシステム1の第2設置態様を示した図である。この例では、コントローラ34及びタンク35が、本体33に取り付けられた一体的な状態で使用される。この図4に示した設置態様に限られるものではないが、タンク35には、温度計352及び水位センサ353などが設けられていてもよい。この場合、温度計352又は水位センサ353からの信号に基づいて、制御部39が送液ポンプ36などの動作を制御してもよい。
【0045】
図4のように本体33、コントローラ34及びタンク35を一体的に取り付けることにより、シャワーシステム1を容易に持ち運ぶことができる。したがって、複数の対象者がいる介護施設や、訪問介護などの現場では使い勝手がよい。
【0046】
4.シャワーシステムの第3設置態様
図5は、シャワーシステム1の第3設置態様を示した図である。この例では、コントローラ34が本体33から取り外された状態で使用される一方で、タンク35は使用されない。この場合、例えば美容院に設置される洗面台などの槽6内に水を溜めて、その槽6内に導入管351を挿入することにより、槽6をタンク35の代わりに使用して対象物W(対象者の頭)に対する洗髪を行うことができる。
【0047】
導入管351は、例えば吸着盤などの固定具354を用いて槽6に固定することができる。コントローラ34は、槽6の縁などのユーザが操作しやすい位置に設置される。本体33は、槽6の下方又は側方などのユーザの邪魔にならない位置に設置される。
【0048】
5.第1シャワーヘッドの第1実施形態
図6は、第1シャワーヘッド31の第1実施形態を示した概略断面図である。また、図7は、図6の第1シャワーヘッド31の底面図である。
【0049】
この第1シャワーヘッド31は、第1送液管311(図6参照)から送られてくる液体を対象物に向けて放出することにより、対象物を洗浄するためのものであり、第1送液管311に対して着脱可能に接続される。第1送液管311は、例えばゴム製又は樹脂製のホースなどにより構成される。
【0050】
上述の通り、第1送液管311には、本体33から空気(気泡)を含む液体が供給される。例えば、液体と空気を所定の圧力比(例えば1:1)で混合することにより予め空気を含む液体を生成し、当該液体を第1送液管311に供給するような構成であってもよい。この場合、液体がミスト状になって第1送液管311に供給されてもよい。液体に含まれる気泡の径は、特に限定されるものではないが、ナノバブル又はマイクロバブルといった微細な気泡であれば、液体の洗浄力を向上することができる。
【0051】
第1シャワーヘッド31は、中空状のヘッド本体10と、当該ヘッド本体10に対してそれぞれ着脱可能な第1ノズル部材11、第2ノズル部材12及びホース継手13とを備える。第1ノズル部材11、第2ノズル部材12及びホース継手13は、ヘッド本体10に対して着脱可能な構成に限らず、少なくとも1つの部材が、ヘッド本体10に対して固定されていてもよい。
【0052】
ヘッド本体10は、例えば円柱状の部材であり、側面に入口開口部101が形成されるとともに、底面に出口開口部102が形成されている。入口開口部101及び出口開口部102は、ヘッド本体10内に形成された流路103を介して連通している。流路103には、第1収容室104、第2収容室105及び接続路106が含まれる。
【0053】
入口開口部101には、ホース継手13が取り付けられる。ホース継手は、円筒部131と、当該円筒部131の外周面の一部から円環状に突出するフランジ部132とが一体的に形成された構成を有している。円筒部131の外周面におけるフランジ部132よりも入口開口部101側の部分には、ねじ山(図示せず)が形成されている。当該ねじ山を入口開口部101に形成されたねじ溝(図示せず)にねじ込むようにして、ホース継手13を入口開口部101に取り付けることができる。ただし、ホース継手13は、ねじ込み式のものに限らず、嵌め込み式などの他の形状を有するものであってもよい。
【0054】
第1収容室104は、接続路106を介して入口開口部101に連通している。接続路106は、入口開口部101よりも小さい内径を有しており、入口開口部101の開口方向(水平方向)に真っ直ぐ延びた後、第1収容室104側(下方)に向かって屈曲したL字状に形成されている。具体的には、接続路106は、水平方向に延びる水平流路161と、上下方向に延びる鉛直流路162とを有している。
【0055】
接続路106における水平流路161と鉛直流路162との結合部には、L字状に屈曲した屈曲部が形成されている。当該屈曲部には、水平流路161を延長させる延長部163が形成されている。延長部163は、屈曲部(水平流路161と鉛直流路162との結合部)に対して、入口開口部101側とは反対側に向かって延びている。したがって、入口開口部101からヘッド本体10内に流入する液体は、水平流路161を通って延長部163の端部に衝突した後、屈曲部を介して鉛直流路162へと流れ、第1収容室104に流入する。接続路106の形状は、上記のような形状に限定されるものではないが、屈曲部又は湾曲部を途中に備えていることが好ましい。
【0056】
第1収容室104の形状は特に限定されるものではないが、本実施形態において、第1収容室104は、水平方向の断面が円形状に形成されている。すなわち、第1収容室104は、中心軸線Lに直交する断面が円形状であり、中心軸線Lに沿って上下方向に延びている。接続路106(鉛直流路162)は、中心軸線L上において、第1収容室104の上端に接続されている。したがって、第1送液管311から送られてくる液体は、接続路106を介して第1収容室104に収容される。
【0057】
第1収容室104は、その下端が下端開口部141を介して開放されている。この下端開口部141には、第2収容室105が連通している。第2収容室105の形状は特に限定されるものではないが、本実施形態において、第2収容室105は、水平方向の断面が円形状に形成されており、第1収容室104と同一の中心軸線Lに沿って上下方向に延びている。第2収容室105の内径は、第1収容室104の内径よりも大きい。したがって、第1収容室104と第2収容室105との結合部(下端開口部141の周縁部)には、角部により段差が形成されている。
【0058】
第1ノズル部材11は、第2収容室105側から第1収容室104内に挿入され、下端開口部141に取り付けられる。第1ノズル部材11は、円筒部111と、当該円筒部111の一端部(下端部)を閉塞する頭部112とが一体的に形成された構成を有している。円筒部111の外周面には、ねじ山(図示せず)が形成されている。当該ねじ山を下端開口部141に形成されたねじ溝(図示せず)にねじ込むようにして、第1ノズル部材11を下端開口部141に取り付けることができる。
【0059】
頭部112は、円筒部111よりも大きい外径を有しており、第1ノズル部材11を下端開口部141に取り付けた状態では、第1収容室104と第2収容室105との結合部(下端開口部141の周縁部)に形成された段差に頭部112が当接する。ただし、第1ノズル部材11は、ねじ込み式のものに限らず、嵌め込み式などの他の形状を有するものであってもよい。
【0060】
第1ノズル部材11の頭部112には、複数の小穴(第1小穴)113が形成されている。各小穴113は、頭部112を貫通しており、当該小穴113を介して第1収容室104と第2収容室105とが連通される。各小穴113は、中心軸線Lに対して平行に延びており、例えば、その内径は0.5~1.5mm、より好ましくは1mm程度である。小穴113の数は、例えば3~10個程度であり、本実施形態では5個の小穴113が互いに等間隔で形成されている。
【0061】
各小穴113は、第1収容室104内の液体を放出させるためのものである。すなわち、第1送液管311からヘッド本体10内に流入する液体は、第1収容室104に収容された後、第1ノズル部材11の各小穴113から圧力がかかった状態で第2収容室105内に放出される。このとき、各小穴113から放出される液体は、ミスト状であってもよい。第2収容室105は、その下端が出口開口部102を介してヘッド本体10の外部に開放されている。
【0062】
第2ノズル部材12は、ヘッド本体10の外側から第2収容室105内に挿入され、出口開口部102に取り付けられる。第2ノズル部材12は、円板状の部材であり、その外周面にねじ山(図示せず)が形成されている。当該ねじ山を出口開口部102に形成されたねじ溝(図示せず)にねじ込むようにして、第2ノズル部材12を出口開口部102に取り付けることができる。ただし、第2ノズル部材12は、ねじ込み式のものに限らず、嵌め込み式などの他の形状を有するものであってもよい。
【0063】
第2ノズル部材12を出口開口部102に取り付けた状態では、第2ノズル部材12の上面121が、第2収容室105の内周面に形成された段差面151に当接する。この状態では、第2ノズル部材12の下面122が、ヘッド本体10の下端縁(出口開口部102の周縁部)よりも第2収容室105側(上側)に位置している。これにより、ヘッド本体10内には、出口開口部102における第2ノズル部材12よりも外側(下側)の部分に、空間Sが形成されている。
【0064】
第2ノズル部材12には、中央部以外の位置に複数の小穴(第2小穴)123が形成されている。各小穴123は、第2ノズル部材12を貫通しており、当該小穴123を介して第2収容室105とヘッド本体10の外部とが連通される。各小穴123は、中心軸線Lに対して平行に延びており、例えば、その内径は0.5~2.5mm、より好ましくは1~2mm程度である。
【0065】
本実施形態では、図7に示すように、中心軸線Lに対して周方向に複数の小穴123が円環状に配列されている。具体的には、複数の小穴123が、中心軸線Lを中心とする同心円上に複数列で配列されている。この例では、複数の小穴123が3列で配列されており、中心軸線Lに最も近い方から順に、内側小穴123a、中央小穴123b、外側小穴123cの順序で配列されている。すなわち、複数の内側小穴123aが円環状に等間隔で配列され、その外側に複数の中央小穴123bが円環状に等間隔で配列され、その外側に複数の外側小穴123cが円環状に等間隔で配列されている。互いに隣接する内側小穴123a、中央小穴123b及び外側小穴123cは、中心軸線Lに対して径方向に並んでいる。
【0066】
内側小穴123a、中央小穴123b及び外側小穴123cは、それぞれ同一の内径を有していてもよいし、互いに異なる内径を有していてもよい。内側小穴123a、中央小穴123b及び外側小穴123cが互いに異なる内径を有する場合、例えば、内側小穴123aの内径よりも中央小穴123bの内径の方が大きく、中央小穴123bの内径よりも外側小穴123cの内径の方が大きくてもよい。
【0067】
この場合、例えば、内側小穴123aの内径が0.5~1.5mm、中央小穴123bの内径が1~2mm、外側小穴123cの内径が1.5~2.5mmであることが好ましい。また、より好ましくは、例えば、内側小穴123aの内径が1mm程度、中央小穴123bの内径が1.5mm程度、外側小穴123cの内径が2mm程度である。内側小穴123a、中央小穴123b及び外側小穴123cの数は、例えば、それぞれ10~30個であり、より好ましくは15~25個であり、さらに好ましくは20個程度である。
【0068】
各小穴123は、第2収容室105内の液体を放出させるためのものである。すなわち、第1収容室104から第1ノズル部材11の各小穴113を介して第2収容室105内に放出される液体は、第2収容室105から第2ノズル部材12の各小穴123を介してヘッド本体10の外部に放出される。
【0069】
第1ノズル部材11の複数の小穴113から放出される液体の流量と、第2ノズル部材12の各小穴123から放出される液体の流量は同じであり、例えば0.5~5L/min、好ましくは1L/min程度である。ただし、第2ノズル部材12の複数の小穴123は、第1ノズル部材11の複数の小穴113よりも数が多く、かつ、各小穴123の内径は各小穴113の内径以上である。そのため、第2収容室105内に収容される液体は、第1ノズル部材11の各小穴113から放出される速度よりも遅い速度で、第2ノズル部材12の各小穴123から放出される。
【0070】
第2ノズル部材12の上面121(第2収容室105側の面)には、凸部124が形成されている。凸部124は、第1ノズル部材11に対向しており、第1ノズル部材11側に向かって突出している。これにより、凸部124は、第1ノズル部材11に形成された各小穴113に対向する位置に設けられている。したがって、第1収容室104内から各小穴113を介して放出される液体は、第2ノズル部材12に形成された凸部124に衝突し、第2収容室105内に飛散する。
【0071】
凸部124の形状は特に限定されるものではないが、本実施形態において、凸部124は円錐状に形成されている。凸部124の頂点は、中心軸線L上に位置し、第1ノズル部材11に近接している。したがって、各小穴113には、円錐状の凸部124のテーパ面が対向しており、当該テーパ面に衝突した液体は、中心軸線Lから遠ざかる方向に飛散することとなる。ただし、凸部124の形状は、頂点が尖った形状に限らず、例えば球面状などの他の形状であってもよい。
【0072】
図8は、図6の第1シャワーヘッド31を用いて対象物を洗浄する際の態様を示した概略断面図である。
【0073】
液体に気泡が含まれている場合、第1ノズル部材11の各小穴113から第2収容室105内に放出される液体が第2ノズル部材12の凸部124に衝突することにより、当該液体中の気泡が粉砕され、図8に示すように、より細かい気泡となって第2収容室105内に滞留する。すなわち、第2収容室105は、液体中の気泡を滞留させるための空間として機能する。第2収容室105内に滞留する気泡は、ナノバブル又はマイクロバブルといった微細な気泡である。
【0074】
なお、第1送液管311から第1シャワーヘッド31に送られてくる液体に気泡が含まれていない場合であっても、第1収容室104内で液体が壁面(第1ノズル部材11又は第1収容室104の内壁面など)に衝突することにより気泡が発生する。したがって、第1ノズル部材11の各小穴113から第2収容室105内に放出される液体には気泡が含まれており、当該気泡が第2収容室105内でさらに細かい気泡となって滞留することとなる。
【0075】
この第1シャワーヘッド31を使用して対象物Wを洗浄する際には、図8に示すように、第1シャワーヘッド31を対象物Wに当接又は近接させた状態で使用する。図8では、対象物Wに第1シャワーヘッド31が当接している。具体的には、第1シャワーヘッド31の第2ノズル部材12の下面122が対象物W(例えば人の頭)に当接している。
【0076】
ただし、第2ノズル部材12の下面122ではなく、例えばヘッド本体10の下端縁(出口開口部102の周縁部)を対象物Wに当接させた状態で、第1シャワーヘッド31を使用してもよい。また、第1シャワーヘッド31を対象物Wに当接しない程度に近接させた状態で使用してもよい。この場合、第1シャワーヘッド31と対象物Wとの間には、例えば、10mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下の隙間が形成されていてもよい。
【0077】
本実施形態では、第2ノズル部材12の各小穴123から放出される液体の速度が遅く、当該液体の打撃による洗浄力は低いが、第1収容室104内から小穴113を介して放出される液体中の気泡が第2収容室105内で滞留することにより、第2収容室105内の液体中の溶存酸素量が増加する。その結果、第2収容室105内の液体が対象物Wに接触したときの液体中の気泡による洗浄力を向上することができる。
【0078】
特に、本実施形態では、第2収容室105内に液体を収容し、当該液体中の気泡を滞留させたうえで、当該液体を第2ノズル部材12の各小穴123から放出させることができる。これにより、各小穴123から放出される溶存酸素量が多い液体を用いて、高い洗浄力で対象物Wを洗浄することができる。
【0079】
また、本実施形態では、第1収容室104内から各小穴113を介して放出される液体が、第2ノズル部材12に形成された凸部124に衝突することにより、当該液体中の気泡が粉砕され、より細かい気泡となって第2収容室105内で滞留する。これにより、第2収容室105内の液体中の溶存酸素量をさらに増加させることができるため、より高い洗浄力で対象物Wを洗浄することができる。
【0080】
さらに、本実施形態では、第1シャワーヘッド31を対象物Wに当接又は近接させて使用するだけで、液体中の気泡による洗浄力を容易に向上することができる。第1シャワーヘッド31を対象物Wに当接又は近接させた場合、第2収容室105内の圧力が高まり、第2ノズル部材12の各小穴123から放出される液体の速度が速くなるため、さらに洗浄力を向上することができる。
【0081】
6.第1シャワーヘッドの第2実施形態
図9は、第1シャワーヘッド31の第2実施形態を示した概略断面図である。図10は、図9の第1シャワーヘッド31を用いて対象物を洗浄する際の態様を示した概略断面図である。
【0082】
第2実施形態に係る第1シャワーヘッド31は、第1実施形態に係る第1シャワーヘッド31とは異なり、第2ノズル部材12を備えていない。その点を除けば、第2実施形態に係る第1シャワーヘッド31は、第1実施形態に係る第1シャワーヘッド31と同様の構成を有しているため、同様の構成については、図に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0083】
本実施形態に係る第1シャワーヘッド31には、第2ノズル部材12が備えられていないため、第2収容室105は出口開口部102を介して開放されている。したがって、対象物Wがない状態では、第1収容室104内から第1ノズル部材11の各小穴113を介して放出される液体が、そのまま出口開口部102からヘッド本体10の外部に放出される。
【0084】
しかし、本実施形態では、第1シャワーヘッド31が対象物Wに当接又は近接した状態で使用される。すなわち、図10に示すように、第1シャワーヘッド31の出口開口部102に対象物Wを当接又は近接させることにより、第1ノズル部材11の各小穴113から放出される液体を第2収容室105内に収容可能となる。
【0085】
図10では、対象物Wに第1シャワーヘッド31が当接している。具体的には、ヘッド本体10の下端縁(出口開口部102の周縁部)が対象物Wに当接している。ただし、第1シャワーヘッド31を対象物Wに当接しない程度に近接させた状態で使用してもよい。この場合、第1シャワーヘッド31と対象物Wとの間には、例えば、10mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下の隙間が形成されていてもよい。
【0086】
本実施形態では、出口開口部102に対象物Wを当接又は近接させることにより、第2収容室105内に液体を収容し、当該液体中の気泡を滞留させることができる。したがって、第1シャワーヘッド31を対象物Wに当接又は近接させて使用するだけで、液体中の気泡による洗浄力を容易に向上することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 シャワーシステム
30 気泡供給部
31 第1シャワーヘッド
32 第2シャワーヘッド
36 送液ポンプ
37 エアポンプ
38 切替バルブ
311 第1送液管
321 第2送液管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10