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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120323
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】2流体ノズルおよび基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
H01L21/304 643C
H01L21/304 648G
H01L21/304 643A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027037
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】篠原 智之
(72)【発明者】
【氏名】船橋 和雅
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AB02
5F157AB16
5F157AB33
5F157AB90
5F157AC01
5F157AC13
5F157BB23
5F157BB37
5F157BB66
5F157CF04
5F157CF34
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF60
5F157CF99
5F157DB02
5F157DC81
(57)【要約】
【課題】洗浄力を維持しつつ、エネルギーのロスが小さい2流体ノズルおよび基板処理装置を提供する。
【解決手段】
2流体ノズル51は、気体を通過させる給気管11と、液体を通過させる給液管12と、給液管12に配置された、ヒータ14を備える。ヒータ制御部15は、ヒータ14の発熱を制御する。温度センサ16は、給液管12に設けられ、噴射される混合流体の温度を検出する。本構成では、2流体ノズル51にヒータ14が配置されることで、吐出直前に混合流体を加熱する。そのことから、配管の途中に介在された加熱機構によって液体を加熱する構成と異なり、液体が2流体ノズルに供給されるまでに冷却されること無い。そのため、洗浄力を維持しつつ、エネルギーのロスが小さい2流体ノズルおよび基板処理装置を提供できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体と気体とを混合した霧状の流体を噴射する2流体ノズルであって、
前記気体を通過させる給気管と、
前記液体を通過させる給液管と、
前記給液管に配置され、発熱する発熱体と、を備え、
前記給液管は、前記給気管の少なくとも一部が内在し、前記液体と前記気体が導入される導入管と、前記導入管に連通し、前記気体と前記液体とを混合して前記霧状の流体を生成する混合部と、前記混合部に連通し、前記霧状の流体を通過させ、先端口から噴射する先端管と、を有する
ことを特徴とする2流体ノズル。
【請求項2】
液体と気体とを混合した霧状の流体を噴射する2流体ノズルであって、
前記気体を通過させる給気管と、
前記液体を通過させる給液管と、
前記給気管に配置され、発熱する発熱体と、を備え、
前記給液管は、前記給気管の少なくとも一部が内在し、前記液体と前記気体が導入される導入管と、前記導入管に連通し、前記気体と前記液体を混合して前記霧状の流体を生成する混合部と、前記混合部に連通し、前記霧状の流体を通過させ、先端口から噴射する先端管と、を有する
ことを特徴とする2流体ノズル。
【請求項3】
液体と気体とを混合した霧状の流体を噴射する2流体ノズルであって、
前記液体を通過させる給液管と、
前記給液管の少なくとも一部が内在し、前記気体を通過させる給気管と、
前記給液管に配置され、発熱する発熱体と、を備え、
前記給気管および前記給液管の先端口の近傍の混合位置で、前記液体と前記液体を混合して前記霧状の流体を生成する
ことを特徴とする2流体ノズル。
【請求項4】
液体と気体とを混合した霧状の流体を噴射する2流体ノズルであって、
前記液体を通過させる給液管と、
前記給液管の少なくとも一部が内在し、前記気体を通過させる給気管と、
前記給気管に配置され、発熱する発熱体と、を備え、
前記給気管および前記給液管の先端口の近傍の混合位置で、前記液体と前記液体を混合して前記霧状の流体を生成する
ことを特徴とする2流体ノズル。
【請求項5】
請求項1または請求項3に記載の2流体ノズルにおいて、
前記発熱体は、前記給液管の外壁に配置されている
ことを特徴とする2流体ノズル。
【請求項6】
請求項2または請求項4に記載の2流体ノズルにおいて、
前記発熱体は、前記給気管の内壁に配置されている
ことを特徴とする2流体ノズル。
【請求項7】
請求項4に記載の2流体ノズルにおいて、
前記発熱体は、前記給気管の外壁に配置されている
ことを特徴とする2流体ノズル。
【請求項8】
基板を洗浄処理する基板処理装置であって、
前記基板を水平姿勢で保持した状態で鉛直軸周りに前記基板を回転駆動する基板回転保持機構と、
請求項1から請求項7のいずれかに記載の2流体ノズルと、
前記2流体ノズルを保持して前記基板の回転半径方向に移動させるノズル移動機構と、を備える
ことを特徴する基板処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の基板処理装置において、
前記2流体ノズルに配置された前記発熱体を、
霧状の流体の噴射中に発熱するように制御する制御手段を備える
ことを特徴とする基板処理装置。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体と気体を混合した霧状の流体を噴射して基板表面を洗浄する2流体ノズルおよびこの2流体ノズルを用いた基板処理装置に関する。基板としては、半導体基板、液晶表示用や有機EL(Electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の各種基板が例示される。
【背景技術】
【0002】
水平姿勢の基板に洗浄処理を行う枚葉式基板処理装置には、液体と気体とを混合した霧状の流体を噴射する2流体ノズルが設けられている場合がある。特許文献1の基板洗浄装置は、この種の2流体ノズルを有している。2流体ノズルは、純水供給部から供給される純水を吐出する液体吐出部を備えている。純水供給部と液体吐出部とには配管が介在している。
【0003】
特許文献1の装置は、加熱された純水を2流体ノズルに供給するようにしている。このようにすると、霧状の流体による洗浄能力が高まるので、基板洗浄に好都合となる。純水の加熱は、配管の途中に介在している純水加熱機構が行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-59880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の構成では、加熱機構で加熱された液体は、配管を通過して2流体ノズルに到達するまでに温度が低下してしまう。上述の構成ではエネルギーのロスが多く資源の利用効率が悪い。
【0006】
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、洗浄力を維持しつつエネルギーのロスが小さい2流体ノズルおよび基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために次の様な構成をとる。
(1)液体と気体とを混合した霧状の流体を噴射する2流体ノズルであって、前記気体を通過させる給気管と、前記液体を通過させる給液管と、前記給液管に配置され、発熱する発熱体と、を備え、前記給液管は、前記給気管の少なくとも一部が内在し、前記液体と前記気体が導入される導入管と、前記導入管に連通し、前記気体と前記液体とを混合して前記霧状の流体を生成する混合部と、前記混合部に連通し、前記霧状の流体を通過させ、先端口から噴射する先端管と、を有することを特徴とする2流体ノズル。
【0008】
[作用・効果](1)に係る構成によれば、給液管に配置された発熱体で、加熱された混合流体を供給可能な2流体ノズルが提供できる。本発明の2流体ノズルによれば、混合流体は、2流体ノズルの内部の給液管で加熱されて基板表面に発射される。本発明によれば、混合流体の温度が低下する前に2流体ノズルから混合流体を噴射することができる。この様に構成すれば、洗浄力を維持しつつ、液体や気体が2流体ノズルに送液されるまでに生じる温度低下によるエネルギーのロスが小さく環境に配慮が成された2流体ノズルが提供できる。
【0009】
本明細書は、(1)の他、以下のような発明も開示している。
【0010】
(2)液体と気体とを混合した霧状の流体を噴射する2流体ノズルであって、前記気体を通過させる給気管と、前記液体を通過させる給液管と、前記給気管に配置され、発熱する発熱体と、を備え、前記給液管は、前記給気管の少なくとも一部が内在し、前記液体と前記気体が導入される導入管と、前記導入管に連通し、前記気体と前記液体を混合して前記霧状の流体を生成する混合部と、前記混合部に連通し、前記霧状の流体を通過させ、先端口から噴射する先端管と、を有することを特徴とする2流体ノズル。
【0011】
[作用・効果](2)に係る構成によれば、給気管に配置された発熱体で、加熱された混合流体を供給可能な2流体ノズルが提供できる。本発明の2流体ノズルによれば、気体は、給気管に配置された発熱体によって加熱される。加熱された気体は、混合部で液体と混合されることで所定温度の混合流体となる。本発明によれば、所定温度の混合流体の温度が低下する前に2流体ノズルから混合流体を噴射することができる。このように構成すれば、洗浄力を維持しつつ、液体や気体が2流体ノズルに送液されるまでに生じる温度低下によるエネルギーのロスが小さく環境に配慮がなされた2流体ノズルを提供できる。
【0012】
(3)液体と気体とを混合した霧状の流体を噴射する2流体ノズルであって、前記液体を通過させる給液管と、前記給液管の少なくとも一部が内在し、前記気体を通過させる給気管と、前記給液管に配置され、発熱する発熱体と、を備え、前記給気管および前記給液管の先端口の近傍の混合位置で、前記液体と前記液体を混合して前記霧状の流体を生成することを特徴とする2流体ノズル。
【0013】
[作用・効果](3)に係る構成によれば、給液管に配置された発熱体で加熱された混合流体を供給可能な2流体ノズルが提供できる。本発明の2流体ノズルによれば、液体は、給液管に配置された発熱体によって加熱される。加熱された液体は、気体と混合されることで、所定温度の混合流体となる。本発明によれば、所定温度の混合流体を温度が低下する前に2流体ノズルから噴射することができる。このように構成すれば、洗浄力を維持しつつ、液体や気体が2流体ノズルに送液されるまでに生じる温度低下によるエネルギーのロスが小さく環境に配慮がなされた2流体ノズルを提供できる。
【0014】
(4)液体と気体とを混合した霧状の流体を噴射する2流体ノズルであって、前記液体を通過させる給液管と、前記給液管の少なくとも一部が内在し、前記気体を通過させる給気管と、前記給気管に配置され、発熱する発熱体と、を備え、前記給気管および前記給液管の先端口の近傍の混合位置で、前記液体と前記液体を混合して前記霧状の流体を生成することを特徴とする2流体ノズル。
【0015】
[作用・効果](4)に係る構成によれば、給気管に配置された発熱体で加熱された混合流体を供給可能な2流体ノズルが提供できる。本発明の2流体ノズルによれば、気体は、給気管に配置された発熱体によって加熱される。加熱された気体は、液体と混合されることで所定温度の混合流体となる。本発明によれば、所定温度の混合流体を温度が低下する前に2流体ノズルから噴射することができる。このように構成すれば、洗浄力を維持しつつ、液体や気体が2流体ノズルに送液されるまでに生じる温度低下によるエネルギーのロスが小さく環境に配慮がなされた2流体ノズルを提供できる。
【0016】
(5)(1)または(3)に記載の2流体ノズルにおいて、前記発熱体は、前記給液管の外壁に配置されていることを特徴とする2流体ノズル。
【0017】
[作用・効果](5)に係る構成によれば、発熱体を液流から遠ざけて配置することができる。この様に構成すれば、発熱体が押し流す力の強い液流により剥離したり破損したりすることが抑制される。
【0018】
(6)(2)または(4)に記載の2流体ノズルにおいて、前記発熱体は、前記給気管の内壁に配置されていることを特徴とする2流体ノズル。
【0019】
[作用・効果](6)に係る構成によれば、発熱体を気流に近づけて配置することができる。この様に構成すれば、発熱体が直接に気流に接触するので、効率よく気体を加熱することができる。
【0020】
(7)(4)に記載の2流体ノズルにおいて、前記発熱体は、前記給気管の外壁に配置されていることを特徴とする2流体ノズル。
【0021】
[作用・効果](7)に係る構成によれば、発熱体が給気管の外壁に配置されているので、発熱体を大型化することができる。つまり、当該構成によれば、より効率よく気体の加熱を行うことができる。
【0022】
(8)基板を洗浄処理する基板処理装置であって、前記基板を水平姿勢で保持した状態で鉛直軸周りに前記基板を回転駆動する基板回転保持機構と、請求項1から請求項7のいずれかに記載の2流体ノズルと、前記2流体ノズルを保持して前記基板の回転半径方向に移動させるノズル移動機構と、を備えることを特徴する基板処理装置。
【0023】
[作用・効果](8)に係る構成によれば、本発明の構成を基板洗浄に係る基板処理装置に適用ができる。
【0024】
(9)(8)に記載の基板処理装置において、前記2流体ノズルに配置された前記発熱体を、霧状の流体の噴射中に発熱するように制御する制御手段を備えることを特徴とする基板処理装置。
【0025】
[作用・効果](9)に係る構成によれば、発熱体の発熱時間を極力小さくし、エネルギーのロスが小さな基板処理装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ノズル自体に配置された発熱体で、加熱された混合流体を供給可能な2流体ノズルを提供できる。2流体ノズルの内部で混合流体、液体、気体のいずれかを加熱する構成とすれば、混合流体は温度が低下する前に2流体ノズルから噴射される。この様に構成すれば、洗浄力を維持しつつ、液体や気体が2流体ノズルに送液されるまでに生じる温度低下によるエネルギーのロスが小さく環境に配慮が成された2流体ノズルが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施例1における2流体ノズルを搭載した基板洗浄ユニットの構成を表す模式図である。
図2】実施例1における2流体ノズルの構成を説明する断面図である。
図3】実施例1の2流体ノズルの動作を説明するフローチャートである。
図4】実施例2における2流体ノズルの構成を説明する断面図である。
図5】実施例3、実施例4、変形例1における2流体ノズルの構成を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例1について説明する。本発明の2流体ノズルは、気体と液体が混合した霧状の混合流体を対象物に向けて噴射する構成である。本発明の2流体ノズルは、2流体ノズルを用いた装置に広く適用が可能であり、例えば基板洗浄装置に適用ができる。実施例1,実施例2に係る2流体ノズルは、気体と液体をノズル内で混合する、いわゆる内部混合型であり、実施例3,実施例4に係る2流体ノズルは、気体と液体をノズル外で混合する、いわゆる外部混合型である。
【実施例0029】
図1は、本発明に係る表面洗浄ユニットSSの構成を表す模式図である。。表面洗浄ユニットSSは、水平姿勢の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置である。
【0030】
表面洗浄ユニットSSの具体的構成について説明する。表面洗浄ユニットSSは、図1に示すように、基板Wを水平姿勢で保持した状態で、基板Wの中心を通る鉛直軸周りに基板Wを回転させるスピンチャック41を備える。スピンチャック41は、基板Wを吸着することで基板Wを保持する。スピンチャック41の上端は、円形となっており、スピンチャック41上端面に設けられた貫通孔から空気を吸引することで基板Wに吸着する。
【0031】
スピンチャック41の下部には、スピンチャック41を回転させる回転軸43が設けられている。回転軸43は、モータ45により回転駆動される。ポンプ47は、中空の回転軸43を介してスピンチャック41の上端面から空気を吸引する。回転軸43が回転することでスピンチャック41および吸着保持されている基板Wが回転する。
【0032】
2流体ノズル51は水平方向に延びるアーム53の先端に取り付けられている。2流体ノズル51には、液体を流通させる供給管55と、気体を流通させる供給管57が接続されている。供給管55は液体供給源71に連通接続され、供給管57は気体供給源73に連通接続されている。液体供給源71から供給された液体、気体供給源73から供給された気体は、2流体ノズル51で混合されて2流体ノズル51から基板Wの上面に向けて噴射される。液体供給源71は、液体を保持するタンクと、液体を2流体ノズル51に到達させるポンプを有している。液体としては、例えば、純水が用いられる。気体供給源73は、気体を2流体ノズル51に供給する。気体としては、例えば、不活性ガスである窒素ガスが用いられる。
【0033】
液体供給制御部72,気体供給制御部74は、気体と液体の混合流体を2流体ノズル51から噴射させるか否かを制御する構成である。液体供給制御部72は、液体供給源71を制御して2流体ノズル51に対する液体の供給を制御する。気体供給制御部74は、気体供給源73を制御して2流体ノズル51に対する気体の供給を制御する。
【0034】
アーム53は、Z方向(鉛直方向)に延びる基部を備えている。従って、アーム53は、全体で逆Lの字形状をしている。アーム53の基部は昇降旋回駆動機構59に連結されている。アーム53は昇降旋回駆動機構59により、基板Wから離れた待機位置とスピンチャック41が保持する基板Wの中心に位置する終点位置に亘って旋回駆動が可能である。アーム53は待機位置と終点位置において各々昇降駆動されて2流体ノズル51が所定の高さ位置に設定される。待機位置は基板Wから外れた側方位置に設定させている。終点位置はスピンチャック41に保持された基板Wの中心部上方に設定されている。2流体ノズル51は、アーム53により基板Wの周縁部の位置から終点位置まで往復移動されながら混合流体を基板W上面に向けて噴射する。このようにして2流体ノズル51を用いた基板Wのスキャン動作が実行される。2流体ノズル51から噴射された混合流体は、衝撃を与えつつ基板Wに吹き付けられる。そのため、基板W上面をくまなく走査するスキャン動作を行うことによって基板Wの上面の全てを洗浄できる。
【0035】
ガード77は、洗浄処理中の基板Wを囲うように配置された筒状の部材である。詳細には、ガード77は、円筒状の胴部と、胴部の上辺に連接されたテーパ部とを備える。テーパ部は、胴部から離れるほど径が小さくなる略円筒形状をしている。ガード77は、Z方向に昇降可能に構成されている。ガード77は、下降した待機位置と、待機位置より上方の処理位置とに昇降可能である。ガード昇降機構75は、ガード77を昇降させる。
【0036】
その他、本実施例の表面洗浄ユニットSSは、基板洗浄処理に関する制御を行う制御部76を備えている。制御部76は、制御に関するプログラムやパラメータを記憶する記憶部を備えている。制御部76の制御は、例えば、CPU(Central Processing Unit)で実現される。制御部76は、液体供給制御部72,気体供給制御部74,後述のヒータ制御部15,ヒータ制御部25を制御する。その他、2流体ノズル51の昇降動作、2流体ノズル51の旋回動作、ガード77の昇降動作、スピンチャック41の回転動作等の各動作の制御についても制御部76が実現する。制御部76の具体的構成については特に限定されず、単一のCPUで制御部76を実現するようにしてもよいし、複数のCPUで制御部76の各機能を分割して実現するようにしてもよい。
【0037】
<2流体ノズルの構成>
図2(a)は、本実施例に係る内部混合型の2流体ノズル51を具体的に説明する断面図である。図2(a)では、図の理解を容易にするため、矢印によってZ方向を定義する。Z方向を定義する矢印が向く方向が、Z方向上向きであり、矢印と180°の向きをなす方向がZ方向下向きである。当該図が説明するように、本実施例に係る2流体ノズル51は、気体が供給され、Z方向に延びる給気管11と、給気管11の先端に設けられた液体が供給され、Z方向に延びる給液管12と、給液管12の基部に設けられた給液管12に液体を供給させる基部開口と、給液管12の外壁に配置された円筒形状のヒータ14とを備えている。ヒータ制御部15は、ヒータ14の発熱を制御する。温度センサ16は、給液管12に配置され、先端から噴射される混合流体の温度を検出する。
【0038】
給気管11は、中空の配管であり、テーパ部、非テーパ部、下端部を備える。基給気管11は、上端からZ方向下向きに向かうに従い、内径が次第に小さくなるように延びるテーパ部と、テーパ部の下端から外径と内径に変化がなくZ方向下向きに延びる非テーパ部とを有している。下端部は、非テーパ部からZ方向下向きに延びる。下端部は、非テーパ部と同じ内径であり、かつ小さい外径の円筒形状となっている。
【0039】
なお、給気管11は、例えば、PTFE(polytetrafluoroethylene)などのフッ素樹脂で構成される。
【0040】
保護カバー10は、2流体ノズル51の先端を基板Wや表面洗浄ユニットSSの他部材から保護する構成である。保護カバー10は、先端には開口を有しており、この開口を通じて混合流体が噴射可能である。また。保護カバー10は、水圧により落下しようとする給液管12を固定する機能も有している。
【0041】
給液管12は、内径が給気管11の下端部の外径よりも大きく、給気管11の下端部を内在させる太管12aと、内径が太管12aより内径と外径が小さく、給液管12の下端に位置する細管12cと、太管12aと細管12cを連結するジョイント部12bを有する。ジョイント部12bの径は、太管12aの接合部で最大となり、そこから細管12cに向かうにつれ次第に小さくなる。そして、ジョイント部12bの径は、細管12cの接合部で最小となる。太管12aの上端は、給気管11の下端部に結合されている。太管12aの上端は、開口を有しており、開口は、液体を通過させる供給管55に連接されている。細管12cの下端は、開口となっており、液体と気体の混合流体を噴射する先端口を有している。給液管12は、例えば、石英などで構成される。なお、上述の太管12aが本発明の導入管に相当し、細管12cが本発明の先端管に相当する。
【0042】
ジョイント部12bの内部は、気体と液体が混合する混合空間である混合室12dとなっている。給気管11の下端部は、混合室12dまで延びており、混合室12dに気体を供給する。太管12aに供給された液体は、細管12cに向かう前に混合室12dを通過し、気体と混合して、霧状の混合流体となる。なお、上述の混合室12dが本発明の混合部に相当する。
【0043】
図2(b)を参照する。ヒータ14は、ヒータ本体14a、挿入部14b、電熱線14cを備える。ヒータ本体14aは、細管12cを内在させる円管形状の部材であり、細管12cを通過する混合流体を加熱する。ヒータ本体14aの内部空間である挿入部14bの直径は、細管12cの外径に等しい。そのため、細管12cが挿入部14bに挿入されることで、ヒータ14は給液管12の外壁の外周に配置される。また、ヒータ本体14aの外径は、保護カバー10先端の内径に等しい。電熱線14cは、ヒータ本体14aに埋設されており、挿入口14bを中心としたコイル状の構成である。電熱線14cは、2つの端子を有し、この端子の間で電圧を印加すると、発熱する構成となっている。ヒータ本体14aは、例えばPTFEなどのフッ素樹脂で構成される。
【0044】
ヒータ制御部15は、給液管12の例えば細管12cに配置された温度センサ16の検出結果に基づいてヒータ14の印加電圧をフィードバック制御する。これにより、2流体ノズルから噴射される混合流体の温度は、給気管11を通過してきた気体、および給液管12を通過してきた液体の温度にかかわらず設定温度に加熱される。
【0045】
<2流体ノズルの動作>
以降、図3を参照して本実施例の動作について説明する。
ステップS11:2流体ノズル51を用いた基板洗浄が開始されると、まず、ヒータ制御部15は、ヒータ14の制御を開始して、2流体ノズル51の細管12cが加熱される。このとき、温度センサ16の検出結果に基づいたフィードバック制御を開始される。
【0046】
ステップS12:給気管11には、供給管57より気体が供給され、給液管12には、供給管55より液体が供給される。気体は、給気管11の先端から給液管12内の混合室12dに向けて放出され、給液管12の太管12aを通過している混合室12dに流入した液体と合流する。混合室12dでは、気体と液体とが相手を互いに拡散し合い、両者が混合した混合流体が発生する。混合流体は、給液管12の細管12cに向けて流れる。細管12cはヒータ14で加熱されていることから、混合流体が細管12cを通過することで、混合流体が設定温度に加熱される。加熱された混合流体は、最後に細管12cの下端から噴射される。このような液体や気体の供給についての制御は、液体供給制御部72,気体供給制御部74が実現する。
【0047】
ステップS13:アーム53の往復動作が開始され、基板W上面における2流体ノズル51によるスキャン動作が開始される。
【0048】
ステップS14:本ステップでは、スキャン回数がカウントされ、スキャン回数が所定回数か否かが判断される。当該判断が偽なら、処理は、ステップS14に戻り、真なら処理はステップS15に進む。
【0049】
ステップS15:アーム53の往復動作が終了し、2流体ノズル51のスキャン動作が終了する。ステップS13~ステップS15の動作は、制御部76が実現する。
【0050】
ステップS16:2流体ノズル51への液体および気体の供給が終了する。このような液体や気体の供給についての制御は、液体供給制御部72,気体供給制御部74が実現する。
【0051】
ステップS17:ヒータ制御部15は、ヒータ14の制御を終了することにより、2流体ノズル51の加熱を終了する。
【0052】
以上のように、本実施例1の構成によれば、給液管12に配置されたヒータ14で、加熱された混合流体を供給可能な2流体ノズル51が提供できる。本実施例1の2流体ノズル51によれば、混合流体は、2流体ノズル51の内部の給液管12で加熱されて基板W表面に発射される。そのため、混合流体の温度が低下する前に2流体ノズル51から混合流体を噴射することができる。この様に構成すれば、洗浄力を維持しつつ、液体や気体が2流体ノズル51に送液されるまでに生じる温度低下によるエネルギーのロスが小さく環境に配慮が成された2流体ノズル51が提供できる。
【実施例0053】
図4は、本発明の実施例2に係る内部混合型の2流体ノズル51の構成を説明している。当該2流体ノズル51の概要は実施例1と同様であるが、ヒータ14が配置されている位置が実施例1と異なる。すなわち、実施例2のヒータ14は、給気管11の下端部に配置された構成となっている。ヒータ14の外径は、給気管11の下端部の内径に等しく、ヒータ14は、給気管11に結合されている。
【0054】
なお、図4によれば、ヒータ14は、給気管11の下端部が、ヒータ14の位置は特に限定されず、ヒータ14をテーパ部に配置してもよいし、非テーパ部に配置してもよい。
【0055】
図4が示すように、給液管12における細管12cの外径は、保護カバー10先端の内径に等しい。
【0056】
本実施例の温度センサ16は、噴射される混合流体の温度を検出する構成となっている。
【0057】
以降、本実施例2の動作について説明する。2流体ノズル51を用いた基板洗浄が開始されると、給気管11には、供給管57より気体が供給され、給液管12には、供給管55より液体が供給される。気体は、給気管11の下端部の開口から給液管12内の混合室12dに向けて放出される。給気管を通る間に気体は、ヒータ14により加熱される。給気管11から放出された加熱された気体は、給液管12の太管12aを通過して混合室12dに流入した液体と合流する。混合室12dでは、気体と液体とが相手を互いに拡散し合い、両者が混合した混合流体が発生する。
【0058】
ヒータ14は、ヒータ制御部15によりフィードバック制御されるので、2流体ノズル51から噴霧される混合流体の温度は設定温度となる。
【0059】
混合流体は、細管12cの先端から噴射される。
【0060】
以上のように、本実施例2の構成によれば、給気管11に配置されたヒータ14で、加熱された混合流体を供給可能な2流体ノズル51が提供できる。本実施例2の2流体ノズル51によれば、気体は、給気管11に配置されたヒータ14によって加熱される。加熱された気体は、混合室12dで液体と混合されることで所定温度の混合流体となる。本実施例によれば、所定温度の混合流体の温度が低下する前に2流体ノズルから混合流体を噴射することができる。このように構成すれば、洗浄力を維持しつつ、液体や気体が2流体ノズル51に送液されるまでに生じる温度低下によるエネルギーのロスが小さく環境に配慮がなされた2流体ノズル51を提供できる。
【実施例0061】
図5(a)は、本発明の実施例3に係る外部混合型の2流体ノズル51を具体的に説明する断面図である。図5(a)では、図の理解を容易にするため、矢印によってZ方向を定義する。Z方向を定義する矢印が向く方向が、Z方向上向きであり、矢印と180°の向きをなす方向がZ方向下向きである。当該図が説明するように、本実施例3に係る2流体ノズル51は、気体が供給され、Z方向に延びる給気管21と、給気管21の内部に設けられた液体が供給され、Z方向に延びる給液管22と、を備えている。また、供給管57は、給気管21の中途に設けられ給気管21に気体を供給する。ヒータ24は、円管形状であって、給液管22の外壁に配置されている。ヒータ制御部25は、ヒータ24に接続され、ヒータ24の発熱を制御する。温度センサ26は、給液管22の末端で混合流体の温度を計測する構成である。
【0062】
給液管22は、Z方向下向きに向かって順番に、ボス部、フランジ部、本体部、肉厚部を有している。給液管22は、中空の配管であり、上端が供給管55に連通接続されている。ボス部はZ方向に延びるように形成された円管形状の部材である。フランジ部は、ボス部の下端から、ボス部の外径より大きくなるように、Z方向下向きに延び、形成される。本体部は、フランジ部の下端から、外径がボス部の外径より小さくなるように、Z方向下向きに延び、形成される。給液管22の先端部は、本体部よりも肉厚な肉厚部となっており、内径がボス部、フランジ部、本体部よりも小さい。なお、ボス部、フランジ部、本体部の内径は全て同じである。給液管22は、例えば、石英などで構成される。
【0063】
給気管21は、給液管22のフランジ部、本体部、肉厚部を内在させる中空を有するZ方向に延びた部材である。給気管21は、基端部に給液管22のフランジ部を結合させる結合部を有している。結合部は、給気管21における他の部分と比べて、フランジ部を位置させる空間を設けただけ内径が大きく構成される。給液管22におけるフランジ部の外径は、給気管21における結合部の内径に等しく、給液管22のフランジ部は、給気管21における結合部に結合されている。
【0064】
給気管21における中空は、結合部からZ方向下向きに延びるように形成される。給気管21における中空の径は、接合部の内径よりも小さく、給液管22における本体部の外径よりも大きく設定される。従って、給気管21と給液管22との間には、円筒形状の隙間が生じることになる。当該隙間は、気体の通り道となる。当該隙間は、給液管22における肉厚部に相当する位置にも設けられている。従って、気体は、給液管22の肉厚部を構成する外壁と、当該外壁に対向する給気管21の内壁とに挟まれた隙間を通過して、2流体ノズル51の先端から噴射される。
【0065】
本実施例3に係る2流体ノズル51は、気体の噴射と同時に給液管22の先端から液体を噴射する構成となっている。給液管22から噴射された液体と、給気管21から噴射された気体とは、2流体ノズル51の下端から離れた位置である混合位置において混合して混合流体となる。
【0066】
給気管21の中途には開口が設けられており、開口は、気体を通過させる供給管57に連接されている。給気管21は、例えば、PTFEなどのフッ素樹脂で構成される。
【0067】
ヒータ24は、給液管22の本体部を内在させる円管形状の部材であり、給液管22を通過する液体を加熱する構成である。ヒータ24の内径は、給液管22の本体部の外径に等しく、ヒータ24は、当該本体部に配置されている。ヒータ24の具体的構成は、実施例1と同様である(図2(b)参照)。
【0068】
ヒータ制御部25は、給気管21の例えば先端部に配置された温度センサ26の検出結果に基づいてヒータ24をフィードバック制御する。これにより、2流体ノズルから噴射される混合流体の温度は、給液管22を通過してきた液体の温度等にかかわらず設定温度となる。
【0069】
以降、本実施例3の動作について説明する。2流体ノズル51を用いた基板洗浄が開始されると、給気管21には、供給管57より気体が供給され、給液管22には、供給管55より液体が供給される。気体が給気管21の先端から噴射される一方、液体は、ヒータ24により加熱された後、給液管22の先端から噴射される。2流体ノズルの混合位置では、気体と液体とが相手を互いに拡散し合い、両者が混合した混合流体が発生する。混合流体は、2流体ノズル51の下方に向けて流出する。
【0070】
以上のように、本実施例3によれば、給液管22に配置されたヒータ24で加熱された混合流体を供給可能な2流体ノズル51が提供できる。本実施例3の2流体ノズル51によれば、液体は、給液管22に配置されたヒータ24によって加熱される。加熱された液体は、気体と混合されることで、所定温度の混合流体となる。本実施例によれば、2流体ノズル51から所望の温度の混合流体を噴射することができる。従って本実施例によれば、所定温度の混合流体を温度が低下する前に2流体ノズル51から噴射させることができる。このように構成すれば、洗浄力を維持しつつ、液体や気体が2流体ノズル51に送液されるまでに生じる温度低下によるエネルギーのロスが小さく、環境に配慮がなされた2流体ノズル51を提供できる。
【実施例0071】
図5(b)は、本発明の実施例4に係る外部混合型の2流体ノズル51の構成を説明している。当該2流体ノズル51の概要は実施例3と同様であるが、ヒータ24が配置されている位置が実施例3と異なる。実施例4では、ヒータ24は、給気管21における中空の内壁に配置された構成となっている。ヒータ24の外径は、給気管21の内径に等しい。したがって、本実施例4は、混合される前の気体を加熱する構成である。ヒータ24のZ方向における長さは、給気管21における供給管57接続用の開口等、気体の通り道を塞ぐことがないよう十分に短く設定される。
【0072】
以降、本実施例4の動作について説明する。2流体ノズル51を用いた基板洗浄が開始されると、給気管21には、供給管57より気体が供給され、給液管22には、供給管55より液体が供給される。液体は、給液管22の先端から噴射される一方、気体は、ヒータ24により加熱された後、給気管21の下端から噴射される。2流体ノズルの頭頂部では、気体と液体とが相手を互いに拡散し合い、両者が混合した混合流体が発生する。混合流体は、2流体ノズル51の下方に向けて流出する。
【0073】
ヒータ制御部25は、給気管21の例えば中空に配置された温度センサ26の検出結果に基づいてヒータ24をフィードバック制御する。これにより、2流体ノズル51から噴射される混合流体の温度は、給液管22を通過してきた液体の温度等にかかわらず所定温度となる。
【0074】
以上のように、本実施例4によれば、給気管21に配置されたヒータ24で加熱された混合流体を供給可能な2流体ノズル51が提供できる。本実施例の2流体ノズル51によれば、気体は、給気管21に配置されたヒータ14によって加熱される。加熱された気体は、液体と混合されることで所定温度の混合流体となる。従って本実施例によれば、所定温度の混合流体を温度が低下する前に2流体ノズル51から噴射することができる。このように構成すれば、洗浄力を維持しつつ、液体や気体が2流体ノズル51に送液されるまでに生じる温度低下によるエネルギーのロスが小さく環境に配慮がなされた2流体ノズル51を提供できる。
【0075】
本発明は、上述の構成に限られず下記の様に変形実施することができる。
【0076】
<変形例1>
上述の実施例4の変形例として、図5(c)に示すように、給気管21の先端を覆うようにヒータ24を配置する構成が考えられる。この様に構成すれば、ヒータ24が給気管21の外壁に配置されているので、ヒータ24を大型化することができる。つまり、本変形例によれば、より効率よく気体の加熱を行うことができる。
【0077】
<変形例2>
上述の実施例1,実施例2の変形例として、保護カバー10を有しない構成が考えられる。
【0078】
<変形例3>
上述の実施例3,実施例4の変形例として、給気管21を覆う保護カバーを備える構成が考えられる。
【0079】
<変形例4>
本発明の発熱体は、ヒータ14,ヒータ24の構成に限られない。ヒータの熱源としては、電熱線14bに限られず、半導体材料などの他の構成を採用することもできる。また、本発明の発熱体は、電気エネルギー等を熱エネルギーに変換する部位を有する構成に限られず、2流体ノズル外部で発生した熱を給気管11,給気管21,給液管12,給液管22等に伝達する構成とすることもできる。
【0080】
<変形例5>
本発明の発熱体は、給気管11,給気管21,給液管12,給液管22と別体となっていたが、給気管11等に内蔵され、あるいは給気管11等を発熱可能な材料で構成することにより、給気管11等がそれ自体で発熱する構成とすることもできる。
【0081】
<変形例6>
本発明は、表面洗浄ユニットSS以外にも適用ができ、例えば、基板Wの裏面を洗浄する裏面洗浄ユニットにも配備可能である。また、本発明の給液管12,給液管22に薬液などの純水以外の液体を供給する構成とすれば、基板洗浄ユニット以外の枚葉処理チャンバに適用することも可能である。
【0082】
<変形例7>
上述した気体(不活性ガス)としては、窒素ガスに限られず、反応性に乏しい気体であればよい。
【0083】
<変形例8>
上述した発熱体は、給液管12,給液管22を通過する液体に接触しない位置に配置されていたが、本発明はこの構成に限られず、給液管12,給液管22の内側に発熱体を配置する構成とすることもできる。この場合、ヒータ14の電熱線14bを石英で構成される本体部で埋設する構成とすることが望ましい。
【0084】
<変形例9>
上述の実施例2および3では、給気管11の内径および給液管22の外径に配置されたヒータ14によって、気体のみを加熱する構成となっていた。しかし、本発明は当該構成に限定されない。給気管11の内径および給液管22の外径に、より出力の大きいヒータを配置することで、気体と液体の両方を同時に加熱することができる。実施例の2の場合には、給気管11の内径により出力の大きいヒータを配置し、給気管11を加熱することで、給気管11の内周を通る気体と、給気管11の外周を通る液体とを、同時に加熱することができる。また、実施例3の場合には、給液管22の外周により出力の大きいヒータを配置し、給液管22を加熱することで、給液管22の内周を通る液体と、給液管22の外周を通る気体とを同時に加熱することができる。本構成によれば、液体および気体の両方を加熱するため、液体および気体のいずれかを加熱する場合と比較して、高い温度まで混合流体を加熱することができる。そのため、より高い洗浄力を有する2流体ノズルを提供することができる。
【0085】
<変形例10>
上述の実施例および変形例では、2流体ノズル51に配置されたヒータ14またはヒータ24によって混合流体の加熱を行っていた。しかし、本発明は当該構成に限定されない。2流体ノズルに配置されたヒータ14または24に加えて、2流体ノズル51に送液されるまでに、気体および液体を予備的に加熱する加熱装置を設けて、混合流体の予備加熱を行ってもよい。この場合には、2流体ノズル51にヒータ14またはヒータ24が配置されているため、加熱装置では2流体ノズル51から基板Wへ噴射する所定温度まで、気体および液体を加熱する必要がない。そのため、気体および液体が2流体ノズル51に送液されるまでに生じる温度低下が小さく、エネルギーのロスを低減できる。
【符号の説明】
【0086】
10 保護カバー
11 給気管
12 給液管
12a 太管
12b ジョイント部
12c 細管
12d 混合室
14 ヒータ
14a ヒータ本体
14b 挿入部
14c 電熱線
15 ヒータ制御部
16 温度センサ
21 給気管
22 給液管
24 ヒータ
25 ヒータ制御部
26 温度センサ
41 スピンチャック
43 回転軸
45 モータ
51 ノズル
53 アーム
55 供給管
57 供給管
59 昇降旋回駆動機構
71 液体供給源
72 液体供給制御部
73 気体供給源
74 気体供給制御部
75 ガード昇降機構
76 制御部
77 ガード
SS 表面洗浄ユニット
W 基板

図1
図2
図3
図4
図5