(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120325
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】配線・配管材保護ダクト及び配線・配管材保護ダクト装置
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20240829BHJP
F16L 57/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H02G3/04 087
H02G3/04 018
F16L57/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027044
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121429
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(72)【発明者】
【氏名】西脇 寿幸
【テーマコード(参考)】
3H024
5G357
【Fターム(参考)】
3H024AA04
3H024AB02
3H024AC03
5G357DA06
5G357DD02
5G357DD06
5G357DE03
5G357DE05
(57)【要約】
【課題】配線・配管材を基台内に収容して構造物に沿って配設する作業中、蓋体を基台の開口が開いた状態で基台に保持する。
【解決手段】保護ダクト10は、一対の側壁22,22の先端側に被係合部25が形成された基台20と、被係合部25と係合する係合部44を備えた蓋体40と、からなる。基台20の各側壁22には基台側凸部30を設け、蓋体40の両側外面には蓋体側凸部45を設けた。幅方向他方側に位置する蓋体側凸部45が蓋体40の回動に伴って基台側凸部30を越えて開放位置で基台側凸部30と当接するとともに、幅方向他方側の被係合部25と係合部44とが開放位置において当接することにより、蓋体40は開放位置に維持される。これにより、ケーブル60を保護ダクト10内に収容する作業中に、開放位置にある蓋体40が基台20から不用意に落下するのが防止される。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に長手方向に連続した配線・配管材の配設経路を構成する配線・配管材保護ダクトであって、
底壁と、前記長手方向と直交する幅方向に対向して前記底壁の幅方向の両側からそれぞれ立設する一対の側壁と、を備え、前記一対の側壁の先端側間に前記配設経路を外部に臨ませる開口が形成された基台と、
前記一対の側壁の先端側に形成された被係合部と係合する一対の係合部を備え、前記開口を閉鎖する閉鎖位置で前記一対の側壁の先端側に架設されるように前記被係合部と前記係合部との係合により前記基台に組付けられて、前記基台とで中空筒状を構成する蓋体と、からなり、
幅方向一方側で前記被係合部と前記係合部との係合を解除し、幅方向他方側を軸として前記蓋体を回動させることで、前記閉鎖位置で組付けられた前記蓋体を、前記配設経路を外部に臨ませるように前記開口を開放した開放位置に移動させることが可能であり、
前記基台の一対の側壁には、前記側壁の立設方向に突出する基台側凸部がそれぞれ設けられ、
前記蓋体の幅方向の両側外面には、幅方向外側に向けて突出する蓋体側凸部が設けられ、
幅方向他方側に位置する前記蓋体側凸部が、前記蓋体の回動に伴って前記基台側凸部を越えるまで移動し、前記開放位置に前記蓋体が配置された状態において前記蓋体側凸部と前記基台側凸部とが互いに当接して、前記蓋体が前記閉鎖位置へと逆回動するのを規制するとともに、幅方向他方側の前記被係合部と前記係合部とが、前記開放位置に前記蓋体が配置された状態において互いに当接し、前記蓋体のそれ以上の過剰回動を規制して、前記蓋体を前記開放位置に維持することを特徴とする配線・配管材保護ダクト。
【請求項2】
前記基台を、上方、下方、及び上下方向と直交する側方のうち少なくとも2方向におけるいずれの方向に前記開口を向けた状態としても、前記蓋体を前記閉鎖位置で組付け可能であるとともに、前記蓋体を前記開放位置に維持可能であることを特徴とする請求項1に記載の配線・配管材保護ダクト。
【請求項3】
前記基台の被係合部は、前記基台の幅方向外側に向けて解放した解放部と、当該解放部を挟んで、前記底壁側に位置する第1板部と、反前記底壁側に位置する第2板部と、を備え、前記解放部と連通してその奥方に前記回動に伴う前記係合部の進入を許容する許容空間が形成され、前記基台側凸部は前記第1板部に形成され、
前記閉鎖位置において、前記蓋体の係合部は前記第2板部に係合し、
前記一対の側壁は、外側からの押圧により内側へと傾動可能であり、前記一対の被係合部と前記一対の係合部とは、前記傾動によりその係合が解除されることを特徴とする請求項1に記載の配線・配管材保護ダクト。
【請求項4】
前記閉鎖位置において、前記蓋体の全体は、前記一対の側壁の幅方向両側外面より内側に収まり、
前記開放位置において、前記蓋体の全体は、前記幅方向他方側の側壁の外面より当該他方側に突出しないことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の配線・配管材保護ダクト。
【請求項5】
前記長手方向を上下方向とした前記基台に対して、前記開放位置に移動した前記蓋体の自重による前記長手方向へのずれ移動が規制されるように、前記幅方向他方側の前記被係合部と前記係合部とは互いに当接することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の配線・配管材保護ダクト。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5に記載の配線・配管材保護ダクトと、長尺状をなし長手方向に連続する溝部が形成された柱状のダクト支持体と、からなる配線・配管材保護ダクト装置であって、
前記配線・配管材保護ダクトの基台の底壁は、前記ダクト支持体の溝部に挿入されて前記ダクト支持体に固定するための固定部を有し、
前記配線・配管材保護ダクトの幅は、前記ダクト支持体の幅と同一かそれより狭く、前記配線・配管材保護ダクトは、前記ダクト支持体の幅方向の外側にはみ出すことなく固定可能であり、
前記開放位置とした前記蓋体は、前記ダクト支持体の前記幅方向外側に突出することなく当該開放位置に維持されることを特徴とする配線・配管材保護ダクト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物に固定される基台と該基台に組付けられる蓋体とで構成され、内部に配線・配管材の配設経路が形成される配線・配管材保護ダクト及び配線・配管材保護ダクト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の配線・配管材保護ダクトとして特許文献1に記載されたものが知られている。この配線・配管材保護ダクトであるケーブル保護カバーは、
図11に示すように、天井面、壁面、床面等の構造物に固定される基台71と該基台71に嵌着される蓋体であるカバー体72とから成る。なお、
図11中の符号は説明の都合上特許文献1の符号とは変えてある。基台71は、天井面等に固定される平板状の当接板部73の幅方向の両端部に側板部74がそれぞれ一体に設けられ、更に、各側板部74の先端部から、当接板部73との間にケーブル60の収容空間75を形成するための延設板部76が当接板部73の幅方向の中心に向けてそれぞれ延設され、各延設板部76の先端部の間にケーブル60が挿入される開口からなる挿入口77が設けられている。側板部74と延設板部76との接続部には、当接板部73に対してほぼ垂直方向に係合突起78が形成され、両延設板部76,76の先端には、それぞれ収容空間75の内方に向けて折り曲げられて収容空間75内に収容されたケーブル60が挿入口77から落下するのを防止するた落下防止板部79が設けられている。
【0003】
カバー体72は、基台71の左右一対の各延設板部76の外側に密着状態で当接するカバー体本体部80と、基台71の係合突起78の外側に密着する一対の側板部81,81と、を備え、各側板部81の先端部に、内側に向けて鋭角状に一体成形されて基台71の係合突起78に係合する係合突起82が設けられている。
【0004】
このケーブル保護カバー70を使用して、天井面に設置された照明装置に対して給電を行うケーブル60を天井面において収容保護するには、基台71の当接板部73を固定釘を使用して天井面に固定してから、基台71の挿入口77からケーブル60を挿入して収容空間75に収容した後、基台71にカバー体72を嵌着する。
【0005】
ここで、この作業においては、カバー体72の嵌着を容易にするために、カバー体72の幅方向の一端部の係合突起82のみを基台71の一端側の係合突起78に係合させてカバー体72を垂直状態に吊り下げておき、その状態で基台71の収容空間75にケーブル60を収容した後、カバー体72の一端部の係合突起82を軸にカバー体72を内側に回動させて他端部の係合突起82を基台71の他端側の係合突起78に係合させるようにすれば、カバー体72の嵌着作業を容易に行うことができて望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように、特許文献1に記載のケーブル保護カバー70は、天井面に固定された基台71にカバー体72を嵌着する作業中、カバー体72の一端部の係合突起82を基台71の一端側の係合突起78に引掛けてカバー体72を吊り下げておくのが望ましい。しかし、カバー体72の一端部の係合突起82は、単に基台71の一端側の係合突起78に引掛けてあるだけなので、ケーブル60をケーブル保護カバー70に収容する作業中にカバー体72にぶつかったり振動があると簡単に基台71からカバー体72が外れて落下してしまう。
【0008】
また、ケーブル保護カバー70は、一度、カバー体72を基台71から取り外してから一端部の係合突起82を基台71の一端部の係合突起78に引掛けて吊り下げる必要があり、面倒であった。
加えて、ケーブル保護カバー70は、壁面、床面に設置する場合は、カバー体72の嵌着作業において、カバー体72の一端部の係合突起82を基台71の一端側の係合突起78に引掛けてカバー体72を吊り下げることはできなかった。
【0009】
そこで、本発明は、配線・配管材を基台内に収容して構造物に沿って配設する作業中、蓋体を基台の開口が開いた状態で基台に保持できる配線・配管材保護ダクト及び配線・配管材保護ダクト装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の配線・配管材保護ダクトは、底壁と、前記長手方向と直交する幅方向に対向して前記底壁の幅方向の両側からそれぞれ立設する一対の側壁と、を備え、前記一対の側壁の先端側間に前記配設経路を外部に臨ませる開口が形成された基台と、
前記一対の側壁の先端側に形成された被係合部と係合する一対の係合部を備え、前記開口を閉鎖する閉鎖位置で前記一対の側壁の先端側に架設されるように前記被係合部と前記係合部との係合により前記基台に組付けられて、前記基台とで中空筒状を構成する蓋体と、からなり、
幅方向一方側で前記被係合部と前記係合部との係合を解除し、幅方向他方側を軸として前記蓋体を回動させることで、前記閉鎖位置で組付けられた前記蓋体を、前記配設経路を外部に臨ませるように前記開口を開放した開放位置に移動させることが可能であり、
前記基台の一対の側壁には、前記側壁の立設方向に突出する基台側凸部がそれぞれ設けられ、
前記蓋体の幅方向の両側外面には、幅方向外側に向けて突出する蓋体側凸部が設けられ、
幅方向他方側に位置する前記蓋体側凸部が、前記蓋体の回動に伴って前記基台側凸部を越えるまで移動し、前記開放位置に前記蓋体が配置された状態において前記蓋体側凸部と前記基台側凸部とが互いに当接して、前記蓋体が前記閉鎖位置へと逆回動するのを規制するとともに、幅方向他方側の前記被係合部と前記係合部とが、前記開放位置に前記蓋体が配置された状態において互いに当接し、前記蓋体のそれ以上の過剰回動を規制して、前記蓋体を前記開放位置に維持するものである。
【0011】
これにより、基台の開口が開放した開放位置に蓋体を移動させたとき、蓋体側凸部と基台側凸部とが互いに当接し係合するとともに、基台の被係合部と蓋体の係合部とが当接し係合し、蓋体は開放位置に保持される。
また、蓋体側凸部は回動の際の指掛けとなるので、指が係合部の外面上を滑らず回動操作し易い。
加えて、蓋体は、基台の一対の被係合部のいずれを軸にしても回動させることができ両開きのために、幅方向に方向性がなく、設置位置に自由度がある。
【0012】
請求項2の配線・配管材保護ダクトは、特に、基台を、上方、下方、及び上下方向と直交する側方のうち少なくとも2方向におけるいずれの方向に前記開口を向けた状態としても、前記蓋体を前記閉鎖位置で組付け可能であるとともに、前記蓋体を前記開放位置に維持可能なものである。これにより、基台の設置向きに自由度がある。
【0013】
請求項3の配線・配管材保護ダクトは、特に、基台の被係合部が、前記基台の幅方向外側に向けて解放した解放部と、当該解放部を挟んで、前記底壁側に位置する第1板部と、反前記底壁側に位置する第2板部と、を備え、前記解放部と連通してその奥方に前記回動に伴う前記係合部の進入を許容する許容空間が形成され、前記基台側凸部は前記第1板部に形成され、前記閉鎖位置において、前記蓋体の係合部は前記閉鎖位置において前記第2板部に係合し、前記一対の側壁は、外側からの押圧により内側へと傾動可能であり、前記一対の被係合部と前記一対の係合部とは、前記傾動によりその係合が解除されるものである。
これにより、基台の両側壁を傾けることで幅方向両側の係合を解除して基台と蓋体とを簡単に分離できる。
また、基台の一方の側壁を傾動して一方のみ係合を解除し、他方を係合状態のままとした回動準備を簡単に行うことができ、蓋体を閉鎖位置の組付けられた状態から開放位置に向けて直ちに回動を開始できる。
【0014】
請求項4の配線・配管材保護ダクトは、特に、閉鎖位置において、前記蓋体の全体は、前記一対の側壁の幅方向両側外面より内側に収まり、開放位置において、前記蓋体の全体は、前記幅方向他方側の側壁の外面より当該他方側に突出しないものである。
これにより、その幅の範囲において、蓋体が閉鎖位置に組付けられた状態に維持されるとともに開放位置に保持されるため、配線・配管材保護ダクトの横に障害物があっても支障とならない。
【0015】
請求項5の配線・配管材保護ダクトは、特に、長手方向を上下方向とした基台に対して、開放位置に移動した前記蓋体の自重による前記長手方向へのずれ移動が規制されるように、前記幅方向他方側の前記被係合部と前記係合部とは互いに当接するものである。
これにより、配線・配管材保護ダクトを上下方向に設置するときでも対応することができる。
【0016】
請求項6の配線・配管材保護ダクト装置は、請求項1乃至請求項5に記載の配線・配管材保護ダクトと、長尺状をなし長手方向に連続する溝部が形成された柱状のダクト支持体と、からなるものであって、前記配線・配管材保護ダクトの基台の底壁は、前記ダクト支持体の溝部に挿入されて前記ダクト支持体に固定するための固定部を有し、前記配線・配管材保護ダクトの幅である対向する一対の側壁の各外面の間隔は、前記ダクト支持体の溝部の延びる方向と交差する方向の幅と同一かそれより狭く、前記配線・配管材保護ダクトは、前記ダクト支持体の幅方向の外側にはみ出すことなく固定可能であり、前記開放位置とした前記蓋体は、前記ダクト支持体の前記幅方向外側に突出することなく当該開放位置に維持されるものである。
これにより、配線・配管材保護ダクトの幅はダクト支持体の幅の範囲内に収まるため、ダクト支持体の横に障害物があっても配線・配管材保護ダクトを設置可能である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明は、蓋体の幅方向他方側の被係合部が開放位置へと回動するのに伴って、蓋体側凸部が基台側凸部を乗り越えて蓋体側凸部と基台側凸部とが互いに当接して、蓋体が閉鎖位置へと逆回動するのが規制されるとともに、基台の被係合部と蓋体の係合部とが開放位置において互いに当接して蓋体のそれ以上の過剰回動が規制されるので、蓋体は開放位置に安定して維持される。このため、配線・配管材を配線・配管材保護ダクト内に収容する作業中に、開放位置にある蓋体が不用意に落下したりすることがなく、仮組付け状態に保持される。その結果、配線・配管材を配線・配管材保護ダクト内に収容し蓋体を閉じる作業を行うとき、配線・配管材を基台内に収容した後はそのまま直ちに蓋体を閉じることができ、作業性が向上する。
【0018】
また、蓋体は開放位置に維持されるので、基台の設置向きに自由度があり、基台の開口が上方、下方、側方などを向いた状態で設置したり配線・配管材保護ダクトを上下方向に設置した場合などでも、蓋体を開放位置に維持することができ、配線・配管材を基台内に収容した後直ちに蓋体を閉じることができ、作業を効率良く行うことができる。
【0019】
更に、配線・配管材を基台内に収容する作業中、蓋体は基台に仮組付け状態にあるので、紛失しない。
加えて、作業中、蓋体は基台に仮組付けされているので、その間蓋体を置いておく場所に困らない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態の配線・配管材保護ダクトの分解斜視図である。
【
図2】
図1の配線・配管材保護ダクトの分解正面図である。
【
図3】(a)は
図1の基台と蓋体とを組付けた配線・配管材保護ダクトの斜視図、(b)はその正面図である。
【
図4】
図3の基台の横孔を拡張した基台の斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態の配線・配管材保護ダクト装置の分解斜視図である。
【
図6】
図5の配線・配管材保護ダクト装置の分解正面図である。
【
図7】(a)は
図5の配線・配管材保護ダクトをダクト支持体に固定した斜視図、(b)はその正面図である。
【
図8】
図7の基台の一方の側壁を押圧した状態を示す正面図である。
【
図9】
図7の蓋体を回動して開放位置とした状態を示す正面図である。
【
図10】同じく、
図7の蓋体を回動して開放位置とした状態を示す正面図である。
【
図11】従来の配線・配管材保護ダクトの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態の配線・配管材保護ダクト及び配線・配管材保護ダクト装置を図に基づいて説明する。
配線・配管材保護ダクト(以下、単に「保護ダクト」という。)は、構造物に固定される基台と該基台に組付けられる蓋体とで構成され、内部に配線・配管材が収容され保護される。保護ダクトが設置される構造物としては精密機械等の架台や保護枠などがあり、本実施形態では、精密機械等の架台であるダクト支持体に設置されるものを示す。また、配線・配管材としてケーブルを示す。なお、以下においては、
図1における上下方向を各部材の上下方向として説明する。
【0022】
図1乃至
図4において、保護ダクト10の基台20は、断面一定の略コ字板状の長尺体からなり、底壁21と、長手方向と直交する幅方向に対向して底壁21の幅方向の両端から立設する一対の側壁22,22と、を備え、一対の側壁22,22の先端側間に、ケーブル60が配設、収容される内部空間からなる配設経路23を外部に臨ませる開口24が形成されている。保護ダクト10の基台20は、左右対称形状をなし、合成樹脂材等で一体に形成されている。各側壁22は、外側からの押圧により弾性的に内側へと傾動可能になっている。
【0023】
一対の側壁22,22は、それぞれの先端側に被係合部25が形成されている。被係合部25は、
図3(b)に示すように、基台20の幅方向外側に向けて解放する解放部26と、解放部26を挟んで、底壁21側に位置し、基台20の配設経路23側を凸として配設経路23内に突出する湾曲板状の第1板部27と、反底壁21側に位置する第2板部28と、を備え、第1板部27と第2板部28との間に、解放部26と連通してその奥方に後述する蓋体40の係合部44の回動に伴う進入を許容する許容空間29が形成されている。第2板部28は、上面が蓋体40の内面と当接する当接外面28aとなっており、その反対側面は許容空間29に臨み蓋体40の係合部44の先端が突き当たる突当面28bとなっており、先端には外面が円形状の膨出部28cが形成されている。
【0024】
また、一対の側壁22,22には、側壁22の立設方向に突出する基台側凸部30がそれぞれ長手方向に連続して設けられており、基台側凸部30は被係合部25の第1板部27と側壁22の上端部との境界部に形成され、解放部26に臨む外面は略円弧面状の当接曲面30aになっている。
【0025】
各側壁22には、
図1に示すように、矩形状の横孔31が長手方向に等間隔で複数個設けられている。横孔31は、保護ダクト10内に収容されたケーブル60を外部に引き出すための孔である。各横孔31の上辺中央部には側壁22の一部を切断して横孔31を部分的あるいは全体的に拡げるための切込み31aが設けられている。また、各側壁22の下部の内面には長手方向に沿ってV溝32が形成されている。このV溝32は、横孔31を部分的あるいは全体的に拡げるときの切断溝となっている。横孔31は、
図4に示すように、その複数に渡って側壁22の一部を切除することで側壁22に大きな引出開口を形成することもできる。なお、横孔31は、この形状に限定されるものではなく、また、必ずしも設けることを要しない。
【0026】
底壁21の幅方向中央部の外面には、底面から垂直下方に突出する一定断面略く字板状の左側の弾性突片34aとこれと左右反対称形状の右側の弾性突片34bとのこれら一対の弾性突片34,34からなる固定部33が長手方向に連続して設けられている。一対の弾性突片34,34は外方からの押圧により底壁21の接合部を基端として弾性的に水平内方向に撓ませることができる。固定部33は、後述するダクト支持体50の溝部55に挿入し固定される。
【0027】
一方、保護ダクト10の蓋体40は、断面一定の板状の長尺体からなり、平面板状の蓋体本体41と、蓋体本体41の長手方向と直交する幅方向の両端から延設された対向する一対のフランジ42,42とを備えている。蓋体本体41の内面には反り防止用の肉厚部43が形成されている。蓋体40は、左右対称形状をなし、合成樹脂材等で一体に形成されている。
【0028】
蓋体40の一対のフランジ42,42は、外部側を凸として先端側が内部側を向いた湾曲板状をなし、基台20の一対の被係合部25,25と係合する一対の係合部44,44が形成されている。係合部44は、蓋体40の後述する回動に伴って基台20の被係合部25の解放部26から挿入されて許容空間29内に進入し、被係合部25と係合する。更に、蓋体40のフランジ42の外面の蓋体本体41との境界部寄りには、蓋体40の幅方向外側に向けて突出する蓋体側凸部45が長手方向に連続して設けられている。蓋体側凸部45は断面が略半円状に形成されている。係合部44の外面における蓋体側凸部45より先端部までの間は、基台側凸部30の当接曲面30aと当接しこの面上を摺動する当接摺動面44aとなっている。
【0029】
蓋体40は、基台20の開口24を閉鎖する閉鎖位置で基台20の一対の側壁22,22の先端側に架設されるように被係合部25と係合部44とが係合することで基台20に組付けられ、基台20とで保護ダクト10を中空筒状に形成している。
【0030】
蓋体40は、幅方向一方側で基台20の被係合部25と蓋体40の係合部44との係合を解除し、幅方向他方側を軸として回動させることで、基台20の開口24を閉鎖している閉鎖位置から配設経路23を外部に臨ませるように開口24を開放する開放位置に移動させることができる。
【0031】
この蓋体40は、基台20の開口24を閉鎖する閉鎖位置に蓋体40を配置した状態において、全体が基台20の側壁22の幅方向両側外面より内側に収まり、また、開放位置に蓋体40を配置した状態において、全体が基台20の幅方向他方側の側壁22の外面より他方側に突出しないようになっている。
【0032】
このように構成された保護ダクト10は、本実施形態においては、ダクト支持体50に固定される。
図5乃至
図7は、保護ダクト10とダクト支持体50とからなる配線・配管材保護ダクト装置(以下、単に「保護ダクト装置」という。)を示す。
図5及び
図6において、ダクト支持体50は、長尺の四角柱状をなし、アルミニウム等の押出成形によって長手方向に一定断面形状に形成されている。本実施形態のダクト支持体50の内部空間には、中央に外面四角形の中心部51が位置し、これが4隅部から延ばされた連結板部52によって保持された形状になっていて全体が上下左右に対称形状になっている。周囲4面の各外壁53の幅方向中央部には溝開口54が形成され、中心部51と連結板部52と外壁53とによって囲まれた4箇所には長手方向に連続する溝部55が形成されている。ダクト支持体50は上下左右に対称形状になっているから、各外壁53が上下左右のどの方向を向いても設置可能である。
【0033】
各溝部55には、基台20の底壁21に長手方向に連続して設けられた一対の弾性突片34,34からなる固定部33が外方から挿入される。固定部33がダクト支持体50の溝部55に挿入された後、各弾性突片34は弾性的に外方に拡開して溝開口54の左右両端縁に圧接し、これにより保護ダクト10はダクト支持体50に保持、固定される。保護ダクト10の固定部33はダクト支持体50の4つの溝部55のうちいずれにも挿入し固定することが可能となっている。
【0034】
ここで、保護ダクト10の対向する一対の側壁22,22の各外面の間隔は、ダクト支持体50の溝部55の延びる方向と交差する方向の幅と同一かそれより狭く、ダクト支持体50の幅方向の外側にはみ出すことなく固定可能になっている。
また、蓋体40は、開放位置に配置された状態において、ダクト支持体50の前記幅方向の外側に突出することなく開放位置に維持されるものになっている。
【0035】
次に、このように構成された保護ダクト装置1を使用して保護ダクト10内にケーブル60を収容し配設する方法を説明する。
予め、基台20の開口24が上方に臨む状態で基台20に対して、上方から開口24を塞ぐように蓋体40を被せる。このとき、蓋体40の左右一対の係合部44,44の先端の間隔は、基台20の左右一対の被係合部25,25の外側端部の間隔より小さいが、蓋体40をそのまま垂直下方に押し下げれば、基台20の各側壁22は弾性的に内側に撓んで基台20の一対の被係合部25,25の外側端部の間隔が狭くなり、蓋体40の各係合部44の先端部は基台20の被係合部25の膨出部28cより下がって、
図3に示すように被係合部25と係合部44とが係合する。これにより、蓋体40は基台20の一対の側壁22,22の先端側に架設されるように基台20に組付けられる。
【0036】
組付け後、蓋体40の全体は、基台20の一対の側壁22,22の幅方向両側外面より内側に収められる。なお、蓋体40を被せるとき、基台20の側壁22を外側から押圧して内側に傾動させつつ組付けてもよい。この場合、押圧によって基台20の被係合部25の外側端部の間隔は狭くなるので、その分蓋体40を押し下げ易くなる。蓋体40を基台20に組付けた後、保護ダクト10は中空筒状に構成される。
【0037】
このようにして予め基台20に蓋体40を組付けておけば、収容作業までの間に保護ダクト10内に異物や塵埃が混入するのを防止できるし、作業現場まで保護ダクト10を持ち運び易い。
【0038】
この後、
図5乃至
図7に示すように、基台20と蓋体40とが組付けられた保護ダクト10をダクト支持体50に固定する。このときは、保護ダクト10をダクト支持体50に向けて単に押し下げ、基台20の固定部33をダクト支持体50の溝部55に押し込むだけで、一対の弾性突片34,34は、くの字の頂部がダクト支持体50の溝開口54の端縁に当接して押圧され互いに内側に撓んで溝開口54内に挿入され、挿入後外側に拡開して溝部55内に保持される。
【0039】
次に、保護ダクト10の幅方向一方側で、
図8に示すように、基台20の側壁22を外側から押圧して内側に傾動させつつ被係合部25と係合部44との係合を解除する。そして、
図9に示すように、幅方向他方側の被係合部25が有する軸部まわりを係合部44が相対的に移動しながらその先端が被係合部25の許容空間29内へと入り込むように軸部を軸として蓋体40を回動させて、閉鎖位置で組付けられていた蓋体40を、基台20から分離させることなく、保護ダクト10内の配設経路23を外部に臨ませるように開口24を開放した開放位置に移動させる。
【0040】
更に、蓋体40の幅方向他方側に位置する蓋体側凸部45を、これが蓋体40の回動に伴って基台20の基台側凸部30を乗り越えるまで移動させ、開放位置に蓋体40を配置した状態において蓋体側凸部45と基台側凸部30とを互いに当接させる。これにより、蓋体40が閉鎖位置へと逆回動する、すなわち元の閉鎖位置に戻るのが規制される。
【0041】
それとともに、基台20の幅方向他方側の被係合部25と蓋体40の係合部44とを、開放位置に蓋体40を配置した状態において互いに当接させる。これにより、蓋体40が開放位置に配置された状態以上に過剰に回動するのが規制される。具体的には、
図10に示すように、蓋体40の係合部44の先端部が許容空間29の奥部で被係合部25の第2板部28の突当面28bや膨出部28cに当接することにより、蓋体40が幅方向他方側の側壁22の外面に沿った一点鎖線で示す垂直線Vより他方側すなわち
図10の右側外方に突出するのが防止される。
【0042】
これらの規制によって蓋体40はほぼ一定の開放位置、すなわち
図9に示される開放位置と
図10に示される開放位置との間のほぼ垂直に起立した状態に保持され維持される。
【0043】
次に、基台20の開口24からケーブル60を保護ダクト10の配設経路23内に挿入し収容する。このとき、当然ながら蓋体40は、幅方向における作業者が立つ側と反対側の被係合部25を軸に回動して開放位置に保持させると、起立している蓋体40が邪魔にならずに作業し易い。
【0044】
なお、保護ダクト10内に収容したケーブル60の一部または全部を長手方向の途中で保護ダクト10の外部に引き出す場合は、基台20の側壁22の横孔31を通して引き出すことができる。このとき、ケーブル60の径が大きいなどで1つの横孔31からでは引き出せない場合は、
図4に示すように、予め側壁22の一部を切断して横孔31を拡げておく。
【0045】
基台20内にケーブル60を収容したら、蓋体40を元の閉鎖位置の方向に回動して、蓋体40の幅方向他方側の係合部44の蓋体側凸部45について基台20の幅方向他方側の被係合部25の基台側凸部30を閉鎖方向に乗り越えさせて蓋体側凸部45と基台側凸部30との当接を解除し、蓋体40の幅方向一方側の係合部44を基台20の幅方向一方側の被係合部25に係合させて開口24を閉じる。これにより、保護ダクト10内へのケーブル60の収容作業が終了する。
【0046】
なお、上記作業では、予め蓋体40を閉鎖位置で基台20に組付けた状態にしておいてから蓋体40を回動して開放位置に保持し、保護ダクト10内にケーブル60を収容しているから、収容作業直前まで保護ダクト10内に異物や塵埃が混入するのを防止できるが、作業現場まで基台20と蓋体40とを別々に持ち込んで、現場で蓋体40を最初から開放位置に配置した状態に組付けてからケーブル60を保護ダクト10内に収容することもできる。この場合は、幅方向一方側で基台20に前述のように閉鎖位置で組付けられている蓋体40の幅方向一方側の係合を解除してから開放位置の方向に回動するという操作を省いて、直ちにケーブル60を保護ダクト10内に挿入し収容することができる。
【0047】
また、上記作業では、保護ダクト10をダクト支持体50に固定してから蓋体40を操作して開放位置に維持し、ケーブル60を保護ダクト10内に収容しているが、ダクト支持体50に固定してない状態で先に保護ダクト10内にケーブル60を収容してから保護ダクト10をダクト支持体50に固定することもできる。
【0048】
次に、本実施形態の保護ダクト10及び保護ダクト装置1の作用を説明する。
保護ダクト10は、蓋体40が閉鎖位置から開放位置に向けて回動するに伴って幅方向他方側の蓋体側凸部45が基台側凸部30を越えるまで移動し、開放位置において蓋体側凸部45と基台側凸部30とが互いに当接して蓋体40が閉鎖位置へと逆回動するのを規制するとともに、幅方向他方側の基台20の被係合部25と蓋体40の係合部44とが開放位置において互いに当接して蓋体40が開放位置の垂直に起立した状態以上に過剰回動するのを規制することによって、蓋体40は開放位置に安定して維持される。これにより、開放位置に保持された蓋体40が作業中にぶつかったり、振動等によって基台20から不用意に外れて落下してしまうことがない。その結果、保護ダクト10内にケーブル60を収容後、蓋体40を取りに行ったりすることなく開放位置の蓋体40をそのまま直ちに閉鎖位置の方向に回動して幅方向一方側で基台20の被係合部25と係合させて開口24を閉じることができるので、ケーブル60収容時の基台20への蓋体40の嵌着作業が容易になる。
【0049】
また、蓋体40は開放位置に維持されるので、基台20の設置向きに自由度があり、基台20の開口24が下方、側方などを向いた状態で保護ダクト10を設置した場合でも、蓋体40を開放位置に安定して維持することができ、ケーブル60を基台20内に収容後、直ちに蓋体40を閉じることができ、作業性が向上する。
【0050】
そして、蓋体40の全体は、閉鎖位置において、基台20の側壁22の幅方向両側外面より内側に収まり、開放位置において、基台20の幅方向他方側の側壁22の外面より当該他方側に突出しない。これにより、保護ダクト装置1の横に障害物があっても支障とならないし、作業の邪魔になるのを防止できるし、蓋体40が過剰に回動して保護ダクト10の横の障害物等に当たって蓋体本体41の外面が傷付いたりするのを防止できる。
【0051】
また、保護ダクト10の幅すなわち対向する一対の側壁22,22の各外面の間隔は、ダクト支持体50の溝部55の延びる方向と交差する方向の幅と同一かそれより小さく、ダクト支持体50の幅方向の外側にはみ出すことなく固定可能であり、開放位置とした蓋体40は、ダクト支持体50の前記幅方向外側に突出することなく当該開放位置に維持されるので、ダクト支持体50の横に障害物があっても保護ダクト10を設置することができる。
【0052】
更に、ケーブル60の収容作業中、蓋体40は基台20に仮組付け状態にあるので、蓋体40を紛失することがない。加えて、ケーブル60の収容作業中、蓋体40は基台20に仮組付けされているので、その間蓋体40を置いておく場所に困らない。
【0053】
加えて、保護ダクト10は蓋体40の幅方向のいずれ側でも回動させられる両開きとなっているので方向性がなく、保護ダクト10の設置位置に自由度がある。
【0054】
また、保護ダクト10は、基台20の両側壁22,22を傾けることで幅方向両側の係合を解除し基台20と蓋体40とを簡単に分離することができる。
【0055】
更に、蓋体側凸部45は回動の際の指掛けとなり、指で保持し易く滑らないので、回動操作し易い。
【0056】
なお、上記実施形態では、基台20の開口24が上方を向いた場合を示しているが、本実施形態の保護ダクト10は、基台20の開口24が下方あるいは上下方向と直交する側方に向いた場合でも、蓋体40を閉鎖位置で組付け可能であるとともに蓋体40を開放位置に維持可能である。これにより、基台20の設置向きに自由度がある。
【0057】
また、上記実施形態では、基台20の長手方向が水平方向に配置されたものを示しているが、本発明の保護ダクト10は、基台20の長手方向が上下方向に設置されても対応できるものとすることもできる。この場合、開放位置に配置された蓋体40が自重によって長手方向である下方にずれ移動し落下するのが規制されるように、保護ダクト10の幅方向他方側の被係合部25と係合部44とは互いに当接する。
【0058】
これらのことから、保護ダクト10は、精密機械などの架台や保護枠、建物の天井面、壁面、床面など各種構造物に設置することが可能である。
【0059】
ところで、本発明を実施する場合には、基台20及び蓋体40は、被係合部25、係合部44、基台側凸部30及び蓋体側凸部45を含め、上記実施形態に示した形状、構成のものに限られるものではない。また、ダクト支持体50についても上記実施形態に示した形状のもの限られるものではない。
【0060】
加えて、上記実施形態の保護ダクト10は、基台20の底壁21に設けた弾性突片34からなる固定部33をダクト支持体50の溝部55に挿入し固定しているが、ダクト支持体50への保護ダクト10の固定は、この構成、手段に限られるものではない。
【0061】
また、保護ダクト10は、固定部33によりダクト支持体50に固定しているが、保護ダクト10を建物の天井面、壁面、床面などに固定する場合には、本実施形態のような固定部33は設けず、例えば、釘等を使用して天井面等に固定することもできる。
【0062】
なお、上記実施形態の保護ダクト10は、基台20の開口24が上方、下方、上下方向と直交する側方に向いた場合などでも基台10を設置可能であるが、逆に、保護ダクト10は、上方、下方、及び上下方向と直交する側方などのうち特定の一方向あるいは二方向のみに開口する状態で設置可能なものとしてもよい。
【0063】
そして、上記実施形態では、蓋体40の全体は、閉鎖位置において、側壁22の幅方向両側外面より内側に収まり、開放位置において、幅方向他方側の側壁22の外面より当該他方側に突出しないものであるが、保護ダクト10やダクト支持体50の横に障害物がなかったり離れていたりしていて格別支障とならない場合は、蓋体40の全体は、閉鎖位置において、側壁22の幅方向両側外面よりある程度はみ出していたり、開放位置において、幅方向他方側の側壁22の外面より当該他方側にある程度突出してもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、保護ダクト10の対向する一対の側壁22,22の各外面の間隔は、ダクト支持体50の幅と同一かそれより狭く、ダクト支持体50の幅方向の外側にはみ出すことなく固定可能であり、開放位置とした蓋体40は、ダクト支持体50の幅方向外側に突出することなく開放位置に維持されるものであるが、格別支障を生じない場合は、一対の側壁22,22の各外面の間隔は、ダクト支持体50の幅より多少広くてもよいし、開放位置とした蓋体40は、ダクト支持体50の幅方向外側に多少突出してもよい。
【0065】
加えて、基台20の側壁22は、必ずしも、外側からの押圧により弾性的に撓んで内側に傾動可能なものでなくてもよい。
【0066】
なお、上記実施形態では、配線・配管材はケーブル60を示しているが、保護ダクト10は、他の配線・配管材を収容し保護することもできる。
【符号の説明】
【0067】
1:保護ダクト装置、10:保護ダクト、20:基台、21:底壁、22:側壁、23:配設経路、24:開口、25:被係合部、26:解放部、27:第1板部、28:第2板部、29:許容空間、30:基台側凸部、33:固定部、40:蓋体、41:蓋体本体、44:係合部、45:蓋体側凸部、50:ダクト支持体、55:溝部、60:ケーブル。