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特開2024-120369射出成形システムおよび、射出成形システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120369
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】射出成形システムおよび、射出成形システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/17 20060101AFI20240829BHJP
   B29C 45/76 20060101ALI20240829BHJP
   B29C 45/42 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B29C45/17
B29C45/76
B29C45/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027114
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀江 星潤
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AM04
4F202AR07
4F202AR09
4F202AR12
4F202CA11
4F202CB01
4F202CB12
4F202CM11
4F202CM17
4F202CQ05
4F202CS07
4F206AM04
4F206AR07
4F206AR09
4F206AR12
4F206JA07
4F206JB12
4F206JF05
4F206JL02
4F206JN41
4F206JP15
4F206JQ88
(57)【要約】
【課題】竪型成形機と水平多関節ロボットとを組み合わせた射出成形システムの技術の提供。
【解決手段】射出成形システムは鉛直方向に見たときに、第1関節と第1配置部との距離である第1距離、第1関節と第2配置部との距離である第2距離、および第1関節と壁部との第3距離が、第1アームと第2アームとが同一直線上にあるときの第1関節と第2アームの先端との距離である第4距離よりも小さく、ロボットは、第1関節と、第1配置部と第2配置部のうちの一方との距離が、他方との距離よりも大きい位置に配置されており、第1関節を中心に、一方から壁部までの角度範囲において、第1アームと第2アームとが同一直線上に並ぶことが可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形システムであって、
ワークを成形する第1射出成形部と、
前記第1射出成形部と水平方向に並んで配され、前記ワークを使用して成形品を成形する第2射出成形部と、
前記第1射出成形部と前記第2射出成形部との間に配置され、前記ワークを前記第1射出成形部から前記第2射出成形部に運ぶロボットと、
前記第1射出成形部と前記第2射出成形部との間に配置され、前記第1射出成形部と前記第2射出成形部との並びの方向に伸びる壁部と、
を備え、
前記第1射出成形部は、前記ワークが配置される第1配置部を備え、
前記第2射出成形部は、成形に使用される前記ワークが配置される第2配置部を備え、
前記ロボットは、
基台と、
第1関節を介して前記基台に接続されている第1アームと、
前記第1関節の回転軸と平行な回転軸を有する第2関節を介して前記基台に接続されている第2アームと、
を備え、
前記射出成形システムは、鉛直方向に見たときに、
前記第1関節と前記第1配置部との距離である第1距離、前記第1関節と前記第2配置部との距離である第2距離、および前記第1関節と前記壁部との第3距離が、前記第1アームと前記第2アームとが同一直線上にあるときの前記第1関節と前記第2アームの先端との距離である第4距離よりも小さく、
前記ロボットは、
前記第1関節と、前記第1配置部と前記第2配置部のうちの一方との距離が、他方との距離よりも大きい位置に配置されており、
前記第1関節を中心に、前記一方から前記壁部までの角度範囲において、前記第1アームと前記第2アームとが同一直線上に並ぶことが可能である、射出成形システム。
【請求項2】
請求項1に記載の射出成形システムであって、
前記ロボットは、
前記第1関節を中心に前記一方から前記壁部までの角度範囲において、前記第2関節を中心に、前記第1アームと前記第2アームとがなす角度が、180度未満から180度以上、または、180度以上から180度未満となる、射出成形システム。
【請求項3】
請求項1に記載の射出成形システムであって、
前記第1射出成形部は、水平方向に見たときに、前記第2アームと同じ高さである部品であって、前記第1関節に対して前記第1配置部と同じ側に位置する部品を備え、
前記第1関節が、前記第2配置部との距離が、前記第1配置部との距離よりも大きい位置に配置されている、射出成形システム。
【請求項4】
請求項1に記載の射出成形システムであって、
前記第2射出成形部は、水平方向に見たときに、前記第2アームと同じ高さにある部品であって、前記第1関節に対して前記第2配置部と同じ側に位置する部品を備え、
前記第1関節が、前記第1配置部との距離が、前記第2配置部との距離よりも大きい位置に配置されている、射出成形システム。
【請求項5】
請求項1に記載の射出成形システムであって、
前記第1配置部は第1射出基台の鉛直方向の上側に配置されており、
前記第2配置部は第2射出基台の鉛直方向の上側に設置されており、
前記基台は、前記第1射出基台および前記第2射出基台よりも鉛直方向の上側に位置している、射出成形システム。
【請求項6】
請求項5に記載の射出成形システムであって、
前記ロボットは、さらに、
前記第2アームに接続されており、前記第2アームから鉛直方向の下方に伸びるシャフトと、
前記シャフトに接続されており、前記ワークを保持する保持部と、を備える、射出成形システム。
【請求項7】
請求項1に記載の射出成形システムであって、
前記ロボットは、
外部から電力を供給される電源基板を備え、
前記電源基板は、前記第1配置部および前記第2配置部よりも鉛直方向の上側に配置されている、射出成形システム。
【請求項8】
請求項1に記載の射出成形システムであって、
さらに、前記第2射出成形部から前記成形品を運ぶ第2ロボットと、
前記第2ロボットによって運ばれた前記成形品を運搬する運搬装置と、
を備え、
鉛直方向に見たときに、前記運搬装置と、前記第1配置部と、前記第2配置部と、のそれぞれが、前記第1射出成形部と、前記ロボットと、前記第2射出成形部と、が並ぶ方向における同一直線上に配置されている、射出成形システム。
【請求項9】
射出成形システムの制御方法であって、
第1射出成形部が、ワークを射出成形し、
鉛直方向に見たときに、第1関節を介して基台に接続されている第1アームと、前記第1関節の回転軸と平行な回転軸を有する第2関節を介して前記基台に接続されている第2アームと、を備えるロボットが、
前記第1関節を中心に、前記第1射出成形部の第1配置部と前記ワークが運搬される第2配置部とのうち前記ロボットとの距離が大きい側から、前記第1射出成形部と前記ワークを使用して成形する第2射出成形部との間に配置され前記第1射出成形部と前記第2射出成形部の並びの方向に伸びる壁部までの角度範囲において、前記第1アームと前記第2アームとを、同一直線上に並ばし、
前記第2関節を中心に、前記第1アームと前記第2アームとがなす角度であって、前記第2射出成形部に対して前記第1射出成形部側である角度が、180度未満の状態で、前記第1配置部に配置されている前記ワークを保持し、
前記角度が、180度以上の状態で、前記第2射出成形部に前記ワークを運搬し、
前記第2射出成形部が、前記ワークを使用して成形品を成形する、射出成形システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、射出成形システムおよび、射出成形システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1において、金型の可動型と固定型が左右に並ぶ第1射出成形機および第2射出成形機と、第1軸ないし第6軸を備える工業用ロボットと、を使用して、二色成形品を成形する二色成形品の製造方法が開示されている。第1射出成形機で成形された樹脂成形品を工業用ロボットが第2射出成形機に移動させる。そして、第2射出成形機において、樹脂成型品に対して射出成形が行われることで、二色成形品が作製される。
【0003】
一般に、射出成形機の種類として、竪型成形機と横型成形機の2種類が知られている。竪型成形機は、材料を流す射出ユニットと、金型を開閉する型締機構と、が鉛直方向に並べられた構造をしている。横型成形機は、射出ユニットと型締機構とが水平に並べられた構造をしている。そのため、竪型成形機においては、横型成形機と同じ大きさの射出ユニットおよび型締機構が使用される場合、水平面において射出成形機が占める面積が、横型成形機と比較して、小さい。また、一般に、垂直多関節ロボットと比較して、水平面において占める面積が、水平多関節ロボットのほうが小さいことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開第2009-073151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
単位面積あたりの生産性を向上させるために、竪型成形機と水平多関節ロボットとを組み合わせた射出成形機が考えられるが、横型成形機と比較して竪型成形機は鉛直方向に高さがあるため、水平多関節ロボットが、竪型射出成形機や、竪型射出成形機を囲む筐体等と干渉する可能性がある。一方、例えば干渉を避けるように離れて配置された場合、竪型成形機と水平多関節ロボットを備える射出成形システムの大きさが大きくなってしまう。そのため、竪型成形機と水平多関節ロボットとを組み合わせた射出成形機に改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の形態によれば、射出成形システムが提供される。この射出成形システムは、ワークを成形する第1射出成形部と、前記第1射出成形部と水平方向に並んで配され、前記ワークを使用して成形品を成形する第2射出成形部と、前記第1射出成形部と前記第2射出成形部との間に配置され、前記ワークを前記第1射出成形部から前記第2射出成形部に運ぶロボットと、前記第1射出成形部と前記第2射出成形部との間に配置され、前記第1射出成形部と前記第2射出成形部との並びの方向に伸びる壁部と、を備え、前記第1射出成形部は、前記ワークが配置される第1配置部を備え、前記第2射出成形部は、成形に使用される前記ワークが配置される第2配置部を備え、前記ロボットは、基台と、第1関節を介して前記基台に接続されている第1アームと、前記第1関節の回転軸と平行な回転軸を有する第2関節を介して前記基台に接続されている第2アームと、を備え、前記射出成形システムは、鉛直方向に見たときに、前記第1関節と前記第1配置部との距離である第1距離、前記第1関節と前記第2配置部との距離である第2距離、および前記第1関節と前記壁部との第3距離が、前記第1アームと前記第2アームとが同一直線上にあるときの前記第1関節と前記第2アームの先端との距離である第4距離よりも小さく、前記ロボットは、前記第1関節と、前記第1配置部と前記第2配置部のうちの一方との距離が、他方との距離よりも大きい位置に配置されており、前記第1関節を中心に、前記一方から前記壁部までの角度範囲において、前記第1アームと前記第2アームとが同一直線上に並ぶことが可能である。
【0007】
本開示の第2の形態によれば、射出成形システムの制御方法が提供される。この射出成形システムの制御方法は、第1射出成形部が、ワークを射出成形し、鉛直方向に見たときに、第1関節を介して基台に接続されている第1アームと、前記第1関節の回転軸と平行な回転軸を有する第2関節を介して前記基台に接続されている第2アームと、を備えるロボットが、前記第1関節を中心に、前記第1射出成形部の第1配置部と前記ワークが運搬される第2配置部とのうち前記ロボットとの距離が大きい側から、前記第1射出成形部と前記ワークを使用して成形する第2射出成形部との間に配置され前記第1射出成形部と前記第2射出成形部の並びの方向に伸びる壁部までの角度範囲において、前記第1アームと前記第2アームとを、同一直線上に並ばし、前記第2関節を中心に、前記第1アームと前記第2アームとがなす角度であって、前記第2射出成形部に対して前記第1射出成形部側である角度が、180度未満の状態で、前記第1配置部に配置されている前記ワークを保持し、前記角度が、180度以上の状態で、前記第2射出成形部に前記ワークを運搬し、前記第2射出成形部が、前記ワークを使用して成形品を成形する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の射出成形システムを鉛直方向の上側から見た図。
図2】本実施形態の射出成形システムを、水平方向に見た図。
図3】第1下型の移動を説明する図。
図4】第3壁部を説明する図。
図5】第1アームと第2アームとが同一直線上に並んだ状態を説明する図。
図6】第1ロボットの動きを説明する図。
図7】比較例の射出成形システムを説明する図。
図8】ワークの運搬方法を説明する工程図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.本実施形態:
A1.本実施形態の構成:
図1は、本実施形態の射出成形システム1を鉛直方向の上側から見た図である。図2は、本実施形態の射出成形システム1を、水平方向に見た図である。図1には、互いに直行するX、Y、Z軸方向に沿った矢印が表されている。X、Y、Z軸方向は、互いに直交する3つの空間軸であるX軸、Y軸、Z軸に沿った方向であり、それぞれ、X軸、Y軸、Z軸に沿う一方側の方向と、その反対方向とを、両方含む。X軸及びY軸は、水平面に沿った軸であり、Z軸は、鉛直線に沿った軸である。-Z軸方向は、鉛直方向の下方向であり、+Z軸方向は、鉛直方向の上方向である。-Z軸方向のことを「下」ともいい、+Z軸方向のことを「上」ともいう。他の図においても、X、Y、Z軸方向に沿った矢印が、適宜、表されている。図1におけるX、Y、Z軸方向と、他の図におけるX、Y、Z軸方向とは、同じ方向を表している。
【0010】
図1および図2に示すように、射出成形システム1は、第1筐体10と、第2筐体20と、第3筐体30と、第4筐体40と、運搬装置50と、を備えている。第1筐体10と、第3筐体30と、第2筐体20と、第4筐体40は、この順に+X方向に向かって並んでいる。鉛直方向に見たときに、第3筐体30が第1筐体10と第2筐体20の間に配され、第2筐体20が第3筐体30と第4筐体40の間に配されている。第1筐体10と第2筐体20と第3筐体30と第4筐体40は、その底面の角のそれぞれに車輪を備えており、自由に移動可能に構成されている。それぞれ隣り合う筐体同士は、脱着可能に接続されている。
【0011】
第1筐体10は、第1射出成形部11と第1射出基台12と、図示しない第1壁部13と、を備えている。第1射出成形部11は、インサート成形に使用される前のワークを成形する。第1射出成形部11は、第1射出ユニット110と、第1成形型111と、第1支持部112と、図示しない第1位置変更部113と、図示しない第1型締装置114と、第1射出制御部115と、を備える。
【0012】
第1射出ユニット110は、第1成形型111に向かってワークWKの材料を射出することによって、ワークWKを成形する。第1射出ユニット110は、第1材料格納部110aを備える。第1材料格納部110aは、ワークWKの材料を格納する。図2に示すように、本実施形態において、第1材料格納部110aは、水平方向に見たときに、第1射出成形部11の構成のうち、鉛直方向の最も上に位置する部分である。
【0013】
第1成形型111は、第1射出ユニット110から射出されたワークWKの材料が成型される部分である。第1成形型111は、第1支持部112に支持されることによって、第1射出成形部11に設置される。第1成形型111は、第1上型111aと、第1下型111bと、を備える。第1上型111aおよび第1下型111bは、ワークWKの形状に応じた空間であるキャビティーを区画する。より具体的には、第1上型111aの下側の面と、第1下型111bの上側の面とにキャビティーを区画するための凹凸が設けられており、第1上型111aと第1下型111bとが型締めされることにより、第1上型111aと第1下型111bとの間に、凹凸に応じた形状のキャビティーが区画される。図には表していないが、第1下型111bには成形されたワークWKが配置される。本実施形態において、後述する第1位置変更部113によって、後述する地点Bに移動された第1下型111bの、ワークWKが配置される部分の中心を、「第1配置部111ba」と表記する。第1成形型111は、金属製や、樹脂製あるいはセラミック製であってもよい。金属製の第1成形型111のことを、金型ともよぶ。
【0014】
第1支持部112は、第1成形型111を支持する。第1支持部112は、上型支持部112aと、下型支持部112bを備える。上型支持部112aは、第1上型111aを支持する。上型支持部112aは、第1射出ユニット110の下部に固定され、第1上型111aをX方向に挟んで固定する。下型支持部112bは、上型支持部112aよりも下に設けられ、第1下型111bをX方向に挟んで固定する。
【0015】
図3は、第1下型111bの移動を説明する図である。図3において、第1下型111bが、異なる地点A、地点Bに配置されている図を表している。第1位置変更部113は、第1下型111bをY軸方向に移動させる。図示はしていないが、第1位置変更部113は、下型支持部112bの下側に設けられており、下型支持部112bを、Y軸方向に直線的に移動可能に構成されている。第1上型111aの下に表されている第1下型111bの地点Aが、ワークWKが成形された直後の第1下型111bの位置を表している。第1位置変更部113によって、第1下型111bが-Y側に移動されることで、地点Aに位置していた第1下型111bが地点Bに移動される。その後、第1下型111bに配置されるワークWKは、ワークWKを第1下型111bから取り外すための、図示しない機構によって、第1下型111bから上に突き上げられることによって、第1配置部111baに配置された状態となる。地点Bに位置する第1配置部111baに配置されるワークWKに、第1ロボット34がアクセス可能となる。
【0016】
第1型締装置114は、図示しないモーターの駆動によって、第1射出ユニット110および第1上型111aを鉛直方向に沿って移動させることによって、第1成形型111の型締めおよび型開きを行うことが可能に構成されている。第1射出成形部11のように、鉛直方向に沿って片開きおよび型締めを行う射出成形機のことを、竪型射出成形装置や竪型射出成形機とよぶこともある。第1型締装置114は、図3に示すように、支柱114aを備える。
【0017】
支柱114aは、第1射出ユニット110を固定する。支柱114aは、Z方向にのびる4本の支柱によって構成されている。支柱114aは、第1筐体10の内部から、第1射出基台12をZ方向に貫通するように設けられている。
【0018】
図2に示す第1射出制御部115は、一つ以上のプロセッサーと、主記憶装置と、外部との入出力を行う入出力インターフェイスとを備えるコンピューターによって構成されている。プロセッサーが主記憶装置状にプログラムを読み込んで実行することにより、第1射出制御部115は、第1射出ユニット110と第1型締装置114とを制御し、ワークWKの製造を行う。
【0019】
図2に示す第1射出基台12は、上側に第1射出ユニット110を搭載し、下側に第1型締装置114が配置される。第1型締装置114の一部が、第1射出基台12をZ軸方向に貫通するように設けられている。第1型締装置114の一部の上端が、第1射出ユニット110と接続している。第1射出基台12の上側に、第1射出ユニット110と第1成形型111が配置されている。第1壁部13は、図1に示す第1射出基台12の-Y側の端部121に配され、X軸方向およびZ軸方向に伸びている。
【0020】
図1に示す第2筐体20は、第2射出成形部21と第2射出基台22と、図示しない第2壁部23と、を備えている。第2筐体20のX軸とY軸およびZ軸方向における寸法は、第1筐体10の寸法と同じである。第2射出成形部21は、ワークWKを使用してインサート成形により成形品を成形する。インサート成形とは、射出成形によって成形品が成形される手法の一つであり、ワークWKが配置された成形型のキャビティー内に成形材料が射出されることによって、成形品として、ワークWKと射出された成形材料とが一体となった一体品が成形される手法を指す。
【0021】
図1および図2に示す第2射出成形部21は、第1射出成形部11と同様の構成を備える。以下において、第2射出成形部21の、第1射出成形部11と同様の構成について、詳細な説明を省略する。
【0022】
上述したように第1筐体10と第2筐体20とがX軸方向に並んで配されているため、第2射出成形部21は、第1射出成形部11とX軸方向に並んで配されている。第2射出成形部21は、第2射出ユニット210と、第2成形型211と、第2支持部212と、図示しない第2位置変更部213と、図示しない第2型締装置214と、第2射出制御部215と、を備える。第2射出ユニット210は、第2材料格納部210aを備える。
【0023】
第2射出成形部21において、第1ロボット34によって第2成形型211の第2下型211bに、インサート成形に使用されるワークWKが配置されることによって、第2成形型211のキャビティーにワークWKが配置される。本実施形態において、-Y側に配置されている第2下型211bの、ワークWKが第1ロボット34によって配置される部分の中心を、「第2配置部211ba」と表記する。第2射出成形部21の第2射出制御部215は、第1射出成形部11の第1射出制御部115と電気的に接続しており、互いに信号を送受信することが可能である。
【0024】
第2射出基台22は、第1射出基台12と同様の構成を有する。第2射出基台22の上に、第2射出ユニット210と第2成形型211が配置される。第2壁部23は、第1壁部13と同様の構成を有する。
【0025】
第3筐体30は、第1ロボット34を配置する。第3筐体30は、第1射出成形部11と第2射出成形部21との並びの方向であるX軸方向について、第1筐体10と第2筐体20との間に配されている。つまり、第3筐体30は、X軸方向について、第1射出成形部11と第2射出成形部21との間に配置されている。第3筐体30は、第1筐体10および第2筐体20と、X軸とY軸およびZ軸についての寸法が同じである。
【0026】
図4は、第3壁部33を説明する図である。なお、図4において、第2筐体20の図示を簡略化している。図2および図4に示すように、第3筐体30は、第1搭載部31と、第1台座32と、第3壁部33と、第1ロボット34と、を備えている。第1搭載部31は、第1台座32が配置される。第1台座32は、第1ロボット34が配置される。図4に示すように、第3壁部33は、第3筐体30の最も-Y側の端部に配され、X軸方向およびZ軸方向に伸びる。鉛直方向に見たときに、第3壁部33は、第1配置部111baと、第2配置部211baとに対して、後述する第1ロボット34の第1関節342aと逆の側である-Y側に位置している。
【0027】
第1ロボット34は、ワークWKを第1射出成形部11から第2射出成形部21に運ぶ。第1ロボット34は、水平多関節ロボットによって構成されている。一般に、水平多関節ロボットは、垂直多関節ロボットよりも関節が少ない。そのため、垂直多関節ロボットと比較して、水平多関節ロボットは、軽く小型であるとともに、ユーザーによる図示しない教示装置を使用した動作の教示が容易である。また、一般に、垂直多関節ロボットは、鉛直方向に見たときに、アーム同士を重ねることが困難なものが多く、鉛直方向や水平方向にアームが広がるため、周囲の物と干渉しやすいと考えられる。また、垂直多関節ロボットのアームを長くすることで、可動範囲を大きくした場合、アームの下側に、活用できない空間が生じる。このような理由から、垂直多関節ロボットと比較して、水平多関節ロボットは、水平方向におけるスペースが限られている場所への配置がしやすい。
【0028】
図2に示すように、第1ロボット34は、第1基台341と、第1アーム342と、第2アーム343と、第1シャフト344と、第1保持部345と、第1ロボット制御部346を備えている。
【0029】
第1基台341は、第1ロボット34を構成する部品を支持している。本実施形態において、第1基台341の最も鉛直方向の下側の端部341aが、第1射出基台12および第2射出基台22よりも鉛直方向の上側に位置している。本実施形態においては、第1ロボット34の鉛直方向における寸法は、第1射出成形部11のうち、第1射出基台12の上側に配置されている構成の鉛直方向における寸法、および第2射出成形部21のうち、第2射出基台22の上側に配置されている構成の寸法よりも小さい。そのため、第1搭載部31の上に直接、第1ロボット34が配置される態様の場合、横型成形機と比較して竪型成形機は鉛直方向に高さがあるため、二つの竪型成形機である第1射出成形部11、第2射出成形部21の間に配された第1ロボット34が、二つの射出成形機の上の空間を利用して成形品を搬送することは困難であり、第1ロボット34が第1下型111bから第2下型211bにワークWKを運ぶ際に、第1ロボット34が第1射出成形部11および第2射出成形部21と接触する可能性がある。
【0030】
本実施形態において、第1基台341が第1台座32の上に配置されることにより、第1基台341の下側の端部341aが、第1射出基台12および第2射出基台22よりも上側に位置している。なお、第1台座32の高さは、第1ロボット34が第1台座32の上に配置された際に、第2アーム343の最も下側の端部が、第1射出ユニット110の一部と接触しない高さとなるように構成されている。第1射出ユニット110の一部とは、鉛直方向に見たときに、動作する第2アーム343と重複する第1射出ユニット110の部分である。これにより、第1ロボット34が水平方向に移動したときに、第1ロボット34の第2アーム343が、第1射出成形部11および第2射出成形部21と接触することを防止することができる。
【0031】
図2に示すように、第1アーム342は、第1関節342aを介して第1基台341に接続されている。図2において、第1関節342aを一点鎖線で表している。第1関節342aは、Z軸と平行な方向の回転軸を有する。図1に示すように、鉛直方向に見たときに、第1配置部111baおよび第2配置部211baが、Y軸方向について第1関節342aに対して同じ側である、-Y側に位置している。第2アーム343は、第2関節343aを介して第1アーム342と接続されることにより、第1基台341に接続されている。図2において、第2関節343aを破線で表している。第2アーム343は、第1関節342aの回転軸と平行な回転軸を有する。
【0032】
第1シャフト344は、第2アーム343と接続しており、第2アーム343から-Z方向に伸びる。本実施形態において、第2アーム343は、水平方向に見たときに、第1材料格納部110aおよび第2材料格納部210aと、鉛直方向における高さが同じである。なお、ここでいう鉛直方向における高さが同じとは、第1材料格納部110aを通る、水平方向に平行な直線が、第2アーム343を通ること、および、第2材料格納部210aを通る、水平方向に平行な直線が、第2アーム343を通ることをいう。
【0033】
第1保持部345は、ワークWKを保持する。第1保持部345は、第1シャフト344の、-Z側の端部と接続している。第1シャフト344が-Z方向に伸びていることにより、上述したように第1ロボット34が第1台座32の上に配置されていても、第1配置部111baに配置されたワークWKを第1保持部345が保持すること、および、第2配置部211baにワークWKを配置することが可能となる。
【0034】
図5は、第1アーム342と第2アーム343とが同一直線CL1上に並んだ状態を説明する図である。図5において、第4筐体40と第2ロボット44と運搬装置50の図示を省略している。図6および図7においても同様である。ここで、図5を用いて、第1ロボット34と、第1射出成形部11および第2射出成形部21との位置関係を説明する。
【0035】
鉛直方向に見たときの、第1関節342aと、第1配置部111baと、の距離を、第1距離D1と表記する。本実施形態において第1関節342aと、第1配置部111baとの距離とは、第1位置変更部113によって-Y方向に移動された第1下型111bの、第1配置部111baと、第1関節342aとの距離をいう。なお、ここでいう距離とは、Y軸およびX軸を含む面に平行な、2点間の直線距離をいい、後述する距離においても同様である。
【0036】
鉛直方向に見たときの、第1関節342aと、第2配置部211baと、の距離を、第2距離D2と表記する。本実施形態において第1関節342aと、第2配置部211baと、の距離とは、第2位置変更部213によって-Y方向に移動された第2下型211bの、第2配置部211baと、第1関節342aとの距離をいう。鉛直方向に見たときの、第1関節342aと、第3壁部33との間の、最も大きな距離を、第3距離と表記する。鉛直方向に見たときの、第1関節342aと、第2アーム343との先端343bとの距離を、第4距離D4と表記する。第2アーム343の先端343bとは、第1アーム342と近い側の端部とは逆側の端部のことをいう。第1距離D1と第2距離D2と第3距離D3は、第4距離D4よりも小さい。
【0037】
第1関節342aは、第1配置部111baと第2配置部211baのうちの一方との距離が、他方との距離よりも大きい位置に配置されている。本実施形態において、第1関節342aは、第1配置部111baとの距離が、第2配置部211baとの距離よりも大きい位置に配置されている。図4に示すように、第1関節342aと第1配置部111baとの距離である第1距離D1は、第1関節342aと第2配置部211baとの距離である第2距離D2よりも大きい。
【0038】
図5に示すように、第1配置部111baから、半径が第4距離D4の寸法の円を、第1円C1と表記する。同様に、第2配置部211baから、半径が第4距離D4の寸法の円を、第2円C2と表記する。第1関節342aは、第1円C1と第2円C2が重複する重複部分DS内、かつ、第3壁部33から第1関節342aまでの距離が、第1関節342aから第2関節343aまでの距離よりも大きくなる位置に、配置されている。これにより、第1関節342aを中心に、第1配置部111baから第3壁部33までの角度範囲である第1角度範囲AR1において、第1アーム342と第2アーム343とが同一直線上に並ぶことが可能である。
【0039】
第1アーム342と第2アーム343とが同一直線上に並ぶとは、鉛直方向に見て、第1関節342aと、第2関節343aとを結ぶ、Y軸およびX軸を含む面に平行な直線の延長に、第2関節343aと第2アーム343の先端343bとを結ぶ、Y軸およびX軸を含む面に平行な直線があることをいう。また、本実施形態においては、鉛直方向に見たときに、第1関節342aと、第1壁部13のX軸方向における中心131と、を結ぶ直線上に、第1アーム342と第2アーム343が並ぶ。図5において、第1壁部13の中心131を便宜的に表している。なお、鉛直方向に見たときに、第1関節342aと、第1壁部13の最も+X側の端部と、を結ぶ同一直線上において、第1アーム342と第2アーム343が並んでもよく、第1関節342aと、第1壁部13の最も-X側の端部と、を結ぶ同一直線上において、第1アーム342と第2アーム343が並んでもよい。
【0040】
本実施形態において、第1角度範囲AR1とは、鉛直方向に見て、第1関節342aを中心とした、第1配置部111baから第3壁部33の-X方向の端部331までの角度範囲である。図5において、第3壁部の-X側の端部331を、便宜的に表している。また、図5において、第1角度範囲AR1の一部にハッチングを付している。
【0041】
また、逆に、第1関節342aを中心に、第1配置部111baの他方である第2配置部211baから第3壁部33までの角度範囲である第2角度範囲AR2において、第1アーム342と第2アーム343とが同一直線上に並ぶことができないように、構成されている。本実施形態において、第2角度範囲AR2とは、鉛直方向に見て、第1関節342aを中心とした第2配置部211baから、第3壁部33の+X方向の端部332までの角度範囲をいう。図5において、第3壁部の+X方向の端部332を、便宜的に表している。また、図5において、第2角度範囲AR2にハッチングを付している。
【0042】
上述したように、第1関節342aと、第3壁部33との間の、最も大きな距離である第3距離D3が、第4距離D4よりも小さいため、鉛直方向に見たときに第1アーム342と第2アーム343とが同一直線上に並んだときに、第2アーム343と第3壁部33とが接触する可能性がある。例えば第3筐体30のX軸方向における寸法を大きくして、鉛直方向から見て第1搭載部31と重複する箇所で、第1アーム342と第2アーム343とが同一直線上に並ぶことで、第2アーム343と第3壁部33とが接触しない態様においては、第2アーム343が第1配置部111baや第2配置部211baにアクセスできなくなる可能性がある。また、例えば第1ロボット34が、第1射出成形部11と第2射出成形部21の間に配置せずに、第1射出成形部11と第2射出成形部21と向かい合うように配置される場合、射出成形システム1のY軸方向における寸法が大きくなる。また、この場合、作業者が第1配置部111baや第2配置部211baにアクセスしにくくなる。
【0043】
図6は、第1ロボット34の動きを説明する図である。本実施形態においては、第1アーム342と第2アーム343が同一直線CL1上に並ぶことで、第1角度範囲AR1において、第2関節343aを中心とした、第1アーム342と第2アーム343とがなす角度が、180度未満から180度以上、または、180度以上から180度未満となる。図6において、第2アーム343が位置する地点を表す符号を、第2アーム343の先端343b付近に付している。後述する図7においても同様である。図6に示すように、第2アーム343が地点Cに位置しているときは、第2関節343aを中心に、第1アーム342と第2アーム343とがなす角度であって、第2射出成形部21に対して第1射出成形部11側の角度である第1角度A1が、180度よりも小さい。第2関節343aを中心に、第1アーム342と第2アーム343とがなす角度とは、第2関節343aを中心とした、第1アーム342を通るY軸およびX軸を含む面に平行な直線、および第2アーム343を通るY軸およびX軸を含む面に平行な直線とがなす角度をいう。
【0044】
第2アーム343が地点Dに位置しているときは、第1角度範囲AR1において、第1アーム342と第2アーム343とが同一直線上に並ぶことが可能である。第2アーム343が地点Dに位置しているときに、第2関節343aが時計周りに回転することで、第1角度A1を、180度よりも小さくすることができる。また、第2アーム343が地点Dに位置しているときに、第2関節343aが半時計周りに回転することで、第1角度A1を、180度よりも大きくすることができる。第2アーム343が地点Eに位置しているときは、第1角度A1が、180度よりも大きい。
【0045】
本実施形態の射出成形システム1においては、第1射出成形部11および第2射出成形部21の間に第1ロボット34が配されているため、第1射出成形部11および第2射出成形部21を並べて配置し、第1ロボット34を、並んで配された第1射出成形部11および第2射出成形部21と向かい合うように配置する態様と比較して、鉛直方向に見た射出成形システム1の設置面積を小さくすることができる。また、並んで配される第1射出成形部11と第2射出成形部21と第1ロボット34とが、干渉を避けるように離れて配置される態様と比較して、鉛直方向に見た射出成形システム1の設置面積を小さくすることができる。
【0046】
また、第1角度範囲AR1において、第1アーム342と第2アーム343とが同一直線上に並ぶことが可能であるため、第1アーム342と第2アーム343とが並ぶ位置において、第1アーム342に対して第2アーム343を回転させることにより、第1アーム342と第2アーム343とがなす角度が180度未満である姿勢と、第1アーム342と第2アーム343とがなす角度が180度より大きい姿勢の両方を取り得る。その結果、射出成形システム1を構成する部品である第3壁部33との干渉を避けつつ、第1ロボット34がワークWKを第1射出成形部11から第2射出成形部21まで搬送することができる。
【0047】
図7は、比較例の射出成形システムを説明する図である。図1に示すように、本実施形態においては、鉛直方向に見たときに、第1関節342aに対して第1配置部111baと第2配置部211baと同じ側に、第2材料格納部210aが位置している。そのため、第1アーム342と第2アーム343とが同一直線上に並ばない態様においては、図7の両向き矢印が示すように、第1角度A1が、180度未満の姿勢で、第1ロボット34が地点Cから第1配置部111baと第2配置部211ba間を移動する可能性がある。この姿勢のまま、第1保持部345が第2下型211bにアクセスするためには、図7の地点Fまで第2アーム343が移動する必要があるが、第2アーム343が第2材料格納部210aと接触する可能性がある。また、逆に、鉛直方向に見て、第1射出ユニット110と重複する部分において、第1角度A1が180度以上となる態勢を第1ロボット34が取った場合であっても、第1射出ユニット110と第2アーム343とが干渉する可能性がある。
【0048】
本実施形態においては、第1角度範囲AR1において第1アーム342と第2アーム343とが並ぶことにより、第1アーム342と第2アーム343とがなす角度が180度未満である姿勢と、第1アーム342と第2アーム343とがなす角度が180度より大きい姿勢の両方を取り得る。これにより、図6の地点Cに位置する第1ロボット34が表すように、第1角度A1が、180度よりも小さい状態で、ワークWKの搬送を行うことができる。また、図6の地点Eに位置する第1ロボット34が表すように、第2関節343aを中心とした、第2関節343aを中心とした第1アーム342と第2アーム343とがなす角度であって、第1射出成形部11に対して第2射出成形部21側の角度である第2角度A2が、180度よりも小さい状態で、ワークWKの搬送を行うことができる。このように、ワークWKの運搬時に、第2アーム343と、射出成形システム1を構成する部品である第2材料格納部210aとが接触することを防止しつつ、ワークWKが搬送される。
【0049】
図2に示す第1ロボット制御部346は、第1射出制御部115と同様のコンピューターによって構成されている。第1ロボット制御部346は、主記憶装置上に読み込んだプログラムや命令をプロセッサーが実行することによって、第1アーム342や第2アーム343や第1保持部345の動作を制御し、第1ロボット34に種々の機能を発揮させる。本実施形態では、第1ロボット34は、第1ロボット制御部346を介して、第1射出成形部の第1射出制御部115、および第2射出成形部の第2射出制御部215によって制御される。第1ロボット制御部346は、電源基板346aを備える。
【0050】
電源基板346aは、外部の交流電源から供給された電力を直流の電力に変換し、変換した電力をプロセッサーと主記憶装置に供給する。電源基板346aは、外部の交流電源から供給された電力を降圧し、降圧した電力を直流に変換する回路を備える。本実施形態において電源基板346aは、第1配置部111baおよび第2配置部211baよりも+Z側に配置されている。
【0051】
一般に、第1射出成形部11および第2射出成形部21のように、材料を射出することで成形品を成形する装置は、動作の際に高熱を発生することが知られている。この形態の射出成形システム1によれば、電源基板346aが第1下型111bの第1配置部111baおよび第2下型211bの第2配置部211baよりも鉛直方向の上側に位置することで電源基板346aが第1下型111bおよび第2下型211bから離れるため、電源基板346aが第1下型111bおよび第2下型211bと同じ高さに位置している態様と比較して、第1射出成形部11および第2射出成形部21の動作の際に発生する熱によって、電源基板346aが破損や劣化等の影響を受ける可能性を低減することができる。
【0052】
第4筐体40は、第2ロボット44を配置する。第4筐体40は、第3筐体30の構成と同様の構成を有している。第4筐体40の、第3筐体30の構成と同様の構成の詳細な説明を省略する。第4筐体40は、第2搭載部41と、第2台座42と、図示しない第4壁部43と、を備えている。第4筐体40は、第1筐体10と第2筐体20および第3筐体30と、X軸とY軸およびZ軸についての寸法が同じである。これにより、例えば第1筐体10と第2筐体20と第3筐体30と第4筐体40の寸法がそれぞれ異なる態様と比較して、射出成形システム全体として一体感があり、射出成形システム1を見る側に、デザインの美しさを感じさせることができる。
【0053】
第2ロボット44は、第2射出成形部21から運搬装置50に成形品を運ぶ。第2ロボット44は、第1ロボット34と同様の構成を有している。第2ロボット44の、第1ロボット34と同様の構成の、詳細な説明を省略する。第2ロボット44は、第1ロボット34と同様に、水平多関節ロボットによって構成されている。第2ロボット44は、第2基台441と、第1アーム442と、第2アーム443と、第2シャフト444と、第2保持部445と、第2ロボット制御部446と、を備えている。
【0054】
本実施形態において第2ロボット44は、図1に示すように、第2ロボット44の第1関節442aを中心に、第2配置部211baと第4壁部43の最も-Y側の端部との角度範囲である第3角度範囲AR3において、第1アーム442と第2アーム443とが同一直線上に並ぶことが可能である。図1において、第3角度範囲AR3にハッチングを付している。これにより、第2ロボット44の第2関節443aを中心とした、第1アーム442と第2アーム443とがなす角度が180度未満の状態で、第2アーム443が運搬装置50にアクセスすることができる。第2ロボット44は、第1ロボット34と同様の動きを行えるように、図示しない教示装置によって予め教示されている。
【0055】
運搬装置50は、第2ロボット44によって運ばれた成形品を、射出成形システム1の外部に運搬する。図1において、運搬装置50の図示を簡略化している。運搬装置50は、第4筐体40の第2搭載部41に配置されている。図1に示すように、本実施形態において、鉛直方向に見たときに、運搬装置50と、第1配置部111baおよび第2配置部211baと、のそれぞれが、X軸方向における同一直線SL1上に配置されている。本実施形態においては、運搬装置50の、成形品が配置される部位と、第1配置部111ba、および第2配置部211baと、のそれぞれが、X軸方向における同一直線SL1上に配置されている。これにより、第1ロボット34が第1配置部111baから第2配置部211baにワークWKを運ぶ際に、例えば運搬装置50が、第4筐体の第2台座42と接続することで、第1配置部111baと第2配置部211baと運搬装置50とが同一直線SL1上に配置されていない態様と比較して、第2ロボット44が、少ない動作でワークWKを運ぶことができる。本実施形態において、運搬装置50はベルトコンベアである。
【0056】
A2.射出成形システム1の制御方法:
図8は、ワークWKの運搬方法を説明する工程図である。第1ロボット34によるワークWKの運搬は、第1射出制御部115および、第2射出制御部215に制御された第1ロボット34によって実行される。図8のステップS10において、第1射出成形部11によって、ワークWKが成形される。第1下型111bが、第1位置変更部113の移動によって図3に表されている地点Bに移動される。成形されたワークWKは、第1配置部111baに配置される。
【0057】
図8のステップS20において、第1ロボット34が、図6の地点Dにおいて、第1角度範囲AR1において、第1アーム342と第2アーム343を同一直線上に並べる。図8のステップS30において、第1ロボット34が、第1関節342aを時計周りに回転させて、第1角度A1が180度以上から180度未満の姿勢を取る。ステップS40において、図6の地点Cにおいて表されているように、第1角度A1が180度未満の状態で、第1保持部345が、第1射出成形部11のワークWKを保持する。そして、地点Dにおいて、第1ロボット34が第2関節343aを反時計回りに回転させて、第1角度A1が180度以上の姿勢を取る。
【0058】
ステップS50において、図6の地点Eにおいて表されているように、第1ロボット34によって、第1角度A1が、180度以上の状態、つまり第2角度A2が180度未満の状態で、第2射出成形部21の第2配置部211baにワークWKが運搬される。図8のステップS60において、第2射出成形部21によって、ワークWKを使用してインサート成形が行われ、成形品が成形される。
【0059】
ステップS70において、第2ロボット44が、成形品を保持する。ステップS80において、第2ロボット44が、図1に表されている第3角度範囲AR3において、第1アーム342と第2アーム343を同一直線上に並べる。ステップS90において、第2ロボット44が、第2関節443aを中心とした、第1アーム442と第2アーム443とがなす角度が、180度未満から180度以上となるように、第2関節443aを回転させる。ステップS100において、第2ロボット44が、運搬装置50に成形品を配置する。ステップS110において、運搬装置50によって、成形品が射出成形システム1の外部へと運搬される。その後、処理が終了する。
【0060】
B.他の実施形態:
B1.他の実施形態1:
(1)上記実施形態において、第1ロボット34が、第1関節342aと第1配置部111baとの距離が、第1関節342aと第2配置部211baとの距離よりも大きい位置に配置され、第1関節342aを中心に、第1配置部111baから第3壁部33までの角度範囲において、第1アーム342と第2アーム343とが同一直線上に並ぶことが可能である。なお、例えば第2射出成形部の材料格納部が、第2配置部に対して+Y側に位置している態様において、第1ロボットが、第1関節と、第2配置部との距離が、第1配置部との距離よりも大きい位置に配置され、第1関節を中心に、第2配置部から第3壁部までの角度範囲において、第1アームと第2アームとが同一直線上に並ぶことが可能であるように、構成されていてもよい。
【0061】
この形態において、上記実施形態と同様に、射出成形システムを構成する部品との干渉を避けつつ、第1ロボットがワークを第1射出成形部から第2射出成形部まで搬送することができる。
【0062】
(2)例えば第1射出成形部によって成形されたワークが、地点Aに表される第1下型から、第1下型とは異なる部品に移動されて、その部品が地点Bにおいて、第1ロボットによってワークが保持される態様において、その部品を第1配置部とよんでもよい。同様に、例えば第1ロボットによって運ばれたワークが、第1ロボットによって第2下型とは異なる部品に配置され、第2下型とは異なる部品に移動される態様において、その部品を第2配置部とよんでもよい。この態様において、ロボットは、第1関節と、第1配置部と第2配置部のうちの一方との距離が、他方との距離よりも大きい位置に配置されており、第1関節を中心に、一方から壁部までの角度範囲において、第1アームと第2アームとが同一直線上に並ぶことが可能である。
【0063】
(3)上記実施形態において、第1下型111bの、ワークWKが配置される部分の中心を、「第1配置部111ba」と表記している。なお、第1配置部は、第1下型の、ワークWKが配置される部分の、中心以外の部分であってもよい。
【0064】
(4)上記実施形態において、第2下型211bの、ワークWKが第1ロボット34によって配置される部分の中心を、「第2配置部211ba」と表記する。なお、第2配置部は、第2下型の、ワークが第1ロボットによって配置される部分の、中心以外の部分であってもよい。
【0065】
(5)上記実施形態において、射出成形システム1は、第1筐体10と、第2筐体20と、第3筐体30と、第4筐体40と、運搬装置50と、を備えている。なお、例えば射出成形システムは、第1射出成形部と、第2射出成形部と、ロボットのみを備えていてもよい。また、射出成形システムは、第1射出成形部や第2射出成形部と同様の構成を備える第3射出成形部と、第1ロボットと同様の構成を備える第3ロボットと、を備えていても良い。
【0066】
(6)上記実施形態において、それぞれ隣り合う筐体同士は、脱着可能に接続されている。なお、それぞれ隣り合う筐体同士は、脱着ができないように構成されていてもよい。
【0067】
(7)上記実施形態において、第1筐体10は第1壁部13を備え、第2筐体20は第2壁部23を備えていた。なお、第1筐体は第1壁部を備えていなくてもよく、第2筐体は第2壁部を備えていなくてもよい。
【0068】
(8)上記実施形態において、第1射出制御部115と、第2射出制御部215は、電気的に接続し、第1ロボット制御部346と、第2ロボット制御部446を制御している。なお、例えば射出成形システムは、第1射出成形部の射出制御部と、第2射出成形部の射出制御部と、第1ロボットのロボット制御部と第2ロボットのロボット制御部とを統括制御する制御部を備えていてもよい。
【0069】
(9)上記実施形態において、第1ロボット34は、第1ロボット制御部346を備え、第1ロボット制御部346を介して、第1射出制御部115によって制御される。なお、第1ロボットは、ロボット制御部を備えていない態様としてもよい。この態様において、例えば射出制御部によって第1ロボットが制御されてもよい。
【0070】
(10)上記実施形態において、第2ロボット44は、第1ロボット34と同様の動きを行えるように、図示しない教示装置によって予め教示され、第1ロボット34と同様の動きが可能である。なお、第2ロボットは、第1ロボットと同様の動きを行わなくても良い。
【0071】
(11)上記実施形態において、第2射出成形部21は、ワークWKを使用してインサート成形により成形品を成形する。なお、例えば射出成形システムは、二色成形により成形品を成形してもよい。
【0072】
B2.他の実施形態2:
(1)例えば、第1射出成形部の材料格納部が、第1配置部に対して+X方向側に位置し、第2射出成形部の材料格納部が、第2配置部に対して+X方向側に位置する態様において、第1関節が、第2配置部との距離が、第1配置部との距離よりも大きい位置に、配置されていてもよい。
【0073】
(2)上記実施形態において、第1材料格納部110aは、水平方向に見たときに、第2アーム343と同じ高さであり、第1関節342aに対して第1配置部111baと同じ側に位置する。なお、例えば第1射出成形部の材料格納部が、水平方向に見たときに、第2アームと異なる高さである態様や、第1関節に対して第1配置部と反対の側に位置していてもよい。
【0074】
B3.他の実施形態3:
上記実施形態において、第2材料格納部210aは、水平方向に見たときに、第2アーム343と同じ高さであり、第1関節342aに対して第2配置部211baと同じ側に位置する。なお、例えば第2射出成形部の材料格納部が、水平方向に見たときに、第2アームと異なる高さである態様や、第1関節に対して第2配置部と反対の側に位置していてもよい。
【0075】
B4.他の実施形態4:
上記実施形態において、第1基台341は、第1射出基台12および第2射出基台22よりも鉛直方向の上側に位置している。なお、例えば第1ロボットの鉛直方向における寸法が、第1射出成形部のうち、第1射出基台の上側に配置されている構成の鉛直方向における寸法、および第2射出成形部のうち、第2射出基台の上側に配置されている構成の寸法よりも大きい、または同じである態様において、基台が、第1射出基台および第2射出基台よりも鉛直方向の上側に位置していなくてもよい。この態様において、射出成形システムが台座を備えず、基台の鉛直方向の最も下側の端部が、第1射出基台および第2射出基台と、水平方向に見て同じ水平方向に並んでいてもよい。
【0076】
B5.他の実施形態5:
上記実施形態において、第1ロボット34は第1シャフト344を備えている。なお、例えば第2アームに接続されている保持部によってワークを保持することが可能な態様においては、ロボットはシャフトを備えなくてもよい。
【0077】
B6.他の実施形態6:
上記実施形態において、電源基板346aが、第1配置部111baおよび第2配置部211baよりも鉛直方向の上側に配置されている。なお、例えば電源基板が、第1配置部および第2配置部と水平方向に並ぶ態様としてもよい。
【0078】
B7.他の実施形態7:
(1)上記実施形態において、射出成形システム1は、第4筐体40と、運搬装置50を備えている。なお、例えば成形品を作業者が取り出す態様において、射出成形システムは第4筐体と、運搬装置を備えていなくてもよい。
【0079】
(2)上記実施形態において、運搬装置50と、第1配置部111baと、第2配置部211baと、のそれぞれが、第1射出成形部11と、第1ロボット34と、第2射出成形部21と、が並ぶ方向における同一直線SL1上に配置されている。なお、運搬装置と、第1配置部と、第2配置部が、第1射出成形部と、第1ロボットと、第2射出成形部と、が並ぶ方向における同一直線上に配置されていなくてもよい。
【0080】
B8.他の実施形態8:
例えば、第1ロボットが、第1関節と第2配置部との距離が、第1関節と第1配置部との距離よりも大きい位置に配置され、第1関節を中心に、第2配置部から第3壁部までの角度範囲において、第1アームと第2アームとが同一直線上に並ぶことが可能であるように、構成されていている態様において、ワークが運搬されてもよい。
【0081】
C.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0082】
(1)本開示の一形態によれば、射出成形システムが提供される。この射出成形システムは、ワークを成形する第1射出成形部と、前記第1射出成形部と水平方向に並んで配され、前記ワークを使用して成形品を成形する第2射出成形部と、前記第1射出成形部と前記第2射出成形部との間に配置され、前記ワークを前記第1射出成形部から前記第2射出成形部に運ぶロボットと、前記第1射出成形部と前記第2射出成形部との間に配置され、前記第1射出成形部と前記第2射出成形部との並びの方向に伸びる壁部と、を備え、前記第1射出成形部は、前記ワークが配置される第1配置部を備え、前記第2射出成形部は、成形に使用される前記ワークが配置される第2配置部を備え、前記ロボットは、基台と、第1関節を介して前記基台に接続されている第1アームと、前記第1関節の回転軸と平行な回転軸を有する第2関節を介して前記基台に接続されている第2アームと、を備え、前記射出成形システムは、鉛直方向に見たときに、前記第1関節と前記第1配置部との距離である第1距離、前記第1関節と前記第2配置部との距離である第2距離、および前記第1関節と前記壁部との第3距離が、前記第1アームと前記第2アームとが同一直線上にあるときの前記第1関節と前記第2アームの先端との距離である第4距離よりも小さく、前記ロボットは、前記第1関節と、前記第1配置部と前記第2配置部のうちの一方との距離が、他方との距離よりも大きい位置に配置されており、前記第1関節を中心に、前記一方から前記壁部までの角度範囲において、前記第1アームと前記第2アームとが同一直線上に並ぶことが可能である。
この形態の射出成形システムによれば、第1射出成形部と第2射出成形部と第1ロボットとが、離れて配置される態様と比較して、鉛直方向に見た射出成形システムの設置面積を小さくすることができる。また、第1関節を中心に、一方から壁部までの角度範囲において、第1アームと第2アームとが同一直線上に並ぶことが可能であるため、第1アームと第2アームとが並ぶ位置において、第1アームに対して第2アームを回転させることにより、第1アームと第2アームとがなす角が180°未満である姿勢と、第1アームと第2アームとがなす角が180°より大きい姿勢の両方を取り得る。その結果、射出成形システムを構成する部品との干渉を避けつつ、ロボットがワークを第1射出成形部から第2射出成形部まで搬送することができる。
【0083】
(2)上記形態の射出成形システムにおいて、前記ロボットは、前記第1関節を中心に前記一方から前記壁部までの角度範囲において、前記第2関節を中心に、前記第1アームと前記第2アームとがなす角度が、180度未満から180度以上、または、180度以上から180度未満となってもよい。
【0084】
(3)上記形態の射出成形システムにおいて、前記第1射出成形部は、水平方向に見たときに、前記第2アームと同じ高さである部品であって、前記第1関節に対して前記第1配置部と同じ側に位置する部品を備え、前記第1関節が、前記第2配置部との距離が、前記第1配置部との距離よりも大きい位置に配置されていてもよい。
この形態の射出成形システムによれば、部品がロボットと接触することを防止することができる。
【0085】
(4)上記形態の射出成形システムにおいて、前記第2射出成形部は、水平方向に見たときに、前記第2アームと同じ高さにある部品であって、前記第1関節に対して前記第2配置部と同じ側に位置する部品を備え、前記第1関節が、前記第1配置部との距離が、前記第2配置部との距離よりも大きい位置に配置されていてもよい。
この形態の射出成形システムによれば、部品がロボットと接触することを防止することができる。
【0086】
(5)上記形態の射出成形システムにおいて、前記第1配置部は第1射出基台の鉛直方向の上側に配置されており、前記第2配置部は第2射出基台の鉛直方向の上側に設置されており、前記基台は、前記第1射出基台および前記第2射出基台よりも鉛直方向の上側に位置していてもよい。
【0087】
(6)上記形態の射出成形システムにおいて、前記ロボットは、さらに、前記第2アームに接続されており、前記第2アームから鉛直方向の下方に伸びるシャフトと、前記シャフトに接続されており、前記ワークを保持する保持部と、を備えてもよい。
【0088】
(7)上記形態の射出成形システムにおいて、前記ロボットは、外部から電力を供給される電源基板を備え、前記電源基板は、前記第1配置部および前記第2配置部よりも鉛直方向の上側に配置されていてもよい。
【0089】
(8)上記形態の射出成形システムにおいて、さらに、前記第2射出成形部から前記成形品を運ぶ第2ロボットと、前記第2ロボットによって運ばれた前記成形品を運搬する運搬装置と、を備え、鉛直方向に見たときに、前記運搬装置と、前記第1配置部と、前記第2配置部と、のそれぞれが、前記第1射出成形部と、前記ロボットと、前記第2射出成形部と、が並ぶ方向における同一直線上に配置されていてもよい。
【0090】
本開示の他の形態によれば、射出成形システムの制御方法が提供される。この射出成形システムの制御方法は、第1射出成形部が、ワークを射出成形し、鉛直方向に見たときに、第1関節を介して基台に接続されている第1アームと、前記第1関節の回転軸と平行な回転軸を有する第2関節を介して前記基台に接続されている第2アームと、を備えるロボットが、前記第1関節を中心に、前記第1射出成形部の第1配置部と前記ワークが運搬される第2配置部とのうち前記ロボットとの距離が大きい側から、前記第1射出成形部と前記ワークを使用して成形する第2射出成形部との間に配置され前記第1射出成形部と前記第2射出成形部の並びの方向に伸びる壁部までの角度範囲において、前記第1アームと前記第2アームとを、同一直線上に並ばし、前記第2関節を中心に、前記第1アームと前記第2アームとがなす角度であって、前記第2射出成形部に対して前記第1射出成形部側である角度が、180度未満の状態で、前記第1配置部に配置されている前記ワークを保持し、前記角度が、180度以上の状態で、前記第2射出成形部に前記ワークを運搬し、前記第2射出成形部が、前記ワークを使用して成形品を成形する。
【符号の説明】
【0091】
1…射出成形システム、10…第1筐体、11…第1射出成形部、12…第1射出基台、13…第1壁部、20…第2筐体、21…第2射出成形部、22…第2射出基台、23…第2壁部、30…第3筐体、31…第1搭載部、32…第1台座、33…第3壁部、34…第1ロボット、40…第4筐体、41…第2搭載部、42…第2台座、43…第4壁部、44…第2ロボット、50…運搬装置、110…第1射出ユニット、110a…第1材料格納部、111…第1成形型、111a…第1上型、111b…第1下型、111ba…第1配置部、112…第1支持部、112a…上型支持部、112b…下型支持部、113…第1位置変更部、114…第1型締装置、114a…支柱、115…第1射出制御部、131…第1壁部13の中心、210…第2射出ユニット、210a…第2材料格納部、211…第2成形型、211b…第2下型、211ba…第2配置部、212…第2支持部、213…第2位置変更部、214…第2型締装置、215…第2射出制御部、341…第1基台、342…第1ロボット34の第1アーム、342a…第1ロボット34の第1関節、343…第1ロボット34の第2アーム、343a…第1ロボット34の第2関節、343b…第2アームの先端、344…第1シャフト、345…第1保持部、346…第1ロボット制御部、346a…電源基板、441…第2基台、442…第2ロボット44の第1アーム、442a…第2ロボット44の第1関節、443…第2ロボット44の第2アーム、443a…第2ロボット44の第2関節、444…第2シャフト、445…第2保持部、446…第2ロボット制御部、A1…第1角度、A2…第2角度、AR1…第1角度範囲、AR2…第2角度範囲、AR3…第3角度範囲、C1…第1円、C2…第2円、D1…第1距離、D2…第2距離、D3…第3距離、D4…第4距離、DS…重複部分、WK…ワーク
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