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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120379
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】押出成形品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 48/92 20190101AFI20240829BHJP
   B29C 48/30 20190101ALI20240829BHJP
   B29C 48/88 20190101ALI20240829BHJP
   B29C 48/12 20190101ALI20240829BHJP
   B29C 48/25 20190101ALI20240829BHJP
【FI】
B29C48/92
B29C48/30
B29C48/88
B29C48/12
B29C48/25
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027133
(22)【出願日】2023-02-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000110103
【氏名又は名称】トキワケミカル工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】広川 隆志
(72)【発明者】
【氏名】宮川 直久
【テーマコード(参考)】
4F207
【Fターム(参考)】
4F207AH23
4F207AJ08
4F207AR09
4F207AR12
4F207KA01
4F207KA17
4F207KA20
4F207KM16
4F207KW23
4F207KW26
4F207KW41
(57)【要約】
【課題】切削刃が設けられた回転体が常に最適な回転速度で、かつ、切削刃の温度を上昇させずに合成樹脂製の芯材を切削して複数の溝部を形成する。
【解決手段】押出し成形機から押出成形された合成樹脂製の芯材(11)を支持しながら送り出すホルダー(6)を備え、ホルダー(6)の左右両側には、それぞれ、芯材(11)の左右両側に溝部(12)を形成する切削刃(2)および回転体(3)を通す切削ガイド溝(7)が形成されており、回転体(3)の回転開始時は、芯材(11)およびホルダー(6)は切削刃(2)が切削しない所定の待機位置に待機し、回転体(3)の回転数が切削刃(2)によって芯材(11)を切削するために最適な所定回転数に達した際に、ホルダー(6)内を通過中の芯材(11)に対し切削刃(2)が切削を開始するようにホルダー(6)が移動して芯材(11)の左右両側に複数の溝部(12)を形成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出し成形機から押出成形された合成樹脂製の芯材(11)を支持しながら送り出すホルダー(6)を備え、該ホルダー(6)の左右両側には、それぞれ、芯材(11)の左右両側に溝部(12)を形成する切削刃(2)を通す切削ガイド溝(7)が形成されており、
ホルダー(6)の左右の切削ガイド溝(7)は、芯材(11)を送り出すX方向にギャップ(T)だけズラして形成されていると共に、切削刃(2)を冷却する切削刃冷却部が設けられ、
回転体(3)の回転開始時は、芯材(11)および該芯材(11)を支持しながら送り出すホルダー(6)は、切削刃(2)が切削しない所定の待機位置に待機しており、
回転体(3)の回転数が切削刃(2)によって芯材(11)を切削するために最適な所定回転数に達した際に、ホルダー(6)内を通過中の芯材(11)に対し切削刃(2)が切削を開始するようにホルダー(6)または回転体(3)が移動し、
ホルダー(6)の左右の切削ガイド溝(7)それぞれを通る左右の回転体(3)の切削刃(2)が芯材(11)を送り出すX方向にギャップ(T)だけズレた位置で、かつ、切削刃冷却部によって冷却された切削刃(2)が芯材(11)の左右両側を切削することによって芯材(11)の左右両側に複数の溝部(12)を任意の間隔で連続して形成することを特徴とする押出成形品の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の押出成形品の製造方法において、
前記切削刃冷却部は、切削刃(2)に対し水を噴射する水噴射ノズル(8)であることを特徴とする押出成形品の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の押出成形品の製造方法において、
水噴射ノズル(8)は、左右両側にそれぞれ設けられた回転体(3)の上方に設けられており、回転体(3)の外周面(32)に向けて水を常時噴射することによって切削刃(2)に水を噴射することを特徴とする押出成形品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、二輪車、船外機等に装着するウェザーストリップ、トリム、シール部品等に関する押出成形品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車、二輪車、船外機等に装着するウェザーストリップ、トリム、シール品等の押出成形品に使用される芯材は、芯材の材質を金属から合成樹脂に変えることによって軽量化、リサイクル等の環境問題や金属の腐食等の問題に対応している。
【0003】
このような押出成形品の合成樹脂製の芯材に溝を形成するため、切削刃を取り付けた回転体が回転することによって合成樹脂製の芯材に溝部を切削形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-155488号公報
【特許文献2】特開2006-327562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1,2に開示された従来の工法では、押出成形初期において、芯材が静止している左右の回転体の間を通過した後に左右の回転体が回転を開始するため、回転体を回転させるモーターは回転開始から必要とする回転数に到達する前に合成樹脂製の芯材へ切削が始まってしまい、芯材の溝の形状や合成樹脂の硬さによって回転が止められてしまう問題や、芯材に形成された溝にバリが発生したり、溝の形状が不揃いになる問題点があった。
【0006】
また、切削刃を取り付けた回転体は高速で回転して芯材を切削するため、切削時の摩擦等によって切削刃の温度が上昇すると、膨張したり弱くなり、正確な溝が形成できないという問題もあった。
【0007】
そこで、本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、切削刃が設けられた回転体が回転開始直後においても停止することがなく、常に最適な回転速度で、かつ、切削刃の温度を上昇させずに合成樹脂製の芯材を切削して任意の間隔で連続した複数の溝部を形成することができる押出成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係る押出成形品の製造方法は、押出し成形機から押出成形された合成樹脂製の芯材(11)を支持しながら送り出すホルダー(6)を備え、該ホルダー(6)の左右両側には、それぞれ、芯材(11)の左右両側に溝部(12)を形成する切削刃(2)を通す切削ガイド溝(7)が形成されており、ホルダー(6)の左右の切削ガイド溝(7)は、芯材(11)を送り出すX方向にギャップ(T)だけズラして形成されていると共に、切削刃(2)を冷却する切削刃冷却部が設けられ、回転体(3)の回転開始時は、芯材(11)および該芯材(11)を支持しながら送り出すホルダー(6)は、切削刃(2)が切削しない所定の待機位置に待機しており、回転体(3)の回転数が切削刃(2)によって芯材(11)を切削するために最適な所定回転数に達した際に、ホルダー(6)内を通過中の芯材(11)に対し切削刃(2)が切削を開始するようにホルダー(6)または回転体(3)が移動し、ホルダー(6)の左右の切削ガイド溝(7)それぞれを通る左右の回転体(3)の切削刃(2)が芯材(11)を送り出すX方向にギャップ(T)だけズレた位置で、かつ、切削刃冷却部によって冷却された切削刃(2)が芯材(11)の左右両側を切削することによって芯材(11)の左右両側に複数の溝部(12)を任意の間隔で連続して形成することを特徴とする。
また、本発明に係る押出成形品の製造方法では、前記切削刃冷却部は、切削刃(2)に対し水を噴射する水噴射ノズル(8)であることも特徴とする。
また、本発明に係る押出成形品の製造方法では、水噴射ノズル(8)は、左右両側にそれぞれ設けられた回転体(3)の上方に設けられており、回転体(3)の外周面(32)に向けて水を常時噴射することによって切削刃(2)に水を噴射することも特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る押出成形品の製造方法では、切削刃が設けられた回転体の回転開始時は、芯材および該芯材を支持すると共に該芯材の送り出しをガイドするホルダーは、切削刃が切削しない所定の待機位置に待機しており、回転体の回転数が切削刃によって芯材を切削するために最適な所定回転数に達した際に、ホルダーに支持され送り出されている芯材に対し切削刃が切削を開始するようにホルダーまたは回転体を移動させ、回転体に設けられた切削刃が切削刃冷却部によって冷却された状態で芯材の左右両側に複数の溝部を任意の間隔で連続して形成する。
そのため、本発明に係る押出成形品の製造方法によれば、切削刃が設けられた回転体の回転数が最適な所定回転数に達した際にホルダーに支持され送り出されている芯材に対し切削刃による切削が開始するため、従来の工法のように回転開始直後の回転体の回転速度不足によって芯材の溝の切削不良や回転体が停止させられる等の問題が解決され、芯材に所望する形状の溝部を所望する間隔で連続して切削できると共に、切削時の摩擦等によって切削刃の温度が高温になっても切削刃冷却部によって冷却されるので、正確な切削が可能となり、安定した生産が可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法の製造工程全体の一例を示す側面図である。
図2図1におけるA部分である切削機構部の構成例であってホルダーが切削刃による切削が行われない所定の待機位置に待機している状態等を示す図である。
図3】本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法において芯材の左右両側に設置された回転体をサーボモーターにより回転させための構成例を示す正面図である。
図4】本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法で使用するホルダーが芯材を送り出しながら回転体の間に向かって下降する状態を拡大して示す斜視図である。
図5図1におけるA部分である切削機構部の構成例であってホルダーに支持された芯材が切削刃によって切削されている状態等を示す図である。
図6】本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法においてホルダーに支持された芯材が切削刃によって切削されている状態や芯材に形成された溝部の一例等を示す斜視図である。
図7】本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法においてホルダーに支持された芯材が切削刃によって切削されている状態や芯材に形成された溝部の他の例(間隔が不連続な溝部)等を示す斜視図である。
図8】本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法においてホルダーに支持された芯材が切削刃によって切削されている状態や芯材に形成された溝部のさらに他の例(左右の溝具が互い違いな位置に形成された溝部)等を示す斜視図である。
図9】本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法により製造されるウェザーストリップの一例の断面図である。
図10】本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法においてホルダーが上昇して回転体の間に向かって上昇して芯材を切削する場合を示す正面図である。
図11】本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法において回転体が左右両側の待機位置から固定されているホルダーに向かって移動して芯材を切削する場合を示す正面図である。
図12】本発明に係る実施の形態2の押出成形品の製造方法においてホルダーに支持された芯材が切削刃によって切削されている状態等を示す斜視図である。
図13】本発明に係る実施の形態2の押出成形品の製造方法においてホルダーに支持された芯材が切削刃によって切削されている状態等を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る押出成形品の製造方法の実施の形態1,2を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、下記に説明する実施の形態1,2はあくまで本発明の一例であり、本発明に係る実施の形態1,2に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更可能である。
【0012】
本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法を、図示して説明する。
【0013】
<実施の形態1の押出成形品の製造方法を実施するための製造工程の一例>
図1は、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法を実施するための製造工程の一例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法では、第1押出し機(21)に注入した熱可塑性樹脂は第1金型ダイス(22)で断面略逆U字形の合成樹脂製の芯材(11)に成形され、第1冷却槽(23)を通過後に第1引き取りローラー(24)に引き取られ、ホルダー(6)内を通過する。
【0015】
ここで、芯材(11)の断面形状は、必要に応じて、すなわち芯材(11)が使用される自動車や二輪車、船外機等に装着されるウェザーストリップ、トリム、シール部品等に最適な形状に応じ、例えば断面略逆U字形、断面略逆J字形、断面略I字形などに押出成形される。
【0016】
そして、芯材(11)はホルダー(6)内を通過中に、後述する図2に示すようにホルダー(6)と共に降下して、左右両側に取付位置が固定して設置され回転する回転体(3)の外周面に設けられた複数の切削刃(2)によって切削され、所望する形状の溝部(12)が所望する間隔に連続して芯材(11)の左右両側に形成される。
【0017】
ここで回転体(3)の最適な所定回転数は、本実施の形態1では、1000回転/分~5000回転/分であり、好ましくは回転数を1000回転/分~3000回転/分とする。
【0018】
図2は、図1におけるA部分であるホルダー(6)や複数の切削刃(2)が設けられた回転体(3)等によって構成された切削機構部の構成例を示す図である。
【0019】
図2に示すように、図1におけるA部分の切削機構部は、左右両側に取付位置が固定して設置された回転する回転体(3)に向かって所定の切削開始位置まで芯材(11)の送り出しを支持するホルダー(6)が下降するように構成している。
【0020】
そのため、ホルダー(6)は昇降するテーブル(31)の上に設置して固定されており、図2に示す構成例では作業員がハンドル(35)を掴んで回し、ボールネジ(34)が回転することによって、テーブル(31)の左右両側のガイドレール(32)に沿ってテーブル(31)が下降するように構成されている。尚、テーブル(31)を下降させる方法としては、作業員がハンドル(35)を掴んで回すだけでなく、ボールネジ(34)をサーボモーター等で回転させたり、モーターや油圧等によりテーブル(31)を下降させる等、様々な方法がある。
【0021】
尚、テーブル(31)には、左右両側に固定して設置された回転する回転体(3)外周面の切削刃(2)による芯材(11)への切削加工を妨げないように、図示しないが、ホルダー(6)の左右両側に設けた回転体(3)の切削刃(2)や、回転体(3)、さらにはその回転体(3)を回転させる回転軸(図示せず。)等がテーブル(31)に干渉しないようにスリット(開口部)ないしは空間部が形成されている。
【0022】
図3は、2つの回転体(2)を回転させるための回転機構の構成例を示す正面図である。
【0023】
実施の形態1の押出成形品の製造方法では、押出成形されてホルダー(6)内を進行中の芯材(11)を切削刃(2)で切削する2つの回転体(3)を、1000回転/分~5000回転/分、好ましくは回転数を1000回転/分~3000回転/分で回転させるため、図3に示すように左右両側の回転体(3)にそれぞれ専用のサーボモーター(5)を設け、それぞれ、サーボモーター(5)の回転を複数(図3では、例えば、3個とするが、3個に限定されるものではない。)の歯車(4)を介し回転体(3)に伝達するように構成している。尚、図3に示す回転機構の構成はあくまで一例であり、歯車(4)の個数を変えたり、歯車(4)の代わりにベルト等を使用しても勿論良い。
【0024】
ここで、左右両側のサーボモーター(5)の回転数や回転開始タイミング、さらには回転体(3)外周面に設けられた切削刃(2)の切削開始タイミング等は、左右両側のサーボモーター(5)に接続された図示しないコントローラによって制御されている。
【0025】
また、回転体(3)の外周面には、図3に示すように、2個の切削刃(2)が180度の角度を開けて設けられている。尚、2個の切削刃(2)は、回転体(3)と一体形成でも、回転体(3)と別体に形成した後に取付けて構成してもどちらでも良い。また、回転体(3)に設ける切削刃(2)の数は、1つでも良いが、複数の方が良く、その回転中心に対し等角度で対称的に設けることが望ましく、2個に限定されることはない。
【0026】
図4は、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法で使用するホルダー(6)が芯材(11)を送り出しながら、ホルダー(6)の下方であって左右に固定され回転する回転体(3)の間に向かって下降する状態を示す斜視図である。
【0027】
図4に示すように、押出成形されてX方向進行中の芯材(11)はホルダー(6)内を通過中に、図2に示すような下降機構によってホルダー(6)は左右に固定して設置された回転する回転体(3)に向かって所定の切削開始位置まで降下をする。
【0028】
ここで、ホルダー(6)には、押出し成形機から押出成形された合成樹脂製の芯材(11)を支持しながら送り出すと共に、切削刃(2)による芯材(11)の切削精度が向上するように芯材(11)の断面形状である逆U字形状をした芯材送出し孔(61)がX方向に形成されている。ただし、芯材送出し孔(61)の断面形状は、必ずしも芯材(11)の断面形状に応じた形状である必要はないが、芯材(11)の断面形状に応じた形状にすると、芯材送出し孔(61)を通過中の芯材(11)を切削刃(2)が切削した際、芯材(11)が振動したりブレたりることを抑えることが可能となり、芯材(11)の切削精度を向上させることができる。
【0029】
また、ホルダー(6)の左右両側には、それぞれ、芯材(11)の左右両側に所望形状の溝部(12)を形成するため、回転体(3)の外周面に設けられた切削刃(2)およびその回転体(3)が通る正面視ほぼ長方形状の切削ガイド溝(7)が形成されている。
【0030】
ここで、芯材送出し孔(61)は、確実に芯材(11)を支持して送り出すことが出来るように切削する芯材(11)の断面形状である例えば断面略逆U字形、断面略逆J字形、断面略I字形等の形状に形成されている。
【0031】
そして、回転体(3)の回転開始時は、芯材(11)および芯材(11)を支持すると共に芯材(11)を支持しながら送り出すホルダー(6)は、回転体(3)が設けられた位置よりも高く、切削刃(2)が切削しない所定の待機位置に待機している。
【0032】
その後、回転体(3)の回転数が切削刃(2)によって芯材(11)を切削するために最適な所定回転数である1000回転/分~5000回転/分、好ましくは回転数を1000回転/分~3000回転/分に達した際に、図2に示すような下降機構によってホルダー(6)内を通過中の芯材(11)に対し切削刃(2)が切削を開始するようにホルダー(6)が下降する。
【0033】
具体的には、図5に示すように、テーブル(31)がストッパー(33)の位置まで下降して停止することで、ホルダー(6)内をX方向に通過中の芯材(11)は左右両側で回転中の回転体(3)の切削刃(2)によって切削され、芯材(11)の左右両側に後述するように連続した複数の溝部(12)が任意の間隔で形成される。
【0034】
図6は、図5に示すホルダー(6)内をX方向に通過中の芯材(11)は左右両側で回転中の回転体(3)の切削刃(2)によって切削している状態を、テーブル(31)等を省略して示す斜視図である。
【0035】
図6に示すように、ホルダー(6)は左右の回転する回転体(3)の間の所定位置に固定され、回転している回転体(3)外周面に設けられた切削刃(2)がホルダー(6)の左右両側に設けた切削ガイド溝(7)を通過しながらホルダー(6)内をX方向に通過中の芯材(11)に所望する形状の溝部 (12)を所望する間隔に連続して切削する。
【0036】
尚、図6の場合、左右両側のサーボモーター(5)に接続された図示しないコントローラが左右両側のサーボモーター(5)の回転数や回転開始タイミング、さらには回転体(3)外周面に設けられた切削刃(2)が最初に芯材(11)を切削する切削開始タイミング等を制御しており、ホルダー(6)内をX方向に通過中の芯材(11)に対し左右両側で回転する回転体(3)の切削刃(2)によって、X方向に等間隔で、かつ、芯材(11)の左右両側に左右対称の位置すなわち左右両側の溝部(12)が同一直線上になるように複数の溝部(12)を形成している。
【0037】
また、左右両側のサーボモーター(5)に接続された図示しないコントローラが左右両側のサーボモーター(5)の回転数や回転開始タイミング、さらには回転体(3)外周面に設けられた切削刃(2)が最初に芯材(11)を切削する切削開始タイミング等を制御することによって、例えば芯材(11)の左右両側に溝部(12)を図7に示すようにX方向に不連続の任意の間隔で、かつ、左右両側の溝部(12)が同一直線上になるように溝部(12)を形成したり、さらには図8に示すように芯材(11)の左右両側の溝部(12)が同一直線上にならず、すなわち左右対称ではなくX方向にズラして互い違いの位置になるように溝部(12)を形成することもできる。また、図示しないが左右両側の溝部(12)を互い違いで、かつ、左右両側の溝部(12)で不連続の任意の間隔で形成することもできる。
【0038】
そして、ホルダー(6)内を通過中に左右両側で回転中の回転体(3)の切削刃(2)によって所望する形状の溝部(12)が所望する間隔に連続して形成された芯材(11)は、図1に示すように第2金型ダイス(26)に進入し、第2押出し機(25)に注入した被覆部(15)を形成する熱可塑性エラストマーや、第3押出し機(27)に注入した中空シール(14)を形成する軟質の熱可塑性エラストマーによって、例えば、図9に示すように構成された押出成形品(1)が押出成形される。
【0039】
図9は、本実施の形態1によって製造されるウェザーストリップの押出成形品(1)の断面図の一例を示す図である。
【0040】
図9に示す押出成形品(1)は、断面略逆U字形の合成樹脂製の芯材(11)の左右両側に図6図8に示すような溝部(12)を形成し、さらにその芯材(11)の周囲に熱可塑性エラストマーの被覆部(15)を形成し、被覆部(15)の外側には軟質の熱可塑性エラストマーの中空シール部(14)が押出成形され、芯材(11)の内側には自動車の車体のフランジに装着するためのリップ(16)を形成している。
【0041】
芯材(11)に使用する合成樹脂としては、例えば、タイプAデュロメータ硬さ(ショアA)が85以上のポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、該オレフィン系樹脂にタルクまたはワラストナイト(珪灰石)の粉体を20~50重量%混合した混合合成樹脂を使用するが、本発明では特にこれに限らない。
【0042】
また、シール部(14)や被覆部(15)、リップ(16)の熱可塑性エラストマーとしては、タイプAデュロメータ硬さ(ショアA)が40から80のオレフィン系樹脂の熱可塑性エラストマーによって形成され、中空シール部(14)の軟質の熱可塑性エラストマーとしては、タイプAデュロメータ硬さ(ショアA)が20から40のオレフィン系樹脂の熱可塑性エラストマーによって形成されている。
【0043】
また、押出成形品(1)にさらに材質の異なる熱可塑性エラストマーまたは合成樹脂を追加する場合は、図示しないが、第2押出し機(25)や第3押出し機(27)と同様に第4押出し機、第5押出し機・・・等を追加して、第2金型ダイス(26)の内部で共押出し成形する。
【0044】
<本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法の主な効果>
以上説明したように、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法は、押出し成形機から押出成形された合成樹脂製の芯材(11)を支持しながら送り出すホルダー(6)を備え、該ホルダー(6)の左右両側には、それぞれ、芯材(11)の左右両側に溝部(12)を形成する切削刃(2)および回転体(3)を通す切削ガイド溝(7)が形成されており、回転体(3)の回転開始時は、芯材(11)および該芯材(11)を支持しながら送り出すホルダー(6)は、切削刃(2)が切削しない所定の待機位置に待機しており、回転体(3)の回転数が切削刃(2)によって芯材(11)を切削するために最適な所定回転数に達した際に、ホルダー(6)内を通過中の芯材(11)に対し切削刃(2)が切削を開始するようにホルダー(6)が下降し、回転体(3)に設けられた切削刃(2)によって芯材(11)の左右両側に複数の溝部(12)を任意の間隔で連続して形成する。
【0045】
そのため、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法によれば、回転体の回転数が最適な所定回転数に達した際にホルダー(6)に支持され送り出されている芯材(11)に対し切削刃(2)が切削を開始するため、従来の工法のように回転開始直後の回転体(6)の回転速度不足によって芯材(11)の溝の切削不良や回転体が停止させられる等の問題が解決され、芯材(11)に所望する形状の複数の溝部(12)を所望する間隔で連続して切削でき安定した生産が可能となる効果がある。
【0046】
特に、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法では、ホルダー(6)には、芯材(11)の断面形状である逆U字形状をした芯材送出し孔(61)がX方向に形成されているため、ホルダー(6)中の芯材(11)を切削刃(2)が切削した際、芯材(11)が振動したりブレたりることを抑えることが可能となるため、この点でも芯材(11)の切削精度を向上させることができる。
【0047】
また、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法では、回転体(3)の最適な所定回転数としては、1000回転/分~5000回転/分であることも特徴とし、好ましくは回転数を1000回転/分~3000回転/分とする。
【0048】
そのため、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法によれば、回転体(3)の回転数を1000回転/分~5000回転/分にした場合には、芯材(11)に形成する溝部(12)の形状を美しく切削できる効果がある。
【0049】
また、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法では、左右のサーボモーター(5)の制御により左右両側の回転体(3)の回転をそれぞれ制御することで芯材(11)の左右両側に複数の溝部(12)が任意の間隔で形成する。ここで、芯材(11)の左右両側に複数の溝部(12)を任意の間隔で形成するとは、芯材(11)の左右両側に複数の溝部(12)を左右対称の位置や左右互い違いの位置、不連続の間隔等に形成することをいう。
【0050】
そのため、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法によれば、左右それぞれのサーボモーター(5)によって左右の回転体(3)の回転を個別に(独立して)プログラム等によって制御することが可能となり、芯材(11)の左右両側の複数の溝部(12)を規則正しくあるいは不規則(不連続)の間隔に切削したり、芯材(11)の左右の溝部(12)を左右対称の位置または互い違いの位置等の任意に形成できる効果がある。
【0051】
また、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法では、切削刃(2)と回転体(3)が一体的に形成または別体に形成した後に取付けている。
【0052】
そのため、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法によれば、切削刃(2)と回転体(3)を一体的に形成することで回転体(3)の回転を安定化することができ、また切削刃(2)を回転体(3)に取り付け可能にすることで、切削刃(2)が破損等した場合、切削刃(2)部分の交換だけで交換コストを抑えることが可能となり、押出成形品(1)の製造コストを低減できる効果がある。
【0053】
また、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法では、回転体(3)に設けられた切削刃(2)が複数であるため、回転体(3)が低回転で押出速度を上げても芯材(11)に溝(12)を形成である効果がある。
【0054】
また、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法では、合成樹脂製の芯材(11)は、断面略逆U字形、断面略逆J字形、断面略I字形のいずれかである。
【0055】
また、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法では、ホルダー(6)の左右の切削ガイド溝(7)は、図6図8等に示すように、芯材(11)を送り出すX方向に対しギャップ(T)だけズラして形成されている。
【0056】
ホルダー(6)に切削ガイド溝(7)をギャップ(T)だけズラして設けた理由は、ホルダー(6)の左右の切削ガイド溝(7)のX方向の位置ズレを示すギャップ(T)が0mmの場合に左右の回転体(6)によって溝部(12)を切削すると、芯材(11)の左右両側に形成する溝部(12)の間隔Uが短い設定の場合、左右方向に同一直線上に位置する溝部(12)を同時に切削することになるので、切削時の衝撃によって左右の溝部(12)間の芯材(11)が破損し、芯材(11)が途中で切断するおそれがある。
【0057】
しかし、本発明に係る実施の形態1の押出成形品の製造方法では、芯材(11)を送り出すX方向に対しギャップ(T)だけズラしてホルダー(6)の左右に切削ガイド溝(7)を設けたため、同一直線上の溝部(12)を同時に切削することはなく、タイミングをズラした異なるタイミングで切削するので、芯材(11)の左右両側に形成する溝部(12)の間隔Uが短い設定の場合でも、切削時の衝撃によって左右の溝部(12)間の芯材(11)が破損することを防止できる。また、ホルダー(6)の左右に切削ガイド溝(7)をギャップ(T)だけズラして設けたことで、左右の切削ガイド溝(7)間の間隔Wが狭くなった場合でも、ホルダー(6)の強度や耐久性等を向上させることができる。
【0058】
図1のA部分である切削機構部の他の構成例(図10図11)>
尚、上記実施の形態1の説明では、図2図5等に示すように回転体(3)の回転開始時は、芯材(11)および該芯材(11)を支持しながら送り出すホルダー(6)は、該回転体(3)が設けられた位置よりも高く、回転体(3)に設けられた切削刃(2)が切削しない所定の待機位置に待機しており、回転体(3)の回転数が切削刃(2)によって芯材(11)を切削するために最適な所定回転数に達した際に、ホルダー(6)内を通過中の芯材(11)に対し切削刃(2)が切削を開始するようにホルダー(6)が所定の待機位置から下降し、回転体(3)に設けられた切削刃(2)によって芯材(11)の左右両側に複数の溝部(12)を任意の間隔で連続して形成するように説明したが、本発明ではこれに限定されず、例えば、図10に示すように、回転体(3)の回転開始時は、芯材(11)および該芯材(11)を支持しながら送り出すホルダー(6)は、該回転体(3)が設けられた位置よりも低く、回転体(3)に設けられた切削刃(2)が切削しない所定の待機位置に待機しており、回転体(3)の回転数が切削刃(2)によって芯材(11)を切削するために最適な所定回転数に達した際に、ホルダー(6)内を通過中の芯材(11)に対し切削刃(2)が切削を開始するようにホルダー(6)が所定の待機位置からY2方向に上昇して回転体(3)に設けられた切削刃(2)によって芯材(11)の左右両側に複数の溝部(12)を任意の間隔で連続して形成するように構成しても良い。
【0059】
また、図11に示すように、回転体(3)の回転開始時は、芯材(11)および該芯材(11)を支持しながら送り出すホルダー(6)は、該回転体(3)が設けられた位置よりも左右両側に離間して、回転体(3)に設けられた切削刃(2)が切削しない所定の待機位置に待機しており、回転体(3)の回転数が切削刃(2)によって芯材(11)を切削するために最適な所定回転数に達した際に、ホルダー(6)内を通過中の芯材(11)に対し切削刃(2)が切削を開始するよう左右両側の所定の待機位置からホルダー(6)の方へ近付くようそれぞれS1、S2方向に移動し、回転体(3)に設けられた切削刃(2)によって芯材(11)の左右両側に複数の溝部(12)を任意の間隔で連続して形成するように構成しても勿論良い。
【0060】
尚、図10および図11では、ホルダー(6)が設置されるテーブル(31)や、テーブル(31)を移動させるボールネジ(34)等は図示を省略しているだけで、ホルダー(6)をY2方向やS1、S2方向に移動させるため図2と同様にテーブル(31)や、テーブル(31)を移動させるボールネジ(34)等は設けている。
【0061】
実施の形態2.
次に、本発明に係る実施の形態2の押出成形品の製造方法について、図面を参照して説明する。
【0062】
実施の形態2の押出成形品の製造方法では、上述した実施の形態1の押出成形品の製造方法を実施する製造装置に、さらに、切削刃(2)に水を噴射する水噴射ノズル(8)を追加したことを特徴とする。
【0063】
図12は、本発明に係る実施の形態2の押出成形品の製造方法においてホルダーに支持された芯材が切削刃によって切削されている状態等を示す斜視図、図13はその状態等を示す正面図である。尚、上述した実施の形態1の押出成形品の製造方法の製造装置の構成と同じ構成には、同一符号を付して説明を省略する。
【0064】
図12および図13に示すように、実施の形態2の押出成形品の製造方法では、切削刃(2)に水を噴射する水噴射ノズル(8)を左右両側の回転体(3)の上方に設置しており、左右両側の水噴射ノズル(8)はそれぞれ回転体(3)の回転軸(31)の方向を向く角度でセットされ、回転体(3)の外周面(32)に向けて、ポンプ(図示せず。)等から圧送された水を常時噴射する。
【0065】
回転体(3)の外周面(32)に切削刃(2)が設けられているので、水噴射ノズル(8)が回転体(3)の外周面(32)に向けて水を常時噴射することにより、切削刃(2)に水を確実に吹き付けることができ、切削時の摩擦等によって切削刃(2)の温度が高温になっても水噴射ノズル(8)から噴射された水によって冷却することができると共に、その水によって切削時の摩擦等も減少するので、芯材(11)を正確に切削して溝部(12)を連続して形成することができる。
【0066】
特に、実施の形態2の押出成形品の製造方法では、切削刃(2)に水を噴射する左右両側の水噴射ノズル(8)を左右両側の回転体(3)の上方で回転体(3)の回転軸(31)の方向を向く角度で高速で回転する回転体(3)の外周面(32)に向けて水を常時噴射するため、回転体(3)の円盤面(33)に吹き付けられた水は、遠心力で外周面(32)の方に移動して切削刃(2)まで移動したり、さらには円盤面(33)から切削箇所に直接、飛び散る等して、切削時の切削刃(2)を冷却すると共に、切削時の摩擦等を減少させるので、この点でも芯材(11)を正確に切削して溝部(12)を連続して形成することができる。
【0067】
尚、上記実施形態2の説明では、切削刃冷却部として切削刃(2)に対し水を噴射する水噴射ノズル(8)で説明したが、本発明では、これに限らず、例えば、水を貯めた容器等に回転する回転体(3)の切削刃(2)が浸かって冷却されるように構成しても勿論良いし、水の代わりに油等を使用しても勿論良い。
【符号の説明】
【0068】
1 押出成形品
2 切削刃
3 回転体
31 回転軸
32 外周面
33 円盤面
4 歯車
5 サーボモーター
6 ホルダー
61 芯材送出し孔
7 切削ガイド溝
8 水噴射ノズル(切削刃冷却部)
11 芯材
12 溝部
14 中空シール
15 被覆層
16 リップ
21 第1押し出し機
22 第1金型ダイス
23 第1冷却槽
24 第1引き取りローラー
25 第2押出し機
26 第2金型ダイス
27 第3押出し機
31 テーブル
32 ガイドレール
33 ストッパー
34 ボールネジ
35 ハンドル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出し成形機から押出成形された合成樹脂製の芯材(11)を支持しながら送り出すホルダー(6)を備え、該ホルダー(6)の左右両側には、それぞれ、芯材(11)の左右両側に溝部(12)を形成する切削刃(2)を通す切削ガイド溝(7)が形成されており、
ホルダー(6)の左右の切削ガイド溝(7)は、芯材(11)を送り出すX方向にギャップ(T)だけズラして形成されていると共に、切削刃(2)を冷却する切削刃冷却部が設けられ、
前記切削刃冷却部は、切削刃(2)に対し水を噴射する水噴射ノズル(8)であり、その水噴射ノズル(8)は、左右両側にそれぞれ設けられた回転体(3)の上方に設けられており、回転体(3)の外周面(32)に向けて水を常時噴射することによって切削刃(2)に水を噴射するもので、
回転体(3)の回転開始時は、芯材(11)および該芯材(11)を支持しながら送り出すホルダー(6)は、切削刃(2)が切削しない所定の待機位置に待機しており、
回転体(3)の回転数が切削刃(2)によって芯材(11)を切削するために最適な所定回転数に達した際に、ホルダー(6)内を通過中の芯材(11)に対し切削刃(2)が切削を開始するようにホルダー(6)または回転体(3)が移動し、
ホルダー(6)の左右の切削ガイド溝(7)それぞれを通る左右の回転体(3)の切削刃(2)が芯材(11)を送り出すX方向にギャップ(T)だけズレた位置で、かつ、前記切削刃冷却部によって冷却された切削刃(2)が芯材(11)の左右両側を切削することによって芯材(11)の左右両側に複数の溝部(12)を任意の間隔で連続して形成することを特徴とする押出成形品の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る押出成形品の製造方法は、押出し成形機から押出成形された合成樹脂製の芯材(11)を支持しながら送り出すホルダー(6)を備え、該ホルダー(6)の左右両側には、それぞれ、芯材(11)の左右両側に溝部(12)を形成する切削刃(2)を通す切削ガイド溝(7)が形成されており、ホルダー(6)の左右の切削ガイド溝(7)は、芯材(11)を送り出すX方向にギャップ(T)だけズラして形成されていると共に、切削刃(2)を冷却する切削刃冷却部が設けられ、前記切削刃冷却部は、切削刃(2)に対し水を噴射する水噴射ノズル(8)であり、その水噴射ノズル(8)は、左右両側にそれぞれ設けられた回転体(3)の上方に設けられており、回転体(3)の外周面(32)に向けて水を常時噴射することによって切削刃(2)に水を噴射するもので、回転体(3)の回転開始時は、芯材(11)および該芯材(11)を支持しながら送り出すホルダー(6)は、切削刃(2)が切削しない所定の待機位置に待機しており、回転体(3)の回転数が切削刃(2)によって芯材(11)を切削するために最適な所定回転数に達した際に、ホルダー(6)内を通過中の芯材(11)に対し切削刃(2)が切削を開始するようにホルダー(6)または回転体(3)が移動し、ホルダー(6)の左右の切削ガイド溝(7)それぞれを通る左右の回転体(3)の切削刃(2)が芯材(11)を送り出すX方向にギャップ(T)だけズレた位置で、かつ、前記切削刃冷却部によって冷却された切削刃(2)が芯材(11)の左右両側を切削することによって芯材(11)の左右両側に複数の溝部(12)を任意の間隔で連続して形成することを特徴とする。