(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120385
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】スペーサーおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/291 20210101AFI20240829BHJP
H01M 10/658 20140101ALI20240829BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240829BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20240829BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20240829BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M10/658
H01M50/204 401H
H01M50/242
H01M50/293
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027143
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115646
【弁理士】
【氏名又は名称】東口 倫昭
(74)【代理人】
【識別番号】100115657
【弁理士】
【氏名又は名称】進藤 素子
(74)【代理人】
【識別番号】100196759
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 雪
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 雄紀
(72)【発明者】
【氏名】小山 裕教
(72)【発明者】
【氏名】中村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】御崎 晶嗣
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031CC01
5H031EE03
5H031KK02
5H040AA14
5H040AA15
5H040AA29
5H040AS05
5H040AS07
5H040AS13
5H040AS14
5H040AS19
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT04
5H040AY06
5H040JJ03
5H040JJ06
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】フィルム接合部と不織布接合部とが互いに干渉しにくいスペーサーおよびその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】スペーサー1は、袋状のパウチフィルム2と、パウチフィルム2に収容され、袋状の不織布32と、不織布32に収容される断熱部材30と、を有する被収容部材3と、を備える。パウチフィルム2は、被収容部材3に沿層方向に対向する外側壁部26と、外側壁部26から沿層方向外側に突出するフィルム接合部Aと、を有する。不織布32は、外側壁部26に沿層方向に対向する内側壁部326と、内側壁部326から沿層方向外側に突出する不織布接合部Eと、を有する。フィルム接合部Aと不織布接合部Eとは、積層方向に互いにずれて配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルの積層体において、積層方向に隣り合う任意の一対の前記バッテリーセル間に介在し、
袋状のパウチフィルムと、
前記パウチフィルムに収容され、袋状の不織布と、前記不織布に収容される断熱部材と、を有する被収容部材と、
を備える平板状のスペーサーであって、
前記積層方向に対して交差する方向を沿層方向として、
前記パウチフィルムは、前記被収容部材に前記沿層方向に対向する外側壁部と、前記外側壁部から前記沿層方向外側に突出するフィルム接合部と、を有し、
前記不織布は、前記外側壁部に前記沿層方向に対向する内側壁部と、前記内側壁部から前記沿層方向外側に突出する不織布接合部と、を有し、
前記フィルム接合部と前記不織布接合部とは、前記積層方向に互いにずれて配置されることを特徴とするスペーサー。
【請求項2】
前記被収容部材は、前記不織布の前記積層方向外側に積層される弾性部材を有する請求項1に記載のスペーサー。
【請求項3】
前記スペーサーが前記バッテリーセルと積層される前の状態を初期状態として、
前記初期状態において、前記積層方向から見て、前記内側壁部の外縁は、前記弾性部材の外縁よりも外側、または前記弾性部材の外縁と同じ位置に、配置される請求項2に記載のスペーサー。
【請求項4】
前記フィルム接合部は、前記弾性部材に前記沿層方向に対向する請求項2に記載のスペーサー。
【請求項5】
前記フィルム接合部は、前記被収容部材のうち前記弾性部材以外の部材に、前記沿層方向に対向する請求項2に記載のスペーサー。
【請求項6】
前記フィルム接合部の突出端は、前記外側壁部の外面に沿って湾曲し、
前記不織布接合部の突出端は、前記内側壁部の外面に沿って湾曲する請求項1に記載のスペーサー。
【請求項7】
前記積層方向において、前記フィルム接合部の突出端と前記不織布接合部の突出端とは、互いに反対方向に湾曲する請求項6に記載のスペーサー。
【請求項8】
前記断熱部材は、粒状物質により形成される多孔質体である粒状多孔質材料の圧縮成形品である請求項1に記載のスペーサー。
【請求項9】
前記粒状多孔質材料は、シリカエアロゲルである請求項8に記載のスペーサー。
【請求項10】
前記パウチフィルムは、前記被収容部材に前記積層方向に対向する積層方向対向壁部を有し、
前記積層方向対向壁部の最大膜厚は、前記外側壁部の最大膜厚よりも、小さい請求項1に記載のスペーサー。
【請求項11】
前記パウチフィルムは、第一機能部と、材料および構造のうち少なくとも一方が前記第一機能部と異なる第二機能部と、を有する請求項1に記載のスペーサー。
【請求項12】
請求項10に記載のスペーサーを治具を用いて製造する、スペーサーの製造方法であって、
前記治具は、前記積層方向対向壁部の外面を固定する平面状の積層方向対向壁部固定部を有する型面を備え、
前記パウチフィルムは、熱収縮材料製であり、
前記被収容部材を前記パウチフィルムに収容する収容工程と、
前記積層方向対向壁部の外面を、前記積層方向外側から、前記積層方向対向壁部固定部で固定する固定工程と、
前記外側壁部を加熱することにより、前記外側壁部を収縮させ膜厚を大きくする熱収縮工程と、
を有するスペーサーの製造方法。
【請求項13】
前記パウチフィルムは、前記積層方向対向壁部と前記外側壁部との間に配置される角部を有し、
前記型面は、前記外側壁部の外面のうち前記角部に連なる一部を固定する外側壁部固定部と、前記積層方向対向壁部固定部と前記外側壁部固定部との間に配置される角部固定部と、を有し、
前記固定工程において、前記角部の外面を、前記角部固定部で固定する請求項12に記載のスペーサーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリーモジュールの積層体に配置されるスペーサーおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の電池の隣り合うセル間には、断熱材が介装されている。断熱材は、断熱部と、緩衝部と、発塵防止材と、を備えている。発塵防止材は、複合体(断熱部、緩衝部)を収容する、袋状の繊維成形体である。発塵防止材は、断熱部からの発塵を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1には開示、示唆されていないが、仮に、袋状の発塵防止材が、外側に突出するフランジ状の接合部(継ぎ目)を有している場合を想定する。並びに、断熱材が袋状のフィルムに収容されており、かつ上述の発塵防止材と同様に、当該フィルムも外側に突出するフランジ状の接合部(継ぎ目)を有している場合を想定する。
【0005】
この場合、内外方向に、発塵防止材の接合部と、フィルムの接合部と、が並ぶおそれがある。このため、発塵防止材の接合部と、フィルムの接合部と、が互いに干渉するおそれがある。そこで、本開示は、フィルム接合部と不織布接合部とが互いに干渉しにくいスペーサーおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するため、本開示のスペーサーは、複数のバッテリーセルの積層体において、積層方向に隣り合う任意の一対の前記バッテリーセル間に介在し、袋状のパウチフィルムと、前記パウチフィルムに収容され、袋状の不織布と、前記不織布に収容される断熱部材と、を有する被収容部材と、を備える平板状のスペーサーであって、前記積層方向に対して交差する方向を沿層方向として、前記パウチフィルムは、前記被収容部材に前記沿層方向に対向する外側壁部と、前記外側壁部から前記沿層方向外側に突出するフィルム接合部と、を有し、前記不織布は、前記外側壁部に前記沿層方向に対向する内側壁部と、前記内側壁部から前記沿層方向外側に突出する不織布接合部と、を有し、前記フィルム接合部と前記不織布接合部とは、前記積層方向に互いにずれて配置されることを特徴とする。
【0007】
スペーサーは断熱部材を備えている。このため、スペーサーを介して隣り合う一対のバッテリーセル間の伝熱を抑制することができる。また、断熱部材は、内側から外側に向かって、袋状の不織布と、袋状のパウチフィルムと、に二重に収容されている。このため、断熱部材の粉がスペーサーの外部に漏出するのを、抑制することができる。また、フィルム接合部と不織布接合部とは、積層方向に互いにずれて配置されている。このため、フィルム接合部と不織布接合部とが互いに干渉するのを抑制することができる。
【0008】
(1-1)上記(1)の構成において、前記積層方向から見て、前記フィルム接合部と前記不織布接合部とは、重複している構成とする方がよい。本構成によると、スペーサーを沿層方向に小型化することができる。
【0009】
(2)上記いずれかの構成において、前記被収容部材は、前記不織布の前記積層方向外側に積層される弾性部材を有する構成とする方がよい。本構成によると、弾性部材の弾性力により、スペーサーとバッテリーセルとの密着性を向上させることができる。また、充放電に伴うバッテリーセルの変形(膨張、収縮など)を弾性的に吸収することができる。
【0010】
(3)上記(2)の構成において、前記スペーサーが前記バッテリーセルと積層される前の状態を初期状態として、前記初期状態において、前記積層方向から見て、前記内側壁部の外縁は、前記弾性部材の外縁よりも外側、または前記弾性部材の外縁と同じ位置に、配置される構成とする方がよい。
【0011】
初期状態において、不織布接合部は、内側壁部から沿層方向外側に突出している。また、積層方向から見て、内側壁部の外縁は、弾性部材の外縁よりも外側、または弾性部材の外縁と同じ位置に、配置されている。このため、本構成によると、初期状態において、パウチフィルムを、不織布接合部および内側壁部のうち少なくとも一方により、沿層方向内側から支持することができる。したがって、例えば、バッテリーモジュールの筐体(積層体収容部材)に積層体を取り付ける際、バッテリーモジュール駆動時にバッテリーセルが変形する際、筐体から積層体を取り外す際などに、弾性部材がパウチフィルムにより拘束されるのを、抑制することができる。
【0012】
(4)上記いずれかの構成において、前記フィルム接合部は、前記弾性部材に前記沿層方向に対向する構成とする方がよい。本構成によると、フィルム接合部と不織布接合部とを積層方向に離間して配置することができる。
【0013】
(5)上記いずれかの構成において、前記フィルム接合部は、前記被収容部材のうち前記弾性部材以外の部材に、前記沿層方向に対向する構成とする方がよい。本構成によると、弾性部材が変形する際、弾性部材がフィルム接合部に干渉するのを、抑制することができる。
【0014】
(6)上記いずれかの構成において、前記フィルム接合部の突出端は、前記外側壁部の外面に沿って湾曲し、前記不織布接合部の突出端は、前記内側壁部の外面に沿って湾曲する構成とする方がよい。本構成によると、外側壁部からのフィルム接合部の突出量を小さくすることができる。また、バッテリーモジュールの筐体に対するフィルム接合部の接触面積を大きくすることができる。また、湾曲変形に起因する弾性力により、筐体に対してフィルム接合部を弾接させることができる。
【0015】
また、本構成によると、内側壁部からの不織布接合部の突出量を小さくすることができる。また、パウチフィルムに対する不織布接合部の接触面積を大きくすることができる。また、湾曲変形に起因する弾性力により、パウチフィルムに対して不織布接合部を弾接させることができる。
【0016】
(7)上記(6)の構成において、前記積層方向において、前記フィルム接合部の突出端と前記不織布接合部の突出端とは、互いに反対方向に湾曲する構成とする方がよい。本構成によると、フィルム接合部の突出端と不織布接合部の突出端との干渉を抑制することができる。
【0017】
(8)上記いずれかの構成において、前記断熱部材は、粒状物質により形成される多孔質体である粒状多孔質材料の圧縮成形品である構成とする方がよい。空気は、熱伝導率が小さく、断熱性が高い。粒状多孔質材料の圧縮成形品は、内部に多数の孔を有しており、当該孔内には空気が滞留している。このため、本構成によると、断熱部材の断熱性を高くすることができる。
【0018】
(9)上記(8)の構成において、前記粒状多孔質材料は、シリカエアロゲルである構成とする方がよい。シリカエアロゲルは、他の多孔質材料と比較して気孔率が高い。このため、本構成によると、断熱部材の断熱性を高くすることができる。
【0019】
(10)上記いずれかの構成において、前記パウチフィルムは、前記被収容部材に前記積層方向に対向する積層方向対向壁部を有し、前記積層方向対向壁部の最大膜厚は、前記外側壁部の最大膜厚よりも、小さい構成とする方がよい。本構成によると、外側壁部の最大膜厚に対して、積層方向対向壁部の最大膜厚を小さくすることができる。このため、スペーサーを積層方向に小型化することができる。
【0020】
(11)上記いずれかの構成において、前記パウチフィルムは、第一機能部と、材料および構造のうち少なくとも一方が前記第一機能部と異なる第二機能部と、を有する構成とする方がよい。本構成によると、第一機能部と第二機能部との間に、意図的に機能差を設定することができる。
【0021】
(12)本開示のスペーサーの製造方法は、上記(10)の構成のスペーサーを治具を用いて製造する、スペーサーの製造方法であって、前記治具は、前記積層方向対向壁部の外面を固定する平面状の積層方向対向壁部固定部を有する型面を備え、前記パウチフィルムは、熱収縮材料製であり、前記被収容部材を前記パウチフィルムに収容する収容工程と、前記積層方向対向壁部の外面を、前記積層方向外側から、前記積層方向対向壁部固定部で固定する固定工程と、前記外側壁部を加熱することにより、前記外側壁部を収縮させ膜厚を大きくする熱収縮工程と、を有することを特徴とする。
【0022】
本開示のスペーサーの製造方法は、熱収縮工程を備えている。このため、外側壁部を熱収縮させることにより、簡単に、外側壁部の膜厚を大きくすることができる。本開示のスペーサーの製造方法は、固定工程を備えている。固定工程は、熱収縮工程の前に実行される。固定工程において、積層方向対向壁部の外面は積層方向対向壁部固定部により固定されている。このため、熱収縮工程において、積層方向対向壁部の熱収縮を抑制することができる。したがって、積層方向対向壁部の膜厚が大きくなるのを、抑制することができる。よって、外側壁部の最大膜厚に対して、積層方向対向壁部の最大膜厚を、小さくすることができる。また、積層方向対向壁部固定部は平面状を呈している。このため、積層方向対向壁部の外面を平面状にすることができる。
【0023】
(13)上記(12)の構成において、前記パウチフィルムは、前記積層方向対向壁部と前記外側壁部との間に配置される角部を有し、前記型面は、前記外側壁部の外面のうち前記角部に連なる一部を固定する外側壁部固定部と、前記積層方向対向壁部固定部と前記外側壁部固定部との間に配置される角部固定部と、を有し、前記固定工程において、前記角部の外面を、前記角部固定部で固定する構成とする方がよい。
【0024】
固定工程において、角部の外面は角部固定部で固定されている。このため、熱収縮工程において、角部の熱収縮つまり膜厚増加を抑制することができる。したがって、角部の熱収縮に伴う被収容部材の変形(反りなど)を、抑制することができる。
【発明の効果】
【0025】
本開示のスペーサーおよびその製造方法によると、フィルム接合部と不織布接合部との干渉を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、第一実施形態のスペーサーを備えるバッテリーモジュールの分解斜視図である。
【
図2】
図2は、同スペーサーの初期状態における前後方向断面図である。
【
図6】
図6は、同スペーサーの製造方法の断熱部材収容工程における、第一加工前不織布と、断熱部材と、第二加工前不織布と、の分解斜視図である。
【
図7】
図7は、同スペーサーの製造方法の収容工程における、第一加工前フィルムと、不織布と、弾性部材と、第二加工前フィルムと、の分解斜視図である。
【
図8】
図8は、同製造方法の熱収縮工程後における、同スペーサーの前後方向断面図である。
【
図9】
図9は、同スペーサーの待機状態における前後方向部分断面図である。
【
図10】
図10は、第二実施形態のスペーサーの初期状態における前後方向部分断面図である。
【
図11】
図11は、第三実施形態のスペーサーの初期状態における前後方向部分断面図である。
【
図12】
図12は、第四実施形態のスペーサーの初期状態における前後方向断面図である。
【
図13】
図13は、第五実施形態のスペーサーの製造方法の熱収縮工程後における、同スペーサーの前後方向断面図である。
【
図14】
図14は、第六実施形態のスペーサーの初期状態における前後方向部分断面図である。
【
図15】
図15は、その他の実施形態(その1)のスペーサーの初期状態における前後方向断面図である。
【
図16】
図16は、その他の実施形態(その2)のスペーサーの初期状態における前後方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本開示のスペーサーおよびその製造方法の実施の形態について説明する。
【0028】
<第一実施形態>
以下、スペーサーがバッテリーセルと積層される前の状態を「初期状態」と、スペーサーが筐体に取り付けられた後であってバッテリーモジュール駆動前の状態を「待機状態」と、バッテリーモジュール駆動中の状態を「駆動状態」と、各々称す。
図1に、本実施形態のスペーサーを備えるバッテリーモジュールの分解斜視図を示す。
図2に、同スペーサーの初期状態における前後方向断面図を示す。
図3に、
図2のIII-III方向断面図を示す。
図4に、
図3の枠IV内の拡大図を示す。
図5に、
図2の枠V内の拡大図を示す。なお、
図2においては、被収容部材3の前後方向厚みを強調して示す。また、
図3においては、図示された断面(第一フィルム20の断面を省略する)よりも後側(奥側)のフィルム接合部A、弾性部材31を点線で示す。
【0029】
[スペーサーの配置、構成]
まず、本実施形態のスペーサーの配置、構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態のスペーサー1は、車載用のバッテリーモジュール9に組み込まれている。バッテリーモジュール9は、筐体90と積層体91とを備えている。
【0030】
筐体90は、樹脂製であって、上向きに開口する有底箱状を呈している。筐体90は、前後方向(積層体91の積層方向)に延在している。積層体91は、複数のバッテリーセル(二次電池)92と、複数のスペーサー1と、を備えている。バッテリーセル92とスペーサー1とは前後方向に交互に積層されている。
【0031】
バッテリーセル92は、沿層方向(積層方向に対して交差(直交)する方向。上下左右方向)に延在する扁平の直方体状を呈している。すなわち、バッテリーセル92は角型セルである。バッテリーセル92は、二つの端子920を備えている。前後方向に隣り合うバッテリーセル92の端子920同士は、バスバー(図略)により、電気的に接続されている。
【0032】
図1に示すように、スペーサー1は、積層体91において、前後方向に隣り合う任意の一対のバッテリーセル92間に介装されている。スペーサー1は、沿層方向に延在(展開)する平板状を呈している。
【0033】
図2、
図5に示すように、スペーサー1は、パウチフィルム2と、被収容部材3と、を備えている。被収容部材3は、パウチフィルム2の内部に収容されている。被収容部材3は、断熱部材30と、弾性部材31と、不織布32と、を備えている。
【0034】
不織布32は、第一不織布320と、第二不織布321と、を備えている。第一不織布320、第二不織布321は、各々、沿層方向に延在する有底箱状を呈している。第一不織布320の凹部320bは、後側(第二不織布321側)に開口している。第二不織布321の凹部321bは、前側(第一不織布320側)に開口している。不織布32は、前側の第一不織布320と、後側の第二不織布321と、が合体して形成されている。不織布32は袋状(箱状)を呈している。第一不織布320と第二不織布321との継ぎ目には、不織布接合部Eが配置されている。不織布接合部Eにおいては、第一不織布320と第二不織布321とが互いに溶着されている。不織布接合部Eは、フランジ状を呈している。
【0035】
不織布32は、内側壁部326を備えている。内側壁部326は、沿層方向に延在する長方形枠状を呈している。上述の不織布接合部Eは、内側壁部326から沿層方向外側に突出している。不織布接合部Eは、内側壁部326の枠延在方向に沿って、長方形環状に延在している。
【0036】
断熱部材30は、沿層方向に延在する長方形板状を呈している。断熱部材30は、シリカエアロゲルの圧縮成形品である。断熱部材30は、不織布32の内部(凹部320b、321b同士の合体空間)に収容されている。
【0037】
弾性部材31は、不織布32の後側(積層方向一方)に積層されている。弾性部材31は、発泡ゴム製であって、沿層方向に延在する長方形板状を呈している。
図3に示すように、初期状態において、前後方向から見て、内側壁部326の外縁は、弾性部材31の外縁よりも、沿層方向外側に配置されている。
【0038】
図2、
図5に示すように、パウチフィルム2は、第一フィルム20と、第二フィルム21と、を備えている。第一フィルム20、第二フィルム21は、各々、熱収縮材料(熱可塑性樹脂を含む材料)製であって、透明な膜状を呈している。すなわち、第一フィルム20、第二フィルム21はシュリンクフィルムである。パウチフィルム2は、前側の第一フィルム20と、後側の第二フィルム21と、が合体して形成されている。パウチフィルム2は袋状を呈している。第一フィルム20と第二フィルム21との継ぎ目には、フィルム接合部Aが配置されている。フィルム接合部Aにおいては、第一フィルム20と第二フィルム21とが互いに溶着されている。フィルム接合部Aは、フランジ状を呈している。
【0039】
パウチフィルム2は、積層方向対向壁部22と、空気孔24と、外側壁部26と、角部(エッジ部)27a、27bと、を備えている。積層方向対向壁部22は、弾性部材対向壁部221と、不織布対向壁部222と、を備えている。不織布対向壁部222は被収容部材3の前側に、弾性部材対向壁部221は被収容部材3の後側に、分かれて配置されている。不織布対向壁部222は、沿層方向に延在する長方形膜状を呈している。不織布対向壁部222は、不織布32の前側(積層方向他方)に配置されている。不織布対向壁部222は、不織布32に、前後方向に対向している。
図2に示す初期状態において、不織布対向壁部222は、不織布32に、全面的に密着している。
【0040】
弾性部材対向壁部221は、沿層方向に延在する長方形膜状を呈している。弾性部材対向壁部221は、弾性部材31の後側に配置されている。弾性部材対向壁部221は、弾性部材31に前後方向に対向している。
図2に示す初期状態において、弾性部材対向壁部221は、弾性部材31に、全面的に密着している。
【0041】
外側壁部26は、不織布対向壁部222と弾性部材対向壁部221との間に配置されている。外側壁部26は、角部27aを介して、不織布対向壁部222に、鈍角に屈折して連なっている。並びに、外側壁部26は、角部27bを介して、弾性部材対向壁部221に、鈍角に屈折して連なっている。
【0042】
外側壁部26は、不織布対向区間260と、弾性部材対向区間261と、を備えている。不織布対向区間260と弾性部材対向区間261とは前後方向に連なっている。不織布対向区間260は、沿層方向に延在する長方形枠状を呈している。不織布対向区間260は、不織布32の内側壁部326の沿層方向外側に配置されている。不織布対向区間260は、内側壁部326に沿層方向に対向している。
【0043】
図5に示すように、初期状態において、不織布接合部Eは、沿層方向内側から、内側壁部326および断熱部材30により支持されている。また、不織布対向区間260は、沿層方向内側から、不織布接合部Eにより支持されている。断熱部材30は、弾性部材31と比較して、弾性変形しにくいため、不織布接合部Eは沿層方向内側に沈み込みにくい。また、不織布接合部Eは、後述する断熱部材収容工程において溶断により形成されるため、硬質である。このため、パウチフィルム2は、不織布接合部Eを沿層方向外端として、不織布32の前面(表面)に向かって、前向きに先細っている。並びに、パウチフィルム2は、不織布接合部Eを沿層方向外端として、弾性部材31の後面(表面)に向かって、後向きに先細っている。
【0044】
弾性部材対向区間261は、沿層方向に延在する長方形枠状を呈している。弾性部材対向区間261は、弾性部材31の沿層方向外側に配置されている。弾性部材対向区間261は、弾性部材31に沿層方向に対向している。前述のフィルム接合部Aは、弾性部材対向区間261から沿層方向外側に突出している。フィルム接合部Aは、弾性部材対向区間261の枠延在方向に沿って、長方形環状に延在している。
【0045】
図2、
図5に示すように、第一フィルム20は、厚肉部20bと、厚肉部20bよりも膜厚が小さい薄肉部20cと、を備えている。同様に、第二フィルム21は、厚肉部21bと、厚肉部21bよりも膜厚が小さい薄肉部21cと、を備えている。薄肉部20c、21cは、本開示の「第一機能部」の概念に含まれる。厚肉部20b、21bは、本開示の「第二機能部」の概念に含まれる。
【0046】
図2に示すように、薄肉部20cは、不織布対向壁部222および不織布対向区間260の前端部に対応している。薄肉部21cは、弾性部材対向壁部221および弾性部材対向区間261の後端部に対応している。すなわち、薄肉部20c、21cは、積層方向対向壁部22および外側壁部26の前後両端部に対応している。
【0047】
図2に示すように、厚肉部20bは、不織布対向区間260(前端部を除く)および弾性部材対向区間261の前側部分に対応している。厚肉部21bは、弾性部材対向区間261(後端部を除く)に対応している。すなわち、厚肉部20b、21bは、外側壁部26(前後両端部を除く)に対応している。
【0048】
図2、
図5に示すように、フィルム接合部Aと不織布接合部Eとは、前後方向に互いにずれて配置されている。フィルム接合部Aは、不織布接合部Eの後側に配置されている。
図3、
図4に示すように、初期状態において、前側(積層方向)から見て、フィルム接合部(
図4の右上-左下方向の点線ハッチング部分)Aと不織布接合部(
図4の左上-右下方向の実線ハッチング部分)Eとの間には、重複部(
図4のクロスハッチング部分)Fが設定されている。
【0049】
図5に示すように、初期状態において、弾性部材対向区間261と弾性部材31との間には、隙間Cが確保されている。空気孔24は、弾性部材対向区間261の第一フィルム20に穿設されている。空気孔24は、隙間Cに開口している。空気孔24は、パウチフィルム2の内部(隙間C)と外部とを連通している。
【0050】
[スペーサーの製造方法]
次に、本実施形態のスペーサーの製造方法について説明する。スペーサー1の製造方法は、断熱部材収容工程と、空気孔形成工程と、収容工程と、固定工程と、熱収縮工程と、を有している。
図6に、本実施形態のスペーサーの製造方法の断熱部材収容工程における、第一加工前不織布と、断熱部材と、第二加工前不織布と、の分解斜視図を示す。
図7に、同スペーサーの製造方法の収容工程における、第一加工前フィルムと、不織布と、弾性部材と、第二加工前フィルムと、の分解斜視図を示す。
図8に、同製造方法の熱収縮工程後における、同スペーサーの前後方向断面図を示す。なお、
図7においては、不織布接合部Eの沿層方向幅を強調して示す。また、
図8においては、被収容部材3の前後方向厚みを強調して示す。
【0051】
図6に示すように、断熱部材収容工程においては、まず、第一加工前不織布320Aと、第二加工前不織布321Aとの間に、断熱部材30を配置する。なお、第一加工前不織布320Aの後面、第二加工前不織布321Aの前面には、予め
図2に示す凹部320b、321bが賦形されている。次に、凹部320b、321b同士が合体するように、第一加工前不織布320Aと第二加工前不織布321Aとを重ね合わせ、第一加工前不織布320Aおよび第二加工前不織布321Aを、周縁部320a、321aの外縁の位置で溶断する。溶断により、周縁部320aと周縁部321aとは溶着する。溶着により、
図2~
図5に示す不織布接合部Eが形成される。また、袋状の不織布32が形成される。断熱部材30は、不織布32の内部(凹部320b、321b同士の合体空間)に封入される。
【0052】
図7に示すように、空気孔形成工程においては、第一加工前フィルム20Aに、熱針加工により、空気孔24を穿設する。収容工程においては、第一加工前フィルム20Aと、第二加工前フィルム21Aとの間に、被収容部材3(断熱部材30入りの不織布32および弾性部材31)を配置する。そして、第一加工前フィルム20Aと第二加工前フィルム21Aとを重ね合わせ、第一加工前フィルム20Aおよび第二加工前フィルム21Aを、周縁部20a、21aの外縁の位置で溶断する。溶断により、周縁部20aと周縁部21aとは溶着する。溶着により、
図2~
図5に示すフィルム接合部Aが形成される。また、袋状のパウチフィルム2が形成される。被収容部材3は、パウチフィルム2の内部に封入される。
【0053】
図8に示すように、固定工程においては、まず、治具8に、被収容部材3入りのパウチフィルム2をセットする。次に、治具8を冷却する。治具8は第一型80と第二型81とを備えている。なお、
図8においては、他の図面との方位の整合上、第一型80と第二型81とは前後方向に対向しているが、実際には上下方向に対向している。
【0054】
第一型80は、型面800を備えている。型面800は、積層方向対向壁部固定部800aと、外側壁部固定部800bと、角部固定部800cと、を備えている。積層方向対向壁部固定部800aは、沿層方向に延在する平面状を呈している。積層方向対向壁部固定部800aは、パウチフィルム2の不織布対向壁部222の外面に当接している。すなわち、積層方向対向壁部固定部800aは、パウチフィルム2の不織布対向壁部222の外面を固定している。外側壁部固定部800bは、積層方向対向壁部固定部800aに、角部固定部800cを介して、鈍角に屈折して連なっている。外側壁部固定部800bは、不織布対向区間260の外面のうち、角部27aに連なる一部に当接している。すなわち、外側壁部固定部800bは、不織布対向区間260の外面のうち、角部27aに連なる一部を固定している。角部固定部800cは、積層方向対向壁部固定部800aと外側壁部固定部800bとの間に介在している。角部固定部800cは、角部27aの外面に当接している。すなわち、角部固定部800cは、角部27aの外面を固定している。
【0055】
第二型81は、第一型80と構成が同様である。第二型81は、第一型80と配置が前後対称である。すなわち、第二型81の型面810は、積層方向対向壁部固定部810aと、外側壁部固定部810bと、角部固定部810cと、を備えている。積層方向対向壁部固定部810aは、パウチフィルム2の弾性部材対向壁部221の外面を固定している。外側壁部固定部810bは、弾性部材対向区間261の外面のうち、角部27bに連なる一部を固定している。角部固定部810cは、角部27bの外面を固定している。
【0056】
以下、治具8に固定されている上述の部位(不織布対向壁部222の外面、不織布対向区間260の外面のうち角部27aに連なる一部、角部27aの外面、弾性部材対向壁部221の外面、弾性部材対向区間261の外面のうち角部27bに連なる一部、角部27bの外面)を、適宜、被固定部位と称す。
【0057】
図8に示すように、熱収縮工程においては、まず、前工程である固定工程において冷却済みの治具8を、常温の熱処理装置(図略)に搬入する。次に、治具8に対して、沿層方向外側から熱風を吹き付ける。すなわち、治具8を部分加熱する。加熱によりパウチフィルム2は熱収縮する。この際、空気孔24を介して、パウチフィルム2の内部から外部に、空気が流出する。このため、パウチフィルム2は、不織布接合部Eに支持された状態で、被収容部材3に密着する。
【0058】
ここで、前工程である固定工程において、パウチフィルム2のうち上述の被固定部位は、治具8により冷却されている。このため、本工程において、被固定部位は、熱収縮しにくい。したがって、被固定部位の膜厚は大きくなりにくい。これに対して、パウチフィルム2のうち上述の被固定部位以外の部位(自由部位)は、治具8により固定されていない。このため、加熱され熱収縮しやすい。したがって、自由部位の膜厚は大きくなりやすい。このように、被固定部位と自由部位との熱収縮差を利用して、第一フィルム20に、厚肉部20bと薄肉部20cとが形成される。並びに、第二フィルム21に、厚肉部21bと薄肉部21cとが形成される。このようにして、本実施形態のスペーサー1は製造される。
【0059】
[バッテリーモジュール9の組立方法]
次に、バッテリーモジュール9の組立方法について説明する。
図9に、本実施形態のスペーサーの待機状態における前後方向部分断面図を示す。なお、
図9に示す部分は、
図2、
図5の枠Vに対応している。
【0060】
まず、
図1に示すように、バッテリーセル92とスペーサー1とを前後方向に交互に積層することにより、筐体90の外部において、積層体91を作成する。次に、積層体91を、筐体90に挿入する。この際、スペーサー1は、
図5に示す初期状態から、
図9に示す待機状態に切り替わる。
図5に示すように、初期状態において、弾性部材対向区間261と弾性部材31との間には、隙間Cが確保されている。
図1に示すように積層体91を筐体90に挿入すると、
図9に矢印Y1で示すように弾性部材31が前後方向に圧縮される。このため、
図9に矢印Y2で示すように、弾性部材31は、隙間Cを消費しながら、沿層方向に伸張する。ここで、弾性部材31の沿層方向外側には、空気孔24が開設されている。空気孔24は、隙間Cに連通している。このため、空気孔24を介して、パウチフィルム2の内部(隙間C)から外部に、空気を逃がすことができる。
【0061】
図1に示す待機状態において、弾性部材31には、弾性エネルギーが蓄積されている。当該弾性エネルギーにより、バッテリーセル92とスペーサー1とは密着している。また、スペーサー1のパウチフィルム2と弾性部材31と不織布32と断熱部材30とは、互いに密着している。
【0062】
なお、駆動状態においては、充放電に伴いバッテリーセル92が変形(膨張、収縮)する。当該変形に応じて、弾性部材31も変形する。この際も、
図9に示すように、弾性部材31の変形に応じて、空気孔24を介して、パウチフィルム2の内部から外部に、あるいは外部から内部に、空気を流動させることができる。
【0063】
[作用効果]
次に、本実施形態のスペーサーおよびその製造方法の作用効果について説明する。スペーサー1は断熱部材30を備えている。このため、スペーサー1を介して隣り合う一対のバッテリーセル92間の伝熱を抑制することができる。また、
図2に示すように、断熱部材30は、内側から外側に向かって、袋状の不織布32と、袋状のパウチフィルム2と、に二重に収容されている。このため、断熱部材30の粉(塊状の圧縮成形品である断熱部材30の少なくとも一部が崩れて発生する粉)がスペーサー1の外部に漏出するのを、抑制することができる。また、フィルム接合部Aと不織布接合部Eとは、沿層方向から見て前後方向に互いにずれて配置されている。このため、フィルム接合部Aと不織布接合部Eとが互いに干渉するのを抑制することができる。
【0064】
図3、
図4に示すように、前側から見て、フィルム接合部Aと不織布接合部Eとの間には、重複部Fが設定されている。このため、重複部Fが設定されていない場合と比較して、言い換えると、フィルム接合部Aと不織布接合部Eとが沿層方向に連なっている場合と比較して、スペーサー1を沿層方向に小型化することができる。
【0065】
図2に示すように、被収容部材3は弾性部材31を備えている。このため、弾性部材31の弾性力により、スペーサー1とバッテリーセル92との密着性を向上させることができる。また、充放電に伴うバッテリーセル92の変形(膨張、収縮など)を弾性的に吸収することができる。
【0066】
図3、
図4に示すように、初期状態において、前側から見て、内側壁部326の外縁は、弾性部材31の外縁よりも外側に配置されている。このため、
図2、
図5に示すように、初期状態において、パウチフィルム2を、不織布接合部Eにより、沿層方向内側から支持することができる。すなわち、不織布接合部Eは、パウチフィルム2を沿層方向内側から支持するフィルム支持部としての機能を有している。したがって、例えば、バッテリーモジュール9の筐体(積層体収容部材)90に積層体91を取り付ける際、バッテリーモジュール9駆動時にバッテリーセル92が変形する際、筐体90から積層体91を取り外す際などに、弾性部材31がパウチフィルム2により拘束されるのを、抑制することができる。
【0067】
図5に示すように、フィルム接合部Aは、弾性部材31に沿層方向に対向している。このため、フィルム接合部Aと不織布接合部Eとを前後方向に離間して配置することができる。
【0068】
断熱部材30は、シリカエアロゲルの圧縮成形品である。シリカエアロゲルは、他の多孔質材料と比較して気孔率が高い。このため、断熱部材30の断熱性を高くすることができる。また、シリカエアロゲルは化学的安定性に優れているため、断熱部材30が変質しにくい。
【0069】
図5に示すように、積層方向対向壁部22の最大膜厚(積層方向対向壁部22のうち、最も膜厚が大きい部分の膜厚)T2は、外側壁部26の最大膜厚(外側壁部26のうち、最も膜厚が大きい部分の膜厚)T1よりも、小さい。このため、スペーサー1を前後方向に小型化することができる。また、空気孔24を有する外側壁部26の強度を高くすることができる。
【0070】
図8に示すように、本実施形態のスペーサー1の製造方法は、熱収縮工程を備えている。このため、外側壁部26を熱収縮させることにより、簡単に、外側壁部26の最大膜厚T1を大きくすることができる。また、本実施形態のスペーサー1の製造方法は、固定工程を備えている。固定工程は、熱収縮工程の前に実行される。固定工程において、積層方向対向壁部22の外面は積層方向対向壁部固定部800a、810aにより固定されている。このため、熱収縮工程において、積層方向対向壁部22の熱収縮を抑制することができる。したがって、積層方向対向壁部22の最大膜厚T2が大きくなるのを、抑制することができる。よって、外側壁部26の最大膜厚T1に対して、積層方向対向壁部22の最大膜厚T2を、小さくすることができる。また、積層方向対向壁部固定部800a、810aは平面状を呈している。このため、積層方向対向壁部22の外面を平面状にすることができる。したがって、待機状態、駆動状態において、積層方向対向壁部22の外面を、バッテリーセル92に密着させることができる。
【0071】
図8に示すように、固定工程において、角部27a、27bの外面は角部固定部800c、810cにより固定されている。このため、熱収縮工程において、角部27a、27bの熱収縮つまり膜厚増加を抑制することができる。したがって、角部27a、27bの熱収縮に伴う被収容部材3の変形(反りなど)を、抑制することができる。
【0072】
図5に示すように、パウチフィルム2は、空気孔24を有している。空気孔24を介して、パウチフィルム2の内部(袋内部)から外部(袋外部)に、空気を逃がすことができる。このため、パウチフィルム2の内部に空気が残留するのを、抑制することができる。また、パウチフィルム2の内面と被収容部材3との密着性を向上させることができる。また、気泡に起因する凹凸がパウチフィルム2の外面に発現しにくいため、パウチフィルム2とバッテリーセル92との密着性を向上させることができる。また、被収容部材3とパウチフィルム2とバッテリーセル92とを密着させやすいため、被収容部材3の有する機能(断熱部材30の断熱性、弾性部材31の弾性)を効果的に発揮することができる。また、スペーサー1を小型化することができる。
【0073】
図5、
図9に示すように、弾性部材31は、初期状態から待機状態に移行する際、駆動状態においてバッテリーセル92が変形する際、待機状態から初期状態に移行する際などに、弾性的に変形する。パウチフィルム2は空気孔24を有している。このため、弾性部材31の変形時に、空気孔24を介して、パウチフィルム2の内部と外部との間で、空気を流動させることができる。したがって、弾性部材31の変形がパウチフィルム2に拘束されるのを抑制することができる。
【0074】
図2、
図5に示すように、初期状態において、被収容部材3の前後方向両面は、パウチフィルム2に当接している。すなわち、被収容部材3とパウチフィルム2との間には隙間がない。したがって、スペーサー1を小型化することができる。よって、筐体90延いてはバッテリーモジュール9を小型化することができる。
【0075】
図5に示すように、初期状態において、フランジ状のフィルム接合部Aは、空気孔24に対して、沿層方向外側に張り出している。
図9に示すように、待機状態においては、フィルム接合部Aが筐体90の内面に当接している。このため、筐体90の内面と空気孔24との間に、隙間C1を確保することができる。すなわち、筐体90により空気孔24が閉塞されるのを、抑制することができる。
【0076】
第一フィルム20、第二フィルム21は、熱収縮材料製である。このため、熱収縮性を利用して、パウチフィルム2と被収容部材3との間の隙間を小さくすることができる。また、スペーサー1がかさばるのを、抑制することができる。また、被収容部材3の位置決めが容易である。また、パウチフィルム2が収縮する際、空気孔24を介して、パウチフィルム2の内部から外部に、空気を逃がすことができる。また、第一フィルム20、第二フィルム21は、透明である。このため、パウチフィルム2の外部から、被収容部材3を視認することができる。
【0077】
<第二実施形態>
本実施形態のスペーサーおよびその製造方法と、第一実施形態のスペーサーおよびその製造方法との相違点は、フィルム接合部が、弾性部材対向区間ではなく、不織布対向区間に配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
【0078】
図10に、本実施形態のスペーサーの初期状態における前後方向部分断面図を示す。なお、
図10に示す部分は、
図2、
図5の枠Vに対応している。
図5と対応する部位については、同じ符号で示す。フィルム接合部Aは、不織布対向区間260に配置されている。
【0079】
本実施形態のスペーサーおよびその製造方法と、第一実施形態のスペーサーおよびその製造方法とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。フィルム接合部Aは、不織布32(被収容部材3のうち弾性部材31以外の部材)に、沿層方向に対向している。このため、弾性部材31が変形する際、弾性部材31がフィルム接合部Aに干渉するのを、抑制することができる。
【0080】
<第三実施形態>
本実施形態のスペーサーおよびその製造方法と、第一実施形態のスペーサーおよびその製造方法との相違点は、フィルム接合部の突出端および不織布接合部の突出端が、湾曲している点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
【0081】
図11に、本実施形態のスペーサーの初期状態における前後方向部分断面図を示す。なお、
図11に示す部分は、
図2、
図5の枠Vに対応している。
図5と対応する部位については、同じ符号で示す。フィルム接合部Aの突出端(先端)は、外側壁部26の外面に沿って、後側に開口するC字状に湾曲している。不織布接合部Eの突出端(先端)は、内側壁部326の外面に沿って、前側に開口するC字状に湾曲している。
【0082】
本実施形態のスペーサーおよびその製造方法と、第一実施形態のスペーサーおよびその製造方法とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。フィルム接合部Aは、外側壁部26の外面に沿って湾曲している。このため、外側壁部26からのフィルム接合部Aの突出量を小さくすることができる。また、バッテリーモジュール9の筐体90に対するフィルム接合部Aの接触面積を大きくすることができる。また、湾曲変形に起因する弾性力により、筐体90に対してフィルム接合部Aを弾接させることができる。
【0083】
不織布接合部Eは、内側壁部326の外面に沿って湾曲している。このため、内側壁部326からの不織布接合部Eの突出量を小さくすることができる。また、パウチフィルム2に対する不織布接合部Eの接触面積を大きくすることができる。また、湾曲変形に起因する弾性力により、パウチフィルム2に対して不織布接合部Eを弾接させることができる。
【0084】
また、前後方向において、フィルム接合部Aの突出端と不織布接合部Eの突出端とは、互いに反対方向に湾曲している。このため、フィルム接合部Aの突出端と不織布接合部Eの突出端との干渉を抑制することができる。
【0085】
<第四実施形態>
本実施形態のスペーサーおよびその製造方法と、第一実施形態のスペーサーおよびその製造方法との相違点は、被収容部材が、弾性部材を備えていない点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図12に、本実施形態のスペーサーの初期状態における前後方向断面図を示す。なお、
図2と対応する部位については、同じ符号で示す。また、被収容部材3の前後方向厚みを強調して示す。被収容部材3は、断熱部材30と、不織布32と、を備えている。
【0086】
本実施形態のスペーサーおよびその製造方法と、第一実施形態のスペーサーおよびその製造方法とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のスペーサー1のように、
図2に示す弾性部材31が不要の場合(例えば、
図1に示すバッテリーセル92が変形しにくい場合など)は、被収容部材3が断熱部材30および不織布32だけを備えていてもよい。本実施形態のスペーサー1によると、スペーサー1を小型化することができる。
【0087】
<第五実施形態>
本実施形態のスペーサーおよびその製造方法と、第一実施形態のスペーサーおよびその製造方法との相違点は、外側壁部の全体に亘って厚肉部が配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図13に、本実施形態のスペーサーの製造方法の熱収縮工程後における、同スペーサーの前後方向断面図を示す。なお、
図8に対応する部位については、同じ符号で示す。また、被収容部材3の前後方向厚みを強調して示す。
【0088】
図13に示すように、第一型80は、積層方向対向壁部固定部800aだけを備えている。同様に、第二型81は、積層方向対向壁部固定部810aだけを備えている。このため、不織布対向壁部222の外面、弾性部材対向壁部221の外面だけが治具8に固定された状態で、熱収縮工程が実行される。したがって、積層方向対向壁部22(弾性部材対向壁部221、不織布対向壁部222)だけに対応して、薄肉部20c、21cが形成される。並びに、外側壁部26の全体に亘って、厚肉部20b、21bが形成される。
【0089】
本実施形態のスペーサーおよびその製造方法と、第一実施形態のスペーサーおよびその製造方法とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のスペーサー1の製造方法によると、外側壁部26の全体に亘って、膜厚を厚くすることができる。また、外側壁部26の全体に亘って、膜厚を均一化することができる。また、治具8の構造が簡単になる。
【0090】
<第六実施形態>
本実施形態のスペーサーおよびその製造方法と、第一実施形態のスペーサーおよびその製造方法との相違点は、第一フィルムと第二フィルムとの膜厚が異なる点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図14に、本実施形態のスペーサーの初期状態における前後方向部分断面図を示す。なお、
図14に示す部分は、
図2、
図5の枠Vに対応している。
図5と対応する部位については、同じ符号で示す。パウチフィルム2の全体に亘って、第二フィルム21の膜厚T4は、第一フィルム20の膜厚T3よりも、大きく設定されている。第一フィルム20は、本開示の「第一機能部」の概念に含まれる。第二フィルム21は、本開示の「第二機能部」の概念に含まれる。
【0091】
本実施形態のスペーサーおよびその製造方法と、第一実施形態のスペーサーおよびその製造方法とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のスペーサーによると、第一フィルム20と第二フィルム21との間に、構造差(膜厚差)に起因する機能差(強度差)を設定することができる。具体的には、第一フィルム20の膜厚T3に対して、第二フィルム21の膜厚T4つまり弾性部材対向壁部221、弾性部材対向区間261の膜厚T4を大きくすることができる。このため、弾性部材対向壁部221、弾性部材対向区間261を補強することができる。
【0092】
なお、
図14とは反対に、パウチフィルム2の全体に亘って、第一フィルム20の膜厚T3を、第二フィルム21の膜厚T4よりも、大きく設定してもよい。この場合、第一フィルム20の膜厚T3つまり不織布対向壁部222、不織布対向区間260の膜厚を大きくすることができる。このため、不織布対向壁部222、不織布対向区間260を補強することができる。
【0093】
<その他>
以上、本開示のスペーサーおよびその製造方法の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0094】
[構造、製造方法について]
図15に、その他の実施形態(その1)のスペーサーの初期状態における前後方向断面図を示す。なお、
図2と対応する部位については、同じ符号で示す。また、被収容部材3の前後方向厚みを強調して示す。
図15に示すように、単一のパウチフィルム2で被収容部材3を包んでもよい。なお、パウチフィルム2は、半折フィルムである。収容工程においては、パウチフィルム2の内側に被収容部材3が収容された状態で、パウチフィルム2の三辺(右辺、上辺、下辺)が溶断される。
【0095】
図16に、その他の実施形態(その2)のスペーサーの初期状態における前後方向断面図を示す。なお、
図2と対応する部位については、同じ符号で示す。また、被収容部材3の前後方向厚みを強調して示す。
図16に示すように、パウチフィルム2が、第一フィルム20、第二フィルム21に加えて、第三フィルム25を備えていてもよい。すなわち、第三フィルム25を、前側の第一フィルム20と、後側の第二フィルム21と、の間に介装してもよい。このように、パウチフィルム2を構成するフィルム数は、特に限定しない。
【0096】
また、
図16に示すように、被収容部材3が、前側から後側に向かって、第一の弾性部材31と、断熱部材30と、第二の弾性部材31と、を備えていてもよい。また、初期状態において、前後方向から見て、内側壁部326の外縁と、弾性部材31の外縁と、が同じ位置に配置されていてもよい。また、被収容部材3が、断熱部材30、弾性部材31以外の部材を備えていてもよい。このように、被収容部材3の構成は特に限定しない。
【0097】
上述の第一実施形態からその他の実施形態(その2)までのスペーサー1のうち、任意の実施形態のスペーサー1の任意の部材は、他の実施形態のスペーサー1に、組み込むことができる。例えば、
図16に示す弾性部材31(内側壁部326の外縁まで延在する弾性部材31)を、
図2に示すスペーサー1に組み込んでもよい。
【0098】
収容工程におけるフィルム接合部Aの形成方法は特に限定しない。例えば、周縁部20aと周縁部21aとを接着することにより、フィルム接合部Aを形成してもよい。断熱部材収容工程における不織布接合部Eの形成方法についても同様である。熱収縮工程におけるパウチフィルム2の加熱方法は特に限定しない。ヒートガンなどを用いてパウチフィルム2を加熱してもよい。
図4に示す重複部Fの大きさは特に限定しない。積層方向から見て、フィルム接合部Aの少なくとも一部と、不織布接合部Eの少なくとも一部と、が重複していればよい。
【0099】
複数のフィルム(例えば、第一フィルム20、第二フィルム21、第三フィルム25など)間に機能差を設定してもよい。機能差は、複数のフィルム間の材料の違いにより設定してもよい。例えば、第一フィルム20をシュリンクフィルム、第二フィルム21をPETフィルム(熱収縮用の延伸処理を施していない樹脂フィルム)としてもよい。機能差は、複数のフィルム間の構造の違いにより設定してもよい。例えば、第一フィルム20を単層構造、第二フィルム21を複層構造としてもよい。機能差の設定対象である機能は、特に限定しない。熱収縮性、強度、剛性、硬度、絶縁性、耐熱性などであってもよい。なお、
図1に示すように、積層体91を筐体90に収容する際、前後方向に隣り合うバッテリーセル92とスペーサー1とが両面テープにより仮固定される場合がある。この場合、機能差の設定対象である機能は、両面テープに対する貼着性であってもよい。上述の機能差に関する事項は、単一のフィルムに部分毎に機能差を設ける場合も同様である。
【0100】
積層体91におけるスペーサー1とバッテリーセル92との積層方向は特に限定しない。水平方向(前後方向、左右方向)、垂直方向(上下方向)、これらの方向に対して傾斜する方向などであってもよい。筐体90の形状は特に限定しない。例えば、筐体90は、前後一対の端板と、一対の端板間を繋ぐ左右一対のタイロッドと、を備えていてもよい。バッテリーセル92の種類は特に限定しない。角型セル、円筒型セル、ラミネート型セルなどであってもよい。二次電池の種類は特に限定しない。リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ナトリウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池などであってもよい。バッテリーモジュール9の用途は特に限定しない。例えば、ハイブリッド車、電気自動車などに用いてもよい。また、電動アシスト付き自転車、携帯電話、電動工具、ノートパソコンなどに用いてもよい。
【0101】
[材料]
スペーサー1を構成する各部材(パウチフィルム2、断熱部材30、弾性部材31、不織布32)の材質は特に限定しない。パウチフィルム2の材質は特に限定しない。パウチフィルム2の少なくとも一部にシュリンクフィルムを用いる場合、シュリンクフィルムの材質は、塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などであってもよい。パウチフィルム2は、シュリンクフィルム以外のフィルムであってもよい。熱可塑性樹脂を含有しない樹脂フィルムであってもよい。例えば、真空パック用の袋状のフィルムであってもよい。筐体90の材質は特に限定しない。例えば、ポリプロピレンなどの樹脂、鋼、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属であってもよい。
【0102】
弾性部材31の材質は特に限定しない。例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、シリコーンゴム(FMQ、FVMQ、VMQなど)、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ACM)などのエラストマー(ゴムを含む)の発泡体であってもよい。弾性部材31の形態は特に限定しない。発泡体、織布、不織布、中空体、中実体などであってもよい。弾性部材31は、断熱部材30よりも、積層方向に弾性変形容易であればよい。
【0103】
不織布32の材質は特に限定しない。ガラス繊維、ロックウール、セラミックファイバー、ポリイミド(PI)繊維、ポリフェニレンスルファイド(PPS)繊維などから製造すればよい。
【0104】
断熱部材30の材質は特に限定しない。断熱部材30用の粒状多孔質材料の種類は特に限定しない。一次粒子として、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどが挙げられる。なかでも化学的安定性に優れるという理由から、一次粒子がシリカである、すなわち複数のシリカ微粒子が連結して骨格をなすシリカエアロゲルが望ましい。また、複数のヒュームドシリカ微粒子が連結して骨格をなす凝集性構造体も好適である。
【0105】
シリカエアロゲルの製造方法は、特に限定されず、乾燥工程を常圧で行ったものでも、超臨界で行ったものでも構わない。例えば、疎水化処理を乾燥工程前に行うと、超臨界で乾燥する必要がなくなる、すなわち常圧で乾燥すればよいため、より容易かつ低コストに製造することができる。エアロゲルを製造する際の乾燥方法の違いにより、常圧で乾燥したものを「キセロゲル」、超臨界で乾燥したものを「エアロゲル」と呼び分けることがあるが、本明細書においては、その両方を含めて「エアロゲル」と称す。
【0106】
断熱部材30は、粒状多孔質材料の他、赤外線遮蔽粒子、無機繊維などを含有していてもよい。赤外線遮蔽粒子は、熱源からの熱を吸収し、それを熱源側の表面から再放出することにより、熱源からの輻射熱を遮断して、特に高温下における断熱性の向上に寄与する。赤外線遮蔽粒子としては、炭化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、窒化ケイ素、マイカ、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化ニオブ、酸化インジウムスズ、酸化セリウム、炭化ホウ素、酸化マンガン、酸化スズ、酸化ビスマス、酸化鉄、酸化マグネシウム、チタン酸バリウムなどが挙げられる。無機繊維としては、ガラス繊維、アルミナ繊維などのセラミック繊維が好適である。
【符号の説明】
【0107】
1:スペーサー、2:パウチフィルム、20:第一フィルム(第一機能部)、20A:第一加工前フィルム、20a:周縁部、20b:厚肉部(第二機能部)、20c:薄肉部(第一機能部)、21:第二フィルム(第二機能部)、21A:第二加工前フィルム、21a:周縁部、21b:厚肉部(第二機能部)、21c:薄肉部(第一機能部)、22:積層方向対向壁部、221:弾性部材対向壁部、222:不織布対向壁部、24:空気孔、25:第三フィルム、26:外側壁部、260:不織布対向区間、261:弾性部材対向区間、27a:角部、27b:角部、3:被収容部材、30:断熱部材、31:弾性部材、32:不織布、320:第一不織布、320A:第一加工前不織布、320a:周縁部、320b:凹部、321:第二不織布、321A:第二加工前不織布、321a:周縁部、321b:凹部、326:内側壁部、8:治具、80:第一型、800:型面、800a:積層方向対向壁部固定部、800b:外側壁部固定部、800c:角部固定部、81:第二型、810:型面、810:第二型、810a:積層方向対向壁部固定部、810b:外側壁部固定部、810c:角部固定部、9:バッテリーモジュール、90:筐体、91:積層体、92:バッテリーセル、920:端子、A:フィルム接合部、C:隙間、C1:隙間、E:不織布接合部、F:重複部、T1:最大膜厚、T2:最大膜厚、T3:膜厚、T4:膜厚