(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120387
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理プログラム及び画像処理方法
(51)【国際特許分類】
G06T 15/50 20110101AFI20240829BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240829BHJP
【FI】
G06T15/50
G06T19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027145
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 令奈
(72)【発明者】
【氏名】山本 真史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 信介
【テーマコード(参考)】
5B050
5B080
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA09
5B050BA10
5B050CA07
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA05
5B050GA08
5B080AA00
5B080BA02
5B080CA00
5B080FA02
5B080GA11
(57)【要約】
【課題】従来にない多様な表現の画像を生成することができる画像処理装置、画像処理プログラム及び画像処理方法を提供する。
【解決手段】仮想三次元空間に配置されたオブジェクトについて、少なくとも1つの光源による照明効果によって日向又は陰の表現を含む前記オブジェクトの画像を生成し、オブジェクトに対して設定される第1のパラメータに応じて、画像におけるオブジェクトの表示態様を変化させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想三次元空間に配置されたオブジェクトについて、少なくとも1つの光源による照明効果によって日向又は陰の表現を含む前記オブジェクトの画像を生成する画像処理装置であって、
前記オブジェクトに対して設定される第1のパラメータに応じて、前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記オブジェクトに対して設定される第2のパラメータであって、前記第2のパラメータは複数の色情報を含み、
前記第2のパラメータに応じて、前記画像における前記オブジェクトの表示態様を前記複数の色情報に基づいて変更することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記画像における前記オブジェクトの表示態様を前記複数の色情報のグラデーションによって変更することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記複数の色情報は、日向色Lc1及び陰色Lc2を特定する情報を含み、
前記画像における前記オブジェクトの陰が強いほど前記陰色Lc2が強く、前記オブジェクトの陰が弱いほど前記日向色Lc1が強くなるように前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変更することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理装置であって、
前記オブジェクトは、異なる法線方向をもつ頂点を有する複数のパーツを組み合わせて構成されており、
前記第2のパラメータは前記光源の照射方向を示すパラメータを含み、前記パーツの頂点の法線方向と前記照射方向との関係に応じて、前記画像における前記オブジェクトの陰が強いほど前記陰色Lc2が強く、前記オブジェクトの陰が弱いほど前記日向色Lc1が強くなるように前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記オブジェクトは、異なる法線方向をもつ頂点を有する複数のパーツを組み合わせて構成されており、
前記第1のパラメータは前記光源の照射方向を示すパラメータを含み、前記パーツの頂点の法線方向と前記照射方向との関係に応じて前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、仮想三次元空間に配置されたオブジェクトについて、少なくとも1つの光源による照明効果によって陰の表現を含む前記オブジェクトの画像を生成させる機能を実行させる画像処理プログラムであって、
前記オブジェクトに対して設定される第1のパラメータに応じて、前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項8】
コンピュータに、仮想三次元空間に配置されたオブジェクトについて、少なくとも1つの光源による照明効果によって陰の表現を含む前記オブジェクトの画像を生成させる画像処理方法であって、
前記オブジェクトに対して設定される第1のパラメータに応じて、前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理プログラム及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想三次元空間に配置された三次元のオブジェクトに対して光源から光を照射した場合にオブジェクトに生ずる陰を表現するシェーディング技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、キャラクタ等のオブジェクトが配置された仮想三次元空間を所与の視点から見た様子を示す画像を表示させる技術であって、視点から見たオブジェクトの画像と、光源の三次元座標に基づいて光の拡散を示す画像とを生成し、これらの画像を合成することによってオブジェクトの陰を表現した画像を生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、三次元オブジェクトから生成される画像において、オブジェクト単位での日向色や陰色の調整をしたい場合があるが、画像が多数のオブジェクトで構成されるシーンでのオブジェクト単位の日向色や陰色の調整がうまく表現されず、シーン全体として違和感を生ずることが多かった。
【0006】
本発明は、仮想三次元空間に配置されたオブジェクトに対して、従来にない多様な表現の画像を生成することができる画像処理装置、画像処理プログラム及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様は、仮想三次元空間に配置されたオブジェクトについて、少なくとも1つの光源による照明効果によって日向又は陰の表現を含む前記オブジェクトの画像を生成する画像処理装置であって、前記オブジェクトに対して設定される第1のパラメータに応じて、前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする画像処理装置である。
【0008】
本発明の別の態様は、コンピュータに、仮想三次元空間に配置されたオブジェクトについて、少なくとも1つの光源による照明効果によって陰の表現を含む前記オブジェクトの画像を生成させる機能を実行させる画像処理プログラムであって、前記オブジェクトに対して設定される第1のパラメータに応じて、前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする画像処理プログラムである。
【0009】
本発明の別の態様は、コンピュータに、仮想三次元空間に配置されたオブジェクトについて、少なくとも1つの光源による照明効果によって陰の表現を含む前記オブジェクトの画像を生成させる画像処理方法であって、前記オブジェクトに対して設定される第1のパラメータに応じて、前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする画像処理方法である。
【0010】
ここで、前記オブジェクトに対して設定される第2のパラメータであって、前記第2のパラメータは複数の色情報を含み、前記第2のパラメータに応じて、前記画像における前記オブジェクトの表示態様を前記複数の色情報に基づいて変更することが好適である。
【0011】
また、前記画像における前記オブジェクトの表示態様を前記複数の色情報のグラデーションによって変更することが好適である。
【0012】
また、前記複数の色情報は、日向色Lc1及び陰色Lc2を特定する情報を含み、前記画像における前記オブジェクトの陰が強いほど前記陰色Lc2が強く、前記オブジェクトの陰が弱いほど前記日向色Lc1が強くなるように前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変更することが好適である。
【0013】
また、前記オブジェクトは、異なる法線方向をもつ頂点を有する複数のパーツを組み合わせて構成されており、前記第2のパラメータは前記光源の照射方向を示すパラメータを含み、前記パーツの頂点の法線方向と前記照射方向との関係に応じて、前記画像における前記オブジェクトの陰が強いほど前記陰色Lc2が強く、前記オブジェクトの陰が弱いほど前記日向色Lc1が強くなるように前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変化させることが好適である。
【0014】
また、前記オブジェクトは、異なる法線方向をもつ頂点を有する複数のパーツを組み合わせて構成されており、前記第1のパラメータは前記光源の照射方向を示すパラメータを含み、前記パーツの頂点の法線方向と前記照射方向との関係に応じて前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変化させることが好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、仮想三次元空間に配置されたオブジェクトに対して、従来にない多様な表現の画像を生成することができる画像処理装置、画像処理プログラム及び画像処理方法を提供することができる。本発明の実施の形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態における画像処理装置の構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態における画像処理方法を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の実施の形態における画像処理画面の例を示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態における画像処理画面の例を示す図である。
【
図5】本発明の実施の形態における画像処理画面の例を示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態における画像処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態における画像処理装置100は、
図1に示すように、処理部10、記憶部12、入力部14、出力部16及び通信部18を含んで構成される。
【0018】
画像処理装置100は、一般的なコンピュータにより構成することができる。処理部10は、CPU等を含んで構成され、画像処理装置100における処理を統合的に行う。処理部10は、記憶部12に記憶されている画像処理プログラムを実行することにより、本実施の形態における画像処理を行う。記憶部12は、画像処理において用いられる画像処理プログラム、画像処理に必要な情報等を記憶する。記憶部12は、例えば、半導体メモリ、ハードディスク等で構成することができる。記憶部12は、画像処理装置100の内部に設けてもよいし、無線や有線等の情報網を利用して処理部10からアクセスできるように外部に設けてもよい。入力部14は、画像処理装置100に対して情報を入力するための手段を含む。出力部16は、画像処理装置100において処理された情報を表示させる手段を含む。通信部18は、外部の装置(サーバ等)との情報交換を行うためのインターフェースを含んで構成される。通信部18は、例えば、インターネット等の情報通信網102に接続されることによって、外部の装置との通信を可能にする。
【0019】
[画像処理装置の構築]
以下、
図2のフローチャートを参照して、画像処理装置100における画像処理方法について説明する。画像処理装置100は、画像処理プログラムを実行することによって、本発明の実施の形態における画像処理を行う。
【0020】
画像処理は、
図3に示すような画像処理画面200において行われる。画像処理画面200には、三次元オブジェクトから生成された画像を表示させる画像表示領域202及び画像処理において使用される第1パラメータ及び第2パラメータを設定するためのパラメータ設定領域204が含まれる。画像処理画面200は、画像処理装置100の出力部16に表示される。
【0021】
なお、以下の説明において、画像処理画面200の画像表示領域202に表示されている三次元オブジェクトから生成された画像は、画像の色をグレースケールに変換したものであり、実際の色を正確に表現していない。
【0022】
ステップS10は、三次元オブジェクトを設定する処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、画像処理装置100は、三次元オブジェクト設定手段として機能する。本実施の形態における画像処理では、仮想三次元空間に配置された三次元オブジェクトについて指定された視点からみた二次元画像を生成して出力する処理が行われる。そこで、仮想三次元空間に三次元オブジェクトを配置する処理が行われる。
【0023】
仮想三次元空間は、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の座標軸を組み合わせて表現される。仮想三次元空間内の位置は、これらの座標軸における三次元座標により特定される。
【0024】
三次元オブジェクトは、それぞれ異なる面方向を有する複数のパーツ(例えばポリゴン)を組み合わせて構成される。仮想三次元空間において三次元オブジェクトを構成するそれぞれのパーツの座標、形状、各面の方向を示す面ベクトルを設定することによって、三次元オブジェクトを仮想三次元空間に配置することができる。
【0025】
また、仮想三次元空間には、仮想カメラが設定される。画像処理装置100では、仮想カメラからみた三次元オブジェクトが二次元画像として生成される。仮想カメラについて、仮想三次元空間における座標、視線方向を示す視線ベクトル、視野角、画像のアスペクト比が設定される。
【0026】
さらに、仮想三次元空間には、光源が設定される。画像処理装置100では、仮想三次元空間に配置された三次元オブジェクトに対して光源から照射された光によって三次元オブジェクトに生ずる陰を表現する三次元オブジェクトのシェーディング処理が行われる。光源について、仮想三次元空間における座標、光の放射方向を示す放射ベクトル、光の広がりを示す照射分散角等が設定される。なお、光源は、1つに限定されるものではなく、複数の光源を設定してもよい。
【0027】
ステップS12は、三次元オブジェクトについて一般的なシェーディング処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、画像処理装置100は、シェーディング処理手段として機能する。シェーディング処理は、仮想三次元空間に配置された三次元オブジェクトを構成する各パーツの頂点の法線ベクトルと光源の放射ベクトルの角度に基づいて行われる。また、三次元オブジェクトを構成する各パーツの座標と光源の座標とに基づいて、各パーツと光源との距離を算出して、光源から照射される光の距離減衰を考慮することが好適である。三次元オブジェクトのシェーディング処理は、既存の方法を適用できるので詳しい説明は省略する。
【0028】
ステップS14は、第1パラメータに応じて三次元オブジェクトの表示態様を変更する処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、画像処理装置100は、第1表示態様変更手段として機能する。第1のパラメータは、三次元オブジェクトに対して光源から照射される光の方向を示す情報を含むパラメータであって、三次元オブジェクトを構成する各パーツの頂点の法線方向(法線ベクトル)と第1のパラメータで特定される方向との関係に応じて三次元オブジェクトの表示態様を変更する。
【0029】
具体的には、三次元オブジェクトを構成する各パーツは、パーツを構成する頂点の色Cと頂点の法線方向(法線ベクトル)Nのパラメータを有する。パーツの頂点の色Cと頂点の法線方向(法線ベクトル)Nから、パーツの各ピクセルの色Cpと頂点の法線方向(法線ベクトル)Npが計算される。また、第1パラメータは、仮想光源から照射される照射方向(照射方向ベクトル)Ldと光源の色Lcのパラメータを有する。第1パラメータは、画像処理画面200のパラメータ設定領域204において設定される。例えば、仮想三次元空間を表現する互いに直交するX軸、Y軸、Z軸においてユーザが設定した座標と仮想三次元空間の原点とを結んだ方向を照射方向Ldとして指定することができる。また、光源の色Lcは、予め定められた色としてもよいし、パラメータ設定領域204においてカラーパレットからユーザが選択した色を設定できるようなインターフェースを用いるようにしてもよい。
【0030】
第1パラメータによる三次元オブジェクトの表示態様の変更は、三次元オブジェクトを構成するパーツの各ピクセルの色Cpを第1補正色C1に変更することによって行われる。第1補正色C1への補正は、数式(1)によってパーツの面のピクセル毎に行われる。
(数1)
第1補正色C1=パーツのピクセルの色Cp+係数A×光源の色Lc・・・(1)
ただし、係数A=dot(-法線方向Np,照射方向Ld)は、
図6に示すように、法線方向Npを逆向きにしたベクトルと照射方向Ldとの内積値であり、法線方向Npと照射方向Ldが相対しているほど大きな値となる。
【0031】
第1パラメータによる三次元オブジェクトの表示態様の変更処理によって、
図4の画像表示領域202に示すように、三次元オブジェクトのパーツの各ピクセルの第1補正色C1は、光源から照射される光が当たっているパーツのピクセルの色Cpに光源の色Lcが加算された値となる。
【0032】
ステップS16は、第2パラメータに応じて三次元オブジェクトの表示態様を変更する処理が行われる。当該ステップにおける処理によって、画像処理装置100は、第2表示態様変更手段として機能する。第2のパラメータは、複数の色情報を含むパラメータであって、第2のパラメータに応じて三次元オブジェクトの表示態様を複数の色情報に基づいて変更する。
【0033】
第2パラメータは、仮想光源から照射される照射方向(照射方向ベクトル)Ldと、日向色Lc1と陰色Lc2の2色のパラメータを有する。第2パラメータに含まれる日向色Lc1と陰色Lc2の2色のパラメータは、画像処理画面200のパラメータ設定領域204において設定される。例えば、画像処理画面200において、日向色Lc1と陰色Lc2の2色のパラメータについてカラーパレットからユーザが選択した色を設定できるようなインターフェースを用いることが好適である。
【0034】
第2パラメータによる三次元オブジェクトの表示態様の変更は、三次元オブジェクトを構成するパーツの各ピクセルの第1補正色C1を第2補正色C2に変更することによって行われる。第2補正色C2への補正は、数式(2)によってパーツの面のピクセル毎に行われる。
(数2)
第2補正色C2=日向色Lc1×A+第1補正色C1×{A+(1-A)×陰色Lc2}・・・(2)
【0035】
第2パラメータによる三次元オブジェクトの表示態様の変更処理によって、
図5の画像表示領域202に示すように、三次元オブジェクトのパーツの各ピクセルの第2補正色C2は、第2パラメータに含まれる複数の色情報のグラデーションによって表現される。すなわち、三次元オブジェクトのパーツのピクセルの第2補正色C2は、係数Aが小さいときはパーツのピクセルの色に対して陰色Lc2が強く乗算反映され、係数Aが大きいときはパーツのピクセルの色に対して日向色Lc1が強く加算反映される。したがって、三次元オブジェクトから生成される画像において、オブジェクトの陰が強いほど陰色Lc2が強く、オブジェクトの陰が弱いほど日向色Lc1が強くなるように表現される。
【0036】
なお、本実施の形態では、第1パラメータ及び第2パラメータにおいて仮想光源の照射方向Ldを同一としたが、これらを異ならせてもよい。この場合、数式(1)及び数式(2)において、仮想光源の照射方向Ldをそれぞれのパラメータで異なる値を適用すればよい。
【0037】
また、ステップS14における第1パラメータによる処理及びステップS16における第2パラメータにより処理はいずれか一方のみを行うようにしてもよい。
【0038】
ステップS18は、生成された画像データの出力が行われる。当該ステップにおける処理によって、画像処理装置100は、画像データ出力手段として機能する。処理部10は、記憶部12から上記処理によって生成された画像データを読み出し、
図5に示すように、出力部16における画像処理画面200の画像表示領域202に表示させる。また、通信部18を介して、画像処理装置100の外部へ画像データを送信するようにしてもよい。
【0039】
生成された画像データの使用方法は、特に限定されるものではないが、例えば電子ゲームのキャラクタを表示する画像を表示させるために用いることができる。
【0040】
本発明の実施の形態によれば、三次元オブジェクトから生成される画像において、画像全体としての違和感を抑制しつつ、オブジェクト単位での日向色及び陰色を反映した画像を生成することができる。
【0041】
[発明の構成]
[構成1]
仮想三次元空間に配置されたオブジェクトについて、少なくとも1つの光源による照明効果によって日向又は陰の表現を含む前記オブジェクトの画像を生成する画像処理装置であって、
前記オブジェクトに対して設定される第1のパラメータに応じて、前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする画像処理装置。
[構成2]
構成1に記載の画像処理装置であって、
前記オブジェクトに対して設定される第2のパラメータであって、前記第2のパラメータは複数の色情報を含み、
前記第2のパラメータに応じて、前記画像における前記オブジェクトの表示態様を前記複数の色情報に基づいて変更することを特徴とする画像処理装置。
[構成3]
構成2に記載の画像処理装置であって、
前記画像における前記オブジェクトの表示態様を前記複数の色情報のグラデーションによって変更することを特徴とする画像処理装置。
[構成4]
構成2又は3に記載の画像処理装置であって、
前記複数の色情報は、日向色Lc1及び陰色Lc2を特定する情報を含み、
前記画像における前記オブジェクトの陰が強いほど前記陰色Lc2が強く、前記オブジェクトの陰が弱いほど前記日向色Lc1が強くなるように前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変更することを特徴とする画像処理装置。
[構成5]
構成4に記載の画像処理装置であって、
前記オブジェクトは、異なる法線方向をもつ頂点を有する複数のパーツを組み合わせて構成されており、
前記第2のパラメータは前記光源の照射方向を示すパラメータを含み、前記パーツの頂点の法線方向と前記照射方向との関係に応じて、前記画像における前記オブジェクトの陰が強いほど前記陰色Lc2が強く、前記オブジェクトの陰が弱いほど前記日向色Lc1が強くなるように前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする画像処理装置。
[構成6]
構成1~5のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記オブジェクトは、異なる法線方向をもつ頂点を有する複数のパーツを組み合わせて構成されており、
前記第1のパラメータは前記光源の照射方向を示すパラメータを含み、前記パーツの頂点の法線方向と前記照射方向との関係に応じて前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする画像処理装置。
[構成7]
コンピュータに、仮想三次元空間に配置されたオブジェクトについて、少なくとも1つの光源による照明効果によって陰の表現を含む前記オブジェクトの画像を生成させる機能を実行させる画像処理プログラムであって、
前記オブジェクトに対して設定される第1のパラメータに応じて、前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする画像処理プログラム。
[構成8]
コンピュータに、仮想三次元空間に配置されたオブジェクトについて、少なくとも1つの光源による照明効果によって陰の表現を含む前記オブジェクトの画像を生成させる画像処理方法であって、
前記オブジェクトに対して設定される第1のパラメータに応じて、前記画像における前記オブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする画像処理方法。
【符号の説明】
【0042】
10 処理部、12 記憶部、14 入力部、16 出力部、18 通信部、100 画像処理装置、102 情報通信網、200 画像処理画面、202 画像表示領域、204 パラメータ設定領域。