(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120390
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】有害動物忌避装置
(51)【国際特許分類】
A01M 29/22 20110101AFI20240829BHJP
【FI】
A01M29/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027152
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】505412498
【氏名又は名称】有限会社ルミエール
(74)【代理人】
【識別番号】100095430
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 勲
(72)【発明者】
【氏名】田中 進
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA04
2B121DA49
2B121EA25
2B121FA13
(57)【要約】
【課題】省電力で効率よく大きな振動を発生することができ、メンテナンスも容易で、広範囲の忌避効果が得られる有害動物忌避装置を提供する。
【解決手段】地中に埋められる金属製の筒状本体12と、地面から上方に突出する電源ケース体16と、筒状本体12と電源ケース体16を連結する連結部14を有する。筒状本体12の内側空間12cに、振動体26を備える。電源ケース体16の内側空間16cには、振動体26を駆動する電源22を有する。振動体26は、振動ケース体28と、振動ケース体28に収納され電源22に電気的に接続された振動源であるモータ32と重り36を備える。振動体26は、筒状本体12又は電源ケース体16の内側に取り付けられた板バネ40で保持されている。振動体26の上端部は筒状本体12の内側面12dから僅かに離間し、下端部は筒状本体12の内側面12dに、板バネ40の弾性力により当接している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋められる金属製の筒状本体と、地面から上方に突出する電源ケース体と、前記筒状本体と前記電源ケース体を連結する連結部が設けられ、
前記筒状本体の内側空間には振動体が設けられ、前記電源ケース体の内側空間には前記振動体を駆動する電源が設けられ、
前記振動体は、振動ケース体と、前記振動ケース体に収納され前記電源に電気的に接続される振動源とを備え、
前記振動体は、前記筒状本体又は前記電源ケース体の内側に、直接又は間接的に設けられた板バネに取り付けられた状態で振動可能に保持され、前記振動体は前記筒状本体の内側面に当接していることを特徴とする有害動物忌避装置。
【請求項2】
前記振動体は、上端部が前記筒状本体の内側面から僅かに離間して配置され、下端部は前記筒状本体の内側面に当接し、前記板バネの弾性力により前記筒状本体の内側面に押し付けられている請求項1記載の有害動物忌避装置。
【請求項3】
前記筒状本体は、前記地面に接触した使用状態において前記内側面が水平方向に対して傾斜して地中に埋設される請求項1又は2記載の有害動物忌避装置。
【請求項4】
前記筒状本体の内側面の傾斜角度は、水平方向に対して45°から70°である請求項3記載の有害動物忌避装置。
【請求項5】
前記振動源は、前記振動ケース体の内側空間に設けられ前記電源により回転するモータと、前記モータの回転軸に取り付けられ重心位置が偏心した重りとから成り、前記電源ケース体の外側に、前記電源に接続されたスイッチが設けられている請求項1記載の有害動物忌避装置。
【請求項6】
前記板バネは一方向に細長い板体で、板体の厚み方向に弾性変形が容易に可能であり、前記板バネの長手方向の一方の端部は、前記筒状本体又は前記電源ケース体に固定され、他方の端部は前記振動体に固定され、前記板バネの厚み方向は、前記振動体を前記筒状本体の内側面に押し付ける方向と一致する請求項1又は2記載の有害動物忌避装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地中にいるもぐら等を振動により追い出し、近づけないようにする有害動物忌避装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、もぐらを撃退する有害動物忌避装置にはいろいろな種類があり、特にモータにより振動を発生させる形式の装置が多く提案されている。例えば、本願発明者による特許文献1の有害動物忌避装置は、地中に全体が埋められる金属製の筒状本体と、筒状本体に収納され筒状本体の内側面に設けられた係止片と、係止片に取り付けられて筒状本体内に下垂する振動体を有する。振動体は、ケース体と、ケース体に収納されケース体の内側に設けられた駆動用の電源と、電源により駆動される振動源のモータとを備えている。振動体は、筒状本体内に下垂された状態でケース体の下端部が、筒状本体の内側面に接触し、上端部は筒状本体の内側面から僅かに離間している。筒状本体は、使用状態において、内側面が水平方向に対して傾斜して地中に埋設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記背景技術の場合、振動体は、振動体が当接する筒状本体の内側面の面方向に沿う振動も多く、この方向の振動は筒状本体を叩かず、大きな振動を起こさないので電池を無駄に消耗する。さらに、振動体に電源が収容されているため、振動体の質量が大きくなり自由に動くことができず、電源の大きさと重さが限られている。また、電源である電池の交換は、その都度地中から取り出して行わなければならず、手間がかかる。スイッチは振動体に付いているので、スイッチの操作のために地中から掘り起こしたり、埋め戻したりしなければならない。しかも装置全体を地中に埋めるため、埋めた位置を確認するために別途目印が必要である。このように、特許文献1に開示された装置の場合、種々の改善の余地があった。
【0005】
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、省電力で効率よく大きな振動を発生することができ、メンテナンスも容易で、広く忌避効果が得られる有害動物忌避装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、地中に埋められる金属製の筒状本体と、地面から上方に突出する電源ケース体と、前記筒状本体と前記電源ケース体を連結する連結部が設けられ、前記筒状本体の内側空間には振動体が設けられ、前記電源ケース体の内側空間には前記振動体を駆動する電源が設けられ、前記振動体は、振動ケース体と、前記振動ケース体に収納され前記電源に電気的に接続される振動源とを備え、前記振動体は、前記筒状本体又は前記電源ケース体の内側に、直接又は間接的に設けられた板バネに取り付けられた状態で振動可能に保持され、前記振動体は前記筒状本体の内側面に当接している有害動物忌避装置である。
【0007】
前記振動体は、上端部が前記筒状本体の内側面から僅かに離間して配置され、下端部は前記筒状本体の内側面に当接し、前記板バネの弾性力により前記筒状本体の内側面に押し付けられているものである。
【0008】
前記筒状本体は、前記地面に接触した使用状態において前記内側面が水平方向に対して傾斜して地中に埋設されるものである。前記筒状本体の内側面の傾斜角度は、水平方向に対して45°から70°が好ましい。
【0009】
前記振動源は、前記振動ケース体の内側空間に設けられ前記電源により回転するモータと、前記モータの回転軸に取り付けられ重心位置が偏心した重りとから成り、前記電源ケース体の外側に、前記電源に接続されたスイッチが設けられているものである。
【0010】
前記板バネは一方向に細長い板体で、板体の厚み方向に弾性変形が容易に可能であり、前記板バネの長手方向の一方の端部は、前記筒状本体又は前記電源ケース体に固定され、他方の端部は前記振動体に固定され、前記板バネの厚み方向は、前記振動体を前記筒状本体の内側面に押し付ける方向と一致するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の有害動物忌避装置は、省電力で効率よく大きな振動を発生することができ、電池交換等のメンテナンスも容易で、広い範囲で長期間忌避効果を得ることができる。振動体は軽量で自由に振動し、効率よく振動することができる。電源ケース体を任意の大きさにして、容量の大きい電源を使用して長時間運転することも容易に可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】この発明の一実施形態の有害動物忌避装置の概略縦断面図である。
【
図2】この発明の一実施形態の有害動物忌避装置の電源ケース体の概略側面図である。
【
図3】この発明の一実施形態の有害動物忌避装置の上方からの外観斜視図である。である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1~
図3はこの発明の一実施形態を示すもので、この実施形態の有害動物忌避装置10は、金属製、例えばアルミ製又はスティール製の筒状本体12が設けられ、筒状本体12は後述する振動体26が繰り返し内側面12dに衝突して振動を増幅させるものである。筒状本体12は有底の円筒形であり、底面12aは塞がれ、上端部12bは円形に開口している。
【0014】
筒状本体12の上端部12bの開口には、筒状本体12と後述する電源ケース体16とを連結する連結部である筒状本体用キャップ部14が取り付けられている。筒状本体用キャップ部14は、金属又はポリエチレン等の樹脂により成形され、円板状の上面14aと、上面14aの周縁部に連続する円筒状の側面14bが一体に設けられている。側面14bの内周面には、筒状本体12の上端部12bの図示しない係止部や雄ネジ部に取り付けられるための図示しない被係止部や雌ねじ部等が設けられている。
【0015】
筒状本体用キャップ部14の上面14aには、上面14aの円周に接する部分に、径の小さい略円筒形の電源ケース体16が一体に設けられている。電源ケース体16の内側空間16cは、筒状本体用キャップ部14を経て筒状本体12の内側空間12cとの間で、配線等を挿通可能に連通している。電源ケース体16は筒状本体用キャップ部14の上面14aの上方に突出し、電源ケース体16の長手方向は、筒状本体用キャップ部14の上面14aに対して例えば120°傾いている。電源ケース体16の、筒状本体用キャップ部14とは反対側の先端部16aは、筒状本体用キャップ部14の側面14bの、上方延長線よりも外側に位置している。
【0016】
電源ケース体16の側縁部16bは、電源ケース体16の内側空間16c側に開口し、電池等の電源22の出し入れを可能にしている。電源ケース体16の上方には制御部24が設けられ、制御部24は、後述するモータ32等の駆動回路を備え、スイッチ20に接続されている。電源ケース体16の上面側に設けられたスイッチ20は、例えば、標準、強、エコモードの、3段階のタイマーで各々運転を行う運転スイッチや運転を開始及び停止するスイッチ等から成る。
【0017】
電源ケース体16には電源ケース体用キャップ18が嵌合され、電源ケース体用キャップ18内に、スイッチ20、電源22及び制御部24を収容している。電源ケース体用キャップ18は、金属又はポリエチレン等の樹脂により成形され、円板状の上面18aと、上面18aの周縁部に連続する円筒状の側面18bが一体に設けられている。側面18bの下端部内周面には、電源ケース体16の基端部の雄ネジ部16dにねじ止めされる雌ネジ部18cが設けられている。
【0018】
筒状本体12の内側空間12cには、電源22により駆動される振動体26が収納されている。振動体26は、合成樹脂または金属製の筒状の振動ケース体28を備え、振動ケース体28は、円筒形に形成され、下端部28aは半球状に形成されている。振動ケース体28の上端部28bは、開口し、蓋部材30により閉鎖されている。
【0019】
振動ケース体28の内側空間28cには、モータ32が収納され、モータ32は振動ケース体28のほぼ中央に位置している。モータ32の下端側には、回転軸34が突出し、回転軸34の先端部には、重心位置が回転軸34からずれて偏心して固定された重り36が設けられ、振動ケース体28の内側空間28cで回転可能に設けられている。モータ32と回転軸34及び重り36は、モータ32の回転時に振動源となる。電源22及び制御部24と振動体26は電線38で連結され、電線38は振動ケース体28の蓋部材30を貫通してモータ32に電気的に接続されている。
【0020】
振動ケース体28には板バネ40が固定され、板バネ40により振動体26が鉛直方向下方に吊り下げられたような状態で、揺動可能に保持されている。板バネ40は、一方向に細長い板体であり、板体の厚み方向に弾性変形が容易に可能であり、厚み方向に湾曲されて弾性的に筒状本体12の内側面12dに振動ケース体28が当接している。板バネ40の長手方向の一方の端部40aは、振動体26の振動ケース体28の蓋部材30に固定されている。板バネ40の他方の端部40bは電源ケース体16の筒状本体用キャップ部14の内面側に固定されている。板バネ40の折り曲げられた中間部40cは、筒状本体12の内側空間12c内で湾曲した状態で収容されている。板バネ40を固定する位置は、筒状本体12又は電源ケース体16内に適宜設定され、筒状本体用キャップ部14の上面14aまたは側面14bの内周面のいずれかに固定されても良い。固定構造は、直接固定されても良く、取り付け具等を介して固定されてもよく、板バネ40の両端部40a,40bの間において、板バネ40が湾曲して板バネ40の弾性を効果的に生かせる構造であれば良い。
【0021】
これにより振動体26は、筒状本体12の、底面12aと上端部12bとの中間付近の深さに位置し、筒状本体12の内側面12dに当接し板バネ40の付勢力で適度な力で押し付けられている。振動体26に固定された板バネ40の端部40aの厚み方向は、振動体26を筒状本体12の内側面12dに対して垂直方向に押し付ける方向と一致する。この時、振動ケース体28の下端部28aは、筒状本体12の内側面12dにほぼ点接触し、上端部28bは、筒状本体12の内側面12dから僅かに離間して配置され、筒状本体12の内側面12dと振動体26の振動ケース体28の外側面とは僅かな角度θだけ傾斜して位置する。
【0022】
電源ケース体16の外周面には、筒状本体用キャップ部14との境界付近に、環状の鍔部42が設けられている。鍔部42の外周は、電源ケース体16の外周から突出する略円形である。鍔部42の下面が、使用状態において地表に接する。
【0023】
次に、この実施形態の有害動物忌避装置10の使用方法について説明する。まず、有害動物忌避装置10を地面44内に設置する。設置は、地面44を所定深さに掘った穴の中に、筒状本体12の中心軸方向であり、内側面12dの周方向と直交する方向が水平方向に対して45°から90°の範囲で傾斜した状態、好ましくは水平方向に対して45°から70°、ここでは約60°に傾斜した状態にし、振動体26が当接して押し付けられている位置を下方とする。筒状本体12の内側面12dが水平方向に対して約60°の時に、振動ケース体28は良好に振動して筒状本体12に衝突し、電源22の寿命も長くなる。60°に傾斜した状態でも、振動体26は板バネ40に吊り下げられた状態に保持され、振動ケース体28の下端部28aが筒状本体12の内側面12dに接触し上端部28bは離れている。最後に、穴を土で埋め戻して、有害動物忌避装置10を地中に埋設する。
【0024】
ここで、埋設する深さは、モグラが常時移動する深さであり、振動ケース体28の下端部28aが筒状本体12に接触した位置が、地面44から約20cmが好ましい。電源ケース体16の挿通方向は、筒状本体用キャップ部14の上面14aに対して120°であるため、筒状本体12を水平方向に対して約60°にすると、電源ケース体16は地面44からほぼ垂直に上方に突出する。電源ケース体用キャップ18およびスイッチ20も地面44から上方に突出して設置され、鍔部42を地面44に接触させ、安定させる。
【0025】
有害動物忌避装置10を運転する時は、電源ケース体用キャップ18を外して地面44から突出した位置にあるスイッチ20の運転スイッチを操作する。するとモータ32が回転し、回転軸34が軸周りに回転する。この時、回転軸34には重り36が偏心して取り付けているため、回転軸34やモータ32及びその周辺に振動が発する。モータ32の振動は、振動ケース体28を振動させ、筒状本体12は地面44の下方の土を振動させ、広範囲のもぐらを排除する。
【0026】
振動体26は板バネ40の厚み方向に揺れ、振動体26を筒状本体12の内側面12dに垂直に押し付ける方向、つまり筒状本体12の直径方向に、筒状本体12の内側面12dに衝突を繰り返し、筒状本体12の内側面12dに沿う円周方向に揺れることが無く、振動の効率が良い。振動体26の振動により振動体26が筒状本体12の内側面12dから離れた後、重力により落ちて再び筒状本体12に当たって振動する際、板バネ40の弾性力により振動体26を筒状本体12に当てる力も加わるため、強く振動体26が筒状本体12に当たり、より強い振動を発生する。例えば特許文献1の有害動物忌避装置の、振動体を自然に吊り下げた状態で得る振動よりも、振幅等の振動の大きさが約30%増加する。
【0027】
重り36は、振動ケース体28の下端部28a近傍に位置し、振動ケース体28の下端部28aが特に振動し、上端部28bは板バネ40に固定されて振動が小さく、反対側の下端部28aは振動が大きく、効率よく振動を発生する。なお、モータ32の回転は、標準、強、エコモードの、3段階のタイマーで運転されると良く、スイッチ20を切り替えることにより、強さを自由に選択することができ、エコモードにすると、消費電力を抑え、電池寿命を延ばすことができる。運転を停止する時は、スイッチ20の運転停止スイッチを押す。
【0028】
この実施形態の有害動物忌避装置10によれば、形状が小形であり、省電力で効率よく振動を発生することができ、もぐらを効率よく排除することができる。振動体26を板バネ40により吊り下げて筒状本体12に取り付け、板バネ40の厚み方向は、振動体26を筒状本体12の内側面12dに押し付ける方向と一致するので、振動体26が一方向に沿って良好に効率よく振動し、モータ32の負荷が少なく、電池寿命が長い。そして、振動体26により筒状本体12に間接振動を発生させ、この間接振動がさらに地面44の下方の広い範囲に伝わり、広く忌避効果が得られ、もぐらを確実に忌避することができる。しかも、有害動物忌避装置10は直接土を強くたたかないため、地中に筒状本体12がもぐっていく等の移動が発生せず、エネルギーの無駄が無く効率がよい。
【0029】
電源ケース体16と電源ケース体用キャップ18が地面44から上方に突出しているため、設置位置が確認しやすく、筒状本体12を地面44から掘り出さなくても、電源22の交換や、修理を行うことができ、メンテナンスが容易である。スイッチ20は地面44から上方にあり、電源ケース体用キャップ18側に設けられているため、運転を切り替える操作も容易である。電源22と制御部24は振動体26とは別に電源ケース体16に収納され、振動体26は軽量で自由に振動し、効率よく振動することができる。電源ケース体16を任意の大きさにして、例えば単1アルカリ電池等を使用することができ、電池容量を大きくすることができ、電池交換の頻度も抑えることができる。
【0030】
さらに、筒状本体12は、以下のような作用効果を有する。筒状本体12は、振動体26よりも大きな表面積を持っているため、より広範囲に振動を与える。土に触れずに筒状本体12内部の空間で振動するため、効率よく安定して振動する。振動体26を単独で土に埋めると、振動により下の方へもぐりやすくなり、効率の良い振動が妨げられるが、鍔部42を有した筒状本体12に入れることにより、それを防ぐことができる。振動体26を筒状本体12に入れると、振動が間接的に土に伝わることになるが、筒状本体12の材質は金属のため、効率よく振動を伝えることができる。さらに、板バネ40により無駄な方向の揺れが少なく、同方向に安定して強い振動を広範囲に伝えることができる。振動体26は、モータ32が振動ケース体28と一体的に設けられ、モータ32の振動が確実に効率よく振動ケース体28に伝わると共に、重り36の偏心による振動で容易に壊れてしまうこともない。また、電源ケース体用キャップ18により高い防水性を有し、地中に埋めた時に砂や水が浸入せず、安全である。
【0031】
なお、この発明の有害動物忌避装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、筒状本体や振動体の形状や大きさ、素材は任意に決定できるものであり、例えば、筒状本体を円筒形に形成し、振動体を多角形に形成しても効果的に振動させることができ、筒状本体を多角形にしても良い。振動源は、モータと重り以外でも良い。板バネを固定する位置は、筒状本体用キャップ部以外に、筒状本体又は電源ケース体でも良い。
【符号の説明】
【0032】
10 有害動物忌避装置
12 筒状本体
12c 内側空間
14 筒状本体用キャップ部
16 電源ケース体
16c 内側空間
20 スイッチ
22 電源
26 振動体
28 振動ケース体
28a 下端部
28b 上端部
32 モータ
34 回転軸
36 重り
40 板バネ
40a,40b 端部
42 鍔部
44 地面