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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120399
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】車体構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 21/15 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
B62D21/15 C
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027165
(22)【出願日】2023-02-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-08-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】安孫子 優大
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 憲
(72)【発明者】
【氏名】近藤 武宏
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 達哉
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BA06
3D203BA12
3D203CA33
3D203CA40
(57)【要約】
【課題】オフセット衝突時に生じる車両の回転を抑制することができる車体構造を提供する。
【解決手段】前後方向に沿って延在するサイドフレーム1と、サイドフレーム1よりも車幅方向外側に位置しつつ、前後方向に延在するロアメンバ4と、を備える。また、ロアメンバ4は、前後方向に車室から離れるにしたがってサイドフレーム1に内側傾斜部4aが接近し、車室から最も離れた突端部であるロア突端部4bをサイドフレーム1に連結する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に沿って延在するサイドフレームと、
該サイドフレームよりも車幅方向外側に位置しつつ、前後方向に延在するロアメンバと、
を備え、
該ロアメンバは、
車室から離れて位置する突端部の車幅方向の寸法が、
前後方向について、突端側よりも車室側が大きく設定された
ことを特徴とする車体構造。
【請求項2】
前後方向に沿って延在するサイドフレームと、
該サイドフレームよりも車幅方向外側に位置しつつ、前後方向に延在するロアメンバと、
を備え、
該ロアメンバは、
前後方向に車室から離れるにしたがって該サイドフレームに接近し、車室から離れて位置する突端部が該サイドフレームに連結された
ことを特徴とする車体構造。
【請求項3】
請求項1、または請求項2に記載の車体構造であって、
前記ロアメンバは、
車幅方向に面しつつ、突端部から前後方向に沿って突出するフランジ部を備え、
該フランジ部を介して前記サイドフレームに連結された
ことを特徴とする車体構造。
【請求項4】
請求項1、または請求項2に記載の車体構造であって、
前記ロアメンバは、
オフセット衝突によって該ロアメンバの突端部が車室側へ移動した際に、前記サイドフレームの車幅方向外側側面に当接する荷重伝達部材を備える
ことを特徴とする車体構造。
【請求項5】
請求項3に記載の車体構造であって、
前記フランジ部は、
車幅方向に凹凸しつつ、前後方向に延びるビードを備える
ことを特徴とする車体構造。
【請求項6】
請求項1、または請求項2に記載の車体構造であって、
前記サイドフレームは、
突端に、前記ロアメンバと前後方向に重なりつつ、車幅方向に沿って延在するバンパビームを備え、
該バンパビームは、
前記サイドフレームよりも外側の部位の剛性が、外側へ行くにしたがって低く設定された
ことを特徴とする車体構造。
【請求項7】
請求項6に記載の車体構造であって、
前記バンパビームは、
前記サイドフレームよりも車幅方向外側の部位の前後方向の寸法が、外側へ行くにしたがって小さく設定された
ことを特徴とする車体構造。
【請求項8】
請求項1、または請求項2に記載の車体構造であって、
前記サイドフレームの下方に位置し、サイドフレームに固定されるサブフレームを備え、
前記ロアメンバは、
突端部が該サブフレームに固定された
ことを特徴とする車体構造。
【請求項9】
請求項3に記載の車体構造であって、
前記フランジ部は、
車室から離れる方向へ突出する切片からなる延切片を備え、
該延切片が、
前記サイドフレームの車幅方向外側側面に連結された
ことを特徴とする車体構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体下面を構成するアンダーカバーを備えた車両下部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも高齢者や障がい者や子供といった脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが、活発化している。
この実現に向けて衝突安全性能に関する開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。
このような取り組みの中で、車両衝突時におけるダッシュパネルの後退量を低減することが検討されている。
たとえば、特許文献1では、上下に配置され、共に前方へ延在するフロントサイドフレームの前端と連結部材の前端とを、面部を介して接続する構成が提案されている。
また、特許文献1に提案された構成では、面部の前面にクラッシュカンが配置されている。
そして、車両前突時には、クラッシュカンにより吸収出来ない荷重が、面部にてフロントサイドフレームと連結部材とに伝達され、フロントサイドフレームと連結部材とが潰れることで、荷重を吸収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-231435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に提案された車体構造では、各部材が前後方向に潰れることで衝撃を吸収する構成のため、オフセット衝突した場合には、衝突物に向かって車両が回転するように、慣性モーメントが作用する。
つまり、特許文献1で提案された構成は、衝突安全性能の更なる向上を図るの中で、改善の余地が残された技術であるといえる。
【0005】
本発明は、前述の点に鑑みてなされたものであり、オフセット衝突時の車両の回転を抑制することができる車体構造を提供することを目的とする。
そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明に係る車体構造は、前後方向に沿って延在するサイドフレームと、該サイドフレームよりも車幅方向外側に位置しつつ、前後方向に延在するロアメンバと、を備え、該ロアメンバは、前後方向に車室から離れるにしたがって該サイドフレームに接近し、車室から離れて位置する突端部が該サイドフレームに連結されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、オフセット衝突時の車両の回転を抑制することができる車体構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の車体構造を示す平面図である。
図2】本実施形態の車体構造を示す底面図である。
図3】本実施形態の車体構造を示す側面図である。
図4】クロスメンバをサイドフレームに固定する様子を示す要部拡大図である。
図5】サブフレームをサイドフレームに固定する様子を示す要部拡大図である。
図6】ロア突端部をサイドフレームに固定する様子を示す要部拡大図である。
図7】荷重伝達手段を示す要部拡大図である。
図8】荷重伝達手段を示す要部拡大図である。
図9】衝突前の車体構造を示す平面図である。
図10】衝突開始直後の車体構造を示す平面図である。
図11】衝突途中の車体構造を示す平面図である。
図12】別態様におけるロア突端部をサイドフレームに固定する様子を示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態の車体構造Sについて、図1~11を参照して詳細に説明する。
なお、説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
また、以下の説明においては、「前」「後」、「上」「下」、「内」「外」については、特別に断らない限り、車両前後方向における「前」「後」、車両上下方向における「上」「下」、車内側と車外側における「内」「外」を指すものとする。
【0010】
車両には、エンジンルームと呼ばれ、車両の動力源となるエンジン(図示せず)、モータ(図示せず)などを収容する荷室CRが、車室(図示せず)の前方に設定されている。
そして、本実施形態の車体構造Sは、この荷室CRの構造部を構成している。
なお、車体構造Sは、車幅方向(左右方向)に線対称な形状に形成されている。
そこで、本実施形態では、左側の構成について、図を用いて説明し、右側の構成については省略する。
【0011】
本実施形態の車体構造Sは、サイドフレーム1、バンパビーム2、サブフレーム3、ロアメンバ4、荷重伝達手段5を備えている(図1~3参照)。
サイドフレーム1は、荷室CRの側部を前後方向に延びる左右一対の構造部材である。
サイドフレーム1は、前後方向に延びる角筒形状を有しており、筒壁が、角筒形状の径方向(車幅方向、および上下方向)に凹凸する波板で形成されている。
そして、サイドフレーム1は、衝突事故などによって、前後方向の衝撃荷重が入力された際に、筒壁の波板部分が潰れて、衝撃荷重を吸収する。
【0012】
また、左右のサイドフレーム1は、クロスメンバ6で連結されている(図1~3参照)。
さらに、サイドフレーム1は、その前端(突端)に、エクステンション7を備えており、エクステンション7を介して、バンパビーム2に連結されている。
エクステンション7は、車両衝突時の衝撃を吸収するための構成である。
エクステンション7は、設定値以上の衝撃荷重が入力されることで、サイドフレーム1が潰れる前に圧潰して、衝撃を吸収する。
【0013】
クロスメンバ6は、サイドフレーム1の車幅方向の剛性を高めるとともに、一方のサイドフレーム1に入力された車幅方向の荷重を他方のサイドフレーム1に伝達するための構成である。
クロスメンバ6は、断面が長方形の角筒形状を有している。
クロスメンバ6は、車幅方向に沿って延在し、両端部のそれぞれが、各サイドフレーム1の上面に連結、固定されている。
【0014】
各サイドフレーム1は、サイドフレーム本体11、サイドフレーム蓋体12によって、断面略角筒形状に形成されている(図1~5参照)。
サイドフレーム本体11は、ハット形状の断面を有した長尺の部材である。
サイドフレーム本体11は、ハット形状の溝部分が、車幅方向外側に向かって開口するように設置されている。
サイドフレーム本体11は、ハット形状の縁部分が、サイドフレーム蓋体12との接合部に設定されている。
【0015】
サイドフレーム蓋体12は、断面がサイドフレーム本体11よりも溝部分が浅いハット形状を有した長尺の部材である。
サイドフレーム蓋体12は、ハット形状の溝部分が、車幅方向内側に向かって開口するように設置されている。
サイドフレーム蓋体12は、ハット形状の縁部分が、サイドフレーム本体11との接合部に設定されている。
そして、サイドフレーム蓋体12の縁部分とサイドフレーム本体11の縁部分とを、スポット溶接などによって接合することで、サイドフレーム1の断面略角筒形状は形成されている。
【0016】
サイドフレーム本体11、およびサイドフレーム蓋体12のそれぞれのハット形状の溝部分と縁部分とには、筒壁の波板形状を構成するサイドフレームビード13が形成されている。
サイドフレームビード13は、サイドフレーム1の筒壁の表面を凹凸し、周方向に延在している。
サイドフレームビード13は、前後方向に、所定の間隔を開けて、複数形成されている。
サイドフレームビード13は、上下方向、および車幅方向に沿って延在し、サイドフレーム本体11が、衝撃荷重によって圧潰する際の起点となる。
【0017】
バンパビーム2は、荷室CRの前端部に位置し、両エクステンション7をかけ渡すように車幅方向に沿って延在する構造部材である(図1、2参照)。
つまり、バンパビーム2は、エクステンション7を介して、両サイドフレーム1の突端に設置されている。
バンパビーム2は、中央部21、張り出し部22を備えている。
【0018】
中央部21は、両サイドフレーム1の間に挟まれた部位である。
張り出し部22は、各サイドフレーム1よりも車幅方向外側に向かって張り出した部位で、エクステンション7に支えられた片持ち梁となっている。
張り出し部22は、車幅方向外側へ行くにしたがって、前後方向に沿った寸法(張り出し前後寸法L22)が、小さくなるように設定されている。
つまり、張り出し部22は、車幅方向外側へ行くにしたがって、剛性が低くなるように設定されている。
張り出し部22は、車両を正面から見て、ロアメンバ4のロア突端部4b(突端部)と前後方向に重なるように中央部21からの張り出し量が設定されている。
【0019】
サブフレーム3は、サイドフレーム1の下方に位置する構造部材である(図2、3、5参照)。
サブフレーム3は、サブフレーム本体31、サブクロスメンバ32を備えている。
サブフレーム本体31は、サイドフレーム1の下方に位置しつつ、両サイドフレーム1の間に配置されている。
サブフレーム本体31は、前後方向に沿って、車室側から前方(車室から離れる方向)に向かって延在する左右一対のサブフレームアーム33を備えている。
【0020】
サブクロスメンバ32は、平面視にて、クロスメンバ6と重なりつつ、車幅方向に沿って延在し、両サブフレームアーム33の前端部を連結している。
また、サブクロスメンバ32は、平面視にて、サイドフレーム1と重なる部位で、サイドフレーム1の下面に、サイドフレーム1との間に所定の間隔を空けて連結、固定されている。
【0021】
サブクロスメンバ32(サブフレーム3)をサイドフレーム1に固定するためのサブフレーム固定手段34は、スタッドボルト34a、カラー34b、ナット34cで構成されている。
スタッドボルト34aは、サブクロスメンバ32から上方へ突出する雄ネジである。
カラー34bは、スタッドボルト34aが挿通可能な円筒状の部材である。
【0022】
カラー34bをスタッドボルト34aに装着することで、サブフレーム3をサイドフレーム1に固定した際のサブフレーム3とサイドフレーム1との間の間隔が、所定の寸法に規定される。
スタッドボルト34aは、サイドフレーム1の下壁11aを貫通した上端部にナット34cが螺着され、サイドフレーム1に締結されている。
また、スタッドボルト34aの位置は、カラー34bの前縁部、およびナット34cの前縁部の前後方向の位置が、クロスメンバ6の前縁部の前後方向の位置と同じになるように設定されている。
このような構成とすることで、サイドフレーム全体として、圧潰しない部位に荷重が掛かるタイミングを一致させている。
なお、サブフレーム固定手段34は、その一部分がクロスメンバ6と上下方向に重なっていれば、サイドフレーム全体として、圧潰しない部位に荷重が掛かるタイミングを一致させることができる。
そして、本実施形態のように、カラー34bの前縁部、およびナット34cの前縁部が、クロスメンバ6の前端と上下方向に重なるように配置することで、一部分が重なる場合よりも高い効果を得ることができる。
【0023】
また、サブクロスメンバ32は、サイドフレーム1よりも車幅方向外側で、前方に湾曲している。
これによって、サブクロスメンバ32は、平面視にて前方に開口する略U字形状を形成している。
そして、サブクロスメンバ32は、前方に湾曲した部位を構成するサブクロス前端部32aが、ロアメンバ4の前端部に連結、固定されている。
【0024】
ロアメンバ4は、サイドフレーム1、およびサブフレーム3よりも車幅方向外側に配置された構造部材である(図1~8参照)。
また、ロアメンバ4は、側面視にて、前後方向に沿って、荷室CRの後側上方から前側下方に向かって、タイヤハウス(図示せず)の形状に倣って湾曲しつつ、延在している。
ロアメンバ4は、平面視にて、前輪のサスペンション固定部SUSの前側で車幅方向内側(車幅方向中心側)へ屈曲し、サイドフレーム1へ直線的に接近している。
なお、サイドフレーム1へ直線的に接近するロアメンバ4の部位を内側傾斜部4aと称する。
また、ロアメンバ4は、車室から離れて位置し、その前端部を構成するロア突端部4b(突端部)が、サイドフレーム1、およびサブフレーム3に連結されている。
【0025】
ロア突端部4bは、ロア内板41、ロア外板42を備え、中空に構成されている。
ロア突端部4bは、ロア内板41とロア外板42とで、前方に突な断面三角形の有底な角筒形状を有している。
つまり、ロア突端部4bは、その車幅方向の寸法が、前後方向について、前端側(突端側)よりも後端側(車室側)が大きくなるように設定されている。
ロア内板41は、ロア突端部4bの内側側面4b1、後面4b2、および底面4b3を構成している。
ロア内板41は、その前縁部にロア前内フランジ41aを備え、その後縁部にロア後内フランジ41bを備えている。
【0026】
ロア外板42は、ロア突端部4bの外側側面4b4を構成している。
ロア外板42は、その前縁部にロア前外フランジ42aを備え、その後縁部にロア後外フランジ42bを備えている。
そして、ロア前内フランジ41aと、ロア前外フランジ42aとを接合し、ロア後内フランジ41bと、ロア後外フランジ42bとを接合することで、ロア突端部4bが形成されている。
また、ロア前内フランジ41aと、ロア前外フランジ42aとを接合することで、ロア前フランジ45(フランジ)が構成されている。
【0027】
ロア前フランジ45には、フランジビード46が形成されている。
フランジビード46は、ロア前内フランジ41aとロア前外フランジ42aとのそれぞれに形成されており、車幅方向に凹凸しつつ、前後方向に延びている。
ロア突端部4bをサブクロスメンバ32のサブクロス前端部32aに連結、固定するためのロア・サブ固定手段43は、ロアナット43a、前端ボルト43bで構成されている。
また、ロア突端部4bをサイドフレーム1に連結、固定するためのロア・サイド固定手段44は、サイドフレームブラケット14、延切片44aで構成されている。
【0028】
ロアナット43aは、ロア突端部4b内部におけるロア内板41の底面4b3に設置されている。
前端ボルト43bは、サブクロス前端部32aを下から上へ貫通している。
前端ボルト43bをロアナット43aに螺着することで、ロア突端部4bがサブクロス前端部32aに連結、固定される。
【0029】
延切片44aは、ロア前フランジ45を構成するロア前内フランジ41aの下側前縁部分から前方に延出する切片である。
つまり、延切片44aは、ロア前フランジ45を構成している。
サイドフレームブラケット14は、エクステンション7の後端部をサイドフレーム1の前端部に連結するための構成である。
延切片44aをサイドフレームブラケット14の外側面(ブラケット側面14a)に接合することで、ロア突端部4bがサイドフレーム1に連結、固定される。
つまり、ロアメンバ4は、サイドフレームブラケット14を介して、サイドフレーム1に連結されている。
【0030】
荷重伝達手段5は、オフセット衝突時に、ロア突端部4bに入力された荷重をサイドフレーム1へ効果的に伝達するための構成である(図3~8参照)。
荷重伝達手段5は、ロアバルクヘッド51、荷重伝達部材52、荷重受部53、サイドバルクヘッド54を備えている。
【0031】
ロアバルクヘッド51は、ロア突端部4bの中空空間内に配置された補強部材である。
ロアバルクヘッド51は、ロア突端部4bが、衝突によって後退するバンパビーム2に押されて前後方向に潰れることを抑制する。
そして、ロアバルクヘッド51は、バンパビーム2から入力された衝撃荷重を荷重伝達部材52へ伝達する。
ロアバルクヘッド51は、一対のロア耐力壁51a、ロア連結体51bを備えている。
【0032】
一対のロア耐力壁51a(ロア上方耐力壁51c、ロア下方耐力壁51d)は、それぞれが上下方向に面しつつ、略平行に対向配置されている。
一対のロア耐力壁51aは、それぞれがロア突端部4bの内側側面4b1に、ロア内側接合片51eを介して、接合、固定されている。
また、一対のロア耐力壁51aは、それぞれがロア突端部4bの後面4b2に、ロア後側接合片51fを介して、接合、固定されている。
ロア連結体51bは、ロア外板42の板面に面しつつ、略H字形状を有し、各ロア耐力壁51aの車幅方向外側縁部を連結している。
そして、ロア連結体51bは、ロア突端部4bの外側側面4b4に当接している。
つまり、各ロア耐力壁51aは、外側縁部がロア連結体51bを介して、ロア突端部4bの外側側面4b4に当接している。
【0033】
荷重伝達部材52は、ロア突端部4bがバンパビーム2に押されて後退し、車室側へ移動した際に、ロア突端部4bに入力された衝突荷重をサイドフレーム1の車幅方向外側の側面へ効果的に伝達するための構成である(図3~8参照)。
荷重伝達部材52は、ロア突端部4bの後面4b2に、後方に向かって突出した状態で設置されている。
つまり、荷重伝達部材52は、平面視にて、底辺がロア突端部4bの後面4b2に重なり、後方(車室側)に突な中空の三角柱形状を有している。
【0034】
そして、このような構成とするため、荷重伝達部材52は、ロアメンバ4と別部材で構成されている。
荷重伝達部材52は、伝達部材内壁52a、伝達部材本体52bを備えている。
伝達部材内壁52aは、車幅方向に面した板状部材からなり、上下方向の寸法(内壁上下寸法L52a)が、荷重受部53の上下方向の寸法(受部上下寸法L531)と同様に設定されている。
【0035】
また、伝達部材内壁52aは、前端部が、ロア突端部4bの内壁に固定され、後端側がロア突端部4bから後方(車室側)へ張り出している。
そして、伝達部材内壁52aの後端部が、車幅方向外側へ湾曲している。
さらに、伝達部材内壁52aには、車幅方向に凹凸し、前後方向に沿って延びる内壁ビード(図示せず)が形成されている。
【0036】
伝達部材本体52bは、板状部材にプレス加工、および曲げ加工などの加工を施すことで、溝壁が三角形のコ字溝形状を有している。
伝達部材本体52bは、溝壁が上下方向に面しつつ、コ字溝が車幅方向内側の斜め前方に開口するように配置されている。
伝達部材本体52bは、上方の三角形の溝壁を構成する伝達上方壁52c、下方の三角形の溝壁を構成する伝達下方壁(図示せず)、溝底を構成する伝達壁連結体52eでコ字溝形状が形成されている。
【0037】
伝達上方壁52cは、ロア上方耐力壁51cの延長線上に配置されている。
伝達上方壁52cは、前後方向に沿った側縁部から上方へ延在する伝達上方接合片52fを介して、伝達部材内壁52aに接合されている。
また、伝達上方壁52cは、車幅方向に沿った前縁部から上方へ延在する上方前側接合片52gを介して、ロア突端部4bの後面4b2に接合されている。
【0038】
伝達下方壁(図示せず)は、ロア下方耐力壁51dの延長線上に配置されている。
伝達下方壁は、前後方向に沿った縁部から下方へ延在する伝達下方接合片52hを介して、伝達部材内壁52aに接合されている。
また、伝達下方壁は、車幅方向に沿った前縁部から下方へ延在する下方前側接合片(図示せず)を介して、ロア突端部4bの後面4b2に接合されている。
【0039】
伝達壁連結体52eは、その前縁部から車幅方向外側へ延在する伝達前側接合片52jを介して、ロア突端部4bの後面4b2に接合されている。
また、伝達壁連結体52eには、板面を凹凸しつつ、溝の方向に沿ったビード(連結体ビード52k)が形成されている。
つまり、伝達部材本体52bは、その上下方向の寸法(本体上下寸法L52b)が、荷重受部53の上下方向の寸法(受部上下寸法L531)よりも小さく設定されている。
【0040】
荷重受部53は、衝突によって、ロア突端部4bが後退した際に、荷重伝達部材52とともに、ロア突端部4bに入力された衝突荷重をサイドフレーム1の車幅方向外側の側面へ効果的に伝達するための構成である(図3~8参照)。
荷重受部53は、サイドフレーム蓋体12の車幅方向外側の面から車幅方向外側に向かって突出している。
荷重受部53は、前端が車幅方向外側へ最も突出し、後方に行くにしたがってサイドフレーム蓋体12からの突出量が小さくなっている。
なお、本実施形態の荷重受部53は、サイドフレーム蓋体12とは別部材で構成されており、板状部材にプレス加工、および曲げ加工などの加工を施すことで、くさび状の形状に成形されている。
【0041】
荷重受部53は、受部上壁53a、受部下壁(図示せず)、受部傾斜壁53c、受部前壁53dで構成されている。
受部上壁53aは、上下方向に面した上方の三角壁を構成している。
受部下壁(図示せず)は、上下方向に面した下方の三角壁を構成している。
受部傾斜壁53cは、受部上壁53aの外側縁部と受部下壁の外側縁部とを連結している。
【0042】
受部前壁53dは、荷重受部53の前面(前後方向における車室から離れた側の端部)を構成し、受部上壁53aの前側縁部、受部下壁の前側縁部、および受部傾斜壁53cの前側縁部を連結している。
受部前壁53dは、前後方向に面しつつ、クロスメンバ6の前面の延長上に位置するように配置されている。
また、受部前壁53dは、伝達部材内壁52aの板面の延長線上に位置するように配置されている。
受部前壁53dは、車両を正面から見て、荷重伝達部材52の後端部が重なるように配置されている。
【0043】
また、荷重受部53は、受部上方接合片53e、受部下方接合片53f、受部前側接合片53g、受部後側接合片53hを介して、サイドフレーム蓋体12の車幅方向外側の面に接合されている。
受部上方接合片53eは、荷重受部53の上側の接合部として、受部上壁53aの内側縁部からサイドフレーム蓋体12の外面に沿いつつ、上方へ延在している。
つまり、受部上方接合片53eは、荷重受部53の上縁部から上方へ延在している。
受部下方接合片53fは、荷重受部53の下側の接合部として、受部下壁の内側縁部からサイドフレーム蓋体12の外面に沿いつつ、下方へ延在している。
つまり、受部下方接合片53fは、荷重受部53の下縁部から下方へ延在している。
【0044】
受部前側接合片53gは、荷重受部53の前側の接合部として、受部前壁53dの内側縁部からサイドフレーム蓋体12の外面に沿いつつ、前方へ延在している。
つまり、受部前側接合片53gは、荷重受部53の前縁部から前側へ延在している。
受部後側接合片53hは、荷重受部53の後側の接合部として、受部傾斜壁53cの後側縁部からサイドフレーム蓋体12の外面に沿いつつ、後方へ延在している。
つまり、受部後側接合片53hは、荷重受部53の後縁部から後側へ延在している。
また、受部傾斜壁53cには、板面を凹凸しつつ、前後方向に沿ったビード(受部ビード53i)が、プレス加工によって形成されている。
【0045】
荷重受部53は、荷重受部53は、荷重伝達部材52の後方に位置しつつ、車両正面から見て、荷重伝達部材52に重なるように、配置されている。
また、荷重受部53は、突出寸法(以下、受部突出寸法L532と称する)よりも前後寸法(以下、受部前後寸法L533と称する)の方が大きくなるように設定されている。
なお、受部突出寸法L532は、荷重受部53の前端部の車幅方向外側へ突出する寸法であり、受部前壁53dの車幅方向に沿った寸法である。
受部前後寸法L533は、荷重受部53の前端部から後端部までの寸法であり、受部前側接合片53g、および受部後側接合片53hの前後方向に沿った寸法である。
【0046】
そして、受部前後寸法L533は、クロスメンバ6前後方向の寸法(以下、クロス幅寸法L6と称する)と同様に設定されている。
つまり、荷重受部53は、前後方向において、その前縁が、クロスメンバ6の前縁と前後方向に一致しつつ、その後縁が、クロスメンバ6の後縁と一致するように配置されている。
また、受部突出寸法L532は、衝突などによって、伝達部材内壁52aが後退した際に、伝達部材内壁52aが受部前壁53dの壁面に突き当たり可能な突出量に設定されている。
【0047】
サイドバルクヘッド54は、サイドフレーム1の車幅方向への潰れを抑制しつつ、サイドフレーム1に入力される車幅方向の荷重をクロスメンバ6に効率的に伝達するための構成である(図4参照)。
サイドバルクヘッド54は、サイドフレーム1におけるクロスメンバ6が設置された部位の筒内部に配置されている。
サイドバルクヘッド54は、サイド前側耐力壁54a、サイド後側耐力壁54b、サイド連結体54cを備えている。
【0048】
サイド前側耐力壁54aはスタッドボルト34aの後縁に、前後方向に面してサイドフレーム1の内部を横切るように、配置されている。
また、サイド前側耐力壁54aは、車幅方向外側部がスタッドボルト34aを巻き込むようにして、前側へ湾曲し、延在している。
サイド前側耐力壁54aは、下縁部がサイド下側接合片54dを介して、サイドフレーム本体11の下壁に接合されている。
【0049】
サイド後側耐力壁54bは、クロスメンバの後縁の前後方向の位置と同じ位置に、前後方向に面してサイドフレーム1の内部を横切るように配置されている。
サイド後側耐力壁54bは、下縁部がサイド下側接合片54dを介して、サイドフレーム本体11の下壁に接合されている。
サイド連結体54cは、サイド前側耐力壁54aの内側縁部と、サイド後側耐力壁54bの内側縁部とを連結しつつ、サイドフレーム本体11の溝底部に接合されている。
つまり、サイドバルクヘッド54は、サイド前側耐力壁54a、サイド後側耐力壁54bとサイド連結体54cとで、平面視にて、略U字形状を形成している。
【0050】
次に、衝突対象BRが車両の左前部にオフセット衝突した際に、本実施形態の車体構造Sが、どのように機能するかについて説明する(図9~11参照)。
まず、車両が衝突対象BRにオフセット衝突すると、エクステンション7が潰れつつ、バンパビーム2の張り出し部22が後退する(図9、10参照)。
張り出し部22が後退する際に、ロアメンバ4のロア突端部4bを後方へ押す。
【0051】
ロア突端部4bは、ロアバルクヘッド51によって、潰れが抑制されつつ、後方へ移動する。
さらに衝突が進むと、サイドフレーム1の前端部が潰れる(図11参照)。
張り出し部22が、潰れ、変形して、ロア突端部4b、およびロアメンバ4の内側傾斜部4aの前面に乗り上げつつ、さらに後方へ押される。
【0052】
ロア突端部4bが、潰れずに、さらに後方へ押されることで、荷重伝達部材52と荷重受部53とが係合し、荷重伝達部材52に伝わった衝突荷重は、荷重受部53に伝わる。
そして、衝撃荷重は、サイドフレーム1に伝達されるとともに、荷重受部53からサイドバルクヘッド54、クロスメンバ6、サブクロスメンバ32を介して、車両右側のサイドフレーム1へ伝わり、荷室CRの右側へ分散される。
さらに衝突が進むと、衝突対象BRが内側傾斜部4aの前面を移動するように、車両が車幅方向右側へ押されつつ、前進する。
【0053】
そして、車両を車幅方向右側へ押す力は、ロア突端部4bから、サイドフレーム1、クロスメンバ6、サブクロスメンバ32を介して、車両右側のサイドフレーム1へ伝わる。
つまり、車幅方向への潰れは抑制され、車両は、衝突対象BRとすれ違うようにして、前進を続ける。
これに対して、従来の車体構造では、オフセット衝突した際に、衝突対象BRに衝突しない車両右側は、勢いが低減されずにそのままのため、車両が衝突対象BRへ向かっていくように回転してしまう。
【0054】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の車体構造Sは、ロアメンバ4について、ロア突端部4b(突端部)の車幅方向の寸法が、前後方向について、前端側(突端側)よりも後端側(車室側)が大きな先細形状に設定されている。
このような構成とすることで、オフセット衝突の衝突開始直後から、衝突対象と車両とが車幅方向に離れる方向の荷重を発生させることができる。
これによって、オフセット衝突時に、車両が衝突対象BRへ向かっていくように回転することを抑制し、衝突対象BRとすれ違うように車幅方向へ移動することができる。
【0055】
また、本実施形態の車体構造Sでは、ロアメンバ4について、車室から前方へ離れるにしたがって車幅方向の中心に接近する内側傾斜部4aが設けられている。
また、ロアメンバ4において、車室から最も離れたロア突端部4bがサイドフレーム1に連結されている。
このような構成とすることで、オフセット衝突によって、衝突対象が内側傾斜部4aに衝突した際に、車幅方向について、衝突対象から離れる方向の荷重を車両に作用させることができる。
これによって、オフセット衝突時に、車両が衝突対象BRへ向かっていくように回転することを抑制し、衝突対象BRとすれ違うように車幅方向へ移動することができる。
【0056】
また、本実施形態の車体構造Sは、ロアメンバ4について、ロア突端部4bのロア前フランジ45(フランジ)を構成する延切片44aを介して、サイドフレーム1に連結されている。
これによって、オフセット衝突時におけるロア突端部4b、および内側傾斜部4aの変形が安定するため、車両の横移動を効果的に促すことができる。
また、このような構成とすることで、ロアメンバ4とサイドフレーム1との連結部分における車体構造Sの車幅方向の寸法を、ロアメンバ4とサイドフレーム1とを直接連結した場合より小さくすることができる。
これによって、内側傾斜部4aの傾斜部分を車幅方向内側へ広げることが可能になるため、オフセット衝突時の衝突荷重を車幅方向内側への荷重に変換し易くすることができる。
【0057】
また、本実施形態の車体構造Sは、ロアメンバ4について、ロア突端部4bの後面4b2に荷重伝達部材52が設けられている。そして、オフセット衝突によってロア突端部4bが後退(車室側へ移動)した際に、荷重伝達部材52が、サイドフレーム1の車幅方向外側側面に設けられた荷重受部53に当接、係合する。
これによって、ロア突端部4bからの荷重受部53に伝えられた荷重をより効率的に車幅方向の荷重に変換することができる。
【0058】
また、本実施形態の車体構造Sは、ロア前フランジ45にフランジビード46が設けられている。
このような構成とすることで、ロアメンバ4とサイドフレーム1との連結部分における前後方向の剛性がより高められるため、オフセット衝突開始直後におけるロア突端部4bの破損を抑制することができる。
これによって、ロア突端部4bからの荷重受部53に伝えられた荷重をより効率的に車幅方向の荷重に変換することができる。
【0059】
また、本実施形態の車体構造Sは、バンパビーム2について、張り出し部22の剛性が、車幅方向外側へ行くほど小さくなるように設定されている。
このように構成することで、オフセット衝突によって、張り出し部22は、潰れながら内側傾斜部4aの傾斜に沿うように変形する。
これによって、衝突が経過する中で、衝突対象BRのバンパビーム2からロアメンバ4への移動をよりスムーズに行うことができる。
【0060】
また、本実施形態の車体構造Sは、張り出し部22について、車幅方向外側へ行くにしたがって張り出し前後寸法L22を小さくすることで、張り出し部22の剛性を外側へ行くほど小さくなるように設定されている。
これによって、衝突が経過する中で、衝突対象BRがバンパビーム2からロアメンバ4へ移動する際の段差を小さくすることができる。
【0061】
また、本実施形態の車体構造Sは、ロアメンバ4について、ロア突端部4bがサブフレーム3に固定されている。
これによって、内側傾斜部4aの剛性が高まり、オフセット衝突が安定して進むため、衝突荷重を車幅方向内側への荷重に効率よく変換することができる。
【0062】
また、本実施形態の車体構造Sは、ロア前フランジ45(フランジ部)を構成するロア前内フランジ41aの下側前縁部分から前方(車室から離れる方向)に延出する延切片44aを備えている。
そして、延切片44aをサイドフレームブラケット14のブラケット側面14aに接合することで、ロア突端部4bがサイドフレーム1の車幅方向外側側面に連結されている。
このような構成とすることで、ロア突端部4bが、サイドフレーム1に直接固定されない構成とすることができる。
これによって、サイドフレーム1の剛性の影響を受けることなく、ロアメンバ4側の変形を行うことができるため、モードコントロールがしやすい。
【0063】
また、延切片44aをブラケット側面14aに固定するため、前後方向で固定する場合に比べて車幅方向の幅を狭くすることができる。
さらに、延切片44aが介在することで、前後方向の長さがより長くなるため、衝突開始からロア突端部4bに到達するまでのストロークが大きくすることができる。
これによって、前端側(突端側)よりも後端側(車室側)が大きな先細形状に設定することで得られる効果をより効果的に奏することができる。
【0064】
なお、本実施形態の車体構造Sは、車室の前側に設定された荷室CRを構成しているが、このような形態に限定するものではない。
たとえば、車室CRの後方に設定される荷室(図示せず)を構成する車体構造に適用することが可能である。
この場合は、車両前後方向の前側と後側とをそれぞれ言い換えることで実施が可能であり、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0065】
次に、ロア突端部4bの別態様について説明する(図12参照)。
なお、説明において、前述の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本別態様のロア突端部4bは、前述の実施形態と比較して、ロア前フランジ45が、延切片44aを備えていない点が異なる。
つまり、ロア前フランジ45が、延切片44aを介さずに、サイドフレームブラケット14のブラケット側面14aに連結されている。
このような構成とした場合にも前述の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0066】
S 車体構造
1 サイドフレーム
2 バンパビーム
3 サブフレーム
4 ロアメンバ
4a 内側傾斜部(サイドフレームに接近する部位)
4b ロア突端部(突端部)
45 ロア前フランジ(フランジ部)
46 フランジビード(ビード)
52 荷重伝達部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-05-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に沿って延在するサイドフレームと、
該サイドフレームよりも車幅方向外側に位置しつつ、前後方向に延在するロアメンバと、
を備え、
該ロアメンバは、
車室から離れて位置する突端部の車幅方向の寸法が、
前後方向について、突端側よりも車室側が大きく設定されつつ、
車幅方向に面しつつ、突端部から前後方向に沿って突出するフランジ部を備え、
該フランジ部を介して該サイドフレームに連結され、
該フランジ部は、
車室から離れる方向へ突出する切片からなる延切片を備え、
該延切片が、
該サイドフレームの車幅方向外側側面に連結された
ことを特徴とする車体構造。
【請求項2】
前後方向に沿って延在するサイドフレームと、
該サイドフレームよりも車幅方向外側に位置しつつ、前後方向に延在するロアメンバと、
を備え、
該ロアメンバは、
前後方向に車室から離れるにしたがって該サイドフレームに接近し、車室から離れて位置する突端部が該サイドフレームに連結され、且つ
車幅方向に面しつつ、突端部から前後方向に沿って突出するフランジ部を備え、
該フランジ部を介して該サイドフレームに連結され、
該フランジ部は、
車室から離れる方向へ突出する切片からなる延切片を備え、
該延切片が、
該サイドフレームの車幅方向外側側面に連結された
ことを特徴とする車体構造。
【請求項3】
請求項1、または請求項2に記載の車体構造であって、
前記ロアメンバは、
オフセット衝突によって該ロアメンバの突端部が車室側へ移動した際に、前記サイドフレームの車幅方向外側側面に当接する荷重伝達部材を備える
ことを特徴とする車体構造。
【請求項4】
請求項1、または請求項2に記載の車体構造であって、
前記フランジ部は、
車幅方向に凹凸しつつ、前後方向に延びるビードを備える
ことを特徴とする車体構造。
【請求項5】
請求項1、または請求項2に記載の車体構造であって、
前記サイドフレームは、
突端に、前記ロアメンバと前後方向に重なりつつ、車幅方向に沿って延在するバンパビームを備え、
該バンパビームは、
前記サイドフレームよりも外側の部位の剛性が、外側へ行くにしたがって低く設定された
ことを特徴とする車体構造。
【請求項6】
請求項5に記載の車体構造であって、
前記バンパビームは、
前記サイドフレームよりも車幅方向外側の部位の前後方向の寸法が、外側へ行くにしたがって小さく設定された
ことを特徴とする車体構造。
【請求項7】
請求項1、または請求項2に記載の車体構造であって、
前記サイドフレームの下方に位置し、サイドフレームに固定されるサブフレームを備え、
前記ロアメンバは、
突端部が該サブフレームに固定された
ことを特徴とする車体構造。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、車体構造に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明に係る車体構造は、前後方向に沿って延在するサイドフレームと、該サイドフレームよりも車幅方向外側に位置しつつ、前後方向に延在するロアメンバと、 を備え、該ロアメンバは、車室から離れて位置する突端部の車幅方向の寸法が、前後方向について、突端側よりも車室側が大きく設定されつつ、車幅方向に面しつつ、突端部から前後方向に沿って突出するフランジ部を備え、該フランジ部を介して該サイドフレームに連結され、該フランジ部は、車室から離れる方向へ突出する切片からなる延切片を備え、該延切片が、該サイドフレームの車幅方向外側側面に連結されたことを特徴とする。